特許第6916928号(P6916928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6916928計時器のアナログ時間表示デバイス内に連続回転電気機械変換器を備える計時器の精度の測定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6916928
(24)【登録日】2021年7月20日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】計時器のアナログ時間表示デバイス内に連続回転電気機械変換器を備える計時器の精度の測定
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/16 20060101AFI20210729BHJP
【FI】
   G04C3/16
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-85784(P2020-85784)
(22)【出願日】2020年5月15日
(65)【公開番号】特開2020-201246(P2020-201246A)
(43)【公開日】2020年12月17日
【審査請求日】2020年5月15日
(31)【優先権主張番号】19178785.2
(32)【優先日】2019年6月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ジャック・ボルン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・ナジ
【審査官】 佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−064545(JP,A)
【文献】 特開平10−082870(JP,A)
【文献】 特開平10−048355(JP,A)
【文献】 特開平08−050186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時器(2)の電子時間基準(25)を形成する発振器(26)によって生成される基準周期信号(SPR)から導出されるデジタル信号(SDP、SDI)の中間周波数の測定方法であって、前記計時器は、運動学的チェーン(8)によって形成されたメカニズムを組み込んだムーブメント(4)を備え、前記運動学的チェーン(8)は、前記ムーブメントのモータデバイス(10)と、アナログ時間表示デバイス(12)との間に配置され、前記モータデバイス(10)が連続回転する電気機械変換器(6)によって形成されるか、または、前記運動学的チェーン(8)が連続回転する前記気機械変換器(6)に運動学的に連結されており、前記電気機械変換器の中間回転速度が、前記電子時間基準に関連付けられた調整デバイス(50)によって、名目回転速度に応じて調整され、前記調整デバイスは、前記電気機械変換器に、調整インパルス(BPn)を連続的に供給して、前記電気機械変換器の前記中間回転速度を調整するように構成されており、前記調整インパルスはそれぞれ、同一のイベント(tfn)を規定し、前記同一のイベントは、前記デジタル信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに同期するイベントであって、かつ、前記ムーブメントとの電気的接触のない測定デバイス(70)によって、前記同一のイベントと同一の時間位相シフトを有する対応する検出時間にて検出可能なイベントであり、
前記測定方法は、以下の工程:
A)前記ムーブメントとの電気的接触なしで、複数の連続的な時間間隔(TIn)を測定する工程であって、前記時間間隔の各々は、前記調整インパルスのうちの2つの対応する調整インパルスに対して検出された2つの検出時間の間に生じる、工程、
B)前記複数の時間間隔のうちの各々の時間間隔に対して、前記時間間隔を、前記デジタル信号によって与えられる理論上の中間周期(PTDP,PMTDI)で割ったもの(NRn(SDP),NRn(SDI))を最近隣整数に丸めた結に等しい対応する自然数(Mn(SDP),Mn(SDI))を決定する工程、
C)前記工程B)で決定された前記自然数を前記複数の時間間隔に対して合計し、よって、前記デジタル信号の総周期数を得る工程、
D)前記複数の時間間隔のうちの前記測定された時間間隔を合計し、よって、前記総周期数に対応する総測定時間幅(TMes)を得る工程、
E)前記総周期数を前記総測定時間幅で割ることにより、前記デジタル信号の前記中間周波数を計算する工程、
を含む、測定方法。
【請求項2】
前記工程A)における前記複数の連続的な時間間隔の測定は、前記時間間隔の各々が、前記デジタル信号に対する前記理論上の中間周期を、理論上の基準周波数(FRT)を基準にした、前記基準周期信号の固有周波数(FNR最大相対誤差の2倍で割ったものに等しい最大時間幅よりも小さくなるように実施されることを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
前記デジタル信号は周期的デジタル信号(SDP)であり、前記中間周波数は、前記総測定時間幅にわたる、前記基準周期信号の中間固有周波数を所与の自然数で割った周波数に等しい、請求項1または2に記載の測定方法。
【請求項4】
前記発振器の精度は、前記工程E)で得られた前記周期的デジタル信号の前記中間周波数と、前記理論上の中間周期(PTDP)の逆数に等しい理論上の中間周波数との間の差を、前記理論上の中間周波数で割った結果によって与えられる相対誤差を計算することにより決定されることを特徴とする、請求項3に記載の測定方法。
【請求項5】
前記デジタル信号は、連続的な抑制サイクルの間に、前記基準周期信号の一定数の周期の抑制に応じた可変時間幅の周期(PDI,PDI*)を有する、抑制されたデジタル信号(SDI)であり、前記抑制されたデジタル信号の前記中間周波数は、前記アナログ時間表示デバイスのインジケータ部品の動きを決定することを特徴とする、請求項1または2に記載の測定方法。
【請求項6】
前記アナログ時間表示デバイスの前記精度は、前記工程E)で得られた前記抑制されたデジタル信号の前記中間周波数と、前記理論上の中間周期(PMTDI)の逆数に等しい理論上の中間周波数との間の差を、前記理論上の中間周波数で割った結果によって与えられる相対誤差を計算することにより決定されることを特徴とする、請求項5に記載の測定方法。
【請求項7】
前記計時器のレートは、前記相対誤差に1日の秒数を乗じることによって得られることを特徴とする、請求項6に記載の測定方法。
【請求項8】
前記抑制は、前記基準周期信号の前記一定数の周期の前記抑制を、前記抑制サイクルの各々を用いて分配する方法に従って実施され、前記複数の連続的な時間間隔は、前記時間間隔の間の前記基準周期信号の1つ以上の周期の前記抑制の結果生じる、前記複数の連続的な時間間隔のうちの任意の時間間隔の時間幅の増加が、最大でも前記抑制されたデジタル信号の前記理論上の中間周期の半分に等しくなるように想定されていることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項9】
前記電気機械変換器は、永久磁石を装備する回転子(18)、および少なくとも1つのコイル(22A、22B、22C)を備える固定子(16)によって形成された発電機(6)であり、前記回転子が回転しているときに前記回転子の前記磁石によって生成された可変磁束が前記コイルを貫通すること、および、前記調整インパルスは、前記少なくとも1つのコイルの瞬間的な短絡により生成される、前記回転子の制動インパルスであること、を特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項10】
