【文献】
DESAI,S.M.,Journal of the Indian Chemical Society,1989年,66(6),415-417
【文献】
GARAZD,M.M.,Chemistry of Natural Compounds,2000年,36(5),478-484
【文献】
GARAZD,M.M.,Chemistry of Natural Compounds,2002年,38(6),539-548
【文献】
GARAZD,M.M.,Chemistry of Natural Compounds,2009年,45(2),158-163
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の詳細な記載
本出願の目的のために、アスタリスク(「
*」)は、隣接する単位もしくは基への、またはポリマーの場合においては隣接する繰り返し単位もしくは任意の他の基への結合を示す。
本出願の目的のために、用語「オルガニル基」を、炭素原子において1つの遊離の原子価を有する、官能基のタイプにかかわらず、任意の有機置換基を示すために使用する。
【0020】
本出願の目的のために、用語「オルガノヘテリル基」を、炭素を含む任意の1価の基を示すために使用し、前記基は、したがって有機であるが、炭素以外の原子で遊離の原子価を有する。
本出願の目的のために、用語「カルビル基」は、オルガニル基およびオルガノヘテリル基を共に含む。
【0021】
本明細書で使用する用語「カルビル基」は、いかなる非炭素原子をも有しない(例えば−C≡C−)、または任意に1以上のヘテロ原子を含む(例えばカルボニルなど)、少なくとも1個の炭素原子を含むいずれの1価または多価の有機ラジカル部分を含むことが理解されるであろう。
【0022】
用語「ヒドロカルビル基」は、さらに1個以上のH原子を含み、任意に1個以上のヘテロ原子を含有するカルビル基を意味するものと理解される。
本明細書で使用する用語「ヘテロ原子」は、HまたはC原子ではない有機化合物中の原子を意味するものと理解され、好ましくは、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGe、より好ましくはN、O、S、PおよびSiを意味するものと理解される。
【0023】
本出願の化合物は、以下の式(I)で表される:
【化3】
式中、a、a’、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、Sp、X
1、X
2、X
3およびX
4は、本明細書で定義した通りであるが、ただし式(I)で表される化合物は、本明細書で定義したように1つの基R
6−Sp−[X
1]
a−
*を含む。表現「1つの基R
6−Sp−[X
1]
a−
*を含む」は、この文脈において式(I)で表される化合物がかかる基を1つしか含まないことを示すことになっている。
【0024】
式(I)で表される化合物は、好ましくは、式(I’)で表される化合物または式(I’’)で表される化合物である。
【化4】
aは、0または1である。好ましくは、aは、1である。
a−存在する場合−は、0または1である。
【0025】
R
1、R
2およびR
3は、各出現において独立して、H、F、Cl、Br、I、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。最も好ましくは、R
1、R
2およびR
3は、すべてHである。
【0026】
R
4およびR
5の一方または両方、好ましくは一方は、式(II)で表される基であり、
【化5】
R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、本明細書中で定義した通りである。R
4およびR
5の一方のみが式(II)で表される基である場合、R
4およびR
5の他方は、H、F、Cl、Br、I、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびR
6−Sp−[X
1]
a−
*からなる群から選択される。好ましくは、R
4はHであり、R
5は本明細書で定義した式(II)で表される基である。
【0027】
R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、各出現において互いに独立して、本明細書中で定義したH、F、Cl、Br、I、R
6−Sp−[X
1]
a−
*およびR
15からなる群から選択される。好ましくは、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、各出現において互いに独立して、本明細書で定義したH、FおよびR
15からなる群から選択される。
【0028】
好ましくは、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14の少なくとも1つまたは2つまたは3つまたは4つまたはすべて、より好ましくはR
10、R
12およびR
14の少なくとも1つまたは2つまたはすべて、さらにより好ましくはR
10およびR
14の少なくとも1つまたはすべて、尚さらにより好ましくはR
10のみ、および最も好ましくはR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14のすべては、Hである。
【0029】
好ましくは、式(I’)で表される化合物について、R
4およびR
5の一方または両方、好ましくは一方は、式(II)で表される基であり、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、各出現において互いに独立して、本明細書中で定義したH、F、Cl、Br、IおよびR
15からなる群から選択され、好ましくは、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、各出現において互いに独立して、本明細書中で定義したH、F、およびR
15からなる群から選択され、ここでR
15であるR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14のうちいずれか2つの隣接する基はまた、環系を形成してもよく;ならびにR
4およびR
5の一方のみが式(II)で表される基である場合、R
4およびR
5の他方は、H、F、Cl、Br、I、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的に、または完全にハロゲン化されたアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。
【0030】
式(I’’)で表される化合物について、基R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14の1つは、R
6−Sp−[X
1]
a−
*である。したがって、好ましくは、かかる化合物について、R
4およびR
5の一方または両方、好ましくは一方は、式(II)で表される基であり、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14のうち1つは、R
6−Sp−[X
1]
a−
*であり、その他は、各出現において互いに独立して、本明細書中で定義したH、F、Cl、Br、IおよびR
15からなる群から選択され、ここでR
15であるR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14のうちいずれか2つの隣接する基はまた、環系を形成してもよい。
【0031】
あるいはまた、式(I’’)で表される化合物について、1つの基R
4およびR
5は、R
6−Sp−[X
1]
a−
*である。したがって、好ましくは、かかる化合物について、R
