特許第6920777号(P6920777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6920777
(24)【登録日】2021年7月29日
(45)【発行日】2021年8月18日
(54)【発明の名称】魚釣用スピニングリール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/01 20060101AFI20210805BHJP
【FI】
   A01K89/01 G
   A01K89/01 A
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-5783(P2018-5783)
(22)【出願日】2018年1月17日
(65)【公開番号】特開2019-122312(P2019-122312A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2020年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀江 博典
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 真嗣
(72)【発明者】
【氏名】弘田 悠将
【審査官】 佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−345372(JP,A)
【文献】 特開2012−023965(JP,A)
【文献】 特開2008−206473(JP,A)
【文献】 特開2017−108714(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第00859107(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル軸の回転運動をスプール軸の前後往復動に変換させるスプール往復動装置がボディに収容された魚釣用スピニングリールであって、
前記スプール往復動装置は、
前記スプール軸に固定された摺動子と、
前記ハンドル軸に連動回転する連動歯車と、
前記連動歯車に設けられた偏心突部と、
前記摺動子の側部に上下方向に延在して設けられ、前記偏心突部が係合する案内溝と、
前記ボディ内で前後方向に延び、前記摺動子の移動を案内する第1ガイド部及び第2ガイド部と、を備えており、
前記第1ガイド部は、
前記スプール軸の下側に配置されており、
前記ハンドル軸の軸方向から見たときに、前記第1ガイド部の少なくとも一部と前記案内溝の下端部側とが重なり合っており、
前記第2ガイド部は、ガイドプレートから構成されており、
前記ガイドプレートは、前記ボディに装着される取付部と、前記取付部の下部に連続し前後方向に長く形成されたガイド部とを備えており、
前記ガイド部は、
前記スプール軸の上側に配置されており、
前記ガイド部の前端部は、前記ハンドル軸の後方に近接配置されており、
前記ハンドル軸の軸方向から見たときに、前記ガイド部の少なくとも下縁部と前記案内溝の上端部側とが重なり合っており、
前記ボディの後部には、後部開口部が形成されており、
前記第1ガイド部の後端部及び前記ガイド部の後端部は、前記後部開口部を通じて前記ボディの後方に突出しており、
前記後部開口部は、カバー部材で覆われていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】
前記ハンドル軸の中心軸を含み前記スプール軸に平行な仮想平面を基準面としたとき、前記ハンドル軸よりも後方の前記基準面上で、前記ガイドプレートの前記ガイド部と前記案内溝とが重なり合っていることを特徴とする請求項に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項3】
前記スプール軸の軸方向から見たときに、前記スプール軸に前記案内溝の底部の少なくとも一部が重なっていることを特徴とする請求項1または請求項に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項4】
記第1ガイド部の後端部は前記カバー部材に支持されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項5】
前記ボディに設けられた側部開口部と、
前記側部開口部を閉塞し前記ハンドル軸を回転自在に支持する軸受部材と、を備え、
前記側部開口部と前記軸受部材とには、前記側部開口部を周回し、互いに螺合し合うねじ部が形成されており、
前記側部開口部に対し前記軸受部材自体が螺合することにより、前記ボディに前記軸受部材が締結固定されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣用スピニングリールは、スプールに釣糸を平行に巻回するためのスプール往復動装置をリール本体のボディの内部に備えている。スプール往復動装置は、ハンドル軸上の歯車に噛合する連動歯車と、連動歯車に設けられた偏芯突起と、偏芯突起が係合する案内溝が形成された摺動子と、摺動子を案内するガイド軸と、を備えている。ガイド軸は、ボディ内のハンドル軸の上方において前後方向に配置されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−108714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、魚釣り操作性や携帯性向上のために、リール本体の小型化が魚釣用スピニングリールの重要な要素の1つとなっている。
しかしながら、リール本体を小型化すると、ボディ内の空間が狭小となる。よって、スプール往復動装置を構成する部品、例えば、連動歯車や摺動子等を収容するための空間も狭小となり、連動歯車の小径化を招く。この結果、スプール往復動装置の摺動子のストロークが短縮してしまい、所定の糸巻容量が確保できなくなってしまう等、スプール往復動装置の機能が低下する。
