(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる照明装置、画像読取装置および画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本実施形態の照明装置を、印刷物の光沢の検査に用いる場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施形態の検査システム1の一例を示す模式図である。
図1に示すように、検査システム1は、印刷装置100と、検査装置200と、スタッカ300とを、備える。印刷装置100および検査装置200は、画像形成装置を構成する。
【0011】
印刷装置100は、オペレーションパネル101と、感光体ドラム103Y、103M、103C、103K、103CLと、転写ベルト105と、二次転写ローラ107と、給紙部109と、搬送ローラ対111と、定着装置113とを有するプリントエンジンを備える。
【0012】
オペレーションパネル101は、印刷装置100に対して各種操作入力を行ったり、各種画面を表示したりする操作表示部である。感光体ドラム103Y、103M、103C、103K、103CLは、それぞれ、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、及びクリーニング工程)が行われることによりトナー像が形成され、形成されたトナー像を転写ベルト105に転写する。本実施形態では、感光体ドラム103Y上にイエロートナー像が形成され、感光体ドラム103M上にマゼンタトナー像が形成され、感光体ドラム103C上にシアントナー像が形成され、感光体ドラム103K上にブラックトナー像が形成され、感光体ドラム103CL上にクリアトナー像が形成されるものとするが、これに限定されるものではない。
【0013】
転写ベルト105は、感光体ドラム103Y、103M、103C、103K、及び103CLから重畳して転写されたトナー像(フルカラーかつ光沢を有するトナー画像)を二次転写ローラ107の二次転写位置に搬送する。本実施形態では、転写ベルト105には、まず、イエロートナー像が転写され、続いて、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像、クリアトナー像が順次重畳して転写されるものとするが、これに限定されるものではない。
【0014】
給紙部109は、トナー像が転写される記録媒体が収容されており、当該記録媒体を給紙する。記録媒体としては、例えば、感熱紙、普通紙、ロール紙、コート紙、厚紙、OHP(Overhead Projector)シート、プラスチックフィルム、プリプレグ、及び銅箔など画像を記録可能な媒体であればどのようなものであってもよい。本実施形態では、記録媒体がカット紙である場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
搬送ローラ対111は、給紙部109により給紙された記録媒体を搬送路a上で矢印s方向に搬送する。
【0016】
二次転写ローラ107は、転写ベルト105により搬送されたフルカラーのトナー画像を、搬送ローラ対111により搬送された記録媒体上に二次転写位置で一括転写する。
【0017】
定着装置113は、フルカラーのトナー画像が転写された記録媒体を加熱及び加圧することにより、フルカラーのトナー画像を記録媒体に定着する。
【0018】
印刷装置100は、フルカラーのトナー画像が定着された記録媒体である印刷物を検査装置200へ排紙する。
【0019】
検査装置200は、画像読取装置である読取部201と、オペレーションパネル203と、を備える。
【0020】
オペレーションパネル203は、検査装置200に対して各種操作入力を行ったり、各種画面を表示したりする操作表示部である。なお、オペレーションパネル203を省略してもよい。この場合、オペレーションパネル101がオペレーションパネル203を兼ねるようにしてもよいし、外部接続されたPC(Personal Computer)がオペレーションパネル203を兼ねるようにしてもよい。
【0021】
読取部201は、印刷装置100から排紙された印刷物を電気的に読み取る。
図2は、本実施形態の読取部201の一例を示す模式図である。
図2に示すように、読取部201は、光沢用照明装置211(照明装置の一例)と、濃度用照明装置212と、画像センサ213と、を備える。
【0022】
光沢用照明装置211は、検査対象物である印刷物Pの読取領域(主走査方向の1ライン)に所定の入射角度θ1で入射する照明光221aを照射する。正反射光221bは、印刷物Pの読取領域に入射角度θ1で入射した照明光221aが当該読取領域において反射角度θ2(θ2=θ1)で入射方向とは反対側に反射された反射光、即ち、照明光221aが当該読取領域において鏡面反射した反射光である。なお、光沢用照明装置211の詳細については後述する。
【0023】
濃度用照明装置212は、印刷物Pの読取領域に所定の入射角度で入射する照明光222aを照射する。所定の入射角度は、入射角度θ1と異なる任意の角度であればよいが、例えば、90度が挙げられる。拡散反射光222bは、印刷物Pの読取領域に所定の入射角度で入射した照明光222aが当該読取領域において所定の入射角度とは異なる反射角度(
