特許第6970397号(P6970397)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6970397
(24)【登録日】2021年11月2日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】粒状体供給装置および粒状体供給方法
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/46 20060101AFI20211111BHJP
   B07B 1/28 20060101ALI20211111BHJP
   B03B 5/00 20060101ALI20211111BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   B07B1/46 K
   B07B1/28 B
   B03B5/00 Z
   B01J4/00 105D
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-127102(P2020-127102)
(22)【出願日】2020年7月28日
【審査請求日】2020年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134979
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 博
(74)【代理人】
【識別番号】100167427
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 進太郎
【審査官】 塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−192532(JP,A)
【文献】 実開昭52−137371(JP,U)
【文献】 特開2011−183338(JP,A)
【文献】 特開昭61−211226(JP,A)
【文献】 特許第2731515(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00−15/00
B03B 1/00−13/06
B01J 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、
軸方向の一端に設けられた排出開口を通して、前記篩装置の内部の中空な空間と連通された円筒状の空間を有する供給部と、
該供給部の空間に対して流体とともに粒状体を供給する流体供給部と、
該流体供給部と前記供給部とを連通する配管と、を備えており、
前記供給部は、
前記排出開口が前記篩装置の篩網の上方かつ該篩網と対向するように前記篩装置に接続されており、
前記配管は、
その一端が前記供給部の側面に設けられた供給開口に接続されており、
該供給開口との接続位置における該配管の中心軸の延長線が前記供給部の空間の中心軸を通らないように配設されており、
前記流体供給部は、
前記供給部の内面に沿って流れる旋回流を形成する流速の流体を供給するものである
ことを特徴とする粒状体供給装置。
【請求項2】
前記流体供給部は、
粒状体を収容する容器を備えており、
前記配管は、
前記供給部と前記流体供給部の容器とを接続しており、
前記流体供給部は、
前記容器に流体を供給して該容器から流体とともに粒状体を供給するように設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の粒状体供給装置。
【請求項3】
前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、
前記流体供給部の容器が、
前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の粒状体供給装置。
【請求項4】
前記流体供給部は、
粒状体を収容する容器を備えており、
前記配管は、
前記供給部と前記流体供給部の容器とを接続しており、
該流体供給部の容器との接続位置から上方に延びる部分を有するように配設されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の粒状体供給装置。
【請求項5】
篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給方法であって、
前記篩装置には、
軸方向の一端に設けられた排出開口を通して、前記篩装置の内部の中空な空間と連通された円筒状の空間を有する供給部が接続されており、
該供給部は、
前記排出開口が前記篩装置の篩網の上方かつ該篩網と対向するように前記篩装置に接続されており、
前記供給部の側面に設けられた供給開口から該供給部の空間の中心軸を通らず、かつ、該供給部の内面に沿って旋回流を形成する流速の流体とともに粒状体を該供給部内の空間に供給する
ことを特徴とする粒状体供給方法。
【請求項6】
前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、
