特許第6859829号(P6859829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6859829ステップを備えた車両後部両開きドア構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859829
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ステップを備えた車両後部両開きドア構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20210405BHJP
   B60R 3/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   B60J5/10 G
   B60J5/10 A
   B60R3/00
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-84368(P2017-84368)
(22)【出願日】2017年4月21日
(65)【公開番号】特開2018-177160(P2018-177160A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小俣 一輝
(72)【発明者】
【氏名】寺口 智文
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−176186(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0110236(US,A1)
【文献】 実開平06−036927(JP,U)
【文献】 特開平08−198014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/10
B60R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップを備えた車両後部両開きドア構造であって、
横に両開きする一対のリアドアと、
前記リアドアの下方に設けられ、前記リアドアが開かれる際に下方に開かれて使用状態とされる前記ステップと、を備えており、
前記リアドアの一方を開くときに、閉じられて収納状態とされた前記ステップの上端部の内面と当接する突起が、当該一方の下端から下方に向けて突設されており
前記突起が、弾性部材によって構成されており、
前記弾性部材は、前記ステップが先に閉じられた前記収納状態で前記リアドアの前記一方が閉じられる際に、前記ステップの前記上端部と当接することで変形して当該上端部を乗り越える可撓性を有している、ことを特徴とする車両後部両開きドア構造。
【請求項2】
前記リアドアが、開かれるときに先に開かれ、かつ、閉じられるときに後に閉じられる先開きドアと、開かれるときに後に開かれ、かつ、閉じられるときに先に閉じられる後開きドアとで構成されており、
前記先開きドアから前記後開きドアにかけて、前記先開きドアと前記後開きドアとの分割部の下方に設けられており、
前記リアドアの前記一方が、前記後開きドアであり、
前記突起が前記後開きドアに形成されており、
前記ステップの先端縁から、前記ステップが閉じられた前記収納状態で閉じられた前記先開きドアの下端部の内面と当接する当接片が延設されている、ことを特徴とする請求項に記載の車両後部両開きドア構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下方に開くステップを備えた車両後部両開きドア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、一対のリアドアと、横に両開きされたリアドアから荷室に入りやすくするための踏み台として機能するステップとを備えた車両が開示されている。ステップは、常にスプリングによって開方向に付勢されており、一対のリアドアのうち先に開かれるドアが開かれるとその閉状態が解除され、スプリングによって下方に開かれて水平状態となる。ステップを収納するには、スプリングの付勢力に対抗してステップを閉じた状態に維持しつつ、後から閉められるドア(=先に開かれるドア)を閉じる。後から閉じられるドアにはステップの閉状態を保持するストッパが設けられている。即ち、後から閉められるドア(=先に開かれるドア)を開くと、ストッパによるステップの閉状態が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−176186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された構造では、ステップを常に開方向に付勢するスプリングが必要になる。また、ステップを閉じるには、スプリングの付勢力に対抗する操作力が必要になり、操作性が低下する。特に、ステップを閉状態に維持しながら後から閉められるドアを閉める必要があり、操作性は悪い。
