特許第6859918号(P6859918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーの特許一覧
<>
  • 特許6859918-電力変換装置 図000002
  • 特許6859918-電力変換装置 図000003
  • 特許6859918-電力変換装置 図000004
  • 特許6859918-電力変換装置 図000005
  • 特許6859918-電力変換装置 図000006
  • 特許6859918-電力変換装置 図000007
  • 特許6859918-電力変換装置 図000008
  • 特許6859918-電力変換装置 図000009
  • 特許6859918-電力変換装置 図000010
  • 特許6859918-電力変換装置 図000011
  • 特許6859918-電力変換装置 図000012
  • 特許6859918-電力変換装置 図000013
  • 特許6859918-電力変換装置 図000014
  • 特許6859918-電力変換装置 図000015
  • 特許6859918-電力変換装置 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859918
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20210405BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H02M3/00 Y
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-201305(P2017-201305)
(22)【出願日】2017年10月17日
(65)【公開番号】特開2019-75912(P2019-75912A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2020年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 智也
(72)【発明者】
【氏名】檜田 健史郎
(72)【発明者】
【氏名】澤田 大喜
【審査官】 白井 孝治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−003136(JP,A)
【文献】 特開2015−038943(JP,A)
【文献】 特開2016−052204(JP,A)
【文献】 特開2015−130735(JP,A)
【文献】 特開2017−051062(JP,A)
【文献】 特開平09−022631(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/194163(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00〜 7/98
H05K 5/06
H05K 7/20
F16L 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換回路の一部を構成する電子部品(2)と、
該電子部品を冷却する冷却器(3)と、
上記電子部品及び上記冷却器を内部に収容してなる収容ケース(4)と、
上記冷却器に接続されると共に上記収容ケースの外側へ突出した突出パイプ(5)と、
上記突出パイプと上記収容ケースとの間の隙間を密封する環状のシール部材(6)と、を有し、
上記シール部材は、上記突出パイプと上記収容ケースとの間に介在するシール本体部(61)と、該シール本体部から径方向外側へ延設されると共に上記収容ケースの外側面に軸方向(X)から接触する鍔部(62)と、を有し、
上記収容ケースには、上記鍔部を外周側から囲む周壁面(41)と、該周壁面よりも内側において上記鍔部の外周縁(621)に沿って環状に形成された環状溝部(42)と、が形成されており、
上記周壁面と上記鍔部の外周縁との間には間隙が設けられており、
上記周壁面は、上記収容ケースにおける上記鍔部が接触する面である軸方向接触面(43)の外周端(431)よりも、軸方向における外側まで形成されており、
上記環状溝部は、軸方向において上記軸方向接触面よりも上記収容ケースの内側方向に窪んでいる、電力変換装置(1)。
【請求項2】
上記周壁面は、上記収容ケースの外側面に形成された凹部(410)の内周面であり、上記環状溝部は、上記凹部の底面に形成されている、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
上記収容ケースは、上記環状溝部に連通すると共に、上記周壁面よりも外周側へ延びる連通溝(46)を有する、請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
上記周壁面は、上記収容ケースの外側面から上記突出パイプの軸方向に突出した環状壁部(47)の内周面からなる、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項5】