図2に示す例では、θ2)で反射された反射光、即ち、照明光222aが当該読取領域において拡散反射した反射光である。濃度用照明装置212としては、例えば、キセノンランプやLEDアレイ等の拡散照明装置を用いることができる。
【0024】
画像センサ213は、正反射光221bを受光して、当該正反射光221bの光量を読み取ったり、拡散反射光222bを受光して、当該拡散反射光222bの光量を読み取ったりする。このため、画像センサ213は、正反射光221b及び拡散反射光222bを受光可能な位置に配置されている。
【0025】
画像センサ213は、例えば、複数の撮像素子が印刷物Pの読取領域に平行な方向(主走査方向)に並設された縮小光学系を用いることができる。撮像素子としては、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Device)、CCD(Charge Coupled Device)、及びCIS(Contact Image Sensor)などを用いることができる。
【0026】
なお本実施形態では、光沢用照明装置211と濃度用照明装置212とが同時に光を出射することはなく、画像センサ213の駆動に合わせて交互に光を出射するように構成されている。そして本実施形態では、印刷物Pを副走査方向に1ライン分搬送する毎に、光沢用照明装置211から照明光221aを照射させて画像センサ213で正反射光221bの光量を読み取るとともに、濃度用照明装置212から照明光222aを照射して画像センサ213で拡散反射光222bの光量を読み取る動作を繰り返す。これにより、読取部201は、正反射光221bの光量から成る印刷物Pの各画素の光沢度を示す光沢度画像、及び拡散反射光222bの光量から成る印刷物Pの各画素の濃度を示す濃度画像を読み取る(生成する)。
【0027】
光沢度は、鏡面光沢の度合いを数値で表したものであり、JIS(Japanese Industrial Standards) Z 8741やISO(International Organization for Standardization) 2813で規定される鏡面光沢度と同義である。つまり、光沢度画像は、印刷物Pの光沢分布として、任意の観察方向における正反射光の光量分布を示し、濃度画像は、印刷物Pの濃度分布として、任意の観察方向における拡散反射光の光量分布を示す。
【0028】
図1に戻り、検査装置200は、読み取りが完了した印刷物をスタッカ300へ排紙する。なお、検査装置200は、印刷物の他方の面を光学的に読み取る読取部を更に備えるようにしてもよい。この場合、印刷物の他方の面を光学的に読み取る読取部は、読取部201と同様の構成とすればよい。
【0029】
スタッカ300は、トレイ311を備える。スタッカ300は、検査装置200により排紙された印刷物をトレイ311にスタックする。
【0030】
図3は、本実施形態の光沢用照明装置211の機械的構成の一例を示す図であり、光沢用照明装置211の内部構造を透過した側面図を示す。
図3に示すように、光沢用照明装置211は、ベース501a、501bと、スペーサ503と、電源基板504と、コネクタ505と、ベースプレート506と、シム507a、507bと、放熱体508と、フレキシブル基板509と、LEDA(Light Emitting Diode Array)510(発光装置の一例)と、ロッドレンズ511と、レンズ支え512a、512bと、ハニカム部材513と、拡散透過フィルム514と、鏡面反射フィルム515a、515bと、防塵フィルム517と、遮光フィルム518a、518b(1以上の遮光部材の一例)と、を備える。
【0031】
図4は、本実施形態の光沢用照明装置211の機械的構成の一例を示す図であり、光沢用照明装置211の内部構造を透過した平面図を示す。なお、
図4では、光沢用照明装置211の内部構造のうち光の照射に関わる部材を中心に示している。
【0032】
ベース501a、501bは、光沢用照明装置211の筐体を構成する部材であり、ベース501aが、光沢用照明装置211の上側の筐体を構成し、ベース501bが、光沢用照明装置211の下側の筐体を構成する。ベース501a、501bで構成される空間内に、光沢用照明装置211を構成する他の構成要素が配置されている。
【0033】
スペーサ503は、ベース501aとベース501bとの間に空間を確保するために、ベース501aとベース501bとの間に挟まれる部材である。
【0034】
電源基板504は、光沢用照明装置211の電源であり、コネクタ505を介して、LEDA510が設置されているフレキシブル基板509に電源を供給する。
【0035】
コネクタ505は、電源基板504とフレキシブル基板509とを電気的に接続するためのコネクタである。
【0036】
ベースプレート506は、フレキシブル基板509を支持するためのプレートであり、シム507aを用いてベース501aに固定されるとともに、シム507bを用いてベース501bに固定される。
【0037】
シム507aは、ベースプレート506をベース501aに固定するためのくさびであり、シム507bは、ベースプレート506をベース501bに固定するためのくさびである。
【0038】
