特許第6866946号(P6866946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6866946プラガブル光モジュール、光トランシーバ及び光伝送システムの設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6866946
(24)【登録日】2021年4月12日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】プラガブル光モジュール、光トランシーバ及び光伝送システムの設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/50 20130101AFI20210419BHJP
   H04B 10/077 20130101ALI20210419BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   H04B10/50
   H04B10/077 190
   G02F1/01 B
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-67513(P2020-67513)
(22)【出願日】2020年4月3日
(62)【分割の表示】特願2018-557526(P2018-557526)の分割
【原出願日】2017年8月1日
(65)【公開番号】特開2020-110014(P2020-110014A)
(43)【公開日】2020年7月16日
【審査請求日】2020年4月3日
(31)【優先権主張番号】特願2016-245410(P2016-245410)
(32)【優先日】2016年12月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】油谷 勝広
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−171363(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/139886(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0012709(US,A1)
【文献】 Implementation Agreement for CFP2-Analogue Coherent Optics Module, IA # OIF-CFP2-ACO-01.0 [online],Optical Internetworking Forum,2016年 1月22日,[令和3年2月26日検索], インターネット <URL:https://www.oiforum.com/wp-content/uploads/2019/01/OIF-CFP2-ACO-01.0.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/50
H04B 10/40
H04B 10/60
H04B 10/077
G02F 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送装置に対して挿抜可能に構成されるプラガブル電気コネクタと、
データ信号に基づいて変調される光信号を出力する光変調器と、
前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記光伝送装置が設定処理を開始するためのトリガとなるドライバ信号をさらに出力し、
前記ドライバ信号は、
前記光変調器の変調動作を前記光伝送装置に監視させ、
監視結果に基づいて、前記光伝送装置から入力される前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の出力処理、の一方又は両方を前記光伝送装置に行わせる、
プラガブル光モジュール。
【請求項2】
前記制御部は、前記制御信号を受け取った場合、前記制御信号に基づいて前記光変調器の変調動作を制御する、
請求項1に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項3】
前記プラガブル電気コネクタは、前記光伝送装置との間で双方向通信が可能である、
請求項1又は2に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項4】
前記制御部は、前記光変調器から前記変調動作の状態を示す動作情報を受け取り、前記動作情報又は前記動作情報に基づいた動作信号を前記光伝送装置に出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項5】
前記動作信号は、前記光変調器から出力される光信号の信号品質に関する情報をさらに含む、
請求項4に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項6】
前記制御部は、前記プラガブル電気コネクタが前記光伝送装置に挿入された場合、前記ドライバ信号を出力する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項7】
前記制御部は、前記光伝送装置の運用中において前記光変調器の変調方式が切り替わった場合、前記ドライバ信号を出力する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項8】
