特許第6864635号(P6864635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6864635チアジアゾロピリジンポリマー、その合成およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864635
(24)【登録日】2021年4月6日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】チアジアゾロピリジンポリマー、その合成およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C08G 61/12 20060101AFI20210419BHJP
   H01L 51/46 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 51/42 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 51/05 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 51/30 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   C08G61/12
   H01L31/04 152B
   H01L31/04 152G
   H01L31/04 152J
   H01L31/08 T
   H01L29/28 100A
   H01L29/28 250G
【請求項の数】15
【全頁数】60
(21)【出願番号】特願2017-559294(P2017-559294)
(86)(22)【出願日】2016年4月27日
(65)【公表番号】特表2018-522957(P2018-522957A)
(43)【公表日】2018年8月16日
(86)【国際出願番号】EP2016000674
(87)【国際公開番号】WO2016180515
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2019年4月26日
(31)【優先権主張番号】15167266.4
(32)【優先日】2015年5月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥラバリ,マンスール
【審査官】 横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−520186(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/165420(WO,A1)
【文献】 特開2013−237813(JP,A)
【文献】 特開2011−099028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 61/00−61/12
C08L 65/00−65/04
H01L 51/00−51/46
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)式(I)
【化1】
で表される第1のモル比mの第1のモノマー単位M
(ii)式(II)
【化2】
で表される第2のモル比mの第2のモノマー単位M
(iii)各々は、互いに独立して、第3のモル比mの式(III)、式(IV)、式(V)、および式(VI)
【化3】
で表されるモノマー単位からなる群から選択される1以上の第3のモノマー単位M
(iv)第4のモル比mの1以上の第4のモノマー単位Mであって、各々は、他から独立して、アリール、ヘテロアリール、エテン−2,1−ジイル(*−(R81)C=C(R82)−*)およびエチンジイル(*−C≡C−*)からなる群から選択される基を含む1以上の電子供与体で、ここで、かかるアリール、ヘテロアリール基は、式(I)〜(VI)とは異なり、および
(v)第5のモル比mの式(VII)
【化4】
で表される第5のモノマー単位Mであって、
ここで、各発生時に独立して、XおよびXのうちの1つはNおよび他はC−R71であり、Xは、各発生時に独立してO、S、Te、SeおよびN−R91からなる群から選択され、

ここで、ポリマーは、モノマー単位Mとモノマー単位Mの両方を含み、および、第1のモル比mおよび第2のモル比mの和は、少なくとも0.10で、最大でも0.90であり、第3のモル比mは、少なくとも0、最大でも0.80であり、第4のモル比mは、少なくとも0、最大でも0.20であり、第5のモル比mは、少なくとも0.10、最大でも0.90であり、ならびにm+m+m+m+m=1であり、各々のモル比m1〜m5は、モノマー単位M〜Mの総数に対してであり、
ここで、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58、R61〜R68、R71、R81〜R82、およびR91は、各発生時に、互いに独立してHまたはカルビル基である、
を含むポリマー。
【請求項2】
ポリマー中に含まれる第1モノマー単位Mの少なくとも50%が第1シーケンス単位Sに含まれ、ここで、第1のモノマー単位Mが、式(VII)で表される少なくとも1つのモノマー単位に隣接している、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
ポリマー中に含まれる第2モノマー単位Mの少なくとも50%が、第2シーケンス単位Sに含まれ、ここで、第2のモノマー単位Mが、式(VII)で表される少なくとも1のモノマー単位に隣接している、請求項1または2に記載のポリマー。
【請求項4】
ポリマー中に含まれる第3モノマー単位Mの少なくとも50%が、第3シーケンス単位Sに含まれ、ここで、第3のモノマー単位Mが、式(VII)で表される少なくとも1のモノマー単位に隣接している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項5】
ポリマー中に含まれる第4モノマー単位Mの少なくとも50%が、第4シーケンス単位Sに含まれ、ここで、第4のモノマー単位Mが、式(VII)で表される少なくとも1のモノマー単位に隣接している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項6】
ポリマーが式(S−I)
【化5】
で表されるシーケンス単位Sを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項7】
ポリマーが式(S−II)
【化6】
で表されるシーケンス単位Sを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
ポリマーが、互いに独立して式(S−III)、式(S−IV)、式(S−V)および式(S−VI)
【化7】
で表されるシーケンス単位からなる群から選択される1以上の第3のシーケンス単位Sを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
ポリマーが、式(S−VII)
【化8】
ここで、Mは、各発生時に独立して請求項1で定義づけした通り、
で表される1つ以上の第4のシーケンス単位S4を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項10】
>0に対して、比(m+m)/mが少なくとも1で、最大でも100である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項11】
第1のモル比mが少なくとも0.10である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の1以上のポリマー、およびバインダー、および半導体、電荷輸送、ホール輸送、電子輸送、ホール遮断、電子遮断、導電、光伝導、または発光特性を有する化合物またはポリマーからなる群から選択される1以上の化合物またはポリマーを含む、ブレンドの混合物。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリマーを含む、電荷輸送、半導体、導電、光伝導、または発光材料。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリマーを含むコンポーネントまたはデバイスであって、コンポーネントまたはデバイスが、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、キャパシタ、無線自動識別(RFID)タグ、デバイスまたはコンポーネント、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、フラットパネルトランジスタ、ディスプレイのバックライト、有機太陽光発電デバイス(OPV)、有機太陽電池(O−SC)、光ダイオード、レーザーダイオード、光伝導体、有機光検出器(OPD)、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサーデバイス、電荷注入層、ポリマー発光ダイオード(PLED)の電荷輸送層または中間層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM)、伝導基板、伝導パターン、電池の電極材、アライメント層、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティ・マーキング、セキュリティ・デバイス、ならびにDNA配列を検出し、識別するためのコンポーネントまたはデバイスからなる群から選択される、前記コンポーネントまたはデバイス。
【請求項15】
コンポーネントまたはデバイスが、有機光検出器(OPD)である、請求項14に記載のコンポーネントまたはデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チアジアゾロピリジンポリマー、その合成およびその使用に関する。本発明は、さらに、かかるチアジアゾロピリジンポリマーを含む有機電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機半導体材料が、より多用途、低コストの電子デバイスを生産する目的で、開発されてきた。有機半導体材料は、例えば、数例を挙げると、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、有機光検出器(OPD)、有機太陽光発電(OPV)、センサー、記憶素子、および論理回路を包含する広範のデバイスおよび装置にそれらの応用を見出す。一般的に、有機半導体材料は、かかる有機電子デバイスに、例えば、50nm〜300nmの厚さの薄い層の形態で存在する。
【0003】
有機光検出器(OPD)は、1つの重要な特定の領域で、そのために、共役光吸収ポリマーが、数例だけ挙げると、スピン・キャスティング、ディップ・コーティング、またはインクジェット印刷などの解決処理技術によって生産される効率的なデバイスを可能にする希望を提供する。
それが残る重要な進歩にもかかわらず、解決処理技術による良好で容易な処理可能性を示すポリマーを提供する課題は、十分な解決可能性を有し、良好な安定性を有しおよび/または高効率を示す。
【0004】
本願の目的は、したがって、有機電子デバイス、特に有機光検出器における使用のための新規の有機半導体材料を提供し、前記新規の有機半導体材料は、有利な特性を有する。新規の有機半導体材料は、例えば、解決処理技術における良好な処理可能性、十分な解決可能性、良好な安定性ならびに高効率からなるリストの1以上の特性によって、特徴づけされ得、それらの特性は、単独で或いは任意の組み合わせで、また、以下の詳細な記載に基づいて、当業者に直ちに自明である、他の利点との組合せで捉えられる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、今や驚くべきことに、上の目的が、本願に記載の化合物によって、個別に、または組み合わせによって達成されることを見出した。
【0006】
したがって、本願は、
(i)第1のモル比mの式(I)で表される第1のモノマー単位M
【化1】
(ii)第2のモル比mの式(II)で表される第2のモノマー単位M
【化2】
【0007】
(iii)第3のモル比mの1以上の第3のモノマー単位Mであって、各々が式(III)、式(IV)、式(V)および式(VI)
【化3】
で表されるモノマー単位からなる群から互いに独立して選択され、
【0008】
(iv)第4のモル比mの1以上の第4のモノマー単位Mであって、各々は、他から独立して、アリール、ヘテロアリール、エテン−2,1−ジイル(*−(R81)C=C(R82)−*)およびエチンジイル(*−C≡C−*)からなる群から選択される基を含む1以上の電子供与体で、ここで、かかるアリール、ヘテロアリール基は、式(I)〜(VI)とは異なり、
および
【0009】
(v)第5のモル比mの式(VII)
【化4】
で表される第5のモノマー単位Mであって、
ここで、各発生時に独立して、XおよびXのうちの1つはNおよび他はC−R71であり、Xは、各発生時に独立してO、S、Te、SeおよびN−R91からなる群から選択され、
ここで、第1のモル比mおよび第2のモル比mの和は、少なくとも0.10で、最大でも0.90であり、第3のモル比mは、少なくとも0、最大でも0.80であり、第4のモル比mは、少なくとも0、最大でも0.20であり、第5のモル比mは、少なくとも0.10、最大でも0.90であり、ならびにm+m+m+m+m=1であり、各々のモル比m1〜m5は、モノマー単位M〜Mの総数に対してであり、および
ここで、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58、R61〜R68、R71、R81〜R82、およびR91は、各発生時に、互いに独立してHまたはカルビル基である、
を含むポリマーを提供する。
【0010】
本願は、さらに、バインダー、および半導体、電荷輸送、ホール輸送、電子輸送、ホール遮断、電子遮断、導電、光伝導、または発光特性を有する化合物またはポリマーからなる群から選択される1以上の前記ポリマー、および1以上の化合物またはポリマーの混合物またはブレンドに関する。本願は、また、前記ポリマーを含む、電荷輸送、半導体、導電、光伝導または発光材料に関する。
【0011】
加えて、本願は、前記ポリマー、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、キャパシタ、無線自動識別(RFID)タグ、デバイスまたはコンポーネンツ、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機太陽光発電デバイス(OPV)、有機太陽電池(O−SC)、光ダイオード、レーザーダイオード、光伝導体、有機光検出器(OPD)、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶デバイス、センサーデバイス、ポリマー発光ダイオード(PLED)における電荷注入層、電荷輸送層または中間層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM)、導電性基板、導電性パターン、電池における電極材料、アライメント層、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティ・マーキング、セキュリティ・デバイスからなる群から選択されるコンポーネントまたはデバイス、ならびにDNA配列を検出および識別するためのコンポーネンツまたはデバイス、好ましくは有機光検出器(OPD)に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、ポリマー1を含むOPDデバイスに対する典型的なJ−Vカーブを示す。
図2図2は、ポリマー16を含むOPDデバイスに対する典型的なJ−Vカーブを示す。