放熱体508は、LEDA510が発する熱を放熱する部材であり、LEDA510(フレキシブル基板509)が設置されているベースプレート506の面の反対面に設置されている。
【0039】
フレキシブル基板509は、LEDA510を支持するための変形可能な基板であり、ベースプレート506に支持されている。
【0040】
LEDA510は、複数のLEDチップ(発光素子の一例)を配列させた光源である。LEDA510(各LEDチップ)は、電源基板504からの電源の供給に基づいて発光することで、照明光(詳細には、拡散照明光)を照射する。なお本実施形態では、フレキシブル基板509にLEDA510(各LEDチップ)を支持させているため、フレキシブル基板509が変形可能な形状にLEDA510(各LEDチップ)を配列でき、
図4に示すように、LEDA510を、複数のLEDチップを湾曲させて配列させたものとすることができる。なお、
図4では、LEDA510は、第1の曲率の曲面状に複数のLEDチップを並べて配置している。
【0041】
ロッドレンズ511は、LEDA510から照射された照明光を、できるだけハニカム部材513内に誘導するよう光路を矯正する。ロッドレンズ511は、特に、LEDA510から照射された照明光の上下方向(y方向)での光路を矯正する。本実施形態では、LEDA510から照射された照明光の光路の矯正を、ロッドレンズ511を用いたロッドレンズ方式で行う場合を例に取り説明するが、これに限定されず、リフレクタ方式やシリンドリカルレンズ方式などを用いてもよい。
【0042】
レンズ支え512a、512bは、ロッドレンズ511を予め定めた位置に固定するための部材である。
【0043】
拡散透過フィルム514は、ハニカム部材513のロッドレンズ511側の面(LEDA510から照射された照明光が入射される側の面)に接着されており、LEDA510から照射された照明光を拡散透過させて、ハニカム部材513内に送り出す。
【0044】
鏡面反射フィルム515aは、拡散透過フィルム514のロッドレンズ511側の面(LEDA510から照射された照明光が入射される側の面)の上部に接着され、鏡面反射フィルム515bは、拡散透過フィルム514のロッドレンズ511側の面(LEDA510から照射された照明光が入射される側の面)の下部に接着されている。
【0045】
鏡面反射フィルム515a、515bは、ロッドレンズ511によりハニカム部材513内に誘導するよう光路を矯正されなかった照明光を反射する。これにより、反射された照明光が、ロッドレンズ511により、再度、ハニカム部材513内に誘導するよう光路が矯正されること、即ち、照明光の有効利用が期待できる。
【0046】
ハニカム部材513は、LEDA510の照明光の照射方向に、第1の曲率よりも大きい第2の曲率の曲面状に配置され、伸縮可能なハニカム構造を有する部材である。LEDA510及びハニカム部材513は、同一の湾曲中心を有してハニカム部材513の長手方向(複数のLEDチップの配列方向)において湾曲している。ハニカム部材513は、どのような素材であってもよく、例えば、アルミや紙などの素材が挙げられる。本実施形態では、ハニカム部材513のハニカム構造の伸縮具合(ハニカム構造の形状)を調整することで、xz面においてx方向との平行度合いがどの程度までの照明光を、ハニカム部材513から指定方向に出力するかを調整できる。
【0047】
つまり本実施形態のハニカム部材513は、ルーバーとしての役割を担う。なお、ハニカム部材513を用いることで、xz面においてx方向との平行度合いがどの程度までの照明光を指定方向に出力するかを調整できる原理については、後述する。
【0048】
防塵フィルム517は、光沢用照明装置211内への埃等の侵入を防ぐためのフィルムである。
【0049】
遮光フィルム518a、518bは、ハニカム部材513を透過した照明光の少なくとも一部を当該ハニカム部材513の長手方向に沿って遮光する。遮光フィルム518a(第1の遮光部材の一例)は、防塵フィルム517のハニカム部材513側の面(ハニカム部材513から透過された照明光が入射される側の面)の上部に接着され、ハニカム部材513の長手方向に直交する短手方向(y方向)の上側を透過した照明光を当該ハニカム部材513の長手方向(z方向)に沿って遮光する。遮光フィルム518b(第2の遮光部材の一例)は、防塵フィルム517のハニカム部材513側の面(ハニカム部材513から透過された照明光が入射される側の面)の下部に接着され、ハニカム部材513の短手方向(y方向)の下側を透過した照明光を当該ハニカム部材513の長手方向に沿って遮光する。
【0050】
本実施形態では、遮光フィルム518a、518bの間隔(防塵フィルム517の開口度合い)を調整することで、xy面においてx方向との平行度合いがどの程度までの照明光を、指定方向に出力するか(詳細には、前述の照明光221aとして、光沢用照明装置211から照射させるか)を調整できる。なお、遮光フィルム518a、518bを用いることで、xy面においてx方向との平行度合いがどの程度までの照明光を、指定方向に出力するかを調整できる原理については、後述する。
【0051】
ハニカム部材513を透過し、遮光フィルム518a、518bにより遮光されず防塵フィルム517を透過した照明光は、前述の照明光221aとして、印刷物Pの読取領域に照射される。
