特許第6986200号(P6986200)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立金属株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6986200-鍛造材の製造方法 図000002
  • 特許6986200-鍛造材の製造方法 図000003
  • 特許6986200-鍛造材の製造方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986200
(24)【登録日】2021年12月1日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】鍛造材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 3/00 20060101AFI20211213BHJP
   B21J 9/02 20060101ALI20211213BHJP
   B21J 13/02 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B21J3/00
   B21J9/02 A
   B21J13/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-239670(P2017-239670)
(22)【出願日】2017年12月14日
(65)【公開番号】特開2019-104042(P2019-104042A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2020年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】高見 朋久
(72)【発明者】
【氏名】野々村 敏明
(72)【発明者】
【氏名】福井 毅
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−068122(JP,A)
【文献】 特開昭62−279044(JP,A)
【文献】 特開2009−255098(JP,A)
【文献】 米国特許第03633651(US,A)
【文献】 特開2004−209519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 3/00
B21J 9/02
B21J 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下型と、該下型に対向する作業面に、複数の押圧面が凹部を介して回転対称的に配置された上型とを加圧装置に据え付ける準備工程と、
前記上型の複数の押圧面の回転対称軸部分から前記複数の押圧面の各々に向かう方向に潤滑剤を噴霧して、前記複数の押圧面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程と、
加熱された鍛造素材に対して、前記下型および前記上型による押圧と前記鍛造素材の間欠回転とを繰り返して円板状の鍛造材を得る回転鍛造工程と、
を有する鍛造材の製造方法。
【請求項2】
前記回転鍛造工程の中で前記潤滑剤塗布工程を行う請求項1に記載の鍛造材の製造方法。
【請求項3】
前記間欠回転を行う間に、前記潤滑剤塗布工程を行う請求項2に記載の鍛造材の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円板状の鍛造材を得るための回転鍛造による鍛造材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
円板状の被鍛造材を熱間鍛造する技術として、いわゆる回転鍛造が知られている。回転鍛造では、回転鍛造用の上・下金型(金敷)の間に配置した円板状の被鍛造材(鍛造素材)を、円板中心軸の周りに間欠回転させながら、周方向に順次押圧する。例えば、特開2009−012059号公報(特許文献1)には、下金敷の中心軸に直交する半径方向に延びる複数の押圧面が均等の角度で配置された上金敷を備えた、ディスク状鍛造物の製造装置が開示されている。
特許文献1には、かかる製造装置を用いて回転鍛造を行うことで被鍛造材全体に均等に歪みを与えられる点、上金敷によって被鍛造物を押圧する一回あたりの面積が、被鍛造物の全体を押圧するのに比べ少なくて済むので、小さい能力の製造装置でも外径の大きな被鍛造物を鍛造することが可能となる点等の利点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−012059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱間鍛造の際には、金型と鍛造素材との摩擦の低減、鍛造後の鍛造材の離型性の向上等を目的として、金型に潤滑剤(離型剤)が塗布される。しかしながら、特開2009−012059号公報(特許文献1)に開示されるように、回転鍛造用の金型の押圧面は複数に分離した形態で配置されているため、潤滑剤の塗布作業が煩雑なものとなる。さらに、特開2009−012059号公報(特許文献1)に開示された製造装置を用いて外形がより大きい被鍛造材を鍛造する場合には、金型の径も大きくなり、潤滑剤の塗布作業はさらに煩雑なものとなる。また、一旦、金型を製造装置に据え付けて熱間鍛造を開始すると、熱間鍛造の途中で上型に潤滑剤を塗布することは非常に困難になる。
