特許第6859960号(P6859960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6859960無線品質予測装置、無線基地局、無線端末、無線品質予測方法および無線品質予測プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6859960
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】無線品質予測装置、無線基地局、無線端末、無線品質予測方法および無線品質予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20210405BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20210405BHJP
【FI】
   H04W36/30
   H04W16/18 110
【請求項の数】16
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-565516(P2017-565516)
(86)(22)【出願日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】JP2017002766
(87)【国際公開番号】WO2017135152
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2019年12月16日
(31)【優先権主張番号】特願2016-17321(P2016-17321)
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】信清 貴宏
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−219697(JP,A)
【文献】 特開2006−191938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する測定情報取得手段と、
前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する無線品質推移パターン構築手段と、
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを前記無線品質推移パターン構築手段から取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する無線品質予測手段と、
を備える無線品質予測装置。
【請求項2】
前記無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報であり、
前記無線品質推移パターン構築手段は、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にして、前記無線品質推移パターンを構築することを特徴とする請求項1に記載の無線品質予測装置。
【請求項3】
同一の無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係を示す情報を遷移情報として構築する遷移情報構築手段を更に備え、
前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルを予測することを特徴とする請求項2に記載の無線品質予測装置。
【請求項4】
前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末について、当該予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンが保持する時間長データを用いて、所属する無線セルが変化するタイミングを予測することを特徴とする請求項3記載の無線品質予測装置。
【請求項5】
前記遷移情報構築手段は、同一の前記無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係について、任意の2つの無線品質推移パターンが時間的に連続して測定されたことを示す回数または確率を前記遷移情報として構築して保持することを特徴とする請求項3に記載の無線品質予測装置。
【請求項6】
前記無線品質予測手段は、前記遷移情報構築手段が保持する前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを取得し、当該確率が高い前記無線品質推移パターンに対応する無線セルを、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルとして予測することを特徴とする請求項5に記載の無線品質予測装置。
【請求項7】
前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルにおける無線品質を予測することを特徴とする請求項5に記載の無線品質予測装置。
【請求項8】
複数の前記無線品質推移パターンの中から、対応付けられた無線セルが同一である複数の無線品質推移パターンを抽出し、無線セルが同一である当該無線品質推移パターン間の類似度を算出し、当該類似度に基づいて無線セルが同一である当該無線品質推移パターンをグループに分類するクラスタリング手段をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかの請求項に記載の無線品質予測装置。
【請求項9】
前記クラスタリング手段は、無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の類似度の算出に際し、比較対象となる2つの無線品質推移パターンについて時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする請求項8に記載の無線品質予測装置。
【請求項10】
前記クラスタリング手段は、同一グループに分類した無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の対応する時刻における無線品質を対象にして、当該対応する時刻ごとに無線品質の統計値を算出して、同一グループに属する複数の前記無線品質推移パターンを一つの前記無線品質推移パターンに集約することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線品質予測装置。
【請求項11】
前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報と前記無線品質推移パターンの前記類似度の算出において、時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかの請求項に記載の無線品質予測装置。
【請求項12】
前記無線品質予測手段が予測した前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを用いて、前記予測対象とする無線端末に関わる通信を制御する通信制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかの請求項に記載の無線品質予測装置。
【請求項13】
2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得し、
前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築し、
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを取得し、
取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測することを特徴とする無線品質予測方法。
【請求項14】
前記無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報であり、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にした無線品質推移パターンを含むことを特徴とする請求項13に記載の無線品質予測方法。
【請求項15】
コンピュータを、
2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する測定情報取得機能手段と、
前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する無線品質推移パターン構築機能手段と、
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを前記無線品質推移パターン構築機能手段から取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する無線品質予測機能手段
として機能させることを特徴とする無線品質予測プログラム
【請求項16】
前記無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報であり、前記無線品質推移パターン構築機能手段は、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にして、前記無線品質推移パターンを構築することを特徴とする請求項15に記載の無線品質予測プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線品質予測装置、無線基地局、無線端末、無線品質予測方法および無線品質予測プログラムに関し、特にセルラ方式の無線通信システムにおける無線品質予測装置、無線基地局、無線端末、無線品質予測方法および無線品質予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話網に代表されるセルラ方式の無線通信システムでは、複数の無線基地局を分散して配置することにより、広域なサービスエリアを構成する。各無線基地局は、自身と通信可能な範囲である無線セルを形成し、当該無線セルに所属する無線端末との間で、無線リンクを確立する。そして無線端末は、無線基地局を経由してインターネット網等の上位網へと接続し、各種サーバ装置との間でデータ通信を行う。なお、通常は1〜6程度の無線セルが一つの無線基地局によって管理される。
【0003】
セルラ方式の無線通信システムでは、さらに、ハンドオーバ(HO:handover)機能によって、無線端末の所属先となる無線セルを切り替えることができる。これにより、無線端末が移動している場合であっても、適宜適切な無線セルに所属先を切り替え、データ通信を継続することができる。
【0004】
無線通信システムにおいては、発生するトラフィックの時間的または空間的な偏り、電波の複雑な伝搬特性、ユーザの移動などの影響により、無線端末と無線基地局との間の無線リンクの品質(以下、単に無線品質を呼ぶ)に変動が生じやすい。一例として、無線端末の移動により、当該無線端末と無線基地局との間の電波の伝搬環境が、障害物が存在しない状態(LOS(Line of Sight)状態)から障害物が存在する状態(NLOS(Non Line of Sight)状態)へと変化した場合、当該変化の前後において無線品質が急激に変化する可能性が高い。
【0005】
無線品質の急激な変動は、無線端末とサーバ装置との間のエンドツーエンドの通信品質の劣化要因あるいは改善を阻む要因となる。例えば、インターネット網における代表的な通信プロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol)を用いて通信を行う場合、TCPによる送信レート制御が無線品質の急激な変動に効率的に追従できずに、ネットワークの輻輳を引き起こす恐れがある。また、無線品質の急激な変動は、無線基地局と無線端末との間の通信区間(以下、無線区間と呼ぶ)の通信帯域を活かし切れないといった問題を引き起こす恐れもある。
【0006】
こうした問題を解決するために、無線端末の無線品質を予測する技術が提案されている。
【0007】
特許文献1には、直近の無線環境値の時系列データから回帰式を算出して、当該回帰式を用いて無線環境値の予測値を算出する技術が開示されている。特許文献1に開示された方法によれば、無線環境値の予測値を得るための回帰式として、例えば、ARモデル(Auto-regressive model)が用いられる。
【0008】
特許文献2には、現在の位置情報と予め登録された電波強度分布情報とに基づいて未来の通信の電波強度を予測する技術が開示されている。特許文献2に開示された方法によれば、ユーザが利用する電車の路線に関する電波強度状況を携帯情報端末に予めダウンロードしておき、端末の到達位置を予測することにより電波強度を予測する。
【0009】
特許文献3には、移動端末装置の最新の位置および時刻が、習慣情報の定める位置範囲および期間に該当するか否かを判定することで、通信不能状態への移行を予測する技術が開示されている。特許文献3に開示された方法によれば、通信不能な圏外状態になる度に位置情報と時刻情報とを格納する。そして、過去における圏外状態の発生状況のうちで再現すると推定される状況に類似した状況を習慣情報として設定する。
