特許第6984545号(P6984545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6984545
(24)【登録日】2021年11月29日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】光トランシーバ
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/40 20130101AFI20211213BHJP
   H04B 10/07 20130101ALI20211213BHJP
   G06F 8/65 20180101ALI20211213BHJP
【FI】
   H04B10/40
   H04B10/07
   G06F8/65
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-103345(P2018-103345)
(22)【出願日】2018年5月30日
(65)【公開番号】特開2019-208158(P2019-208158A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2020年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】保米本 徹
(72)【発明者】
【氏名】益本 佳奈
(72)【発明者】
【氏名】片山 勝
(72)【発明者】
【氏名】松村 和之
【審査官】 前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−236181(JP,A)
【文献】 特開2018−026748(JP,A)
【文献】 特開2013−187714(JP,A)
【文献】 特開2017−195453(JP,A)
【文献】 特開2014−150426(JP,A)
【文献】 特開2017−153148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/40
H04B 10/07
G06F 8/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の伝送装置から入力される電気信号を光信号に変換して出力する光送信機と、光IF(interface)を介して受信された光信号を電気信号に変換して前記伝送装置へ出力する光受信機と、当該伝送装置により特定アドレスの記憶領域にデータを読み書きすることで当該光送信機及び当該光受信機の制御を可能とする不揮発性メモリとを有する光トランシーバであって、
光トランシーバに新規に追加される追加機能を実行するプログラムのダウンロード制御を行うCPU(Central Processing Unit)と、
前記ダウンロード制御に応じて、各種プログラムを格納する端末機から該当プログラムを受信する無線送受信機と、
前記受信されたプログラムを記憶するメモリ部と
を備え、
前記CPUは、前記伝送装置からの監視制御信号に割り込んで、前記メモリ部に記憶されたプログラムの実行に応じた前記光送信機及び前記光受信機の送受信処理に係るデータを、前記不揮発性メモリの特定アドレスの記憶領域に書き込む制御を行う
ことを特徴とする光トランシーバ。
【請求項2】
前記メモリ部は、前記プログラムとして、
光トランシーバ同士が前記無線送受信機で無線通信を行い、光IFを介した信号光の送受信を同期して行うペアリングを確立する処理を前記CPUに実行させるペアリングプログラムと、
前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、
前記光送信機からの送信信号の波長を掃引し、前記モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で当該掃引された波長を固定する処理を前記CPUに実行させる波長制御プログラムとを記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項3】
前記メモリ部は、前記プログラムとして、
前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、
前記光送信機からの送信信号の波長を掃引し、前記モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で当該掃引された波長を固定する処理を前記CPUに実行させる波長制御プログラムと、
前記モニタリングで適正な受信信号レベルを検知した際に、その検知タイミングを表す数値と信号送信用の波長とを各々一定量づつ増加させ、当該増加される数値を、当該数値に応じて送信レベルが変動され、且つ当該増加される波長の送信信号で、対向側の光トランシーバへ送信し、当該対向側の光トランシーバが受信した検知タイミングを表す数値分の波長量だけ波長を戻して波長を設定する処理を前記CPUに実行させる光出力制御プログラムとを記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項4】
前記CPUの前記光出力制御プログラムの実行により、前記波長制御プログラムの実行による送信信号光の波長変更の周期よりも短く、且つ光入力レベルモニタプログラムの実行による光入力レベルのモニタリングの検知周期よりも長い周期で、前記光送信機からの送信信号光の光レベルを変動させて受信通知データを生成し、対向側の光トランシーバへ通知する
ことを特徴とする請求項3に記載の光トランシーバ。
【請求項5】
前記メモリ部は、前記プログラムとして、
前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、