4およびR
5の一方は、R
6−Sp−[X
1]
a−
*であり、R
4およびR
5の他方は、式(II)で表される基であり、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、各出現において互いに独立して、本明細書中で定義したH、F、Cl、Br、IおよびR
15からなる群から選択され、好ましくは、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は、各出現において互いに独立して、本明細書中で定義したH、F、およびR
15からなる群から選択され、ここでR
15であるR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14のうちいずれか2つの隣接する基はまた、環系を形成してもよい。
【0032】
R
15は、各出現において独立して、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的に、または完全にハロゲン化された(好ましくはフッ素化された)アルキル、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜20個の炭素原子を有する部分的に、または完全にハロゲン化されたアルコキシ、1〜20個の炭素原子を有するチオアルキル、および1〜20個の炭素原子を有する部分的に、または完全にハロゲン化されたチオアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R
15は、各出現において独立して、1〜20個(例えば1〜10個または1〜5個、または1〜3個、または1個)の炭素原子を有する部分的に、または完全にハロゲン化された(好ましくはフッ素化された)アルキルからなる群から選択される。最も好ましくは、R
15は、−CF
3である。
【0033】
R
15であるR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14のうちいずれか2つの隣接する基はまた、環系、好ましくは6員環系を形成してもよい。かかる環系は、芳香族であっても非芳香族であってもよい。かかる環系は、非芳香族の場合、飽和または例えば二重結合を含む不飽和であってもよい。任意に、かかる環系は、置換されていてもよく、すなわち水素の1個以上は、H、F、Cl、Br、I、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキル、アリールおよびヘテロアリールで置き換えられている。
【0034】
R
6は、a’=1の場合にはカルビル基であり、a’=0の場合にはH、F、Cl、Br、I、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。
3個以上のC原子の鎖を含むカルビルまたはヒドロカルビル基は、直鎖状、分枝状および/または環状であり得、スピロおよび/または縮合環を含む。
【0035】
好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基には、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシが含まれ、その各々は、任意に置換されていてもよく、1〜40個、好ましくは1〜25個、極めて好ましくは1〜18個のC原子を有し、さらに6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する任意に置換されていてもよいアリールまたはアリールオキシ、さらにアルキルアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシであり、その各々は、任意に置換されていてもよく、6〜40個、好ましくは7〜30個のC原子を有し、ここですべてのこれらの基は、任意に、好ましくはN、O、S、P、Si、Se、As、TeおよびGe、より好ましくはN、O、S、PおよびSiから選択された1個以上のヘテロ原子を含む。
【0036】
カルビルまたはヒドロカルビル基は、飽和もしくは不飽和の非環式基、または飽和もしくは不飽和の環式基であってもよい。不飽和の非環式または環式基が好ましく、特にアリール、アルケニルおよびアルキニル基である。C
1〜C
40カルビルまたはヒドロカルビル基が非環式である場合、当該基は、直鎖状または分枝状であってもよい。
【0037】
C
1〜C
40カルビルまたはヒドロカルビル基は、例えば:C
1〜C
40アルキル基、C
1〜C
40フルオロアルキル基、C
1〜C
40アルコキシまたはオキサアルキル基、C
2〜C
40アルケニル基、C
2〜C
40アルキニル基、C
3〜C
40アリル基、C
4〜C
40アルキルジエニル基、C
4〜C
40ポリエニル基、C
2〜C
40ケトン基、C
2〜C
40エステル基、C
6〜C
18アリール基、C
6〜C
40アルキルアリール基、C
6〜C
40アリールアルキル基、C
4〜C
40シクロアルキル基、C
4〜C
40シクロアルケニル基等を含む。前記の基の中で好ましいのは、それぞれC
1〜C
20アルキル基、C
1〜C
20フルオロアルキル基、C
2〜C
20アルケニル基、C
2〜C
20アルキニル基、C
3〜C
20アリル基、C
4〜C
20アルキルジエニル基、C
2〜C
20ケトン基、C
2〜C
20エステル基、C
6〜C
12アリール基、およびC
4〜C
20ポリエニル基である。
【0038】
本明細書中で使用する用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、好ましくは、また縮合環を含んでもよく、任意に1つ以上の基Lで置換されていてもよい、4〜30個の環C原子を有する単環式、二環式または三環式の芳香族または複素芳香族基を意味し、ここでLは、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR
0R
00、−C(=O)X
0、−C(=O)R
0、−NH
2、−NR
0R
00、−SH、−SR
0、−SO
3H、−SO
2R
0、−OH、−NO
2、−CF
3、−SF
5、または任意に置換されており、任意に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい1〜40個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビルから選択され、好ましくは1〜20個のC原子を有し、任意にフッ素化されていてもよいアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであり、R
0、R
00およびX
0は、本明細書中に示す意味を有する
【0039】
R
0、R
00およびR
000は、各出現において互いに独立して、H、Fおよび1〜40個の炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群から選択される。前記ヒドロカルビルは、好ましくは、少なくとも5個の炭素原子を有する。前記ヒドロカルビルは、好ましくは、最大30個、より好ましくは最大25個または20個、さらにより好ましくは最大20個、および最も好ましくは最大12個の炭素原子を有する。好ましくは、R
0、R
00およびR
000は、各出現において互いに独立して、H、F、アルキル、フッ素化アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびフッ素化フェニルからなる群から選択される。より好ましくは、R
0、R
00およびR
000は、各出現において互いに独立して、H、F、アルキル、フッ素化、好ましくはパーフルオロ化アルキル、フェニルおよびフッ素化、好ましくはパーフルオロ化フェニルからなる群から選択される。
