【文献】
野口 直希、永田 聡、岸山 祥久、佐和橋 衛,ヘテロジーニアスネットワークにおける小セルの2ステップの周波数オフセット推定を用いる初期セルサーチ法,電子情報通信学会技術研究報告,2015年10月,Vol.115 No.233,pp.107-112
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のキャリア周波数を用いる第1のセルと、当該第1のキャリア周波数より高い第2のキャリア周波数を用いる第2のセルとを有する無線通信システムにおいて用いられるユーザ端末であって、
前記第1のセルに用いられる第1の主同期信号と、前記第2のセルに用いられる第2の主同期信号とを受信する受信部と、
前記第1の主同期信号と前記第1の主同期信号のレプリカ信号との相関電力から、前記第1の主同期信号の受信タイミングを推定し、前記第1の主同期信号の系列を推定する第1の相関検出部と、
前記第2の主同期信号と、前記第2の主同期信号の挿入間隔だけ遅延した信号との相関電力から、前記第2の主同期信号の受信タイミングを推定する第2の相関検出部と、
前記第1の主同期信号の受信タイミングに基づいて、前記第1のセルの周波数オフセットを推定する第1の周波数オフセット推定部と、
前記第2の主同期信号の受信タイミングに基づいて、前記第2のセルの周波数オフセットを推定し、前記第2の主同期信号の系列を推定する第2の周波数オフセット推定部と、
を有するユーザ端末。
第1のキャリア周波数を用いる第1のセルと、当該第1のキャリア周波数より高い第2のキャリア周波数を用いる第2のセルとを有する無線通信システムにおいて用いられるユーザ端末におけるセルサーチ方法であって、
前記第1のセルに用いられる第1の主同期信号を受信するステップと、
前記第1の主同期信号と前記第1の主同期信号のレプリカ信号との相関電力から、前記第1の主同期信号の受信タイミングを推定し、前記第1の主同期信号の系列を推定するステップと、
前記第1の主同期信号の受信タイミングに基づいて、前記第1のセルの周波数オフセットを推定するステップと、
前記第2のセルに用いられる第2の主同期信号を受信するステップと、
前記第2の主同期信号と、前記第2の主同期信号の挿入間隔だけ遅延した信号との相関電力から、前記第2の主同期信号の受信タイミングを推定するステップと、
前記第2の主同期信号の受信タイミングに基づいて、前記第2のセルの周波数オフセットを推定し、前記第2の主同期信号の系列を推定するステップと、
を有するセルサーチ方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
セルサーチにおいてUEが最初に受信及び復調する物理チャネルはPSSである。PSS系列にはZadoff-Chu系列が用いられる。従って、UEが容易にPSSを復調できるようにするため、PSS系列は基本的に全てのセルで共通の系列である。しかしながら、複数の基地局(セルサイト)を有する無線通信システムにおいて、同一のPSS系列が異なるセル間で用いられた場合、SSS系列を周波数領域で同相合成をする際に用いるPSSのチャネル応答の推定精度が劣化するため、次式で表される系列長62の3つのZadoff-Chu系列が用いられる。
【0011】
【数1】
式(1)において、変数Mは、3つのセルID番号=0,1,2に対応して、25、29及び34の値をとるルート値(root index)である。LTEでは、504個のPCIDが規定されている。504個のPCIDは、168個のセルIDグループと、1セルIDグループ内の3個のセルIDに分割される。式(1)の3つのPSS系列は、セルサイト(基地局)に相当するセルIDグループ内の3つのセルID番号に対応している。SSS系列は、168個のセルIDグループを表す。
【0012】
通常、3セル(セクタ)構成のマクロセルでは同一セルサイト内の3セルに、3種類のPSS系列を与えられる。一方、マクロセルのセル内に、屋内小セルを設置した場合、屋内小セルに対するPSS系列の割り当て法には、何通りかの方法が考えられる。一例として、マクロセルの各セルに設置したホットゾーンビル内の小セルクラスタには、オーバーレイしたマクロセルのPSS系列とは異なるPSS系列を与える方法がある。この場合、小セルクラスタ内の全ての小セルには共通のPSS系列を割り当てる。
【0013】
ここで、キャリア周波数が2GHzであるマクロセルと、キャリア周波数が3.5GHzである小セルとから構成されるヘテロジーニアスネットワークを仮定する。キャリア周波数が3.5GHzのように高くなると、UEの温度補償水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)の周波数誤差に起因する周波数オフセットが2GHzのキャリア周波数に比較して増大する。ここで、周波数オフセットとは、基地局から送信される実際の無線信号の周波数と、UEのTCXOから出力される同期信号に基づいて生成される周波数(UE自身が認識している周波数)とのずれを意味する。一方、PSS及びSSSは、UEが基地局と無線リンクを接続する最初の物理チャネルである。つまり、PSS及びSSSを用いる初期セルサーチは、UEのTCXOの発振周波数が自動周波数制御(AFC:Automatic Frequency Control)により基地局の周波数に追従する前に行わなければならない。従って、3.5GHzのキャリア周波数を用いる小セルでは、UEの周波数オフセットが初期セルサーチ時間に与える影響が、2GHzのキャリア周波数を用いるマクロセルに比較して大きくなる。
【0014】
例えば、UEのTCXOの自走モードの周波数誤差が3ppmであると仮定した場合、2GHzのキャリア周波数の場合には、周波数オフセットは6kHz程度である。一方、キャリア周波数が3.5GHzの場合には、周波数オフセットは、10.5kHzにまで増大してしまう。
【0015】
図3にPSS系列の周波数オフセットに対する相関電力を示す。なお、縦軸は自己相関であるが、ここでは相関電力に読み替えている。
図3において、式(1)で生成されるZadoff-Chu系列のルート値は25である。横軸は、送信機と受信機間の周波数オフセットを示す。周波数オフセットが大きくなるに従って、送信機で生成したZadoff-Chu系列と受信機でのZadoff-Chu系列レプリカとのタイミングがずれるため、相関電力が減少してしまう。