前記電気機械変換器は、永久磁石を装備する回転子、および少なくとも1つのコイルを備える固定子によって形成された連続回転モータであり、前記回転子が回転しているときに前記回転子の前記磁石によって生成された可変磁束が前記コイルを貫通し、前記連続回転モータは、前記モータデバイスを形成していること、および、前記調整インパルスの各々は、前記少なくとも1つのコイルの瞬間的な電力供給によって生成されるモータ電気インパルスであること、を特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項11】
前記調整デバイスは調整インパルスを生成させるように構成されており、前記調整インパルスは、通常動作時に、任意の2つの連続する前記調整インパルスが、前記調整インパルスのそれぞれの始点(tdn)の間に、前記回転子が回転しているときに前記可変磁束によって前記少なくとも1つのコイル内に生成される誘導電圧信号の正の自然数回の交替数と同一の数の交替数を有するようになっており、前記回転子の前記中間回転速度の前記調整は、前記調整インパルスの時間幅の変動によって行われることを特徴とする、請求項9または10に記載の測定方法。
【請求項12】
前記調整デバイスは調整インパルスを生成させるように構成されており、前記調整インパルスは、通常動作時に、任意の2つの連続する前記調整インパルスが、前記調整インパルスのそれぞれの始点(tdn)の間に、前記回転子が回転しているときに前記可変磁束によって前記少なくとも1つのコイル内に生成される誘導電圧信号の正の自然数回の交替数と同一の数の交替数を有するようになっており、前記調整インパルスは、少なくとも特定の調整周期にわたって実質的に同一の時間幅を有し、前記調整周期中の前記回転子の前記中間回転速度の前記調整は、前記正の自然数回の変動によって得られる、請求項9または10に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計時器の精度を測定する分野に関し、計時器は、電源をアナログ時間表示部に連結させる運動学的チェーン内に構成された、または、そのような運動学的チェーンとの運動学的連結を有する、連続回転電気機械変換器を備える。特に、本発明は、そのような時計ムーブメント、またはそのような腕時計のレートの測定に関し、本発明はまた、電気機械変換器の回転速度を調整するのに好適な内部電子時間基準を形成する水晶発振器の精度の測定に関する。
【0002】
本明細書では、レートという用語は、計時器によって表示される時間の、日々の時間変動を意味する。水晶発振器の精度も、日々の時間変動の形で与えられる場合がある。日々の時間変動は、非常に高い精度で時間間隔を測定することを可能にする非常に精密な外部時間基準と比較して測定される。
【0003】
本発明の2つの主な実施形態によると、電気機械変換器は、機械的エネルギー源を形成するバレルを連結する運動学的チェーンによってアナログ時間表示部に連結された小型の発電機によって、および、電気エネルギー源によって駆動され、運動学的チェーンを介してアナログ時間表示部を駆動する連続回転モータによって、それぞれ形成される。
【背景技術】
【0004】
本発明の範囲内にあると見なされる電気機械変換器は一般に可逆的であり、その結果、電気機械変換器は、回転子を制御された形で制動することにより回転子の回転速度の調整を可能にしながら、機械的エネルギー源から電気エネルギーを作り出すか、または、機械的エネルギー、より具体的にはモータトルクを電源から作り出すかの、いずれかを行うことができる。後者の場合、特定の偶力、または特定の回転速度、特に時計ムーブメント内での名目回転速度のいずれかを提供するように、モータ電気インパルスが固定子に供給されてもよい。回転子−固定子の結合が電磁式であると想定すれば、そのような変換器は時には、「電磁変換器」としても知られている。実際、モータモードでは、電流を時間表示メカニズムの機械的駆動力に切り替えるために、回転子によって支持される永久磁石と結合する磁場が生成されるように、そのような電流は少なくとも1つのコイル内を循環すると想定される。発電機モードでは、発電機回転子の機械的駆動力から、回転子の中間回転速度を調整するための電子回路を駆動し得る電流に切り替えるために、偶力が回転子を回転させ、そのとき、磁石が固定子のコイル内に電流を誘導する。
【0005】
時計発電機の設計、およびそのような発電機の予想される動作に関しては、特に、欧州特許出願公開第0679968号、同第0822470号、同第0935177号、同第1099990号、および国際公開第00/63749号の文書を参照してもよい。連続回転時計モータの設計、およびそのような連続回転モータの予想される動作に関しては、特に、仏国特許出願公開第2076493号、スイス特許出願公開第714041号、および欧州特許出願公開第0887913号の文書を参照してもよい。
【0006】
電気機械式の従来の腕時計、すなわち、ステッピングモータに関連付けられた電子クオーツムーブメントを備える腕時計については、それらが、いったんケースに入れられ使える状態であるならば、裏蓋または電池ハッチを開ける必要なく、このような腕時計のレートを精密に測定することが可能なことが知られている。これを行うために、ステッピングモータを駆動するためにステッピングモータに供給される電気インパルスの各々対して一定の時間を精密に検出することが可能な磁気センサを使用して、モータのステップ間の時間を精密に測定するように構成された測定装置が存在する。電気インパルスは、モータの固定子内に磁気インパルスを誘導させて、少なくとも1つの永久磁石を装備する、モータの回転子を回転させる。磁気インパルスは、部分的に固定子の外部に伝搬され、腕時計の外部で磁気センサによって検出され得る。モータインパルスが規則的な時間間隔で、特に1秒ごとに発生すると想定すれば、このような測定装置は電気機械腕時計のレートを精密に決定することができ、これら時間間隔は、内部電子時間基準によって、すなわち水晶発振器によって決定され、水晶発振器は、この時間基準の中間周波数を調節するために既知の方法で抑制される。
【0007】
ステッピングモータを備える従来の電気機械式腕時計とは異なり、上で開示したような、そのムーブメント内に連続回転電気機械変換器を備える計時器は、上述したようなタイプの測定デバイスによって計時器の外部から検出可能な完全に周期的なイベントを持たない。実際、表示される時間が平均的に正確であり、長期的な時間変動がないように、連続回転電気機械変換器の中間回転速度をサーボ制御するように想定された調整にもかかわらず、瞬時の回転速度は、名目回転速度を中心として変動する。従って、この発電機のコイルで発生する誘導電圧信号の交替ごとに制動インパルスを受ける発電機腕時計の特定の場合、これら制動インパルス間の時間幅が好適な手段で測定される場合、およびステッピングモータを有する電気機械腕時計については、これら測定値の平均をとって中間速度を得る場合は、そのとき、計時器のレートを十分な精度で得るために、非常に長い測定期間、例えば1日が必要であり、これに対して、前述の電気機械腕時計については、同程度の精度でレートを得るためには、例えば2分で十分である。前述の誘導電圧信号の各周期においてモータインパルスを受信することになる連続回転モータを装備する腕時計の特定の場合は、同一の課題が生じる。そのとき、制動インパルスまたはモータインパルスが、誘導電圧信号の各交替または各周期において規則的であると想定されない場合は、測定は更に大きな問題となる。従って、時間表示メカニズムが連続回転電気機械変換器との運動学的連結を有する完成した腕時計のレートを測定する方法を見つけることが、真に必要であることが理解される。「完成した腕時計」は、内部にムーブメントが取り付けられて腕時計ケースが閉じられた腕時計を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007060242A1号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0679968号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0822470号
