(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態による人材分析システムのブロック図である。人材分析システム10は、従業員利用端末11とデータ処理装置12とを有している。従業員利用端末11とデータ処理装置12は通信ネットワーク19を介して相互に通信可能に接続する。従業員利用端末11は、企業等の組織において業務を実施する従業者(業務実施者)が業務で利用するパーソナルコンピュータ等の端末装置である。データ処理装置12は、組織における従業員のデータを収集し、蓄積し、分析し、利用するサーバ等の情報処理装置である。
【0012】
図2は、本実施形態によるデータ処理装置のブロック図である。データ処理装置12は、データ取得部21、処理部22、および記憶部23を有している。処理部22は、業務傾向分析部221、推奨条件分析部222、推奨講座推定部223、および人材検索部224を有している。記憶部23は、従業員情報231、業務履歴情報232、業務傾向情報233、講座情報234、アンケート結果情報235、推奨条件情報236、および推奨講座情報237を有している。
【0013】
データ取得部21は、従業員情報231に登録されている従業員の従業員利用端末11と連携し、従業員利用端末11におけるアプリケーションに対する操作の履歴である業務履歴情報232を取得する。従業員情報231は、人材分析システム10による管理対象の従業員のそれぞれに関する情報である。業務履歴情報232は、従業員利用端末11の操作履歴から取得された業務の履歴が反映された情報である。処理部22は、業務履歴情報232を利用して各種処理を行う。記憶部23は、処理部22が処理に利用する各種情報、および処理部22による処理結果の各種情報を蓄積する。
【0014】
業務傾向分析部221は、データ取得部21により収集された従業員の業務履歴情報232を分析し、従業員が過去に関与した業務あるいは現在関与している業務に関する情報である業務傾向情報(関与業務情報)233を生成する。業務傾向情報233は、従業員の業務履歴情報232から生成されるその従業員が関与した業務あるいは関与している業務に関する情報である。この業務傾向情報233は、組織における人材活用や人材育成に広く活用可能な情報である。
【0015】
推奨条件分析部222は、講座情報234に登録されている教育講座を受講した各従業員(受講者)から得られたアンケート結果情報235に基づき、その教育講座が業務に有益であった従業員を抽出し、抽出された従業員の業務履歴情報232に基づいて従業員の業務傾向情報233を抽出し、受講者の業務傾向情報233に基づいて、教育講座を推奨する対象となる従業員(対象者あるいは対象従業員)を条件づけるための関与業務情報である推奨条件情報(推奨関与業務情報)236を生成する。講座情報234は、従業員に適宜受講させる各種教育講座に関する情報である。アンケート結果情報235は、教育講座を受講した従業員から得られたアンケートの回答の情報である。推奨条件情報236は、各教育講座について、その教育講座をどの従業員に受講を推奨するかを条件づけるための情報である。
【0016】
推奨講座推定部223は、ある従業員の業務傾向情報233と、ある教育講座の推奨条件情報236とに基づいて、その従業員にその教育講座を推奨するか否か判定し、従業員に対して受講を推奨する教育講座の情報である推奨講座情報237を生成する。推奨講座情報237は、どの従業員にどの教育講座の受講を推奨するかを記録した情報である。
【0017】
人材検索部224は、指定された従業員の業務傾向情報233と、その従業員以外の従業員の業務傾向情報233とに基づいて、その指定された従業員と関与した業務が類似する従業員を抽出する。
【0018】
図3は、本実施形態によるデータ処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。データ処理装置12は、ハードウェアとして、プロセッサ31、メインメモリ32、記憶装置33、通信装置34、入力装置35、および表示装置36を有し、それらがバス37に接続されたコンピュータである。
【0019】
記憶装置33は、書込みおよび読み出しが可能にデータを記憶するものであって、この記憶装置33によって、