図3図3は、ポリマー1および16に対するEQEスペクトルを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本願の目的のために、アスタリスク(‘*’)は、隣り合うユニットまたは基、ポリマーの場合は、隣り合う繰り返し単位、または任意のその他の基を表わす。
【0014】
本明細書中で使用する、分子量は、他に述べない限り、数平均分子量Mまたは重量平均分子量Mとして与えられ、それは、溶離剤溶媒、例えばテトラヒドロフラン、トリクロロメタン(TCM、クロロホルム)、クロロベンゼンまたは1,2,4−トリクロロベンゼン中のポリスチレン標準に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。他に述べない限り、クロロベンゼンを、溶媒として使用する。多分散性指数(PDI)とも称されるポリマーの分子量分布(”MWD”)は、比Mw/Mnとして定義される。繰り返し単位の総数nとしても称される、重合度、m、は、m=M/M、式中Mは数平均分子量であり、Mは単一の繰り返し単位の分子量として与えられ、数平均重合度を意味すると理解されるであろう。J.M.G. Cowie, Polymers: Chemistry & Physics of Modern Materials, Blackie, Glasgow, 1991を参照。
【0015】
本願の目的のために、用語“オルガニル基”は、官能基のタイプに拘わらず、炭素原子に1遊離価を有する任意の有機置換基を表わすために使用される。
【0016】
本願の目的のために、用語“オルガノヘテロ基”は、炭素を含む任意の一価基を表わすために使用され、前記基は、このように有機であるが、炭素以外の原子で自由原子価を有する。
本願の目的のために、用語“カルビル基”は、オルガニル基とオルガノヘテロ基の両方を包含する。
【0017】
その基本的な形態において、本願は、
(i)第1のモル比mの第1のモノマー単位M
(ii)第2のモル比mの第2のモノマー単位M
(iii)第3のモル比mの1以上の第3のモノマー単位M
(iv)第4のモル比mの1以上の第4のモノマー単位M
(v)第5のモル比mの第5のモノマー単位M
を含むポリマーに向けられ、各々のモル比m〜mは、モノマー単位M〜Mの総数に対してである。
【0018】
好ましくは、本願のポリマーは前記モノマー単位を前記ポリマーの総重量に対して少なくとも50重量%または70重量%または90重量%、さらにより好ましくは、少なくとも95重量%または97重量%または99重量%、その上さらにより好ましくは、少なくとも99.5重量%または99.7重量%または99.9重量%含むか、またはポリマーは前記モノマー単位のみからなり得る。これに関連して、本願のポリマーは、前記モノマー単位に加えて、それらが本ポリマーの全体の特性を著しく変化させないことを条件に、他のモノマー単位をも含み得る。
【0019】
第1のモル比m、第2のモル比m、第3のモル比m、第4のモル比m、および第5のモル比mの合計は、1.0であり、すなわち、m+m+m+m+m=1.0である。
第1のモル比mおよび第2のモル比mの合計は、少なくとも0.10、最大でも0.90、すなわち、0.10&#8804;m+m&#8804;0.90である。こうして、本ポリマーは、(i)モノマー単位M含み、但しモノマー単位Mを含まないか、(ii)モノマー単位M含み、但しモノマー単位Mを含まないか、または(iii)モノマー単位Mとモノマー単位Mの両方を含み得る。
【0020】
好ましくは、第1のモル比mは、少なくとも0.10である。
第3のモル比mは、少なくとも0、最大でも0.80である。
=0またはm=0の場合、mは少なくとも0、最大でも0.80、例えば、最大でも0.79または0.75または0.74または0.70または0.69または0.65または0.64または0.60または0.59または0.55または0.54または0.50または0.49である。

第4のモル比mは、少なくとも0、好ましくは0.01である。第4のモル比mは、最大でも0.20、好ましくは最大でも0.15、最も好ましくは最大でも0.10である。
第5のモル比mは、少なくとも0.10、好ましくは少なくとも0.15、より好ましくは少なくとも0.20、さらにより好ましくは0.25、最も好ましくは少なくとも0.30である。第5のモル比mは、最大でも0.9、好ましくは最大でも0.85、より好ましくは0.80、さらにより好ましくは最大でも0.75、最も好ましくは最大でも0.70である。
【0021】
好ましくは、m>0に対して、第3のモル比mに対する第1のモル比mと第2のモル比mの和の比、(m+m)/mは、少なくとも1で、最大でも100、例えば、最大でも90または最大でも80または最大でも70または最大でも60または最大でも50または最大でも40または最大でも30または最大でも20または最大でも10である。
【0022】
式(I)、
【化5】
で表される第1のモノマー単位M
ここで、R11、R12、R13およびR14は、本願明細書で定義したとおりである。
【0023】
式(II)
【化6】
で表される第2のモノマー単位M
ここで、R21、R22、R23およびR24は、本願明細書で定義したとおりである。
【0024】
1以上の第3のモノマー単位Mは、各発生時に独立して、式(III)、式(IV)、式(V)および式(VI)
【化7】
からなる群から選択される任意の他のものであり、ここで、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58ならびにR61〜R68は本願明細書で定義されたとおりである。
【0025】
1以上の第4のモノマー単位Mは、各発生時に、互いに独立して、アリール、ヘテロアリール、エテン−2,1−ジイル(*−(R81)C=C(R82)−*)およびエチンジイル(*−C≡C−*)からなる群から選択される基を含む1以上の電子供与体であり、ここで、かかるアリール、ヘテロアリール基は、式(I)〜(VI)とは異なり、R81〜R82は本願明細書に定義したとおりである。アリールおよびヘテロアリールは、好ましくは以下に定義したとおりである。
【0026】
に好適なアリール、ヘテロアリールの好ましい例は、各発生時に独立して以下の式(D1)〜(D140)からなる群から選択し得、
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
ここで、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107およびR108は、互いに独立してHおよび本願明細書で定義されるとおりのRからなる群から選択される。
【0040】
第5のモノマー単位Mは、式(VII)
【化22】
で表され、
ここで、発生時に独立してXおよびXの1つはNで、他はC−R71であり、XおよびR71は本願明細書で定義したとおりである。
は、各発生時に独立してO、S、Te、SeおよびN−R91からなる群から選択され、R91は本願明細書で定義したとおりである。Xは、好ましくは、各発生時に独立して、O、SおよびSeからなる群から選択される。より好ましくは、Xは、各発生時に独立して、SまたはOである。最も好ましくは、XはSである。
【0041】
一般的に述べると、式(VII)で表されるモノマー単位は、ポリマー主鎖に沿って位置規則的に、または位置不規則的に配置され得る。本願の目的のために、式(VII)で表されるモノマー単位はポリマー主鎖に沿って位置不規則的に配置される。
【0042】
ポリマー主鎖に沿って位置規則的の場合、式(VII)で表されるモノマー単位は、交互にまたは非交互にポリマー主鎖に挿入し得る。本願の目的のために、用語‘非交互の様式で’は、式(VII)で表されるモノマー単位の少なくとも95%、例えば少なくとも96%または98%または99.0%または99.5%または99.7%または99.9%は、4,7−挿入によってポリマー主鎖に挿入され、または式(VII)で表されるモノマー単位の少なくとも95%、例えば少なくとも96%または98%または99.0%または99.5%または99.7%または99.9%は、7,4−挿入によってポリマー主鎖に挿入されたことを意味する。
【0043】
本願の目的のために、用語‘交互に’は、式(VII)で表される続くモノマー単位が、4,7−挿入モノマー単位が7,4−挿入モノマー単位によって続かれる、またはその逆、すなわち7,4−挿入モノマー単位が、4,7−挿入モノマー単位によって続かれるようなやり方でポリマー主鎖に挿入されることを意味する。
【0044】
本願の目的のために、用語‘位置不規則な’とは、式(VII)で表されるモノマー単位が、ポリマー主鎖に沿ってランダムに配置される、すなわち、式(VII)で表されるモノマー単位が、4,7−挿入および7,4−挿入によってランダムにポリマー主鎖に挿入されることを意味する。
【0045】
11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58、R61〜R68、R71、R81〜R82ならびにR91は、発生時に互いに独立して、HおよびRからなる群から選択される。
【0046】
は、各発生時に独立して、本願明細書で定義したとおりカルビル基であり、好ましくは本願明細書で定義したとおり任意の基R、1〜40の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、ここでヒドロカルビルは、1以上の基Rでさらに置換されてもよく、および1〜40の炭素原子を有するヒドロカルビルは、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeからなる群から選択される1以上のヘテロ原子を含み、N、SおよびOが好ましいヘテロ原子で、ここでヒドロカルビルは、1以上の基Rでさらに置換されてもよい。
【0047】
として好適なヒドロカルビルの好ましい例は、各発生時に独立して、フェニル、1つ以上の基Rで置換されたフェニル、アルキル、および1つ以上の基Rで置換されたアルキルであり得、ここで、アルキルは少なくとも1個、好ましくは少なくとも5個、最大でも40個、より好ましくは最大でも30個または25個または20個、さらにより好ましくは最大でも15個および最も好ましくは最大でも12個の炭素原子を有する。例えば、Rとして好適なアルキルには、フッ素化アルキル、すなわち1つ以上の水素がフッ素で置換されたアルキル、およびパーフッ化アルキル、すなわち水素のすべてがフッ素で置換されたアルキルも包含されることに留意されたい。
【0048】
は、各発生時に独立して、F、Br、Cl、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(O)NR00、−C(O)X、−C(O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−OR、−NO、−SFならびに−SiR00000からなる群から選択される。好ましいRは、F、Br、Cl、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN,−C(O)NR00、−C(O)X、−C(O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−OH、−ORならびに−SiR00000からなる群から選択される。最も好ましいRは、Fである。
【0049】
、R00およびR000は、各発生時に互いに独立してH、Fおよび1〜40個の炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群から選択される。前記ヒドロカルビルは、好ましくは少なくとも5個の炭素原子を有する。前記ヒドロカルビルは、好ましくは最大でも30個の、より好ましくは最大でも25または20個の、さらにより好ましくは最大でも20個の、最も好ましくは最大でも12個の炭素原子を有する。好ましくは、発生時に互いに独立して、R、R00およびR000は、H,F、アルキル、フッ化アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルおよびフッ化フェニルからなる群から選択される基から選択される。より好ましくは、R、R00およびR000は、発生時に互いに独立して、H、F、アルキル、フッ化、好ましくはパーフッ化アルキル、フェニル、およびフッ化、好ましくはパーフッ化フェニルからなる群から選択される。
【0050】
例えば、R、R00およびR000として好適のアルキルはまた、パーフッ化アルキル、すなわち、全ての水素がフッ素によって置換されている、を包含する。好適なアルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル(または“t−ブチル”)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシル(−C2041)からなる群から選択され得る。
【0051】
は、ハロゲンである。好ましくはXは、F、ClおよびBrからなる群から選択される。3個以上の炭素原子の鎖、および組み合わされたヘテロ原子を含むヒドロカルビル基は、直鎖、分枝および/または、スピロおよび/または縮合環を包含する環状であってもよい。
【0052】
、R、R00および/またはR000として好適なヒドロカルビルは、飽和または不飽和であってもよい。飽和ヒドロカルビルの例は、アルキルを包含する。不飽和ヒドロカルビルの例は、アルケニル(環式および非環式アルケニルを包含する)、アルキニル、アリル、アルキルジエニル、ポリエニルおよびヘテロアリールからなる群から選択され得る。
【0053】
、R、R00および/またはR000として好適な好ましいヒドロカルビルは、1以上のヘテロ原子を含むヒドロカルビルを包含し、例えば、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、アルキルアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択され得る。
好ましいアリールおよびヘテロアリールの例は、縮合環をも含み得る、一、二または三環状芳香族またはヘテロ芳香族基を含む。
【0054】
特に好ましいアリールおよびヘテロアリール基は、フェニル、1個または2個以上のCH基がNで置換されているフェニル、ナフタレン、フルオレン、チオフェン、ピロール、好ましくはN−ピロール、フラン、ピリジン、好ましくは2−または3−ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チオフェン、好ましくは2−チオフェン、セレノフェン、好ましくは2−セレノフェン、チエノ[3,2−b]チオフェン、チエノ[2,3−b]チオフェン、ジチエノチオフェン、フロ[3,2−b]フラン、フロ[2,3−b]フラン、セレノ[3,2−b]セレノフェン、セレノ[2,3−b]セレノフェン、チエノ[3,2−b]セレノフェン、チエノ[3,2−b]フラン、インドール、イソインドール、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[1,2−b;4,5−b’]ジチオフェン、ベンゾ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン、キノール、2−メチルキノール、イソキノール、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンズオキサジアゾール、ベンズオキサゾール、ならびにベンゾチアジアゾールからなる群から選択され得る。
【0055】
好ましいアルコキシ基、つまりここで末端CH基が、−O−によって置換されている対応するアルキル基の例は、直鎖状または分枝状であり得、好ましくは直鎖状(線状)であり得る。かかるアルコキシ基の好適な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシ、テトラデコキシ、ペンタデコキシ、ヘキサデコキシ、ヘプタデコキシ、およびオクタデコキシからなる群から選択され得る。