【0010】
非特許文献1には、アドホックネットワークにおいて、ノード間のSNR(Signal to Noise Ratio)の将来値を予測する技術が開示されている。非特許文献1に開示された方法によれば、まず、過去のSNRの推移をトレーニングデータとして記憶しておく。そして、SNRを予測する際には、トレーニングデータに含まれる過去のSNRの推移パターンの中から、直近のSNRの推移パターンとの類似度が高いパターンを特定する。そして、特定されたSNRの推移パターンを用いて、SNRの将来値を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008-306277号公報
【特許文献2】特開2006-067507号公報
【特許文献3】特開2007-251840号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Farkas, Karoly, et al. "Pattern matching based link quality prediction in wireless mobile ad hoc networks." Proceedings of the 9th ACM international symposium on Modeling analysis and simulation of wireless and mobile systems. ACM, 2006.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
直近の無線品質の推移から回帰式等を用いて将来の無線品質を予測する技術(例えば、特許文献1)は、無線品質の不連続な変化を予測することが困難である。すなわち、特許文献1のような技術は、直近の無線品質の推移から将来の無線品質を予測するため、直近の無線品質の傾向と将来の無線品質の傾向に連続性がない場合には、精度の高い予測を行うことができない。例えば、無線端末と無線基地局との間の電波の伝搬環境が障害物等の影響により急変した場合や、無線端末が他の無線基地局へとハンドオーバした場合などには、直近の無線品質の傾向と将来の無線品質の傾向に連続性がなく、無線品質に不連続な変化が生じやすい。
【0014】
位置情報を用いて無線品質を予測する技術(例えば、特許文献2や3)は、無線端末の地理的な位置情報を取得できない場合には無線品質を予測することが困難である。ここで、無線端末の地理的な位置情報を取得できない場合というのは、例えば、無線端末がGPS(Global Positioning System)などの衛星測位システム(Global Navigation Satellite System)による測位をサポートしていない場合を云う。また、無線端末が衛星測位システムによる測位をサポートしている場合であっても、プライバシーの問題や消費電力の問題などで位置情報の取得が困難な場合などを含む。
【0015】
特定ノード間の過去の無線品質の推移パターンを用いて、当該特定ノード間の将来の無線品質を予測する技術(例えば、非特許文献1)は、セルラ方式の無線通信システムにおいて不連続な無線品質の変化を予測することが困難である。その理由は、無線端末が所属する無線セルの変化を予測することができないためである。
【0016】
すなわち、上述の通り、関連する技術では、セルラ方式の無線通信システムにおいて、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することに課題がある。
【0017】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものである。その目的は、セルラ方式の無線通信システムにおいて、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することに寄与する無線品質予測装置、無線基地局、無線端末、無線品質予測方法および無線品質予測プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を実現するために、本発明の一形態である無線品質予測装置は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する測定情報取得手段と、前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する無線品質推移パターン構築手段と、予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを前記無線品質推移パターン構築手段から取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する無線品質予測手段と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の他の形態である無線品質予測方法は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得し、前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築し、予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測することを特徴とする。
【0020】
更に、本発明の別の形態である無線品質予測プログラムは、コンピュータを、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する測定情報取得機能手段と、前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する無線品質推移パターン構築機能手段と、予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを前記無線品質推移パターン構築機能手段から取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する無線品質予測機能手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の別の形態である無線基地局は、上記の無線品質予測装置と、無線端末に対して無線品質の測定および報告を指示し、前記無線端末による無線品質の測定情報を取得して、当該無線品質の測定情報を前記無線品質予測装置に出力する端末測定制御手段を含むことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明の別の形態である無線端末は、上記の無線品質予測装置を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、セルラ方式の無線通信システムにおいて、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置の構成を例示するブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測方法の動作を例示するフロー図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置を含む無線基地局の構成を例示するブロック図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置を含む無線端末の構成を例示するブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置の構成を例示するブロック図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置が適用される無線通信システムの構成を例示する図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置が適用される無線通信システムにおける無線基地局の構成を例示するブロック図である。
図10】無線品質推移パターンの一例を示す図である。
図11】遷移情報の一例を示す図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測方法の動作を例示するフロー図である。
図13】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測方法におけるモデル構築処理を例示するフロー図である。
図14】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測方法における予測処理を例示するフロー図である。
図15】本発明の第2の実施形態に係る予測処理の具体例を説明する図である。
図16】本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
図17】本発明の第3の実施形態に係る無線品質予測装置の構成を例示するブロック図である。
図18】本発明の第3の実施形態に係る無線品質予測方法における無線品質推移パターン構築処理を例示するフロー図である。
図19】本発明の第3の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
図20】本発明の第4の実施形態に係る無線品質予測装置の構成を例示するブロック図である。
図21】本発明の第4の実施形態に係る無線品質予測方法における無線品質予測処理を例示するフロー図である。
図22】本発明の第4の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
図23】本発明の第5の実施形態として無線品質予測装置が無線基地局に含まれる場合の無線通信システムの構成を例示する図である。
図24】本発明の第5の実施形態として無線品質予測装置を含む無線基地局の構成を例示するブロック図である。
図25】本発明の第6の実施形態として無線品質予測装置が無線端末に適用される無線通信システムの構成を例示する図である。
図26】本発明の第6の実施形態として無線品質予測装置を含む無線端末の構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
なお、実施の形態は例示であり、開示の装置及び方法等は、以下の実施の形態の構成には限定されない。また、図に付した参照符号は理解を助けるための一例として便宜上付記したものであり、なんらの限定を意図するものではない。更に、各図面において、同一の機能を有する要素には同一の参照符号を付すものとし、重複する説明は適宜省略する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1乃至図6を参照して第1の実施形態を説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置の構成を例示するブロック図である。
【0029】
第1の実施形態に係る無線品質予測装置1は、測定情報取得手段11、無線品質推移パターン構築手段12及び無線品質予測手段13を含む構成になっている。
【0030】
測定情報取得手段11は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する。
【0031】
無線品質推移パターン構築手段12は、その無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する。
【0032】
無線品質予測手段13は、予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを無線品質推移パターン構築手段12から取得する。そして、無線品質予測手段13は、取得した無線品質推移パターンを用いて、予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する。
【0033】
以上より、無線品質予測装置1は、無線品質推移パターン構築手段12が構築した無線品質推移パターンを用いて、測定情報取得手段11が予測対象の無線端末から取得した無線品質の測定情報をもとに、当該予測対象の無線端末の将来の無線品質または当該予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを無線品質予測手段13により予測する。ここで、無線品質の測定情報は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末が測定した無線品質である。そして、無線品質推移パターンは、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンである。そのため、本実施形態の無線品質予測装置は、無線端末の移動に伴う電波の伝搬環境の急変、あるいは、無線端末の所属先となる無線セルの切り替わりにより無線品質が不連続に変化する場合であっても、その変化を予測することができる。その結果、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することが可能となる。
