特許第6951780号(P6951780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6951780ヒューズ抵抗組立体及びヒューズ抵抗組立体の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951780
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】ヒューズ抵抗組立体及びヒューズ抵抗組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/048 20060101AFI20211011BHJP
【FI】
   H01H85/048
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-153853(P2019-153853)
(22)【出願日】2019年8月26日
(65)【公開番号】特開2020-68196(P2020-68196A)
(43)【公開日】2020年4月30日
【審査請求日】2019年8月26日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0127616
(32)【優先日】2018年10月24日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0149920
(32)【優先日】2018年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504474150
【氏名又は名称】スマート エレクトロニクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ホワン・ジェ
(72)【発明者】
【氏名】シン,ア・ラム
(72)【発明者】
【氏名】ユン,セン・ソオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヨン・ハク
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−250301(JP,A)
【文献】 特開2010−061894(JP,A)
【文献】 特開2008−097943(JP,A)
【文献】 特開2004−241665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/76
H01H 69/02
H01H 85/00 − 87/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加される電圧を分配する、それらの長手方向に沿って一列に配置される第1抵抗体と第2抵抗体と、
前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間に位置し、一側が前記第1抵抗体と結合され、他側が前記第2抵抗体と結合されて、前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体と直列連結されたヒューズと、を含み、
前記ヒューズは、
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体の内部から発生する過電流による輻射熱によって溶断され
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体のそれぞれは、
抵抗ロッドと、前記抵抗ロッドの両端に結合された第1抵抗キャップ及び第2抵抗キャップと、前記第1抵抗キャップに結合された導電性の第1抵抗リード線と、前記第2抵抗キャップに結合された導電性の第2抵抗リード線と、前記抵抗ロッドを取り囲みながら、前記第1抵抗キャップと前記第2抵抗キャップとを連結する抵抗線とを含むことを特徴とするヒューズ抵抗組立体。
【請求項2】
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体のそれぞれは、
前記抵抗ロッド、前記第1抵抗キャップ、前記第2抵抗キャップ及び前記抵抗線を保護するために取り囲む抵抗体保護層をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のヒューズ抵抗組立体。
【請求項3】
前記ヒューズは、
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体をそれぞれ構成する第1抵抗リード線及び第2抵抗リード線のうち、カッティング工程によってカッティングされた抵抗リード線にそれぞれ結合されたことを特徴とする請求項に記載のヒューズ抵抗組立体。
【請求項4】
前記第1抵抗体、前記第2抵抗体及び前記ヒューズを取り囲む組立体保護カバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のヒューズ抵抗組立体。
【請求項5】
印加される電圧を分配する、それらの長手方向に沿って一列に配置される第1抵抗体と第2抵抗体とを形成する段階と、
前記第1抵抗体と前記第2抵抗体とに形成された抵抗リード線の一部をカッティングする段階と、
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体のうちから発生する過電流による輻射熱によって溶断されるヒューズを前記第1抵抗体と前記第2抵抗体のそれぞれのカッティングされた抵抗リード線の先端にそれぞれ結合して、前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間で前記ヒューズを直列連結させる段階と、