上記環状壁部における周方向の一部には、該環状壁部を径方向に貫通する貫通部(471)が形成されている、請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
上記環状溝部の内周縁(421)は、上記鍔部の外周縁よりも内側に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却器を備えた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両等には、インバータやDC−DCコンバータ等の電力変換装置が搭載されている。かかる電力変換装置として、例えば、特許文献1には、半導体モジュール等の電子部品や、電子部品を冷却する冷却器を、収容ケースに収容してなるものが開示されている。そして、この電力変換装置においては、冷却器に接続された冷媒導入管及び冷媒排出管が、収容ケースから突出して配設されている。そして、冷媒導入管及び冷媒排出管が収容ケースを貫通する貫通部においては、グロメットを配設して、両者の間の水密性を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−233794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された電力変換装置においては、グロメットが、収容ケースの外側面よりも突出している。そのため、グロメットの外周端縁と収容ケースとの間の界面が被水しやすい。つまり、例えば、洗車時や降雨時などにおいて、グロメットの外周端縁と収容ケースとの間の界面に、水が当たることが考えられる。また、この界面に、塩水等が溜まると、金属製の収容ケースが徐々に腐食する要因となり得る。収容ケースが腐食すると、その部分における水密性の確保が困難となるおそれが懸念される。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、収容ケースの水密性を向上させることができる電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電力変換回路の一部を構成する電子部品(2)と、
該電子部品を冷却する冷却器(3)と、
上記電子部品及び上記冷却器を内部に収容してなる収容ケース(4)と、
上記冷却器に接続されると共に上記収容ケースの外側へ突出した突出パイプ(5)と、
上記突出パイプと上記収容ケースとの間の隙間を密封する環状のシール部材(6)と、を有し、
上記シール部材は、上記突出パイプと上記収容ケースとの間に介在するシール本体部(61)と、該シール本体部から径方向外側へ延設されると共に上記収容ケースの外側面に軸方向(X)から接触する鍔部(62)と、を有し、
上記収容ケースには、上記鍔部を外周側から囲む周壁面(41)と、該周壁面よりも内側において上記鍔部の外周縁(621)に沿って環状に形成された環状溝部(42)と、が形成されており、
上記周壁面と上記鍔部の外周縁との間には間隙が設けられており、
上記周壁面は、上記収容ケースにおける上記鍔部が接触する面である軸方向接触面(43)の外周端(431)よりも、軸方向における外側まで形成されており、
上記環状溝部は、軸方向において上記軸方向接触面よりも上記収容ケースの内側方向に窪んでいる、電力変換装置(1)にある。
【発明の効果】
【0007】
上記電力変換装置において、上記収容ケースには、上記鍔部を外周側から囲む周壁面が形成されている。これにより、電力変換装置が外部から被水したとき、シール部材の鍔部と収容ケースとの接触部付近の被水を抑制することができる。すなわち、軸方向接触面の外周端への被水を抑制することができる。
【0008】
また、上記収容ケースには、周壁面の内側において鍔部の外周縁に沿った環状溝部が形成されている。これにより、周壁面の内側に水が到達したとしても、軸方向接触面の外周端に水が溜まることを抑制することができる。つまり、軸方向接触面の外周端に水が到達したとき、その水が、環状溝部へ流れ落ちるようにすることができる。その結果、鍔部の外周縁に水が溜まりにくい。
これにより、鍔部と収容ケースとの間に水が浸入することを、効果的に抑制することができる。つまり、収容ケースの水密性を向上させることができる。
【0009】
以上のごとく、上記態様によれば、収容ケースの水密性を向上させることができる電力変換装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1における、電力変換装置の断面説明図。
図2図1のII視図。
図3】実施形態1における、シール部材周辺の拡大断面図。
図4図3のVI視図。
図5】実施形態1における、収容ケースの挿通孔周辺の平面図。
図6】実施形態1における、作用効果を説明する説明図。
図7】比較形態における、シール部材周辺の拡大断面図。
図8】実施形態2における、シール部材周辺の拡大断面図。
図9図8のIX視図。
図10】実施形態2における、収容ケースの挿通孔周辺の平面図。
図11】実施形態2における、電力変換装置の正面図。
図12】実施形態3における、シール部材周辺の拡大断面図。
図13図13のXIII視図。
図14】実施形態4における、シール部材周辺の拡大断面図。
