特許第6909124号(P6909124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909124
(24)【登録日】2021年7月6日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】車両用アンダーカバー
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20210715BHJP
【FI】
   B62D25/20 N
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-184598(P2017-184598)
(22)【出願日】2017年9月26日
(65)【公開番号】特開2019-59308(P2019-59308A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】中川 修一
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 高志
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−247203(JP,A)
【文献】 特開2009−96401(JP,A)
【文献】 特開2015−193372(JP,A)
【文献】 特開2013−95314(JP,A)
【文献】 特開2014−211640(JP,A)
【文献】 特許第5519342(JP,B2)
【文献】 特開2016−215759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の床部の下面に配設されると共に、プレス成形により所望の圧縮率を有した車両用アンダーカバーであって、
前記床部の下方に配設される上面カバー部と、
前記上面カバー部よりも前記車両の後方側へと延在すると共に、前記車両の前方側にて前記上面カバー部との間に空間部を有した状態にて前記床部の下方に配設される下面カバー部と、を有し、
前記空間部を構成する領域において、前記下面カバー部の圧縮率は、前記上面カバー部の圧縮率よりも高いことを特徴とする車両用アンダーカバー。
【請求項2】
前記上面カバー部は、前記床部の形状に沿って前記プレス成形された床部形状領域を有し、前記床部形状領域が前記床部に接するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用アンダーカバー。
【請求項3】
前記空間部を構成する領域よりも前記車両の後方側に位置する前記下面カバー部の圧縮率は、前記空間部を構成する領域の前記下面カバー部の圧縮率よりも低いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用アンダーカバー。
【請求項4】
前記上面カバー部は、前記下面カバー部の前記車両の前方側の端部からその外周縁に沿って配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用アンダーカバー。
【請求項5】
前記上面カバー部及び前記下面カバー部は、前記車両の中央部を境にして前記車両の車幅方向に一対配設されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用アンダーカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の床部の下面に配設される車両用アンダーカバーに関し、特に、吸音性能を低下させることなく、飛び石対策をとると共に、床部との空間部に雪等の浸入を防止する車両用アンダーカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用アンダーカバーの構造として、以下の構造が知られている。図5(A)は、従来の車両用アンダーカバーを説明する斜視図である。図5(B)は、従来の車両用アンダーカバーを説明する下面図である。
【0003】
図5(A)に示す如く、車両100の車体前部には、車両100の走行により発生する走行風Wを冷却風Cとして、エンジンルームに取り入れる冷却風取入口101が配設されている。一方、車両100の車体下面には、アンダーカバー102が配設され、車両100の車体下側に配設されるエンジン、トランスミッションや排気管の機器に、直接、走行風Wが当たることを防止している。
【0004】