【0052】
図5及び
図6は、ハニカム部材513と、遮光フィルム518a、518bを用いることで、平行度合いがどの程度までの照明光を指定方向に出力するかを調整できる原理を説明するための説明図の一例である。
【0053】
例えば、
図5に示すように、ハニカム部材513を長手方向であるz方向に伸ばした場合、z方向における各ハニカムの開き具合が大きくなるため、xz面においてx方向との平行度合いが高い照明光だけでなく、x方向との平行度合いがやや落ちる照明光も、ハニカム部材513から指定方向に出力できる。
【0054】
一方、
図6に示すように、ハニカム部材513を長手方向であるz方向に縮めた場合、z方向における各ハニカムの開き具合が狭くなるため、xz面においてx方向との平行度合いが高い照明光のみがハニカム部材513から指定方向に出力でき、x方向との平行度合いがやや落ちる照明光は、ハニカム部材513から指定方向に出力されない。
【0055】
以上のように、本実施形態では、z方向における各ハニカムの開き具合を狭くするほど、ハニカム部材513から指定方向に出力される照明光を、平行度合い(xz面におけるx方向との平行度合い)の高いものに限定でき、z方向における各ハニカムの開き具合を広くするほど、ハニカム部材513から指定方向に出力される照明光に、平行度合い(xz面におけるx方向との平行度合い)のやや落ちるものまで含められるようになる。なお、z方向は、印刷物Pの主走査方向に相当する方向である。
【0056】
つまり本実施形態では、z方向における各ハニカムの開き具合を調整することで、印刷物Pの主走査方向に対する平行度がどの程度までの照明光を、印刷物Pの読取領域に入射する照明光221aとするかを調整できる。
【0057】
また例えば、
図5に示すように、遮光フィルム518a、518bの間隔を広くした場合、y方向における防塵フィルム517の開口度合いが大きくなるため、xy面においてx方向との平行度合いが高い照明光だけでなく、x方向との平行度合いがやや落ちる照明光も、指定方向に出力できる。
【0058】
一方、
図6に示すように、遮光フィルム518a、518bの間隔を狭くした場合、y方向における防塵フィルム517の開口度合いが狭くなるため、xy面においてx方向との平行度合いが高い照明光のみが指定方向に出力でき、x方向との平行度合いがやや落ちる照明光は、指定方向に出力されない。
【0059】
以上のように、本実施形態では、遮光フィルム518a、518bの間隔を狭くするほど、指定方向に出力される照明光を、平行度合い(xy面におけるx方向との平行度合い)の高いものに限定でき、遮光フィルム518a、518bの間隔を広くするほど、指定方向に出力される照明光に、平行度合い(xy面におけるx方向との平行度合い)のやや落ちるものまで含められるようになる。なお、y方向は、印刷物Pの副走査方向に相当する方向である。
【0060】
つまり本実施形態では、遮光フィルム518a、518bの間隔を調整することで、印刷物Pの副走査方向に対する平行度がどの程度までの照明光を、印刷物Pの読取領域に入射する照明光221aとするかを調整できる。
【0061】
次に、本実施形態の光沢用照明装置211のように、光沢用照明装置211から照射する照明光221aの平行度を調整できることの優位性について説明する。
【0062】
従来技術で説明したように、従来の照明装置では、略平行光が入射する対象物の面が特定の平面度合い(通常は、完全平面)であることを前提に設計されており、略平行光の平行度ができるだけ高くなるように設計されていた。このため、対象物の面がうねりや傾きが存在する非完全平面である場合、対象物からの正反射光を目的の位置(縮小光学系)に十分に入射させることができない。
【0063】
例えば、
図7に示すように、本実施形態の印刷物Pの印刷面が、うねりが存在する非完全平面であるとする。なお、印刷物Pには、光沢欠陥(低光沢部分)601〜603が存在する。
【0064】
従来の照明装置では、略平行光の平行度が極めて高く、略平行光の入射面が完全平面である場合に、当該略平行光の正反射光が縮小光学系に入射されるように設計されているため、
図7に示すような印刷物Pの場合、印刷面のうねりの影響で、当該略平行光の正反射光は十分に縮小光学系に入射されない。
【0065】
このため、従来の照明装置を用いた場合、縮小光学系に入射された正反射光に基づいて生成される光沢欠陥の検査用の読取画像は、うねり(非完全平面)部分の正反射光が十分に縮小光学系に入射されないため、
図8に示すように、非うねり(完全平面)部分に比べ、うねり(非完全平面)部分の画像が暗くなってしまう。
【0066】
この結果、非うねり(完全平面)部分に存在する光沢欠陥(低光沢部分)602、603に相当する欠陥画像622、623は、画像が暗くなる影響を受けず観察し易いが、うねり(非完全平面)部分に存在する光沢欠陥(低光沢部分)601に相当する欠陥画像621は、画像が暗くなる影響を受け、観察しにくくなる。従って、
図8に示すような読取画像を用いて、光沢欠陥の検査を行っても、うねり(非完全平面)部分に存在する光沢欠陥については、精度の高い検査(検出)が難しい。
【0067】
