【文献】
Euglena, Japan,Bounce Up Treatment & Pack,Mintel GNPD [online],2016年08月,https://portal.mintel.com,ID#4191539
【文献】
StriVectin, USA,Intensive Concentrate for Stretch Marks & Wrinkles,Mintel GNPD [online],2012年07月,https://portal.mintel.com,ID#1837908
【文献】
Rohto Pharmaceutical, Japan,Washing Foam,Mintel GNPD,2009年03月,https://portal.mintel.com,ID#1226022
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.口腔用又は外用組成物
本発明の口腔用又は外用組成物は、ハッカ油(以下、(A)成分と表記することがある)と、ホスホコリン基含有重合体(以下、(B)成分と表記することがある)と、第四級アンモニウム塩(以下、(C)成分と表記することがある)と、水(以下、(D)成分と表記することがある)とを含有することを特徴とする。以下、本発明の口腔用又は外用組成物について詳述する。
【0012】
(A)ハッカ油
本発明の口腔用又は外用組成物は、(A)成分としてハッカ油を含有する。ハッカ油は、ハッカの地上部を水蒸気蒸留して得られる油を冷却し、固形分を除去した精油であり、CAS No.8006−90−4としても知られている公知の成分である。
【0013】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(A)成分の含有量については、特に制限されず、付与すべきハッカ油の作用の程度等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.01〜2重量%、好ましくは0.03〜1重量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%が挙げられる。
【0014】
(B)ホスホコリン基含有重合体
本発明の口腔用又は外用組成物は、(B)成分として、ホスホコリン基含有重合体を含有する。
【0015】
ホスホコリン基含有重合体とは、ホスホコリン基を含む単量体(以下、「ホスホコリン基含有単量体」と表記することがある)が重合したポリマーであり、保湿作用等を有する公知の成分である。
【0016】
ホスホコリン基含有重合体において、ホスホコリン基含有単量体の種類については、特に制限されないが、例えば、ホスホコリン基とビニル基を有する単量体が挙げられる。ホスホコリン基含有単量体として、より具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルエタノールアミン等が挙げられる。ホスホコリン基含有重合体において、ホスホコリン基含有単量体は1種単独で含まれていてもよく、また2種以上組み合わされて含まれていてもよい。これらのホスホコリン基含有単量体の中でも、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、好ましくは2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが挙げられる。
【0017】
本発明で使用されるホスホコリン基含有重合体は、1種のホスホコリン基含有単量体からなる単重合体であってもよく、また2種以上の単量体からなる共重合体であってもよい。
【0018】
ホスホコリン基含有重合体が共重合体である場合、2種以上のホスホコリン基含有単量体からなる共重合体であってもよく、また少なくとも1種のホスホコリン基含有単量体と少なくとも1種のホスホコリン基含有単量体以外の単量体からなる共重合体であってもよい。
【0019】
ホスホコリン基含有重合体に含まれるホスホコリン基含有単量体以外の単量体の種類については、薬学的に許容されるものであってホスホコリン基含有単量とラジカル重合可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ビニル基を有する単量体が挙げられる。ホスホコリン基含有単量体以外の単量体として、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メタクリル酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。ホスホコリン基含有重合体において、ホスホコリン基含有単量体以外の単量体は1種単独で含まれていてもよく、また2種以上組み合わされて含まれていてもよい。これらのホスホコリン基含有単量体以外の単量体の中でも、保湿作用を有効に発揮させつつハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、好ましくはアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム、更に好ましくはアルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくはアルキル基の炭素数が3〜5のアルキル(メタ)アクリレート、特に好ましくはブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及び/又はアクリレートを示す。
【0020】
