特許第6859688号(P6859688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859688
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ボールねじ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/22 20060101AFI20210405BHJP
   F16H 25/24 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   F16H25/22 C
   F16H25/24 B
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-236905(P2016-236905)
(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公開番号】特開2018-91454(P2018-91454A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100108914
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 俊郎
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−001970(JP,A)
【文献】 特開2005−042797(JP,A)
【文献】 特開2009−150440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/22
F16H 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、
前記ねじ軸が内挿され、内周面に螺旋溝が形成された円筒体からなるナットであって、前記螺旋溝と前記ねじ軸の螺旋溝とで軌道が形成され、前記円筒体の径方向に貫通する円柱状の貫通穴を有するナットと、
前記軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路をS字状溝として有するコマであって、前記貫通穴をなす円柱よりも直径の小さい円柱体からなり、前記円柱体の二つの軸方向端面のうちの第一端面に、前記円柱体の外周部の少なくとも一部を欠く切欠き部が形成され、第二端面に前記S字状溝が形成されたコマと、
前記コマを前記貫通穴に固定する固定部品であって、前記第一端面を前記ナットの外周側に向けて前記貫通穴に挿入された前記コマの前記切欠き部に圧入されて、前記貫通穴を押圧する固定部品と、
前記軌道および前記戻し路に配置される複数のボールと、
を有し、
前記切欠き部は、前記円柱体の周方向全体に形成され、
前記軌道内で転動する前記ボールを介して、前記ねじ軸と前記ナットとが相対移動するボールねじ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、戻し路を形成する部品としてコマを有するボールねじに関する。
【背景技術】
【0002】
ボールねじは、ねじ軸とナットと複数のボールを有する。ねじ軸はナット内に配置されている。ねじ軸の螺旋溝とナットの螺旋溝とでボールの軌道が形成される。ナットは、ボールを軌道の終点から始点に戻す戻し路を備えている。ボールは、軌道と戻し路内とからなる循環路内に配置されている。ボールねじは、循環路を循環し軌道内で転動(負荷状態で回転しながら移動)するボールを介して、ねじ軸とナットとが相対移動する装置である。戻し路は、ナットにリターンチューブやコマを取り付けることで形成される。
戻し路を形成する部品としてコマを有するコマ式ボールねじでは、コマはナットを径方向に貫通する貫通穴内に取り付けられている。従来より、コマ式ボールねじにおいては、貫通内でのコマの位置を保持するために、例えば別部材を使ったり、カシメなどの作業を行って、貫通穴内にコマを固定している。また、作業時間やコストの低減を目的として、ナットの貫通穴に対するコマの取り付け構造に関する提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、コマを配置するナットの貫通穴のナット外周側に、貫通穴より大きな角形状の溝を設け、この溝にくさび部材を入れてコマを貫通穴に固定することが記載されている。コマの平面形状は、戻し路をなすS字状溝に対応した細長い長方形の長手方向両端が円弧状にされた形状である。
特許文献2には、円板状の本体と、その外周から突出する一対の突起とからなり、本体の円板面にS字状溝を有するコマが記載されている。一対の突起を嵌める一対の凹部が、ナットの貫通穴の周面の互いに対向する位置に形成されている。これらの突起と凹部による位置合わせでコマがナットの貫通穴に配置された後、ナットへの取り付け方向がコマとは異なる固定部品を用いて、コマが貫通穴に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭58−76851号公報