【0005】
本発明の目的は、横に両開きする一対のリアドアを開く際に良好な操作性で開かれ得るステップを備えた、簡潔な構造の車両後部両開きドア構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両後部両開きドア構造は、横に両開きする一対のリアドアと、前記リアドアの下方に設けられ、前記リアドアが開かれる際に下方に開かれて使用状態とされるステップとを備えている。ここで、前記リアドアの一方を開くときに、閉じられて収納状態とされた前記ステップの上端部の内面と当接する突起が、当該一方の下端から下方に向けて突設されている。前記突起は、弾性部材によって構成されている。前記弾性部材は、前記ステップが先に閉じられた前記収納状態で前記リアドアの前記一方が閉じられる際に、前記ステップの前記上端部と当接することで変形して当該上端部を乗り越える可撓性を有している。
【発明の効果】
【0007】
良好な操作性でステップを開くことのできる、簡素な構造の車両後部両開きドア構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】先開きドアが開かれた状態を示す斜視図である。
図2】後開きドアと共にステップが開かれた状態を示す斜視図である。
図3】後開きドアの突起とステップとの位置関係を示す拡大側面図である。
図4】後開きドアによって下方に開かれるステップを示す拡大斜視図である。
図5】後開きドア(先閉じドア)が閉じられた状態を示す斜視図である。
図6図5に示される状態でのステップを示す拡大斜視図である。
図7】先開きドア(後閉じドア)及びステップが閉じられた状態を示す斜視図である。
図8図7に示される状態でのステップを示す拡大斜視図である。
図9】ステップが閉じられている状態で後開きドア(先閉じドア)が閉じられた状態を示す斜視図である。
図10】後開きドア(先閉じドア)の突起とステップとの位置関係を示す拡大後面図である。
図11図10に示される状態を示す拡大側面図である。
図12】突起がステップを乗り越える様子を示す拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ステップを備えた車両後部両開きドア構造の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態におけるドア構造を有する車両1の後面には、両開きドア2及び3が設けられており、一対のリアドア2及び3は横に開かれる。図2に示されるようにリアドア2及び3が開かれると、車両1の後部から荷室(荷物スペース・車内)4にアクセスできる。本実施形態のリアドア2及び3では、リアドア2及び3の構造上(例えば、ドアロック構造)の理由から、車両1の後方から見て左側のリアドア2を先に開く必要がある。即ち、左側のリアドア2は先開きドア2である。先開きドア2は、リアドア2及び3を閉じる場合は後から閉じられる。右側のリアドア3は、リアドア2及び3を開くときに後から開かれる後開きドア3である。後開きドア3は、リアドア2及び3を閉じる場合は先に閉じられる。
【0011】
リアドア2及び3の下方には、リアドア2及び3が開かれた際に荷室4に入る際の踏み台となるステップ5が設けられている。ステップ5は、下方に開かれて水平状態で止まり、使用状態となる構造を有している。図8に示されるように、閉じられて収納状態とされたステップ5は、バンパ6に設けられた凹部6a内に収納され、バンパ6と視覚的統一感を有する外観を有している。ステップ5は、その下方(閉状態時)にヒンジ5aを有している(図11参照)。ヒンジ5aは、ステップ5を自由回転可能に保持している。ヒンジ5aは、ステップ5が閉じられた際の内側(開かれた際の上面側)に位置する構造部材5bに形成されている(図5参照)。構造部材5bは金属板で形成されている。
【0012】
図示されないが、ステップ5を水平状態に維持する機構も、構造部材5bと車両1の車体との間に形成されている。例えば、ステップ5の水平状態では構造部材5bと車体の一部とが当接して、ステップ5がそれ以上下方に開かれるのが抑止される。ステップ5が閉じられた際の外側(開かれた際の底面側)には、バンパ6と視覚的統一感を有する樹脂パネル5cが取り付けられている(図6参照)。