一方、上述したように、本実施形態の光沢用照明装置211では、光沢用照明装置211から照射する照明光221aの平行度を調整できる。このため、本実施形態では、印刷物Pの平面度合いに応じて、どの程度までの平行度の照明光を照明光221aとするかを調整する。具体的には、印刷物Pの平面が完全平面に近いほど(平面度合いが高いほど)、平行度が高い照明光のみを照明光221aとするよう調整し、印刷物Pの平面が非完全平面であるほど(平面度合いが低いほど)、平行度がやや落ちる照明光も照明光221aとして含められるよう調整する。
【0068】
例えば、
図7に示すように、本実施形態の印刷物Pの印刷面が、うねりが存在する非完全平面である場合、上述の説明から明らかなように、照明光221aの平行度を高くすると、精度の高い検査(検出)が困難になる。
【0069】
このため本実施形態では、印刷物Pの平面度合いに応じて、どの程度の平行度までの照明光を照明光221aとするかを調整する。具体的には、印刷物Pの副走査方向のうねり(非完全平面)については、当該副走査方向のうねりに応じた平行度の照明光も照明光221aに含められるよう遮光フィルム518a、518bの間隔を調整し、印刷物Pの主走査方向のうねり(非完全平面)については、当該主走査方向のうねりに応じた平行度の照明光も照明光221aに含められるようハニカム部材513のz方向における各ハニカムの開き具合を調整する。
【0070】
図9及び
図10は、照明光221aの平行度を調整することで、非完全平面からの正反射光を十分に画像センサ213に入射させることができる原理を説明するための説明図の一例である。
【0071】
例えば、遮光フィルム518a、518bの間隔を、印刷物Pの副走査方向のうねりに応じた平行度の照明光も照明光221aに含められるよう調整したとする。この場合、
図9に示すように、遮光フィルム518a、518bの間隔に相当する幅A内から照射された照明光221aの正反射光を画像センサ213に入射させることができる。
【0072】
詳細には、幅A内の各地点から様々な平行度の照明光が照明光221aとして照射されるが、各地点に応じた平行度の照明光が印刷物Pの読取領域に照射され、正反射光が画像センサ213に入射される。例えば、幅Aの中心地点から照射される照明光については、平行度が高いものが印刷物Pの読取領域に照射され、正反射光が画像センサ213に入射される。また例えば、幅Aの中心から離れた地点から照射される照明光については、平行度がやや落ちるものが印刷物Pの読取領域に照射され、正反射光が画像センサ213に入射される。
【0073】
また例えば、ハニカム部材513のz方向における各ハニカムの開き具合を、印刷物Pの主走査方向のうねりに応じた平行度の照明光も照明光221aに含められるよう調整したとする。この場合、
図10に示すように、ハニカムの開き具合に相当する幅B内から照射された照明光221aの正反射光を画像センサ213に入射させることができる。
【0074】
なお、本実施形態では、ハニカム部材513のハニカム構造の伸縮具合(ハニカム構造の形状)を適宜調整できるようにしているが、光沢用照明装置211を読取部201に設置した後は、調整できないようにしてもよい。また、ハニカム部材513のハニカム構造の伸縮具合(ハニカム構造の形状)の調整は、ユーザが記録媒体に応じて調整してもよいし、記録媒体に応じて自動的に調整されるようにしてもよい。また、すでにハニカム部材513のハニカム構造の伸縮具合(ハニカム構造の形状)を調整した状態でハニカム部材513を使用してもよい。
【0075】
詳細には、幅B内の各地点から様々な平行度の照明光が照明光221aとして照射されるが、各地点に応じた平行度の照明光が印刷物Pの読取領域に照射され、正反射光が画像センサ213に入射される。例えば、幅Bの中心地点から照射される照明光については、平行度が高いものが印刷物Pの読取領域に照射され、正反射光が画像センサ213に入射される。また例えば、幅Bの中心から離れた地点から照射される照明光については、平行度がやや落ちるものが印刷物Pの読取領域に照射され、正反射光が画像センサ213に入射される。
【0076】
以上のように本実施形態では、
図7に示す印刷物Pのように、うねりが存在していても(非完全平面であっても)、照明光221aの正反射光を十分に画像センサ213に入射させることができる。このため、画像センサ213に入射された正反射光に基づいて生成される光沢欠陥の検査用の読取画像は、うねり(非完全平面)部分の正反射光も十分に画像センサ213に入射され、
図11に示すように、非うねり(完全平面)部分もうねり(非完全平面)部分も一定の明るさの画像となる。
【0077】
この結果、非うねり(完全平面)部分に存在する光沢欠陥(低光沢部分)602、603に相当する欠陥画像612、613だけでなく、うねり(非完全平面)部分に存在する光沢欠陥(低光沢部分)601に相当する欠陥画像611も、観察し易い。従って、
図11に示すような読取画像を用いて、光沢欠陥の検査を行えば、うねり(非完全平面)部分に存在する光沢欠陥についても、精度の高い検査(検出)が可能となる。
【0078】
次に、本実施形態のハニカム部材513のz方向における各ハニカムの開き具合を調整することで、照明光221aの平行度を調整できることの実験結果について説明する。
【0079】
本実施形態では、