外部から入力される光信号を受信する光受信部をさらに備え、
前記光受信部は、入力される前記光信号を複数チャネルの電気信号に変換し、
変換された前記電気信号は、前記プラガブル電気コネクタから前記光伝送装置に出力される、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプラガブル光モジュールを含み、
DSP(Digital Signal Processor)をさらに備え、
前記プラガブル光モジュールに関する前記光伝送装置が行う信号処理を前記DSPが行う、
光トランシーバ。
【請求項10】
光伝送装置に対して挿抜可能に構成されるプラガブル電気コネクタと、データ信号に基づいて変調される光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有するプラガブル光モジュールの前記制御部から、前記光伝送装置が設定処理を開始するためのトリガとなるドライバ信号を出力して、
前記光変調器の変調動作を前記光伝送装置に監視させ、
監視結果に基づいて、前記光伝送装置から入力される前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の出力処理、の一方又は両方を前記光伝送装置に行わせる、
光伝送システムの設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラガブル光モジュール、光トランシーバ及び光伝送システムの設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送システムを用いたデータ通信では、光伝送路を介して伝送されるデータ量の増加が一層進展している。これを実現できる技術の一つに、多値変調によって波長多重伝送時の周波数利用効率を増大させる技術がある。
【0003】
近年、多値変調方式の光伝送システムにおいては、デジタルコヒーレント通信の導入が進んでいる。また、デジタルコヒーレント通信に供する装置のローエンド化、低コスト化が進む中で、光トランシーバをプラガブル光モジュールとして構成する光伝送システムの導入が進展している(例えば、特許文献1)。
【0004】
デジタルコヒーレント通信では、伝送信号の変調処理及び復調処理を行うデジタル信号処理装置とデジタルコヒーレントプラガブル光モジュール(光トランシーバ)とがキー部品として用いられる。デジタル信号処理装置は伝送信号処理を行い、デジタルコヒーレントプラガブル光モジュールに対して高速アナログ信号を入出力する。デジタルコヒーレントプラガブル光モジュールは、光信号を電気信号に変換し、又は、電気信号を光信号に変換する機能を有する。この構成では、デジタル信号処理装置は、デジタルコヒーレントプラガブル光モジュールが挿抜可能に構成された光伝送装置に搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−25497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルコヒーレント通信においては、光伝送装置は、デジタル信号処理装置と光トランシーバとの間で伝達される電気信号や、光トランシーバが送出する光信号の劣化を防止して所望の伝送特性を実現できるように、それぞれに設定するパラメータを最適化した上で、光トランシーバと光伝送装置とを相互接続する必要がある。
【0007】
また、一般に、デジタル信号処理装置とプラガブル光モジュールとの相性や、デジタル信号処理装置及びプラガブル光モジュールの個体差のために、光伝送システムの運用を開始する前に、デジタル信号処理装置及びプラガブル光モジュールの設定処理を行わなければならない。
【0008】
例えば、プラガブル光モジュールを用いない、デジタル信号処理装置と光トランシーバなどの光部品を同じ光伝送装置に搭載する構成では、光伝送装置の設計管理を適切に行うことで、上記のパラメータの最適化や設定処理を行うことができた。
【0009】
しかし、上述したように、光トランシーバをプラガブル光モジュールとして構成するシステムにおいては、プラガブル光モジュール及び光伝送装置のパラメータの最適化及び設定処理を別個に行う必要が有る。また、運用コスト削減やマルチベンダ採用の観点から、デジタル信号処理装置とプラガブル光モジュールとを複数ベンダから調達してシステムを構築する傾向が進んでおり、多くの装置ベンダやシステムのユーザにとって、デジタル信号処理装置とプラガブル光モジュールとの間の整合をとることに困難が生じている。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、プラガブル光モジュールと光伝送装置との間の整合性を簡易な構成にて確立することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様であるプラガブル光モジュールは、光伝送装置に対して挿抜可能に構成されるプラガブル電気コネクタと、データ信号に基づいて変調される光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記光伝送装置が設定処理を開始するためのトリガとなるドライバ信号をさらに出力し、前記ドライバ信号は、前記光変調器の変調動作を前記光伝送装置に監視させ、監視結果に基づいて、前記光伝送装置から入力される前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の出力処理、の一方又は両方を前記光伝送装置に行わせるものである。
