特許第6909905号(P6909905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6909905
(24)【登録日】2021年7月7日
(45)【発行日】2021年7月28日
(54)【発明の名称】光学レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20210715BHJP
【FI】
   G02B7/02 A
   G02B7/02 B
   G02B7/02 D
   G02B7/02 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-111020(P2020-111020)
(22)【出願日】2020年6月28日
(65)【公開番号】特開2021-9375(P2021-9375A)
(43)【公開日】2021年1月28日
【審査請求日】2020年6月28日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/093905
(32)【優先日】2019年6月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲傑▼
【審査官】 三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−163657(JP,A)
【文献】 特表2008−529089(JP,A)
【文献】 中国実用新案第206339751(CN,U)
【文献】 中国実用新案第207074290(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学レンズモジュールであって、
鏡筒と、レンズユニットと、押えリングとを備え、
前記レンズユニットは、第1レンズと、前記第1レンズの像側に設けられる第2レンズとを備え、前記第1レンズは、第1物体側面、第1像側面、及び、前記第1物体側面と前記第1像側面とを接続する周方向面を含み、前記第1物体側面の少なくとも一部は、前記鏡筒の外部に位置し、前記第1像側面は、前記周方向面に直接接続される第1斜面を含み、前記第2レンズは、前記鏡筒内に位置し、前記第2レンズは、第2物体側面を含み、前記第2物体側面は、第1水平面、及び、前記第1水平面から像側方向へ傾斜延在する第2斜面を含み、前記第2斜面は、前記第1斜面に当接し、
前記押えリングは、前記第1水平面に当接し、前記押えリングは、互いに向かい合う内環面と外環面とを備え、前記内環面は、前記周方向面に接続され、前記外環面は、前記鏡筒に接続されていることを特徴とする光学レンズモジュール。
【請求項2】
前記第1斜面と前記光学レンズモジュールの光軸との間の夾角は、30°〜60°であることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズモジュール。
【請求項3】
前記第1物体側面は、第1曲面と、前記第1曲面から折り曲げて延在する第2曲面とを含み、前記第1曲面と前記第2曲面は、何れも前記第1レンズの光学領域に位置し、物体側から像側への方向において、前記第2曲面は、前記光学レンズモジュールの光軸から離間する方向へ傾斜することを特徴とする請求項1に記載の光学レンズモジュール。
【請求項4】
前記内環面は、前記周方向面に接着され、前記内環面と前記周方向面との間には、接着剤受け溝が形成され、前記外環面は、前記鏡筒に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズモジュール。
【請求項5】
前記レンズユニットは、第1遮光シートを備え、前記第1遮光シートは、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズモジュール。
【請求項6】
前記第1像側面は、前記第1斜面に接続される第1保持面を更に含み、前記第2物体側面は、前記第2斜面に接続される第2保持面を更に含み、前記第1遮光シートは、前記第1保持面と前記第2保持面との間に介在されることを特徴とする請求項5に記載の光学レンズモジュール。
【請求項7】
前記レンズユニットは、前記第2レンズの像側に設けられる第3レンズと、前記第2レンズと前記第3レンズの間に設けられる第2遮光シートとを更に備え、前記第3レンズの外径は、前記第2レンズの外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の光学レンズモジュール。
【請求項8】
