(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1から
図4
4を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」
という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態にお
けるパチンコ機10の正面図であり、
図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり
、
図3はパチンコ機10の背面図である。
【0021】
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成
される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可
能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面
視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18
が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0022】
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(
図2参照)が裏面
側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することによ
り弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発
射ユニット112a(
図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技
盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0023】
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニッ
ト15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設
けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に
支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴
21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0024】
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部
には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には
2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介し
て遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0025】
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に
形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面
視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が
球発射ユニット112a(
図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボ
タン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(
図2
参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更した
りする場合などに、遊技者により操作される。
【0026】
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けら
れている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に
応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高め
る役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜3
3が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりラ
ンプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点
灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或い
は大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(
図1
参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを
表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0027】
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より
透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(
図2参
照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチ
ンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領
域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0028】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数
表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機1
0の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等
を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる
。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵され
たLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カー
ド等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり
、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン4
3は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カー
ドユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、い
わゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置
部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用
いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0029】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれ
なかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿5
0の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハ
ンドル51及び操作デバイス300が配設される。なお、操作デバイス300については
後述する。
【0030】
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチ
センサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51
bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変
抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに
回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操
作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射
され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる
。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセン
サ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
【0031】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するた
めの球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢
されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形
成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレ
バー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一
般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したよ
うに操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられ
ている。
【0032】
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、
球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞
口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330、スルーゲート67、
可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(
図1参照)
の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側か
らベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成
される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット8
0は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正
面側からタッピングネジ等により固定されている。
【0033】
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(
図1参照)を通じて内枠12
の正面側から視認することができる。以下に、主に
図2を参照して、遊技盤13の構成に
ついて説明する。
【0034】
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62
が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成
した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技
盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後
が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域
が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール
間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、
発射された球が流下する領域)である。
【0035】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(
図4参照)から発射された球を
遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(
図2
の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内され
た球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端
部(
図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けら
れ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中
央部側へ跳ね返される。
【0036】
遊技領域の正面視左側下部(
図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び
7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図
柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(
図4参照)で行われる各制御に応じた
表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形
態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2
入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、
球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、
球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように
構成されている。
【0037】
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か
時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態によ
り示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外
れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セ
グメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のL
EDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その
発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆するこ
とができる。
【0038】
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったこと
を契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの
当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の
判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大
当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、
変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、
大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
【0039】
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後
に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラ
ウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである
。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、
低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状
態となる大当たりのことである。
【0040】
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率が
アップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態
へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後
述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態
を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち
、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態
(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第
2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のこ
とをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(
大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
【0041】
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口64
0に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が
設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役
物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が
入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易
い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
【0042】
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放
時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当た
りで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい
。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640
に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが
開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中にお
いて、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たり
で電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比し
てアップするよう変更するものであってもよい。
【0043】
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される
複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置
ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第
2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37B
における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下
単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球
の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図
示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置
81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
【0044】
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるもので
あり、表示制御装置114(
図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例え
ば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によっ
て構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表
示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装
置81は、主制御装置110(
図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示
装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示
に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用
いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0045】
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示
せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を
行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出され
ると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装
置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選
の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図
柄が停止表示される。
【0046】
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態におい
ては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640a
が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
【0047】
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時
短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の
変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。
よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役
物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中お
よび時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
【0048】
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動
役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中また
は時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動
表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示
にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり
確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物
640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
【0049】
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組
み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲー
ト67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄
表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄
として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄と
して「×」の図柄を表示する。
【0050】
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上
述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図
示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けら
れ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
【0051】
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数の
ランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,
37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2
図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、ス
ルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以
下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67
の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スル
ーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではな
く、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A
,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わない
ものとしてもよい。
【0052】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されてい
る。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口ス
イッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置
110(
図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表
示装置37Aで示される。
【0053】
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設され
ている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入
賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制
御装置110(
図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1
図柄表示装置37Bで示される。
【0054】
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球
が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、
第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞
した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場
合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と
を異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個と
し、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成しても
よい。
【0055】
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開
閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球
が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の
通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置
に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口6
40へ入賞しやすい状態となる。
【0056】
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、
また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」
の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増
える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より
長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入
賞しやすい状態を作ることができる。
【0057】
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合と
で、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしな
がら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとな
る確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した
場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるよう
な電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
【0058】
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場
合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向け
て、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」
)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなるこ
とを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
【0059】
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口64
0に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやす
い状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過する
ように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状
態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙
った方が、遊技者にとって有利となる。
【0060】
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるた
め、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこ
ともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確
変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の
仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方
を変化させる煩わしさを解消することができる。
【0061】
第1入賞口64の下方には可変入賞装置330(
図11参照)が配設されており、その
略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞
口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなる
と、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示
装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停
止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が
入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、
通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで
、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0062】
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特
定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例え
ば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態
が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊
技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
【0063】
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは
別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大
当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その
特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定
入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特
別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るもの
ではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も
第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装
置ユニット80の左方でも良い。
【0064】
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペ
ースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図
1参照)を通じて視認することができる。
【0065】
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、い
ずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通っ
て図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対
で配設される。
【0066】
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されてい
るとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
【0067】
