(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記1つ以上のプロセッサ(220)は、上記トラクションバス(107)に沿ったリンク電圧および上記ブレーキチョッパ(216)のデューティサイクルに基づいて、上記抵抗器脚部(214)を通る予想された電流を計算するように構成される、請求項1に記載の制御システム(210)。
上記1つ以上のプロセッサ(220)は、抵抗器脚部(214)の予想された実効抵抗でリンク電圧を割ることにより、上記抵抗器脚部を通る予想された電流を計算するように構成され、上記予想された実効抵抗は上記ブレーキチョッパ(216)のデューティサイクルに基づく、請求項3に記載の制御システム(210)。
上記トラクションバス(107)は、上記車両(100)上の1つ以上のトラクションモーター(108)にオルタネーター(104)を電気的に接続し、上記オルタネーターはシャフト(105)を介して上記エンジン(102)に機械的に接続される、請求項1に記載の制御システム(210)。
上記抵抗器脚部(214)は、上記車両(100)に搭載されたグリッドボックス(212)内に配置された多数の抵抗器脚部の第1の抵抗器脚部であって、上記抵抗器脚部の各々はそれぞれのブレーキチョッパ(216)を含み、ここで電流センサ(222)は、
上記第1の抵抗器脚部を通る測定電流をモニターする、上記グリッドボックス中の上記抵抗器脚部を通る異なる対応する1つの測定電流をモニターするようにそれぞれ構成される、多数の電流センサの第1の電流センサであり、
ここで、上記1つ以上のプロセッサ(220)は、上記多数の電流センサに通信可能に接続され、上記多数の電流センサからそれぞれの測定電流を受け取り、上記抵抗器脚部を通るそれぞれの予想された電流と異なる上記測定電流のいずれかに応じて、上記制御信号を生成するように構成される、請求項1に記載の制御システム(210)。
上記制御信号は、上記エンジン(102)の回転数をアイドル回転数(312)からアクティブ回転数(318)に増加させるように構成される、請求項1に記載の制御システム(210)。
上記制御信号は第1の制御信号であり、上記1つ以上のプロセッサ(220)は、上記抵抗器脚部(214)の上記1つ以上の抵抗素子(218)の冷却を増大させるか、第2の制御信号を生成するようにさらに構成される、請求項14に記載の制御システム(210)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の主題の例示的な実施形態について詳細に言及し、それらの例は添付図面中で例証される。可能な限り、図面全体を通して使用される同じ符号は同じまたは同様の部分を指す。創造性のある主題の特定の実施形態は、鉱業、建設、農業などの特定の産業に関連した動作を行なうように設計されたオフハイウェイ車両に関して記載され、運搬トラック、クレーン、土木機械、採炭機、耕作機械、トラクター、資材運搬機器、排土機などを含み得る。しかし、創造性のある主題の実施形態は、路上走行車(例えば、自動車、トレーラー、路上ダンプカーなど)、鉄道車両、および海上船舶などの他の車両の用途にも適用可能である。
【0011】
本明細書に記述された1つ以上の実施形態によって提供される少なくとも1つの技術的な結果は、電気エネルギーの生成のためにトラクションモーターが使用される動作のダイナミックモードである間の異常な(例えば、逸脱、変形、誤動作、および/または不良品)抵抗器脚部の検出である。異常な抵抗器脚部は、抵抗器脚部の故障した(例えば短絡された)ブレーキチョッパ、抵抗器脚部の劣化した抵抗素子などによって引き起こされ得る。例えば、ブレーキチョッパが閉状態または導電状態で抑制不可能に固定されるように、あるいはブレーキチョッパが開状態または非導電状態で抑制不可能に固定されるように、故障したブレーキチョッパは短絡され得る。異常な抵抗器脚部は、車両を機械的に推進するためにトラクションモーターがエンジンから電力を受け取る動作の推進モードに移行する前に、検出され得る。推進モードに移行する前の異常な抵抗器脚部の検出によって、本明細書に記載された1つ以上の実施形態は、エンジン出力が推進モードで要求される場合のエンジンの失速、構成要素の過熱、および/または同類の危険を軽減するために処置を講ずることができる。例えば、1つ以上の実施形態は、(例えば ダイナミック制動モード中の回転数に対して)増加した回転数で動作している間にエンジンが失速せず、電力需要に一層よく耐えることができるので、異常な抵抗器脚部の識別に応じて、 ダイナミック制動モードから推進モードに移行する前に、エンジンの回転数(例えば、毎分回転数(RPM))を増加させるようにエンジンを制御することができる。
【0012】
1つ以上の実施形態が、回転数を増加させることに加えて、またはその代わりに、構成要素の過熱の危険を減少させるために、オペレーターに警告を出すか、車両の動きを制限するか、メンテナンスをスケジューリングするか、異常な抵抗器脚部の冷却を増大させるなど、ブレーキチョッパの故障の検出に応じて、他のアクションを自動的に始めることができる。本明細書に記載された1つ以上の実施形態は、リアルタイムのブレーキチョッパの周期的でアップデートされた状態を提供することができる。ブレーキチョッパがすべて適切に機能しているとの判断に応じて、1つ以上の実施形態は、推進モードへの移行時に機能しているブレーキチョッパによるエンジン失速の心配なく、ダイナミック制動モード中にエンジンの回転数を、燃料効率の高く、かつ少ないアイドリング回転数に減少させることができる。
【0013】
図1は、本開示の実施形態にかかる車両(100)の略ブロック図である。車両(100)は、エンジン(102)と、シャフト(105)を介してエンジン(102)に機械的に結合されるオルタネーター(104)とを含む。車両(100)のエンジン(102)は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、または多種燃料エンジンなどであってもよい。エンジン(102)は、シャフト(105)を介してオルタネーター(104)を駆動する。
【0014】
例証された実施形態における車両(100)は、鉱業トラック、ダンプカーなどのオフハイウェイの陸上車両(100)であってもよい。本明細書に記載された実施形態は、他の陸上車両(例えば、自動車、バス、トレーラートラックなど)、鉄道車両、船舶などの他の種類の車両に搭載されて適用することができる。
【0015】
1つ以上の実施形態では、車両(100)は、低排出量ハイブリッド車両または2重エネルギー車両であってもよい。車両(100)は、燃料、天然ガス、および/または他の形態のエネルギーを燃焼させることができる。燃料を節約するために、アイドル回転数の減少を目標とした既知の低排出量ハイブリッド車両のエンジンは、ブレーキチョッパに関連する問題のために失速する傾向があり得る。
【0016】
オルタネーター(104)は、様々な構成要素にトラクションバス(107)に沿って伝えられる電気エネルギー(例えば電流)を生成し、車両(100)の推進のために推進負荷を含む様々な負荷に電力を供給する。オルタネーター(104)は、整流器(106)に電気的に接続される。オルタネーター(104)は、力学的エネルギーを回動シャフト(105)からAC電流に変換する。整流器(106)は、オルタネーター(104)からAC電流を受け取り、AC電流をDC電流に変換する。整流器(106)からのDC出力は、トラクションバス(107)に沿って、車両(100)の車輪(109)に機械的に結合されるトラクションモーター(108)へと伝えられる。トラクションモーター(108)はACモーターであってもよく、整流器(106)からのDC電流は、インバーター(113)によってトラクションモーター(108)用の三相AC電流に変換することができる。トラクションバス(107)はDCリンクとして言及され得る。あるいは、トラクションモーター(108)は、インバーター(113)なしで、整流器(106)から受け取ったDC電流によって電力が供給されるDCモーターであってもよい。
【0017】