【0012】
本発明の一態様である光伝送システムの設定方法は、光伝送装置に対して挿抜可能に構成されるプラガブル電気コネクタと、データ信号に基づいて変調される光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有するプラガブル光モジュールの前記制御部から、前記光伝送装置が設定処理を開始するためのトリガとなるドライバ信号を出力して、前記光変調器の変調動作を前記光伝送装置に監視させ、監視結果に基づいて、前記光伝送装置から入力される前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の出力処理、の一方又は両方を前記光伝送装置に行わせるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プラガブル光モジュールと光伝送装置との間の整合性を簡易な構成にて確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100の構成を模式的に示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100が搭載される光伝送システム1000の要部構成例を示すブロック図である。
図3】実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100を光ファイバ21側から見た場合の斜視図である。
図4】実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100を光伝送装置10側から見た場合の斜視図である。
図5】プラガブル光モジュール100と光伝送装置10との間の初期設定動作を示すシーケンス図である。
図6】実施の形態1にかかるプラガブル光モジュールの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0016】
実施の形態1
実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100について説明する。本実施の形態では、プラガブル光モジュール100は、例えばデジタルコヒーレント光トランシーバとして構成することができる。図1は、実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100の構成を模式的に示すブロック図である。図2は、実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100が搭載される光伝送システム1000の要部構成例を示すブロック図である。
【0017】
本実施の形態では、図2に示すように、プラガブル光モジュール100は、例えばコネクタ付きの光ファイバ21のコネクタ部が挿抜可能に構成される。コネクタ付きの光ファイバ21のコネクタとしては、例えばLC型コネクタやMU型コネクタを用いることができる。
【0018】
プラガブル光モジュール100は、通信ホストである光伝送装置10から入力されるデータ信号であるデジタル信号DAT1に基づいて変調された光信号LS1を、コヒーレント光トランシーバなどの他のプラガブル光モジュールへ送出可能に構成される。また、プラガブル光モジュール100は、通信ホストである光伝送装置10から入力される制御信号CONに基づいて、光信号の変調動作や動作設定などを制御可能に構成される。
【0019】
光伝送装置10は、例えば、IC(Integrated Circuit)として構成されるデジタル信号処理部11により、プラガブル光モジュール100からの通信データ信号又はプラガブル光モジュール100に入力する通信データ信号のフレーム処理等の通信データ処理を行う。
【0020】
図1を参照して、プラガブル光モジュール100の構成について具体的に説明する。プラガブル光モジュール100は、プラガブル電気コネクタ1、光源2、光変調器3、駆動部4及び制御部5を有する。
【0021】
プラガブル電気コネクタ1は、光伝送装置10に対して挿抜可能に構成される。プラガブル電気コネクタ1は、光伝送装置10から出力される制御信号CONとデータ信号であるデジタル信号DAT1とを受け取って、プラガブル光モジュール100の各部に信号を転送可能に構成される。また、プラガブル電気コネクタ1は、制御部5から出力されるドライバ信号DRVと動作信号INFとを、光伝送装置10に転送可能に構成される。換言すれば、プラガブル電気コネクタ1は、プラガブル光モジュール100と光伝送装置10との間の双方向通信を可能とするように構成されるものである。
【0022】
光源2は、光変調器3に光Lを出射する。光源2は、例えば半導体レーザや、半導体光素子とリング共振器とで構成される波長可変光モジュール等を用いることができる。光源2は、例えば、無変調連続波(Continuous Wave:CW)光を出力可能に構成される。
【0023】
光変調器3は、例えばマッハツェンダ型光変調器であり、駆動部4が出力する変調信号MODに応じて、所定の変調方式で光Lを変調した光信号LS1を、光ファイバ21へ送出する。光変調器3は、位相変調、振幅変調、偏波変調などの各種の変調方式で、又は、各種の変調方式を組み合わせて光信号LS1を変調してもよい。
【0024】