【0056】
好ましいアルケニル、すなわち、2つの隣り合うCH基が−CH=CH−によって置き換えられている対応するアルキルの例は、直鎖状または分枝状であり得る。それは好ましくは直鎖状であり、前記アルケニルは、好ましくは2〜10個のC原子を有する。好ましいアルケニルの例は、ビニル、プロパ−1−エニル、またはプロパ−2−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニルまたはブタ−3−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、ペンタ−3−エニルまたはペンタ−4−エニル、ヘキサ−1−エニル、ヘキサ−2−エニル、ヘキサ−3−エニル、ヘキサ−4−エニルまたはヘキサ−5−エニル、ヘプタ−1−エニル、ヘプタ−2−エニル、ヘプタ−3−エニル、ヘプタ−4−エニル、ヘプタ−5−エニルまたはヘプタ−6−エニル、オクタ−1−エニル、オクタ−2−エニル、オクタ−3−エニル、オクタ−4−エニル、オクタ−5−エニル、オクタ−6−エニルまたはオクタ−7−エニル、ノナ−1−エニル、ノナ−2−エニル、ノナ−3−エニル、ノナ−4−エニル、ノナ−5−エニル、ノナ−6−エニル、ノナ−7−エニルまたはノナ−8−エニル、デカ−1−エニル、デカ−2−エニル、デカ−3−エニル、デカ−4−エニル、デカ−5−エニル、デカ−6−エニル、デカ−7−エニル、デカ−8−エニルまたはデカ−9−エニルからなる群から選択され得る。
【0057】
特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、特にC〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基についての例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までのC原子を有するアルケニル基が、一般に好ましい。
【0058】
好ましいオキサアルキル基、すなわちここで1つの非末端CH基が−O−によって置き換えられている対応するアルキル、の例は、直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状である。オキサアルキルの具体例は、2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
【0059】
カルボニルオキシおよびオキシカルボニル、すなわち、1つのCH基が−O−によって置き換えられており、それに隣り合うCH基の1つが−C(O)−によって置き換えられた対応するアルキル基の好ましい例は、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、および4−(メトキシカルボニル)−ブチルからなる群から選択される。
【0060】
チオアルキル、すなわち、1つのCH−基が、−S−によって置き換えられている、の好ましい例が、直鎖状または分枝状で、好ましくは直鎖状である。好適な例は、チオメチル(−SCH)、1−チオエニル(−SCHCH)、1−チオプロピル(−SCHCHCH)、1−(チオブチル)、1−(チオペンチル)、1−(チオヘキシル)、1−(チオヘプチル)、1−(チオオクチル)、1−(チオノニル)、1−(チオデシル)、1−(チオウンデシル)、および1−(チオドデシル)からなる群から選択され得る。
【0061】
フルオロアルキル基は、好ましくは、パーフルオロアルキルC2i+1、ここでiは1〜15の整数である、特にCF、C、C、C、C11、C13、C15もしくはC17、非常に好ましくはC13、または部分的にフッ素化されたアルキル、特に1,1−ジフルオロアルキル、そのすべては、直鎖状または分枝状である、である。
【0062】
アルキル、アルコキシ、アルケニル、オキサアルキル、チオアルキル、カルボニルおよびカルボニルオキシ基は、アキラルまたはキラルな基であり得る。特に好ましいキラルな基は、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、2−ブチルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルドデシル、7−デシルノナデシル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチル−ヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチル−ペンチル、4−メチルヘキシル、2−ブチルオクチル、2−ヘキシルデシル、2−オクチルドデシル、7−デシルノナデシル、3,8−ジメチルオクチル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メタ−オキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、
【0063】
6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシ−カルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチル−バレリル−オキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサ−ヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。最も好ましいのは、2−エチルヘキシルである。
【0064】
好ましいアキラルな分枝状基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、tert.ブチル、イソプロポキシ、2−メチル−プロポキシおよび3−メチルブトキシである。
【0065】
好ましい態様において、オルガニル基は、互いに独立して、1〜30個のC原子を有する一級、二級もしくは三級アルキルもしくはアルコキシであり、ここで1つ以上のH原子はFにより任意に置き換えられており、それらは、任意にアルキル化もしくはアルコキシル化されており、4〜30個の環原子を有するアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシから選択される。このタイプの非常に好ましい基は、以下の式からなる群から選択される。
【0066】
【化23】
式中、「ALK」は、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子、三級基の場合は非常に好ましくは1〜9個のC原子を有する、任意にフッ素化されている、好ましくは直鎖状の、アルキルまたはアルコキシを示し、破線は、これらの基が付着する環への結合を示す。これらの基のなかで特に好ましいのは、すべてのALK従属群が同一であるものである。
【0067】
好ましくは、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58、R61〜R68、R71、R81〜R82ならびにR91は各発生時に互いに独立して、H、アルキル、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素原子によって置換されたアルキル、フェニル、アルキル置換フェニル、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素原子によって置換された1〜40個の炭素原子を有するアルキルで置換されたフェニル、水素原子が部分的にまたは完全にフッ素原子によって置換されたフェニルからなる群から選択される。
【0068】
より好ましくは、R11〜R14、R21〜R24、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58、R61〜R68、R71、R81〜R82ならびにR91は各発生時に互いに独立して、H、1〜40個(または5〜30個、または5〜20個)の炭素原子を有するアルキル、フェニル、1〜40個(または5〜30個、または5〜20個)の炭素原子を有するアルキルで置換されたフェニルからなる群から選択される。
【0069】
最も好ましくは、R11、R12、R21、R22、R31、R32、ならびにR41は、互いに独立して、少なくとも1個、または少なくとも5個の炭素原子、および最大でも40個(例えば、35または30または25または20または15または10個)の炭素原子を有するアルキルから選択される。特に好適なアルキルは、*−CH−CH(CH−CH)−CH−CH−CH−CHである。
【0070】
最も好ましくは、R51、R52、R53、R54、R61、R62、R63ならびにR64は、各発生時に互いに独立して、フェニル、1〜40個の炭素原子を有するアルキルによって置換されたフェニルから選択される。特に好適なアルキル置換フェニルは
【化24】
nは、好ましくは少なくとも1(例えば、少なくとも5または10または15)であり、最大でも40(例えば、最大でも35または30または25または20)である。

最も好ましくは、R71はHである。
【0071】
好ましくは、本願のポリマーは以下に定義したようにシーケンス単位の形態のそれぞれのモノマー単位を含む。ポリマーに含まれる、少なくとも50%または70%または90%、さらにいっそう好ましくは、少なくとも95%または97%または99%、さらによりいっそう好ましくは、少なくとも99.5%または99.7%または99.9%、そして最も好ましくは、全てのモノマー単位がシーケンス単位に含まれ、ここで、M、M、MおよびもしあればMからなる群から選択されるそれぞれのモノマー単位は、少なくとも1つの式(VII)で表されるモノマー単位と隣り合うことが好ましい。
【0072】
本願のポリマーに対して、ポリマーに含まれる、少なくとも50%または70%または90%、さらにいっそう好ましくは、少なくとも95%または97%または99%、さらによりいっそう好ましくは、少なくとも99.5%または99.7%または99.9%、そして最も好ましくは、第1のモノマー単位Mの全てが第1のシーケンス単位Sに含まれ、ここで、第1のモノマー単位Mは、少なくとも1つの式(VII)で表されるモノマー単位と隣り合うことが好ましい。
【0073】
例示の第1のシーケンス単位Sは、式(S−I)
【化25】
で表され、
式中、R11、R12、R13、R14、X、XおよびXは、本願明細書に定義されたとおりである。
【0074】
本願のポリマーに対して、ポリマーに含まれる、少なくとも50%または70%または90%、さらにいっそう好ましくは、少なくとも95%または97%または99%、さらによりいっそう好ましくは、少なくとも99.5%または99.7%または99.9%、そして最も好ましくは、第2のモノマー単位Mの全てが第2のシーケンス単位Sに含まれ、ここで、第2のモノマー単位Mは、少なくとも1つの式(VII)で表されるモノマー単位と隣り合うことが好ましい。
【0075】
例示の第2のシーケンス単位Sは、式(S−II)
【化26】
で表され、式中、R21、R22、R23、R24、X、XならびにXは、本願明細書で定義したとおりである。
【0076】
本願のポリマーに対して、ポリマーに含まれる、少なくとも50%または70%または90%、さらにいっそう好ましくは、少なくとも95%または97%または99%、さらによりいっそう好ましくは、少なくとも99.5%または99.7%または99.9%、そして最も好ましくは、第3のモノマー単位Mの全てが第3のシーケンス単位Sに含まれ、ここで、第3のモノマー単位Mは、少なくとも1つの式(VII)で表されるモノマー単位と隣り合うことが好ましい。
【0077】
例示の第3のシーケンス単位Sは、各発生時に独立して、式(S−III)、式(S−IV)、式(S−V)および式(S−VI)
【化27】
で表されるシーケンス単位からなる群から選択され得る。式中、R31〜R34、R41〜R43、R51〜R58およびR61〜R68、X、XおよびXは、本願明細書で定義したとおりである。
【0078】
本願のポリマーに対して、ポリマーに含まれる、少なくとも50%または70%または90%、さらにいっそう好ましくは、少なくとも95%または97%または99%、さらによりいっそう好ましくは、少なくとも99.5%または99.7%または99.9%、そして最も好ましくは、第4のモノマー単位Mの全てが第4のシーケンス単位Sに含まれ、ここで、第4のモノマー単位Mは、少なくとも1つの式(VII)で表されるモノマー単位と隣り合うことが好ましい。
【0079】
例示の第4のシーケンス単位Sは、発生時に独立して、式(S−VII)
【化28】
によって表され得る。
式中、発生時に独立して、XおよびXの1つはN、他の1つはC−R71であり、XおよびR71は本願明細書で定義したとおりであり、式中、各発生時に独立して、Mは本願明細書で定義したとおりである。
【0080】
好適なシーケンス単位の好ましい例は、また、式(S−VIII−01)〜(S−VIII−24)
【化29】
で表されるシーケンス単位からなる群から選択され得る。式中、Mは本願明細書で定義したとおり第1のモノマー単位であり、Mは本願明細書で定義したとおり第2のモノマー単位であり、Mは本願明細書で定義したとおり第3のモノマー単位であり、Mは本願明細書で定義したとおり第4のモノマー単位であり、Mは本願明細書で定義したとおり第5のモノマー単位である。
【0081】
本件ポリマーは、(S−I)、(S−II)、(S−III)、(S−IV)、(S−V)、(S−VI)、(S−VII)ならびに(S−VIII−01)〜(S−VIII−24)で表されるシーケンス単位からなる群から選択される1以上のシーケンス単位を、前記ポリマーの総重量に対して少なくとも50%または70%または90%、さらにいっそう好ましくは、少なくとも95%または97%または99%、さらによりいっそう好ましくは、少なくとも99.5%または99.7%または99.9%含むか、ポリマーは前記シーケンス単位からなり得る。
【0082】
好ましくは、本件ポリマーは以下の式(VIII)
−[S−]− (VIII)

式中、Sは各発生時に独立して、シーケンス単位(S−I)、(S−II)、(S−III)、(S−IV)、(S−V)、(S−VI)、(S−VII)ならびに(S−VIII−01)〜(S−VIII−24)、−M−M−、−M−M−、−M−M−、−M−M−、−M−M−、−M−M−、−M−M−、−M−M−ならびに−M−M−からなる群から選択され、mは標的分子量Mnに到達するために必要なシーケンス単位の総数である。モノマー単位M、M、M、MならびにMは、式(VIII)で表されるポリマーにおいて、本願明細書で定義したとおり、それぞれモノマー比m、m、m、mおよびmで含まれる、
によって表される。
【0083】
好ましい例示のポリマーは、ポリマー(P−I)〜(P−IX)からなる群から選択され得、S、SおよびSの列は、上で定義したように、それぞれ第1、第2および第3シーケンス単位の式を示す。
【0084】
【表1】
【0085】
特に好ましいポリマーは、ポリマー(P−I)〜(P−IX)、もしあれば、からなる群から選択され得、
11,R12,R21,R22,R31,R32ならびにR41はすべて*−CH−CH(CH−CH)−CH−CH−CH−CH;および
51〜R54およびR61〜R64はすべて、
【化30】

式中、nは少なくとも1、好ましくは少なくとも2または3または4または5または6または7または8、および最大でも20、好ましくは最大でも19または18または17または16または15または14または13または12である。
【0086】
好ましくは、本件ポリマーは少なくとも5000g/モル、より好ましくは少なくとも10,000g/モルの分子量Mnを有する。好ましくは、本件ポリマーは、最大でも250,000g/モル、より好ましくは最大でも200,000g/モル、さらにいっそう好ましくは最大でも150,000g/モル、最も好ましくは最大でも100,000g/モルの分子量Mnを有する。