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、回転鍛造における潤滑剤の塗布作業を効率的に行うことを可能にする鍛造材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の鍛造材の製造方法は、下型と、該下型に対向する作業面に、複数の押圧面が凹部を介して回転対称的に配置された上型とを加圧装置に据え付ける準備工程と、前記上型の複数の押圧面の回転対称軸部分から前記複数の押圧面の各々に向かう方向に潤滑剤を噴霧して、前記複数の押圧面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布工程と、加熱された鍛造素材に対して、前記下型および前記上型による押圧と前記鍛造素材の間欠回転とを繰り返して円板状の鍛造材を得る回転鍛造工程とを有することを特徴とする。
【0007】
また、前記鍛造材の製造方法において、前記回転鍛造工程の中で前記潤滑剤塗布工程を行うことが好ましい。さらに、前記鍛造材の製造方法において、前記間欠回転を行う間に、前記潤滑剤塗布工程を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回転鍛造における潤滑剤の塗布作業を効率的に行うことを可能にする鍛造材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る鍛造材の製造方法に用いる金型装置のうち、下型および上型の一例を示す正面図である。
図2図1に示す下型および上型の作業面を示す平面図である。
図3】本発明に係る鍛造材の製造方法に用いる金型装置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る鍛造材の製造方法は、以下に示す、準備工程、潤滑剤塗布工程および回転鍛造工程を有する。
準備工程では、下型と、該下型に対向する作業面に、複数の押圧面が凹部を介して回転対称的に(等角度の間隔で)配置された上型とを加圧装置に据え付ける。
潤滑剤塗布工程では、上述の複数の押圧面の回転対称軸部分から複数の押圧面の各々に向かう方向に潤滑剤を噴霧して、複数の押圧面に潤滑剤を塗布する。
回転鍛造工程では、加熱された鍛造素材に対して、下型および上型による押圧と鍛造素材の間欠回転とを繰り返して円板状の鍛造材を得る。
【0011】
本発明の上型においては、凹部を介して押圧面を配置することで、鍛造素材を押圧する一回あたりの面積が、鍛造素材全体を押圧する場合に比べて小さくなる。したがって、大きな鍛造素材を鍛造する場合であっても、鍛造に必要な加圧能力は低くて済むため、鍛造コストを抑制することができる。
本発明に係る鍛造材の製造方法は、さらに、複数の押圧面の回転対称軸部から、複数の押圧面の各々に向かう方向に潤滑剤を噴霧して、複数の押圧面に潤滑剤を塗布する点が特徴の一つである。この回転対象軸は、鍛造素材の間欠回転を行う回転軸(以下中心軸ともいう)と同軸状のものであり、回転鍛造の押圧に直接寄与しない、回転鍛造の中心軸部分の空間を利用して潤滑剤の塗布を行うことで、潤滑剤の塗布作業を効率的に行うことができる。以下、本発明に係る鍛造材の製造方法の実施形態を、図を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本発明に係る鍛造材の製造方法は、熱間鍛造に限らず、恒温鍛造やホットダイにも適用することができる。
【0012】
図1は、鍛造材の製造方法に用いる回転鍛造用の金型の一例である。図1は、鍛造の押圧方向(z方向)に垂直な方向から見た金型100の正面図である。金型100は下型100aと、下型100aに押圧方向に対向して配置された上型100bからなる。図2(a)は、上型100bを下型側から(図1の矢印Aの方向から)見た平面図であり、上型100bの作業面1を示す。図2(b)は、下型100aを上型側から(図1の矢印Bの方向)から見た平面図であり、下型100aの作業面2を示す。上型100bは、その作業面1と下型100aとの対向方向(z方向)の中心軸CLを回転対称軸として凹部3を介して回転対称的に、すなわち等角度間隔で配置された複数の押圧面4を有する。図1および図2に示す構成では、中心軸CLは上型100bの中心上に位置している。各押圧面4の外周側には、押圧される鍛造素材の外周側を拘束するための凸部5が設けられている。中心軸CLを含む上型100bの中心部には孔部6が形成されており、回転鍛造の押圧に直接寄与しない孔部6を利用して、後述する潤滑剤塗布装置が構成される。
下型100aは作業面2に円形状の押圧面7を有し、押圧面7の外周側には、鍛造素材の外周側を拘束するための凸部8が設けられている。上述の中心軸を含む中心部には孔部9が設けられており、かかる孔部9には、鍛造素材を間欠回転させる際に、下金型から鍛造素材を離間させるためのノックアウトピンを配置することができる。