【0013】
バンパ6との視覚的統一感は、ステップ5を閉じたときにステップ5の表面とバンパ6の表面とが連続性を有していること、樹脂パネル5cとバンパ6とが同じ樹脂材で形成されていること、樹脂パネル5cの表面とバンパ6とが表面が同じ色であること、樹脂パネル5cの最外塗膜と表面とバンパ6の最外塗膜とが同じ塗料で塗装されていること、などによって実現される。なお、構造部材5bは、強度的に問題がなければ樹脂によって構成されてもよい。この場合、構造部材5bは、樹脂パネル5cと一体的に形成されてもよい。
【0014】
本実施形態では、ステップ5は、先開きドア2から後開きドア3にかけて、先開きドア2と後開きドア3との分割部P(図7参照)の下方に設けられている。分割部Pは、ステップ5の横方向中心と一致している。図4に示されるように、ステップ5は、後方より見て、その中心から左側にオフセットして、当接片5dが形成されている。当接片5dは、ステップ5の先端縁から延設されており、構造部材5b及び樹脂パネル5cによって構成されている。ただし、当接片5dは、構造部材5b及び樹脂パネル5cの少なくとも一方によって構成されればよく、好ましくは構造部材5bを含んで構成される。当接片5dは、ステップ5を閉じる際に取っ手として機能する。
【0015】
図8に示されるように、ステップ5が閉じられ、かつ、先開きドア2も閉じられた際には、当接片5dは、後方から見て、先開きドア2とのみ重なる。即ち、当接片5dは、先開きドア2の背後に配置され、当接片5dが先開きドア2の内面と当接することで、ステップ5が開くのが防止される。
【0016】
また、本実施形態では、図3及び図4に示されるように、後開きドア3の下端から弾性部材によって形成された突起3aが下方に突設されている。後開きドア3が閉じられ、かつ、ステップ5も閉じられた際には、突起3aの先端は、後方から見て、ステップ5と重なる。即ち、突起3aは、ステップ5の上端部の背後に配置される。このため、後開きドア3を開くと、突起3aは、閉じられたステップ5の上端部と当接して、ステップ5の上端部を押す(図3参照)。
【0017】
図12に示されるように、突起3aを構成する弾性部材は、ステップ5が先に閉じられた収納状態で後開きドア(=先閉じドア)3が閉じられる際に、ステップ5の上端部と当接することで変形して当該上端部を乗り越える可撓性を有している。これについては、追って詳しく説明する。
【0018】
次に、上述したように構成されたドア構造において、リアドア2及び3並びにステップ5を開く動作について、図1図4を参照しつつ説明する。
【0019】
まず、図1に示されるように、先開きドア2が開かれる。この結果、先開きドア2の内面とステップ5の当接片5dとの当接が解除される。次に、図2に示されるように、後開きドア3が開かれる。この時、図3に示されるように、突起3aによってステップ5の上端部が押され、ステップ5はヒンジ5a回りに自由回転する。この結果、図4に示されるように、ステップ5も同時に下方に開かれ、その後、水平状態で保持される。
【0020】
水平状態で開かれたステップ5は、リアドア2及び3が開かれることで形成される車両1の後面の開口から乗員が荷室4に入る時の踏み台として機能する。踏み面は金属製の構造部材5bによって構成されており、強度上何らの問題もない。踏み面から入力される荷重は、構造部材5bによって受け止められ、樹脂パネル5cには付与されない。
【0021】
次に、上述したように構成されたドア構造において、リアドア2及び3並びにステップ5を閉じる動作について、図5図8を参照しつつ説明する。
【0022】
まず、図5に示されるように、突起3aを有する後開きドア(=先閉じドア)3が閉じられる。次に、図6に示されるように、当接片5dを取っ手として利用して、ステップ5が上方に閉じられる。この時、突起3aがステップ5を閉じる邪魔となることはない。また、ステップ5はヒンジ5a回りに自由回転可能であるため、閉じるのに大きな力は必要ない。次いで、図7に示されるように、ステップ5が閉じられた状態で、先開きドア(=後閉じドア)2が閉じられる。この結果、図8に示されるように、先開きドア2の内面とステップ5の当接片5dとが互いに当接し、ステップ5が勝手に開くのが防止される。また、閉じられたステップ5は、バンパ6と視覚的統一感を有する外観を呈する。
【0023】