前記光送信機からの送信信号の波長を掃引し、前記モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で当該掃引された波長を固定する処理を前記CPUに実行させる波長制御プログラムと、
光トランシーバが、対向側の光トランシーバとの間に介挿される波長多重分離装置に接続された他の光トランシーバに設定された波長を前記無線送受信機を介して受信し、この受信した波長以外の波長を送信用の波長として設定する処理を前記CPUに実行させるための状態通知プログラムとを記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【請求項6】
前記メモリ部は、前記プログラムとして、
前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、
受信側の光トランシーバにおける前記モニタリングによる光レベルが未検知となった際に、入力断と検知し、送信信号を停止する送信断の処理を前記CPUに実行させる第2光出力制御プログラムとを記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号を光信号に変換して送受信し、プラガブル(着脱可能)な小型光モジュールに搭載された光トランシーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データセンタの急速なトラフィック増大を背景として、光トランシーバが搭載された小型光モジュールの大容量化が進展している。一方、直接データセンタ間を接続するために、波長多重分離(WDM:Wavelength Division Multiplex)グリッドの任意の光信号を出力する光モジュールの開発が進んでいる。例えば、10GHz用の規格であるXFP(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)やSFP(Small Form-factor Pluggable)+等の小型光モジュールにおいて、WDM対応の波長可変機能(非特許文献1)を搭載した光モジュールの市販が始まっている。これらの光モジュールを用いることで低コストなWDMシステムの構築が可能となる。
【0003】
XFPやSFP+等の小型光モジュールと同一プラットフォームに、WDM対応の波長可変機能等の新しい機能が追加される場合、監視制御用のEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)の予約アドレスがその追加機能に割り当てられる。この割当先アドレスに記憶された値を読み書きすることで追加機能が利用可能となる。このため、光モジュールが装着されるサーバやルータ等の伝送装置側はハードウェアの変更を行うことなく、ソフトウェア又はファームウェアを変更することで、追加機能に対応可能となる。
【0004】
このような小型光モジュールの監視制御機能をより柔軟にコントロールする方法として、モジュール内部にプログラム書き換え可能なコントローラを持つ方法(特許文献1)や、インバンドに制御信号を重畳する方法(特許文献2)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−150426号公報
【特許文献2】特開2017−153148号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】SFF-8690, Tunable SFP+ Memory Map for ITU Frequencies,[online],2013, SFF Committee,[平成30年5月16日検索],インターネット〈URL:https://doc.xdevs.com/doc/Seagate/SFF-8690.PDF〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、小型光モジュールが装着される伝送装置側は、ソフトウェア又はファームウェアの変更で小型光モジュールの追加機能に対応することが技術的には可能である。しかし、変更後の新しいソフトウェアやファームウェアは、機能追加された光モジュール以外に接続される可能性がある従来の同一プラットフォームの光モジュールに対しても接続検証を行わなければならない。この検証には検証時間及び作業工数が多く掛かるためコスト高となる問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光モジュールに新機能を追加する際に低コストで行うことができる光トランシーバを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、信号の伝送装置から入力される電気信号を光信号に変換して出力する光送信機と、光IF(interface)を介して受信された光信号を電気信号に変換して前記伝送装置へ出力する光受信機と、当該伝送装置により特定アドレスの記憶領域にデータを読み書きすることで当該光送信機及び当該光受信機の制御を可能とする不揮発性メモリとを有する光トランシーバであって、光トランシーバに新規に追加される追加機能を実行するプログラムのダウンロード制御を行うCPU(Central Processing Unit)と、前記ダウンロード制御に応じて、各種プログラムを格納する端末機から該当プログラムを受信する無線送受信機と、前記受信されたプログラムを記憶するメモリ部とを備え、前記CPUは、前記伝送装置からの監視制御信号に割り込んで、前記メモリ部に記憶されたプログラムの実行に応じた前記光送信機及び前記光受信機の送受信処理に係るデータを、前記不揮発性メモリの特定アドレスの記憶領域に書き込む制御を行うことを特徴とする光トランシーバである。
