特許第6859861号(P6859861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6859861マニピュレーションシステム及びマニピュレーションシステムの駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859861
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】マニピュレーションシステム及びマニピュレーションシステムの駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/32 20060101AFI20210405BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20210405BHJP
   G02B 21/34 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   G02B21/32
   G02B21/36
   G02B21/34
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-116255(P2017-116255)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-2982(P2019-2982A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2020年1月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸明
(72)【発明者】
【氏名】杉田 澄雄
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ハウス
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−023487(JP,A)
【文献】 特開2006−106192(JP,A)
【文献】 特開昭60−205411(JP,A)
【文献】 特開2013−169185(JP,A)
【文献】 特開平09−203854(JP,A)
【文献】 特開昭61−194418(JP,A)
【文献】 特開2013−160960(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3145830(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0149628(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第106033069(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状器具を用いて微小対象物を採取するマニピュレーションシステムであって、
第1管部と、前記第1管部の一端に接続する第2管部と、前記第1管部の他端に接続する第3管部と、を有し、前記第3管部の長手方向は、前記第1管部の長手方向と交差し、かつ前記第2管部の長手方向に平行である、管状器具と、
前記管状器具が取り付けられ、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させるためのマニピュレータと、
液体及び前記微小対象物を収容するための第1容器及び第2容器が載置され、かつ前記X軸方向及び前記Y軸方向に平行な載置面を有する試料ステージと、
前記試料ステージの上方に配置された第1顕微鏡と、
前記第1顕微鏡と、前記マニピュレータの前記管状器具とを連結し、前記第3管部を前記試料ステージの載置面と平行に保持する連結部と、
前記第1顕微鏡の対物レンズ及び前記マニピュレータを一体に移動させて前記対物レンズの焦点位置を変更する第1駆動装置と、
前記マニピュレータに搭載され、前記対物レンズに対して前記管状器具をZ軸方向に移動させる第2駆動装置と、
前記第2駆動装置を制御して、前記対物レンズの焦点位置に前記管状器具の前記第3管部を移動させるコントローラと、を備え
前記コントローラは、前記微小対象物を前記第1容器から前記第2容器へ移動させるにあたり、
前記第3管部の移動を検出し、前記第3管部が前記第1容器内の液体中を移動する場合は、前記第2駆動装置を制御して前記第3管部を前記対物レンズに対して相対的に移動させ、前記第3管部が気体中を移動する場合は、前記第2駆動装置を制御して前記第3管部と前記対物レンズとの離隔距離を一定に保持する、
マニピュレーションシステム。
【請求項2】
前記第1顕微鏡を介して前記第3管部を撮像する第1撮像装置と、
前記試料ステージの側方に配置された第2顕微鏡と、
前記第2顕微鏡を介して前記第3管部を撮像する第2撮像装置と、
前記第1撮像装置により撮像される第1画像と、前記第2撮像装置により撮像される第2画像とを表示する表示部と、をさらに備える請求項1に記載のマニピュレーションシステム。
【請求項3】
前記第1画像と前記第2画像とを撮像時刻に基づいて互いに関連付けて記憶する記憶部、をさらに備える請求項2に記載のマニピュレーションシステム。
【請求項4】
前記第1撮像装置が撮像する第1方向、及び、前記第2撮像装置が撮像する第2方向とそれぞれ交差する第3方向から前記試料ステージ側を撮像する第3撮像装置、をさらに備え、
前記表示部は、前記第3撮像装置により撮像される第3画像を表示する、請求項2又は3に記載のマニピュレーションシステム。
【請求項5】
微小対象物を採取するための管状器具であって、第1管部と、前記第1管部の一端に接続する第2管部と、前記第1管部の他端に接続する第3管部と、を有し、前記第3管部の長手方向は、前記第1管部の長手方向と交差し、かつ前記第2管部の長手方向に平行である、管状器具と、
前記管状器具が取り付けられ、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させるためのマニピュレータと、
液体及び前記微小対象物を収容するための第1容器及び第2容器が載置され、かつ前記X軸方向及び前記Y軸方向に平行な載置面を有する試料ステージと、
前記試料ステージの上方に配置された第1顕微鏡と、
前記第1顕微鏡と、前記マニピュレータの前記管状器具とを連結し、前記第3管部を前記試料ステージの載置面と平行に保持する連結部と、
前記第1顕微鏡の対物レンズ及び前記マニピュレータを一体に移動させて前記対物レンズの焦点位置を変更する第1駆動装置と、
前記マニピュレータに搭載され、前記対物レンズに対して前記管状器具をZ軸方向に移動させ第2駆動装置と、
を備えるマニピュレーションシステムの駆動方法であって、
前記微小対象物を前記第1容器から前記第2容器へ移動させるにあたり、記第3管部の移動を検出し、前記第3管部が前記第1容器内の液体中を移動する場合は、前記第2駆動装置を制御して前記第3管部を前記対物レンズに対して相対的に移動させ、前記第3管部が気体中を移動する場合は、前記第2駆動装置を制御して前記第3管部と前記対物レンズとの離隔距離を一定に保持する、マニピュレーションシステムの駆動方法。
【請求項6】
前記第3管部が液体中を移動する場合は、
前記対物レンズの移動量に対する前記第3管部の移動量の比が予め設定された値となるように、前記第2駆動装置を制御する、請求項5に記載のマニピュレーションシステムの駆動方法。
【請求項7】
前記第3管部が気体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動量に対する前記第3管部の移動量の比と、
前記第3管部が液体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動量に対する前記第3管部の移動量の比とが、
予め設定された値で、且つ互いに異なる値となるように、前記第2駆動装置を制御する、請求項5に記載のマニピュレーションシステムの駆動方法。
【請求項8】
前記第3管部が液体中を移動する場合は、
前記対物レンズの移動速度に対する前記第3管部の移動速度の比が予め設定された値となるように、前記第2駆動装置を制御する、請求項5に記載のマニピュレーションシステムの駆動方法。
【請求項9】
前記第3管部が気体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動速度に対する前記第3管部の移動速度の比と、
