特許第6859702号(P6859702)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6859702会話記録装置、会話記録方法及び会話記録プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859702
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】会話記録装置、会話記録方法及び会話記録プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20210405BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20210405BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G06Q50/10
   G10L15/10 200W
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-254163(P2016-254163)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-106551(P2018-106551A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 和明
(72)【発明者】
【氏名】佐野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】竹村 真琴
(72)【発明者】
【氏名】鷲北 実
(72)【発明者】
【氏名】山川 陽一
(72)【発明者】
【氏名】飯原 淳
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−156062(JP,A)
【文献】 特開2011−082839(JP,A)
【文献】 特開2015−082221(JP,A)
【文献】 特開2013−222313(JP,A)
【文献】 特開2007−102104(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/091453(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0101153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G10L 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を介して送受信される会話の音声データを取得する取得部と、
前記音声データから、システム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件に基づいて抽出データを抽出し、前記抽出データを前記項目毎に関連付けて記録するデータ処理部と、を有し、
前記項目は、前記システム障害がシステムで利用される仮想マシンに与える影響の有無と前記影響の内容、前記通信を介して行われる通話が終了した後に前記システム障害の報告先である顧客への事後回答を要する質問の有無と前記質問の内容、又は、これらの組合せを含み、
前記データ処理部は、前記影響の回答を促す定型句または前記質問の有りを表す定型句を表す話語が登録された話語辞書データを参照して、前記音声データの中に前記話語が存在する場合、前記話語の前または後の所定語数または所定時間に対応する、部分音声データまたは前記部分音声データに対応する文字列を前記抽出データとして抽出することを特徴とする会話記録装置。
【請求項2】
前記項目は、前記システム障害が発生するシステム名、前記システム障害の報告先である顧客担当者名、又は、これらの組合せのうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の会話記録装置。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記システム名または前記顧客担当者名に対応するキーワードが登録されたワード辞書データを参照して、前記音声データから前記キーワードを前記抽出データとして抽出することを特徴とする請求項2に記載の会話記録装置。
【請求項4】
通信を介して送受信される会話の音声データを取得する取得部と、
前記音声データから、システム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件に基づいて抽出データを抽出し、前記抽出データを前記項目毎に関連付けて記録するデータ処理部と、を有し、
前記項目は、前記システム障害がシステムで利用される仮想マシンに与える影響の有無と前記影響の内容、前記通信を介して行われる通話が終了した後に前記システム障害の報告先である顧客への事後回答を要する質問の有無と前記質問の内容、又は、これらの組合せを含み、
前記データ処理部は、前記影響の有無または前記質問の有無を表す話語が登録された話語辞書データを参照して、前記音声データの中に前記影響の有りまたは前記質問の有りに対応する話語が存在する場合、前記影響の有無または前記質問の有無の項目に、前記影響の有りまたは前記質問の有りを示す情報を関連付けて記録すると共に、前記話語の前または後の所定語数または所定時間に対応する、部分音声データまたは前記部分音声データに対応する文字列を抽出して前記影響の内容または前記質問の内容の項目に関連付けて記録することを特徴とする会話記録装置。
【請求項5】
前記データ処理部は、前記音声データの中に前記影響の有りまたは前記質問の有りに対応する話語が存在しない場合、前記影響の有無または前記質問の有無の項目に、前記影響の無しまたは前記質問の無しを示す情報を関連付けて記録する請求項に記載の会話記録装置。
【請求項6】
通信を介して送受信される会話の音声データを取得し、
前記音声データから、システム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件に基づいて抽出データを抽出し、前記抽出データを前記項目毎に関連付けて記録する、
処理をコンピュータが実行し、
前記項目は、前記システム障害がシステムで利用される仮想マシンに与える影響の有無と前記影響の内容、前記通信を介して行われる通話が終了した後に前記システム障害の報告先である顧客への事後回答を要する質問の有無と前記質問の内容、又は、これらの組合せを含み、