【0040】
例えば、R
0、R
00およびR
000として好適なアルキルはまた、パーフルオロ化アルキル、すなわち水素のすべてがフッ素によって置き換えられているアルキルを含むことを、注記する。好適なアルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル(または「t−ブチル」)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシル(−C
20H
41)からなる群から選択され得る。
【0041】
X
0は、ハロゲンである。好ましくは、X
0は、F、ClおよびBrからなる群から選択される。
極めて好ましい置換基Lは、ハロゲン、最も好ましくはF、または1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、オキソアルキル、チオアルキル、フルオロアルキルおよびフルオロアルコキシ、または2〜12個のC原子を有するアルケニルおよびアルキニルから選択される。
【0042】
特に好ましいアリールおよびヘテロアリール基は、フェニル、1つ以上のCH基がN、ナフタレン、チオフェン、セレノフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、フルオレンおよびオキサゾールによって置き換えられているフェニルであり、そのすべては、非置換、上記で定義したLで単置換または多置換され得る。
【0043】
極めて好ましい環は、ピロール、好ましくはN−ピロール、フラン、ピリジン、好ましくは2−または3−ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チオフェン、好ましくは2−チオフェン、セレノフェン、好ましくは2−セレノフェン、チエノ[3,2−b]チオフェン、チエノ[2,3−b]チオフェン、フロ[3,2−b]フラン、フロ[2,3−b]フラン、セレノ[3,2−b]セレノフェン、セレノ[2,3−b]セレノフェン、チエノ[3,2−b]セレノフェン、チエノ[3,2−b]フラン、インドール、イソインドール、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェン、ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン、キノール、2−メチルキノール、イソキノール、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアジアゾールから選択され、そのすべては、非置換、上記で定義したLで単置換または多置換され得る。
【0044】
アルキルまたはアルコキシ基、すなわちここで末端CH
2基が−O−によって置き換えられているものは、直鎖状または分枝状であり得る。それは、好ましくは直鎖状(または直線状)である。かかるアルキルおよびアルコキシラジカルの好適な例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、エチルヘキシル、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。好ましいアルキルおよびアルコキシラジカルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する。かかる好ましいアルキルおよびアルコキシラジカルの好適な例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、エチルヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシおよびデコキシからなる群から選択され得る。
【0045】
1つ以上のCH
2基が−CH=CH−によって置き換えられているアルケニル基は、直鎖状または分枝状であり得る。それは、好ましくは直鎖状であり、2〜10個のC原子を有し、したがって、好ましくはビニル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、ペンタ−3−エニルまたはペンタ−4−エニル、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニルまたはヘキサ−5−エニル、ヘプタ−1−エニル、ヘプタ−2−エニル、ヘプタ−3−エニル、ヘプタ−4−エニル、ヘプタ−5−エニルまたはヘプタ−6−エニル、オクタ−1−エニル、オクタ−2−エニル、オクタ−3−エニル、オクタ−4−エニル、オクタ−5−エニル、オクタ−6−エニルまたはオクタ−7−エニル、ノナ−1−エニル、ノナ−2−エニル、ノナ−3−エニル、ノナ−4−エニル、ノナ−5−エニル、ノナ−6−エニル、ノナ−7−エニルまたはノナ−8−エニル、デカ−1−エニル、デカ−2−エニル、デカ−3−エニル、デカ−4−エニル、デカ−5−エニル、デカ−6−エニル、デカ−7−エニル、デカ−8−エニルまたはデカ−9−エニルである。
【0046】
特に好ましいアルケニル基は、C
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニル、C
5〜C
7−4−アルケニル、C
6〜C
7−5−アルケニルおよびC
7−6−アルケニル、特にC
2〜C
7−1E−アルケニル、C
4〜C
7−3E−アルケニルおよびC
5〜C
7−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基についての例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までのC原子を有するアルケニル基が、一般に好ましい。
【0047】
オキソアルキル基、すなわちここで1つのCH
2基が−O−によって置き換えられているものは、好ましくは、例えば直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。オキサアルキル、すなわちここで1つのCH
2基が−O−によって置き換えられているものは、好ましくは、例えば直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−,7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
【0048】
1つのCH
2基が−O−によって置き換えられており、1つが−C(O)−によって置き換えられているアルキル基において、これらのラジカルは、好ましくは隣り合っている。したがって、これらのラジカルは、一緒にカルボニルオキシ基−C(O)−O−またはオキシカルボニル基−O−C(O)−を形成する。好ましくは、この基は、直鎖状であり、2〜6個のC原子を有する。それは、したがって、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピルおよび4−(メトキシカルボニル)−ブチルからなる群から選択される。
【0049】
2つ以上のCH