上型および下型の凸部5,8の有無、形状はこれを特に限定するものではなく、必要とされる形状等に応じて決定することができる。また、下型および上型の材質はこれを特に限定するものではなく、例えば、JIS−SKD61等の熱間金型用の合金工具鋼を用いることができる。
【0013】
図1および図2に示す例では、押圧面の数は四つであるが、押圧面の数はこれを特に限定するものではない。但し、鍛造素材を安定して押圧するためには、押圧面の数は三つ以上であることが好ましい。なお、下型100aの押圧面の構成と、上型100bの押圧面の構成とは、必ずしも図1および図2に示すように異なるものである必要はない。例えば、下型100aの作業面にも、上型100bの各押圧面に対応する位置に、凹部を介して回転対称的に複数の押圧面を備えることもできる。また、図1および図2に示す構成では、下型100aおよび上型100bとも、外形は円形状であるが、正方形状、長方形状等の外形の金型に図1および図2に示すような作業面を構成することもできる。
【0014】
次に、上型側に設ける潤滑剤塗布装置について説明する。図3は下金型100a、上金型100bおよび潤滑剤塗布装置200を有する金型装置300の断面模式図であり、下型100a上に載置される鍛造素材400も併せて示されている。潤滑剤塗布装置200は、中心軸方向を長手方向とするシャフト10の下端(先端)側に、中心軸CL部分から上型の複数の押圧面4の各々へ向かう方向を噴霧方向とする複数のノズル11(スプレーノズル)を有する。ノズル11はシャフト10の中心軸方向(上下方向)の駆動により、中心軸方向における噴霧位置(図3の実線の位置)と退避位置(図3の点線の位置)との間で変位する。噴霧位置ではノズル11は押圧面4よりも下側に位置し、上型100bへの潤滑剤の噴霧が可能である。一方、退避位置では、ノズル11は押圧面4よりも上側に位置し、回転鍛造時に鍛造素材に干渉することが回避される。
【0015】
先端側にノズル11を有するシャフト10の駆動方法はこれを特に限定するものではなく、例えばモータ駆動、エア駆動等を用いることができる。
複数のノズル11の噴霧方向は、中心軸から各押圧面に向かう放射状である。上型100bの押圧面4に潤滑剤を噴霧するため、ノズル11の角度は水平方向(中心軸に垂直なxy平面方向)よりも上向きに設定されている。ノズル11の向き(噴霧角度)は、噴霧位置、押圧面4の大きさ等に応じて設定することができる。
図3に示す構成では、ノズル11は各押圧面毎に配置されており、押圧面の数と同じ数のノズル11が配置されている。ノズル11をシャフト10の周りに回転可能に構成することで、押圧面の数よりも少ない数のノズルで潤滑剤の噴霧を行うことも可能であるが、潤滑剤塗布装置が複雑、大型化するため、潤滑剤塗布装置の簡略化の観点からは、押圧面の数と同じ数のノズル11を固定式(非回転式)で配置することが好ましい。
潤滑剤は、供給装置(図示せず)からノズル11に接続された配管を通じて圧送され、ノズル11の先端から噴霧される。
【0016】
次に、準備工程、潤滑剤塗布工程および回転鍛造工程を有する鍛造材の製造方法について説明する。かかる製造方法は、好適には上述の金型装置を用いて行うことができるため、図1図3を適宜参照しながら詳述する。
【0017】
まず、準備工程として、下型100aと、下型100aに対向する作業面1に、下型100aと作業面1との対向方向(z方向)の中心軸CLを回転対称軸として、凹部3を介して回転対称的に配置された複数の押圧面4を有する上型100bとを加圧装置(図示せず)に据え付ける。下型100aおよび上型100bは所定の温度(例えば20℃〜600℃)に加熱してから、加圧装置に据え付けてもよいし、加圧装置に据え付け後に加熱してもよい。また、下型100aおよび上型100bは、加熱された鍛造素材からの伝熱によっても加熱されうる。
【0018】
潤滑剤塗布工程では、中心軸CLの部分から複数の押圧面4の各々に向かう方向に潤滑剤を噴霧して、上型の複数の押圧面4に潤滑剤を塗布する。上述のように、ノズル11は中心軸方向における噴霧位置(図3の実線の位置)と退避位置(図3の点線の位置)との間で変位可能である。ノズル11は鍛造素材の押圧時には鍛造素材に干渉しない退避位置に留まり、潤滑剤塗布工程では、押圧面への噴霧が可能な噴霧位置まで変位して、潤滑剤が噴霧される。かかる潤滑剤塗布工程によれば、潤滑剤の塗布作業を金型装置の脇から行う場合に比べて、潤滑剤塗布装置も含めた金型装置全体の小型化が可能であるとともに、潤滑剤塗布作業も大幅に簡略化できる。さらに、潤滑剤を中心から放射状に噴霧する形態は、回転鍛造に起因した押圧面の形状や配置との関係で潤滑剤の塗布範囲を制御しやすく、各押圧面毎の潤滑剤塗布状況のばらつきを抑制する観点からも有効である。また、塗布範囲を選択することにより不要な部分への塗布をする必要がなくなるため、潤滑剤を効率よく使用することができる。
【0019】
