特許第6917384号(P6917384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6917384
(24)【登録日】2021年7月21日
(45)【発行日】2021年8月11日
(54)【発明の名称】データ送信方法及びユーザ装置
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20210729BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20210729BHJP
   H04J 13/16 20110101ALI20210729BHJP
【FI】
   H04J99/00 100
   H04W72/12 150
   H04J13/16
【請求項の数】16
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-545833(P2018-545833)
(86)(22)【出願日】2017年3月3日
(65)【公表番号】特表2019-512921(P2019-512921A)
(43)【公表日】2019年5月16日
(86)【国際出願番号】CN2017075515
(87)【国際公開番号】WO2017148428
(87)【国際公開日】20170908
【審査請求日】2020年1月8日
(31)【優先権主張番号】201610122520.9
(32)【優先日】2016年3月4日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】リー アンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ホイリン
【審査官】 齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−159538(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0286305(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0195842(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0156786(US,A1)
【文献】 特開2010−004500(JP,A)
【文献】 特開2015−050575(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0066345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04J 13/16
H04W 72/12
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置によって実行されるデータ送信方法であって、
基地局から通知される無線ネットワーク一時識別子を受信することと、
前記無線ネットワーク一時識別子に基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することと、
前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して基地局へデータを送信すること、を含み、
前記リソースには、ユーザ装置のデータが選択的にもう一つのユーザ装置のデータと電力多重され、
前記基地局から通知される無線ネットワーク一時識別子は、第1チャネル品質レベルに対応する第1無線ネットワーク一時識別子と、第2チャネル品質レベルに対応する第2無線ネットワーク一時識別子と、第3チャネル品質レベルに対応する第3無線ネットワーク一時識別子とを含み、
第1チャネル品質レベルは、第2チャネル品質レベルより高いものであり、
第2チャネル品質レベルは、第3チャネル品質レベルより高いものである、データ送信方法。
【請求項2】
前記無線ネットワーク一時識別子に基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することは、
前記第1、第2及び第3無線ネットワーク一時識別子から、該ユーザ装置のチャネル品質レベルに対応する無線ネットワーク一時識別子を選択することと、
選択した無線ネットワーク一時識別子を利用して基地局から送信される制御情報をデスクランブルすることで、前記上りリンクスケジューリング情報を取得することと含む、
請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項3】
前記制御情報は、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルに対応する第1、第2又は第3無線ネットワーク一時識別子を利用してスクランブルされたものである、
請求項2に記載のデータ送信方法。
【請求項4】
前記無線ネットワーク一時識別子に基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することは、
前記無線ネットワーク一時識別子を利用し、基地局から送信される制御情報をデスクランブルすることで、上りリンクスケジューリング情報を取得することを含む、
請求項1に記載のデータ送信方法。
【請求項5】
前記上りリンクスケジューリング情報は、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルを指示する情報を含む、
請求項4に記載のデータ送信方法。
【請求項6】
前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して基地局へデータを送信することは、
該ユーザ装置のチャネル品質レベルと、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルを指示する前記情報とによって、該ユーザ装置が前記リソースを使用することが許可されるかを特定することと、
該ユーザ装置は、前記リソースを使用することが許可される場合、前記リソースを使用して基地局へデータを送信すること
を含む、請求項5に記載のデータ送信方法。
【請求項7】
前記もう一つのユーザ装置が第1チャネル品質レベルを有する場合、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルは、第3チャネル品質レベルであり、
前記もう一つのユーザ装置が第3チャネル品質レベルを有する場合、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルは、第1チャネル品質レベルである、
請求項3又は6に記載のデータ送信方法。
【請求項8】
前記リソースがアイドルリソースの場合、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルは、第2チャネル品質レベルである、
請求項3又は6に記載のデータ送信方法。
【請求項9】
ユーザ装置であって、
基地局から通知される無線ネットワーク一時識別子を受信するように構成される受信装置と、
