特許第6933185号(P6933185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6933185
(24)【登録日】2021年8月23日
(45)【発行日】2021年9月8日
(54)【発明の名称】車体下部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/18 20060101AFI20210826BHJP
   B60R 19/24 20060101ALI20210826BHJP
【FI】
   B62D25/18 B
   B60R19/24 R
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-78192(P2018-78192)
(22)【出願日】2018年4月16日
(65)【公開番号】特開2019-182319(P2019-182319A)
(43)【公開日】2019年10月24日
【審査請求日】2020年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】西田 周平
(72)【発明者】
【氏名】久我 秀功
(72)【発明者】
【氏名】坂本 敏男
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/087769(WO,A1)
【文献】 特開平11−342867(JP,A)
【文献】 実開平05−032251(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
B60R 19/24
B62D 35/02
B62D 37/02
B60K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後輪ホイールハウスと、当該後輪ホイールハウス内の後部内面に一体的に取付けられたマッドガードとを備えた車体下部構造であって、
上記マッドガードよりも後方の車体後部に位置するリヤバンパフェースと、
車体後面に出口部を指向したテールパイプと、を設け、
上記マッドガードは、マッドガード底部と、上記後輪ホイールハウスの後縁部の車幅方向内側から車両前方へ突出する板状の遮蔽部を有し、
上記リヤバンパフェースには、上記マッドガード底部よりも上方に、車体後面に対して上記リヤバンパフェースと上記テールパイプとの間の空隙が設けられ、
上記遮蔽部が、上記マッドガード底部から少なくとも近接する上記テールパイプの上方に至るまでの上下長さを有することを特徴とする
車体下部構造。
【請求項2】
上記リヤバンパフェースには、その車幅方向にオフセットされた位置に上記テールパイプの出口部に対応して上記テールパイプ配設用の凹部または開口部が、上記空隙を形成するよう設けられ、
上記遮蔽部はテールパイプ出口部側の上記マッドガードに設けられたことを特徴とする
請求項1に記載の車体下部構造。
【請求項3】
上記リヤバンパフェースの下端部には、車両後部から車両側方に回り込んで前方へ延びる板状の下面整流部が一体形成されており、
上記マッドガードは、後輪ホイールハウスの後端部と上記下面整流部との間を覆う板状の上記マッドガード底部を備えたことを特徴とする
請求項2に記載の車体下部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、後輪ホイールハウスと、当該後輪ホイールハウス内の後部内面に一体的に取付けられたマッドガードとを備えた車体下部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、後輪ホイールハウス内部を前輪ホイールハウス内と同様にマッドガードで覆う構造が一般化されており、例えば、車体側面を流れる流速の速い車体側面流により後輪ホイールハウス内の空気が外部に吸い出される流れ(つまり、後輪ホイールアーチから車体側面に流れ出る空気流)が可及的少なくなるように、後輪ホイールハウス内の空気流をコントロールする設計が行なわれている。
【0003】
本発明者等は、諸種の実験の結果、車両の走行中(例えば、時速60km/h以上での走行中)において、図8に示すように、後輪ホイールハウス81内が比較的低圧になると、車体後面からリヤバンパフェース82とテールパイプ83との間の空隙84を介して、空気が同図に太線矢印e4で示すように、車両前方に向けて逆流し、この逆流した空気が後輪ホイールハウス81内に流入し、この流入した流れが、流速の速い車体側面流で吸い出されることにより、最短距離で後輪ホイールアーチから吸い出されてショートカットe5として車外に流出することになり、当該空気流成分の存在により、実際の後輪ホイールハウス81内の空気流が解析通りとならない要因であることを突詰めた。
【0004】
なお、図8において、85はセンタ後側アンダカバー、86はリヤセンタアンダカバー、87はリヤサイドアンダカバー、88はリヤアンダカバー、89はサイレンサ、90は排気管、91はトレーリングアーム、92はトーションビームである。
【0005】
