特許第6909445号(P6909445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6909445電子機器、電子機器の製造方法、プリント基板、プリント基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909445
(24)【登録日】2021年7月7日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の製造方法、プリント基板、プリント基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/24 20060101AFI20210715BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20210715BHJP
【FI】
   H05K3/24 B
   H05K3/34 501F
   H05K3/34 505A
   H05K3/34 505B
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-81312(P2019-81312)
(22)【出願日】2019年4月22日
(65)【公開番号】特開2020-178106(P2020-178106A)
(43)【公開日】2020年10月29日
【審査請求日】2019年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小手川 貴志
(72)【発明者】
【氏名】栗原 洋
(72)【発明者】
【氏名】上杉 肇
(72)【発明者】
【氏名】谷 幸直
(72)【発明者】
【氏名】東 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】福田 昌了
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−207729(JP,A)
【文献】 特開2009−152483(JP,A)
【文献】 特開2012−156218(JP,A)
【文献】 特開2001−298051(JP,A)
【文献】 特開2007−281228(JP,A)
【文献】 特開2003−338682(JP,A)
【文献】 特開平2−283091(JP,A)
【文献】 特開2006−41121(JP,A)
【文献】 特開平8−111568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/24
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板を備えた電子機器の製造方法であって、
銅層の所定の箇所を被覆するようにフラッシュ金メッキ層が形成された基板に部品を実装する工程と、
前記部品を実装された前記基板を筐体に組み込む工程と、を有し、
前記基板に前記部品を実装する工程は、
前記基板の第1の表面に表面実装部品を実装する工程と、
前記基板を裏返し、前記第1の表面とは反対側の第2の表面に他の前記表面実装部品を実装する工程と、
前記基板の前記第2の表面に、リード端子を挿入して固定されるDIP部品を実装する工程と、
前記基板を裏返し、前記基板の前記第1の表面に他の前記DIP部品を実装する工程と、
を含み、
前記基板の第1の表面に前記表面実装部品を実装する工程と、前記基板の前記第2の表面に前記他の表面実装部品を実装する工程の中で、
前記リード端子が挿入されるスルーホールの前記第1の表面側のランド部、前記第2の表面側のランド部、及び内壁部に形成された前記フラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層を形成する工程を実行する
ことを特徴とする電子機器の製造方法。
【請求項2】
前記はんだメッキ層を形成する工程は、
メタルマスクを用いて前記フラッシュ金メッキ層上にはんだペーストを印刷する工程と、
印刷された前記はんだペーストを加熱により溶融させて前記フラッシュ金メッキ層を被覆する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器の製造方法。
【請求項3】
前記銅層は、
前記基板に形成された前記スルーホールの開口部の周囲に形成された前記ランド部と、
前記スルーホールの内壁に形成された前記内壁部と、
を有しており、
前記フラッシュ金メッキ層は、
前記ランド部と前記内壁部を被覆するように形成されており、
前記はんだペーストを印刷する工程は、
前記ランド部の前記フラッシュ金メッキ層上に前記はんだペーストを印刷する工程を含み、
前記フラッシュ金メッキ層を被覆する工程は、
前記ランド部の前記フラッシュ金メッキ層上に印刷した前記はんだペーストを加熱により溶融させて前記ランド部と前記内壁部の前記フラッシュ金メッキ層を被覆する工程を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器の製造方法。
【請求項4】
電子機器に搭載されるプリント基板の製造方法であって、
銅層の所定の箇所を被覆するようにフラッシュ金メッキ層が形成された基板に部品を実装する工程を有し、
前記基板に前記部品を実装する工程は、
前記基板の第1の表面に表面実装部品を実装する工程と、
前記基板を裏返し、前記第1の表面とは反対側の第2の表面に他の前記表面実装部品を実装する工程と、
前記基板の前記第2の表面に、リード端子を挿入して固定されるDIP部品を実装する工程と、