【特許文献4】欧州特許出願公開第0935177号
【特許文献5】欧州特許出願公開第1099990号
【特許文献6】国際公開第00/63749号
【特許文献7】仏国特許出願公開第2076493号
【特許文献8】スイス特許出願公開第714041号
【特許文献9】欧州特許出願公開第0887913号
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、計時器のレートを測定する方法を提供することであり、時間表示メカニズムは、モータデバイスと時間表示部との間に、連続回転電気機械変換器を組み込んだ運動学的チェーンを備え、これは、たとえ回転子が、平均で名目回転速度に等しくなるように調整されたとしても、モータデバイスの回転子の回転速度は一般に可変であるという事実を考慮したものである。
【0010】
この目的のため、本発明は一般に、計時器の電子時間基準を形成する発振器によって生成される基準周期信号から導出されるデジタル信号の中間周波数を測定する方法に関する。計時器は、運動学的チェーンによって形成されたメカニズムを組み込んだムーブメントを備え、運動学的チェーンは、ムーブメントのモータデバイスとアナログ時間表示デバイスとの間に構成されており、この運動学的チェーンは、連続回転電気機械変換器を備えるか、または連続回転電気機械変換器に運動学的に連結されており、中間回転速度は、名目回転速度に応じて、電子時間基準に関連付けられた調整デバイスによって調整される。連続回転モータの場合、連続回転モータが上述のモータデバイスを形成するものと理解される。調整デバイスは、電気機械変換器に調整インパルスを連続的に供給して、電気機械変換器の中間回転速度を調整するように構成されており、これら調整インパルスはそれぞれ、同一のイベントを規定し、この同一のイベントは、デジタル信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに同期するイベントであって、かつ、ムーブメントとの電気的接触のない測定デバイスによって、その同一のイベントと同一の時間位相シフトを有する対応する検出時間にて検出可能なイベントである。
【0011】
測定方法は、以下の工程を含む:
A)ムーブメントとの電気的接触なしで、複数の連続的な時間間隔を測定する工程であって、時間間隔の各々は、調整インパルスのうちの2つの対応する調整インパルスに対して検出された2つの検出時間の間に生じる、工程、
B)複数の時間間隔のうちの各々の時間間隔に対して、この時間間隔を理論上の中間周期で割ったものを最近隣整数に丸めた結果に等しい、対応する自然数を決定する工程、
C)工程B)で決定された自然数を複数の時間間隔に対して合計し、よって、デジタル信号の総周期数を得る工程、
D)複数の時間間隔のうちの測定された時間間隔を合計し、よって、総周期数に対応する総測定時間幅を得る工程、
E)総周期数を総測定時間幅で割ることにより、デジタル信号の中間周波数を計算する工程。
【0012】
その内部電子時間基準を形成する水晶発振器を有する計時器にとって、この水晶発振器は通常、その固有の日差が正であるように、すなわちその固有周波数がその理論上の周波数よりも僅かに大きいが、最大日差、例えば1日に15秒を超えないように製造されていることに留意されたい。
【0013】
測定方法の主な実施形態によると、デジタル信号は、連続的な抑制サイクルの間に、基準周期信号の一定数の周期の抑制に応じた可変時間幅の周期を有する、抑制されたデジタル信号である。従来、ムーブメントは、抑制されたデジタル信号の中間周波数がアナログ時間表示デバイスのインジケータ部品のゲインを決定するように構成される。
【0014】
主な実施形態の好ましい代替的実施形態によると、抑制は、基準周期信号の周期の一定数の抑制を、各抑制サイクルの間に分配する方法に従って実施される。更には、複数の連続的な時間間隔は、この時間間隔の間に基準周期信号の1つ以上の周期の抑制の結果生じる、この複数の連続的な時間間隔のうちの任意の時間間隔の時間幅の増加が、最大でも抑制されたデジタル信号の理論上の中間周期の半分に等しくなるように想定されている。
【0015】
そのとき、アナログ時間表示デバイスの精度は、上述の工程E)で得られた抑制されたデジタル信号の中間周波数と、この抑制されたデジタル信号に対する理論上の中間周波数との差を、この理論上の中間周波数で割った結果によって与えられる相対誤差を計算することにより決定される。
【0016】
最後に、計時器のレートは、上述の相対誤差に1日の秒数を乗じることによって得られる。
【0017】
本発明による測定方法は計時器に適用され、電気機械発電機は、発電機または連続回転モータのいずれかである。
【0018】
非限定的な例として与えられる添付図面を使用して、本発明が以下に詳細に説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による測定方法が適用され得る連続回転電気機械発電機をそのムーブメント内に備える計時器を部分的に示す。
図2図1のムーブメントの部分断面図であり、このムーブメントの追加の様々な要素が概略的に示される。
図3図1のムーブメントを形成する電子回路の実施形態を概略的に示す。
図4】本発明による測定方法を実施するための測定デバイスの概略斜視図である。
図5A図1のムーブメントの発電機の固定子の2つの端子における電圧信号、および図4の測定デバイスによって受信された磁場インパルスの検出を、発電機回転子の回転速度のある調整モードに対して示す。
図5B図1のムーブメントの発電機の固定子の2つの端子における電圧信号、および図4の測定デバイスによって受信された磁場インパルスの検出を、発電機回転子の回転速度のある調整モードに対して示す。
図6図5Aおよび図5Bに示す電圧信号の拡大図、ならびに、時間表示部品のゲインを調整し電気機械変換器の回転速度の調整を可能にする、ムーブメントの電子回路内で生じる様々なデジタル信号を示す。
図7】本発明による測定方法の範囲内において、抑制サイクルよりも僅かに長い測定周期の間に測定された一定数の時間間隔の例、およびこれら時間間隔から導出された様々な数値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
計時器2に適用される本発明による測定方法の実施形態が添付の図を用いて説明され、計時器2は、そのムーブメント4内に、連続回転電気機械発電機6(以下「発電機」)を備え、発電機は、機械的エネルギー源を規定しモータデバイスを形成するバレル10と時間表示器12との間に構成された運動学的チェーン8との運動学的連結部9を有する。示される代替的実施形態では、運動学的チェーン8は、概略的に示されるホイールアセンブリ8Aおよびギヤトレイン8Bを備え、これらは、針14A、14B、14Cを備える時間表示デバイス12に係合している。
【0021】
一般原則として、発電機6は、永久磁石を装備する回転子、および少なくとも1つのコイルを備える固定子によって形成され、回転子が回転しているときに回転子の磁石によって生成される可変磁束がコイルを貫通する。示される代替的実施形態では、固定子16は、回転子の回転軸19の周りに規則的に構成され電子回路24に接続された3つのコイル22A、22B、および22Cを支持する支持体20を備える。回転子18は、好ましくは強磁性材料でできている2つのフランジ28A、28Bを支持する中央シャフト32を備え、各フランジ上には、交替する極性を有する6個の永久磁石30Aおよび30Bが回転軸の周りに規則的に構成されている。換言すれば、同一のフランジ上の2つの隣接する磁石30Aおよび30Bは逆転した極性を有し、一方で、2つのフランジによってそれぞれが支持された、回転軸19の方向に沿って整列配置された2つの磁石30Aまたは2つの磁石30Bは、同一の極性を有する。回転子のシャフト32は、ホイールアセンブリ8Aのホイールと係合するピニオン34を支持している。従って、示される代替的実施形態では、運動学的連結部9は、ホイールアセンブリ8Aのホイールに対する、ピニオン34の歯車装置によって形成される。