前記第3管部が液体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動速度に対する前記第3管部の移動速度の比とが、
予め設定された値で、且つ互いに異なる値となるように、前記第2駆動装置を制御する、請求項5に記載のマニピュレーションシステムの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニピュレーションシステム及びマニピュレーションシステムの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオテクノロジ分野において、顕微鏡観察下で細胞や卵にDNA溶液や細胞を注入する等のように、微小対象物に微細な操作を行うマイクロマニピュレーションシステムが知られている。特許文献1には、細胞を吸引するマニピュレータを有する細胞採取装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−169185号公報
【特許文献2】特開2010−200679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オペレータが微小対象物に微細な操作をする場合、顕微鏡の焦点は微小対象物だけでなく、微小対象物に近接するピペットの先端部にも合っていることが望ましい。顕微鏡の焦点がピペットの先端部に合っていないと、オペレータはピペットの先端部を明瞭に観察することができず、マニピュレーションの操作性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、操作性が高いマニピュレーションシステム及びマニピュレーションシステムの駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るマニピュレーションシステムは、管状器具を用いて微小対象物を採取するマニピュレーションシステムであって、前記管状器具が取り付けられるマニピュレータと、前記微小対象物を収容するための容器が載置される試料ステージと、前記試料ステージの上方に配置された第1顕微鏡と、前記第1顕微鏡の対物レンズ及び前記マニピュレータを一体に移動させて前記対物レンズの焦点位置を変更する第1駆動装置と、前記対物レンズに対して前記管状器具を移動させる第2駆動装置と、前記第2駆動装置を制御して、前記対物レンズの焦点位置に前記管状器具の先端部を移動させるコントローラと、を備える。これによれば、マニピュレーションシステムは、第1顕微鏡の焦点を管状器具の先端部に自動で合わせることできる。
【0007】
本発明の望ましい態様として、前記第1顕微鏡を介して前記先端部を撮像する第1撮像装置と、前記試料ステージの側方に配置された第2顕微鏡と、前記第2顕微鏡を介して前記先端部を撮像する第2撮像装置と、前記第1撮像装置により撮像される第1画像と、前記第2撮像装置により撮像される第2画像とを表示する表示部と、をさらに備える。これによれば、表示部は、管状器具の先端部を上方から拡大して示す第1画像と、管状器具の先端部を側方から拡大して示す第2画像とを表示することができる。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記第1画像と前記第2画像とを撮像時刻に基づいて互いに関連付けて記憶する記憶部、をさらに備える。これによれば、表示部は、同時刻に撮像された第1画像と第2画像とを並べて再生表示することができる。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記第1撮像装置が撮像する第1方向、及び、前記第2撮像装置が撮像する第2方向とそれぞれ交差する第3方向から前記試料ステージ側を撮像する第3撮像装置、をさらに備え、前記表示部は、前記第3撮像装置により撮像される第3画像を表示する。これによれば、表示部は、試料ステージの斜め上方向から試料ステージ側を撮像した第3画像を、第1画像及び第2画像と並べて表示することができる。第3画像から、試料ステージとその周辺を俯瞰することが容易となる。
【0010】
本発明の一態様に係るマニピュレーションシステムの駆動方法は、微小対象物を採取するための管状器具が取り付けられるマニピュレータと、前記微小対象物を収容するための容器が載置される試料ステージと、前記試料ステージの上方に配置された第1顕微鏡と、前記第1顕微鏡の対物レンズ及び前記マニピュレータを一体に移動させて前記対物レンズの焦点位置を変更する第1駆動装置と、前記対物レンズに対して前記管状器具を移動させて、前記管状器具の先端部を前記焦点位置に合わせる第2駆動装置と、を備えるマニピュレーションシステムの駆動方法であって、前記第2駆動装置を制御して、前記対物レンズの焦点位置に前記管状器具の先端部を移動させる。これによれば、第1顕微鏡の焦点を管状器具の先端部に容易に合わせることできる。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記先端部の移動を検出し、前記先端部が前記容器内の液体中を移動する場合は、前記第2駆動装置を制御して前記先端部を前記対物レンズに対して相対的に移動させる。これによれば、マニピュレーションシステムは、対物レンズの焦点位置を液体中で移動させる場合でも、管状器具の先端部に焦点を自動で合わせることできる。
【0012】
本発明の望ましい態様として、前記先端部が気体中を移動する場合は、前記第2駆動装置を制御して前記先端部と前記対物レンズとの離隔距離を一定に保持する。これによれば、マニピュレーションシステムは、対物レンズの焦点位置を気体中で移動させる場合でも、管状器具の先端部に焦点を自動で合わせることできる。
【0013】
本発明の望ましい態様として、前記先端部が液体中を移動する場合は、前記対物レンズの移動量に対する前記先端部の移動量の比が予め設定された値となるように、前記第2駆動装置を制御する。これによれば、マニピュレーションシステムは、対物レンズの焦点位置の移動に追従して、管状器具の先端部を移動させることができる。
【0014】
本発明の望ましい態様として、前記先端部が気体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動量に対する前記先端部の移動量の比と、前記先端部が液体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動量に対する前記先端部の移動量の比とが、予め設定された値で、且つ互いに異なる値となるように、前記第2駆動装置を制御する。これによれば、マニピュレーションシステムは、対物レンズの焦点位置を液体中で移動させる場合でも、対物レンズの焦点位置の移動に追従して、管状器具の先端部を移動させることができる。
【0015】
本発明の望ましい態様として、前記先端部が液体中を移動する場合は、前記対物レンズの移動速度に対する前記先端部の移動速度の比が予め設定された値となるように、前記第2駆動装置を制御する。これによれば、マニピュレーションシステムは、対物レンズの焦点位置の移動に追従して、管状器具の先端部を移動させることができる。
【0016】
本発明の望ましい態様として、前記先端部が気体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動速度に対する前記先端部の移動速度の比と、前記先端部が液体中を移動する場合における、前記対物レンズの移動速度に対する前記先端部の移動速度の比とが、予め設定された値で、且つ互いに異なる値となるように、前記第2駆動装置を制御する。これによれば、マニピュレーションシステムは、対物レンズの焦点位置を液体中で移動させる場合でも、対物レンズの焦点位置の移動に追従して、管状器具の先端部を移動させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作性が高いマニピュレーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る記憶部の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る表示部の画面に表示される画像の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る採取用ピペットの構成例を示す側面図である。