前記基板を裏返し、前記基板の前記第1の表面に他の前記DIP部品を実装する工程と、
を含み、
前記基板の第1の表面に前記表面実装部品を実装する工程と、前記基板の前記第2の表面に前記他の表面実装部品を実装する工程の中で、
前記リード端子が挿入されるスルーホールの前記第1の表面側のランド部、前記第2の表面側のランド部、及び内壁部に形成された前記フラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層を形成する工程を実行する
ことを特徴とするプリント基板の製造方法。
【請求項5】
前記はんだメッキ層を形成する工程は、
メタルマスクを用いて前記フラッシュ金メッキ層上にはんだペーストを印刷する工程と、
印刷された前記はんだペーストを加熱により溶融させて前記フラッシュ金メッキ層を被覆する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項4に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項6】
前記銅層は、
前記基板に形成された前記スルーホールの開口部の周囲に形成された前記ランド部と、
前記スルーホールの内壁に形成された前記内壁部と、
を有しており、
前記フラッシュ金メッキ層は、
前記ランド部と前記内壁部を被覆するように形成されており、
前記はんだペーストを印刷する工程は、
前記ランド部の前記フラッシュ金メッキ層上に前記はんだペーストを印刷する工程を含み、
前記フラッシュ金メッキ層を被覆する工程は、
前記ランド部の前記フラッシュ金メッキ層上に印刷した前記はんだペーストを加熱により溶融させて前記ランド部と前記内壁部の前記フラッシュ金メッキ層を被覆する工程を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のプリント基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、電子機器、電子機器の製造方法、プリント基板及びプリント基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フラッシュ金メッキをほどこされたプリント配線基板の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−152483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フラッシュ金メッキをほどこされた基板は、例えば腐食性ガスの環境下において良好な耐環境性を得られない場合があり、耐環境性の向上が求められていた。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、耐環境性を向上することができる電子機器、電子機器の製造方法、プリント基板及びプリント基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、プリント基板を備えた電子機器であって、前記プリント基板は、基板と、前記基板に形成された銅層と、前記銅層の所定の箇所を被覆するように形成されたフラッシュ金メッキ層と、前記フラッシュ金メッキ層を被覆するように形成されたはんだメッキ層と、を有する電子機器が適用される。
【0007】
また、本発明の別の観点によれば、プリント基板を備えた電子機器の製造方法であって、銅層の所定の箇所を被覆するようにフラッシュ金メッキ層が形成された基板に部品を実装する工程と、前記部品を実装された前記基板を筐体に組み込む工程と、を有し、前記基板に前記部品を実装する工程は、前記フラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層を形成する工程を含む電子機器の製造方法が適用される。
【0008】
また、本発明の別の観点によれば、電子機器に搭載されるプリント基板であって、基板と、前記基板に形成された銅層と、前記銅層の所定の箇所を被覆するように形成されたフラッシュ金メッキ層と、前記フラッシュ金メッキ層を被覆するように形成されたはんだメッキ層と、を有するプリント基板が適用される。
【0009】
また、本発明の別の観点によれば、電子機器に搭載されるプリント基板の製造方法であって、銅層の所定の箇所を被覆するようにフラッシュ金メッキ層が形成された基板に部品を実装する工程を有し、前記基板に前記部品を実装する工程は、前記フラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層を形成する工程を含むプリント基板の製造方法が適用される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子機器等によれば、耐環境性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る電子機器の概略構成の一例を表す斜視図である。
図2】本実施形態に係る電子機器の製造方法の一例を表すフローチャートである。
図3】プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図4図2のステップS2で実行されるSMD実装(第1の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートである。