ところで、特許文献1には、後輪マッドガードをリヤバンパフェースに取付けた構造が開示されているが、該特許文献1には、上述の如き逆流に起因して最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流出する流れを阻止するという技術的課題については、開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3924666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、逆流成分が最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流れ出るのを防止することができる車体下部構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による車体下部構造は、後輪ホイールハウスと、当該後輪ホイールハウス内の後部内面に一体的に取付けられたマッドガードとを備えた車体下部構造であって、上記マッドガードよりも後方の車体後部に位置するリヤバンパフェースと、車体後面に出口部を指向したテールパイプと、を設け、上記マッドガードは、マッドガード底部と、上記後輪ホイールハウスの後縁部の車幅方向内側から車両前方へ突出する板状の遮蔽部を有し、上記リヤバンパフェースには、上記マッドガード底部よりも上方に、車体後面に対して上記リヤバンパフェースと上記テールパイプとの間の空隙が設けられ、上記遮蔽部が、上記マッドガード底部から少なくとも近接する上記テールパイプの上方に至るまでの上下長さを有するものである。
【0009】
上記構成によれば、後輪ホイールハウスの後縁部の車幅方向内側から車両前方へ突出する遮蔽部が、マッドガード底部からテールパイプの上方に至るまでの上下長さを有するので、該遮蔽部にて、上述の逆流成分が最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流れ出る所謂ショートカットを防止することができる。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記リヤバンパフェースには、その車幅方向にオフセットされた位置に上記テールパイプの出口部に対応して上記テールパイプ配設用の凹部または開口部が、上記空隙を形成するよう設けられ、上記遮蔽部はテールパイプ出口部側の上記マッドガードに設けられたものである。
上記構成によれば、テールパイプ出口部とリヤバンパフェースの凹部または開口部との間の狭い空隙から勢いよく逆流してくる流れに対処することができる。
【0011】
この発明の一実施態様においては、上記リヤバンパフェースの下端部には、車両後部から車両側方に回り込んで前方へ延びる板状の下面整流部が一体形成されており、上記マッドガードは、後輪ホイールハウスの後端部と上記下面整流部との間を覆う板状の上記マッドガード底部を備えたものである。
【0012】
上記構成によれば、リヤバンパフェースの下面整流部とマッドガード底部とで、後輪ホイールハウス後方を流れる床下走行風の整流を図ることができると共に、上記マッドガード底部の形成により当該マッドガードの剛性向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、逆流成分が最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流れ出るのを防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の車体下部構造を備えた車両の側面図
図2図1の要部の底面図
図3図2の要部拡大底面図
図4】車体下部構造を示す要部の平面図
図5図4のA−A線矢視断面図
図6】マッドガードの側面図
図7】マッドガードの斜視図
図8】従来の車体下部構造を示す部分拡大底面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
逆流成分が最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流れ出るのを防止するという目的を、後輪ホイールハウスと、当該後輪ホイールハウス内の後部内面に一体的に取付けられたマッドガードとを備えた車体下部構造であって、上記マッドガードよりも後方の車体後部に位置するリヤバンパフェースと、車体後面に出口部を指向したテールパイプと、を設け、上記マッドガードは、マッドガード底部と、上記後輪ホイールハウスの後縁部の車幅方向内側から車両前方へ突出する板状の遮蔽部を有し、上記リヤバンパフェースには、上記マッドガード底部よりも上方に、車体後面に対して上記リヤバンパフェースと上記テールパイプとの間の空隙が設けられ、上記遮蔽部が、上記マッドガード底部から少なくとも近接する上記テールパイプの上方に至るまでの上下長さを有するという構成にて実現した。
【実施例】
【0016】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体下部構造を示し、図1は当該車体下部構造を備えた車両の側面図、図2図1の要部の底面図、図3図2の要部拡大底面図、図4は車体下部構造を示す要部の平面図、図5図4のA−A線矢視断面図、図6はマッドガードの側面図、図7はマッドガードの斜視図である。