【0010】
この構成によれば、CPUはダウンロード制御により、無線送受信機で追加機能を実行するプログラムをダウンロードしてメモリ部に記憶し、更に、監視制御信号に割り込み、メモリ部に記憶された追加機能を実行するプログラムに係るデータを、不揮発性メモリ(EEPROM)に読み書きする。これらの処理により、光トランシーバに接続される外部の伝送装置の設定変更を行うことなく、新機能を追加できる。このため、従来のような新機能の追加に係るコスト高となる伝送装置の検証が不要となるので、光モジュールに新機能を追加する際に容易に低コストで行うことが可能となる光トランシーバを実現できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記メモリ部が、前記プログラムとして、光トランシーバ同士が前記無線送受信機で無線通信を行い、光IFを介した信号光の送受信を同期して行うペアリングを確立する処理を前記CPUに実行させるペアリングプログラムと、前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、前記光送信機からの送信信号の波長を掃引し、前記モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で当該掃引された波長を固定する処理を前記CPUに実行させる波長制御プログラムとを記憶することを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバである。
【0012】
この構成によれば、CPUは、ペアリングプログラムに応じて、光トランシーバ同士が無線送受信機で無線通信を行い、信号光の送受信を同期して行うペアリングを確立した際に、光入力レベルモニタプログラムに応じて、光受信機での受信信号レベルをモニタリングし、波長制御プログラムに応じて、光送信機からの送信信号の波長を掃引し、モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で掃引された波長に固定する処理を行うことができる。このため、光トランシーバ同士が通信を行う際に、その通信時の信号の波長を自動的に設定することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記メモリ部が、前記プログラムとして、前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、前記光送信機からの送信信号の波長を掃引し、前記モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で当該掃引された波長を固定する処理を前記CPUに実行させる波長制御プログラムと、前記モニタリングで適正な受信信号レベルを検知した際に、その検知タイミングを表す数値と信号送信用の波長とを各々一定量づつ増加させ、当該増加される数値を、当該数値に応じて送信レベルが変動され、且つ当該増加される波長の送信信号で、対向側の光トランシーバへ送信し、当該対向側の光トランシーバが受信した検知タイミングを表す数値分の波長量だけ波長を戻して波長を設定する処理を前記CPUに実行させる光出力制御プログラムとを記憶することを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバである。
【0014】
この構成によれば、CPUは、光トランシーバ同士が無線送受信機で無線通信が行えない距離離間している場合に、光入力レベルモニタプログラムに応じて、光受信機での受信信号レベルをモニタリングする。また、CPUは、波長制御プログラムに応じて、光送信機からの送信信号の波長を掃引し、モニタリングで適正な受信信号レベルが検知された際に、光出力制御プログラムにより、その検知されたタイミングを表す数値と信号送信用の波長とを各々一定量づつ増加させる。CPUは、この増加される数値に応じて送信レベルを変動させ且つ同増加される波長の送信信号を対向側の光トランシーバへ送信し、当該対向側の光トランシーバが受信した検知タイミングを表す数値分の波長量だけ波長を戻して波長を設定する処理を行うことができる。このため、互いの光トランシーバの無線送受信機で無線通信が不可能な場合でも、送受信信号光の波長を自動で設定することができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記CPUの前記光出力制御プログラムの実行により、前記波長制御プログラムの実行による送信信号光の波長変更の周期よりも短く、且つ光入力レベルモニタプログラムの実行による光入力レベルのモニタリングの検知周期よりも長い周期で、前記光送信機からの送信信号光の光レベルを変動させて受信通知データを生成し、対向側の光トランシーバへ通知することを特徴とする請求項3に記載の光トランシーバである。
【0016】
この構成によれば、送信信号光の光レベルの変動を、送信信号光の波長変更の周期よりも短くすることにより、同一波長で光レベルを変動させ、データを適正値とすることができる。これに加え、光入力レベルモニタの検知周期よりも長い周期で光レベルを変動させることにより、変動した信号光を受信側で適正にモニタリングすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記メモリ部が、前記プログラムとして、前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、前記光送信機からの送信信号の波長を掃引し、前記モニタリングされる受信信号レベルが適正レベルとなった時点で当該掃引された波長を固定する処理を前記CPUに実行させる波長制御プログラムと、光トランシーバが、対向側の光トランシーバとの間に介挿される波長多重分離装置に接続された他の光トランシーバに設定された波長を前記無線送受信機を介して受信し、この受信した波長以外の波長を送信用の波長として設定する処理を前記CPUに実行させるための状態通知プログラムとを記憶することを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバである。