ここでいう潤滑剤には、押圧後の鍛造素材と金型の離型性向上を主目的とした離型剤、押圧時の鍛造素材と金型との摩擦低減を主目的とした狭義の潤滑剤等を含み、その両方を目的する場合も含む。このうち、離型剤は一回の回転鍛造における塗布頻度が高いため、上述の潤滑剤塗布工程を離型剤塗布に適用することが特に好ましい。離型剤としては、例えばグラファイトが媒体に分散されたもの、潤滑剤としてはガラスフリットが媒体に分散されたものを用いることができる。例えばグラファイトが媒体に分散された離型剤を用いる場合、上型の押圧面に噴霧された離型剤が押圧面に付着すると、熱で媒体が蒸発し、下方を向いた押圧面がグラファイトで覆われる。なお、潤滑剤の噴霧とは、潤滑剤を所定の噴霧角度で霧状に放出する場合だけでなく、視認できるような大きさの液滴を放出する場合も含む意であるが、潤滑剤の均一な塗布の観点からは、霧状であることが好ましい。
【0020】
回転鍛造工程では、所定の鍛造温度(例えば900℃〜1100℃)に加熱された円板状の鍛造素材400を下型100a上に載置する。鍛造素材400はタービンディスクなどの最終的な鍛造製品形状を得るための予備成形体である。鍛造素材の材質としては、例えばNi基超耐熱合金、Ti合金等を用いることができる。次に、押圧面4に潤滑剤が塗布された上型100bを下降させて、下型100aおよび上型100bにより鍛造素材400を押圧する。このとき、下型100aに設けられた押圧面7と上型100bに設けられた押圧面4によって鍛造素材400に部分的な押圧を行う。部分的な押圧を行った後、上型100bを上昇させ、一回の押圧が終了する。
【0021】
一回の押圧を経た鍛造素材400は、昇降・回転装置(図示せず)によって、下型100aから離間され、所定の角度だけ回転させ、下型100aへ再度載置される。鍛造素材400を下型100aから離間および載置するための昇降機構としては、例えば、鍛造素材400の外周を把持して昇降させる機構、下型100aの中心部の孔部9に設けた突き上げ機構(ノックアウトピン)などを用いることができる。鍛造素材400の回転は、例えば鍛造素材400を把持した状態で行えばよい。下型100aの中心の孔部9に設けた突き上げ機構に回転機構も持たせて、該回転機構によって鍛造素材1を回転することもできる。なお、昇降・回転装置では、昇降機構と回転機構とを、別々の装置として構成してもよいし、一つの装置として構成してもよい。回転角度が、最初に鍛造した部位と、次に行う鍛造の部位とが重複するような角度であれば、鍛造素材のかぶり疵を防止することができる。下型100aと上型100bとの間で押圧する工程と、鍛造素材400を回転する工程とを繰り返し行うことで、大型の鍛造素材であっても少ない押圧力で効率よく鍛造を行うことができる。かかる押圧と間欠回転とを繰り返すことで円板状の鍛造材が得られる。
【0022】
上述の潤滑剤塗布工程は、下型100aと上型100bによる押圧を開始する前だけに行うこともできるが、回転鍛造工程の中で潤滑剤塗布工程を行うこともできる。離型の効果を十分に発揮させるためには、押圧と押圧の間で、すなわち回転鍛造の途中で潤滑剤を塗布することが好ましい。仮に、回転鍛造の途中で上型100bの外周側から潤滑剤の塗布を行おうとすると、高熱かつ大型の鍛造素材に接近した操作が必要となるため、潤滑剤塗布工程が危険かつ煩雑になるという問題がある。これに対して、図3に示す潤滑剤塗布装置200は上型100bの中心部の孔部6を利用して設置されており、ノズル11の昇降だけで潤滑剤の噴霧が可能であるため、上記問題を解決することができる。回転鍛造工程の中で潤滑剤塗布工程を行う場合、潤滑剤塗布工程の頻度はこれを限定するものではなく、潤滑剤塗布工程は複数回の押圧につき一回行ってもよいし、各押圧毎に行うこともできる。
【0023】
図1および図2に示す上型100bの押圧面4は平坦な形状であるが、かかる形状はこれを特に限定するものではないため、鍛造材の形状に応じて径方向で凹凸を有する形状の押圧面を用いることもできる。この場合、鍛造素材400が上型100bに貼り付く現象が発生する可能性が高くなる。かかる現象を防ぐためには回転鍛造工程の中で潤滑剤塗布工程を行うことが特に有効である。
【0024】
さらに、回転鍛造工程においては、押圧終了後、上型100bを鍛造素材から離間させ、鍛造素材を回転させる時間がある。したがって、かかる時間を利用して、鍛造素材の間欠回転を行う間に、潤滑剤塗布工程を行うことで、鍛造材の製造方法をより効率的に実施するとができる。ここで、鍛造素材の間欠回転は、鍛造素材の下型100aからの離間(上昇)の開始から、回転機構による回転を経て、下型100aへの再載置(下降)までをいうものとする。潤滑剤塗布工程を行う態様としては、例えば、鍛造素材の回転中に潤滑剤塗布工程を行ってもよいし、下降中に行ってもよい。
【0025】
上述の鍛造材の製造方法は、例えば、蒸気タービン用や航空機エンジン用のタービンディスク等の大型の部材の製造方法に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0026】
1:作業面 2:作業面 3:凹部 4:押圧面 5:凸部 6:孔部
7:押圧面 8:凸部 9:孔部 10:シャフト 11:ノズル 100:金型
100a:下型 100b:上型 200:潤滑剤塗布装置 300:金型装置
400:鍛造素材

図1
図2
図3