図7図7は、実施形態に係る採取用ピペットの構成例を示す平面図である。
図8図8は、実施形態に係る採取用ピペットの第3管部を拡大して示す図である。
図9図9は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの主動作例を示す模式図である。
図10図10は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの主動作例を示す模式図である。
図11図11は、実施形態における対物レンズの焦点位置と焦点距離との関係を示すグラフである。
図12図12は、実施形態に係る補正送りを説明するための模式図である。
図13図13は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの副動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0020】
(実施形態)
図1は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を示す模式図である。図1及び図2に示すマニピュレーションシステム100は、容器38に収容された複数個の微小対象物のうちから、所望の微小対象物を1個ずつ採取する装置である。微小対象物は、例えば細胞である。
【0021】
図1及び図2に示すように、マニピュレーションシステム100は、基台1と、採取用ピペット10と、ピペット保持部15と、マニピュレータ20と、試料ステージ30と、第1撮像装置45を有する第1顕微鏡ユニット40と、コントローラ50と、第2撮像装置65を有する第2顕微鏡ユニット60と、連結部71と、第3撮像装置75と、表示部80と、ジョイスティック91と、入力部92と、を備える。なお、実施形態では、試料ステージ30の載置面30aに平行な一方向をX軸方向とする。載置面30aに平行で、かつ、X軸方向と直交する方向をY軸方向とする。載置面30aの法線方向をZ軸方向とする。載置面30aは、基台1に平行な水平面である。
【0022】
採取用ピペット10は、細胞を採取するための管状器具である。例えば、採取用ピペット10は針状であり、その材質はガラスである。採取用ピペット10の先端部には、細胞を採取するための開口部が設けられている。採取用ピペット10の詳細は、後で図6から図8を参照しながら説明する。
【0023】
ピペット保持部15は、採取用ピペット10を保持するための管状器具である。ピペット保持部15の材質は、例えば樹脂又は金属である。ピペット保持部15の一端は、採取用ピペット10に連結している。また、ピペット保持部15の他端は、マニピュレータ20が有する電動マイクロポンプ29に接続されている。ピペット保持部15及び採取用ピペット10の内部圧力は、電動マイクロポンプ29から供給される圧力Pにより減圧又は増圧される。採取用ピペット10の内部圧力が常圧よりも低いとき、採取用ピペット10は先端部の開口部から細胞を吸引して採取することができる。ピペット保持部15は、後述の連結部28を介してマニピュレータ20に連結されている。
【0024】
マニピュレータ20は、ピペット保持部15及び採取用ピペット10をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させるための装置である。マニピュレータ20は、連結部71によって支持されている。マニピュレータ20は、X軸テーブル21と、Y軸テーブル22と、Z軸テーブル23と、駆動装置26、27と、連結部28と、電動マイクロポンプ29と、を備える。X軸テーブル21は、駆動装置26が駆動することによって、X軸方向に移動する。Y軸テーブル22は、駆動装置26が駆動することによって、Y軸方向に移動する。Z軸テーブル23は、駆動装置27が駆動することによって、Z軸方向に移動する。駆動装置26、27と、電動マイクロポンプ29は、コントローラ50に接続されている。
【0025】
連結部28は、ピペット保持部15をマニピュレータ20に連結している。また、連結部71は、マニピュレータ20のX軸テーブル21、Y軸テーブル22、Z軸テーブル23及び連結部28を、第1顕微鏡ユニット40の鏡筒411に連結している。連結部71は、鏡筒411を介して、第1顕微鏡ユニット40の対物レンズ412に固定されている。これにより、マニピュレータ20のX軸テーブル21、Y軸テーブル22、Z軸テーブル23及び連結部28は、連結部71及び鏡筒411を介して、対物レンズ412に固定されている。連結部28、71は、例えばZ軸テーブル23に取り付けられている。連結部28、71は、例えば金属製である。
【0026】
また、マニピュレータ20において、Z軸テーブル23はY軸テーブル22上に取り付けられている。これにより、ピペット保持部15及び第1顕微鏡ユニット40は、Y軸テーブル22の移動に従って、Y軸テーブル22と同じ距離だけY軸方向に移動することができる。さらに、Y軸テーブル22はX軸テーブル21上に取り付けられている。これにより、ピペット保持部15及び第1顕微鏡ユニット40は、X軸テーブル21の移動に従って、X軸テーブル21と同じ距離だけX軸方向に移動することができる。このように、ピペット保持部15及び第1顕微鏡ユニット40は、マニピュレータ20の動作に従って、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動することができる。
【0027】
試料ステージ30は、容器38を支持する。例えば、試料ステージ30の載置面30aに容器38が載置される。容器38は、例えば、シャーレ又はディッシュである。試料ステージ30は、X軸ステージ31と、Y軸ステージ32と、駆動装置36と、を備える。X軸ステージ31は、駆動装置36が駆動することによって、X軸方向に移動する。Y軸ステージ32は、駆動装置36が駆動することによって、Y軸方向に移動する。X軸ステージ31はY軸ステージ32上に取り付けられている。駆動装置36は、コントローラ50に接続されている。
【0028】
なお、図2では、試料ステージ30の平面視による形状(以下、平面形状)が円形の場合を示しているが、試料ステージ30の平面形状は円形に限定されず、例えば矩形でもよい。また、図2では、容器38の平面形状が円形の場合を示しているが、容器38の平面形状は円形に限定されず、例えば矩形でもよい。さらに、図2では、試料ステージ30上に1個の容器38が載置されている場合を示しているが、試料ステージ30上に載置される容器38の数は1個に限定されず複数個でもよい。
【0029】
第1顕微鏡ユニット40は、試料ステージ30の上方に配置されている。第1顕微鏡ユニット40は、第1顕微鏡41と、第1撮像装置45と、試料ステージ30の載置面30aに向けて光を照射する光源(図示せず)とを有する。第1顕微鏡41は、鏡筒411と、対物レンズ412と、接眼レンズ413と、駆動装置414とを有する。第1顕微鏡41は、対物レンズ412が容器38の上方に位置する実体顕微鏡である。対物レンズ412は、駆動装置414が駆動することによって、Z軸方向に移動する。これにより、第1顕微鏡41は、対物レンズ412の焦点位置を変更することができる。
【0030】
また、上述したように、対物レンズ412は、鏡筒411及び連結部71を介して、マニピュレータ20に固定されている。これにより、駆動装置414は、対物レンズ412及びマニピュレータ20を一体に移動させることができる。例えば、駆動装置414が駆動することによって、マニピュレータ20は、対物レンズ412と同じ速度で、同じ距離だけZ軸方向に移動することができる。駆動装置414による対物レンズ412の移動量と、駆動装置414によるマニピュレータ20の移動量は、互いに同一である。
【0031】
対物レンズ412は、所望の倍率に合わせて複数種類が用意されていてもよい。また、第1撮像装置45は、例えば、CMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサ等の固体撮像素子を有する。第1撮像装置45は、第1顕微鏡41を介して、採取用ピペット10の先端部をZ軸方向から撮像することができる。
【0032】