アンダーカバー102は、上記機器の凹凸による走行風Wの乱れにより、走行安定性が低下することを防止すると共に、空気抵抗の増大による燃費の低下も防止している。また、アンダーカバー102は、上記空気抵抗を低減させる目的以外に、エンジンの保護、泥よけ、デザイン性の向上等の目的も兼ねている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、従来のアンダーカバーとして、ガラス繊維と熱可塑性合成繊維からなる基材層と、基材層の両面に形成された熱可塑性合成繊維不織布層と、からなる積層体を熱盤プレスにより加熱圧縮して成形されることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5519342号公報
【特許文献2】特開2009−96401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図5(B)に示す如く、アンダーカバー102は、エンジンルームの下方からセンターフロアパネル(図示せず)下方まで延在して配設されている。そして、車両100の前方側のアンダーカバー102には、2つの導風孔103と2つの排出口104とが設けられ、導風孔103からエンジンルーム内に流れ込む走行風Wにより、エンジンルーム内の冷却風Cを排出口104へと導いている。
【0008】
その一方、上述したように、アンダーカバー102は、センターフロアパネル下方まで延在して配設されているため、車両100が、積雪した道路を走行する場合には、雪が、導風孔103や排出口104からアンダーカバー102内へと流れ込み、センターフロアパネルとアンダーカバー102との間の空間部に堆積してしまう。その結果、堆積した雪の重みにより、アンダーカバー102と車体やセンターフロアパネル等との固定箇所が破損し、アンダーカバー102が、車体やセンターフロアパネル等から離脱してしまう恐れがあるという問題がある。
【0009】
また、センターフロアパネルとアンダーカバー102との間の空間部に雪が堆積した状態にて走行することで、車体の重量が増大し、燃費が低下するという問題がある。
【0010】
また、アンダーカバーとして不織布層を用いることで、従来の樹脂製のアンダーカバーと比較して車体の軽量化や吸音化を図ることはできるが、以下の新たな問題も発生する。例えば、アンダーカバーの吸音性能を高めるために不織布層の圧縮率を低くした場合には、飛び石等に対してアンダーカバーの耐久性を維持し難いという問題がある。その一方、アンダーカバーの不織布層の圧縮率を高くした場合には、上記飛び石に対する耐久性は向上するが、吸音性能が悪化してしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、吸音性能を低下させることなく、飛び石対策をとると共に、床部との空間部に雪等の浸入を防止する車両用アンダーカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の車両用アンダーカバーでは、車両の床部の下面に配設されると共に、プレス成形により所望の圧縮率を有した車両用アンダーカバーであって、前記床部の下方に配設される上面カバー部と、前記上面カバー部よりも前記車両の後方側へと延在すると共に、前記車両の前方側にて前記上面カバー部との間に空間部を有した状態にて前記床部の下方に配設される下面カバー部と、を有し、前記空間部を構成する領域において、前記下面カバー部の圧縮率は、前記上面カバー部の圧縮率よりも高いことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、前記上面カバー部は、前記床部の形状に沿って前記プレス成形された床部形状領域を有し、前記床部形状領域が前記床部に接するように配設されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、前記空間部を構成する領域よりも前記車両の後方側に位置する前記下面カバー部の圧縮率は、前記空間部を構成する領域の前記下面カバー部の圧縮率よりも低いことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、前記上面カバー部は、前記下面カバー部の前記車両の前方側の端部からその外周縁に沿って配設されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、前記上面カバー部及び前記下面カバー部は、前記車両の中央部を境にして前記車両の車幅方向に一対配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両用アンダーカバーは、プレス成形により所望の圧縮率を有して形成される上面カバー部と、下面カバー部とを有している。そして、車両の前方側には、上面カバー部と下面カバー部とが重畳して配設された空間部が形成され、その空間部の領域では、下面カバー部の圧縮率は、上面カバー部の圧縮率よりも高く形成されている。この構造により、フロントタイヤ周辺のアンダーカバーは、吸音性能を低下させることなく、飛び石対策を実現することができる。