トラクションモーター(108)は、インバーター(113)、トラクションバス(107)、およびチョッパ回路(112)によって、車両(100)上の抵抗グリッド(110)に電気的に接続される。チョッパ回路(112)は、抵抗グリッド(110)への電流の流れを制御する1つ以上のブレーキチョッパを含む。抵抗グリッド(110)は、熱として電流を放散するように構成される。車両(100)は、
図1に示される1つのトラクションモーター(108)より多くのトラクションモーターを有してもよい。
【0018】
車両(100)は、少なくとも推進モードおよびダイナミック制動モードを含む様々なモードで選択的に設定可能である。車両(100)は推進モードで動作して、車両(100)を推進するための原動力を生成する。車両(100)は ダイナミック制動モードで作動し、車輪(109)の回転を使用することによって車両(100)を減速させて、電気エネルギーを生成する。例えば、推進モードにおいて、トラクションモーター(108)は、エンジン(102)によって電力が供給されるオルタネーター(104)によって生成される電流を受け取る。トラクションモーター(108)は、車輪(109)の回転を駆動するために電流を使用する。動作のダイナミックモード中に、トラクションモーター(108)は、トラクションバス(107)上に伝えられ得る電気エネルギーを生成するために車輪(109)の既存の回転を利用する。発電機としてトラクションモーター(108)を使用することは、車両(100)の動きを効率よく減速させる。ダイナミック制動は、車両(100)を減速させるために単独でまたは摩擦ベースのブレーキと組み合わせて使用されてもよい。トラクションモーター(108)によって生成された電気エネルギーは、チョッパ回路(112)を介して抵抗グリッド(110)に伝えられることができる。他の実施形態では、チョッパ回路(112)は、電気エネルギーの将来の使用のために、トラクションモーター(108)から受け取った電気エネルギーをバッテリーまたは他の蓄電装置へと伝えることができる。
【0019】
抵抗グリッド(110)は、熱として電流を放散するように構成される抵抗素子を含む。チョッパ回路(112)は、抵抗グリッド(110)と離れているものとして
図1に示されるが、他の実施形態では、チョッパ回路(112)は抵抗グリッド(110)内に組み込まれ得る。
【0020】
推進モードにおいて、エンジン(102)は、車両(100)の動きに電力を供給する。 ダイナミック制動モードでは、エンジン(102)は車両(100)を推進するためには使用されない。燃料を節約するために、エンジン(102)は、ダイナミック制動モードである間に回転数を減少するよう制御され得る。例えば、回転数はアイドル回転数に減速されてもよい。エンジン(102)の連続運転を維持するのに十分に高いままでありつつ、燃料効率を向上させるために典型的なアイドル回転数より少ない回転数として、アイドル回転数が指定されてもよい。車両(100)を加速するために、車両(100)を ダイナミック制動モードから推進モードへと移行する。推進モードへの移行は通常、適切に調整されることができ、したがって、回転数は所望の推進電力需要に対して適切に調整される。さらに、チョッパ回路(112)が適切に機能している時、トラクションバス(107)に沿った電流を調整し、移行中のエンジン(102)に対する大きな電力需要を防ぐことができる。しかし、ブレーキチョッパが劣化するか、または適切に機能していない状況では、回生電力が減少し、かつ車両(100)がエンジン(102)を使用して推進に移行し始めるので、劣化したブレーキチョッパの結果として、電流がブレーキグリッド(110)を介して依然として消費され得る。この状況で、エンジン(102)が低いアイドル回転数でまだ走っている間、エンジン(102)に対する大きな電力需要は、エンジン(102)を失速させるか完全に停止させる(および/またはオルタネーター(104)を崩壊させる)危険がある。
【0021】
本開示の1つ以上の実施形態は、車両(100)が ダイナミック制動モードである間、チョッパ回路(112)のブレーキチョッパの故障を検出するように構成される。故障したブレーキチョッパ(例えば短絡チョッパまたは開チョッパ(open chopper))を検出すると、1つ以上の実施形態は、推進モードに移行する前に改善措置をとるように構成される。例えば、1つの改善措置としては、ダイナミック制動モードである間、エンジン(102)の回転数をアイドル回転数より大きい回転数に増加させることが挙げられる。より大きな回転数で動作するエンジン(102)は、減少したアイドル回転数で動作するエンジン(102)より、失速せずに推進モードへの移行時の電力需要により耐えることができる。回転数は、動作の推進モードへの切り替え時に、エンジン失速の危険を除去するか大幅に減少させるのに大きい回転数にまで増加され得る。非限定的な例において、アイドル回転数は500RPMなどの1000より少ないRPMであってもよく、回転数はエンジンの失速を妨げるのに十分なアクティブ回転数にまで増加され得る。アクティブ回転数は、1500RPM、1700RPM、1900RPMなどの、1000を超えるRPMであってもよい。エンジンの失速を妨げるのに十分なアクティブ回転数は、エンジンの種類、エンジンに対して要求される電力量、エンジンの健康状態、車両の動き(例えば、回転数など)、周囲条件など(例えば、温度、湿度、圧力など)の様々な要因に依拠し得る。
【0022】
エンジン(102)の回転数を増加させることに加えて、またはその代わりに、自動的に取られ得るもう一つの改善措置は、抵抗素子およびその他の素子から熱を放散するために抵抗グリッド(110)の冷却を増大させることを含み得る。冷却は、ブロワー、送風機、空気調和ユニット、および/または同類のアクティブな冷却装置の出力の変更によって増大することができる。例えば、冷却空気のより大きな流量を生成するために、より速い作動速度(例えばRPM)へと切り替えることによって、アクティブなブロワーの出力が増大され得る。冷却は、追加の冷却装置をアクティブにする(例えば、起動する)ことによって増大させることができる。例えば、指定の回転数で作動する所定のエリアにおける3つのアクティブ冷却装置が、指定の回転数で作動する所定のエリアにおける2つのアクティブ冷却装置よりも多くの冷却をもたらす。追加の冷却装置をアクティブにすることは、様々なタイプの冷却装置をアクティブにすることを含み得る。例えば、1つ以上のブロワーが現在作動していれば、2段の冷却の圧縮冷却システムがアクティブにされ、そのブロワーを補完する増強された冷却をもたらすことができる。他の実施例において、冷却は、長期間にわたって1つ以上の冷却装置を作動させることによって増大させることができる。例えば、車両が回生制動モードから推進モードに移行する時に、ブロワーをオフにするか非アクティブにする代わりに、冷却気流がより長い期間にわたって提供されるように、移行後にブロワーをアクティブ状態に維持することによって冷却を増大することができる。増大した冷却は、短絡されたブレーキチョッパに応じて、抵抗素子およびグリッド(110)の他の構成要素が過熱するのを防ぐか、少なくとも妨げることができる。
【0023】
エンジン(102)の回転数を増加させ、および/または抵抗グリッドへの冷却を増大させることに加えて、あるいはその代わりに、他の改善措置が自動的に取られてもよい。例えば、車両(100)の動きは、速度制限を課すること、加速制限を課すこと、回転数制限を課すこと、および/または同様の制限を課すことによって制限されてもよい。そのような制限は、指定の上限より下、および/または指定の下限より上の許可された動作範囲を定義することによって管理され得る。
【0024】
図2は、実施形態にかかる車両(100)のトラクション回路(202)の概略図である。トラクション回路(202)は、
図1に示される車両(100)に搭載され得る。例えば、トラクション回路(202)は、正のレール(204)および負のレール(206)を有するトラクションバス(107)を含む。オルタネーター(104)によって生成されたAC電流は、整流器(106)によってDC電流に変換され、トラクションバス(107)の正のレール(204)に供給される。トラクション回路(202)は、正および負のレール(204、206)の間に接続される2つのモーターサブアセンブリ(208)を含む。各モーターサブアセンブリ(208)は、それぞれのインバーター(113)およびトラクションモーター(108)を含む。インバーター(113)は、