図3より、周波数オフセットが、8kHz程度で、時間シフト(周波数オフセット)が無い場合の相関電力の半分程度の相関電力になることが分かる。
【0016】
図4に周波数オフセット(7.5kHz)に起因する時間シフトがある場合のPSS系列の相関電力を示す。
図5に周波数オフセット(8.5kHz)に起因する時間シフトがある場合のPSS系列の相関電力を示す。
図6に周波数オフセット(10.5kHz)に起因する時間シフトがある場合のPSS系列の相関電力を示す。なお、
図4〜
図6に示すPSS系列のルート値は25である。
図4〜
図6において、正しい受信タイミング(UEが検出すべきPSSの受信タイミング)は、受信タイミングが3324である位置になる。
【0017】
図4より、周波数オフセットΔfが7.5kHzの場合には、PSSの相関電力のピークが正しい受信タイミングに対応している。しかし、
図5に示すように、周波数オフセットΔfが8.5kHzの場合には、相関電力のピークが低減し、2番目の相関電力に非常に近くなっている。すなわち、正しいPSSの受信タイミングにおける相関電力は、
図4の場合に比較して低くなっている。さらに、
図6に示すように、周波数オフセットΔfが10.5kHzの場合(キャリア周波数が3.5GHzの場合、3ppmの周波数誤差に相当)には、正しいPSSの受信タイミングで最大の相関電力が得られていない。従って、PSSの受信タイミングの誤検出が生じてしまう。
【0018】
そこで、非特許文献2では、ヘテロジーニアスネットワークにおいて、小セルのキャリア周波数が高くなった場合のPSSの誤検出を低減する方法(2ステップの周波数オフセット推定に基づくセルサーチ法)が提案されている。
図7に2ステップの周波数オフセット推定に基づくセルサーチ法の処理フローを示す。この方法は、周波数オフセットが小さい場合には、正しいPSSの受信タイミングで最大相関電力が得られるため、高いPSSの検出確率を実現できる点に着目する。まず、f
c_Macro=2GHzのキャリア周波数を用いるマクロセルからのPSS信号を用いてUEのTCXOの自走モードの周波数誤差εを測定する。
図4〜
図6に示すように、LTE無線インタフェースで規定されているルート値のZadoff-Chu系列は、周波数オフセットが8.5kHz程度以下の場合には、PSSの受信タイミング、すなわちゼロ時間シフトの自己相関が最大相関ピークを与える。従って、UEはPSSの最大相関ピークを検出することができる(S101)。そして、PSS系列の自己相関の内積により求めた位相回転量からマクロセルの周波数オフセットを高精度に求めることができる(S102)。推定したマクロセルの周波数オフセット値
【0019】
【数2】
からTCXOの周波数誤差を次式によって推定する。
【0020】
【数3】
UEが1つのTCXOを有する構成の場合、TCXOの周波数誤差の推定値から、小セルの高いキャリア周波数f
c_Smallにおける周波数オフセットを次式によって推定できる(S103)。
【0021】
【数4】
この周波数オフセットの推定値を用いて、小セルでは、周波数オフセットを補償(S104)したPSSの受信信号とPSS信号レプリカとの相関からPSSの受信タイミングを推定する(S105)。小セルでは、周波数オフセットを補償した受信信号に対して、PSS系列レプリカとの相関を計算するため、平均受信電力が最大の小セルからのPSSの受信タイミングを高精度に推定することができ、PSS検出確率の劣化を大幅に改善できる。
図7のセルサーチ法では、さらに、小セルから送信されたPSSの部分相関を用いて、直接、周波数オフセットを推定することにより、残留周波数オフセット
【0022】
【数5】
を推定することができる(S106)。
【0023】
その後、それぞれマクロセル及び小セルにおいて受信したPSS及びSSSを含む受信信号の周波数オフセットを補償した後(S107及びS108)、PSS相関ピークが大きい方のセルが接続すべきセルであると判断する(S109)。ここで、小セルの周波数オフセットの補償には、次式のように、S103において推定した小セルの周波数オフセットと、S106において推定した残留周波数オフセットとを用いる。
【0024】
【数6】
選択したセルのPSS及びSSSを高速フーリエ変換(FFT)により周波数領域の信号に変換し(S110)、SSS系列の相関検出に基づいてセルIDグループ及び無線フレームタイミングを検出する(S111)。
【0025】
図7に示すセルサーチ法を用いることにより、小セルが高いキャリア周波数を用いる場合でも、PSSの受信タイミング及びPSS系列を高精度に推定することができる。しかし、
図7のセルサーチ法では、UEは、まず、マクロセルから送信されたPSSを検出し、周波数オフセットを推定する必要がある。実際のセルラシステムでは、例えば、大規模な地下街、大きなビルの中の会議室、ホールなどでは、屋外のマクロセルから送信された受信信号レベルが、必ずしも高くない場合が存在する。すなわち、マクロセルからの電波の受信レベルが低い環境が存在する。このような環境では、マクロセルにおける推定精度が低下し、その結果、小セルにおける推定精度も低下するという問題がある。なお、このような問題は、マクロセル及び小セルで構成されるヘテロジーニアスネットワークに限らず、異なるキャリア周波数が用いられるネットワークにおいて生じ得る。
【0026】
本発明は、異なるキャリア周波数が用いられるネットワークにおいて、キャリア周波数が低い方のセルにおける同期信号の推定結果に依存せず、キャリア周波数が高い方のセルにおいて同期信号を適切に検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明の一形態に係るユーザ端末は、
第1のキャリア周波数を用いる第1のセルと、当該第1のキャリア周波数より高い第2のキャリア周波数を用いる第2のセルとを有する無線通信システムにおいて用いられるユーザ端末であって、
前記第1のセルに用いられる第1の主同期信号と、前記第2のセルに用いられる第2の主同期信号とを受信する受信部と、
前記第1の主同期信号と前記第1の主同期信号のレプリカ信号との相関電力から、前記第1の主同期信号の受信タイミングを推定し、前記第1の主同期信号の系列を推定する第1の相関検出部と、
前記第2の主同期信号と、前記第2の主同期信号の挿入間隔だけ遅延した信号との相関電力から、前記第2の主同期信号の受信タイミングを推定する第2の相関検出部と、
