(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記低透過領域は、複数の前記低透過材料を含み、該複数の低透過材料は、所定の方向に向かって一の低透過材料の厚みが減少すると共に他の低透過材料の厚みが増加する、請求項4に記載の計量キャップ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に例示説明する。
【0015】
図1に示す計量容器1は、例えば洗濯用の液体洗剤や柔軟剤等の比較的粘度の高い内容液を収容する用途に用いられるものであり、容器本体10、ノズルキャップ20、及び本発明の第1実施形態である計量キャップ30を有している。なお、本明細書、特許請求の範囲、および図面では、
図1に示すように計量キャップ30がノズルキャップ20を介して容器本体10に取り付けられた状態を基準とし、計量キャップ30が位置する側を上方(
図1における上側)とし、容器本体10が位置する側を下方(
図1における下側)とする。また、径方向外側とは、
図1において上下方向に延びる計量容器1の中心軸線を通り中心軸線に垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線に向かう方向を指すものとする。なお、
図1における中心軸線は、径方向外側、及び径方向内側の定義に用いており、本実施形態の計量容器1の各部材が、常にこの中心軸線周りに軸対称に形成されていることを意味するものではない。また、請求項1における「容器本体に装着可能な(筒状のキャップ本体部)」とは、容器本体10に直接取り付ける場合と、ノズルキャップ20のような中間部材を介して容器本体10に取り付けられる場合の両方を含むものとする。
【0016】
容器本体10は、内側に収容空間Sを備える胴部11と、該胴部11の下端を閉塞する図示しない底部と、収容空間Sに連なる円筒状の口部13とを備えたボトル形状に形成されており、その収容空間Sに内容液(図示せず)を収容することができる。この容器本体10としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の合成樹脂製のものを用いることができる。なお、口部13は円筒状に限らず、例えば楕円筒状や角筒状など筒状であれば他の形状に形成することもできる。
【0017】
ノズルキャップ20は、
図1に示すように、容器本体10の口部13に装着される外周壁23と外周壁23から径方向内側に延びる天壁26とを有する装着キャップ部21と、装着キャップ部21に連結されると共に径方向内側に配置され有底筒状形状を有する隔壁27と、隔壁27の底壁27bに形成されたノズル孔27cの縁部から上方に向けて樋状に突出するノズル28とを備えている。本実施形態において、装着キャップ部21、隔壁27、及びノズル28は、一体に形成されており、例えば合成樹脂製とすることができる。
【0018】
より具体的に説明すると、装着キャップ部21は口部13よりも大径の円筒状の外周壁23を備え、この外周壁23の内周面に一体に設けられた雌ねじ23aが口部13の外周面に一体に設けられた雄ねじ13aにねじ結合することで、装着キャップ部21は口部13に装着されている。外周壁23の下端には複数の凹溝23bが設けられ、口部13の根元部分に設けられた係止リブ13bが凹溝23bに係合している。これにより、装着キャップ部21は口部13に対して装着状態に保持され、口部13から容易に取り外されないようになっている。
【0019】
図示する場合では、装着キャップ部21は口部13にねじ結合によって装着される構成となっているが、これに限らず、例えばアンダーカット等の他の手段により口部13に装着される構成とすることもできる。この場合、口部13の形状に合わせて、外周壁23を例えば楕円筒状や角筒状などの他の形状に形成することもできる。
【0020】
装着キャップ部21は、上述のように外周壁23の略中央高さにおいて連結する天壁26を備えている。天壁26の内周端からシール壁26aが上方に延びており、このシール壁26aが後述するキャップ本体部31の装着筒31aの内周面に嵌合することで、キャップ本体部31は、ノズルキャップ20を液密にシールしている。また、シール壁26aの下方には、隔壁27が形成されている。隔壁27は、
図1に示すように有底筒状形状を有しており、側壁27aと側壁27aの下端部を閉塞する底壁27bとを有している。底壁27bの径方向中央には、収容空間Sを外部と連通させ、収容空間S内の内容液を外部に注出するノズル孔27cが設けられている。また、側壁27aの上端部が口部13の内周面に嵌合することで、装着キャップ部21は口部13の上端開口を液密にシールしている。