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏
パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御
装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示
制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出
制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電
源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0068】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93と
がユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとして
のMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間
計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載
されている。
【0069】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制
御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116
は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜10
4は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており
、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収
納される。
【0070】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装
置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニッ
ト(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボッ
クスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘っ
て封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成され
ており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、
基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックス
カバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板
ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0071】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク
130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール
131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケ
ースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図4参照)の所定の電気的
構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホー
ルの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い
出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加す
るためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0072】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置11
2には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッ
チ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図
4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)す
るために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操
作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電
源投入時に操作される。
【0073】
次に、
図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図4は、パ
チンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0074】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載
されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラム
や固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログ
ラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203
と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されてい
る。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置3
7A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における
表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
【0075】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動
作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送
受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置
へ一方向にのみ送信される。
【0076】
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタ
の内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるス
タックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(
作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後にお
いても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)
できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされ
る。
【0077】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下
同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源
投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情
報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203へ
の書き込みはメイン処理(
図255)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書
き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(
図254)において実行される。な
お、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電
源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されてお
り、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込
処理(
図253)が即座に実行される。
【0078】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバス
ライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、
払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第
2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面
側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなど
からなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこ
れらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0079】
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサ
Sや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置1
15に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種
スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるR
AM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0080】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行う
ものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プ
ログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用される
RAM213とを有している。
【0081】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、M
PU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り
先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値
が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10
の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保
持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべ
てバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211の
NMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG
1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力される
と、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
【0082】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバ
スライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には
、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されて
いる。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するた
めの賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置1
11に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0083】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操
作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112
aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび
電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に
駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセ
ンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(
操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応し
て発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される
。
【0084】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226におけ
る音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227におけ
る点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114
で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置
であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値デー
タ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有し
ている。
【0085】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成さ
れるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート22
5には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置
227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置2
28には駆動モータ342や、ボイスコイルモータ352が含まれる。
【0086】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パ
ターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を
決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コ
マンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は
、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、
第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容
を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は
、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後
のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する
。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄
の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装
置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示す
る。
【0087】
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の
表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、
表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内
容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、そ
の表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
【0088】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続さ
れ、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81
における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置11
4は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装
置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される
表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置8
1の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
【0089】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停
電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(
図3
参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図
示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧
を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流2
4ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド20
9などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボル
トの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの
電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要
な電圧を供給する。
【0090】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU
201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力す
るための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧であ
る直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(
電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御
装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御
装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は
、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の
実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持す
るように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI
割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
【0091】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(
図3参照)が押下され
た場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信
号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入
時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に
、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマ
ンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0092】
図5は、操作デバイス300の正面斜視図である。
図5に示すように、操作デバイス3
00は、正面視における内枠12の左右方向中央部(即ち、パチンコ機10の左右方向中
央部)に配置される。
【0093】
操作デバイス300は、遊技者に押し込まれることにより傾倒動作可能に構成される傾
倒装置310を備え、上皿17の外枠に沿って前後方向に凹設される収容凹部17aによ
って構成される領域に配設される。遊技者が傾倒装置310を傾倒(回転)操作すること
により、パチンコ機10(
図1参照)に信号が入力される。
【0094】
傾倒装置310と収容凹部17aとの間には、少なくとも手の指が無理なく入る程度の
隙間が空けられる。これにより、遊技者は、傾倒装置310の上面奥側に指先を配置する
態様で傾倒装置310を操作する準備を行うことができる(
図7参照)。
【0095】
なお、遊技者は右手で操作ハンドル51を握るため、傾倒装置310の操作は左手で行
われることが多くなる。そのため、以下の説明では、遊技者が傾倒装置310を左手で操
作するという前提で、説明を行う。
【0096】
図6(a)は、パチンコ機10の部分正面図であり、
図6(b)は、
図6(a)のVI
b−VIb線におけるパチンコ機10の部分断面図であり、
図7(a)は、パチンコ機1
0の部分正面図であり、
図7(b)は、
図7(a)のVIIb−VIIb線におけるパチ
ンコ機10の部分断面図である。
【0097】
図6及び
図7では、パチンコ機10の、操作デバイス300付近が部分的に図示される
。なお、
図6では、傾倒装置310が操作面312a1が上下方向を向く第1状態(本実
施形態における初期状態)に配置された状態が図示され、
図7では、傾倒装置310が第
1状態から軸部314を中心に起き上がることにより操作面312a1が上後方を向く第
2状態に配置された状態が図示される。なお、
図7では、傾倒装置310を操作する遊技
者の手の一例が想像線で図示される。
【0098】
傾倒装置310は、第1状態と第2状態との間を駆動装置340の駆動力によって自動
動作可能に構成される。なお、駆動装置340の詳細については後述する。
【0099】
傾倒装置310の操作の一例について説明する。傾倒装置310の操作は、例えば、第
3図柄表示装置81(
図2参照)に特定の表示(例えば、「ボタンを押せ」という表示)
が現れた時に遊技者が行うものである。
【0100】
ここで、例えば、上下に進退動作するボタンを押し込む場合のように、手を下方に勢い
よく落とす方法で傾倒装置310の押し込み操作を行うと、傾倒の度合いによって操作面
312a1の位置が手前側へ向けてずれ、手の平と操作面312a1とが擦れ易い態様と
なっている。そのため、遊技者に違和感を与えることができ、遊技者が手を下方に勢いよ
く落とす方法で押し込み操作をすることを抑制することができる。
【0101】
本実施形態では、
図7に示すように、指先を傾倒装置310の軸部314付近に置いて
、指先を支点として手の平を下方へ下ろすことにより、手の平を操作面312a1と一体
化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込み操作することができる。
【0102】
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、指先を支点として手の平を
下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。これにより、遊技
者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾倒装置310が損
傷する可能性を低減することができる。
【0103】
図8及び
図9を参照して、遊技者視点における傾倒装置310の見え方の違いについて
説明する。
図8は、
図6の矢印VIII方向視における操作デバイス300の正面斜視図
であり、
図9は、
図7の矢印IX方向視における操作デバイス300の正面斜視図である
。なお、
図8及び
図9では、パチンコ機10の形状が想像線で部分的に図示される。また
、
図9では、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示される
。
【0104】
図8及び
図9に示すように、傾倒装置310の操作面312a1は、遊技者視点におい
て、第1状態では視認可能とされる一方、第2状態では、視認不能となる程度まで面積が
縮小される(操作面312a1が、遊技者視点の外側へ向けられる)。これにより、第1
状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
【0105】
本実施形態では、第1状態から第2状態へ変化する過程において、保護レンズ部材31
1iの面積が次第に大きくなる態様で構成され、それに伴って操作デバイス300の内側
に配置されるLED装置341f(
図12参照)の光量が次第に大きく視認されるので、
第1状態と第2状態とで遊技者が視認可能な光の光量の違い(明暗の度合い)が大きくな
り、第1状態と第2状態とで傾倒装置310の見え方を大きく変えることができる。
【0106】
傾倒装置310の操作の一例について説明する。本実施形態では、
図9に示すように、
小指の外側の側面を傾倒装置310の軸部314(
図7参照)付近に置いて、小指の外側
の側面部分を支点として手の平を下方へ下ろすことにより(手首を軸に回転させることに
より)、手の平を操作面312a1と一体化させたまま、快適に傾倒装置310を押し込
み操作することができる。
【0107】
従って、手を下方に勢いよく落とす方法をさせないように、小指の外側の側面部分を支
点として手の平を下方へ下ろす方法で操作を行うように遊技者を誘導することができる。
これにより、遊技者の操作により傾倒装置310に加えられる衝撃の度合いを低減し、傾
倒装置310が損傷する可能性を低減することができる。
【0108】
次いで、
図10及び
図11を参照して、操作デバイス300について説明する。
図10
は操作デバイス300の正面斜視図であり、
図11は操作デバイス300の背面斜視図で
ある。
図10に示すように、操作デバイス300は、傾倒装置310が後側端部に配置さ
れる軸部314を中心に回転可能に軸支される。
【0109】
また、
図11に示すように、傾倒装置310に対して直道方向の衝撃を与えるボイスコ
イルモータ352と、第1状態からの押し込み操作を検出する検出センサ324L,32
4Rと、が傾倒装置310を下側から囲う下枠部材320の外側に配置される。
【0110】
このように、傾倒装置310の位置を検出するセンサや、駆動力を与えるボイスコイル
モータ等を下枠部材320の外側に配置することにより、下枠部材320の内側の領域を
大きく使って、傾倒装置310を下枠部材320に収容することができる。これにより、
傾倒装置310の移動可能量を大きく確保することができる。
【0111】
図12は、操作デバイス300の正面分解斜視図であり、
図13は、操作デバイス30
0の背面分解斜視図である。
図12及び
図13に示すように、操作デバイス300は、背
面側端部(
図12紙面奥側端部)で左右端部にそれぞれ配設されるリング部材BR1を備
える傾倒装置310と、その傾倒装置310のリング部材BR1を下側から支持する下側
軸受け部323を有すると共に傾倒装置310の押し込み終端を定める下枠部材320と
、傾倒装置310のリング部材BR1を上側から支持し下枠部材320と向かい合わせで
配置される凹設部を有し中央部に大きな開口を有する部材であって、下枠部材320との
間に傾倒部材310を配置する態様で下枠部材320に締結固定されると共に傾倒装置3
10の第2状態における配置を定める上枠部材330と、下枠部材320の下側に締結固
定されると共に傾倒装置310とリンク機構を構成するアーム部材345を介して傾倒装
置310に駆動力を伝達する駆動装置340と、その駆動装置340に締結固定されると
共に駆動装置340を左右方向と後方との三方から覆うことで保護する保護カバー装置3
50と、を主に備える。
【0112】
下枠部材320は、底面のうち左右部分が手前側へ向かうほど下降傾斜する態様で構成
されるカップ形状の部材であって、手前側へ向かうほど下降傾斜する底板部321と、そ
の底板部321の奥側上端部において水平に配置される板状部材から構成される水平部3
22と、その水平部322の後端部付近において上方に開放された半円形状の受け部であ
り傾倒装置310の軸部314を下側から受ける下側軸受け部323と、底板部321の
下側において左右一対で配置される左側検出センサ324Lと、右側検出センサ324R
と、底板部321の左右方向中心位置において水平部322の下側に配置される部分が削
られることで空けられる開口である開口部325と、を主に備える。
【0113】
底板部321は、傾倒装置310と当接することにより傾倒装置310の移動終端を定
めると共に、複数の開口部を有し、その開口部を通して傾倒装置310の部分が底板部3
21を通過可能に構成される。
【0114】
底板部321は、手前側中央部において穿設される伝達用孔321aと、左右の検出セ
ンサ324L,324Rの検出溝に沿って穿設される検出用孔321bと、開口部325
の左右において左右対称に穿設される挿通用孔321cと、を主に備える。
【0115】
伝達用孔321aは、保護カバー装置350のボイスコイルモータ352の正面位置に
配置されると共に、傾倒装置310の張出凸設部311jが通過可能な大きさで形成され
る。傾倒装置310の張出凸設部311jが底板部321の下側に張り出した状態におい
てボイスコイルモータ352を駆動させることにより、傾倒装置310に直動方向の駆動
力を与えることができる。
【0116】
検出用孔321bは、傾倒装置310の下面から凸設される検出片311gL,311
gRが挿通可能に構成される貫通孔である。検出用孔321bから張り出した検出片31
1gL,311gRが検出センサ324L,324Rの検出溝に配置されることで、傾倒
装置310の姿勢を検出可能に構成される。
【0117】
挿通用孔321cは、傾倒装置310のフランジに配設される軸部311cや駆動装置
340のアーム部材345を挿通可能な大きさで構成されると共に、駆動装置340を動
作させた際にアーム部材345との干渉を避けることができる位置まで貫通孔が形成され
る。
【0118】
水平部322は、下枠部材320と駆動装置340とを締結固定する平面を構成すると
共に、その上面から上方へ延設されると共に断面が手前側に開放部を有するコ字形状から
構成される係止部322aを備える。
【0119】
係止部322aは、傾倒装置310のねじりバネ315の一端を後方へ移動しないよう
に係止する部分である。係止部322aがねじりバネ315を係止することにより、ねじ
りバネ322aの付勢力が傾倒装置310を第2状態へ移動させる方向に作用する。
【0120】
検出センサ324L,324Rは、傾倒装置310の位置を検出するフォトカプラ形式
のセンサである。なお、検出センサ324L,324Rは、下枠部材320の底板部32
1からの離間距離(検出溝の位置)が左右で同等となる位置に配置される。
【0121】
また、フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を
受光する受光部とを備え、検出する部分を挿入可能な隙間(スリット、検出溝)を備えて
略コ字状に配置されるセンサを意味する。
【0122】
開口部325は、駆動装置340のLED装置341fや回転爪部材347等を下枠部
材320の内方に侵入可能とするための貫通孔である。そのため、その左右幅は一対の回
転爪部材347の左右幅よりも大きくされる。
【0123】
一方で、上下幅に関しては、駆動装置340がLED装置341fを上前側に張り出し
て配置する構成(
図17(b)参照)とされるため、LED装置341fが開口部325
を通過した後に駆動装置340を上方に押し上げるようにすることで、LED装置341
fを開口部325の上方に配置することができ、LED装置341fから回転爪部材34
7までを含んだ上下幅に比較して、開口部325の上下幅を短くする事ができる。
【0124】
上枠部材330は、傾倒装置310の下端面から正面側へ延設される延設部311hが
引っかかる大きさの開口である開口部331と、下枠部材320の下側受け部323と対
向配置されると共に下側が開放された半円形状から構成され傾倒装置310のリング部材
BR1を支持する上側軸受け部332と、を主に備える。
【0125】
保護カバー装置350は、上下方向に分割可能に構成され手前側を除く3方向が覆われ
る態様で構成されると共に駆動装置340の下端部に締結固定される本体カバー351と
、その本体カバー351の底板に支持されると共に正面側に配置され斜め前上方向に振動
面が向けられるボイスコイルモータ352と、本体カバー351の底板の上側に検出溝を
有する検出センサである左側検出センサ353Lと、右側検出センサ353Rと、を主に
備える。
【0126】
なお、
図12では、左右中央に対して左側検出センサ353Lの反対側に配置される右
側検出センサ353Rを視認可能とするために本体カバー351が部分的に破られた状態
が図示される。
【0127】
ボイスコイルモータ352は、組立状態(
図10参照)において、振動面が下枠部材3
20の底板部321と略平行となる姿勢で配設される。これにより、傾倒装置310が伝
達用孔321aを通して張出凸設部311jを下方に張り出した際にボイスコイルモータ
352を駆動させることで、傾倒装置310に駆動力を効率良く伝達することができる。
【0128】
検出センサ353L,353Rは、駆動装置340の円板カム344L,344Rの位
相を検出するフォトカプラ形式のセンサである。駆動装置340の円板カム344L,3
44Rが検出センサ353L,353Rの検出溝の内側に配置される態様で配置される。
円板カム344L,344Rの検出孔344eL,344eRが検出センサ353L,3
53Rの検出溝に配置されたか否かを検出し、円板カム344L,344Rが特定の位相
に配置されたことを検出することができる。
【0129】
なお、本実施形態では、駆動装置340の左右の円板カム344L,344Rが、検出
孔344eL,344eRを異なった位相で備えているので、検出センサ353L,35
3Rによって検出可能な特定の位相は2種類となる。
【0130】
次いで、
図14から
図16を参照して、傾倒装置310について説明する。
図14(a
)は、傾倒装置310の正面図であり、
図14(b)は、
図14(a)の矢印XIVb方
向視における傾倒装置310の側面図であり、
図14(c)は、
図14(a)のXIVc
−XIVc線における傾倒装置310の断面図である。
図15は、傾倒装置310の正面
分解斜視図であり、
図16は、傾倒装置310の蓋312の背面分解斜視図である。
【0131】
図14から
図16に示すように、傾倒装置310は、側面扇型で上下に開口を有する箱
状体から構成されるケース本体311と、そのケース本体311の上側の開口に蓋をする
態様でケース本体311に締結固定される蓋312と、その蓋312の手前側端部に締結
固定され下方に垂れ下げられる球状レンズ部材313と、ケース本体311と蓋312と
の後端部において挟まれる態様で配設される軸部314と、その軸部314に巻き付けら
れるねじりバネ315と、ケース本体311と蓋312との後端部においてケース本体3
11と蓋312とを分割不能に固定するリング形状のリング部材BR1と、を主に備える
。
【0132】
ケース本体311は、第1状態において奥側から手前側へ向けて下降傾斜する姿勢とさ
れる底板部311aと、その底板部311aの中央に開口された開口部311bと、その
開口部311bの左右の縁に沿って下方に張り出されるフランジから左右方向中央側へ延
設される円柱形状の軸部311cと、後方端部において軸部314を支える断面半円形状
の凹みである凹設部311dと、ねじりバネ315の両腕部315aが挿通可能な位置に
配置される溝である挿通溝311eと、鉤形状に形成されると共にねじりバネ315の中
央部315bを係止する鉤状部311fと、底板部311aの下方に左右一対で延設され
る左側検出片311gLと、右側検出片311gR(
図15参照)と、底板部311aの