前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収する容器から流体とともに粒状体を該供給部内の空間に供給する
ことを特徴とする請求項5記載の粒状体供給方法。
【請求項7】
前記粒状体が水アトマイズ装置による粒状体の形成を継続しながら、前記容器から流体とともに粒状体を該供給部内の空間に供給する
ことを特徴とする請求項6記載の粒状体供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状体供給装置および粒状体供給方法に関する。さらに詳しくは、粒径の異なる粒状体を分粒する振動篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置および粒状体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
含油軸受等の機械部品では、粉体を焼結して得られる焼結金属に潤滑油を含侵させて製造される。かかる焼結金属に使用される金属粉末を製造する方法としてアトマイズ装置を用いた金属粉末の製造方法が使用される。例えば、水アトマイズ装置を用いた金属粉末の製造では、金属材料を溶かして水アトマイズ装置に供給される。水アトマイズ装置では、金属材料を溶かした金属のみからなる液体に高圧水を噴射衝突させる。すると、細かな金属粉(アトマイズ粉)が製造され、製造された金属粉は水とともに回収ポットに回収される。
【0003】
水アトマイズ装置によって製造された金属粉は、その粒径が揃っていないため、粒径の小さい粒状体(数μm程度)と粒径の大きい粒状体(数mm程度)が混在している。かかる金属粉を含油軸受等の機械部品に使用する場合、機械部品の成形性や加工性を向上させるためには、ある程度粒径を揃えた金属粉を供給することが必要になる。そこで、水とともに回収ポットに回収された金属粉は、振動篩装置などに供給されて、粒径によって分粒される。
【0004】
分粒に使用される振動篩装置として、例えば、特許文献1、2等に記載されたものが使用される。この振動篩装置は、篩本体と、篩本体内部に設置された篩網を備えており、篩本体には、篩網の上部に原料供給口が設けられており、篩網の下部に分粒材排出口が設けられている。そして、篩本体を振動させる振動付与手段が設けられており、振動付与手段を作動させることによって、篩本体とともに篩網を振動させることができるようになっている。
【0005】
この振動篩装置に回収ポットで回収された金属粉を原料供給口から供給すれば、篩網を通過する粒径の金属粉は分粒材排出口から排出され、篩網を通過できない粒径の金属粉は篩網上に残される。したがって、水アトマイズ装置によって製造された粒径の揃っていない金属粉を、振動篩装置によって分粒することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭52−137371号公報
【特許文献2】特許第2731515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
振動篩装置の原料供給口から供給された金属粉は篩網上に落下するが、通常、金属粉が篩網の中心近傍に落下するように原料供給口が配置される。すると、篩網の中心近傍に金属粉が溜まってしまうため分粒する効率が悪くなる。
【0008】
また、金属粉が篩網の中心近傍に落下するため、篩網の中心近傍は金属粉の落下による衝撃や摩耗により損傷しやすい。一方、篩網の周辺部は振動によって中心近傍から金属粉が移動していくだけであり、それほど損傷しない。すると、篩網は、周辺部は使用できる状態でも、中心近傍の損傷によって交換しなければならないため、篩網全体を有効活用できない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、篩網の損傷を抑制でき、分粒を効果的に実施できる粒状体供給装置および粒状体供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
<粒状体供給装置>
第1発明の粒状体供給装置は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給装置であって、軸方向の一端に設けられた排出開口を通して、前記篩装置の内部の中空な空間と連通された円筒状の空間を有する供給部と、該供給部の空間に対して流体とともに粒状体を供給する流体供給部と、該流体供給部と前記供給部とを連通する配管と、を備えており、前記供給部は、前記排出開口が前記篩装置の篩網の上方かつ該篩網と対向するように前記篩装置に接続されており、前記配管は、その一端が前記供給部の側面に設けられた供給開口に接続されており、該供給開口との接続位置における該配管の中心軸の延長線が前記供給部の空間の中心軸を通らないように配設されており、前記流体供給部は、前記供給部の内面に沿って流れる旋回流を形成する流速の流体を供給するものであることを特徴とする。
第2発明の粒状体供給装置は、第1発明において、前記流体供給部は、粒状体を収容する容器を備えており、前記配管は、前記供給部と前記流体供給部の容器とを接続しており、前記流体供給部は、前記容器に流体を供給して該容器から流体とともに粒状体を供給するように設けられていることを特徴とする。
