特許第6860289号(P6860289)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6860289ガンマ線感度を高めるための電離箱筐体材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6860289
(24)【登録日】2021年3月30日
(45)【発行日】2021年4月14日
(54)【発明の名称】ガンマ線感度を高めるための電離箱筐体材料
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/185 20060101AFI20210405BHJP
   H01J 47/02 20060101ALI20210405BHJP
【FI】
   G01T1/185 A
   H01J47/02
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-555183(P2015-555183)
(86)(22)【出願日】2014年1月13日
(65)【公表番号】特表2016-504607(P2016-504607A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】US2014011205
(87)【国際公開番号】WO2014163720
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2017年1月11日
【審判番号】不服-3317(P-3317/J1)
【審判請求日】2019年3月11日
(31)【優先権主張番号】13/749,739
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】バウス,エドワード・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】マッキニー,ケヴィン・スコット
【合議体】
【審判長】 井上 博之
【審判官】 野村 伸雄
【審判官】 山村 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−118931(JP,A)
【文献】 特開2003−130958(JP,A)
【文献】 特開2001−13249(JP,A)
【文献】 特開平8−211157(JP,A)
【文献】 実開平5−36746(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/185
G01T 7/00
H01J 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード(44)とアノード(46)とを有し、電離箱(40)に入る放射線を検出する電離箱(40)と、
前記電離箱(40)を内部に収容する中空の内部空間(16)を画定し、少なくとも2つの層を含み、前記層の少なくとも1つは、前記中空の内部空間(16)と内部に収容された前記電離箱(40)に電磁シールドを提供する外装筐体(12)と、
を備え、
電磁シールドを提供する前記層の少なくとも1つは、前記外装筐体(12)の他の層の少なくとも1つよりも薄く、
電磁シールドを提供する前記層の前記少なくとも1つは、遮蔽層(70)であり、前記遮蔽層(70)は前記外装筐体(12)の内面全面を覆い、
前記電離箱(40)と前記外装筐体(12)の外面との間の物質の面密度は0.7g/cm未満である、
放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記電離箱(40)は、前記外装筐体(12)の前記遮蔽層(70)から離れて配置される、請求項に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項3】
空間(80)が前記外装筐体(12)内部における前記電離箱(40)と前記外装筐体(12)の前記遮蔽層(70)との間に存在し、前記空間(80)は前記電離箱(40)と前記遮蔽層(70)との間の体積を含む、請求項1または2に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項4】
前記遮蔽層(70)は導電性材料を含む、請求項1から3のいずれかに記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項5】
前記遮蔽層(70)はニッケル材料を含む、請求項に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項6】
前記外装筐体(12)の少なくとも1つの層は、非導電性材料を含む、請求項1からのいずれかに記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項7】
前記外装筐体(12)の非導電性材料の前記少なくとも1つの層は、前記外装筐体(12)の外部にある、請求項に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項8】