2基が−O−および/または−C(O)O−によって置き換えられているアルキル基は、直鎖状または分枝状であり得る。それは、好ましくは直鎖状であり、3〜12個のC原子を有する。したがって、それは、好ましくは、ビス−カルボキシ−メチル、2,2−ビス−カルボキシ−エチル、3,3−ビス−カルボキシ−プロピル、4,4−ビス−カルボキシ−ブチル、5,5−ビス−カルボキシ−ペンチル、6,6−ビス−カルボキシ−ヘキシル、7,7−ビス−カルボキシ−ヘプチル、8,8−ビス−カルボキシ−オクチル、9,9−ビス−カルボキシ−ノニル、10,10−ビス−カルボキシ−デシル、ビス−(メトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(メトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(メトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(メトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(メトキシカルボニル)−ペンチル、6,6−ビス(メトキシカルボニル)−ヘキシル、7,7−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘプチル、8,8−ビス(メトキシカルボニル)−オクチル、ビス−(エトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(エトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(エトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(エトキシカルボニル)−ブチル、および5,5−ビス−(エトキシカルボニル)−ヘキシルからなる群から選択される。
【0050】
チオアルキル基、すなわちここで1つのCH
2基が−S−によって置き換えられているものは、好ましくは、直鎖状チオメチル(−SCH
3)、1−チオエチル(−SCH
2CH
3)、1−チオプロピル(=−SCH
2CH
2CH
3)、1−(チオブチル)、1−(チオペンチル)、1−(チオヘキシル)、1−(チオヘプチル)、1−(チオオクチル)、1−(チオノニル)、1−(チオデシル)、1−(チオウンデシル)または1−(チオデシル)であり、ここで好ましくは、sp
2混成ビニル炭素原子に隣接するCH
2基は、置換されている。
【0051】
フルオロアルキル基は、好ましくはパーフルオロアルキルC
iF
2i+1であり、式中iは、1〜15の整数であり、特にCF
3、C
2F
5、C
3F
7、C
4F
9、C
5F
11、C
6F
13、C
7F
15またはC
8F
17、極めて好ましくはC
6F
13、または部分的にフッ素化されたアルキル、特に1,1−ジフルオロアルキルであり、そのすべては、直鎖状または分枝状である。
【0052】
アルキル、アルコキシ、アルケニル、オキサアルキル、チオアルキル、カルボニルおよびカルボニルオキシ基は、アキラルな、またはキラルな基であり得る。特に好ましいキラルな基は、例えば2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチル−ヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチル−ペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシ−カルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチル−バレリル−オキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサ−ヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。極めて好ましいのは、2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシである。
【0053】
好ましいアキラルな分枝状基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、sec−ブチル、tert−ブチル、イソプロポキシ、2−メチル−プロポキシ、3−メチルブトキシ、ヅリルおよびエチルヘキシルである。
【0054】
好ましい態様において、ヒドロカルビル基は、互いに独立して、1〜30個のC原子を有する第一級、第二級または第三級アルキルまたはアルコキシから選択され、ここで、1個以上のH原子は、任意にFによって置き換えられていてもよく、またはアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ、それは、任意にアルキル化またはアルコキシル化されており、4〜30個の環原子を有する。このタイプの極めて好ましい基は、以下の式からなる群から選択される。
【化6】
【0055】
式中、「ALK」は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子、第三級基の場合において極めて好ましくは1〜9個のC原子を有する任意にフッ素化されたアルキルまたはアルコキシを示す。
【0056】
Spは、アルカンジイル、アルケンジイルおよびアルキンジイル(
*−C≡C−
*)からなる群から選択され、ここで少なくとも1個の水素は、OHで置き換えられている。好ましくは、Spは、アルカンジイル、アルケンジイルおよびアルキンジイルからなる群から選択され、ここで少なくとも2個の水素は、OHで置き換えられている。
【0057】
好ましくは、前記アルカンジイルは、少なくとも1個の炭素原子、より好ましくは少なくとも2または3個の炭素原子、さらにより好ましくは少なくとも4個の炭素原子、さらにより好ましくは少なくとも5個の炭素原子、および最も好ましくは少なくとも6個の炭素原子を有する。
好ましくは、前記アルケンジイルは、少なくとも2個の炭素原子、より好ましくは少なくとも3個の炭素原子、さらにより好ましくは少なくとも4個の炭素原子、さらにより好ましくは少なくとも5個の炭素原子、および最も好ましくは少なくとも6個の炭素原子を有する。
【0058】
好ましくは、前記アルキレンジイルは、少なくとも3個の炭素原子、より好ましくは少なくとも4個の炭素原子、さらにより好ましくは少なくとも5個の炭素原子、および最も好ましくは少なくとも6個の炭素原子を有する。
【0059】
好ましくは、前記アルカンジイル、アルケンジイルまたはアルキンジイルは、最大20個の炭素原子、より好ましくは最大19個または18個の炭素原子、さらにより好ましくは最大17または16個の炭素原子、さらにより好ましくは最大15個または14個の炭素原子、および最も好ましくは最大13または12個の炭素原子を有する。
【0060】
Spは、例えば、以下の式(III)によって表され得、
−[C(R
7)(R
8)]
b− (III)
式中、b、R
7およびR
8は、本明細書中で定義した通りである。
bは、少なくとも1、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも4、さらにより好ましくは少なくとも5である。bは、最大20、好ましくは最大19、より好ましくは最大18、さらにより好ましくは最大17、なおさらにより好ましくは最大16および最も好ましくは最大15である。
【0061】
bが少なくとも2である場合、2つの隣接する基C(R
7)(R
8)は、アルケンジイルによって置き換えられていてもよい。
bが少なくとも3である場合、2つの隣接する基C(R
7)(R
8)は、アルキンジイルによって置き換えられていてもよい。
【0062】
R
7およびR
8は、互いに独立してHまたはOHであり、ただし存在するR
7およびR
8の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つは、OHである。
あるいはまた、Spは、例えば、以下の式(III−a)によって表され得、
−[C(R
7’)(R
8’)]
b1−[C(R
7”)(R
8”)]
b2−[C(R
7”’)(R
8”’)]
b3− (III−a)
式中、R
7’、R
8’、R
7’’、R
8’’、R
7’’’、R
8’’’、b1、b2およびb3は、本明細書で定義した通りである。
【0063】