【0021】
本実施形態では、装着キャップ部21の外周壁23上端部における内周面には、雌ねじ部25aが設けられている。キャップ本体部31の装着筒31aの雄ねじ部31cが雌ねじ部25aとねじ係合することで、キャップ本体部31は、ノズルキャップ20に装着されている。
【0022】
ノズル28は側面に軸方向に沿って一端から他端にまで延びるスリット28aを備えた断面C字形状つまり樋状に形成されている。ノズル28は、計量キャップ30装着時において、注出筒35の内周面に対して径方向に間隔を空けて配置されている。ノズル28の先端部は、スリット28aが設けられる側が容器本体10の収容空間Sに向けて下がるように口部13の上端開口に対して斜めに傾斜する形状とされており、当該先端部は外周壁23の上端よりも上方に向けて突出している。また、この傾斜部は、利用者が取り扱い易いようにR面処理されている。このような構成により、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液を、ノズル28を通して所望の位置に容易に注出させることができる。
【0023】
なお、ノズル28の先端は、斜めに傾斜する形状に限らず、口部13の上部開口に平行な形状や、側方から見て丸みを帯びるようにカットした形状とするなど、種々の形状とすることができる。
【0024】
隔壁27は、ノズル28のスリット28a側に向けて下方に傾斜する底壁27bを有しており、その外周縁において天壁26から垂下する側壁27aに連なっている。なお、内容液の注出後にノズル28の外周面に沿って垂れ落ちる内容液は、傾斜する底壁27bの最下部に集めてスリット28aを通して収容空間Sに戻すことができる。
【0025】
本実施形態に係る計量キャップ30は、キャップ本体部31と計量容器部32と注出筒35とを備えている。図示する例では、キャップ本体部31と注出筒35は一体に形成されており、計量容器部32は、別部品として構成されキャップ本体部31に装着されている。計量容器部32は、後述するように、少なくとも計量容器部32の内部が視認可能となるように、少なくとも一部が透明ないし半透明の樹脂製とされている。
【0026】
キャップ本体部31は、合成樹脂材料により、少なくともその下端部が外周壁23よりも小径の円筒状に形成された装着筒31aと、装着筒31aの径方向内側に連なる上壁31eとを備えている。上壁31eの内周端には、注出筒35が一体に設けられ、上壁31eから下方に垂下している。また、上壁31eにおける注出筒35の上方には、シール壁31gが上方に延びており、シール壁31gと装着筒31aとの間からは嵌合筒31fが上方に延びている。後述する計量容器部32の嵌合部32dの内周面にシール壁31gが当接し嵌合部32dと嵌合筒31fがアンダーカット係合することで、計量容器部32は、キャップ本体部31に対して容易に外れないように装着されている。
【0027】
なお、装着筒31aの上端部には、係止リブ31hが設けられており、後述する計量容器部32の肩部32cに形成された凹溝32eに係合することで、計量容器部32はキャップ本体部31に対して回り止め状態で固定されている。
【0028】
計量容器部32は、嵌合部32dの上端部から径方向外側へと延びる肩部32cと、肩部32cの外周端から更に上方へと延びる筒状の周壁32aと、周壁32aの上端部を閉塞する底壁32bとを有している。計量容器部32は、
図1に示すように上方に向けて僅かに縮径する有頂筒状形状を有しており、周壁32aには、
図1、
図2(a),(b)等に示すように、上下方向に複数配置され周方向に延びる凹リブ33が形成されている。本実施形態において、凹リブ33は目盛として機能し、利用者が収容空間S内の内容液をいずれかの凹リブ33の高さ位置に合致する高さまで計量容器部32に注ぎ入れることによって、内容液を正確に計量することができる。
図1に示すように、凹リブ33は、周壁32aの外周面が凹むと共に内周面が突出する構造を有しているために視認性が高く、利用者が容易に目盛の位置を認識することができる。本実施形態では、後述するように周壁32aを押出ブロー成形により形成しているので、
図1に示すように周壁32aの肉厚よりも大きな深さを有する凹リブ33でも容易に形成することができる。なお、