図12に示すように、光沢用照明装置211から照射される照明光221aの照度を、筒701の一端に照度計702が設置された計測装置を用いて計測する。具体的には、筒701の他端(照度計702が設置されていない方の端部)を回転中心として、筒701を上下に回転させながら、筒701の他端から入射された照明光221aの照度を照度計702で計測する。
【0080】
このような計測装置を用いて照度を計測した場合、照度計702による照度の計測結果は、照明光221aの平行度に関わらず、
図13に示すように、筒701の回転角度が0に近いほど照度が高く、筒701の回転角度が0から遠いほど照度が低くなるが、照明光221aの平行度が高いほど照度のピークが急峻となり、筒701の回転角度が0から遠くなる場合の照度が低くなり易い。
【0081】
図14は、照度の計測実験の結果の一例を示すグラフであり、実験Open(ハニカム部材513を設置しない)、各ハニカムの開き具合を400mmに調整、各ハニカムの開き具合を600mmに調整、各ハニカムの開き具合を800mmに調整、各ハニカムの開き具合を1000mmに調整、パラボラLED(従来技術で説明した照明装置)という6つの条件での照度の計測結果を示している。
【0082】
図14に示す結果から、各ハニカムの開き具合を小さくするほど、筒701の回転角度が0から遠くなる場合の照度が低くなっており、各ハニカムの開き具合を小さくするほど、照明光221aの平行度が高くなることが分かる。また、各ハニカムの開き具合を400mmに調整した場合の照明光221aの照度は、従来技術で説明した照明装置の照明光の照度に近いレベルであり、従来技術で説明した照明装置に近い平行度を実現できていることが分かる。
【0083】
次に、本実施形態の検査装置200のハードウェア構成について説明する。
図15は、本実施形態の検査装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図15に示すように、検査装置200は、コントローラ910とエンジン部(Engine)960とをPCIバスで接続した構成となる。コントローラ910は、検査装置200の全体の制御、描画、通信、及び操作表示部920からの入力を制御するコントローラである。エンジン部960は、PCIバスに接続可能なエンジンであり、例えば、スキャナ等のスキャナエンジンなどである。エンジン部960には、エンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分も含まれてよい。
【0084】
コントローラ910は、CPU911と、ノースブリッジ(NB)913と、システムメモリ(MEM−P)912と、サウスブリッジ(SB)914と、ローカルメモリ(MEM−C)917と、ASIC916と、ハードディスクドライブ(HDD)918とを有し、ノースブリッジ(NB)913とASIC916との間をAGPバス915で接続した構成となる。また、MEM−P912は、ROM912aと、RAM912bとをさらに有する。
【0085】
CPU911は、検査装置200の全体制御を行うものであり、NB913、MEM−P912およびSB914からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0086】
NB913は、CPU911とMEM−P912、SB914、AGPバス915とを接続するためのブリッジであり、MEM−P912に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0087】
MEM−P912は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM912aとRAM912bとからなる。ROM912aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM912bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0088】
SB914は、NB913とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB914は、PCIバスを介してNB913と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部なども接続される。
【0089】
ASIC916は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICであり、AGPバス915、PCIバス、HDD918およびMEM−C917をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC916は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC916の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C917を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMACと、エンジン部960との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC916には、PCIバスを介してUSB940、IEEE1394インタフェース(I/F)950が接続される。操作表示部920はASIC916に直接接続されている。