【0017】
図1に示すように、車体側部において、車両前部のフロントドア開口1を開閉可能に閉塞するサイドドアとしてのフロントドア2と、車両後部のリヤドア開口3を開閉可能に閉塞するサイドドアとしてのリヤドア4とを設けている。
上述のフロントドア2はドアアウタハンドル5を備えており、同様に、上述のリヤドア4もドアアウタハンドル6を備えている。
【0018】
図1に示すように、上述のフロントドア2の前部には、エンジンルームの側方を覆うフロントフェンダパネル7が設けられており、前輪8の位置と対応してフロントフェンダパネル7の下部には前輪ホイールハウス9が一体的に設けられている。
【0019】
図1に示すように、上述のリヤドア4の後部には、荷室側方を覆うリヤフェンダパネル10が設けられており、後輪11の位置と対応してリヤフェンダパネル10の下部には後輪ホイールハウス12が一体的に設けられている。
なお、図1において、13はドアミラー、14は車両後部から左右の車両側部に回り込むように形成されたリヤバンパフェースである。
【0020】
図2に示すように、前輪ホイールハウス9の後縁下端部と後輪ホイールハウス12の前縁下端部との間において、車室下部を車両前後方向に延びるサイドシル15が設けられている。
このサイドシル15は、サイドシルアウタとサイドシルインナ15Aとを接合固定して、車両前後方向に延びるサイドシル閉断面を備えた車体強度部材である。
【0021】
図2に示すように、左右一対のサイドシル15,15には、当該サイドシル15を前後のホイールハウス9,12間にわたって覆うように設けられたガーニッシュ16,16(詳しくは、サイドシルガーニッシュ)が取付けられている。
【0022】
後輪11の前部と対向するように、上述のガーニッシュ16の後端部には、タイヤデフレクタ17を設け、車体側部を流れる側面流が後輪ホイールハウス12内に入り込まないよう、一旦、車外側に指向させた後に、タイヤホイール外面に再付着するように偏向すべく構成している。
【0023】
図5に示すように、車室および荷室の底面を形成するフロアパネル18は、フロントフロアパネルと、リヤシートパンと、リヤフロアパネルとを、車両前後方向に連続形成したものである。
【0024】
図2に示すように、上述のフロントフロアパネルからリヤシートパンの前後方向中間部まで車両前後方向に延びる上述のサイドシル15がフロアパネル18の左右の車幅方向端部にそれぞれ接合固定されている。
【0025】
また、図2に示すように、上述のリヤシートパンの前後方向中間部からリヤフロアパネル後端まで車両前後方向に延びるリヤサイドフレーム19を設け、このリヤサイドフレーム19とフロアパネル18との間には、車両前後方向に延びるリヤサイドフレーム閉断面を形成している。
【0026】
後述するサイレンサ32の直前部位と対応して、左右一対のリヤサイドフレーム19,19間を車幅方向に連結するリヤクロスメンバ20を設けている(図2参照)。
一方、図2に示すように、フロア下部のトンネル部には、エンジンの排気ポートおよび排気マニホルドを介して排出される排気ガスを車両後方に導く排気管30を設けている。この排気管30には触媒コンバータ31を介設すると共に、リヤクロスメンバ20の後部位置まで延びる排気管30の後端部には、消音器としてのサイレンサ32を連通連結しており、このサイレンサ32の左右両側には、一旦、車幅方向外側に延びた後に、車両後方に延びる底面視L字形状のテールパイプ33,33を取付けている。
【0027】
そして、上述のサイレンサ32の前部車幅方向外側と、テールパイプ33の前側コーナ部との間を、整流用のカバー34で、その下方から覆っている。また、サイレンサ32の後方には、平坦な整流面をもったリヤアンダカバー21が設けられている。
【0028】
図2に示すように、トンネル部を除いて車体下面を覆う整流用のフロアアンダカバー35,36を設けている。これらの各フロアアンダカバー35,36はその底面に平坦な整流面を備えている。
【0029】
また、これらのフロアアンダカバー35,36は、前側のフロアアンダカバー35と後側のフロアアンダカバー36とを車両前後方向に連続するように形成したものである。
図2に示すように、後輪11を懸架するトーションビーム式リヤサスペンション40を設けている。
【0030】
図2に示すように、このリヤサスペンション40は、車両の略前後方向に延びる左右一対のトレーリングアーム41,41と、これらの各トレーリングアーム41,41を車幅方向に延びて連結するトーションビーム42(ねじり棒ばね)と、を備えている。
【0031】
図5に示すように、上述のトレーリングアーム41の前端部は、アームピボット43およびアームブラケット44を介して車体としてのリヤサイドフレーム19に枢支されている。また、該トレーリングアーム41の遊端つまり後端部には、図4図5に示すように、一対のブラケット45,46を接合固定しており、これらの各ブラケット45,46でダンパ50の下端枢支部51を枢支している。