図2においてINV1およびINV2と表示され、トラクションモーター(108)はTM1およびTM2と表示される。2つのモーターサブアセンブリ(208)は、車両(100)の同じ車軸または異なる車軸上の車輪に結合され得る。他の実施形態において、トラクション回路(202)は、2つより多いまたは2つより少ないモーターサブアセンブリ(208)を有してもよい。
【0025】
トラクション回路(202)は、トラクションバス(107)の正および負のレール(204、206)の間に接続される少なくとも1つの抵抗器脚部(214)を有するグリッドボックス(212)をさらに含む。例証された実施形態において、グリッドボックス(212)は、3つの抵抗器脚部(214)を有するが、他の実施形態において、3つより多いまたは少ない抵抗器脚部(214)を有してもよい。グリッドボックス(212)は、随意に物理的なハウジング構造体であってもよい。抵抗器脚部(214)は並行に配向される。抵抗器脚部(214)は、ダイナミック制動の間に生成される熱エネルギー(例えば熱)を放散するように構成される。抵抗器脚部(214)の各々は、それぞれブレーキチョッパ(216)、およびブレーキチョッパ(216)と直列の1つ以上の抵抗素子(218)を含む。示されていないが、グリッドボックス(212)はまた、グリッドボックス(212)から外部環境までの熱の放散を促進するために、1つ以上のブロワーおよび/または他の冷却装置(例えば、送風機、ヒートシンク、蒸気、および/または液体冷却回路など)を含んでもよい。
【0026】
ブレーキチョッパ(216)は、開状態および閉状態の間で切り替わるように制御される電子スイッチング装置である。開状態では、ブレーキチョッパ(216)は、それぞれの抵抗器脚部(214)を介してトラクションバス(107)の正のレール(204)からの電流を伝えない。閉状態では、ブレーキチョッパ(216)は、それぞれの抵抗器脚部(214)を介してトラクションバス(107)の正のレール(204)からの電流を伝える。ブレーキチョッパ(216)が閉状態にある場合、電流はそれぞれの抵抗器脚部(214)に沿って伝えられ、電流の少なくとも一部はグリッドボックス(212)から放散される熱へと変換される。ブレーキチョッパ(216)は、1つ以上のトランジスタ、ダイオード、インダクタ、および/または同類のものを含み得る。トランジスタは、絶縁ゲートバイポーラ接合トランジスタ(IGBT)、または他の種類のトランジスタを含むか、示し得る。抵抗素子(218)は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する抵抗器である。抵抗素子(218)は、ブレーキチョッパ(216)とは別の構成要素として
図2に示されているが、ブレーキチョッパ(216)の必須の構成要素を表わし得ることが認識される。
【0027】
ブレーキチョッパ(216)は、制御装置(220)によって制御される。制御装置(220)は、1つ以上のプロセッサを含むか、表わす。制御装置(220)は、コンピュータ、コンピュータープロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または明確で非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された1つ以上のセットのインストラクション(例えばソフトウェア)に基づいて作動する他の論理型の回路デバイスにおいて具体化され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、ハードドライブ、フラッシュドライブ、またはROM(RAM)などを含むか表わし得る。制御装置(220)は、1つ以上のプロセッサおよび関連する回路構成を含んでもよい。制御装置(220)は、いつブレーキチョッパ(216)が開閉するのかを制御して、いつブレーキチョッパ(216)が抵抗器脚部(214)を介して伝えられる電流を妨げるか、または許可するかを制御することができる。例えば、制御装置(220)は、ブレーキチョッパ(216)を閉じた導電状態にするために、ブレーキチョッパ(216)のゲートに電圧を印加する制御信号を送って、ブレーキチョッパ(216)のトランジスタを導電状態へと切り替えることができる。制御装置(220)は、この制御信号を送信するのを止めることによって、またはブレーキチョッパ(216)のトランジスタを遮断状態へと切り替えるためにゲートに異なる制御信号を送信することによって、ブレーキチョッパ(216)を閉じた導電状態から開いた非導電状態へと切り替えることができる。
【0028】
制御装置(220)は、デューティサイクルに従って、開いた(例えば遮断した)状態と閉じた例えば伝導した)状態が交互になるようにブレーキチョッパ(216)を制御することができる。デューティサイクルは、状態間の切り替えの頻度またはタイミングと同様に、状態を切り替える前にブレーキチョッパ(216)が指定された状態を維持する時間を表わす。ブレーキチョッパ(216)のすべてが同時に所与の状態にあるとは限らず、およびブレーキチョッパ(216)のすべてが同時に状態間で切り替わるとは限らないように、制御装置(220)は、様々な対応するデューティサイクルに従って様々なブレーキチョッパ(216)を独立して制御することができる。例えば、制御装置(220)は、所定の瞬間に1つのブレーキチョッパ(216)を閉じた状態から開いた状態に切り替えることができ、開いた状態に切り替える前の所定の瞬間後、指定された期間にわたって他のブレーキチョッパ(216)を閉じた状態に維持することができる。したがって、ブレーキチョッパ(216)は、様々なデューティサイクルに従って制御され得る。制御装置(220)は、ダイナミック制動の間にトラクションモーター(108)によって生成される電気エネルギーをトラクションバス(107)に沿って調整するために、様々なデューティサイクルに従ってブレーキチョッパ(216)を制御することができる。
【0029】
例証された実施形態では、抵抗器脚部(214)の各々は、それぞれの抵抗器脚部(214)を通る電流をモニターするように構成される、対応する電流センサ(222)に関連している。それぞれの抵抗器脚部(214)のブレーキチョッパ(216)が開いた状態にある場合、電流センサ(222)による抵抗器脚部(214)を通る測定電流は、およそ0アンペアであってもよい(例えば、ちょうど0アンペアの測定電流を遮断するノイズがあってもよい)。ブレーキチョッパ(216)が閉じた状態にある場合、電流センサ(222)は、抵抗器脚部(214)を通る0でない電流を測定することができる。電流センサ(222)は、制御装置(220)に通信可能に接続される。例えば、電流センサ(222)は、1つ以上の有線接続によって制御装置(220)に導電的に接続されてもよいし、または制御装置(220)に無線で接続されてもよい。
図2は、3つの対応する抵抗器脚部(214)に関連する3つの電流センサ(222)を示す。他の実施形態では、グリッドボックス(212)は、グリッドボックス(212)を通る総電流をモニターするように構成される単一の電流センサ(222)だけを含み得る。例えば、この他の実施形態において、電流センサ(222)によって測定された電流は、個々の抵抗器脚部(214)を通る電流の合計を示す。
【0030】
1つ以上の実施形態では、制御装置(220)、抵抗器脚部(214)、および電流センサ(222)は、地形に沿った車両(100)(
図1に示される)の動きを制御するための、あるいは少なくともそのエンジン(102)を制御するための制御システム(210)の構成要素を示す。制御システム(210)は、故障したブレーキチョッパ(216)を検出し、エンジン(102)およびオルタネーター(104)の動作への干渉を防ぐ(または、少なくとも妨げる)ための改善措置を始めるように構成される。例えば、エンジン(102)およびオルタネーター(104)は、制動システム、推進システム、電子システム、照明システム、HVACシステム、通信システムなどの、車両(100)(