駆動部4は、プラガブル電気コネクタ1を介して、データ信号であるデジタル信号DAT1を受け取り、例えばデジタル信号DAT1に応じて生成した変調信号MODを、光変調器3に出力する。駆動部4は、例えば、光変調器3が必要とするレベルまでデジタル信号DAT1を増幅することで、変調信号MODを生成してもよい。
【0025】
制御部5は、プラガブル電気コネクタ1を介して入力される制御信号CONに基づいて生成した制御信号CON1によって、光変調器3の変調動作を制御する。例えば、光変調器3が導波路上に設けられた位相変調領域に駆動信号を印加することで変調動作を行うマッハツェンダ型光変調器である場合、制御部5は、位相変調領域に所定のバイアス電圧が印加されるように光変調器3を設定することで、光変調器3の動作点を制御することができる。また、制御部5は、光信号LS1の光強度を制御可能に構成されてもよい。
【0026】
ここで、位相変調領域について説明する。位相変調領域とは、光導波路上に形成された電極を有する領域である。そして、電極に電気信号、例えば電圧信号が印加されることにより、電極の下の光導波路の実効屈折率が変化する。その結果、位相変調領域の光導波路の実質的な光路長を変化させることができる。これにより、位相変調領域は、光導波路を伝搬する光信号の位相を変化させることができる。そして、2本の光導波路の間を伝搬する光信号間に位相差を与えることで、光信号を変調することができる。
【0027】
また、制御部5は、光伝送装置10に所定の設定処理の開始を指令するドライバ信号DRVを、プラガブル電気コネクタ1を介して光伝送装置10に出力する。設定処理の詳細については後述する。
【0028】
更に、制御部5は、光変調器3から出力される、光変調器3の変調動作を示す動作信号INFを受け取り、プラガブル電気コネクタ1を介して、光伝送装置10へ転送してもよい。この際、制御部5は、光変調器3の変調動作を示す動作信号INFを受け取り、光伝送装置10での信号処理に適した信号に変換した後に、動作信号INFを出力してもよい。光伝送装置10は、この動作信号INFを参照することで、光変調器3の変調動作を監視することができる。
【0029】
動作信号INFは、例えば、図2に示すように、光変調器3に設けられたフォトダイオード31で光信号LS1の一部を光電変換することで生成してもよい。この場合、光伝送装置10は、動作信号INFを参照することで、プラガブル光モジュール100が出力する光信号LS1の信号品質を監視することが可能である。
【0030】
ここで、制御部5の構成例について説明する。制御部5は、例えば、記憶部51及び演算部52を有する。記憶部51は、ドライバ信号DRV、光変調器3が出力する動作信号INF、及び、光伝送装置10から与えられる信号CONを格納可能に構成される。演算部52は、記憶部51に格納された情報に基づいて、光変調器3の動作を制御するために必要な演算処理を行うように構成される。演算部52は、例えば、光変調器3に対して、位相変調領域に印加するバイアス電圧の値を指定する制御信号CON1を生成する。
【0031】
次いで、プラガブル光モジュール100の外観を示す。図3は、実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100を光ファイバ21側から見た場合の斜視図である。図3に示す符号61は、プラガブル光モジュール100の上面を示す。図3に示す符号62は、光ファイバ21のコネクタの差込口を示す。図4は、実施の形態1にかかるプラガブル光モジュール100を光伝送装置10側から見た場合の斜視図である。図4に示す符号63は、プラガブル光モジュール100の下面を示す。図4に示す符号64は、プラガブル電気コネクタ1の光伝送装置10との接続部を示す。
【0032】
次いで、光伝送システム1000におけるプラガブル光モジュール100及び光伝送装置10の設定動作について説明する。図5は、プラガブル光モジュール100と光伝送装置10との間の初期設定動作を示すシーケンス図である。以下では、この設定動作が、例えばプラガブル光モジュール100を光伝送装置10に初めて挿入するときの初期設定として行われる例について説明する。
【0033】
ステップS1
光伝送装置10に設けられたデジタル信号処理部11は、プラガブル光モジュール100の制御部5から、ドライバ信号DRVをダウンロードする。このダウンロード処理は、デジタル信号処理部11がプラガブル光モジュール100の挿入を自動的に検知することで開始されるプラグアンドプレイ動作として行ってもよいし、光伝送システム1000を構築する者(例えば装置ベンダやユーザ)がデジタル信号処理部11に指令を与えることで開始されてもよい。
【0034】
ステップS2
デジタル信号処理部11は、読み込んだドライバ信号DRVが指定する動作を実行する。
【0035】
ステップS3
ドライバ信号DRVが指定する動作を実行することで、デジタル信号処理部11は、プラガブル光モジュール100の状態を監視し、監視結果に基づいてプラガブル光モジュール100に与えるデジタル信号DAT1の補正処理を行うための設定条件と、プラガブル光モジュール100へ設定すべき好適な設定条件を決定する。
【0036】
ステップS4
そして、デジタル信号処理部11は、決定した設定条件を、光伝送装置10に設定する。具体的には、デジタル信号処理部11は、プラガブル光モジュール100が出力する光信号LS1を所望の信号品質とするため、プラガブル光モジュール100に与えるデジタル信号DAT1を補正する処理を行うことができる。
【0037】
ステップS5