前記第1の主同期信号の受信タイミングに基づいて、前記第1のセルの周波数オフセットを推定する第1の周波数オフセット推定部と、
前記第2の主同期信号の受信タイミングに基づいて、前記第2のセルの周波数オフセットを推定し、前記第2の主同期信号の系列を推定する第2の周波数オフセット推定部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、異なるキャリア周波数が用いられるネットワークにおいて、キャリア周波数が低い方のセルにおける同期信号の推定結果に依存せず、キャリア周波数が高い方のセルにおいて同期信号を適切に検出することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する実施例は一例に過ぎず、本発明が適用される実施例は、以下の実施例に限られるわけではない。例えば、本実施例に係る無線通信システムはLTEに準拠したシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、同期信号を用いてPCIDを検出する他の方式にも適用可能である。
【0031】
<システム構成>
図8は、本発明の実施例に係る無線通信システムの構成例を示す概略図である。
図8に示すように、本発明の実施例に係る無線通信システムは、マクロセルを形成する基地局eNBと、屋外又は屋内小セルを形成する基地局RRHと、ユーザ端末UEとを有する。
図8の例では、1つの基地局eNB、1つのRRH及び1つのユーザ端末UEが図示されているが、複数の基地局eNBを有していてもよいし、複数のRRHを有していてもよいし、複数のユーザ端末UEを有していてもよい。
【0032】
基地局eNBは、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局eNBが複数のセルを収容する場合、基地局eNBのカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」「eNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局eNBは、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0033】
小セルを形成する基地局RRHは、アナログ無線回路で構成される無線機でもよい。RRHはマクロセルを形成する基地局eNBと光ファイバ等で接続され、基地局eNBにおいて小セルのベースバンド処理が行われてもよい。説明の便宜上、小セルを形成する基地局をRRHとして図示しているが、小セルを形成する基地局においてマクロセルを形成する基地局eNBと同様のベースバンド処理を行うことも可能である。
【0034】
ユーザ端末UEは、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0035】
以下の説明では、マクロセルと小セルが異なる周波数スペクトルを用いる場合のヘテロジーニアスネットワークを例に挙げて説明するが、本発明は、マクロセルと小セルとで構成されるヘテロジーニアスネットワークに限定されず、複数のセルにおいて異なる周波数スペクトルが用いられる如何なるネットワークにも適用可能である。説明の便宜上、小セルにはマクロセルよりも高いキャリア周波数が設定されていると仮定する。例えば、マクロセルは高カバレッジエリアを実現するために、800MHz帯〜2GHz帯の周波数スペクトルを用いることを仮定する。一方、小セルは、高速データレートサービスを適用するために広帯域幅の周波数が確保できる2GHz帯よりも高いマイクロ波、ミリ波の周波数スペクトルを用いることを仮定する。
【0036】
LTEをベースにした無線通信システムでは、下りリンクについては直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用され、上りリンクについてはシングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA:Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)が採用されている。
【0037】
UEは、eNBと通信するために、接続先のセルを探索するセルサーチを行う。マクロセル及び小セルで構成されるネットワークでは、UEは、マクロセル及び小セルの中で瞬時のフェージング変動を平均化した平均受信電力が最も大きなセルを検出する。セルサーチに用いられる信号は同期信号(SS:Synchronization Signal)と呼ばれ、PSS及びSSSの2種類の同期信号が用いられる。PSSは主にタイミング検出のために用いられ、例えば、FFTブロックタイミング、サブフレームタイミング、及び無線フレームタイミングを検出するために用いられる。SSSは主にセルIDの検出のために用いられる。
【0038】
上記の信号は、例えば、時間領域及び周波数領域で構成されるリソースの所定の部分で送信される。無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDMシンボル、SC-FDMAシンボル等)で構成されてもよい。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅及び/又は送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよい。
【0039】
リソースブロック(RB)は、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースブロックの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
【0040】
以下、本発明の実施例に係るセルサーチ法について詳細に説明する。本発明の実施例では、マクロセルと小セルで異なる周波数スペクトルを用いるヘテロジーニアスネットワークにおいて、UEがマクロセル及び小セルの中で瞬時のフェージング変動を平均化した平均受信電力が最も大きなセルを検出するLTEの無線仕様で規定されたPSS及びSSSを用いる初期セルサーチ法を開示する。あるいは、マクロセルの電波の受信レベルが低く、小セルの電波しか受信できない環境においても適用可能な初期セルサーチ法を開示する。