【0005】
また、実釣時に釣糸をスプールに巻き取る際には、釣糸に負荷が加わった状態となっているため、軸回り方向の外力がスプールに加わる。この軸回り方向の外力は、スプール軸を介して摺動子を傾ける方向の外力として作用する。特に、高負荷巻き取り操作時において、摺動子が前後往復動の後端位置にある場合に、摺動子が傾き易くなる。このような摺動子の傾きを生じると、スプール往復動装置の良好な摺動性能が維持できなくなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、リール本体の小型化を図りつつ、スプール往復動装置の良好な摺動性能を維持することができる魚釣用スピニングリールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、ハンドル軸の回転運動をスプール軸の前後往復動に変換させるスプール往復動装置がボディに収容されている。前記スプール往復動装置は、前記スプール軸に固定された摺動子と、前記ハンドル軸に連動回転する連動歯車と、前記連動歯車に設けられた偏心突部と、前記摺動子の側部に上下方向に延在して設けられ、前記偏心突部が係合する案内溝と、を備えている。また、前記スプール往復動装置は、前記ボディ内で前後方向に延び、前記摺動子の移動を案内する第1ガイド部及び第2ガイド部と、を備えている。前記第1ガイド部は、前記スプール軸の下側に配置されており、前記ハンドル軸の軸方向から見たときに、前記第1ガイド部の少なくとも一部と前記案内溝の下端部側とが重なり合っているものである。また、前記第2ガイド部は、ガイドプレートから構成されており、前記ガイドプレートは、前記ボディに装着される取付部と、前記取付部の下部に連続し前後方向に長く形成されたガイド部とを備えている。前記ガイド部は、前記スプール軸の上側に配置されており、前記ガイド部の前端部は、前記ハンドル軸の後方に近接配置されている。前記ハンドル軸の軸方向から見たときに、前記ガイド部の少なくとも下縁部と前記案内溝の上端部側とが重なり合っているものである。前記ボディの後部には、後部開口部が形成されており、前記第1ガイド部の後端部及び前記ガイド部の後端部は、前記後部開口部を通じて前記ボディの後方に突出している。前記後部開口部は、カバー部材で覆われているものである。
【0008】
本発明の魚釣用スピニングリールでは、ハンドル軸の軸方向から見たときに、スプール軸の下側で第1ガイド部と案内溝とが重なり合っているとともに、スプール軸の上側で第2ガイド部を構成するガイドプレートのガイド部の下縁部と案内溝とが重なり合っている。したがって、ハンドル軸の軸方向から見たときに、案内溝から外れた位置に第1ガイド部及び第2ガイド部が配置されている場合に比べて、ボディ(リール本体)を上下方向(案内溝の延在方向)に小型化することができる。
また、スプール軸を挟んだ上側と下側との2箇所で摺動子をガイドすることができるので、高負荷巻き取り操作時においても摺動子が傾くという現象が生じ難い。したがって、スプール往復動装置の良好な摺動性能を維持することができる。
【0009】
また、後部開口部を通じてボディの後方にまで摺動子の移動範囲を拡げることができ、摺動子のストロークを好適に確保することができる。また、通常巻き取り操作時のみならず高負荷巻き取り操作時において、摺動子が前後往復動の後端位置にある場合にも、摺動子が傾くという現象を好適に抑制することができる。
【0010】
また、前記ハンドル軸の中心軸を含み前記スプール軸に平行な仮想平面を基準面としたとき、前記ハンドル軸よりも後方の前記基準面上で、前記ガイドプレートの前記ガイド部と前記案内溝とが重なり合っていることが好ましい。このように構成することによって、ボディ内におけるハンドル軸の後方スペースを有効に利用して、第2ガイド部と案内溝とを重なり合わせることができる。また、基準面よりも上方で重なり合わせた場合に比べて、スペースの有効利用を図りつつ、ボディ(リール本体)を上下方向に小型化することができる。
【0011】
また、前記スプール軸の軸方向から見たときに、前記スプール軸に前記案内溝の底部の少なくとも一部が重なっていることが好ましい。このように構成することによって、スプール軸の軸方向から見たときにスプール軸に案内溝の底部の少なくとも一部が重ならない位置に配置されている場合に比べて、ボディ(リール本体)を左右方向に(ハンドル軸方向に)小型化することができる。
【0012】
また、前記第1ガイド部の後端部が前記カバー部材に支持されていることが好ましい。このように構成することによって、リール本体の後部にガイド軸を支持するための構造を設ける必要が無くなり、リール本体の後部の構成が簡単になるとともに、軽量化が促進される。
【0013】
また、前記ボディに設けられた側部開口部と、前記側部開口部を閉塞し前記ハンドル軸を回転自在に支持する軸受部材と、を備えるのがよい。この場合には、前記側部開口部と前記軸受部材とに、前記側部開口部を周回し、互いに螺合し合うねじ部が形成されているのがよく、前記側部開口部に対し前記軸受部材自体が螺合することにより、前記ボディに前記軸受部材が締結固定されるのが好ましい。このように構成することによって、軸受部材が側部開口部に対して周方向に均一な締結力をもって固定される。また、軸受部材をボディに固定するための複数のねじ等を不要とすることができ、部品点数の削減を図れると共に組み込み、分解性が向上する。また、ネジの折損も防止できる。また、軸受部材から側部開口部に作用する荷重(例えばハンドル操作の際に発生する荷重)は、側部開口部の全周に均一に分散する。よって、ボディ(側部開口部)の一部に荷重(応力)が集中し難く、ボディの耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リール本体の小型化を図りつつ、スプール往復動装置の良好な摺動性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る魚釣用スピニングリールの全体構成を示す左側面図である。