その後、デジタル信号処理部11は、決定した設定条件を含む制御信号CONを、プラガブル光モジュール100へ送出する。
【0038】
ステップS6
制御部5は、プラガブル電気コネクタ1を介して、設定情報を含む制御信号CONを受け取り、設定情報に基づいて、例えばパラメータ設定等が反映された制御信号CON1を光変調器3へ出力することで、光変調器3の動作設定を実行する。具体的には、制御部5は、制御信号CON1を光変調器3に与えることで、マッハツェンダ型光変調器として構成されている光変調器3の位相変調領域に印加するバイアス電圧を調整できる。これにより、光信号LS1を所望の信号品質とすることが可能である。
【0039】
これにより、光伝送装置10とプラガブル光モジュール100との間の接続状態を最適化することで、光信号の信号品質を最大限に引き出し、光伝送装置10とプラガブル光モジュール100と間の整合性を確保することができる。
【0040】
なお、上記のステップS4における光伝送装置10の設定処理と、ステップS6におけるプラガブル光モジュール100の設定処理は、必要に応じて、両方を実行してもよいし、いずれか一方のみ実行してもよい。
【0041】
以上、本構成によれば、プラガブル光モジュール100から光伝送装置10へ、プラガブル光モジュール100及び光伝送装置10に設定すべき設定条件を導出するため、プラガブル光モジュール100の変調方式や動作に応じたドライバ信号を提供することで、プラガブル光モジュール100及び光伝送装置10へ他のデータや指令を与えることなく、伝送信号特性を所望の品質とすることができる。
【0042】
この設定条件の決定及び設定は、ドライバ信号が指定する動作を実行することで自動的に行われるので、信号のキャリブレーション設定や事前の調整に時間をかけることなく良好な信号特性を実現でき、ネットワーク運用を開始できる。そのため、光伝送システムの運用コストを好適に低減することができる。
【0043】
また、光伝送装置や光伝送システムの運用を開始した後においても、必要に応じてプラガブル光モジュール100及び光伝送装置10の設定処理を実行することにより、変調方式の切り替えや、環境要因などの長期変動といった経時変化の影響を補償することができるので、光伝送システムの長期信頼性を向上させることも可能である。
【0044】
更に、ホスト(光伝送装置)と光トランシーバ(プラガブル光モジュール)との間のインターフェイスとしてレジスタが定義された場合、レジスタが指定する分解能や変化量に対して規格整合するように、ドライバを実行して設定を行ってもよい。この場合、ホスト及び光トランシーバの設計の効率化、省力化をすることができるので、製品開発期間の短縮を実現することができる。
【0045】
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば上述では、プラガブル光モジュール100が光信号LS1の送出機能を有するものとして説明したが、プラガブル光モジュールは外部から入力される光信号を受信する機能を有していてもよい。図6は、実施の形態1にかかるプラガブル光モジュールの変形例を示す図である。図6のプラガブル光モジュール101は、プラガブル光モジュール100に光受信部6を追加した構成を有する。
【0046】
光受信部6は、例えば、コネクタ付きの光ファイバ22のコネクタ部が挿抜可能に構成される。コネクタ付きの光ファイバ22のコネクタとしては、例えば光ファイバ21のコネクタと同様に、LC型コネクタやMU型コネクタを用いることができる。
【0047】
光受信部6は、光ファイバ22を介して入力される光信号LS2を、複数チャネルの電気信号であるデジタル信号DAT2に変換する。そして、光受信部6は、プラガブル電気コネクタ1を介して、光伝送装置10へデジタル信号DAT2を出力する。光伝送装置10は、デジタル信号処理部11でデジタル信号DAT2を処理することで、必要な情報を取得することができる。
【0048】
上述の実施の形態では、デジタル信号処理部11をICとして構成する例について説明したが、例えばCFP2−ACO(Analog Coherent Optics)などにおいては、デジタル信号処理部11をDSP(Digital Signal Processor)として構成してもよい。
【0049】
上述の実施の形態で参照した図においては、プラガブル光モジュールに設けられた構成要素間、及び、光伝送システムに設けられた構成要素(プラガブル光モジュール及び光伝送装置)間での信号の伝達を矢印を用いて表したが、これは2つの構成要素間で一方向のみに信号が伝達されることを意味するものではなく、適宜双方向の信号のやり取りが可能であることは言うまでもない。
【0050】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0051】
(付記1)光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置との間で双方向通信が可能であるプラガブル電気コネクタと、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置から入力されるデータ信号に基づいて変調信号を出力する駆動部と、光源と、前記光源から出射された光を、前記変調信号に基づいて変調した光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、設定処理の開始を指令するドライバ信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置に出力し、前記光伝送装置は、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視し、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行い、前記制御部は、前記制御信号を受け取った場合、前記制御信号に基づいて前記光変調器の変調動作を制御する、プラガブル光モジュール。