前記無線ネットワーク一時識別子に基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得するように構成されるスケジューリング情報取得装置と、
前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して基地局へデータを送信するように構成される送信装置と、を備え、
前記リソースには、該ユーザ装置のデータが選択的にもう一つのユーザ装置のデータと電力多重され、
前記基地局から通知される無線ネットワーク一時識別子は、第1チャネル品質レベルに対応する第1無線ネットワーク一時識別子と、第2チャネル品質レベルに対応する第2無線ネットワーク一時識別子と、第3チャネル品質レベルに対応する第3無線ネットワーク一時識別子とを含み、
第1チャネル品質レベルは、第2チャネル品質レベルより高いものであり、
第2チャネル品質レベルは、第3チャネル品質レベルより高いものである、
ユーザ装置。
【請求項10】
前記スケジューリング情報取得装置は、前記第1、第2及び第3無線ネットワーク一時識別子から、該ユーザ装置のチャネル品質レベルに対応する無線ネットワーク一時識別子を選択し、且つ、選択した無線ネットワーク一時識別子を利用して基地局から送信される制御情報をデスクランブルすることで、前記上りリンクスケジューリング情報を取得する、
請求項9に記載のユーザ装置。
【請求項11】
前記制御情報は、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルに対応する第1、第2又は第3無線ネットワーク一時識別子を利用してスクランブルされたものである、
請求項10に記載のユーザ装置。
【請求項12】
前記スケジューリング情報取得装置は、前記無線ネットワーク一時識別子を利用して基地局から送信された制御情報をデスクランブルすることで、上りリンクスケジューリング情報を取得する、
請求項9に記載のユーザ装置。
【請求項13】
前記上りリンクスケジューリング情報は、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルを指示する情報を含む、
請求項12に記載のユーザ装置。
【請求項14】
前記送信装置は、該ユーザ装置のチャネル品質レベルと、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルを指示する前記情報とによって、該ユーザ装置が前記リソースを使用することが許可されるかを特定し、
該ユーザ装置が前記リソースを使用することが許可される場合、前記リソースを使用して基地局へデータを送信する、
請求項13に記載のユーザ装置。
【請求項15】
前記もう一つのユーザ装置が第1チャネル品質レベルを有する場合、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルは、第3チャネル品質レベルであり、
前記もう一つのユーザ装置が第3チャネル品質レベルを有する場合、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルは、第1チャネル品質レベルである、
請求項11又は14に記載のユーザ装置。
【請求項16】
前記リソースがアイドルリソースである場合、前記リソースを使用することが許可されるユーザ装置のチャネル品質レベルは、第2チャネル品質レベルである、
請求項11又は14に記載のユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信分野に関し、具体的には、ユーザ装置(UE)によって実行されるデータ送信方法、基地局及びユーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、専用スケジューリングリクエスト(DSR)を利用してユーザ装置(UE)の上りリンクアクセスを行う。具体的には、アイドル状態にあるUE(非アクティブのUE)は、送信しようとするデータがある時、該UEが上りリンク制御チャネル(PUCCH)の送信タイミングを待つ。該送信タイミングが来る時、該UEは、PUCCHによってスケジューリングリクエストを基地局へ送信し、自分へ上りリンク無線リソースを割り当てるように基地局に対して要求する。基地局は、該スケジューリングリクエストを復号化し、上りリンクリソースを該UEに割り当てるためのスケジューリングを行い、そして、スケジューリング結果をスケジューリンググラント(Scheduling Grant)によってUEに送信する。UEは、該スケジューリンググラントを復号化し、送信しようとするデータに対してL1レイヤー及びL2レイヤーの処理を行い、そして、基地局から割り当てられる上りリンク無線リソースを使用して基地局へデータを送信する。基地局は、該データを受信し、そして、該データに対して復号化及び必要な処理を行い、且つ、処理結果をUEへ通知する。
【0003】
上記上りリンクアクセス手順は、比較的大きい時間遅延がある。この時間を低減するために、コンテンションベース上りリンクアクセス方法が提案された。この方法では、基地局は、ブロードキャスト又は専用シグナリングによって、UEの利用可能な無線ネットワーク一時識別子(RNTI、またはCB−RNTIとも呼ぶ)をUEへ通知する。また、上りリンクにアイドルリソースがある時、基地局は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)によって該アイドルリソースを通知するためのスケジューリンググラントを送信し、該PDCCHは、RNTIによってスクランブルされるものである。UEは、基地局から通知されるRNTIを受信し、且つ、該RNTIを利用して基地局から送信されるPDCCHを監視することで、基地局がスケジューリンググラントを送信したか否かを検知する。UEがRNTIを利用してPDCCHをデスクランブルすることに成功することでスケジューリンググラントを検知した時、該UEは、送信しようとするデータに対してL1レイヤー及びL2レイヤーの処理を行い、そして、該アイドルリソースを使用して前記データを送信する。既存の上りリンクアクセス方法と比べると、コンテンションベース上りリンクアクセス方法は、UEがPDCCHの送信タイミングを待つステップ、UEがスケジューリングリクエストを送信するステップ、並びに基地局が該スケジューリングリクエストを受信して処理するステップを省略することにより、アクセスに必要される時間遅延を顕著に低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンテンションベース上りリンクアクセス方法は、通常、システム負荷が相対的に低い(すなわち、アイドルリソースがある)時のみに使用されるが、システム負荷が相対的に高い時は、アクセス時間遅延を低減する効果が良くない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る一実施例によると、ユーザ装置(UE)によって実行されるデータ送信方法を提供した。該方法は、基地局から通知される無線ネットワーク一時識別子(RNTI)を受信することと、前記RNTIに基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することと、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されたリソースを使用して基地局へデータを送信することと、を含み、前記リソースには、UEのデータが選択的にもう一つのUEのデータと電力多重(Power Multiplex)される。