【0022】
ムーブメント4は更に、2つの軸受ブロック40Aおよび40Bが構成されているプレート36およびブリッジ38を備え、軸受ブロックのそれぞれが耐衝撃性デバイスを装備し、軸受ブロックにおいて回転子18が旋回する。
【0023】
図3では、電子回路24は、固定子16のコイルの端子44Aおよび44Bに接続している。回転子18が回転すると、回転子磁石によって生成された可変磁束がコイルを貫通し、各コイル内に交替する誘導電圧を生成させる。コイルの数が3個であること、各フランジによって支持される磁石は交替する極性を有する6個であること、および、これら磁石およびこれらコイルが回転子の回転軸の周りに規則的に構成されていることを想定すれば、3個のコイル内にそれぞれ誘導される3つの電圧は実質的に同位相である。第1の代替的実施形態では、3つのコイルは直列に構成され、ピーク電圧は実質的に合計される。第2の代替的実施形態では、3つのコイルは並列に構成され得ることに留意されたい。回転子が回転したとき、3つのコイルは一緒に、交流電圧U1を電子回路24に送出し、電子回路は整流器46を備え、実質的に直流の電圧U1*を電圧調整器48に供給する。電圧調整器は、電子回路に、特に回転子18の中間回転速度を調整するための回路50に、電源電圧U2を供給する。
【0024】
調整回路50は、制御ユニット54によって制御されるトランジスタによって形成されるスイッチ52を備える。スイッチ52は、固定子16の2つの端子44Aと44Bとの間に構成され、その結果、このスイッチが閉じられた場合、すなわち導通状態の場合、これら2つの端子は電気的に接続され、電圧U1は無効になり、そのとき、固定子のコイル22A〜22Cは短絡されている。スイッチが開かれた場合、すなわち非導通状態の場合、電圧U1は、回転する回転子の磁石によって3つのコイル内に誘導された電圧に比例する。発電機6の中間回転速度は、調整回路50によって形成される調整デバイスによって、名目回転速度に応じて調整される。調整回路は、電子時間基準25に関連付けられており、以下によって形成される:基準周期信号SPRを生成する水晶発振器26;基準周期信号SPRを受信し、周期的デジタル信号SDPを供給する第1の周波数分割器60であって、その周波数FDPは、基準周期信号SPRの固有周波数FNRを所与の自然数、例えば2で割ったものに等しい、第1の周波数分割器60;および、信号SDPを受信し、抑制されたデジタル信号SDIを論理ユニット64に供給し、この抑制されたデジタル信号を処理してクロック信号SHoを生成する、第2の周波数分割器62。抑制されたデジタル信号SDIは、制御ユニット54にも供給される。第1の分割器および第2の分割器は、一般に分割ユニットの最初の2段を形成し、分割ユニットは、論理ユニット64の少なくとも最初の部分も形成することに留意されたい。
【0025】
一般に、水晶発振器の製造が、非常に精密な固有周波数の獲得を可能にしないと想定すれば、特定の与えられた周波数範囲において、理論上の基準周波数FRTよりも大きい固有周波数を有する水晶発振器が作製されることが想定される。一般に、理論上の基準周波数FRTは、32,768Hzに等しい。記載される代替的実施形態では、周波数分割器60は2で分割され、その結果、デジタル信号SDPの理論上の周波数FTDPは16,384Hzに等しく、対応する理論上の周期PTDPは1/16,384秒に等しい。例えば、抑制されていない水晶発振器の日差は1〜20秒と想定される。
【0026】
第2の周波数分割器は、抑制ユニット66に関連付けられ、抑制ユニット66は従来、デジタル信号SDP中の定められた数のインパルスを抑制して水晶発振器26の所定の誤差を補正する。この誤差は、製造公差から生じ、また、前述のように、水晶は特定の周波数範囲内における理論上の基準周波数FRTを超える過大に高い固有周波数を有するように作製されているという事実に起因する。次いで、作製された水晶発振器の各々について、その固有周波数FNRが決定され、抑制サイクルあたりの抑制数が計算され、この抑制数が抑制ユニット66に導入される。一般に、抑制は、連続した抑制サイクルの各々にわたって分配される。既知の代替的実施形態では、抑制サイクルは64秒間持続し、決定された抑制数をこの秒数で割って、1秒あたりのユニタリ抑制数を得る。このユニタリ抑制数は実数である。抑制サイクルの間の1秒ごとにユニタリ抑制数が計数器に加えられ、この計数器によって実施される加算の結果の整数部が抑制され、その後、残りの小数部のみが計数器に保持される。2つの単純な例をとる。a)決定された抑制数が32であり、周期的デジタル信号の周期の抑制が2秒ごとであると想定すると、従ってユニタリ抑制は0.5である。b)決定された抑制数が96であり、抑制サイクルの連続する秒数の間に、1つの抑制と2つの抑制を交替で想定すると、ユニタリ抑制は1.5である。有利には、ユニタリ抑制数が1より大きい場合は、同一の1秒間に行われる抑制は、抑制されたデジタル信号の同一の周期内で累積されることはないが、一定のユニタリ時間間隔、例えば実質的に125ms(1/8秒)だけ離れることに留意されたい。
【0027】
水晶によって生成された基準信号の周期を抑制して、電子腕時計の精度を調節し、従ってそのレートを低減させることは、この技術を実現する様々な方法について知っている当業者にとって周知の技術であることに留意されたい。従って、本発明は、単一の可能な実現形態に限定されることはなく、後述するような一定条件が有効である限りにおいて、いくつかの公知の代替的実施形態に適用される。
【0028】
発電機の速度を調整するために、クロック信号SHoは、電圧信号U1の周波数に対応する、コイル内に誘導される電圧の周波数に対する目標値を決定する。この目標値は発電機の名目回転速度の関数であり、この目標値は時間基準25によって決定され、それにより、時間基準の誤差に対応する誤差によって損なわれる。一方の入力が端子44A、44Bのうちの1つに、他方の入力が基準電圧59に接続された電圧比較器58が信号FUGを生成し、信号は、可逆計数器56に、および制御ユニット54に供給される。より具体的には、信号FUGはデジタル信号であり、その周期は発電機の電気的周期に、すなわち、その固定子内に誘導される電圧の周期に、従って、電圧U1の周期に対応する。この信号FUGは、検出された電気的周期の各々について可逆計数器56を減少させ、一方で、論理ユニット64は、クロック信号SHoの各周期においてこの可逆計数器を増加させる。従って、可逆計数器は、内部時間基準25によって供給された抑制されたデジタル信号から導出された目標値によって決定された目標ゲインに対する、発電機の、従ってアナログ時間表示部の時間変動を、開始時間から積分する。可逆計数器の状態は制御ユニット54に供給され、制御ユニットは、所与の方法に従って、発電機の中間回転速度を管理する。
【0029】
調整回路50は、調整インパルスを発電機に連続的に供給して、発電機の中間回転速度を調整して、発電機の回転子に対して想定される名目回転速度に可能な限り近づけるように構成されている。本明細書では、調整インパルスは、発電機の回転子の制動インパルスによって形成され、制動インパルスの各々は、この発電機の固定子を形成するコイルの瞬間的な短絡により生成される。名目回転速度は、ムーブメント4の設計によって、特に運動学的チェーン8および運動学的連結部9によって決定される。本明細書に記載される代替的実施形態では、名目回転速度は、1秒あたり64/9=7.1111回転に等しい。上述の発電機に対して、交流電圧信号U1の名目電気的周波数は、発電機の3つのコイル内に誘導された電圧の周波数である。それは、名目回転速度の3倍、すなわち、64/3=21.3333Hzに等しい。従って、名目電気的周期は46.875msに等しく、信号U1の交替の名目時間幅は厳密に23.4375msに等しい。
【0030】