【0052】
(付記2)前記制御部は、前記光変調器から前記変調動作の状態を示す動作情報を受け取り、前記プラガブル電気コネクタを介して前記動作情報に基づいた動作信号を前記光伝送装置に出力し、前記光伝送装置は、前記動作信号に基づいて、前記変調動作の状態を監視する、付記1に記載のプラガブル光モジュール。
【0053】
(付記3)前記光変調器は、前記光信号の一部を光電変換した信号を、前記動作情報として前記制御部へ出力する、付記2に記載のプラガブル光モジュール。
【0054】
(付記4)前記光変調器は、光導波路上に位相変調領域が設けられたマッハツェンダ型光変調器として構成され、前記制御部は、前記制御信号に基づいて、前記位相変調領域に与えるバイアス電圧を制御可能に構成される、付記1乃至3のいずれかに記載のプラガブル光モジュール。
【0055】
(付記5)前記プラガブル電気コネクタが前記光伝送装置に挿入されたときに、前記制御部は、前記ドライバ信号を出力し、前記光伝送装置は、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視し、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行う、付記1乃至4のいずれかに記載のプラガブル光モジュール。
【0056】
(付記6)
光伝送装置と、前記光伝送装置に挿抜可能に構成されるプラガブル光モジュールと、を有し、前記プラガブル光モジュールは、前記光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置との間で双方向通信が可能であるプラガブル電気コネクタと、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置から入力されるデータ信号に基づいて変調信号を出力する駆動部と、光源と、前記光源から出射された光を、前記変調信号に基づいて変調した光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、設定処理の開始を指令するドライバ信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置に出力し、前記光伝送装置は、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視し、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行い、前記制御部は、前記制御信号を受け取った場合、前記制御信号に基づいて前記光変調器の変調動作を制御する、光伝送システム。
【0057】
(付記7)前記制御部は、前記光変調器から前記変調動作の状態を示す動作情報を受け取り、前記プラガブル電気コネクタを介して前記動作情報に基づいた動作信号を前記光伝送装置に出力し、前記光伝送装置は、前記動作信号に基づいて、前記変調動作の状態を監視する、付記6に記載の光伝送システム。
【0058】
(付記8)前記光変調器は、前記光信号の一部を光電変換した信号を、前記動作情報として前記制御部へ出力する、付記7に記載の光伝送システム。
【0059】
(付記9)前記光変調器は、光導波路上に位相変調領域が設けられたマッハツェンダ型光変調器として構成され、前記制御部は、前記制御信号に基づいて、前記位相変調領域に与えるバイアス電圧を制御可能に構成される、付記6乃至8のいずれか一に記載の光伝送システム。
【0060】
(付記10)前記プラガブル電気コネクタが前記光伝送装置に挿入されたときに、前記制御部は、前記ドライバ信号を出力し、前記光伝送装置は、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視し、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行う、付記6乃至9のいずれかに記載の光伝送システム。
【0061】
(付記11)光伝送装置と、前記光伝送装置に挿抜可能に構成されるプラガブル光モジュールと、を有し、前記プラガブル光モジュールは、前記光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置との間で双方向通信が可能であるプラガブル電気コネクタと、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置から入力されるデータ信号に基づいて変調信号を出力する駆動部と、光源と、前記光源から出射された光を、前記変調信号に基づいて変調した光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有する光伝送システムにおいて、前記制御部に、設定処理の開始を指令するドライバ信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置へ出力させ、前記光伝送装置に、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視させ、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行わせ、前記制御部に、前記制御信号を受け取った場合には、前記制御信号に基づいて前記光変調器の変調動作を制御させる、光伝送システムの設定方法。