【0006】
本発明に係る別の方面によると、基地局から通知されるRNTIを受信するように配置される受信装置と、前記RNTIに基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得するように配置されるスケジューリング情報取得装置と、前記上りリンクスケジューリング情報指示にされたリソースを使用して基地局へデータを送信するように配置される送信装置と、を含むUEを提供する。前記リソースには、該UEのデータが選択的にもう一つのUEのデータと電力多重される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記方面によるデータ送信方法及びUEを利用すると、システム負荷が低い場合だけではなく、システム負荷が高い場合も、上りリンクアクセスの時間遅延を顕著に低減した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の実施例を、図面を参照しながら詳細に説明することにより、本開示の上記及びその他の目的、特徴、長所はより明らかになる。
【0009】
図1】NOMA技術の原理を模式的に示す図である。
図2】基地局によって実行される上りリンク無線リソーススケジューリングの例示を示す。
図3】本発明第1実施例によるデータ送信方法のフローチャートである。
図4】本発明第1実施例による制御情報のフォーマットを模式的に示す。
図5】本発明第1実施例によるアクティブUE及び非アクティブUEによって実行される、図3に示すデータ送信方法に基づくデータ送信手順を模式的に示す。
図6】本発明第1実施例による基地局のブロック図を示す。
図7】本発明第1実施例によるUEのブロック図を示す。
図8】本発明第2実施例によるデータ送信方法のフローチャートを示す。
図9】本発明第2実施例による非アクティブUEに用いられる制御情報のフォーマットを模式的に示す。
図10】本発明第2実施例によるアクティブUE及び非アクティブUEによって実行される、図8に示すデータ送信方法に基づくデータ送信手順を模式的に示す。
図11】本発明第2実施例による基地局のブロック図を示す。
図12】本発明第2実施例によるUEのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。図面において、同じ参照記号は、常に同じ素子を示す。ここで説明する実施例は例示に過ぎず、本開示的範囲を制限するものと解釈してはいけないことは、理解されるべきである。
【0011】
本発明の実施例において、UEが使用可能なリソースは、リソースブロックであってもよいし、その他の種類のリソースであってもよい。例えば、単一のリソースブロックをさらに分割して得られるより小さなリソースユニットであってもよい。説明の便宜上、リソースブロックをリソースの例示として使用して本発明の実施例を説明する。
【0012】
また、本発明の実施例において、UEをアクティブUE及び非アクティブUEに分けることができる。アクティブUEは、基地局との通信中にあるUEであり、基地局は、既存の上りリンクグラント(UL Grant)によって上りリンクスケジューリング情報をアクティブUEへ通知する。よって、アクティブUEは、コンテンションベース上りリンクアクセスを行う必要がない。非アクティブUEは、アイドル状態にあるUEであり、送信しようとするデータがある時、非アクティブUEはアクセスを行う。本発明の実施例において、非アクティブUEは、コンテンションベース上りリンクアクセスを行うことができる。
【0013】
UE(アクティブUE及び/又は非アクティブUE)は、基地局から送信される参照信号(例えば、サウンディング参照信号)を測定することにより、自分のチャネル品質を特定する。前記チャネル品質は、例えば、参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、チャネル品質指示子(CQI)等で示されることができる。そして、UEは、自分のチャネル品質(例えば、RSRP値)と予め設定したチャネル品質閾値(例えば、RSRP値の閾値)と比較することにより、自分のチャネル品質レベルを特定することができる。本発明の実施例では、二つのチャネル品質閾値、すなわち閾値1と、閾値1より大きい閾値2とを設定することによって、三つのチャネル品質レベルを設定してもよい。UEのチャネル品質が閾値1より大きい場合、該UEは第1チャネル品質レベルを有する。UEのチャネル品質が閾値1より大きくない、かつ閾値2より大きい場合、該UEは第2チャネル品質レベルを有する。UEのチャネルが閾値2より大きくない場合、該UEは第3チャネル品質レベルを有する。第1チャネル品質レベルは第2チャネル品質レベルより高く、第2チャネル品質レベルは第3チャネル品質レベルより高いため、第1チャネル品質レベルを高チャネル品質レベル、第2チャネル品質レベルを中チャネル品質レベル、第3チャネル品質レベルを低チャネル品質レベルと呼ぶことができる。また、アクティブUEは、基地局がそのチャネル品質を知って且つ同じ方式で該アクティブUEのチャネル品質レベルを特定するように、そのチャネル品質を基地局にフィードバックすることができる。代わりに、アクティブUEは、そのチャネル品質レベルを基地局に通知してもよい。
【0014】
本発明の実施例において、コンテンションベース上りリンクアクセスと非直交多重アクセス(NOMA:Non Orthogonal Multiple Access)を結合する。図1は、NOMA技術の原理を模式的に示す。図1に示すように、NOMA技術において、基地局は、周波数リソースブロック(例えば、サブバンド)で複数のUEのデータに対して電力多重を行うことができる。すなわち、異なる電力で複数UEのデータを多重し、且つ、多重されたデータを各UEに送信する。基地局から送信されるデータを受信した後、各UEは、逐次干渉除去(SIC:Successive Interference Cancellation)順番に従って前記データを復調して自分のデータを取得し、ここで、前記SIC順番は、周波数リソースブロック毎に多重された各UEのデータの復調順番を示すものである。前記周波数リソースブロックはリソースの例示である。本発明の実施例において、前記リソースは、リソースブロック以外のその他の種類の無線リソースであってもよい。例えば、リソースブロックをさらに分割して得られるより小さいリソースユニットであってもよい。
【0015】
各リソースブロックについて、該リソースブロックの種類に従って選択的に該リソースブロックで電力多重(NOMA)を行うことができる。具体的には、アイドルリソースブロックについては、NOMAを行わずにアイドルリソースブロックをデータを送信する必要がある非アクティブUEに割り当て、これによって、該非アクティブUEが前記アイドルリソースブロックを利用してコンテンションベース上りリンクアクセスを行うことをできるようにする。非アイドルリソースブロック、すなわち、その他のUE(アクティブUE)に割り当てられるリソースブロックについて、選択的にNOMAを行うことにより、該リソースブロック上で該その他のUEのデータと非アクティブUEのデータとを電力多重し、これによって、非アクティブUEは、前記非アイドルのリソースブロックに対しても、コンテンションベース上りリンクアクセスを行うことができる。