第3発明の粒状体供給装置は、第1または第2発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、前記流体供給部の容器が、前記水アトマイズ装置の下方に配設され、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収するように配設されていることを特徴とする。
第4発明の粒状体供給装置は、第1、第2または第3発明において、前記流体供給部は、粒状体を収容する容器を備えており、前記配管は、前記供給部と前記流体供給部の容器とを接続しており、該流体供給部の容器との接続位置から上方に延びる部分を有するように配設されていることを特徴とする。
<粒状体供給方法>
第5発明の粒状体供給方法は、篩網によって粒状体を分粒する篩装置に対して粒状体を供給する粒状体供給方法であって、前記篩装置には、軸方向の一端に設けられた排出開口を通して、前記篩装置の内部の中空な空間と連通された円筒状の空間を有する供給部が接続されており、該供給部は、前記排出開口が前記篩装置の篩網の上方かつ該篩網と対向するように前記篩装置に接続されており、前記供給部の側面に設けられた供給開口から該供給部の空間の中心軸を通らず、かつ、該供給部の内面に沿って旋回流を形成する流速の流体とともに粒状体を該供給部内の空間に供給することを特徴とする。
第6発明の粒状体供給方法は、第5発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置によって形成されたものであり、前記水アトマイズ装置によって形成された粒状体を回収する容器から流体とともに粒状体を該供給部内の空間に供給することを特徴とする。
第7発明の粒状体供給方法は、第6発明において、前記粒状体が水アトマイズ装置による粒状体の形成を継続しながら、前記容器から流体とともに粒状体を該供給部内の空間に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
<粒状体供給装置>
第1発明によれば、流体供給部によって配管を介して流体とともに粒状体が供給部に供給されれば、流体は供給部の内面に沿って旋回流を形成して、篩装置内に流入する。粒状体の大きさや重量、また流れ場に対する位置に応じて、粒状体に加わる遠心力が異なるので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分の損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第2発明によれば、所望の粒状体を容器に収容しておけば、流体供給部から供給される流体とともに粒状体を供給部に供給することができる。
第3発明によれば、水アトマイズ装置によって形成された粒状体の容易に分粒できる。
第4発明によれば、粒状体を液体と混合したスラリーとして供給部に供給する際に空気の混入を防止できる。
<粒状体供給方法>
第5発明によれば、流体とともに粒状体が供給部に供給されれば、流体は供給部の内面に沿って旋回流を形成して、篩装置内に流入する。粒状体の大きさや重量、また流れ場に対する位置に応じて、粒状体に加わる遠心力が異なるので、篩網の広い領域に粒状体を供給することができる。すると、篩網の特定の部分だけの損傷だけが進むことを防止しできるので、篩網の寿命を長くできる。また、粒状体がある程度固まって篩網上に供給される場合に比べて、粒状体を分粒する効率を向上することができる。
第6、第7発明によれば、水アトマイズ装置によって形成された粒状体の容易に分粒できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の粒状体供給装置10を採用した設備1の概略説明図である。
図2】振動篩装置5の概略説明図であり、(A)は断面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図であり、(C)は(A)のB−B線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の粒状体供給装置は、篩装置の篩網に粒状体を供給する装置であって、粒状体の分粒効率を向上させ、かつ、篩網の損傷を抑制することができるようにしたことに特徴を有している。
【0014】
本実施形態の粒状体供給装置によって篩装置に供給される粒状体はとくに限定されない。例えば、アトマイズ法によって製造される銅や錫などの合金等の金属粉や、セラミックスや樹脂等の素材からなる粉体等をあげることができる。
また、粒状体の粒径もとくに限定されない。例えば、数10μm〜数百μm程度の粒径を有するもの等を挙げることができる。
【0015】
また、本実施形態の粒状体供給装置が採用される設備もとくに限定されない。例えば、ホッパー等の設備のように、金属粉等の粒状体が貯留される設備において、粒状体を分粒する篩装置に粒状体を供給する装置として使用することができる。
【0016】
