特許第6976278号(P6976278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6976278
(24)【登録日】2021年11月11日
(45)【発行日】2021年12月8日
(54)【発明の名称】車両用複合ハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20211125BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20211125BHJP
   H01B 7/18 20060101ALI20211125BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20211125BHJP
【FI】
   H01B7/00 301
   H01B7/00 306
   H01B7/00 310
   B60R16/02 620A
   H01B7/18 H
   H02G3/04 081
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-37093(P2019-37093)
(22)【出願日】2019年3月1日
(62)【分割の表示】特願2018-210354(P2018-210354)の分割
【原出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2019-106383(P2019-106383A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2019年3月1日
【審判番号】不服-16311(P-16311/J1)
【審判請求日】2020年11月27日
(31)【優先権主張番号】特願2012-96729(P2012-96729)
(32)【優先日】2012年4月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 良和
(72)【発明者】
【氏名】江島 弘高
【合議体】
【審判長】 辻本 泰隆
【審判官】 小田 浩
【審判官】 ▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−111178(JP,A)
【文献】 特開2010−146755(JP,A)
【文献】 特開2011−142070(JP,A)
【文献】 特開平9−218214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体から車輪に配線される車両用複合ハーネスであって、
中心導体と当該中心導体を被覆する絶縁体とを備え、互いに接触している複数の電源線と、
中心導体と当該中心導体を被覆する絶縁体とを備え前記複数の電源線よりも径が小さく、互いに接触している複数の信号線が熱可塑性樹脂からなる内部シースで被覆されてなるABS(アンチロックブレーキシステム)センサ用ケーブルと、
前記複数の電源線及び前記ABSセンサ用ケーブルを被覆するとともに、前記電源線とABSセンサ用ケーブルとの間に介在するように入り込んでいる、押出成形により形成された、熱可塑性樹脂からなる外部シースと、
を備え、
前記内部シースは、前記複数の信号線の間に入り込んでいるとともに、前記複数の電源線と接触しており、
前記複数の電源線は、前記外部シースの端部から延出された部分が保護材によって保護されており、
前記ABSセンサ用ケーブルは、前記複数の信号線が前記内部シースで被覆されている状態で、前記外部シースの端部から延出されており、
前記複数の電源線の端部には、コネクタが設けられており、
前記ABSセンサ用ケーブルの端部には、樹脂モールドにより前記内部シースと一体化されたセンサヘッドが前記コネクタとは別体に設けられている
車両用複合ハーネス。
【請求項2】
前記複数の電源線及び前記ABSセンサ用ケーブルと前記外部シースとの間には、前記複数の電源線及び前記ABSセンサ用ケーブルを覆うセパレータが設けられており、
前記セパレータは、紙、不織布、または樹脂テープからなる
請求項1に記載の車両用複合ハーネス。
【請求項3】
前記外部シースは、熱可塑性ウレタンからなり、
前記外部シースの外周には、前記外部シースの長手方向の一部に設けられたEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を介して固定金具が取り付けられている