前記抽出する処理は、前記影響の回答を促す定型句または前記質問の有りを表す定型句を表す話語が登録された話語辞書データを参照して、前記音声データの中に前記話語が存在する場合、前記話語の前または後の所定語数または所定時間に対応する、部分音声データまたは前記部分音声データに対応する文字列を前記抽出データとして抽出することを特徴とする会話記録方法。
【請求項7】
通信を介して送受信される会話の音声データを取得し、
前記音声データから、システム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件に基づいて抽出データを抽出し、前記抽出データを前記項目毎に関連付けて記録する、
処理をコンピュータに実行させ
前記項目は、前記システム障害がシステムで利用される仮想マシンに与える影響の有無と前記影響の内容、前記通信を介して行われる通話が終了した後に前記システム障害の報告先である顧客への事後回答を要する質問の有無と前記質問の内容、又は、これらの組合せを含み、
前記抽出する処理は、前記影響の回答を促す定型句または前記質問の有りを表す定型句を表す話語が登録された話語辞書データを参照して、前記音声データの中に前記話語が存在する場合、前記話語の前または後の所定語数または所定時間に対応する、部分音声データまたは前記部分音声データに対応する文字列を前記抽出データとして抽出することを特徴とする会話記録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会話記録装置、会話記録方法及び会話記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンタでは、複数の仮想マシン(Virtual Machines)が連携することにより、業務システムとして動作する。このようなデータセンタでは、1つの仮想基盤上に数十〜数百の仮想マシンが稼働することもある。
【0003】
データセンタは、物理マシンや仮想マシンなどのシステムが正常に稼働し続けられる状態を維持するサービスを行っている。データセンタが提供するサービスには、システムの異常、または、その兆候が発生していないかの監視、オペレーションシステムの更新などの保守作業、障害発生時の報告、復旧などの業務が含まれる。障害発生時の報告は、例えば、物理マシンに故障等のシステム障害が発生した場合に、電話による通話等を通じて利用者である顧客の担当者に障害報告を行う業務を含む。加えて、運用担当は、顧客の担当者に障害報告を行った内容を運用担当の上長、例えば上級SE等に報告する業務をさらに含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−133527号公報
【特許文献2】特開2010−282545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以下に説明するように、システム障害が発生した場合に、運用担当の業務が維持できなくなる恐れがある。
【0006】
すなわち、クラウドビジネスの発展に伴って仮想マシンの利用者である顧客が増加すると共にシステムの多重化および大規模化も進んでいる。これに伴って、単一の物理マシンで生じたシステム障害に起因して、報告先に大規模化に伴って増加した仮想マシンの利用者が含まれる場合が発生すると、全顧客への障害報告が終了するまでの期間が長期化する恐れがある。このように障害対応の業務が滞ると、システム障害から発生した問題に起因してデータセンタが提供するサービスが機能しなくなる恐れがある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、システム障害に起因するサービスレベルの低下を抑制できる会話記録装置、会話記録方法及び会話記録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、会話記録装置は、通信を介して送受信される会話の音声データを取得する取得部と、前記音声データから、システム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件に基づいて抽出データを抽出し、前記抽出データを前記項目毎に関連付けて記録するデータ処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
システム障害に起因するサービスレベルの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例の会話記録システムの全体構成を説明する図である。
図2図2は、会話記録装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3図3は、会話記録処理の具体例を示す図である。
図4図4は、異なる会話に基づく抽出データのパターンを説明する図である。
図5図5は、データ処理部による抽出データの編集処理を説明する図である。
図6図6は、編集後の報告シナリオの一例を示す図である。
図7図7は、音声取得処理の手順を示すフローチャートである。
図8図8は、データ処理の手順を示すフローチャートである。
図9図9は、編集処理の手順を示すフローチャートである。
図10図10は、実施例に係る会話記録プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して本願に係る会話記録装置、会話記録方法及び会話記録プログラムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0012】
<実施例>
図1は、実施例の会話記録システム10の全体構成を説明する図である。図1に示す会話記録システム10は、担当SEと顧客SEとの通話の音声データをテキスト変換したテキストデータからシステム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに定められた条件にしたがって抽出データを抽出し、抽出データを項目毎に記録する会話記録サービスを提供する。
【0013】
ここで言う「担当SE」とは、クラウドサービスを提供するデータセンタを運用する関係者のうちクラウドサービスを利用する利用者(以下、顧客)に関する業務を担当する者を指す。さらに、「上級SE」とは、データセンタを運用する関係者の中でも1または複数の担当SEを管理する管理者を指す。また、「顧客SE」とは、顧客側の窓口となるシステムエンジニアを指す。
【0014】
図1に示すように、会話記録システム10は、上位端末12と、1または複数の会話記録装置14と、1または複数の顧客通信端末16とを備える。
【0015】