図1に示される)上の様々な構成要素およびシステムに電力を提供する。本明細書に記載されるように、車両(100)が ダイナミック制動モードにある間、制御システム(210)は故障したブレーキチョッパ(216)を検出することができ、かつトラクションモーター(108)に電力を供給するために必要とされるエンジン(102)およびオルタネーター(104)からの電力を供給する推進モードへと移行する時、エンジン(102)が失速する(および/またはオルタネーター(104)が崩壊する)のを防ぐ(あるいは、少なくとも妨げる)ために、改善措置を取ることができる。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、制御装置(220)は、電流センサ(222)から受け取った電流計測値に基づいて故障したブレーキチョッパ(216)を検出するように構成される。例えば、制御装置(220)は、有線または無線の通信経路を介して電流センサ(222)の各々からデータ信号を受信することができる。データ信号は、データ信号を生成したそれぞれの電流センサ(222)によってモニターされた、対応する抵抗器脚部(214)を通る測定電流を示す。電流センサ(222)からの測定電流は実際の電流値を示す。制御装置(220)は、電流センサ(222)から受け取った測定電流と、電流センサ(222)によってモニターされた抵抗器脚部(214)を通る予想された電流とを比較するように構成される。後述されるように、予想された電流が計算される。少なくとも1つの実施形態の中で、制御装置(220)が、指定された閾値を越えて測定電流が予想された電流を逸脱するまたは異なることを判断した場合、制御装置(220)は、それぞれの抵抗器脚部(214)を異常であるか、または誤動作しているものとして識別する。例えば、抵抗器脚部(214)は、故障したブレーキチョッパ(216)および/または劣化した抵抗素子(218)のために、異常である可能性もある。異常な抵抗器脚部(214)の識別に応じて、制御装置(220)は、エンジン(102)の回転数を増加させること、あるいは、異常な抵抗器脚部(214)の冷却を増大させ、車両(100)の動きを制限し、オペレーターに通知し、メンテナンスをスケジューリングし、および/または同様のことなどの、1つ以上の他の改善措置を命令する制御信号を生成するように構成される。制御信号は、車両(100)がまだ ダイナミック制動モードである間(例えば、推進モードにおいて電力がエンジン(102)に要求される前に)、回転数を増加させるように指示することができる。
【0032】
以下の実施例は、制御装置(220)が、グリッドボックス(212)の抵抗器脚部(214)のうち1つの故障したブレーキチョッパ(216)を、どのように検出することができるかを説明する。制御装置(220)は、抵抗器脚部(214)に沿った予想された実効抵抗でトラクションバス(107)に沿ったリンク電圧を割ることにより、オームの法則(例えばI=V/R)を使用して、抵抗器脚部(214)を通る予想された電流を計算する。リンク電圧は、トラクションモーター(108)と抵抗器脚部(214)との間のトラクションバス(107)のDCリンク(224)の電圧である。リンク電圧は、電流がトラクションモーター(108)によってトラクションバス(107)上に供給される時、リンク電圧がダイナミック制動の間に増加するように動作中に変動する可能性がある。リンク電圧は、制御装置(220)に通信可能に接続される電圧センサ(図示せず)によって測定され得る。
【0033】
抵抗器脚部(214)に沿った予想された実効抵抗は、抵抗素子(218)およびブレーキチョッパ(216)のデューティサイクルに依拠する。例えば、抵抗器脚部(214)上の1つ以上の抵抗素子(218)は、電流が抵抗器脚部(214)を通って連続的に伝えられる場合、抵抗器脚部(214)を通る抵抗を示す公称抵抗値を有する。ブレーキチョッパ(216)を、ある期間、開いた遮断状態に切り替えるデューティサイクルに従ってブレーキチョッパ(216)は動作されるため、実効抵抗は公称抵抗値と異なる場合がある。開いた状態での抵抗が非常に高いため、ブレーキチョッパ(216)が開いた遮断状態である時間の増加と共に、実効抵抗は増加する(例えば、回路が開いている)。デューティサイクルは、命じられたチョッパパーセント値を含み、命じられたチョッパパーセント値は、ブレーキチョッパ(216)がトラクションバス(107)からブレーキチョッパ(216)を通って1つ以上の抵抗素子(218)へと電流を伝えるために、閉じた導電状態になるように制御装置(220)によって制御される時間の割合を示す。例えば、50%の命じられたチョッパパーセント値は、100秒の間に、制御装置(220)がブレーキチョッパ(216)を50秒間閉じた導電状態になるように、および50秒間開いた遮断状態になるように制御することを示す。様々なデューティサイクルは、様々な命じられたチョッパパーセント値を有する。
【0034】
予想された実効抵抗を計算するために、公称抵抗値を命じられたチョッパパーセント値(例えばR
eff=R
nom/%
cc)で割る。例えば、抵抗器脚部(214)の公称抵抗値が100オームで、命じられたチョッパパーセント値が50%である場合、計算された予想された実効抵抗は200オーム(例えば100オーム/0.5)である。他の実施例では、公称抵抗値が100オームで、命じられたチョッパパーセント値が25%である場合、抵抗器脚部(214)用の計算された予想された実効抵抗は400オームである。デューティサイクルに従って、開いた遮断状態である時間の増加と共に、予想された実効抵抗が増加する。
【0035】
予想された実効抵抗は「予想された」値と呼ばれる。なぜならこの値はブレーキチョッパ(216)が適切に機能することに基づくためである。例えば、ブレーキチョッパ(216)は、指定されたデューティサイクルに従って時間の50%の間、閉じた導電状態になるように制御され得るが、ブレーキチョッパ(216)が異常である場合には、ブレーキチョッパ(216)は要求通りに機能しない。例えば、ブレーキチョッパ(216)が短絡される場合、ブレーキチョッパ(216)は、命じられた時に、開いた遮断状態に切り替えることなく閉じた導電状態を維持することもある。さらに、ブレーキチョッパ(216)が開いた状態にならない場合、ブレーキチョッパ(216)は、そうすることを命じられた時でも、抵抗器脚部(214)を通る電流を許可しない。したがって、予想された実効抵抗値は、ブレーキチョッパ(216)がどのように機能することを命じられるかに基づいており、およびブレーキチョッパ(216)が異常である場合には、抵抗器脚部(214)における実際の実効抵抗と異なる可能性がある。
【0036】
制御装置(220)は、オームの法則に従って、抵抗器脚部(214)に沿った予想された実効抵抗でリンク電圧を割ることにより、抵抗器脚部(214)を通る予想された電流を計算するように構成される。その後、制御装置(220)は、予想された電流を、抵抗器脚部(214)に関連した電流センサ(222)から受け取った測定電流と比較する。計算された予想された電流が測定電流と指定された閾値を越えて異なる場合、制御装置(220)はブレーキチョッパ(216)が異常であることを検出する。指定された閾値は、車両(100)(
図1)の動作状態に基づいて変わり得る。例えば、制御装置(220)は、ダイナミック制動モードである時とは異なる、車両(100)が動作の推進モードである時の指定された閾値を利用することができる。指定された閾値は、オペレーターによって、またはレギュレーションによって設定され得る。非限定の実施例に従って、指定された閾値は、5%以内、10%以内、または15%以内などの定められたパーセント範囲であってもよい。例えば、指定された閾値が10%で、予想された電流が測定電流と7%ずれている場合、予想された電流は、指定された閾値内であると判定され得、ブレーキチョッパ(216)が適切に機能していることを示す。しかし、予想された電流が測定電流と13%ずれている場合、予想された電流が指定された閾値の範囲外であると判定され得、ブレーキチョッパ(216)が異常であるか故障していることを示す。