【0016】
より具体的には、基地局は、各非アイドルリソースブロックについて、該リソースブロックが割り当てられたアクティブUEを特定し、そして、アクティブUEのチャネル品質レベルに従って、その他のUE(例えば、非アクティブUE)が該リソースブロックを使用することを許可するかを特定し、且つ、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUE(すなわち、そのデータが該リソースブロック上に多重されることが許可される非アクティブUE)のチャネル品質レベルを特定することができる。基地局は、本分野の公知方式で、該リソースブロックが割り当てられるアクティブUEを特定することができ、ここでは説明を省略する。例示として、あるリソースブロックは、高チャネル品質レベルを有するアクティブUEに割り当てられる場合、低チャネル品質レベルを有する非アクティブUEのみが該リソースブロックを使用することが許可される。あるリソースブロックは、低チャネル品質レベルを有するアクティブUEに割り当てられる場合、高チャネル品質レベルを有する非アクティブUEのみが該リソースブロックを使用することが許可される。あるリソースブロックは、中チャネル品質レベルを有するアクティブUEに割り当てられる場合、その他のUEが該リソースブロックを使用することが許可されない。すなわち、その他のUEのデータを該リソースブロックに多重することが許可されない。一方、あるリソースブロックは、いずれのアクティブUEにも割り当てられず、アイドルリソースブロックとなる場合、基地局は、NOMAを行わずに、中チャネル品質レベルを有する非アクティブUEが該リソースブロックを使用することを許可することができる。図2は、基地局による上りリンク無線リソーススケジューリングの例示を示す。図2に示す例において、リソースブロック(サブバンド)SB1及びSB2は、高チャネル品質レベルを有するアクティブUEによって占有されるため、低チャネル品質レベルを有する非アクティブUEのみがSB1及びSB2を使用することが許可される。サブバンドSB3及びSB4は、低チャネル品質レベルを有するアクティブUEによって占有されるため、高チャネル品質レベルを有する非アクティブUEのみがSB3及びSB4を使用することが許可される。サブバンドSB5はアイドルリソースであるため、中チャネル品質レベルを有する非アクティブUEがSB5を使用することを許可することができる。サブバンドSB6は、中チャネル品質レベルを有するアクティブUEによって占有されるため、基地局は、その他のUEがSB6を使用することを許可しない。各リソースブロックを使用するUEを特定すること以外、基地局は、本分野の公知方式に従って各UE的送信電力を特定することもでき、ここでは説明を省略する。
【0017】
(第1実施例)
以下、図3を参照して本発明第1実施例によるUEによって実行されるデータ送信方法を説明する。本実施例において、該方法を実行するUEは非アクティブUEである。その他の実施例において、前記UEは、アクティブUE及び非アクティブUEの両方であってもよい。
【0018】
図3を参照し、ステップS301では、非アクティブUEは、基地局から通知されるRNTIを受信する。基地局は、専用シグナリングによって或いはブロードキャストによってこの通知を行うことができる。
【0019】
本実施例では、通信システムにおいて使用可能なRNTI1、RNTI2 RNTI3の三つのRNTIを予め定義することができる。ここで、RNTI1は、第1チャネル品質レベルに対応するものであり、RNTI2は、第2チャネル品質レベルに対応するものであり、RNTI3は、第3チャネル品質レベルに対応するものである。基地局は、これらの三つの使用可能なRNTIを各UEに通知することができる。
【0020】
各リソースブロックについて、基地局は、該リソースブロックを使用することが許可されるアクティブUE、及び/又は該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベル、並びに各UEの送信電力を特定するように、上記方式に従ってスケジューリングを行うことができる。そして、各リソースブロックについては、該リソースがアクティブUEに割り当てられる場合、基地局は、本分野の公知方式に従って、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を生成し、制御情報(例えば、PDCCH)(該UEのRNTIスクランブル専用)によって該上りリンクスケジューリンググラントを該アクティブUEに送信することができ、ここで、前記上りリンクスケジューリング情報は、該リソースブロックと、該アクティブUEの送信電力とを指示することができる。一方、該リソースブロックは、非アクティブUEに使用されることも許可される場合、基地局は、上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を生成し、そして、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベルに対応するRNTIを使用して、該上りリンクスケジューリング情報を持つ制御情報(例えば、PDCCH)をスクランブルし、そして、スクランブルされた後の制御情報をセル内の各々の非アクティブUEに送信することができ、ここで、上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)は、該リソースブロックと、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEの送信電力とを指示する。例えば、あるリソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベルは第1チャネル品質レベルである場合、基地局は、第1チャネル品質レベルに対応するRNTI1を利用して前記制御情報をスクランブルし、あるリソースブロックを使用することが許可されるUEのチャネル品質レベルは第2チャネル品質レベルである場合、基地局は、第2チャネル品質レベルに対応するRNTI2を利用して前記制御情報をスクランブルし、あるリソースブロックを使用することが許可されるUEのチャネル品質レベルは第3チャネル品質レベルである場合、基地局は、第3チャネル品質レベルに対応するRNTI3を利用して前記制御情報をスクランブルする。図2に示す例示では、SB1及びSB2は第1チャネル品質レベルのアクティブUEに割り当てられるため、第3チャネル品質レベルの非アクティブUEのみがこの二つのサブバンドを使用することが許可され、このため、基地局は、RNTI3を用いてSB1及びSB2に対応付けられる制御情報をスクランブルする。同様に、基地局は、RNTI1を用いてSB3及びSB4に対応付けられる制御情報をスクランブルし、RNTI2を用いてSB5に対応付けられる制御情報をスクランブルする。図4は、本実施例では基地局によって生成されるPDCCHのフォーマットを示す。図4に示すように、該PDCCHは、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant或CB Grant)を指示するフィールドと、巡回冗長検査(CRC)フィールドとを含み、ここで、該CRCフィールドは、RNTIによってスクランブルされてもよい。該PDCCHのフォーマットは本分野で熟知されるものであるため、ここでは説明を省略する。