【特許文献2】特開2015−132369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コマ式ボールねじでは、コマのS字状溝とナットの螺旋溝との接続部に大きな段差が生じると、ボールがこの段差を通過する際に瞬間的にボールねじのトルクが上昇し、ボールねじがロックする可能性があるため、この段差を小さくする必要がある。現状では、コマおよびナットの加工精度を上げることで、この段差を小さくしている。つまり、現状のコマ式ボールねじは、コマの取付時にナットの貫通穴に対する位置調整を行って段差を小さくできる構造にはなっていない。
また、ボールねじの作動性に対する要求も高いため、この段差をより厳しく管理する必要がある。
【0006】
この発明の課題は、コマの取付時にナットの貫通穴に対する位置調整が行える構造のコマ式ボールねじを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の一態様のボールねじは、以下の構成(1) 〜(4) を有する。
(1) 外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ねじ軸が内挿され、内周面に螺旋溝が形成された円筒体からなるナットと、を有する。ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝とで軌道が形成されている。ナットは、円筒体の径方向に貫通する円柱状の貫通穴を有する。
(2) 軌道の終点と始点を接続して循環路を形成する戻し路をS字状溝として有するコマを有する。コマは、ナットの貫通穴をなす円柱よりも直径の小さい円柱体からなり、この円柱体の二つの軸方向端面のうちの第一端面に、円柱体の外周部の少なくとも一部を欠く切欠き部が形成され、第二端面にS字状溝が形成されている。
(3) コマをナットの貫通穴に固定する固定部品を有する。この固定部品は、第一端面をナットの外周側に向けて貫通穴に挿入されたコマの切欠き部に圧入されて、貫通穴を押圧する。
(4) 軌道および戻し路に配置される複数のボールを有する。軌道内で転動するボールを介して、ねじ軸とナットとが相対移動する。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様のボールねじによれば、円柱体からなるコマをナットの貫通穴内でナットの径方向に移動したり回転したりすることで、コマの取付時にナットの貫通穴に対する位置調整が行える。また、この位置調整で、コマのS字状溝とナットの螺旋溝との接続部の段差を小さくした状態で、コマがナットの貫通穴に固定部品で固定されることで、コマ式ボールねじの作動性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態のボールねじを説明する図であって、ナットの一部を破断してねじ軸およびボールを見せるとともに、ナットのコマが取り付けられた部分を断面にした図である。
図2】第一実施形態のボールねじを構成するコマの一例を各方向から見た図であって、(a)はナットの外周面側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向から見た図、(c)は(b)のc方向から見た図、(d)は(b)のd方向から見た図である。
図3】第一実施形態のボールねじを構成する固定部品を示す図であって、(a)はナットの外周面側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向から見た図である。
図4】第一実施形態のボールねじを構成するコマの一例を各方向から見た図であって、(a)はナットの外周面側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向から見た図、(c)は(b)のc方向から見た図、(d)は(b)のd方向から見た図である。
図5】第ニ実施形態のボールねじを説明する図であって、ナットの一部を破断してねじ軸およびボールを見せるとともに、ナットのコマが取り付けられた部分を断面にした図である。
図6】第ニ実施形態のボールねじを構成するコマの一例を各方向から見た図であって、(a)はナットの外周面側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向から見た図、(c)は(b)のc方向から見た図、(d)は(b)のd方向から見た図である。
図7】第ニ実施形態のボールねじを構成する固定部品を示す図であって、(a)はナットの外周面側に配置される面を示す図、(b)は(a)のb方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
【0011】
[第一実施形態]
図1に示すように、第一実施形態のボールねじは、ねじ軸1、ナット2、複数のボール3、および三個のコマ4を有する。また、一つのコマ4に対してそれぞれ二個の固定部品5を有する。ねじ軸1の外周面10とナット2の内周面20に、螺旋溝11,21が形成されている。ねじ軸1はナット2を貫通している。ナット2は、円筒部2Aの軸方向一端にフランジ部2Bを有する。ねじ軸1の螺旋溝11とナット2の螺旋溝21とにより、ボール3が転動する軌道が形成される。