本発明で使用されるホスホコリン基含有重合体として、具体的には、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン単重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体(ポリクオタニウム−51)、2−メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン・メタエリル酸ブチル・メタエリル酸ナトリウム共重合体(ポリクオタニウム−65)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム−64)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体(ポリクオタニウム−61)等が挙げられる。なお、ホスホコリン基含有重合体に関する前記表記において、括弧内の名称は化粧品成分表示名称を示す。
【0021】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(B)成分として、1種のホスホコリン基含有重合体を使用してもよく、また2種以上のホスホコリン基含有重合体を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
これらの(B)成分の中でも、保湿作用を有効に発揮させつつハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン単重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム共重合体;更に好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム共重合体;特に好ましくは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体が挙げられる。
【0023】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(B)成分の含有量については、特に制限されないが、例えば、(B)成分の総量で0.05〜1重量%が挙げられる。保湿作用を有効に発揮させつつハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、(B)成分の総量で、好ましくは0.05〜0.5重量%、更に好ましくは0.05〜0.3重量%、更に好ましくは0.05〜0.25重量%が挙げられる。
【0024】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の比率については、(A)成分及び(B)成分の各含有量に応じて定まるが、例えば、(A)成分1重量部当たり、(B)成分の総量が0.025〜50重量部が挙げられる。(A)成分に対する(B)成分の比率として、保湿作用を有効に発揮させつつハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、(A)成分の総量1重量部当たり、(B)成分の総量が、好ましくは0.05〜20重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部が挙げられる。
【0025】
(C)第四級アンモニウム塩
本発明の口腔用又は外用組成物は、(C)成分として、第四級アンモニウム塩を含有する。このように第四級アンモニウム塩を含有させることによって、ハッカ油とホスホコリン基含有重合体を共存させて保存した際に生じるハッカ油の析出物の生成を抑制することが可能になる。
【0026】
本発明で使用される第四級アンモニウム塩の種類については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、殺菌作用を有する第四級アンモニウム塩を好適に使用できる。このような第四級アンモニウム塩としては、具体的には、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム等が挙げられる。
【0027】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(C)成分として、1種の第四級アンモニウム塩を使用してもよく、また2種以上の第四級アンモニウム塩を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
これらの(C)成分の中でも、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、好ましくは、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、及び塩化ベンザルコニウム、更に好ましくは塩化セチルピリジニウム及び塩化ベンゼトニウム、が挙げられ、特に好ましくは塩化セチルピリジニウムが挙げられる。
【0029】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(C)成分の含有量については、使用する(C)成分の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、(C)成分の総量で0.005重量%以上、好ましくは0.005〜2重量%が挙げられる。
【0030】
より具体的には、(C)成分として塩化セチルピリジニウムを使用する場合であれば、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、塩化セチルピリジニウムの含有量として、通常0.01重量%以上、好ましくは0.01〜2重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%が挙げられる。
【0031】
また、(C)成分として塩化ベンゼトニウムを使用する場合であれば、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、塩化ベンゼトニウムの含有量として、通常0.005重量%以上、好ましくは0.005〜2重量%、更に好ましくは0.008〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%が挙げられる。