図5図4のステップS21に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図6図4のステップS22に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図7図4のステップS23に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図8図2のステップS3で実行されるSMD実装(第2の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートである。
図9図8のステップS31に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図10図8のステップS32に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図11図8のステップS33に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図12図2のステップS4で実行されるDIP実装(第2の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートである。
図13図12のステップS41に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図14図12のステップS42に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図15図2のステップS5で実行されるDIP実装(第1の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートである。
図16図2のステップS6でプリント基板に取り付けられる構造部材の一例を表す、プリント基板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図17】片面のランド部のみにはんだペーストの印刷を行う変形例における、図12のステップS41に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
図18】片面のランド部のみにはんだペーストの印刷を行う変形例における、図12のステップS42に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.電子機器の概略構成>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る電子機器の概略構成の一例について説明する。
【0014】
図1に示すように、電子機器1は、筐体3と、複数(例えば5つ)のプリント基板5とを有する。各プリント基板5は、筐体3の底板3aに対して垂直な方向に、図示しないコネクタを介して立設され、互いに平行に配置されている。なお、電子機器1が搭載するプリント基板5の数は複数に限らず、単数でもよい。また、プリント基板5は底板3aに対して平行に設置されてもよい。
【0015】
電子機器1は、例えばモータを制御するモータ制御装置である。但し、電子機器1の適用対象は、プリント基板を備えた機器であれば特に限定されるものではない。例えば、モータ以外の駆動機械を制御する制御装置、各種の産業機器、あるいは、コンピュータやスマートフォン等に適用してもよい。
【0016】
なお、本実施形態における「プリント基板」とは、電子部品が実装される前のいわゆるプリント配線板(PWB:Printed Wiring Board)ではなく、電子部品が実装されて電子回路として動作するようになったいわゆるプリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)を指すものとする。
【0017】
<2.電子機器の製造工程>
次に、図2を参照しつつ、本実施形態に係る電子機器の製造工程(製造方法)の一例について説明する。
【0018】
ステップS1では、プリント配線板(PWB)と、このプリント配線板に実装される電子部品等が準備される。詳細は後述するが、プリント配線板にはパターン配線等の銅層が形成されており、当該銅層の所定の箇所を被覆するようにフラッシュ金メッキ層が形成されている。電子部品には、表面実装部品であるSMD(Surface Mount Device)部品や、スルーホールにリード端子を挿入して固定されるDIP(Dual In line Package)部品等が含まれる。なお、ステップS1の工程は、作業者によって行われてもよいし、ロボット等の自動作業機により行われてもよい。
【0019】
ステップS2では、プリント配線板の第1の表面にSMD部品が実装される。また、ステップS3では、プリント配線板が裏返され、プリント配線板の第2の表面(第1の表面の反対側の面)にSMD部品が実装される。詳細は後述するが、ステップS2の工程において、プリント配線板の第1の表面のフラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層が形成され、ステップS3の工程において、プリント配線板の第2の表面におけるフラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層が形成される。なお、これらステップS2及びステップS3の工程は、はんだペースト印刷装置、マウンタ、及びリフロー炉等を備えた表面実装機(図示省略)により行われる。
【0020】
ステップS4では、プリント配線板の第2の表面にDIP部品が実装される。また、ステップS5では、プリント配線板が裏返され、プリント配線板の第1の表面にDIP部品が実装される。なお、これらステップS4及びステップS5の工程は、挿入機(手作業による取り付けの場合は不要)及びフロー槽等を備えた挿入実装機(図示省略)により行われる。