手前側端部から所定量手前側に延設される延設部311hと、底板部311aの手前側端
部の上側に配置され軸部314を中心とした円弧に沿った形状とされると共に光透過性材
料から形成される保護レンズ部材311iと、底板部311aの手前側端部における左右
方向中央部から下方へ凸設される張出凸設部311jと、を主に備える。
【0133】
底板部311aは、傾倒装置310が遊技者から下方へ押し込まれた際に、下枠部材3
20の底板部321と面で当接する部分である。
【0134】
開口部311bは、駆動装置340のLED装置341f及び駆動装置340のアーム
部材345を挿通可能な開口として構成される。
【0135】
軸部311cは、駆動装置340のアーム部材345(
図17(b)参照)の案内孔3
45bに挿通される円柱部材であって、駆動装置340との間で駆動力を伝達する部分と
しての役割を備える。
【0136】
左側検出片311gL及び右側検出片311gRは、それぞれ、下枠部材320の左側
検出センサ324L及び右側検出センサ324R(
図15参照)の検出溝に挿通される部
分であって、左側検出片311gLの方が右側検出片311gRに比較して張出長さが長
くされる。
【0137】
なお、本実施形態では、右側検出片311gRの先端から、左側検出片311gLの先
端までの、軸部314を中心とした角度がおよそ3°(第1状態(
図22参照)から押し
込み終端(
図23参照)まで傾倒装置310が回転する回転角度)となるように、左側検
出片311gLが右側検出片311gRに比較して張り出される。
【0138】
延設部311hは、保護レンズ部材311iの下端部分から正面側に張り出す部分であ
って、組立状態(
図10参照)において、上枠部材330の開口部331に係止される位
置まで張り出す態様で構成される。
【0139】
保護レンズ部材311iは、上面視において湾曲した形状で構成される(
図14(a)
参照)と共に、左右方向視において湾曲した形状で構成される(
図14(c)参照)ので
、遊技者が傾倒装置310を押す際の負荷を逃がしやすい(流しやすい)構成とされる。
これにより、傾倒装置310の耐久性を向上させることができる。
【0140】
張出凸設部311jは、底板部311aの下面から直角に凸設されると共に、下枠部材
320の伝達用孔321aよりも小さな断面形状から構成され、遊技者が傾倒装置310
を押し込み操作した状態(
図29参照)において、伝達用孔321aに挿通され、先端が
下枠部材320の下方へ張り出される。
【0141】
図16に示すように、蓋312は、操作面312a1を有する天板部材312aと、そ
の天板部材312aの下面に締結固定される中間板部材312bと、その中間板部材31
2bを天板部材312aに固定すると共に第1状態(
図6参照)においてLED装置34
1fを囲う大きさの円筒形状から構成される円筒部材312cと、を主に備える。
【0142】
円筒部材312cは、軸方向の剛性により蓋312の強度を向上させながら、第1状態
(
図6参照)において、その位置関係から、LED装置341fから傾倒装置310へ向
けて照射される光を円筒部材312cの内側に留める一方で、第2状態(
図7参照)にお
いて、そのような限定を解除し広範囲にLED装置341fからの光を照射可能とする態
様で配設される。
【0143】
レンズ部材313は、光透過性の材料から形成され、上下端部がフランジ状に前方へ延
設されると共にその延設端部が保護レンズ部材311iの湾曲形状に合致した形状から構
成されると共に、中央部に球殻形状から形成される球殻部313aを備える。
【0144】
ねじりバネ315は、軸部314に左右一対のねじり部分で巻き付けられ、そのねじり
部分の左右外側端部から後方へ延設される両腕部315aと、一対のねじり部分を連結す
る中央部315bと、を備える。
【0145】
次いで、
図17及び
図18を参照して、駆動装置340について説明する。
図17(a)
は、駆動装置340の正面図であり、
図17(b)は、
図17(a)の矢印XVIIb方向
視における駆動装置340の側面図であり、
図18は、駆動装置340の正面分解斜視図
である。
【0146】
図17及び
図18に示すように、駆動装置340は、板状の板金部材を折り曲げること
により骨組みを構成する本体部材341と、その本体部材341に締結固定されると共に
駆動力を発生する駆動モータ342と、その駆動モータ342の駆動力を伝達する伝達軸
棒343と、その伝達軸棒343の両端に回転不能に固定される一対の円板カム344(
左円板カム344L、右円板カム344R)と、その円板カム344の連結ピン344d
に軸支されるアーム部材345と、本体部材341の軸部341cに軸支されると共に円
板カム344の第1張出部344c1や第2張出部344c3と回転方向で当接する解除
部材346と、その解除部材346と同軸で軸支され解除部材346の回転に伴って相対
動作する回転爪部材347と、その回転爪部材347を下倒れさせる方向へ向けた付勢力
を発生するコイルスプリング状のバネ部材である第1スプリングSP1と、解除部材34
6と回転爪部材347との間で互いに離反させる方向の付勢力を発生するねじりバネ状の
バネ部材である第2スプリングSP2と、を主に備える。
【0147】
本体部材341は、左右で後方へ折曲され上面視コ字形状に形成されるモータ収容部3
41aと、そのモータ収容部341aの対向配置される板部分の同じ位置に穿設されると
共に円板カム344を軸支する軸支孔341bと、その軸支孔341bの軸と平行な軸を
有する態様で軸支孔341bから正面側にずれた位置において左右方向に凸設される軸部
341cと、その軸部341cの下方においてモータ収容部341aから延設される延設
部341dと、モータ収容部341aから前上方向へ向けて延設される照明支持部341
eと、その照明支持部341eの上端部に配置されると共に内部にLED光源が配設され
るLED装置341fと、を主に備える。
【0148】
LED装置341fは、その上面部に三角形状の部材であって、光を屈折させる部分(
光を屈折させる部分)を備える。これにより、LED装置341fの光を上方にも前方に
も満遍なく照射可能となる。
【0149】
駆動モータ342は、モータ収容部341aのコ字状の内側においてモータ収容部34
1aに締結固定される固定部材342aを備える。
【0150】
固定部材342aは、駆動モータ342の回転ギアを軸支すると共に、その回転ギアに
伝達ギア343bが歯合する態様で伝達軸棒343を支持する。
【0151】
アーム部材345は、一方の端部に真円形状で穿設されると共に円板カム344の連結
ピン344dに軸支される軸支孔345aと、他方の端部に長方形状で穿設されると共に
傾倒装置310の軸部311c(
図15参照)が挿通される案内孔345bと、を主に備
える。
【0152】
案内孔345bは、軸支孔345aの反対側の端部が傾倒装置310の第1状態におい
て軸部311cと当接する位置に形成され、その反対側の端部は円板カム344が一回転
以上回転可能となるのに十分な位置に形成される。
【0153】
図19を参照して、伝達軸棒343について説明する。
図19は、伝達軸棒343の正
面分解斜視図である。伝達軸棒343は、両端部に円板カム344(
図18参照)が固定
される円柱部材343aと、その円柱部材343aに軸支されると共に駆動モータ342
の回転ギアと歯合する伝達ギア343bと、その伝達ギア343bと円柱部材343aと
の間で駆動力を伝達するか否かを軸方向の移動により切替可能な可動クラッチ343cと
、その可動クラッチ343cを伝達ギア343bに押し付けるコイルバネ343dと、を
主に備える。
【0154】
円柱部材343aは、その両端部に円板カム344を固定する断面D字形状の固定部3
43a1,343a2を備え、右側の固定部343a2の方が左側の固定部343a1よ
りも中央側へ長く形成される。ここで、固定部343a2は、詳細には、可動クラッチ3
43cがコイルバネ343dの付勢力に抗して移動した場合に伝達ギア343bと干渉し
ない位置まで移動できる長さで形成される。
【0155】
伝達ギア343bは、円柱部材343aが挿通される真円形状の挿通孔343b1と、
可動クラッチ343cと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方向に沿っ
た凹凸が形成されるクラッチ部343b2と、を備える。
【0156】
挿通孔343b1が真円形状なので、円柱部材343aが固定された場合にでも、伝達
ギア343bは円柱部材343aに対して回転(空回り)することができる。
【0157】
可動クラッチ343cは、円柱部材343aが挿通される断面D字形状の角度固定孔3
43c1と、伝達ギア343bと対向配置される面から軸中心の円周位置において軸心方
向に沿った凹凸が形成されると共にクラッチ部343b2と係合可能に構成されるクラッ
チ部343c2と、を備える。
【0158】
なお、本実施形態では、クラッチ部343b2,343c2は、頂部の角度が約100
°の山型の凸部および凹部から構成される。
【0159】
角度固定孔343c1が断面D字形状とされることで、可動クラッチ343cの円柱部
材343aに対する相対回転が不能となるので、伝達ギア343bのクラッチ部343b
2と可動クラッチ343cのクラッチ部343c2との係合により、駆動モータ342か
ら伝達ギア343bに伝達される駆動力が、可動クラッチ343cを介して円柱部材34
3aに伝達される。これにより、駆動モータ342を回転させることにより、円板カム3
44(
図18参照)を回転させることが可能になる。
【0160】
なお、可動クラッチ343cは、通常はコイルバネ343dの付勢力により伝達ギア3
43bに近接する位置に配置され、クラッチ部343b2,343c2の係合関係が保た
れる。一方で、可動クラッチ343cに軸方向の負荷がかけられることにより、固定部3
43a2に沿って伝達ギア343bから離反する態様で移動可能に構成される。
【0161】
図20を参照して、円板カム344について説明する。なお、円板カム344は、左円
板カム344Lと右円板カム344Rとが概略鏡写しの形状とされ、異なるのは検出孔3
44eL,344eRの位置のみであるので、左円板カム344Lのみ説明し、右円板カ
ム344Rの説明は省略する。
【0162】
図20(a)は、
図18の矢印XXa方向視における左円板カム344Lの側面図であ
り、
図20(b)は、
図18の矢印XXb方向視における左円板カム344Lの側面図で
ある。なお、
図20(a)及び
図20(b)では、
図18に示すように駆動装置340が
第1初期状態とされた状態が図示される。
【0163】
図20(a)及び
図20(b)に示すように、左円板カム344Lは、真円形状の円板
の両面から凸設される部分を有する部材であって、円板の中心位置において内側方向へ円
筒形状に凸設される中心軸部344aと、その中心軸部344aを中心としたリング形状
のリブとして内側方向へ凸設される円形リブ344bと、その円形リブ344bの外側に
おいてその円形リブ344bよりも高さの低いリブとして内側方向へ凸設されると共に2
箇所において径方向外側に張り出す部分を有する係合リブ344cと、円形リブ344b
と係合リブ344cとの間において外側方向へ円柱形状で凸設されると共にアーム部材3
45(
図18参照)に連結される連結ピン344dと、外周付近において穿設される検出
孔344eLと、を主に備える。
【0164】
右円板カム344Rは、検出孔344eRが、検出孔344eLと60°の角度を成す
位置に配置されることのみが異なり、その他は左円板カム344Lの形状を鏡写しした形
状から構成される。
【0165】
中心軸部344aは、内周が円柱部材343a(
図19参照)の両端と係合する断面D
字形状から構成され、外周が軸支孔341b(
図18参照))に内嵌される形状で構成さ
れる。即ち、円板カム344は、軸支孔341bに回転可能に軸支される。
【0166】
円径リブ344bは、円板カム344が軸支孔341bに軸支された状態において、モ
ータ収容部341a(
図18参照)の左右壁面に当接可能な位置まで凸設される。これに
より、円板カム344の芯ずれを抑制することができる。
【0167】
係合リブ344cは、第1初期状態において、検出孔344eLが配設される位置から
後転方向(
図20(a)時計回り)に80°ずれた位置において径方向外側へ張り出され
る第1張出部344c1と、その第1張出部344c1から角度θ1(本実施形態では角
度θ1=50°)ずれた位置において径方向内側へ引っ込む第1引込部344c2と、第
1張出部344c1から角度θ2(本実施形態では角度θ2=150°)ずれた位置にお
いて、再度径方向外側へ張り出される第2張出部344c3と、その第2張出部344c
3から角度θ3(本実施形態では角度θ3=20°)ずれた位置において径方向内側へ引
っ込む第2引込部344c4と、を主に備える。
【0168】
連結ピン344dは、駆動装置340の第1初期状態において、第1状態における傾倒
装置310の軸部311eと最も離間距離の長い位置に配置される(
図22参照)。即ち
、中心軸部344aに対して第1状態における傾倒装置310の軸部311eの反対側に
連結ピン344dが配設される。
【0169】
図21を参照して、解除部材346と回転爪部材347とについて説明する。なお、解
除部材346と回転爪部材347とは左右一対で配設され、それらの構成は左右で同一な
ので、一方のみを説明する。
【0170】
図21(a)及び
図21(b)は、解除部材346及び回転爪部材347の正面図であ
る。なお、
図21(a)では、解除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリン
グSP2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、
図21(b)では、解
除部材346に対して回転爪部材347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位
置まで回転した角度小状態が図示される。
【0171】
なお、円板カム344に当接されることにより解除部材346が回転する状態は、角度
大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン346bが案内長孔347bの中間位置に配
置された状態)となる(
図35参照)。
【0172】
図21(a)及び
図21(b)に示すように、解除部材346は、概略矩形状の板部材
から形成され、軸部341c(
図18参照)に軸支される軸支孔346aと、その軸支孔
346aの中心軸を中心とする円弧形状で板厚方向に凸設される凸設ピン346bと、第
2スプリングSP2の端部が挿通される挿通孔346cと、軸支孔346aから最大径で
張り出す部分として構成される係合部346dと、を主に備える。
【0173】
係合部346dは、組立状態(
図10参照)において、円板カム344の係合リブ34
4c(
図20参照)と当接可能に構成される部分である。本実施形態では、係合部346
dの外周が湾曲して形成されることにより、係合リブ344との当接を滑らかに行うこと
ができる。
【0174】
回転爪部材347は、概略長方形状の板部材から形成され、軸部341c(
図18参照
)に軸支される軸支孔347aと、その軸支孔347aの中心軸を中心とする円弧形状に
沿って解除部材346の凸設ピン346bを案内可能に穿設される(凸設ピン346bの
移動軌跡を内側に含む大きさで穿設される)案内長孔347bと、第2スプリングSP2
の端部が挿通される挿通孔347cと、軸支孔347aの反対側の端部において下方に鉤
状に凸設される鉤状部347dと、第1スプリング(
図18参照)の端部を挿通可能に穿
設される引下用孔347eと、を主に備える。
【0175】
本実施形態では、
図21(a)に示す角度大状態において、解除部材346が回転爪部
材347に対して後転方向(
図21(a)時計回り方向)の終端位置に配置される。その
ため、角度大状態において、係合部346dに押し下げ方向の負荷がかけられると、解除
部材346及び回転爪部材347が一体となって後転方向に回転する一方、角度大状態に
おいて、係合部346dに押し上げ方向の負荷がかけられると、
図21(b)に示す角度
小状態に至るまでは解除部材346のみを回転させ回転爪部材347の姿勢を維持するこ
とができる。
【0176】
次いで、操作デバイスの動作例について説明する。まず、
図22から
図24を参照して
、傾倒装置310が第1状態に配置された状態において、遊技者が押し込み操作する場合
の動作例について説明する。なお、以下の動作例の説明において、理解を容易にするため
に蓋312の図示が簡略化される。
【0177】
図22から
図24は、
図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300
の断面図である。なお、
図22では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され
、
図23では、
図22に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ
状態が図示され、
図24では、
図23の状態から第1状態に至るまで傾倒装置310が復
帰動作した後の状態が図示される。また、
図22から
図24において、傾倒装置310を
連打操作する遊技者の手の一例が図示される。
【0178】
図22に示すように、傾倒装置310は、ねじりバネ315により後転方向(
図22時
計回り)の付勢力を受けると共に、底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347d
に引っ掛けられる。これにより、第1状態で傾倒装置310が姿勢維持される。即ち、第
1状態において、傾倒装置310には後転方向(
図22時計回り)の付勢力が常時作用し
ている。
【0179】
図22に示す状態において、左側検出片311gLは左側検出センサ324Lの検出溝
に挿通されており(ON状態)、その一方、右側検出片311gRは右側検出センサ32
4Rの検出溝の手前に配置される(OFF状態、
図11参照)。
【0180】
図23に示すように、遊技者が傾倒装置310を押しこむ動作を行うと、傾倒装置31
0が前転方向(
図23反時計回り)に約3°回転する。この状態において、左側検出片3
11gLは左側検出センサ324Lの検出溝に挿通されており(ON状態)、同様に、右
側検出片311gRは右側検出センサ324Rの検出溝に挿通される(ON状態)。
【0181】
従って、左側検出センサ324L及び右側検出センサ324Rの検出状態の変化を判定
することにより、傾倒装置310が第1状態から遊技者に押し込み操作されたことを判定
することができる。
【0182】
ここで、傾倒装置310を連打操作する場合、
図22に示す状態と
図23に示す状態と
を交互に繰り返すことになるが、遊技者が連打する時間間隔によっては、ねじりバネ31
5による傾倒装置310の復帰が間に合わず、中途半端な位置で押し込み操作をすること
になり、遊技者が違和感を覚える恐れがある。
【0183】
従来は、ねじりバネ315のバネ定数を上げることで対処することができたが、本実施
形態では、ねじりバネ315のバネ定数を上げると、ねじりバネ315の付勢力に抗して
傾倒装置310を押し下げる駆動モータ342(
図18参照)の駆動力を上昇させること
が必要となり、駆動モータ342の大型化を図る必要性がある。そのため、製品コストが
上昇したり、省スペース化ができなくなったりする問題点があった。
【0184】
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310が押し込み操作された状態において、傾
倒装置310の張出凸設部311jと対面する位置に振動動作により演出が可能なボイス
コイルモータ352が配設される。
【0185】
図24に示すように、このボイスコイルモータ352を、
図23に示す状態から伸張方
向に駆動することにより、ねじりバネ315のバネ定数を上げることなく、傾倒装置31
0の復帰動作を素早く行うことができる。
【0186】
ここで、傾倒装置310が押し込み操作されると常にボイスコイルモータ352が駆動
する場合、例えば、遊技者が傾倒装置310を長押し操作する場合にボイスコイルモータ
352が駆動してしまい、遊技者に不要な負荷を与えることとなるので、遊技者が違和感
を覚える恐れがある。
【0187】
これに対し、本実施形態では、左側検出センサ324LがON状態の時に、所定期間に
右側検出センサ324RがON状態とOFF状態とで切り替わる回数を算出し、その回数
が閾値以上の場合にボイスコイルモータ352を駆動させることで、遊技者が連打操作す
る場合にだけ傾倒装置310を復帰させる負荷を向上させることができる。これにより、
遊技者が傾倒装置310を快適に操作することができる。
【0188】
次いで、
図25から
図30を参照して、傾倒装置310が第1状態から上下に往復する
動作(煽り動作)を開始する場合(第1の動作態様)について説明する。
図25から
図3
0は、
図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図である。
【0189】
なお、
図25では、傾倒装置310が第1状態とされた状態が図示され、
図26では、
図25に示す状態から円板カム344が所定量だけ前転方向に回転し回転爪部材347が
姿勢変化した状態が図示され、
図27では、
図26に示す状態から円板カム344が所定
量だけ前転方向に回転し回転爪部材347の姿勢が戻った状態が図示され、
図28では、
傾倒装置310が往復回転動作する様子が図示され、
図29では、
図28の状態から遊技
者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示され、
図30では、
図29に示
す状態から円板カム344が、所定量だけ前転方向に回転することにより、係合リブ34
4cの第2張出部344c3が解除部材346の係合部346dに当接される第2初期状
態に到達した状態が図示される。また、
図28において
図27の状態における傾倒装置3
10の位置が想像線で図示され、
図29において、傾倒装置310を押し込み操作する遊
技者の手の一例が想像線で図示される。
【0190】
図25に示すように、傾倒装置310が第1状態である場合、蓋312の円筒部材31
2cの内側にLED装置341fの上端部(プリズム部分)が収容される。そのため、円
筒部材312cの径方向に照射される光の光量が円筒部材312cの厚みにより抑えられ
る一方で、軸方向へ照射される光の光量は大きく確保することができる。これにより、円
筒部材312cが、蓋312のリブとして強度を向上させる効果と、傾倒装置310の第
1状態においてLED装置341fの光の照射強度を調節する効果とを奏することができ
る。
【0191】
図26に示すように、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装置340が第1初
期状態とされる
図25に示す状態から、円板カム344を前転方向(
図26反時計回り方
向)に回転させると、円板カム344の第1張出部344c1が解除部材346の係合部
346dを押し下げることで解除部材346が後転方向(
図26時計回り方向)に回転し
、それに伴い回転爪部材347が傾倒装置310の底板部311aとの係合が外れる位置
まで後転方向に回転する。
【0192】
解除部材346の姿勢変化は、係合リブ344cの第1引込部344c2と係合部34
6dとが対面する状態まで円板カム344が回転されるまで持続されるので、その間に傾
倒装置310がねじりバネ315の付勢力で上昇する(
図26時計回りに回転する)。
【0193】
このとき、
図25及び
図26の状態において、傾倒装置310の軸部311cがアーム
部材345の案内孔345bの一方の終端位置(円板カム344の回転軸から遠い側の終
端位置)に配置され、傾倒装置310の上昇方向の動作はアーム部材345により規制さ
れるので、傾倒装置310の上昇動作が、円板カム344の回転角度に対応した動作態様
となる。
【0194】
図27に示すように、円板カム344が前転方向(
図27反時計回り方向)に回転し、
円板カム344の第1引込部344c2が解除部材346の係合部346dを通過すると
、第1スプリングSP1の付勢力により、解除部材346と回転爪部材347とが前転方
向(
図27反時計回り方向)に回転し、回転爪部材347が傾倒装置310と係合可能な
状態(
図25に示す状態)に戻る。このとき、解除部材346と回転爪部材347との間
の角度(
図27における上側の角度)を大きくする方向へ向けて第2スプリングSP2の
付勢力が作用するので、解除部材346と回転爪部材347とは、
図26に示す状態(角
度大状態)を維持したまま回転する。
【0195】
この状態において、蓋312がLED装置341fの上方に退避すると共に、保護レン
ズ部材311iを遊技者視点で視認可能な面積が、第1状態とされる場合の傾倒装置31
0に比較して増加するので、LED装置341fの光を正面方向(遊技者へ向けた方向)
へも照射可能となる。従って、傾倒装置310の姿勢が変化する事により、LED装置3
41fから照射される光の進行方向を変化させることができ、光の演出効果を向上させる
ことができる。
【0196】
この状態において、保護カバー装置350の右側検出センサ353RがON状態となり
、上下往復動作の開始点を検出することができる。
【0197】
図28に示すように、
図27に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図
28反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(
図2
8時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、
図28に示す角度D1
の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者
に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する
遊技者の注目度を向上させることができる。
【0198】
また、角度D1の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して
、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。その
ため、LED装置341fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認で
きる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾
倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注
目度を向上させることができる。
【0199】
なお、
図28に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313aがLED装置3
41fの正面側(
図28左側)に配置されるので、LED装置341fから照射される光
の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(
図28紙面垂直方向)にも広
げることができる。
【0200】
本実施形態によれば、上述したように、傾倒装置310が第1状態に配置される場合に
は、LED装置341fの光が上方へ向けて進行し、その照射範囲は円筒部材312cに
よって絞られていた(
図25参照)。これに対し、傾倒装置310が第1状態から上昇動
作すると、LED装置341fの光は遊技者へ向けた方向(正面方向)へも照射され、そ
の照射範囲はレンズ部材313により広げられる。
【0201】
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変
化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより
、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
【0202】
図29に示すように、
図28で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技
者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。
図28の状態において、傾倒装置
310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下降させる方
向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311cがア
ーム部材345の案内孔345bを移動するのみであり、負荷が生じない)。
【0203】
そのため、
図28の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者
に駆動モータ342(
図18参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止すること
ができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられ
る。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大き
な負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作するこ
とができる。
【0204】
図29に示すように、
図28に示す状態から、傾倒装置310の押し込み終端まで至る
過程において、傾倒装置310の底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dを
押進することにより回転爪部材347が後転方向(
図29時計回り方向)に回転し、それ
に続けて傾倒装置310を押し込み操作することにより底板部311aが鉤状部347d
を通過すると、回転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に
回転する)。従って、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される
。
【0205】
従って、
図28に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置31
0を押し下げた後において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310を第1状態に維
持することができる。
【0206】
図29に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動動作(伸張方向への移動
と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、傾倒装置310を押し込
み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置310に手を乗せ続けている遊技者に対して振
動を伝える演出を行うことができる。
【0207】
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置310の上昇を補助する駆動力を発生さ
せる目的(
図24参照)と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置310を振動させる
ことにより振動演出を行う目的とに利用することができる。
【0208】
なお、
図30に示すように、遊技者が傾倒装置310から手を離して傾倒装置310が
第1状態まで復帰した場合には、傾倒装置310の張出凸設部311jが下枠部材320
の下面に埋没し、ボイスコイルモータ352との当接が解除される。そのため、振動演出
は、遊技者が傾倒装置310を押し込み終端に押し込んでいる状態でのみ有効となる。
【0209】
そのため、操作ボタンが単に振動する遊技機に比較して、傾倒装置310を押し込み操
作する場合に押し込み終端でボイスコイルモータ352による振動が発生するか否かを、
傾倒装置310を押し込み操作した遊技者のみに把握させることができる。
【0210】
ここで、抽選が大当たりか否かは、傾倒装置310の押し込み操作に左右されるもので
はない。そのため、遊技者によっては、傾倒装置310を全く操作しない恐れがあり、そ
の場合、傾倒装置310の操作手段としての価値は低くなってしまう。
【0211】
これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込み操作することで初めてボイス
コイルモータ352の振動を遊技者が感じることができる態様で構成される。
【0212】
ここで、例えば、大当たりが確定した場合にボイスコイルモータ352が振動演出する
ように制御することで、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する時の期待感を向上さ
せることができ、傾倒装置310の先読み手段としての価値を向上させることができる。
これにより、遊技者が傾倒装置310を操作し易くすることができ、傾倒装置310の操
作手段としての価値を高めることができる。
【0213】
図30に示すように、
図29に示す状態から、円板カム344を第2張出部344c1
が解除部材346の係合部346dに当接するまで円板カム344を前転方向(
図29反
時計回り方向)に所定量回転させることにより、駆動装置340を第2初期状態とするこ
とができる。
【0214】
第2初期状態は、第1初期状態と同様に係合リブ344cと解除部材346とが回転方
向で当接する状態である。第1初期状態では第1張出部344c1が係合リブ344cと
当接する一方で、第2初期状態では第2張出部344c3と係合リブ344cとが当接す
る。
【0215】
なお、
図29の状態から、円板カム344を後転方向(
図29時計回り方向)に回転さ
せて係合リブ344cの第1張出部344c1が係合部346dを通過した後、逆回転さ
せる方法で、駆動装置340を
図29に示す状態から
図25に示す第1初期状態に戻すこ
とができる。この場合、解除部材346を押し上げる方向の負荷が解除部材346にかけ
られ、回転爪部材347の姿勢を維持した状態で解除部材346のみを前転方向(
図29
反時計回り方向)に回転させることができる。
【0216】
次いで、
図31から
図34を参照して、傾倒装置310が第1状態とされ、且つ駆動装
置340が第2初期状態とされた状態から、傾倒装置310を上下動作(煽り動作)させ
る場合(第2の動作態様)について説明する。この場合、傾倒装置310は、第2状態を
経て上下に往復する動作(煽り動作)を開始する。
【0217】
図31から
図34は、
図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300
の断面図である。
図31では、
図30に示す状態から円板カム344を前転方向(
図31
反時計回り)に回転させ解除部材346と回転爪部材347とを後転方向(
図31時計回
り)に回転させた状態が図示され、
図32では、
図31に示す状態から、円板カム344
が所定量回転し傾倒装置310が第2状態へ到達した状態が図示され、
図33では、
図3
2に示す状態から円板カム344が往復回転動作する様子が図示され、
図34では、
図3
3に示す状態から遊技者が傾倒装置310を終端位置まで押し込んだ状態が図示される。
また、
図33において
図32の状態における傾倒装置310の位置が想像線で図示され、
図34において、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者の手の一例が想像線で図示さ
れる。
【0218】
図31に示すように、
図30に示す状態から円板カム344を前転方向(
図31反時計
回り)に回転させると、回転爪部材347と傾倒装置310との係合が解除され、傾倒装
置310が上昇方向に動作する。
【0219】
このとき、傾倒装置310の軸部311cが移動する方向にアーム部材345の案内孔
345bが延びている(空間を有している)ため、傾倒装置310がアーム部材345を
介して円板カム344に引っ張られることはなく、傾倒装置310を低抵抗で上昇動作さ
せることができ、傾倒装置310を第1状態から第2状態へ短時間で状態変化させること
ができる。
【0220】
図32に示すように、
図31に示す状態(傾倒装置310と回転爪部材347との係合
を解除した状態)から約10度だけ回転させることにより、円板カム344の姿勢を、傾
倒装置310を第2状態に配置可能な姿勢(第1初期状態から円板カム344を180°
回転させた姿勢)にすることができる。そのため、傾倒装置310の上昇する速度が大き
く、傾倒装置310が
図30の状態から短期間で第2状態へ到達しようとする場合に、そ
の状態変化を円板カム344が邪魔をする(円板カム344が所定角度回転するのが遅く
て傾倒装置310が第2状態となるまでの期間が長くかかる)ことを予防することができ
る。
【0221】
図33に示すように、
図32に示す状態から円板カム344を所定量だけ前転方向(図
32反時計回り)に回転させ、それに続いて円板カム344を同じ量だけ後転方向(
図3
2時計回り)に回転させるという動作を繰り返し行うことにより、
図33に示す角度D2
の範囲で傾倒装置310を上下に繰り返し動作させることができる。これにより、遊技者
に対する傾倒装置310の見え方を変化させることができ、操作デバイス300に対する
遊技者の注目度を向上させることができる。
【0222】
また、角度D2の範囲で傾倒装置310が上下に繰り返し動作するその動作に対応して
、保護レンズ部材313の上枠部材331の上方に張り出す部分の面積が変化する。その