ナット2の円筒部2Aは、径方向に貫通する円柱状の貫通穴22を有する。貫通穴22内にコマ4が挿入され、後述の方法により固定部品5を用いて固定されている。
【0012】
図2に示すように、コマ4は円柱体からなる。コマ4の直径は、ナット2の貫通穴22の直径よりも僅かに小さい。コマ4をなす円柱体の二つの軸方向端面のうちの第一端面(ナット2の外周側に配置される面)41に、一対の切欠き部42が形成されている。
切欠き部42は円柱体の外周部の一部が欠かれた部分であり、第一端面41と平行な底面42aと、対向する一対の壁面42bと、径方向で中心側の面である奥面42cを有する。壁面42bと奥面42cは第一端面41に対して垂直な面である。一対の切欠き部42は、円柱体の径方向で互いに反対側となる一対の円弧40の位置に形成されている。
コマ4の第二端面43は、ねじ軸1の外周面12と対向する円弧面になっている。第二端面43をなす円弧面の直径は、ねじ軸1の外径よりも大きく、ナット2の内径とほぼ同じである。第二端面43に、ボール3の戻し路をなすS字状溝44が形成されている。図2(c)にはボール3の移動経路30を一点鎖線で示す。
【0013】
図3に示すように、固定部品5は、ナット2の貫通穴22に接触させる円弧面50と、コマ4の切欠き部42の底面42aに接触させる下面51aと、切欠き部42の壁面42bに接触させる側面51bと、下面51aと平行な上面51dを有する。固定部品5の円弧面50の直径は、ナット2の貫通穴22の直径より少し大きい。固定部品5の側面51b間の距離d51は、コマ4の切欠き部42の壁面42b間の距離d41より少し大きい。固定部品5の下面51aと上面51dとの距離d52は、コマ4の切欠き部42の軸方向寸法d42と同じである。
【0014】
この実施形態において、コマ4は合成樹脂製であり、固定部品5はゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる。コマ4をなす合成樹脂としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、POM(ポリアセタール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、6ナイロン、4,6ナイロン、6,6ナイロン等が挙げられる。また、コマ4は、これらの合成樹脂にガラス繊維、チタン酸カリウム繊維等からなる強化材が混合された樹脂組成物で形成されていてもよい。
なお、コマ4は金属製でもよく、例えば、金属粉末射出成形法(MIM)により形成されたものであってもよい。使用するMIM用合金としては、例えば、Fe−Ni−C(1〜8%Ni、〜0.8%C)が挙げられる。
【0015】
ボール3は、軌道とコマ4のS字状溝(戻し路)44とからなる循環路内に配置されている。ボール3は、軌道内で負荷転動し循環路内を循環する。ボール3を介してねじ軸1とナット2が相対移動する。
ボールねじの組立の際には、先ず、例えば、ねじ軸1をナット2に内挿し、貫通穴22から軌道(螺旋溝11,21間)内にボール3を充填する。または、仮軸をナット2に内挿して螺旋溝21内にボール3を配置した後、仮軸を本軸であるねじ軸1に差し替えることで、軌道内にボール3を充填する。
【0016】
この状態で、コマ4を、第一端面41を上に向けてナット2の上側からナット2の貫通穴22に挿入する。これにより、コマ4の第一端面41がナット2の外周側に向き、第二端面43がねじ軸1と対向する。次に、貫通穴22内でコマ4をナット2の径方向に移動したりコマ4を回転したりすることで、ナット2の螺旋溝21とコマ4のS字状溝44との段差が小さくなるように調整する。
次に、二個の固定部品5を、貫通穴22内のコマ4の二個の切欠き部42に圧入する。その際に、固定部品5は、切欠き部42の底面42aに接触するまで軸方向に挿入され、壁面42bおよび奥面42cを押圧するとともに、 円弧面50で貫通穴22を押圧する。これにより、固定部品5の摩擦力でコマ4がナット2の貫通穴22に固定される。
【0017】
第一実施形態のボールねじによれば、上述のように、円柱体からなるコマ4をナット2の貫通穴22内で、ナット2の径方向に移動したり回転させたりすることで、コマ4の取付時に、コマ4のS字状溝44とナット2の螺旋溝21との接続部の段差が小さくなるような位置調整を行うことができる。その結果、コマ4のS字状溝44とナット2の螺旋溝21との接続部をボール3が通過する際に、瞬間的にボールねじのトルクが上昇することを防止できる。
また、第一実施形態のボールねじによる段差を小さくする対策は、コマおよびナットの加工精度を上げることで段差を小さくする現状の対策と比較して、製造コストが低い方法であると言える。
【0018】
図2のコマ4は、切欠き部42を二個有し、二個の固定部品5でナット2の貫通穴22に固定されている。このコマ4に代えて、図4に示すような、切欠き部42を一個だけ有するコマ4Aを用いてもよい。その場合には、コマ4Aを、コマ4と同様に、ナット2の貫通穴22に挿入して上述の調整を行った後に、一つの固定部品5をコマ4Aの切欠き部42に圧入することで、コマ4Aをナット2の貫通穴22に固定する。