b1、b2およびb3の合計はbであり、すなわちb1+b2+b3=bである。好ましくは、b1またはb3の少なくとも1つは少なくとも1であり、b2は1である。より好ましくは、b1、b2およびb3はすべて少なくとも1である。最も好ましくは、b1およびb3は、少なくとも1であり、b2は、1である。
【0064】
b1が少なくとも2である場合、2つの隣り合う基C(R
7’)(R
8’)は、アルケンジイルによって置き換えられていてもよい。b2が少なくとも2である場合、2つの隣り合う基C(R
7’’)(R
8’’)は、アルケンジイルによって置き換えられていてもよい。b3が少なくとも2である場合、2つの隣り合う基C(R
7’’)(R
8’’)は、アルケンジイルによって置き換えられていてもよい。
【0065】
b1が少なくとも2である場合、2つの隣り合う基C(R
7’)(R
8’)は、アルキンジイルによって置き換えられていてもよい。b2が少なくとも2である場合、2つの隣り合う基C(R
7’’)(R
8’’)は、アルキンジイルによって置き換えられていてもよい。b3が少なくとも2である場合、2つの隣り合う基C(R
7’’)(R
8’’)は、アルキンジイルによって置き換えられていてもよい。
【0066】
R
7’、R
8’、R
7’’、R
8’’、R
7’’’、R
8’’’は、互いに独立して、各出現において独立して、HまたはOHであり、ただしR
7’、R
8’、R
7’’、R
8’’、R
7’’’、R
8’’’の少なくとも1つは、OHである。
好ましくは、R
7’、R
8’、R
7’’’およびR
8’’’−存在する場合−は、Hであり、R
7’’およびR
8’’の少なくとも1つは、OHである。
【0067】
Spの好適な例は、例えば、以下の式(III−1)〜(III−7)から選択され得る。
【化7】
【0068】
X
1、X
2およびX
3は、互いに独立してO、SおよびN−R
17からなる群から選択され、R
17は、本明細書中で定義する通りである。
好ましくは、X
1は、Oである。
好ましくは、X
2は、OまたはSである。最も好ましくは、X
2は、Oである。
好ましくは、X
3は、OまたはN−R
17である。最も好ましくは、X
3は、Oである。
【0069】
R
17は、各出現において独立して、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキルおよびアリールからなる群から選択される。好ましくは、R
17はHである。
【0070】
好ましくは、式(I)で表される化合物は、オレフィン化合物であり、ここでR
6は、オレフィン性不飽和基を含む。好ましくは、R
6は、式(IV−A)で表される基であり、
【化8】
式中、X
4、c、R
20、R
21およびR
22は、本明細書中で定義した通りである。
【0071】
より好ましくは、前記オレフィン化合物は、式(IV−A’)で表される基を含み、
【化9】
式中、X
1、a、Sp、X
4、c、R
20、R
21およびR
22は、本明細書中で定義した通りである。
【0072】
かかるオレフィン性化合物の好ましい例は、以下の式(I−A’)、(I−A’’−1)、(I−A’’−2)、(I−A’’’−1)および(I−A’’’−2)からなる群から選択されたいずれか1つによって表され得る。
【化10】
式中、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14の1つは、式R
6−Sp−[X
1]
a−
*で表される基であり、R
6は、本明細書中で定義した式(IV−A)で表される基である;
【0073】
【化11】
式中、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14の1つは、式R
6−Sp−[X
1]
a−
*で表される基であり、R
6は、本明細書中で定義した式(IV−A)で表される基である;
【0074】
【化12】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X
1、X
2、X
3、X
4、a、c、R
20、R
21およびR
22は、本明細書中で定義した通りである。
【0075】
cは、0または1である。
R
20、R
21およびR
22は、カルビルである。好ましくは、R
20、R
21およびR
22は、各出現において互いに独立して、H、F、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。より好ましくは、R
20、R
21およびR
22は、各出現において互いに独立して、H、F、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、1〜20個の炭素原子を有する部分的にまたは完全にハロゲン化されたアルキルおよびアリールからなる群から選択される。
【0076】
X
4は、O、S、C(=O)、C(=O)OおよびN−R
17からなる群から選択され、R
17は、本明細書中で定義した通りである。好ましくは、X
4はOである。
C(=O)Oは、いずれかの方向において挿入されていてもよく、すなわち−O−基がSpに隣接するC(=O)Oまたは−O−基がオレフィン性不飽和基に隣接するOC(=O)であることを、注記する。
【0077】
本出願の化合物は、当業者に一般に知られている標準的な有機反応を使用して合成されてもよい。式(I)で表され、式中R
6がオレフィン性不飽和基である化合物の例示的な合成を、スキーム1に示す。さらなる合成を、例に示す。例示的な重合反応を、スキーム2に示す。さらなる重合反応を、例に示す。
【化13】
【化14】
【0078】
好ましくは、本出願の化合物は、オリゴマーまたはポリマーであり、ここでR
6はポリマー骨格であるか、またはここでR
6はポリマー骨格の一部である。好ましくは、かかるオリゴマーまたはポリマーは、式(IV−B)で表される構成単位M
0を含み、すなわちR
6は、式(IV−B)で表される基である。
【化15】
【0079】
式中、X
4、c、R
20、R
21およびR
22は、本明細書中で定義した通りである。より好ましくは、かかるオリゴマーまたはポリマーは、式(IV−B’)で表される構成単位M
0を含む。
【化16】
【0080】
好ましくは、かかるオリゴマーまたはポリマーは、以下の式(I−B’)、(I−B’’−1)、(I−B’’−2)、(I−B’’’−1)および(I−B’’’−2)からなる群から選択された少なくとも1つの構成単位M
1を含む。
【化17】
式中、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14の1つは、式R
6−Sp−[X
1]
a−
*で表される基であり、R
6は、本明細書中で定義した式(IV−B)で表される基である;
【0081】
【化18】
式中、R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14の1つは、式R
6−Sp−[X
1]
a−
*で表される基であり、R
6は、本明細書中で定義した式(IV−B)で表される基である;
【0082】
【化19】
前記少なくとも1つの単位M
1は、−2つ以上ある場合、各出現において同じかまたは異なり、ここでR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、X
1、X
2、X
3、X
4、a、c、R
20、R
21およびR
22は、本明細書で定義した通りである。
【0083】
式(I)で表される化合物は、コポリマー、すなわち、互いに同じであっても異なっていてもよい式(I−B)で表される1つ以上の構成単位M
1、および互いに同一であっても異なっていてもよい1つ以上の構成単位M