【0021】
なお、上記ステップS2及びステップS3において第1の表面から第2の表面の順番でSMD部品を実装し、上記ステップS4及びステップS5において第2の表面から第1の表面の順番でDIP部品を実装することで、プリント配線板を裏返す工程を削減できる。また、上記ステップS2〜ステップS5が、基板に部品を実装する工程に相当する。
【0022】
ステップS6では、SMD部品やDIP部品が実装されたプリント基板(PCB)に構造部材が取り付けられる。「構造部材」は、例えばネジやスタッド等の、基板に実装される電子部品以外の部材である。なお、ステップS6の工程は、作業者によって行われてもよいし、ロボット等の自動作業機により行われてもよい。
【0023】
ステップS7では、構造部材を取り付けたプリント基板が、電子機器1の筐体3に組み込まれる。ステップS7が、基板を筐体に組み込む工程に相当する。また、その他の内部機器の取付けや、配線作業等についても実行される。なお、ステップS7の工程は、作業者によって行われてもよいし、ロボット等の自動作業機により行われてもよい。このようにして電子機器1が完成する。
【0024】
なお、以上では、プリント基板が、表面と裏面の両方に部品が実装される両面基板である場合について説明したが、片面(部品面)だけに部品が実装される片面基板としてもよい。この場合、上記ステップS2では、SMDの実装は行われず、第1の表面(はんだ面)のフラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層が形成される。上記ステップS3では、第2の表面(部品面)に対してSMD部品が実装されると共に、第2の表面(部品面)のフラッシュ金メッキ層を被覆するようにはんだメッキ層が形成される。そして、上記ステップS4では、第2の表面(部品面)に対してDIP部品が実装される。なお、上記ステップS5は不要となる。
【0025】
<3.プリント配線板の層構成>
次に、図3を参照しつつ、上記ステップS1で準備されるプリント配線板の層構成の一例について説明する。なお、図3はプリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
【0026】
図3に示すように、プリント配線板7は、第1の表面7Aと第2の表面7Bを有する。またプリント配線板7は、絶縁材料で構成される基板9(基材ともいう)を有する。基板9は、単層構造の基板でもよいし、例えば配線層とプレーン層とを積層させた多層構造の基板でもよい。基板9には、穴開け工程においてドリルによりスルーホール11が形成されている。なお、本実施形態における「スルーホール」とは、基板9の全層を貫通するように形成され、例えばネジやスタッド等の構造部材やDIP部品のリード端子が挿入される、比較的大径の貫通孔のことをいう。したがって、層間の導通を目的に基板9の全層又は一部の層のみ貫通するように形成された、比較的小径の貫通孔(いわゆるビアホール)は「スルーホール」には含まれない。
【0027】
基板9の表面には、銅メッキ工程及びパターニング工程において、銅層12が形成されている。銅層12は、スルーホール11の開口部の周囲に形成された、第1の表面7A側のランド部13及び第2の表面7B側のランド部15と、スルーホール11の内壁に形成された内壁部17とを有する。また銅層12は、電子部品が表面実装される第1の表面7A側のパッド19及び第2の表面7B側のパッド21と、例えばテストパッドや予備のパッド等の電子部品が実装されない第1の表面7A側のパッド23と、マウンタや挿入機が基板の位置や姿勢を検出するために使用する第2の表面7B側に形成された認識マーク25とを有する。
【0028】
また基板9の表面には、ソルダーレジスト工程において、上記銅層12を保護するためのソルダーレジスト層27が形成されている。ソルダーレジスト層27は、銅層12の所定の箇所(例えばランド部13,15、内壁部17、及びパッド19,21等のはんだ付けが行われる箇所。その他、パッド23、認識マーク25等)を除いて、銅層12のパターン配線(図示せず)を被覆するように形成されている。
【0029】
銅層12のうち上記ソルダーレジスト層27から露出された箇所、図3に示す例ではランド部13,15、内壁部17、パッド19,21,23、及び認識マーク25には、フラッシュ金メッキ工程において、それらを被覆するようにフラッシュ金メッキ層29が形成されている。フラッシュ金メッキは、極めて短時間に行う薄い金メッキ(例えば0.01μm〜0.05μm程度)であり、はんだとの相性が良く良好な濡れ性を確保できる。
【0030】
プリント配線板7は、上記フラッシュ金メッキ工程の後、例えば文字印刷、外形加工、及び洗浄等の工程を経て製造されている。
【0031】
<4.SMD実装の詳細工程>
次に、図4図10を参照しつつ、SMD実装の詳細工程の一例について説明する。
【0032】
図4は、上記ステップS2で実行されるSMD実装(第1の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートである。また、図5図4のステップS21、図6図4のステップS22、図7図4のステップS23に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
【0033】