【0018】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、上面カバー部は、その配設領域の床部の形状に沿ってプレス成形された床部形状領域を有している。この構造により、上面カバー部は、床部に対して隙間がない状態、あるいは、極僅かな隙間を有した状態にて配設されることで、車両の走行中に、雪等が、車両後方側の下面カバー部とフロアパネルとの間の空間部まで浸入し難くなる。そして、上記空間部に雪等が堆積し難くなり、雪等の重みによりアンダーカバーが車体から離脱することが防止され、また、車両の燃費が低下することが防止される。
【0019】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、空間部よりも車両後方側の下面カバー部の圧縮率は、空間部の下面カバー部の圧縮率よりも低く形成されている。この構造により、車両の前方側では、アンダーカバーの飛び石への耐久性を高めると共に、車両の後方側では、アンダーカバーの吸音性能を高めることができる。
【0020】
また、本発明の車両用アンダーカバーでは、上面カバー部は、下面カバー部の車両の前方側の端部からその外周縁に沿って配設されている。この構造により、上面カバー部は、車両のフロントタイヤ周辺の車幅方向に渡り配設され、アンダーカバーの飛び石への耐久性を高めると共に、吸音性能も高めることができる。
【0021】
また、本発明の車両用アンダーカバーは、車両の中央部を境にして車両の車幅方向に一対配設されると共に、車両の前方から後方までに渡り組み付けられることで、車両の下面の全体に渡り、吸音性能を低下させることなく、飛び石対策を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態である車両用アンダーカバーを説明する平面図である。
図2】本発明の一実施形態である車両用アンダーカバーを説明する斜視図である。
図3】本発明の一実施形態である車両用アンダーカバーを説明する断面図である。
図4】本発明の一実施形態である車両用アンダーカバーを説明する断面図である。
図5】従来の車両用アンダーカバーを説明する(A)斜視図、(B)下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用アンダーカバー10(以下、「アンダーカバー10」と呼ぶ。)を図面に基づき詳細に説明する。尚、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0024】
図1は、本実施形態のアンダーカバー10を備えた車両11を説明する平面図であり、車両11の下面側見た状態を示している。図2は、本実施形態のアンダーカバー10を説明する斜視図であり、車両11に取り付ける前の上面側から見た状態を示している。図3は、本実施形態のアンダーカバー10を説明する断面図であり、図1に示すA−A線方向の断面を示している。図4は、本実施形態のアンダーカバー10を説明する断面図であり、図1に示すB−B線方向の断面を示している。尚、図3及び図4の説明では、その説明の都合上、板金のフロアパネル19とアンダーカバー10との配置領域を中心に図示し、その他領域は省略している。
【0025】
図1に示す如く、車両11では、その車体に突起部や窪み、隙間等の凹凸形状があると、その凹凸形状の部分において走行風に乱れが生じ、走行安定性が低下すると共に、空気抵抗の増大による燃費が低下する。そのため、車両11の車体は、空力特性を考慮して設計され、特に、車両11のフロアパネル19の下面にアンダーカバー10を取り付けることで、フロアパネル下面をフラット化して空力特性を向上させている。
【0026】
図示したように、車両11の下面には、主に、その前方に位置する一対のフロントタイヤ12と、その後方に位置する一対のリアタイヤ13と、車両11の車幅方向の中央部を前後方向に延在するプロペラシャフト14及び排気管15と、リアタイヤ13の前方に位置する燃料タンク16と、等が配設されている。そして、フロントタイヤ12の前方側には、主に、エンジンルームの下方を覆うフロントアンダーカバー17が組み付けられている。そして、フロントタイヤ12から燃料タンク16の間には、本実施形態のアンダーカバー10が組み付けられている。尚、リアタイヤ13の後方側には、リアアンダーカバー18が組み付けられている。