2を含むオリゴマーまたはポリマーであり得る。前記1つ以上の構成単位M
2は、単位M
1と化学的に異なる。好ましくは、前記1つ以上の構成単位M
2は、エチレン、プロピレン、アクリレート、メタクリレートおよびスチレンからなる群から選択された1種以上のモノマーの重合によって誘導される。
【0084】
好ましくは、式(I)で表される化合物は、ホモポリマー、すなわち式(I−B)で表される1つ以上の構成単位M
1を含むオリゴマーまたはポリマーであってもよく、ここですべての構成単位M
1は、同じである。
【0085】
式(I)で表される例示的な化合物は、以下の式(M−1)〜(M−50)から選択され得る。
【化20】
【0094】
式(I)で表される例示的なオリゴマーまたはポリマー化合物は、以下の式(P−1)〜(P−50)から選択され得る。
【化29】
【0103】
式(I)で表されるさらなる例示的な化合物は、以下の例15に列挙されるモノマーおよびポリマーから選択され得る。
本出願の目的のために、用語「重合によって誘導される」を、二重結合が正式に単結合および他の原子との2つの結合に変わることを示すために使用し、前記結合は2つのアスタリスクで示される:
【化38】
【0104】
好ましくは、前記コポリマーは、1つ以上の構成単位M
1をモル比m
1で、および1つ以上の構成単位M
2をモル比m
2で含み、ここで比m
1:m
2は、少なくとも0.01および最大100である。
【0105】
本オリゴマーおよびポリマーを、いずれか好適な方法によって製造することができる。しかしながら、本オリゴマーおよびポリマーをラジカル重合により製造するのが好ましく、ここで重合反応を、好適なラジカル重合開始剤によって開始する。本出願の目的のために、ラジカル重合開始剤のタイプは、特に限定されず、いずれか好適なラジカル発生化合物であり得る。かかる化合物は、当業者に周知である。好適な重合開始剤を、熱開始剤または光開始剤、すなわち、熱に当てるかまたは好適な波長の光をもつ照射線を当てることによってラジカルを生成する化合物から選択してもよい。好適な熱重合開始剤の例は、1つ以上のペルオキシド基を含む化合物、すなわち基−O−O−を含む化合物、および/または1つ以上のアゾ基を含む化合物、すなわち基−N≡N−を含む化合物の群から選択され得る。
【0106】
1つ以上のペルオキシド基を含む好適な重合開始剤は、例えばt−ブチル(ペルオキシ−2−エチル−ヘキサノエート)、ジ−(tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートおよびベンゾイルペルオキシドからなる群から選択され得る。
1つ以上のアゾ基を含む好適な重合開始剤は、例えば1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)および2,2’アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(AIBN)からなる群から選択され得る。
光開始剤の好適な例は、ジメチルアミノベンゾエート/シャンペルキノンである。
【0107】
光開始剤を重合開始剤として使用する場合、前記光開始剤を分解するのに必要な波長が、本出願の化合物を、その光学的特性を変化させるように照射するのに必要な波長と異なることが、好ましい。
好ましくは、ラジカル開始剤を、主モノマーの少なくとも0.0001当量および最大で0.1当量の量において使用する。かかるラジカル開始剤は、熱開始剤、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)または光化学開始剤、例えばジメチルアミノベンゾエート/シャンペルキノンであり得る。
【0108】
本出願はまた、式(I)で表される化合物を含む組成物を提供する。意図する使用に依存して、かかる組成物は、さらなる異なる成分を含んでもよい。かかるさらなる成分を、例えば、UV吸収剤、酸化防止剤および架橋剤からなる群から選択してもよい。
【0109】
本組成物において使用してもよい紫外線吸収剤は、特に限定されず、当業者に一般的に知られているものから容易に選択することができる。一般に好適なUV吸収剤は、不飽和化合物、好ましくはオレフィン基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択される1つ以上を含む化合物であることによって特徴づけられ;これらの基は、あらゆる組み合わせにおいて存在し得る。
【0110】
本組成物において使用するのに好適なUV吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンおよびトリアジンから選択される基を含むものから選択されてもよい。好適なUV吸収剤は、例えば、米国特許第5,290,892号;5,331,073号および5,693,095号に開示されている。
【0111】
好適な架橋剤を使用して、エラストマー特性を本組成物およびそれで製造した物品に付与してもよい。典型的には、いずれか好適な二官能性または三官能性モノマーを、架橋剤として使用してもよい。かかるモノマーは、一般に当業者に周知である。
【0112】
式(I)で表される本化合物は、光学的に活性なデバイスにおける使用に特に良好に適している。したがって、本出願はまた、式(I)で表される化合物を含む光学的に活性なデバイスを提供する。好ましい光学的に活性なデバイスは、眼科用デバイスである。かかる眼科用デバイスの例には、レンズ、人工角膜、および角膜インレーまたはリングが含まれる。より好ましくは、前記光学的に活性なデバイスは、レンズである。最も好ましくは、かかる光学的に活性なデバイスは、眼内レンズであり、それは、例えば、後眼房眼内レンズまたは前眼房眼内レンズであり得る。
【0113】
本光学的に活性なデバイスは、
a)本明細書中で定義された化合物を含む組成物を提供すること;および
b)その後に、前記組成物の物品を形成すること
というステップを含むプロセスによって形成されてもよい。
本出願による眼内レンズは、それらが巻くかまたは折り畳むのに十分にフレキシブルであり、その結果それらを目の中に挿入するためにはるかに小さな切開部を必要とするという点で、特に有利な特性を示すと考えられる。これにより、特に眼が治癒する時間に関して、眼の治癒を改善することが可能になると、考えられる。
【0114】
眼内レンズのタイプは、決して限定されない。それは、例えば、1つ以上の光学的構成要素および1つ以上の触覚的構成要素を含んでもよく、ここで1つ以上の光学的構成要素は、レンズとして機能し、1つ以上の触覚的構成要素は、1つ以上の光学的構成要素に取り付けられ、1つ以上の光学的構成要素を眼中で所定位置に保持する。本眼内レンズは、1つ以上の光学的構成要素および1つ以上の触覚的構成要素が材料の単一の片から形成する(ワンピース設計)か、別々に作製し、次に組み合わせる(マルチピースデザイン)かに依存して、ワンピース設計またはマルチピース設計であり得る。本眼内レンズはまた、それが、例えば、眼において切開部を介して適合するように十分に小さく巻き上げるかまたは折り畳むことが可能になるように設計され、前記切開部は可能な限り小さく、例えば長さが最大3mmである。
【0115】
さらに、本出願による眼内レンズによって、レンズの眼中への移植後の光学的特性、特に屈折力の非侵襲的調整が可能になり、したがって手術後の視力補助の必要性が低減されるか、またはフォローアップ手術が低減されるか、もしくは完全に回避される。
【0116】
眼内レンズの光学的特性および特に屈折力を変化させるために、それを、少なくとも200nmおよび最大1500nmの波長を有する照射に露光する。したがって、本出願はまた、本明細書中に定義された光学的に活性な物品の光学的特性を変化させるプロセスをも提供し、前記プロセスは、
a)本明細書中に定義された物品を提供すること;および