図2に示した記憶部23が実現される。プロセッサ31は、記憶装置33に記憶されたデータをメインメモリ32に読み出し、メインメモリ32を利用してソフトウェアプログラムの処理を実行する。プロセッサ31がソフトウェアプログラムを実行することにより、
図2に示したデータ取得部21、業務傾向分析部221、推奨条件分析部222、推奨講座推定部223、および人材検索部224が実現される。通信装置34は、プロセッサ31にて処理された情報を有線または無線あるいはそれら両方を含む通信ネットワーク19を介して送信し、また通信ネットワーク19を介して受信した情報をプロセッサ31に伝達する。受信した情報はプロセッサ31にてソフトウェアの処理に利用される。入力装置35は、キーボードやマウスなど操作者による操作入力による情報を受け付ける装置であり、入力された情報はプロセッサ31にてソフトウェア処理に利用される。例えば、従業員情報231は通信装置34や入力装置35を介して記憶装置33に入力される。表示装置36は、プロセッサ31によるソフトウェア処理に伴って画像やテキストの情報をディスプレイ画面に表示する装置である。
【0020】
なお、ここでは、データ処理装置12がひとつのコンピュータにより実現される例を示したが、実施形態がこれに限定されることはない。他の例としてデータ処理装置12が複数のコンピュータで実現されてもよい。例えば、
図2に示した、業務傾向分析部221および人材検索部224と、推奨条件分析部222および推奨講座推定部223と、をそれぞれ別個のサーバ装置にて実現してもよい。
【0021】
以下、各部のより具体的な処理について説明する。
【0022】
図4は、業務傾向分析処理のフローチャートである。業務傾向分析処理は、業務履歴情報232を取得して業務傾向情報233を生成する処理である。
【0023】
ステップS101にて、データ取得部21は、従業員情報231に登録されている各従業員の各月の業務履歴情報232を取得する。
【0024】
図5は、従業員情報の一例を示すテーブルである。従業員情報231には、各従業員の従業員識別情報(ID)と氏名とが対応づけて記録されている。例えば、従業員IDが「1000」の従業員の氏名が「ユーザA」であることが記録されている。
【0025】
図6は、業務履歴情報の一例を示すテーブルである。業務履歴情報232には、どの従業員がいつどのアプリケーションを使用しており、そのアプリケーションのウィインドウタイトルが何かという情報が記録される。従業員利用端末11にてアクティブウィインドウのアプリケーションが、使用されているアプリケーションとされる。そのアクティブウィンドウのアプリケーションとウィンドウタイトルが業務履歴情報232に記録すればよい。例えば、従業員IDが「1000」の従業員が、「2019/10/1 10:00」の時刻に、「メールソフト」のアプリケーションを使用しており、そのメールソフトのウィンドウタイトルが「働き方分析PJについて」であったことが記録されている。
【0026】
図4に戻り、ステップS102にて、業務傾向分析部221は、業務履歴情報232に基づき、従業員毎に各月の各アプリケーションの使用時間の割合を算出し、アプリ傾向情報として業務傾向情報233に記録する。ここで、あるアプリケーションの使用時間の割合は、全てのアプリケーションの使用時間の合計値に対する、そのアプリケーションの使用時間の割合である。さらに、ステップS103にて、業務傾向分析部221は、業務履歴情報232に基づき、従業員毎に各月のウィンドウタイトルの履歴における出現回数が上位の所定個の単語を抽出し、ワード傾向情報として、業務傾向情報233に記録する。例えば、ウィンドウタイトルの履歴から登場回数の多い順に所定番目までの単語を抽出すればよい。
【0027】
図7は、業務傾向情報の一例を示すテーブルである。業務傾向情報233には、ある従業員のある期間における各アプリケーションの使用時間の割合で示されたアプリ傾向情報と、ウィンドウタイトルにおける出現回数が上位の所定個の単語で示されたワード傾向情報とが記録されている。例えば、従業員IDが「1000」の従業員について、集計開始日「2019/8/1」から集計終了日「2019/8/31」までの期間において、アプリ1の使用時間の割合が「20%」であり、アプリ2の使用時間の割合が「35%」であり、ウィンドウタイトルから抽出された、出現回数が最も多い単語が「働き方」であり、2番目の単語が「分析」であり、3番目の単語が「特許」であることが記録されている。