図2】軸受部材を取り外したリール本体を示す左側面図である。
図3図2のリール本体をスプール軸に沿って上下方向及び前後方向を含む平面で切った場合の断面図である。
図4図2のリール本体をスプール軸に沿って左右方向及び前後方向を含む平面で切った場合の断面図である。
図5】(a)はボディの側面図であり、(b)はカバー部材を取り外した状態のボディの背面図である。
図6】(a)は第2ガイド部であるガイドプレートを示す左側拡大図、(b)は同じく拡大後面図である。
図7】リール本体の一部をハンドル軸に沿って左右方向及び上下方向を含む複数の平面で切った場合の概略断面図である。
図8】(a)は摺動子がストロークの最後端位置にある場合におけるリール本体の縦断面図であり、(b)は摺動子がストロークの最前端位置にある場合におけるリール本体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、魚釣用スピニングリールの実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明において、「前後」「上下」を言うときは、図1に示した方向を基準とし、「左右」を言うときは、図4に示す方向を基準とする。
【0017】
図1図2に示すように、魚釣用スピニングリール201は、前方に突出する駆動軸筒207(図2参照)及びスプール軸208(図2参照)を有するリール本体202を備えている。また、魚釣用スピニングリール201は、駆動軸筒207に装着されてリール本体202の前側に配置されるロータ203と、スプール軸208に装着されてロータ203の前側に配置されるスプール204と、を備える。
【0018】
ロータ203は、駆動軸筒207の前端に固定されるとともに後開口部が形成された円筒部を備える。また、ロータ203は、円筒部の後端部から外側に延び、さらに前側に延びる一対のアーム部203a(図1では片側のみ図示)を備える。一対のアーム部203aには、釣糸巻取位置又は釣糸放出位置に移動自在なベール支持部材203bが回転自在に取り付けられている。さらに、ロータ203は、一対のアーム部203aの間を周方向に延び、一対のアーム部203aのそれぞれを連結する一対の補強部材203c(図1参照)を備える。
【0019】
図1に示すように、スプール204は、前から順に、前フランジ204a、糸巻胴部204b、スカート部204cを備える。
【0020】
図1に示すように、リール本体202は、ボディ210と、脚部211と、ボディ前部212(図2参照)、軸受部材230と、カバー部材としての保護カバー240とを備える。ボディ210は、左側に向って開口する側部開口部213及び後側に向かって開口する後部開口部215(図5(a)(b)参照)を備えている。
脚部211は、ボディ210の上部から上方に延び、その先端に、図示しない釣竿に装着される竿取付部211a(図1参照)を有している。
軸受部材230は、側部開口部213を塞ぐ蓋部材である。保護カバー240は、ボディ210の後部に取り付けられ後部開口部215を塞ぐ保護部材である。以下において、ボディ210の内部の空間をボディ210内又は収容空間S1と称する場合がある。
【0021】
ボディ前部212は、略筒状を呈し、その内部には、駆動軸筒207や図示しない逆転防止装置等が配置されている。ボディ前部212は、駆動軸筒207の前部を回転自在に支持している。駆動軸筒207は、中心軸O1を中心に回転するようになっている。
図2に示すように、駆動軸筒207の後端は、ボディ210内に位置している。そして、駆動軸筒207の後端には、ピニオンギャ207aが形成されている。
【0022】
また、ボディ前部212は、ロータ203の円筒部内に位置している。図2図3に示すように、ボディ前部212には、機能部材の収容保護や美観向上のために有底円筒状のカバー212aが装着されている。カバー212aは、ボディ前部212の外周側を覆っている。
ボディ前部212の後端には、図5(b)に示すように、後方から視て円形を成しカバー212aの後開口部を塞ぐフランジ216が形成されている。
【0023】
図2に示すように、スプール軸208は、駆動軸筒207内を貫通し、前端が駆動軸筒207よりも前方に突出している。また、スプール軸208の後部は、駆動軸筒207の後端よりも後方に突出し、ボディ210内に位置している。
【0024】
ボディ210内には、左右方向に延在するハンドル軸205と、ハンドル軸205に固定されるドライブギャ206及び歯車(軸筒)206aと、スプール往復動装置250と、が組み付けられている。
【0025】
図4に示すように、ハンドル軸205は、軸受205c、205dを介して、ボディ210と軸受部材230とに回転自在に支持されている。
ハンドル軸205の左端部は、軸受部材230を貫通するとともに、ハンドル205aに設けられた連結軸205bと螺合している。これにより、ハンドル軸205とハンドル205aとが一体になっている。
ハンドル軸205において左右方向の中央部よりも左寄りの位置に、ピニオンギャ207aに噛合するドライブギャ206が固定されている。
以上から、ハンドル205aの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力がハンドル軸205、ドライブギャ206、ピニオンギャ207aを介して駆動軸筒207に伝達し、ロータ203が回転する。
なお、ハンドル軸205において左右方向の中央部よりも右寄りの位置に、スプール往復動装置250を駆動するための歯車206aが設けられている(図4参照)。
【0026】