【0037】
制御装置(220)は、ブレーキチョッパ(216)のいずれかが異常であるかどうか検出するために、グリッドボックス(212)の抵抗器脚部(214)の各々に対して上記と同じ計算を行なうように構成され得る。例えば、制御装置(220)は、抵抗器脚部(214)上の電流センサ(222)の各々から測定電流を受け取り、抵抗器脚部(214)を通る測定電流と予想された電流とを比較する。予想された電流は、抵抗器脚部(214)の対応する公称抵抗値、およびブレーキチョッパ(216)のデューティサイクル(例えば、命じられたチョッパパーセント値)に基づく。
【0038】
他の実施形態では、単一の電流センサ(222)だけが設置される。制御装置(220)は抵抗器脚部(214)を通る予想された電流を集め、集めた予想された電流と測定電流との比較を単一の電流センサ(222)によって行うことにより、少なくとも1つのブレーキチョッパ(216)が異常かどうか判定するように構成される。
【0039】
少なくとも1つの実施形態では、ブレーキチョッパ(216)の少なくとも1つが異常であると判定された場合、制御装置(220)はプログラムされた指示に従って、改善措置を自動的に始めるように構成される。例えば、ダイナミック制動モードである間にエンジン(102)が現在アイドリングしている場合、制御装置(220)は、エンジン(102)の回転数を、エンジン(102)のアイドル回転数より大きな回転数に増加させるよう命令する制御信号を生成することができる。制御装置(220)は、有線または無線の通信経路経由で、エンジン(102)(あるいはエンジン制御装置)に制御信号を送信することができる。制御信号は、到達すべき特定の回転数、回転数の増加を始める時間(例えば、即時あるいは将来の時間)、回転数を増加させる割合、および/または同類のものの、エンジン設定を指定することができる。随意に、制御装置(220)は、異常なブレーキチョッパ(216)の検出に応じて追加の制御信号を生成することができ、それは、オペレーターに警告を出すこと、インシデントレポートの記録をつけること、車両(100)に速度制限を課すか、そうでなければ車両の動きを制限すること、異常な抵抗器脚部(214)あるいはすべての抵抗器脚部(214)を冷却すること、車両(100)に他の電力制限を課すこと、異常な抵抗器脚部(214)のメンテナンスをスケジューリングすること、および/または同様のことを含む。
【0040】
図3は、実施形態にかかる車両(100)(
図1に示される)のエンジン(102)の回転数を、経時的に例証するグラフ(300)である。y軸(302)は回転数を示し、x軸(304)は時間を示す。グラフ(300)に例証される期間は、地形に沿って走行しているなどの、車両(100)が動作している期間を示す。その期間中、車両(100)は、推進モードでの動作とダイナミック制動モードでの動作を交互に行う。
【0041】
図3では、第1の時間間隔(306)中、車両(100)は、エンジン(102)(
図2)がトラクションモーター(108)(
図2)に電力を供給して、車両(100)を推進するように、推進モードで作動する。エンジン(102)の回転数は、推進モードである間、スロットルまたはオペレーターによって適用されたブレーキ設定に基づいて変わるか、あるいは変動することもある。例えば、車両(100)を加速するための追加電力の需要に応じて回転数を増加させることができ、追加の電力の需要がない状態においては回転数を減少させることができる。第1の移行時間(308)に、車両(100)は推進モードからダイナミック制動モードへと切り替わり、車両(100)は第2の時間間隔(310)の間、ダイナミック制動モードで走行する。第1の移行時間(308)に、回転数は減少し始める。回転数が指定されたアイドル回転数(312)に到達するまで、回転数は第2の時間間隔(310)の間に減少する。指定されたアイドル回転数(312)は、エンジン(102)の連続的動作を維持しつつ、燃料を節約するために選択され得る。アイドル回転数(312)は、ダイナミック制動モードである時、既知の車両によって提供される燃料効率よりも高い燃料効率を提供するために、他の車両のいくつかの既知のアイドル回転数より低くなり得る。
【0042】
実施形態では、制御システム(210)の制御装置(220)(
図2)は、ブレーキチョッパ(216)(
図2)のいずれかが異常であるかどうか定期的に検出することにより、リアルタイムで走行するように構成される。例えば、制御装置(220)は、毎分、30秒毎に1回、10秒毎に1回、3秒毎に1回などの指定された間隔で、ブレーキチョッパ(216)のいずれかが異常であるかどうかの更新された判定を行うことができる。制御装置(220)は、車両(100)がダイナミック制動モードである間、そのようなブレーキチョッパの故障判定を行なうように構成され、および車両(100)が推進モードである間も判定を随意に行なうことができる。したがって、車両(100)が第2の時間間隔(310)中のダイナミック制動モードである間、制御装置(220)は、いかなる故障したブレーキチョッパ(216)も検出するために、ブレーキチョッパの故障判定を1回以上行なう。
【0043】
すべてのブレーキチョッパ(216)が適切に機能していることをブレーキチョッパの故障判定の結果が示す場合、回転数は、第3の時間間隔(316)のために車両(100)が推進モードに戻る第2の移行時間(314)までアイドル回転数(312)を維持する。第2の移行時間(314)の後、エンジン(102)の回転数は、トラクションモーター(108)に電力を供給するためのエンジン(102)に対する電力需要を処理するために増加するように制御される。アクティブな回転数、または車両(100)の推進力に起因するエンジンの回転数の範囲まで、回転数を増加させる。
【0044】
一方、ブレーキチョッパ故障判定中の制御装置(220)が、ブレーキチョッパ(216)の少なくとも1つが短絡される(例えば、恒久的に閉じた導電状態)、または開放される(例えば、恒久的に開いた遮断状態)などの異常を検出する場合、制御装置(220)はエンジン(102)の回転数を変更することができる。例えば、制御装置(220)は、まだ第2の時間間隔(310)中のダイナミック制動モードである間、第2の移行時間(314)、および続く推進モードに先立って、アイドル回転数(312)から回転数を増加させるようにエンジン(102)を制御することができる。その結果、回転数は、第2の移行時間(314)におけるアイドル回転数(312)とは対照的に、第2の移行時間(314)におけるアクティブ回転速度(318)であり得る。アクティブ回転数(318)はアイドル回転数(312)より大きいため、エンジン(102)は、少なくとも1つの故障したブレーキチョッパ(216)の存在によって失速せずに、エンジン(102)に対する大きな電力需要に一層よく耐えることができる。
【0045】
車両(100)は、第2の時間間隔(310)中の ダイナミック制動モード中に惰走しているかブレーキをかけていてもよい。例えば、車両(100)は、第2の時間間隔(310)中に下り勾配に沿って移動していてもよい。少なくとも1つの故障したブレーキチョッパ(216)の検出に応じて、回転数は、まだダイナミック制動モードである間に増加される。例えば、車両(100)が下り勾配に沿って移動し続けるにつれて、制御装置(220)は回転数を増加させることがあるが、車両(100)の動作に電力を供給するためにエンジン(102)が使用されず、これは直観に反するように思われる。回転数の増加は、エンジン(102)が推進モードを入る時に失速せずに電力需要を処理することができるように慎重に検討される。ダイナミック制動モードの終わりに、期間(322)のために回転数を増加させることは、燃料効率を減少させる可能性があるが、ブレーキチョッパ(216)の少なくとも1つが故障した場合は、燃料効率の減少が故障軽減モードのみにおいて生じることが認識される。故障軽減モードにおいては、エンジン(102)の失速よりも減少した燃料効率のほうが望ましいこともある。