【0041】
<ユーザ端末の構成及びセルサーチ法の概要>
図9に本発明の実施例に係るユーザ端末10の機能構成例を示す。ユーザ端末10は、信号受信部101と、信号送信部102と、マクロセル相関検出部103と、マクロセル周波数オフセット推定部104と、マクロセル周波数オフセット補償部105と、小セル相関検出部106と、小セル周波数オフセット推定部107と、小セル周波数オフセット補償部108と、セル選択部109と、SSS系列検出部110とを有する。なお、
図9は、セルサーチに関する機能部を示しており、他の機能部は示されてない。また、必ずしも
図9に示す機能部の全てが含まれなくてもよい。
【0042】
信号受信部101は、基地局から送信される無線信号を受信する。マクロセル及び小セルで構成されるネットワークにおいてセルサーチを行う場合、信号受信部101は、マクロセルのPSS及びSSSと、小セルのPSS及びSSSを受信する。
【0043】
信号送信部102は、上位レイヤの情報から下位レイヤの信号を生成し、無線で送信する。
【0044】
本発明の実施例に係るユーザ端末10は、サーチするセルのキャリア周波数に応じて、異なるセルサーチ法を用いる。なお、キャリア周波数はユーザ端末10にとって既知である(ユーザ端末10自体が周波数シンセサイザで設定するため)。
【0045】
予め決めておいたキャリア周波数よりも低いキャリア周波数のマクロセルをサーチする場合には、マクロセル相関検出部103は、第1のPSS相関検出法を用いる。第1のPSS相関検出法は、PSSを含む受信信号とPSSのレプリカ信号(PSS系列レプリカ)との相関電力を計算し、最大の相関電力(相関ピーク)を与えるタイミングをPSSの受信タイミングとして推定する方法である。マクロセル相関検出部103は、第1のPSS相関検出法により、PSSの受信タイミング及び3種類のPSS系列候補の中から、PSS系列を推定する。
【0046】
続いて、マクロセル周波数オフセット推定部104は、第1の周波数オフセット推定法を用いて周波数オフセットを推定する。第1の周波数オフセット推定法は、検出したPSSの受信タイミングを用いて、PSSの受信FFTブロックとPSS系列レプリカの相互相関の前半部分と後半部分の部分相関から周波数オフセットに起因する位相回転量を推定し、推定したFFTブロックの半分の時間区間における位相回転量から周波数オフセットを推定する方法である。
【0047】
マクロセル周波数オフセット補償部105は、マクロセル周波数オフセット推定部104において推定された周波数オフセット値を用いて、マクロセルにおいて受信したPSS及びSSSを含む受信信号の周波数オフセットを補償する。
【0048】
一方、予め決めておいたキャリア周波数よりも高いキャリア周波数の小セルをサーチする場合には、小セル相関検出部106は、第2のPSS相関検出法を用いる。第2のPSS相関検出法は、PSSを含む受信信号とPSSの挿入間隔(すなわち、5ms)だけ遅延した信号との相関電力を計算する。すなわち、PSSの挿入間隔だけ遅延した(離れた)受信信号の自己相関を検出する。PSSの正しい受信タイミングでは、5msだけ遅延した受信信号の自己相関は、高い電力を与える。従って、5ms長の各サンプルタイミングにおける受信信号の最大の自己相関電力を与えるタイミングをPSSの受信タイミングとして検出する。
【0049】
続いて、小セル周波数オフセット推定部107は、第2の周波数オフセット推定法を用いて周波数オフセットを推定する。第2の周波数オフセット推定法では、第2のPSS相関検出法で生成した自己相関値(相関電力が最大となるタイミングにおける自己相関値)の同相(I:In-phase)成分及び直交(Q:Quadrature)成分から、部分的な周波数オフセットΔf
Fracを推定する。しかし、自己相関値から計算できる周波数オフセットの値Δf
Fracは、2つのPSSの挿入間隔の5ms区間において、その周波数オフセットに起因する位相回転が2π以下となる値である。周波数オフセットが大きい場合には、自己相関を計算した2つのPSSの挿入間隔の5ms区間において周波数オフセットに起因する位相回転が、2πを超えてしまう。従って、実際の周波数オフセット値は、自己相関値から推定した周波数オフセットに対して、2つのPSSの挿入間隔の5ms区間における位相回転が2πの整数倍になる不確定性、すなわち、Gf
s/N
PSS_Intの不確定性を生じる。ここで、Gは整数値、f
sはサンプリング周波数、N
PSS_Intは2つのPSSの挿入間隔の5ms区間のサンプル数である。PSSの受信信号に、Δf
Frac+Gf
s/N
PSS_Intで表わされる周波数オフセットを補償した信号を生成し、PSS系列レプリカとの相互相関を計算する。最尤検出により、相互相関電力を最大にするGの値を検出することにより、周波数オフセットΔf
Frac+Gf
s/N
PSS_Intを推定する。同時に、3種類のPSS系列の候補の中から、PSS系列を推定する。
【0050】
小セル周波数オフセット補償部108は、小セル周波数オフセット推定部107において推定された周波数オフセット値を用いて、小セルにおいて受信したPSS及びSSSを含む受信信号の周波数オフセットを補償する。
【0051】
セル選択部109は、マクロセル及び小セルのうちPSS相関ピークが大きい方のセルが接続すべきセルであると判断し、そのセルを選択する。
【0052】
SSS系列検出部110は、セル選択部109において選択されたセルのPSS及びSSSをFFTにより周波数領域の信号に変換し、SSS系列の相関検出に基づいてセルIDグループ及び無線フレームタイミングを検出する。具体的には、SSS系列検出部110は、周波数領域信号に変換されたPSSを用いて推定した各サブキャリア位置のチャネル応答の複素共役を対応するサブキャリア位置のSSSに乗算し、チャネル応答の推定値の複素共役を乗算された各サブキャリア位置のSSSに対して、予め決められた複数のSSS系列の候補の中のSSS系列を順番に相関電力を計算し、最大の相関電力を与えるSSS系列を検出する。
【0053】
<セルサーチ法の具体例>
図10に本発明の実施例に係るセルサーチ法の処理フローを示す。受信機には2アンテナの受信ダイバーシチを用い、アンテナ間のフェージング相関は無相関と仮定した。説明を簡略化するため1パスチャネルを仮定する。受信アンテナhにおける受信信号の離散値表示は次式で表される(h=0,1)。