【0034】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測方法の動作を例示するフロー図である。第1の実施形態に係る無線品質予測方法は、無線品質予測装置が下記の動作を行うことで実行される。
【0035】
第1の実施形態に係る無線品質予測方法は、無線品質予測装置が次のように動作する。
【0036】
まず、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する(S10)。
【0037】
その無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する(S11)。
【0038】
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い無線品質推移パターンを取得する(S12)。
【0039】
取得したその無線品質推移パターンを用いて、予測対象とする無線端末の将来の無線品質または予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する(S13)。
【0040】
以上より、本実施形態の無線品質予測方法は、構築した無線品質推移パターンを用いて、予測対象の無線端末から取得した無線品質の測定情報をもとに、当該予測対象の無線端末の将来の無線品質または当該予測対象の無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する。ここで、無線品質の測定情報は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末が測定した無線品質である。そして、無線品質推移パターンは、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンである。そのため、本実施形態の無線品質予測方法は、無線端末の移動に伴う電波の伝搬環境の急変、あるいは、無線端末の所属先となる無線セルの切り替わりにより無線品質が不連続に変化する場合であっても、その変化を予測することができる。その結果、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することが可能となる。
【0041】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置のハードウェア構成を例示する図である。
【0042】
図3を参照すると、無線品質予測装置1は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現することができ、次の構成を備える。
【0043】
ハードウェア構成として、制御部であるCPU(Central Processing Unit)111、主記憶部112、補助記憶部113を含む。主記憶部112は、RAM(Random Access Memory)等で構成され、補助記憶部113は、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発メモリから構成されるハードディスク装置を含む。
【0044】
また、ハードウェア構成として、通信回線を介して外部との通信を行う通信部114、マン・マシン・インタフェースとしての入出力部115、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス116等を含む。
【0045】
本実施形態の無線品質予測装置1は、その動作を、無線品質予測装置1の内部に各機能を実現するプログラムを組み込んだLSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品からなる回路部品を実装して実現してもよい。また、本実施形態の無線品質予測装置1は、各構成要素の各機能を提供するプログラムを、コンピュータ処理装置上のCPU111で実行することにより、ソフトウェア的に実現してもよい。
【0046】
すなわち、CPU111は、補助記憶部113に格納されているプログラムを、主記憶部112にロードして実行し、あるいは補助記憶部113上で直接実行し、無線品質予測装置1の動作を制御することにより、各機能をソフトウェア的に実現する。
【0047】
本発明の第1の実施形態の無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を図4に示す。
【0048】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を示すブロック図である。
【0049】
本実施形態の無線品質予測プログラムは、コンピュータを、測定情報取得機能手段121、無線品質推移パターン構築機能手段122および無線品質予測機能手段123として機能させる。
【0050】
測定情報取得機能手段121は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する。
【0051】
無線品質推移パターン構築機能手段122は、その無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する。
【0052】
無線品質予測機能手段123は、予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い無線品質推移パターンを無線品質推移パターン構築機能手段122から取得する。そして、無線品質予測機能手段123は、取得した無線品質推移パターンを用いて、予測対象とする無線端末の将来の無線品質または予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する。
【0053】
以上より、無線品質予測プログラムは、コンピュータを、無線品質推移パターン構築機能手段122が構築した無線品質推移パターンを用いて、測定情報取得機能手段121が予測対象の無線端末から取得した無線品質の測定情報をもとに、当該予測対象の無線端末の将来の無線品質または当該予測対象の無線端末の所属する無線セルが将来変わることを無線品質予測機能手段123により予測するように機能させる。ここで、無線品質の測定情報は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末が測定した無線品質である。そして、無線品質推移パターンは、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンである。そのため、本実施形態の無線品質予測プログラムは、コンピュータを、無線端末の移動に伴う電波の伝搬環境の急変、あるいは、無線端末の所属先となる無線セルの切り替わりにより無線品質が不連続に変化する場合であっても、その変化を予測するように機能させることができる。その結果、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することが可能となる。
【0054】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置を含む無線基地局の構成を例示するブロック図である。本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置1は、図5に示すように無線基地局2に含まれる形態として実現されてもよい。
【0055】
無線基地局2は、無線品質予測装置1と端末測定制御手段14を含んで構成される。
端末測定制御手段14は、図示しない無線端末に対して無線品質の測定および報告を指示し、無線端末による無線品質の測定情報を取得して、当該無線品質の測定情報を無線品質予測装置1に出力する。
【0056】
この場合、無線基地局2は、具備された無線品質予測装置1を用いて、構築した無線品質推移パターンを用いて、予測対象の無線端末から取得した無線品質の測定情報をもとに、当該予測対象の無線端末の将来の無線品質または当該予測対象の無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する。ここで、無線品質の測定情報は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末が測定した無線品質である。そして、無線品質推移パターンは、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンである。そのため、無線品質予測装置を含む無線基地局は、無線端末の移動に伴う電波の伝搬環境の急変、あるいは、無線端末の所属先となる無線セルの切り替わりにより無線品質が不連続に変化する場合であっても、その変化を予測することができる。その結果、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することが可能となる。
【0057】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置を含む無線端末の構成を例示するブロック図である。本発明の第1の実施形態に係る無線品質予測装置1は、図6に示すように無線端末3に含まれる形態として実現されてもよい。
【0058】
この場合、無線端末3は、具備された無線品質予測装置1を用いて、構築した無線品質推移パターンを用いて、当該無線端末3が取得した無線品質の測定情報をもとに、当該無線端末3の将来の無線品質または当該無線端末3の所属する無線セルが将来変わることを予測する。ここで、無線品質の測定情報は、2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する当該無線端末3が測定した無線品質である。そして、無線品質推移パターンは、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンである。そのため、無線品質予測装置を含む無線端末は、無線端末の移動に伴う電波の伝搬環境の急変、あるいは、無線端末の所属先となる無線セルの切り替わりにより無線品質が不連続に変化する場合であっても、その変化を予測することができる。その結果、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することが可能となる。
【0059】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、図7乃至図16を参照して詳細に説明する。
【0060】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置の構成を例示するブロック図である。
【0061】
また、図8は、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置が適用される無線通信システムの構成を例示する図である。更に、図9は、当該無線通信システムの無線基地局の構成を例示するブロック図である。
【0062】
[構成の説明]
まず、図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置が適用される無線通信システム100を説明する。
【0063】
無線通信システム100は、無線品質予測装置20、無線基地局22(無線基地局22−1、22−2)、無線セル21(無線セル21−1、21−2)、無線端末23、および、上位網24を備えている。
【0064】
無線基地局22−1は、無線セル21−1を管理する。一方、無線基地局22−2は、無線セル21−2を管理する。無線端末23は、無線通信システム100内を移動し、無線リンクを介して無線セル21−1または無線セル21−2に接続し、無線基地局22−1または無線基地局22−2との間で双方向の無線通信を行う。
【0065】
無線基地局22−1、22−2は、上位網24にそれぞれ接続されており、上位網24と無線端末23との間でトラフィックを中継する。
【0066】
なお、無線基地局22は、例えば、広域なエリアをカバーするマクロ無線基地局、比較的狭いエリアをカバーするマイクロ無線基地局もしくはピコ無線基地局、または、屋内向け小型無線基地局であるフェムト無線基地局等である。また、無線端末23は、無線通信機能を有する端末であり、例えば、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パソコン(Laptop Computer)等である。また、上位網24は、例えば、無線アクセスネットワーク、コアネットワーク、インターネット等に相当する。
【0067】
無線通信システム100の具体例としては、LTE、LTE-Advanced、UMTS、GSM、WiMAX、CDMA2000、HSPA等が考えられる。なお、LTEはLong Term Evolutionの略称、UMTSはUniversal Mobile Telecommunications Systemの略称、GSMはGlobal System for Mobile Communicationsの略称である。また、WiMAXはWorldwide Interoperability for Microwave Accessの略称、CDMAはCode Division Multiple Accessの略称、HSPAはHigh Speed Packet Accessの略称である。