ため、LED装置341fから照射される光の内、保護レンズ部材313を通して視認で
きる光の光量を傾倒装置310の動作に対応して変化させることができる。そのため、傾
倒装置310の明るさを変化させることができ、操作デバイス300に対する遊技者の注
目度を向上させることができる。
【0223】
なお、
図33に示す状態において、レンズ部材313の球殻部313aがLED装置3
41fの正面側(
図33左側)に配置されるので、LED装置341fから照射される光
の照射範囲を、前後方向や上下方向だけでなく、左右方向(
図33紙面垂直方向)にも広
げることができる。
【0224】
即ち、本実施形態によれば、傾倒装置310の姿勢の変化に伴って、光の照射方向を変
化させるだけでなく、その光の照射範囲をも同時に変化させることができる。これにより
、傾倒装置310の注目度を向上させることができる。
【0225】
図33に示す角度D2の範囲は、
図28に示す角度D1の範囲とは異なっている。即ち
、本実施形態では、傾倒装置310の上下動作の態様として、
図28に示す上下動作と、
図33に示す上下動作との2種類の上下動作(煽り動作)を、回転爪部材347による傾
倒装置310の上昇方向への移動の規制の解除後、即座に行うことができる。従って、第
1状態の傾倒装置310を駆動モータ342の駆動力により動作させる態様を2種類作る
ことができる。
【0226】
これにより、操作部材310が毎回同じ動作をする場合に比較して、その動作態様に異
なった意味(例えば、大当たりの期待感の違い)を持たせることができ、傾倒装置310
に対する遊技者の注目度を向上させることができる。
【0227】
図33に示すように、
図32で傾倒装置310が上下動作している状態において、遊技
者は傾倒装置310を押し込み操作することができる。
図33の状態において、傾倒装置
310に対してアーム部材345から与えられる負荷は、傾倒装置310を下方へ引き下
げる方向の負荷のみである(アーム部材345が上昇する方向に移動しても、軸部311
cがアーム部材345の案内孔345bを移動するのみであり、アーム部材345から軸
部311cを持ち上げる負荷は生じない)。
【0228】
そのため、
図33の状態で遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した場合に、遊技者
に駆動モータ342(
図18参照)の駆動力による負荷が与えられることを防止すること
ができる。このとき、遊技者には、ねじりバネ315の付勢力による負荷のみが与えられ
る。これにより、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する際に、遊技者に対して大き
な負荷が生じることが抑制されるので、遊技者が操作デバイス300を快適に操作するこ
とができる。
【0229】
図34に示すように、傾倒装置310を押し込み操作した状態に至る過程において、傾
倒装置310の底板部311aが回転爪部材347の鉤状部347dを押進することによ
り回転爪部材347が後転方向(
図34時計回り方向)に回転し、それに続けて傾倒装置
310を押し込み操作することにより底板部311aが鉤状部347dを通過すると。回
転爪部材347は傾倒装置310と係合可能な位置に戻る(前転方向に回転する)。従っ
て、傾倒装置310が回転爪部材347に上昇方向の移動を規制される。
【0230】
従って、
図33に示す傾倒装置310を上下動作させる状態から遊技者が傾倒装置31
0を押し下げた後(
図34参照)において、遊技者が手を離した場合に、傾倒装置310
を第1状態に維持することができる。
【0231】
次いで、
図35から
図37を参照して、遊技者が押し込み操作した後に、回転爪部材3
47による傾倒装置310の規制を解除することなく、円板カム344を第2初期状態と
する動作について説明する。この方法により、傾倒装置310の2種類の上下動作(煽り
動作)を、交互に行ったり、片方を連続で行ったりすることが可能となる。
【0232】
図35から
図37は、
図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300
の断面図である。
図35では、
図34に示す状態から円板カム344を後転方向(
図35
時計回り)に回転させ解除部材346を前転方向(
図35反時計回り)に回転させた状態
が図示され、
図36では、
図35に示す状態以上に回転カム344が後転方向(
図35時
計回り)に回転してから円板カム344が解除部材346の係合部346dに当接する位
置まで前転方向(
図35反時計回り)に回転した状態が図示され、
図37では、
図36に
示す状態から円板カム344が前転方向(
図36反時計回り)に回転し保護カバー装置3
50の左側検出センサ353LがON状態となった状態が図示される。なお、
図35から
図37において、傾倒装置310に上から振れる遊技者の手の一例が想像線で図示される
。
【0233】
図35に示すように、
図34に示す状態から円板カム344を後転方向(
図34時計回
り)に回転させると、係合リブ344cの第2引込部344c4が解除部材346の係合
部346dと当接する。この場合、係合リブ344cが解除部材346を押し上げること
により解除部材346の姿勢は変化するが、解除部材346の凸設ピン346bが回転爪
部材347の案内長孔347bの空間部分を移動するに留まり、回転爪部材347は
図3
5に示す姿勢で維持される。
【0234】
即ち、
図35に示す状態から更に円板カム344を後転方向(
図35時計回り)に回転
させ、係合リブ344cと解除部材346との係合を解除する過程において、回転爪部材
347による傾倒装置310の上昇の規制を維持することができる。
【0235】
図35に示す状態から、更に円板カム344を後転方向(
図35時計回り)に回転させ
、続けて回転カム344を前転方向(
図35反時計回り)に回転させることで、
図36に
示すように、駆動装置340を第2初期状態とすることができる。
【0236】
なお、本実施形態では、第2初期状態を検出するセンサが無いので、
図36に示す状態
で円板カム344を正確に停止させることは難しいが、
図36に示す第2初期状態を経由
することは可能である。従って、
図36に示す状態から円板カム344を動作させること
により、上述したように、角度D2の範囲における、第2初期状態からの上下動作(煽り
動作)を行うことが可能となる。
【0237】
ここで、傾倒装置310を押し込み操作する遊技者は、「長押し」等の特段の表示がさ
れていなくとも、押し込み操作したあとで手を傾倒装置310に置いたままにする動作を
行うことがある。
【0238】
これは、例えば、演出に集中する余り傾倒装置310を押し込み操作した手を離すのを
忘れることにより起きる動作であるが、この場合、回転爪部材347による規制が解除さ
れても傾倒装置310が上昇しないので、円板カム344が傾倒装置310を角度D2の
範囲で上下動作(煽り動作)させるための往復動作(正逆切替動作)を行ったとしても、
傾倒装置310の姿勢を変化させることができない。この場合、駆動モータ342の回転
は無駄となり、その回転を省略することができれば、駆動モータ342の寿命を延ばすこ
とができる。
【0239】
そこで、本実施形態では、
図36に示す状態から円板カム344を前転方向(
図36反
時計回り)に回転させる状態において、下枠部材320の左側検出センサ324L(
図1
5参照)がON状態を維持する間(傾倒装置310が第1状態以下に傾倒する間)は、円
板カム344を逆回転させることはせず、
図37に示すように、保護カバー装置350の
左側検出センサ353L(
図14参照)がON状態とされる駆動装置340の第1初期状
態において円板カム344の回転を停止する(駆動モータ342の駆動を停止する)態様
で制御される。
【0240】
図36及び
図37に示す状態において、遊技者の手が傾倒装置310の上側におかれる
ことにより傾倒装置310が上昇動作しないので、この場合、
図36に示す状態から
図3
7に示す状態までの変化が駆動モータ342を一方向に回転させることで生じる。
【0241】
そのため、
図35から
図37に示すように、遊技者の手が傾倒装置310の上側に置か
れ続け、傾倒装置310を上下動作させることができないときにまで駆動モータ342を
往復動作(正逆切替動作)させることを避けることができ、駆動モータ342にかけられ
る負担を低減し、モータ寿命を延ばすことができる。
【0242】
なお、
図36に示す状態から、円板カム344を所定量(
図31に示す状態まで)回転
させた際に、左側検出センサ324L(
図15参照)がON状態を維持する場合に、その
まま円板カム344を回転させるのでは無く、即座に逆回転させて
図36に示す状態に戻
すように制御しても良い。これにより、駆動装置340を早期に第2初期状態に戻すこと
ができ、駆動装置340に無駄な負荷をかけずに済むので、駆動モータ342(
図18参
照)のモータ寿命を延ばすことができる。
【0243】
図38及び
図39を参照して、駆動装置340の破壊防止の工夫について説明する。図
38は、
図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図であり
、
図39は、
図38のXXXIX−XXXIX線における操作デバイス300の部分断面
図である。なお、
図38では、傾倒装置310が第2状態とされた状態で傾倒装置310
を掴んで固定する遊技者の手が想像線で図示され、
図39では、本体カバー351の上側
部材の図示が省略される。
【0244】
図38に示すように、遊技者が傾倒装置310を掴んで固定する場合、アーム部材34
5の移動が規制されるので、円板カム344を
図38の状態から回転させることができな
い。そのため、駆動モータ342(
図39参照)が回転を開始すると、駆動モータ342
と伝達ギア343bとの間で高負荷が生じ、放っておくと、駆動モータ342(
図18参
照)が故障する恐れがある。
【0245】
これに対し、本実施形態では、伝達ギア343bが円板カム344を固定する伝達軸棒
343aに対して空回り可能に構成されるので、駆動モータ342が故障することを防止
することができる。
【0246】
即ち、
図39に示すように、円板カム344が固定された状態で駆動モータ342が駆
動を開始し、伝達ギア343bが回転方向に付勢されることにより、クラッチ部343b
2,343c2を介して動力が伝達され、可動クラッチ343cが伝達ギア343bから
離反する方向へ移動する。これにより、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとの係
合を解除し、伝達ギア343bを空回りさせることができる。これにより、駆動モータ3
42が故障することを防止することができる。
【0247】
なお、遊技者が傾倒装置310を掴んでいない場合、操作デバイス300の構成上、円
板カム344を一回転させれば傾倒装置310は第1状態を経由する。そのため、本実施
形態では、駆動モータ342を所定角度(例えば、360°)回転させる間に下枠部材3
20の左側検出センサ324LがON状態とならない場合(傾倒装置310が第1状態と
ならない場合)に、遊技者が、傾倒装置310を把持固定するという不要な操作を故意に
行っていると判断して、その把持動作を止めるように、例えば、第3図柄表示装置81に
表示することにより報知しつつ、駆動モータ342の回転を停止する。
【0248】
これにより、遊技者が故意に誤操作を行っている場合を選択して、その時にのみ、誤操
作を止めるよう報知することが可能となると共に、早期に駆動モータ342を停止して、
故障を防止することができる。
【0249】
なお、伝達ギア343bと可動クラッチ343cとが離反して位相ずれが生じる場合、
駆動モータの初期位相と、可動クラッチ343cと位相を同じくする円板カム344の初
期位相とがずれる。そのため、位相ずれが生じる以前の状態から継続して(ステップ数な
どで)駆動モータ342を制御すると、円板カム344を正確に動作させることができな
い(位相ずれを修正できない)。
【0250】
これに対し、本実施形態では、保護カバー部材350の左側検出センサ353LがON
状態となったことを検出することにより、駆動装置340が第1初期状態となったことを
特定することができるので、その状態を初期位置として駆動モータ352の制御を再開す
る(駆動モータ342の初期位相を再設定する)ことにより、伝達ギア343bと可動ク
ラッチ343cとの間で位相ずれが生じた後においても、駆動モータ342の位相と円板
カム344の位相とを再度合わせた状態で制御を行うことができる。
【0251】
これにより、傾倒装置310を動作させることで演出を行う場合に、駆動モータ342
の回転制御により傾倒装置310に行わせようとする動作と、実際に傾倒装置310が行
う動作との間にずれが生じることが防止される。従って、伝達ギア343bと可動クラッ
チ343cとの間で位相ずれが生じた後においても、傾倒装置310を適正に動作させて
演出を行うことができる。
【0252】
ここで、
図39に示すように、可動クラッチ343cは、伝達ギア343bの回転方向
に関わらず、伝達ギア343bに対して空回りする形状から構成される。その必要性につ
いて、以下において説明する。
【0253】
図40、
図41、
図42及び
図43は、
図6(a)のXXII−XXII線における操
作デバイス300の断面図である。なお、
図40では、
図38に示す状態から円板カム3
44が前転方向(矢印CCW方向)に180度回転した状態が図示され、
図41では、図
40に示す状態から、更に円板カム344が矢印CCW方向に回転した状態が図示される
。また、
図42では、
図38に示す状態から円板カム344が後転方向(矢印CW方向)
に180度回転した状態が図示され、
図43では、
図42に示す状態から、更に円板カム
344が矢印CW方向に回転した状態が図示される。
【0254】
図41に示すように、円板カム344が矢印CCW方向に回転する場合、傾倒装置31
0は、
図40に示す第1状態を経由して、第2状態へ向けて起立動作する。一方で、
図4
3に示すように、円板カム344が矢印CW方向に回転する場合、傾倒装置310は、図
42に示す第1状態のまま、その状態を維持する態様で構成される。
【0255】
これは、
図42に示す状態から
図43に示す状態へ向かうにつれて係合リブ344cが
解除部材346から離反する態様で動作すること、のみが原因ではなく、円板カム344
が矢印CW方向に回転する場合、係合リブ344cが解除部材346に当接しても、回転
爪部材347による固定が解除されないことが原因である。即ち、円板カム344が矢印
CW方向に回転する場合、係合リブ344cが解除部材346に下方から当接するが、こ
の場合、解除部材346が係合リブ344cに持ち上げられることになり、回転爪部材3
47を押し上げる方向の負荷が生じない。そのため、回転爪部材347による固定が解除
されることは無い。
【0256】
ここで、傾倒装置310の動作を遊技者視点で見る場合、
図38から
図40及び
図42
に示す第1状態までは、どちらも同様の動作に見え、第1状態となってから以降の動きが
図41又は
図43のどちらか異なる動作となる。
【0257】
例えば、第1状態に傾倒装置310が到達してからの動作の違いを、駆動モータ342
(
図39参照)の制御により発生させても良いが、駆動モータ342の回転数の変化によ
る駆動音の変化の違いで、行っている制御の態様に遊技者が気付き、これから実行される
演出が遊技者に把握されてしまい、遊技者の興味を削ぐおそれがある。また、傾倒装置3
10を急停止させる動作を駆動モータ342の急停止で行う場合、駆動モータ342にか
けられる負担が大きくなり、駆動モータ342の耐久性が低下するおそれがある。
【0258】
これに対し、本実施形態によれば、
図38に示す状態から、傾倒装置310が第1状態
へ向けて移動し、その後の傾倒装置310の動作を異ならせる場合に、駆動モータ342
の回転は、その方向が異なるのみなので、その駆動態様(振動や、音など)で、その回転
方向を遊技者が把握することを困難にすることができる。そのため、例えば、第1状態か
ら傾倒装置310が起き上がるか、第1状態に傾倒装置310が維持されるかにより、演
出の期待度が変化する場合に、傾倒装置310が第1状態へ向かう動作中に、その期待度
の変化を、遊技者が把握してしまうことを防止することができる。これにより、傾倒装置
310の動作への注目力を向上させることができる。
【0259】
一方で、傾倒装置310が第1状態に到達して、更に駆動モータ342が回転すること
により、傾倒装置310が起き上がるか、第1状態を維持するかを確認することにより、
遊技者は演出の期待度の変化を把握することができるので、遊技者に、傾倒装置310が
第2状態(
図38参照)となり、駆動モータ342により第1状態へ向けて移動する際の
、傾倒装置310の動きを見守るように仕向けることができる。
【0260】
即ち、傾倒装置310が第2状態である場合に、遊技者が傾倒装置310を把持するこ
とを抑制することができるので、駆動モータ342の駆動時に遊技者が誤操作することに
より傾倒装置310及び駆動装置340に過負荷が与えられることを防止することができ
る。
【0261】
また、傾倒装置310を急停止させる演出を行うために、駆動モータ342(
図39参
照)を急停止させる必要がないので、駆動モータ342を急停止する場合に駆動モータ3
42に与えられる負担を無くすことができ、駆動モータ342の耐久性を向上させること
ができる。
【0262】
次いで、
図44を参照して、遊技者が傾倒装置310を押し下げる動作をした場合にで
も、傾倒装置310が回転爪部材347で規制されずに上下動作をおこなう場合(第3の
動作態様)について説明する。
【0263】
図44は、
図6(a)のXXII−XXII線における操作デバイス300の断面図で
ある。なお、
図44では、駆動装置340の第1初期状態(
図25参照)から円板カム3
44が所定量前転方向(
図44反時計回り)に回転された状態が図示されると共に、第1
張出部344c1が解除部材346の係合部346dを通過しない角度で円板カム344
を後転方向(
図44時計回り)に回転させた後における傾倒装置310の外形が想像線で
図示される。
【0264】
図44に示すように、円板カム344の第1張出部344c1により解除部材346が
押し下げられた状態において、第1張出部344c1と第1引込部344c2とが解除部
材346の係合部346dを通過しない位置関係を保ちながら円板カム344を往復回転
させることにより、解除部材346の姿勢を維持したまま、傾倒装置310を上下に往復
動作させることができる。
【0265】
この場合、回転爪部材347の姿勢が、解除部材346の姿勢変化に伴って後転方向(
図44時計回り)に回転された状態で維持されるので、
図44に示す態様で傾倒装置31
0が上下動作する場合に、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作したとしても、傾倒装
置310と回転爪部材347とが係合せず、遊技者が手を離すことにより傾倒装置310
が第1状態(回転爪部材347が傾倒装置310と係合する場合に傾倒装置310が上昇
を規制される位置)よりも上方へ移動すると共に上下動作を継続する動作態様を実施する
ことができる。
【0266】
そのため、例えば、傾倒装置310の動作態様として、上述した第1の動作態様や、第
2の動作態様と、
図44に示す第3の動作態様とで、演出上の違いを設けることで、操作
デバイス300の操作に従来とは違った意味を持たせることができる。即ち、本実施形態
によれば、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作して、その後、傾倒装置310を離す
ことで初めて、傾倒装置310が第1の動作態様または第2の動作態様で上下動作してい
たのか、第3の動作態様で上下動作していたのかを知ることができる。
【0267】
演出上の違いとして、第1の動作態様や、第2の動作態様で傾倒装置310が上下動作
する場合(傾倒装置310を押し込み操作した後で手を離すと傾倒装置310が第1状態
で維持される場合)の方が、第3の動作態様で傾倒装置310が上下動作する場合(傾倒
装置310を押し込み操作した後で手を離しても傾倒装置310が上下動作を継続する場
合)に比較して大当たりの期待度が高いという違いを設けたとすると、遊技者が傾倒装置
310を押し込む時だけでなく、傾倒装置310から手を離すときにも、大当たりするか
否かの期待度を認識する機会を得ることができるので、操作デバイス300を遊技者が注
目するタイミングを多く設けることができる。これにより、操作デバイス300の注目度
を向上させることができる。
【0268】
次いで、
図45から
図49を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態で
は、解除部材346が押し上げられた場合に回転爪部材347の状態が維持される場合を
説明したが、第2実施形態における操作デバイス2300は、駆動装置2340がスライ
ド爪部材2348を備え、解除部材2346が押し上げられた場合にスライド爪部材23
48がスライド動作する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には
同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、
図45及び
図46を参照して、第1実
施形態との差異について説明する。
【0269】
図45(a)は、第2実施形態におけるスライド爪部材2348の側面図であり、
図4
5(b)は、回転板部材2347の側面図であり、
図45(c)は、解除部材2346の
側面図である。
【0270】
図46(a)及び
図46(b)は、解除部材2346と回転板部材2347とスライド
爪部材2348との連動を示す解除部材2346と回転板部材2347とスライド爪部材
2348との側面図である。
【0271】
図46(a)では、解除部材2346に対して回転板部材2347が第2スプリングS
P2の付勢方向終端位置まで回転した角度大状態が図示され、
図46(b)では、解除部
材2346に対して回転板部材2347が第2スプリングSP2の付勢力に抗して終端位
置まで回転した角度小状態が図示される。なお、円板カム344に当接されることにより
解除部材2346が回転する状態は、角度大状態と角度小状態との間の状態(凸設ピン3
46bが案内長孔347bの中間位置に配置された状態)となる(
図48参照)。
【0272】
図45及び
図46に示すように、駆動装置2340(
図47参照)は、軸部341c(
図47参照)に軸支される機能部材として、解除部材2346と、回転板部材2347と
、その回転板部材2347を挟んで解除部材2346の反対側に配設されると共に傾倒装
置2310(
図47参照)の回転軸を中心とする円弧軌道にそってスライド移動可能に構
成されるスライド爪部材2348と、を主に備える。なお、解除部材2346と回転板部
材2347とスライド爪部材2348とにおいて、第1実施形態と同様の機能を有する構
成については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0273】
図45(a)に示すように、スライド爪部材2348は、レール部2347fにスライ
ド可能に内嵌される態様で湾曲した形状から形成される湾曲部2348aと、その湾曲部
2348aの上端部において前方(
図45左方)へ鉤状に凸設される鉤状部2348bと
、それら湾曲部2348a及び鉤状部2348bの厚み方向(
図47(a)紙面垂直方向
)に重ねて配設されると共に湾曲部2348aよりも幅広の湾曲した板形状から形成され
る補強部2348cと、その補強部2348cの下端部において解除部材2346へ向け
て円柱状に凸設される凸設ピン2348dと、を主に備える。
【0274】
湾曲部2348aは、その幅の長さが、レール部2347fの離間幅よりも若干短い長
さに設定される。そのため、スライド爪部材2348の湾曲部2348aが、レール部2
347fに内嵌される状態において、回転板部材2347に対してスライド移動可能に構
成される。
【0275】
鉤状部2348bは、形状が第1実施形態の鉤状部347dと同様であり、その下側面
に磁性材料が配設される。この磁性材料は、後述する傾倒装置2310の底板部2311
aと吸着する磁力を発生させるための磁性材料である。
【0276】
補強部2348cは、組立状態(
図46参照)において回転板部材2347のスライド
爪部材2348と対面する面の反対側の面と対面する部分であり、湾曲部2348aより
も幅広に形成されることにより、スライド爪部材2348を補強する部分である。
【0277】
凸設ピン2348dは、解除部材2346の機能長孔2346eに挿通される円柱部材
であり、本体板部2348eに挿通固定される金属棒により構成される。解除部材234
6が回転板部材2347に対して相対回転することで凸設ピン2348dが機能長孔23
46eの側面に押され、スライド爪部材2348がスライド移動する。
【0278】
回転板部材2347は、軸支孔347aと、案内長孔347bと、挿通孔347cと、
引下用孔347eと、に加えて、スライド爪部材2348のスライド動作を案内するレー
ル部2347fと、スライド爪部材2348の凸設ピン2348dが挿通される支持長孔
2347gと、を備える。
【0279】
レール部2347fは、回転板部材2347の上端部から延設される一対の板状部から
形成され、それら一対の板状部の対向配置される側面は、回転板部材2347が前転方向
(
図46反時計回り)の終端位置に配置された状態において、軸部314(
図47参照)
を中心とする円弧に沿った湾曲形状から形成される。
【0280】
支持長孔2347gは、レール部2347fと同様に、軸部314(
図47参照)を中
心とする円弧に沿った湾曲形状から形成される。支持長孔2347gに凸設ピン2348
dが挿通された状態でスライド爪部材2348をスライド移動させる場合、スライド爪部
材2348をレール部2347fと支持長孔2347gとで支持することができ、スライ
ド爪部材2348がぐらつくことを抑制することができる。
【0281】
解除部材2346は、軸支孔346aと、凸設ピン346bと、挿通孔346cと、係
合部346dと、に加えて、厚さ方向に穿設される長孔である機能長孔2346eを備え
る。
【0282】
機能長孔2346eは、スライド爪部材2348の凸設ピン2348dの直径よりも若
干幅の広い長孔として構成され、軸支孔346aを中心とした円弧に沿った湾曲形状から
構成される第1長孔部2346e1と、その第1長孔部2346eの一方の端部から軸支
孔346aの反対方向へ向かって傾斜する方向に延設される第2長孔部2346e2と、
を主に備える。
【0283】
図46に示すように、解除部材2346が回転板部材2347に対して回転し、角度大
状態と角度小状態との間で状態が変化すると、スライド爪部材2348がレール部234
7fの湾曲形状に沿ってスライド移動する。
【0284】
機能長孔2346eが凸設ピン2348dの直径よりも若干幅の広い長孔として構成さ
れるので、解除部材2346の移動に対する時間遅れ無しに、解除部材2346の移動速
度がそのまま凸設ピン2348dの移動速度に反映される。
【0285】
即ち、解除部材2346を素早く回転させれば、スライド爪部材2348が素早くスラ
イド動作する一方で、解除部材2346を回転させる速度を遅くすれば、スライド爪部材
2348の動作速度も遅くなる。
【0286】
図46(a)に示すように、角度大状態では、スライド爪部材2348がスライド方向
に引っ張られたとしても、第1円弧部2346e1が軸支孔346aを中心とする円弧に
沿った形状とされるので、凸設ピン2348dから機能長孔2346eにかけられる負荷
が軸支孔346aを通る直線方向に向けられる。そのため、解除部材2346を回転させ
る力が発生せず、スライド爪部材2348がスライド移動することを防止することができ
る。
【0287】
即ち、本実施形態では、解除部材2346が回転動作することによりスライド爪部材2
347がスライド移動することはあっても、角度大状態の時にスライド爪部材2347が
引っ張られることによりスライド爪部材2347がスライド移動することは無い。従って
、第1実施形態と同様に、傾倒装置2310を第1状態に配置した場合においてスライド
爪部材2348を傾倒装置2310に係合させることにより、傾倒装置2310の上昇を
規制することができる。
【0288】
図47から
図49は、傾倒装置2310の姿勢の変化を時系列で図示する図面であって
、
図6(a)のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス2300の断面
図である。なお、
図47では、円板カム344の第2引込部344c4が解除部材234
6の係合部346dの下方に配置された状態が図示され、
図48では、
図47に示す状態
から円板カム344が後転方向(
図47時計回り)に回転され解除部材2346の係合部
346dが押し上げられた状態が図示され、
図49では、
図48に示す状態から円板カム
344が後転方向(
図48時計回り)に回転され解除部材2346が第2スプリングSP
2の付勢力により復帰された状態が図示される。
【0289】
本実施形態では、傾倒装置2310の底板部2311aが、開口部311bの下側縁部
付近において上側側面に固定されると共に磁性材料から構成される磁石部2311a1を
備える。
【0290】
図47に示す状態において、磁石部2311a1と鉤状部2348bとが磁力により吸
着する。この状態から傾倒装置2310を遊技者が押し込み操作する場合、傾倒装置23
10の姿勢変化により磁石部2311a1と鉤状部2348bとの吸着が外れるので、傾
倒装置2310からスライド爪部材2348に大きな負荷が与えられることは無い。
【0291】
図48に示すように、解除部材2346が押し上げられると、その動作に連動してスラ
イド爪部材2348が上昇方向にスライド動作する。このとき、磁石部2311a1と鉤
状部2348bとは磁力により吸着しているので、解除部材2346が素早く動作すると
、傾倒装置2310の動作も素早くなる。
【0292】
従って、ねじりバネ315の付勢力により傾倒装置2310が上昇方向に回転する速度
とは異なった速度でスライド爪部材2348をスライド動作させることにより、スライド
爪部材2348を後転方向(
図48時計回り)に回転させ傾倒装置2310の上昇移動の
規制を解除する場合の上昇移動とは異なった速度で傾倒装置2310を上昇移動させるこ
とができる(第4の動作態様)。即ち、傾倒装置2310が上昇方向に移動する速度を変
化させることができる。
【0293】
図49に示すように、円板カム344と解除部材2346との係合が解除されると、解
除部材2346は第2スプリングSP2の付勢力により後転方向(
図48時計回り)に回
転する。これによりスライド爪部材2348は第1状態へ復帰される。
【0294】
図47から
図49に示す動作態様を可能とすることにより、第1実施形態で説明した第
1から第3の動作態様と合わせて、4個の動作態様で傾倒装置2310を動作させること
ができる。動作態様が増えるほど、動作態様と、大当たりの期待度との対応付けをしてお
くことにより、遊技者が操作デバイス2300を先読みの手段として利用しやすくなるの
で、遊技者にとっての操作デバイス2300の注目度を向上させることができる。
【0295】
また、本実施形態によれば、
図48に示すように、スライド爪部材2348が上昇する
ことにより傾倒装置2310を上昇させる場合、スライド爪部材2348の鉤状部234
8bと傾倒装置2310の磁石部2311a1との間の磁力吸着により傾倒装置2310
が上昇することになるので、磁力を大きく確保することにより、ねじりバネ315の付勢
力で傾倒装置2310を上昇させる場合に比較して、傾倒装置2310にかけられる負荷
を上昇させることができる。
【0296】
即ち、通常では、遊技者が傾倒装置2310の上部に手を置いている場合に、スライド
爪部材2348による規制を解除した際に、手の重みにより傾倒装置2310が上昇する
ことが防止されるとしても(ねじりバネ315による付勢力が手の重みを持ち上げるほど
に大きくは無いとしても)、磁力が手の重みを持ち上げ可能な程度に大きければ、
図48
に示す状態において、遊技者の手を持ち上げる態様で傾倒装置2310を上昇させること
ができる。
【0297】
これにより、傾倒装置2310を上昇させる際に、その上昇方向への負荷(下方への負
荷に対して傾倒装置2310の姿勢を維持しようとする力)に違いを設けることができる
。そのため、傾倒装置2310を押し込み操作する前に傾倒装置2310の上部に手を置
く方法で遊技を行う遊技者が、その負荷の違いを感じることができる。
【0298】
例えば、その負荷の違いと大当たりの期待度との対応付けをしておくことにより、遊技
者が操作デバイス2300を先読みの手段として利用しやすくなるので、遊技者にとって
の操作デバイス2300の注目度を向上させることができる。
【0299】
次いで、
図50から
図52を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態
では、傾倒装置310が第1状態であるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出セン
サ324L,324Rで検出可能な場合を説明したが、第3実施形態における操作デバイ
ス3300は、傾倒装置3310が第1状態と遊技者に押し込まれた状態との途中の状態
にあるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出センサ324L,324Rで検出可能
とする態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付し
て、その説明は省略する。
【0300】
図50は、第3実施形態における傾倒装置3310の側面図である。
図50に示すよう
に、傾倒装置3310は、ケース本体3311の底板部311aから下方に延設される右
側検出片311gRと、第1実施形態における左側検出片311gLと同じ位置(傾倒装
置3310の回転軸に垂直な面であって回転軸方向の中心位置に配置される面に対して右
側検出片311gRの反対側の位置)において延設される左側検出片3311gLと、を
備える。左側検出片3311gLは、右側検出片311gRよりも延設長さが長くされ、
第1実施形態における左側検出片311gLに比較して、その延設長さが短くされる。
【0301】
図51(a)及び
図51(b)は、操作デバイス3300の側面図である。なお、
図5
1(a)では、傾倒装置3310が第1状態とされ、
図51(b)では、傾倒装置331
0が押し込み操作される途中の状態が図示される。また、
図51(a)及び
図51(b)
において、理解を容易にするために、下枠部材320、上枠部材330及び保護カバー装
置350の外形が想像線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R及びボイ
スコイルモータ352が実線で図示されると共に、各検出センサ324L,324Rと各
検出片3311gL,311gRとが重なる部分は模式的に図示される。
【0302】
図51(a)に示すように、傾倒装置3310が第1状態とされる場合、左側検出片3
311gLは左側検出センサ324Lに挿通されていないと共に右側検出片311gRは
右側検出センサ324Rに挿通されていない(左側検出センサ324LがOFF状態かつ
右側検出センサ324RがOFF状態)。
【0303】
図51(b)に示すように、傾倒装置3310が第1状態から押し込み終端まで押し込
み操作される途中の状態である場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324L
に挿通されている一方で、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されて
いない(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)
。
【0304】
これら各検出センサ324L,324Rの状態の変化を検出することにより、傾倒装置
3310が第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態とされた場合に、そ
れが押し込み途中の状態なのか、戻る途中の状態なのかを検出することができる。
【0305】
即ち、左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態で
あれば、傾倒装置3310は第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態と
なっているが、それが、左側検出センサ324LがOFF状態かつ右側検出センサ324
RがOFF状態から変化した状態であることを検出することで、傾倒装置3310が押し
込み操作の途中の状態であると判定することができる。
【0306】
図52(a)及び
図52(b)は、操作デバイス3300の側面図である。なお、
図5
2(a)では、傾倒装置3310が押し込み終端まで押し込まれた状態が図示され、
図5
2(b)では、傾倒装置3310が押し込み終端から第1状態へ向かう途中の状態が図示
される。また、
図51(a)及び
図51(b)において、理解を容易にするために、下枠
部材320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方
で、各検出センサ324L,324R及びボイスコイルモータ352が実線で図示される
と共に、各検出センサ324L,324Rと各検出片3311gL,311gRとが重な
る部分は模式的に図示される。
【0307】
図52(a)に示すように、傾倒装置3310が押し込み終端まで押し込まれた状態で