【0032】
また、(C)成分として塩化ベンザルコニウムを使用する場合であれば、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、塩化ベンザルコニウムの含有量として、通常0.005重量%以上、好ましくは0.005〜2重量%、更に好ましくは0.008〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%が挙げられる。
【0033】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(A)成分に対する(C)成分の比率については、(A)成分及び(C)成分の各含有量に応じて定まるが、例えば、(A)成分1重量部当たり、(C)成分の総量が0.001重量部以上が挙げられる。
【0034】
より具体的には、(C)成分として塩化セチルピリジニウムを使用する場合であれば、(A)成分に対する塩化セチルピリジニウムの比率として、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、(A)成分の1重量部当たり、塩化セチルピリジニウムが0.002重量部以上、好ましくは0.005〜200重量部、更に好ましくは0.01〜34重量部、特に好ましくは0.02〜10重量部が挙げられる。
【0035】
また、(C)成分として塩化ベンゼトニウムを使用する場合であれば、(A)成分に対する塩化ベンゼトニウムの比率として、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、(A)成分の1重量部当たり、塩化セチルピリジニウムが0.001重量部以上、好ましくは0.0025〜200重量部、更に好ましくは0.008〜34重量部、特に好ましくは0.02〜10重量部が挙げられる。
【0036】
また、(C)成分として塩化ベンザルコニウムを使用する場合であれば、(A)成分に対する塩化ベンザルコニウムの比率として、ハッカ油の析出物の生成抑制効果をより一層向上させるという観点から、(A)成分の総量1重量部当たり、塩化ベンザルコニウムが0.001重量部以上、好ましくは0.0025〜200重量部、更に好ましくは0.008〜34重量部、特に好ましくは0.02〜10重量部が挙げられる。
【0037】
(D)水
本発明の口腔用又は外用組成物は、基剤として水を含有する。前記(A)成分は、(B)成分と水存在下で共存する状態で保存すると、析出を生じる傾向を示すが、本発明の口腔用又は外用組成物によれば、このような(A)成分の析出を効果的に抑制することができる。
【0038】
本発明の口腔用又は外用組成物において、(D)成分の含有量については、その製剤形態等に応じて適宜設定されるが、例えば、1〜95重量%、好ましくは3〜95重量%、更に好ましくは5〜95重量%が挙げられる。
【0039】
その他の成分
本発明の口腔用又は外用組成物は、前述する成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、口腔用又は外用組成物の製剤形態に応じて、当該技術分野で通常使用される成分を含有していてもよい。このような成分としては、例えば、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、消炎剤、研磨剤、グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)阻害剤、プラーク抑制剤、知覚過敏抑制剤、歯石予防剤、歯質強化/再石灰化剤、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、血行促進剤、増粘剤、湿潤剤、賦形剤、香料、甘味剤、色素、消臭剤、界面活性剤、溶剤、pH調整剤等が挙げられる。
【0040】
防腐剤、殺菌剤、抗菌剤としては、例えば、ヒノキチオール、安息香酸類、サリチル酸類、ソルビン酸類、パラベン類、塩化クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化リゾチーム、塩酸クロルヘキシジン、ヨウ化カリウム等が挙げられる。
【0041】
消炎剤としては、例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸メチル、グリチルリチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリル、グリチルレチン酸モノグルクロニド、アラントイン、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アズレン、塩化ナトリウム、ビタミン類等が挙げられる。
【0042】
研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸、含水ケイ酸、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、結晶セルロース、ポリエチレン末、炭粒等が挙げられる。
【0043】
GTase阻害剤としては、例えば、アカバナ科マツヨイグサ属植物の抽出物、ブドウ科ブドウ属植物の抽出物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、タステイン、タンニン類、エラグ酸、ポリフェノール、ウーロン茶抽出物、緑茶抽出物、センブリ、タイソウ、ウイキョウ、芍薬、ゲンチアナ、センソ、龍胆、黄連等が挙げられる。
【0044】
プラーク抑制剤としては、例えばクエン酸亜鉛やグルコン酸等が挙げられる。
【0045】
知覚過敏抑制剤としては、例えば、硝酸カリウム、塩化ストロンチウム等が挙げられる。