【0054】
【数7】
式(2)において、nはサンプルインデックスを表わす。Iはセル数であり、キャリア周波数がf
c_MacroHz(=2GHz)のマクロセル、f
c_SmallHzの小セルに対して、それぞれマクロセル数I
Macroあるいは小セル数I
Smallに相当する。また、d
i(n)はセルiからのPSS及びSSSを含む送信信号、ξ
i(h)(n)は、セルiからの距離減衰、シャドウイング、フェージング変動を含むチャネル応答、τ
iはセルiからUEへの総合の遅延時間、Δf
offsetは周波数オフセット成分、w
(h)(n)は平均0の雑音成分を表す。2ブランチの受信機で、τ
iの値は同じであると仮定した。TCXOの周波数誤差は初期セルサーチ時間内で一定であると仮定すると、キャリア周波数が異なるとΔf
offsetも異なる。従って、マクロセル及び小セルのΔf
offsetをそれぞれΔf
Macro、Δf
Smallで表す。TCXOの自走モードの周波数誤差をε=3ppmと仮定すると、マクロセルのf
c_Macro=2GHzのキャリア周波数における周波数オフセットはΔf
Macro=6kHzになる。一方、小セルのf
c_Smallが3.5GHz及び6GHzのとき、それぞれΔf
Small=10.5kHz及び18kHzになる。
【0055】
まず、セルサーチ法におけるPSSの受信タイミング及びPSS系列の推定について説明する。
【0056】
サーチすべきキャリア周波数は既知であるので、UEはサーチすべきキャリア周波数が予め決めたキャリア周波数より低いかを判断する(S201)。上記のように、低いキャリア周波数を用いるセルをマクロセルと仮定し、高いキャリア周波数を用いるセルを小セルと仮定する。
【0057】
予め決めたキャリア周波数よりも低いキャリア周波数をサーチする場合には(S201:Yes)、マクロセル相関検出部103において第1のPSS相関検出法が用いられ、マクロセル周波数オフセット推定部104において第1の周波数オフセット推定法が用いられる。一方、予め決めたキャリア周波数よりも高いキャリア周波数をサーチする場合には(S201:No)、小セル相関検出部106において第2のPSS相関検出法が用いられ、小セル周波数オフセット推定部107において第2の周波数オフセット推定法が用いられる。
【0058】
マクロセル相関検出部103は、3つのPSS系列に対して同時に受信信号とPSSレプリカとの時間領域の相関を計算し、遅延プロファイルを生成する。なお、
図1に示すように、2つのPSSが無線フレーム内に多重される。1つのPSSだけの相関値では、フェージングで受信レベルが落ち込んだ場合に、正しいPSSの受信タイミング及びPSS系列の検出を見逃す可能性があるため、2つのPSSの相関値を合成することにより、時間ダイバーシチ効果によりPSSの見逃し確率を低減することができる。このため、10ms長の無線フレーム内の2つのPSSに相当する各受信タイミングにおける5ms長離れた相関値を電力加算平均する。さらに、2受信アンテナにおける相関値の2乗値を平均することにより、瞬時のフェージング変動の影響を低減する。マクロセル相関検出部103は、次式に示すように最大の相関値を与えるサンプルタイミングをパスロスが最も小さなセルからのPSSの受信タイミングとする。同時にセルIDグループ内の3種類の系列を求める(S202)。
【0060】
【数9】
は推定されたマクロセルのPSSの受信タイミングであり、
【0061】
【数10】
は推定されたマクロセルのPSS系列であり、nはサンプルインデックスであり、r
Macro(h)は受信アンテナhで受信されるマクロセルの受信信号であり、d
PSS(lMacro)(n)はN
ID(2)=lのPSS系列を表す(
*は共役複素数を示す)。N
PSS_Int=(N
FFT+N
CP)×N
OFDM×N
Sbf/2は、PSSの挿入間隔に含まれるサンプル数である。ここで、N
OFDM及びN
Sbfは、それぞれサブフレーム当りのFFTブロック数、10ms長の無線フレーム内のサブフレーム数である(N
OFDM=14、N
Sbf=10である)。N
FFTはFFTのサンプル数であり、N
CPはサイクリックプレフィクスのサンプル数である。
【0062】
マクロセル周波数オフセット推定部104は、推定したPSSの受信タイミングから、PSSの前半及び後半のN
FFT/2(=256)のサンプル区間の受信信号とPSS系列レプリカとの相関を次式のように計算する。
【0063】
【数11】
式(4a)及び(4b)の相関値から、PSSを多重したFFTブロックの前半及び後半のUEのTCXOの周波数誤差に起因する位相回転量を次式に示すように推定できる。
【0064】
【数12】
前述のように、周波数オフセットがΔf
Macro=6kHz程度に小さい場合には、式(5)の位相回転量の値は高精度に求めることができる。式(5)で推定した位相回転量の値から、マクロセルにおける周波数オフセットの推定値は、次式で求まる(S203)。
【0065】
【数13】
図11に小セル相関検出部106における第2のPSS相関検出法の概要を示す。
図11には、PSSを含む受信信号とPSSの挿入間隔(すなわち、5ms)だけ遅延した信号との相関電力を計算する様子が示されている。具体的には、小セル相関検出部106は、次式に示すようにPSSの挿入間隔に相当するサンプル値であるN
PSS_Intだけ遅延した(離れた)信号のCPを含む1つのFFTブロック区間の自己相関ρ
Small(h)を計算する。
【0066】
【数14】
式(7)において、μ
Smallは小セルのPSSの受信タイミングであり、nはサンプルインデックスであり、r
Small(h)は受信アンテナhで受信される小セルの受信信号である。式(7)の自己相関値は複素の値であり、周波数オフセットの値に応じて、位相が変動する。そこで、式(7)の自己相関電力を求めて、次式に示すように自己相関電力を最大にするタイミングをPSSの受信タイミングとして検出する(S204)。
【0067】
【数15】
次に、小セル周波数オフセット推定部107は、周波数オフセットを2ステップによって推定する。式(8)で検出したPSSの受信タイミングにおける自己相関の同相(I)成分及び直交(Q)成分から
【0068】
【数16】