【0018】
この構成によれば、CPUは、他の光トランシーバに設定された波長を無線送受信機を介して受信し、この受信した波長以外の波長を送信用の波長として設定する処理を行うことができる。このため、同じ波長多重分離装置に接続された複数の光トランシーバにおいて、固有の送信用の波長を容易に設定することができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記メモリ部が、前記プログラムとして、前記光受信機での受信信号レベルをモニタリングする処理を前記CPUに実行させる光入力レベルモニタプログラムと、受信側の光トランシーバにおける前記モニタリングによる光レベルが未検知となった際に、入力断と検知し、送信信号を停止する送信断の処理を前記CPUに実行させる第2光出力制御プログラムとを記憶することを特徴とする請求項1に記載の光トランシーバである。
【0020】
この構成によれば、光トランシーバ間を接続する光ファイバが破損又は断線した際に、受信側の光トランシーバにおいてモニタリングによる光レベルが未検知となる。このとき、その光トランシーバのCPUは、第2光出力制御プログラムの実行による入力断検知を行い、更に、光送信機からの送信信号を停止する送信断制御を行う。この送信断制御により、相手側の光トランシーバへの信号光が停止するので、この光トランシーバにおいてモニタリングによる光レベルが未検知となる。この場合、その光トランシーバのCPUは、入力断検知を行い、送信信号を停止する送信断処理を行うことができる。このため、光ファイバが破損や切断した際に、即時、双方の光トランシーバから送信される信号光を停止できるので、破損や切断箇所から漏れる人体に悪影響を及ぼす高パワーの信号光の放射を止めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光モジュールに新機能を追加する際に低コストで行う光トランシーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の応用例1に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の応用例2に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
図4】応用例2の光トランシーバから送信される受信通知データの構成を示す図である。
図5】応用例2の光トランシーバ間で送受信される信号光の波長及び受信通知データの送受信のシーケンス図である。
図6】本発明の実施形態の応用例3に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の応用例4に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。但し、本明細書の全図において対応する構成部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
<実施形態の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【0024】
図1に示す通信システム10は、個別の小型光モジュール(図示せず)に各々搭載された2つの光トランシーバ11a,11bと、伝送装置12と、アンテナ13aを有する端末機13とを備えて構成されている。各光トランシーバ11a,11bは、光IF(interface)としての1対の双方向の光ファイバ14a,14bを含む光ケーブル14で接続されている。なお、光トランシーバ11a,11bは、同構成なので、一方の光トランシーバ11aを代表して説明する。
【0025】
伝送装置12は、サーバ、ルータ、パソコン(パーソナルコンピュータ)等を含む小型光モジュールと接続可能な装置である。
【0026】
端末機13は、通信機能、データ保持機能及びデータ処理機能を有するコンピュータ等の通信情報処理装置であり、光トランシーバ11a,11bにおいてWDM対応の波長可変機能等の各種機能を実現するための各種のプログラムP1〜Pnをハードディスク等の読み書き可能なメモリに記憶している。
【0027】
光トランシーバ11aは、光モジュール(図示せず)が外部の伝送装置12に監視制御IF及び電気IFを介して伝送装置12にプラカブルに装着されることにより、伝送装置12に電気的に接続される。この光トランシーバ11aは、CPU(Central Processing Unit)21と、アンテナ22aを有する無線送受信機22と、メモリ部23と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)24と、Tx(光送信機)25aと、Rx(光受信機)26aとを備える。なお、他方の光トランシーバ11bに記載したTx,Rxには異なる符号25b,26bを付した。
【0028】
メモリ部23は、CPU21を起動するOS(Operating System)のソフトウエア(図示せず)と、プログラム等のデータを格納するフラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)等の読み書き自在なメモリである。
【0029】