これらのうち、上位端末12および会話記録装置14は、所定のネットワーク18を介して、通信可能に接続される。このネットワーク18には、有線または無線を問わず、インターネット(Internet)を始め、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。また、会話記録装置14および顧客通信端末16は、図示しない公衆電話網、移動体通信網や専用回線などの各種の電話回線に接続可能である。
【0016】
上位端末12は、上級SEによって使用される。上位端末12には、一例として、各種のコンピュータ、例えばパーソナルコンピュータ等を採用できる。例えば、上位端末12は、システム障害、例えば顧客が利用するクラウドサービス、例えばWebサーバやメールサーバ等の仮想マシンの故障などの異常を検知することができる。例えば、上位端末12は、図示しないユーザインタフェース等を介して、障害報告に関する業務の実施を指示する入力を受け付ける。この指示入力にしたがって、一例として、会話記録装置14が有する表示部26等には、各担当SEが担当する顧客SEへの障害報告に関する業務の実施を促すメッセージ等が表示される。尚、上級SEは、上位端末12を介さずに、直接、会話記録装置14を使用する担当SEへ連絡指示を口頭で連絡してもよい。上位端末12は、会話記録装置14から担当SEと顧客SEとの会話の一部を抽出した抽出データを取得する。
【0017】
会話記録装置14は、担当SEによって使用される。会話記録装置14は、情報処理装置20と、通信部22とを含む。
【0018】
これら情報処理装置20及び通信部22は、有線または無線を問わず、互いが通信可能に接続される。このうち、情報処理装置20には、各種のコンピュータ、例えばパーソナルコンピュータ等を採用できる。また、通信部22には、公衆電話網に接続可能な固定電話機の他、移動体通信網に接続可能な移動体通信端末、例えばスマートフォンまたは携帯電話等の各種の電話機を採用できる。例えば、通信部22は、システム障害時に、障害報告を行う担当SEから顧客通信端末16に割り当てられた電話番号の指定を受け付ける。この電話番号の指定によって顧客通信端末16が呼び出された後、通信部22および顧客通信端末16の間で通話が開始されると、情報処理装置20は、担当SEと顧客SEとの通話の記録を併せて開始する。その後、情報処理装置20は、通信部22および顧客通信端末16の間で通話が終了すると、通話の記録により得られた音声データをテキストデータへ変換する。その上で、情報処理装置20は、システム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに定められた条件にしたがって抽出データを抽出し、抽出データを項目毎に記録する。
【0019】
顧客通信端末16は、顧客SEによって使用される。例えば、顧客通信端末16には、公衆電話網に接続可能な固定電話機の他、移動体通信網に接続可能な移動体通信端末、例えばスマートフォンまたは携帯電話等の各種の電話機を採用できる。この顧客通信端末16は、会話記録装置14の通信部22と電話回線等によって接続可能な性能を有する。これにより、顧客通信端末16は、通信部22との間で音声データを送受信し、担当SEと顧客SEとの通話を実現する。
【0020】
図2は、会話記録装置14の機能的構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、会話記録装置14の情報処理装置20は、入力部24と、表示部26と、記憶部28と、制御部30とを有する。
【0021】
入力部24は、例えば、キーボード、タッチパネル、及び、マウス等の担当SEの入力を受け付ける装置である。入力部24は、例えば、抽出データを編集するデータを受け付ける。入力部24は、担当SEから受け付けた入力を制御部30へ出力する。
【0022】
表示部26は、例えば、液晶表示装置等の画像を表示可能な表示装置である。表示部26は、制御部30から取得した画像データに基づいて、画像を表示する。例えば、表示部26は、制御部30から受け付けた抽出データを表示する。
【0023】
記憶部28は、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置により実装することができる。記憶部28は、必ずしも情報処理装置20内に設けられずともよく、ネットワーク上の記憶装置、例えばファイルサーバとして実装することもできる。この他、記憶部28をリムーバブルメディアとして実装し、コネクタや端子などのポートを介して接続されることとしてもかまわない。
【0024】
記憶部28は、制御部30が実行するプログラム、例えばOS(Operating System)や上記の会話記録サービスを実現する会話記録プログラムの他、プログラムの実行に用いるデータ、及び、プログラムの実行によって生成されたデータを記憶する。例えば、記憶部28は、ワード辞書データ36と、話語辞書データ38と、複数の抽出データ40を含む報告シナリオ42とを記憶する。これらワード辞書データ36、話語辞書データ38及び報告シナリオ42の他にも、記憶部28には、他の電子データ、例えば取得部32が取得する音声データを保存することもできる。
【0025】
ワード辞書データ36は、キーワードが予め登録された辞書データである。ワード辞書データ36は、例えば、項目と関連付けられたワードであって、顧客SEの名前、担当SEが担当するシステムの名称等のテキストデータのワードを含む。ワード辞書データ36は、ワードを項目と関連付ける。ワード辞書データ36は、顧客SEの電話番号と関連付けられた顧客SEの名前を含んでもよい。
【0026】
話語辞書データ38は、人の話し言葉である1または複数の話語が予め登録された辞書データである。話語辞書データ38は、例えば、話語をテキストデータとして含む。ここで、話語には、一例として、担当SEの会話用のマニュアル等に記載されている定型文を採用することができる。さらに、話語辞書データ38は、話語と項目及び処理とを関連付ける。処理の一例は、“あり”または“なし”等のフラグを設定する、または、テキストデータから話語の前または後の所定時間または所定語数だけ抽出する等である。
【0027】
報告シナリオ42は、システム障害の発生時に担当SEが顧客SEへ報告するシナリオに関するデータである。この報告シナリオ42には、障害報告を識別するために用いる項目として、「会話開始日時」、「システム名」および「顧客担当名」などの項目が含まれる他、システム障害がシステムで業務に利用される仮想マシンに与える「業務影響」や通話の終了後に顧客への事後回答を要する「追加質問」などの項目が含まれる。これら「会話開始日時」、「システム名」、「顧客担当名」、「業務影響」及び「追加質問」の項目ごとに、通話の音声データがテキスト変換されたテキストデータから各項目に対応する文字列が抽出データ40として抽出される。