【0062】
(付記12)前記光変調器に、前記変調動作の状態を示す動作情報を前記制御部に出力させ、前記制御部に、前記プラガブル電気コネクタを介して前記動作情報に基づいた動作信号を前記光伝送装置に出力させ、前記光伝送装置に、前記動作信号に基づいて、前記変調動作の状態を監視させる、付記11に記載の光伝送システムの設定方法。
【0063】
(付記13)前記光変調器に、前記光信号の一部を光電変換した信号を、前記動作情報として前記制御部へ出力させる、付記12に記載の光伝送システムの設定方法。
【0064】
(付記14)前記光変調器は、光導波路上に位相変調領域が設けられたマッハツェンダ型光変調器として構成され、前記制御部は、前記制御信号に基づいて、前記位相変調領域に与えるバイアス電圧を制御可能に構成される、付記11乃至13のいずれかに記載の光伝送システムの設定方法。
【0065】
(付記15)
前記プラガブル電気コネクタが前記光伝送装置に挿入されたときに、前記制御部に、前記ドライバ信号を出力させ、前記光伝送装置に、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視させ、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行わせる、付記11乃至14のいずれかに記載の光伝送システムの設定方法。
【0066】
(付記16)光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置との間で双方向通信が可能であるプラガブル電気コネクタと、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置から入力されるデータ信号に基づいて変調信号を出力する駆動部と、光源と、前記光源から出射された光を、前記変調信号に基づいて変調した光信号を出力する光変調器と、前記光変調器の変調動作を制御する制御部と、を有するプラガブル光モジュールにおいて、前記制御部に、設定処理の開始を指令するドライバ信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置へ出力させ、前記光伝送装置は、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視した結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記変調動作にかかる設定条件を示す制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行い、前記制御部に、前記制御信号を受け取った場合には、前記制御信号に基づいて前記光変調器の変調動作を制御させる、プラガブル光モジュールの設定方法。
【0067】
(付記17)前記光変調器に、前記変調動作の状態を示す動作情報を前記制御部に出力させ、前記制御部に、前記プラガブル電気コネクタを介して前記動作情報に基づいた動作信号を前記光伝送装置に出力させ、前記光伝送装置に、前記動作信号に基づいて、前記変調動作の状態を監視させる、付記16に記載のプラガブル光モジュールの設定方法。
【0068】
(付記18)前記光変調器に、前記光信号の一部を光電変換した信号を、前記動作情報として前記制御部へ出力させる、付記17に記載のプラガブル光モジュールの設定方法。
【0069】
(付記19)前記光変調器は、光導波路上に位相変調領域が設けられたマッハツェンダ型光変調器として構成され、前記制御部は、前記制御信号に基づいて、前記位相変調領域に与えるバイアス電圧を制御可能に構成される、付記16乃至18のいずれかに記載のプラガブル光モジュールの設定方法。
【0070】
(付記20)前記プラガブル電気コネクタが前記光伝送装置に挿入されたときに、前記制御部に、前記ドライバ信号を出力させ、前記光伝送装置に、前記ドライバ信号に応じて前記光変調器の変調動作を監視させ、監視結果に基づいて、前記データ信号の補正処理、及び、前記制御信号の前記制御部への出力処理の一方又は両方を行わせる、付記16乃至19のいずれかに記載のプラガブル光モジュールの設定方法。
【0071】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0072】
この出願は、2016年12月19日に出願された日本出願特願2016−245410を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0073】
1 プラガブル電気コネクタ
2 光源
3 光変調器
4 駆動部
5 制御部
6 光受信部
10 光伝送装置
11 デジタル信号処理部
21、22 光ファイバ
31 フォトダイオード
51 記憶部
52 演算部
100、101 プラガブル光モジュール
1000 光伝送システム
CON、CON1 制御信号
DAT1、DAT2 デジタル信号
DRV ドライバ信号
L 光
LS1、LS2 光信号
MOD 変調信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6