前記第1抵抗体、前記第2抵抗体及び前記ヒューズを組立体保護カバーで取り囲む段階と、
を含み、
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体のそれぞれは、
抵抗ロッドと、前記抵抗ロッドの両端に結合された第1抵抗キャップ及び第2抵抗キャップと、前記第1抵抗キャップに結合された導電性の第1抵抗リード線と、前記第2抵抗キャップに結合された導電性の第2抵抗リード線と、前記抵抗ロッドを取り囲みながら、前記第1抵抗キャップと前記第2抵抗キャップとを連結する抵抗線とを含むことを特徴とするヒューズ抵抗組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズ抵抗組立体に係り、より詳細には、抵抗体の間に存在するヒューズを含むヒューズ抵抗組立体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、テレビ、ビデオのような電子製品の電源入力端には、過電流の流入時に、回路を断線させて、回路の焼損及び基板の火災発生を予防するように、マイクロヒューズが設けられており、このマイクロヒューズは、過負荷などの異常時に、溶断特性によって回路遮断器として作用する。
【0003】
このようなヒューズは、フュージブルエレメント層を成す材料であって、他の金属に比べて、固有比抵抗値は非常に低いながらも、温度係数と溶融点とが非常に高い銅を使用することにより、定格電流が10A以上の高電流化されても、安定して流すことができながら、高電流以上の過電流によっては、所定時間内に安定して溶断されることができ、高電流を使用する大型TV、モニタなどの家電製品などに既存のヒューズの代わりに使われている。
【0004】
ところが、従来のヒューズ抵抗組立体は、抵抗体の発熱によるヒューズの溶断特性が一定でなく、ヒューズの溶断特性が過電流に敏感に反応しないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、抵抗体の間にヒューズを直列に接合させて、ヒューズの溶断特性を改善させるヒューズ抵抗組立体及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明によるヒューズ抵抗組立体は、印加される電流または電圧を分配する第1抵抗体と第2抵抗体;及び前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間に位置し、一側が前記第1抵抗体と結合され、他側が前記第2抵抗体と結合されて、前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体と直列連結されたヒューズ;を含み、前記ヒューズは、前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体の内部から発生する過電流による輻射熱によって溶断されることを特徴とする。
【0007】
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体のそれぞれは、抵抗ロッドと、前記抵抗ロッドの両端に結合された第1抵抗キャップ及び第2抵抗キャップと、前記第1抵抗キャップに結合された導電性の第1抵抗リード線と、前記第2抵抗キャップに結合された導電性の第2抵抗リード線と、前記抵抗ロッドを取り囲みながら、前記第1抵抗キャップと前記第2抵抗キャップとを連結する抵抗線とを含むことを特徴とする。
【0008】
前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体のそれぞれは、前記抵抗ロッド、前記第1抵抗キャップ、前記第2抵抗キャップ及び前記抵抗線を保護するために取り囲む抵抗体保護層をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
前記ヒューズは、前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体をそれぞれ構成する第1抵抗リード線及び第2抵抗リード線のうち、カッティング工程によってカッティングされた抵抗リード線にそれぞれ結合されたことを特徴とする。
【0010】
前記第1抵抗体、前記第2抵抗体及び前記ヒューズを取り囲む組立体保護カバーをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
前記課題を解決するための本発明によるヒューズ抵抗組立体の製造方法は、印加される電流または電圧を分配する第1抵抗体と第2抵抗体とを形成する段階;前記第1抵抗体と前記第2抵抗体とに形成された抵抗リード線の一部をカッティングする段階;前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体の内部から発生する過電流による輻射熱によって溶断されるヒューズを前記第1抵抗体と前記第2抵抗体のそれぞれのカッティングされた抵抗リード線の先端にそれぞれ結合して、前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間で前記ヒューズを直列連結させる段階;及び前記第1抵抗体、前記第2抵抗体及び前記ヒューズを組立体保護カバーで取り囲む段階;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、抵抗体とヒューズとを接合するが、2個の抵抗体の間にヒューズを連結することにより、抵抗体から発生する輻射熱をヒューズに効果的に伝達させて、抵抗体に流れる過電流によってヒューズの溶断特性が敏感に反応可能にする。これにより、過電流による負荷の回路素子を適切に保護可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明による一実施形態のヒューズ抵抗組立体を透視した参照図である。