前記非導電性材料は、ポリカーボネート材料を含む、請求項6または7に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項9】
前記非導電性材料は、前記外装筐体(12)の外部を、前記中空の内部空間(16)およびその内部に収容された前記電離箱(40)から電気的に分離する、請求項6から8のいずれかに記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項10】
前記遮蔽層(70)は、前記非導電性材料の少なくとも1つの層の内部に位置する導電性材料を含む、請求項6から9のいずれかに記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項11】
前記導電性材料は、前記非導電性材料の少なくとも1つの層に比べて薄い、請求項10に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項12】
前記導電性材料はニッケル材料を含む、請求項11に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項13】
前記導電性材料の厚さは約0.2センチメートル未満である、請求項11または12に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項14】
電磁シールドを提供する前記少なくとも1つの層の密度は約0.099g/cmであり、前記外装筐体(12)のもう一方の層の密度は約0.57g/cmである、請求項1から13のいずれかに記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項15】
前記電離箱(40)を前記外装筐体(12)から離して保持する第1および第2の支持部により前記電離箱(40)を支持する、請求項1から14のいずれかに記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項16】
前記電離箱(40)の表面(52)は、前記外装筐体(12)の外壁と接触しない、請求項15に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【請求項17】
前記第1および第2の支持部のそれぞれは、前記電離箱(40)の移動を防止し、前記電離箱(40)と前記外装筐体(12)とに接触する、請求項15または16に記載の放射線検出アセンブリ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、放射線検出アセンブリに関し、詳細には、ガンマ線感度の改善された放射線検出アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
環境放射線モニタが知られており、局所の放射線量を検出するために使用される。放射線モニタは、放射線レベルを監視するために、原子力発電所など放射源に近い現場に配備することができる。
【0003】
あるタイプの放射線モニタでは、電離箱が使用される。電離箱は外装筐体に収容される。従来、外装筐体には電離箱を支持するためにフォーム材料が充填されていた。フォーム材料は、比較的密度が高く、ガンマ線を遮断することによって電離箱の感度を下げていた。具体的には、フォーム材料の密度は約0.304g/cm3であり、厚さは約2.032cmである。さらに、電離箱の外装筐体は、比較的高密度のアルミニウム材料で形成されていた。アルミニウム材料の密度は約2.7g/cm3であり、厚さは約0.229cmであった。アルミニウムとフォームは、あわせて約1.232g/cm2であった。これらの比較的高密度の材料は、ガンマ線を遮断し、電離箱の感度を下げる傾向があった。さらに、ある電圧に保たれた電離箱とアルミニウム筐体の不慮の接触は、アルミニウム筐体が帯電する原因となった。
【0004】
そのため、取り囲む筐体から電離箱を分離しつつ電離箱の感度を上げることが必要とされ、また有益であろう。
【0005】
本発明のいくつかの態様例を基本的に理解するための、本発明の簡易な概要を以下に提示する。この概要は、本発明の広範な概略ではない。さらに、概要は本発明の重要な要素を特定するものでも、本発明の範囲を画するものでもない。概要の唯一の目的は、後述の発明を実施するための形態に先立ち、本発明のいくつかの概念を簡略化して提示することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/266951号明細書
【発明の概要】
【0007】
一態様によれば、本発明は、カソードとアノードを有する電離箱を含む放射線検出アセンブリを提供する。電離箱は、電離箱に入る放射線を検出する。この装置は、中空の内部空間を画定する外装筐体を含み、内部空間には電離箱が入っている。外装筐体は少なくとも2つの層を含む。少なくとも1つの層は、その内部の中空の内部空間と電離箱に対する電磁遮蔽をする。