は、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通されると共に右側検出片3
11gRは右側検出センサ324Rに挿通される(左側検出センサ324LがON状態か
つ右側検出センサ324RがON状態)。
【0308】
図52(b)に示すように、傾倒装置3310が第1状態と押し込み終端に配置される
状態との間の状態である場合、左側検出片3311gLは左側検出センサ324Lに挿通
されている一方で、右側検出片311gRは右側検出センサ324Rに挿通されていない
(左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態)。
【0309】
左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがOFF状態であれば
、傾倒装置3310は第1状態と押し込み終端まで押された状態との途中の状態となって
いるが、それが、左側検出センサ324LがON状態かつ右側検出センサ324RがON
状態から変化した状態であることを検出することで、傾倒装置3310が第1状態へ戻る
途中の状態であると判定することができる。
【0310】
ここで、ボイスコイルモータ352の駆動力を傾倒装置3310に伝達して傾倒装置3
310を上昇させる補助的な負荷を与える場合、傾倒装置3310が下降動作する間にボ
イスコイルモータ352を傾倒装置3310に衝突させるよりも、傾倒装置3310が上
昇動作する間にボイスコイルモータ352を傾倒装置3310に衝突させる方が、効果的
に傾倒装置3310を上昇させる負荷を与えることができる。
【0311】
そのため、
図52(b)に示すように、各検出センサ324L,324Rの検出履歴か
ら傾倒装置3310の動作方向を判定し、傾倒装置3310が上昇途中であって、かつ第
1状態までは到達していない時にボイスコイルモータ352を駆動させることにより、ボ
イスコイルモータ352の駆動力を傾倒装置3310に効果的に伝達することができ、傾
倒装置3310の上昇速度を向上させることができる。
【0312】
ここで、駆動モータ342(
図18参照)の駆動力を抑えるためにねじりバネ315の
付勢力を抑えた場合、第1状態から傾倒装置3310を押し込み操作した後の傾倒装置3
310の上昇速度が遅くなる。この場合、遊技者が傾倒装置3310を連打操作したとし
ても、傾倒装置3310の上昇動作が遊技者の手の動きに追従せず、連打操作を快適に行
うことができない。
【0313】
これに対し、本実施形態によれば、ボイスコイルモータ352の駆動力を効果的に用い
ることで、ねじりバネ315の付勢力のみで傾倒装置3310が上昇動作する場合に比較
して傾倒装置3310が上昇する速度を向上させることができるので、傾倒装置3310
の連打操作を快適に行わせることができる。
【0314】
次いで、
図53から
図55を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態
では、傾倒装置310が第1状態であるか遊技者に押し込まれた状態であるかを検出セン
サ324L,324Rで検出可能な場合を説明したが、第4実施形態における操作デバイ
ス4300は、傾倒装置4310が第2状態から第1状態へ変化する途中の動作速度を検
出しその検出結果によってボイスコイルモータ352の駆動方法を変化させる態様とされ
る。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略す
る。
【0315】
図53は、第4実施形態における傾倒装置4310の側面図である。
図53に示すよう
に、傾倒装置4310は、ケース本体4311の張出凸設部311jの正面側から板状に
凸設される正面検出片4311kを備える。
【0316】
正面検出片4311kは、下枠部材4320の底板部4321に配設される上側検出セ
ンサ4321dと下側検出センサ4321eと(
図54参照)の検出溝(スリット)を通
過可能に構成され、各検出センサ4321d,4321eの検出タイミングにより傾倒装
置4310の動作速度を判定するための部分である。
【0317】
図54(a)及び
図54(b)は、操作デバイス4300の押し下げ操作を時系列で図
示する操作デバイス4300の側面図である。なお、
図54(a)では、傾倒装置431
0が第2状態とされ、
図54(b)では、
図54(a)に示す状態から傾倒装置4310
が押し込み操作され正面検出片4311kが下側検出センサ4321eを下方へ向けて通
過した状態が図示される。また、
図54(a)及び
図54(b)において、理解を容易に
するために、下枠部材4320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像
線で図示される一方で、各検出センサ324L,324R,4321d,4321e及び
ボイスコイルモータ352が実線で図示される。
【0318】
図54(a)及び
図54(b)に示すように、下枠部材4320は、底板部4321の
正面側の部分に、上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eを備える。上
側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eはフォトカプラ形式のセンサであ
って、検出溝を正面検出片4311kが通過可能な向きに向けた姿勢で配設される。なお
、本実施形態では上側検出センサ4321d及び下側検出センサ4321eが、傾倒装置
4310の回転軸を中心とした円弧軌道上に20°間隔で配置される。
【0319】
図54(a)に示す状態から、遊技者が傾倒装置4310を押し込み操作することによ
り、
図54(b)に示す状態へ変化した場合、正面検出片4311kが上側検出センサ4
321dと下側検出センサ4321eとを順番に通過する。その通過のタイミングの間隔
を検出することにより、傾倒装置4310の動作速度の大小を判定することができ、その
判定によりボイスコイルモータ352を駆動するか否かを選択する。
【0320】
ここで、第2位置から傾倒装置4310を押し込み操作する場合、その押し込み長さが
長くなることから(加速度をかけられる期間が長いので)、押し込み長さが短い操作ボタ
ンに比較して、傾倒装置4310の動作速度の上限が高くなる。従って、減速の手段を何
ら持たない場合、遊技者が全力で押し込み操作する時のための安全対策として、傾倒装置
4310を丈夫に作っておく必要があり、傾倒装置4310が重くなりがちであるという
課題が生じる。
【0321】
また、傾倒装置4310が押し込み終端付近に配置された時にのみ傾倒装置4310に
付勢力をかける弾性バネを内蔵し、その弾性バネの付勢力により傾倒装置4310を減速
させることもできる。しかし、この場合、力の弱い遊技者や、そっと押し込み操作をする
と決めている遊技者にとっては、押し込み位置付近で常に反力が大きくなることが押し込
み操作の負担となり、疲労感を感じやすくなることから、傾倒装置4310の押し込み操
作を快適に行うことができなくなる恐れがある。
【0322】
これに対し、本実施形態では、上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321e
とが、それぞれON状態とOFF状態とで切り替わるタイミングの間隔により、ボイスコ
イルモータ352を駆動するか否かを決定することにより、必要の無いときにまで傾倒装
置4310に強い反力がかけられることを防止することができる。
【0323】
即ち、例えば、上側検出センサ4321dと下側検出センサ4321eとが、それぞれ
ON状態とOFF状態とで切り替わるタイミングの間隔が、所定期間(例えば1秒)より
も長い場合には、ボイスコイルモータ352を駆動しない一方、上述したタイミングの間
隔が、所定期間よりも短い場合にはボイスコイルモータ352を駆動する態様で制御する
。
【0324】
これにより、傾倒装置4310の押し込み操作の操作速度が遅い場合には、遊技者が傾
倒装置4310から感じる反力は、ねじりバネ315が生じる付勢力のみであり、弱い力
でも傾倒装置4310を容易に押し込み操作することができる。
【0325】
更に、傾倒装置4310の押し込み操作の操作速度が速い場合には、傾倒装置4310
に対する反力として、ねじりバネ315により生じる付勢力だけでなく、押し込み終端に
おいて、ボイスコイルモータ352が発生させる駆動力を加えることができる。そのため
、傾倒装置4310の操作速度を抑制することができる。
【0326】
なお、本実施形態では、
図54(b)に示すように、傾倒装置4310の張出凸設部3
11jが下枠部材4320の下方に張り出すよりも前に、ボイスコイルモータ352を駆
動しておき、ボイスコイルモータ352の可動部材を傾倒装置4310に近接する側に予
め押し出しておく態様で制御される。
【0327】
これにより、ボイスコイルモータ352の可動部材の押し出し途中に傾倒装置4310
とボイスコイルモータ352とが衝突する場合に比較して、傾倒装置4310に加えられ
る衝撃を抑制することができる。
【0328】
図55(a)及び
図55(b)は、操作デバイス4300の側面図である。なお、
図5
5(a)では、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端まで押し込まれる途中の状
態が図示され、
図55(b)では、傾倒装置4310が押し込み終端へ到達した状態が図
示される。
【0329】
また、
図55(a)及び
図55(b)において、理解を容易にするために、下枠部材4
320、上枠部材330及び保護カバー装置350の外形が想像線で図示される一方で、
各検出センサ324L,324R,4321d,4321e及びボイスコイルモータ35
2が実線で図示される。
【0330】
図55(a)に示すように、傾倒装置4310を第2状態から高速で押し込み操作した
場合、傾倒装置4310が第1状態から押し込み終端へ到達する途中の状態において、傾
倒装置4310の張出凸設部311jとボイスコイルモータ352とが当接される。
【0331】
傾倒装置4310を押し込み操作することにより、張出凸設部311jがボイスコイル
モータ352を移動させる方向が、ボイスコイルモータ352の伸張方向D41に沿った
方向となるので、ボイスコイルモータ352を縮小方向に移動させることに押し込み操作
の力を消費することができる。従って、傾倒装置4310の移動は継続しつながら、ボイ
スコイルモータ352の駆動力で傾倒装置4310を押し上げる方向の負荷を加えること
ができ、傾倒装置4310を減速させることができる。
【0332】
このとき、ボイスコイルモータ352は、ディスクブレーキのように摩擦で負荷を加え
る構造では無く、電磁力で負荷を加える構造であるため、部材の損傷が抑えられ、耐久性
を確保することができる。
【0333】
図55(a)に示す状態においては、傾倒装置4310の張出凸設部311jと、ボイ
スコイルモータ352とが既に当接しているので、
図55(a)に示す状態(左側検出セ
ンサ324LはON状態)からボイスコイルモータ352に流す電流を徐々に増加させる
ことにより、傾倒装置4310にボイスコイルモータ352から加えられる反力を徐々に
増加させることができる。
【0334】
従って、傾倒装置4310の張出凸設部311jと、ボイスコイルモータ352とが当
接するタイミングで遊技者が感じる反力は抑制しながら、傾倒装置4310が第1状態か
ら押し込み終端へ向かう途中における減速効果を向上させることができる。
【0335】
図55(b)に示すように、傾倒装置4310が押し込み終端位置に配置されると、右
側検出センサ324RがON状態となる。この状態において、傾倒装置4310は下枠部
材4320に回転方向で当接し下降が停止する。そのため、ボイスコイルモータ352に
より傾倒装置4310を減速させることが不要となる。
【0336】
本実施形態では、
図55(b)に示す状態において、ボイスコイルモータ352が振動
動作(伸張方向への移動と、縮小方向への移動とを繰り返す動作)を行う。これにより、
傾倒装置4310を押し込み終端まで押し込み操作した後、傾倒装置4310に手を乗せ
続けている遊技者に対して振動を伝える演出を行うことができる。
【0337】
即ち、ボイスコイルモータ352を、傾倒装置4310の押し込み操作の速度を減少さ
せる目的と、押し込み終端位置に配置された傾倒装置4310を振動させることにより振
動演出を行う目的とに利用することができる。
【0338】
次いで、
図56から
図68を参照して、第5実施形態における操作デバイス5300に
ついて説明する。
【0339】
第1実施形態では、ボイスコイルモータ352を振動させることにより、傾倒装置31
0を押し込み操作する遊技者へ振動を伝える場合を説明したが、第5実施形態における操
作デバイス5300は、下枠部材5320に、重心が偏心した位置に配置される錘部材5
412を回転させる駆動モータ5411を備え、その駆動モータ5411の回転に基づい
て、下枠部材5320に触れる遊技者へ振動を伝える態様で構成される。なお、上述した
各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。まず、
図56及
び
図57を参照して、第1実施形態との構成の差異について説明する。
【0340】
図56は、第5実施形態における操作デバイス5300の分解正面斜視図であり、
図5
7は、操作デバイス5300の分解背面斜視図である。
【0341】
図56及び
図57に示すように、操作デバイス5300は、第1実施形態における操作
デバイス300と比較して、下枠部材320が下枠部材5320とされ、駆動装置340
が駆動装置5340とされると共に、保護カバー部材350からボイスコイルモータ35
2が省略される。傾倒装置310及び上枠部材330は、第1実施形態と同様の構成とさ
れる。
【0342】
下枠部材5320には、駆動モータ5411を備える振動装置5400が配設され、駆
動装置5340には、伝達軸棒5343にワンタッチで固定される円板カム5344が配
設される。まず、
図58から
図61を参照して振動装置5400について説明し、その後
、円板カム5344について説明する。
【0343】
図58は、下枠部材5320及び振動装置5400の分解正面斜視図である。
図58に
示すように、振動装置5400は、扇形状の錘部材5412を回転駆動させる伝達装置5
410と、伝達装置5410と、その伝達装置5410の駆動モータ5411を収容する
と共に柔軟な材料から構成される柔軟部材5420と、上面が開放される有底皿状に形成
され、錘部材5412と柔軟部材5420とを区画を分けて収容すると共に下枠部材53
20の底板部5321に締結固定される収容部材5430と、を主に備える。
【0344】
伝達装置5410は、回転駆動の電気モータから形成される駆動モータ5411と、外
形が扇形状とされると共に駆動モータ5411の回転軸に、扇の要に該当する部分が軸支
される錘部材5412と、を主に備える。
【0345】
駆動モータ5411は、軸が張り出す側の側面に、左右一対で配設されると共に金属材
料からフランジ状に形成される固定部5411aを備える。
【0346】
錘部材5412は、その半径が半径Raとされ、駆動モータ5411の回転軸と偏心し
て軸支される。そのため、駆動モータ5411が回転駆動することで、錘部材5412の
重心位置が変動し、駆動モータ5411ごと振動し得る態様で構成される。
【0347】
柔軟部材5420は、駆動モータ5411が軸方向に沿って挿入されると共に、その挿
入される側の反対側に底を有する円筒容器形状から構成される本体部5421と、組立状
態において、本体部5421の径方向左右および下方に、それぞれ一対のリブ状に凸設さ
れるリブ状脚部5422と、本体部5421の開放部側において左右に凸設されるリブ状
脚部5422の間を連結すると共に固定部5411aが埋め込まれる姿勢維持部5423
と、本体部5421の上面から上方へ向けて一対の柱状に凸設される凸設脚部5424と
、を主に備える。
【0348】
本体部5421は、駆動モータ5411の軸方向長さと同じ深さで容器形状の深さが構
成される。そのため、駆動モータ5411を本体部5421に挿入しきった状態において
、駆動モータ5411の軸側の端面と、本体部5421の開口側の端面とが同一面上に形
成される。また、この状態において、固定部5411aが姿勢維持部5423に埋め込ま
れる。
【0349】
リブ状脚部5422は、本体部5421の左右側と下側とに形成されるが、左右側には
姿勢維持部5423が配設される分だけ、左右側のリブ状脚部5422の方が下側のリブ
状脚部5422に比較して変形抵抗が大きくなる。
【0350】
凸設脚部5424は、柱状に凸設されるので、後述する傾倒装置310との当接におい
て、荷重を一点に集中させやすくすることができる。従って、柔軟部材5420を傾倒装
置310の傾倒により変形させる際の、傾倒装置310の傾倒角度に対する柔軟部材54
20の変形度合いの分解能を細かくすることができる。
【0351】
収容部材5430は、組立状態において、駆動モータ5411及び柔軟部材5420が
収容される第1収容部5431と、その第1収容部5431に隣設されると共に錘部材5
412が収容される第2収容部5432と、それら第1収容部5431及び第2収容部5
432の接続面において上面から下方へ向けて凹設される凹溝5433と、を主に備える
。
【0352】
第1収容部5431の深さは、下側のリブ状脚部5422が底に付くまで柔軟部材54
20を挿入し、挿入する際にかけた負荷を解除した場合(組立負荷解除状態)に、上面か
ら凸設脚部5424が張り出す深さとされる。
【0353】
第2収容部5432の深さは、組立負荷解除状態において錘部材5412の回転軌跡よ
りも外方まで凹設される深さである一方、凸設脚部5424に遊技者が負荷をかけ柔軟部
材5420が変形した場合(組立負荷状態)において錘部材5412の回転軌跡に干渉す
る深さとされる。
【0354】
凹溝5433は、幅寸法が、駆動モータ5411の回転軸の直径よりも若干広い寸法と
され、深さ寸法が、組立負荷状態における駆動モータ5411の回転軸よりも若干下方に
延びた寸法とされる。
【0355】
図59(a)は、下枠部材5320の側面図であり、
図59(b)は、
図59(a)の
LIXb−LIXb線における下枠部材5320の部分断面図であり、
図59(c)は、
図59(a)の矢印LIXc方向視における下枠部材5320の部分上面図である。なお
、
図59(a)では、振動装置5400に対応する部分が部分的に断面視される。また、
図59(a)では、傾倒装置310が第1状態とされた場合に傾倒装置310が占有する
領域である第1領域S51と、第1状態から遊技者に3度分だけ押し込まれ、押し込みの
終端位置に配置された場合に傾倒装置310が占有する領域である終端領域S52と、が
想像線で図示される。
【0356】
図59(a)に示すように、下側軸受け部323の円弧の中心軸を回転軸として形成さ
れる円軌道に沿った方向に、凸設脚部5424が凸設される。そのため、傾倒装置310
(
図56参照)の角度変化に対する凸設脚部5424の変形量を最大限に確保することが
できる。
【0357】
図59(b)に示すように、凸設脚部5424に負荷がかけられていない、組立負荷解
除状態において、錘部材5412が第2収容部5432から離間される。
【0358】
図59(c)に示すように、凸設脚部5424は、その延設方向視において、下枠部材
5320の左右中心線を基準として左右対称に配置される。そのため、傾倒装置310の
底面で凸設脚部5424を左右均等に押し込むことができるので、押し込み時に柔軟部材
5420が左右に傾く(
図59(b)紙面において左右に傾く)ことを防止することがで
き、
図59(b)の姿勢を保ったまま凸設脚部5424を押し込むことができる。
【0359】
図59(c)に示すように、下枠部材5320の底板部5321は、凸設脚部5424
を挿入可能に穿設される一対の貫通孔5321dを備える。貫通孔5321dは、左右方
向の幅寸法が、凸設脚部5424の直径寸法よりも若干大きい寸法とされることから、傾
倒装置310が遊技者により押し込まれ、傾倒装置310の下側面が凸設脚部5424に
押し付けられる場合に、凸設脚部5424の左右方向への変形を抑制することができる。
従って、凸設脚部5424の形状の変形を抑制し、凸設脚部5424ごと本体部5421
を、下方(
図59(b)下方)へ平行移動させやすくすることができる。
【0360】
図60(a)及び
図60(b)は、
図59(a)のLXa−LXa線における振動装置
5400の断面図である。なお、
図60(a)では、組立負荷解除状態が図示され、
図6
0(b)では、傾倒装置310が終端領域S52(
図59(a)参照)を占有する状態に
おいて凸設脚部5424が第1収容部5431の内方へ押し込まれた後における組立負荷
状態が図示される。なお、第2収容部5432及び錘部材5412の外形が想像線で図示
される。
【0361】
図60(a)及び
図60(b)に示すように、組立負荷解除状態から、振動装置540
0に負荷が与えられ、組立負荷状態となると、凸設脚部5424及び下側のリブ状脚部5
422が変形すると共に、駆動モータ5411及び錘部材5412が下方へ変位する。
【0362】
組立負荷状態では、
図60(b)に示すように、傾倒装置310(
図57参照)に押さ
れることにより柔軟部材5420が弾性的に変形する。この変形の弾性回復力は、傾倒装
置310を押し返す力として働き、その力は傾倒装置310が柔軟部材5420に近接す
るほど大きくなるので、傾倒装置310が終端位置に押し込み操作された場合に傾倒装置
310が下枠部材5320(
図57参照)と衝突する際の衝撃を緩和することができる。
また、弾性回復力による負荷なので、傾倒装置310が高速で移動する場合でも、時間遅
れなく負荷を発生させることができる。
【0363】
ここで、駆動モータ342(
図57参照)の駆動力を抑えるためにねじりバネ315の
付勢力を抑えた場合、第1状態(傾倒装置310が上昇端に配置された状態、
図38参照
)から傾倒装置310を押し込み操作した後の傾倒装置310の上昇速度が遅くなる。こ
の場合、遊技者が傾倒装置310を連打操作したとしても、傾倒装置310の上昇動作が
遊技者の手の動きに追従せず、連打操作を快適に行うことができない。
【0364】
これに対し、本実施形態によれば、柔軟部材5420の弾性回復力を効果的に用いるこ
とで、ねじりバネ315の付勢力のみで傾倒装置310が上昇動作する場合に比較して傾
倒装置310が上昇する速度を向上させることができるので、傾倒装置310の連打操作
を快適に行わせることができる。
【0365】
図60(a)に示すように、組立負荷解除状態において、錘部材5412は、その姿勢
によらず、第2収容部5432の内壁と当接しない。そのため、組立負荷解除状態で、駆
動モータ5411を駆動開始しても、錘部材5412と第2収容部5432とが当接する
ことによる振動は、生じない。
【0366】
また、駆動モータ5411自体の振動や、錘部材5412の重心移動により駆動モータ
5411に生じる微振動は、柔軟部材5420の柔軟性により吸収され、収容部材543
0への伝達が防止される。これにより、遊技者が、駆動モータ5411の駆動開始タイミ
ングを把握し難くすることができる。
【0367】
図60(b)に示すように、組立負荷状態において、柔軟部材5420の本体部542
1は、上部の凸設脚部5424や、下方のリブ状脚部5422が変形することで、上下に
変位が許容される態様で構成される。
【0368】
柔軟部材5420が下方へ移動すると、本体部5421の下側に配置されるリブ状脚部
5422の状態が、より上下に圧縮される状態へと変化し、リブ状脚部5422が若干硬
化する。そのため、リブ状脚部5422による振動の減衰効果を弱めることができ、振動
装置5400により生じる振動を、遊技者に伝えやすくすることができる。
【0369】
また、柔軟部材5420の本体部5421が円筒状に形成され、下側のリブ状脚部54
22が本体部5421の円筒の軸方向に沿って延設されると共に中心軸から左右に均一な
間隔で左右一対に配置されるので、柔軟部材5420が下方へ移動することにより、リブ
状脚部5422の径方向外側の端部が左右外方(本体部5421とリブ状脚部5422と
の接続位置において抵抗が小さい方)に移動する態様で変形する(
図60(b)参照)。
この場合、本体部5421の下側に配置されるリブ状脚部5422の凸設方向が左右方向
成分を持つことになるので、リブ状脚部5422の弾性力を左右方向に作用させることが
できる。従って、組立負荷状態において、錘部材5421と第2収容部5432とが衝突
する際に生じる可能性の有る左右方向の負荷を、本体部5421の下側のリブ状脚部54
22の弾性力により部分的に吸収することができる。これにより、駆動モータ5411の
左右方向への位置ずれを抑制することができる。
【0370】
図61(a)及び
図61(b)は、
図59(a)のLIXb−LIXb線における伝達
装置5410及び収容部材5430の断面図である。
【0371】
図61(a)及び
図61(b)では、組立負荷状態が図示され、
図61(a)では、錘
部材5412の重心位置が回転軸の上側に配置される状態が図示され、
図61(b)では
、錘部材5412の重心位置が回転軸の下側に配置される状態が図示される。なお、
図6
1(a)及び
図61(b)では、傾倒装置310が遊技者に押し込まれ、終端領域S52
を占有する状態における振動装置5400の様子が図示される。
【0372】
錘部材5412の回転に基づく伝達装置5410の動作について説明する。まず、本実
施形態では、組立負荷状態で、錘部材5412の重心位置が上側に配置される時、第2収
容部5432の下底部からの距離が距離Q1となる位置に、駆動モータ5411の回転軸
が配置される。なお、本実施形態において、距離Q1は、錘部材5412の半径Raと等
しい距離とされる(Q1=Ra)。
【0373】
即ち、組立負荷状態で錘部材5412が回転すると、その外周側面が第2収容部543
2と当接する(擦れる)。そのため、組立負荷解除状態に比較して、錘部材5412の回
転により生じる振動が変化し、遊技者に異なった種類の振動を伝えることができる。
【0374】
錘部材5412と第2収容部5432との当接により、反発力として、錘部材5412
を上向き(
図61(b)上向き)に移動させる力が発生する。ここで、錘部材5412と
第2収容部5432が傾倒装置310(
図57参照)の移動方向に沿って近接離反するの
で、反発力の方向を、傾倒装置310の移動方向に沿った方向(上向き)に向け易くでき
る。この反発力により、錘部材5412を支持する駆動モータ5411と共に柔軟部材5
420が上向きに移動することになり、柔軟部材5420が傾倒装置310(
図57参照
)を上向き(傾倒装置310の移動方向に沿った方向)に押し返す力を補強することがで
きる。
【0375】
このように、傾倒装置310(
図57参照)を上向きに押し返す力を、柔軟部材542
0の弾性回復力として生じる力と、錘部材5412と第2収容部5432との当接により
生じる力という別々に発生する力の組み合わせで構成することにより、傾倒装置310を
押し返す力の調整を行うことができる。
【0376】
即ち、傾倒装置310が凸設脚部5424に当接開始してから終端領域S52(
図59
(a)参照)へ向かうまでの間は、柔軟部材5420の弾性回復力が傾倒装置310を押
し返す力として生じ、傾倒装置310が終端領域S52に到達した後は、錘部材5412
と第2収容部5432との反発力が、傾倒装置310を押し返す力に加えられる。これに
より、終端領域S52付近において、傾倒装置310を押し返す力を特に増加させること
ができるので、傾倒装置310の操作の軽さと、押し込み操作時の衝撃の緩和とを、良好
に図ることができる。この調整は、駆動モータ5411の回転を維持した状態で行うこと
ができる。そのため、複雑な制御を行うことを不要とできる。
【0377】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、左側検出片311gLの長さと、右側検出片
311gRの長さとが異なっており(
図57参照)、検出タイミングの違いにより傾倒装
置310(
図57参照)の動作速度が特定の速度(例えば時速40km)よりも大きいか
否かを判定しており、この判定された動作速度により、錘部材5412の配置を変化させ
ている。
【0378】
例えば、傾倒装置310の動作速度が特定の速度よりも大きいと判定された場合、傾倒
装置310が下枠部材5320に衝突する際の衝撃を緩和するために、柔軟部材5420
が傾倒装置310に与える負荷を増大させることが望まれる。そのため、本実施形態では
、傾倒装置310の動作速度が特定の速度よりも大きいと判定された場合、予め、錘部材
5412を下向き(
図61(b)参照)の姿勢となるように動作させる。
【0379】
これにより、駆動モータ5411の下降動作の終端を、その回転軸が第2収容部543
2の内壁下端から上方に半径Raだけ上がった位置まで上げることができる。これにより
、錘部材5432が上向き(
図61(a)参照)に配置される場合(
図61(a)に示す
状態から、下方に下降可能な場合)に比較して、駆動モータ5411の上側における柔軟
部材5420の移動可能領域を、上下方向に狭めることができる。
【0380】
即ち、凸設脚部5424を傾倒装置310で同じだけ押し下げた場合における、柔軟部
材5420の部分であって駆動モータ5411の上側部分の圧縮寸法を、増加させること
ができる。従って、柔軟部材5420から傾倒装置310へ与えられる反発力を大きくす
ることができ、傾倒装置310を制動させる負荷を大きくすることができる。
【0381】
なお、本実施形態では説明を省略したが、駆動モータ5411を上向きに停止したまま
(
図61(a)参照)とすることで、傾倒装置310を押し返す力を柔軟部材5420の
弾性回復力により生じさせ、錘部材5412と第2収容部5432との当接による力が生
じないようにすることもできる。
【0382】
ここで、部材の当接は、伝達装置5410と下枠部材5320に締結固定される収容部
材5430との間で生じるものであり、傾倒装置310との間で生じるものでは無い。そ
のため、傾倒装置310を押し込む遊技者の手に伝わる振動を変化させると共に、振動の
伝達範囲を広げることができる。即ち、傾倒装置310に触れる部分以外の、例えば、パ
チンコ機10の框体に触っている部分にも振動を伝えることができる。
【0383】
即ち、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した時に、下枠部材5320に振動を伝
えることができるので、その下枠部材5320に押し込みの支点として置いている手の平
や、手の側面の一部を介して、遊技者に振動を伝えることができる。これにより、遊技者
に振動が伝達されない事態を回避することができる。
【0384】
図61(a)及び
図61(b)に示すように、遊技者が傾倒装置310(
図56参照)
を押し込み操作して、振動装置5400が組立負荷状態を形成する場合にのみ、錘部材5
412と収容部材5430とが当接して、振動が発生する。
【0385】
そのため、予め駆動モータ5411を回転状態としていたとしても、遊技者に振動が伝
達されるタイミングを、傾倒装置310を押し込み操作したタイミングに限定することが
できるので、遊技者の押し込み操作を検出してから振動を発生させる場合に比較して、振
動を遊技者に伝達し易くすることができる。
【0386】
即ち、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作した直後に手を離す態様(パルス的に押
し込む態様)で押し込み操作する場合、傾倒装置310が押し込まれたことを検出してか
ら振動を発生させていたのでは、遊技者が手を離すまでに振動を発生させることができな
い(振動開始が間に合わない)可能性があり、遊技者が振動による演出を体感できない恐
れがある。これに対し、本実施形態では、傾倒装置310を押し込む前から、予め駆動モ
ータ5411が回転し、振動発生の準備が整っているので、傾倒装置310の押し込みと
同時に振動を伝達することができる。これにより、遊技者が、振動による演出を体感する
ことができる。
【0387】
また、柔軟部材5420の柔軟性により、駆動モータ5411の本体の振動が第1収容
部5431に伝達することを防止することができる。そのため、予め駆動モータ5411
を駆動させたとしても、傾倒装置310を押し込み操作する前から、遊技者に振動が伝達
されることを防止することができる。
【0388】
従って、傾倒装置310の押し込みにより振動が伝達する状態にすることを、駆動モー
タ5411を傾倒装置310の押し込み前から予め駆動させることにより、実現すること
ができる。
【0389】
次いで、駆動装置5340について説明する。駆動装置5340の、第1実施形態にお
ける駆動装置340との差異点は、円板カム5344と、伝達軸棒5343である。その
他は、第1実施形態の駆動装置340と同一なので、同様の符号を付し、説明を省略する
。
【0390】
図62は、駆動装置5340の分解正面斜視図である。
図62に示すように、左円板カ
ム5344Lと右円板カム5344Rとから構成される一対の円板カム5344の中心部
分に、長孔凹部C1が形成される。
【0391】
図63(a)は、右円板カム5344Rの正面斜視図であり、
図63(b)は、右円板
カム5344Rの背面斜視図である。なお、右円板カム5344Rと、左円板カム534
4Lとは、対称形状から構成されるので、右円板カム5344Rについてのみ説明し、左
円板カム5344Lの説明を省略する。
【0392】
右円板カム5344Rの、第1実施形態における右円板カム344Rとの差異点は、伝
達軸棒5343との連結部分に、伝達軸棒5343を挟み込む一対の挟持腕部A1が配置
されることである。
【0393】
即ち、右円板カム5344Rは、その中心位置において、円板部分から円形リブ344
bが配設される側へ筒状に延設される支持筒部P1と、その支持筒部P1の軸方向に沿っ
て、延設距離の約半分の位置まで、軸対称の長孔形状で円板部分から凹設される長孔凹部
C1と、その長孔凹部C1により凹設された支持筒部P1の軸方向の端部から、軸方向に
沿って円板部分側へ向けて延設される一対の挟持腕部A1と、を主に備える。
【0394】
支持筒部P1は、その内径が伝達軸棒5343の円柱部材5343aの直径と同等とさ
れることにより、円柱部材5343aを支持する部分である。支持筒部P1は、長孔凹部
C1に凹設された領域と軸方向の配置が同一とされる部分であって、長孔凹部C1に凹設
されずに残存する変形部P1aを備える。
【0395】
変形部P1aは、長孔凹部C1を挟んで配置される一対の連結棒部分であって、右円板
カム5344Rが伝達軸棒5343(
図62参照)に対して軸倒れ変形する際に弾性変形
する部分として構成される。
【0396】
長孔凹部C1は、凹設断面の形状が、挟持腕部A1の幅寸法よりも若干長い幅寸法で形
成される。そのため、挟持腕部A1は、長孔凹部C1の凹設断面の幅方向と垂直な方向(
長手方向)に変位可能に構成される。
【0397】
また、長孔凹部C1の対向する面が、円柱部材5343aの固定部5343a1のD字
形状と係合する形状から構成される。即ち、一方の側面が平面から形成され、他方の側面
が円柱部材5343aの外形に沿った円弧形状から形成される。これにより、円柱部材5
343aが、円板カム5344に対して相対回転することを防止することができる。
【0398】
挟持腕部A1は、一対で形成される腕部分同士の、相手側の腕と対向する側の面から、
相手側の腕部に近接する方向へ向けて凸設する係合凸部A1aを備える。係合凸部A1a
は、伝達軸棒5343との連結時において、円柱部材5343aの先端部と係合し、円柱
部材5343aが円板カム5344から抜けることを防止する。
【0399】
係合凸部A1aの先端形状は、円柱部材5343a(
図64参照)の係合溝5343a
4の円弧形状に合致する形状から構成される。これにより、その先端形状が平らだったり
、中心が凸の曲面だったりする場合に比較して、係合凸部A1aが係合溝5343a4に
係合した状態における径方向の重なり長さ(
図65(b)左右方向長さ)を長く確保する
ことができる。
【0400】
係合凸部A1aは、軸方向において、連結ピン344dに近接する側の側面が右円板カ
ム5344Rの側面であって軸付近において軸に沿って凹設される凹設面部C2(長孔凹
部C1の開口側の側面)と面位置となる位置に配置される。
【0401】
これにより、円柱部材5343aと係合凸部A1aとの係合を、凹設面部C2よりも支
持筒部P1側(
図63(b)下側)で完結することができる(
図65(b)参照)。その
ため、凹設面部C2の外側(
図63(b)上側)において、円柱部材5343aにeリン
グを嵌め込む場合に比較して、円柱部材5343aが凹設面部C2から張り出す長さを、
eリングの厚み分短くすることができる(
図65(b)参照)。
【0402】
また、eリングを嵌め込むためのスペース(eリングを面に当てて、スライドさせるた
めに必要なスペース)を右円板カム5344Rの延設方向(面に平行な方向)に確保する
必要がないので、凹設面部C2の凹設広さ(径方向の広さ)を小さくすることができる。
これにより、右円板カム5344Rの形状の設計自由度を向上させることができる。
【0403】
図64を参照して、伝達軸棒5343について説明する。
図64は、伝達軸棒5343
の正面分解斜視図である。伝達軸棒5343と,第1実施形態における伝達軸棒353と
の差異点は、円柱部材5343aである。
【0404】
円柱部材5343aは、その両端部形成される円板カム5344を固定する断面D字形
状の固定部5343a1と、正面視左側の固定部5343a1から、嵌込溝5343a3
を挟んで固定部5343a1と同一の断面形状から形成される断面D字形状のクラッチ動
作部5343a2と、eリングを嵌め込む溝であると共にeリングにより円板カム534
4の軸方向の位置決めをする嵌込溝5343a3と、その嵌込溝5343a3に嵌めこま