第2顕微鏡ユニット60は、試料ステージ30の側方に配置されている。第2顕微鏡ユニット60は、第2顕微鏡61と、第2撮像装置65とを有する。第2顕微鏡61は、鏡筒611と、対物レンズ612とを有する。第2撮像装置65は、例えば、CMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサ等の固体撮像素子を有する。第2撮像装置65は、第2顕微鏡61を介して、採取用ピペット10の先端部をY軸方向から撮像することができる。第2顕微鏡ユニット60は、支持具3を介して基台1に支持されている。
【0033】
第3撮像装置75は、支持具4を介して基台1に支持されている。支持具4は、X軸方向及びY軸方向に動くことができ、Z軸方向に延伸することができる。これにより、第3撮像装置75は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向とそれぞれ交差する、試料ステージ30の斜め上方向から、試料ステージ30側を撮像することができる。なお、マニピュレーションシステム100は、光源(図示せず)を備えてもよい。光源は、例えば第3撮像装置75が試料ステージ30側を撮像する際に用いられる。光源は、基台1に固定された支柱2に取り付けることができる。
【0034】
入力部92は、キーボードやタッチパネル等である。ジョイスティック91及び入力部92は、コントローラ50に接続されている。オペレータは、ジョイスティック91及び入力部92を介して、コントローラ50にコマンドを入力することができる。
【0035】
次に、コントローラ50の機能について、図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を示すブロック図である。コントローラ50は、演算手段としてのCPU(中央演算処理装置)及び記憶手段としてのハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のハードウェア資源を備える。
【0036】
図3に示すように、コントローラ50は、その機能として、画像入力部51、画像処理部52、画像出力部53、細胞検出部54と、駆動情報入力部55と、位置検出部56と、判断部57と、駆動制御部58と、記憶部59とを有する。画像入力部51、画像処理部52、画像出力部53、細胞検出部54、駆動情報入力部55、位置検出部56、判断部57及び駆動制御部58は、上述の演算手段により実現される。記憶部59は、上述の記憶手段により実現される。コントローラ50は、記憶部59に格納されたプログラムに基づいて各種の演算を行い、演算結果に従って駆動制御部58が各種の制御を行うように駆動信号を出力する。なお、駆動情報入力部55及び位置検出部56の機能は、後述する。
【0037】
駆動制御部58は、第1顕微鏡ユニット40の駆動装置414と、マニピュレータ20の駆動装置26、27及び電動マイクロポンプ29と、試料ステージ30の駆動装置36と、第2顕微鏡ユニット60の駆動装置63とを制御する。駆動装置414、26、27、36、63は、それぞれモータを含む。駆動制御部58は、駆動装置414、26、27、36、63に駆動信号Vz1、Vxy2、Vz2、Vxy3、Vy4(図2参照)をそれぞれ供給する。また、駆動制御部58は、電動マイクロポンプ29に駆動信号Vmp(図2参照)を供給する。なお、駆動制御部58は、必要に応じて設けられたドライバやアンプ等を介して、駆動信号Vz1、Vxy2、Vz2、Vxy3、Vy4、Vmpをそれぞれ供給してもよい。
【0038】
第1撮像装置45から出力される第1画像信号Vpix1(図2参照)と、第2撮像装置65から出力される第2画像信号Vpix2(図2参照)と、第3撮像装置75から出力される第3画像信号Vpix3(図2参照)は、画像入力部51にそれぞれ入力される。画像処理部52は、画像入力部51から第1画像信号Vpix1、第2画像信号Vpix2、第3画像信号Vpix3を受け取って、画像処理を行う。画像出力部53は、画像処理部52で画像処理された画像情報を記憶部59及び表示部80へ出力する。
【0039】
例えば、第1画像信号Vpix1には、第1顕微鏡41を通して第1撮像装置45が撮像した第1画像と、その撮像時刻とが含まれている。第1画像は動画である。同様に、第2画像信号Vpix2には、第2顕微鏡61を通して第2撮像装置65が撮像した第2画像と、その撮像時刻とが含まれている。第2画像も動画である。第3画像信号Vpix3には、第3撮像装置75が撮像した第3画像と、その撮像時刻とが含まれている。第3画像も動画である。
【0040】
画像処理部52は、第1画像信号Vpix1、第2画像信号Vpix2、第3画像信号Vpix3を、撮像時刻に基づいて互いに関連付けして、編集画像信号Vpix4(図2参照)を生成する。編集画像信号Vpix4には、編集画像が含まれている。編集画像は、互いに同じ時刻に撮像された第1画像、第2画像及び第3画像を並べて表示する動画である。画像出力部53は、第1画像信号Vpix1、第2画像信号Vpix2、第3画像信号Vpix3及び編集画像信号Vpix4を記憶部59に出力する。
【0041】
図4は、実施形態に係る記憶部の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、記憶部59は、その機能として、マニピュレーションシステム100を動作させるためのプログラムを記憶したプログラム記憶部59aと、画像信号を記憶する画像記憶部59bと、基準位置記憶部59cと、補正情報記憶部59dとを有する。画像記憶部59bは、第1画像信号Vpix1を記憶する第1画像記憶部591と、第2画像信号Vpix2を記憶する第2画像記憶部592と、第3画像信号Vpix3を記憶する第3画像記憶部593と、編集画像信号Vpix4を記憶する編集画像記憶部594と、を有する。なお、基準位置記憶部59c及び補正情報記憶部59dがそれぞれ記憶する情報は、後述する。
【0042】
また、画像出力部53は、第1画像信号Vpix1、第2画像信号Vpix2、第3画像信号Vpix3及び編集画像信号Vpix4のうち、少なくとも1つ以上の画像信号を表示部80に出力する。例えば、オペレータがジョイスティック91を操作することによって、ジョイスティック91からコントローラ50に制御信号Vsig1(図2参照)が出力される。画像出力部53は、コントローラ50に入力された制御信号Vsig1に従って、表示部80に出力する画像信号を選択して表示部80に出力する。または、オペレータが入力部92を操作することによって、入力部92からコントローラ50に制御信号Vsig2(図2参照)が出力されてもよい。画像出力部53は、コントローラ50に入力された制御信号Vsig2に従って、表示部80に出力する画像信号を選択して表示部80に出力してもよい。
【0043】
細胞検出部54は、画像処理部52から画像情報を受け取り、受け取った画像情報に基づいて、細胞の位置を検出することができる。細胞検出部54が細胞の位置を検出した場合、細胞検出部54はその検出結果を画像情報に反映させることができる。例えば、細胞検出部54が細胞の位置を検出した場合、画像処理部52は細胞の位置を矢印で示すように、画像情報を編集してもよい。
【0044】
表示部80は、例えば液晶パネル等である。表示部80は、コントローラ50に接続されている。図5は、実施形態に係る表示部の画面の一例を示す図である。図5は、表示部80の画面81に編集画像が表示されている場合を例示している。編集画像では、互いに同じタイミングで撮像された第1画像811、第2画像812、第3画像813が並んで配置されている。表示部80は、編集画像をリアルタイム又はほぼリアルタイムで表示してもよいし、編集画像記憶部594に記憶されている編集画像を読み出して再生表示してもよい。オペレータがジョイスティック91又は入力部92を操作することによって、画面81に表示される画像を切り替えることが可能である。また、オペレータがジョイスティック91又は入力部92を操作することによって、画面81に表示される編集画像(動画)を一時停止することが可能である。なお、画面81に表示される画像は、編集画像に限定されることはなく、第1画像811、第2画像812又は第3画像813のみでもよい。
【0045】