【0008】
以下の図面を参照して後述の説明を読めば、本発明に関係のある当業者には本発明の前述のおよび他の態様は明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1つの態様に係る、外装筐体から離れて支持される電離箱の一例を含む放射線検出アセンブリの一例が部分的に切断された開放図である。
図2】放射線検出アセンブリの外装筐体の一例の図1における円形部分2の詳細を示す拡大図である。
図3図1の放射線検出アセンブリにより放射線を検出する方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つまたは複数の態様を組み合わせた実施例について説明し、図面に示す。これらの説明される実施例は本発明を限定しようとするものではない。例えば、本発明の1つまたは複数の態様は他の実施形態でも使用可能であり、他の種類の装置においても使用可能である。さらに、本明細書で使用される特定の用語は単に便宜上のものであり、本発明を限定するものとはみなされない。さらに、図において、同じ要素には同じ参照符号を採用する。
【0011】
図1は本発明の一態様に係る部分的に切断され開放された放射線検出アセンブリ10の例示的な実施形態を示す図である。図1は単に実現可能な構造および構成の一例を示す図であり、他の例は本発明の範囲にあると意図されることが理解されよう。一般的に、放射線検出アセンブリ10は、ローカル領域内大気中の低レベルガンマ線を監視するために外部に設置される。ガンマ線源は知られているものでも、知られていないものでもよい。
【0012】
放射線検出アセンブリ10は外装筐体12を有する。外装筐体12は、実質的に中空の内部空間16の境界となる外壁14を有する。他の形も想定されるが、この例において、外装筐体12は一般的に楕円形や卵型である。例えば他の例では、外装筐体12は様々な大きさの立方体または他の多面の三次元形状を有する。外装筐体12は、内部空間16をより明確に図示し説明するため、図1においては部分的に切断し、開放して示していると理解されよう。しかし、作動中は、通常、内部空間16が見えないよう、外装筐体12は完全に密閉されている。
【0013】
外壁14は、環境影響(例えば、湿気や破片)から内部空間16を保護する一般的に柔軟性のない剛性材料を含む。外装筐体12の外壁14は、高分子材料(例えば、プラスチック)などの任意の数の異なる材料、高分子材料を含む材料の組み合わせ、などを含む。一例では、外装筐体12の外壁14は、非導電性であり、かつ/または非導電性材料を含む。利用可能な非導電性材料には、ポリカーボネート材料(例えば、Lexan(登録商標))、プラスチック、塩化ビニル材料、ポリテトラフルオロエチレン材料、低質量非有機材料、などが含まれる。他の例では、外壁14を機能的に非導電性にするため、絶縁体または非導電性材料で外壁14を被覆し、および/または覆ってもよい。非導電性にすることにより、外壁14は帯電することなく導電体と接触し得る。つまり、外装筐体12の外壁14は、放射線検出アセンブリ10の外部から内部空間16を電気的に分離する。
【0014】
ポリカーボネート材料やプラスチック材料等を含む外壁14の密度は、比較的低い。比較的密度が低いため、放射線検出アセンブリ10のガンマ線感度を高めることができる。具体的には、外壁14が遮蔽するガンマ線は、金属等の高密度の材料(例えば、鉄やアルミニウム)の外壁に比べて少なくなる。一例では、外壁14に含まれるポリカーボネート材料の密度は、約1.19g/cm3である。外壁14の厚さの範囲は広くてもよいが、この具体例においては、厚さは約0.478cmでもよい。そのため、外壁14の面密度は約0.57g/cm2である。もちろん、使用する材料や、必要な厚さ等により密度や厚さは変動するため、外壁14がこれらの数値に限定されないことは理解されよう。
【0015】
放射線検出アセンブリ10は後述の寸法や計算に限定されないことは理解されよう。実際に、一例では、放射線検出アセンブリ10の検出部(例えば、電離箱40)に入る前のガンマ線の初期エネルギーを散乱させたり吸収したりしないことが、放射線検出アセンブリ10にとって有益である。初期エネルギーを損失することなく、材料の厚さxをガンマ線が通過する可能性は、以下の通り規定される。
【0016】
【数1】
この式では、mは質量減衰係数であり、aはグラム毎平方センチメートル単位の面密度(または重量厚さ)である。約100keVから数MeVまでのガンマ線エネルギーの範囲において、コンプトン散乱は、例えば約50までの原子番号(Z)を有する材料の優性ガンマ線相互作用プロセスである。このエネルギー範囲内で、これらの原子番号を有する場合、質量減衰係数(m)はすべての材料においてほぼ等しい。
【0017】