図15図14のXV視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
電力変換装置に係る実施形態について、図1図6を参照して説明する。
本実施形態の電力変換装置1は、図1に示すごとく、電子部品としての半導体モジュール2と、冷却器3と、収容ケース4と、突出パイプ5と、環状のシール部材6と、を有する。
【0012】
半導体モジュール2は、電力変換回路の一部を構成する電子部品である。冷却器3は、半導体モジュール2を冷却する。収容ケース4は、半導体モジュール2及び冷却器3を内部に収容してなる。図1図2に示すごとく、突出パイプ5は、冷却器3に接続されると共に収容ケース4の外側へ突出している。シール部材6は、突出パイプ5と収容ケース4との間の隙間を密封する。
【0013】
図3に示すごとく、シール部材6は、シール本体部61と鍔部62とを有する。シール本体部61は、突出パイプ5と収容ケース4との間に介在する部位である。鍔部62は、シール本体部61から径方向外側へ延設されると共に収容ケース4の外側面に軸方向Xから接触する部位である。
なお、本明細書において、「径方向」というときは、特に示さない限り、突出パイプ5の半径方向をいう。また、「軸方向」というときは、特に示さない限り、突出パイプ5の軸方向であり、シール部材6の軸方向をいう。
【0014】
収容ケース4には、鍔部62を外周側から囲む周壁面41と、周壁面41の内側において鍔部62の外周縁621に沿った環状溝部42と、が形成されている。
周壁面41は、収容ケース4における鍔部62が接触する面である軸方向接触面43の外周端431よりも、軸方向Xにおける外側まで形成されている。
【0015】
電力変換装置1は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載され、バッテリーと回転電機との間に接続される。そして、電力変換装置1は、直流電力と交流電力との間の電力変換を行う。収容ケース4は、アルミニウム等の金属製とすることができる。図1に示すごとく、収容ケース4の内側に、複数の半導体モジュール2とこれらを冷却する冷却器3とが収容されている。冷却器3は、複数の冷却管31を積層してなる。複数の冷却管31と複数の半導体モジュール2とが交互に積層されている。
【0016】
積層方向に隣り合う冷却管31同士は、その長手方向の両端部付近において、互いに連結管32によって連結されている。積層方向の一端に配された冷却管31から、積層方向に突出するように、2本の突出パイプ5が設けてある。冷媒は、一方の突出パイプ5から導入され、冷却器3の内部を流通した後、他方の突出パイプ5から排出される。冷却器3においては、冷媒が適宜連結管32を介して複数の冷却管31に分配されて流れる。
【0017】
これにより、冷媒が半導体モジュール2と熱交換することで、半導体モジュール2を冷却することができる。各半導体モジュール2は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタの略)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタの略)等のスイッチング素子を内蔵してなる。また、冷却器3及び突出パイプ5は、例えばアルミニウム等の金属によって構成される。
【0018】
そして、突出パイプ5は、収容ケース4の一つの壁部44を貫くように配設されている。壁部44には、突出パイプ5を挿通させるための挿通孔45が2つ形成されている。挿通孔45と突出パイプ5との間に、シール部材6が介在している。すなわち、図3に示すごとく、突出パイプ5の外周面と挿通孔45の内周面との双方に密着するように、シール部材6が配設されている。
【0019】
シール部材6はゴム等の弾性部材からなる。そして、円筒状のシール本体部61と、シール本体部61における軸方向Xの一端の全周から外周側へ突出した鍔部62とを有する。
挿通孔45には、収容ケース4の外側への開口側に、壁部44の一部が後退した凹部410が形成されている。凹部410の内径は、挿通孔45の内径よりも大きい。
【0020】
シール部材6は、シール本体部61を挿通孔45に嵌入し、鍔部62を凹部410内に配置している。また、シール部材6を軸方向Xに貫通する中央孔60に、突出パイプ5が挿通されている。そして、鍔部62は凹部410の底面の一部となる軸方向接触面43に接触している。また、図3図4に示すごとく、凹部410の内周面は、鍔部62の外周面(すなわち外周縁621)に対して、間隔を設けつつ対向配置されている。
【0021】
すなわち、周壁面41は、収容ケース4の外側面に形成された凹部410の内周面である。そして、環状溝部42は、凹部410の底面に形成されている。環状溝部42は、軸方向接触面43の外側において、環状に形成されている。また、環状溝部42の外周縁と周壁面41とは滑らかに連続形成されている。
【0022】
図3図5に示すごとく、環状溝部42の内周縁421は、鍔部62の外周縁621よりも内側に配置されている。これにより、収容ケース4の軸方向接触面43が、鍔部62の外周縁621の外周側に隣接しないような構成となっている。なお、鍔部62の外周縁621は、環状溝部42の内周縁421よりもわずかに外周側へ突出している程度である。内周縁421に対する外周縁621の突出量は、例えば、環状溝部42の幅の半分以下である。