請求項1又は2に記載の車両用複合ハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用複合ハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両のABS(Anti-lock Brake System)に用いられるABSセンサが知られている。ABSセンサは、車輪の回転速度を測定するものであり、そのセンサ部(センサヘッド)は車輪の近傍に設けられる。車輪の近傍に設けられるセンサ部と、車体側に設けられる制御装置(電子制御ユニット)とは、ABSセンサ用ケーブルにより接続される。
【0003】
ところで、近年、油圧に代わり電気によりブレーキを制御する電気ブレーキが普及しつつある。なお、パーキングブレーキを電動化した電動パーキングブレーキ(EPB)も知られているが、本明細書では、この電動パーキングブレーキも電気ブレーキに含むものとする。電気ブレーキでは、車輪に設けられたブレーキキャリパー(アクチュエータ)と、車体側に設けられた制御装置とが、電気ブレーキ用ケーブル(例えば、特許文献1参照)により接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−92028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、ABSセンサ用ケーブルと電気ブレーキ用ケーブルは、接続先がほぼ同じ位置であるにもかかわらず、別々に配索されていた。車両の配線スペースには限りがあり、また配線の作業も繁雑となるため、改善が望まれる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、車両の配線スペースを有効に利用でき、配線作業を容易にすることが可能な車両用複合ハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、車体から車輪に配線される車両用複合ハーネスであって、中心導体と当該中心導体を被覆する絶縁体とを備えた複数の電源線と、中心導体と当該中心導体を被覆する絶縁体とを備え前記複数の電源線よりも径が小さい複数の信号線が熱可塑性樹脂からなる内部シースで被覆されてなるABS(アンチロックブレーキシステム)センサ用ケーブルと、前記複数の電源線及び前記ABSセンサ用ケーブルを被覆する熱可塑性樹脂からなる外部シースと、を備え、前記内部シースは、前記複数の信号線の間に入り込んでいるとともに、前記内部シースは、前記複数の電源線と接触している車両用複合ハーネスである。
【0008】
前記複数の電源線及び前記ABSセンサ用ケーブルと前記外部シースとの間には、前記複数の電源線及び前記ABSセンサ用ケーブルを覆うセパレータが設けられており、前記セパレータは、紙、不織布、または樹脂テープからなっていてもよい。
【0009】
前記複数の電源線は、互いに接触しているとともに、前記複数の信号線は、互いに接触していてもよい。
【0010】
前記外部シースは、熱可塑性ウレタンからなり、前記外部シースの外周には、前記外部シースの長手方向の一部に設けられたEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を介して固定金具が取り付けられていてもよい。
【0011】
前記複数の電源線は、前記外部シースの端部から周囲に保護材が設けられている状態で延出されており前記ABSセンサ用ケーブルは、前記外部シースの端部から前記複数の信号線が前記内部シースで被覆されている状態で、前記複数の電源線が前記外部シースの端部から延出されている長さよりも長く延出されており、前記ABSセンサ用ケーブルの端部には、センサヘッドが設けられていてもよい。
【0012】
前記外部シースは、押出成形体であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両の配線スペースを有効に利用でき、配線作業を容易にすることが可能な車両用複合ハーネスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る複合ハーネスを示す図であり、(a)は平面図、(b)はその1B−1B線断面図である。
図2】本発明の他の実施の形態に係る複合ハーネスの断面図である。
図3】(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係る複合ハーネスの断面図である。
図4】本発明の一変形例に係る複合ハーネスを示す図であり、(a)は平面図、(b)はその4B−4B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る複合ハーネスを示す図であり、(a)は平面図、(b)はその1B−1B線断面図である。
【0017】