【0068】
図8に示した無線通信システム100の各構成要素の数は一例にすぎず、本発明は図示の態様に限定されない。すなわち、無線基地局22が3以上含まれる構成であってもよいし、無線端末23が2以上含まれる構成であってもよい。また、1つの無線基地局22が、それぞれ2以上の無線セル21を管理する構成であってもよい。
【0069】
無線端末23および上位網24は、既存の装置をそのまま利用可能であり、また当業者には周知であるため、その詳細な構成を示す図面と関連説明を省略する。
【0070】
図9は、無線基地局22の構成を例示するブロック図である。図9を参照すると、無線基地局22は、通信部222、および、端末測定制御部221を備えている。
【0071】
通信部222は、無線基地局22としての基本機能を提供する。無線基地局22としての基本機能とは、例えば、上位網24とのインタフェース機能、無線端末23との無線インタフェース機能、ベースバンド信号処理機能、呼処理機能等である。これらの基本機能については、当業者には周知であるため、詳細な説明を省略する。
【0072】
さらに、通信部222は、無線品質予測装置20との通信機能を有する。
【0073】
端末測定制御部221は、通信部222を用いて、無線端末23に対して無線品質の測定および報告を指示する。なお、無線端末23に対する無線品質の測定および報告の指示は、図7を参照して後述する無線品質予測装置20の測定情報取得部201や、上位網24に存在する非図示の装置から無線基地局22を介して行っても良い。
【0074】
また、端末測定制御部221は、通信部222を用いて、無線端末23による無線品質の測定情報を取得することができる。さらに、端末測定制御部221は、当該測定情報を無線品質予測装置20に対して送信することができる。無線品質の測定情報には、無線端末23が当該無線品質を測定した際に所属していた無線セルの識別情報や、無線端末23の識別情報、無線品質が測定された時刻を示す情報を含めることが好ましい。
【0075】
端末測定制御部221による無線端末23に対する無線品質の測定および報告の指示は、例えば、LTE網であれば、RRC CONNECTION RECONFIGURATIONメッセージを用いて行うことができる。
【0076】
RRC CONNECTION RECONFIGURATIONメッセージには、測定対象(Measurement Object)や報告条件(Report Configuration)が含まれる。測定対象は、無線端末23が測定すべき無線セルの周波数や無線セル識別情報等を示す情報である。また、報告条件は、無線端末23による測定および報告をいつ実施するかというトリガ条件を示す情報である。なお、トリガ条件には、所定周期とイベントトリガの2種類がある。例えば、トリガ条件を所定周期に設定すると、無線基地局22は、指定した周期で無線端末23による測定情報を収集することが可能となる。
【0077】
端末測定制御部221は、無線端末23の無線品質の推移を得るために、無線端末23に対して所定周期(例えば、1秒、2秒、5秒、10秒など)毎の無線品質の測定および報告を指示することができる。
【0078】
ここで、無線品質の測定および報告を指示する対象とする無線端末23は、例えば後述するモデル構築処理においては、次のように決めればよい。
【0079】
当該無線基地局22との間で無線リンクを確立している全ての無線端末23でも良いし、当該無線基地局22との間で無線リンクを確立している一部の無線端末23(例えば、ランダムに20%の無線端末を選択)でもよい。また、後述する予測処理の中で予測対象とする所定の無線端末23のみを、無線品質の測定および報告を指示する対象とするようにしてもよい。
【0080】
また、後述する予測処理においては、予測対象とする所定の無線端末23が無線品質の測定および報告を指示する対象となる。
【0081】
なお、無線品質の例としては、受信電力または希望波対干渉波電力比が挙げられる。受信電力は、対象とする無線セルのパイロット信号やリファレンス信号の受信強度を表す。例えば、UMTSにおけるCPICH RSCP(Common Pilot Channel Received Signal Code Power)、LTEにおけるRSRP(Reference Signal Received Power)等が含まれる。一方、希望波対干渉波電力比は、対象とする無線セルから受信した信号の受信電力と、干渉電力および/または熱雑音電力との比率を表す。例えば、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、SIR、UMTSにおけるCPICH Ec/No、LTEにおけるRSRQ(Reference Signal Received Quality)等が含まれる。なお、無線品質は、連続値であっても良いし、離散値であっても良い。離散値の場合、例えば、QCI(Quality Class Indicator)のようなインディケータを用いても良い。
【0082】
図7を参照して、第2の実施形態の無線品質予測装置20の構成を説明する。
【0083】
図7を参照すると、無線品質予測装置20は、測定情報取得部201、無線品質推移パターン構築部202、遷移情報構築部204、および、無線品質予測部203を備えている。
【0084】
測定情報取得部201は、無線端末23による無線品質の測定情報を取得する。
【0085】
無線品質推移パターン構築部202は、測定情報取得部201により取得した無線品質の測定情報を用いて、無線品質推移パターンを構築する。
【0086】
無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報である。
【0087】
具体例として、無線品質推移パターン構築部202は、同一の無線セルに所属している間に同一の無線端末により周期的に測定された無線品質の推移(時系列データ)を、当該同一の無線セルを識別する情報と対応付けて、無線品質推移パターンとする。無線品質推移パターン構築部202は、このようにして構築する無線品質推移パターンを、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にして保持することができる。
【0088】
なお、各無線品質推移パターンの開始点と終了点は、それぞれ、当該無線セルへの所属を開始した時点と当該無線セルに所属しなくなった時点とに対応させることが好ましい。例えば、無線端末23が無線セル21−1にハンドオーバした時点から、当該無線端末23が無線セル21−1以外の無線セル(例えば、無線セル21−2)へとハンドオーバした時点までに当該無線端末23により周期的に測定された無線品質を、一つの無線品質推移パターンとする。
【0089】
図10を参照して無線品質推移パターンを説明する。
【0090】
図10は、無線品質推移パターン構築部202により保持される無線品質推移パターンの一例を示す説明図である。図10において、無線品質推移パターンA−1、A−2は、無線セルAにおいて測定された無線品質推移パターンであり、無線品質推移パターンB−1、B−2、B−3は、無線セルBにおいて測定された無線品質推移パターンである。図4のグラフ縦軸は無線品質(一例としてSINRを使用)を示しており、グラフ横軸は時間を示している。グラフ横軸の時間は、日時で表される絶対時刻であっても良いし、無線品質推移パターンの開始点を「0」とした相対時刻であっても良い。また、無線品質推移パターンの開始点が「0」、無線品質推移パターンの終了点が「1」となるように正規化した時間であっても良い。
【0091】
遷移情報構築部204は、2以上の無線品質推移パターンの遷移関係を示す情報(遷移情報)を構築する。
【0092】
具体的には、遷移情報構築部204は、任意の2つの無線品質推移パターンが同一の無線端末によって時間的に連続して測定された回数や確率などの実績を、遷移情報として構築して保持する。
【0093】
同一の無線端末によって測定された2つの無線品質推移パターンについて、次のような場合に当該2つの無線品質推移パターンが時間的に連続して測定されたものであると判定する。
【0094】
一例として、一方の無線品質推移パターンの終了点の日時と、他方の無線品質推移パターンの開始点の日時との時間差が所定時間以内の場合、当該2つの無線品質推移パターンは、時間的に連続して測定されたものであると判定する。他の一例として、一方の無線品質推移パターンが測定された無線セルC1と、他方の無線品質推移パターンが測定された無線セルC2について、当該無線端末が無線セルC1から無線セルC2へと他の無線セルを経由せずに直接的に移動した場合に、時間的に連続して測定されたものであると判定する。なお、このとき、当該無線端末が無線セルC1から無線セルC2へと移動する前に他の無線セルを経由した場合であっても、当該他の無線セルへの所属時間が短い場合には、当該他の無線セルへの所属を無視してもよい。つまり、このような場合であっても、当該2つの無線品質推移パターンが、時間的に連続して測定されたものであると判定しても良い。
【0095】
図11を参照して遷移情報を説明する。
【0096】
図11は、遷移情報構築部204によって保持される遷移情報の一例を示す説明図である。
【0097】
図11においては、無線品質推移パターン間の遷移確率を遷移情報として構築した場合の一例を示している。
【0098】
図5において、A−1、A−2、B−1、B−2、B−3は、それぞれ無線品質推移パターンの識別子を示している。そして、A−1、A−2は無線セルAにおける無線品質推移パターンを表し、B−1、B−2、B−3は無線セルBにおける無線品質推移パターンを表している。
【0099】
さらに、図11の表内の各数値は、最左列に示した無線品質推移パターンが測定された後に、最上列に示した無線品質推移パターンが時間的に連続して測定される確率を示している。
【0100】
すなわち、図11においては、無線品質推移パターンA−1が測定された後に、時間的に連続して各無線品質推移パターンB−1、B−2、B−3が測定された確率が次のようになっていることを示している。無線品質推移パターンA−1が測定された後に、無線品質推移パターンB−1が測定された確率が0.0、無線品質推移パターンB−2が測定された確率が0.7、そして無線品質推移パターンB−3が測定された確率が0.3である。
【0101】
同様に、無線品質推移パターンA−2が測定された後に、時間的に連続して各無線品質推移パターンB−1、B−2、B−3が測定された確率は次のようになっている。無線品質推移パターンA−2が測定された後に、無線品質推移パターンB−1が測定された確率が1.0、無線品質推移パターンB−2が測定された確率が0.0、そして無線品質推移パターンB−3が測定された確率が0.0である。
【0102】
なお、図11の表内の各数値は、上述したように確率で示しているが、実際に測定された回数で示してもかまわない。
【0103】
例えば、無線品質推移パターンA−1が測定された回数が合計10回あって、その後、時間的に連続して各無線品質推移パターンB−1、B−2、B−3に遷移した回数がそれぞれ0回、7回、3回のように表現してもかまわない。
【0104】
以上のように、遷移情報は、同一の無線端末によって測定された無線品質推移パターンとその遷移状況の実績に応じて、無線品質推移パターン間の遷移関係を遷移確率または遷移回数として表現したものである。
【0105】
なお、遷移情報は無線端末毎に個別に構築しても良いし、複数の無線端末に共通のものを構築しても良い。無線端末毎に個別の遷移情報を構築する場合、一つの遷移情報は一つの無線端末へと対応付けられ、当該一つの無線端末によって測定された無線品質推移パターンのみを使用して遷移情報を構築する。一方、複数の無線端末に共通の遷移情報を構築する場合、複数の無線端末により測定された無線品質推移パターンを使用して無線端末に共通の遷移情報を構築する。
【0106】
無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報を用いて、当該予測対象とする無線端末23の将来の無線品質を予測する。また、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報を用いて、当該予測対象とする無線端末23が将来所属する無線セルを予測する。ここで将来とは、取得した無線品質の測定情報が予測対象とする無線端末23により測定された時点を基準にして、当該時点以降の任意の時点を意味する。
【0107】
具体的には、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い無線品質推移パターンを無線品質推移パターン構築部202から取得する。無線品質予測部203は、取得した無線品質推移パターンを用いることで、当該予測対象とする無線端末23の将来の無線品質を予測することができる。
【0108】