最後に、上述したように構成されたドア構造において、ステップ5が先に閉じられている収納状態で、リアドア2及び3を閉じる動作について、図9図12を参照しつつ説明する。
【0024】
ここでは、リアドア2及び3を閉じる前に、特に、後開きドア(=先閉じドア)3を閉じる前に、ステップ5が閉じられている。図9に示されるようにステップ5が閉じられた状態で突起3aを有する後開きドア(=先閉じドア)3を閉じると、図10及び図11に示されるように突起3aの先端が閉じられたステップ5の上端部と干渉する。しかし、突起3aは上述した可撓性を有する弾性部材によって形成されているので、後開きドア3を閉じる力が所定以上であれば、図12に示されるように突起3aは変形してステップ5の上端部を乗り越える。
【0025】
ステップ5の上端部を乗り越えた突起3aは、それ自身の弾性復元力によって、閉じられたステップ5の背後で元の形状に戻る。即ち、その後に後開きドア3が開かれる際には、突起3aによってステップ5は問題なく開かれる。後開きドア3が閉じられた後、先開きドア(=後閉じドア)2が閉じられる。この結果、先開きドア2の内面とステップ5の当接片5dとが互いに当接し、ステップ5が勝手に開くのが抑止される(図8参照)。閉じられたステップ5は、バンパ6と視覚的統一感を有する外観を呈する。
【0026】
本実施形態のドア構造では、リアドア2及び3の一方(本実施形態では後開きドア3)を開くときに、閉じられたステップ5の上端部の内面と当接する突起3aが、当該一方(後開きドア3)の下端から下方に向けて突設されている。このため、当該一方(後開きドア3)を開くときには、ステップ5が突起3aに押されて自然に開かれる。ステップ5を開く動作は不要となり、簡便な機構によって良好な操作性でステップを開くことができる。なお、突起(3a)が先開きドア2の下端から下方に向けて突設される場合は、先開きドア2を開くときにステップ5が簡便な機構によって良好な操作性で下方に開かれる。
【0027】
従って、上述した特許文献1に開示された、ステップを開くためのスプリングのような別部材を設ける必要はない。即ち、突起3a以外は、ステップ5のために最小限の部品だけで構成されている。この結果、本実施形態のドア構造は低コストで実現でき、それだけではなく、ステップ5を閉じる際の操作力も良好なものとなる。
【0028】
また、本実施形態のドア構造では、突起3aを構成する弾性部材は、ステップ5が閉じられた状態でリアドア2及び3うちの突起3aを有する一方(本実施形態では後開きドア3)が閉じられる際にステップ5の上端部と当接することで変形して当該上端部を乗り越える可撓性を有している。このため、ステップ5が開かれていても(使用状態)、先に閉じられていても(収納状態)、突起3aを有するリアドア(本実施形態では後開きドア3)を閉じることができる。従って、面倒な手順を覚える必要なく、良好な操作性が実現される。
【0029】
さらに、本実施形態のドア構造では、突起3aが後開きドア3のみに形成されており、かつ、ステップ5の先端縁から、ステップ5が閉じられた状態で閉じられた先開きドア2の下端部の内面と当接する当接片5dが延設されている。従って、先開きドア2及び後開きドア3(=リアドア2及び3)並びにステップ5が完全に閉じられた状態にあれば、先開きドア2の下端部の内面と当接片5dとは当接している。この結果、ステップ5が勝手に開くのが防止される。
【0030】
なお、本実施形態では、後開きドア3が、ステップ5と当接する突起3aを備えていた。しかし、ステップ5を簡便な機構によって良好な操作性で開くだけであれば、一対のリアドア2及び3の何れか一方に突起(3a)が形成されればよい。この際、ステップ5は、突起が設けられた当該一方に寄せて配置されてもよい。即ち、本実施形態では、一対のリアドア2及び3の一方から他方にかけてステップ5が配置されたが、当該一方の下方範囲内に配置されてもよい。ただし、一対のリアドア2及び3の分割部Pの延長線上にステップ5が配置されれば、リアドア2及び3の片方しか開かれていない場合でも荷室4に入るのにステップ5を利用できる。この利点は、一対のリアドア2及び3が不等分割されている場合でも有効である。
【符号の説明】
【0031】
2 リアドア(先開きドア,後閉じドア)
3 リアドア(後開きドア,先閉じドア)
3a 突起
5 ステップ
5a ヒンジ
5b 構造部材
5c 樹脂パネル
5d 当接片
6 バンパ
6a 凹部
P (リアドアの)分割部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12