図3図4に示すように、スプール往復動装置250は、第1ガイド部を構成するガイド軸251と、摺動子252と、連動歯車254と、第2ガイド部を構成するガイドプレート256と、を備えている。ガイド軸251及びガイドプレート256は、摺動子252の前後方向の移動を案内する部材である。
ガイド軸251は、スプール軸208よりも上下方向下側(脚部211が配置される側と反対側)に配置されており、ボディ210内で前後方向に延びている。一方、ガイドプレート256は、スプール軸208よりも上下方向上側に配置されており、ボディ210内でハンドル軸205の後方において、前後方向に延びている。
摺動子252は、ガイド軸251及びガイドプレート256に沿って移動する部材であり、右側面に案内溝253(図3図7参照)が形成されている。案内溝253には、連動歯車254に設けられた偏芯突部255が係合している。
【0027】
図4に示すように、摺動子252には、スプール軸208の後端から後方に突出する突出部208aが連結し、摺動子252とスプール軸208とが一体になっている。
なお、摺動子252と突出部208bとは固定ねじ208bにより抜け止めされている。
【0028】
図2に示すように、連動歯車254は、ハンドル軸205から後方下側の位置においてボディ210の底部に配置され、歯車206aの後側と噛合している。
以上から、ハンドル205aの巻き取り操作が行われると、巻き取り操作による駆動力が歯車206aを介して連動歯車254に伝達し、連動歯車254が回転する。また、連動歯車254の偏芯突部255が摺動子252の案内溝253の前面又は後面を押圧し、摺動子252とスプール軸208(スプール204)が前後方向に往復運動する。
【0029】
次に、各部を詳細に説明する。
図3図5(a)に示すように、ボディ210は、底部に周壁を有する有底箱状(筒状)を呈し左側に向って開口している。ボディ210は、円板状の右壁部220と、右壁部220の周端縁から左側に延びる筒状の筒部221と、を備える。
なお、筒部221の左端部が側部開口部213(図5(a)参照)を構成している。
【0030】
図5(a)に示すように、右壁部220の内面(左側面)には、右側中央孔223と、リブ224と、挿入孔219と、ボス部217とが形成されている。
右側中央孔223は、ハンドル軸205の右端部が貫通する孔であり、右壁部220の中央部に設けられている。
【0031】
リブ224は、図2図3に示すように、側面視略L字形状を呈しており右側中央孔223よりも前側に位置している。リブ224は、前後方向に延在する前後リブ224aと、前後リブ224aの後端部に連続して下方向に延在する上下リブ224bとを備えている。
【0032】
前後リブ224aは、板状を呈しており、前端部がボディ210の筒部221の内周面221aに接続されている。上下リブ224bは、下端部がボディ210の筒部221の下側の内周面221aに接続されている。リブ224によって右壁部220、筒部221の前側部分及び下側部分の強度が向上している。上下リブ224bには、スプール軸208の後部を後方に貫通させるための貫通孔224cが形成されている。貫通孔224cは、ハンドル軸205の中心軸O2よりも下側に位置している。このため、スプール軸208の後部は、ハンドル軸205の下側(脚部211が配置される側と反対側)に配置されている。
上下リブ224bの後面には、図5(a)(b)に示すように、前方に窪む凹部224eが形成されている。凹部224eは、円弧状に窪んでおり、上下リブ224bと歯車206aとの干渉を回避するためのものである。
なお、貫通孔224cには、駆動軸筒207の後端を支持するベアリング208cが嵌め込まれている(図3参照)。
【0033】
上下リブ224bの下部には、図3に示すように、第1ガイド部を構成するガイド軸251の前端を支持するガイド軸支持孔224dが形成されている。ガイド軸支持孔224dは、スプール軸208よりも下側に位置している。このため、ガイド軸251は、スプール軸208の下側(脚部211が配置される側と反対側)に配置されている。
なお、第1ガイド部は、断面円形のガイド軸251に限られることはなく、例えば、ボディ210に一体又は別体で断面コ字形のレール状部材を設け、このレール状部材で摺動子252の下端部側を支持するように構成してもよい。
【0034】
挿入孔219は、図5(a)に示すように、右側中央孔223よりも後方の下部に形成されている。そして、この挿入孔219内には、図4に示すように、右壁部220の外側(右側)に取り付けられたギャ支持部材226のボス部226aが貫通している。これにより、ボディ210内の後部に、連動歯車254を回転自在に支持するボス部226aが配置される。
【0035】
ボス部217は、図3図5(a)(b)に示すように、柱状を呈しており、右壁部220から側部開口部213に向けて一体に立設されている。ボス部217は、第2ガイド部を構成するガイドプレート256の取付部として機能する(図2図3参照)。ボス部217の左端面(先端面)は、平らに形成されており、略中央部にねじ穴217b(図7参照)が形成されている。ねじ穴217bには、固定用のねじ257が螺合される。固定用のねじ257は、ボス部217にガイドプレート256を固定するためのものである。
ボス部217の前縁部及び上縁部には、左側方に向けて突出する側面視略L字形状の位置決め用リブ217aが突設されている。
【0036】
また、ボス部217は、図3に示すように、筒部221の内周上方面221eに接続して設けられている。これにより、内周上方面221eと離間してボス部217を設けた場合に比べて、ボス部217の根元部分の強度が向上している。
なお、ボス部217の左端面(先端面)は、図2に示すように、側面視で側部開口部213内に位置している。これにより、側部開口部213を通じてねじ257を容易に螺合することができる。