【0090】
MEM−C917は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD918は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0091】
AGPバス915は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P912に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0092】
画像形成装置である印刷装置100は、いくつかの違いを除いて、
図15に示す検査装置200のハードウェア構成と実質的に同様のハードウェア構成を有する。このような違いには、印刷処理を制御するエンジン部(Engine)960の一部としてのプリントエンジン部の追加が含まれる。詳細には、プリントエンジン部は、感光体ドラム103Y、103M、103C、103K、103CLと、転写ベルト105と、二次転写ローラ107と、給紙部109と、搬送ローラ対111と、定着装置113とを用いて、印刷処理を制御する。
【0093】
図16は、本実施形態の印刷装置100及び検査装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図16に示すように、印刷装置100は、RIP(Raster Image Processor)部121と、印刷制御部123と、印刷部125とを備える。検査装置200は、読取部251と、濃度画像取得部253と、差分画像生成部255と、光沢度画像取得部257と、検査部259とを、備える。
【0094】
なお本実施形態では、印刷装置100が、RIP部121を備える場合を例に取り説明するが、これに限定されず、DFE(Digital Front End)など印刷装置100とは異なる装置がRIP部121を備えるようにしてもよい。
【0095】
また本実施形態では、印刷装置100と検査装置200とは、USB(Universal Serial Bus)やPCIe(Peripheral Component Interconnect Express)等のローカルなインタフェースによって接続されていることを想定しているが、印刷装置100と検査装置200との接続形態は、これに限定されるものではない。
【0096】
RIP部121及び印刷制御部123は、例えば、CPUなどにより実現できる。印刷部125は、例えば、感光体ドラム103Y、103M、103C、103K、103CL、転写ベルト105、二次転写ローラ107、及び定着装置113などにより実現されるが、これに限定されるものではない。このように本実施形態では、電子写真方式で画像を印刷するが、これに限定されず、インクジェット方式で画像を印刷するようにしてもよい。
【0097】
読取部251は、読取部201で構成され、例えば、エンジン部960などにより実現できる。濃度画像取得部253及び光沢度画像取得部257は、例えば、CPU911及びシステムメモリ912などにより実現できる。差分画像生成部255及び検査部259は、例えば、CPU911及びシステムメモリ912などにより実現してもよいし、ASIC916などにより実現してもよいし、これらを併用して実現してもよい。
【0098】
RIP部121は、ホスト装置などの外部装置から印刷データを受け取り、受け取った印刷データをRIP処理し、RIP画像を生成する。本実施形態では、印刷データは、PostScript(登録商標)などのページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたジョブ情報やTIFF(Tagged Image File Format)形式の画像データなどを含んで構成されるが、これに限定されるものではない。また本実施形態では、RIP画像は、CMYKのRIP画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0099】
印刷制御部123は、RIP部121により生成されたRIP画像を印刷部125へ送信するとともに、当該RIP画像を検査装置200へ送信する。
【0100】
印刷部125は、作像プロセスなどの印刷処理プロセスを実行し、RIP画像に基づく印刷画像を記録媒体に印刷し、印刷物を生成する。
【0101】
読取部201は、印刷部125により印刷された(生成された)検査対象の印刷物を読み取って、当該印刷物の濃度を示す濃度画像を生成するとともに、当該印刷物の光沢度を示す光沢度画像を生成する。
【0102】
具体的には、読取部201を構成する濃度用照明装置212が、検査対象の印刷物に照明光222aを照射し、読取部201を構成する画像センサ213が、検査対象の印刷物により反射された拡散反射光222bを読み取ることにより(に基づいて)、濃度画像を生成する。同様に、読取部201を構成する光沢用照明装置211が、検査対象の印刷物に照明光221aを照射し、読取部201を構成する画像センサ213が、検査対象の印刷物により反射された正反射光221bを読み取ることにより(に基づいて)、光沢度画像を生成する。本実施形態では、濃度画像及び光沢度画像は、RGBの画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0103】
