特許第6884467号(P6884467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6884467
(24)【登録日】2021年5月14日
(45)【発行日】2021年6月9日
(54)【発明の名称】充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20210531BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20210531BHJP
【FI】
   H02J7/00 Q
   G08C15/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-68046(P2017-68046)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-170907(P2018-170907A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相川 佳則
(72)【発明者】
【氏名】浅野 利幸
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−161912(JP,A)
【文献】 特開平09−266489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
G08C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機通信装置又は子機通信装置を内蔵した充電装置を複数備え、前記充電装置が通信で互いに接続されるとともに、
親機通信装置は子機通信装置に対して電文で応答を要求する充電システムであって、
親機通信装置が、子機通信装置に対して応答を要求する調整電文を出力するとともに、調整電文に対する子機からの応答時間を計測する調整手段と、計測値に基づいて各子機の応答時間を指定する指定手段と、を備え
親機通信装置は、子機通信装置に対して応答時間を定める指定値を指定して応答を要求する調整電文を出力し、調整電文に対する子機通信装置からの応答時間を計測し、指定値と計測値の差分を演算し、子機通信装置に対して差分の最大値と指定値を加えた応答時間情報を含むコマンド電文を出力する充電システム。
【請求項2】
親機通信装置又は子機通信装置を内蔵した充電装置を複数備え、前記充電装置が通信で互いに接続されるとともに、
親機通信装置は子機通信装置に対して電文で応答を要求する充電システムであって、
親機通信装置が、子機通信装置に対して応答を要求する調整電文を出力するとともに、調整電文に対する子機からの応答時間を計測する調整手段と、計測値に基づいて各子機の応答時間を指定する指定手段と、を備え、
通信量が変化したときに、調整電文を再度出力する充電システム。
【請求項3】
親機通信装置は、子機通信装置に対して応答を要求する調整電文を出力し、調整電文に対する子機からの応答時間を計測値として計測し、計測値を各子機の応答時間として記憶させる第二の調整電文を出力する請求項1又は2に記載の充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、充電システムでは装置間の通信をする際にポーリング方式を用いることが知られている。ポーリング方式では、親機通信装置は複数の子機通信装置に対して所定間隔でそれぞれの子機にコマンド電文を出力する。そして、子機通信装置はコマンド電文に対して応答電文を出力する。このような方式であるため、親機通信装置は各子機通信装置からの応答時間を考慮して所定間隔でコマンド電文を出力するのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−247807号公報
【0004】
ところで、上記所定間隔は設置時に子機に設定する。複数台と効率的に通信するためには所定間隔を短くして通信効率を向上させる必要があるが、所定間隔を短く設定しすぎると子機通信装置の通信環境によって応答しきれず、通信エラーが発生する場合がある。また、所定間隔を長く設定すると通信が一巡するまでに相当な時間がかかる。このように、所定間隔を適切に設定することは容易なことではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明の課題は、親機通信装置と複数台の子機通信装置との通信効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、親機通信装置又は子機通信装置を内蔵した充電装置を複数備え、前記充電装置が通信で互いに接続されるとともに、親機通信装置は子機通信装置に対して電文で応答を要求する充電システムであって、親機通信手段が、子機通信装置に対して応答を要求する調整電文を出力するとともに、調整電文に対する子機からの応答時間を計測する調整手段と、計測値に基づいて各子機の応答時間を指定する指定手段と、を備えた充電システムとする。
【0007】
また、親機通信装置は、子機通信装置に対して応答時間を定める指定値を指定して応答を要求する調整電文を出力し、調整電文に対する子機通信装置からの応答時間を計測し、指定値と計測値の差分を演算し、子機通信装置に対して差分の最大値と指定値を加えた応答時間情報を含むコマンド電文を出力する構成とすることが好ましい。
【0008】
また、親機通信装置は、子機通信装置に対して応答を要求する調整電文を出力し、調整電文に対する子機からの応答時間を計測値として計測し、計測値を各子機の応答時間として記憶させる第二の調整電文を出力する構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、親機通信装置と複数台の子機通信装置との通信効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1における親機通信装置と子機通信装置との物理的関係と、電文の通信を表す図である。
図2】実施例1における子機からの電文の応答の受信までにかかった時間の計測値を表す図である。
図3】実施例2における親機通信装置と子機通信装置との物理的関係と、電文の通信を表す図である。
図4】実施例2における各子機からの応答到着時間を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に発明を実施するための形態を示す。本実施形態の充電システム1は、車両を充電するために用いられるものであり、親機通信装置17又は子機通信装置18を内蔵した充電装置11を複数備える。そして、この充電装置11が通信で互いに接続されるとともに、親機通信装置17は子機通信装置18に対して電文で応答を要求する充電システム1である。また、親機通信装置17が、子機通信装置18に対して応答を要求する調整電文を出力するとともに、調整電文に対する子機からの応答時間を計測する調整手段と、計測値に基づいて各子機の応答時間を指定する指定手段と、を備えた充電システム1である。このため、親機通信装置17と複数台の子機通信装置18との通信効率を向上させることが可能となる。