また、無線品質予測部203は、取得した無線品質遷移パターンと遷移情報構築部204に保持される遷移情報を用いることで、その取得した無線品質推移パターンに後続する可能性が高い無線品質推移パターンを取得することができる。それにより、無線品質予測部203は、当該予測対象とする無線端末23が将来所属する可能性が高い無線セルや、将来所属する可能性が高い無線セルにおける無線品質を予測することができる。
【0109】
さらに、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23について、所属する無線セルが変化するタイミングを予測しても良い。
【0110】
例えば、同一の無線セルに所属している間に同一の無線端末により周期的に測定された無線品質の推移(時系列データ)を、当該同一の無線セルを識別する情報と対応付けて、無線品質推移パターン構築部202に保持する場合を考える。この場合、各無線品質推移パターンの時間長を保持しておくことで、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23について、いつ次の無線品質推移パターンへと切り替わるか、すなわち、どの時点で次の無線セルへと所属先が切り替わるかを予測することができる。
【0111】
[動作の説明]
本実施形態に係る無線品質予測方法について、図12乃至図15を参照して説明する。
【0112】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測方法の動作を例示するフロー図である。
【0113】
なお、無線品質予測方法は、無線品質予測装置20による無線品質予測処理として説明される。
【0114】
図12のフロー図に示す通り、無線品質予測装置20による無線品質予測処理は、モデル構築処理(S100)と予測処理(S200)からなる。
【0115】
つまり、ステップS100のモデル構築処理では、無線品質推移パターン構築部202が無線品質推移パターンを構築する。さらに、遷移情報構築部204が遷移情報を構築する。
【0116】
そして、ステップS200の予測処理では、モデル構築処理で構築された無線品質推移パターンや遷移情報を用いて、無線品質予測部203が予測対象の無線端末について、将来の無線品質または将来所属する無線セルを予測する。
【0117】
以下、モデル構築処理と予測処理の詳細について説明する。
【0118】
まず、モデル構築処理の具体例を図13のフロー図を参照して説明する。
【0119】
図13は、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測方法におけるモデル構築処理を例示するフロー図である。
【0120】
無線品質の測定および報告を指示された無線端末23による無線品質の測定情報は、無線基地局22から無線品質予測装置20へと送られる。前述したように、無線品質の測定および報告を指示する対象となる無線端末23は、無線基地局22との間で無線リンクを確立している全ての無線端末23でも良いし、ランダムに選択した一部の無線端末23でもよい。また、後述する予測処理の中で予測対象とする所定の無線端末23のみを、無線品質の測定および報告を指示する対象とするようにしてもよい。
【0121】
まず、測定情報取得部201は、無線端末23による無線品質の測定情報を取得する(S101)。例えば、無線基地局22は、無線端末23から無線品質の測定情報を取得したタイミングで、当該測定情報を無線品質予測装置20に対して送信する。あるいは、測定情報取得部201は、無線基地局22に対して、新規の測定情報の有無を定期的に問い合わせ、新規の測定情報がある場合に当該測定情報を無線基地局22から取得する。
【0122】
続いて、無線品質推移パターン構築部202は、無線品質推移パターンを構築する(S102)。上述の通り、無線品質推移パターン構築部202は、同一の無線セルに所属している間に同一の無線端末により連続的に測定された無線品質の推移(時系列データ)を、当該同一の無線セルを識別する情報とともに、無線品質推移パターンとして構築する。
【0123】
そして、遷移情報構築部204は、2以上の無線品質推移パターンの遷移関係を示す情報である遷移情報を構築する(S103)。上述の通り、遷移情報構築部204は、任意の2つの無線品質推移パターンが同一の無線端末によって時間的に連続して測定された回数や確率などの実績を、遷移情報として構築して保持する。
【0124】
次に、予測処理の具体例を図14のフロー図を参照して説明する。
【0125】
図14は、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測方法における予測処理を例示するフロー図である。
【0126】
以下では、図10に示した無線品質推移パターンを無線品質推移パターン構築部202が保持し、図11に示した遷移情報を遷移情報構築部204が保持している場合を例にして説明する。
【0127】
なお、予測処理の開始は周期的に行われてもよいし、イベントトリガであってもよい。イベントトリガとしては、例えば、予測対象とする無線端末の通信開始時、ハンドオーバイベント検出時、ハンドオーバ完了時等がある。
【0128】
また、無線基地局22との間で無線リンクを確立している全ての無線端末23、または、無線基地局22との間で無線リンクを確立している無線端末23のうちの一部の無線端末23を、予測対象の無線端末とすることができる。ここで、無線基地局22との間で無線リンクを確立している無線端末23のうちの一部の無線端末23とは、例えば次のような無線端末である。無線端末に対して送信すべきパケットデータがネットワーク内(例えば、無線基地局22)に存在する無線端末、特定のアプリケーションで通信中の無線端末、特定のユーザクラスに属する無線端末、特定のデバイスタイプに属する無線端末、特定のエリアやセルに属する無線端末などである。
【0129】
無線基地局22から無線品質の測定および報告を指示された予測対象の無線端末から無線品質の測定情報が送られてくる。ここで、予測対象の無線端末への無線品質の測定と報告の指示は、前述した無線品質推移パターンを構築する際の無線端末23に対する指示方法と同じでよい。
【0130】
まず、測定情報取得部201は、予測対象とする無線端末23から無線品質の測定情報を取得する(S201)。以下では、取得した無線品質の測定情報を、X={X1、X2、・・・、X10}とおく。ここで、{X1、X2、・・・、X10}は、当該無線端末23が無線セルAへの所属を開始してから1秒間隔に10秒間測定したSINRを示す。
【0131】
無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い無線品質推移パターンを無線品質推移パターン構築部202から取得する(S202)。
【0132】
具体的には、無線品質予測部203は、図10に示した無線品質推移パターンの中から、無線セルAにおける無線品質推移パターンである無線品質推移パターンA−1、A−2を取得する。そして、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報Xと、無線品質推移パターンA−1、A−2との類似度をそれぞれ算出する。
【0133】
例えば、無線品質推移パターンA−1、A−2から、それぞれの先頭10秒間分の無線品質推移を抽出した結果を、Y={Y1、Y2、・・・、Y10}、Z={Z1、Z2、・・・、Z10}とおく。そして、XとYとの類似度Dxy、および、XとZとの類似度Dxzをそれぞれ算出する。例えば、時系列データをベクトルとみなし、2つのベクトル間のユークリッド距離を用いて類似度を定義することができる。ユークリッド距離を用いる場合、類似度DxyおよびDxzは、例えば以下の式で算出することができる。


【0134】
上式においては、ユークリッド距離が小さいほど類似度が高く、ユークリッド距離が大きいほど類似度が低いことを示す。
【0135】
なお、類似度を示す指標としてユークリッド距離を用いることは単なる例示であって、これに限定されない。例えば、類似度を示す指標として相関係数を用いても良い。具体的には、二つの無線品質推移パターンの対応する時刻毎に無線品質のペアを作る。そして、時刻毎に作成した無線品質のペアを用いて、無線品質推移パターン間の相関係数を算出する。そして、相関係数が高いほど、無線品質推移パターン間の類似度が高いと判定する。
【0136】
無線品質予測部203は、類似度が最も高い無線品質推移パターンを一つだけ取得しても良いし、類似度が高い順番に所定数の無線品質推移パターンを取得しても良い。また、これらのいずれの場合においても、類似度に対して閾値を設定し、当該閾値未満の類似度を持つ無線品質推移パターンを取得対象から除外しても良い。
【0137】
そして、無線品質予測部203は、ステップS202で取得した無線品質推移パターンを用いて、予測対象とする無線端末23の将来の無線品質または将来所属する無線セルを予測する(S203)。
【0138】
図15を用いて、予測対象とする無線端末23の将来の無線品質や将来所属する無線セルを予測する方法の具体例を説明する。
【0139】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る予測処理の具体例を説明する図である。
【0140】
図15において、折れ線グラフ中の実線部分は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報を示す。また、無線品質の測定情報との類似度が高い無線品質推移パターンとして、図10における無線品質推移パターンA−2が取得されたとする。
【0141】
予測対象とする無線端末23の将来の無線品質は、無線品質推移パターンA−2と同様の推移を辿るものと仮定できる。そのため、無線品質推移パターンA−2から、図15の折れ線グラフの点線部分を参照することで、予測対象とする無線端末23の将来の無線品質を予測することができる。
【0142】
さらに、無線品質予測部203は、遷移情報構築部204が保持する遷移情報を用いて、予測対象とする無線端末23が次に所属する無線セルを予測することができる。図11に示す遷移情報を用いることで、無線品質予測部203は、無線セルAにおいて無線品質推移パターンA−2が測定された後には、無線セルBにおいて無線品質推移パターンB−1が測定される確率が1.0であるということを判断することができる。すなわち、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23が次に所属する無線セルが無線セルBであることを予測することができる。
【0143】
また、無線品質推移パターンB−1を用いることで、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23が次に所属する無線セルである無線セルBにおける無線品質を予測することもできる。
【0144】
なお、ステップS202で取得した無線品質推移パターンが2以上である場合、無線品質予測部203は、それぞれの無線品質推移パターンから無線品質の予測値を求め、将来の無線品質が取り得る範囲を求めることができる。また、将来の無線品質が取り得る範囲を求める代わりに、無線品質予測部203は、それぞれの無線品質推移パターンから無線品質の予測値を求め、将来の無線品質の統計値を求めても良い。例えば、統計値として期待値や中央値、累積確率分布(Cumulative Distribution Function:CDF)の下位5%値などを求めても良い。
【0145】
さらに、無線品質予測部203は、類似度を算出する際に、比較する無線品質推移パターンの時間スケールを調整しても良い。時間スケールを調整して類似度を算出する詳細については、第3の実施形態で後述する。
【0146】
上述したように、本実施形態に係る無線品質予測装置20は、無線品質推移パターン構築部202が無線品質推移パターンを構築する。そして、遷移情報構築部204が2以上の無線品質推移パターンの遷移関係を示す遷移情報を、任意の2つの無線品質推移パターンが時間的に連続して測定されたことを示す回数や確率として構築する。そして、無線品質予測部203は、予測対象とする無線端末23から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い無線品質推移パターンを無線品質推移パターン構築部202から取得する。無線品質予測部203は、取得した無線品質推移パターンを用いて、当該予測対象とする無線端末23の将来の無線品質または当該予測対象とする無線端末23が将来所属する無線セルを予測する。そのため、本実施形態に係る無線品質予測装置20は、無線端末の位置情報を用いずに不連続な無線品質の変化を予測することが可能となる。
【0147】
また、第2の実施形態の無線品質予測装置20は、図3に示したようなハードウェアでも構成され得る。その場合、コンピュータを各機能手段として機能させる無線品質予測プログラムを含む。
【0148】
図16は、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0149】