前記第2レンズは、第2像側面を更に含み、前記第2像側面は、順次接続される第2水平面、第3斜面及び第3保持面を含み、前記第3斜面は、前記第2水平面から像側方向へ傾斜延在し、前記第3レンズは、第3物体側面を含み、前記第3物体側面は、順次接続される第3水平面、第4斜面及び第4保持面を含み、前記第4斜面は、前記第3水平面から像側方向へ傾斜延在し、前記第2水平面は、前記第3水平面に当接し、前記第3斜面は、前記第4斜面に当接し、前記第2遮光シートは、前記第3保持面と前記第4保持面との間に介在されることを特徴とする請求項7に記載の光学レンズモジュール。
【請求項9】
前記レンズユニットは、第4レンズ及び第5レンズを更に備え、物体側から像側への方向において、前記第3レンズ、前記第4レンズ及び前記第5レンズは、この順で設けられ、且つ外径がこの順で小さくなり、
前記レンズユニットは、第3遮光シート及び第4遮光シートを更に備え、前記第3遮光シートは、前記第3レンズと前記第4レンズの間に設けられ、前記第4遮光シートは、前記第4レンズと前記第5レンズの間に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の光学レンズモジュール。
【請求項10】
前記第1レンズは、プラスチックレンズであり、前記第2レンズは、プラスチックレンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学結像技術分野に関し、特に光学レンズモジュールに関する。
【0002】
現在、光学レンズモジュールは、各種の電子製品、例えば、携帯電話、タブレット等に広く応用されてきている。撮像技術の発展、及び電子製品に対する人々のますます高くなる要望とともに、光学レンズモジュールの小型化が進みつつある一方、レンズの成形難易度も増加してレンズの面型が保証されにくくなった。
【0003】
したがって、上記技術問題を解決する光学レンズモジュールを提供する必要が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の光学レンズモジュールのレンズ成形の難易度が大きいという問題を解決する光学レンズモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決手段は、下記のようになる。
本発明は、光学レンズモジュールを提供する。当該光学レンズモジュールは、鏡筒と、レンズユニットと、押えリングとを備え、前記レンズユニットは、第1レンズと、前記第1レンズの像側に設けられる第2レンズとを備え、前記第1レンズは、第1物体側面、第1像側面、及び、前記第1物体側面と前記第1像側面とを接続する周方向面を含み、前記第1物体側面の少なくとも一部は、前記鏡筒の外部に位置し、前記第1像側面は、前記周方向面に直接接続される第1斜面を含み、前記第2レンズは、前記鏡筒内に位置し、前記第2レンズは、第2物体側面を含み、前記第2物体側面は、第1水平面、及び、前記第1水平面から像側方向へ傾斜延在する第2斜面を含み、前記第2斜面は、前記第1斜面に当接し、前記押えリングは、前記第1水平面に当接し、前記押えリングは、互いに向かい合う内環面と外環面とを備え、前記内環面は、前記周方向面に接続され、前記外環面は、前記鏡筒に接続されている。
【0006】
その中の一実施例では、前記第1斜面と前記光学レンズモジュールの光軸との間の夾角は、30°〜60°である
【0007】
その中の一実施例では、前記第1物体側面は、第1曲面と、前記第1曲面から折り曲げて延在する第2曲面とを含み、前記第1曲面と前記第2曲面は、何れも前記第1レンズの光学領域に位置し、物体側から像側への方向において、前記第2曲面は、前記光学レンズモジュールの光軸から離間する方向へ傾斜する。
【0008】
その中の一実施例では、前記内環面は、前記周方向面に接着され、前記内環面と前記周方向面との間には、接着剤受け溝が形成され、前記外環面は、前記鏡筒に接着されている。
【0009】
その中の一実施例では、前記レンズユニットは、第1遮光シートを備え、前記第1遮光シートは、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に設けられている。
【0010】
その中の一実施例では、前記第1像側面は、前記第1斜面に接続される第1保持面を更に含み、前記第2物体側面は、前記第2斜面に接続される第2保持面を更に含み、前記第1遮光シートは、前記第1保持面と前記第2保持面との間に介在される。
【0011】
その中の一実施例では、前記レンズユニットは、前記第2レンズの像側に設けられる第3レンズと、前記第2レンズと前記第3レンズの間に設けられる第2遮光シートとを更に備え、前記第3レンズの外径は、前記第2レンズの外径よりも小さい。