上述のダンパ50は、図5に示すように、トレーリングアーム41の後端部と車体、例えば、後輪ホイールハウス12上端部との間に取付けられている。
【0032】
上述のトーションビーム42は内部中空の閉断面構造に形成されている。
そして、図4に示すように、トレーリングアーム41とトーションビーム42との連結コーナ部には、下部バネ座52が溶接手段にて取付けられている。
【0033】
この下部バネ座52と上下方向に対向して上述のリヤサイドフレーム19の下面には上部バネ座(図示せず)が取付けられている。
上述の上部バネ座の下面部と下部バネ座52の上面部とには、それぞれスプリングリテーナを配置固定し、これら上下のスプリングリテーナ間には、サスペンションスプリングとしてのコイルスプリング53を張架している。
【0034】
図2図3に示すように、上述のフロアアンダカバー35,36は、リヤサスペンション40の前方に設けられ、車体下面を覆う整流用のカバーである。
図2図3図5に示すように、上述のトレーリングアーム41の下部には、車両下面視でこれを覆う板状の整流用のアームカバー60が取付けられている。
【0035】
図3図5に示すように、車体後部に位置するリヤバンパフェース14には、その車幅方向にオフセットされた位置に上述のテールパイプ33の出口部33aに対応してテールパイプ配設用として車両前後方向に延びる凹部14Aが設けられている。
【0036】
この実施例では、上述のリヤバンパフェース14は合成樹脂により形成されており、上記凹部14Aは、リヤバンパフェース14の車幅方向オフセット位置に左右一対設けられている(図2参照)。
【0037】
また、図2図3に示すように、上述のリヤバンパフェース14の下端部には、車両後部から車両側方に回り込んで車両前方へ延びる板状の下面整流部14Bが合成樹脂により一体形成されている。この実施例では、上述の下面整流部14Bは斜辺を円弧状と成した略直角三角形状に形成されており、三角形状の底辺を前方に向け、対辺を車幅方向内側に向けて配置している。
【0038】
図5に示すように、上述の後輪ホイールハウス12内の前後方向中間部から前部内面にわたって当該後輪ホイールハウス12に前部マッドガード70が一体的に取付けられると共に、後輪ホイールハウス12内の後部内面には後部マッドガード71が一体的に取付けられている。
【0039】
図6は当該後部マッドガード71の側面図、図7は後部マッドガード71の斜視図であって、この後部マッドガード71は、後輪ホイールハウス12の後部内面に沿うアーチ形状部71aと、後輪ホイールハウス12の後縁部の車幅方向内側から車両前方へ円弧状に突出する板状の遮蔽部71bと、後輪ホイールハウス12の後端部つまり下端部と上述のリヤバンパフェース14における下面整流部14Bとの間を覆う板状の底面部71cと、車幅方向内端部において当該底面部71cと上述のアーチ形状部71aとを連結する連結部71d(いわゆる縦壁)と、を備えている。
【0040】
図5に示すように、上述の後部マッドガード71の底面部71cにおける後端片71eは、リヤバンパフェース14の下面整流部14Bの前端部にその上面から取付けられており、底面部71cの下面と下面整流部14Bの下面とが前後方向に連続する面一の形状面に形成されている。
【0041】
また、図3に示すように、上述の後部マッドガード71の連結部71dの車幅方向内面と、リヤバンパフェース14の下面整流部14Bの車幅方向内面とは、車両前後方向に連続する面一の形状面に形成されている。
【0042】
さらに、図7に示すように、アーチ形状部71aの上部には、後部マッドガード71を後輪ホイールハウス12に取付ける複数の取付け部72,73,74が形成されている。
しかも、図5に示すように、上述の遮蔽部71bは、後部マッドガード71の底部つまり底面部71cから少なくとも近接する車体後面部に出口部33aを指向したテールパイプ33の上方に至るまでの上下長さを有するものである。
【0043】
この実施例では、上述の遮蔽部71bは、図5に示すように後部マッドガード71の底面部71cからテールパイプ33の上方よりも高位置に存在するリヤフロアパネルの位置まで延びる上下長さを有している。
【0044】
これにより、上述の遮蔽部71bにて、図3に示す逆流成分e1が、流速が速い車体側面流により吸い出されることに起因して最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流れ出る所謂ショートカットe2を防止すべく構成したものである。ここで、図3に示すように、上述のショートカットe2の大部分が遮蔽部71bにて防止されるので、後輪ホイールアーチから車外に流れ出る流れe3は極一部のみとなる。
【0045】
また、図3図5に示すように、上述の遮蔽部71bはテールパイプ33の出口部33a側の後部マッドガード71に設けられたものであり、これにより、テールパイプ33の出口部33aとリヤバンパフェース14の凹部または開口部(但し、この実施例では、凹部14A)との間の狭い空隙から勢いよく逆流してくる流れに対処するよう構成したものである。
【0046】