【0023】
また、本実施形態においては、周壁面41は、シール部材6における軸方向Xの外側端部よりも、軸方向外側まで形成されている。シール部材6は、その全体が、凹部410の内側及び挿通孔45の内側に収まっている。
【0024】
電力変換装置1は、車両に搭載された状態において、図3に示すごとく、突出パイプ5が斜め上方、若しくは上方を向くように配設される。すなわち、突出パイプ5の突出方向が、重力方向と反対側となる。そして、本実施形態においては、突出パイプ5の突出方向は、重力方向に対して傾斜している。
【0025】
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
上記電力変換装置1において、収容ケース4には、鍔部62を外周側から囲む周壁面41が形成されている。これにより、電力変換装置1が外部から被水したとき、シール部材6の鍔部62と収容ケース4との接触部付近の被水を抑制することができる。すなわち、軸方向接触面43の外周端431への被水を抑制することができる。
【0026】
例えば、洗車時等において、鍔部62の外周縁621や軸方向接触面43の外周端431に、高圧水が直接当たることを抑制することができる。これにより、軸方向接触面43と鍔部62との間に水が浸入することを抑制することができる。
【0027】
また、収容ケース4には、周壁面41の内側において鍔部62の外周縁621に沿った環状溝部42が形成されている。これにより、周壁面41の内側に水が到達したとしても、軸方向接触面43の外周端431に水が溜まることを抑制することができる。つまり、軸方向接触面43の外周端431に水が到達したとき、その水が、環状溝部42へ流れ落ちるようにすることができる。その結果、鍔部62の外周縁621に水が溜まりにくい。
【0028】
すなわち、図6に示すごとく、軸方向接触面43の外周端431に水が到達したとき、その水Wは、環状溝部42に落下する。それゆえ、軸方向接触面43の外周端431に水が留まることを防ぐことができる。
これにより、鍔部62と収容ケース4の軸方向接触面43との間に水が浸入することを、効果的に抑制することができる。つまり、収容ケース4の水密性を向上させることができる。
【0029】
周壁面41は、収容ケース4の外側面に形成された凹部410の内周面であり、環状溝部42は、凹部410の底面に形成されている。これにより、周壁面41を容易に形成することができる。
【0030】
また、環状溝部42の内周縁421は、鍔部62の外周縁621よりも内側に配置されている。これにより、鍔部62の外周縁621に水が滞留することを防ぐことができる。これにより、鍔部62の外周縁621の周囲において、収容ケース4が腐食することを防ぐことができる。その結果、収容ケース4の内部への水の浸入を一層確実に防ぐことができる。
【0031】
以上のごとく、本実施形態によれば、収容ケースの水密性を向上させることができる電力変換装置を提供することができる。
【0032】
(比較形態)
本比較形態においては、図7に示すごとく、収容ケース4に、実施形態1に示した周壁面41及び環状溝部42を、設けていない電力変換装置について説明する。なお、本形態以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。ただし、本比較形態において付した符号は、実施形態1の電力変換装置1の各部位に対応する部位を示すものであり、構成自体は異なる場合がある。
【0033】
本比較形態においては、収容ケース4の外側面に、鍔部62が軸方向Xに当接している。そして、鍔部62は、その外周側から囲まれた構造にもなっていない。この場合、例えば、洗車時の高圧水W1が、鍔部62の外周縁621に対して、外周側から直接当たることがある。その場合、鍔部62と収容ケース4の軸方向接触面43との間に、水が浸入することが考えられる。つまり、高圧水W1によって、鍔部62の一部がめくれ上がり、鍔部62と軸方向接触面43との間に水が浸入することが懸念される。
【0034】
また、突出パイプ5が斜め上方を向くように配置されているような場合、鍔部62の外周縁621と収容ケース4の外側面との間の部分に、水W2が留まることが懸念される。この場合、溜まった水W2が、塩水など腐食成分を有する水である場合に、金属製の収容ケース4が腐食することが懸念される。この腐食が進むことで、水密性が低下するおそれがある。
【0035】
これに対して、上述した実施形態1の電力変換装置1においては、上記のような現象を抑制することができる。
【0036】
(実施形態2)
本実施形態は、図8図11に示すごとく、収容ケース4が、環状溝部42に連通すると共に、周壁面41よりも外周側へ延びる連通溝46を有する、電力変換装置1の形態である。
【0037】