れたeリングに到達するまで円板カム5344が嵌め入れられた場合に、挟持腕部A1の
係合凸部A1aが係合する溝である係合溝5343a4と、を主に備える。なお、嵌込溝
5343a3は、組立状態において、軸支孔341bが穿設される一対の板の左右方向外
側に配置される。
【0405】
クラッチ動作部5343a2は、可動クラッチ343cの角度固定孔343c1に挿通
される部分であって、組立状態において、コイルバネ343dの付勢力により、可動クラ
ッチ343cがスライド動作する部分である。
【0406】
嵌込溝5343a3にeリングを後から嵌め込むことで円柱部材5343aに直径が部
分的に大きくなる部分をeリングで形成する仕組みを採用していることから、eリングを
嵌め込む前において、円柱部材5343aの直径を均一とできる。
【0407】
この直径が均一な状態で、軸支孔341b(
図62参照)に円柱部材5343aを所定
量差し込み、その後でeリングを嵌め込むことにより、eリングで軸支孔341bに対す
る円柱部材5343aの軸方向に沿った位置ずれを防止すると共に、更に、eリングで円
板カム5344の軸方向の位置ずれを防止することができる。
【0408】
円板カム5344と、伝達軸棒5343との、上述した構成により、円板カム5344
をワンタッチで伝達軸棒5343に組み付けることができる。即ち、円板カム5344を
伝達軸棒5343に組み付ける場合には、円柱部材5343aを、円板カム5344の支
持筒部P1の端部の内、係合凸部A1aが配設される側とは反対側の端部から、係合溝5
343a4に係合凸部A1aが嵌り込む位置まで差し込む。この際、係合溝5343a4
に係合凸部A1aが嵌り込む位置まで差し込む前は、円柱部材5343aの先端部が係合
凸部A1aの間に入り込むことで、一対の係合凸部A1aが、互いの距離を押し広げられ
る態様で挟持腕部A1が弾性変形する。その後、円柱部材5343aの先端部が係合凸部
A1aを通り過ぎると、係合凸部A1aと係合溝5343a4とが対向配置され、係合凸
部A1aが係合溝5343a4に嵌り込むことに伴って、挟持腕部A1が弾性回復し、円
板カム5344と伝達軸棒5343とが組み付けられる(
図65(b)参照)。
【0409】
一方で、円板カム5344と、伝達軸棒5343との構成は、ワンタッチ組立だけでは
なく、本実施形態において、破壊防止の構造としても機能する。これについて、
図65及
び
図66を参照して説明する。
【0410】
図65(a)は、
図62の矢印LXVa方向視における右円板カム5344Rの正面図
であり、
図65(b)は、
図65(a)のLXVb−LXVb線における右円板カム53
44Rの断面図であり、
図65(c)は、
図65(a)のLXVc−LXVc線における
右円板カム5344Rの断面図である。また、
図66(a)は、
図62の矢印LXVa方
向視における右円板カム5344Rの正面図であり、
図66(b)は、
図66(a)のL
XVIb−LXVIb線における右円板カム5344Rの断面図である。
【0411】
なお、
図66では、
図65に図示する無負荷状態の右円板カム5344Rに対して、遊
技者が過負荷を与えた場合における変形後の右円板カム5344Rが図示される。
【0412】
図65及び
図66に示すように、本実施形態において、円柱部材5343aは、右円板
カム5344Rの円板部分から離間した位置で支持筒部P1の延設先端側部分で支持され
、円板部分付近では、係合凸部A1aが係合溝5343a4に係合するのみとなる。その
ため、円柱部材5343a又は右円板カム5344Rに過負荷が与えられた場合、円柱部
材5343aが、支持筒部P1の延設先端部分を軸として、軸倒れ可能な態様とされる。
【0413】
図65(b)に示すように、一対の挟持腕部A1が対向する方向には、長孔凹部C1の
空間が配置されるので、円柱部材5343aの軸倒れ変位の抵抗は小さくなる。一方で、
図65(c)に示すように、支持筒部P1と連結ピン344dとが連結される方向には、
右円板カム5344Rの軸方向に亘って円柱部材5343aと右円板カム5344Rとが
当接するので、円柱部材5343aの軸倒れ変位の抵抗は大きくなる。
【0414】
従って、遊技者が傾倒装置310を無理に押さえ込む(引っ張り上げる)などして、過
負荷が右円板カム5344Rに与えられた場合(アーム部材345(
図62参照)を介し
て連結ピン344dの変位を規制する負荷が与えられた場合)、円柱部材5343aに対
する右円板カム5344Rが変形する向きを、制限することができる。
【0415】
即ち、右円板カム5344Rは、抵抗の小さい方向へ変形することになるので、
図66
(a)及び
図66(b)に示すように、右円板カム5344Rに過負荷がかけられると、
円板部分の面に平行な面上において連結ピン344dと支持筒部P1の中心とを結ぶ支持
軸r1を中心として、円板部分が軸倒れ変形する。これにより、連結ピン344dの先端
位置が、
図65(a)に示す位置に比較して、右円板カム5344Rの周方向に沿って、
変位する。
【0416】
図67(a)は、
図6(a)のXXII−XXII線に対応した線における操作デバイ
ス5300の断面図であり、
図67(b)は、
図67(a)の矢印LXVIIb方向視に
おける操作デバイス5300の部分背面図である。なお、
図67(b)では、保護カバー
装置350の図示が省略されると共に、円板カム5344、アーム部材345及び解除部
材346のみが図示される。また、
図67(a)では、理解を容易とするために、右円板
カム5344Rの伝達軸棒5343に垂直に挿通固定された状態の外形が実線で図示され
、過負荷が与えられ軸倒れした状態の外形が想像線で図示される。
【0417】
図67(a)では、傾倒装置310の第2状態が図示されると共に、傾倒装置310を
把持する遊技者の手が図示されると共に、連結ピン344dの付近の状態が拡大して図示
される。
【0418】
図67(a)に示す状態において、駆動モータ342(
図62参照)が動作開始すると
、左円板カム5344Lが回転開始しそうになるが、遊技者に傾倒装置310の変位を規
制されることになるので、その場に留まろうとするアーム部材345と、回転しようとす
る左円板カム5344Lの連結ピン344dとの間で、負荷が生じる。この負荷発生時に
、右円板カム5344Rが、上述した軸倒れ変形をすることが可能なので、その負荷を緩
和することができる。
【0419】
図67(a)では、その軸倒れ変形後の右円板カム5344Rの外形が想像線で図示さ
れる。軸倒れ変形によるアーム部材345との連結態様の変化について、拡大図を参照し
て説明する。
【0420】
図67(a)において、駆動モータ342(
図62参照)が動作開始することにより右
円板カム5344Rの外周が時計回りに寸法Rdだけ回転した場合、この寸法Rdだけ、
アーム部材345の軸支孔345aと、連結ピン344dとが位置ずれすることになり、
これを吸収するために、右円板カム5344Rが軸倒れ変形にすることになる。
【0421】
軸倒れ変形により、
図67(a)の紙面垂直方向に対して連結ピン344dが倒れるこ
とになるので、連結ピン344dの根本側の中心Pbと、凸設先端側の中心Ptとが、右
円板カム5344Rの周方向に沿って位置ずれする。この位置ずれが、右円板カム534
4Rの寸法Rdの回転による連結ピン344dとアーム部材345との位置ずれを部分的
に吸収することができるので、傾倒装置310が把持されている間に駆動モータ342(
図62参照)を駆動させた場合に、駆動モータ342に与えられる負荷を緩和することが
できる。
【0422】
図67(b)に示すように、円板カム5344が軸倒れ変形することにより、円板カム
5344と解除部材346とが面当たりで当接する。これにより、解除部材346と円板
カム5344との間で生じる摩擦力により駆動モータ342の駆動力が消耗されることか
ら、遊技者が傾倒装置310を把持固定した状態で駆動モータ342を駆動させた場合に
おいて、円板カム5344と傾倒装置310とを連結するアーム部材345に加えられる
負荷を低減することができる。
【0423】
図67(a)に示すように、円板カム5344が後転方向(矢印CW方向)に回転する
場合、解除部材346は摩擦力で上向きに押し上げられるが、それに反発する向きで、第
2スプリングSP2の弾性力が解除部材346を介して円板カム5344に作用する。こ
の場合、回転爪部材347は底板部5321に移動をせき止められ、停止することから、
第1スプリングSP1の状態は変化しない(弾性力は変化しない)。
【0424】
一方で、円板カム5344が前転方向(矢印CCW方向、
図68参照)に回転する場合
、解除部材346は摩擦力で下向きに押し下げられるが、それに反発する向きで第1スプ
リングSP1の弾性力が解除部材346と回転爪部材347とを介して円板カム5344
に作用する。この場合、回転爪部材347と解除部材346との相対的な位置関係が変化
しないことから、第2スプリングSP2の状態は変化しない(弾性力は変化しない)。
【0425】
従って、解除部材346と円板カム5344とが当接し、円板カム5344の動作方向
に沿って解除部材346が動作する場合に、円板カム5344の回転方向によらず、第1
スプリングSP1又は第2スプリングSP2のいずれかの弾性力の内、円板カム5344
の回転方向の反対方向に円板カム5344に作用する弾性力を増加させることができる。
これにより、解除部材346が円板カム5344に与える負荷を大きくすることができ、
駆動モータ342の駆動力の消耗量を大きくすることができることから、アーム部材34
5に加えられる負荷を円板カム5344の回転方向を問わず低減することができる。
【0426】
なお、本実施形態では、右円板カム5344Rが連結ピン344dと中心点とを通る直
線に対して線対称な形状から形成されるので(連結ピン344dと中心点とを通る直線に
垂直な方向に長孔凹部C1が延設されるので)、右円板カム5344Rの回転方向に関わ
らず(連結ピン344dのアーム部材345に対する位置ずれ方向に関わらず)、右円板
カム5344Rを同様の変形抵抗で軸倒れ変形させることができる。
【0427】
図68(a)は、
図6(a)のXXII−XXII線に対応した線における操作デバイ
ス5300の断面図であり、
図68(b)は、
図68(a)の矢印LXVIIIb方向視
における操作デバイス5300の部分背面図である。なお、
図68(b)では、保護カバ
ー装置350の図示が省略される。また、
図68(a)では、理解を容易とするために、
右円板カム5344Rの伝達軸棒5343に垂直に挿通固定された状態の外形が実線で図
示され、過負荷が与えられ軸倒れした状態の外形が想像線で図示される。
【0428】
図68(a)では、傾倒装置310が第2状態から駆動モータ342(
図62参照)に
より駆動され角度D2だけ下倒れした状態が図示されると共に、駆動モータ342の動作
の途中で傾倒装置310を把持する遊技者の手が図示される。
【0429】
図68(a)に示すように、傾倒装置310の動作途中に、遊技者が傾倒装置310を
把持する場合、傾倒装置310が第2状態であるか否かに関わらず、右円板カム5344
Rの軸倒れにより連結ピン344dの先端を右円板カム5344Rの周方向に位置ずれさ
せることができ、これにより、アーム部材345と、右円板カム5344Rとの間で生じ
る負荷を低減することができるので、駆動モータ342にかけられる負荷を低減すること
ができる。
【0430】
なお、右円板カム5344Rとして説明した事項は、左円板カム5344Lにも同様に
当てはまる事項である。
【0431】
図67(b)及び
図68(b)に示すように、本実施形態によれば、傾倒装置310を
遊技者が把持した状態で駆動モータ342(
図62参照)が動作し、過負荷が生じると、
右円板カム5344Rが、軸方向に対して傾倒動作することになる。
【0432】
従って、この軸方向に対する傾倒動作の度合いを検出することにより、過負荷の発生に
早期に気付く事ができる。即ち、例えば、第1実施形態の構成によれば、駆動モータ34
2を右円板カム344Rが一回転する期間駆動させれば、右円板カム344Rの検出孔3
44eRが右側検出センサ353Rを通過するものの、遊技者が傾倒装置310を把持し
ている場合には駆動モータ342を回転させても右円板カム344Rが回転しないので、
検出孔344eRが右側検出センサ353Rを通過せず、右側検出センサ353Rへの入
力が変化しないことから、過負荷が生じていることが検出される。
【0433】
この場合、過負荷の発生を検出するまでに、過負荷が生じていない状態で右円板カム3
44Rを所定角度回転させるだけの期間を必要とするので、過負荷の検出が遅れるという
問題点があった。
【0434】
これに対し、本実施形態によれば、右円板カム5344Rに過負荷が生じ、右円板カム
5344Rが軸方向に対して傾倒動作した時点で(
図66(b)参照)、過負荷の発生を
検出することができる。そのため、過負荷の発生を早期に検出することができる。検出の
方法としては、例えば、支持筒部P1と係合リブ344cとの間において、係合リブ34
4cに固定される報知装置E1による方法が例示される(
図66(a)に想像線で図示)
。
【0435】
報知装置E1は、対象物が入力部に接触することにより信号が出力される検出装置であ
って、一対の挟持腕部A1を結ぶ直線と係合リブ344cとが交差する位置に一対で配置
されると共に入力部が支持筒部P1側に突出する態様で配置される。無負荷状態において
、報知装置E1と支持筒部P1とは離間され(
図65(b)参照)、過負荷状態において
、報知装置E1と支持筒部P1とが当接する関係で形成される(
図66(b)参照)。こ
れにより、報知装置E1からの出力を判定することで、円板カム5344に過負荷が生じ
ているか否かを、早期に判断することができる。
【0436】
次いで、
図69から
図73を参照して、第6実施形態における操作デバイス6300に
ついて説明する。
【0437】
第1実施形態では、円板カム344、連結ピン344d及び係合リブ344cが一体で
形成される場合を説明したが、第6実施形態における操作デバイス6300は、円板カム
344と、係合リブ344cとが別部材から構成され、互いに相対回転可能に構成される
。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する
。まず、
図69及び
図70を参照して、第1実施形態との構成の差異について説明する。
【0438】
図69は、第6実施形態における駆動装置6340の分解正面斜視図であり、
図70は
、左円板カム6344Lの、円板部材6344L1、リング部材6344L2及び第2伝
達部材6348の正面分解斜視図である。なお、右円板カム6344Rも第1実施形態の
構成と異なるが、右円板カム6344Rは、左円板カム6344Lに対して鏡写しの形状
から構成されるので、左円板カム6344Lの説明のみを行い、右円板カム6344Rの
説明は省略する。
【0439】
図69に示すように、本実施形態は、第1実施形態に対して、左円板カム6344Lの
構成と、固定部材6342aの形状とが異なり、第2伝達装置6348が追加されている
。
【0440】
左円板カム6344Lは、第1実施形態と同様に円形リブ344b連結ピン344d、
及び検出孔344eLが配設され、円柱部材343aに軸支される円板部材6344L1
と、その円板部材6344L1と同軸で軸支され円板部材6344L1と相対回転するリ
ング部材6344L2と、を備える。
【0441】
円板部材6344L1は、第1実施形態の中心軸部344aが円板部分の中心位置に配
置され、円形リブ344bの外周部分から径方向外方に離間した位置に、円環形状で軸方
向に沿って凸設される円環リブ6344fを備える。
【0442】
リング部材6344L2は、第1実施形態における係合リブ344cと外周径が同一で
あって内周径が円形リブ344bの外周径よりも若干大きいリング形状から構成される円
環本体6344gと、その円環本体6344gの軸方向端部に配設されると共に円環本体
6344gのリング形状の開口に蓋をする蓋板部6344hと、その蓋板部6344hか
ら円環本体6344gの反対側へ厚みが増して形成され、その増厚部分において径方向外
側に配設される受けギア歯6344iと、を備える。
【0443】
円環本体6344gは、その内周径が、円形リブ344bの外周径よりも大きく形成さ
れるので、組立状態において、円環本体6344gが円形リブ344bに外嵌されること
により、中心軸部344aを中心として相対回転可能にリング部材6344L2が支持さ
れる。
【0444】
なお、円環本体6344gの軸方向の円板部材6344L1側の端面が、円環リブ63
44fに当接する。これにより、円環リブ6344fが形成されず、面で円板部材634
4L1と当接する場合に比較して、接触面積を低減することができ、摩擦抵抗を低減でき
る。従って、円板部材6344L1とリング部材6344L2との相対回転を滑らかに行
わせることができる。
【0445】
受けギア歯6344iは、第2伝達装置6348の減速伝達ギア6348cと歯合され
る。従って、第2伝達装置6348の回転に基づいて、リング部材6344L2が回転す
る。なお、本実施形態では、リング部材6344L2の回転数が、円板部材6344L1
の回転数の3倍で構成される(リング部材6344L2が3回転する間に、円板部材63
44L1が1回転する態様で、第2伝達ギア6348b、減速伝達ギア6348c及び受
けギア歯6344iの歯数が設定される)。
【0446】
第2伝達装置6348は、固定部材6342aに伝達軸棒343と並んで回転可能に軸
支される装置であって、円柱部材343aと平行な姿勢で配置される補助柱部材6348
aと、その補助柱部材6348aに固定されると共に伝達ギア343bに歯合される第2
伝達ギア6348bと、補助柱部材6348の両端部に固定されると共にリング部材63
44L2の受けギア歯6344iに歯合される減速伝達ギア6348cと、を主に備える
。
【0447】
図71から
図73を参照して、傾倒装置310の第1状態から、回転爪部材347によ
る固定を外した後の、傾倒装置310の上昇動作が複数種類で構成されることについて説
明する。
【0448】
図71、
図72、及び
図73は、
図6(a)のXXII−XXII線に対応する線にお
ける操作デバイス6300の断面図である。なお、
図71では、
図36に示す状態と同様
の状態が図示され、
図72では、
図71に示す状態から、リング部材6344R2が後転
方向(矢印CW方向)に1回転した姿勢(正しくは、1回転を越えて回転した後で、その
越えた分だけ逆回転した姿勢)とされると共に、円板部材6344R1が後転方向(矢印
CW方向)に1/3回転した姿勢とされる状態が図示される。また、
図73では、
図72
に示す状態から、リング部材6344L2が前転方向(矢印CCW方向)に所定角度だけ
回転し、傾倒装置310が上昇動作した状態が図示される。
【0449】
ここで、
図71に示す状態から、リング部材6344R2を前転方向(矢印CCW方向
)に回転させて、回転爪部材347による固定を解除する場合、傾倒装置310が、ねじ
りバネ315の付勢力により瞬時に上昇し、第2状態(
図34参照)まで到達する。
【0450】
第1実施形態における操作デバイス300では、回転爪部材347による固定を解除し
、瞬時(円板カム344の回転を待たず)に傾倒装置310が上昇動作する場合の到達位
置は、第2状態で配置される位置(
図34参照)に限定されていた。
【0451】
これに対し、本実施形態では、円板部材6344R1と、リング部材6344R2とが
相対回転するので、傾倒装置310に連結されるアーム部材345の支持部分である連結
ピン344dと、係合リブ344cとの相対関係を変化させることができ、傾倒装置31
0の到達位置の種類を増やすことができる。
【0452】
即ち、
図72に示す状態から回転爪部材347による固定を解除する場合、傾倒装置3
10が、ねじりバネ315の付勢力により瞬時に上昇し、第2状態よりも、角度D6だけ
下方へ傾倒した状態まで到達する(
図73参照)。このように、
図71に示す状態から回
転爪部材347による固定を解除する場合と、
図72に示す状態から回転爪部材347に
よる固定を解除する場合とで、傾倒装置310が瞬時(円板カム344の回転を待たず)
に上昇し、到達する位置を、変化させることができる。
【0453】
これにより、例えば、傾倒装置310が、第1状態から瞬時に上昇し到達する高さの違
いにより、演出の期待度を変化させる態様で遊技機を構成する場合に、傾倒装置310の
注目力を向上させることができる。この場合において、傾倒装置310が高く上昇する方
の期待度を高くするか、傾倒装置310の上昇到達位置が低い方の期待度を高くするかは
、限定されるものでは無い。
【0454】
しかし、通常の傾倒装置310の上昇到達位置を低く抑えておき(
図73参照)、期待
度が最大となった場合に第2状態(
図34参照)まで到達するようにすることで、期待度
の大小と、遊技者が傾倒装置310を押し込み操作する変位量の大小とを、関連付けるこ
とができ、遊技者に、傾倒装置310の変位による期待度の違いを、分かり易くすること
ができる。
【0455】
この場合、遊技者に、傾倒装置310がどの位置まで上昇してくるのかを確認したいと
いう意欲を沸かせることができるので、傾倒装置310の操作タイミングまで、傾倒装置
310の動きを遊技者に見守らせるように仕向けることができる。そのため、傾倒装置3
10の演出態様に構わず、無秩序に傾倒装置310を操作する遊技の方法を、抑止するこ
とができる。
【0456】
次いで、
図74から
図85を参照して、第7実施形態における操作デバイス7300に
ついて説明する。
【0457】
第1実施形態では、円板カム344、連結ピン344d及び係合リブ344cが一体で
形成される場合を説明したが、第7実施形態における操作デバイス7300は、円板カム
7344が、円板部材7344R1と連結ピン344dとを別部材に配設する態様とされ
、それら別部材が、互いに固定される固定状態と、相対回転可能とされる滑り状態とを形
成可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、
その説明は省略する。まず、
図74及び
図75を参照して、第1実施形態における円板カ
ム344の代替品として用いられる円板カム7344の特徴について説明する。
【0458】
図74(a)は、第7実施形態における右円板カム7344Rの正面図であり、
図74
(b)は、右円板カム7344Rの背面図であり、
図75(a)は、
図74(a)のLX
XVa−LXXVa線における右円板カム7344Rの断面図であり、
図75(b)は、
図74(a)の矢印LXXVb方向視における右円板カム7344Rの部分側面図である
。なお、右円板カム7344Lは右円板カム7344Rの鏡写しの対称形状から構成され
るので、説明を省略する。
【0459】
図74及び
図75に示すように、右円板カム7344Rは、組立状態において円柱部材
343a(
図62参照)が挿通固定される中心軸部344aを有する円板部材7344R
1と、その円板部材7344R1の開口側から軸方向に沿って挿入されるリング部材73
44R2と、組立状態において円板部材7344R1の径方向に移動不能とされると共に
リング部材7344R2の等分凹設部7522に嵌る係合部7630を有する係合部材7
344R3と、を主に備える。
【0460】
円板部材7344R1は、中心に中心軸部344aを有するカップ形状から形成され、
そのカップの縁から径方向外側へ向けてフランジ状に延設される部分に検出孔344eR
を備えると共に、係合リブ344cが部分的に省略される(第1張出部344c1と第1
引込部344c2との間が省略される)形状から構成される部材である。
【0461】
円板部材7344Rは、組立状態でリング部材7344R2のリング状板部7510を
面で支持すると共に中心軸部344aを中心とする円形の凹設部である第1円形凹設部7
410と、その第1円形凹設部7410よりも直径が小さく軸方向に深い円形の凹設部で
ある第2円形凹設部7420と、第1張出部344c1と第1引込部344c2との間に
径方向へ穿設されるL字形状の挿入孔7430と、その挿入孔7430の付近において第
2円形凹設部7420の裏側の側面(円板部材7344R1の外周側)から径方向外側に
凸設される固定突起7440と、を主に備える。
【0462】
挿入孔7430は、第1張出部344c1と第1引込部344c2との中間位置から、
ずれた位置において円板部材7344R1の軸方向に沿って長形の矩形状の長孔部分であ
る第1長孔7431と、その第1長孔7431の円板部材7344R1の底側の端部から
円板部材7344R1の周方向に沿って延設される矩形状の長孔部分である第2長孔74
32と、その第2長孔7432の下端部の第1長孔7431側を支点として第2長孔74
32側に張り出して構成される返し部7433と、を主に備える。
【0463】
第2長孔7432の幅方向(短手方向)の寸法は、第1長孔7431の幅方向(短手方
向)の寸法よりも小さくされ、かつ、係合部材7344R3の係合部7630の幅方向(
短手方向)の寸法よりも小さくされる。
【0464】
返し部7433は、第2長孔7432の下端部(
図75(b)下側端部)を支点として
、弾性変形可能に構成される。この弾性変形により、返し部7433は、第2長孔743
2の外方へ移動可能に形成される。
【0465】
固定突起7440は、係合部材7344R3のコイルスプリングCS1に挿入され、コ
イルスプリングSC1の位置を固定するのに十分な凸設高さで構成される。
【0466】
次いで、
図76を参照して、リング部材7344R2について説明する。
図76(a)
は、リング部材7344R2の正面図であり、
図76(b)は、リング部材7344R2
の背面図であり、
図76(c)は、
図76(a)の矢印LXXVIc方向視におけるリン
グ部材7344R2の側面図である。
【0467】
図76(a)から
図76(c)に示すように、リング部材7344R2は、連結ピン3
44dが凸設されるリング板形状のリング状板部7510と、そのリング状板部7510
の内周面に沿ってリング状板部7510の厚み方向に延設されると共に中心部に星形状の
貫通孔が形成される厚肉部7520と、を主に備える。
【0468】
リング状板部7510は、板厚寸法が、第1円形凹設部7410の凹設深さと同等の長
さとされ、外径寸法が、第1円形凹設部7410の内径寸法よりも若干小さくされる。こ
れにより、組立状態において、リング部材7344R2と円板部材7344R1との軸を
一致させながら、相対回転の抵抗が過大となることを防止することができる。
【0469】
厚肉部7520は、リング状板部7510の側面からの延設長さが、組立状態において
第2長孔7432に差し掛かる(干渉しない)長さとされ(
図75(a)参照)、外周径
が、第2円形凹設部7420の内周径よりも若干小さくされる。これにより、組立状態に
おいて、係合部材7344R3を径方向(
図75(a)上下方向)に動作可能としながら
、リング部材7344R2と円板部材7344R1との相対回転の抵抗が過大となること
を防止することができる。
【0470】
厚肉部7520は、軸方向に沿って穿設される異形貫通孔7521と、その異形貫通孔
7521に径方向外方へ向けて周方向等間隔(本実施形態では、5等分)に凹設される等
分凹設部7522と、を主に備える。
【0471】
異形貫通孔7521は、その内周形状が、後述する係合部材7344R3を、円板部材
7344R1の径方向内方へ押し込んだ場合に、係合部7630よりも径方向外側に配置
される形状から構成される。
【0472】
図77(a)は、係合部材7344R3の正面図であり、
図77(b)は、
図77(a
)の矢印LXXVIIb方向視における係合部材7344R3の側面図である。
【0473】
図77(a)及び
図77(b)に示すように、係合部材7344R3は、組立状態(図
74(b)参照)において、第1張出部344c1及び第1引込部344c2の径方向外
方に配置される円弧状板部7610と、その円弧状板部7610の背面側端部(
図77(
b)右側端部)から厚み方向へ延設される延設部7620と、その延設部7620の延設
先端から前後方向(
図77(b)左右方向)に沿って延設される係合部7630と、円弧
状板部7610の係合部7630と対向する側に配設されるコイルスプリングから形成さ
れるコイルスプリングCS1と、を主に備える。
【0474】
円弧状板部7610は、内周側の側面の係合部7630の先端部と対向する位置に、コ
イルスプリングCS1を嵌め込む突起であるバネ固定突起7611を備える。
【0475】
延設部7620は、組立状態において、第2長孔7432に挿通される部分であって、
コイルスプリングCS1の弾性力に対向して径方向内方へ押し込んだ場合に、その延設先
端が、リング部材7344R2の内周面よりも内方へ張り出す延設長さで構成される。
【0476】
係合部7630は、幅方向の寸法が第1長孔7431の幅方向の寸法よりも若干短い寸
法とされ、組立状態において、厚肉部7520の異形貫通孔7521を通過する長さで延
設される(
図75(a)参照)。
【0477】
係合部材7344R3は、後述するように、解除部材346から負荷を受けて変位する
部材としての機能と、円板部材7344R1に対するリング部材7344R2の位置決め
を行う機能とを兼用する。そのため、部材個数を削減することができる。
【0478】
図78を参照して、右円板カム7344Rの組立方法について説明する。
図78(a)
は、右円板カム7344Rの正面図であり、
図78(b)は、
図78(a)の矢印LXX
VIIIb方向視における右円板カム7344Rの側面図であり、
図78(c)は、右円
板カム7344Rの正面図であり、
図78(d)は、
図78(c)の矢印LXXVIII
d方向視における右円板カム7344Rの側面図であり、
図78(e)は、右円板カム7
344Rの正面図であり、
図78(f)は、
図78(e)の矢印LXXVIIIf方向視
における右円板カム7344Rの側面図である。
【0479】
なお、
図78(a)、
図78(b)、
図78(c)及び
図78(d)では、円板部材7
344R1に係合部材7344R3のみが挿入された状態が図示され、
図78(e)及び
図78(f)では、円板部材7344R1にリング部材7344R2と係合部材7344
R3とが挿入された状態が図示される。また、理解を容易とするために、
図78(b)、
図78(d)及び
図78(f)では、円弧状板部7610及びコイルスプリングCS1の
図示が省略される。
【0480】
右円板カム7344Rの組立方法としては、まず、第1長孔7431に係合部材734
4R3の係合部7630を挿入する(
図78(a)及び
図78(b)参照)。上述したよ
うに、第2長孔7432の幅方向の寸法が、係合部7630の幅方向の寸法よりも短くさ
れるので、係合部7630が誤って第2長孔7432に挿入されることを防止することが
できる。従って、組立間違いを防ぐことができる。
【0481】
次に、第2長孔7432の延設方向に沿って、
図78(d)の奥行き方向で、係合部7
630と、固定突起7440との位置が一致する位置まで、係合部材7344R3をスラ
イド移動する。
【0482】
この移動後の位置において、コイルスプリングCS1に固定突起7440が差し込まれ
、係合部材7344R3が円板部材7344R1の周方向(
図78(d)左右方向)の位
置ずれが抑制されると共に、係合部材7344R3を、円板部材7344R1の径方向に
移動不能に保持することができる。
【0483】
また、係合部材7344R3は、返し部7433により周方向の移動が制限される。こ
れについて説明する。まず、第1長孔7431に係合部7630を挿入した状態において
、返し部7433は第2長孔7432の外方に追いやられる(
図78(b)参照)。次い
で、係合部材7344R3を第2長孔7432の延設方向へスライドさせると、係合部材
7344R3と返し部7433との上下方向の当接が解除され、返し部7433が弾性回
復力により第2長孔7432の内方へ入り込む(
図78(d)参照)。
【0484】
第2長孔7432の内方へ入り込んだ状態において、返し部7433の先端が係合部材
7344R3の延設部7620に当接するが、その当接方向が返し部7433の長手方向
(変形抵抗が大となる方向)に沿う態様で構成されるので(
図78(d)参照)、延設部
7620の移動(
図78(f)右方への移動)が抑制される。これにより、係合部材73
44R3の周方向の移動を制限することができるので、動作中に係合部材7344R3の
位置がずれることを防止することができる。
【0485】
係合部材7344R3を円板部材7344R1に保持したら、その後、係合部材734
4R3を円板部材7344R1の径方向内方へ向けて押し込んだ状態で、円板部材734
4R1の開口側からリング部材7344R2を挿入する。係合部材7344R3から負荷
を解除することで、コイルスプリングCS1の弾性力によって、係合部7630が径方向
外方へ向いた方向D7に沿って移動する。この移動により、係合部7630がリング部材
7344R2の等分凹設部7522に収容され、これにより、リング部材7344R2が
円板部材7344R1に対して固定される。
【0486】
上述した工程により、右円板カム7344Rを容易に組み立てることができる。なお、
右円板カム7344Lは、右円板カム7344Rの鏡写しの対称形状から構成されるもの
であり、右円板カム7344Rと同様の工程で組み立てることができる。
【0487】
次いで、
図79から
図81を参照して、円板カム7344が後転方向に回転動作する場
合の、係合部材7344R3の動作について説明する。
図79(a)、
図79(b)、図
80(a)、
図80(b)及び
図81は、
図6のXXII−XXII線に対応する線にお
ける操作デバイス7300の部分断面図である。なお、
図79(a)、
図79(b)、図
80(a)、
図80(b)及び
図81において、解除部材7346、回転爪部材7347
及び円板カム7344が中心として図示され、その他不要な部分の図示が省略される。
【0488】
本実施形態における回転爪部材7347は、案内長孔7347bの長さが第1実施形態
と異なる。即ち、
図80(a)に示すように、係合リブ344cが下方から当接し通過す
る際の上昇位置において、凸設ピン346bが移動終端となる態様で構成される。
【0489】
解除部材7346は、係合リブ344cとの干渉を最小限にするために、本体部分の後
方上部(
図80(a)右上部)が斜めに削られることが、第1実施形態と異なる。
【0491】
図79(a)では、解除部材7346に右円板カム7344Rの係合部材7344R3
が当接し解除部材7346が回転動作をし始めた状態が図示され、
図79(b)では、図
79(a)に示す状態から右円板カム7344Rが更に回転した状態が図示され、
図80
(a)では、係合部材7344R3が円板部材7344R1に押し込み終端まで押し込ま
れた状態が図示され、M6−2(b)では、
図80(a)に示す状態から、円板部材73
44R1が更に後転方向に回転した状態が図示され、
図81では、
図80(b)に示す状
態から、右円板カム7344Rが後転方向に回転し、係合部材7344R3が解除部材7
346から離間した後の状態が図示される。なお、
図79(a)、
図79(b)、
図80
(a)及び
図80(b)では、解除部材7346が回転爪部材7347に対して相対回転
可能な範囲の終端に到達した状態(角度小状態)が図示される。
【0492】
図79(a)に示すように、係合部材7344R3と解除部材7346とが当接開始し
た直後の状態では、コイルスプリングCS1の弾性力が第2スプリングSP2の弾性力よ
りも大きく設定されることから、係合部材7344R3が内方へ押し込まれる事はなく、
外方へ張り出した状態が維持される。
【0493】
図79(b)に示すように、係合部材7344R3の最外径の側面に、解除部材734
6の係合部346dが当接する状態において、解除部材7346と回転爪部材7347と
が角度小状態とされる。
【0494】
本実施形態では、解除部材7346が前転方向に回転し、回転爪部材7347が下枠部
材320の挿通用孔321cの側面に押し付けられて形成される角度小状態において、円
弧状板部7610の内周面と係合リブ344cの第1張出部344c1及び第1引込部3
44c2とが当接した状態で係合部材7344R3の外周面が解除部材346に擦れる位
置関係で、円板カム7344が配置される(
図80(a)参照)。
【0495】
即ち、
図80(a)に示すように、円板カム7344の回転により解除部材7346が
角度小状態へ向けて回転し、それ以上回転不可能となる状態(角度小状態)になると、解
除部材7346から、係合部材7344R3に対して、その係合部材7344R3を円板
カム7344の径方向内方へ押し込む負荷がかけられる。
【0496】
そして、
図79(b)に示すように、係合部材7344R3が径方向外方へ張り出した
状態では、後転方向の回転を継続することができないことから、円板カム7344の回転
に基づいて、係合部材7344R3が径方向内方へ向けて押し込まれる(
図80(a)参
照)。この押し込まれた状態において、係合部7630は、異形貫通孔7521の最小径
部分よりも径方向内方に配置される。
【0497】
そのため、係合部7630を介してリング部材7344R2に周方向の負荷が伝達され
なくなるので、
図80(b)に示すように、
図80(a)に示す状態から円板部材734
4R1を回転させても、リング部材7344R2は回転に追従せず、姿勢を維持する。
【0498】
この回転量のずれにより、係合部7630は、元々配置されていた一の等分凹設部75
22から、異なる他の等分凹設部7522へ移動するので、円板部材7344R1とリン
グ部材7344R2との位相が一つの凹設部の分(72度)だけ相対回転する。
【0499】
その後、
図81に示すように、右円板カム7344Rが更に回転すると、係合部材73
44R3と、解除部材7346との当接は解除されるので、係合部材7344R3が径方