図1B図1Aに示されたヒューズ抵抗組立体から組立体保護カバーが除去された状態を例示する参照図である。
図1C図1Aに示されたヒューズ抵抗組立体に対する長手方向の断面図である。
図2】第1抵抗体または第2抵抗体の細部的な構成要素を示す参照図である。
図3】第1抵抗体と第2抵抗体との間に結合されるヒューズを例示する参照図である。
図4】本発明によるヒューズ抵抗組立体の製造方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
図5図4に示されたヒューズ抵抗組立体を製造する過程を説明する参照図である。
図6A】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6B】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6C】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6D】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6E】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6F】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6G】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図6H】本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照表である。
図7図6Aないし図6Hに示された特性テストに係わる結果をまとめた比較表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に関する説明は、構造的ないし機能的説明のための実施形態に過ぎないので、本発明の権利範囲は、本文に説明された実施形態によって制限されるものと解釈されてはならない。すなわち、実施形態は、多様な変更が可能であり、さまざまな形態を有するので、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現することができる均等物を含むものと理解しなければならない。
【0015】
ある構成要素が、他の構成要素に「連結されて」いるという記載は、その他の構成要素に直接連結されることもあり、中間に他の構成要素が存在していることも可能であるということを理解しなければならない。一方、ある構成要素が、他の構成要素に「直接連結されて」いるという記載は、中間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0016】
ここで使われるあらゆる用語は、特に定義しない限り、当業者によって、一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使われる辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致するものと解釈されなければならず、本発明で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味を有するものと解釈されない。
【0017】
図1Aは、本発明による一実施形態のヒューズ抵抗組立体10を透視した参照図であり、図1Bは、図1Aに示されたヒューズ抵抗組立体から組立体保護カバーが除去された状態を例示する参照図であり、図1Cは、図1Aに示されたヒューズ抵抗組立体10に対する長手方向の断面図である。
【0018】
図1Aないし図1Cを参照すれば、ヒューズ抵抗組立体10は、第1抵抗体100、第2抵抗体200、ヒューズ300及び組立体保護カバー400を含む。
【0019】
第1抵抗体100は、導電性の抵抗成分を含み、突入電流を制限する機能を行う。また、第2抵抗体200の場合にも、導電性の抵抗成分を含み、突入電流を制限する機能を行う。
【0020】
図2は、第1抵抗体100または第2抵抗体200の細部的な構成要素を示す参照図である。
【0021】
図2を参照すれば、第1抵抗体100は、抵抗ロッド102、前記抵抗ロッド102の両端に結合された第1抵抗キャップ104及び第2抵抗キャップ106、前記抵抗ロッド102を取り囲みながら、前記第1抵抗キャップ104と前記第2抵抗キャップ106とを連結する抵抗線108、前記第1抵抗キャップ104に結合された導電性の第1抵抗リード線110、前記第2抵抗キャップに結合された導電性の第2抵抗リード線112及び抵抗体保護層114を含む。また、第2抵抗体200は、抵抗ロッド202、前記抵抗ロッド202の両端に結合された第1抵抗キャップ204及び第2抵抗キャップ206、前記抵抗ロッド202を取り囲みながら、前記第1抵抗キャップ204と前記第2抵抗キャップ206とを連結する抵抗線208、前記第1抵抗キャップ204に結合された導電性の第1抵抗リード線210、前記第2抵抗キャップに結合された導電性の第2抵抗リード線212及び抵抗体保護層214を含む。一方、第1抵抗体100または第2抵抗体200は、第1抵抗リード線110、210のみを備え、第2抵抗リード線112、212を備えないこともある。
【0022】
抵抗ロッド102、202は、円柱または角柱などの形状を有し、セラミック材質で構成することができる。
【0023】