b)その後に、少なくとも200nmおよび最大1500nmの波長を有する照射線を前記物品に当てること
というステップを含む。
【0117】
好ましくは、前記照射線は、少なくとも250nmまたは300nm、より好ましくは少なくとも350nm、さらにより好ましくは少なくとも400nm、さらにより好ましくは少なくとも450nm、および最も好ましくは少なくとも500nmの波長を有する。好ましくは、前記照射線は、最大1400nmまたは1300nmまたは1200nmまたは1100nmまたは1000nm、より好ましくは最大950nmまたは900nm、さらにより好ましくは最大850nm、さらにより好ましくは最大800nmおよび最も好ましくは最大750nmの波長を有する。
【0118】
例
以下の例は、本化合物の利点を非限定的方法において示すことを意図する。
他に示さない限り、すべての合成を、不活性雰囲気下で乾燥(すなわち水非含有)溶媒を用いて行った。溶媒および試薬を、Sigma-AldrichまたはABCRから購入した。
【0119】
例1− 酢酸3−フェニル−クマリン−7−イルエステル
【化39】
10.0mmolの2,4−ジヒドロキシ−ベンズアルデヒドおよび10.0mmolのフェニル酢酸を、10mlの無水酢酸および5mlのピリジンに溶解した。バッチを、135℃で72時間撹拌し、次に室温に冷却した。沈殿した固体を吸引しながら濾別し、水で中性にすすいだ。残留物を、40℃にて真空中で乾燥した。収量は、9.2mmol(理論値の92%)であった。
【0120】
例2− 3−フェニル−7−ヒドロキシ−クマリン
【化40】
7.0mmolの酢酸3−フェニル−クマリン−7−イルエステルを、14mlのエタノールおよび10mlの硫酸(20%、水性)の混合物に懸濁させ、2時間還流させた。バッチを次に室温に冷却し、沈殿した固体を吸引しながら濾別し、水で中性にすすいだ。収量は、6.8mmol、理論の97%である。
【0121】
例3− ヘキサ−5−エン−1−イルメタクリレート
【化41】
ヘキサ−5−エン−1−イルメタクリレートの合成を、公表されている手順に従って行った。DOI: 10.1021/ma00174a057およびDOI: 10.1021/ma0714619を参照。反応により、23.2mmolの粗製のヘキサ−5−エン−1−イルメタクリレート(理論値の76%)が粘性の黄色油として得られ、それを、次のステップのために精製せずに使用した。記録されたNMRスペクトルは、文献に報告されているデータと整合していることが見出された。
【0122】
例4− ヘキサ−5−エン−1−イルアクリレート
【化42】
ヘキサ−5−エン−1−イルアクリレートの合成を、公表されている手順に従って行った。DOI: 10.1021/ma00174a057およびDOI: 10.1021/ma0714619を参照。反応により、23.0mmolの粗製のヘキサ−5−エン−1−イルアクリレート(理論値の75%)が黄橙色油として得られ、それを、精製せずに次のステップのために使用した。記録されたNMRスペクトルは、文献に報告されているデータと整合していることが見出された。
【0123】
例5− 4−(オキシラン−2−イル)ブチルメタクリレート
【化43】
4−(オキシラン−2−イル)ブチルメタクリレートの合成を、公表されている手順に従って行った。DOI: 10.1021/MA0714619を参照。反応によって、1.11mmolの粗製の4−(オキシラン−2−イル)ブチルメタクリレート(理論値の75%)が無色油として得られた。粗生成物を、さらに精製せずに使用した。記録されたNMRスペクトルは、文献に報告されているデータと整合していることが見出された。
【0124】
例6− 4−(オキシラン−2−イル)ブチルアクリレート
【化44】
4−(オキシラン−2−イル)ブチルアクリレートの合成を、公表されている手順に従って行った。DOI: 10.1021/MA0714619を参照。反応によって、5.55mmolの粗製の4−(オキシラン−2−イル)ブチルアクリレート(理論値の24%)が無色固体として得られた。粗生成物を、さらに精製せずに使用した。記録されたNMRスペクトルは、文献に報告されているデータと整合していることが見出された。
【0125】
例7
【化45】
60mmolの3−フェニル−7−ヒドロキシ−クマリンを、300mlのアセトンに溶解した。この溶液に、15mlの水に溶解した60mmolの水酸化カリウムを、加えた。この反応混合物を、わずかに上昇した温度で1時間撹拌した。シリンジを通して、70mmolのグリシジルメタクリレートを滴加し、反応混合物を、次に加熱還流し、65℃で12時間撹拌した。室温に冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。残りの固体を、酢酸エチルおよび水の混合物に溶解した。水画分を除去し、水での2回のさらなる洗浄を、行った。最後に、有機画分を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残りの固体を、シリカゲルならびに溶離液としてのジクロロメタンおよびメタノールの混合物を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製した。収量は、18.5mmol(理論値の31%)であった。
【0126】
例8− 5−ヒドロキシ−6−((2−オキソ−3−フェニル−2−H−クロメン−7−イル)オキシ)ヘキシルアクリレート
【化46】
例3に記載した実験手順に従って合成した。粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。0.25mmol(理論値の5%)の生成物を、明るい茶色の固体として単離した。
【0127】
1H NMR (500 MHz, アセトン-d
6) δ 8.07 (s, 1H), 7.76 (d, 2H, J = 7.4 Hz), 7.66 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.45-7.42 (m, 2H), 7.39 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 6.99-6.95 (m, 2H), 6.35 (dd, 1H, J
1 = 17.3, J
2 = 1.5 Hz), 6.15 (dd, 1H, J
1 = 17.3, J
2 = 10.4 Hz), 5.86 (dd, 1H, J
1 = 10.4, J
2 = 1.5 Hz), 4.19-4.03 (m, 6H), 1.78-1.67 (m, 4H), 1.64-1.53 (m, 2H).
m. p.: 82 °C.
【0128】
例9− 5−ヒドロキシ−6−((2−オキソ−3−フェニル−2−H−クロメン−7−イル)オキシ)ヘキシルメタクリレート
【化47】
例7に記載した実験手順に従って合成した。粗生成物を、シクロヘキサン/酢酸エチルを溶離液として用いてカラムクロマトグラフィーにより精製した。0.60mmol(理論値の27%)の生成物を、ベージュ色固体として単離した。
【0129】
1H NMR (500 MHz, アセトン-d
6) δ 8.07 (s, 1H)z, 7.76 (d, 2H, J = 7.4 Hz), 7.66 (d, 2H, J = 8.5 Hz), 7.45-7.42 (m, 2H), 7.39 (d, 1H, J = 7.3 Hz), 6.99-6.95 (m, 2H), 6.10 (s, 1H), 5.56-5.54 (m, 1H), 4.19-4.03 (m, 6H), 1.95 (s, 3H), 1.78-1.67 (m, 4H), 1.64-1.53 (m, 2H).