そのため、ガンマ線エネルギーがある範囲内で、材料の原子番号が特定の範囲内であれば、ガンマ線相互作用の確立は少なくともある程度は材料の面密度に関連することが理解されよう。一例では、特定の範囲のガンマ線エネルギー(例えば、約100keVから数MeV、ただしこの範囲に限られない)および考えられる材料(Z=1−29、Z値は大きいと考えられる)においては、ガンマ線感度を上げるために放射線検出アセンブリ10の面密度を最小化することが有益である。
【0018】
さらに外装筐体12には、第1の筐体部20が含まれる。第1の筐体部20は、外装筐体12の一部分を形成する。図示された例においては、第1の筐体部20は外装筐体12の上部または上面部を形成する。第1の筐体部20は一端(例えば、上端)で閉じられ、一般的に反対側の第2端(例えば、下端)において開放される。一例では、第1の筐体部20は、外装筐体12の長さの半分以上を形成する。しかし、他の例においては、第1の筐体部20は図示の長さより長くても短くてもよい。第1の筐体部20は、内部空間16を外部から電気的に分離するように、外壁14の一部から形成されている。
【0019】
第1の筐体部20は、その内部に配置された第1の保持構造22を有する。第1の保持構造22は、外壁14から内部空間16へ延びる。第1の保持構造22が内部空間16内へ延びる長さは、図示された長さよりも長くても短くてもよい。第1の保持構造22は一般的に中空であってもよく、空洞を形成する。第1の保持構造22は第1の筐体部20に対して形成される多数の保持構造例のうち1つだけを含むことは理解されよう。実際、他の例では、第1の保持構造22は、ナット、ボルト、ねじ、その他の機械的な留め具等を含んでもよい。
【0020】
外装筐体12は第2の筐体部30を含む。第2の筐体部30は、外装筐体12の一部分を形成する。図示された例においては、第2の筐体部30は外装筐体12の下部または底面部を形成する。第2の筐体部30は一端(例えば、下端)で閉じられ、一般的に反対側の第2端(例えば、上端)において開放される。一例では、第2の筐体部30は、外装筐体12の長さの半分以上を形成する。しかし、他の例においては、第2の筐体部30の長さは、図示の長さより長くても短くてもよい。第2の筐体部30は、内部空間16を外部から電気的に分離するように、外壁14の一部から形成される。
【0021】
第2の筐体部30は、その内部に配置された第2の保持構造32を有する。第2の保持構造32は、外壁14から内部空間16へ延びる。図示された例において、第2の保持構造32は、外壁14と一体に形成または成形される。もちろん、他の例においては、第2の保持構造32はこれに限定されず、代わりに外壁14と離した取り付けも可能である。第2の保持構造32が内部空間16内へ延びる長さは、図示された長さよりも長くてもまたは短くてもよい。第2の保持構造32は第2の筐体部30に対して形成される多数の保持構造例のうち1つだけを含むことは理解されよう。実際、他の例では、第2の保持構造32は、ナット、ボルト、ねじ、その他の機械的な留め具等を含んでもよい。
【0022】
放射線検出アセンブリ10はさらに、放射線を検出する電離箱40を有する。電離箱40は、外装筐体12の内部空間16内に収容または収納される。電離箱40は、その各構成部品のためのスペースを提供する空間42を囲む。空間42を明確に示すために、電離箱40の断面を図1に示すことは理解されよう。作動中は、しかしながら、空間42は見えないよう電離箱40は完全に密閉されている。電離箱40は、いくつかの使用可能な部品を含むことは理解されよう。一例では、電離箱40は高圧電離箱(HPIC)を含んでもよい。他の形も想定されるが、電離箱40は一般的に球形である。
【0023】
電離箱40は、カソード44とアノード46とを含む一対の電極を有する。カソード44は空間42を囲む。一例では、カソード44は封止され、カソード44には、窒素ガス、アルゴン、他のガスの混合物等の加圧ガスが充填される。このため、空間42内の加圧ガスが電離箱40から不注意に漏れ出すことは比較的制限される。カソード44は、ステンレス鋼やアルミニウム等を含む金属等の種々の材料で構成され得る。
【0024】
電離箱40は、カソード44の空間42内部に延びるアノード46をさらに有する。アノード46は、支持部材や、ワイヤ等を含み得る。このようなアノード46の形状や大きさは図示された例に限定されない。この例では、アノード46が径方向内方にカソード44から離れるようにするため、アノード46の断面サイズはカソード44より小さい。
【0025】
一般的に、カソード44およびアノード46はそれぞれある電圧に保たれる。ガンマ線相互作用により生じるイオンや電子は空間42内部に形成される。これらのイオンや電子はカソード44およびアノード46に引き寄せられ、そこで電流を生成するために収集される。増幅器48(および/または電位計やワイヤ等を含む他の関連電子装置)は、カソード44およびアノード46に電気的に接続される。増幅器48は、放射線に関連するいくつかの計測可能な量、例えばガンマ線線量率等を決定するため電流を受け取り分析する。増幅器48は、増幅器用筐体等に収容され得る。
【0026】