向外方へ張り出され、係合部7630が、再度、等分凹設部7522に収容される。この
過程において、係合部7630が収容される等分凹設部7522が、一つ、ずれる。
【0500】
即ち、
図79(a)から
図81に示す過程を経過することで、係合リブ344cの配置
と、リング部材7344R2に配設されている連結ピン344dの配置とを、等分凹設部
7522の凹設部の配設間隔分(72度)だけ、相対的にずらすことができる。
【0501】
図82を参照して、円板カム7344が前転方向に回転動作する場合の、係合部材73
44R3の動作について説明する。
図82(a)、
図82(b)、
図83(a)及び
図8
3(b)は、
図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の
部分断面図である。なお、
図82において、解除部材7346、回転爪部材7347及び
円板カム7344が中心として図示され、その他不要な部分の図示が省略される。
【0502】
図82(a)から
図83(b)では、円板カム7344が前転方向(
図82(a)反時
計回り方向)に回転する様子が時系列で図示される。
図82(a)では、解除部材734
6と、右円板カム7344Rの係合部材7344R3とが当接する直前の状態が図示され
、
図82(b)では、係合部材7344R3が解除部材7346に上方から当接されるこ
とにより下降開始した状態が図示され、
図83(a)では、
図82(b)に示す状態から
更に円板カム7344が前転方向に回転した状態が図示され、
図83(b)では、解除部
材7346と係合部材7344Rとが離間した後の状態が図示される。
【0503】
図82(a)から
図83(b)に示すように、円板カム7344が前転方向へ回転する
ことにより、解除部材7346と回転爪部材7347とが後転方向(
図82(a)時計回
り方向)へ回転する場合、解除部材7346と回転爪部材7347との移動を規制する部
材は無く、第1スプリングSP1の弾性力により解除部材7346及び回転爪部材734
7が前転方向に負荷を与えられるのみとなる。
【0504】
そのため、係合部材7344R3を径方向内方へ押し込む程の負荷は生じず、係合部材
7344R3が解除部材7346と当接してから、離間するまでの間、係合部材7344
R3は、径方向外方へ張り出した状態を維持する。従って、円板カム7344を前転方向
に回転させる場合には、円板部材7344R1とリング部材7344R2とが相対回転す
ることを防止することができる。
【0505】
これらの構成から、円板カム7344の回転方向を切り替えることにより、円板部材7
344R1とリング部材7344R2とが相対回転するか否かを切り替えることができる
。そのため、相対回転が生じない回転方向(
図82及び
図83参照)では、第1実施形態
と同様に、傾倒装置310を同様の傾倒幅で傾倒させる演出を繰り返し行うことが可能で
ある一方で、相対回転を生じさせる回転方向(
図79、
図80及び
図81参照)では、第
1実施形態と異なり、傾倒装置310の傾倒幅を変更することができる。
【0506】
また、本実施形態では、円板部材744R1とリング部材7344R2とを相対回転さ
せる円板部材7344R1の回転方向が、回転爪部材7347による固定を解除する方向
の逆方向(固定を解除しない方向)と一致するので、傾倒装置310が第1状態(
図84
参照)で維持された(姿勢が一定に維持された)状態で、円板部材7344R1とリング
部材7344R2とを相対回転させることができる。
【0507】
これにより、遊技者にとって注目されない状態(傾倒装置310が停止する状態)を、
遊技者から見えないところで円板部材7344R1とリング部材7344R2との相対的
な姿勢を変化させるための状態として、利用することができる。
【0508】
図84及び
図85を参照して、本実施形態によれば、傾倒装置310を第1状態から上
昇動作させる態様を複数種類形成することができることについて、説明する。
図84及び
図85は、
図6のXXII−XXII線に対応する線における操作デバイス7300の断
面図である。なお、
図84では、回転爪部材347による固定を解除することにより、第
1状態から、
図7(b)に示す第2状態まで傾倒装置310を即座に(円板カム7344
を回転させることなく)変位させることが可能な位相関係でリング部材7344R2が円
板部材7344R1に固定された状態が図示され、
図85では、
図84に示す状態から、
図79で説明した過程を経てリング部材7344R2が、円板部材7344R1に対して
等分凹設部7522の一つ分だけ相対回転した状態が図示され、
図84及び
図85では、
どちらも、第2張出部344c3が係合部346dに当接した状態が図示される。
【0509】
図84及び
図85に示すように、本実施形態によれば、第1状態から回転爪部材347
による固定を解除することにより、傾倒装置310が即座に(円板カム7344R2を回
転させることなく)移動する移動範囲を変化させることができる。
【0510】
即ち、
図84に示す状態から、回転爪部材347を回転させることで固定を解除すると
、傾倒装置310は第2状態(傾倒装置310が移動範囲の最上端まで移動した状態)ま
で移動する。
【0511】
一方で、
図85に示す状態から、回転爪部材347を回転させることで固定を解除する
と、連結ピン344dの位置が
図84に示す位置よりも後方下側に位置ずれしていること
から、第2状態よりも下方に沈んだ状態まで、移動する。
【0512】
従って、回転爪部材347による固定を解除することにより、第1状態から傾倒装置3
10が上昇動作により即座に(円板カム7344の回転無しに)到達する位置を、変化さ
せることができる。これにより、傾倒装置310の動作による演出の種類を増やすことが
でき、操作デバイス7300の演出装置としての注目力を向上させることができる。
【0513】
次いで、
図86から
図179を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機8010に
ついて説明する。
【0514】
第1実施形態では、操作デバイス300の正面側が露出する場合を説明したが、第8実
施形態におけるパチンコ機8010は、操作デバイス300の下部を正面側から覆う被覆
カバー370を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して
、その説明は省略する。
【0515】
なお、以下の説明では、
図86に示す状態のパチンコ機8010に対して、紙面手前側
を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、
図86に示
す状態のパチンコ機8010に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側
として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さら
に、図中(例えば、
図86参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機8010
の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。また、この方向の定義は、
図8
6以前の図面を参照した説明においても同様である。
【0516】
まず、
図86から
図90までを参照して、パチンコ機8010の全体構成について説明
する。
図86は、第8実施形態におけるパチンコ機8010の正面図であり、
図87は、
外枠11に対して内枠12を開放(展開)した状態を示すパチンコ機8010の正面斜視
図であり、
図88は、外枠11に対して内枠12を開放した状態で裏パック92を内枠1
2に対して開放した状態(展開)を示すパチンコ機8010の正面斜視図であり、
図89
は、外枠11に対して内枠12を閉鎖すると共に正面枠14を開放(展開)した状態を示
すパチンコ機8010の正面斜視図であり、
図90は、正面枠14を取り外した状態にお
けるパチンコ機8010の正面図である。なお、
図90では、便宜上、遊技盤13の内部
構成の符号を省略している。
【0517】
外枠11は、木製の板材を上辺及び下辺とし、アルミ製の板材を左右の辺とした四辺を
固定した枠状に形成される。パチンコ機8010は、外枠11を島設備に取り付け固定
することにより遊技場に設置される。なお、パチンコ機8010において外枠11は必須
の構成ではなく、外枠11又は外枠11と同一の内形を有し、外枠11の内枠12支持構
造(ヒンジ18等)及び施錠構造を有する部材が遊技場に備え付けられた構成としても良
い。
【0518】
内枠12には、
図89に示すように、正面枠14が回動可能に支持されており、正面視
で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ
回動可能とされている。
【0519】
また、内枠12には、
図88に示すように、裏パックユニット94が回動可能に支持さ
れており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし、右側を回動先端側(開閉先端
側)として後方へ回動可能とされている。
【0520】
内枠12には、
図87に示すように、その回動先端部に施錠機構20RKが設けられて
おり、内枠12及び正面枠14を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能と、正
面枠14を内枠12に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施
錠状態は、
図86に示すようにパチンコ機8010前面にて露出させて設けられた施錠機
構20RKのシリンダ錠20の鍵穴21に対して、専用の鍵を差し込んで解錠操作を行う
ことにより、それぞれ解除される。
【0521】
正面枠14は、内枠12の前面側に回動可能に取り付けられている。正面枠14の回動
基端側には、
図86に示すように、前扉取付金具57,58が設けられ、この前扉取付金
具57,58(金具57は円柱状部、金具58は軸孔を有する金属板)が内枠12に係合
することにより、内枠12に対して正面枠14が回動可能に支持される。
【0522】
詳細には、前扉取付金具57は、内枠12の上側のヒンジ19の下方位置において内枠
12の正面側端部から正面側へ延設され先端から背面側へ前扉取付金具57が内嵌可能な
大きさで凹設される嵌合凹部12e1(
図126参照)を有する軸支板部12eに軸支さ
れる。また、前扉取付金具58は、内枠12の下側のヒンジ19から上方に突設される段
付き円柱形状(直径の違う円柱が上下に連設される構成において上側の円柱の直径の方が
小さい形状)の支持ピン19aに外嵌されることで軸支される。
【0523】
正面枠14は、
図89に示すように、内枠12と外形がほぼ同一の長方形状に形成され
ている。正面枠14は、金属板によって縦長の矩形枠状に形成される本体枠14aを備え
る。その本体枠14aの正面側および背面側に各種部材(電飾部8029〜8033等)
やユニット(操作デバイス300、操作ハンドル51等)が締結固定されることで正面枠
14が構成される。
【0524】
正面枠14には、ガラスユニット16の外周縁が正面視で露出しないようにガラスユニ
ット16より小さく開口形成された窓部14cが設けられる(
図86参照)。この窓部1
4cがガラスユニット16によって背面側から覆われることで、ガラスユニット16を取
り付けた正面枠14によって内枠12の前面側のほぼ全域が覆われる。従って、遊技盤1
3の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(
図89参照)を通じて内枠12の正面側
から視認することができる。
【0525】
ガラスユニット16は、
図89に示すように、窓部14cより大きな外形で透明性を有
する前後一対の透明ガラス16a,16bと、これら透明ガラス16a,16bを一体化
する固定枠(図示せず)と、を備えている。固定枠は、合成樹脂により透明ガラス16a
,16bより一回り大きな環状に形成され、透明ガラス16a,16bの外周縁が固定枠
に接着されることでガラスユニット16は一体化された複層ガラスとされている。
【0526】
なお、ガラスユニット16は、透明ガラス16a,16bによって無色透明に形成され
ているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよ
く、パチンコ機8010前方からガラスユニット16を通じて遊技領域を視認可能であれ
ば無色透明でなく有色透明に形成されていても良い。
【0527】
正面枠14において窓部14cの周囲には、
図86に示すように、LED等の発光手段
を内蔵した電飾部8029〜8033が複数設けられている。これら電飾部8029〜8
033では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅
が行われる。また、窓部14cの上側の電飾部8030には、払出球が不足する等の所定
のエラー時に点灯する発光手段と、賞球払出中に点灯する発光手段とが内蔵されている。
【0528】
また、窓部14cの右上側及び左上側には、遊技状態に応じた効果音などが出力される
スピーカー組立体450を覆うスピーカーカバー27(パンチングメタルから形成される
薄板部材)が設けられている。窓部14cの下方には、
図86に示すように、上皿17と
下皿50とが手前側へ膨出して配置されると共に上下に並設されている。
【0529】
上皿17は、払出装置133(
図87参照)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一
列に整列させながら球発射ユニット112a側へ導く機能を有している。また、下皿50
は、上皿17内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。下皿50の背面側
側面には、前後方向に開口され球が下皿50に案内される球案内開口53が形成される。
【0530】
なお、上皿17と下皿50とに分けて複数箇所に遊技球を貯留する部位を設ける必要は
なく、下皿50を廃止して上皿17のみとした1つの貯留部のみを有する構成としても良
い。
【0531】
上皿17(遊技球の貯留領域)の手前側には、遊技者らにより手動操作される操作デバ
イス300が設けられている。操作デバイス300は、第3図柄表示装置81の表示画面
等にて遊技者の操作に対応した演出が行われる場合に使用される操作装置である。この操
作デバイス300は、上皿17以外に下皿50周辺等の別の部位に設けられても良いし、
複数箇所に設けられても良く、また、操作方法として押しボタン式のスイッチであっても
良く、タッチセンサ、非接触式のセンサ等の別の操作方法によって情報入力可能な構成と
しても良い。
【0532】
正面枠14の背面側には、
図89に示すように、通路形成ユニット140が取り付けら
れている。通路形成ユニット140は、合成樹脂により成形されており、上皿17に通じ
る前扉側上皿通路部141と、下皿50に通じる前扉側下皿通路部142と、ファール球
通路部145(
図92参照)と、を有している。
【0533】
通路形成ユニット140の上側隅部(正面枠14の回動基端側の隅部)には後方に突出
し上方に開放された払出球受口部143が形成されており、その払出球受口部143が仕
切壁144によって左右に仕切られることで前扉側上皿通路部141の通路入口と前扉側
下皿通路部142の通路入口とがそれぞれ形成されている。
【0534】
ファール球通路部145(
図92参照)は、球発射ユニット112aから発射された遊
技球のうち遊技領域まで至らなかった遊技球をファール球として下皿50に排出する通路
を形成する部位である。
【0535】
ファール球通路部145には、
図89に示すように、上方に開放されたファール球受口
部146が設けられる。このファール球受口部146に受け入れられたファール球は、フ
ァール球通路部145(
図92参照)の内部通路を流下した後で、下皿50に排出される
。なお、ファール球通路部145は、下皿50でなく、上皿17に接続され、ファール球
が上皿17に排出される構成としても良い。
【0536】
なお、ファール球通路部145は、遊技者が球抜き操作することにより上皿17から下
皿50に流下する未発射球が案内される通路である球抜き通路147(
図92参照)と合
流するように形成される。
【0537】
正面枠14の背面側には、上部の左右隅部に締結固定される樹脂製のカバー部材であっ
て、背面側へ膨出する多機能カバー部材171,172が取り付けられている。多機能カ
バー部材171,172の正面側には、電飾部8030やスピーカー組立体450に電気
を導通する配線のコネクタや、正面枠14伝いに電飾部8031,8032の内部基板と
一方の端部が連結されるコネクタの他方の端部が連結される電子基板が配設され、この電
子基板及びコネクタが多機能カバー部材171,172により覆われる。
【0538】
正面枠14の多機能カバー部材171,172により覆われる箇所には、左右の電飾部
8031,8032へ向けて連通される配線通し溝14hと、その配線通し溝14hを通
り電飾部8031,8032から引き出された配線が連結される電子基板14iとが形成
されており(
図103参照)、各配線の端子は、それら配線通し溝14hを通して後方へ
引き出され、背面側から電子基板14iに差し込まれる。
【0539】
従って、多機能カバー部材171,172を取り外した状態(
図103参照)とすれば
、正面枠14の背面側から(
図89紙面手前側から)、電飾部8030やスピーカー組立
体450に電気を導通する配線のコネクタや、電飾部8031,8032の内部基板と一
方の端部が連結されるコネクタを、電子基板14iに対して容易に抜き差しすることがで
きる。
【0540】
正面枠14の回動先端側に取り付けられる多機能カバー部材171は、内枠12の回動
先端側の上下に一対で配設され、遊技盤13のベース板60を把持する盤面支持装置60
0(
図126参照)の上側の装置と前後に対向する位置関係とされ、状況により互いに当
接可能とされるが、詳細については後述する。
【0541】
正面枠14の背面側には、樹脂材料により形成される正面側が開放された容器形状の部
材であって、下隅部において正面枠14に当接配置されると共に正面枠14との間に形成
される空間に配線を収容する長尺カバー部材173が背面側から取り付けられている。長
尺カバー部材173は、正面枠14の回動先端側から回動基端側へ移動するにつれて断面
積が小さくなる構成とされ、配線を収容する空間の下辺を構成する下壁部173aが、正
面枠14の下辺と平行配置され、下壁部173aの上方に対向配置されると共に配線を収
容する空間の上辺を構成する上壁部173bが、通路形成ユニット140の下壁と面で合
致する形状で構成される。
【0542】
長尺カバー部材173は、下壁部173a及び上壁部173bと同様に正面枠14に当
接配置される壁部であって、正面枠14の回動基端側において下壁部173a及び上壁部
173bから上方へ延設される上方延設壁部173cを備える。
【0543】
上方延設壁部173cは、下壁部173a及び上壁部173bと連設される側の端部が
、正面枠14の回動基端側へ向けて半円状に張り出す態様で湾曲し、その湾曲した部分の
上端から更に反対方向に半円状に湾曲可能なスペースを確保して構成され、上端部におい
て正面枠14の可動基端側が開放される。
【0544】
即ち、上方延設壁部173cに収容される配線は、波状(サイン波の1周期に対応する
波状)に緩やかに湾曲しながら、上方延設壁部173cの上端位置から正面枠14の回動
基端側へ張り出される。従って、配線の湾曲部分において配線を撓ませることで、正面枠
14の開閉時に生じる配線の位置変化(
図96参照)を吸収することができるので、配線
が伸縮し負荷が生じることを防止でき、配線が断線する虞を低減することができる。
【0545】
正面枠14の背面側には、長尺カバー部材173の上方延設壁部173c(正面枠14
の回動基端側へ最接近する部分)と、本体枠14aの一部であって正面枠14の回動基端
側において上下に長尺の板部分との間に、樹脂材料により形成される部分であって下方へ
開放する逆カップ形状の逆カップ部178が配設される。
【0546】
逆カップ部178は、例えば、正面枠14の回動基端側を不正に押し広げ、下側のヒン
ジ18付近からピアノ線を差し込み、遊技領域へ進入させ行われる不正行為への対策をす
る部分である。即ち、下側のヒンジ18付近からピアノ線が正面枠14と内枠12との間
に差し込まれた場合であっても、ピアノ線の先端が逆カップ部178の逆カップ形状に下
方から入り込む場合、ピアノ線の進行を妨げることができるので、ピアノ線が遊技領域ま
で到達することを防止することができる。
【0547】
また、逆カップ部178及び長尺カバー部材173は、樹脂材料から形成されるので、
ピアノ線の先端を熱して行われる不正行為への対策をすることができる。即ち、先端を熱
したピアノ線を進入させ、逆カップ部178に押し当てると、その熱で逆カップ部178
を溶かし、逆カップ部178を通過することができるのと同様に、長尺カバー部材173
も溶かせてしまう。そして、長尺カバー部材173を先端が熱されたピアノ線が通過する
ことにより、長尺カバー部材173の正面側に収容される配線が焼き切られるので、配線
が断線したことを検出することにより、不正行為を発見し易くすることができる。
【0548】
特に、本実施形態では、逆カップ部178の長尺カバー173側の壁部178aが長尺
カバー部材173の形状と合致する形状から構成され、互いに面で当接(近接)する。ま
た、壁部178aにおける逆カップ部178の下面の法線が下方へ向く形状とされるので
、ピアノ線が下方から逆カップ部178に進入した場合に、壁部178aの下面に押し当
てられる可能性を高めることができ、逆カップ部178が溶かされたら高確率で長尺カバ
ー173も溶かされることとできるので、不正行為を発見し易くすることができる。
【0549】
壁部178aは、ピアノ線の先端が熱されていない場合には、ピアノ線を左右方向に案
内する効果がある。即ち、正面枠14の回動基端側に無理やり開けられた隙間から差し込
まれたピアノ線が逆カップ部178の上底に到達した場合、更にピアノ線が深く差し込ま
れると、その先端は壁部178aに押し当てられる。
【0550】
壁部178aは上方延設壁部173cの湾曲部分に合致した形状とされるので、ピアノ
線が更に深く差し込まれると、壁部178aに沿ってピアノ線の先端が移動し、ピアノ線
の先端は下壁部173aの下方に案内される。更にピアノ線が深く差し込まれたとしても
、ピアノ線の先端は下壁部173aの下方の空間を正面枠14の回動先端側へ進行する(
左右方向に進行する)ことになるので、ピアノ線が遊技領域に到達することを防止するこ
とができる。
【0551】
また、ピアノ線を介して不正行為を行う者に与えられる反力が大きくなることを防止し
ながら、ピアノ線の先端が遊技領域に到達することを防止することができるので、例えば
、下壁部173aの下方の空間にピアノ線の進入を検出する検出装置を配置することによ
り、不正行為を行う者が逃亡する前に不正行為を発見し、不正行為を行う者を確保し易く
することができる。
【0552】
即ち、ピアノ線が下壁部173aの下方の空間に案内されていても、不正行為を行う者
はそれを判別することができないので、ピアノ線が遊技領域へ向かう途中であると思い込
むことになる。そして、遊技領域へピアノ線の先端が到達するまで(例えば、窓部14c
を通して正面側からピアノ線の先端が見えるまで)更にピアノ線を深く差し込む動作を不
正行為を行う者に自然に(ピアノ線の差し込みがうまくいっていないという疑念を抱かせ
ることなく)行わせることができる。従って、不正行為を行う者が、不正行為が発覚した
と気づき、逃亡を図るまでの時間を長くすることができる。
【0553】
なお、検出装置は、フォトカプラで構成される装置でも、磁気センサでも、ボタン装置
でも良い。また、検出装置の配置は、下壁部173aの下方の空間に限られるものでは無
く、種々の配置が許容される。例えば、施錠機構20RKに配設されても良いし、操作ハ
ンドル51の背面側部に配設されても良い。操作ハンドル51に配設される場合には、例
えば、操作ハンドル51に従来から配設される検出装置を、ピアノ線の進入の判定に兼用
しても良い。
【0554】
球発射ユニット112aは、
図89に示すように、正面枠14を開放した場合に前面側
に露出される装置であり、内枠12の前面側右下部分に設けられている。この球発射ユニ
ット112aは、
図90に示すように、発射装置として設けられた電磁式の発射用ソレノ
イド701と、その発射用ソレノイド701により打ち出された遊技球が内レール61と
外レール62との間の領域へ向けて出射されるように遊技球を案内する発射レール730
と、球送り装置720とを備えている。
【0555】
球送り装置720は、上皿17(
図89参照)に貯留された遊技球を発射レール730
上に1個ずつ供給する。この場合、この供給される遊技球は発射用ソレノイド701にお
いて打出し部として設けられたプランジャ702の突出経路上に配置される。そして、発
射用ソレノイド701への電気的な信号の入力により、プランジャ702が発射レール7
30上の遊技球に向けて移動し、その遊技球は遊技領域に向けて打ち出される。なお、球
発射ユニット112aの電動アクチュエータは、発射用ソレノイド701に限定されるこ
とはなく、発射モータなどを用いても良い。なお、球発射ユニット112aの詳細構成に
ついては後述する。
【0556】
内枠12の左側であって発射レール730の左方には、
図90に示すように、皿通路形
成部材160及びハーネスHN1〜HN3が連結される複数のコネクタCN1〜CN3を
備える基板167が配設されている。内枠12には、皿通路形成部材160が設けられる
部位を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を前面側から覆うようにして皿
通路形成部材160は、内枠12に締結固定されている。
【0557】
皿通路形成部材160は、
図90に示すように、本体側上皿通路部161と本体側下皿
通路部162とを有している。本体側上皿通路部161及び本体側下皿通路部162は、
一方の端部が内枠12に前後方向に貫通される貫通孔と連通可能となるように背面側へ向
けて開放され、他方の端部が下方へ向けて開放されるように、内部で通路の方向が90度
変化する(前後方向から上下方向に変化する)湾曲通路を形成する。この構成において、
払出装置133から払い出された球は内枠12の貫通孔を通り、皿通路形成部材160の
一方の端部から皿通路形成部材160に進入し、他方の端部から排出される。
【0558】
正面枠14が閉鎖状態とされた場合には、皿通路形成部材160の下側部分に正面枠1
4に設けられる通路形成ユニット140の払出球受口部143(
図89参照)が入り込む
。そして、本体側上皿通路部161の下方には前扉側上皿通路部141が配置され、本体
側下皿通路部162の下方には前扉側下皿通路部142が配置される。
【0559】
皿通路形成部材160の下側部分には、
図90に示すように、本体側上皿通路部161
及び本体側下皿通路部162からの遊技球の流出を規制するシャッタ163が設けられて
いる。シャッタ163は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、
遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能に設けられる。
【0560】
また、内枠12には、シャッタ163を阻止位置に向けて付勢する付勢部材(コイルス
プリング等)が取り付けられ、正面枠14を内枠12に対して開いた状態では付勢部材の
付勢力によってシャッタ163が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体
側上皿通路部161又は本体側下皿通路部162に遊技球が貯留されている状態で正面枠
14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されてい
る。
【0561】
これに対し、正面枠14を内枠12に対して閉じた状態では、正面枠14の通路形成ユ
ニット140に設けられた払出球受口部143の外周部分により上記付勢力に抗してシャ
ッタ163が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路部161及び前扉
側上皿通路部141が連通し、本体側下皿通路部162及び前扉側下皿通路部142が連
通して、遊技球の流下が許容される。
【0562】
基板167は、ハーネスHN1が接続されるコネクタCN1と、ハーネスHN2が接続
されるコネクタCN2と、ハーネスHN3が接続されるコネクタCN3と、を備える。な
お、基板167は、コネクタCN1,CN2が配設される箇所と、コネクタCN3が配設
される箇所とが、別基板で構成される。これは、コネクタCN1,CN2が主制御装置1
10との伝送に使用される一方で、コネクタCN3は音声ランプ制御装置113との伝送
に使用されるように、伝送の対象が違うので、基板を別とすることで誤作動を予め防止す
る意図による。
【0563】
図91及び
図92を参照して、正面枠14の窓部14cより下側の部分について説明す
る。
図91は、正面枠14の窓部14cよりも下側に配設される構成部材が分解して図示
される正面枠14の分解背面斜視図であり、
図92は、正面枠14の窓部14cよりも下
側に配設される構成部材が分解して図示される正面枠14の分解正面斜視図である。
【0564】
図91及び
図92に示すように、正面枠14の窓部14cよりも下側では、本体枠14
cの正面側において、上皿17の正面側であり、下皿50の右斜め上方であると共に正面
枠14の左右方向中央の位置に操作デバイス300が配設され、その操作デバイス300
の正面側に被覆カバー370が配設される。
【0565】
被覆カバー370は、操作デバイス300の下側部分を正面側から覆う位置関係で正面
枠14に締結固定される部材であって正面枠14の左右幅と同程度の左右幅で構成される
。即ち、被覆カバー370の左右端部は、それぞれ電飾部8031,8032の鉛直下方
に配置される。
【0566】
被覆カバー370は、少なくとも左右端部に形成される締結部370aで正面枠14に
締結固定されると共に左右中央部分が正面側に張り出す湾曲形状に構成される本体湾曲部
371と、その本体湾曲部371の左右中央部分と左右方向端部との中間位置における本
体湾曲部371の下縁から下方へ、幅方向で互いに近接する側に向けて延設され、延設下
端で合流し正面視V字形状に構成される垂下部372と、本体湾曲部371及び垂下部3
72が囲む開口を閉塞する板状部材であって光透過性の樹脂材料から形成されると共に本
体湾曲部371又は垂下部372の少なくとも一方に締結固定される透光部373と、本
体湾曲部371の左端部の上面に平面として形成される左側平面支持部374と、本体湾
曲部371の右端部の上面に平面として形成される右側平面支持部375と、その右側平
面支持部375に背面側から凹設される溝であって背面側へ向かうほど凹設幅が大きくな
る(テーパの付いた)支持溝376と、を主に備える。
【0567】
本体湾曲部371は、正面側縁部は丸みを帯びた湾曲形状から構成され、背面側縁部と
して、上皿17の正面側縁と合致する形状とされ組立状態(
図86参照)において上皿1
7の正面側縁と前後方向で当接する背面左縁部371aと、その背面左縁部371aに連
設され操作デバイス300の上枠部材330の正面側縁と合致する形状とされ組立状態に
おいて上枠部材330と前後方向で当接する背面中縁部371bと、その背面中縁部37
1bに背面左縁部371aの反対側で連設され貸球操作部40の正面側縁と合致する形状
とされ組立状態において貸球操作部40と前後方向で当接する背面右縁部371cと、を
主に備える。
【0568】
垂下部372は、本体湾曲部371と共に操作デバイス300を正面側から覆い、操作
ハンドル51が支持される板部であって正面枠14の右隅部に配置される右隅カバー38
0との間の隙間をつくらない形状(右隅カバー380との当接位置が互いに合致する形状
)とされることで、正面側からの操作デバイス300へのアクセスを防止する部分である
。なお、垂下部372は、後述する凹設部15aよりも正面側の位置において、凹設部1
5aが形成される底板に下方から挿通されるネジが螺入されることで、凹設部15aが形
成される底板に締結固定される。
【0569】
透光部373は、操作デバイス300から照射される光を正面側へ透過させ光による演
出が可能な部分であって、操作デバイス300の下枠部材320の形状と合致する湾曲形
状から形成されると共に組立状態(
図86参照)において、下枠部材320と近接配置さ
れる。
【0570】
第1実施形態では、LED装置341fが少なくとも上方に光を照射する配置とされる
場合について説明した(
図32参照)。LED装置の配置は任意に決められる事項であり
、本実施形態では、LED装置341fが、少なくとも上方及び下方に光を照射する配置
とされる。具体的には、上方に光を照射する(照明支持部341eの上面に配置される)
LEDが6個、下向きに光を照射する(照明支持部341eの下面に配置される)LED
が2個、それぞれ配置される。
【0571】
LED装置341fの内、下向きに光を照射するLEDから照射された光は、操作デバ
イス300の状態により異なる個数の部材を通過する。例えば、傾倒装置310が第1状
態(
図22参照)の時には、下向きに光を照射するLEDから照射された光は、傾倒装置
310及び下枠部材320を通過した後、透光部373を通過する。一方で、傾倒装置3
10が第2状態(
図32参照)の時には、下向きに光を照射するLEDから照射された光
は、傾倒装置310は通過せず下枠部材320を通過した後、透光部373を通過する。
【0572】
従って、例えば、下向きに光を照射するLEDから照射される光の光量を一定に保つ場
合、透光部373を通して視認可能な光の光量は、傾倒装置310が第1状態とされる場
合に比較して、傾倒装置310が第2状態とされる場合の方が強くなる。そのため、下向
きに光を照射するLEDから照射される光の光量を変化させることを不要としながら(光
量を変化させる制御を省くことにより制御負担を減らしながら)、傾倒装置310の状態
変化に合わせて透光部373を通して視認可能な光の光量を変化させる演出を行うことが
できる。
【0573】
また、別の演出制御方法として、傾倒装置310の状態の変化に合わせて下向きに光を
照射するLEDから照射される光の光量を変化させる制御を行うことも可能である。例え
ば、傾倒装置310が第2状態(
図32参照)から第1状態(
図22参照)に変化するの
に合わせて、光量を強めに(段階的に)変化させる一方で、傾倒装置310が第1状態か
ら第2状態に変化するのに合わせて、光量を弱めに(段階的に)変化させるように制御す
ることで、傾倒装置310の状態の変化に伴う透光部373を通して視認可能な光の光量
の変化の度合いを小さくする(設定次第で無くす)ことができる。
【0574】
左側平面支持部374は、組立状態(
図86)において、電飾部8031の下端と上下
で当接する。即ち、電飾部8031に下方へ向けた負荷がかけられ、電飾部8031が下
方へ位置ずれする際には、左側平面支持部374から電飾部8031へ向けて上向きの反
力が発生する。これにより、電飾部8031の下方への位置ずれを抑制することができる
。
【0575】
右側平面支持部375は、組立状態(
図86)において、電飾部8032の下端と上下
で当接する。即ち、電飾部8032に下方へ向けた負荷がかけられ、電飾部8032が下
方へ位置ずれする際には、右側平面支持部375から電飾部8032へ向けて上向きの反
力が発生する。これにより、電飾部8032の下方への位置ずれを抑制することができる
。
【0576】
なお、詳細は後述するが、電飾部8031,電飾部8032は、上パネルユニット40
0の下面と当接し、上パネルユニット400が下方へ位置ずれする際には、電飾部803
1,8032から上パネルユニット400へ向けて上向きの反力が発生する。そのため、
本実施形態によれば、上パネルユニット400を、本体枠14aに締結固定される電飾部
8031,電飾部8032及び被覆カバー370で広範囲に亘って下支えすることができ
るので、上パネルユニット400を下支えするために必要な力を広範囲に分散させること
ができる。
【0577】
支持溝376は、電飾部8032の下端部が背面側から進入することを受け入れる受け
入れ溝として機能する。組立状態(
図86参照)では、電飾部8032が支持溝376の
最奥まで進入した状態とされ、この状態において電飾部8032の正面下隅端部と右側平
面支持部375の正面側端部との位置が合致する。
【0578】
支持溝376と、電飾部8032との係合関係の詳細については後述する。その後述す
る係合関係により被覆カバー370と電飾部8032とを連結することにより、被覆カバ
ー370及び電飾部8032をそれぞれ本体枠14aに締結固定することで組立状態を構
成することができ、被覆カバー370及び電飾部8032を互いに締結する別個の固定部
分を不要とすることができる。
【0579】
正面枠14の窓部14cよりも下側では、本体枠14aの背面において樹脂板状の板部
材14dが本体枠14aに(又は本体枠14aの正面側に配設される別部材(上皿17を
構成する部材等)に本体枠14aを挟んで)締結固定され、板部材14dの背面側におい
て通路形成ユニット140が本体枠14a又は板部材14dに(又は本体枠14aの正面
側に配設される別部材(上皿17を構成する部材等)に本体枠14aを挟んで)締結固定
され、その通路形成ユニット140を背面側から覆う態様で金属板状の板金部材150が
本体枠14a又は板部材14dに(又は本体枠14aの正面側に配設される別部材(上皿
17を構成する部材等)に本体枠14aを挟んで)締結固定される。
【0580】
板金部材150は、合成樹脂から形成される通路形成ユニット140が貫通される事態