図4に示すように、ステップS21では、はんだペースト印刷装置により、メタルマスクを用いてプリント配線板7の第1の表面7A側のフラッシュ金メッキ層29上にはんだペーストが印刷される。「はんだペースト」は、はんだの粉末にフラックス(溶剤)を加えて所定の粘度にしたものであり、クリームはんだともいう。例えば図5に示すように、メタルマスク31には、第1の表面7A側のランド部13、パッド19、及びパッド23に対応する位置に開口部35が形成されており、これによりランド部13、パッド19、及びパッド23のフラッシュ金メッキ層29上にはんだペースト33が印刷される。
【0034】
ステップS22では、マウンタにより、プリント配線板7の第1の表面7A側の部品が実装される箇所に印刷されたはんだペースト上にSMD部品が配置される。例えば図6に示すように、パッド19のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33上に、SMD部品37が配置される。
【0035】
ステップS23では、リフロー炉により、SMD部品37が配置されたプリント配線板7が加熱される。これにより、印刷されたはんだペースト33が加熱により溶融し、フラッシュ金メッキ層29が被覆されると共に、SMD部品37がはんだ付けにより接合される。例えば図7に示すように、パッド19のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33は、加熱によりフラックスが気化すると共にはんだの粉末が溶融して液状化し、その後固化してはんだメッキ層39を形成する。これにより、SMD部品37とパッド19のフラッシュ金メッキ層29とが接合される。同様に、パッド23のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33は、はんだの粉末の溶融によりフラッシュ金メッキ層29を被覆するようにはんだメッキ層39を形成する。なお、ランド部13のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33は、溶融による液状化によりスルーホール11内に流入する。これにより、ランド部13のフラッシュ金メッキ層29と共に内壁部17のフラッシュ金メッキ層29の一部(例えば第1の表面7A側の半分)を被覆するように、はんだメッキ層39が形成される。
【0036】
図8は、上記ステップS3で実行されるSMD実装(第2の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートであり、図9図8のステップS31、図10図8のステップS32、図11図8のステップS33に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
【0037】
図8に示すように、ステップS31では、はんだペースト印刷装置により、メタルマスクを用いてプリント配線板7の第2の表面7B側のフラッシュ金メッキ層29上にはんだペーストが印刷される。例えば図9に示すように、メタルマスク41には、第2の表面7B側のランド部15、パッド21、及び認識マーク25に対応する位置に開口43が形成されており、これによりランド部15、パッド21、及び認識マーク25のフラッシュ金メッキ層29上にはんだペースト33が印刷される。
【0038】
ステップS32では、マウンタにより、プリント配線板7の第2の表面7B側の部品が実装される箇所に印刷されたはんだペースト上にSMD部品が配置される。例えば図10に示すように、パッド21のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33上に、SMD部品45が配置される。
【0039】
ステップS33では、リフロー炉により、SMD部品45が配置されたプリント配線板7が加熱される。これにより、印刷されたはんだペースト33が加熱により溶融し、フラッシュ金メッキ層29が被覆されると共に、SMD部品45がはんだ付けにより接合される。例えば図11に示すように、パッド21のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33は、加熱によりフラックスが気化すると共にはんだの粉末が溶融して液状化し、その後固化してはんだメッキ層39を形成する。これにより、SMD部品45とパッド21のフラッシュ金メッキ層29とが接合される。同様に、認識マーク25のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33は、はんだの粉末の溶融によりフラッシュ金メッキ層29を被覆するようにはんだメッキ層39を形成する。なお、ランド部15のフラッシュ金メッキ層29上に印刷されたはんだペースト33は、溶融による液状化によりスルーホール11内に流入する。これにより、ランド部15のフラッシュ金メッキ層29と共に内壁部17のフラッシュ金メッキ層29の一部(例えば第2の表面7B側の半分)を被覆するように、はんだメッキ層39が形成される。このようにして、プリント配線板7の第1の表面7A及び第2の表面7Bの両方に対してSMD部品の実装工程が実行されることで、スルーホール11内の内壁部17のフラッシュ金メッキ層29の全体を被覆するようにはんだメッキ層39が形成される。
【0040】
なお、上記ではランド部13及びランド部15のはんだペースト33を同等の比率で利用して内壁部17の全体を被覆する場合について説明したが、例えばランド部13又はランド部15のいずれか一方のはんだペースト33のみを利用して内壁部17の全体を被覆してもよいし、ランド部13及びランド部15のはんだペースト33を適宜の比率で利用して内壁部17の全体を被覆してもよい。この場合、例えばメタルマスク31,41の厚みや開口部35,43の大きさを調整し、ランド部13又はランド部15に印刷するはんだペースト33の量を適宜の量となるように調整すればよい。