【0087】
一側面において、本願は、本願のポリマーの合成に使用し得るモノマー、すなわち、少なくとも1つの反応性化学基Raおよび第1のモノマー単位、第2のモノマー単位、第3のモノマー単位、第4のモノマー単位、第1のシーケンス単位、第2のシーケンス単位または第3のシーケンス単位のいずれか1つを含む化合物を提供する。前記反応性化学基は、Cl、Br、I、O−トシラート、O−トリフラート、O−メシラート、O−ノナフラート、−SiMeF,−SiMeF,−O≡SO,−B(OZ,−CZ=C(Z,≡CoCH,−CoCSi(Z,−ZnXおよび−Sn(Z、好ましくは−B(OZまたは−Sn(Z、ここで、Xは、上で定義したとおりであり、Z,Z,ZおよびZはアルキルおよびアリール、好ましくは1〜10の炭素原子を有するアルキル、各々は上で定義したようにRで任意に置換され、2つの基Zは一緒になって環状基を形成する、からなる群から選択され得る。
【0088】
代わりに、かかるモノマーは、2つの反応性化学基を含み、例えば、式(IX)
−M−R (IX)
ここで、Mは第1のモノマー単位、第2のモノマー単位、第3のモノマー単位、第4のモノマー単位、第1のシーケンス単位、第2のシーケンス単位、第3のシーケンス単位または第4のシーケンス単位のいずれか一つであり、RおよびRはRに対して上で定義されたとおりの反応性化学基である、
で表される。
【0089】
かかるモノマーは、一般的に知られている反応、例えばリチウム化、続いてそれぞれの官能基を供給する試薬との反応などによって合成し得る。かかる反応の例は、スキーム1に図式的に示され、ここで、O−R’は、例えばメトキシ、エトキシなどの脱離基を示すために一般的な意味で使用され、2つの単位は、例えばOCH(CHCH(CHOの環状基を形成し、R’は例えばメチル、エチルなどのアルキル基を対応して示し、Aは例えば式(I)〜(VII)のいずれか1つを示す。
【0090】
【化31】
【0091】
本発明の化合物は、当業者に公知であり、および文献に記載されている方法に従って、またはそれに類似して、合成することができる。他の製造方法は、実施例から得ることができる。例えば、ポリマーは、アリール−アリールカップリング、例えばヤマモトカップリング、スズキカップリング、スティルカップリング、ソノガシラカップリング、ヘックカップリング、ネギシカップリング、C−H活性化カップリング、またはブーフヴァルトカップリングなどにより、好適に製造することができる。スズキカップリング、スティルカップリングおよびヤマモトカップリングが、特に好ましい。重合され、ポリマーの繰り返し単位を形成するモノマーは、当業者に公知の方法に従って製造することができる。
【0092】
このように、本発明のポリマーの製造方法は、モノマーをカップリングするステップを含み、該モノマーは、Cl、Br、I、O−トシラート、O−トリフラート、O−メシラート、O−ノナフラート、−SiMeF、−SiMeF、−O−SO、−B(OZ、−CZ=C(Z、−C≡CH、−C≡CSi(Z、−ZnXおよび−Sn(Zからなる群から選択される、少なくとも1つまたは代わりに2つの官能性の一価の基を含み、ここで、Xはハロゲンであり、Z、Z、ZおよびZは互いに独立して、アルキルおよびアリール、それぞれ任意に上で定義した1以上のRで置換されている、からなる群から選択され、および2つの基Zはまた、一緒に環状基を形成してもよい。
【0093】
好ましくは、当該ポリマーは、一般式(IX)で表されるモノマーから製造される。
【0094】
本明細書に記載されるプロセスにおいて使用される好ましいアリール−アリールカップリングおよび重合方法は、ヤマモトカップリング、クマダカップリング、ネギシカップリング、スズキカップリング、スティルカップリング、ソノガシラカップリング、ヘックカップリング、C−H活性化カップリング、ウルマンカップリングまたはブーフヴァルドカップリングである。スズキカップリング、ネギシカップリング、スティルカップリングおよびヤマモトカップリングが、特に好ましい。スズキカップリングは、例えば、WO 00/53656 A1に記載されている。ネギシカップリングは、例えば、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 683-684に記載されている。ヤマモトカップリングは例えば、T. Yamamoto, Prog. Polym. Sci., 1993, 17, 1153-1205、またはWO 2004/022626 A1に記載され、およびスティルカップリングは、例えば、Z.Bao et al., J. Am. Chem. Soc., 1995, 117, 12426-12435に記載されている。
【0095】
例えば、ヤマモトカップリングを使用するとき、2つの反応性ハロゲン化物基(halide group)を有するモノマーが好ましくは用いられる。スズキカップリングを使用する場合、2つの反応性ホウ酸またはホウ酸エステル基、または2つのハロゲン化物基を有する、式(IX)で表される化合物が好ましく用いられる。スティルカップリングを使用するとき、2つの反応性スタンナン基または2つの反応性ハロゲン化物基を有するモノマーが、好ましくは用いられる。ネギシカップリングを使用するとき、2つの反応性有機亜鉛基または2つの反応性ハロゲン化物基を有するモノマーが、好ましくは用いられる。
【0096】
好ましい触媒は、特にスズキ、ネギシまたはスティルカップリングに対しては、パラジウム(0)錯体またはPd(II)塩から選択される。好ましいPd(0)錯体は、少なくとも1つのホスフィン配位子を担持するもの、例えばPd(PhP)である。他の好ましいホスフィン配位子は、例えば、トリス(オルト−トリル)ホスフィン、例えば、Pd(o−TolP)である。好ましいパラジウム(II)塩は、酢酸パラジウム、例えばPd(OAc)を包含する。代わりに、パラジウム(0)錯体は、Pd(0)ジベンジリデンアセトン錯体、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)−パラジウム(0)、またはPd(II)塩、例えば酢酸パラジウム、を、ホスフィンリガンド、例えばトリフェニルホスフィン、トリス(オルト−トリル)ホスフィンまたはトリ(tert−ブチル)ホスフィンとともに混合することにより、製造することができる。スズキ重合は、塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウム、または有機塩基、例えば炭酸テトラエチルアンモニウムまたは水酸化テトラエチルアンモニウムの存在下で行われる。ヤマモト重合は、Ni(0)錯体、例えばビス(1,5−シクロオクタジエニル)ニッケル(0)を用いる。
【0097】
上に記載されるハロゲンの代わりに、式−O−SO、式中、Zは、上述のとおりである、で表される脱離基が用いられ得る。かかる脱離基の特定の例は、トシラート、メシラート、トリフラートである。
【0098】
また本発明による化合物およびポリマーは、混合物またはポリマーブレンド中で、例えば小分子またはモノマー化合物とともに、または電荷輸送、半導体、導電、光伝導および/もしくは発光半導体特性を有する他のポリマーとともに、または例えば、正孔遮断もしくは電子遮断特性を有するポリマーとともに、OLEDデバイスにおける中間層または電荷遮断層としての使用のために、使用することができる。したがって、本発明の他の側面は、本発明による1種または2種以上のポリマーおよび前述の特性の1つ以上を有する1種以上のさらなるポリマーを含む、ポリマーブレンドに関する。これらのブレンドを、先行技術に記載されており、当業者に公知の従来の方法によって、製造することができる。典型的には、ポリマーを、互いと混合するか、または好適な溶媒に溶解し、溶液を合わせる。
【0099】
本発明の他の側面は、本明細書中に記載した1以上の小分子、ポリマー、混合物またはポリマーブレンドおよび1以上の有機溶媒を含む、配合物に関する。
【0100】
好ましい溶媒は、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテルおよびそれらの混合物である。使用することができる追加的な溶媒は、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラ−メチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、デカリン、2,6−ルチジン、2−フルオロ−m−キシレン、3−フルオロ−o−キシレン、2−クロロベンゾトリフルオリド、N,N−ジメチルホルムアミド、2−クロロ−6−フルオロトルエン、2−フルオロアニソール、アニソール、2,3−ジメチルピラジン、4−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、3−トリフルオロ−メチルアニソール、2−メチルアニソール、フェネトール、4−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−フルオロ−3−メチルアニソール、2−フルオロベンゾニトリル、4−フルオロベラトロール、2,6−ジメチルアニソール、3−フルオロベンゾ−ニトリル、2,5−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ベンゾニトリル、3,5−ジメチル−アニソール、N,N−ジメチルアニリン、安息香酸エチル、1−フルオロ−3,5−ジメトキシ−ベンゼン、1−メチルナフタレン、
【0101】
N−メチルピロリジノン、3−フルオロベンゾ−トリフルオリド、ベンゾトリフルオリド、ジオキサン、トリフルオロメトキシ−ベンゼン、4−フルオロベンゾトリフルオリド、3−フルオロピリジン、トルエン、2−フルオロ−トルエン、2−フルオロベンゾトリフルオリド、3−フルオロトルエン、4−イソプロピルビフェニル、フェニルエーテル、ピリジン、4−フルオロトルエン、2,5−ジフルオロトルエン、1−クロロ−2,4−ジフルオロベンゼン、2−フルオロピリジン、3−クロロフルオロ−ベンゼン、1−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、p−キシレン、m−キシレン、o−キシレンまたはo−、m−およびp−異性体の混合物を包含する。相対的に低い極性を有する溶媒が、一般に好ましい。インクジェット印刷のためには、高い沸点を有する溶媒および溶媒混合物が好ましい。スピンコーティングのためには、アルキル化ベンゼン、例えばキシレンおよびトルエンが好ましい。
【0102】
特に好ましい溶媒の例は、限定されずに、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、メシチレンおよび/またはそれらの混合物を含む。
【0103】
溶液中の、化合物またはポリマーの濃度は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%であり、重量%は溶液の総重量に対して与えられる。任意に、溶液はまた、例えばWO 2005/055248 A1に記載されているように、レオロジー特性を調整するための1種以上の結合剤を含む。
【0104】
適切な混合およびエージングの後に、溶液を、以下のカテゴリーの1つとして評価する:完全な溶解、境界の溶解または不溶。輪郭線を引いて、可溶性と不溶性とを分割する可溶性パラメータ−水素結合限界の輪郭を描く。溶解領域内にある「完全な」溶媒を、例えばJ.D. Crowley et al., Journal of Paint Technology, 1966, 38 (496), 296に公開されている文献値から選択することができる。溶媒ブレンドをまた使用してもよく、Solvents, W.H. Ellis, Federation of Societies for Coatings Technology, p. 9-10, 1986に記載されているように特定することができる。ブレンド中に少なくとも1種の真の溶剤を有するのが望ましいが、かかる手順によって、本発明の両方のポリマーを溶解する「非」溶媒のブレンドがもたらされ得る。
【0105】
本発明による化合物およびポリマーをまた、本明細書中に記載したデバイスにおけるパターン化されたOSC層において使用することができる。現代のマイクロエレクトロニクスにおける適用のためには、小さな構造またはパターンを作り出して、コスト(より多くのデバイス/単位面積)および電力消費を低減させることが、一般に望ましい。本発明によるポリマーを含む薄層のパターニングを、例えばフォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィまたはレーザーパターニングによって行うことができる。
【0106】
電子または電気光学デバイス中の薄層として使用するために、本発明の化合物、ポリマー、ポリマーブレンドまたは配合物を、任意の好適な方法によって堆積させてもよい。デバイスの液体コーティングは、真空蒸着技術より望ましい。溶液蒸着法が、特に好ましい。本発明の配合物によって、多数の液体コーティング技術の使用が可能になる。好ましい堆積技術は、限定されずに、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、ノズル印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィ印刷、乾式オフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、カーテンコーティング、ブラシコーティング、スロットダイコーティングまたはパッド印刷を含む。
【0107】
インクジェット印刷は、高分解能の層およびデバイスを製造する必要がある場合、特に好ましい。本発明の選択した配合物を、前作成したデバイス基板に、インクジェット印刷またはマイクロディスペンシングによって適用してもよい。好ましくは、工業的な圧電印字ヘッド、例えば、しかし限定されずにAprion、日立工機、InkJet Technology、On Target Technology、Picojet、Spectra、Trident、Xaarによって供給されるものを使用して、有機半導体層を基板に適用してもよい。加えて、準工業ヘッド、例えばブラザー、エプソン、コニカ、セイコーインスツル、東芝TECによって製造されたもの、または単一ノズルマイクロディスペンサー、例えばMicrodropおよびMicrofabによって製造されたものを、使用してもよい。
【0108】
インクジェット印刷またはマイクロディスペンシングによって適用するために、化合物またはポリマーはまず、好適な溶媒に溶解するべきである。溶媒は、上に述べた要件を満たさなければならず、選択した印字ヘッドに対していかなる有害な効果をも有してはならない。加えて、溶媒は、印字ヘッドの内側での溶液干上がりによって引き起こされる操作性の問題を防止するために、>100℃、好ましくは>140℃およびより好ましくは>150℃の沸点を有していなければならない。上述の溶媒のほかに、好適な溶媒は、置換および非置換キシレン誘導体、ジ−C1〜2アルキルホルムアミド、置換および非置換アニソールおよび他のフェノール−エーテル誘導体、置換複素環式化合物、例えば置換ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジノン、置換および非置換N,N−ジ−C1〜2アルキルアニリンおよび他のフッ素化または塩素化芳香族化合物を含む。
【0109】
本発明による化合物またはポリマーをインクジェット印刷によって堆積させるための好ましい溶媒は、1つ以上の置換基によって置換されたベンゼン環を有し、ここで1つ以上の置換基の中の炭素原子の総数が少なくとも3である、ベンゼン誘導体を含む。例えば、ベンゼン誘導体は、プロピル基または3つのメチル基で置換されていてもよく、いずれの場合においても合計で少なくとも3個の炭素原子が存在する。かかる溶媒によって、噴霧の間、ノズルの詰まりおよび成分の分離を低減するかまたは防止する、化合物またはポリマーを伴う溶媒を含むインクジェット流体を形成することが、可能になる。