【0012】
本実施形態の充電装置11は、充電ケーブルと充電コネクタを備えており、子機通信装置18を内蔵している。また、本実施形態の充電システム1は、充電装置11とは別に、認証装置を備えている。この認証装置は、課金サーバ19への通信装置である外部通信手段として機能する。本実施形態では、この認証装置により利用者の認証を行う。また、この認証装置には、親機通信装置17を内蔵しており、各充電装置11との通信ができる。本実施形態では、親機として機能する認証装置と、子機として機能する充電装置11との間で用いられる通信装置はRS485等の通信ケーブルに接続しているが、無線接続の構成としても構わない。
【0013】
本実施形態の親機は電文で子機に応答を要求するが、親機から子機に送られる電文では、応答時間が指定される。なお、本実施形態では、子機が親機に電文を送信する時間を定めるための基本となる指定値や、コマンドに対する応答出力時間であるオフセット時間を指定している。本実施形態では、このオフセット時間は、コマンド内容に応じて変化させる。
【0014】
この親機から子機に送られる電文に対して、子機は親機の要求に従った内容を応答時間に従って親機に送信する。本実施形態では、親機の要求に従った内容を、親機から指定された応答設定時間後に応答電文として送信する。
【実施例1】
【0015】
ここで、親機と子機との間で行われる動作例の一つを説明する。図1に示すように、先ず、親機がすべての子機に向けて調整電文を出力する。この調整電文には応答時間を指定するために、応答時間情報(指定値、オフセット時間など)が指定されている。調整電文を受信した各子機は指定値、オフセット時間より応答時間を演算する。この応答時間は、例えば、(子機アドレス番号×指定値)+((子機アドレス番号-1)×オフセット時間)という演算により求めるものとすることができる。更に、各子機は指定された応答時間(演算結果)に基づいて、親機に向けて応答電文を送信する。
【0016】
応答電文を受けた親機は、指定した応答時間と、各子機から応答電文を受けた時間の計測値との差分を検出する。この差分は、追って行われるコマンド電文の通信設定に反映させる。具体的には、親機は最も差が大きい子機の差分に指定値を加え、さらにオフセット時間を加えた値を各子機の応答時間情報として演算する。つまり、「応答時間情報=差分の最大値+指定値+オフセット時間」として定められた応答時間情報を導くために、「差分の最大値+指定値+オフセット時間」という演算を行う。
【0017】
ここで差分の最大値に関し、例を挙げて説明する。例えば、子機1は50ミリ秒後に応答し、子機2は103ミリ秒後に応答し、子機3は156ミリ秒後に応答する予定であった場合に、図2に示すように、子機1の応答が58ミリ秒後に親機に到達し、子機2の応答が115ミリ秒後に親機に到達し、子機3の応答が156ミリ秒後に親機に到達したとする。この場合、差分の最大値は、子機2における12ミリ秒である。したがって、全ての子機に対して「応答時間情報=12ミリ秒+指定値+オフセット時間」との情報を出力する。各子機はこの応答時間情報を基に、各々の応答時間を演算する。このため、応答時間の設定に際し、親機通信装置17が各子機に対して異なる情報を送る必要が無い。
【0018】
このように、親機は演算結果を基に応答時間を指定してコマンド電文の出力を行なう。親機から出力されたコマンド電文に対し、各子機は指定された応答時間後に応答電文を送信する。なお、本実施例では、コマンド電文毎に応答時間を指定する。また、本実施例では、調整電文は通信量が少なくなったときに再度出力して「差分」を検出する。
【0019】
本実施例のように、子機通信装置18に対して応答時間を定める指定値を指定して応答を要求する調整電文を出力し、調整電文に対する子機通信装置18からの応答時間を計測し、指定値と計測値の差分を演算し、子機通信装置18に対して差分の最大値と指定値を加えた応答時間情報を含むコマンド電文を出力する構成とすれば、親機は、子機から受ける情報を基に、応答時間を設定できるため、通信効率を向上させることが可能となる。
【実施例2】
【0020】
次に、実施例2について説明する。図3に示すように、本実施例では、先ず、親機がすべての子機に向けて調整電文を出力する。この調整電文には指定値、オフセット時間が指定されている。調整電文を受信した各子機は、指定値やオフセット時間より応答時間を演算する。また、各子機は指定された応答時間に親機に向けて応答電文を出力する。そして、親機は各子機からの応答時間を検出する。ここまでは、実施例1と同様である。
【0021】
本実施例では、次に、親機が各子機の応答時間を設定する第2の調整電文を各子機に出力する。この第2の調整電文では、子機ごとに応答時間を指定する。各子機は指定された応答時間をメモリに記憶する。より具体的には、子機は指定された間隔時間(設定値)を記憶する。なお、本実施例では、コマンド内容に対するオフセット時間は一定(最大値)としている。
【0022】
そして、親機はコマンド電文の出力時にコマンドのみを出力する。つまり、コマンド電文では間隔時間(設定値)、オフセット時間を指定しない。更には、親機からのコマンド電文に対して各子機は記憶した応答時間後に応答電文を出力する。つまり、本実施例では、第2の調整電文では、各子機に向けて各々異なる情報を送信するが、コマンド電文の出力時には、各子機に対して同一の情報のみを出力する。なお、図4に示すことから理解されるように、各子機が応答する応答時間は、分散するように設定される。
【0023】
本実施例の様に、子機通信装置18に対して応答を要求する調整電文を出力し、調整電文に対する子機からの応答時間を計測値として計測し、計測値を各子機の応答時間として記憶させる第二の調整電文を出力する構成とすれば、親機は、子機から受ける情報を基に、応答時間を設定できるため、通信効率を向上させることが可能となる。
【0024】
以上、二つの実施例を中心に実施形態を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、親機通信装置はいずれかの充電装置に内蔵されていてもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 充電システム
11 充電装置
17 親機通信装置
18 子機通信装置
図1
図2
図3
図4