【0028】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのハードウェアプロセッサにより実装することができる。ここでは、プロセッサの一例として、CPUやMPUを例示したが、汎用型および特化型を問わず、任意のプロセッサにより実装することができる。この他、制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによって実現されることとしてもかまわない。
【0029】
制御部30は、図示しない主記憶装置として実装されるDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などのRAMのワークエリア上に、上記の会話記録プログラムをプロセスとして展開することにより、図1に示す取得部32及びデータ処理部34の機能を仮想的に実現する。
【0030】
取得部32は、通信を介して送受信された会話(例えば、通話)の音声データを通信部22から取得する。取得部32は、取得した音声データを記憶部28に記録(即ち、録音)する。尚、取得部32は、音声データを記憶部28に保存することなく、データ処理部34が参照する図示しない内部メモリのワークエリアへ格納することとしてもよい。
【0031】
データ処理部34は、取得部32が取得した音声データを記憶部28から取得する。尚、データ処理部34は、取得部32から音声データを直接取得してもよい。データ処理部34は、取得部32から取得された音声データをテキスト変換してテキストデータを生成する。データ処理部34は、テキストデータからシステム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件にしたがって障害またはメンテナンス等の会話に関する文字列を項目毎に抽出データ40として抽出する。例えば、データ処理部34は、ワード辞書データ36に登録されたキーワードと一致する文字列をテキストデータから抽出データ40として抽出してよい。また、データ処理部34は、話語辞書データ38に登録された話語の前または後の所定語数または所定時間に対応する文字列をテキストデータから抽出データ40として抽出してよい。その上で、データ処理部34は、テキストデータから抽出された抽出データ40を項目に関連付けて記憶部28内の報告シナリオ42に記録する。尚、データ処理部34は、報告シナリオ42を外部の記憶装置、例えば、ネットワーク上の記憶装置または上級SEの上位端末12に格納してもよい。
【0032】
データ処理部34は、項目毎に抽出された抽出データ40を含む報告シナリオ42を編集画面として表示させて、各項目に関連付けて記述された文字列に対する編集を受け付けることができる。例えば、データ処理部34は、入力部24を介して担当SEから編集内容を受け付けてよい。この編集の結果、担当SEが上級SEへ提出する顧客への障害報告のレポートが生成される。
【0033】
図3は、会話記録処理の具体例を説明する図である。
【0034】
図3の左上に示すように、担当SEが、通信部22を介して、顧客通信端末16と接続することにより顧客SEとの通話を開始すると、情報処理装置20の取得部32は、通信部22及び顧客通信端末16の間で授受される音声データの記録を開始する。これにより、担当SEと顧客SEとの通話の音声データが録音されることになる。その後、取得部32は、通信部22及び顧客通信端末16の間の通話が終了すると、通話の音声データを記憶部28に保存するか、あるいはデータ処理部34へ出力する。なお、取得部32は、通信部22が顧客通信端末16へ発信を行った時点、あるいは通信部22及び顧客通信端末16の間で通話が開始された時点でその時点の日時をデータ処理部34へ出力する。
【0035】
図3の左下に示す担当SEと顧客SEとの通話の終了後、データ処理部34は、取得部32により取得された会話CV1の音声データをテキスト変換する。その上で、データ処理部34は、会話CV1の音声データがテキスト変換されたテキストデータからシステム障害の報告シナリオに含まれる項目ごとに規定された条件にしたがって抽出データ40を項目毎に抽出する。例えば、上記の項目には、“会話開始日時”、“システム名”、“顧客担当名”、“会話内容”及び“会話内容(個別)”等が含まれる。なお、ここでは、通話の終了後に音声データをテキスト変換する場合を例示したが、テキスト変換を行うタイミングは通話終了後に限定されない。例えば、音声データが取得される度にテキスト変換を行うこともできる。
【0036】
データ処理部34は、通信部22が顧客通信端末16へ発信を行った日時、あるいは通信部22及び顧客通信端末16の間で通話が開始された日時「yyyy-mm-dd hh:mm:ss」を抽出データ40Aとして抽出する。その上で、データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち項目“会話開始日時”に関連付けて抽出データ40Aを登録する。
【0037】
データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち、システム障害が発生したシステムの名称“システム名”を会話CV1のテキストデータから検索する。この例では、項目“システム名”に関連付けてワード辞書データ36に登録されているキーワード“yyシステム”と、会話CV1のテキストデータに含まれる文字列“yyシステム”とが一致するので、文字列“yyシステム”が抽出データ40Bとして抽出される。この結果、データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち項目“システム名”に関連付けて抽出データ40B“yyシステム”を登録する。
【0038】
また、データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち、会話CV1の相手である顧客SEの名前“顧客担当名”を会話CV1のテキストデータから検索する。この例では、項目“顧客担当名”に関連付けてワード辞書データ36に登録されているキーワード“zz”と、会話CV1のテキストデータに含まれる文字列“zz”とが一致するので、文字列“zz”が抽出データ40Cとして抽出される。この結果、データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち項目“顧客担当名”に関連付けて抽出データ40C“zz”を登録する。
【0039】