図2(b)に示すように、各凹リブ33の近傍に、計量体積に対応する文字34を印刷等の加飾によって設けてもよい。また、ブロー成形時に金型の内面に設けた微細な凹凸によって文字34を形成してもよい。
【0029】
計量容器部32の周壁32aは、
図2(a),(b)及び
図3(a),(b)に示すように、内部に収容された内容液を視認可能なビジブル領域32sと、ビジブル領域32sよりも可視光の光透過率が低い低透過領域32hとを有している。本実施形態では、ビジブル領域32sは、透明樹脂層のみからなり可視光に対する高い光透過率を有している。ビジブル領域32sに用いる材料としては、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)等を用いることができる。低透過領域32hは、
図3(a)の例では、ビジブル領域32sと同一の樹脂により構成される内層32h0と、最外層を構成する第1外層32h1と、第1外層32h1と内層32h0との間に形成される第2外層32h2とを有している。図示の例では、ビジブル領域32sと低透過領域32hとは、周方向位置によって区分されている。凹リブ33が形成されていない間欠部33aの領域は概ねビジブル領域32sで構成され、それ以外の領域は低透過領域32hとされている。また、低透過領域32hの第1外層32h1の外周面は、ビジブル領域32sの外周面と揃うように構成されている。すなわち、ビジブル領域32sと低透過領域32hとは同一厚みを有するように構成されている。しかし、この態様には限定されず、両者の厚みが異なるように構成してもよい。
【0030】
第1外層32h1、及び第2外層32h2は、
図3(b)に示すように、高さ位置によって両者の厚みの比率が異なるように構成されている。すなわち、周壁32aのうち底壁32bに近い側(
図3(b)の下端部)では第1外層32h1の厚みが第2外層32h2の厚みよりも厚くなるように構成されている。そして、注出筒35方向に向かって第1外層32h1の厚みが減少すると共に第2外層32h2の厚みが増加するように構成されている。また、第1外層32h1及び第2外層32h2はそれぞれ異なる色で着色されており、低透過領域32hの可視光の光透過率をビジブル領域32sの光透過率よりも低くするための低透過材料として構成されている。このように、周壁32aの低透過領域32hは、上部と下部では第1外層32h1と第2外層32h2の厚みの比率が異なるため、異なる色として観測される。従って、計量容器部32の周壁32aの色を上下方向に変化するグラデーションとすることができる。
【0031】
なお、色彩が変化する方向は、上下方向に限定されるものではなく、例えば第1外層32h1と第2外層32h2の厚みが周方向位置に依存して変化するように構成することで、周壁32aの色を周方向に変化するグラデーションとすることができる。
【0032】
また、本実施形態では、外層が第1外層32h1と第2外層32h2とを有し、両者の厚みが相補的に変化するように構成したが、この態様に限定されるものではなく、単層構成の外層が所定方向に向かって厚みが変化するように構成してもよい。また、外層(単層構造・多層構造を問わない)は、必ずしも厚みを変化させる必要はない。そして、外層の厚みを変化させない場合、低透過領域32hの色彩は変化しない。
【0033】
また、本実施形態では、低透過領域32hにおける色の変化がグラデーションとなるように構成したが、この態様には限定されず、例えばマーブル状(大理石模様)に色が変化するように構成してもよい。
【0034】
第1外層32h1、及び第2外層32h2に用いる材料としては、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)等に着色剤を添加して可視光に対する光透過率を低減させた材料を用いることができる。
【0035】
また、本実施形態では、ビジブル領域32sを構成する材料として、透明樹脂層のみからなり可視光に対する高い光透過率を有する低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)等を用いるように構成したが、この態様には限定されない。ビジブル領域32sを構成する材料は、有色透明材料又は半透明材料等であっても計量容器部32の内部に収容された内容液を視認可能であればよく、必ずしも可視光に対する高い光透過率を有する材料でなくてもよい。また、低透過領域32hは、ビジブル領域32sよりも可視光に対する光透過率を低く構成することによって、加飾性を高めることができればよい。なお、ここでいうビジブル領域32sよりも可視光に対する光透過率が低いとは、実質的に内部が視認できない不透過状態を含むものとする。本実施形態で用いられる低透過材料(第1外層32h1及び第2外層32h2)は、低透過領域32hの可視光に対する光透過率をビジブル領域32sより低くできるものであればよく、必ずしも低透過材料の光透過率をビジブル領域32sの樹脂材料よりも低くする必要はない。内容液の視認性の観点からは、ビジブル領域32sの可視光に対する光透過率は高いほどよく、加飾性の観点からは、低透過領域32hの可視光に対する光透過率は低い方が好ましい場合が多い。