EEPROM24は、データの読み書き可能な不揮発性メモリであり、伝送装置12から監視制御IFを介して特定アドレスのデータ(値)を読み書きすることによって、Tx25a及びRx26aの監視制御を可能とするものである。
【0030】
また、EEPROM24は、後述のようにメモリ部23に記憶されたプログラムに係るデータを記憶する。この記憶は、CPU21がメモリ部23に記憶された例えば波長制御用のプログラムの実行に係る波長データを、EEPROM24の特定アドレスの記憶領域に書き込んで行う。この書き込まれた波長データをCPU21が読み込んで、Tx25aからの送信信号の波長を定めることが可能となる。
【0031】
無線送受信機22は、CPU21による所定機能実現のためのプログラムをダウンロードする制御(ダウンロード制御という)に応じて、無線通信により端末機13から該当プログラムP1〜Pnを受信する。
【0032】
CPU21は、光トランシーバ11aに追加される新機能(追加機能ともいう)のプログラムを、無線送受信機22を介して端末機13から受信してダウンロードし、メモリ部23に記憶する処理を行う。但し、新機能とは、光トランシーバ11aにおいて現在備えられている既存機能以外の機能をいう。本例で、新機能を新たに追加するとは、既存機能以外に新機能を追加する場合と、ある既存機能に新機能を上書きして変更する場合をいう。
【0033】
更に、CPU21は、伝送装置12からの監視制御信号に割り込んでEEPROM24にデータの読み書きを行うことができる。この機能により、CPU21は、伝送装置12からの監視制御信号に割り込み、メモリ部23に記憶された追加機能を実行するプログラムに応じて、例えば波長を決定する際の波長データをEEPROM24に記憶する処理を行う。
【0034】
このように、CPU21は上記ダウンロード制御により、無線送受信機22で追加機能を実行するプログラムをダウンロードしてメモリ部23に記憶し、更に、監視制御信号に割り込み、メモリ部23に記憶された追加機能を実行するプログラムに応じたデータを、EEPROM24に記憶する。この記憶処理により、光トランシーバ11aに監視制御IF及び電気IFを介して接続される外部の伝送装置12の設定変更を行うことなく、新機能の追加が可能となっている。
【0035】
Tx25aは、伝送装置12から電気IFを介して入力された電気信号を光信号に変換して一方の光ファイバ14aへ送信する。
【0036】
Rx26aは、他方の光ファイバ14bを介して受信された光信号を電気信号に変換して電気IFを介して伝送装置12へ出力する。
【0037】
<実施形態の動作>
実施形態の光トランシーバ11a,11bの動作について説明する。
CPU21はダウンロード制御により、無線送受信機22で追加機能を実行するプログラムを端末機13からダウンロードしてメモリ部23に記憶する。
【0038】
更に、CPU21は、伝送装置12からの監視制御信号に割り込み、メモリ部23に記憶された例えば波長制御用のプログラムに応じてTx25aからの送信信号の波長を決定する際の波長データをEEPROM24の特定アドレスの記憶領域に記憶する。
【0039】
EEPROM24に記憶された波長データに応じて、Tx25aからの送信信号の波長が定められる。
【0040】
<実施形態の効果>
本実施形態に係る光トランシーバ11a,11bの効果について説明する。
光トランシーバ(例えば光トランシーバ11a)は、信号の伝送装置12から入力される電気信号を光信号に変換して出力するTx(光送信機)25aと、光IFを介して受信された光信号を電気信号に変換して伝送装置12へ出力するRx(光受信機)26aと、伝送装置12により特定アドレスの記憶領域にデータを読み書きすることで、Tx25a及びRx26aの制御を可能とするEEPROM(不揮発性メモリ)24とを有する。このような光トランシーバ11aの特徴構成を説明する。
【0041】
光トランシーバ11aは、光トランシーバ11aに新規に追加される追加機能を実行するプログラムのダウンロード制御を行うCPU21と、ダウンロード制御に応じて、各種プログラムを格納する端末機13から該当プログラムを受信する無線送受信機22と、その受信されたプログラムを記憶するメモリ部23とを備える。CPU21は、メモリ部23に記憶されたプログラムの実行に応じたTx25a及びRx26aの送受信処理に係るデータを、伝送装置12からの監視制御信号に割り込んで、EEPROM24の特定アドレスの記憶領域に書き込む制御を行う構成とした。
【0042】
この構成によれば、CPU21はダウンロード制御により、無線送受信機22で追加機能を実行するプログラムを端末機13からダウンロードしてメモリ部23に記憶し、更に、監視制御信号に割り込み、メモリ部23に記憶された追加機能を実行するプログラムに係るデータを、EEPROMに記憶する。これらの記憶処理により、光トランシーバ11aに接続される外部の伝送装置12の設定変更を行うことなく、新機能を追加できる。このため、従来のような新機能の追加に係るコスト高となる伝送装置12の検証が不要となるので、光モジュールに新機能を追加する際に低コストで行うことが可能となる光トランシーバ11a,11bを実現できる。その低コストとは、光モジュールに新機能を追加する際の検証時間及び作業工数等に掛かるコストを抑制することである。
【0043】
<実施形態の応用例1>
図2は、本発明の実施形態の応用例1に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【0044】
図2に示す通信システム10Aは、前述の通信システム10(図1)と異なり、光トランシーバ11c,11d間が波長多重分離装置31,32を介して光ケーブル14で接続されたWDM通信システムとなっている。各光トランシーバ11a,11bは、互いが無線送受信機22で無線通信可能な距離離間しているとする。