の範囲の部分的な周波数オフセットを次式で推定する。
【0069】
【数17】
周波数オフセットが大きい場合には、式(7)の自己相関を計算した2つのPSSの5ms区間において周波数オフセットに起因する位相回転が、2πを超えてしまう。従って、式(9)で求めた部分的な周波数オフセットは、周波数オフセットに起因する位相回転が2π×Gになる不確定性を有する、すなわち、周波数オフセット値は、Gf
s/N
PSS_Intの不確定性を有する(Gは整数値)。従って、受信PSSに対して、G通りの周波数オフセット候補に対して周波数オフセットを補償した信号を次式のように生成する。
【0070】
【数18】
G通りの周波数オフセットを補償したPSSの受信信号に対して、3種類のPSS系列レプリカとの相互相関を計算し、最尤判定により相互相関電力を最大にするGの値及びPSS系列を求める。
【0071】
【数19】
式(9)及び(11)から、小セルにおける周波数オフセットを次式のように求める(S205)。
【0072】
【数20】
上記のように、低いキャリア周波数(例えば、2GHz)のマクロセル及び高いキャリア周波数(例えば、3.5GHz)の小セルからのPSSの相関電力を独立に求めることができる。セル選択部109は、マクロセルにおいて受信電力が最大となるタイミングにおける式(3)の値と、小セルにおいて受信電力が最大となるタイミングにおける式(8)の値とを比較し、受信電力の大きい方のセルを選択する(S206)。このように、セル選択部109は、高いレベルの相関電力を有するキャリア周波数のセルからのPSSの受信タイミング
【0073】
【数21】
を検出し、同一セルIDグループ内のセルID番号
【0075】
セル選択部109において選択されたセルがマクロセルあるいは小セルに応じて、マクロセル周波数オフセット補償部105及び小セル周波数オフセット補償部108は、時間領域のPSS及びSSSにそれぞれ
【0076】
【数23】
の周波数オフセットを補償する(S207及びS208)。
【0077】
ここでは小セルが選択されたと仮定する。従って、小セル周波数オフセット補償部108は、PSS及びSSSを含む受信信号の周波数オフセットを
【0079】
その後、SSS系列検出部110は、S204で検出したPSSの受信タイミング
【0080】
【数25】
を用いてPSS及びSSSの時間領域信号をFFTにより周波数領域信号に変換する(S209)。周波数領域のSSSは、
【0082】
【数27】
は、SSSの受信タイミング、k'=0,…,N
FFT-1である。さらに、(N
FFT-K)個のサブキャリア信号を除去して、希望波信号のK個のサブキャリア信号を抽出する。説明上、インデックスk'を
【0084】
SSS系列検出部110は、PSSの周波数領域信号にPSS系列の複素共役を乗算することにより、各サブキャリア位置のチャネル応答を生成する。着目するサブキャリア位置のチャネル応答を中心として両側一定サブキャリア区間のチャネル応答を同相加算平均することにより、雑音成分の影響を低減する。SSSの周波数領域の受信信号に各サブキャリアのチャネル応答の複素共役を乗算し、さらにSSS系列レプリカの複素共役を乗算後、インタリーブ配置されたSSS系列#1(SSC1)及びSSS系列#2(SSC2)で独立に1サブキャリアおきに31サブキャリア分積分する。SSS系列#1及びSSS系列#2の相関値を同相加算し、スロット1及びスロット11のSSSの相関値を同相加算する。さらに、2受信アンテナの相関値を同相加算することにより、各SSS系列の相関値を求める。スロットvにおける周波数領域の奇数、偶数サブキャリア位置に多重するSSS系列をそれぞれ、d
SSS1_v(n
SSS)及びd
SSS2_v(n
SSS)で表わす(下付き添字vは、スロットインデックス1及び11を表す)。次式に示すように、最大相関値を与えるSSS系列のセットから、セルIDグループ及び無線フレームタイミングを同時に検出する(S210)。
【0086】
【数30】
はそれぞれ、SSSが多重されているFFTブロックの受信信号の周波数領域信号、PSSを用いて推定した受信アンテナhのサブキャリアkにおけるチャネル応答の推定値を示す。
【0087】
【数31】
<第1の周波数オフセット推定法の変形例>
図12に低いキャリア周波数を用いるマクロセルにおける第1の周波数オフセット推定法の変形例を示す。PSSのサンプル数は、逆FFT(IFFT)およびFFTのサイズに対応している。基地局(セルサイト)のシステム帯域幅(送信帯域幅)に応じて、IFFTおよびFFTのサイズが決まる。例えば、5MHz、10MHz、20MHzのシステム帯域幅の場合、IFFTおよびFFTのサイズは、それぞれ、N
FFT=512、1024、2048である。周波数オフセットは、PSSの部分相関の内積によって求める。FFTのサイズが、NFFT = 512、PSS区間を1ブロックとした場合の周波数オフセットの計算法は、前述の式(4)及び(5)に示す。
【0088】
PSS区間のブロック数を多くするに従って、短い時間区間における位相回転を推定できるため、測定できる周波数オフセットの精度(分解能)は向上する。しかし、部分相関を計算する区間が短くなるため、部分相関値における雑音の影響は大きくなる。
【0089】
PSS区間をQブロックに分割した、ブロックq(0≦q<Q)における部分相関ピークは次式で表される。
【0090】
【数32】
マクロセル周波数オフセット推定部104は、式(14a)及び(14b)の相関値から、UEのTCXOの周波数誤差に起因する位相回転量を次式に示すように推定できる。
【0091】
【数33】
<SSS系列の生成法及びセルサーチ法の具体例>
図13に基地局におけるSSS系列生成法の具体例を示す。SSS系列は、セルサイトに相当するセルIDグループを表す。10ms長の無線フレーム内の2か所のSSS多重FFTブロックに異なるSSS系列を割り当てることにより、セルIDグループと同時に無線フレームタイミングを検出する。SSS系列には、受信信号とSSS系列レプリカとの相関検出の演算量を低減するために2値のM系列が用いられる。系列長が31の異なる生成多項式から生成した2種類のM系列
【0092】
【数34】
を用いて、次式で示す系列長62の2種類のSSS系列#1及び#2を生成する。ここで、系列インデックスn
SSSは0≦n
SSS≦30である。
【0093】
【数35】