【0036】
注出筒35は、上壁31eの内周端から下方に向けて垂下する筒状形状を有している。注出筒35には、
図1に示すように、周方向の1箇所が更に下方へと延びることで注ぎ部35aが形成されている。すなわち、注ぎ部35aは注出筒35の下端部を構成している。なお、注ぎ部35aは
図1に示すような下方に突出する段差部を有する態様に限定されるものではなく、例えば、ノズル28のように長さが緩やかに変化する形状も含み、多種多様な形状の注ぎ部を含む概念である。利用者が内容液の計量を終了した後、この注ぎ部35aが下側に位置するように計量キャップ30を傾倒させると、計量容器部32内の内容液をこの注ぎ部35aを通じて注出することができるので、より正確に目的の場所に注出することができる。
【0037】
本実施形態では、
図2(a),(b)に示すように、注ぎ部35aが形成されている周方向位置において、凹リブ33が形成されていない間欠部33aを設けている。これによって、上述のように注ぎ部35aが下側に位置するように計量キャップ30を傾倒させて内容液を注出する際に、内容液が周壁32aの凹リブ33部分をなるべく通過しないようにすることができるので、凹リブ33の内周面側に内容液が残ったり、内容液の流れが凹リブ33部分の凹凸で乱されることがない。また、前記文字34は、間欠部33aに設けることが好ましい。
【0038】
図1に示すように、計量キャップ30のキャップ本体部31が装着キャップ部21に装着されると、ノズル28が計量容器部32により覆われ、ノズルキャップ20が閉塞される。一方、キャップ本体部31が装着キャップ部21から取り外されると、ノズル28が露出し、内容液を注出可能な状態となる。
【0039】
図1に示すノズルキャップ20に計量キャップ30が装着された状態から、計量容器部32を把持しながら周方向に回して装着筒31aと外周壁23とのねじ結合を解除すると、ノズルキャップ20に対して計量キャップ30が上方に移動する。そして、ねじ係合が完全に解除された状態で計量キャップ30を上方に引き抜くことで、隔壁27の側壁27aとノズル28との間に配置されていた注出筒35を上方に移動させてノズルキャップ20から取り外すことができる。
【0040】
計量キャップ30をノズルキャップ20から取り外し、ノズル28を露出させた状態で、容器本体10をノズル28の先端部が上方を向く正立姿勢からスリット28aが上方となる傾斜姿勢とすることにより、収容空間S内の内容液を、ノズル孔27cを通じてノズル28の先端部から外部に注出することができる。このとき、口部13の内側に隔壁27が設けられるとともにノズル28が隔壁27の内周縁から起立する構成とされているので、容器本体10の収容空間Sの内容液は、樋状に形成されたノズル28に沿って案内されて当該ノズル28の先端から注出されることになる。利用者は、
図2(a),(b)に示す姿勢で置かれた計量キャップ30に一旦注いで所定量だけ計量した後、上述のように注ぎ部35aから目的の場所に注出してもよいし、ノズル28からの内容液を直接目的の場所に注出してもよい。
【0041】
内容液を注出した後、容器本体10を正立姿勢に戻したときに、ノズル28の先端に付着した内容液がノズル28の外周面に沿って垂れ落ちても、当該内容液は口部13の外側に垂れ落ちることなく、ノズル28に沿って下方に垂れ落ちて隔壁27の上面で受けられ、ノズル28のスリット28aの部分から容器本体10の収容空間Sに戻されることになる。したがって、計量容器1によれば、ノズル28から内容液を注出させつつ当該内容液の外部への液垂れを防止することができる。
【0042】
ノズルキャップ20から取り外された計量キャップ30は、注出筒35を下側とし、計量容器部32を上側とした姿勢とし、注出筒35を側壁27aとノズル28との間の空間に挿入し、計量キャップ30をノズルキャップ20に再び装着することで、ノズル28を閉塞させることができる。
【0043】