【0037】
ガイドプレート256は、図6(a)(b)に示すように、全体に平板状を呈しており、金属材や強度のある樹脂材によって形成されている。ガイドプレート256は、側面視で略凸字形状に形成されており、上方へ突出する取付部256aと、取付部256aの下部に連続するガイド部256cとを備えている。
取付部256aは、ボス部217の左端面に装着される部位であり、略中央部にはねじ孔256bが形成されている。取付部256aの前縁及び上縁は、図2図3に示すように、ボス部217の左端面の位置決め用リブ217aの内側部に当て付けられる。これにより、ボス部217に対してガイドプレート256が位置決めされる。
【0038】
ガイド部256cは、図6(a)に示すように、取付部256aよりも前後方向に長く形成されており、前方へ延在する前部256dと、後方へ延在する後部256eとを備えている。ガイド部256cは、図4図7に示すように、摺動子252の上端部の左側方に配置されている。ガイド部256cは、摺動子252の前後方向の移動の範囲に亘って摺動子252の左側方に位置するように前後方向の大きさが設定されている。これにより、ガイドプレート256は、摺動子252の前後方向の移動を案内しつつ、高負荷巻き取り時に生じるおそれのある摺動子252の傾き(スプール軸208を中心とした反時計回り方向の傾き)を抑制している。
【0039】
前部256dの前端部は、図3に示すように、側面視でハンドル軸205の後方に近接配置されている。一方、後部256eの後端部は、後部開口部215を通じて保護カバー240内(後記する収容空間S2内)に配置されており、後部256eが前部256dよりも前後方向に長くなっている。なお、ボス部217との位置関係で、前部256dが後部256eよりも長く形成される構成であってもよいし、前部256dと後部256eが同じ長さに形成される構成であってもよい。
【0040】
ガイド部256cの下縁部は、図3に示すように、ハンドル軸205の中心軸O2を含みスプール軸208に平行な仮想平面を基準面SFとしたとき、基準面SFよりも下方に位置している。一方、摺動子252の上端部は、側面視で基準面SFよりも上方に位置しており、また、摺動子252の案内溝253の上端部も基準面SFよりも上方に位置している。これにより、ハンドル軸205よりも後方の基準面SF上で、案内溝253の上端部側と、ガイドプレート256においてガイド機能を奏する領域となるガイド部256cの少なくとも下縁部と、が重なり合っている構成となっている。なお、ガイドプレート256は、後面視で摺動子252の上端部の左側方及び摺動子252の上方の空きスペースを利用してスペース効率よく配置されている。
【0041】
また、図7に示すように、スプール軸208の軸方向から見たときに、スプール軸208に案内溝253の底部253aの少なくとも一部が重なっている。
【0042】
ガイドプレート256は、図6(a)に示すように、取付部256aから後部256eに亘る肩部256fが前方下方へ湾曲凹状とされた傾斜部とされている。これにより、肩部256fが上下方向に高さを備えた形状となっており、前部256dよりも長く形成された後部256eの強度を確保している。
なお、ガイドプレート256の厚みは、均一なものでもよいし、部分的に厚くなっていてもよい。また、部分的に強度のある材料で構成してもよいし、樹脂材に金属材をインサート成形したものであってもよい。
なお、本実施形態では、第2ガイド部を構成するガイドプレート256を別体としてボディ210にねじ止め固定する構成としたが、これに限られることはなく、ボディ210に一体に形成してガイド機能を持たせるように構成してもよい。
【0043】
次に、筒部221は、図5(a)に示すように、ハンドル軸205の中心軸O2を中心とする略円筒形状に形成されている。
より詳細に説明すると、筒部221の内周面221aは、ハンドル軸205の中心軸O2を中心とする円形状に形成され、かつ、ドライブギャ206の大きさに対応している。
筒部221の外周面221bは、ハンドル軸205の中心軸O2を中心とする略円形状に形成されている。
このため、筒部221の厚み(径方向の肉厚)が周方向において略均一になっている。つまり、筒部221は、従来の筒部(側面視略矩形筒状の筒部)よりも小型化しており、筒部221の内周面221aとドライブギャ206との間には、不要な空間が生じないようになっている。
【0044】
図3に示すように、筒部221の上部には、ボディ210と一体に形成された脚部211の基部211bが連続している。よって、筒部221の上部は他の部位よりも強度が高く、肉抜きが可能な部位となっている。
また、筒部221の内周面221aのうち上方に位置する内周上方面221eには、脚部211の基部211bに向けて窪む凹状部222が形成され、ボディ210が軽量化している。なお、凹状部222は、ボディ210の上部において必要とされる強度を損なわない程度の深さとなっている。凹状部222に連続して前記したボス部217が形成されている。また、凹状部222は図3にのみ示している。
【0045】
また、図5(b)に示すように、筒部221の後部には、筒部221の後部を貫通する後部開口部215が形成されている。
後部開口部215は、ボディ210内に組み付けられた部品(ガイドプレート256を含む)の一部を受け入れてボディ210外に、言い換えると、ボディ210から後方に突出するように配置するための開口部である。また、後部開口部215は、ボディ210内への部品の組み付け口としても機能する。さらに、後部開口部215を備えることで、ボディ210の軽量化も図られている。
【0046】
また、図5(b)に示すように、後部開口部215は、筒部221において左右方向の中央部のみを貫通している。このため、後部開口部215の開口(孔)と側部開口部213の開口(孔)とが連続していない。