さらに、データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち、項目“会話内容”に関連付けられて話語辞書データ38に登録されている定型句の話語(例えば、会話CV1に示す“業務影響を教えて下さい”)と一致する会話があった場合、当該話語に関連付けられている処理を実行、例えば、当該会話の後の所定時間または所定語数の会話内容、例えば、当該会話データの直後に顧客SEが話した内容を抽出して、項目“会話内容”の抽出データ40Dに登録する。例えば、図3の例で言えば、担当SEが話語“業務影響を教えて下さい”を発話した直後に顧客SEにより行われた発話、例えば1文“xxが発生していて困っています”が抽出データ40Dとして抽出された後、会話内容の項目に関連付けて保存される。
【0040】
また、データ処理部34は、報告シナリオ42に含まれる項目のうち、項目“会話内容(個別)”に関連付けられて話語辞書データ38に登録されている特定の話語(例えば、会話CV2に示す“別途ご報告差し上げます”)と一致する会話があった場合、当該話語に関連付けられている処理を実行、例えば、当該会話の前後(例えば、会話の前後1分間または1分間に相当する語数)の内容を抽出して、項目“会話内容(個別)”の抽出データ40Eに登録する。例えば、図3の例で言えば、担当SEによる「別途ご報告を差し上げます」という発話の直前に顧客SEにより行われた発話、例えば1文「前回発生した障害との関連性はありますか?」が抽出データ40Eとして抽出された後、会話内容(個別)の項目に関連付けて保存される。
【0041】
このように報告シナリオ42に含まれる各項目の抽出データ40A〜40Eが記録された後、図3の右下に示すように、データ処理部34は、報告シナリオ42にしたがって担当SEが上級SEへ提出する顧客への障害報告のレポートを編集する編集画面を表示部26に表示させる。続いて、データ処理部34は、編集画面に含まれる項目に関連付けられた抽出データ40A〜40Eに対する文字列への編集を入力部24を介して受け付ける。その後、データ処理部34は、編集画面における編集が終了すると、編集後の報告シナリオを障害報告のレポートとして記憶部28に保存したり、上位端末12に出力したりする。これにより、上級SEは、担当SEから障害報告の結果が口頭で報告されずとも、担当SEと顧客SEとの会話の内容を把握できる。
【0042】
図4は、異なる会話に基づく抽出データのパターンを説明する図である。
【0043】
図4に示すように、担当SEと顧客SEとが、会話CV3を話した後、話語辞書データ38に登録されている話語である“業務影響があり”、“業務影響がなかった”、及び、“そちらにつきましては、別途確認の上ご報告させていただきます”などを含む会話を話した場合、データ処理部34は、当該会話に応じて、項目“業務影響有無”及び項目“追加質問有無”の抽出データ40を更に登録して、報告シナリオ42を複数の障害報告のパターンに分類する。
【0044】
具体的には、担当SEと顧客SEとが、会話CV3を話した後、会話CV3aを話した場合、データ処理部34は、話語辞書データ38に登録されている話語“業務影響がなかった”を検索して抽出する。この場合、データ処理部34は、項目“業務影響有無”及び項目“追加質問有無”に、“業務影響なし”及び“追加質問なし”の抽出データ40を登録する。
【0045】
担当SEと顧客SEとが、会話CV3を話した後、会話CV3bを話した場合、データ処理部34は、話語辞書データ38に登録されている話語“業務影響があり”を検索して抽出する。この場合、データ処理部34は、項目“業務影響有無”及び項目“追加質問有無”に、“業務影響あり”及び“追加質問なし”の抽出データ40を登録する。
【0046】
担当SEと顧客SEとが、会話CV3を話した後、会話CV3cを話した場合、データ処理部34は、話語辞書データ38に登録されている話語“そちらにつきましては、別途確認の上、ご報告させていただきます”を検索して抽出する。この場合、データ処理部34は、項目“追加質問有無”に、“追加質問あり”の抽出データ40を登録する。尚、会話CV3cにおいて、データ処理部34は、“業務影響が・・・”の内容に応じて、“業務影響あり”または“業務影響なし”を登録する。このように、データ処理部34は、業務影響の有無及び追加質問の有無によって各報告シナリオ42を複数(例えば、4個)のパターンに分類する。
【0047】
図5は、データ処理部34による抽出データ40の編集処理を説明する図である。
【0048】
図5に示す抽出データ40の項目は、パターンを分類するための“業務影響有無”のフラグ及び“追加質問有無”のフラグを更に含む。データ処理部34は、図4で説明したように、“業務影響あり”のパターンの場合、項目“業務影響有無”の抽出データ40に“あり”(例えば、“1”)を登録して、“業務影響なし”のパターンの場合、項目“業務影響有無”の抽出データ40に“なし”(例えば、“0”)を登録する。
【0049】
データ処理部34は、“追加質問あり”のパターンの場合、項目“追加質問有無”の抽出データ40に“あり”(例えば、“1”)を登録して、“追加質問なし”のパターンの場合、項目“追加質問有無”の抽出データ40に“なし”(例えば、“0”)を登録する。
【0050】
担当SEと顧客SEが、図5の下欄の会話CV4で示す内容を話した場合について説明する。この場合、データ処理部34は、取得部32が取得した会話の開始日時及び会話CV4の音声データを取得する。データ処理部34は、取得した会話の開始日時を項目“会話開始日時”の抽出データ40に登録する。また、データ処理部34は、上述の処理に沿って会話CV4から抽出した、“社内公開Web”を項目“システム名”の抽出データ40に登録し、“xxx太郎”を項目“顧客担当名”の抽出データ40に登録し、“xxサーバが・・・表示できませんでした”を項目“業務影響詳細”の抽出データ40に登録し、“大変申し訳・・・ご報告させて頂きます。”を項目“追加質問詳細”の抽出データ40に登録する。項目“業務影響詳細”は、項目“会話内容”の一例である。項目“追加質問詳細”は、項目“会話内容(個別)”の一例である。
【0051】
また、データ処理部34は、今回の会話CV4に業務影響詳細及び追加質問詳細が含まれるので、項目“追加質問有無”に“あり”を登録して、項目“業務影響有無”に“あり”を登録する。
【0052】
データ処理部34は、図5の上段に“編集前”で示す抽出データ40を含む編集画面44を表示部26に表示させる。ここで、データ処理部34は、担当SEの名前を示すログイン名とともに、編集開始ボタン46及び編集完了ボタン48を含む編集画面44を生成する。
【0053】