【0045】
応用例1の光トランシーバ11c,11dが、上述した実施形態の光トランシーバ11c,11dと異なる点は、メモリ部23に、後述するペアリングプログラムP5と、波長制御プログラムP6と、光入力レベルモニタプログラムP7とを記憶することにある。なお、ペアリングプログラムP5、波長制御プログラムP6及び光入力レベルモニタプログラムP7を、プログラムP5,P6,P7ともいう。
【0046】
CPU21は、ペアリングプログラムP5に従いペアリング(後述)を行い、この後に、波長制御プログラムP6に従い波長制御(後述)を行いながら、光入力レベルモニタプログラムP7に従いモニタリングされる光入力レベルが適正レベルとなった際に、送信波長を固定する。
【0047】
メモリ部23への各プログラムP5〜P7の記憶は、CPU21が各プログラムP5〜P7をダウンロードするためのダウンロード制御を無線送受信機22に行い、無線送受信機22が端末機13から各プログラムP5〜P7をダウンロードしてメモリ部23に記憶して行われる。
【0048】
ペアリングプログラムP5は、無線送受信機22で他の光トランシーバの無線送受信機22と無線通信を行うことにより、対の光トランシーバ11c,11dで信号光の送受信を同期して行うためのペアリングを確立する動作を、CPU21に実行させるためのプログラムである。
【0049】
更に説明すると、CPU21のペアリングプログラムP5の実行によって、一方の光トランシーバ11cの無線送受信機22から他方の光トランシーバ11dの無線送受信機22へ無線通信を行う。この無線通信により、双方の光トランシーバ11c,11dの信号送受信が適正に行えた場合、CPU21は、互いの光トランシーバ11c,11dを対として信号の送受信を同期して行うペアリングを確立する。このペアリングでは、双方の光トランシーバ11c,11dの信号の送受信タイミングを合わせる。言い換えれば、双方の光トランシーバ11c,11dの通信を同期させる。
【0050】
光入力レベルモニタプログラムP7は、Rx26aでの受信信号レベルをモニタリングし、そのレベルが適正なレベルとなったことを検知する処理を、CPU21に実行させるためのプログラムである。
【0051】
波長制御プログラムP6は、ペアリング後にTx25aから送信される信号光の波長をスウィープ(掃引)しながら、上記モニタリングで受信信号が適正レベルとなった時点でスウィープされた送信信号の波長に固定する制御を、CPU21に実行させるためのプログラムである。
【0052】
但し、CPU21が波長制御プログラムP6及び光入力レベルモニタプログラムP7を用いた処理を行う際に、これらプログラムP6,P7に係るデータを次のようにEEPROM24に記憶して行ってもよい。即ち、CPU21が、伝送装置12からの監視制御信号に割り込み、メモリ部23に記憶された波長制御プログラムP6に応じて決定する波長データと、光入力レベルモニタプログラムP7に応じてモニタリングするRx26aの受信レベルモニタに係るモニタデータとを、EEPROM24に記憶する処理を行う。このEEPROM24にプログラムを記憶する処理は、後述の応用例2〜4のプログラムにおいても同様に行われる。
【0053】
このような構成の光トランシーバ11c,11dにおいて、まず、CPU21が各プログラムP5〜P7をダウンロードするためのダウンロード制御を無線送受信機22に行い、無線送受信機22が端末機13から各プログラムP5〜P7をダウンロードしてメモリ部23に記憶する。
【0054】
次に、ある光トランシーバ11cにおいて、CPU21が、メモリ部23に記憶されたペアリングプログラムP5を実行することにより、無線送受信機22が無線通信を行う。この無線通信動作により他の光トランシーバ11dの無線送受信機22と適正な通信が行えた場合、CPU21が、通信中の双方の光トランシーバ11c,11dを対にして信号光の送受信を同期して行うペアリングを確立する。
【0055】
次に、CPU21は、EEPROM24に記憶された波長データによりTx25aから送信される信号光の波長をスウィープしながら、同じく記憶されているモニタデータによりRx26aでの受信信号レベルをモニタリングする。このモニタリングにより受信信号レベルが適正レベルとなったことが検知された時点でスウィープされたTx25aの送信信号光の波長に固定して設定する。
【0056】
このような構成の応用例1の光トランシーバ11c,11dによれば、光トランシーバ11c,11d同士が通信を行う際に、光ケーブル14を介して送受信される信号光の波長を自動的に設定することができる。
【0057】
<実施形態の応用例2>
図3は、本発明の実施形態の応用例2に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【0058】
図3に示す通信システム10Bが、上述の通信システム10A(図2)と異なる点は、各光トランシーバ11e,11fが、互いに無線送受信機22で無線通信不可能な距離離間していることにある。即ち、波長多重分離装置31,32間が上記無線通信の電波が届かない長距離の双方向の光ファイバ16a,16bを対とする光ケーブル16で接続されている。
【0059】
また、応用例2の光トランシーバ11e,11fは、メモリ部23に、上述した波長制御プログラムP6及び光入力レベルモニタプログラムP7の他に、後述する光出力制御プログラムP8及び符号復号プログラムP9を記憶する。
【0060】
光トランシーバ11e,11fは、各々が非同期で波長制御プログラムP6による出力信号の波長変更を行って、送受信波長を自動で設定可能となっている。
【0061】