【0046】
図4は、実施形態にかかる車両を制御するための方法(400)のフローチャートである。方法(400)は、故障したブレーキチョッパを検出するか、除去するべき車両を制御するか、または故障したブレーキチョッパが存在する状態で、動作のダイナミックモードから動作の推進モードに移行する時のエンジン失速の危険を実質的に減少させるための方法であり得る。
図1−3についても参照しつつ、方法(400)は(402)から始まり、ここで、車両(100)のトラクションバス(107)に接続された抵抗器脚部(214)を通る予想された電流が計算される。抵抗器脚部(214)は、ブレーキチョッパ(216)および1つ以上の抵抗素子(218)を有する。抵抗器脚部(214)は、ダイナミック制動の間に生成されたエネルギーを熱として放散するように構成された、車両(100)に搭載されたグリッドボックス(212)内の複数の抵抗器脚部(214)のうちの1つであってもよい。
【0047】
予想された電流は、リンク電圧およびブレーキチョッパ(216)のデューティサイクルに基づいて計算される。抵抗器脚部(214)を通る予想された電流は、抵抗器脚部(214)の予想された実効抵抗でリンク電圧を割ることによって計算され得る。予想された実効抵抗は、ブレーキチョッパ(216)のデューティサイクルおよび抵抗器脚部(214)の既知の公称抵抗値に基づく。例えば、方法(400)は予想された実効抵抗を計算すること、および抵抗器脚部(214)を通る予想された電流を計算するために予想された実効抵抗を使用することを含んでもよい。予想された実効抵抗は、デューティサイクルに従って、命じられたチョッパパーセント値で抵抗器脚部(214)の既知の公称抵抗値を割ることにより計算され得る。命じられたチョッパパーセント値は、ブレーキチョッパ(216)が閉じた状態になり、トラクションバス(107)からブレーキチョッパ(216)を通って1つ以上の抵抗素子(218)へと電流を伝えるように制御装置(220)によって命じられる時間の割合を示す。
【0048】
(404)において、抵抗器脚部(214)を通る予想された電流は、電流センサ(222)によってモニターされるような抵抗器脚部(214)を通る測定電流と比較される。(406)において、予想された電流と測定電流との間の差が指定された閾値を越えるかどうかが判定される。
【0049】
差が指定された閾値を越える場合、流れは(408)へと移り、抵抗器脚部(214)の少なくとも1つが異常であると識別される。1つ以上の異常な抵抗器脚部(214)(これは故障したブレーキチョッパ(216)および/または劣化した抵抗素子(218)に起因し得る)を用いると、エンジン(102)に対する大きな電力需要でエンジン(102)を失速させる危険がある。過熱によって引き起こされる火災または構成要素の損傷などの危険があり得る。
【0050】
(409)において、異常な抵抗器脚部(214)の識別に応じて、車両(100)のエンジン(102)の回転数を増加させてエンジン失速を妨げるために制御信号が生成され得る。回転数は、ダイナミック制動モードから推進モードに移行する車両(100)に先立って増加されてもよい。推進モードにおいて、エンジン(102)によって供給された電力は車両(100)を推進するために使用される。ダイナミック制動モードでは、電気エネルギーは、車両(100)の車輪(109)に結合されたトラクションモーター(108)によって生成され、エンジン(102)は推進のための電力を生成するためには使用されない。制御信号は、回転数を、アイドル回転数から、アイドル回転数より大きいアクティブ回転数に増加させるように命令することができる。アクティブ回転数で動作するエンジン(102)は、アイドル回転数で動作するエンジン(102)よりも、失速することなくエンジン(102)に対する著しい電力需要により耐えることができる。
【0051】
方法(400)は、1つ以上の異常な抵抗器脚部(214)を検出すると、回転数を増加させる代わりに、またはそれに加えて、他の改善措置を自動的にとることを含み得る。例えば、(410)において動作制限が車両(100)に課される。動作制限は速度制限であってもよい。例えば、制御装置(220)によって生成された制御信号は、異常な抵抗器脚部(214)(例えば、その故障したブレーキチョッパ(216))が修理されるまで、車両(100)が上限速度より速い速度で移動することを禁じる上限速度を確立することができる。随意に、車両(100)の動作は、加速制限、回転数制限、出力制限、および/または同様の制限を課することによって制限されてもよい。(411)において、1つ以上の異常な抵抗器脚部(214)(および/または一般的な抵抗グリッド)の冷却が増大される。例えば、過熱による損傷を防ごうとしてより多くの熱を放散するために、ブロワーなどの1つ以上のアクティブな冷却装置の運用上の速度を増加させること、アクティブな冷却装置の数を増やすこと、アクティブな冷却装置の運転期間を長くすること、および/または同様のことを行うことができる。(412)において、1つ以上のブレーキチョッパ(216)が故障していることをオペレーターに通知するために警告が発生される。警告は、可聴ノイズ、計算装置画面上のテキストベースのメッセージ、1つ以上の点滅灯、および/または同類のものであってもよい。(414)において、故障したブレーキチョッパ(216)を有する抵抗器脚部(214)の修理のためにメンテナンスがスケジューリングされる。示されないが、自動的にインシデントレポートの記録をとること、および他の車両または遠方の発信場所にメッセージを通信することなどを含む、追加の改善措置が制御装置(220)によって取られてもよい。
【0052】
次に(406)を参照して、予想された電流と測定電流との間の差が指定された閾値を越えない場合、方法(400)は(416)へと移り、すべての抵抗器脚部(214)が適切に機能していると判定する。随意に、方法(400)は、エンジン(102)の回転数を減少させるために、または現在の(例えば既存の)速度で回転数を維持するために、制御信号が生成される(418)へと続き得る。ダイナミック制動モード中に、より速い速度での回転数の動作とすること対して、向上した燃料効率を提供するために、ダイナミック制動モード中に回転数を低いアイドル回転数に減少させる(または維持する)ことができる。すべての抵抗器脚部(214)が適切に機能していると判定されると、機能するブレーキチョッパ(216)がトラクションバス(107)に沿った電気エネルギーを調整し、エンジン(102)に対する大きな電力需要を妨げるため、推進モードに移行する時のエンジン失速の心配はほとんどないか、またはまったくないかもしれない。
【0053】
方法(400)は、車両(100)の動作中にリアルタイムで随意に定期的に繰り返すことができる。例えば、抵抗器脚部(214)を通る測定電流の更新された値は、制御装置(220)によって電流センサ(222)から定期的に受け取られてもよい。制御装置(220)は、測定電流の更新された値の受け取りに応じて、方法(400)を繰り返すように構成され得る。例えば、制御装置(220)は、(402)において、抵抗器脚部(214)を通る更新された予想された電流を計算し、(404)において、更新された予想された電流を測定電流の更新された値と比較することができる。したがって、方法(400)は、推進モードへの移行に先立って、ダイナミック制動モードである間に故障したブレーキチョッパ(216)の事前検出を提供するために、リアルタイムで実行されることができる。
【0054】