さらに、図3図5図7に示すように、上述の後部マッドガード71は、後輪ホイールハウス12の後端部(つまり、後部下端部)とリヤバンパフェース14の下面整流部14Bとの間を覆う板状の底面部71cを備えている。
【0047】
これにより、当該底面部71cとリヤバンパフェース14の下面整流部14Bとの両者で、後輪ホイールハウス12後方を流れる床下走行風の整流を図ると共に、後部マッドガード71の底面部71cの形成により、当該マッドガード71の剛性向上を図るよう構成したものである。
【0048】
ここで、上述の底面部71cおよび下面整流部14Bは、車両前後方向に前低後高状となる後ろ上がりに10度前後の傾斜角を有するよう、空力グランドラインGL(図5参照)に沿って配設されており、これにより、フロア下の床下走行風の流れを車体後端部に向けて上方に流し、車体後流の乱れを少なくするという空力グランドラインによる効果を確保すべく構成している。
なお、上記実施例においては、車体下部構造として主として車両左側の構成について説明したが、車両右側の構成は、車両左側のそれと左右対称または、左右略対称に形成されている。
【0049】
また、図2において、75は燃料タンク、図2図3において、76はサイレンサ32の上部に設けられた熱害防止用のインシュレータ、図5において、77はリヤエンドパネルである。
さらに、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0050】
このように、上記実施例の車体下部構造は、後輪ホイールハウス12と、当該後輪ホイールハウス12内の後部内面に一体的に取付けられたマッドガード(後部マッドガード71参照)とを備えた車体下部構造であって、上記マッドガード(後部マッドガード71)は、上記後輪ホイールハウス12の後縁部の車幅方向内側から車両前方へ突出する板状の遮蔽部71bを有し、当該遮蔽部71bがマッドガード底部(後部マッドガード71の底部)から少なくとも近接する車体後面部に出口部33aを指向したテールパイプ33の上方に至るまでの上下長さを有するものである(図3図5参照)。
【0051】
この構成によれば、後輪ホイールハウス12の後縁部の車幅方向内側から車両前方へ突出する遮蔽部71bが、マッドガード底部からテールパイプ33の上方に至るまでの上下長さを有するので、該遮蔽部71bにて、上述の逆流成分e1が最短距離で後輪ホイールアーチから車外に流れ出る所謂ショートカットe2を防止することができる。
【0052】
また、この発明の一実施形態においては、車体後部に位置するリヤバンパフェース14には、その車幅方向にオフセットされた位置に上記テールパイプ33の出口部33aに対応してテールパイプ配設用の凹部14Aまたは開口部が設けられ、上記遮蔽部71bはテールパイプ33の出口部33a側のマッドガード(後部マッドガード71)に設けられたものである(図3参照)。
【0053】
この構成によれば、テールパイプ33の出口部33aとリヤバンパフェース14の凹部14Aまたは開口部との間の狭い空隙から勢いよく逆流してくる流れに対処することができる。
【0054】
さらに、この発明の一実施形態においては、上記リヤバンパフェース14の下端部には、車両後部から車両側方に回り込んで前方へ延びる板状の下面整流部14Bが一体形成されており、上記マッドガード(後部マッドガード71)は、後輪ホイールハウス12の後端部と上記下面整流部14Bとの間を覆う板状の底面部71cを備えたものである(図3図5参照)。
【0055】
この構成によれば、リヤバンパフェース14の下面整流部14Bとマッドガード(後部マッドガード71)の底面部71cとで、後輪ホイールハウス12後方を流れる床下走行風の整流を図ることができると共に、上記マッドガード(後部マッドガード71)の底面部71cの形成により当該マッドガード71の剛性向上を図ることができる。
【0056】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のマッドガードは、実施例の後部マッドガード71に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0057】
例えば、上記実施例においては、テールパイプ33の出口部33aに対応してテールパイプ配設用の凹部14Aを設けた構造を例示したが、当該凹部14Aに代えて、テールパイプ配設用の開口部を設けた車両に本発明の車体下部構造を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上説明したように、本発明は、後輪ホイールハウスと、当該後輪ホイールハウス内の後部内面に一体的に取付けられたマッドガードとを備えた車体下部構造について有用である。
【符号の説明】
【0059】
12…後輪ホイールハウス
14…リヤバンパフェース
14A…凹部
14B…下面整流部
33…テールパイプ
33a…出口部
71…後部マッドガード(マッドガード)
71b…遮蔽部
71c…底面部(マッドガード底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8