【0110】
溶媒(単数、複数)は、例示物の以下のリストから選択されたものを包含してもよい:ドデシルベンゼン、1−メチル−4−tert−ブチルベンゼン、テルピネオール、リモネン、イソズレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼン。溶媒は、2種以上の溶媒の組み合わせである溶媒混合物であり得、各々の溶媒は、好ましくは>100℃、より好ましくは>140℃の沸点を有する。かかる溶媒(単数または複数)はまた、堆積した層における膜形成を促進し、層における欠陥を低減する。
【0111】
インクジェット流体(つまり、溶媒、結合剤および半導体化合物の混合物)は、好ましくは20℃で1〜100mPa・s、より好ましくは1〜50mPa・sおよび最も好ましくは1〜30mPa・sの粘度を有する。
【0112】
本発明によるポリマーブレンドおよび配合物は加えて、例えば表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、反応性または非反応性であり得る希釈剤、補助剤、着色剤、色素または顔料、増感剤、安定剤、ナノ粒子または阻害剤から選択される1種以上のさらなる成分または添加剤を含むことができる。
【0113】
本発明による化合物およびポリマーは、光学的、電気光学的、電子的、エレクトロルミネッセンスまたはフォトルミネッセンスのコンポーネントまたはデバイスにおける、電荷輸送性、半導体性、導電性、光伝導性または発光性の材料として、有用である。これらのデバイスにおいて、本発明のポリマーは典型的には、薄層または膜で適用される。
【0114】
したがって、本発明はまた、電子デバイスにおける、半導体化合物、ポリマー、ポリマーブレンド、配合物または層の使用を提供する。配合物を、さまざまなデバイスおよび装置における高い移動度の半導体材料として使用してもよい。配合物は例えば、半導体層または膜の形態で使用してもよい。
【0115】
したがって、別の側面において本発明は、電子デバイスにおいて使用するための半導体層を提供し、層は、本発明の化合物、ポリマー、ポリマーブレンドまたは配合物を含む。層または膜は、約30ミクロン未満であり得る。さまざまな電子デバイス適用のために、厚さは、約1ミクロン未満厚であり得る。層を、例えば電子デバイスの一部分上に、前述の溶液コーティングまたは印刷技術のいずれにもよって堆積させてもよい。
【0116】
本発明は加えて、本発明による化合物、ポリマー、ポリマーブレンド、配合物または有機半導体層を含む、電子デバイスを提供する。好ましいデバイスは、OFET、TFT、IC、論理回路、キャパシタ、RFIDタグ、OLED、OLET、OPED、OPV、OPD、太陽電池、レーザーダイオード、光伝導体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機メモリーデバイス、センサーデバイス、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止膜、導電性基板および導電性パターンである。特に好ましいデバイスは、OPDである。
【0117】
特に好ましい電子デバイスは、OFET、OLED、OPVデバイスならびにOPDデバイスで、特にバルクヘテロ接合(BHJ)OPVデバイスおよびOPDデバイス、最も好ましくはOPDデバイスである。OFETにおいて、例えば、ドレインとソースとの間の活性半導体チャネルは、本発明の層を含んでもよい。他の例として、OLEDデバイスにおいて、電荷(正孔または電子)注入層または輸送層は、本発明の層を含んでもよい。
【0118】
OPVまたはOPDデバイスにおける使用のために、本発明によるポリマーを、好ましくは、p型(電子供与体)半導体およびn型(電子受容体)半導体を含むかまたは含有し、より好ましくは本質的にそれからなり、非常に好ましくは専らそれからなる、配合物において使用する。p型半導体は、本発明によるポリマーによって構成される。n型半導体は、無機材料、例えば酸化亜鉛(ZnOx)、酸化亜鉛スズ(ZTO)、酸化チタン(TiOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化ニッケル(NiOx)もしくはセレン化カドミウム(CdSe)、または有機物質、例えばグラフェンもしくはフラーレンもしくは置換フラーレン、例えばインデン−C60−フラーレンビス付加体、例えばICBA、または、「PCBM−C60」もしくは「C60PCBM」としても公知であり、例えばG. Yu, J. Gao, J.C. Hummelen, F. Wudl, A.J. Heeger, Science 1995, Vol. 270, p. 1789 ffに開示され、以下に示す構造を有する(6,6)−フェニル−酪酸メチルエステル誘導体化メタノC60フラーレン、または、例えばC61フラーレン基、C70フラーレン基もしくはC71フラーレン基を有する構造的に類似する化合物、または有機ポリマーであり得る(例えば、Coakley, K. M. and McGehee, M. D. Chem. Mater. 2004, 16, 4533を参照)。
【0119】
【化32】
60PCBM
【0120】
好ましくは、本発明によるポリマーを、n型半導体、例えばフラーレンもしくは置換フラーレン、例えばPCBM−C60、PCBM−C70、PCBM−C61、PCBM−C71、ビス−PCBM−C61、ビス−PCBM−C71、ICMA−C60(1’,4’−ジヒドロ−ナフト[2’,3’:1,2][5,6]フラーレン−C60)、ICBA−C60、oQDM−C60(1’,4’−ジヒドロ−ナフト[2’,3’:1,9][5,6]フラーレン−C60−lh)、ビス−oQDM−C60、グラフェン、または金属酸化物、例えばZnO、TiO、ZTO、MoO、NiO、または量子ドット、例えばCdSeもしくはCdSとともにブレンドして、OPVまたはOPDのデバイスにおいて活性層を形成する。デバイスは、好ましくはさらに、第1の透明または半透明電極を活性層の一側の透明または半透明基板上に、および第2の金属性または半透明電極を活性層の他側に含む。
【0121】
さらに好ましくは、OPVまたはOPDデバイスは、例えば金属酸化物、例えばZTO、MoO、NiO、共役ポリマー電解質、例えばPEDOT:PSS、共役ポリマー、例えばポリトリアリールアミン(PTAA)、有機化合物、例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)(1,1’−ビフェニル)−4,4’ジアミン(NPB)、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)などの、材料を含む、正孔輸送層および/もしくは電子遮断層として、また代わりに、例えば金属酸化物、例えばZnO、TiO、塩、例えばLiF、NaF、CsF、共役ポリマー電解質、例えばポリ[3−(6−トリメチルアンモニウムヘキシル)チオフェン]、ポリ(9,9−ビス(2−エチルヘキシル)−フルオレン]−b−ポリ[3−(6−トリメチルアンモニウムヘキシル)チオフェン]、またはポリ[(9,9−ビス(3’−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル)−2,7−フルオレン)−alt−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)]または有機化合物、例えばトリス(8−キノリノラト)−アルミニウム(III)(Alq)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンなどの、材料を含む、正孔遮断層および/もしくは電子輸送層として作用する1つまたは2つ以上の追加の緩衝層を、活性層と第1の、または第2の電極との間に含む。
【0122】
本発明によるポリマーの、フラーレンまたは修飾フラーレンとのブレンドまたは混合物において、比率ポリマー:フラーレンは、好ましくは重量で5:1〜1:5、より好ましくは重量で1:1〜1:3、最も好ましくは重量で1:1〜1:2である。ポリマー結合剤はまた、5〜95重量%含まれていてもよい。結合剤の例は、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)を含む。
【0123】
薄層をBHJ OPVデバイスにおいて生成するために、本発明の化合物、ポリマー、ポリマーブレンドまたは配合物を、任意の好適な方法によって堆積させてもよい。デバイスの液体コーティングが、真空蒸着技術よりも望ましい。溶液蒸着法が、特に好ましい。本発明の配合物によって、多数の液体コーティング技術の使用が可能となる。好ましい堆積技術は、限定されずに、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、ノズル印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィ印刷、乾式オフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、カーテンコーティング、ブラシコーティング、スロットダイコーティングまたはパッド印刷を含む。OPVデバイスおよびモジュールの作成のために、フレキシブルな基板と適合性の領域印刷方法、例えばスロットダイコーティング、スプレーコーティングなどが好ましい。
【0124】
本発明のポリマーのC60もしくはC70フラーレンまたは修飾フラーレン、例えばPCBMとのブレンドまたは混合物を含有する好適な溶液または配合物を製造しなければならない。配合物の製造において、好適な溶媒を選択して、両方の成分、p型およびn型の完全な溶解を確保し、選択した印刷方法によって導入された境界条件(例えばレオロジー特性)を考慮しなければならない。
【0125】
有機溶媒を、一般にこの目的のために使用する。典型的な溶媒は、芳香族溶媒、ハロゲン化溶媒または塩素化溶媒、例えば塩素化芳香族溶媒であり得る。例としては、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、四塩化炭素、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、メシチレンおよびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。


OPVデバイスは、例えば文献(例えばWaldauf et al., Appl. Phys. Lett., 2006, 89, 233517を参照)から知られている任意のタイプであり得る。
【0126】
本発明による第1の好ましいOPVデバイスは、以下の層を含む(底部からトップへの順序で):
− 任意に、基板、
− 高い仕事関数の電極、これは好ましくは金属酸化物、例えばITOを含み、アノードとしての役割をする、
− 任意の導電性ポリマー層または正孔輸送層、これは好ましくは有機ポリマーまたはポリマーブレンド、例えばPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレン−スルホネート)、またはTBD(N,N’−ジフェニル−N−N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’ビフェニル−4,4’−ジアミン)またはNBD(N,N’−ジフェニル−N−N’−ビス(1−ナフチルフェニル)−1,1’ビフェニル−4,4’−ジアミン)を含む、
【0127】
− 「活性層」とも称される、層、これは、例えばp型/n型二重層として、または別個のp型およびn型層として、またはブレンドもしくはp型およびn型半導体として存在することができる、p型およびn型有機半導体を含み、BHJを形成する、
− 任意に、電子伝達特性を有する層、これは例えばLiFを含む、
− 低い仕事関数の電極、これは好ましくは金属、例えばアルミニウムを含み、カソードとしての役割をする、
ここで、電極の少なくとも一方、好ましくはアノードが、可視光に対して透過性であり、および
ここで、p型半導体は、本発明によるポリマーである。
【0128】
本発明による第2の好ましいOPVデバイスは、逆転OPVデバイスであり、以下の層を含む(底部からトップへの順序で):
− 任意に、基板、
− 高い仕事関数の金属または金属酸化物電極、これは例えばITOを含み、カソードとしての役割をする、
− 正孔遮断特性を有する層、これは好ましくは金属酸化物、例えばTiOまたはZnを含む、
【0129】
− p型およびn型有機半導体を含む活性層、これは、例えば、p型/n型二重層として、または別個のp型およびn型の層として、またはブレンドまたはp型およびn型半導体として存在することができる、電極間に位置して、BHJを形成する、
− 任意の導電性ポリマー層または正孔輸送層、これは好ましくは、有機ポリマーまたはポリマーブレンド、例えばPEDOT:PSSまたはTBDまたはNBDを含む、
− 高い仕事関数の金属、例えば銀を含む電極、これはアノードとしての役割をする、
ここで、電極の少なくとも一方、好ましくはカソードが、可視光に対して透過性であり、および
ここで、p型半導体は、本発明によるポリマーである。
【0130】
本発明のOPVデバイスにおいて、p型およびn型半導体材料は好ましくは、上に記載した、例えばポリマー/フラーレン系のような材料から選択する。
【0131】
活性層を基板上に堆積させる場合、それは、相がナノスケールレベルで分離するBHJを形成する。ナノスケール相分離に関する議論に関しては、Dennler et al, Proceedings of the IEEE, 2005, 93 (8), 1429またはHoppe et al, Adv. Func. Mater, 2004, 14(10), 1005を参照されたい。次に任意のアニーリングステップが、ブレンド形態およびひいてはOPVデバイス性能を最適化するために必要であり得る。
【0132】
デバイス性能を最適化するための他の方法は、相分離を正しい様式で促進するための高沸点添加剤を含んでいてもよい、OPV(BHJ)デバイスの作成のための配合物を調製することである。1,8−オクタンジチオール、1,8−ジヨードオクタン、ニトロベンゼン、クロロナフタレンおよび他の添加剤を使用して、高効率の太陽電池を得た。例は、J. Peet, et al, Nat. Mater., 2007, 6, 497またはFrechet et al. J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 7595-7597に開示されている。
【0133】
本発明の化合物、ポリマー、配合物および層はまた、OFETにおいて半導体チャネルとして使用するのに好適である。したがって、本発明はまた、ゲート電極、絶縁(またはゲート絶縁体)層、ソース電極、ドレイン電極およびソースとドレイン電極とを接続する有機半導体チャネルを含むOFETを提供し、ここで有機半導体チャネルは、本発明の化合物、ポリマー、ポリマーブレンド、配合物または有機半導体層を含む。OFETの他の特徴は、当業者に周知である。
【0134】
OSC材料がゲート誘電体とドレインおよびソース電極との間の薄膜として配置されているOFETは、一般に知られており、例えばUS 5,892,244、US 5,998,804、US 6,723,394に、および背景技術セクションにおいて引用した参考文献に記載されている。利点、例えば、本発明の化合物の可溶性特性およびひいては大きい表面の加工性を使用する低コスト製造により、これらのFETの好ましい適用は、例えば集積回路工学、TFTディスプレイおよびセキュリティ適用である。
【0135】
OFETデバイスにおけるゲート、ソースおよびドレイン電極ならびに絶縁層および半導体層を、ソースおよびドレイン電極がゲート電極から絶縁層によって分離され、ゲート電極および半導体層が共に絶縁層と接触し、ソース電極およびドレイン電極が共に半導体層と接触している場合には、任意の順序で配置してもよい。