図1(a),(b)に示すように、複合ハーネス1は、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3とを共通の外部シース4で被覆して一体化した複合ケーブル5を備えたものである。更に、複合ハーネス1は、該複合ケーブル5の端部にて電気ブレーキ用ケーブル2と、ABSセンサ用ケーブル3とを分岐し、両ケーブル2,3の少なくとも一方の端部に接続用のコネクタ6を設けて構成される。
【0018】
電気ブレーキ用ケーブル2は、2本の電源線7からなり、主に、車両の停車後に、所定ボタンを押圧することにより、車輪の回転を抑止するための機構(電動パーキングブレーキ(EPB)機構)を機能させるための電流を流す導電路として用いられるものである。また、電気ブレーキ用ケーブル2は、電動パーキングブレーキ(EPB)以外の通常の電気ブレーキ用のケーブル(例えば、2本の電源線7以外に制御用の信号線等を含むもの)を用いることも当然に可能である。
【0019】
電源線7は、中心導体7aの周囲を絶縁体7bで被覆して構成される。絶縁体7bは、例えば、XLPE(架橋ポリエチレン),ETFE(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)などからなる。通常、電気ブレーキ用ケーブル2では、2本の電源線7の周囲にシースを被覆するが、本発明では、このシースの代用として共通の外部シース4を用いる。
【0020】
なお、本実施の形態では、複合ケーブル5を、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3とを共通の外部シース4で被覆して一体化したもの、と定義しているが、複合ケーブル5は、電気ブレーキ用ケーブル2のシース(外部シース4)にABSセンサ用ケーブル3を埋め込んで一体化したもの、と換言することもできる。
【0021】
複合ケーブル5の両端部からは、電気ブレーキ用ケーブル2の2本の電源線7が延出され、その一方の端部にはブレーキキャリパー(図示せず)に接続されるコネクタ6aが設けられ、その他方の端部には制御装置(図示せず)に接続されるコネクタ6bが設けられる。複合ケーブル5から延出された2本の電源線7の周囲には、電源線7を飛石によるチッピング等から保護すべく、チューブやホース等からなる保護材8が設けられる。
【0022】
ABSセンサ用ケーブル3は、2本の信号線9を内部シース10で一括被覆して構成される。信号線9は、中心導体9aの周囲を絶縁体9bで被覆して構成される。絶縁体9bは、例えば、XLPEなどからなる。本実施の形態では、ABSセンサ用ケーブル3と電源線7とは、接触して設けられている。
【0023】
本実施の形態では、外部シース4は、熱可塑性樹脂、より詳しくは、熱可塑性ウレタンからなり、内部シース10は、架橋した熱可塑性樹脂、より詳しくは、架橋した熱可塑性ウレタンからなる。外部シース4は、図1に示すように、電源線7とABSセンサ用ケーブル3との間に介在するように、電源線7及びABSセンサ用ケーブル3に設けられている。外部シース4は押出成形により形成されるが、内部シース10を架橋することにより、内部シース10の周囲に外部シース4を形成する際(押出成形する際)に、内部シース10が熱により溶融して内部シース10と外部シース4が溶着してしまうことを低減できる。その結果、複合ケーブル5の端部にて外部シース4からABSセンサ用ケーブル3を容易に分離して取り出すことが可能になる。
【0024】
外部シース4と内部シース10に用いる熱可塑性ウレタンは、飛石等によるチッピングに強い特性を有しているため、シース4,10に覆われた部分(複合ケーブル5の周囲や、複合ケーブル5から延出したABSセンサ用ケーブル3の周囲)は、保護材により覆う必要はない。また、熱可塑性ウレタンは、屈曲させやすいという特性を有しており、バネ下の配線に用いられ繰り返し屈曲される複合ハーネス1に好適である。
【0025】
さらに、本実施の形態では、内部シース10として、シランカップリング剤を添加した熱可塑性ウレタンに架橋処理を行ったものを用い、ABSセンサ用ケーブル3の一端に、樹脂モールドによりABSセンサのセンサ部(センサヘッド)11を一体化した。樹脂モールドとしては、ナイロンを用いた。ABSセンサ用ケーブル3の他端には、制御装置(図示せず)に接続されるコネクタ6cが設けられる。
【0026】
熱可塑性ウレタンを架橋すると、樹脂モールド(ここではナイロン)に対する密着性を確保できなくなるが、熱可塑性ウレタンにシランカップリング剤を添加した後に架橋処理を行うことで、シランカップリング剤を活性化させ、樹脂モールドに対する密着性を向上させることが可能になる。その結果、内部シース10とセンサ部11との密着性を確保することができ、センサ部11に水分が侵入することを低減することが可能となる。これにより、センサ部11の故障等の不具合を低減することが可能になる。