データ処理部34は、担当SEが入力部24を操作して、編集開始ボタン46を選択(例えば、クリック)すると、受け付け用に変更した編集画面44を表示部26に表示させて、各項目を編集するための編集内容の受け付けを開始する。データ処理部34は、受け付け用の編集画面44において、例えば、項目“業務影響有無”及び“追加質問有無”に“あり”及び“なし”を選択可能な表示にする。
【0054】
受け付け用の編集画面44を表示した状態で、データ処理部34は、例えば、担当SEが入力部24を操作して選択(例えば、クリック)した抽出データ40のセルの選択を受け付ける。これにより、データ処理部34は、当該セルの抽出データに関する編集を受け付ける。例えば、データ処理部34は、担当SEが入力部24を操作して入力した編集内容を示すテキストデータ、または、抽出データ40の一部の削除を受け付ける。図5の上から2段目に“編集中”で示す例では、データ処理部34は、項目“業務影響詳細”及び“追加質問詳細”の抽出データ40の一部の削除を受け付けて、各抽出データ40を編集している。
【0055】
データ処理部34は、担当SEが入力部24を操作して入力した編集完了ボタン48の選択を受け付けると、図5の上から3段目に“編集後”に示す編集画面44を表示部26に表示させる。
【0056】
図6は、編集後の報告シナリオ42の一例を示す図である。データ処理部34は、図6に示す編集後の抽出データ40の組の報告シナリオ42を記憶部28に格納する。
【0057】
図7は、音声取得処理の手順を示すフローチャートである。図7に示す音声取得処理は、一例として、通信部22制御部30は、会話記録用のプログラムを読み込むことによって、音声取得処理を実行する。
【0058】
図7に示す音声取得処理では、取得部32は、顧客SEが使用する顧客通信端末16の電話番号の入力が通信部22により受け付けられると、顧客SEの顧客通信端末16へ発信するとともに、記憶部28に対する通話の音声データの録音を開始するとともに、報告シナリオ42に含まれる項目のうち通話の開始日時を記憶部28に登録する(S102)。その後、取得部32は、通話の録音が開始された旨を通知する画面を表示部26に表示させる(S104)。
【0059】
続いて、取得部32は、顧客通信端末16に着信して、通信部22および顧客通信端末16の通話を開始させる(S106)。この段階で、担当SEおよび顧客SEの会話が可能な状態になる。そして、取得部32は、通信部22および顧客通信端末16の通話が終了すると、記憶部28に対する音声データの録音を終了する(S108)。
【0060】
その後、データ処理部34は、記憶部28に格納された音声データのうち、会話終了から最後の抽出時間の音声データをテキスト変換したテキストデータを第1変数(例えば、変数名“1分間”)として記憶部28に格納する(S110)。例えば、抽出時間は、予め設定された時間であって、例えば、1分間または1分間に相当するおおよその語数である。
【0061】
さらに、データ処理部34は、記憶部28に格納された全ての音声データをテキスト変換したテキストデータを第2変数(例えば、変数名“全文”)として記憶部28に格納する(S112)。
【0062】
これにより、音声取得処理を終了する。
【0063】
図8は、データ処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すデータ処理は、一例として、図7に示す音声取得処理により通話の音声データから変換されたテキストデータが得られた場合に開始する。
【0064】
図8に示すように、データ処理部34は、通信部22から顧客通信端末16へ発呼が行われた日時を抽出データ40として抽出し、当該抽出データ40を報告シナリオ42に含まれる項目のうち項目“会話開始日時”に関連付けて登録する(S202)。
【0065】
続いて、データ処理部34は、ステップS112で通話の音声データがテキスト変換されたテキストデータから、項目“システム名”に関連付けてワード辞書データ36に登録されたキーワードを検索する(ステップS204)。
【0066】
このとき、システム名のキーワードの中にヒットするキーワードが存在する場合(ステップS206Yes)、障害報告がデータセンタで稼働するシステムのうちいずれのシステムに関するものであるのかが判明する。この場合、データ処理部34は、検索でヒットするシステム名のキーワードに対応する文字列を抽出データ40として抽出し、当該抽出データ40を報告シナリオ42の項目“システム名”に関連付けて記録する(ステップS208)。なお、システム名のキーワードの中にヒットするキーワードが存在しない場合(ステップS206No)、上記のステップS208の処理をスキップし、下記のステップS210の処理へ移行する。
【0067】
続いて、データ処理部34は、通話の音声データがテキスト変換されたテキストデータから、項目“顧客担当名”に関連付けてワード辞書データ36に登録されたキーワードを検索する(ステップS210)。
【0068】
そして、システム名のキーワードの中にヒットするキーワードが存在する場合(ステップS212Yes)、障害報告が担当SEにより担当される顧客SEのうちいずれの顧客SEを対象にするものであるのかが判明する。この場合、データ処理部34は、検索でヒットする顧客SEの氏名のキーワードに対応する文字列を抽出データ40として抽出し、当該抽出データ40を報告シナリオ42の項目“顧客担当名”に関連付けて記録する(ステップS214)。一方、顧客担当名のキーワードの中にヒットするキーワードが存在しない場合(ステップS212No)、上記のステップS214の処理をスキップし、下記のステップS216の処理へ移行する。尚、データ処理部34は、抽出した顧客担当名の後に、“はい、そうです”のように話語辞書データ38に登録された肯定する話語が続いた場合に、当該顧客担当名を抽出してもよい。
【0069】
その後、データ処理部34は、通話の音声データがテキスト変換されたテキストデータから、項目“業務影響有無”に関連付けられて話語辞書データ38に登録された業務影響有りに対応する話語、例えば障害報告のマニュアルに記載の定型句の話語“業務影響があり”と一致または類似する文字列を検索する(ステップS218)。ここでの検索は、会話で定型句がそのまま発話されるとは限らないので、必ずしも完全一致を条件とせずともかまわない。例えば、定型句の話語が“業務影響があり”である場合、同趣旨の話語“業務影響があった”や“業務影響がある”を、定型句の話語と類似する話語として検索結果に含めることができる。
【0070】
このとき、業務影響有りに対応する話語と一致または類似する文字列がヒットしない場合(ステップS218No)、データ処理部34は、報告シナリオ42の項目“業務影響有無”にフラグ“なし”を関連付けて記録する(ステップS220)。