【0028】
図8は、推奨条件分析処理のフローチャートである。推奨条件分析処理は、教育講座を受講した従業員の業務傾向情報233に基づいて推奨条件情報236を生成するための処理である。
【0029】
ステップS201にて、推奨条件分析部222は、講座情報234に登録されている教育講座毎に、当該教育講座を受講した後に受講者から取得したアンケート結果情報235から、当該教育講座に職種として関連度の高い受講者を抽出する。ここでは、職種としての関連度を職種関連度といい、職種関連度の高い受講者を職種関連受講者ということにする。
【0030】
図9は、講座情報の一例を示すテーブルである。講座情報234には、各講座の講座識別情報(ID)と講座名とが対応づけて記録されてる。例えば、講座IDが「AAA」の教育講座の講座名が「講座1」であるということが記録されている。
【0031】
また、アンケートで受講者に問う内容は、受講者が当該教育講座に職種関連度が高いかどうかを判断することが可能となるような内容となっている。
【0032】
図10は、アンケートの一例を示す図である。アンケート41には受講者に問う質問の内容とその質問に他する回答の5つの選択肢とが記載されている。質問Q1の質問の内容は、「本研修はあなたの直近の業務に関連する内容でしたか?」というものである。この質問は、当該教育講座の職種関連度を判断するための質問である。その質問に対する回答の選択肢として、「5.直接関連する」、「4.間接的に関連する」、「3、どちらとも言えない」、「2、あまり関連しない」、「1、全く関連しない」がある。選択肢の番号が職種関連度であり、選択肢の番号が高いほど職種関連度が高い。例えば、職種関連度が所定の閾値(例えば「4」)以上の受講者を職種関連受講者とすることにする。
【0033】
図11は、教育講座と受講者との関連度を示す関連度情報の一例を示すテーブルである。関連度情報42には、教育講座を識別する講座識別情報(ID)と、当該教育講座を受講した受講日と、当該教育講座を当該受講日に受講した従業員を識別する従業員IDと、受講時における当該教育講座と当該従業員との職種関連度および後述する分野関連度とが対応付けて記録される。
【0034】
図8に戻り、ステップS202にて、推奨条件分析部222は、教育講座の職種関連受講者の受講日付近のアプリ傾向情報を抽出する。受講日付近とは、受講日の付近における受講時の受講者の業務が反映されたアプリ傾向が得られる程度の受講日の付近における期間であればよく、例えば、受講日の直前の3カ月としてもよい。
【0035】
更に、ステップS203にて、推奨条件分析部222は、職種関連受講者の受講日付近の業務履歴情報232あるいは業務傾向情報233から、各アプリケーションの利用時間の割合の平均値を算出し、当該教育講座のアプリ傾向情報として、推奨条件情報236に登録する。
【0036】
図12は、推奨条件情報の一例を示すテーブルである。推奨条件情報236には、教育講座を識別する講座IDに対応付けて、当該教育講座のアプリ傾向情報と、後述するワード傾向情報とが記録される。例えば、講座IDが「AAA」である教育講座の職種関連受講者の操作履歴から得られたアプリ傾向情報として、アプリ1の利用時間の割合が「20%」であり、アプリ2の利用時間の割合が「35%」であるということが記録されている。
【0037】
図8に戻り、ステップS204にて、推奨条件分析部222は、講座情報234に登録されている教育講座毎に、当該教育講座を受講した後に受講者から取得したアンケート結果情報235から、当該教育講座に業務の分野として関連度の高い受講者を抽出する。ここでは、業務の分野としての関連度を分野関連度といい、分野関連度の高い受講者を分野関連受講者ということにする。
【0038】