本発明による測定方法を、好適なソフトウェアを用いて実施するのに好適な測定デバイス70が図4に概略的に示され、その内容は、この測定方法の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。測定デバイス70は、計時器2から磁場の変動を検出することができる検出コイル72を備える。実際、磁場の変動が、誘導された電圧を検出コイル内に生成させる。例として、測定デバイス70は、具体的には、スイスのBurenにあるWitschi Electronic SA社からの「Analyzer Twin」として知られ、本発明による測定方法を実施するための特定のソフトウェアが実装された装置であってもよい。更に、電子腕時計用の類似の測定装置も用いられてもよい。実際、「Analyser Twin」モデルの場合のように測定装置を機械式腕時計用に使用することも可能である、という必要はない。
【0031】
一般原則として、本発明による測定方法は、特に、腕時計などの計時器2用に、または、ケースに入れる準備ができているムーブメント4用に、ムーブメント4の電子回路の内部デジタル信号の中間周波数を測定することを想定しており、このデジタル信号は、このムーブメント4の電子時間基準25を形成する水晶発振器26によって生成される基準周期信号SPRから導出される。発電機6の中間回転速度は、電子時間基準に関連付けられた調整回路によって、名目回転速度に応じて調整されると想定される。調整デバイスは、発電機の中間回転速度を調整するために、発電機の固定子16のコイルの端子44Aおよび44Bを短絡させることによって、制動インパルスを連続的に発電機に供給することが可能なように構成されている。調整デバイスの制御ユニット54は、各制動インパルスを以下の通りに発生させる。発電機の回転速度を調整することを意図して、特に可逆計数器56の状態に応じて、または任意選択で更に検出されたイベントにも応じて、制動パルスを発生させることが想定される場合、代替的実施形態によると、制御ユニットは、比較器58からのデジタル信号FUG内に、次の立ち上がりエッジか、または立ち上がりエッジと立ち下がりエッジのうちの次のエッジ、のいずれかを検出するのを待ち、次いで、制御ユニットは、直接、または、所与の遅延後に、制御ユニットがスイッチ52に供給する制御信号SComを介して、このスイッチを時間tdn,n=1,2,3,…において閉じることにより制動パルスをトリガする。特定の代替的実施形態では、図6に示すように、制御信号SComは、信号FUGの問題のエッジに続いて、制御ユニットによって受信された抑制されたデジタル信号SDIの最初の立ち上がりエッジにて、その論理状態「0」(スイッチ開)から、その論理状態「1」(スイッチ閉であり従って導通状態)に切り替わって、制動インパルスを一時的に管理する。更に特定の代替的実施形態では、電圧信号U1の問題の0切片を検出した後に、検出された最初の立ち上がりまたは立ち下がりのエッジにおいて、信号SDIの制動インパルスを開始することが想定される。
【0032】
本発明の範囲内において、調整インパルスはそれぞれ、同一のイベントを規定し、この同一のイベントは、抑制されたデジタル信号SDIの立ち上がりエッジに、または立ち下がりエッジに同期し、かつ、ムーブメントとの電気的接触のない測定デバイスによって、および好ましくは磁場センサ72によって、対応する検出時間にて検出可能である。図を用いて記載される、本発明による測定方法の主な実施形態では、このイベントは各制動インパルスの終点である。図6に示すように、制動インパルスBPnのそれぞれの終点tfn,n=1,2,3,…は同期しており、更には、抑制されたデジタル信号SDIの立ち上がりエッジと、また周期的デジタル信号SDPの立ち上がりエッジと同位相である。信号SDIの生成に起因して、この信号SDIの立ち上がりエッジが周期的デジタル信号SDPの対応する立ち上がりエッジと同位相であることに留意されたい。制動インパルスBPnは、制御信号SComの対応する制御インパルス(図5Aおよび図5B)、または、制御インパルスによって生じるゼロ値(図6)を有する、電圧U1の拡張ゾーン(すなわち、点ベースではない)のいずれかによって識別される。制動インパルスBPnは、制動時間幅TBPnを有する。
【0033】
示される代替的実施形態では、信号SDIは、抑制サイクルを通じて、周期的デジタル信号SDPの中間周波数FMDPの4分の1よりも僅かに小さい中間周波数FMDIを有する。抑制されたデジタル信号SDIは、水晶発振器の相対誤差を補正するように想定された抑制を信号SDPに適用して導出される。抑制されたデジタル信号SDIを生成するために、周期的デジタル信号SDPは分割器62において2により2回分割され、これら連続する2による2回分割のうちの1回目の間に抑制が印加される。抑制がどのように生じるかについて説明するために、図6では、抑制された仮想の信号SFIが導入され、抑制を受ける周期以外では信号SDPの周波数を有する。抑制なしでは、信号SDIの周期PDIは、信号SDPの周期PDPの4倍に厳密に等しい。しかし、信号SDPの2による分割の1回目の間に抑制「Inh」が生じた場合、この信号の周期PDPは抑制され、すなわち、この信号は無視され従って考慮されず、その結果、この抑制の間に生成された信号SDIの周期PDI*は、周期PDIのそれよりも大きい。その理由は、周期PDI*は実は、周期PDPの5倍に等しい時間幅を有するからである。従って、PDI*=1.25・PDI(+25%)、と理解される。従って、抑制されたデジタル信号SDIは、中間周波数FMDIおよび中間周期PMDIによって特徴付けられる。このクロック信号SHoは信号SDIによって決定され、このクロック信号が、発電機のコイル内の誘導電圧の周波数に対する目標値を決定したので、信号SDIに対して、理論上の中間周波数FMTDI、および対応する理論上の中間周期PMTDIが想定され、これらはそれぞれ、名目電気的周波数、および電圧U1の名目電気的周波数(誘導電圧の周波数に等しい)に依存する。抑制サイクルにわたって、周期的デジタル信号SDPの周波数FDPは僅かに変動する場合もあり、その結果、抑制サイクルCInhにわたって、また総測定時間幅TMesにわたって、信号SDPは、中間周波数FMDPおよび対応する中間周期PMDPを有する。そのとき、理論上の中間周期PTDPとしても知られる同一の理論上の周期PTDP、および、理論上の中間周波数としても知られる同一の対応する理論上の周波数FTDPが、信号SDPの周期PDPに、および対応する中間周期PMDPに対応する。理論上の周波数FTDPは、時間基準の発振器の設計によって、中間周波数FMDP未満である。
【0034】
図に記載された代替的実施形態では、理論上の周波数は、FTDP=16,384Hz、であり、理論上の周期は、PTDP=1/16,384秒である。そのとき、理論上の中間周波数FMTDIは、FTDP/4に等しい、すなわち、FMTDI=4,096Hzであり、理論上の中間周期PMTDIは、1/4,096秒である。最後に、基準周期信号SPRの固有周波数FNRはまた、抑制サイクルまたは総測定時間幅にわたって、信号SDPの中間周波数FMDPの2倍に等しい中間固有周波数FMNRを有することに留意されたい。これら周波数FNRおよびFMNRには、発振器の設計によって、固有周波数FNR未満である理論上の基準周波数FRT=32,768Hzが対応する。
【0035】
図4図5A図6および図7を用いて、電気機械変換器の中間回転速度の第1の調整モードに関して、本発明による測定方法が詳細に説明されることになり、調整デバイスは調整インパルスを生成させるように構成されており、調整インパルスは、通常動作時に、任意の2つの連続する調整インパルスが、調整インパルスのそれぞれの始点tdnの間に、回転子が回転しているときに回転子の磁石によって固定子のコイル内に生成される誘導電圧信号の正の自然数回の交替数とほぼ同一の数を有するようになっている。この第1の調整モードにおいて、回転子の中間回転速度の調整は、調整インパルスの時間幅TBPnの変動を介して行われる。本明細書に記載される、中間回転速度が制動インパルスによって調整される発電機のための代替的実施形態では、制動インパルスを交替ごとに生成させるように想定されている。測定方法は、以下の工程を含む:
A)非常に精密な外部時間基準を備えるか、または非常に精密な外部時間基準と関連付けられた、測定デバイス70によって、複数の連続的な時間間隔TIn,n=1,2,3,…,N、を測定する工程であって、時間間隔の各々は、2つの連続的な制動インパルスBPn-1、およびBPnそれぞれの、2つの終了時間tfn-1、およびtfnに対応する2つの検出時間の間に生じる、工程、
B)複数の時間間隔TIn,n=1,2,3,…,N、の各時間間隔のTInに対して、この時間間隔TInを、周期的デジタル信号SDPの理論上の周期PTDPで割ったもの、すなわちNRn(SDP)=TIn/PTDP=TIn・FTDP、を最近隣整数に丸めた結果NRn(SDP)に等しい自然数Mn(SDP)、および/または、時間間隔TInを、抑制されたデジタル信号SDIの理論上の中間周期PMTDIで割ったもの、すなわちNRn(SDI)=TIn/PMTDI=TIn・FMTDI、を最近隣整数に丸めた結果NRn(SDI)に等しい自然数Mn(SDi)、を決定する工程、
C)工程B)で決定された自然数Mn(SDP)、またはMn(SDi)をそれぞれ、複数の時間間隔TIn,n=1,2,3,…,Nに対して合計し、よって、周期的デジタル信号SDPの、または抑制されたデジタル信号SDIの総周期数TNP(SDP)、またはTNP(SDI)を、それぞれ得る工程、
D)工程A)で測定された複数の時間間隔のうちの時間間隔TInを合計し、よって、総周期数TNP(SDP)、またはTNP(SDI)のそれぞれに対応する総測定時間幅TMesを得る工程、
E)総周期数TNP(SDP)、またはTNP(SDI)を、それぞれ総測定時間幅TMesで割ることにより、信号SDPの、および/または信号SDIの中間周波数FMDP、またはFMDI、をそれぞれ計算する、すなわち、FMDP=TNP(SDP)/TMes、およびFMDI=TNP(SDI)/TMes、を計算する工程。
【0036】
工程A)において、本明細書では、終了時間は、測定デバイスの磁気センサ72によって検出され、磁気センサは、スイッチ52が各制動インパルスの終了時に開かれた(非導通状態にされた)ときに、発電機の固定子コイル内の誘導電流が急激に降下した場合に、制動インパルスBPnの終了時に生じる短い誘導電圧インパルスDEn,n=1,2,3,…、を検出することが可能なように構成されている。とりわけ、誘導電圧インパルスDEnの同一の特定の時間を検出するために、平行な2つの比較器が想定され、発電機6の固定子16の端子における電圧U1の交替ごとに、制動インパルスが行われるならば、これら比較器は、これらインパルスの立ち上がりエッジにおいて誘導電圧が閾値に到達する時間を検出し、閾値電圧は、正のインパルスおよび負のインパルスに対してそれぞれUsまたは−Usであり、互いに交替して連続する。検出時間は、対応する制動インパルスのそれぞれの終了点に対して、同一の小さい時間位相シフトを有することに留意されたい。
【0037】
上述のように、本発明の範囲内において、計時器のレートを最終的に決定することが可能なように、抑制されたデジタル信号SDIの中間周波数FMDIを測定すること、または、基準周期信号SPRを供給する発振器26(一般に水晶発振器)の精度を決定することが可能なように、周期的デジタル信号SDPの中間周波数FMDPを測定することの、いずれかが想定される。従って、第1の代替的実施形態では、デジタル信号は周期的デジタル信号SDPであって、中間周波数FMDPは、総測定時間幅TMesにわたる、基準周期信号SPRの中間固有周波数FMNRを所与の自然数、例えば2、で割った周波数に等しい。発振器の精度は、相対誤差ER(SDP)を計算することにより決定され、これは、工程E)で得られた、信号SDPの中間周波数FMDPと、この信号SDPの理論上の周波数FTDPとの間の差を、この理論上の周波数で割った結果で与えられ、すなわち、ER(SDP)=(FMDP−FTDP)/FTDP、である。発振器26によって生成される基準周期信号SPRの相対誤差は同じである、すなわちER(SPR)=ER(SDP)であることに留意されたい。第2の代替的実施形態では、デジタル信号は従って、連続的な抑制サイクルの間に、基準周期信号の一定数の周期の抑制に応じた可変時間幅の周期PDIおよびPDI*を有する、抑制されたデジタル信号SDIである。抑制されたデジタル信号の中間周波数FMDIが、アナログ時間表示デバイス12のインジケータ部品14A〜14Cのゲインを決定し、アナログ時間表示デバイスの精度は、相対誤差ER(SDI)を計算することにより決定され、これは、工程E)で得られた、抑制されたデジタル信号SDIの中間周波数FMDIと、この信号SDIの理論上の中間周波数FMTDIとの間の差を、この理論上の中間周波数で割った結果で与えられ、すなわち、ER(SDI)=(FMDI−FMTDI)/FMTDI、である。計時器のレートは、相対誤差ER(SDI)に1日の秒数を乗じることによって得られる、すなわち、レート=ER(SDI)・86,400[s/日]である。
【0038】
例として、図7の表に与えられる測定結果を参照すると、総測定時間幅TMes=64.007533秒、総周期数TNP(SDP)=1,048,810、および総周期TNP(SDI)=262,175、がある。これから、以下を得る:
FMDP=16,385.7276、およびFMDI=4,096.002263。
FTDP=16,384Hz、およびFMTDI=4096Hzの場合、これから以下を得る:
ER(SPR)=ER(SDP)=105×10-6=105ppm、および、ER(SDI)=0.5525ppm。
【0039】
本明細書では、ER(SPR)は約9秒/日に相当し、一方でER(SDI)はレート=0.0477[秒/日]に相当し、従って、年間中間基準周波数に対して17.5秒の年間誤差に相当し、これは、FMDPの2倍により与えられる中間基準周波数FMNRに相当し、すなわち、FMNR=32,771.5Hzである。
【0040】
時間間隔TInは途切れることなく次々と続くことに留意されたい。従って、総測定時間幅TMesは、隣接する複数の時間間隔TIn,n=1,2,3,…,Nからなり、これら時間間隔は測定デバイスによって非常に精密に測定される。従って、総測定時間幅TMesは、開始時間tf0と終了時間tfNとの間の中断されない周期に対応する。この有利な代替的実施形態は、周期的デジタル信号SDPの中間周波数の測定にとっては任意であるが、抑制は一般に、各時間間隔TInで生じることはなく、これら抑制は時間にわたって必ずしも完全に均一に分配されるというわけではないので、この代替的実施形態は、抑制されたデジタル信号SDIにとって好ましい。
【0041】
総測定時間幅TMesは、本明細書では理論上は64秒に等しい抑制サイクルCInhの時間幅よりも、ごく僅かに長いと想定されることに留意されたい。事実、最後の時間間隔TINは、制動インパルスの2つの終了点tfN-1とtfNとの間の時間間隔に対応し、その間、初期制動インパルスBP0の終了時間tf0からの抑制サイクルCInhの時間測定の終了点が生じ、この時間tf0が測定の開始点として選択される。抑制サイクルの時間測定は、非常に精密な外部時間基準を備えるか、または非常に精密な外部時間基準と関連付けられた測定デバイス、例えば原子時計基準によっても実施される。示される代替的実施形態では、隣接する時間間隔の総数Nは2731に等しい、すなわち、N=2731である。電圧信号U1の名目電気周波数は64/3Hzに等しい。従って、名目電気周期は46.8750ミリ秒に等しい。従って、電圧信号U1の交替の名目時間幅は、23.4375msに等しい。この名目時間幅における2731回の交替により、64sを僅かに超える、すなわち64.0078125sの総時間幅が得られる。交替の名目時間幅は、厳密に、信号SDIの理論上の中間周期PMTDI=1/4,096sの96倍に、および信号SDPの理論上の周期PTDP=1/16,384sの384倍に対応することに留意されたい。