【0041】
また、上記ステップS21及びステップS31が、はんだペーストを印刷する工程及びランド部のフラッシュ金メッキ層上にはんだペーストを印刷する工程に相当する。また、上記ステップS23及びステップS33が、フラッシュ金メッキ層を被覆する工程及びランド部と内壁部のフラッシュ金メッキ層を被覆する工程に相当する。また、上記ステップS21及びステップS31並びにステップS23及びステップS33が、はんだメッキ層を形成する工程に相当する。
【0042】
<5.DIP実装の詳細工程>
次に、図12図15を参照しつつ、DIP実装の詳細工程の一例について説明する。
【0043】
図12は、上記ステップS4で実行されるDIP実装(第2の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートであり、図13図12のステップS41、図14図12のステップS42に対応した、プリント配線板のスルーホール部分の断面構造を抽出して示す断面図である。
【0044】
図12に示すように、ステップS41では、挿入機又は作業者の手作業により、プリント配線板7の第2の表面7B側の部品が実装される箇所にDIP部品が配置される。例えば図13に示すように、DIP部品47はリード端子49がスルーホール51に挿入されることで第2の表面7B側に配置される。なお、スルーホール51は、前述のスルーホール11と同様に、プリント配線板7の第1の表面7A及び第2の表面7Bの両方に対してSMD部品の実装工程(ステップS2及びステップS3)が実行されることで、ランド部53,55及び内壁部57のフラッシュ金メッキ層29の全体を被覆するようにはんだメッキ層39が形成されている。
【0045】
ステップS42では、フロー槽により、DIP部品47が配置されたプリント配線板7に対してフローはんだが実行される。これにより、DIP部品47のリード端子49がスルーホール51にはんだ付けにより接合される。例えば図14に示すように、DIP部品47が第2の表面7B側に配置されたプリント配線板7の第1の表面7A側にフロー槽からはんだの噴流が吹き付けられて、はんだがスルーホール51内に充填されると共にフィレット59が形成される。
【0046】
ステップS43では、作業者が、上記フローはんだによりはんだ付けがなされない箇所に手作業によるはんだ付けを実行したり、上記フローはんだにより不具合(例えばショート等)が生じた箇所のリペアを実行する。なお、ステップS43の工程はロボット等の自動作業機により行われてもよい。
【0047】
図15は、上記ステップS5で実行されるDIP実装(第1の表面)の詳細工程の一例を表すフローチャートである。なお、本工程におけるプリント配線板の断面構造は、前述の図13及び図14と同様(プリント配線板が裏返され、第1の表面と第2の表面の上下方向の位置関係が反対となる)のため、断面構造の図示を省略する。
【0048】
図15に示すように、ステップS51では、挿入機又は作業者の手作業により、DIP部品のリード端子がスルーホールに挿入されて、DIP部品が第1の表面7A側に配置される。
【0049】
ステップS52では、DIP部品が第1の表面7A側に配置されたプリント配線板7の第2の表面7B側にフロー槽からはんだの噴流が吹き付けられて、はんだがスルーホール内に充填されると共にフィレットが形成される。
【0050】
ステップS53では、作業者が、上記フローはんだによりはんだ付けがなされない箇所に手作業によるはんだ付けを実行したり、上記フローはんだにより不具合(例えばショート等)が生じた箇所のリペアを実行する。なお、ステップS53の工程はロボット等の自動作業機により行われてもよい。以上により、プリント配線板7に対する部品の実装が完了し、プリント基板5となる。
【0051】
以上のように、DIP部品47が実装されるスルーホール51のランド部53,55及び内壁部57には、前工程(SMD部品の実装工程)において予めフラッシュ金メッキ層29を被覆するようにはんだメッキ層39が形成される。これにより、フローはんだが行われる側とは反対側のランド部55(DIP部品47が配置される側のランド部55)や、内壁部57のはんだが行き届かなかった部分についても、フラッシュ金メッキ層29が露出するのを防止することができる。
【0052】
<6.プリント基板に取り付けられる構造部材>
次に、図16を参照しつつ、上記ステップS6でプリント基板に取り付けられる構造部材の一例について説明する。
【0053】
図16に示す例では、部品の実装を終えたプリント基板5のスルーホール61に対して、第1の表面7A側から第2の表面7B側に向けてネジ62が挿通され、スタッド64にねじ込まれている。なお、スルーホール61は、前述のスルーホール11,51と同様に、プリント配線板7の第1の表面7A及び第2の表面7Bの両方に対してSMD部品の実装工程(ステップS2及びステップS3)が実行されることで、ランド部63,65及び内壁部67のフラッシュ金メッキ層29の全体を被覆するようにはんだメッキ層39が形成されている。導電材料で構成されるネジ62及びスタッド64は、互いに締結されることで導通する。また、ネジ62は、座金69を介してはんだメッキ層39に接触することでランド部63に導通し、スタッド64は、はんだメッキ層39に接触することでランド部65に導通する。
【0054】