【0012】
その中の一実施例では、前記第2レンズは、第2像側面を更に含み、前記第2像側面は、順次接続される第2水平面、第3斜面及び第3保持面を含み、前記第3斜面は、前記第2水平面から像側方向へ傾斜延在し、前記第3レンズは、第3物体側面を含み、前記第3物体側面は、順次接続される第3水平面、第4斜面及び第4保持面を含み、前記第4斜面は、前記第3水平面から像側方向へ傾斜延在し、前記第2水平面は、前記第3水平面に当接し、前記第3斜面は、前記第4斜面に当接し、前記第2遮光シートは、前記第3保持面と前記第4保持面との間に介在される。
【0013】
その中の一実施例では、前記レンズユニットは、第4レンズ及び第5レンズを更に備え、物体側から像側への方向において、前記第3レンズ、前記第4レンズ及び前記第5レンズは、この順で設けられ、且つ外径がこの順で小さくなり、
前記レンズユニットは、第3遮光シート及び第4遮光シートを更に備え、前記第3遮光シートは、前記第3レンズと前記第4レンズの間に設けられ、前記第4遮光シートは、前記第4レンズと前記第5レンズの間に設けられている。
【0014】
その中の一実施例では、前記第1レンズは、プラスチックレンズであり、前記第2レンズは、プラスチックレンズである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、下記の有利な作用効果を有する。上記光学レンズモジュールでは、第1レンズの周方向面が第1斜面に直接接続され、このような設計により、第1レンズの外径が大きく減少されるため、フローマーク、トラップガス等の外観問題が非常に良好に改善可能であるとともに、第1レンズを射出成形する際に、ゲートの高さが増加可能であり、第1レンズの成形難易度が低減され、第1レンズの面型が大きくが改善される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の光学レンズモジュールの構造模式図である。
図2図1に示す光学レンズモジュールにおける鏡筒の構造模式図である。
図3図1に示す光学レンズモジュールにおける第1レンズの構造模式図である。
図4図1に示す光学レンズモジュールにおける第2レンズの構造模式図である。
図5図1に示す光学レンズモジュールにおける第3レンズの構造模式図である。
図6図1に示す光学レンズモジュールにおける押えリングの構造模式図である。
図7】従来の光学レンズモジュールにおける第1レンズの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面及び実施形態を組み合わせて本発明を更に説明する。
図1及び図2に示すように、一実施形態の光学レンズモジュールは、携帯電話、タブレット等の電子製品に適用可能であり、光学レンズモジュールは、鏡筒100及びレンズユニット200を備え、鏡筒100は、レンズユニット200の主な取付構造として、丸筒であってもよく、角筒であってもよい。
【0018】
鏡筒100は、底壁110及び側壁120を備え、側壁120の物体側に近接する側は、開放して設置され、底壁110は、側壁120の像側に近接する側に設けられ、側壁120から内方へ折り曲げて延在する。底壁110が側壁120に接続されて収容キャビティ102が形成され、側壁120の収容キャビティ102に近接する一面は、多段の段差面124であり、物体側から像側への方向において、段差面124の内径は、徐々に大きくなる。
【0019】
レンズユニット200は、物体側から像側への方向において順次配置される複数のレンズを備え、当該複数のレンズは、それぞれ第1レンズ210、第2レンズ220、第3レンズ230、第4レンズ240及び第5レンズ250である。つまり、本実施形態において、レンズユニット200は、合計で5つのレンズを含む。ただし、第1レンズ210の外径は、第2レンズ220の外径よりも小さく、第2レンズ220の外径、第3レンズ230の外径、第4レンズ240の外径、第5レンズ250の外径は、この順で小さくなる。したがって、理解し難くないことは、この複数のレンズのうち、第1レンズ210が物体側に最も近接し、第5レンズ250が像側に最も近接し、第2レンズ220の外径が最も大きい。
【0020】
そして、第2レンズ220、第3レンズ230、第4レンズ240及び第5レンズ250は、何れも収容キャビティ102内に設けられ、第5レンズ250の像側面は、底壁110に当接する。これらのレンズの外径が、対応する段差面124の内径に適応するため、これらのレンズが光軸10に垂直な方向においてずれが生じることは回避可能である。
【0021】