【0027】
複合ケーブル5には、複合ケーブル5を車体に取り付ける固定金具を固定するためのグロメット12が取り付けられる。グロメット12は、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)からなる。グロメット12を複合ケーブル5に取り付ける際には、エアーによりグロメット12の内径を拡径しながら取付を行うが、このとき、複合ケーブル5の外部シース4の表面が平坦となっていないと取付が困難となるため、本実施の形態では、押出成形を2回繰り返して外部シース4を形成することで、外部シース4の表面を平坦とし、複合ケーブル5の外形をほぼ一定に形成した。
【0028】
本実施の形態の作用を説明する。
【0029】
本実施の形態に係る複合ハーネス1は、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3とを共通の外部シース4で被覆して一体化した複合ケーブル5を備えている。
【0030】
これにより、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3とが一体化されるので、車両の配線スペースを有効に利用でき、配線作業を容易にすることが可能となる。また、配線部品の部品点数を削減できるので、管理も容易になる。
【0031】
また、本実施の形態では、ABSセンサ用ケーブル3を、2本の信号線9を内部シース10で一括被覆して構成し、外部シース4を熱可塑性樹脂、内部シース10を架橋した熱可塑性樹脂で構成している。
【0032】
これにより、外部シース4の形成時(押出成形時)に熱により内部シース10が溶融して外部シース4と内部シース10が溶着してしまうことを低減でき、複合ケーブル5の端部にて外部シース4からABSセンサ用ケーブル3を容易に分離して取り出すことが可能になる。
【0033】
さらに、本実施の形態では、内部シース10の材料として、熱可塑性ウレタンにシランカップリング剤を添加したものを用い、ABSセンサ用ケーブル3の一端に、樹脂モールドによりABSセンサのセンサ部11を一体化している。
【0034】
これにより、内部シース10と樹脂モールドを気密に一体化することが可能となり、水分の侵入によるセンサ部11の故障等を低減できる。また、ABSセンサ用ケーブル3の端部にセンサ部11を一体に設けることで、配線部品の部品点数をより削減し、配線作業をより容易にすることが可能となる。
また、電気ブレーキ用ケーブル2は、車両の停車後に、所定ボタンを押圧することにより、パーキングブレーキ機構を機能させるための電流を流す導電路として用いられるものである。よって、車両の走行中に機能するものであるABSセンサ用ケーブル3に対する電気ブレーキ用ケーブル2からのノイズに対する対策は不要である。したがって、電気ブレーキ用ケーブル2及びABSセンサ用ケーブル3の少なくとも一方へノイズ対策用のシールドを設けることなく、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3とを一体化することが可能である。
【0035】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0036】
図2に示す複合ハーネス21は、図1の複合ハーネス1において、外部シース4と内部シース10との間に、外部シース4と内部シース10の溶着を低減するためのセパレータ22を設けたものである。
【0037】
セパレータ22を設けることにより、外部シース4と内部シース10を共に熱可塑性ウレタンで構成しても、複合ケーブル5の端部にて外部シース4からABSセンサ用ケーブル3を容易に分離して取り出すことが可能となる。
【0038】
さらに、セパレータ22を金属で構成し、かつセパレータ22をABSセンサ用ケーブル3を覆うように設けるようにすれば、セパレータ22がシールドの役割を果たし、ABSセンサ用ケーブル3の信号線9に外部より混入するノイズを低減することが可能になる。なお、セパレータ22の材料は、これに限定されるものではなく、例えば、不織紙、不織布(例えば、PETからなるもの)、樹脂テープ等を用いることも可能である。
【0039】