図6は、実施形態に係る採取用ピペットの構成例を示す側面図である。図7は、実施形態に係る採取用ピペットの構成例を示す平面図である。図6及び図7に示すように、採取用ピペット10は、2段に屈曲した形状のガラス製の針である。具体的には、採取用ピペット10は、第1管部101と、第1管部101の一端に接続する第2管部102と、第1管部101の他端に接続する第3管部103と、を有する。第2管部102は、ピペット保持部15によって保持される側の部位である。第3管部103は、採取用ピペット10の先端部であり、細胞等の微小対象物を採取する側の部位である。第1管部101、第2管部102及び第3管部103は、それぞれ一方向に向かって直線状に延設されている。
【0046】
第1管部101と第2管部102との間には第1屈曲部104が存在する。第1管部101と第3管部103との間には第2屈曲部105が存在する。第1管部101の長手方向と第2管部102の長手方向は互いに交差している。第1管部101の長手方向と第3管部103の長手方向も互いに交差している。第2管部102の長手方向と第3管部103の長手方向は互いに平行又はほぼ平行である。例えば、第1管部101の長手方向と第2管部102の長手方向とが成す鈍角の角度(以下、第1屈曲部104の屈曲角度)をθ1とする。第1管部101の長手方向と第3管部103の長手方向とが成す鈍角の角度(以下、第2屈曲部105の屈曲角度)をθ2とする。
【0047】
第1管部101を、第1管部101の長手方向と直交する平面で切断した形状は円形である。同様に、第2管部102を、第2管部102の長手方向と直交する平面で切断した形状は円形である。第3管部103を、第3管部103の長手方向と直交する平面で切断した形状は円形である。第2管部102の外径をφ21とし、第3管部103の外径をφ31としたとき、φ21>φ31である。また、第1管部の外径φ11は、第1屈曲部104の側から第2屈曲部105の側に向かって小さくなっている。
【0048】
第2管部102の内径をφ22とし、第3管部103の内径をφ32としたとき、φ22>φ32である。また、第1管部101の内径φ12は、第1屈曲部104の側から第2屈曲部105の側に向かって小さくなっている。
【0049】
図8は、実施形態に係る採取用ピペットの第3管部を拡大して示す図である。図8に示すように、第3管部103の先端には開口部103aが設けられている。開口部103aと第2屈曲部105との間で、第3管部103の内径φ32の大きさはほぼ一定である。採取用ピペット10の採取対象である細胞ceの直径をφceとしたとき、φ32はφceよりも数μm程度大きいことが好ましい。これにより、採取用ピペット10は、細胞ceを第3管部103の内側に導入することができる。
【0050】
採取用ピペット10において、屈曲角度θ1、θ2の大きさと、第1屈曲部104及び第2屈曲部105の形成位置は、マニピュレーションシステム100が細胞ceを採取する際に第3管部103が容器38(図2)の中央に位置することができるように、それぞれ設計されていることが好ましい。
【0051】
次に、マニピュレーションシステム100の動作例について説明する。図9及び図10は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの主動作例を示す模式図である。図9及び図10に示すように、主動作例では、容器38として、第1容器38A及び第2容器38Bが試料ステージ30の載置面30aにそれぞれ載置されている場合を想定する。マニピュレーションシステム100が、第1容器38Aから第2容器38Bに細胞ceを採取する場合について説明する。なお、図9及び図10では、細胞ceの直径φceが採取用ピペット10の外径よりも大きく記載されているが、これは細胞ceを明示するためである。実際には、細胞ceの直径φceは、採取用ピペット10の内径φ32よりも小さいことが好ましい(図8参照)。
【0052】
図9のステップST1において、採取用ピペット10は、ピペット保持部15を介してマニピュレータ20に取り付けられている。採取用ピペット10の第3管部103は、第1顕微鏡41の対物レンズ412の直下に配置されている。また、採取用ピペット10の第3管部103の長手方向は、載置面30aと平行となっている。ステップST1において、第1容器38Aは液体39と複数個の細胞ceとを収容している。第2容器38Bは液体39のみを収容している。
【0053】
上述の状態で、マニピュレーションシステム100は、第1顕微鏡41の焦点を採取用ピペット10の第3管部103に合わせる。例えば、オペレータはジョイスティック91又は入力部92(図2参照)を操作して、コントローラ50(図2参照)に第1顕微鏡ユニット40の初期設定を行うよう指示する。この指示を受けて、コントローラ50は、マニピュレータ20の駆動装置27に駆動信号Vz2(図2参照)を送信して、Z軸テーブル23をZ軸方向に移動させる。Z軸テーブル23がZ軸方向に移動すると、Z軸テーブル23に連結されたピペット保持部15及び採取用ピペット10は、Z軸方向に移動する。また、第1撮像装置45は、採取用ピペット10の先端部である第3管部103を撮像し、第1画像信号Vpix1をコントローラ50に出力する。コントローラ50は、第1画像信号Vpix1に含まれる第1画像(例えば、動画)において第3管部103に焦点が合うタイミングで、駆動装置27への駆動信号Vz2(図2参照)の送信を停止して、Z軸テーブル23のZ軸方向への移動を停止させる。これにより、マニピュレーションシステム100は、第1顕微鏡41の焦点を、採取用ピペット10の第3管部103に合わせる。
【0054】
次に、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を下降させ、第3管部103の先端で第1容器38A内の細胞ceを採取する(ステップST2)。例えば、オペレータは、表示部80に表示される画像を見ながら、第1容器38Aに収容されている複数個の細胞ceの中から、所望の細胞ceを選択する。次に、オペレータは、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、採取用ピペット10を第1容器38Aの底面に向けて下降させ、また必要に応じて採取用ピペット10を水平方向に移動させる。これにより、オペレータは、第1容器38A内の液体39中に第3管部103を浸漬させて、第3管部103の先端を所望の細胞ceに隣接させる。ステップST2において、採取用ピペット10のZ軸方向への移動は、コントローラ50が第1顕微鏡ユニット40の駆動装置414に駆動信号Vz1(図2参照)を送信することで実現される。また、採取用ピペット10のX軸方向及びY軸方向への移動は、コントローラ50がマニピュレータ20の駆動装置26に駆動信号Vxy2(図2参照)を送信することで実現される。
【0055】
次に、オペレータは、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、採取用ピペット10に所望の細胞ceを吸引させる。細胞ceの吸引は、コントローラ50がマニピュレータ20の電動マイクロポンプ29に駆動信号Vmp(図2参照)を送信して電動マイクロポンプ29を駆動させ、採取用ピペット10の内部圧力を採取用ピペット10の外部圧力よりも低くすることで実現される。採取用ピペット10の内部圧力が外部圧力よりも低くなると、第3管部103の先端に設けられた開口部103a(図8参照)を介して、所望の細胞ceが液体39と共に採取用ピペット10の内部に吸引される。
【0056】
次に、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を上昇させ、第3管部103を第1容器38Aの外側へ移動させる(ステップST3)。例えば、オペレータは、表示部80に表示される画像を見ながら、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、採取用ピペット10を予め設定された位置まで上昇させる。採取用ピペット10の上昇は、コントローラ50が第1顕微鏡ユニット40の駆動装置414に駆動信号Vz1を送信することで実現される。なお、ステップST3では、第3管部103の先端の開口部103aから液体39や細胞ceが流出しないように、電動マイクロポンプ29が採取用ピペット10の内部を減圧し続けてもよい。
【0057】