電離箱40は、リリーフアセンブリ50をさらに含む。リリーフアセンブリ50は、電離箱40の表面52に取り付けられる。リリーフアセンブリ50は、カソード44内の加圧ガスを安全に電離箱40の外部へ放出する。リリーフアセンブリ50は電離箱40の表面52から内部空間16内に延在し得る。
【0027】
放射線検出アセンブリ10は、外装筐体12に対して電離箱40を支持する1つまたは複数の支持構造をさらに有する。一例では、支持構造は、第1の支持構造60および第2の支持構造62を含む。
【0028】
第1の支持構造60の片側は第1の保持構造22と係合し、反対側はリリーフアセンブリ50と係合する。そのため、第1の支持構造60は、電離箱40を第1の筐体部20から離して支持することができる。第2の支持構造62の片側は、第2の保持構造32と係合し、反対側は電離箱40の表面52と係合することができる。そのため、第2の支持構造62は、電離箱40を第2の筐体部30から離して支持することができる。一般的に、電離箱40の表面52は第1の支持構造60と第2の支持構造62に接触することなくこれらの間にあるため、第1の支持構造60および第2の支持構造62は、電離箱40の正反対の対向する側を支持することができる。
【0029】
第1の支持構造60および第2の支持構造62は、任意の数の材料で形成され得る。一例では、第1の支持構造60および第2の支持構造62は、非導電性材料から形成される。非導電性材料は、例えば、エラストマー材料(ゴム)等を含む。第1の支持構造60および第2の支持構造62は非導電性材料を含むため、外装筐体12の外壁14から電離箱40を電気的に分離することになる。
【0030】
次に、図2は、図1の円形部分2の詳細を示す拡大図である。図示の例において、外装筐体12は遮蔽層70を有する。遮蔽層70は比較的薄いため、図1においては見えず、図2においてのみ見られることは理解されよう。もちろん、遮蔽層70の厚さは図2に示すものに限られない。外壁14および電離箱40に対する遮蔽層70の位置をより明確に図示し、説明するため、図2において遮蔽層70を多少一般的に/概略的に示す。他の例では、遮蔽層70は図示の厚さより厚くても薄くてもよい。
【0031】
遮蔽層70は、外壁14の内面72上に配置可能である。つまり、壁14は外装筐体12の1つの層であり、遮蔽層70は外装筐体のもう1つの層である。また、壁14は外装筐体12の外側にあり、遮蔽層70は外装筐体の内側にある。従って、本発明の一態様によれば、外装筐体12は多層構造を有する。本明細書を完全に理解すればわかるように、異なる層は異なる機能を有する。かつ/または、異なる層は異なる利益をもたらすことができる。本発明を逸脱しない範囲で多層構造が2つ以上の層を有してもよいことは理解されよう。
【0032】
一例では、遮蔽層70が実質的に外壁14の内面72全面を覆う。このような例において、遮蔽層70は、第1の筐体部20および第2の筐体部30両方の外壁14を覆う。しかし、遮蔽層70が外壁14すべてを覆う必要がないことは理解されよう。他の例では、遮蔽層70は外壁14の一部のみ、例えば、外壁14の電離箱40近傍部分を覆ってもよい。
【0033】
遮蔽層70の厚さの範囲は広い。一例では、遮蔽層70の厚さは、約0.0127cmである。すなわち、この例における遮蔽層70の厚さは、外壁14よりも薄い(厚さ約0.478cm)。図2では、説明のため(つまり、遮蔽層70をより明確に示すため)、遮蔽層70の厚みを外壁14と同様に示していることは理解されよう。しかし、作動中、遮蔽層70の厚さは図示よりも厚くても薄くてもよい。
【0034】
遮蔽層70は、任意の数の異なる材料からなる。一例では、遮蔽層70は、電離箱40を含む内部空間16を電磁遮蔽することが可能である。このような例において、遮蔽層70は、電離箱40を含む内部空間16へ作用する外装筐体12の外部からの電磁場の影響を減少および/または遮断する。そのため、外装筐体12の遮蔽層70は、外装筐体12外部から電離箱40を電磁遮蔽する働きをする。遮蔽層70は、少なくとも一定の電磁波遮蔽能力を有する任意の数の材料からなる。一例では、遮蔽層70は、他の材料も想定されるものの、ニッケル材料を含む。
【0035】
電磁波を遮蔽することに加えて、遮蔽層70はまた、外装筐体12から電離箱40を電気的に分離する。具体的には、遮蔽層70は外壁14の一部または全体を被覆する、および/または覆うことができる。遮蔽層70は内面72に対してどのように塗布されてもよい。例えば、塗布方法は塗装、スプレー、コーティング、成膜等である。このように、電離箱40が外装筐体12近傍に接近した場合、カソード44は外壁14とではなく遮蔽層70と接触する。カソード44がある電圧に保たれているため、遮蔽層70はカソード44と外装筐体12の外壁14間の接触を制限/防止する。
【0036】