【0021】
図3に戻って、ステップS302において、非アクティブUEは、基地局から通知されるRNTIに基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することができる。
【0022】
具体的には、該非アクティブUEは、基地局から通知されるRNTI(RNTI1、RNTI2、及びRNTI3)から、該非アクティブUEのチャネル品質レベルに対応するRNTIを選択することができる。例えば、該非アクティブUEは、上記のように自分のチャネル品質レベルを特定し、且つ、対応するRNTIを選択することができる。そして、該非アクティブUEは、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得するように、選択されたRNTIを利用して基地局から送信される制御情報(例えば、PDCCH)をデスクランブルすることができる。
【0023】
該非アクティブUEによるデスクランブルに失敗した場合、該非アクティブUEは、該制御情報に対応する無線リソースを使用することができないことを意味する。逆に、該非アクティブUEによるデスクランブルに成功した場合、該非アクティブUEは、前記制御情報に持たされる上りリンクスケジューリング情報を取得し、且つ、該上りリンクスケジューリング情報に指示される無線リソースを知ることができる。
【0024】
ステップS303では、非アクティブUEは、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して基地局へデータを送信することができる。
【0025】
具体的には、非アクティブUEは、送信しようとするデータに対してL1及びL2レイヤーの処理を行い、且つ、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して、前記上りリンクスケジューリング情報に指示される電力で前記データを基地局に送信することができる。
【0026】
上記データ送信方法を利用することにより、非アイドルのリソースであっても、非アクティブUEのデータを電力多重方式で前記リソースに多重することができるため、非アクティブUEは、コンテンションベース上りリンクアクセスを行うことで、アクセスの時間遅延を低減することができる。
【0027】
以下、図5を参照し、本発明第1実施例によるアクティブUE及び非アクティブUEによって実行される送信手順を説明し、該手順は、図3に示すデータ送信方法に基づく。
【0028】
図5に示すように、ステップS501では、基地局は、通信システムで使用可能なRNTI、すなわちRNTI1、RNTI2及びRNTI3を、セルにおけるUEへ通知する。ステップS502では、前記RNTIを受信した非アクティブUEは、その下りリンクチャネル品質を測定して、そのチャネル品質レベルを特定し、且つ、該チャネル品質レベルに対応するRNTIを選択する。
【0029】
ステップS503では、各リソースブロックについて、基地局は、上記方式に従ってスケジューリングを行うことで、該リソースブロックを使用することが許可されるアクティブUE、及び/又は該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベル、並びに各UEの送信電力を特定する。
【0030】
ステップS504では、非アクティブUEの使用が許可されるリソースブロックについて、基地局は、上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を生成し、そして、該非アクティブUEのチャネル品質レベルに対応するRNTIを使用して、該上りリンクスケジューリング情報を持つ制御情報をスクランブルし、そして、スクランブルされた後の制御情報を各非アクティブUEに送信する。
【0031】
ステップS505では、アクティブUEの使用が許可されるリソースブロックについて、基地局は、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を生成し、且つ、制御情報によって該上りリンクスケジューリング情報を該アクティブUEに送信する。
【0032】
ステップS506では、非アクティブUEは、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を検知し、且つ、該上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用し、L1レイヤー及びL2レイヤー処理されたデータを基地局に送信する。非アクティブUEは、上記で図3を参照して説明した方式に従ってこのような検知及びデータ送信を行うことができるが、ここでは説明を省略する。
【0033】
ステップS507では、アクティブUEは、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を検知し、且つ、該上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用し、L1レイヤー及びL2レイヤー処理されたデータを基地局に送信する。アクティブUEは、本分野の公知方式に従ってこのような検知及びデータ送信を行うことができるが、ここでは説明を省略する。
【0034】
注意すべきなのは、上記フローにおいて特定の順番で各ステップを説明したが、これは制限的なものではなく、これらのステップは逆の順番で行う、又は同時に行うことができる。例えば、ステップS504及びステップS505は同時に行ってもよく、ステップS505を先に実行してからステップS504を実行してもよい。同様に、ステップS506及びステップS507は同時に行ってもよく、ステップS507を先に実行してからステップS506を実行してもよい。
【0035】
これで分かるように、コンテンションベース上りリンクアクセスをNOMAと結合することにより、非アイドルリソースについても、非アクティブUEは、上りリンクアクセスを行うことができ、これによって、該アクセスの時間遅延を顕著に低減する。また、NOMAを行う場合、チャネル品質レベルの差が大きいUEのデータをリソースブロック上に多重することにより、良好なNOMA性能を実現することができる。
【0036】
続いて、図6を参照して本発明第1実施例による基地局を説明する。
【0037】
図6に示すように、基地局600は、送信装置601及びスケジューリング装置602を備える。理解すべきなのは、これら二つの装置以外、基地局600は、データ処理に用いられる装置並びにコアネットワーク及びUEとの通信に必要とされる装置をさらに備えても良い。ここでは、説明の便宜上これらの装置を示さない。