濃度画像取得部253は、読取部201により生成された濃度画像を取得する。
【0104】
差分画像生成部255は、印刷装置100からRIP画像を取得し、取得したRIP画像に基づいて基準画像(マスター画像)を生成する。具体的には、差分画像生成部255は、印刷装置100(印刷制御部123)から、C、M、Y、KそれぞれのRIP画像を取得し、取得したC、M、Y、KそれぞれのRIP画像に対し、多値変換処理、平滑化処理、解像度変換処理、及び色変換処理などの各種画像処理を施し、基準画像を生成する。本実施形態では、基準画像は、RGBの画像データであるものとするが、これに限定されるものではない。
【0105】
そして差分画像生成部255は、生成した基準画像と濃度画像取得部253により取得された濃度画像との差分を示す差分画像を生成する。具体的には、差分画像生成部255は、基準画像と濃度画像とを画素単位で比較し、RGB各色の画素値の差分値を画素毎に算出し、画素毎の画素値の差分値で構成される差分画像を生成する。
【0106】
光沢度画像取得部257は、読取部201により生成された光沢度画像(例えば、
図11に示すような読取画像)を取得する。
【0107】
検査部259は、光沢度画像取得部257により取得された光沢度画像に基づいて、印刷物を検査する。
【0108】
図17は、本実施形態の光沢検査処理の一例を示すフローチャート図である。
【0109】
まず、検査部259は、光沢度画像取得部257により取得された光沢度画像から、指定時間分の読み取りに相当する画像を切り取り、シェーディング処理を施す(ステップS101)。例えば、検査部259は、切り取られた画像に対し、副走査方向の画素列毎に当該画素列の画素値の平均値を算出し、この平均値が各画素列で一定値となるように、各画素列の係数を算出し、各画素列を構成する画素の画素値に、当該画素列の係数を乗算することで、切り取られた画像に対するシェーディング処理を施す。感熱紙は基本的に白色なので、全域で一定の反射率を有しているものと設定すると、このシェーディング処理により、照明強度ムラの補正が実施される。
【0110】
続いて、検査部259は、シェーディング処理が施された画像に対し、指定スレッシュ値で画像を2値化する2値化処理を施す(ステップS103)。感熱紙の不良部は黒側(低光沢部)に発生することから、ここでは、指定画像信号値以下の部位を2値化して抽出している。
【0111】
続いて、検査部259は、2値化処理が施された画像に対し、ラベリング処理を施す(ステップS105)。具体的には、検査部259は、2値化処理で抽出された各部位に対し、番号付け及び特徴量抽出を行う。特徴量としては、2値化処理で抽出された部位の面積、周囲長さ、及び縦横比などの少なくともいずれかが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0112】
続いて、検査部259は、ラベリング処理が施された部位毎に、当該部位の特徴量と光沢度検査用の閾値とを比較して、印刷物の光沢欠陥を検査する欠陥判定処理を行う(ステップS107)。
【0113】
また検査部259は、差分画像生成部255により生成された差分画像に基づいて、印刷物を検査する。例えば、検査部259は、差分画像生成部255により生成された差分画像を構成する各画素の差分値と、濃度度検査用の閾値との大小関係に基づいて、印刷装置100により生成された印刷物の濃度欠陥を検査する。例えば、差分値の大きい箇所(画素群)や差分のある面積が広い箇所(画素群)が濃度欠陥となる。
【0114】
そして検査部259は、光沢欠陥の位置及び濃度欠陥の位置や種類などの検査結果、濃度画像、光沢度画像、及び差分画像を対応付けてHDD918に保存したり、印刷装置100に送信(フィードバック)したりする。
【0115】
以上のように本実施形態によれば、光沢用照明装置211から照射する照明光221aの平行度を調整できるので、対象物の平面度合いに関わらず、当該対象物からの正反射光を目的の位置に十分に入射させることができる。この結果、対象物の平面度合いに関わらず、対象物の光沢度を精度よく反映した光沢度画像の生成が可能となり、精度の高い光沢欠陥の検査(検出)が可能となる。
【0116】
また本実施形態によれば、従来の照明装置のように、各LEDから照射された照明光が、各LEDの配置関係のまま印刷物に反射されないので、各LEDのつなぎ目が影になって光沢度画像に写ってしまうことも防止でき、光沢度画像の品質も向上できる。
【0117】
また本実施形態によれば、従来の照明装置のような特殊な曲面ミラーが不要になるので、光沢用照明装置211の大きさやコストも削減できる。
【0118】
なお、上記実施形態では、光沢用照明装置211を印刷物の検査に用いる場合を例に取り説明したが、検査対象はこれに限定されるものではなく、表面状態の検査が有用な検査対象物にも使用できる。例えば、本実施形態の照明装置は、金属の表面の検査、クリアフィルムの表面の検査、射出成形物の表面の検査、樹脂凸版印刷版の表面の検査、剥離紙のシリコン層の不良検査などにも適用可能である。