方法(400)は、ダイナミック制動モードでない時でも、車両(100)の動作中に故障したブレーキチョッパ(216)を検出するためにアクティブ(例えば、反復可能におよび/または連続的に実行される)であってもよい。例えば、方法(400)は、車両(100)が推進モードである間、ダイナミック制動モードである間、および任意の他の動作モードである間など、車両(100)のすべての動作モード中に実行され得る。推進モードである間は抵抗器脚部(214)を通る電流が予測されないので、推進モードである間、(402)における抵抗器脚部(214)を通る予想された電流は0A(あるいは0Aの指定されたノイズ範囲内の0ではない量)である。(406)において、車両(100)が動作の推進モードである間の指定された閾値は、車両(100)がダイナミックモードである間の指定された閾値と同じか、または異なっていてもよい。予想された電流と測定電流との間の差が指定された閾値を越える場合、方法(400)は、ブレーキチョッパ(216)の少なくとも1つが故障していると判定し、自動的に適切な改善措置を取ることができる。動作の推進モードである間、検出された故障したブレーキチョッパ(216)への適切な改善措置は、ステップ(410、411、412、および414)で示される動作を含んでいてもよい。したがって、1つの実施形態では、方法(400)および制御システム(210)は、車両(100)のすべての動作モードの間アクティブであり得る。
【0055】
他の実施形態では、車両(100)が ダイナミック制動モードである場合に限り、方法(400)および制御システム(210)はアクティブであり得る。例えば、ダイナミック制動モードへの移行は、故障したブレーキチョッパ(216)の検出を始めるための方法(400)および制御システム(210)の起動のきっかけとなり得る。
【0056】
上記の方法(400)は、故障したブレーキチョッパ(216)の検出によって、および/または抵抗器脚部(214)上の劣化した抵抗素子(例えば、抵抗器)(218)などの、グリッドボックス(212)における他の異常な構成要素の検出によって、異常な抵抗器脚部(214)を識別することができる。例えば、グリッドプレート内の部分的な短絡などにより、抵抗が許容範囲から外れるにつれて、グリッド(抵抗素子(218)を表わす)中のグリッド抵抗器は、経時的に徐々に劣化する可能性がある。グリッドボックス(212)が整備されず点検されない場合、劣化した(例えば、故障したまたは部分的に故障した)グリッド抵抗器は、ブレーキチョッパ(216)に二次損傷をもたらし得る。したがって、抵抗器が許容範囲から著しく外れる前に、劣化した抵抗器を検出することは、後のチョッパ(216)の故障を防止するために役立ち得る。
【0057】
劣化したグリッド抵抗器(例えば、抵抗素子(218))を検出するために、(406)における決定ステップは、異なる指定された閾値を使用して複数の異なる決定へと分割されてもよい。ステップ(406)における方法(400)は、第1の指定された閾値および第2の指定された閾値を有してもよく、ここで、第1の閾値は第2の閾値より小さい。非限定な例において、第1の閾値が3%、第2の閾値が10%であってもよい。抵抗器脚部(214)を通る予想された電流と測定電流との間の差が、両方の閾値(例えば、3%以下)より小さい場合、抵抗器脚部(214)は適切に機能していると判定される。一方、予想された電流と測定電流との間の差が第1の閾値より大きいが、第2の閾値より小さい(例えば、3%を超えるが10%以下である)場合、抵抗器脚部(214)は劣化した抵抗器を有すると判定され得る。最後に、予想された電流と測定電流との間の差が第2の閾値より大きい(例えば、10%より大きい)場合、抵抗器脚部(214)は故障したブレーキチョッパ(216)を有すると判定され得る。したがって、故障したブレーキチョッパ(216)は、劣化した抵抗器よりさらに、予想された電流と測定電流との間の著しい偏差を引き起こす可能性がある。ノイズまたはエラーの閾値を越える比較的小さな不一致は、部分的に劣化した抵抗器を示し、より大きい不一致は、故障したチョッパ(216)(および/または恐らく完全に故障した抵抗器)を示し得る。部分的に劣化した抵抗器(しかし、故障したチョッパ(216)ではない)の検出に応じて、方法(400)は、(409)において回転数を増加させること、(410)において車両に対する動作制限を課すこと、(411)において冷却を増大させること、(412)においてオペレーターに通知するための警告を発生すること、および/または(414)においてメンテナンスをスケジューリングすることなどの、1つ以上の改善措置を自動的に取ることができる。
【0058】
少なくとも1つの実施形態では、故障したブレーキチョッパを検出するためのシステムおよび方法が提供される。故障したブレーキチョッパは、短絡されたチョッパまたは開チョッパを指し得る。システムおよび方法は、ダイナミック制動または回生制動の動作中に、燃料の節約の利点のために減少したエンジンのアイドル回転数を含むシステムにおいて、エンジンの安定性を保証する。
【0059】
エンジンがダイナミック制動動作中にアイドリングしている間はエンジン出力が必要ではないため、燃料を節約するために、回転数は減少され得る。ダイナミック制動モードにおいて、オルタネーター整流器は、トラクションバス上のブレーキチョッパを介して調整されたリンク電圧より低い三相電圧設定値に逆バイアス(back biased)をかけられ、それは、リンクをオルタネーターから「離れた」状態に維持する。所望のリンク電圧設定値でリンクを維持するために、チョッパ調整はDC リンクにわたる有効なグリッド抵抗を調節する。オルタネーターは、リンク電圧がオルタネーターアイドル設定値まで低下すると、リンクを上げるための用意を整える。それぞれのアイドル設定値におけるエンジンおよびオルタネーターは、著しい電力需要を処理するようには設計されておらず、低いアイドル設定値で作動する間のそのような電力需要は、オルタネーターを崩壊させ、および/またはエンジンを失速させる可能性がある。車両の制動および操舵することの水力負荷など、様々な車両システムが、機能しているエンジンに依存するため、エンジン失速は望ましくない。したがって、故障したブレーキチョッパの早期発見を提供する能力は、エンジン失速の危険を大幅に減少させ、かつ車両運転を向上させることができる。
【0060】
本明細書に記載されたシステムおよび方法についての実施形態は、車両がダイナミック制動モードである間、異常な抵抗器脚部を検出することができ、それは、故障した(例えば、短絡されたまたは開いたままの)ブレーキチョッパおよび/または劣化したグリッド抵抗器を含む。例えば、システムおよび方法は、推進モードでのオルタネーターおよびエンジンに適用される電力需要に先立って、異常な抵抗器脚部の事前警告を可能にする。システムおよび方法は、異常な抵抗器脚部の駆動系制御装置に警告を出すこともある。故障したチョッパを検出する際、システムおよび方法は、エンジンの安定性を維持し、エンジンの失速および/またはオルタネーターの崩壊を防ぐために十分早期に、かつ積極的に回転数を増加させるようにエンジンを制御することができる。システムおよび方法は、ダイナミック制動モードである間、回転数の減少を可能にし、異常な抵抗器脚部によるエンジン失速の危険を軽減することによって、燃料効率を高めることができる。
【0061】
実施形態では、制御システムは、電流センサおよび1つ以上のプロセッサを含む。電流センサは、車両に搭載されて配置され、車両の抵抗器脚部へ伝えられる測定電流をモニターするように構成される。抵抗器脚部は、ブレーキチョッパおよび1つ以上の抵抗素子を有する。抵抗器脚部は、車両のトラクションバスに接続される。1つ以上のプロセッサは、電流センサに通信可能に接続される。1つ以上のプロセッサは電流センサから測定電流を受け取るように構成され、抵抗器脚部を通る予測された電流とは異なる測定電流に応じて、1つ以上のプロセッサは、車両のエンジンの回転数の増加させること、抵抗器脚部の1つ以上の抵抗素子の冷却を増大させること、車両の移動を制限すること、または抵抗器脚部のメンテナンスをスケジューリングすることのうち、1つ以上を行うように構成された制御信号を生成するように構成される。
【0062】
随意に、制御信号は、回転数を、エンジン失速を妨げるのに十分な回転数に増加させるように構成される。
【0063】
随意に、車両が電力ダイナミック制動モードから車両を推進するためにエンジンによって供給された電力が使用される推進モードに移行する前、車両はダイナミック制動モードで移動するが、制御信号はエンジンの回転数を増加させるように構成される。
【0064】