【0038】
送信装置601は、通信システムで使用可能なRNTIを、セルにおけるUEへ通知することができる。前記RNTIは、システムにおいて予め定義されたものであり、例えば、第1チャネル品質レベルに対応するRNTI1、第2チャネル品質レベルに対応するRNTI2、及び第3チャネル品質レベルに対応するRNTI3であってもよい。
【0039】
スケジューリング装置602は、各リソースブロックについて、上記方式に従ってスケジューリングを行うことで、該リソースブロックを使用することが許可されるアクティブUE、及び/又は該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベル、並びに各UEの送信電力を特定することができる。
【0040】
また、各リソースブロックについて、該リソースがアクティブUEに割り当てられる場合、スケジューリング装置602は、本分野の公知方式に従って、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を生成し、そして、送信装置601は、制御情報(例えば、PDCCH)によって該上りリンクスケジューリンググラントを該アクティブUEに送信する。ここで、前記上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)は、該リソースブロックと、該アクティブUEの送信電力とを指示してもよい。一方、該リソースブロックが非アクティブUEの使用も許可される場合、スケジューリング装置602は、上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)をさらに生成し、そして、送信装置601は、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベルに対応するRNTIを使用し、該上りリンクスケジューリング情報を持つ制御情報(例えば、PDCCH)をスクランブルし、そして、スクランブルされた後の制御情報をセル内の各非アクティブUEに送信する。ここで、前記上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)は、該リソースブロックと、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEの送信電力とを指示してもよい。
【0041】
続いて、図7を参照し、本発明第1実施例によるUEを説明する。
【0042】
図に示すように、UE700は、受信装置701、スケジューリング情報取得装置702及び送信装置703を備える。理解すべきなのは、これらの三つの装置以外、UE700は、データ処理に用いられる装置並びに基地局との通信に必要される装置をさらに備えても良い。ここでは説明の便宜上これらの装置を示さない。
【0043】
受信装置701は、基地局から通知されるRNTIを受信することができる。前記RNTIは、システムにおいて予め定義されたものであり、例えば、第1チャネル品質レベルに対応するRNTI1、第2チャネル品質レベルに対応するRNTI2、及び第3チャネル品質レベルに対応するRNTI3であってもよい。
【0044】
スケジューリング情報取得装置702は、基地局から通知されるRNTIに基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することができる。
【0045】
具体的には、スケジューリング情報取得装置702は、基地局から通知されるRNTI(RNTI1、RNTI2及びRNTI3)から、該UEのチャネル品質レベルに対応するRNTIを選択することができる。該UEは、スケジューリング情報取得装置702が対応するRNTIを選択できるように、上記のように自分のチャネル品質レベルを特定することができる。そして、スケジューリング情報取得装置702は、選択されるRNTIを利用して基地局が送信した制御情報(例えば、PDCCH)をデスクランブルすることで、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することができる。スケジューリング情報取得装置702によるデスクランブルに失敗する場合、該UEは該制御情報に対応する無線リソースを使用することができないことを意味する。逆に、スケジューリング情報取得装置702によるデスクランブルに成功する場合、該UEは前記制御情報に持たされる上りリンクスケジューリング情報を取得でき、且つ、該上りリンクスケジューリング情報に指示される無線リソースを知ることができることを意味する。上記のように、該上りリンクスケジューリング情報は、該UEの送信電力を指示する情報をさらに含んでもよい。
【0046】
送信装置703は、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して基地局へデータを送信することができる。具体的には、送信装置703は、送信しようとするデータに対してL1及びL2レイヤーの処理を行い、且つ、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用して、前記上りリンクスケジューリング情報に指示される電力で前記データを基地局に送信することができる。
【0047】
このように、前記UEが非アクティブUEの場合、非アイドルの無線リソースについても、前記UEは、コンテンションベース上りリンクアクセスを行うことで、該アクセスの時間遅延を低減することができる。
【0048】
(第2実施例)
以下、図8を参照し、本発明第2実施例による、UEによって実行されるデータ送信方法を説明する。本実施例では、該方法を実行するUEは非アクティブUEである。その他の実施例では、前記UEは、アクティブUE及び非アクティブUEの両方であってもよい。
【0049】
図8を参照し、ステップS801では、非アクティブUEは、基地局から通知されるRNTIを受信する。基地局は、専用シグナリング或いはブロードキャストによってこの通知を行うことができる。本実施例では、第1実施例と異なり、一つのRNTIを予め定義してセルにおける各UEに通知することができる。
【0050】