次に、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を第1容器38Aの上方から第2容器38Bの上方へ移動させる(ステップST4)。例えば、オペレータは、表示部80に表示される画像を見ながら、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、試料ステージ30を水平方向に移動させる。これにより、オペレータは、第3管部103の直下に第2容器38Bを配置する。試料ステージ30の移動は、コントローラ50が試料ステージ30の駆動装置36に駆動信号Vxy3(図2参照)を送信することで実現される。
【0058】
次に、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を下降させ、第3管部103を第2容器38Bの内側に移動させる。そして、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10の内部に保持していた細胞ceを、第2容器38Bの内側に放出する(ステップST5)。例えば、オペレータは、表示部80に表示される画像を見ながら、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、採取用ピペット10を第2容器38Bの底面に向けて下降させ、また必要に応じて水平方向に移動させる。これにより、オペレータは、第2容器38B内の液体39中に第3管部103を浸漬させて、第3管部103を第2容器38Bの内側に移動させる。採取用ピペット10の移動は、コントローラ50が第1顕微鏡ユニット40の駆動装置414に駆動信号Vz1を送信することで実現される。
【0059】
次に、オペレータは、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、採取用ピペットから細胞ceを放出させる。細胞ceの放出は、コントローラ50がマニピュレータ20の電動マイクロポンプ29に駆動信号Vmpを送信して電動マイクロポンプ29を駆動させ、採取用ピペット10の内部圧力を採取用ピペット10の外部圧力よりも高くすることで実現される。採取用ピペット10の内部圧力が外部圧力よりも高くなると、第3管部103の先端に設けられた開口部103a(図8参照)を介して、細胞ceが液体39と共に採取用ピペット10の内部から放出される。なお、ステップST5では、第3管部103が第2容器38Bの内側に到達する直前まで、電動マイクロポンプ29が採取用ピペット10の内部圧力を減圧し続けてもよい。
【0060】
次に、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を上昇させ、第3管部103を第2容器38Bの外側へ移動させる(ステップST6)。例えば、オペレータは、表示部80に表示される画像を見ながら、ジョイスティック91又は入力部92を操作して、採取用ピペット10を予め設定された位置まで上昇させる。採取用ピペット10の上昇は、コントローラ50が第1顕微鏡ユニット40の駆動装置414に駆動信号Vz1を送信することで実現される。
【0061】
なお、上述の動作例では、第1容器38Aと第2容器38Bとの間における採取用ピペット10の往来(ステップST3からST5)を、オペレータが画像を見ながら操作することについて記載したが、実施形態はこれに限定されない。マニピュレーションシステム100は、上述の往来操作の一部又は全部を自動で行って行ってもよい。
【0062】
例えば、オペレータがジョイスティック91又は入力部92を操作して、上述の往来操作を自動で行うことをマニピュレーションシステム100に指示してもよい。この指示を受けて、マニピュレーションシステム100、採取用ピペット10を予め設定された位置まで自動で上昇させる(ステップST3)。次に、マニピュレーションシステム100は、試料ステージ30を水平方向に自動で移動させる(ステップST4)。これにより、第3管部103の直下に第2容器38Bが配置される。次に、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を第2容器38Bの底面に向けて自動で下降させ、また必要に応じて水平方向に自動で移動させる(ステップST5)。これにより、第3管部103は、第2容器38B内の液体39中に浸漬されて、液体39中を移動する。その後、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペットから細胞ceを自動で放出させる。実施形態は、このような動作例であってもよい。
【0063】
ところで、上述の主動作例では、マニピュレーションシステム100は、初期設定として、第1顕微鏡41の焦点を採取用ピペット10の第3管部103に合わせる(ステップST1)。この焦点合わせは、第3管部103が気体中(例えば、大気中)に位置するときに行われる。初期設定後、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10を下降させて、第3管部103を大気中から第1容器38Aの底面に向けて移動させる(ステップST2)。採取用ピペット10の下降は第1顕微鏡ユニット40の駆動装置414が行うため、第3管部103は、対物レンズ412との離隔距離を一定に維持したまま移動する。ここで、第1容器38Aには、液体39が貯められている。大気と液体39とでは屈折率が異なり、対物レンズ412の焦点が大気中に位置する場合と液体39中に位置する場合とでは、対物レンズ412の焦点距離が異なる。
【0064】
図11は、実施形態における対物レンズの焦点位置と焦点距離との関係を示すグラフである。図11の横軸は、Z軸方向における対物レンズ412の焦点位置を示す。図11の縦軸は、対物レンズ412の焦点距離を示す。図12は、実施形態に係る補正送りを説明するための模式図である。図12のステップST2Aは、図9のステップST2において、第3管部103が液体39の液面付近に位置する場合を示している。図12のステップST2Bは、図9のステップST2において、第3管部103が容器38の底面付近に位置する場合を示している。なお、ステップST2A、2Bに示す採取用ピペット10’は、実施形態の補正送りを実行しない場合の採取用ピペットの位置を示している。
【0065】
図11及び図12に示すように、対物レンズ412の焦点位置が大気中にある場合(焦点位置=Z1)、対物レンズ412の焦点距離は焦点位置に依存せずに一定である(焦点距離=F1)。しかし、対物レンズ412の焦点位置が液体中にある場合、対物レンズ412の焦点距離は、焦点位置の液面からの深さに応じて変化する。例えば、対物レンズ412の焦点位置が液面に近い場合(焦点位置=Z2)の焦点距離F2よりも、対物レンズ412の焦点位置が液面から遠い場合(焦点位置=Z3)の焦点距離F3の方が大きい。対物レンズ412の焦点位置が液体中にある場合、対物レンズ412の焦点位置の変化量と対物レンズ412の焦点距離の変化量とは、比例関係にある。
【0066】
このため、図12の採取用ピペット10’のように、かりに、第3管部103’と対物レンズ412との離隔距離を一定値に固定したまま、第3管部103’を液体39中で移動させると、第1顕微鏡41の焦点は第3管部103’に合わなくなる。
【0067】
そこで、実施形態では、第3管部103(例えば、第3管部103において、対物レンズ412と対向する上面)が液体39中にあるときは、駆動装置414による対物レンズ412及び採取用ピペット10のZ軸方向への移動に連動して、マニピュレータ20の駆動装置27が採取用ピペット10をZ軸方向に移動させる。つまり、Z軸方向において、先端部103が液体39中を移動する場合は、駆動装置27は先端部103を対物レンズ412に対して相対的に移動させる。この移動を、実施形態では補正送りという。
【0068】
例えば、コントローラ50の駆動制御部58(図3参照)は、駆動装置414と駆動装置27とを同時に、かつ同期間だけ駆動させて、採取用ピペット10の補正送りを実行する。この場合、駆動制御部58は、採取用ピペット10の移動速度が以下の式(1)を満たすように駆動装置27を制御して、採取用ピペット10の補正送りを実行する。
【数1】
【0069】
式(1)において、Vptは、採取用ピペット10の移動速度である。Vmsは、対物レンズ412の移動速度である。移動速度Vpt、Vmsは、それぞれ、試料ステージ30の載置面30a(図2参照)に対するZ軸方向の速度である。また、kは係数である。
【0070】