図10を参照すると、質問Q2の質問の内容は、「本研修はあなたが実際に担当する業務に役立つ内容でしたか?」というものである。この質問は、当該教育講座の分野関連度を判断するための質問である。その質問に対する回答の選択肢として、「5.すぐに役立つ」、「4.将来役立つ」、「3、どちらとも言えない」、「2、あまり役に立たない」、「1、全く役に立たない」がある。選択肢の番号が分野関連度であり、選択肢の番号が高いほど分野関連度が高い。例えば、分野関連度が所定の閾値(例えば「4」)以上の受講者を分野関連受講者とすることにする。
【0039】
図8に戻り、ステップS205にて、推奨条件分析部222は、分野関連受講者の受講日付近の業務履歴情報232あるいは業務傾向情報233から、ウィンドウタイトルにおける出現回数の多い上位所定個の単語を抽出する。更に、ステップS206にて、推奨条件分析部222は、分野関連受講者のそれぞれについて抽出された単語群を参照し、多くの分野関連受講者に共通する上位所定個の単語を抽出し、当該教育講座のワード傾向情報として、推奨条件情報236に登録する。例えば、ウィインドウタイトルにおける出現回数が多い単語として業務傾向情報233に登録されている分野関連受講者の人数が多い単語を抽出してもよい。
図12の推奨条件情報236には、講座IDが「AAA」である教育講座の分野関連受講者の操作履歴から得られたワード傾向情報として、出現回数が最も多い単語が「働き方」であり、2番目の単語が「分析」であるということが記録されている。
【0040】
図13は、推奨講座推定処理のフローチャートである。推奨講座推定処理は、従業員に受講を推奨する教育講座を判断する処理である。
【0041】
ステップS301にて、推奨講座推定部223は、教育講座を推奨する対象となる従業員(対象従業員)の最新の業務傾向情報233を抽出する。
図7に示したように業務傾向情報233にはアプリ傾向情報とワード傾向情報とが含まれている。
【0042】
続いて、ステップS302にて、推奨講座推定部223は、対象従業員のアプリ傾向情報と、当該対象従業員が未受講の各教育講座のアプリ傾向情報との一致度(アプリ傾向一致度)を算出し、講座推奨度情報(後述)に格納する。アプリ傾向一致度は、複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間の割合を要素とする配列間の距離が近いほど大きな値を示す指標である。
【0043】
図14は、アプリ傾向一致度の算出方法について説明するための図である。
【0044】
図14には、対象従業員のアプリ傾向情報を表すレーダーチャート51と、教育講座「講座1」のアプリ傾向情報を表すレーダーチャート52とが示されている。
図14の例では、アプリ1〜アプリ8という8個のアプリケーションがあり、各アプリケーションの使用時間の割合がレーダーチャート51、52の各軸に割り当てられている。
【0045】
レーダーチャートを見ると、対象従業員は、アプリケーション「アプリ1」の使用時間の割合が「A1」であり、アプリケーション「アプリ2」の使用時間の割合が「A2」であり、アプリケーション「アプリ3」の使用時間の割合が「A3」であり、アプリケーション「アプリ4」の使用時間の割合が「A4」であり、アプリケーション「アプリ5」の使用時間の割合が「A5」であり、アプリケーション「アプリ6」の使用時間の割合が「A6」であり、アプリケーション「アプリ7」の使用時間の割合が「A7」であり、アプリケーション「アプリ8」の使用時間の割合が「A8」である。
【0046】
一方、レーダーチャート52を見ると、講座1は、アプリケーション「アプリ1」の使用時間の割合が「B1」であり、アプリケーション「アプリ2」の使用時間の割合が「B2」であり、アプリケーション「アプリ3」の使用時間の割合が「B3」であり、アプリケーション「アプリ4」の使用時間の割合が「B4」であり、アプリケーション「アプリ5」の使用時間の割合が「B5」であり、アプリケーション「アプリ6」の使用時間の割合が「B6」であり、アプリケーション「アプリ7」の使用時間の割合が「B7」であり、アプリケーション「アプリ8」の使用時間の割合が「B8」である。
【0047】
式(1)は、対象従業員と講座1とのアプリ傾向一致度の計算式である。
【0049】
対象従業員のアプリ傾向情報の配列と講座1のアプリ傾向情報の配列との距離が近ければ、レーダーチャート51とレーダーチャート52の形状が近くなり、またアプリ傾向一致度は高くなる。
【0050】