【0019】
[第二実施形態]
図5に示すように、第二実施形態のボールねじは、図6に示すコマ4Bを図7に示す固定部品6を用いてナット2の貫通穴22に固定している。これ以外の点は第一実施形態のボールねじと同じである。
図6に示すように、コマ4Bは円柱体からなる。コマ4Bの直径は、ナット2の貫通穴22の直径よりも僅かに小さい。コマ4Bをなす円柱体の二つの軸方向端面のうちの第一端面(ナット2の外周側に配置される面)41に、切欠き部45が形成されている。
【0020】
切欠き部45は、円柱体の外周部の全体が欠かれた部分である。よって、切欠き部45は、第一端面41と平行な底面45aと、径方向で中心側の面である奥面45cを有するが、図2のコマ4の切欠き部42が有する壁面42bに対応する面を有さない。つまり、コマ4Bでは、切欠き部45が円柱体の周方向全体に形成されている。
コマ4Bの第二端面43は、ねじ軸1の外周面12と対向する円弧面になっている。第二端面43をなす円弧面の直径は、ねじ軸1の外径よりも大きく、ナット2の内径とほぼ同じである。第二端面43に、ボール3の戻し路をなすS字状溝44が形成されている。図6(c)にはボール3の移動経路30を一点鎖線で示す。
【0021】
また、コマ4Bの形状は、図6(b)(d)に示すように、円柱状の本体410と円板状の取付部420とが同軸に一体化された形状と言うこともできる。本体410は、ナット2の貫通穴22の直径よりも僅かに小さい円柱体からなる。取付部420の直径は本体410の直径よりも小さい。本体410と取付部420との境界に、切欠き部45の底面45aが環状に存在する。
【0022】
図7に示すように、固定部品6は断面が長方形の環状部品である。固定部品6の外径(外周面61の直径)はナット2の貫通穴22の直径より少し大きく、内径(内周面62の直径)は切欠き部45の奥面45cの直径より少し小さい。固定部品6の軸方向寸法d6は、コマ4Bの取付部420の軸方向寸法d420と同じである。
コマ4Bは合成樹脂製または金属製であり、固定部品5はゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる。コマ4Bの具体的な材料としては、第一実施形態で挙げたコマ4と同様のものが使用できる。
【0023】
ボールねじの組立の際には、先ず、例えば、ねじ軸1をナット2に内挿し、貫通穴22から軌道(螺旋溝11,21間)内にボール3を充填する。または、仮軸をナット2に内挿して螺旋溝21内にボール3を配置した後、仮軸を本軸であるねじ軸1に差し替えることで、軌道内にボール3を充填する。
この状態で、コマ4Bを、第一端面41を上に向けてナット2の上側からナット2の貫通穴22に挿入する。これにより、コマ4Bの第一端面41がナット2の外周側に向き、第二端面43がねじ軸1と対向する。次に、貫通穴22内でコマ4Bをナット2の径方向に移動したりコマ4Bを回転したりすることで、ナット2の螺旋溝21とコマ4BのS字状溝44との段差が小さくなるように調整する。
【0024】
次に、固定部品6を、貫通穴22内のコマ4Bの切欠き部45に圧入する。その際に、固定部品6は、切欠き部45の底面45aに接触するまで軸方向に挿入され、内周面62で奥面45cを押圧するとともに、 外周面61で貫通穴22を押圧する。これにより、固定部品6の摩擦力でコマ4Bがナット2の貫通穴22に固定される。
第二実施形態のボールねじによれば、上述のように、円柱体からなるコマ4Bを、ナット2の貫通穴22内でナット2の径方向に移動したり回転したりすることで、コマ4Bの取付時に、コマ4BのS字状溝44とナット2の螺旋溝21との接続部の段差が小さくなるような位置調整を行うことができる。その結果、コマ4BのS字状溝44とナット2の螺旋溝21との接続部をボール3が通過する際に、瞬間的にボールねじのトルクが上昇することを防止できる。
【0025】
また、第二実施形態のボールねじによる段差を小さくする対策は、コマおよびナットの加工精度を上げることで段差を小さくする現状の対策と比較して、製造コストが低い方法であると言える。
さらに、第二実施形態のコマ4Bは、切欠き部45が円柱体の周方向全体に形成され、環状の固定部品6でナット2の貫通穴22内に固定されているため、貫通穴22とコマ4Bとの間に隙間が生じない。
【符号の説明】
【0026】
1 ねじ軸
10 ねじ軸の外周面
11 ねじ軸の螺旋溝
2 ナット
2A ナットの円筒部
2B ナットのフランジ部
20 ナットの内周面
21 ナットの螺旋溝
22 ナットの貫通穴
3 ボール
4 コマ
4A コマ
4B コマ
41 コマの第一端面
42 コマの切欠き部
43 コマの第二端面
44 S字状溝
45 コマの切欠き部
410 コマの本体
420 コマの取付部
5 固定部品
6 固定部品
61 固定部品の外周面
62 固定部品の内周面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7