図11に示したように、係数kの値は、対物レンズ412の焦点位置と焦点距離との関係を予め調べることにより、求めておくことができる。補正送りは、コントローラ50が、マニピュレータ20の駆動装置27に駆動信号Vz2(図2参照)を送信することで行う。補正送りにより、第3管部103が液体39中に位置する場合でも、第3管部103の位置を対物レンズ412の焦点位置と一致させることができる。これにより、第1顕微鏡41は、第3管部103が液体中にある場合でも、焦点を合わせ続けることができる。なお、上述の式(1)及び係数kの値は、補正情報記憶部59dに予め記憶されている。
【0071】
図13は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの副動作例を示すフローチャートである。実施形態のマニピュレーションシステム100は、図9及び図10に示した主動作例(ステップST1からST6)の実行と並行して、図13に示す副動作例(ステップST11からST15)を実行する。各ステップST11からST15について説明する。
【0072】
図13に示すように、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10の第3管部103(図12参照)の位置を検出する(ステップST11)。例えば、駆動装置26、27、36、414(図2参照)はそれぞれ、モータ回転角等を検出するエンコーダ又は磁気センサ等の検出器を有する。駆動装置26、27、36、414の各検出器から、コントローラ50の駆動情報入力部55(図3参照)に、モータ回転角等の駆動情報が入力される。コントローラ50の位置検出部56(図3参照)は、駆動情報入力部55に入力された駆動情報に基づいて、採取用ピペット10の第3管部103の位置を検出する。なお、位置の検出は、モータへ出力した信号(パルス)のカウント数から算出してもよい。
【0073】
一例を挙げると、駆動装置27、414は、試料ステージ30の載置面30a(図2参照)に対して、採取用ピペット10をZ軸方向に移動させる。このため、位置検出部56は、駆動装置27、414の各検出器から出力されるモータ回転角等の駆動情報に基づいて、Z軸方向における第3管部103の位置を検出することができる。また、駆動装置26、36は、試料ステージ30の載置面30aに対して、採取用ピペット10をX軸方向及びY軸方向に相対的に移動させる。このため、位置検出部56は、駆動装置26、36の各検出器から出力されるモータ回転角等の駆動情報に基づいて、X軸方向及びY軸方向における第3管部103の位置を検出することができる。
【0074】
次に、図13に示すように、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10の第3管部103が大気中にあるのか、それとも、液体39中にあるのかを判断する(ステップST12)。例えば、第1容器38A内の液体39(図9参照)のZ軸方向における液面の位置が、第1基準位置として基準位置記憶部59c(図4参照)に予め記憶されている。また、第2容器38B内の液体39(図9参照)のZ軸方向における液面の位置が、第2基準位置として基準位置記憶部59c(図4参照)に予め記憶されている。
【0075】
コントローラ50の位置検出部56は、採取用ピペットの第3管部103が第1容器38Aの上方に位置する場合は、Z軸方向における第3管部103の位置と第1基準位置とを比較する。そして、第1基準位置よりも第3管部103の方が載置面30aに近い場合は、位置検出部56は、第3管部103は液体39中に位置すると判断する(ステップST12;Yes)。また、第1基準位置と、Z軸方向における第3管部103の位置とが同じ、又は、第3管部103よりも第1基準位置の方が載置面30aに近い場合は、位置検出部56は、第3管部103は大気中に位置すると判断する(ステップST12;No)。なお、ステップST12でNoの場合は、後述のステップST15へ進む。
【0076】
同様に、コントローラ50の位置検出部56は、採取用ピペットの第3管部103が第2容器38Bの上方に位置する場合は、Z軸方向における第3管部103の位置と第2基準位置とを比較する。そして、第2基準位置よりも第3管部103の方が載置面30aに近い場合は、位置検出部56は、第3管部103は液体39中に位置すると判断する。また、第2基準位置と、Z軸方向における第3管部103の位置とが同じ、又は、第3管部103よりも第2基準位置の方が載置面30aに近い場合は、位置検出部56は、第3管部103は大気中に位置すると判断する。なお、採取用ピペットの第3管部103が第1容器38A及び第2容器38Bのどちらの上方にも位置しない場合、例えば、図9のステップST3からステップST4へ移行する場合も、位置検出部56は、第3管部103は大気中に位置すると判断する。
【0077】
採取用ピペット10の第3管部103が液体39中にあると判断された場合(ステップST12;Yes)、マニピュレーションシステム100は、採取用ピペット10がZ軸方向に移動するか否かを判断する(ステップST13)。例えば、ジョイスティック91からコントローラ50に入力される制御信号Vsig1(図2参照)、又は、入力部92からコントローラ50に入力される制御信号Vsig2(図2参照)に、採取用ピペット10をZ軸方向に移動させる指示が含まれている場合、コントローラ50の判断部57(図3参照)は、採取用ピペット10がZ軸方向に移動すると判断する(ステップST13;Yes)。また、上述の制御信号Vsig1又は制御信号Vsig2に、採取用ピペット10をZ軸方向に移動させる指示が含まれていない場合、判断部57は、採取用ピペット10はZ軸方向に移動しないと判断する(ステップST13;No)。なお、ステップST13でNoの場合は、後述のステップST15へ進む。
【0078】
採取用ピペット10がZ軸方向に移動すると判断された場合(ステップST13;Yes)、駆動制御部58は上述の補正送りを行う(ステップST14)。補正送りの方法は上述した通りである。次に、マニピュレーションシステム100は、細胞採取の処理を継続するか否かを判断する(ステップST15)。細胞採取の処理を継続すると判断された場合(ステップST15;Yes)は、ステップST11に戻る。細胞採取の処理を継続しないと判断された場合(ステップST15;No)は、図13のフローチャートを終了する。上述の実施形態では、駆動装置414が本発明の第1駆動装置に対応し、駆動装置27が本発明の第2駆動装置に対応している。
【0079】
以上説明したように、実施形態に係るマニピュレーションシステム100は、対物レンズ412及びマニピュレータ20を一体に移動させて対物レンズ412の焦点位置を変更する駆動装置414と、対物レンズ412に対して採取用ピペット10を移動させる駆動装置27と、駆動装置27を制御して対物レンズ412の焦点位置に採取用ピペット10の先端部103を移動させるコントローラ50と、を備える。これによれば、マニピュレーションシステム100は、第1顕微鏡41の焦点を第3管部103に自動で合わせることできる。これにより、マニピュレーションシステム100は、第1顕微鏡41の焦点を、細胞ceだけでなく、細胞ceに近接させる第3管部103の先端にも合わせることができる。オペレータは、細胞ceと、細胞ceに近接する第3管部103の先端とを明瞭に観察することができるので、マニピュレーションの操作性が高い。したがって、実施形態は、操作性が高いマニピュレーションシステム100を提供することができる。
【0080】
また、コントローラ50は、第3管部103の移動を検出し、第3管部103が容器38内の液体39中を移動する場合は、駆動装置27は第3管部103を対物レンズ412に対して相対的に移動させる。また、第3管部103が大気中を移動する場合は、駆動装置27は第3管部103の対物レンズ412に対する相対的な移動を停止する。これにより、駆動装置27は、第3管部103と対物レンズ412との離隔距離を一定に保持する。これによれば、マニピュレーションシステム100は、対物レンズ412の焦点位置を液体39中で移動させる場合でも、採取用ピペット10の第3管部103に焦点を自動で合わせることできる。
【0081】