アプリ傾向情報は、各アプリケーションの使用時間の割合を要素とする配列として表現できる。
【0051】
図15は、講座推奨度情報の一例を示すテーブルである。講座推奨度情報43には、ある従業員(例えば、対象従業員)について、各教育講座の講座名に対応付けてアプリ傾向一致度と、後述する頻出ワード一致数とが記録されている。例えば、対象従業員に対する「講座1」の講座推奨度情報43として、アプリ傾向一致度が「50%」であり、頻出ワード一致度が「2」であることが記載されている。
【0052】
図13に戻り、ステップS303にて、推奨講座推定部223は、対象従業員のワード傾向情報と、当該対象従業員が未受講の各教育講座のワード傾向情報との一致度を算出し、講座推奨度情報(後述)に格納する。ここでは一例として、ワード傾向の一致度は、ここでは一例として、頻出ワード一致数である。頻出ワード一致数は、対象従業員のワード傾向情報と、教育講座のワード傾向情報に共通する単語の個数である。上述のように、
図15の例では、対象従業員に対する「講座1」の講座推奨度情報43として頻出ワード一致数が「2」であることが記載されている。
【0053】
続いて、ステップS304にて、推奨講座推定部223は、アプリ傾向一致度および頻出ワード一致数がいずれも所定の閾値以上の教育講座を対象従業員に対する受講推奨講座として抽出し、推奨講座情報237に登録する。
図15において、例えば、アプリ傾向一致度に対する閾値が70%であり、頻出ワード一致数に対する閾値が1であったとすると、アプリ傾向一致度が「85%」であり、頻出ワード一致数が「2」である「講座2」が受講推奨講座となる。
【0054】
図16は、類似業務履歴抽出処理のフローチャートである。類似業務履歴抽出処理は、指定された従業員(指定従業員)と関与した業務が類似する他の従業員を抽出する処理である。
【0055】
ステップS401にて、人材検索部224は、データ処理装置12の操作者が指定した従業員(指定従業員)についての現在(例えば直近の過去1カ月)の業務傾向情報233を抽出する。次に、ステップS402にて、人材検索部224は、指定従業員以外の従業員(他従業員)について、現在および過去における指定従業員とのアプリ傾向一致度および頻出ワード一致数を算出し、業務傾向類似度情報として記録する。
【0056】
図17は、業務傾向類似度情報の一例を示すテーブルである。業務傾向類似度情報44には、指定従業員に対する他従業員の従業員IDと、集計開示日と、集計終了日と、アプリ傾向一致度と、頻出ワード一致数とが記録されている。例えば、従業員IDが「1001」である従業員は、集計開始日「2019/8/1」から集計終了日「2019/8/31」までの指定従業員とのアプリ傾向一致度が「20%」であり、頻出ワード一致数が「0」であることが記録されている。
【0057】
ステップS403にて、人材検索部224は、アプリ傾向一致度と頻出ワード一致数が所定の条件を満たす他従業員およびその期間を抽出する。例えば、アプリ傾向一致度と頻出ワード一致数のいずれか一方または両方が所定の閾値以上である他従業員およびその期間を抽出することにしてもよい。
図17の例において、アプリ傾向一致度に対する閾値が70%であり、頻出ワード一致数に対する閾値が1であるとすると、従業員IDが「1002」の従業員の集計開始日「2019/9/1」から集計終了日「2019/9/30」までの期間と、同じく従業員IDが「1002」の従業員の集計開始日「2019/10/1」から集計終了日「2019/10/30」までの期間と、が抽出される。抽出された期間において、抽出された他従業員は、指定従業員が現在関与している業務に類似する業務に関与していたと推定される。
【0058】
以上説明したように本実施形態は以下のように整理することができる。ただし、本実施形態が以下に示すものに限定されるものではない。
【0059】
人材分析システムは、データ処理装置にて、業務実施者が業務で利用する端末装置におけるアプリケーションに対する操作の履歴である業務履歴情報を取得するデータ取得部と、業務履歴情報を分析し、業務実施者が過去に関与した業務あるいは現在関与している業務に関する情報である関与業務情報を生成する業務傾向分析部と、を有している。これにより、業務実施者がアプリケーションを使用して行った端末装置への操作の履歴を分析するので、業務実施者の過去または現在の業務を具体的かつ客観的に分析することができる。