第2の実施形態に係る無線品質予測プログラムは、測定情報取得機能手段211、無線品質推移パターン構築機能手段212、遷移情報構築機能手段214および無線品質予測機能手段213を含む。これらの各機能手段が実現する機能は、上述した測定情報取得部201、無線品質推移パターン構築部202、遷移情報構築部204および無線品質予測部203にそれぞれ対応する。
【0150】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について、図17乃至図19を参照して詳細に説明する。
【0151】
なお、第3の実施形態に係る無線品質予測装置は、図8に例示した無線通信システム100にも適用される。
【0152】
[構成の説明]
図17は、本実施形態に係る無線品質予測装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る無線品質予測装置30は、クラスタリング部205を備える点で、本発明の第2の実施形態に係る無線品質予測装置20と異なる。
【0153】
クラスタリング部205は、無線セルが同一である無線品質推移パターン間の類似度を算出し、当該類似度に基づき、無線セルが同一である2以上の無線品質推移パターンをグループに分類する。
【0154】
[動作の説明]
本実施形態に係る無線品質予測装置30による無線品質予測処理の具体例について説明する。
【0155】
本実施形態に係る無線品質予測処理は、図12を参照して説明した第2の実施形態と同様に、モデル構築処理と予測処理とからなる。一方、本実施形態に係るモデル構築処理は、図13を参照して説明した第2の実施形態におけるモデル構築処理とは、無線品質推移パターンを構築する処理(図13のステップS102)が異なる。
【0156】
図18を用いて、本実施形態に係る無線品質推移パターンの構築処理について説明する。
【0157】
図18は、本発明の第3の実施形態に係る無線品質予測方法における無線品質推移パターン構築処理を例示するフロー図である。
【0158】
無線品質推移パターン構築部202は、測定情報取得部201によって無線端末23から取得した測定情報を用いて、新たな無線品質推移パターンを作成する(S151)。第2の実施形態と同様に、無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末23により測定された無線品質の推移を示す情報であることが好ましい。
【0159】
続いて、クラスタリング部205は、無線品質推移パターンを互いの類似度に基づいて分類する(S152)。
【0160】
ステップS152は、具体的には次のように動作する。
【0161】
まず、ステップS151で作成した無線品質推移パターンを無線品質推移パターンPとし、無線品質推移パターンPが無線セルCで測定された情報であるとする。
【0162】
このとき、クラスタリング部205は、無線品質推移パターン構築部202が保持する無線品質推移パターンの中から、無線セルCにおける無線品質推移パターンを抽出する。
【0163】
そして、クラスタリング部205は、抽出した無線セルが同一(無線セルC)である無線品質推移パターンの中から、無線品質推移パターンPとの類似度が所定値以上となる無線品質推移パターンを特定する。そして、特定した無線品質推移パターンと無線品質推移パターンPとを同一のグループに分類する。なお、抽出した無線品質推移パターンの中に、無線品質推移パターンPとの類似度が所定値以上となる無線品質推移パターンがなかった場合、クラスタリング部205は、無線品質推移パターンPを新たなグループとして無線品質推移パターン構築部202に格納する。
【0164】
クラスタリング部205が算出する無線品質推移パターンの類似度としては、第2の実施形態で述べたユークリッド距離を用いた指標などを用いることができる。
【0165】
また、クラスタリング部205は、2つの無線品質推移パターンを比較して類似度を算出する際に、無線品質推移パターンの時間スケールを調整しても良い。例えば、クラスタリング部205は、時間軸方向のズレ(伸縮)を考慮した上で2つの時系列データの類似度を評価することができる手法、具体的には、動的時間伸縮法(Dynamic Time Warping:DTW)などを用いても良い。
【0166】
例えば、同一移動速度で同一経路を移動した場合には同一の無線品質推移パターンが得られる環境を仮定する。こうした環境においても、2つの無線端末が当該経路を異なる移動速度で移動した場合、異なる無線品質推移パターンが取得される可能性が高い。動的時間伸縮法を用いることによって、無線端末の移動速度の違いから生じる無線品質推移パターンの伸縮の影響が補正され、2つの無線品質推移パターンに高い類似度があるものとして評価することができる。
【0167】
また、無線品質推移パターンの時間スケールを調整する方法として、他の方法を用いても良い。具体的には、無線品質推移パターンの中から、無線端末が静止しながら測定したと推定される期間(静止期間)を抽出し、当該静止期間の無線品質推移パターンの時系列データを1点に集約する。例えば、当該静止期間中の無線品質推移パターンの平均値を算出し、当該静止期間中に測定された一連の無線品質を1点に集約する。
【0168】
なお、無線端末が静止しているか否かは、測定された無線品質の変動量から推定できる。すなわち、ある期間に測定された無線品質の変動量(例えば、標準偏差)が所定の閾値以内である場合には、当該期間において無線端末は静止中であったと推定する。
【0169】
そして、クラスタリング部205は、ステップS152の後、同一の分類(グループ)に属する複数の無線品質推移パターンを集約する(S153)。
【0170】
クラスタリング部205は、任意の統計処理によって、同一の分類(グループ)に属する複数の無線品質推移パターンを一つの無線品質推移パターンに集約することができる。具体的には、無線品質推移パターン間の対応する時刻における無線品質を対象にして、当該対応する時刻毎に無線品質の統計値を算出することで、同一の分類(グループ)に属する複数の無線品質推移パターンを一つの無線品質推移パターンに集約する。なお、ここでの統計値とは、例えば、平均値、中央値、最繁値などである。
【0171】
上述したように、本実施形態に係る無線品質予測装置30は、クラスタリング部205が、無線品質推移パターン構築部202により保持される無線品質推移パターンを分類し、同一の分類に属する無線品質推移パターンを集約する。そのため、無線品質推移パターン構築部202により保持される無線品質推移パターンの数を減らし、無線品質予測部203による無線品質の予測処理を効率化することができる。
【0172】
また、第3の実施形態の無線品質予測装置30も、図3に示したようなハードウェアで構成され得る。その場合、コンピュータを各機能手段として機能させる無線品質予測プログラムを含む。
【0173】
図19は、本発明の第3の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0174】
第3の実施形態に係る無線品質予測プログラムは、測定情報取得機能手段211、無線品質推移パターン構築機能手段212、遷移情報構築機能手段214、無線品質予測機能手段213に加えてクラスタリング機能手段215を含む。これらの各機能手段が実現する機能は、測定情報取得部201、無線品質推移パターン構築部202、遷移情報構築部204、無線品質予測部203およびクラスタリング部205にそれぞれ対応する。
【0175】
(第4の実施形態)
第4の実施形態について、図20乃至図22を参照して詳細に説明する。
【0176】
なお、第4の実施形態に係る無線品質予測装置は、図8に例示した無線通信システム100にも適用される。
【0177】
[構成の説明]
図20は、本実施形態に係る無線品質予測装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る無線品質予測装置40は、通信制御部206を備える点で、第3の実施形態に係る無線品質予測装置30と異なる。なお、本実施形態に係る無線品質予測装置40において、クラスタリング部205は必ずしも必要ではなく、図7に示した第2の実施形態に係る無線品質予測装置20に対して通信制御部206を追加する形態としても良い。
【0178】
通信制御部206は、無線品質予測部203による無線品質または所属する無線セルの変化の予測結果に基づき、通信制御を行う。具体的には、無線品質予測部203により無線品質の劣化あるいは改善が予測された無線端末23に関し、通信制御部206は、当該無線端末23へと送信するパケットデータの送出量あるいは当該無線端末23から送信されたパケットデータの送出量を制御する。
【0179】
なお、通信制御部206がこのような通信制御を実施する場合、無線端末23からのパケットデータあるいは無線端末23へのパケットデータが通過する通信経路上の装置として無線品質予測装置40を実現することが好ましい。
【0180】
一例として、無線品質予測部203により無線品質の劣化が予測された無線端末23に関し、通信制御部206は、当該無線端末23へと送信するパケットデータの送出量を減少させる。このような制御により、無線基地局22において当該無線端末23宛のパケットデータが一時保存領域(バッファ)から溢れてしまうこと(バッファ溢れ)を防止できる。
【0181】
他の一例として、無線品質予測部203により無線品質の改善が予測された無線端末23に関し、通信制御部206は、当該無線端末23へと送信するパケットデータの送出量を増加させる。このような制御により、無線基地局22において当該無線端末23宛に送信するパケットデータが一時保存領域(バッファ)に存在しないという状況(バッファ枯渇)を防止できる。
【0182】
なお、通信制御部206は、自ら通信制御を行う代わりに、他の装置に対して通信制御を指示しても良い。例えば、通信制御部206は、無線基地局22に通信制御を指示しても良い。また、通信制御部206は、無線端末23の通信相手であるサーバ装置に対して通信制御を指示しても良い。また、通信制御部206は、無線端末23の通信経路上の任意の中継装置、例えば、上位網に存在するP−GW(Packet Data Network Gateway)に通信制御を指示しても良い。
【0183】
[動作の説明]
本実施形態に係る無線品質予測装置40による無線品質予測処理の具体例について説明する。
【0184】
本実施形態に係る無線品質予測処理がモデル構築処理と予測処理を含む点、および、それらの処理内容については、第2の実施形態および第3の実施形態に係る無線品質予測処理と同じである。
【0185】
本実施形態に係る無線品質予測処理は、予測処理が行われた後に通信制御部206により通信制御処理が行われる点で、第2の実施形態および第3の実施形態に係る無線品質予測処理と異なる。
【0186】
図21を用いて、本実施形態に係る無線品質予測処理について説明する。
【0187】
図21は、本発明の第4の実施形態に係る無線品質予測方法における無線品質予測処理を例示するフロー図である。
【0188】
本実施形態に係る無線品質予測処理は、モデル構築処理(S100)、予測処理(S200)および通信制御処理(S300)で構成される。前述のように、モデル構築処理(S100)と予測処理(S200)は、第2の実施形態や第3の実施形態におけるそれらの処理と同じなので説明は省略する。
【0189】
ステップS300の通信制御処理が通信制御部206により実行される。
【0190】
通信制御部206による通信制御処理の具体例について説明する。
【0191】
無線品質予測部203によるステップS200の予測処理が完了すると、通信制御部206はステップS300の通信制御処理を開始する。
【0192】
ステップS300では、通信制御部206は、無線品質予測部203による無線品質または所属する無線セルの変化の予測結果に基づき、通信制御を行う。具体的には、上述の通り、無線品質予測部203により無線品質の劣化あるいは改善が予測された無線端末23に関し、通信制御部206は、当該無線端末23へと送信するパケットデータの送出量あるいは当該無線端末23から送信されたパケットデータの送出量を制御する。
【0193】
上述したように、本実施形態に係る無線品質予測装置40は、無線品質予測部203による無線品質または所属する無線セルの変化の予測結果に基づき、通信制御部206が通信制御を行う。そのため、無線品質の急激な改善あるいは劣化によって発生する通信品質の問題を防止することができる。
【0194】
また、第4の実施形態の無線品質予測装置40も、図3に示したようなハードウェアで構成され得る。その場合、コンピュータを各機能手段として機能させる無線品質予測プログラムを含む。
【0195】
図22は、本発明の第4の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成を例示するブロック図である。
【0196】
第4の実施形態に係る無線品質予測プログラムは、図19を参照して説明した第3の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成に加えて通信制御機能手段216を含む。この通信制御機能手段216が実現する機能は、通信制御部206に対応する。