光出力制御プログラムP8は、一方の光トランシーバ11eの光入力レベルモニタによりRx(例えばRx26a)の光入力(光受信)を検知した際に、この検知による信号光受信を知らせる受信通知データを、対向側の光トランシーバ11fへ特定波長で通知する処理を、CPU21に実行させるためのプログラムである。
【0062】
但し、特定波長は、予め定められる波長である。また、受信通知データ(データ)は、図4に長さw2のデータ(n)で示すように1レベルと0レベル(1,0)の組合せにより構成される。なお、データ(n)の前方側の長さw1で示すリーダは、データ(n)の先頭を表わすものである。
【0063】
即ち、受信通知データの通知は、光トランシーバ11eのTx25aから送信される信号光のレベルを1,0に変動させて行われる。更に説明すると、光出力制御プログラムP8をCPU21が実行することによって、波長制御プログラムP6による送信信号光の波長変更の周期よりも短く、且つ光入力レベルモニタの検知周期よりも長い周期で、Tx25aからの送信信号光の光レベルを変動させて生成される受信通知データを、対向側の光トランシーバ11bへ通知する。
【0064】
このように、光レベルの変動を、送信信号光の波長変更の周期よりも短くすることによって、同一波長で光レベルを変動させ、データを適正値とすることができる。また、光入力レベルモニタの検知周期よりも長い周期で光レベルを変動させることにより、変動した信号光を受信側で適正にモニタリングすることができる。
【0065】
光トランシーバ11e,11fは、特定波長以外の波長の信号光は受信できない。例えば、図5に示すように、光トランシーバ11eの第1Rx26a及び光トランシーバ11fの第2Rx26bは、特定波長λ4のみの信号光を受信可能となっている。他の波長λ1,λ2,λ3,λ5,λ6の信号光は受信できないようになっている。
【0066】
なお、図5において、光トランシーバ11eのTx25aを第1Tx25aとし、Rx26aを第1Rx26aとした。光トランシーバ11fのTx25bを第2Tx25bとし、Rx26bを第2Rx26bとした。また、λ1,λ2,λ3,λ4,λ5,λ6は、異なる波長を示す。n=0,n=1,n=3,n=4は異なるデータを示す。n=−はデータ無しを示す。
【0067】
光トランシーバ11e,11fは、上記のように特定波長以外の波長の信号光をRx26a,Rx26bで受信できず、更に、Rx26a,Rx26bで受信された信号光の光レベルを検知できるが、この際の波長を検知できない。
【0068】
このため、CPU21は、光入力レベルのモニタリングと同時に、波長制御により一定周期でTxの波長を予め定められた一定波長づつ(例えば、1づつと表現する)順次変更する。
【0069】
この際、モニタリングで光入力を検知した場合、CPU21は、光出力制御プログラムP8及び符号復号プログラムP9の実行によって、光入力を検知したタイミングを表す数値nを「1」から開始し、この数値nと波長とを各々1づつ増加させながら、数値nを符号化する。更に、CPU21は、その符号化されたデータに応じて、このデータに対応する波長の送信信号光の光レベルを変動させながら、対向側の光トランシーバ11e又は11fに通知する。この通知を受けた光トランシーバ11e又は11fは、データを符号復号プログラムP9により復号する。
【0070】
この処理を、図5を参照して説明する。CPU21が、図5に示すタイミングt1において、モニタリングで光入力を検知した場合、タイミングt2〜t4において、その光入力を検知したタイミングを表す数値nを「1」から開始し、この数値nと波長とを各々1づつ増加させながら、数値nを符号化する。つまり、第1Tx25aからタイミングt2において「λ3,n=1」の信号光が送信され、タイミングt3において「λ4,n=2」の信号光が送信され、タイミングt4において「λ5,n=3」の信号光が送信される。
【0071】
この際、タイミングt2の「λ3,n=1」と、タイミングt4の「λ5,n=3」との波長は、特定波長λ4とは異なるので、第2Rx26bでは受信されない。タイミングt3の「λ4,n=2」の信号光は、特定波長λ4なので第2Rx26bで受信される。
【0072】
このように、相手側の光トランシーバ11eから光入力検知の通知(受信通知データ)を受信した場合、この受信側の光トランシーバ11fのCPU21は、その受信通知データにおける検知タイミングを表す数値分の波長量だけ波長を戻し、この戻した波長に固定して設定する。更に、CPU21は、その波長の設定完了を表す内容を符号化し、同じ特定波長で、対向側の光トランシーバ11eへ通知する。
【0073】
この処理を、図5を参照して説明する。第2Rx26bがタイミングt5において、「λ4,n=2」の信号光を受信した場合、この受信側の光トランシーバ11fのCPU21が、第2Tx25bにおけるタイミングt6で示す波長のλ6を、タイミングt7で示すように、その受信した検知タイミングを表す数値「2」分の波長量「2」だけ波長を戻すことにより、λ4に戻す。CPU21は、その戻したλ4に波長を固定して設定する。更に、CPU21は、その波長λ4の設定完了を表す内容の「n=1」を符号化し、同波長λ4で対向側の光トランシーバ11eへ通知する。この通知は、タイミングt8において、第1Rx26aで受信される。
【0074】
この受信時に、光トランシーバ11eの第1Tx25aからの信号光の波長がλ4に設定される。以降、第1Tx25aからタイミングt9において、波長をλ4に設定したことを示す「n=0」が波長λ4の信号光で送信され、タイミングt10で相手側の第2Tx25bにより受信される。以降は、双方のTxとRx間で、「λ4,n=0」が送受信される。
【0075】