【0027】
フロアパネル19には、上述したように、プロペラシャフト14及び排気管15を配置するため、車両11の車幅方向の中央部を前後方向に延在するトンネル部20が形成されている。そのため、本実施形態のアンダーカバー10は、車両11の車幅方向に左右一対配設されるが、その構造及び機能は同じため、以下の説明では、車両11の車幅方向の左側に組み付けられるアンダーカバー10にて説明する。
【0028】
図2に示す如く、アンダーカバー10は、上面カバー部10Aと、下面カバー部10B、10Cと、を有する。上面カバー部10A及び下面カバー部10B、10Cは、それぞれシート状の不織布をプレス成形により加熱圧縮することで、所望の形状に形成される。そして、不織布の素材は、例えば、熱可塑性ニードルフェルトである。詳細は後述するが、下面カバー10B、10Cは、一体に成形されているが、その圧縮率が異なっている。尚、不織布の素材としては、熱可塑性ニードルフェルトに限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂とガラス繊維とが混在した基材の表面に不織布やPET繊維が形成されたシート状の素材を用いることもできる。また、アンダーカバー10の素材としては、不織布から変更して、硬質ウレタンを用いる場合でも良い。
【0029】
一点鎖線は、車両11の左側のフロントタイヤ12を示し、点線22は、上面カバー部10Aの配置領域を示している。上面カバー部10Aは、フロントタイヤ12の周囲に配置されると共に、図4に示すように、車両11の車幅方向において、サイドシル41からトンネル部20近傍のフロアフレーム44までの車幅方向を塞ぐように配置されている。
【0030】
上面カバー部10Aは、板金のフロアパネル19(図3参照)の下面に、出来る限り隙間のない様に、配設されている。そして、その配設領域のフロアパネル19との対向領域において、上面カバー部10Aのほぼ全領域は、フロアパネル19の形状に沿ってプレス成形された床部形状領域として形成されている。詳細は後述するが、上面カバー部10Aとフロアパネル19との隙間が無くなることで、あるいは、極僅かとなることで、雪等が、下面カバー部10Cとフロアパネル19との間の空間部35(図3参照)まで浸入し難くなる。
【0031】
一方、下面カバー部10B、10Cは、上面カバー部10Aよりも車両11の後方側まで延在して成形され、車両11の下面をフラット化し、空力特性を向上させている。そのため、上面カバー部10Aの配設領域より後方側では、下面カバー部10Cとフロアパネル19との間には空間部35が形成されている。そのため、下面カバー部10Cには、例えば、2箇所が円錐状突起部23、24が形成され、下面カバー部10Cは、その円錐状突起部23、24を介してフロアパネル19に対してクリップ固定されることで、下面カバー部10Cが、フロアパネル19から離脱し難くなる。
【0032】
上面カバー部10Aは、予め、下面カバー部10Bにクリップ等により固定され、その後、車両11の車体フレーム等に組み付けられる。このとき、矢印25にて示すように、上面カバー部10Aは、下面カバー部10B、10Cの前方側の端部からその外周縁に沿って配設されている。この構造により、雪等は、車両11の走行時に車両11の前方からアンダーカバー10とフロアパネル19との間から浸入するが、下面カバー部10B、10Cの前方側には、車幅方向に渡り上面カバー部10Aが配置されることで、雪等は、下面カバー部10Cとフロアパネル19との間の空間部35まで浸入し難くなる。
【0033】
尚、アンダーカバー10は、主に、下面カバー部10B、10Cの外周縁部を介して車両11の車体フレーム等にクリップやボルト締結により組み付けられる。
【0034】
図3に示す断面では、アンダーカバー10の下面カバー部10B、10Cは、その前方端部にて車体のフロアパネル31に対してボルト締結されている。一方、丸印32にて示すように、上面カバー部10Aは、下面カバー部10B、10Cと車体のフロアパネル33との間に挟まれて固定され、上面カバー部10Aと車体のフロアパネル33との隙間が無いか、あるいは、極僅かとなっている。
【0035】
また、上面カバー部10Aの矢印34にて示す領域は、上述したフロアパネル19の形状に沿ってプレス成形された床部形状領域であるが、この領域でも、上面カバー部10Aと車体のフロアパネル19との隙間が無いか、あるいは、極僅かとなっている。
【0036】