また、Z軸方向において、第3管部103が液体39中を移動する場合は、対物レンズ412の移動速度Vmsに対する第3管部103の移動速度Vptの比が予め設定された値(例えば、係数k)となるように、コントローラ50は駆動装置27を制御する。これによれば、マニピュレーションシステム100は、対物レンズ412の焦点位置の移動に追従して第3管部103を移動させることができ、第1顕微鏡41の焦点を第3管部103に合わせ続けることができる。また、第3管部103が液体39中を移動する場合は、駆動装置414による対物レンズ412の移動と、駆動装置27による第3管部103の移動とが同時に、且つ同期間行われ、さらに上述の式(1)を満たすことが好ましい。これにより、対物レンズ412の焦点位置に対する第3管部103の追従性をさらに高めることができる。
【0082】
また、マニピュレーションシステム100は、第1顕微鏡41を介して第3管部103を撮像する第1撮像装置45と、第2顕微鏡61を介して第3管部103を撮像する第2撮像装置65と、第3撮像装置75と、表示部80と、を備える。第3撮像装置75は、第1撮像装置45が撮像するZ軸方向(第1方向)、及び、第2撮像装置65が撮像するY軸方向(第2方向)とそれぞれ交差する方向(第3方向)から、試料ステージ30側を撮像する。表示部80は、第1撮像装置45により撮像される第1画像811と、第2撮像装置65により撮像される第2画像812と、第3撮像装置75が撮像する第3画像813と、を表示する。これによれば、表示部80は、第3管部103を上方から拡大して示す第1画像811と、第3管部103を側方から拡大して示す第2画像812と、試料ステージ30とその周辺を俯瞰する第3画像813と、を1つの画面81に並べて表示することができる。
【0083】
また、マニピュレーションシステム100は、第1画像811と第2画像812と第3画像813とを撮像時刻に基づいて互いに関連付けて記憶する記憶部56、を備える。これによれば、表示部80は、同時刻に撮像された第1画像811、第2画像812及び第3画像813を並べて再生表示することができる。
【0084】
本発明の一態様に係るマニピュレーションシステムの駆動方法は、上述のマニピュレーションシステム100の駆動方法であって、駆動装置27を制御して、対物レンズ412の焦点位置に採取用ピペット10の第3管部103を移動させる。これによれば、第1顕微鏡41の焦点を第3管部103に容易に合わせることができる。したがって、実施形態は、操作性が高いマニピュレーションシステム100の駆動方法を提供することができる。
【0085】
(実施形態の変形例)
上述の実施形態では、コントローラ50の駆動制御部58(図3参照)が、駆動装置414と駆動装置27とを同時に、且つ同期間駆動して、採取用ピペット10を補正送りすることを説明した。しかしながら、実施形態の補正送りにおいて、駆動装置414が駆動するタイミングと、駆動装置27が駆動するタイミングは、必ずしも一致していなくてもよい。例えば、駆動装置414が駆動してから僅かに遅れて駆動装置27が駆動し、駆動装置414が停止してから僅かに遅れて駆動装置27が停止してもよい。この場合も、駆動制御部58は、上述の式(1)を満たすように駆動装置27を制御することで、第1顕微鏡41の焦点を採取用ピペット10の第3管部103に合わせることができる。
【0086】
また、実施形態の補正送りは、必ずしも式(1)を満たさなくてもよい。例えば、採取用ピペット10の移動速度Vptは、式(1)の右辺「Vms+k・Vms」よりも僅かに遅く、移動速度Vptが遅い分だけ駆動装置27の駆動時間が長くてもよい。この場合は、駆動制御部58が式(2)を満たすように駆動装置27を制御する。
【数2】
【0087】
式(2)において、Δdptは、駆動装置27による採取用ピペット10のZ軸方向の移動量である。Δdmsは、駆動装置414による対物レンズ412のZ軸方向の移動量である。第3管部103が液体39中を移動する場合は、対物レンズ412の移動量Δdms対する第3管部103の移動量Δdptの比が予め設定された値(例えば、係数k)となるように、コントローラ50は駆動装置27を制御する。この場合も、マニピュレーションシステム100は、対物レンズ412の焦点位置の移動に追従して採取用ピペット10の第3管部103を移動させることができ、第1顕微鏡41の焦点を第3管部103に合わせることができる。
【0088】
また、上述の実施形態では、第1容器38A及び第2溶液38B内の各液体39(図9参照)の液面の位置を、試料ステージ30の側方に配置された第1撮像装置45あるいは第2撮像装置65(図1参照)の撮像画像に基づいて、位置検出部56(図3参照)が検出してもよい。これにより、第1容器38A及び第2容器38Bにおいて、液体39の量が減り、液面の位置が変化した場合でも、コントローラ50は、その変化を把握することができる。判断部57は、最新の液面の位置に基づいて、第3管部103が液体39中にあるか否かを判断することができる。
【0089】
また、上述の実施形態では、Z軸方向における第3管部103の位置を、試料ステージ30の側方に配置された第2撮像装置65の撮像画像に基づいて、位置検出部56が検出してもよい。このような場合であっても、Z軸方向における第3管部103の位置を精度良く検出することができる。
【0090】
また、上述の実施形態では、駆動装置414が対物レンズ412とマニピュレータ20とを一体に移動させ、第3管部103が大気中をZ軸方向に移動する場合における、対物レンズ412の移動速度と、マニピュレータ20の移動速度との比が1:1である場合にいついて説明した。しかしながら、実施形態において、第3管部103が大気中をZ軸方向に移動する場合における、対物レンズ412の移動速度とマニピュレータ20の移動速度との比は1:1に限定されるものではなく、例えば、1:0.9や、0.9:1.0でもよい。
【0091】
このような場合でも、第3管部103が大気中を移動する場合における、対物レンズ412の移動速度に対する第3管部103の移動速度の比(例えば、1:0.9)と、第3管部103が液体39中を移動する場合における、対物レンズ412の移動速度に対する第3管部103の移動速度の比(例えば、1:k)とが、予め設定された値で、且つ互いに異なる値となるように、コントローラ50は駆動装置27を制御する。これにより、マニピュレーションシステム100は、対物レンズ412の焦点位置の移動に追従して採取用ピペット10の第3管部103を移動させることができ、第1顕微鏡41の焦点を第3管部103に合わせることができる。
【0092】
また同様に、上述の実施形態において、第3管部103が大気中をZ軸方向に移動する場合における、対物レンズ412の移動量とマニピュレータ20の移動量との比は1:1に限定されるものではなく、例えば、1:0.9や、0.9:1.0でもよい。
【0093】
このような場合でも、第3管部103が大気中を移動する場合における、対物レンズ412の移動量に対する第3管部103の移動量の比(例えば、1:0.9)と、第3管部103が液体39中を移動する場合における、対物レンズ412の移動量に対する第3管部103の移動量の比(例えば、1:k)とが、予め設定された値で、且つ互いに異なる値となるように、コントローラ50は駆動装置27を制御する。これにより、マニピュレーションシステム100は、対物レンズ412の焦点位置の移動に追従して採取用ピペット10の第3管部103を移動させることができ、第1顕微鏡41の焦点を第3管部103に合わせることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 基台
10 採取用ピペット
15 ピペット保持部
20 マニピュレータ
26、27、36、63、414 駆動装置
28、71 連結部
29 電動マイクロポンプ
30 試料ステージ
38 容器
38A 第1容器
38B 第2容器
39 液体
40 第1顕微鏡ユニット
41 第1顕微鏡
45 第1撮像装置
50 コントローラ
55 駆動情報入力部
56 位置検出部
57 判断部
58 駆動制御部
59 記憶部
60 第2顕微鏡ユニット
61 第2顕微鏡
65 第2撮像装置
75 第3撮像装置
80 表示部
81 画面
100 マニピュレーションシステム
101 第1管部
102 第2管部
103 第3管部
103a 開口部
811 第1画像
812 第2画像
813 第3画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13