このような構成により、次のような効果を奏する。例えば、フラッシュ金メッキ層29の腐食を抑制する手法として、例えばフラッシュ金メッキ層29の表面にコーティング材(アクリル系、ウレタン系、シリコン系等)を塗布することが考えられる。しかしながら、この場合にはコーティング材は絶縁材料で構成されることから、上記ネジ62やスタッド64とランド部63,65との間に絶縁材料が介在することとなり、スルーホール61における導通が不安定となる可能性がある。本実施形態では導電材料であるはんだメッキ層39を形成するため、ネジ62やスタッド64とランド部63,65との間の良好な導通を確保でき、スルーホール61の導通の安定性を高めることができる。
【0055】
<7.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の電子機器1は、プリント基板5を備えており、プリント基板5は、基板9と、基板9に形成された銅層12と、銅層12の所定の箇所を被覆するように形成されたフラッシュ金メッキ層29と、フラッシュ金メッキ層29を被覆するように形成されたはんだメッキ層39と、を有する。
【0056】
銅層12の表面処理としてフラッシュ金メッキを採用することにより、例えば銅層12の表面をはんだで被覆する場合(はんだレベラ)に比べて、極小チップ部品や狭ピッチBGA等の実装が可能となり、プリント基板5の高密度化や小型化が可能となる。一方で、フラッシュ金メッキ層29は非常に薄く形成されるため、はんだレベラに比べて例えば硫化水素ガス等の腐食性ガスの環境下において腐食し易い傾向があり、良好な耐環境性が得られない場合がある。
【0057】
そこで本実施形態では、フラッシュ金メッキ層29を被覆するようにはんだメッキ層39が形成されている。これにより、はんだは腐食性ガスに対する耐食性が高いことから、フラッシュ金メッキ層29の耐環境性を向上できる。したがって、高密度化及び小型化が可能で且つ耐環境性の高いプリント基板5を実現できる。
【0058】
また、フラッシュ金メッキ層29の腐食を抑制する手法として、例えばコーティング材(アクリル系、ウレタン系、シリコン系等)を塗布することも考えられるが、このようなコーティング材は絶縁材料で構成されることから、フラッシュ金メッキ層29を形成した箇所の導通が不安定となる可能性がある。本実施形態では導電材料で構成されるはんだメッキ層39を形成するため、良好な導通を確保することができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、銅層12は、基板9に形成されたスルーホール11等(スルーホール51,61を含む。以下同様)の開口部の周囲に形成されたランド部13,15等(ランド部53,55、ランド部63,65を含む。以下同様)と、スルーホール11等の内壁に形成された内壁部17等(内壁部57,67を含む。以下同様)と、を有しており、フラッシュ金メッキ層29は、ランド部13,15等と内壁部17等を被覆するように形成されており、はんだメッキ層39は、ランド部13,15等と内壁部17等に形成されたフラッシュ金メッキ層29を被覆するように形成されている。
【0060】
基板に形成されたスルーホール11等は、例えばネジ62やスタッド64等が挿通されて部品の固定や基板の端子として使用されたり、DIP部品47のリード端子49が挿通されて当該部品の実装に使用される。仮にはんだメッキ層39を形成しない場合、前者のスルーホール(例えばスルーホール61)は、一般的にコーティングを施されないため、ランド部63,65等や内壁部67等においてフラッシュ金メッキ層29が露出する。また後者のスルーホール(例えばスルーホール51)は、フローはんだ工程においてDIP部品47が配置された面とは反対側の面側から溶融したはんだを吹き付けてDIP部品47が実装されるが、DIP部品47が配置された面側のランド部55や、内壁部57のはんだが行き届かなかった部分についてはフラッシュ金メッキ層29が露出する場合がある。したがって、腐食性ガスの影響を受け易くなる。
【0061】
本実施形態では、はんだメッキ層39が、銅層12のランド部13,15等と内壁部17等に形成されたフラッシュ金メッキ層29を被覆するように形成されている。これにより、上述の両者のスルーホールにおいてフラッシュ金メッキ層29の露出部分をなくすことができ、耐環境性を向上できる。
【0062】
また、スルーホール11等においてフラッシュ金メッキ層29の露出部分に例えばコーティング材を塗布する場合には、コーティング材は絶縁材料で構成されることから、内部に挿通されるネジ62やスタッド64、あるいはDIP部品47のリード端子49と銅層12との間に絶縁材料が介在することとなり、スルーホール11等における導通が不安定となる可能性があるのに対し、本実施形態では導電材料であるはんだメッキ層39を形成するため、スルーホール11等の導通の安定性を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態のプリント基板5を備えた電子機器1の製造方法であって、銅層12の所定の箇所を被覆するようにフラッシュ金メッキ層29が形成されたプリント配線板7に部品を実装する工程であるステップS2〜ステップS5と、部品を実装されたプリント基板5を筐体3に組み込む工程であるステップS7と、を有し、プリント配線板7に部品を実装する工程であるステップS2〜ステップS5は、フラッシュ金メッキ層29を被覆するようにはんだメッキ層39を形成する工程であるステップS21及びステップS31並びにステップS23及びステップS33を含む。
【0064】