連通溝46は、環状溝部42の外周縁の一部から径方向外側へ延びるように形成されている。図8に示すごとく、環状溝部42との連結部において、連通溝46の底面463は、環状溝部42の底面423と、略同等の深さ方向の位置に形成されている。図8においては、連通溝46の深さは、長手方向にわたり略一定に描いているが、連通溝46の深さは変化していてもよい。例えば、環状溝部42から遠ざかるにしたがって、連通溝46の深さが浅くなるように形成してもよい。
【0038】
図9図10に示すごとく、連通溝46の幅は、例えば、凹部410の半径よりも小さくすることができる。また、連通溝46の幅は、例えば、突出パイプ5の内径よりも小さくすることができる。
【0039】
また、電力変換装置1は、車両に搭載された状態において、図8に示すごとく、突出パイプ5が斜め上方を向くように配置される。さらに、連通溝46の底面463が、環状溝部42側から外周側へ向かうにつれて下方へ下がるように、電力変換装置1が配置される。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0040】
本実施形態においては、収容ケース4に、環状溝部42に連通する連通溝46が形成さている。これにより、環状溝部42に落ちた水を、連通溝46から排出することができる。それゆえ、環状溝部42に水が溜まることを防ぐことができる。その結果、より確実に、収容ケース4の水密性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0041】
(実施形態3)
本形態の電力変換装置1は、図12図13に示すごとく、挿通孔45の周囲において、収容ケース4の外側面から突出パイプ5の軸方向Xに突出した環状壁部47を有する。
そして、周壁面41は、環状壁部47の内周面からなる。つまり、環状壁部47が、シール部材6の鍔部62を外周側から囲むように形成されている。これにより、環状壁部47の内周面が、鍔部62を外周側から囲む周壁面41となる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0042】
本形態は、収容ケース4の壁部44の厚みが、比較的薄い場合に、有用である。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0043】
(実施形態4)
本形態の電力変換装置1は、図14図15に示すごとく、環状壁部47における周方向の一部に、環状壁部47を径方向に貫通する貫通部471が形成されている。
電力変換装置1が車両に搭載された状態において、図14に示すごとく、環状壁部47における下側に配される部分に、貫通部471が形成されている。そして、貫通部471は、環状溝部42側から外周側へ向かうにつれて下方へ下がるように形成されている。
【0044】
図15に示すごとく、軸方向Xから見たときの貫通部471の幅は、例えば、環状壁部47の内周半径よりも小さくすることができる。また、突出パイプ5の軸方向Xから見たときの貫通部471の幅は、例えば、突出パイプ5の内径よりも小さくすることができる。
その他の構成は、実施形態3と同様である。
【0045】
本形態においては、環状溝部42に落ちた水を、貫通部471から排出することができる。それゆえ、環状溝部42に水が溜まることを防ぐことができる。その結果、より確実に、収容ケース4の水密性を向上させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0046】
上記実施形態においては、環状溝部42の内周縁421を、シール部材6の鍔部62の外周縁621よりも内側に配置した形態を示したが、例えば、内周縁421を鍔部62の外周縁621と同等の位置に配置してもよい。
【0047】
また、上記実施形態においては、2つの突出パイプ5のそれぞれの周囲における、収容ケース4の構造及びシール部材6の形状を、同様のものとして説明したが、必ずしもこれに限られない。すなわち、一つの突出パイプの周囲の構造についてのみ、上記の構造を採用することもできる。例えば、2つの突出パイプの突出方向が異なり、いずれか一方が、斜め下方もしくは下方を向いて配置されるような場合等には、その突出パイプの周囲には上記構造を採用しないようにすることも可能である。
【0048】
また、実施形態2の電力変換装置1において、連通溝46の代わりに、収容ケース4の壁部44の内部を貫通して収容ケース4の外部へつながるような連通路を形成することも考えられる。また、実施形態4の電力変換装置1において、貫通部471の代わりに、環状壁部47の一部を軸方向Xに切り欠いてなるスリットを形成することも考えられる。
【0049】
また、上記実施形態においては、冷却器が冷却する電子部品として、半導体モジュールを示したが、電子部品はこれに限られず、例えば、コンデンサ、リアクトル等、他の電子部品とすることもできる。
【0050】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 電力変換装置
2 半導体モジュール(電子部品)
3 冷却器
4 収容ケース
41 周壁面
42 環状溝部
5 突出パイプ
6 シール部材
61 シール本体部
62 鍔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15