また、本実施形態の粒状体供給装置では、金属粉等の粒状体を水等の液体に混合したスラリーとして篩装置に供給する場合(湿式処理)と、金属粉等の粒状体を気体とともに篩装置に供給する場合(乾式処理)と、のいずれでも使用することが可能である。
【0017】
以下では、水アトマイズ法によって製造される金属粉を、水と混合したスラリーとして篩装置に供給する場合を代表として説明する。
【0018】
<粒状体供給装置10を設けた設備1>
図1において、符号2は、設備1における水アトマイズ装置を示している。この水アトマイズ装置2は、溶融された金属に高圧水を噴射衝突させることによって細かな金属粉を製造するものである。この水アトマイズ装置2で生成された金属粉mは、水アトマイズ装置2の下方に設置された容器2aに落下して回収される。
なお、容器2aは、特許請求の範囲にいう流体供給部15の容器に相当する。
【0019】
水アトマイズ装置2の容器2aは、粒状体供給装置10の配管12と供給部11を介して振動篩装置5の本体部6に形成された粒状体供給口6aに連通されている(図2(A)参照)。なお、容器2aには、容器2a内に水を供給する粒状体供給装置10の流体供給部15の流体供給装置16が配管15pを介して連通されている。
【0020】
図2に示すように、振動篩装置5は、中空な空間6hを有する本体部6を備えている。本体部6の中空な空間6hは粒状体供給口6aを通して粒状体供給装置10の供給部11と連通されている。この本体部6は、中空な空間6hを上下に分割するように篩網7が設けられている。なお、粒状体供給口6aは、篩網7の中央部の上方に位置するように設けられている。また、本体部6における篩網7よりも上方の側面には、篩網7上の金属粉mを外部に排出するための第一排出口6cが設けられている。一方、本体部6の下端部、つまり、本体部6の篩網7よりも下方の部分には、篩網7を通過した金属粉mや水を外部に排出するための第二排出口6bが設けられている。そして、振動篩装置5は、図示しないが、本体部6に振動を加える振動発生部を備えている。
【0021】
設備1が上記のごとき構成を有しているので、以下のようにすれば、溶融された金属から水アトマイズ装置2によって形成された金属粉mを分粒して回収することができる。
【0022】
まず、水アトマイズ装置2に溶融された金属を供給して、金属粉mを形成すれば、金属粉mと水Wが容器2a内に溜まっていく。そして、一定以上の金属粉mが容器2a内に溜まれば、水アトマイズ装置2の作動を停止する。そして、容器2a内に溜まっている水Wを排水して、容器2a内には金属粉mだけが貯留されている状態とする。
【0023】
その後、粒状体供給装置10の流体供給部15から配管15pを通して水を容器2aに供給すれば、容器2a内の金属粉mは水と混合されたスラリーSの状態で、粒状体供給装置10の配管12と供給部11を通過して、振動篩装置5の本体部6の中空な空間6h内に供給される。なお、このとき供給する水は、容器2a内に溜まっていた水W(上澄み水)を使用してもよいし、工業用水を使用してもよい。
【0024】
すると、スラリーSは篩網7上に落下するので、スラリーSに含まれる金属粉mのうち、篩網7の目開きよりも大きい金属粉mは篩網7上に残り、篩網7の目開きよりも小さい金属粉mは水とともに篩網7を通過して第二排出口6bから外部に排出される。
【0025】
一方、金属粉mは完全な球形ではないので、短径は篩網7の目開きよりも小さくても長径が篩網7の目開きよりも大きい金属粉mは篩網7上に残る。また、単体では篩網7の目開きよりも小さい複数の金属粉m同士が水によってくっついて篩網7の目開きよりも大きい塊となっている場合も、金属粉m(つまり塊)は篩網7上に残る。
【0026】
しかし、振動発生部によって振動篩装置5の本体部6に振動を加えれば、金属粉mの姿勢を変化させることができるので、短径が篩網7の目開きよりも小さいものを篩網7に通過させることができる。また、水によってくっついている複数の金属粉mも分離できるので、塊を形成していた金属粉mのうち篩網7の目開きよりも小さい金属粉mを篩網7に通過させることができる。
【0027】
また、振動発生部によって振動篩装置5の本体部6に振動を加えれば、篩網7上の金属粉mを篩網7上に沿って移動させることができるので、篩網7上の金属粉mを第一排出口6cから外部に排出することができる。
【0028】
なお、上記例では、容器2a内に溜まっている水Wを排水してから粒状体供給装置10の流体供給部15によって容器2aに水を供給したが、容器2a内に水Wが溜まっている状態で粒状体供給装置10の流体供給部15によって容器2aに水を供給してもよい。この場合、容器2a内から水Wを排水せずに流体供給部15によって容器2aに水を供給してもよいし、容器2a内からある程度の量の水Wを排水してから流体供給部15によって容器2aに水を供給してもよい。
【0029】
また、上記例では、水アトマイズ装置2の作動を停止してから粒状体供給装置10の流体供給部15によって容器2aに水を供給した場合を説明した(バッチ処理)。水アトマイズ装置2を作動したまま粒状体供給装置10の流体供給部15によって容器2aに水を供給してもよい。この場合、金属粉mの製造と分粒を連続して実施することができる(連続処理)。