ここで、各リソースブロックについて、基地局は、上記方式に従ってスケジューリングを行うことにより、該リソースブロックを使用することが許可されるアクティブUE、及び/又は該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベル、並びに各UEの送信電力を特定することができる。各リソースブロックについて、該リソースがアクティブUEに割り当てられる場合、基地局は、本分野の公知方式に従って、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を生成し、さらに制御情報(例えば、PDCCH)によって該上りリンクスケジューリンググラントを該アクティブUEに送信する。ここで、前記上りリンクスケジューリング情報は、該リソースブロック及び該アクティブUEの送信電力を指示することができる。アクティブUEに用いられる制御情報(例えば、PDCCH)のフォーマットは、図4に示すフォーマットと同じであってもよい。一方、あるリソースブロックが非アクティブUEの使用が許可される場合、基地局は上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を生成し、そして前記RNTIを使用し、該上りリンクスケジューリング情報を持つ制御情報(例えば、PDCCH)をスクランブルし、そしてスクランブルした制御情報をセル内の各非アクティブUEに送信することができる。本実施例では、非アクティブUEに用いられる制御情報(例えば、PDCCH)のフォーマットは、図4に示すフォーマットと異なる。図9は、本発明第2実施例による非アクティブUEに用いられる制御情報のフォーマットを模式的に示す。図9に示すように、該リソースブロックと、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEの送信電力とを指示する情報以外、前記上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)は、該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベルを指示する付加情報をさらに含む。例示として、該付加情報は2ビットを有し、そのうち、00は第1チャネル品質レベルを示し、すなわち、第1チャネル品質レベルを有する非アクティブUEが該リソースブロックを使用することを許可する。01は第2チャネル品質レベルを示し、すなわち、第2チャネル品質レベルを有する非アクティブUEが該リソースブロックを使用することを許可する。10は第3チャネル品質レベルを示し、すなわち、第3チャネル品質レベルを有する非アクティブUEが該リソースブロックを使用することを許可する。また、前記付加情報は11である場合、いかなるチャネル品質レベルを有する非アクティブUEが該リソースブロックを使用することを許可する。図2に示す例示では、SB1及びSB2は第1チャネル品質レベルのアクティブUEに割り当てられるため、第3チャネル品質レベルの非アクティブUEのみがこの二つのサブバンドを使用することが許可され、よってSB1及びSB2に対応付けられる上りリンクスケジューリング情報における付加情報は10に設定される。同様に、SB3及びSB4に対応付けられる上りリンクスケジューリング情報における付加情報は00に設定され、SB5に対応付けられる上りリンクスケジューリング情報における付加情報は01に設定される。
【0051】
ステップS802では、非アクティブUEは、基地局から通知されるRNTIに基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することができる。具体的には、該非アクティブUEは、基地局から通知されるRNTIを利用して基地局から送信される制御情報(例えば、PDCCH)をデスクランブルすることで、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することができる。
【0052】
ステップS803では、非アクティブUEは、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースブロックを使用して基地局へデータを送信することができる。
【0053】
具体的には、非アクティブUEは、自分のチャネル品質レベル及び前記上りリンクスケジューリング情報における付加情報によって、該非アクティブUEが前記リソースブロックを使用することが許可されるかを特定する。ここで、非アクティブUEのチャネル品質レベルが前記付加情報に指示されるチャネル品質レベルと一致する場合、該非アクティブUEが前記リソースブロックを使用することが許可されると特定することができる。そして、該非アクティブUEは、前記リソースブロックを使用することが許可される場合、該非アクティブUEが前記リソースブロックを使用して基地局へデータを送信する。具体的には、該非アクティブUEは、送信しようとするデータに対してL1及びL2レイヤーの処理を行い、そして前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースブロックを使用して、前記上りリンクスケジューリング情報に指示された電力で前記データを基地局に送信することができる。
【0054】
上記データ送信方法を利用し、アクティブUEによって占有されるリソースについて、非アクティブUEのデータと該UEのデータとを異なる電力で前記リソースに多重することで、非アクティブUEは、非アイドルリソースについても、コンテンションベース上りリンクアクセスを行うことができる。
【0055】
以下、図10を参照し、本発明第1実施例によるアクティブUE及び非アクティブUEによって実行される、図8に示すデータ送信方法に基づデータ送信手順を説明する。
【0056】
図10に示すように、ステップS1001では、基地局は、通信システムにおいて使用可能なRNTIを、セルにおけるUEへ通知する。
【0057】
ステップS1002では、前記RNTIを受信した非アクティブUEは、該RNTIを利用して、基地局がPDCCHを送信したかを監視する。
【0058】
ステップS1003では、各リソースブロックについて、基地局は、上記方式に従ってスケジューリングを行うことで、該リソースブロックを使用することが許可されるアクティブUE、及び/又は該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベル、並びに各UEの送信電力を特定する。
【0059】
ステップS1004では、非アクティブUEの使用が許可されるリソースブロックについて、基地局は、上記した上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を生成し、そして前記RNTIを使用して、該上りリンクスケジューリング情報を持つ制御情報(例えば、図9に示すPDCCH)をスクランブルし、且つ、スクランブルされた制御情報を各非アクティブUEに送信する。
【0060】
ステップS1005では、リソースブロックの使用が許可されたアクティブUEについて、基地局は、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を生成し、さらに制御情報(例えば、図4に示すPDCCH)によって該上りリンクスケジューリング情報を該アクティブUEに送信する。
【0061】
ステップS1006では、非アクティブUEは、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を検知し、自分のチャネル品質レベルに基づいて、自分が前記リソースブロックを使用することが許可されたかを特定し、さらに、自分が前記リソースブロックを使用することが許可されたと特定する場合、該リソースブロックを使用し、L1レイヤー及びL2レイヤー処理されたデータを基地局に送信する。
【0062】
ステップS1007では、アクティブUEは、基地局が送信される上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を検知し、さらに該上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースを使用し、L1レイヤー及びL2レイヤー処理されたデータを基地局に送信する。