【0071】
一方、業務影響有りに対応する話語と一致または類似する文字列がヒットする場合(ステップS218Yes)、顧客SEから担当SEへの業務影響の説明を担当SEが障害報告のマニュアルに規定された定型句にしたがって復唱していることがわかる。この場合、データ処理部34は、報告シナリオ42の項目“業務影響有無”にフラグ“あり”を関連付けて記録する(ステップS222)。さらに、データ処理部34は、報告シナリオ42の項目“業務影響詳細”に、業務影響有りに対応する話語“業務影響があり”に後続する所定語数、図4の例で言えば1文“5分間公開Webサイトへアクセスができなかったということですね”を関連付けて記録する(ステップS224)。
【0072】
上記のステップS216の説明では、一例として、業務影響有りに対応する話語として“業務影響があり”を用いる場合を例示したが、テキストデータから業務影響をより精度良く抽出するために、他の話語を用いることもできる。例えば、顧客SEが発話する業務影響の内容もしくはその要約が担当SEに復唱させる定型句の話語を業務影響有りに対応する話語として話語辞書データ38に登録しておくこともできる。例えば、2つの話語“承知しました”及び“ということですね”の両方と一致又は類似する文字列をテキストデータから検索することとしてもかまわない。これら2つの話語を用いることにより、第1の話語“承知しました”から始まって第2の話語“ということですね”で終了するまでの区間で発話が行われた箇所“5分間公開Webサイトへアクセスができなかった”を業務影響詳細として抽出できる。
【0073】
また、ステップS218の説明では、業務影響有りに対応する話語と一致または類似する文字列がヒットしない場合にステップS218の分岐でNoと判定する場合を例示したが、この例に限定されない。すなわち、業務影響無しに対応する話語と一致または類似する文字列がヒットする場合、ステップS218の分岐でNoと判定することとしてもかまわない。例えば、業務影響無しに対応する話語“業務影響がなかった”の他、これに類似する話語“業務影響がない”や“業務影響はない”などをテキストデータから検索することとしてもかまわない。
【0074】
その後、データ処理部34は、通話の音声データがテキスト変換されたテキストデータから、項目“追加質問有無”に関連付けられて話語辞書データ38に登録された追加質問有りに対応する話語、例えば障害報告のマニュアルに記載の定型句の話語“(そちらにつきましては、)別途確認の上、ご報告させていただきます”と一致または類似する文字列を検索する(ステップS226)。なお、ここでの検索でも、会話で定型句がそのまま発話されるとは限らないので、必ずしも完全一致を条件とせずともかまわない。
【0075】
このとき、追加質問有りに対応する話語と一致または類似する文字列がヒットしない場合(ステップS226No)、データ処理部34は、報告シナリオ42の項目“追加質問有無”にフラグ“なし”を関連付けて記録する(ステップS228)。
【0076】
一方、追加質問有りに対応する話語と一致または類似する文字列がヒットする場合(ステップS226Yes)、顧客SEから担当SEへの追加質問に事後回答を行う約束を障害報告のマニュアルに規定された定型句にしたがって担当SEが確認していることがわかる。この場合、データ処理部34は、報告シナリオ42の項目“追加質問有無”にフラグ“あり”を関連付けて記録する(ステップS230)。さらに、データ処理部34は、報告シナリオ42の項目“追加質問詳細”に、追加質問有りに対応する話語“別途確認の上、ご報告させていただきます”の前の所定語数、図4の例で言えば直前に顧客SEにより行われた発話の1文“前回発生した障害との関連性はありますか?”を関連付けて記録する(ステップS232)。
【0077】
その後、データ処理部34は、記憶部28に記憶された報告シナリオ42にしたがって担当SEが上級SEへ提出する顧客への障害報告のレポートを編集する編集画面、例えば図5の最上段に示す編集画面44を表示部26に表示させる(ステップS234)。
【0078】
このように編集画面を表示させた後、データ処理を終了する。
【0079】
図9は、編集処理の手順を示すフローチャートである。図9に示す編集処理は、一例として、ステップS234で編集画面が表示された場合に開始される。
【0080】
図9に示すように、データ処理部34は、担当SEが編集開始ボタン46を操作したか否かを判定する(S302)。例えば、データ処理部34は、担当SEの入力を入力部24を介して受け付けて、編集開始ボタン46を操作したか否かを判定する。データ処理部34は、編集開始ボタン46の操作を受け付けるまで待機状態となる(S302:No)。
【0081】
データ処理部34は、編集開始ボタン46の操作を受け付けると(S302:Yes)、図5の上から2段目に示す受け付け用の編集画面44を表示させて、担当SEからの編集内容の受付を開始する(S304)。
【0082】
データ処理部34は、担当SEによる編集内容を受け付けていないと判定すると(S304:No)、担当SEが編集完了ボタン48を操作したか否かを判定する(S308)。例えば、データ処理部34は、入力部24を介して担当SEの入力を受け付けて、編集完了ボタン48を操作した否かを判定する。データ処理部34は、編集完了ボタン48が操作されていないと判定すると(S308:No)、ステップS304以降を繰り返す。換言すれば、データ処理部34は、編集完了ボタン48の操作を受け付けるまで、編集内容の受け付けを継続する。
【0083】
例えば、担当SEが入力部24を操作していずれかの項目の抽出データ40を選択して、当該抽出データ40のテキストデータまたは有無を入力した場合、データ処理部34は、編集内容を受け付けたと判定して(S304:Yes)、受け付けた編集内容で抽出データ40を編集して新たに登録する(S306)。
【0084】
データ処理部34は、担当SEによる編集完了ボタン48の操作を受け付けると(S308:Yes)、上級SEの上位端末12へ更新を通知する(S310)。
【0085】
[効果の一側面]