【0136】
本発明によるOFETデバイスは好ましくは、以下のものを含む:
− ソース電極、
− ドレイン電極、
− ゲート電極、
− 半導体層、
− 1つまたは2つ以上のゲート絶縁体層、および、
− 任意に基板、
ここで、半導体層は、好ましくは、本明細書中に記載される化合物、ポリマー、ポリマーブレンドまたは配合物を含む。
【0137】
OFETデバイスは、トップゲートデバイスまたはボトムゲートデバイスであり得る。OFETデバイスの好適な構造および製造方法は、当業者に公知であり、文献、例えばUS 2007/0102696 A1に記載されている。
【0138】
ゲート絶縁体層は、好ましくはフッ素重合体、例えば商業的に入手可能なCytop 809M(登録商標)またはCytop 107M(登録商標)(旭硝子から)を含む。好ましくは、ゲート絶縁体層を、例えば、スピンコーティング、ドクターブレーディング、ワイヤバーコーティング、スプレーもしくは浸漬コーティングまたは他の公知の方法によって、絶縁体材料および1個または2個以上のフッ素原子を有する1種または2種以上の溶媒(フルオロ溶媒)、好ましくはパーフルオロ溶媒を含む配合物から堆積させる。好適なパーフルオロ溶媒は、例えばFC75(登録商標)(Acrosから入手可能、カタログ番号12380)である。
【0139】
他の好適なフッ素化ポリマーおよびフルオロ溶媒は、先行技術において知られており、例えばパーフルオロポリマーTeflon AF(登録商標)1600もしくは2400(DuPontから)またはFluoropel(登録商標)(Cytonixから)またはパーフルオロ溶媒FC 43(登録商標)(Acros、No. 12377)である。特に好ましいのは、例えばUS 2007/0102696 A1またはUS 7,095,044に開示されているように、1.0〜5.0、非常に好ましくは1.8〜4.0の低い誘電率(または誘電定数)を有する有機誘電体材料(「Low k材料」)が、特に好ましい。
【0140】
セキュリティ適用において、本発明による半導体材料を有するOFETおよび他のデバイス、例えばトランジスタまたはダイオードを、有価文書、例えば紙幣、クレジットカードまたはIDカード、国家のID文書、ライセンスまたは金銭価値を有するあらゆる製品、例えば切手、チケット、株券、小切手などを認証し、偽造を防止するための、RFIDタグまたはセキュリティ・マーキングのために使用することができる。
【0141】
代わりに、本発明の材料を、OLEDにおいて、例えばフラットパネルディスプレイ適用におけるディスプレイ活性材料として、またはフラットパネルディスプレイ、例えば液晶ディスプレイのバックライトとして使用することができる。一般的なOLEDは、多層構造を使用して実現される。発光層は、一般に1つまたは2つ以上の電子輸送および/または正孔輸送層の間にはさまれる。電圧を印加することによって、電荷担体としての電子および正孔は、発光層の方向に移動し、ここでそれらの再結合によって、発光層中に含まれるルモファユニットの励起およびしたがってルミネセンスがもたらされる。
【0142】
本発明の化合物、材料および膜を、それらの電気的および/または光学的特性に対応して、電荷輸送層の1つもしくは2つ以上において、および/または発光層において使用してもよい。さらに、本発明の化合物、材料および膜がエレクトロルミネセント特性自体を示すか、またはエレクトロルミネセント基もしくは化合物を含む場合には、発光層内でのそれらの使用は、特に有利である。OLEDにおいて使用するための好適なモノマー、オリゴマーおよびポリマー化合物または材料の選択、特徴づけおよび加工は、当業者に一般に知られている。例えばMueller et al, Synth. Metals, 2000, 111-112, 31-34, Alcala, J. Appl. Phys., 2000, 88, 7124-7128およびその中に引用されている文献を参照。
【0143】
別の使用において、本発明の材料、特にフォトルミネッセンス特性を示すものを、EP 0 889 350 A1において、またはC. Weder et al., Science, 1998, 279, 835-837によって記載されているように、例えばディスプレイデバイスにおいて光源の材料として使用してもよい。

本発明のさらなる側面は、本発明の化合物の酸化された、および還元された形態の両方に関する。電子の損失または獲得のいずれかの結果、高度に非局在化したイオン形態の生成がもたらされ、それは高い伝導性を有する。これは、一般的なドーパントへの露出の際に生じ得る。ドーピングの好適なドーパントおよび方法は、例えばEP 0 528 662、US 5,198,153またはWO 96/21659から当業者に知られている。
【0144】
ドーピングプロセスは、典型的には、非局在化したイオン中心を材料中に生成するためのレドックス反応における酸化剤または還元剤での半導体の処理の意味を含み、対応する対イオンは、適用したドーパントから誘導される。好適なドーピング方法は、例えばドーピング蒸気への、大気圧における、または減圧での曝露、ドーパントを含む溶液中での電気化学的ドーピング、ドーパントを熱的に拡散させるべき半導体と接触させること、およびドーパントの半導体材料中へのイオン注入を含む。
【0145】
電子を担体として使用する場合、好適なドーパントは、例えばハロゲン(例えばI、Cl、Br、ICl、ICl、IBrおよびIF)、ルイス酸(例えばPF、AsF、SbF、BF、BCl、SbCl、BBrおよびSO)、プロトン酸、有機酸またはアミノ酸(例えばHF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOHおよびClSOH)、遷移金属化合物(例えばFeCl、FeOCl、Fe(ClO、Fe(4−CHSO、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UFおよびLnCl(ここでLnはランタノイドである)、アニオン(例えばCl、Br、I、I3−、HSO、SO2−、NO、ClO、BF、PF、AsF、SbF、FeCl、Fe(CN)3−、および様々なスルホン酸のアニオン、例えばアリール−SO)である。正孔を担体として使用する場合、ドーパントの例は、カチオン(例えばH、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ金属(例えばLi、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ土類金属(例えばCa、SrおよびBa)、O、XeOF、(NO)(SbF)、(NO)(SbCl)、(NO)(BF)、AgClO、HIrCl、La(NO・6HO、FSOOOSOF、Eu、アセチルコリン、R(Rはアルキル基である)、R(Rはアルキル基である)、RAs(Rはアルキル基である)、およびR(Rはアルキル基である)である。
【0146】
本発明の化合物の伝導性形態を、OLED適用における電荷注入層およびITO平坦化層、フラットパネルディスプレイおよびタッチスクリーンのための膜、帯電防止膜、印刷された伝導性基板、電子的用途におけるパターンまたは回路、例えば印刷回路板およびコンデンサを含むがそれらには限定されない適用において、有機「金属」として使用することができる。
【0147】
本発明の化合物および配合物はまた、例えばKoller et al., Nat. Photonics, 2008, 2, 684に記載されているように、有機プラスモン放射ダイオード(OPED)において使用するのに好適であり得る。
【0148】
別の使用において、本発明の材料を、例えばUS 2003/0021913に記載されているように、LCDまたはOLEDデバイスにおける整列層中で、または整列層として単独で、または他の材料と一緒に使用することができる。本発明の電荷輸送化合物の使用によって、整列層の電気伝導性が増大し得る。LCDにおいて使用する場合、この増大した電気伝導性によって、切換可能なLCDセルにおける悪影響の残留dc効果が低減され、画像固着(image sticking)が抑制され、または、例えば強誘電体LCDにおいて、強誘電体LCの自発的な分極電荷の切換によって生じた残留電荷が低減し得る。
【0149】
整列層の上に提供される発光材料を含むOLEDデバイスにおいて使用する場合、この増大した電気伝導性によって、発光材料のエレクトロルミネセンスが増強され得る。メソゲン性または液晶特性を有する本発明の化合物または材料は、上に記載した配向した異方性膜を形成することができ、それは、前記異方性膜上に提供される液晶媒体中の整列を引き起こすかまたは増強するための整列層として特に有用である。本発明の材料をまた、US 2003/0021913 A1に記載されているように、光配向層中で、または光配向層として使用するための光異性化可能な化合物および/または発色団と組み合わせてもよい。
【0150】
別の使用において、本発明の材料、特にそれらの水溶性誘導体(例えば極性もしくはイオン性側基を有する)またはイオン的にドープした形態を、DNA塩基配列を検出し、識別するための化学センサーまたは材料として使用することができる。かかる使用は、例えばL. Chen, D. W. McBranch, H. Wang, R. Helgeson, F. Wudl and D. G. Whitten, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1999, 96, 12287;D. Wang, X. Gong, P. S. Heeger, F. Rininsland, G. C. Bazan and A. J. Heeger, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2002, 99, 49;N. DiCesare, M. R. Pinot, K. S. Schanze and J. R. Lakowicz, Langmuir, 2002, 18, 7785;D. T. McQuade, A. E. Pullen, T. M. Swager, Chem. Rev., 2000, 100, 2537に記載されている。
【0151】
文脈が他に明確に示さない限り、本明細書中で使用する、本明細書中の用語の複数形は、単数形を含むものと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
【0152】
この明細書の記載および特許請求の範囲の全体にわたって、語「含む(comprise)」および「含む(contain)」ならびに当該語の変化形、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがそれらには限定されない」を意味し、他の成分を除外することを意図しない(かつ除外しない)。
【0153】
本発明の前記の態様に対する変化を作ることができ、一方尚本発明の範囲内にあることが、認識されるであろう。この明細書中に開示した各々の特徴は、他に述べない限り、同一の、均等の、または同様の目的を果たす代替の特徴によって置き換えられてもよい。したがって、他に述べない限り、開示した各々の特徴は、総括的な一連の均等の、または同様の特徴の1つの例であるに過ぎない。
【0154】
この明細書中に開示したすべての特徴を、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いてあらゆる組み合わせで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての側面に適用可能であり、あらゆる組み合わせで使用され得る。同様に、必須ではない組み合わせで記載した特徴を、別々に(組み合わせでではなく)使用してもよい。
【0155】
本明細書中で、他に述べない限り、百分率は重量によるパーセントであり、温度を摂氏度で示す。誘電定数ε(「誘電率」)の値は、20℃および1,000Hzで得られた値を指す。
【0156】

例1
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(88.5mg、0.300mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス−トリメチルスタンナニル‐7H−3,4−ジチア‐7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(111.7mg、0.150mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(118.3mg、0.150mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(30.1mg、0.099mmol)の混合物に、脱気トルエン(6.4cm)を加えた。得られた混合物をさらに30分間脱気し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(19.0mg、0.027mmol)を添加した。得られた混合物をその後予備加熱油浴中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.006cm)をその後加え、110℃で30分間撹拌した。フェニルトリブチル錫(0.03cm)をその後加え、混合物を110℃で60分間撹拌した。
【0157】
反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中へ注入した。その後固体を濾過により集めて、アセトン(50cm)で洗浄した。粗ポリマーをアセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、クロロホルム、ならびにクロロベンゼンでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロベンゼン抽出物は、メタノール(500cm)に注ぎ入れ、ポリマー沈殿物を濾過によって集め、ポリマー1(62mg、36%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=36,900g/mol、M=359,000g/mol
【0158】
例2
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(147.5mg、0.500mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス−トリメチルスタンナニル‐7H−3,4−ジチア‐7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(279.1mg、0.375mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(98.6mg、0.125mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(50.2mg、0.165mmol)の混合物に、脱気トルエン(10.6cm)を加えた。得られた混合物をさらに30分間脱気し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(31.7mg、0.045mmol)を添加した。得られた混合物をその後予備加熱油浴中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.006cm)をその後加え、混合物を110℃で30分間撹拌した。
【0159】