次に、本実施形態による計量キャップ30の製造方法について説明する。
【0044】
本実施形態の計量キャップ30を製造するに際しては、まず、透明樹脂により構成されビジブル領域32sを構成する内層と、低透過領域32hの光透過率をビジブル領域32sの光透過率より低くするための外層とを備えるパリソンを生成する。本実施形態において、外層は、異なる色が着色された第1外層32h1及び第2外層32h2を有しており、徐々に第1外層32h1に対する第2外層32h2の厚みの割合が増加するようにブロー成形用金型に供給される。次に、ブロー成形用金型に供給された上述のパリソンを押出ブロー成形し、計量容器部32を形成する。これによって、
図3(a)に示すようなビジブル領域32s及び低透過領域32hを有する計量容器部32が形成される。また、ブロー成形用金型に供給されるパリソンの第1外層32h1に対する第2外層32h2の厚みの割合が徐々に増加するように制御されるので、周壁32aの低透過領域32hにおける各層構成は、
図3(b)に示すように、底壁32bから注出筒35に向かって第1外層32h1に対する第2外層32h2の厚みの割合が徐々に増加するように形成される。これによって、周壁32aの低透過領域32hの色がグラデーションとなるように構成することができる。
【0045】
以上述べたように、本実施形態では、計量容器部32の周壁32aが、内部に収容された内容液を視認可能なビジブル領域32sと、ビジブル領域32sよりも可視光の光透過率が低い低透過領域32hとを有し、低透過領域32hは、ビジブル領域32sの材料と、1又は複数層の低透過材料とを含む多層構造を有するように構成した。これによって、ビジブル領域32sを通して計量容器部32内部の内容液を視認して計量することができるのに加えて、低透過領域32hによる加飾性を確保することができる。
【0046】
また、本実施形態では、計量容器部32は、キャップ本体部31及び注出筒35とは別体で形成されるように構成した。これによって、ビジブル領域32sと低透過領域32hとを有する計量容器部32を容易に押出ブロー成形で形成することができる。なお、計量容器部32の成形方法は押出ブロー成形に限定されるものではなく、種々の他の成形方法を採用することができる。
【0047】
また、本実施形態では、ビジブル領域32sと低透過領域32hとが、周方向位置によって区分されるように構成した。これによって、ビジブル領域32sと低透過領域32hとを有するパリソンを押出ブロー成形することによって、容易に計量容器部32を形成することができる。
【0048】
なお、低透過領域32hは、ビジブル領域32sの材料を含まない単層の樹脂層で構成してもよい。
【0049】
また、本実施形態では、低透過領域32hにおいて、低透過材料の厚みが所定の方向に向かって変化するように構成した。特に、低透過領域32hが複数の低透過材料を含み、複数の低透過材料が、所定の方向に向かって一の低透過材料の厚みが減少すると共に他の低透過材料の厚みが増加するように構成することで、計量容器部32の低透過領域32hにおける色の変化がグラデーションとなるようにすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、計量容器部32をパリソンの押出ブロー成形により形成するようにしたので、複雑な構造の金型等を使用することなく計量容器部32を形成することができる。
【0051】
また、本実施形態では、押出ブロー成形用のパリソンは、ビジブル領域32sよりも可視光の光透過率が低い低透過領域32hが、周方向に間欠的に形成されるように構成した。これによって、押出ブロー成形によって、ビジブル領域32sと低透過領域32hとが周方向位置で区分された計量容器部32を比較的容易に形成することができる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態である計量キャップ70について、図面を参照して例示説明する。なお、ここでは、第1実施形態との差異点を中心に説明する
【0053】
本実施形態に係る計量キャップ70は、
図4(a),(b)に示すように、キャップ本体部71と計量容器部72と注出筒75とを備えている。本実施形態では、キャップ本体部71と注出筒75は一体に形成されており、計量容器部72は、別部品として構成されキャップ本体部71に装着されている。計量容器部72は、後述するように、内容液の視認性の観点から、少なくとも一部が透明ないし半透明の樹脂製とされている。
【0054】