【0063】
同様に、注意すべきなのは、上記フローにおいて特定の順番で各ステップを説明したが、これは制限的なものではなく、これらのステップは逆の順番で或いは同時に行うことができる。例えば、ステップS1004及びステップS1005は同時に行ってもよいし、先にステップS1005を実行してからステップS1004を実行してもよい。同様に、ステップS1006及びステップS1007は同時に行ってもよいし、先にステップS1007を実行してからステップS1006を実行してもよい。
【0064】
これで分かるように、コンテンションベース上りリンクアクセスをNOMAと結合することにより、非アイドルリソースについても、非アクティブUEが上りリンクアクセスを行うことができ、よって、顕著に該アクセスの時間遅延を低減することができる。また、NOMAを行う場合、チャネル品質レベルの差が大きいUEのデータをリソースブロック上に多重することにより、良好なNOMA性能を実現できる。
【0065】
続いて、図11を参照し、本発明第2実施例にかかる基地局を説明する。
【0066】
図11に示すように、基地局1100は、送信装置1101及びスケジューリング装置1102を備える。理解すべきなのは、この二つの装置以外、基地局1100は、データ処理に用いられる装置並びにコアネットワーク及びUEとの通信に必要される装置をさらに備えても良い。ここでは説明の便宜上これらの装置を示さない。
【0067】
送信装置1101は、通信システムにおいて使用可能なRNTIを、セルにおけるUEへ通知することができる。
【0068】
スケジューリング装置1102は、各リソースブロックについて、上記方式に従ってスケジューリングを行うことにより、該リソースブロックを使用することが許可されるアクティブUE、及び/又は該リソースブロックを使用することが許可される非アクティブUEのチャネル品質レベル、並びに各UEの送信電力を特定することができる。
【0069】
また、非アクティブUEの使用が許可されるリソースブロックについて、スケジューリング装置1102は、上記した上りリンクスケジューリング情報(CB Grant)を生成することができ、そして送信装置1101は、前記RNTIを使用し、該上りリンクスケジューリング情報を持つ制御情報をスクランブルし、さらにスクランブルされた制御情報を各非アクティブUEに送信することができる。アクティブUEの使用が許可されるリソースブロックについて、スケジューリング装置1102は、上りリンクスケジューリング情報(UL Grant)を生成し、それに制御情報によって該上りリンクスケジューリング情報を該アクティブUEに送信することができる。
【0070】
続いて、図12を参照し、本発明第2実施例にかかるUEを説明する。
【0071】
図に示すように、UE1200は、受信装置1201、スケジューリング情報取得装置1202及び送信装置1203を備える。理解すべきなのは、これら三つ装置以外、UE1200は、データ処理に用いられる装置並びに基地局との通信に必要される装置をさらに備えてもよい。ここでは説明の便宜上これらの装置を示さない。
【0072】
受信装置1201は、基地局から通知されるRNTIを受信することができる。
【0073】
スケジューリング情報取得装置1202は、基地局から通知されるRNTIに基づいて、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得することができる。具体的には、スケジューリング情報取得装置1202は、基地局から通知されるRNTIを利用して、基地局から送信される制御情報(例えば、PDCCH)をデスクランブルして、基地局から送信される上りリンクスケジューリング情報を取得する。
【0074】
送信装置1203は、前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースブロックを使用して基地局へデータを送信する。具体的には、送信装置1203は、該UEのチャネル品質レベル及び前記上りリンクスケジューリング情報における付加情報により、該非アクティブUEが前記リソースブロックを使用することが許可されるかを特定する。ここで、非アクティブUEのチャネル品質レベルと前記付加情報に指示されるチャネル品質レベルとが一致する場合、該非アクティブUEが前記リソースブロックを使用することが許可されると特定することができる。そして、該非アクティブUEが前記リソースブロックを使用することが許可される場合、該非アクティブUEは、前記リソースブロックを使用して基地局へデータを送信する。そして、送信装置1203は、送信しようとするデータに対してL1及びL2レイヤーの処理を行い、そして前記上りリンクスケジューリング情報に指示されるリソースブロックを使用して、前記上りリンクスケジューリング情報に指示される電力で前記データを基地局に送信することができる。
【0075】
上記データ送信方法及びUEを利用し、非アイドルリソースについて、非アクティブUEのデータとアクティブUEのデータとを異なる電力で前記リソースに多重することができる。このように、非アクティブUEは、非アイドルリソースについても、コンテンションベース上りリンクアクセスを行うことができ、よって該アクセスの時間遅延を低減する。
【0076】
以上で本発明の実施例を説明したが、理解すべきなのは、これらの説明は例示的なものに過ぎず、制限的なものではことである。例えば、上記で「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」などの番号を使用したが、理解すべきなのは、これらの番号は対応する対象を区別するためのものに過ぎず、これらの対象自身又はその順番を制限するものではない。必要に応じて、その他の方式に従って各対象に対して番号を付けてもよい。また、上記でUEのチャネル品質を三つのレベルに分けたが、これは制限的なものではなく、UEのチャネル品質を二つのレベル或いは三つ以上のレベルに分けてもよい。この場合に、同一リソースブロックにおいて電力多重を行うUEのチャネル品質レベルは、できるだけ大きく相違すればよい。さらに、同一リソースブロックにおいて二つのUEのデータを多重する場合の代わり、同一リソースブロックにおいてより多くのUEのデータを多重してもよい。また、上記したように、アイドルリソースブロックについては、NOMA多重を行わず、それを第2チャネル品質レベルを有するUEに割り当てるが、これは制限的なものではない。実際には、必要に応じて各種の方式で該アイドルリソースブロックを使用することができる。例えば、それを他のチャネル品質レベルを有するUEに割り当ててもよいし、該リソースブロック上に複数のUEのデータを多重してもよい。
【0077】
本発明の例示的な実施例を示して説明したが、当業者にとっては、請求項及びその同等物によって限定される本発明の範囲と精神を逸脱しない限り、これらの例示的な実施例に対して様々な形式及び詳細上の変更が可能であることは明らかなものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12