式(16a)及び(16b)において、s
0(m0)(n
SSS)及びs
1(m1)(n
SSS)は、第1のM系列
【0094】
【数36】
を巡回シフトして生成された系列であり、それぞれ
【0095】
【数37】
で表される。同様にz
1(m0)(n
SSS)及びz
1(m1)(n
SSS)は、第2のM系列
【0096】
【数38】
を巡回シフトして生成された系列である。また、巡回シフトインデックスを示すパラメータm
0及びm
1は、それぞれ
【0098】
【数40】
である(N
ID(1)はセルIDグループインデックスを表す)。従って、セルIDグループからSSS系列を生成するm
0及びm
1を生成する。また、c
0(n
SSS)及びc
1(n
SSS)は、系列長31のM系列から構成されるPSS系列固有のスクランブル系列である。
【0099】
図14に、セルサーチ法の処理フローを示す。
図14のセルサーチ法はLTEにおいて用いられるセルサーチ法を示しており、
図10に示す本発明の実施例のセルサーチ法もLTEのセルサーチ法に基づいている。
【0100】
セルサーチの第1ステップにおいて、ユーザ端末は、PSSを含む受信信号とPSS系列レプリカとの時間領域の相関を計算し、最も受信電力の大きな相関値のタイミングを、セルサイトから送信されたPSSの受信タイミングとして検出する(S301)。そして第2ステップにおいて、ユーザ端末は、受信したSSSとSSS系列レプリカとの周波数領域の相関を計算することにより、最大相関を与えるSSS系列のセットの組み合わせから、セルIDグループ(基地局のIDに相当)及び無線フレームタイミングを検出する(S302)。
【0101】
<本発明の実施例の効果>
本発明の実施例によれば、異なるキャリア周波数が用いられるネットワークにおいて、キャリア周波数が低い方のセルにおける同期信号の推定結果に依存せず、キャリア周波数が高い方のセルにおいて同期信号を適切に検出することが可能になる。例えば、マクロセルからの電波の受信レベルが低い環境においても、小セルにおいて同期信号を適切に検出することができる。
【0102】
さらに、PSSの相関電力がセル毎に独立に求められるため、以降の周波数オフセット推定、周波数オフセット補償及びSSS系列の検出は受信電力が最も大きなセルに関してのみ行うことが可能になる。
【0103】
また、マクロセルにおけるPSS区間を分割して周波数オフセットを推定することにより、推定精度を向上させることができる。
【0104】
図15に、本発明の実施例に係るセルサーチ法を用いた場合のセルIDの検出確率が95%を実現するための初期セルサーチ時間特性を示す。横軸は、UEのTCXOの周波数誤差が3ppmを仮定した場合の小セルの周波数オフセットに対応するキャリア周波数を示す。図中、比較のため、従来のセルサーチ法を用いた場合の特性も示す。ここで、従来のセルサーチ法は、マクロセル、小セルともに、第1のPSS相関検出法及び第1の周波数オフセット推定法を用いた場合の特性である。
【0106】
【表1】
表中に示すように、マクロセルは、3セルから構成される19セルサイト構成を仮定した。マクロセルのサイト間距離(ISD:Inter-Site Distance)は1732mとした。中央のマクロセルサイトの各セルにホットゾーンビルディングを配置し、その中の天井高が6 mのフロアに屋内小セルクラスタを設定した。小セルクラスタの中心とマクロセルサイト間の距離を700mとした。小セルクラスタ当たり4セルサイトを横方向はビルの左端から15m、45m、75m及び105m、縦方向はロングホールの中央位置に設置した。マクロセルサイト間は非同期運用を仮定し、小セルクラスタ間及びクラスタ内の小セル間は同期運用を仮定した。マクロセルとその内部に設置された小セル間は、理想的なバックホールで接続されていると仮定した。
【0107】
マクロセルと小セルの基地局の全送信電力はそれぞれ、43dBm及び21dBmとした。対応する基地局のアンテナ利得は、それぞれ17dBi及び5dBiとした。距離減衰、対数正規分布に従うシャドウイング変動のパラメータは表中に示す。伝搬パスモデルは、マクロセルでは、ITU 9パスExtended Typical Urban(ETU)チャネルモデルを、小セルでは、ITU indoorチャネルモデルを仮定した。UEの位置の割り当ては、19マクロセルの中央のマクロセル内において、全UEの2/3を屋内小セル内に、1/3をマクロセル全体に均一にランダムに割り当てた。正検出のセルは、UEの割り当て位置に対して距離減衰、及びシャドウイング変動に起因する伝搬ロスが最も小さな、すなわち瞬時のフェージング変動を平均した最も大きな平均受信電力を与えるセルの受信レベルから3dB以内の平均受信電力を与えるセルサイトのセルと定義した。
【0108】
図15より、従来法を用いた場合の初期セルサーチ時間は、小セルのキャリア周波数が、f
c_Small=3.2GHz程度以上になると、急激に増大している。この理由は、小セルにおいて周波数オフセットの増大に起因してPSSの受信タイミング及びPSS系列の誤検出が増大し、その結果、PCIDの誤検出が増大するためである。一方、本発明の実施例に係るセルサーチ法では、小セルのキャリア周波数が12GHz程度までの範囲において、95%のセルID検出確率を実現するためのセルサーチ時間が100ms以下の高速初期セルサーチを実現できていることが分かる。
【0109】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施例の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0110】
例えば、本発明の一実施例におけるユーザ端末10などは、本発明のセルサーチ方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図16は、本発明の実施例に係るユーザ端末10である無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のユーザ端末10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0111】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0112】