図1図3図4を参照すると、第1レンズ210は、第1物体側面212、第1像側面214、及び、第1物体側面212と第1像側面214とを接続する周方向面216を含む。ただし、第1物体側面212の少なくとも一部は、鏡筒100の外部に位置し、且つ第1物体側面212は、第1曲面2122と、第1曲面2122から折り曲げる第2曲面2124とを含み、第1曲面2122と第2曲面2124は、何れも第1レンズ210の光学領域に位置する。物体側から像側への方向において、第2曲面2124は、光軸10から離間する方向へ傾斜する。換言すれば、物体側から像側への方向において、第2曲面2124と光軸10との間の距離は、徐々に大きくなる。第1レンズ210がプラスチックレンズであり、射出プロセスによって作製されたものであるため、第2曲面2124をこのように設計すると、第1レンズ210の型抜きは便利になる。無論、他の実施形態において、第1レンズ210は、ガラスレンズであってもよい。その際、第2曲面2124は、光軸10を軸線とする円柱面として設計されてもよい。つまり、第2曲面2124の母線は、光軸10に平行となる直線である。
【0022】
第1像側面214は、周方向面216に直接接続される第1斜面2142を含み、物体側から像側への方向において、第1斜面2142は、光軸10に近接する方向へ傾斜する。周方向面216は、光軸10を軸線とする円柱面である。第2レンズ220は、第2物体側面222を含み、第2物体側面222は、光軸10に垂直な第1水平面2222と、第1水平面2222から像側方向へ傾斜延在する第2斜面2224とを含み、且つ第2斜面2224は、光軸10に近接する方向へ傾斜し、第2斜面2224は、第1斜面2142に当接する。本実施形態において、第1斜面2142と光軸10との間の夾角は、30°〜60°であり、他の実施形態において、第1斜面2142と光軸10との間の夾角は、他の角度であってもよい。
【0023】
理解し難くないことは、本実施形態の光学レンズモジュールにとって、第1レンズ210が第2レンズ220に凹凸係合し、第1レンズ210の一部の構造が鏡筒100の外部まで延在するため、第1レンズ210の、鏡筒100の外部に位置する部分の構造の寸法A1は、全光学レンズモジュールの頭部寸法を定める。光学レンズモジュールの頭部寸法は、鏡筒100の壁厚の制限を受けなくなり、頭部寸法は、大きく減少可能である。
【0024】
図7に示す従来の第1レンズ210aでは、第1レンズ210aの周方向面216aと第1斜面2142aとの間に水平延在面211aが更に接続されているため、従来の光学レンズモジュールの第1レンズ210aの外径が比較的に大きい。その一方、光学パラメータ、生産製造等の影響により、第1レンズ210aの厚さ比率が比較的に小さい。こうして、第1レンズ210aの成形が困難であり、第1レンズ210aの面型が保証されにくいとともに、フローマーク、トラップガス等の外観問題も出現しやすくなる。
【0025】
したがって、従来の光学レンズモジュールよりも、本実施形態における第1レンズ210の外径が大きく減少され、フローマーク、トラップガス等の外観問題が非常に良好に改善可能であり、更に、第1レンズ210の外径の減少により、第1レンズ210の型抜き勾配Fが増大可能であり、離型がより便利になり、光学レンズモジュールの製造精度が向上する。型抜き勾配Fの増大は、頭部寸法A1を従来の光学レンズモジュールのA2寸法よりも小さくできることを意味し、光学レンズモジュールの頭部寸法を更に小さくすることができる。それとともに、第1レンズ210のB1寸法は、従来の光学レンズモジュールのB2寸法よりも大きくなる。
【0026】
また、第1レンズ210を射出成形する際に、ゲートの高さを増加可能であるため、第1レンズ210の成形難易度が大きく低減され、第1レンズ210の面型が改善され得る。
【0027】
なお、本実施形態において、第2レンズ220、第3レンズ230、第4レンズ240及び第5レンズ250は、何れもプラスチックレンズである。
【0028】
レンズユニット200は、第1レンズ210と第2レンズ220の間に設けられる第1遮光シート260を更に備える。本実施形態において、具体的に、第1像側面214は、第1斜面2142に接続される第1保持面2144を更に含み、第2物体側面222は、第2斜面2224に接続される第2保持面2226を更に含み、第1保持面2144と第2保持面2226は、何れも光軸10に垂直な平面であり、第1遮光シート260は、第1保持面2144と第2保持面2226の間に介在される。第1遮光シート260は、迷光を阻止する役割を果たすことにより、迷光が結像領域に進入して結像品質へ影響を与えることを回避させる。