【0030】
<粒状体供給装置10>
以下では、粒状体供給装置10について詳しく説明する。
図1に示すように、粒状体供給装置10は、供給部11と、配管12と、流体供給部15と、を備えている。
【0031】
<供給部11>
図2に示すように、供給部11は、下端が開口し上端が閉塞した内部に円筒状(つまり内面が円筒状面)の空間11hを有する部材である。この供給部11は、その下端の排出開口11aが振動篩装置5の本体部6の粒状体供給口6aに取り付けられている。つまり、供給部11は、振動篩装置5の本体部6の粒状体供給口6aを塞ぐように、その排出開口11aが粒状体供給口6aに取り付けられている。この供給部11の側面には配管12が接続される供給開口11bが形成されている。この供給開口11bは、その中心軸sが供給部11の中心軸CLに対して半径方向に偏った位置に設けられている(図2(B)参照)。
【0032】
<配管12>
図1に示すように、配管12は、水アトマイズ装置2の容器2aと供給部11とを繋ぐように設けられている。具体的には、容器2aの側面に設けられた開口と供給部11の側面に設けられた供給開口11bとを繋ぐように、配管12は設置されている。つまり、容器2a内部と供給部11内部とは、配管12によって連通されている。しかも、配管12は、供給部11の供給開口11bの位置において、その中心軸の延長線(図2(B)の線a)が供給部11の中心軸CLを通らないように供給部11の供給開口11bに接続されている。このため、配管12を通してスラリーSが供給部11内に供給されると、スラリーSは供給部11の内面に沿って流れる(図2(B))。つまり、供給部11内には、配管12と通して供給されたスラリーSが螺旋状に流れて振動篩装置5の本体部6内に供給されるようになっている(図2(A))。
【0033】
<流体供給部15>
流体供給部15は、容器2aと、配管15p内にある程度の流速で水を流すことができる流体供給装置16と、この流体供給装置16と容器2aとを連通する配管15pと、を備えている。この流体供給部15は、金属粉mと水とが混合したスラリーSを、容器2aから供給部11に送液するものである。この流体供給部15の流体供給装置16は、金属粉mと水とが混合したスラリーSを容器2aから供給部11に送液でき、かつ、ある程度の流速を有する状態で供給部11にスラリーSを供給できるものであればよく、とくに限定されない。例えば、一般的なポンプ等を使用することができる。ここでいう「ある程度の流速」とは、供給部11内において、供給部11内面に沿ってスラリーSが旋回流を形成できる程度の流速を意味している。
【0034】
以上のような構成であるので、流体供給部15から配管15pを通して水を容器2a内に供給すれば、金属粉mと水とが混合したスラリーSが配管12を通って供給部11に流入する。
【0035】
供給部11の空間11h内に流入したスラリーSはある程度の流速を有しており、供給部11の供給開口11bの位置において、供給開口11bの中心軸sおよび配管12の軸方向の延長線aが、供給部11の中心軸CLを通らないように設けられている。このため、供給部11の空間11h内に流入したスラリーSは、供給部11の内面に沿って旋回しながら下方に移動するように流れる(図2(A),(B)参照)。このスラリーSが振動篩装置5の本体部6の粒状体供給口6aから中空な空間6h内に入ると、本体部6の中空な空間6h内において、スラリーS中の水は本体部6の中心軸から離れるように飛散する。
【0036】
ここで、金属粉mはその大きさ、言い換えれば、その重量によって、スラリーS中の水に追従できる時間が異なる。
【0037】
例えば、粒径の小さい金属粉mc、言い換えれば、軽い金属粉mcは、スラリーS中の水の流れに追従して移動できるので、スラリーS中の水とともに供給部11の内面に沿って旋回する。そして、スラリーS中の水が本体部6の中心軸から離れるように飛散すると、スラリーS中の水とともに、本体部6の中心軸から離れるように飛散する(図2(A)参照)。すると、この金属粉mは、供給部11の内面よりも外方に位置する篩網7における中央部から離れた領域(図2(C)ではCの領域)に落下する。なお、金属粉mcの重量に応じて、金属粉mcが落下する位置と篩網7における中央部との距離が変化する。
【0038】
一方、粒径の大きい金属粉ma、言い換えれば、重い金属粉maはスラリーS中の水の流れに追従できないので、スラリーSが供給部11内に入ったときに、スラリーS中の水から分離して(図2(A)参照)、篩網7における中央部付近(図2(C)ではAの領域)に落下する。言い換えれば、供給部11の下方、つまり、本体部6の粒状体供給口6aの下方の領域に重い金属粉maは落下する。
【0039】
また、供給部11に入ったスラリーSは旋回している間に徐々に流速が低下するので、両者の中間的な金属粉mbは、その大きさや重量に応じて、時間の経過とともにスラリーS中の水の流れに追従できなくなる。すると、水の流れに追従できなくなったときに、金属粉mbはスラリーS中の水から分離して篩網7に落下する。この場合、金属粉mbは供給部11の内面の直下の近傍(図2(C)ではBの領域)に落下することになる。