フェニルトリブチル錫(0.03cm)をその後加え、混合物を110℃で60分間撹拌した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン(50cm)で洗浄した。粗ポリマーをアセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(300cm)に注ぎ入れ、ポリマー沈殿物を濾過によって集め、ポリマー2(224mg、79%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=13,300g/mol、M=77,300g/mol
【0160】
例3
7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(597.4mg、0.757mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス−トリメチルスタンナニル‐7H−3,4−ジチア‐7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(205.4mg、0.276mmol)、4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(142.2mg、0.258mmol)ならびにトリ−o−トリルホスフィン(50.2mg、0.17mmol)の混合物に、脱気無水トルエンを加え(18cm)、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(31.7mg、0.05mmol)を添加し、その後予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)をその後加え、110℃で30分間撹拌した。
【0161】
フェニルトリブチル錫(0.05cm)をその後加え、混合物を110℃で30分間撹拌した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(100cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(300cm)に注ぎ、ポリマー沈殿物を濾過によって集め、ポリマー3(371mg、56%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=21,000g/mol、M=40,000g/mol
【0162】
例4
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(149.4mg、0.507mmol)、1,1’−[4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(4−ヘキサデシルフェニル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−2,7−ジイル]ビス[1,1,1−トリメチル−スタンナン](227.2mg、0.127mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(299.7mg、0.380mmol)、およびトリ−o−トリルホスフィン(51mg、0.17mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(10.7cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(32.1mg、0.05mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間撹拌した。フェニルトリブチル錫(0.01cm)を添加し、反応混合物を110℃で30分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(100cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(400cm)に注ぎ入れ、固体を濾過によって集め、ポリマー4(351mg、83%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=35,000g/mol、M=82,000g/mol
【0163】
例5
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(151.4mg、0.513mmol)、1,1’−[6,6,12,12−テトラキス(4−ヘキサデシルフェニル)−6,12−ジヒドロジチエノ[2,3−d:2’,3’−d’]−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−2,8−ジイル]ビス[1,1,1−トリメチル−スタンナン](244.6mg、0.128mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(303.7mg、0.385mmol)、およびトリ−o−トリルホスフィン(51.6mg、0.17mmol)の混合物に、脱気無水トルエ(10.9cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(32.5mg、0.05mmol)をその後加えて、混合物を110℃で予備加熱ブロック中で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)をその後加えて、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.05cm)の添加を続けた。
【0164】
反応混合物を110℃で30分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(100cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(400cm)に注ぎ入れ、固体を濾過によって集め、ポリマー5(400mg、90%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=28,000g/mol、M=88,000g/mol
【0165】
例6
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(141.6 mg、0.480mmol)、4−(2−エチル−ヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−ジチエノ[3,2−b;2’,3’−d]ピロール(59.3mg、0.096mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(303.0mg、0.384mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(48mg、0.16mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(10.2cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(30.4mg、0.04mmol)をその後加え、混合物を110℃で予備加熱ブロック中30分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(50cm)中へ注入した。固体を濾過によって集め、ポリマー6(240mg、88%)を黒色固体として得た。
【0166】
例7
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(147.5mg、0.500mmol)、4,4−ビス−(2−エチル−ヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン(182.1mg、0.250mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(197.2mg、0.250mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(50mg、0.17mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(10.6cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(31.7mg、0.05mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.05cm)の添加が続いた。
【0167】
反応混合物を110℃で60分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(500cm)中へ注ぎ、アセトン(50cm)で洗浄した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(500cm)に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー7(241mg、85%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=30,100g/mol、M=99,100g/mol
【0168】
例8
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(147.5mg、0.500mmol)、4,4−ビス−(2−エチル−ヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン(182.1mg、0.250mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(186.1mg、0.250mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(50mg、0.17mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(10.6cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(31.7mg、0.05mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.05cm)の添加が続いた。
【0169】
反応混合物を110℃で60分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(500cm)中へ注ぎ、アセトン(50cm)で洗浄した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、撹拌メタノール(500cm)中に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー8(217mg、80%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=12,400g/mol、M=34,700g/mol
【0170】
例9
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(190.6mg、0.646mmol)、1,1’−[6,6,12,12−テトラキス(4−ヘキサデシルフェニル)−6,12−ジヒドロジチエノ[2,3−d:2’,3’−d’]−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−2,8−ジイル]ビス[1,1,1−トリメチル−スタンナン](246.4mg、0.129mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(185.6mg、0.249mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(211.2mg、0.268mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(25mg、0.08mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(13cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(15.8mg、0.02mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.05cm)の添加が続いた。
【0171】
反応混合物を110℃で30分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(100cm)中へ注いだ。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、撹拌メタノール(400cm)中に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー9(458mg、88%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=22,000g/mol、M=41,000g/mol
【0172】
例10
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(152.1mg、0.516mmol)、4,4−ビス−(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン(125.4mg、0.172mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(124.9mg、0.168mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(138.6mg、0.176mmol)およびトリ−O−トリルホスフィン(25mg、0.08mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(10cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。
【0173】
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(15.8mg、0.02mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.05cm)の添加が続いた。反応混合物をその後110℃で30分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(100cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムでそれぞれ連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(300cm)に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー10(201mg、69%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃):M=26,000g/mol、M=63,000g/mol
【0174】
例11