【0060】
また、データ取得部は、アプリケーションについて、使用された時間に関する使用時間情報と、アクティブウィンドウのウィンドウタイトルとを取得し、業務傾向分析部は、使用時間情報とウィンドウタイトルとを分析し、関与業務情報を生成する。このように、アプリケーションの使用時間とウィンドウタイトルを取得し、分析するので、業務実施者がどのような作業をどれだけの時間行ったか、またどのような内容の業務に関与したかあるいは関与しているかを反映した情報を取得し、分析することができる。
【0061】
また、業務傾向分析部は、使用時間情報に基づき、端末装置で使用された各アプリケーションの使用時間の割合を算出する。各アプリケーションの使用時間の割合が算出されるので、業務実施者がどのような作業をどのような割合で行ったかを知得し、人材の業務に関する分析に利用することができる。
【0062】
また、業務傾向分析部は、ウィンドウタイトルから単語を抽出し、その単語の出現回数を集計する。このように、アプリケーションのウィンドウタイトルから抽出された単語から、どのような業務に関与していたあるいはしているかを詳細に知得し、人材の業務に関する分析に利用することができる。
【0063】
また、データ処理装置は、業務に関連する教育講座を受講した受講者の業務履歴情報に基づいて受講者の関与業務情報を抽出し、受講者の関与業務情報に基づいて、教育講座を推奨する対象者を条件づける関与業務情報である推奨関与業務情報を生成する推奨条件分析部と、業務実施者の関与業務情報と推奨関与業務情報とに基づいて、業務実施者に教育講座を推奨するか否か判定する推奨講座推定部と、を更に有している。これにより、アプリケーションにて行った操作の履歴に基づいて客観的に業務実施者に好適な教育講座を推奨することが可能となる。
【0064】
また、データ取得部は、複数のアプリケーションについて使用された時間に関する使用時間情報を取得し、業務傾向分析部は、業務実施者の使用時間情報を分析することにより業務実施者の関与業務情報を生成し、受講者の使用時間情報を分析することにより記推奨関与業務情報を生成し、推奨講座推定部は、業務実施者の関与業務情報と推奨関与業務情報とについて、複数のアプリケーションのそれぞれの使用時間の割合を要素とする配列をそれぞれ生成し、業務実施者の関与業務情報の配列と推奨関与業務情報の配列との距離に基づいて、業務実施者に教育講座を推奨するか否か判定する。アプリケーションの使用時間の割合を要素とする配列の配列間距離に基づいて、教育講座を業務実施者に推奨するか否か判定するので、業務実施者に推奨する教育講座を定量的に決定できる。
【0065】
また、データ取得部は、複数のアプリケーションについてアクティブウィンドウのウィンドウタイトルを取得し、業務傾向分析部は、業務実施者のウィンドウタイトルに含まれる単語に基づいて業務実施者の関与業務情報を生成し、受講者のウィンドウタイトルに含まれる単語に基づいて推奨関与業務情報を生成し、推奨講座推定部は、業務実施者の関与業務情報の単語と推奨関与業務情報の単語との一致の度合いに基づいて、業務実施者に教育講座を推奨するか否か判定する。ウィンドウタイトルに含まれる単語の一致の度合いに基づいて、教育講座を業務実施者に推奨するか否か判定するので、業務実施者に推奨する教育講座を定量的に決定できる。
【0066】
また、データ処理装置は、指定された業務実施者である指定業務実施者の関与業務情報と、前記指定業務実施者と異なる業務実施者の関与業務情報とに基づいて、前記指定業務実施者と関与業務が類似する業務実施者を抽出する人材検索部を更に有する。これにより、ある業務実施者と類似する業務に関与した業務実施者を容易に抽出することができる。
【0067】
また、人材検索部は、指定業務実施者と現在または過去の関与業務が類似する業務実施者、およびその業務実施者がその業務に関与してた時期を抽出する。これにより、ある業務実施者と類似する業務に関与した経験のある業務実施者とその業務に関与した期間とを容易に抽出することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。