言い換えると、側部開口部213と後部開口部215との間には、側部開口部213と後部開口部215とのそれぞれの開口の端縁を構成する円弧状の架橋部214が延在している。
このため、後部開口部215の開口(孔)と側部開口部213の開口(孔)とが連続する場合よりも、筒部221の強度が向上している。この結果、ボディ210の耐久性が向上している。
【0047】
また、図5(b)に示すように、筒部221の後端面であって後部開口部215の周囲には、カバー装着部218が形成されている。カバー装着部218には、図3に示すように、シール部材247を介して保護カバー240が装着される。
カバー装着部218の上側には、上側ねじ挿通孔218aが開口形成されている。上側ねじ挿通孔218aは、図3に示すように、脚部211の下部を前後方向に貫通している。上側ねじ挿通孔218aには、上側取付ねじ223が挿通される。また、上側取付ねじ223の上側には、図5(b)に示すように、シール部材247の位置決め部として機能する上端リブ218bが形成されている。上端リブ218bには、シール部材247の上端部が係止される。また、上側取付ねじ223の下側には、同様に、シール部材247の上部が係止される上部リブ218cが形成されている。
【0048】
カバー装着部218において後部開口部215の周縁部には、後方へ向けて突出する枠状の縁リブ(縁部)218dが形成されている。縁リブ218dには、シール部材247に設けられた図示しない開口部が係止される。
【0049】
縁リブ218dの下部には、左右一対の補強片218e,218eが形成されている。各補強片218e,218eは、舌片状を呈しており、縁リブ215dから後方に向けて一体に突設されている。各補強片218e,218eは、縁リブ218dに比べて薄肉に形成されている。
各補強片218e,218eは、スプール往復動装置250のガイド軸251が挿通される位置に対応して設けられており、ガイド軸251を左右両側から跨ぐように配置されている。各補強片218e,218eは、保護カバー240の内側部の図示しない係合溝に係合している。係合溝は、中ボス部244を挟むように左右両側に位置している。これによって、保護カバー240(中ボス部244)は、各補強片218e,218eで補強されている。
【0050】
ボディ210の下部には、図3に示すように、下側ねじ挿通孔210aが形成されている。下側ねじ挿通孔210aは、円孔であり、前側がフランジ216の前面に開口し、後側が内周面221aに連続する下部内壁面221cに開口している。下側ねじ挿通孔210aは、前後方向に貫通しており、スプール軸208の中心軸O1と平行に形成されている。このような下側ねじ挿通孔210aには、下側取付ねじ部材260が挿通される。下側ねじ挿通孔210aは、保護カバー240の後記する下ボス部242に向けて下側取付ねじ部材260を案内する。
【0051】
保護カバー240は、樹脂製の部材からなり、図1に示すように、側面視で略三日月状に形成されている。保護カバー240は、図3に示すように、上側取付ねじ223及び下側取付ねじ部材260の上下2つの金属製のねじ部材によって、ボディ210(筒部221)の後部開口部215を覆うように固定されている。
【0052】
保護カバー240の内面は、後方に窪んでいる。言い換えると、保護カバー240は、前方に向って開口する有底筒状を呈し、保護カバー240の前面側に空間が形成されている。よって、後部開口部215を介してボディ210内から後方に突出する部品(ガイドプレート256を含む)の一部を保護カバー240内に収容することができる。
以下において、保護カバー240の内部の空間を保護カバー240内又は収容空間S2と称する場合がある。
【0053】
保護カバー240の内面上部には、図3図6(b)に示すように、上ボス部241が前方(脚部211側)へ向けて突出形成されている。上ボス部241のねじ穴241aには、リール本体202(脚部211)の前面側から上側ねじ挿通孔218aに挿入された上側取付ねじ223が螺合される。
【0054】
保護カバー240の内面下部には、取付部としての下ボス部242が前方へ向けて突出形成されている。下ボス部242には、金属製の雌ねじ部材243がインサート成形されている。雌ねじ部材243には、下側取付ねじ部材260の雄ねじ部263が螺合される。
【0055】
保護カバー240の内面下部には、中ボス部244が前方へ向けて突出形成されている。中ボス部244の穴部244aには、スプール往復動装置250のガイド軸251の後端部が挿入され、中ボス部244がガイド軸251の後端部を支持している。
【0056】
なお、保護カバー240の内面上部には、ボディ210のカバー装着部218の上部リブ218cに対応する位置に上部支持部248が形成されている。上部支持部248と上部リブ218cとは、当接する状態に構成してもよいし、隙間を形成して対向するように構成してもよい。
【0057】
下側取付ねじ部材260は、図3に示すように、リール本体202の前後方向に全長が大きく形成されたねじである。下側取付ねじ部材260の頭部262とボディ210のフランジ216の前面との間には、復帰衝接部210eが配置されている。これにより、下側取付ねじ部材260を締め付けると、頭部227とボディ210のフランジ216の前面との間に復帰衝接部210eが挟持される。復帰衝接部210eは、キャスティング操作時等に釣糸放出位置にした一対のアーム部203aを、釣糸巻取位置に復帰させる役割をなす部材である。復帰衝接部210eには、アーム部203aに備わる図示しない復帰用当接部材が当接するようになっている。
【0058】
なお、保護カバー240とボディ210との間には、シール部材247が設けられ、保護カバー240とボディ210との合わせ面から内部に水が浸入しないようになっている(図2図3参照)。
【0059】