【0197】
なお、本実施形態に係る無線品質予測プログラムは、図16を参照して説明した第2の実施形態に係る無線品質予測プログラムが実現する機能手段の構成に、通信制御機能手段216を加えた構成であってもかまわない。
【0198】
(第5の実施形態)
第5の実施形態について、図23および図24を参照して詳細に説明する。
【0199】
本実施形態は、無線品質予測装置が無線基地局に含まれる形態として実施されるものである。
【0200】
図23は、第5の実施形態として無線品質予測装置が無線基地局に含まれる場合の無線通信システムの構成を例示する図である。本実施形態として無線品質予測装置が無線基地局に含まれる場合の無線通信システム200では、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態に係る無線品質予測装置を無線基地局32が備える形態となっている。
【0201】
[構成の説明]
図24は、第5の実施形態として無線品質予測装置を含む無線基地局32の構成を例示するブロック図である。
【0202】
無線基地局32は、通信部322、端末測定制御部321および無線品質予測機能部323を含む構成になっており、無線品質予測機能部323を備える点で、図8を参照して説明した無線通信システム100における無線基地局22と異なる。この無線品質予測機能部323は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態に係る無線品質予測装置と同じ機能を有する。
【0203】
また、無線基地局32は、通信部322が無線基地局間で情報をやり取りする機能を備える点でも無線通信システム100における無線基地局22と異なる。
【0204】
なお、端末測定制御部321は、図9を参照して説明した無線基地局22の端末測定制御部221と同じ機能を有する。
【0205】
通信部322は、端末測定制御部321が取得した無線端末23による無線品質の測定情報を、他の無線基地局32との間で送受信する機能を備える。無線基地局32間の情報の送受信は、無線基地局32を直接的に接続する通信回線を介して行われても良いし、上位網24を経由して行われても良い。なお、無線端末23から取得した無線品質の測定情報は、当該無線端末23の移動先の無線基地局に送信することが好ましい。また送信する情報には、無線品質の測定情報に加えて、無線端末23が所属していた無線セルおよび無線端末23の識別情報を加えることが好ましい。
【0206】
[動作の説明]
本実施形態に係る無線品質予測処理は、無線基地局32の無線品質予測機能部323により行われる。無線品質予測機能部323の具体的な動作は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態に係る無線品質予測処理と同一であるため、説明は省略する。
【0207】
上述したように、本実施形態では、無線基地局32に含まれる無線品質予測機能部323が無線品質予測処理を実行する。そのため、無線品質予測処理を実行する専用の装置を無線通信システム200内に追加する必要がなく、既存の装置である無線基地局32を活用することができる。
【0208】
なお、無線基地局32は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態による無線品質予測プログラムを格納した記録媒体を備え、当該無線品質予測プログラムによりコンピュータを各機能手段として機能させるように構成しても良い。
【0209】
(第6の実施形態)
第6の実施形態について、図25および図26を参照して詳細に説明する。
【0210】
本実施形態は、無線品質予測装置が無線端末に含まれる形態として実施されるものである。
【0211】
図25は、第6の実施形態として無線品質予測装置が無線端末に含まれる場合の無線通信システムの構成を例示する図である。本実施形態として無線品質予測装置が無線端末に含まれる場合の無線通信システム300では、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態に係る無線品質予測装置を無線端末33が備える形態となっている。なお、本実施形態の場合、無線通信システム300における無線基地局22は、図8を参照して説明した無線通信システム100における無線基地局22と同じ構成(図9参照)である。
【0212】
[構成の説明]
図26は、第6の実施形態として無線品質予測装置を含む無線端末の構成を例示するブロック図である。無線端末33は、通信部332および無線品質予測機能部331を含む構成になっており、無線品質予測機能部331を備える点で、図8を参照して説明した無線通信システム100における無線端末23と異なる。この無線品質予測機能部331は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態に係る無線品質予測装置と同じ機能を有する。
【0213】
通信部332は、無線端末33と無線基地局22との間で無線リンクを確立して無線通信を行うための基本機能を提供する。ここでの基本機能とは、例えば、無線基地局22との無線インタフェース機能、無線信号の変調・復調機能等である。これらの基本機能については、当業者には周知であるため、詳細な説明を省略する。
【0214】
無線品質予測機能部331の機能は、無線端末33の組み込み装置、無線端末33の周辺装置、無線端末33で動作するソフトウェアのいずれかの形態で実現することができる。ソフトウェアとして実現する場合、無線端末33の基本ソフト(Operating System)または基本ソフトの上で動作するアプリケーションなどとして実現することができる。また、ソフトウェアとして実現する場合、無線端末33は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態による無線品質予測プログラムを格納した記録媒体を備える。
【0215】
[動作の説明]
本実施形態に係る無線品質予測処理は、無線端末33の無線品質予測機能部331により行われる。
【0216】
本実施形態の場合、無線端末33は自無線端末33で測定した無線品質を使用して、モデル構築処理および予測処理を実行する。モデル構築処理は、常時実施しても良いし、周期的(例えば、1か月の内の特定の1週間)に実施しても良い。また、予測処理は、周期的な実施であっても良いし、イベントトリガで実施しても良い。イベントトリガとしては、例えば、通信開始時、ハンドオーバイベント発生時、ハンドオーバ完了時、ユーザ操作時、無線端末画面の点灯時等を使用すれば良い。
【0217】
無線品質予測機能部331の具体的な動作は、第1乃至第4の実施形態のいずれかの実施形態に係る無線品質予測処理と同一であるため、説明は省略する。
【0218】
上述したように、本実施形態に係る無線端末33に含まれる無線品質予測機能部331が無線品質予測処理を実行する。そのため、無線品質予測処理を実行する専用の装置を追加する必要がなく、既存の装置である無線端末33を活用することができる。さらに、無線品質を測定する装置と無線品質予測処理を実行する装置とが同一であるため、無線品質予測処理を実行するための無線品質の測定情報を他の通信装置へと送信する必要がなく、無線端末による通信負荷を減らすことができる。
【0219】
なお、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1) 2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する測定情報取得手段と、
前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する無線品質推移パターン構築手段と、
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを前記無線品質推移パターン構築手段から取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する無線品質予測手段と、
を備える無線品質予測装置。
(付記2) 前記無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報であり、前記無線品質推移パターン構築手段は、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にして、前記無線品質推移パターンを構築することを特徴とする付記1に記載の無線品質予測装置。
(付記3) 同一の無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係を示す情報を遷移情報として構築する遷移情報構築手段を更に備え、前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルを予測することを特徴とする付記2に記載の無線品質予測装置。
(付記4) 前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末について、当該予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンが保持する時間長データを用いて、所属する無線セルが変化するタイミングを予測することを特徴とする付記3記載の無線品質予測装置。
(付記5) 前記遷移情報構築手段は、同一の前記無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係について、任意の2つの無線品質推移パターンが時間的に連続して測定されたことを示す回数または確率を前記遷移情報として構築して保持することを特徴とする付記3に記載の無線品質予測装置。
(付記6) 前記無線品質予測手段は、前記遷移情報構築手段が保持する前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを取得し、当該確率が高い前記無線品質推移パターンに対応する無線セルを、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルとして予測することを特徴とする付記5に記載の無線品質予測装置。
(付記7) 前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルにおける無線品質を予測することを特徴とする付記5に記載の無線品質予測装置。
(付記8) 複数の前記無線品質推移パターンの中から、対応付けられた無線セルが同一である複数の無線品質推移パターンを抽出し、無線セルが同一である当該無線品質推移パターン間の類似度を算出し、当該類似度に基づいて無線セルが同一である当該無線品質推移パターンをグループに分類するクラスタリング手段をさらに備えることを特徴とする付記2乃至付記7のいずれかの付記に記載の無線品質予測装置。
(付記9) 前記クラスタリング手段は、無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の類似度の算出に際し、比較対象となる2つの無線品質推移パターンについて時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする付記8に記載の無線品質予測装置。
(付記10) 前記クラスタリング手段は、同一グループに分類した無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の対応する時刻における無線品質を対象にして、当該対応する時刻ごとに無線品質の統計値を算出して、同一グループに属する複数の前記無線品質推移パターンを一つの前記無線品質推移パターンに集約することを特徴とする付記8または付記9に記載の無線品質予測装置。
(付記11) 前記無線品質予測手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報と前記無線品質推移パターンの前記類似度の算出において、時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする付記1乃至付記10のいずれかの付記に記載の無線品質予測装置。
(付記12) 前記無線品質予測手段が予測した前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを用いて、前記予測対象とする無線端末に関わる通信を制御する通信制御手段をさらに備えることを特徴とする付記1乃至付記11のいずれかの付記に記載の無線品質予測装置。
(付記13) 2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得し、
前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築し、
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを取得し、
取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測することを特徴とする無線品質予測方法。