このように応用例2の光トランシーバ11e,11fによれば、互いの無線送受信機22で無線通信が不可能な場合でも、送受信信号光の波長を自動で設定することができる。
【0076】
<実施形態の応用例3>
図6は、本発明の実施形態の応用例3に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【0077】
図6に示す通信システム10Cにおいては、波長多重分離装置31に、同構成の複数の光トランシーバ11g1,…,11gm,11gnが、光ケーブル14で接続されている。
【0078】
図6に示す通信システム10Cが、上述の通信システム10A(図2)と異なる点は、メモリ部23に、上述した波長制御プログラムP6及び光入力レベルモニタプログラムP7の他に、後述する状態通知プログラムP10を記憶したことにある。
【0079】
状態通知プログラムP10は、ある光トランシーバ(例えば、光トランシーバ11gn)が、対向側の光トランシーバ(図示せず)との間に介挿された波長多重分離装置31に接続された複数の他の光トランシーバ11g1〜11gmに設定された波長を無線送受信機22を介して受信し、この受信した波長以外の波長を送信用の波長として設定する処理を、CPU21に実行させるためのプログラムである。
【0080】
詳細には、ある光トランシーバ11gnが光ケーブル14を介した相手側の光トランシーバ(図示せず)から無線送受信機22を介して制御開始信号を受け取ったとする。この際に、光トランシーバgnが無線送受信機22を介して同じ波長多重分離装置31に接続された他の光トランシーバ11g1〜11gmに後述の状態通知を依頼するリクエストを送信する。この際、他の光トランシーバ11g1〜11gmがスウィープ中であれば、波長設定に必要な時間待ってリクエストを再送する。
【0081】
リクエストを受信した光トランシーバ(例えば光トランシーバ11g1)は、自光トランシーバ11g1が波長設定の処理を行っている場合、波長設定の処理中の通知をリクエストした光トランシーバ11gnへ通知し、また、波長設定の処理が完了している場合、設定した波長の固有情報を通知する。
【0082】
リクエスト送信側の光トランシーバ11gnは、波長設定処理中の通知がなかった場合、設定済み波長を除いて波長設定処理を開始する処理を実行する。
【0083】
このような構成の光トランシーバ11g1〜11gnによれば、対向側の光トランシーバと波長多重分離を行って通信を行うための波長多重分離装置31に、複数の光トランシーバ11g1〜11gnが接続されている際に、固有の送信用の波長を容易に設定することができる。
【0084】
<実施形態の応用例4>
図7は、本発明の実施形態の応用例4に係る光トランシーバを備える通信システムの構成を示すブロック図である。
【0085】
図7に示す通信システム10Dは、上述した通信システム10(図1)と異なる点は、光トランシーバ11h,11iのメモリ部23に、上述した光入力レベルモニタプログラムP7の他に、後述する光出力制御プログラムP11を記憶したことにある。
【0086】
光出力制御プログラム(第2光出力制御プログラム)P11は、受信側の光トランシーバ(例えば光トランシーバ11i)における光入力レベルモニタでの光レベルの検知が行えなくなった際に、入力断と検知し、この後、Tx25bからの送信信号を停止する送信断制御を行う処理を、CPU21に実行させるためのプログラムである。
【0087】
図7に×印で示すように、光トランシーバ11h,11i間を接続する光ファイバ14aが破損又は断線したとすると、受信側の光トランシーバ11iにおいて光入力レベルモニタでの光レベルの検知が行えなくなる。この場合、その光トランシーバ11iのCPU21は、光出力制御プログラムP11の実行による入力断検知を行い、更に、Tx25bからの送信信号を停止する送信断制御を行う。
【0088】
この送信断制御により、相手側の光トランシーバ11hへの信号光が停止するので、この光トランシーバ11hにおいて光入力レベルモニタでの光レベルの検知が行えなくなる。この場合、その光トランシーバ11hのCPU21は、光出力制御プログラムP11の実行による入力断検知を行い、更に、Tx25aからの送信信号を停止する送信断制御を行う。これによって、光トランシーバ11h,11i間で送受信される全ての信号光が停止する。
【0089】
このような構成によれば、光トランシーバ11h,11i間を接続する光ファイバ14a,14bが破損や切断した際に、即時、双方の光トランシーバ11h,11iから送信される信号光を停止することができるので、破損や切断箇所から漏れる人体に悪影響を及ぼす高パワーの信号光の放射を止めることができる。
【0090】
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
10,10A,10B,10C,10D 通信システム
11a,11b,11c,11d,11e,11f,11h,11i 光トランシーバ
11g1,…,11gm,11gn 光トランシーバ
12 伝送装置
13 端末機
14a,14b,16a,16b 光ファイバ
14,16 光ケーブル
21 CPU
22 無線送受信機
23 メモリ部
24 EEPROM
25a,25b Tx(光送信機)
26a,26b Rx(光受信機)
31,32 波長多重分離装置
P5 ペアリングプログラム
P6 波長制御プログラム
P7 光入力レベルモニタプログラム
P8 光出力制御プログラム
P9 符号復号プログラム
P10 状態通知プログラム
P11 光出力制御プログラム(第2光出力制御プログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7