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(126.5mg、0.429mmol)、4−(2−エチル‐ヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−ジチエノ[3,2−b;2’,3’−d]ピロール(106.2mg、0.172mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(192.1mg、0.257mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(0)(27.2mg、0.04mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(13.6cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(27.2mg、0.04mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で2時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.04cm)の添加が続いた。反応混合物をその後110℃で60分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン(50cm)で洗浄し、ポリマー11(184mg、86%)を黒色固体として得た。
【0175】
例12
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(300.1mg、1.018mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(501.7mg、0.636mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(473.4mg、0.636mmol)、2,5−ジブロモチオフェン(61.5mg、0.254mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(64mg、0.21mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(10.1cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(40.3mg、0.06mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。
【0176】
臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.06cm)の添加が続いた。反応混合物をその後110℃で60分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中へ注入した。固体を濾過により集めて、アセトン(50cm)で洗浄した。固体をアセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムの連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、撹拌メタノール(500cm)中に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー12(565mg、78%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃)Mn=21,000g/mol、Mw=84,000g/mol)。
【0177】
例13
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(122.4mg、0.415mmol)、4,4−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン(75.6mg、0.104mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(231.7mg、0.311mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(42mg、0.14mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(4.4cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(26.3mg、0.04mmol)をその後加えて、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.01cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.05cm)の添加が続いた。
【0178】
反応混合物をその後110℃で60分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(500cm)中へ注ぎ、アセトン(50cm)で洗浄した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、ならびにクロロホルムの連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、撹拌メタノール(300cm)中に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー13(197mg、86%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃)Mn=22,000g/mol、Mw=68,000g/mol)。
【0179】
例14
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(530.9mg、1.800mmol)、7,7−ビス−(3,7−ジメチル−オクチル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ−シクロペンタ[a]ペンタレン(360.2mg、0.450mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(669.9mg、0.900mmol)、7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(355.0mg、0.450mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(181mg、0.59mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(38.1cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデアセトン)ジパラジウム(0)(114mg、0.16mmol)をその後加え、混合物をその後予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.04cm)を加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.18cm)の添加が続いた。
【0180】
反応混合物をその後110℃でさらに60分間加熱した。反応混合物をわずかに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中へ注ぎ、アセトン(50cm)で洗浄した。固体を濾過により集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサンならびにクロロホルムの連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(300cm)に注ぎ、固体を濾過によって集め、ポリマー14(892mg、79%)を黒色固体として得た。
GPC(クロロベンゼン、50℃)Mn=15,900g/mol、Mw=107,200g/mol)。
【0181】
比較例1(ポリマー15)
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(102.6mg、0.348mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−ゲルマ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(274.5mg、0.348mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(35.0mg、0.115mmol)の混合物に、脱気トルエン(7.4cm)を加えた。得られた混合物は、さらに30分間脱気し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(22.0mg、0.031mmol)を添加した。得られた混合物をその後予備加熱油浴中110℃で17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.007cm)をその後加え、混合物を110℃で30分間撹拌した。フェニルトリブチル錫(0.03cm)をその後加え、混合物を110℃で60分間撹拌した。反応混合物は、僅かに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中に注いだ。
【0182】
固体を濾過によって集めて、アセトン(50cm)で洗浄した。粗ポリマーは、それぞれアセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサンおよびクロロホルムで連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(500cm)中へ注ぎ、ポリマー沈殿を濾過によって集め、ポリマー15を黒色固体として得た(111mg、53%)。
GPC(クロロベンゼン、50℃)Mn=13,500g/mol、Mw=42,400g/mol)。
【0183】
比較例2(ポリマー16)
4,7−ジブロモ−[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジン(102.6mg、0.348mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(259.1mg、0.348mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(35.0mg、0.12mmol)の混合物に、脱気トルエン(7.4cm)を加えた。得られた混合物をさらに30分間脱気し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(22.0mg、0.031mmol)を添加した。得られた混合物を110℃で予備加熱油浴中17時間加熱した。臭化ベンゼン(0.007cm)をその後加え、混合物を110℃で30分間撹拌した。フェニルトリブチル錫(0.03cm)をその後加え、混合物を110℃で60分間撹拌した。
【0184】
反応混合物は、僅かに冷却し、撹拌したメタノール(300cm)中に注いだ。固体を濾過によって集めて、アセトン(50cm3)で洗浄した。粗ポリマーは、それぞれアセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサン、クロロホルムおよびクロロベンゼンで連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロベンゼン抽出物は、メタノール(500cm)中へ注ぎ、ポリマー沈殿を濾過によって集め、ポリマー16を黒色固体として得た(80mg、42%)。
GPC(クロロベンゼン、50℃)Mn=36,100g/mol、Mw=182,500g/mol)。
【0185】
比較例3(ポリマー17)
4,7−ジブロモ−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾロ(176.4mg、0.600mmol)、4,4−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,6−ビス‐トリメチルスタンナニル−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン(218.5mg、0.300mmol)、7,7−ビス−(2−エチル‐ヘキシル)−2,5−ビス‐トリメチルスタンナニル−7H−3,4−ジチア−7−シラ‐シクロペンタ[a]ペンタレン(223.3mg、0.300mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(30mg、0.10mmol)の混合物に、脱気無水トルエン(3.2cm)を加え、反応混合物をさらに30分間脱気した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(19.0mg、0.03mmol)をその後加え、混合物を予備加熱ブロック中110℃で17時間加熱した。
【0186】
臭化ベンゼン(0.02cm)をその後加え、混合物を110℃で30分間撹拌し、フェニルトリブチル錫(0.07cm)の添加が続いた。反応混合物を110℃で60分間撹拌した。反応混合物は、僅かに冷却し、撹拌したメタノール(300cm3)中に注ぎ、アセトン(50cm)で洗浄した。固体を濾過によって集めて、アセトン、40〜60ガソリン、80〜100ガソリン、シクロヘキサンおよびクロロホルムで連続ソックスレー抽出器にかけた。クロロホルム抽出物は、メタノール(500cm)中へ注ぎ、ポリマー沈殿を濾過によって集め、ポリマー17を黒色固体として得た(216mg、66%)。
GPC(クロロベンゼン、50℃)Mn=23,700g/mol、Mw=59,700g/mol)。
【0187】
例15 − バルクヘテロ接合有機光検出器(OPD)
デバイスは、ボトム電極を提供すべく、5mm直径の6つの予備パターン化されたITOドットを有するガラス基板の上に組み立てられた。Decon90溶液中での超音波処理の標準プロセス(30分)を用いてITO基板を洗浄し、続いて脱イオン水(x3)での洗浄および脱イオン水中での超音波処理(30分間)を行った。ZnO ETL層は、ZnOナノ粒子分散液を基板上にスピンコートによって堆積させ、100℃〜140℃の温度で10分間ホットプレート上で乾燥させた。ポリマーおよび[6,6]−フェニル−C71−酪酸メチルエステル(PCBM[C70])の配合物を、濃度20mg/mlの1,2−ジクロロベンゼン中で1:1.5の比で調製し、60℃で17時間撹拌した。次いで、配合物を0.2μmのPTFEフィルターで濾過し、配合物を使用して活性層を被覆した。
【0188】
活性層は、ステージ温度を70℃に設定し、ブレードギャップを2〜15μmに設定し、速度を2〜8m/分に設定し、最終的な乾燥フィルムの厚さを約500nmの目標にして、ブレードコーティング(RKのK101 Control Coater System)を用いて堆積させた。コーティング後、活性層を100℃で10分間アニールした。 MoO3 HTL層は、15nmの厚さを目標として、MoOペレットからの電子ビーム真空蒸着によって、1A/秒の速度で堆積させた。最終的に、トップ銀電極がシャドーマスクを介して熱蒸発によって堆積され、40〜80nmのAg厚みを達成した。
【0189】
J−Vカーブが、ケースレー4200システムを使用して、光源として0.5mW/cmの電力で580nmのLEDを用いて、+5〜−5のバイアスで明暗条件下で測定された。
【0190】
OPDデバイスのEQEは、LOT-QuantumDesign Europe社の外部量子効率測定システムを使用して、−2Vバイアス下、400〜1100nmで特徴づけされた。
【0191】
ポリマー1と16を含むOPDデバイスに対する典型的なJ−Vカーブが、それぞれ図1および2に示され、同じポリマーに対するEQEスペクトルが図3に示されている。
【0192】
850nmでのポリマー1、13、16および17に対するEQE測定の結果が表2に与えられている。
【0193】
【表2】
【0194】
実験データは、本ポリマーが優れたEQE、および有機電子デバイスの製造に一般的に使用される溶媒における驚くほど良好な溶解度によって特徴付けされることを明確に示している。したがって、本ポリマーは、特に有機電子デバイスの印刷方法による、特に有機光検出器の大規模製造に極めて好適であると考えられる。
図1
図2
図3