外壁14に加えて、遮蔽層70の面密度は比較的低い。面密度が比較的低いため、放射線検出アセンブリ10のガンマ線感度が改善される。具体的には、遮蔽層70は、その材料および厚さにより比較的少量のガンマ線を遮断する。一例では、遮蔽層70は、密度が約7.81g/cm3のニッケル材料からなる。遮蔽層70の厚さの範囲は広く、この特定の例においては、厚さは約0.127cmでもよい。つまり、厚さは約0.2cm未満であると考えられる。また、遮蔽層70の面密度は約0.099g/cm2と低い。もちろん、遮蔽層70はこれらの値に限定されず、密度や厚さが変化し得ることは理解されよう。
【0037】
比較的密度が低い外壁14と遮蔽層70に加えて、電離箱40と外壁14間の実質的に中空の内部空間16内の空気も比較的密度が低い。図2に示すように、空気の空間または層80は電離箱40と遮蔽層70間の最も近い距離を表す(図2に示すように)。図示の例においては電離箱40を囲む弾性フォーム材料は存在せず、よって空気層80が存在することは理解されよう。解放空気の空間は電離箱40と外装筐体12の遮蔽層70の間の空間を含む。
【0038】
図示の例において、空気層80の寸法は約1.905cmであり、この寸法は、特定部分における、電離箱40から遮蔽層70までの距離を表す(例えば、最短距離)。もちろん、電離箱40と遮蔽層70または外壁14間の距離は変化することが想定され、上記寸法がこの距離を限定するものでないことは理解されよう。空気の密度は約0.0013g/cm3である。つまり、電離箱40と遮蔽層70との間に位置する空気層80の密度は約0.00248g/cm2である。
【0039】
電離箱40で遮断されるガンマ線を減少させるため、この例における放射線検出アセンブリ10の密度が比較的低いことは理解されよう。具体的には、外壁14(0.57g/cm2)と遮蔽層70(0.099g/cm2)と空気層80(0.00248g/cm2)を組み合わせることにより、0.67g/cm2の1平方センチメートル当たりのグラム数が得られ、それは0.7g/cm2未満であると考えられる。上記と比較すると、フォーム材料とともに詰められたアルミニウム筐体を含む放射線検出アセンブリの例では約 1.232g/cm2の1平方センチメートル当たりのグラム数が得られる。そのため、この例の放射線検出アセンブリ10においては、電離箱40を遮蔽する材料が少なくとも46%減少することが示される。さらに、電離箱40を収容する内部空間16は一般的に中空であるため(つまり、フォームは使用されない)、フォーム材料を含む筐体に比べて、湿気、水滴、および/または他の液体をその内部に吸収または保持しにくい。
【0040】
次に、図3は、放射線検出アセンブリ10による放射線を検出する方法例200を示す図である。方法200は、図1および2に示す外装筐体12、電離箱40、遮蔽層70等を有する放射線検出アセンブリ10によって実施され得る。
【0041】
方法200は、内部空間16を有する外装筐体12を提供するステップ210を含む。図1に示すように、内部空間16は、実質的に中空であり、その内部には電離箱40が設置される。従来例とは対照的に、内部空間16には一般的に空気が満たされており、そのため、電離箱40からの遮蔽するガンマ線をできるだけ少量にするため、内部空間16の密度は比較的低い。
【0042】
方法200は、外装筐体12の外壁14の内面72を遮蔽層70で被覆するステップ220を含む。図2について説明したように、遮蔽層70は、塗装、スプレー、成膜等の任意の数の方法で内面72を被覆することができる。さらに、遮蔽層70が内面72の全面を覆う必要はなく、一部のみを覆ってもよい。電磁波遮蔽特性を提供する他の材料も想定されるが、ある特定の例では、遮蔽層70はニッケル材料からなる。よって、遮蔽層70は電離箱40を含む内部空間16を外装筐体12の外部から電磁遮蔽する。
【0043】
方法200は、外装筐体12内の電離箱40を内面72から離して支持するステップ230をさらに含む。具体的には、放射線検出アセンブリ10は、電離箱40の片側を支持する第1の支持構造60と、電離箱40のもう一方の側を支持する第2の支持構造62を有する。第1の支持構造60および第2の支持構造62はそれぞれ、電離箱40が通常、外壁14と接触しないよう、外壁14の内面72から離して電離箱40を支持する。これにより形成される空間によって、電離箱40は外装筐体12から電気的に分離される。
【0044】
上述の例示的な実施形態を参照して本発明を説明してきた。本明細書を読み、理解する時、他への修正や変更が行われるであろう。本発明の1つまたは複数の態様を組み合わせた例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲を逸脱しない範囲限りすべてのそのような修正や変更を含むとする。
【符号の説明】
【0045】
10 放射線検出アセンブリ
12 外装筐体
14 外壁
16 内部空間
20 第1の筐体部
22 第1の保持構造
30 第2の筐体部
32 第2の保持構造
40 電離箱
42 空間
44 カソード
46 アノード
48 増幅器
50 リリーフアセンブリ
52 表面
60 第1の支持構造
62 第2の支持構造
70 遮蔽層
72 内面
80 空気層
図1
図2
図3