次に、スプール往復動装置250の各構成の配置について説明する。スプール往復動装置250は、ボディ210と保護カバー240とにより形成される空間内(収容空間S1と収容空間S2)に以下のように配置されている。
【0060】
連動歯車254は、後部開口部215を貫通するように外部後方からボディ210に組み付けられ、図8(a)に示すように、後部開口部215から後方に突出する連動歯車254の一部(後部領域)が保護カバー240内に収容されている。連動歯車254は、図4に示すように、ギャ支持部材226のボス部226aにベアリング226bを介して回転自在に支持されている。連動歯車254は、固定ねじ226cによりボス部226aに抜け止め保持されている。
ガイド軸251は、図3に示すように、後部開口部215を貫通し、その後端が保護カバー240の中ボス部244の穴部244aに支持されている。したがって、リール本体202の後部にガイド軸251を支持するための構造を設ける必要が無くなり、リール本体202の後部の構成が簡単になるとともに、軽量化が促進される。
【0061】
そして、図8(a)に示すように、摺動子252が偏芯突部255の押圧によって最後端位置に移動した場合、摺動子252の一部(後部領域)が保護カバー240内に収容される。
つまり、摺動子252の前後ストロークは、ボディ210の収容空間S1に限定されず、後方に拡大している。
このため、ボディ210の筒部221が円筒状に形成されてボディ210の下部側の収容空間が小さくなったとしても、所望の大きさの連動歯車254を使用することができ、スプール往復動装置250の機能低下を回避できる。
また、保護カバー240が連動歯車254及び後部開口部215を覆うため、海水や塵埃が連動歯車254に付着したり、ボディ210内に浸入したりするおそれがない。
【0062】
ここで、実釣時の高負荷巻き取り時には、スプール軸208の中心軸O1を中心として後面視で摺動子252を反時計回り方向に傾ける外力が作用する場合がある。これに対して、本実施形態では、ガイド軸251で摺動子252の下部を支持するとともに、摺動子252が反時計回り方向に傾く側となる摺動子252の上端部の左側方にガイドプレート256が配置されている。これにより、摺動子252の前後方向の移動を案内しつつ、高負荷巻き取り時に生じるおそれのある摺動子252の傾き(スプール軸208を中心とした反時計回り方向の傾き)を効果的に抑制することができる。
【0063】
また、図3に示すように、ボディ210内の空間において、ガイド軸251がスプール軸208(ハンドル軸205)の下側(脚部211の反対側)に配置され、スプール軸208の後部がハンドル軸205の下側(脚部211の反対側)に配置されている。そして、ガイド軸251は、図2図3に示すように、ハンドル軸205の軸方向から見たときに、ガイド軸251の少なくとも一部に案内溝253の下端部側が重なり合っている。加えて、ガイドプレート256は、スプール軸208の上側に配置されており、ハンドル軸205の軸方向から見たときにガイドプレート256の少なくとも一部に案内溝253の上端部側が重なり合っている。
したがって、本実施形態では、ハンドル軸205の軸方向から見たときに案内溝253から外れた位置にガイド軸251が配置されている構成、及びハンドル軸205の軸方向から見たときに案内溝253から外れた位置にガイドプレート256が配置されている構成とした場合に比べて、リール本体202を上下方向(案内溝253の延在方向)に小型化することができる。
【0064】
また、ボディ210内においてハンドル軸205の下側の内部スペースにスプール軸208とガイド軸251とを配置している。このため、魚釣用スピニングリール201の低重心化が可能である。
【0065】
次に、側部開口部213と軸受部材230との詳細について図7を参照して説明する。なお、図7では、右壁部220の断面を簡略化している。
図7に示すように、側部開口部213(筒部221の左端部)は、ボディ210内にドライブギャ206等の部品を組み込むための孔である。
側部開口部213の内周面213aは、筒部221の内周面221aと略同一径の円形状に形成されている(図2参照)。このため、ボディ210を大型化することなく比較的大径のドライブギャ206を筒部221内に容易に組み付けることができる。
また、側部開口部213の内周面213aには、ねじ部としての雌ねじ部213bが形成されている。
【0066】
軸受部材230は、側部開口部213に装着されて側部開口部213を液密に閉塞するとともに、ハンドル軸205の左端側を支持する役割を成す部品である。
軸受部材230は、側部開口部213を閉塞する環状の蓋部231と、蓋部231の中央部で左右方向に開口する円筒部232と、蓋部231の内面(右側面)から右側に突出し側部開口部213内に挿入される挿入部233と、を備える。
なお、円筒部232内には、図示しない軸受が内嵌され、その軸受に支持されるハンドル軸205が円筒部232内を貫通している。
【0067】
挿入部233は、中心軸O1を中心とする円筒状を呈し、外径が側部開口部213の内周面213aの径と略同一に形成されている。挿入部233の外周面には、ねじ部としての雄ねじ部233aが形成されている。そして、挿入部233は、側部開口部213に挿入され、雄ねじ部233aが雌ねじ部213bに螺合している。これにより、軸受部材230が側部開口部213に締結し、軸受部材230がボディ210に固定されている。
このような螺合による固定構造によれば、ボディ210内に挿入部233(軸受部材230)が螺合し、ボディ210の強度が格段に向上する。また、挿入部233の全周が筒部221(側部開口部213)に支持されているため、ハンドル操作時において軸受部材230に作用するハンドル軸205の荷重は、筒部221(側部開口部213)の全周に分散する。よって、ボディ210の耐久性が向上する。
【0068】