【0046】
歯石予防剤としては、例えば、ポリリン酸塩類、ゼオライト、エタンヒドロキシジホスフォネート等が挙げられる。
【0047】
歯質強化/再石灰化剤としては、例えば、フッ素、フッ化ナトリウム、フルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ等が挙げられる。
【0048】
抗ヒスタミン剤としては、例えば、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等が挙げられる。
【0049】
局所麻酔剤としては、例えば、プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等が挙げられる。
【0050】
血行促進剤としては、例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等が挙げられる。
【0051】
増粘剤としては、例えば、プルラン、プルラン誘導体、デンプン等の多糖類;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩類(カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム等)、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体等)、メタアクリル酸類の共重合体(メタアクリル酸とアクリル酸 n−ブチルの重合体、メタアクリル酸とメタアクリル酸メチルの重合体及びメタアクリル酸とアクリル酸エチルの重合体等)等のセルロース系高分子物質;カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子物質;レクチン、アルギン酸、アルギン酸塩(アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸トリイソプロパノールアミン、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ブチルアミン、アルギン酸ジアミルアミン等)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、寒天、キトサン、カラギーナン等の天然系高分子物質;コラーゲン、ゼラチン等のアミノ酸系高分子物質;アラビアガム、カラヤガム、トラガカントガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、ジェランガム等のゴム系高分子物質等が挙げられる。
【0052】
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクトール、エリスリトール等が挙げられる。
【0053】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、マンニトール、デンプン、デキストリン、結晶セルロース、シリカ(軽質無水ケイ酸等)等が挙げられる。
【0054】
香料としては、例えば、天然香料(ウイキョウ油等)、合成香料、これらの調合香料等が挙げられる。
【0055】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、アスパルテーム、キシリトール、水飴、蜂蜜、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、糖類(乳糖、白糖、果糖、ブドウ糖等)等が挙げられる。
【0056】
色素としては、例えば、天然色素、合成色素、これらの混合物が挙げられる。
【0057】
消臭剤としては、例えば、塩化亜鉛、銅クロロフィリンナトリウム、コーヒー生豆抽出物、ゴボウパウダー、緑茶、焙煎米糠エキス等が挙げられる。
【0058】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、N−ミリストリルサルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム等の陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、2-アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等の両性界面活性剤;塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0059】
溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソプロパノール等の1価アルコール等が挙げられる。
【0060】
pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸、安息香酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
【0061】
本発明の口腔用又は外用組成物において、これらの成分を含有させる場合、その含有量については、当該技術分野で通常使用される範囲で適宜設定すればよい。
【0062】
pH
また、本発明の口腔用又は外用組成物のpHについては、口腔内への適用又は経皮適用が許容される範囲で適宜設定すればよいが、例えば、4〜8、好ましくは5〜7.5、更に好ましくは6〜7が挙げられる。ここで、pHとは、25℃の温度条件下で測定される値である。
【0064】
本発明の口腔用又は外用組成物は、口腔内に適用される口腔用組成物、又は経皮適用される外用組成物のいずれであってもよいが、好ましくは口腔用組成物が挙げられる。
【0065】
本発明の口腔用又は外用組成物の剤型については、口腔内への適用又は経皮適用が可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、液状又は半固形状(ゲル状、ペースト状)が挙げられる。