【0029】
本実施形態において、第2レンズ220と第3レンズ230は、同様に互いに凹凸係合する。具体的に、図4及び図5を参照し、第2レンズ220は、第2像側面224を更に含み、第2像側面224は、順次接続される第2水平面2242、第3斜面2244及び第3保持面2246を含み、第2水平面2242は、光軸10に垂直となり、第3斜面2244は、第2水平面2242から像側方向へ傾斜延在し、且つ第3斜面2244は、光軸10に近接する方向へ傾斜し、第3保持面2246は、第2水平面2242に平行となる。第3レンズ230は、第3物体側面232を含み、第3物体側面232は、順次接続される第3水平面2322、第4斜面2324及び第4保持面2326を含み、第3水平面2322は、光軸10に垂直となり、第4斜面2324は、第3水平面2322から像側方向へ傾斜延在し、且つ第4斜面2324は、光軸10に近接する方向へ傾斜し、第4保持面2326は、第3水平面2322に平行となる。第2水平面2242は、第3水平面2322に当接し、第3斜面2244は、第4斜面2324に当接し、第3保持面2246は、第4保持面2326に対向するように設けられている。
【0030】
図1も参照し、レンズユニット200は、第2レンズ220と第3レンズ230との間に設けられる第2遮光シート270を更に備え、第2遮光シート270は、第3保持面2246と第4保持面2326の間に介在され、迷光を阻止する役割を果たすことにより、迷光が結像領域に進入して結像品質へ影響を与えることを回避させる。
【0031】
更に、本実施形態において、レンズユニット200は、第3遮光シート280及び第4遮光シート290を更に備え、第3遮光シート280は、第3レンズ230と第4レンズ240の間に設けられ、第4遮光シート290は、第4レンズ240と第5レンズ250の間に設けられている。第3遮光シート280及び第4遮光シート290は、何れも迷光を阻止する役割を果たせ、結像効果を向上させる。
【0032】
本実施形態において、第1遮光シート260、第2遮光シート270、第3遮光シート280及び第4遮光シート290は、何れも黒色プラスチック材料で射出成形の方式によって作製されたものであり、寸法の精確度を向上させ、製造上の誤差によって迷光阻止効果を低減したり、有効結像光線を過度に阻止したりすることで結像品質へ影響することを発生させないようにする。他の実施形態において、これらの遮光シートは、黒色薄膜でプレス加工の方式によって作製されてもよい。
【0033】
図1図3図4及び図6に示すように、光学レンズモジュールは、押えリング300を更に備え、押えリング300は、互いに向かい合う内環面310と外環面320を含み、内環面310は、周方向面216に接続されることにより、押えリング300と第1レンズ210との接続を図り、外環面320は、側壁120の収容キャビティ102に近接する一面に接続されることにより、押えリング300と鏡筒100との接続を図る。これにより、第1レンズ210を鏡筒100に固定する目的は、達成される。また、押えリング300が第1水平面2222に当接し、これにより、押えリング300がまた底壁110に係合可能であり、第2レンズ220、第3レンズ230、第4レンズ240及び第5レンズ250を鏡筒100に固定する目的は、達成される。
【0034】
本実施形態において、外環面320と鏡筒100とは、接着剤注入の形態によって互いに接着され、また、内環面310と周方向面216の間には、接着剤受け溝106が形成されている。接着剤受け溝106内へ接着剤注入を行うことにより、内環面310と周方向面216との接着を実施する。理解できるように、他の実施形態において、押えリング300は、ネジ接続の方式によって側壁120に接続されてもよい。ここで、唯一に限定されない。
【0035】
本実施形態の光学レンズモジュールを組み立てる際に、第5レンズ250、第4レンズ240、第3レンズ230、第2レンズ220、第1レンズ210をこの順に、像側から物体側への方向において鏡筒100に取り付け、最後に押えリング300によってレンズユニット200に対する固定を実施する。
【0036】
また、説明すべきことは、レンズユニット200に含まれるレンズの数が図1に示す実施例に限定されず、レンズの数が2つ、3つ、4つまたは6つ以上であってもよい。
【0037】
上述したのは、本発明の実施形態に過ぎない。ここで、注意すべきことは、当業者であれば、本発明の創造的発想から逸脱しない限り、改良をなすことも可能であり、これらの改良が何れも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7