第1抵抗キャップ104、204及び第2抵抗キャップ106、206は、抵抗ロッド102、202の両先端にそれぞれ挿入されて結合されうる。このために、第1抵抗キャップ104、204及び第2抵抗キャップ106、206は、それぞれ筒状構造(例えば、円筒状構造、角筒状構造)の一端が閉鎖されているキャップ形態であり得る。第1抵抗キャップ104、204及び第2抵抗キャップ106、206は、導電性を有する。
【0024】
抵抗線108、208は、抵抗ロッド102、202の表面を螺旋状に取り囲みながら、第1抵抗キャップ104、204及び第2抵抗キャップ106、206を連結するための線である。このような、抵抗線108、208は、過電流によって発熱される抵抗成分を含む。抵抗線108、208の一端108−1、208−1は、第1抵抗キャップ104、204の一側に接合されており、抵抗線108、208の他端108−2、208−2は、第2抵抗キャップ106、206の一側に接合されている。
【0025】
第1抵抗リード線110、210は、第1抵抗キャップ104、204の外側に接合されており、第2抵抗リード線112、212は、第2抵抗キャップ106、206の外側に接合されている。
【0026】
第1抵抗リード線110、210は、第1抵抗キャップ104、204とスポット溶接、レーザ溶接、ソルダリングなどの方式で接合され、第2抵抗リード線112、212の場合にも、第2抵抗キャップ106、206とスポット溶接、レーザ溶接、ソルダリングなどの方式で接合される。この際、第1抵抗リード線110、210及び第2抵抗リード線112、212は、電気伝導性を有する線である。
【0027】
一方、第1抵抗リード線110、210は、他の回路素子またはデバイスと連結されるために、一定長さ以上の長い線で形成されうるが、第2抵抗リード線112、212は、ヒューズ300と結合するために、第1抵抗リード線110、210に比べて比較的短い長さを有するものである。第2抵抗リード線112、212は、第2抵抗キャップ106、206の外側に接合する時には、比較的長い長さのものを用いて接合し、接合後に、ヒューズ300との結合のための最小限の長さのみ保持されるようにカッティングすることで形成されうる。
【0028】
抵抗体保護層114、214は、抵抗ロッド102、202、第1抵抗キャップ104、204、第2抵抗キャップ106、206及び抵抗線108、208を取り囲む。これにより、抵抗体保護層114、214は、第1抵抗キャップ104、204及び第2抵抗キャップ106、206とそれぞれ接合される抵抗線108、208との接合関係を保護し、同時に、抵抗ロッド102、202、第1抵抗キャップ104、204、第2抵抗キャップ106、206及び抵抗線108、208の表面を保護する。また、抵抗体保護層114、214は、外部(他の部品など)との絶縁のための絶縁機能を有する。
【0029】
ヒューズ300は、熱や過電流による回路連結を遮断させる機能を行う。このような、ヒューズ300は、第1抵抗体と第2抵抗体とを電気的に連結し、過電流によって切られる可溶体に該当する。
【0030】
図3は、第1抵抗体100と第2抵抗体200との間に結合されるヒューズ300を例示する参照図である。
【0031】
ヒューズ300は、第1抵抗体100と第2抵抗体200との間で直列連結される。ヒューズ300と第1抵抗体100及び第2抵抗体200とが直列連結される場合には、ヒューズ抵抗組立体10に印加される電圧を分配することにより、サージ電圧による衝撃を減らしうる。
【0032】
ヒューズ300は、過電圧または過電流が印加されて、第1抵抗体100または第2抵抗体200が発熱すれば、その熱によって溶断されて電気接続を遮断する役割を果たす。ヒューズ300は、450℃以下の融点を有する低融点金属または合金、例えば、Sn、Ag、Sb、In、Bi、Al、Zn、Cu及びNiのうちの少なくとも何れか1つの元素を含むバー(bar)状の可溶体であることを例示することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。ヒューズ300は、セラミックチューブ管と、前記セラミックチューブ管の両端に形成された端子と、前記セラミックチューブ管内に挿入された可溶体線と、からなる。
【0033】
図2及び図3を参照すれば、ヒューズ300の一側302は、第1抵抗体100の第2抵抗リード線112と直列に結合され、ヒューズ300の他側304は、第2抵抗体200の第2抵抗リード線212と直列に結合されうる。ヒューズ300の一側302は、第2抵抗リード線112とスポット溶接、レーザ溶接、ソルダリングなどの方式で接合され、ヒューズ300の他側304は、第2抵抗リード線212とスポット溶接、レーザ溶接、ソルダリングなどの方式で結合されうる。
【0034】
一方、第2抵抗リード線112、212が備えられていない第1抵抗体100または第2抵抗体200の場合には、ヒューズ300の一側302は、第1抵抗体100の第2抵抗キャップ106と直接結合し、ヒューズ300の他側304は、第2抵抗体200の第2抵抗キャップ206と直接結合することもできる。
【0035】
ヒューズ300が第1抵抗体100及び第2抵抗体200の間で直列連結させることにより、ヒューズ抵抗組立体10に印加される電圧を分配し、サージ電圧によって溶断されることにより、サージ電圧による衝撃からヒューズ抵抗組立体10に連結された構成要素を保護することができる。
【0036】
組立体保護カバー400は、第1抵抗体100、第2抵抗体200及びヒューズ300を取り囲む。組立体保護カバー400は、第1抵抗体100、第2抵抗体200及びヒューズ300を通じて流れる電流に対して外部との絶縁のためのものである。
【0037】
図4は、本発明によるヒューズ抵抗組立体の製造方法の一実施形態を説明するフローチャートであり、図5は、図4に示されたヒューズ抵抗組立体を製造する過程を説明する参照図である。