図示したように、下面カバー部10Bは、その前方端部にてフロアパネル31に対してボルト締結されるが、雪等は、走行時の風圧等によりその僅かな隙間からもアンダーカバー10内へと浸入する。しかしながら、丸印32や矢印34にて示す領域では、上述したように、上面カバー部10Aと車体のフロアパネル33、との隙間が無いか、あるいは、極僅かとなるが、雪等がその隙間に詰まることで、雪等により、その隙間が消滅することとなる。
【0037】
この構造により、下面カバー部10Bの前方端部から浸入した雪等は、下面カバー部10Cとフロアパネル19との間の大きな空間部35まで浸入し難くなり、その空間部35内に堆積する雪等の量を大幅に低減することができる。その結果、堆積する雪等により、アンダーカバー10と車体のフロアパネル19等との固定箇所が破損し、アンダーカバー10が、車体から離脱することが防止される。また、堆積する雪等により車体の重量が大幅に増大することが防止され、燃費が低下することが防止される。
【0038】
更には、矢印36にて示す領域では、上面カバー部10Aと下面カバー部10Bとが、重畳して配設され、空間部37を形成している。図2を用いて上述したように、上面カバー部10Aは、車両11のフロントタイヤ12の周囲に組み付けられ、矢印36にて示す領域は、走行中に飛び石が当たる確率が高い領域である。
【0039】
そこで、下面カバー部10Bの不織布の圧縮率は、上面カバー部10Aの不織布の圧縮率より高くなっている。具体的には、下面カバー部10Bの不織布の圧縮率は、上面カバー部10Aの不織布の圧縮率よりも20%以上30%以下程度高くなっている。そして、上面カバー部10A及び下面カバー部10Bは、同一素材の不織布をプレス成形して形成されるが、上記圧縮率の違いにより、下面カバー部10Bの厚みT1は、例えば、3mm程度となり、上面カバー部10Aの厚みT2は、例えば、4mm程度となる。
【0040】
矢印36にて示す領域は、走行中に飛び石が当たる確率が高い領域であるが、上記構造により、下面カバー部10Bが、飛び石に対する耐久性が高い構造となることで、アンダーカバー10が、飛び石により破損し難い構造が実現される。
【0041】
一方、下面カバー部10Bの不織布の圧縮率を高めることで、吸音性能が低下するが、下面カバー部10Bの上方に上面カバー部10Aを配置し、二重構造とすることで、吸音性能の低下を補うことができる。更には、上面カバー部10Aは、飛び石が当たらない領域に配置されることで、上述したように、上面カバー部10Aの不織布の圧縮率を低くすることで、その吸音性能を高めることができる。
【0042】
図示したように、矢印36にて示す領域より後方の下面カバー部10Cの不織布の圧縮率は、矢印36にて示す領域の下面カバー部10Bの不織布の圧縮率よりも低く、その厚みT3は、例えば、4mm程度となる。つまり、下面カバー部10Cでは、走行中に飛び石が当たる確率が低くなり、また、飛び石の勢いが減衰しており、飛び石に対する耐久性よりも吸音性能を優先することができ、車両11全体としての吸音性能を向上させることができる。
【0043】
図4に示す如く、車両11の車幅方向において、フロアパネル19には、その中央部に前後方向に延在する凹形状のトンネル部20が形成されている。また、フロアパネル19の下面には、それぞれサイドシル41、42側から2本のフロアフレーム43、44、45、46が、前後方向に延在して接合されている。尚、フロアフレーム44、46は、トンネル部20の近傍に接合されている。
【0044】
図示したように、アンダーカバー10は、車両11の中央部を境にして、車幅方向に左右一対配設されている。具体的には、車両11の車幅方向左側のアンダーカバー10は、サイドシル41からトンネル部20の近傍のフロアフレーム44まで配置され、車幅方向右側のアンダーカバー10は、サイドシル42からトンネル部20の近傍のフロアフレーム46まで配置されている。
【0045】
上述したように、矢印47、48にて示す領域では、上面カバー部10Aは、フロアパネル19の形状に沿った床部形状領域となり、この領域でも、上面カバー部10Aと車体のフロアパネル19との隙間が無いか、あるいは、極僅かとなっている。尚、本実施形態では、上記フロアパネル19の形状とは、フロアパネル19の形状と、フロアパネル19に接合されたフロアフレーム43、44、45、46の形状も含むものとする。
【0046】
尚、本実施形態では、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 アンダーカバー
10A 上面カバー部
10B 下面カバー部
11 車両
12 フロントタイヤ
13 リアタイヤ
19 フロアパネル
20 トンネル部
35 空間部
図1
図2
図3
図4
図5