【0040】
以上のように、本実施形態の粒状体供給装置10によれば、本体部6の粒状体供給口6aから供給されるスラリーS中の金属粉mを、供給部11の下方の領域だけでなく、篩網7の広い範囲に落下させることができる。すると、篩網7の中央部の損傷だけが進むことを防止できるので、篩網7の寿命を長くできる。
【0041】
しかも、スラリーS中の金属粉mを、篩網7上にある程度均した状態となるように供給できる。すると、金属粉mがある程度固まって篩網7上に堆積している場合に比べて、金属粉mのうち篩網7の目開きを通過する金属粉mを、迅速に篩網7を通過させることができる。したがって、金属粉mを分粒する効率を向上することができる。
【0042】
<配管12について>
配管12は、容器2aと供給部11との間でどのように配設されていてもよいが、容器2aと供給部11との間に容器2aとの接続部分よりも高い部分があるように配設されていてもよい。より具体的には、配管12は、容器2aとの接続部分から上方に延びる部分を有するように、配管12は配設されていてもよい。例えば、図1のように、配管12は、容器2aとの接続部分近傍で一旦上方に屈曲した後、供給部11に接続するように配設されていてもよい。
【0043】
また、容器2aが供給部11よりも高くなるように配管12が設置されていてもよい。この場合、容器2aと供給部11との高さの差がある程度以上になれば、流体供給装置16を設けなくても、水頭圧を利用した流下によってある程度の流速を有する状態で容器2aから供給部11にスラリーSを供給できる。
【0044】
<乾式操業する場合>
上記例では、本実施形態の粒状体供給装置10が金属粉mを水と混合したスラリーSとして振動篩装置5に供給する場合を説明した。しかし、金属粉mは空気などの気体によって振動篩装置5に供給するようにしてもよい。この場合でも、金属粉mがある程度気流に追従して移動する程度の流速で気体を容器2aから振動篩装置5に流せば、金属粉mを篩網7上に分散した状態となるように供給できる。つまり、スラリーSとして振動篩装置5に供給する場合と同様の効果を得ることができる。ここでいう、「金属粉mがある程度気流に追従して移動する程度の流速」とは、空気などの気体が供給部11内面に沿って旋回流を形成でき、かつ、その旋回流に金属粉m(全部でもよいし一部でもよい)がある程度追従して移動できる程度の流速を意味している。
【0045】
<流体供給部15について>
上記例では、流体供給部15の容器が、水アトマイズ装置2の容器2aである場合を説明したが、流体供給部15の容器は粒状体を収容することができるものであればよく、とくに限定されない。
【0046】
また、上記例では、流体供給部15は容器を介して配管12に流体を供給する場合を説明した。流体供給部15は、スラリーSや気体と粒状体の混合したものを直接配管12に供給するようにしてもよい。
【0047】
さらに、配管12に流体供給装置16を設けてもよい。つまり、配管12において、容器2aと供給部11との間に流体供給装置16を設けてもよい。この場合には、容器2a内に水Wと金属粉mがアトマイズ中の水流によって混合されている状態で流体供給装置16を作動する。すると、容器2a内の水Wとともに、容器2a内の金属粉mと水とが混合されたスラリーSの状態で、金属粉mを振動篩装置5の本体部6の中空な空間6h内に供給することができる。かかる構成の場合も、水アトマイズ装置2を作動した状態、つまり、水アトマイズ装置2によって金属粉mを形成しながら、振動篩装置5への金属粉mの供給を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の粒状体供給装置は、銅や錫等の金属粉を振動篩装置等に供給する装置として適している。
【符号の説明】
【0049】
1 設備
2 水アトマイズ装置
2a 容器
5 篩網
6 本体部
6a 原料供給口
6b 第二排出口
6c 第一排出口
6h 中空な空間
7 篩網
10 粒状体供給装置
11 供給部
11a 開口
12 配管
15 流体供給部
16 軸部材
17 錘
18 案内部材
m 金属粉
W 水


【要約】
【課題】篩網の損傷を抑制でき、分粒を効果的に実施できる粒状体供給装置および粒状体供給方法を提供する。
【解決手段】篩網7によって粒状体を分粒する篩装置5に対して粒状体を供給する粒状体供給装置10であって、軸方向の一端に設けられた排出供給開口11bを通して、篩装置5の内部の中空な空間6hと連通された円筒状の空間11hを有する供給部11と、供給部11の空間11hに対して流体とともに粒状体を供給する流体供給部15と、流体供給部15と供給部11とを連通する配管12と、を備えており、供給部11は、排出供給開口11bが篩装置5の篩網7の上方かつ篩網7と対向するように篩装置5に接続されており、配管12は、その一端が供給部11の側面に設けられた供給開口11bに接続されており、供給開口11bとの接続位置における配管12の中心軸の延長線aが供給部11の空間11hの中心軸CLを通らないように配設されている。
【選択図】図1
図1
図2