随意に、1つ以上のプロセッサは、トラクションバスに沿ったリンク電圧およびブレーキチョッパのデューティサイクルに基づいて、抵抗器脚部を通る予想された電流を計算するように構成される。随意に、1つ以上のプロセッサは、抵抗器脚部の予想された実効抵抗でリンク電圧を割ることによって、抵抗器脚部を通る予想された電流を計算するように構成される。予想された実効抵抗は、ブレーキチョッパのデューティサイクルに基づく。
【0065】
随意に、1つ以上のプロセッサは、抵抗器脚部を通る予想された電流と指定された閾値を越えて異なる測定電流に応じて、制御信号を生成するように構成される。指定された閾値は、0ではない閾値である。
【0066】
随意に、トラクションバスは、車両上の1つ以上のトラクションモーターにオルタネーターを電気的に接続する。オルタネーターは、シャフトを介してエンジンに機械的に結合される。
【0067】
随意に、予想された電流と異なる測定電流に応じて、1つ以上のプロセッサは、抵抗器脚部が異常であるとオペレーターに通知するための警告を発生するように構成される。
【0068】
随意に、予想された電流と異ならない測定電流に応じて、1つ以上のプロセッサは、エンジンの回転数を減少させるか、または現在の速度でエンジンの回転数を維持するように構成された制御信号を生成するように構成される。
【0069】
随意に、車両はオフハイウェイの陸上車両である。
【0070】
随意に、車両はハイブリッド車である。
【0071】
随意に、抵抗器脚部は、車両に搭載されたグリッドボックス内に配置された多数の抵抗器脚部の第1の抵抗器脚部である。抵抗器脚部の各々は、それぞれブレーキチョッパを含む。第1の抵抗器脚部をモニターする電流センサは、グリッドボックス中の抵抗器脚部の異なる対応する1つをモニターするようにそれぞれ構成される、多数の電流センサの第1の電流センサである。1つ以上のプロセッサは、多数の電流センサに通信可能に接続される。1つ以上のプロセッサは、電流センサからそれぞれの測定電流を受け取り、抵抗器脚部を通るそれぞれの予想された電流とは異なる測定電流のいずれかに応じて、制御信号を生成するように構成される。
【0072】
随意に、制御信号は、エンジンの回転数を、アイドル回転数からアクティブ速度に増加させるように構成される。
【0073】
一実施形態では、方法(例えば、車両の制御するための)は、車両上のトラクションバスに電気的に接続された抵抗器脚部を通る、予測された電流を計算することを含む。抵抗器脚部はブレーキチョッパを含む。方法は、抵抗器脚部を通過する予想された電流を、抵抗器脚部を通る測定電流と比較することを含む。測定電流は電流センサによって生成される。指定された閾値を越える、予期された電流と測定電流との間の差に応じて、方法はさらに、1つ以上のプロセッサを介して、車両のエンジンの回転数を増加させること、抵抗器脚部の1つ以上の抵抗素子の冷却を増大させること、車両の移動を制限すること、または抵抗器脚部のメンテナンスをスケジューリングすることのうち、1つ以上を行うように構成された制御信号を生成すること含む。
【0074】
随意に、予想された電流は、リンク電圧およびブレーキチョッパのデューティサイクルに基づいて計算される。
【0075】
随意に、制御信号は、車両がダイナミック制動モードから、エンジンによって供給された電力が車両を推進するために使用される推進モードに移行する前に、アイドル回転数からアクティブ回転数に増加するようにエンジンの回転数を増加させるように構成される。
【0076】
随意に、方法は、指定された閾値を越える差の判定に応じて、抵抗器脚部が異常であるとオペレーターに通知するための警告を発生する工程を含む。
【0077】
随意に、方法は、デューティサイクルに従って、命じられたチョッパパーセント値で抵抗器脚部の既知の公称抵抗値を割ることによって、予想された実効抵抗を計算することをさらに含む。命じられたチョッパパーセント値は、トラクションバスからブレーキチョッパを通って1つ以上の抵抗素子へと電流を伝えるために、ブレーキチョッパが閉じた状態になるように制御装置によって命じられる時間の割合を示す。
【0078】
一実施形態では、制御システムは、電流センサおよび1つ以上のプロセッサを含む。電流センサは、車両に搭載されて配置され、車両の抵抗器脚部へ伝えられる測定電流をモニターするように構成される。抵抗器脚部は、ブレーキチョッパおよび1つ以上の抵抗素子を有する。抵抗器脚部は車両のトラクションバスと接続される。1つ以上のプロセッサは、電流センサに通信可能に接続される。1つ以上のプロセッサは、電気がトラクションモーターによって生成される動作のダイナミックモード、および車両を動かすために電気がトラクションモーターに提供される動作の推進モードの両方において、車両のブレーキチョッパあるいはトラクションモーターの1つまたは両方を制御するように構成される。1つ以上のプロセッサは電流センサから測定電流を受け取り、動作のダイナミックモード中に、測定電流が抵抗器脚部を通る予想された電流と、指定された閾値を超えて異なるかどうか判定するように構成される。抵抗器脚部を通る予想された電流と指定された閾値を越えて異なる測定電流に応じて、1つ以上のプロセッサは、ダイナミックモードから推進モードに移行する前に、車両のエンジンの回転数をエンジンのアイドル回転数より上に増加させる制御信号を生成するように構成される。
【0079】
随意に、制御信号は第1の制御信号であり、1つ以上のプロセッサは、抵抗器脚部の1つ以上の抵抗素子の冷却を増大させる、第2の制御信号を生成するようにさらに構成される。
【0080】
上記説明は、最良の形態を含む発明の主題のいくつかの実施形態を開示するため、さらに、当業者が任意のデバイスまたはシステムの製作および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実行を含む、発明の主題の実施形態を実施することを可能にするために実施例を使用する。記載された説明は、例証となるものであり限定的ではない。例えば、上記実施形態(および/またはその態様)は、互いと組み合わせて使用されてもよい。さらに、発明の主題の教示に特定の状況または材料を適応させるために、その範囲から逸脱することなく多くの変更がなされてもよい。本明細書に記載の材料の寸法および型は発明の主題のパラメーターを定義するように意図されてはいるが、それらは決して限定でなく、例示的な実施形態である。他の多くの実施形態が、上記説明を考察する際に当業者にとって明白となり得る。したがって、本発明の主題の範囲は、添付の請求項を参照し、そのような請求項が付与される同等物の全範囲と共に、決定されなければならない。
【0081】
本明細書で使用されているように、単数形で記載され、「a」または「an」という語で進められる要素または工程は、前述の要素または工程の複数形を除外しないことを理解されなければならないが、そのような除外が明示的に述べられている場合を除く。さらに、本発明の主題の「1つの実施形態」への言及は、記載された特徴も組み込んでいる追加の実施形態の存在を排除するように解釈されるようには意図されていない。さらに、反対のことが明示的に述べられない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「含む」、「含んでいる」、あるいは「有する」実施形態は、その特性を有しない追加のそのような要素を含み得る。添付の請求項において、用語「含んでいる(including)」および「ここで(in which)」は、用語「含む(comprising)」および「ここで(wherein)」にそれぞれ同等のプレイン・イングリッシュとして使用される。さらに、以下の請求項において、用語「第1」、「第2」、および「第3」などは、単に標識として使用され、それらの対象に数の要件を課するようには意図されない。さらに、以下の請求項の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で書かれておらず、そのような請求項の限定が、「手段」という語句を明示的に使用し、その後にさらなる構造を欠いた機能を提示しない限り、35 U.S.C.§112(f)に基づいて解釈されるようには意図されない。