【0038】
まず、印加される電流または電圧を分配する第1抵抗体と第2抵抗体とを形成する(ステップS500)。第1抵抗体を形成する過程を説明すれば、次の通りである。抵抗ロッドの両端に第1抵抗キャップ及び第2抵抗キャップを結合させた後に、前記第1抵抗キャップの一側に第1抵抗リード線を結合し、前記第2抵抗キャップの一側に第2抵抗リード線を結合させる(図5の(a)を参照)。抵抗線で前記抵抗ロッドを取り囲みながら、前記第1抵抗キャップと前記第2抵抗キャップとを連結する(図5の(b)を参照)。次いで、前記抵抗ロッド、前記第1抵抗キャップ、前記第2抵抗キャップ及び前記抵抗線を抵抗体保護層で取り囲む(図5の(c)を参照)。第2抵抗体を形成する過程も、前記の第1抵抗体を形成する過程と同一である。
【0039】
S500段階後に、前記第1抵抗体と前記第2抵抗体とに形成された抵抗リード線の一部をカッティングする(ステップS502)。第1抵抗体と第2抵抗体とに形成された第1抵抗リード線は、他の回路素子またはデバイスと連結されるために、一定長さ以上の長い線で形成されうるが、第2抵抗リード線は、ヒューズと結合するために、第1抵抗リード線に比べて比較的短い長さを有するようにカッティングされる(図5の(c)を参照)。
【0040】
S502段階後に、前記第1抵抗体及び前記第2抵抗体の内部から発生する過電流による輻射熱によって溶断されるヒューズを前記第1抵抗体と前記第2抵抗体のそれぞれのカッティングされた抵抗リード線の先端にそれぞれ結合して、前記第1抵抗体と前記第2抵抗体との間で前記ヒューズを直列連結させる(ステップS504)。ヒューズは、低融点金属または合金、例えば、Sn、Ag、Sb、In、Bi、Al、Zn、Cu及びNiのうちの少なくとも何れか1つの元素を含むバー状の可溶体であることを例示することができる。ヒューズは、セラミックチューブ管と、前記セラミックチューブ管の両端に形成された端子と、前記セラミックチューブ管内に挿入された可溶体線と、からなる。
【0041】
ヒューズの一側は、第1抵抗体の第2抵抗リード線と直列に結合され、ヒューズの他側は、第2抵抗体の第2抵抗リード線と直列に結合されうる(図5の(d)を参照)。ヒューズの一側と他側は、それぞれ第1抵抗体と第2抵抗体との第2抵抗リード線とスポット溶接、レーザ溶接、ソルダリングなどの方式で結合されうる。
【0042】
S504段階後に、前記第1抵抗体、前記第2抵抗体及び前記ヒューズを組立体保護カバーで取り囲む(ステップS506)。組立体保護カバーは、第1抵抗体、第2抵抗体及びヒューズを通じて流れる電流に対する絶縁機能を行う(図5の(e)を参照)。
【0043】
本発明によるヒューズ抵抗組立体10は、ワインディング抵抗体2個を直列連結するために、抵抗体の間に可溶体に該当するヒューズが位置する構造を有する。このような、本発明のヒューズ抵抗組立体10の特性は、リフロー、サージ、反短絡などの熱的/電気的特性に対するテストを通じて確認することができる。
【0044】
図6Aないし図6Hは、本発明によるヒューズ抵抗組立体の特性テストを例示する参照図であり、図7は、図6Aないし図6Hに示された特性テストに係わる結果をまとめた比較表である。
【0045】
図6Aないし図6H図7とを参照すれば、本発明のヒューズ抵抗組立体10は、射出において、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の材料を使用して射出するが、リフロー(reflow)工程を進行時に、外部の熱に対する可溶体の耐久性を確保することができる。
【0046】
また、本発明によれば、外部から流入される熱(リフロー−ワイヤ(reflow−wire)に乗って入る熱)に対する既存の射出製品よりも可溶体が内部に位置することによって、外部からの熱に対する影響力を最小化させることができる。また、ヒューズの両側に配される第1及び第2抵抗体のセラミックロッドによるヒートシンク(heat sink)効果があって、ヒューズに接近する熱は、第1及び第2抵抗体で一次的に遮断されるので、外部熱の影響を最小化することができる。
【0047】
また、ヒューズが第1抵抗体と第2抵抗体との間に位置することにより、動作時にヒューズは両側の第1抵抗体及び第2抵抗体による発熱で加熱されることとなり、抵抗体が1個のみ備えられていた従来のものに比べて、溶断時間を短縮させることができる。
【0048】
また、抵抗体のサイズを最小化することができるので、第1抵抗体100と第2抵抗体200とのワインディング時に、サージ特性を強化させることができる。すなわち、抵抗体の一側に巻く抵抗値を2個に線径を上昇させることができる。
【0049】
また、ヒューズ300と第1抵抗体100または第2抵抗体200との接合時に、第1抵抗体100及び第2抵抗体200の抵抗ロッド線にヒューズ300を接合させることもでき、第1及び第2抵抗体100、200に抵抗ロッド線が備えられていない場合には、第1及び第2抵抗体100、200を構成する抵抗キャップにヒューズを直接接合することにより、ヒューズ抵抗組立体10の体積を最小化することができる。
【0050】
以上、本発明の望ましい実施形態について図示し、説明したが、本発明は、前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れずに、当業者によって多様な変形実施が可能であるということはいうまでもなく、このような変形実施は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならない。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7