【0130】
例10− 例7の生成物の重合
【化48】
10.0mmolの例3の生成物を、ジメチルホルムアミド(100ml)に溶解した。溶液を、3回の凍結−ポンプ−解凍サイクルによって脱気した。0.07mmolのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、溶液に加え、反応容器を、次に65℃の予め加熱した油浴中に3日間配置した。反応の終了時に、混合物を、1lの冷メタノール中に注いだ。沈殿したポリマーを濾過により採集し、定量的な量の対応するポリマーを得た。
【0131】
例11− 7−[((E)−オクタ−4,7−ジエニル)オキシ]−3−フェニル−クマリン
【化49】
8.0mmolの7−ヒドロキシ−3−フェニル−クマリン、8.0mmolの(4E)−オクタ−4,7−ジエン−1−オール、11.5mmolのトリフェニルホスフィンをTHF(18ml)に溶解した氷冷した溶液に、11.5mmolのアゾジカルボン酸ジイソプロピルを滴加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を蒸発させた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製して、6.1mmolの7−[((E)−オクタ−4,7−ジエニル)オキシ]−3−フェニル−クマリン、理論値の76%を得た。さらなる精製のために、生成物を、EtOH中で再結晶させた。
【0132】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 8.6, 2.4 Hz, 1H), 5.82 (ddt, J = 16.6, 10.1, 6.4 Hz, 1H), 5.58 − 5.42 (m, 2H), 5.02 (dd, J = 17.2, 1.9 Hz, 1H), 4.98 (dd, J = 10.4, 1.6 Hz, 1H), 4.10 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.75 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.17 (q, J = 6.4, 5.9 Hz, 2H), 1.83 (p, J = 6.5 Hz, 2H).
【0133】
例12− 7−((E)−8−ヒドロキシ−オクタ−4−エニルオキシ)−3−フェニル)−クマリン
【化50】
フラスコに、THF(0.5ml)および0.25mmolの7−[((E)−オクタ−4,7−ジエニル)オキシ]−3−フェニル−クマリンを投入した。溶液を、0℃に冷却した。10分後、0.25mmolの9−BBN(THF中0.5M)を、シリンジを介して30分にわたって滴加した。反応物を、0℃で1時間、次に25℃で1時間撹拌した。次に、0.7mmolのNaOH(水性、2M)を加え、反応物を0℃に冷却した。当該温度に達した後、2.0mmolのH
2O
2(水中30%)を、10分にわたって滴加した。反応物をEt
2Oで希釈し、セライト(Celite)を通して濾過した。有機濾液を濃縮して、0.14mmolの粗製の7−((E)−8−ヒドロキシ−オクタ−4−エニルオキシ)−3−フェニル)−クマリン(理論値の56%)を得た。
【0134】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 8.21 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.69 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 8.6, 2.4 Hz, 1H), 5.47 (t, J = 3.6 Hz, 2H), 4.33 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.10 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.39 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 2.18 − 2.10 (m, 2H), 2.05 − 1.96 (m, 2H), 1.81 (p, J = 6.6 Hz, 2H), 1.52 − 1.42 (m, 2H).
【0135】
例13
【化51】
5mmolの7−((E)−8−ヒドロキシ−オクタ−4−エニルオキシ)−3−フェニル)−クマリンを、乾燥THFに溶解し、Et
3N(4.0当量)を加える。溶液を、次に氷浴で0℃に冷却する。塩化アクリロイル(1.1当量)を、撹拌した溶液に滴加する。塩化アクリロイルの添加直後に、無色固体が沈殿している。反応物を、室温で一晩撹拌する。懸濁液を濾過し、固体を追加的な量のTHFで洗浄する。濾液を減圧下で蒸発させ、シクロヘキサン/EEの混合物を溶離剤として用いてクロマトグラフィーにより精製する。モノマーを、85%収率において単離することができた。
【0136】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 8.21 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 8.6, 2.4 Hz, 1H), 6.32 (dd, J = 17.3, 1.6 Hz, 1H), 6.17 (dd, J = 17.3, 10.3 Hz, 1H), 5.93 (dd, J = 10.3, 1.5 Hz, 1H), 5.58 − 5.43 (m, 2H), 4.12 − 4.08 (m, 4H), 2.15 (q, J = 6.2, 5.7 Hz, 2H), 2.06 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.82 (p, J = 6.6 Hz, 2H), 1.68 (p, J = 6.8 Hz, 2H).
【0137】
塩化メタクリロイルでの手順は、上に記載したのと同じである。
【0138】
例14
【化52】
OsO
4とのビスヒドロキシル化反応のための一般的な合成手順:2.0mmolの対応するアクリルモノマーを、アセトンおよび水の混合物に溶解する。反応混合物を、氷浴で0℃に冷却し、続いて0.02当量のOsO
4(水に溶解した4重量%溶液)および1.3当量の4−メチルモルホリン−4−オキシド(水に溶解した50%溶液)を、加える。反応物を、室温で一晩撹拌する。TLC分析によって、反応の完了が示される。亜硫酸ナトリウムを、OsO
4の還元を可能にするような量において加えた。反応混合物を、n−ブタノールで3回抽出した。合わせた有機画分を、減圧下で蒸発させる。残りの固体を、酢酸エチルを溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.4mmolの純粋な化合物を得た。
【0139】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 8.21 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.40 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.99 (dd, J = 8.6, 2.4 Hz, 1H), 6.32 (dd, J = 17.3, 1.6 Hz, 1H), 6.18 (dd, J = 17.3, 10.3 Hz, 1H), 5.93 (dd, J = 10.3, 1.6 Hz, 1H), 4.40 − 4.34 (m, 2H), 4.17 − 4.09 (m, 4H), 3.39 − 3.31 (m, 2H), 1.97 − 1.87 (m, 1H), 1.84 − 1.72 (m, 2H), 1.69 − 1.57 (m, 2H), 1.56 − 1.48 (m, 1H), 1.48 − 1.40 (m, 1H), 1.40 − 1.31 (m, 1H).
【0140】
例15− 例14の生成物の重合
【化53】
溶液中での一般的な重合手順:10.0mmolの対応するモノマーを、ジメチルホルムアミド(100ml)に溶解する。溶液を、3回の凍結−ポンプ−解凍サイクルによって脱気する。0.07mmolのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、溶液に加え、反応容器を、次に65℃の予め加熱した油浴中に3日間配置する。反応の終了時に、混合物を、冷メタノール(1l)中に注ぐ。沈殿したポリマーを濾過により採集し、定量的な量の対応するポリマーを得た。
【0141】
同様に、以下のモノマーおよび対応するポリマーを、合成してもよい:
【表1】