上述したように、会話記録装置14は、担当SEと顧客SEとの会話をテキスト変換したテキストデータから予め設定された条件、例えば、ワード辞書データ36及び話語辞書データ38に登録されたデータに基づいて、抽出データ40を抽出する。これにより、会話記録装置14は、全てを録音した会話から必要なデータを抽出するための担当SEの作業負荷を低減できる。例えば、会話記録装置14は、担当SEの1人の顧客SEあたりの対応時間を低減(例えば、4分から2分に半減)でき、上級SEへの報告にかかる時間を低減(例えば、3分から1分に半減)できる。この結果、会話記録装置14は、システムの障害対応に要する担当SEの時間を大幅に削減できる(例えば、100個のシステムに対して0.02人日の削減)。また、会話記録装置14は、担当SEによる早急な顧客SEへの対応を実現でき、上級SEが出す障害対応指示をよりリアルタイムに近い状態にして、復旧状況に応じた適切な対応を実現できる。このように、障害対応の業務が滞るのを抑制することができるので、システム障害から発生した問題に起因してデータセンタが提供するサービスが機能しなくなる事態も抑制できる。したがって、会話記録装置14によれば、システム障害に起因するサービスレベルの低下を抑制できる。
【0086】
会話記録装置14は、全ての会話の一部を抽出データ40として抽出するので、必要な記憶容量を低減することができる。
【0087】
会話記録装置14は、音声データの会話をテキスト変換したテキストデータの抽出データ40を登録するので、担当SE及び上級SEに容易に理解できる表示形式で出力できる。
【0088】
会話記録装置14は、音声データのテキストデータを編集画面44で見つつ、抽出データ40を担当SEに編集させることができるので、会話しながらテキストデータを入力する場合に比べて、担当SEに高いタイピングスキルを要求しない。
【0089】
上述の各実施例の構成の機能、接続関係、個数は適宜変更してよい。
【0090】
例えば、上記の実施例では、通話の音声データをテキスト変換することにより得られたテキストデータに対し、各種の処理、例えば抽出データの抽出などを行う場合を例示したが、必ずしも音声データ全体にテキスト変換を行わずともかまわない。すなわち、通話の音声データから、ワード辞書データに登録されたキーワードや話語辞書データに登録された話語をワードスポッティングなどの音声認識を通じて認識することもできる。例えば、ワード辞書データが参照される場合、音声認識により認識されたキーワードをそのまま抽出データとして抽出すればよく、また、話語辞書データが参照される場合、通話の音声データから音声認識により認識された話語の前または後の所定語数または所定時間に対応する、部分音声データを抽出データとして抽出することもできるし、あるいは部分音声データがテキスト変換された文字列を抽出データとして抽出することもでき、このようにして抽出された部分音声データまたは文字列を項目に関連付けることができる。また、項目に部分音声データが関連付けられた場合、上級SEは、音声データのうち部分音声データを抜粋して聴取できるので、項目に関連付けられた文字列もしくはそれが編集された文字列を読む場合と同様に、短時間で業務影響の内容や追加質問の内容を理解できる。
【0091】
例えば、上述の実施例では、障害対応の会話を前提に説明したが、他の対応、例えば、メンテナンスに関する会話等に上述の処理を適用してもよい。
【0092】
上述の実施例では、担当SEの情報処理装置20に取得部32及びデータ処理部34の機能を設ける例をあげたが、これに限定されない。例えば、上位端末12または他の装置に取得部32及びデータ処理部34の機能を設けてもよい。
【0093】
[会話記録プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図10を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する会話記録プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
【0094】
図10は、実施例に係る会話記録プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図10に示すように、コンピュータ50は、CPU52と、ROM54と、HDD56と、RAM58とを有する。CPU52、ROM54、HDD56及びRAM58は、バス60を介して接続される。
【0095】
HDD56には、図10に示すように、上記の実施例で示した取得部32、及び、データ処理部34と同様の機能を発揮する会話記録プログラム62が記憶される。この会話記録プログラム62は、図2に示した取得部32、及び、データ処理部34の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD56には、必ずしも上記の実施例で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD56に格納されればよい。
【0096】
このような環境の下、CPU52は、HDD56から会話記録プログラム62を読み出した上でRAM58へ展開する。この結果、会話記録プログラム62は、図10に示すように、会話記録プロセス64として機能する。この会話記録プロセス64は、RAM58が有する記憶領域のうち会話記録プロセス64に割り当てられた領域にHDD56から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、会話記録プロセス64が実行する処理の一例として、図7から図9に示す処理などが含まれる。なお、CPU52では、必ずしも上記の実施例で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
【0097】
なお、上記の会話記録プログラム62は、必ずしも最初からHDD56やROM54に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ50に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に会話記録プログラム62を記憶させる。そして、コンピュータ50がこれらの可搬用の物理媒体から会話記録プログラム62を取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ50に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに会話記録プログラム62を記憶させておき、コンピュータ50がこれらから会話記録プログラム62を取得して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
14…会話記録装置
22…通信部
32…取得部
34…データ処理部
36…ワード辞書データ
38…話語辞書データ
40…抽出データ
42…報告シナリオ
44…編集画面
50…コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10