ユーザ端末10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、及び/又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0113】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のユーザ端末10のマクロセル相関検出部103、マクロセル周波数オフセット推定部104、マクロセル周波数オフセット補償部105、小セル相関検出部106、小セル周波数オフセット推定部107、小セル周波数オフセット補償部108、セル選択部109、SSS系列検出部110などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0114】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及び/又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施例で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末10のマクロセル相関検出部103、マクロセル周波数オフセット推定部104、マクロセル周波数オフセット補償部105、小セル相関検出部106、小セル周波数オフセット推定部107、小セル周波数オフセット補償部108、セル選択部109、SSS系列検出部110などは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0115】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施例に係るセルサーチ方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0116】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0117】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のユーザ端末10の信号受信部101、信号送信部102などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0118】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0119】
また、プロセッサ1001及び/又はメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0120】
また、ユーザ端末10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0121】
<補足>
本明細書で説明した各態様/実施例は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0122】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0123】
本明細書において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)から構成されるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS−GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS−GW)であってもよい。
【0124】
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0125】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0126】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0127】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0128】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0129】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0130】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
【0131】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されてもよい。
【0132】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的に解釈されるべきではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示した数式等と異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的に解釈されるべきではない。
【0133】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0134】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0135】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0136】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0137】
本明細書で説明した各態様/実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0138】
本明細書で説明した各態様/実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0139】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施例に限定されないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的としており、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。