これにより、はんだメッキ層39を形成する工程を、既存の製造工程である部品を実装する工程に組み込むことができる。したがって、新たな製造工程を増やすことなく、高密度化及び小型化が可能で且つ耐環境性の高いプリント基板5を備えた電子機器1を製造することができる。
【0065】
また、本実施形態では特に、はんだメッキ層39を形成する工程であるステップS21及びステップS31並びにステップS23及びステップS33は、メタルマスク31,41を用いてフラッシュ金メッキ層29上にはんだペースト33を印刷する工程であるステップS21及びステップS31と、印刷されたはんだペースト33を加熱により溶融させてフラッシュ金メッキ層29を被覆する工程であるステップS23及びステップS33と、を含む。
【0066】
一般にSMD部品37,45を実装する工程は、仮にはんだメッキ層39を形成しない場合でも、メタルマスクを用いてはんだペーストを基板上の所定の箇所に印刷する工程(ステップS21、ステップS31に相当)と、印刷されたはんだペースト上に部品を配置する工程(ステップS22、ステップS32に相当)と、印刷されたはんだペーストを加熱により溶融させて部品をはんだで固定する工程(ステップS23、ステップS33に相当)とを含む。したがって、本実施形態によれば、既存のメタルマスクの開口形状に、はんだメッキ層39を形成する部位の開口を新たに設けるだけで、SMD部品37,45を実装する工程の中でフラッシュ金メッキ層29上にはんだメッキ層39を形成することができる。
【0067】
また、本実施形態では特に、はんだペースト33を印刷する工程であるステップS21及びステップS31は、ランド部13,15等のフラッシュ金メッキ層29上にはんだペースト33を印刷する工程を含み、フラッシュ金メッキ層29を被覆する工程であるステップS23及びステップS33は、ランド部13,15等のフラッシュ金メッキ層29上に印刷したはんだペースト33を加熱により溶融させてランド部13,15等と内壁部17等のフラッシュ金メッキ層29を被覆する工程を含む。
【0068】
このように、ランド部13,15等に印刷されたはんだペースト33を溶融させて、液状となったはんだをスルーホール11等の内部に流入させることにより、ランド部13,15等だけでなく内壁部17等のフラッシュ金メッキ層29についてもはんだメッキ層39で被覆することができる。
【0069】
<8.変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0070】
上記実施形態では、スルーホール51のランド部53,55の両方に対し、はんだペースト33の印刷及びリフロー炉による加熱を行い、ランド部53,55及び内壁部57のフラッシュ金メッキ層29の全体を被覆するようにはんだメッキ層39を形成したが、これに限らない。例えば、図17に示すように、スルーホール51のランド部55のみに対してはんだペースト33の印刷及びリフロー炉による加熱を行い、ランド部55のフラッシュ金メッキ層29と共に内壁部57のフラッシュ金メッキ層29の一部(例えば第2の表面7B側の半分)を被覆するように、はんだメッキ層39を形成してもよい。そして、図18に示すように、DIP部品47が第2の表面7B側に配置されたプリント配線板7の第1の表面7A側にフロー槽からはんだの噴流を吹き付けて、はんだをスルーホール51内に充填すると共にフィレット59を形成して、ランド部53及び内壁部57の残りの部分(例えば第1の表面7A側の半分)のフラッシュ金メッキ層29を被覆してもよい。
【0071】
なお、本変形例の場合には、前述の図4に示すステップS21において、第1の表面7A側のランド部53に対してははんだペースト33の印刷を行わず、前述の図8に示すステップS31において、第2の表面7B側のランド部55に対してはんだペースト33の印刷を行えばよい。本変形例によっても、フローはんだが行われる側とは反対側のランド部55(DIP部品47が配置される側のランド部55)や、内壁部57のはんだが行き届きにくい部分(例えば第2の表面7B側の部分)についても、フラッシュ金メッキ層29が露出するのを防止することができる。
【0072】
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0073】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一(同じ)」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一(同じ)」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一(同じ)」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0074】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0075】
1 電子機器
3 筐体
5 プリント基板
7 プリント配線板(基板)
9 基板
11 スルーホール
12 銅層
13 ランド部
15 ランド部
17 内壁部
29 フラッシュ金メッキ層
31 メタルマスク
33 はんだペースト
39 はんだメッキ層
41 メタルマスク
51 スルーホール
53 ランド部
55 ランド部
57 内壁部
61 スルーホール
63 ランド部
65 ランド部
67 内壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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