以上説明した本実施形態では、ハンドル軸205の軸方向から見たときに、スプール軸の下側でガイド軸251と案内溝253とが重なり合っているとともに、スプール軸の上側でガイドプレート256と案内溝253とが重なり合っている。したがって、ハンドル軸205の軸方向から見たときに、案内溝253から外れた位置にガイド軸251及びガイドプレート256が配置されている場合に比べて、リール本体202(ボディ210)を上下方向(案内溝253の延在方向)に小型化することができる。
また、スプール軸208を挟んだ上側と下側との2点で摺動子252をガイドすることができるので、高負荷巻き取り操作時においても摺動子252が傾くという現象が生じ難い。したがって、スプール往復動装置250の良好な摺動性能を維持することができる。また、スプール往復動装置250の性能安定化を図ることができるので、動力伝達効率に優れ、巻き取り操作性に優れた魚釣用スピニングリール201が得られる。
【0069】
また、ガイド軸251の後端部及びガイドプレート256の後端部は、後部開口部215を通じてボディ210の後方に突出している。これにより、後部開口部215を通じてボディ210の後方にまで摺動子252の移動範囲を拡げることができ、摺動子252のストロークを好適に確保することができる。また、高負荷巻き取り操作時において、摺動子252が前後往復動の後端位置にある場合(摺動子252が傾き易い場合)にも、摺動子252が傾くという現象を好適に抑制することができる。
【0070】
また、ハンドル軸205よりも後方において、ハンドル軸205の中心軸O2を含みスプール軸208に平行な基準面SF上で、ガイドプレート256と案内溝253とが重なり合っている。したがって、ボディ210内におけるハンドル軸205の後方スペースを有効に利用して、ガイドプレート256と案内溝253とを重なり合わせることができる。また、基準面SFよりも上方で重なり合わせた場合に比べて、スペースの有効利用を図りつつ、ボディ210(リール本体202)を上下方向に小型化することができる。
【0071】
また、スプール軸208の軸方向から見たときに、スプール軸208に案内溝253の底部253aの少なくとも一部が重なっている。したがって、スプール軸208の軸方向から見たときにスプール軸208に案内溝253の底部253aの少なくとも一部が重ならない位置に配置されている場合に比べて、ボディ210(リール本体202)を左右方向に(ハンドル軸205方向に)小型化することができる。
【0072】
また、ガイド軸251の後端部は保護カバー240に支持されているので、ボディ210(リール本体202)の後部にガイド軸251を支持するための構造を設ける必要が無くなり、ボディ210(リール本体202)の後部の構成が簡単になるとともに、軽量化が促進される。
【0073】
また、側部開口部213に対し軸受部材230自体が螺合することにより、ボディ210に軸受部材230が締結固定されるので、軸受部材230が側部開口部213に対して周方向に均一な締結力をもって固定される。また、軸受部材230をボディ210に固定するための複数のねじ等を不要とすることができ、部品点数の削減を図れると共に組み込み、分解性が向上する。また、ネジの折損も防止できる。また、軸受部材230から側部開口部213に作用する荷重(例えばハンドル操作の際に発生する荷重)は、側部開口部213の全周に均一に分散する。よって、ボディ210(側部開口部213)の一部に荷重(応力)が集中し難く、ボディ210の耐久性が向上する。
したがって、ボディ210の耐久性が向上された魚釣用スピニングリール301において、2つのガイド軸251およびガイドプレート256による摺動子252の安定したストロークを実現でき、スプール往復動装置250の良好な摺動性能を効果的に実現することができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、前記実施形態では、ハンドル軸205よりも後方の基準面SF上で、ガイドプレート256と案内溝253とが重なり合っている構成としたが、これに限られることはなく、基準面SFから上方または下方に外れた位置でこれらが重なり合うように構成してもよい。基準面SFから上方で重なり合う構成とした場合には、ガイドプレート256を上下方向に小型化することができる。また、ガイド軸251との距離を確保することができるため、摺動子252の摺動安定化をより図ることができる。また、基準面SFから下方で重なり合うように構成した場合には、基準面SFより下方でスプール往復動装置250の構成を集約することができる。したがって、魚釣用スピニングリール201の低重心化を図ることができ魚釣り操作性が高まる。
【0075】
また、ガイドプレート256は、側面視で略凸字形状のものを採用したがこれに限られることはなく、側面視長四角形状等のものを採用してもよい。また、前後方向に複数分割された部材等によって摺動子252を案内するように構成してもよい。
また、ガイドプレート256に代えて、レール状の部材や線状の部材で摺動子252を案内するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0076】
201 魚釣用スピニングリール
202 リール本体
205 ハンドル軸
208 スプール軸
210 ボディ
213 側部開口部
213b 雌ねじ部(ねじ部)
215 後部開口部
230 軸受部材
233a 雄ねじ部(ねじ部)
240 保護カバー(カバー部材)
250 スプール往復動装置
251 ガイド軸(第1ガイド部)
252 摺動子
253 案内溝
253a 底部
254 連動歯車
255 偏芯突部
256 ガイドプレート(第2ガイド部)
O2 中心軸
SF 基準面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8