【0042】
図7の表は、測定方法の工程A)で得られた複数の時間間隔TIn,n=1,2,3,…,N=2731、ならびに、本測定方法の工程B)で得られた実数NRn(SDP)とNRn(SDI)、および対応する丸められた自然数Mn(SDP)とMn(SDi)を与える。発電機の回転速度が変動すると想定すれば、自然数Mn(SDP)およびMn(SDi)は、それぞれの名目自然数384および96の周りで可変であると観察される。係数「4」が、名目自然数96と384との間に想定され、検出されたイベントDEnが、抑制されたデジタル信号SDIの立ち下がりエッジと同期しているとすれば、名目自然数Mn(SDP)は、対応する時間間隔TInの間に抑制がない場合は偶数であり、対応する時間間隔の間に抑制が生じる場合は奇数である(本明細書に記載される代替的実施形態では、時間間隔あたり、最大で1つの抑制を想定している)。従って、抑制が生じる時間間隔は、図7の表から直ちに決定され得る。
【0043】
記載された代替的実施形態での抑制の総数は110に等しい。この数は、総周期数TNP(SDP)=1,048,810と、総周期TNP(SDI)=262,175に上述の係数「4」を乗じたものとの差に等しい。本発明による測定方法において実施される丸めによって、抑制されない周期的デジタル信号SDPの有効な周期数、および、信号SDPの誤差を補正するために、抑制プロセスを適用してこの信号SDPから導出された、抑制されたデジタル信号SDIの有効な周期数の両方を決定することが可能である。自然数Mn(SDi)を得るために、実数NRn(SDI)に実施された丸めの結果、これら自然数Mn(SDi)は、対応する時間間隔TInの間に抑制が起こったか否かには依存しない。従って、本発明による測定方法によって、電気機械変換器が可変の回転速度を有するという事実にもかかわらず、電気機械変換器に印加される調整インパルスに依存する時間間隔TInの間の、抑制されたデジタル信号SDIの有効な周期数が決定され、これら調整インパルスは任意選択的に、これら時間間隔の各々の間に生じる。更には、本発明による測定方法の範囲内で、時間間隔TInの間の抑制されない周期的デジタル信号SDIの有効な周期数を決定し、従って、内部発振器の精度の他に、問題の計時器に対して想定され、測定時に抑制ユニット66のメモリ、またはこの抑制ユニットがアクセス可能な内部メモリ内に格納される抑制サイクルあたりの抑制数を決定することが可能である。抑制のこの数は一般に、特に、計時器のレートが最適でないか、または問題の計時器に対して、特に、想定される特定の範囲から外れたとの観察に引き続いて、置換されるか、または補正されてもよいことに留意されたい。想定される抑制サイクルあたりの抑制の理論上の実数NTICは、抑制サイクルの時間幅CInhに基準周波数の相対誤差ER(SPR)を乗じ、その結果を、抑制が実施された周期的デジタル信号SDPの中間周期PMDPで割ることにより直ぐに計算され、すなわち、NTIC=CInh・ER(SDP)/PMDP、であり、ここで、ER(SPR)=ER(SDP)である。これから、記載された代替的実施形態について、NTIC=110.112を得る。
【0044】
更なる代替的実施形態では、制動インパルスが、電圧信号U1の立ち上がりエッジの間に適用されるか、または立ち下がりエッジの間に適用されるかに応じて、正の誘導電圧インパルスDE2n-1のみ、または負の誘導電圧インパルスDE2nのみが現れ(図5A)、それらはそれぞれ、閾値電圧Usまたは−Usを有する単一の電圧比較器を使用して検出されるように、制動インパルスが電圧U1の各周期において想定される。そのとき、時間間隔の理論上の中間時間幅は46.8750msに等しい。
【0045】
本発明による測定方法を確実に高精度にするためには、以下記載される3つの条件を満たすことが有利である。
【0046】
第1の条件は、測定された時間間隔TInに最大時間幅を設定する。工程A)における複数の連続的な時間間隔TInの測定は、その時間間隔の各々が最大時間幅TIMAXよりも小さくなるように実施され、最大時間幅は、問題のデジタル信号に対する理論上の中間周期を、理論上の基準周波数FRTを基準にした、基準周期信号SPRの固有周波数FNRに対する最大相対誤差ERMAXの2倍で割ったものに等しく、周期的デジタル信号SDPの中間周波数FMDPの測定については、すなわち、TIMax(SDP)=PTDP/2・ERMax(FNR)であり、抑制されたデジタル信号SDIの中間周波数FMDIの測定については、すなわち、TIMax(SDI)=PMTDI/2・ERMax(FNR)、である。測定方法は、最近隣整数への丸めに基づいているので、時間間隔TInの各々に対する、問題のデジタル信号の有効な周期の自然数に対応する、問題のデジタル信号の周期の自然数Mn(SDP)、およびMn(SDi)のそれぞれを得るために、得られた各実数NRn(SDP)、およびNRn(SDi)のそれぞれが、自然数Mn(SDP)、およびMn(SDi)のそれぞれを基準にして、問題のデジタル信号の半周期だけ最大値からずれていなければならない。PMTDI=4・PTDPなので、これは、信号SDPの中間周波数FMDPの測定に対する、従って、内部時間基準の発振器の精度の、最も厳しい条件であると理解される。更には、信号SDIに対しては、抑制が発振器の誤差を補正するように想定され、これら抑制は一般に、抑制サイクルの間に分配されるので、本明細書に記載される第1の条件は高い測定精度を確実にするのに必要でないが、全ての場合について高精度を提供することを可能にする。数値的な例として、20秒/日の最大の発振器が選択される場合、ERMax(FNR)はほぼ230ppm(0.00023)に等しく、TIMax(SDP)=132.7ms、およびTIMax(SDI)=530.8ms、である。問題の代替的実施形態では、信号U1の交替の理論上の時間幅は23.4375msに等しく、その結果、発振器の中間周波数を精密に測定するために、5回の交替ごとに少なくとも1つの制動インパルスが必要であり、または、時間間隔TInのうちの少なくとも1つの間に抑制がない場合に、抑制されたデジタル信号の中間周波数を、従って計時器のレートを精密に測定するために、22回の交替ごとに少なくとも1つの制動インパルスが必要である。
【0047】
第2の条件は、各時間間隔TInの間に生じ得る抑制の最大数に関する。各時間間隔TInに対して、この抑制されたデジタル信号の有効な周期の自然数に対応する抑制されたデジタル信号SDIの周期の自然数Mn(SDi)を得る目的で、複数の連続的な時間間隔は、この時間間隔の間に基準周期信号の1つ以上の周期の抑制の結果生じる、この複数の連続的な時間間隔のうちの任意の時間間隔の時間幅の増加が、最大でも抑制されたデジタル信号の理論上の中間周期PMTDIの半分に等しくなるように想定されている(整数と2分の1との和に等しい数はこの整数に丸められると理解される)。記載された代替的実施形態では、周期的デジタル信号SDPの周期が抑制される。抑制されたデジタル信号の理論上の中間周期PMTDIと、信号SDPの理論上の周期PTDPとの比率が4に等しい、すなわち、PMTDI=PTDP/4、なので、この代替的実施形態については、この第2の条件は、時間間隔TInあたり、最大で2回の抑制が存在することを意味する。信号SDPの周期PDPは、現実的には理論上の周期PTDP未満なので、測定された時間間隔あたりの抑制を、2回の抑制に制限することによって一定のマージンが存在する。
【0048】