(付記14) 前記無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報であり、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にした無線品質推移パターンを含むことを特徴とする付記13に記載の無線品質予測方法。
(付記15) 同一の無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係を示す情報遷移情報として構築し、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルを予測することを特徴とする付記14に記載の無線品質予測方法。
(付記16) 前記予測対象とする無線端末について、当該予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンが保持する時間長データを用いて、所属する無線セルが変化するタイミングを予測することを特徴とする付記15記載の無線品質予測方法。
(付記17) 同一の前記無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係について、任意の2つの無線品質推移パターンが時間的に連続して測定されたことを示す回数または確率を前記遷移情報として構築して保持することを特徴とする付記15に記載の無線品質予測方法。
(付記18) 前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを取得し、当該確率が高い前記無線品質推移パターンに対応する無線セルを、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルとして予測することを特徴とする付記17に記載の無線品質予測方法。
(付記19) 前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルにおける無線品質を、予測することを特徴とする付記17に記載の無線品質予測方法。
(付記20) 複数の前記無線品質推移パターンの中から、対応付けられた無線セルが同一である複数の無線品質推移パターンを抽出し、無線セルが同一である当該無線品質推移パターン間の類似度を算出し、当該類似度に基づいて無線セルが同一である当該無線品質推移パターンをグループに分類することを特徴とする付記14乃至付記19のいずれかの付記に記載の無線品質予測方法。
(付記21) 無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の類似度の算出に際し、比較対象となる2つの無線品質推移パターンについて時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする付記20に記載の無線品質予測方法。
(付記22) 同一グループに分類した無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の対応する時刻における無線品質を対象にして、当該対応する時刻ごとに無線品質の統計値を算出して、同一グループに属する複数の前記無線品質推移パターンを一つの前記無線品質推移パターンに集約することを特徴とする付記20または付記21に記載の無線品質予測方法。
(付記23) 前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報と前記無線品質推移パターンの前記類似度の算出において、時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする付記13乃至付記22のいずれかの付記に記載の無線品質予測方法。
(付記24) 前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを用いて、前記予測対象とする無線端末に関わる通信を制御することを特徴とする付記13乃至付記23のいずれかの付記に記載の無線品質予測方法。
(付記25) コンピュータを、
2以上の無線セルを有する無線通信システム内を移動する無線端末による無線品質の測定情報を取得する測定情報取得機能手段と、
前記無線品質の測定情報を用いて、時間の経過と対応付けた無線品質の時系列データパターンを無線品質推移パターンとして構築する無線品質推移パターン構築機能手段と、
予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンを前記無線品質推移パターン構築機能手段から取得し、取得した前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測する無線品質予測機能手段
として機能させることを特徴とする無線品質予測プログラム。
(付記26) 前記無線品質推移パターンは、一つの無線セルに対応付けられる情報であるとともに、当該一つの無線セルに所属している間に同一の無線端末により測定された無線品質の推移を示す情報であり、前記無線品質推移パターン構築機能手段は、1以上の無線端末および2以上の無線セルを対象にして、前記無線品質推移パターンを構築することを特徴とする付記25に記載の無線品質予測プログラム。
(付記27) 同一の無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係を示す情報を遷移情報として構築する遷移情報構築手段を更に備え、前記無線品質予測機能手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報について、当該測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルを予測することを特徴とする付記26に記載の無線品質予測プログラム。
(付記28) 前記無線品質予測機能手段は、前記予測対象とする無線端末について、当該予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンが保持する時間長データを用いて、所属する無線セルが変化するタイミングを予測することを特徴とする付記27に記載の無線品質予測プログラム。
(付記29) 前記遷移情報構築機能手段は、同一の前記無線端末によって測定された2以上の前記無線品質推移パターンの遷移関係について、任意の2つの無線品質推移パターンが時間的に連続して測定されたことを示す回数または確率を前記遷移情報として構築して保持することを特徴とする付記27に記載の無線品質予測プログラム。
(付記30) 前記無線品質予測機能手段は、前記遷移情報構築機能手段が保持する前記遷移情報を用いて、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを取得し、当該確率が高い前記無線品質推移パターンに対応する無線セルを、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルとして予測することを特徴とする付記29に記載の無線品質予測プログラム。
(付記31) 前記無線品質予測機能手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報との類似度が高い前記無線品質推移パターンと時間的に連続して測定される確率が高い前記無線品質推移パターンを用いて、前記予測対象とする無線端末が将来所属する無線セルにおける無線品質を予測することを特徴とする付記29に記載の無線品質予測プログラム。
(付記32) 複数の前記無線品質推移パターンの中から、対応付けられた無線セルが同一である複数の無線品質推移パターンを抽出し、無線セルが同一である当該無線品質推移パターン間の類似度を算出し、当該類似度に基づいて無線セルが同一である無線品質推移パターンをグループに分類するクラスタリング機能手段をさらに備えることを特徴とする付記26乃至付記31のいずれかの付記に記載の無線品質予測プログラム。
(付記33) 前記クラスタリング機能手段は、無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の類似度の算出に際し、比較対象となる2つの無線品質推移パターンについて時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする付記32に記載の無線品質予測プログラム。
(付記34) 前記クラスタリング機能手段は、同一グループに分類した無線セルが同一である前記無線品質推移パターン間の対応する時刻における無線品質を対象にして、当該対応する時刻ごとに無線品質の統計値を算出して、同一グループに属する複数の前記無線品質推移パターンを一つの前記無線品質推移パターンに集約することを特徴とする付記32または付記33に記載の無線品質予測プログラム。
(付記35) 前記無線品質予測機能手段は、前記予測対象とする無線端末から取得した無線品質の測定情報と前記無線品質推移パターンの前記類似度の算出において、時間スケールを調整して前記類似度を算出することを特徴とする付記25乃至付記34のいずれかの付記に記載の無線品質予測プログラム。
(付記36) 前記無線品質予測機能手段が予測した前記予測対象とする無線端末の将来の無線品質または前記予測対象とする無線端末の所属する無線セルが将来変わることを用いて、前記予測対象とする無線端末に関わる通信を制御する通信制御機能手段をさらに備えることを特徴とする付記25乃至付記35のいずれかの付記に記載の無線品質予測プログラム。
(付記37) 付記1乃至付記12のいずれかの付記に記載の無線品質予測装置と、無線端末に対して無線品質の測定および報告を指示し、前記無線端末による無線品質の測定情報を取得して、当該無線品質の測定情報を前記無線品質予測装置に出力する端末測定制御手段を備えることを特徴とする無線基地局。
(付記38) 前記端末測定制御手段が取得した前記無線端末による前記無線品質の測定情報を、他の無線基地局に送信する通信部を備えることを特徴とする付記37に記載の無線基地局。
(付記39) 付記25乃至付記36のいずれかの付記に記載の無線品質予測プログラムと、無線端末に対して無線品質の測定および報告を指示し、前記無線端末による無線品質の測定情報を取得して、当該無線品質の測定情報を出力する端末測定制御機能手段を含む端末測定制御プログラムを格納した記録媒体を有することを特徴とする無線基地局。
(付記40) 前記記録媒体は、前記端末測定制御機能手段が取得した前記無線端末による前記無線品質の測定情報を、他の無線基地局に送信する通信機能手段を含む通信プログラムを更に格納したことを特徴とする付記39に記載の無線基地局。
(付記41) 付記1乃至付記12のいずれかの付記に記載の無線品質予測装置を備えることを特徴とする無線端末。
(付記42) 前記無線品質予測装置は、当該無線端末による無線品質の測定情報を用いて前記無線品質推移パターンと前記遷移情報を構築し、予測処理の所定の対象時間に測定した前記無線品質の測定情報を用いて、当該無線端末の将来の無線品質または当該無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測することを特徴とする付記41に記載の無線端末。
(付記43) 付記25乃至付記36のいずれかの付記に記載の無線品質予測プログラムを格納した記録媒体を有することを特徴とする無線端末。
(付記44) 前記無線品質予測プログラムは、当該無線端末による無線品質の測定情報を用いて前記無線品質推移パターンと前記遷移情報を構築し、予測処理の所定の対象時間に測定した前記無線品質の測定情報を用いて、当該無線端末の将来の無線品質または当該無線端末の所属する無線セルが将来変わることを予測することを特徴とする付記43に記載の無線端末。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2016年2月1日に出願された日本出願特願2016−017321を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0220】
1、20、30、40 無線品質予測装置
2、22、32 無線基地局
3、23、33 無線端末
11 測定情報取得手段
12 無線品質推移パターン構築手段
13 無線品質予測手段
14 端末測定制御手段
24 上位網
100、200、300 無線通信システム
111 CPU
112 主記憶部
113 補助記憶部
114 通信部
115 入出力部
116 システムバス
121、211 測定情報取得機能手段
122、212 無線品質推移パターン構築機能手段
123、213 無線品質予測機能手段
201 測定情報取得部
202 無線品質推移パターン構築部
203 無線品質予測部
204 遷移情報構築部
205 クラスタリング部
206 通信制御部
214 遷移情報構築機能手段
215 クラスタリング機能手段
216 通信制御機能手段
221、321 端末測定制御部
222、322、332 通信部
323、331 無線品質予測機能部
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