【0066】
本発明の口腔用又は外用組成物を口腔用組成物にする場合、その製剤形態については、口腔内に適用されて口腔内で一定時間滞留し得るものである限り特に制限されないが、例えば、液体歯磨剤、液状歯磨剤、練歯磨剤、洗口液(液体歯磨剤、洗口液は、一般にマウスリンス、マウスウォッシュ、デンタルリンス等と呼称されることがある)、口中清涼剤(マウススプレー等)、口腔用軟膏剤等の口腔衛生剤が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液体歯磨剤、液状歯磨剤、練歯磨剤、洗口液、更に好ましくは液体歯磨剤、練歯磨剤、洗口液が挙げられる。
【0067】
また、本発明の口腔用又は外用組成物を外用組成物にする場合、その製剤形態については、特に制限されないが、例えば、ジェル剤、クリーム剤、ローション剤、乳液剤、液剤、貼付剤、エアゾール剤、軟膏剤、パック剤等の皮膚外用医薬品;ゲル、クリーム、乳液、化粧水、ローション、パック、軟膏等の化粧料;ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、リンス等の皮膚洗浄料等が挙げられる。これらの製剤形態の中でも、好ましくは皮膚外用医薬品及び化粧料、更に好ましくはジェル剤、クリーム剤、ローション剤、乳液剤等の皮膚外用医薬品;ゲル、クリーム、乳液、ローション等の化粧料が挙げられる。
【0068】
また、本発明の口腔用又は外用組成物の性状については、特に制限されないが、透光性、とりわけ透明性(有色透明及び無色透明の双方を含む)であることが望ましい。透光性(特に、透明性)を有する口腔用又は外用組成物では、生成した析出物が視認され易く、外観の悪化を感じ易くなるが、本発明の口腔用又は外用組成物では、析出物の生成を抑制できるので、透光性(特に、透明性)を有する性状であっても、良好な外観を維持することができる。
【0069】
2.ハッカ油の析出抑制剤、及びハッカ油の析出抑制方法
前述するように、第四級アンモニウム塩は、ハッカ油、ホスホコリン基含有重合体及び水を含む口腔用又は外用組成物において、ハッカ油の析出を抑制することができる。従って、本発明は、更に、ハッカ油、ホスホコリン基含有重合体、及び水を含む口腔用又は外用組成物におけるハッカ油の析出を抑制するために使用される析出抑制剤であって、第四級アンモニウム塩を有効成分とする析出抑制剤を提供する。また、本発明は、ハッカ油、ホスホコリン基含有重合体、及び水を含む口腔用又は外用組成物において、口腔用又は外用組成物に、ハッカ油とホスホコリン基含有重合体と水と共に、第四級アンモニウム塩を配合する、析出抑制方法を提供する。
【0070】
前記析出抑制剤は第四級アンモニウム塩の添加剤としての用途であり、また、前記析出抑制方法は、第四級アンモニウム塩を利用して、ハッカ油、ホスホコリン基含有重合体、及び水を含む口腔用又は外用組成物におけるハッカ油の析出を抑制する方法である。
【0071】
前記析出抑制剤及び析出抑制方法において、使用する成分の種類や使用量、口腔用組成物の形態等については、前記「1.口腔用又は外用組成物」の欄に示す通りである。
【実施例】
【0072】
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
試験例1
表1に示す組成の液剤を50℃の温度条件下で調製し、得られた液剤5mLをガラス製スクリュー管瓶(容量6mL)に充填し、遮光条件下で、4℃で3日間静置した。3日間静置後の各液剤の外観を観察し、以下に示す判定基準に従って、析出物の生成の程度を評価した。なお、調製直後の液剤は、いずれも析出物が認められず、澄明な外観であった。
<析出物の生成の程度の判定基準>
◎:析出物は全く認められず、澄明な状態が維持できている。
○:僅かにだけ析出物が生成していたが、全体的に澄明な状態が維持できている。
×:析出物が多く生成しており、澄明な状態が失われている。
××:析出物が著しく多く生成しており、澄明な状態が失われている。
【0074】
得られた結果を表1に示す。ハッカ油を単独で含む液剤(参考例1)では、保存後に析出物の生成は認められなかった。一方、ハッカ油と2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を含む液剤(比較例1及び2)では、保存後に析出物の生成が認められた。これに対して、ハッカ油と2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体と共に、第四級アンモニウム塩(塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、及び/又は塩化ベンゼトニウム)を含む液剤(実施例1〜12)では、保存後に析出物の生成を抑制できており、澄明な外観性状を維持できていた。なお、試験例1と同様の方法で表1に示す組成の液剤を調製し、遮光条件下で、25℃で3日間静置して評価したところ、析出物の生成の程度について同様の傾向が見られた。
【0075】
【表1】
【0076】
製剤例
表2に示す組成の練歯磨剤、表3に示す組成の洗口液又は液体歯磨剤、表4に示す組成のマウススプレー、表5に示す組成の口腔用軟膏剤、表6に示す組成の口腔用液剤、表7に示す組成の外用ローション剤、表8に示す組成の外用ジェル剤、表9に示す組成の外用クリーム剤、及び表10に示す組成の外用乳液剤を製造した。なお、表2〜10において、各成分の含有量の単位は、重量%である。得られた各口腔用組成物及び外用組成物については、いずれも保存後に析出物の生成を抑制できていた。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【表7】
【0083】
【表8】
【0084】
【表9】
【0085】
【表10】