計量容器部72の周壁72aは、
図4(a),(b)に示すように上方に向けて僅かに縮径する有頂筒状形状を有しており、上下方向に複数配置され周方向に延びる凹リブ73が形成されている。本実施形態において、凹リブ73は目盛として機能し、利用者が収容空間S内の内容液をいずれかの凹リブ73の高さ位置に合致する高さまで計量容器部72に注ぎ入れることによって、内容液を正確に計量することができる。なお、
図4(b)に示すように、各凹リブ73の近傍に、計量体積に対応する文字74を印刷等の加飾によって設けてもよい。また、成形時に金型の内面に設けた微細な凹凸によって文字74を形成してもよい。
【0055】
計量容器部72の周壁72aは、
図4(a),(b)及び
図5に示すように、内部に収容された内容液を視認可能なビジブル領域72sと、ビジブル領域72sよりも可視光の光透過率が低い低透過領域72hとを有している。本実施形態では、ビジブル領域72sは、透明樹脂層のみからなり可視光に対する高い光透過率を有している。ビジブル領域72sに用いる材料としては、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)等を用いることができる。一方、低透過領域72hは、
図5に示す例では、ビジブル領域72sと同一の樹脂により構成される内層72h0と、低透過領域72hの可視光の光透過率をビジブル領域72sの光透過率よりも低くするための外層72h1とを有している。図示の例では、ビジブル領域72sと低透過領域72hとは、周方向位置によって区分されており、
図4(a),(b)及び
図5に示すように、それぞれ複数のビジブル領域72s及び低透過領域72hが周方向に等間隔で交互に設けられている。また、低透過領域72hの外層72h1の外周面は、ビジブル領域72sの外周面と揃うように構成されている。すなわち、ビジブル領域72sと低透過領域72hとは同一厚みを有するように構成されているが、この態様には限定されず、両者の厚みが異なるように構成してもよい。
【0056】
なお、外層72h1に用いる材料としては、例えば高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)等に着色剤を添加して可視光に対する光透過率を低減させた材料を用いることができる。
【0057】
上述のように、本実施形態では、ビジブル領域72sに透明、且つ軟材質である低密度ポリエチレン(LDPE)を用いると共に、低透過領域72hの外層72h1に着色剤を添加した高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を用いるように構成したので、ビジブル領域72sを通して計量容器部72内部の内容液を視認して計量することができるのに加えて、低透過領域72hに着色等によって加飾することができる。また、計量容器部72の周壁72aを把持して計量キャップ70を取り外す際に、軟材質であり縦弾性係数が小さいビジブル領域72sの低密度ポリエチレン(LDPE)が撓んでグリップ性を向上させることができる。なお、低透過領域72hの方がビジブル領域72sよりも縦弾性係数が小さくなるように構成してもよい。
【0058】
本実施形態の計量キャップ70に用いる計量容器部72は、内層及び外層を有するパリソンを押出ブロー成形することで形成することができる他、例えば
図5におけるビジブル領域72s及び内層72h0を一次側の金型内で成形した後、外層72h1を二次側の金型内で成形する、いわゆる二材成形により形成することができる。また、
図5におけるビジブル領域72s及び内層72h0をインサート材としてインサート成形により形成することもできる。インサート成形による場合には、外層72h1をインサート材としてもよい。更に、二材成形又はインサート成形により形成されたプリフォームを2軸延伸ブロー成形することによって、計量容器部72を形成してもよい。この場合、キャップ本体部71及び注出筒75を一体に設けることもできる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、ビジブル領域72sと低透過領域72hとは、縦弾性係数が異なるように構成した。これによって、計量容器部72の周壁72aを把持して計量キャップ70を取り外す際に、軟材質であり縦弾性係数が小さい方の領域が撓んでグリップ性を向上させることができる。
【0060】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。