第2の条件は、全ての場合において高い測定精度を提供するために有利であるが、全ての場合に必要なわけではないことに留意されたい。実際、例えば、抑制サイクルの下位周期内に最大でも抑制の数を分配し、この下位周期内において短い時間間隔で2つ以上のインパルスを行うことを回避することにより、抑制サイクルの間に、実質的に均一なスケジュールに従って、抑制を分配する抑制プロセスの実施形態では、時間間隔TInが比較的長い場合は、代替的実施形態では、時間間隔あたり2つの抑制があり得る。上述の代替的実施形態のように、交替ごとの制動インパルスについては、各交替の間の抑制の最大数は実際、2に等しいと観察される。図7の表において、抑制がすでに生じている時間間隔TI233をとると、NR233(SDI)=94.240が得られる。更なる抑制が加えられたとすると、およそ、NR(SDI)=94.490が得られ、これを丸めると、正確にM(SDI)=94になる。抑制が3つの場合、NR(SDI)は94.50を上回ることになり、それは抑制されたデジタル信号の有効な周期数の計数に誤差を誘起することになる。一方で、発振器によって誘導される誤差が信号SDPの理論上の周期PTDPより大きくなるように、時間間隔TInが十分に長い時間幅を有する場合、そのとき、そのような時間間隔の間に3つの抑制が存在する場合があり、信号SDIの有効な周期数への正確な丸めが常に存在する場合がある。上述の第1の条件に関連して与えられる計算および結果によると、従って、問題の時間間隔を決定する2つの制動インパルスの間に、電圧信号U1の22回の交替よりも大きい時間間隔、すなわち少なくとも23回の交替の時間間隔、好ましくは、少なくとも24回の交替の時間間隔、すなわち12回の電気周期の時間間隔の間に、3回の抑制があり得ると結論付けることができる。従って、本発明による測定方法の実現中に測定される時間間隔と、想定される抑制プロセスとの間に一定のリンクがあること、従って、本発明による測定方法を実現している間の単位時間あたりの調整インパルスの数と、抑制サイクル中の抑制の分配モードとの間に一定の関係があることを、当業者は理解することができる。
【0049】
高い測定精度を確実にするための第3の条件は、抑制されたデジタル信号の中間周波数を測定するための総測定時間幅TMes、および計時器のレートに関する。前述のように、従来の抑制プロセスは、各抑制サイクルの間に抑制を分配させることを想定している。特定の実施形態では、抑制サイクルあたりの最大自然数が255または511である抑制が1秒あたりに分配される。抑制サイクルは、理論上は64[s]持続する。すでに上述したように、1秒の下位周期の各々において、想定される抑制の総数を64で割った整数値に対応する自然数回の抑制が実施され、1秒の端数部分の合計に対応する追加の抑制が、この合計が単位量を超えるたびに定期的に追加される。1秒の下位周期の各々において、下位周期の開始時に始めて、TU=125msごとに抑制を実施することが想定される。従って、これらインパルスが所与の下位周期において想定される場合、1番目はこの下位周期のゼロ時間に、2番目は125ms後に、3番目は250ms(=2・TU)に生じる。そのとき、この下位周期、すなわち、750msを僅かに下回る周期には、これ以上の抑制はない。
【0050】
抑制サイクルにおいて、測定方法の最初の時間間隔TI1がいつ開始されたかが分からないので、抑制サイクルに対して想定される全ての抑制が、複数の測定された時間間隔TInの間に生じることを確実にするために、総測定時間幅TMesが、抑制サイクルをできる限り全体的に網羅することを想定することが有利である。しかし、時間間隔は、特に発電機の可変の回転速度に依存する制動インパルスによって決定されるので、抑制サイクルに厳密に等しい総測定時間幅TMesを得ることは現実的には不可能である。従って、好ましい代替的実施形態では、抑制サイクルに対応する期間に従って、最初の制動インパルスにおいて時間間隔の測定を終えることが想定される。従って、TMes=CInh+Tadd、である。1回の抑制インパルスが過大に計数される確率、または追加の時間幅TaddがTU=125ms超える場合は1回以上の抑制が計数される確率が高いことに留意されたい。これを防止するために、好ましい代替的実施形態では、時間間隔TInがTU/2未満であることが想定される。問題の代替的実施形態では、このことは、電圧信号U1の電気的周期の各々に対して、少なくとも1つの制動インパルスが必要であることを意味する。更には、抑制を検出した直後の制動インパルスの終了時に、第1の時間間隔TI1を始めることが想定される。従って、抑制サイクルにおいて想定される抑制の総数と比較して、抑制が過度に計数されないことが確実になる。従って、本明細書で開示される好ましい代替的実施形態では、複数の時間間隔TInに対して測定方法を開始して、総測定時間幅TMesを決定する前に、制動インパルスの間に時間間隔の測定を実施し、図7の表に関連して記載される計算を行うことは想定される。
【0051】
図5Bでは、本発明による測定方法の実施形態における測定デバイスによって検出される制御信号SCom、電圧信号U1、および電圧信号UDetが、電気機械変換器の中間回転速度の第2の調整モード用に示され、任意の2つの連続する調整インパルスが、その対応する開始時間tdnにおいて、電気機械変換器の回転子が回転しているときに少なくとも1つのコイルによって形成される、固定子内の可変磁束によって生成された誘導電圧信号のほぼ正の自然数回の交替数を有するように、調整デバイスが調整インパルスBPnを生成するように構成されている。第2の調整モードでは、調整インパルスは、少なくとも特定の調整周期にわたって実質的に同一の時間幅を有し、この調整周期中の回転子の中間回転速度の調整は、調整インパルスの間の、上述の正の自然数回の交替数の変動によって得られる。そうでない場合は、測定方法は、第1の調整モードに対して記載された方法に類似したままであり、上述の3つの条件も該当する。発電機を装備する計時器の場合、この発電機を駆動するバレルが組み立てられるときに測定方法を実施することが好ましいと理解され、その場合、偶力が比較的高く、よって発電機の回転速度を調整するために、十分な制動インパルスを実施することが必要である。
【0052】
最後に、発電機を装備する計時器に関して、本発明の本明細書に提示される任意の教示が、類似により、連続回転モータと、このモータをモータ電気インパルスで給電するための電源とを装備する計時器にも適用される。従って、このような実施形態では、電気機械変換器は、時計ムーブメントのモータデバイスを形成する連続回転モータである。このモータは、永久磁石を備える回転子、および少なくとも1つのコイルを装備する固定子によって形成され、回転子が回転しているときに回転子の磁石によって生成される可変磁束がコイルを貫通する。この場合、調整インパルスは、少なくとも1つの固定子コイルの瞬間的な電気的電源によって各々が生成されるモータインパルスである。そのとき、これを行うために、固定子の電気端子と、一定の電源電流をコイルに送達するのに好適な電源の端子との間に、調整回路のスイッチ52が構成される。
【符号の説明】
【0053】
2 計時器
4 ムーブメント
6 発電機
8 運動学的チェーン
8A ホイールアセンブリ
8B ギヤトレイン
9 運動学的連結部
10 バレル
12 アナログ時間表示デバイス
14A 針、インジケータ部品
14B 針、インジケータ部品
14C 針、インジケータ部品
16 固定子
18 回転子
19 回転軸
20 支持体
22A コイル
22B コイル
22C コイル
24 電子回路
26 発振器
28A フランジ
28B フランジ
30A 磁石
30B 磁石
32 シャフト
34 ピニオン
36 プレート
38 ブリッジ
40A 軸受ブロック
40B 軸受ブロック
44A 端子
44B 端子
46 整流器
48 電圧調整器
50 調整回路
52 スイッチ
54 制御ユニット
56 可逆計数器
58 比較器
59 基準電圧
60 第1の周波数分割器
62 第2の周波数分割器
64 論理ユニット
66 抑制ユニット
70 測定デバイス
72 磁気センサ、磁場センサ、検出コイル
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7