図3(a),(b)に示す複合ハーネス31,32は、図1の複合ハーネス1において、電気ブレーキ用ケーブル2の電源線7を覆うように、シールド導体33を設けたものである。図3(a)では、2本の電源線7とABSセンサ用ケーブル3の全体を覆うようにシールド導体33を設ける場合を示しており、図3(b)では、2本の電源線7のみを覆うようにシールド導体33を設ける場合を示しているが、どちらの構造を採用してもよい。また、ABSセンサ用ケーブル3のみを覆うようにシールド導体33を設けてもよい。図3(a)のように電源線7とABSセンサ用ケーブル3の全体を覆うようにシールド導体33を設ける場合、シールド導体33の内側、すなわち電源線7とABSセンサ用ケーブル3の周囲には、介在物34が挿入される。図3(b)に示すように、2本の電源線7のみを覆うようにシールド導体33を設けることにより、電気ブレーキ用ケーブル2を車両の停車後のみならず、車両の走行中に車両の速度を減速するための電流を流すために用いたとしても、車両の走行中に機能するものであるABSセンサ用ケーブル3に対するノイズを低減することが可能となる。これにより、電気ブレーキ用ケーブル2を車両の停車後のみならず、車両の走行中に車両の走行中に車両の速度を減速するための電流を流すために用いたとしても、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3とを一体化することが可能である。
【0040】
シールド導体33を設けることにより、電源線7からの放射ノイズを抑制してEMI(電磁気妨害)対策を行うことが可能になる。また、シールド導体33を設けることにより、シールド導体33が外部シース4と内部シース10を隔てるセパレータの役割を果たし、外部シース4と内部シース10の溶着を低減して電源線7やABSセンサ用ケーブル3の分岐を容易とすることが可能になる。
【0041】
さらに、図3(a)におけるシールド導体33に代えて、不織紙、不織布(例えば、PETからなるもの)、樹脂テープ等を設けることも可能である。シールド導体33に代えて不織紙や不織布を設けることで、外部シース4と内部シース10の溶着を低減できると同時に、電源線7やABSセンサ用ケーブル3と外部シース4との間の摩擦を低減し、外部シース4内において電源線7やABSセンサ用ケーブル3を動きやすく(滑りやすく)することが可能になり、曲げによるストレスを低減して屈曲耐久性を向上させることも可能になる。
【0042】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、ABSセンサ用ケーブル3を、2本の信号線9を内部シース10で一括被覆して構成したが、図4(a),(b)に示すように、内部シース10を省略することも可能である。この場合、複合ケーブル5の端部から信号線9が延出されることになるので、この露出された部分の信号線9には、飛石によるチッピング等を防止するためにチューブやホース等からなる保護材42を設ける必要がある。また、この場合、信号線9の絶縁体9b(例えばXLPE)に対する樹脂モールド(例えばナイロン)の密着性が良好ではないので、センサ部11を樹脂モールドにより一体化することはできない。よって、信号線9の一端にはコネクタ43を設け、センサ部11にコネクタ接続するよう構成すればよい。
【0044】
また、上記実施の形態では言及しなかったが、電気ブレーキ用ケーブル2についても、ABSセンサ用ケーブル3と同様に、内部シースで覆った構造としてもよい。この場合、外部シース4と溶着しないように、内部シースに架橋した熱可塑性ウレタンを用いるか、あるいは、内部シースと外部シース4との間にセパレータを介在させるとよい。これにより、保護材8を省略することが可能になり、配線作業をより容易とすることができる。
【0045】
さらに、上記実施の形態では、外部シース4を熱可塑性ウレタンで形成する場合を説明したが、これに限らず、外部シース4をEPDMで形成してもよい。EPDMは圧縮永久歪み(クリープ)が生じにくいため、外部シース4をEPDMで形成することにより、グロメット12を取り付けずとも、直接外部シース4に固定金具を固定することが可能になり、配線作業をより容易とすることが可能になる。なお、熱可塑性ウレタンは圧縮永久歪み(クリープ)が生じ易いため、固定金具を直接固定することはできず、グロメット12が必須となる。
【0046】
さらにまた、上記実施の形態では言及しなかったが、電気ブレーキ用ケーブル2とABSセンサ用ケーブル3に加え、断線検知線等の別の絶縁電線を一体化することも勿論可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 複合ハーネス
2 電気ブレーキ用ケーブル
3 ABSセンサ用ケーブル
4 外部シース
5 複合ケーブル
6 コネクタ
7 電源線
8 保護材
9 信号線
10 内部シース
11 センサ部
図1
図2
図3
図4