が生じた(例えば、先端を熱した針金やピアノ線などが押し付けられ溶かされる事態が生
じた)としても、正面枠14の正面側から内枠12側への進入を不可能とする進入防止部
材として機能する。即ち、金属で構成される板金部材150は先端を熱した針金などが押
し付けられたとしても貫通することは無く、例示される針金が正面枠14の背面側へ進入
することを防止することができる。
【0581】
板金部材150は、正面視左方において前扉側下皿通路部142の下端部およびファー
ル球通路部145の下端部の上下左右を覆う態様で形成されると共に、開放された正面側
が通路形成ユニット140に嵌合される嵌合箱部151と、ファール球通路部145及び
球抜き通路147の下側部の背面を覆う平面板状の板状部152と、を主に備える。
【0582】
嵌合箱部151は、前扉側下皿通路部142の下端部およびファール球通路部145の
下端部の上下左右を覆うので、前扉側下皿通路部142の下端部およびファール球通路部
145の下端部において通路形成ユニット140が前後方向に貫通された場合に限らず、
左右方向や上下方向に貫通された場合であっても、例示される針金が通路形成ユニット1
40を越えて進入することを防止することができる。
【0583】
板状部152は、ファール球通路部145及び球抜き通路147の背面を覆うので、下
皿50の右方において、通路形成ユニット140に例示される針金が押し当てられ貫通孔
が開けられた場合であっても、不正部材が通路形成ユニット140の背面側へ進入するこ
とを防止することができる。このような事態が生じる場合としては、例えば、操作デバイ
ス300が取り外され、それに伴い前後の厚みが薄くなった箇所(凹設部15aの後斜め
上方の箇所)に、例示される針金が押し当てられることで貫通孔が開けられ、例示される
針金が進入する場合が例示される。
【0584】
更に、正面枠14は、通路形成ユニット140の左端部に背面側から締結される操作部
背面部材155を備え、その操作部背面部材155は、組立状態(
図86参照)でシリン
ダ錠20が配置される位置の上下位置において本体枠14aに締結固定される。
【0585】
図89及び
図91に示すように、操作部背面部材155は、左右長尺な板部材の主に外
縁部から前後方向に形成されるリブにより前後方向の寸法を増すように構成される部材で
あって、シリンダ錠20が貫通可能に板部材に穿設される貫通孔156と、その貫通孔1
56の上下において穿設され、本体枠14aに操作部背面部材155を締結固定するネジ
が挿通される一対の挿通孔157と、通路形成ユニット140の背面側に重ねられる部分
(左端部)に上下に並んで穿設される一対の連結用挿通孔158と、貫通孔156よりも
回動基端側において背面側に突出される開閉規制部159と、を主に備える。
【0586】
連結用挿通孔158は、通路形成ユニット140の左端部において形成される連結部1
48と前後方向で合致するように配設される。ここで、通路形成ユニット140の連結部
148は、上側の連結用挿通孔158と前後方向で合致する位置において連結用挿通孔1
58の内径よりも若干小さな内径の円柱状で背面側に突設される突設部148aと、下側
の連結用挿通孔158と前後方向で合致する位置において連結用挿通孔158に挿通され
るネジを螺入可能な孔として穿設される螺入部148bと、を主に備える。
【0587】
この構成により、操作部背面部材155を通路形成ユニット140の背面側に重ね、組
み付ける際には、上側の連結用挿通孔158に突設部148aを通すことで、通路形成ユ
ニット140と操作部背面部材155との位置合わせを行い、その後、下側の連結用挿通
孔158を通したネジを螺入部148bに螺入することにより、容易に操作部背面部材1
55を通路形成ユニット140に締結固定することができる。
【0588】
なお、連結用挿通孔158が穿設される操作部背面部材155の左端部の左側縁と、下
側縁とが直角に形成されることでL字の壁部158aが形成される。一方で、通路形成ユ
ニット140の連結部148は、領域を区画するように通路形成ユニット140の骨格を
形成する板から背面側へ延設される延設壁部148cを備え、その延設壁部148cは、
組立状態(
図89参照)において、壁部158aと上下左右で面当たり可能なL字形状に
形成される。
【0589】
従って、通路形成ユニット140に操作部背面部材155を組み付ける際の位置合わせ
として、突設部148aを連結用挿通孔158に通すことに加えて、壁部158aを延設
壁部148cに対して上下左右で面当たりさせることで、通路形成ユニット140に対す
る操作部背面部材155の位置および姿勢を迅速かつ簡易に合わせることができる。
【0590】
開閉規制部159は、組立状態(
図86参照)において、内枠12に配設される盤面支
持装置600(
図90参照)と前後に対向配置される部分であって、詳細は後述するが、
所定の条件において、盤面支持装置600又は遊技盤13と当接することにより正面枠1
4が閉鎖状態となるのを規制する効果を奏する。
【0591】
開閉規制部159は、本実施形態では、操作部背面部材155の背面側へ向けて延設さ
れると共に合成樹脂から形成される部分であって、剛性を確保するために延設方向視の断
面形状がコ字状で形成される。そのため、同じ板厚で平板状に形成される場合よりも撓み
難く、又、コ字状の開放部を埋める塊形状で延設される場合に比較して剛性を確保しなが
ら必要な材料の量を減らすことができる。従って、操作部背面部材155の他の部分の厚
みと同じ板厚(例えば、強度は本体枠14aに頼れば良いことから強度が低くても問題な
い部分であって、できるだけ薄く形成される部分の板厚)で形成できることで成形性を向
上しつつ、開閉規制部159の強度は確保することができる。
【0592】
なお、開閉規制部159の断面形状は、剛性を確保し形状の維持を図ることができる形
状であればよく、コの字形状に限るものでは無い。例えば、平板状の断面に比較して、湾
曲(波)形状の断面にしても良いし、階段状断面としても良いし、矩形波状の断面として
も良いし、円筒形状の断面としても良い。
【0593】
また、開閉規制部159を、操作部背面部材155の一部としてでは無く、本体枠14
aから背面側へ折れ曲がり延設される、又は、本体枠14aの背面側に固定される別部材
から背面側へ延設される金属製の部分から構成しても良い。但し、本実施形態のように、
開閉規制部159を合成樹脂から形成する方が、金属製の部材から形成される盤面支持装
置600(
図90参照)と当接した場合に盤面支持装置600が欠けたり、凹んだりする
ことを防止することができる。これにより、盤面支持装置600の状態を変化させて遊技
盤13を脱着する作業者が、盤面支持装置600にできた欠けや凹みに触れてけがをする
恐れを低くすることができる。
【0594】
ここで、開閉規制部159が、シリンダ錠20が配置される貫通孔156よりも正面枠
14の回動基端側に配置されているので、それ以上に回動先端側に配置されるシリンダ錠
20の箇所における内枠12と正面枠14との間の間隔を長く確保することができる。従
って、開閉規制部159が盤面支持装置600又は遊技盤13と当接している状態におい
て、回動先端側に配置されるシリンダ錠20や施錠機構20RKが誤って施錠される可能
性を低めることができる。
【0595】
針金等の異物を進入させる経路としては、例えば、操作デバイス300の隙間を通った
経路が想定される。これに対し、本実施形態では、
図91及び
図92に示すように、操作
デバイス300は本体枠14aの正面側へ丸ごと分離可能に構成される。換言すれば、操
作デバイス300の構造が本体枠14aの正面側で完結するため、操作デバイス300の
隙間をたどっても、本体枠14aの背面に進入することが困難な構成とされる。
【0596】
なお、操作デバイス300に電力を供給するハーネスHN3(
図96参照)は、長尺カ
バー部材173の右端位置において本体枠14aの前後方向に穿設される配線通し孔14
a1(
図103参照)に挿通されるが、そのハーネスHN3は、保護カバー装置350(
図57参照)の右側外周壁下隅に固定されるコネクタ(図示せず)を介して操作デバイス
300と接続される。
【0597】
これにより、操作デバイス300の隙間を通して操作デバイス300の内部に針金等の
異物を進入させたとしても、略ケース状に構成される操作デバイス300の外部に接続さ
れるハーネスHN3へ針金等を到達させることは困難であるので、針金等の異物が本体枠
14aの背面側へ進入することを防止し易くすることができる。
【0598】
なお、操作デバイス300に進入する異物として、液体が考えられる。例えば、遊技結
果に気分を悪くした遊技者が、飲料水等をパチンコ機10にかけることがある。その際、
手ごろな位置にある操作デバイス300は、飲料水をかけられる餌食になりやすく、対策
を行わない場合、駆動モータ342(
図18参照)や、ボイスコイルモータ352(
図1
3参照)が故障するおそれがある。
【0599】
更には、飲料水などの液体が本体枠14aの背後まで進入すると、電子基板などの故障
を引き起こしかねないが、上述したように、本実施形態では、操作デバイス300が本体
枠14aの正面側で分離可能に独立した構成となっているので、操作デバイス300にか
けられた飲料水等の液体が本体枠14aの背面側へ浸入することを防止することができる
。
【0600】
なお、下皿ユニット15の底板上面(操作デバイス300と対向する面)には、上面視
T字状に凹設部15aが凹設される。凹設部15aは、深底の凹設部として構成される。
完全なケース状では無く、ところどころに抜け隙間が形成される(例えば、
図13参照、
伝達用孔321aや開口部325が抜け隙間に相当)操作デバイス300の内部を通り、
操作デバイス300の下方へ落下する液体を一時的に溜める役割を凹設部15aは担う。
【0601】
操作デバイス300では、駆動モータ342は、開口部325の後側寄りに配置される
ので、傾倒装置310が傘の役割をし(
図13、
図17(b)参照)、更に、配線との接
続部分はモータ収容部341eと照明支持部341eとの間に配置される水平板部分の下
方に配置されるので(
図17(b)及び
図18参照)、飲料水などの液体が駆動モータ3
42に直接かけられ、故障することを防止することができる。
【0602】
また、ボイスコイルモータ352は、伝達用孔321aを通して上下方向に連通するの
で、飲料水などの液体がかかる虞があるが、その他の部分は底板部321に覆われている
ので、飲料水などの液体が振動面(上面)に付着するに留まり、その付着した液体はボイ
スコイルモータ352の振動面自体の傾斜により正面側下方へ流れ落ちる(
図13及び図
22参照)。従って、ボイスコイルモータ352が故障することを防止することができる
。
【0603】
上述した構成により、帰り際の遊技者に飲料水などの液体をかけられたとしても、次の
遊技者は操作デバイス300の上面であって触れる部分をふき取りさえすれば、通常通り
遊技を行うことができるので、操作デバイス300のメンテナンス時間が営業時間を圧迫
することを防止することができる。
【0604】
正面枠14の窓部14cよりも下側では、本体枠14aの背面側における正面枠14の
回動基端側において、板部材14dに結束可動部材180が締結固定される。次いで、図
93から
図96を参照して結束可動部材180について説明する。なお、
図93から
図9
6では、
図91と同様に正面枠14から通路形成ユニット140及び板金部材150が取
り外された状態が図示される。
【0605】
図93(a)は、正面枠14の分解背面斜視図であり、
図93(b)は、結束可動部材
180の解除状態と固定状態とが並べて図示される結束可動部材180の正面斜視図であ
る。なお、
図93(b)では、上側に解除状態の結束可動部材180が、下側に固定状態
の結束可動部材180がそれぞれ図示される。
【0606】
結束可動部材180は、組立状態(
図86参照)において固定状態とされると共に、上
方延設壁部173cの上端部から左方へ引き延ばされるハーネスHN1〜HN3を結束す
る部材である。
【0607】
なお、本実施形態では、操作ハンドル51(
図92参照)に接続されるハーネスHN1
及び貸球操作部40(
図92参照)に接続されるハーネスHN2は、それぞれ中継基板な
しで結束可動部材180まで案内され、それぞれ結束可動部材180に結束される。
【0608】
一方で、各電飾部8029〜8033、操作デバイス300又は枠ボタン22(
図86
参照)にそれぞれ接続されるハーネスは、一度、長尺カバー部材173の正面側の空間に
配設される中継基板に接続され(集合され)、その中継基板から一束の延長ハーネスHN
3が結束可動部材180へ向かい、その延長ハーネスHN3が結束可動部材180に結束
される(
図96参照)。
【0609】
結束可動部材180は、合成樹脂材料から形成される部材であって、板部材14dに背
面側から締結固定される本体部181と、その本体部181に上下方向で締結固定される
ビスに回動可能に軸支される可動腕部182と、その可動腕部182の下縁に沿って可動
腕部182の回動方向の一側側面(
図93(a)において本体部181と対向配置する側
の反対側の側面)から延設される柔軟性の高い一対の結束腕部183と、可動腕部182
の回動方向の他側側面(
図93(a)において本体部181と対向配置する側の側面)に
配設される上面視コ字状の部分であって結束腕部183を係止可能な一対の係止部184
と、一対の結束腕部183の間の位置(中間位置)において可動腕部182の下縁から下
方に延設されると共に開口を有する仮止め部185と、を主に備える。
【0610】
なお、結束可動部材180は、結束腕部183の柔軟性が高く形成される一方で、それ
以外の部分は、少なくとも結束腕部183よりも柔軟性が低く(高剛性で)形成される。
【0611】
本体部181は、上辺が略馬蹄形状で構成される断面を有し中央にビスを通す貫通孔を
有する被固定部181aと、その被固定部181aの左右下隅部から板部材14d側へそ
れぞれ突設される一対の回り止め凸部181bと、被固定部181aの正面側端部の下縁
から下方へ延設される共にその延設先端が板部材14d側へ近接して湾曲する中間止め部
181cと、被固定部181aの下縁に沿って左方に延設される板状の支持板部181d
(
図96(a)参照)と、その支持板部181dの上部に配設される部分であって締結さ
れるビスの頭部の径よりも外形が小径の円筒形状から形成される円筒締結部181eと、
を主に備える。
【0612】
板部材14dは、結束可動部材180が固定される位置に、被固定部181a及び一対
の回り止め部181bの配置と一致する配置の貫通孔から構成される孔群14d1を備え
る。
【0613】
被固定部181aを貫通するビスを板部材14dの孔群14d1の対応する締結孔に締
結固定する際に、一対の回り止め凸部181bが孔群14d1の対応する嵌合孔に嵌合す
ることにより、締結時に結束可動部材180が被固定部181aを貫通するビスを中心に
回転することを防止することができると共に、固定時の結束可動部材180の板部材14
dに対する姿勢を定めることができる。
【0614】
中間止め部181cは、各ハーネスHN1〜HN3を板部材14dとの間に維持する。
本実施形態では、延設端部(下端部)において板部材14dとの間の間隔を狭めることに
よりハーネスHN1〜HN3が下方にずり落ちることを防止することができると共に、板
部材14d側に中心が配置される円に沿って湾曲される形状により、変形による応力集中
を抑制しながらハーネスHN1〜HN3を収容する領域(板部材14dと中間止め部18
1cとで挟まれる領域)の断面積を大きく確保することができる。
【0615】
支持板部181dは可動腕部182の回動を案内する平面を形成し、円筒締結部181
eは、その外周面が可動腕部182の基端側の部分に内嵌し、可動腕部182を軸支する
(
図96参照)。
【0616】
可動腕部182は、円筒締結部181eに外嵌軸支される部分を基端として、円筒締結
部181eの軸支位置からオフセットされる平面OS1に滑らかに連結される形状とされ
る基端部182aと、その基端部182aの軸支位置の反対側に連設される薄板長尺形状
の薄板部182bと、を主に備える。
【0617】
基端部182aは、円筒締結部181eに外嵌される円筒形状部の外周の内、左右端部
(軸と結ぶ直線が平面OS1と平行となる部分)及び背面側端部(平面OS1と最接近す
る部分)から回転方向の側壁がそれぞれ延設される。それぞれの側壁は曲率半径の中心が
同じ側に配置される円弧形状で形成され、互いの離間距離は、平面OS1へ近接するほど
徐々に短くなり、平面OS1に到達する際には薄板部182bの厚みと同等となる。
【0618】
従って、基端部182aの方が、薄板部182bよりも剛性が高く維持される。本実施
形態では、基端部182aは弾性変形を意図しない(高剛性の)設計思想で設計され、薄
板部182bは状況により弾性変形を意図して(低剛性の)設計思想で設計されている。
【0619】
結束腕部183は、一対がそれぞれ同形状で構成されるので、一方について説明し、他
方の説明を省略する。結束腕部183は、先端部付近に根元の幅と同等の幅で形成される
幅小部183aと、その幅小部183aよりも幅広に形成される幅大部183bとが交互
に等間隔で形成される。なお、結束腕部183は、固定状態において、係止部184が可
動腕部182との間に形成する貫通孔に下方から差し込まれる(
図93(b)参照)。
【0620】
結束腕部183の幅大部183bは、幅小部183aに比較して厚みも若干大きく形成
される。本実施形態では、増厚部分が固定状態(
図93(b)下側参照)における外周側
に形成されることにより、結束腕部183の内周側にスペースを確保することができる。
【0621】
係止部184は、可動腕部182側に形成される大開口部184aと、その大開口部1
84aを挟んで可動腕部182の反対側に形成されると共に大開口部184aよりも開口
幅の小さい小開口部184bと、を主に備える(
図96参照)。
【0622】
大開口部184aは、結束腕部183の位置に寄らず結束腕部183が通過可能な大き
さとされ、小開口部184bは、結束腕部183の幅小部183aは通過可能とされる一
方で、幅大部183bは通過不能な(係止される)大きさとされる。
【0623】
本実施形態によれば、結束腕部183を、係止部184に対して相対動作させたい時は
大開口部184a側(結束腕部183で囲われる内側の面積が小さくなる側)に配置し、
結束腕部183を、係止部184に対して係止したい時は小開口部184b側に配置する
ことで、容易に結束腕部183で囲われる内側の面積の大きさ(締め具合)を調整するこ
とができる。
【0624】
仮止め部185は、その中央部に結束バンドを挿通可能な貫通孔を備える。長期使用に
より結束腕部183が破断し、ハーネスHN1〜HN3の結束をすることができなくなっ
た場合であっても、仮止め部185の貫通孔に市販の結束バンドを挿通し、固定すること
で、ハーネスHN1〜HN3を結束可能とすることができる。
【0625】
結束可動部材180の可動範囲について説明する。
図94(a)は、正面枠14の左下
隅部を示す正面枠14の部分背面図であり、
図94(b)は、
図94(a)のXCIVb
−XCIVb線における正面枠14の部分断面図であり、
図95(a)は、正面枠14の
左下隅部を示す正面枠14の部分背面図であり、
図95(b)は、
図95(a)のXCV
b−XCVb線における正面枠14の部分断面図である。
【0626】
なお、
図94(a)及び
図94(b)では、可動腕部182が板部材14dに最接近し
た状態(可動範囲の一方の限界状態)が図示され、
図95(a)及び
図95(b)では、
可動腕部182が板部材14dから離反する方向に回動し、本体枠14aの左側部分を構
成する上下方向長尺の金属部分に当接する状態(可動範囲の他方の限界状態)が図示され
る。
【0627】
図94及び
図95に示すように、可動腕部182は、正面枠14の回動軸と平行な軸(
上下方向を向く軸)を中心に、約160度回転可能に構成される。この角度は、遊技店で
のパチンコ機8010の設置の状況(左右にパチンコ機8010が並設され90度以上回
転させると隣のパチンコ機8010に衝突する虞がある状況)からすれば、通常使用する
際に正面枠14に必要とされる開閉時の回動角度よりも十分大きい。
【0628】
従って、通常使用する際には、可動腕部182が弾性変形せずに本体部181に対する
回転が可能な範囲(
図94に示す状態と
図95に示す状態との間の範囲)を越えることは
無いので、可動腕部182が弾性変形により劣化し破断する虞を低くすることができる。
【0629】
次いで、ハーネスHN1〜HN3の支持態様について説明する。ハーネスHN1〜HN
3は結束可動部材180に支持されることにより、配置が規定されるので、例えば、誤っ
て外枠14と内枠12との間に挟まり、断線することを防止することができる。
【0630】
図96(a)は、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3を模式的に図示する
背面模式図であり、
図96(b)は、
図96(a)の上面模式図であり、
図96(c)は
、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3を模式的に図示する背面模式図であり
、
図96(d)は、
図96(c)の上面模式図である。
【0631】
なお、
図96(a)及び
図96(b)では、結束可動部材180の一方の限界状態が図
示され、
図96(c)及び
図96(d)では、結束可動部材180の他方の限界状態が図
示される。
【0632】
図96に示すように、中間止め部181cは、上方延設壁部173cの上端部において
左方へ向けて開放される開口から、正面枠14の回動基端側へ移動した位置に配置される
。即ち、中間止め部181cと、上方延設壁部173cの上端部において左方へ向けて開
放される開口との水平ラインが同じとされるので、上方延設壁部173cから引き延ばさ
れたハーネスHN1〜HN3を略水平に延ばし、中間止め部181cで支持することがで
きる。
【0633】
ハーネスHN1〜HN3が可動腕部182の軸支位置である円筒締結部181e付近で
中間止部181cに支持されるので、中間止め部181cを挟んだ上方延設壁部173c
の反対側におけるハーネスHN1〜HN3の形状を、結束可動部材180の可動腕部18
2の形状に沿わせたものとすることができる。これにより、
図96(b)及び
図96(d
)に示すように、ハーネスHN1〜HN3の曲がる部分の形状は、湾曲形状となり、極度
の屈曲変形が生じることを防止することができる。
【0634】
また、係止部184を板部材14dに近接する側に配置することにより、結束腕部18
3が囲う領域を、可動腕部182を挟んで板部材14dの反対側に配置することができる
。従って、特に正面枠14を内枠12に対して閉鎖する状態において(
図96(b)参照
)、ハーネスHN1〜HN3を十分大きな曲率半径で湾曲させることができる。これによ
り、ハーネスHN1〜HN3が屈曲することによる断線を防止することができる。
【0635】
図97(a)及び
図97(b)は、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN3を
模式的に図示する正面枠14、内枠12、結束可動部材180及びハーネスHN1〜HN
3の上面模式図である。なお、
図97(a)では、結束可動部材180の一方の限界状態
が図示され、
図97(b)では、結束可動部材180の他方の限界状態が図示される。
【0636】
また、
図97(a)及び
図97(b)では、前扉取付金具57(
図86参照)の中心軸
位置を示す回転中心点P57が図示されると共に、正面枠14及び内枠12が模式的に想
像線で、正面枠14及び内枠12のそれぞれに固定され回転中心点P57に軸支される部
材が実線で、模式的に図示される。回転中心点P57は、正面枠14の回転軸として示さ
れており、正面枠14に固定される結束可動部材180も正面枠14と同様に、回転中心
点P57を中心に内枠12に対して回転する。
【0637】
図97(a)に示す一方の限界状態から、
図97(b)に示す他方の限界状態までは、
可動腕部182の基端部182aが円筒締結部181eを中心に回動することで内枠12
と正面枠14との開閉に対応するので、薄板部182bに大負荷が与えられることは無く
、薄板部182bの形状変形を抑制できることで、耐久性を向上することができる(
図9
6(b)、
図96(d)も参照)。
【0638】
図97(a)及び
図97(b)に示すように、結束可動部材180に支持されるハーネ
スHN1〜HN3は、正面枠14の内枠12に対する開閉の状態に関わらず、正面枠14
の本体枠14aの左側部分を構成する上下方向長尺の金属部分(
図96(d)において、
可動腕部182の基端部182aが当接する部分)の付近を通る経路で取り回される。即
ち、ハーネスHN1〜HN3を強制的に迂回させるように取り回すことで、ハーネスHN
1〜HN3の湾曲部分が正面枠14の回動先端側に寄ることを防止することができる。
【0639】
これにより、正面枠14を開閉して行う作業時に、ハーネスHN1〜HN3が作業者の
作業の妨げになることを防止することができると共に、正面枠14の閉鎖時のハーネスH
N1〜HN3の収まり(回動基端側で一回のみ湾曲される収まり)を良くすることができ
る(
図96(b)、
図97(a)参照)。
【0640】
本実施形態では、中間止め部181cは、可動腕部182の位置によらず、逆カップ部
178の鉛直上方に配置される(
図91参照)。逆カップ部178の鉛直上方に配置され
る中間止め部181cがハーネスHN1〜HN3を支持する支持態様により、例えば、針
金やピアノ線の先端を高温に加熱して逆カップ部178を溶かして貫通させ、針金を正面
枠14と内枠12との間に進入させる不正行為の対策を行うことができる。
【0641】
即ち、逆カップ部178の下面に針金を押し当て、溶かして針金を貫通させ、遊技領域
側へ針金を進行させる場合において、逆カップ部178の上底部分から鉛直上方へ針金が
進行すると、高温に加熱された針金の先端が中間止め部181cに支持されるハーネスH
N1〜HN3に押し当てられる。そのため、ハーネスHN1〜HN3が焼き切られ、導通
が不能とされる。
【0642】
ハーネスHN1〜HN3の導通が不通となることを契機として、エラー信号を出力する
と共に警報を鳴らすように(エラー画面を表示するように)制御すること等で、不正を迅
速に発見することができる。従って、不正行為を行う者が不正の利益を得ることを防止す
ることができる。
【0643】
詳述すると、ハーネスHN1は上述したように操作ハンドル51(
図92参照)に接続
されるので、ハーネスHN1が焼き切れた場合には、操作ハンドル51を回転させても球
を発射することができなくなる。そのため、不正行為がされた後、その不正行為が発覚す
るまでの期間を短くすることができる(不正行為の早期発覚を図ることができる)。
【0644】
この場合には、遊技領域に針金を進入させ、遊技領域をいじった後で(例えば、釘を曲
げ、不正に入賞し易くした後で)、球を第1入賞口64(
図2参照)等に入賞させること
で賞球を不正に得る不正行為を行う者に対して、球の発射を不能とすることができるので
、不正の利益を与えることを防止することができる。即ち、特定の不正行為を行うことを
不可能とすることができる。
【0645】
また、ハーネスHN2は、上述したように球貸操作部40(
図92参照)に接続される
ので、ハーネスHN2が焼き切れた場合には、球貸しボタン42(
図89参照)の操作お
よび返却ボタン43(
図89参照)の操作が不能となる。従って、不正行為を行う者は、
自らの不正行為により、上述したカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に投入
した紙幣やカードの残額分の球を回収することができなくなる虞が生じるので、不正行為
に対する抑止力を働かせることができる。
【0646】
更に、カードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に投入した紙幣やカードの残高
分の球を回収することができなくなる虞を解消して不正行為を行う場合には、カードユニ
ット(球貸しユニット)の残額が0円であるにも関わらず、席を離れずに不正行為を行う
ことになるので、遊技機店側は不正行為に容易に気づくことができる。
【0647】
そもそも、ハーネスHN2の接続が断たれると、カードユニット(球貸しユニット)(
図示せず)の断線エラー(CRエラー)が出力される遊技機店では、その断線エラー(C
Rエラー)を確認することにより、容易に不正行為の可能性を把握することができる。
【0648】
図98は、通路形成ユニット140の正面図である。なお、
図98では、板金部材15
0の外形および球案内開口53の外形が想像線で図示される。
【0649】
図98に示すように、球案内開口53は、前扉側下皿通路部142の下端部およびファ
ール球通路部145の下端部に配置される。なお、本実施形態では、前扉側下皿通路部1
42の下端部は球案内開口53の左部において球案内開口53の左右幅寸法の2/3程度
の領域を占め、ファール球通路部145の下端部は球案内開口53の右部において残りの
領域(球案内開口53の左右幅寸法の1/3程度の領域)を占めるように仕切板部53a
により仕切られる。
【0650】
前扉側下皿通路部142及びファール球通路部145は、球を下皿50へ向けて流下可
能に、払出球受口部143及びファール球受口部146からそれぞれ延設される通路であ
って、左右両側へ少なくとも1回ずつ延設方向が向く(切替される)S字経路SL1,S
L2をそれぞれ備える。
【0651】
S字経路SL1により、通路形成ユニット140の上下寸法を短く維持しながら前扉側
下皿通路部142の流路長を長くすることができるので、前扉側下皿通路部142の内部
に滞留可能な球の個数を多くすることができる。これにより、窓部14c(
図86参照)
の上下寸法を大きく確保しながら、下皿50の上流側に滞留可能な球の個数を多くするこ
とができるので、遊技領域および演出領域の上下寸法を大きく確保し、且つ下皿50(及
びその上流側)に仮置き可能な球の個数が多いことにより、遊技者に与える球補充のスト
レス(下皿50分の球が無くなったら、千両箱から球を補充することを要求されること等
によりストレス)を抑制可能なパチンコ機8010を構成することができる。
【0652】
前扉側下皿通路部142及びファール球通路部145は、その延設方向が上下方向と左
右方向とで曲げられる領域としての曲げ領域NEa1,NEa2,NEb1,NEb2を
それぞれ備え、それらは共通の特徴を備える。即ち、前扉側下皿通路部142は、下流側
に形成される第1曲げ領域NEa1と、その第1曲げ領域NEa1の上流側に特徴部分の
左右が反転して配設される第2曲げ領域NEa2と、を備える。
【0653】
また、ファール球通路部145は、下流側に形成される第1曲げ領域NEb1と、その
第1曲げ領域NEb1の上流側に特徴部分の左右が反転して配設される第2曲げ領域NE
b2と、を備える。なお、特徴部分の説明においては、第1曲げ領域NEa1についてそ
の特徴を説明し、他の曲げ領域NEa2,NEb1,NEb2の説明を省略する。
【0654】
図99は、第1曲げ領域NEa1の拡大正面図である。
図99に示すように、第1曲げ
領域NEa1には、前扉側下皿通路部142の左右の側壁の内、S字経路SL1が左右へ
延びる方向の反対側に配設される側壁Naと、その側壁Naの延設方向と交差する態様で
側壁Naの上方に配設される天井壁Nbと、その天井壁Nbから下方へ延設されると共に
延設端部へ向かうほど側壁Naに近接する近接壁Ncと、を主に備え、それら各壁Na,
Nb,Ncは、通路形成ユニット140の背面側底板部から正面側へ延設される。
【0655】
近接壁Ncは、天井壁Nbの反対側の面Nc1がS字経路SL1に沿って湾曲して形成
されることにより、面Nc1は球の案内面として機能する。一方で、面Nc1の反対側の
面Nc2(天井面Nbと対向する面)は、不正に挿入された針金HM(針金や、ピアノ線
などに代表される細径の金属)の進行方向を規制する面として機能するが、詳細は後述す
る。なお、近接壁Ncは、延設下端における側壁Naとの間の隙間Ninの間隔が針金H
Mの幅寸法(直径)よりも大きく設定される。
【0656】
図99に示すように、第1曲げ領域NEa1の形状により、不正に挿入された針金HM
がより深く進入することを防止することができる。即ち、
図99に示すように、不正に挿
入される針金HMの進入経路として、球案内開口53を入口として前扉側下皿通路部14
2の上流側へ進行する経路が考えられるところ、この場合、不正行為を行う者は、針金H
Mを前扉側下皿通路部142の側壁に押し当てながら進行させることになる。
【0657】
不正行為を行う者により針金HMが第1曲げ領域NEa1における側壁Naに押し当て
られる場合には針金HMは隙間Ninに入る一方で、第1曲げ領域NEa1における側壁
Naに針金HMが押し当てられない場合であっても、前扉側下皿通路部142のS字経路
SL1により、針金HMが右方へ向けて進むことから、第2曲げ領域NEa2における側
壁Naに押し当てられ、隙間Ninに入ることになる。即ち、1対の曲げ領域NEa1,
NEa2が、左右反転して配置されることにより、針金HMをもれなく隙間Ninに進入
させることができる。
【0658】
隙間Ninに進入した場合の針金HMの進行経路の一例を
図99に示す。なお、各タイ
ミングでの針金HMの先端位置が黒丸で図示され、その際の針金HMの進行方向が矢印で
図示される。
図99に示すように、隙間Ninに進入した針金HMは、天井壁Nbと近接
壁Ncとの間に形成される先細り形状の行き止まり部分に進入する。ここで針金HMが引
っかかる(挟まる)場合には、それ以上の針金HMの進行を防止することができ、尚且つ
、針金HMが持ちされられることを防止でき、不正行為を迅速に発見することができる。
【0659】
一方で、針金HMが引っかからず、更に進行する場合であっても、隙間Ninから針金
HMが張り出す場合には、先端が下方を向いた姿勢で張り出すので、それ以上、針金HM
を進行させたとしても、針金HMの先端は下方へ進行することになる。従って、針金HM
が払出球受口部143の上流側に配置される払出装置133や、ファール球受口部146
の上流側に配置される遊技領域に到達することを防止することができる。
【0660】
これにより、針金HMを払出装置133(
図3参照)に到達させ払出装置133を誤動
作させることにより不正な払出球を得たり、針金HMを遊技領域に到達させ電動役物64
0a(
図2参照)等の可動装置を無理やり開放し不正に入賞し易くさせることで不正な払
出球を得たりして、不正行為をする者が不正な利益を得ることを防止することができる。
【0661】
図98に戻って説明する。ファール球通路部145は、球抜き通路147と合流する合
流領域CEから下流の部分の上下幅が球の直径の2倍程度(本実施形態では2倍以上)の
大きさで形成される。これにより、球抜き通路147を流下する球が合流領域CEに配置
される時に、ファール球通路部145を流下する球が合流流路CEに進入し(球同士が同
時に合流領域CEに進入し)、2個の球が縦に並んだとしても、球が上下壁部に挟まれて
噛み合う可能性を極めて小さくすることができる。これにより、合流領域CEから下流の
部分において球の流下が妨げられることを防止することができる。
【0662】
ファール球通路部145は、第1曲げ領域NEb1と第2曲げ領域NEb2との間に形
成され、各曲げ領域NEb1,NEb2を上下に連結する通路部145aを備える。通路
部145aは、左右幅が球の直径よりも若干大きな寸法で設定され、通路形成ユニット1
40の背面側底板部が下方へ向かうほど正面側に張り出して形成される。
【0663】
通路部145aよりも上流側の領域では、通路形成ユニット140の背面側底板部が通
路部145aの上流側端部と面位置とされ、通路部145aよりも下流側の領域では、通
路形成ユニット140の背面側底板部が通路部145aの下流側端部と面位置とされる。
【0664】
即ち、ファール球通路部145は、通路部145aの上流側の領域の方が、通路部14
5aの下流側の領域に比較して、前後幅が大きく設定される。なお、本実施形態では、フ
ァール球通路部145は、通路部145aの下流において前後幅が球の直径よりも若干大
きく設定される。
【0665】
一方で、本実施形態では、ファール球通路部145は、通路部145aの上流において
前後幅が球の直径の2倍よりも若干小さく設定される。従って、ファール球通路部145
に球が滞留する場合に、通路部145の上流では、複数の球が前後に位置をずらして配置
可能であることから滞留可能な個数を多くすることができる共に、前後方向に球の中心が
並ぶことは防止される(左右上下に若干ずれることになる)ので、2個の球が同時に通路
部145aに進入することを防止することができる。
【0666】
換言すれば、通路部145aへの球の進入を1個ずつに規制することができる。これに
より、ファール球通路部145にファール球が2個以上連なって流入した場合であっても
、ファール球が同時に合流領域CEに到達することを防止することができるので、合流領
域CEで球が上下壁部に挟まれて噛み合う可能性を小さくすることができる。
【0667】
ファール球受口部146は、通路形成ユニット140の背面側底板部から正面側に板状
に延設され、左側壁部に左側端部が連結されると共に、球の流下面が右方へ向かうほど下
降傾斜する傾斜板部146aと、その傾斜板部146aの鉛直下方でファール球受口部1
46を閉塞する閉塞部146bと、傾斜板部146aの下方における通路形成ユニット1
40の背面側底板部から背面側へ板状に延設され、その延設方向が背面側へ向かうほど上
方へ向く態様で湾曲する湾曲案内板部146cと、を主に備える。
【0668】
湾曲案内板部146cの上面に沿って球がファール球通路部145側(正面側)へ案内
される一方で、傾斜板部146a及び閉塞部146bの作用により、ファール球受口部1
46を正面側へ通過する球の通過位置を、ファール球受口部146の右側部に寄せること
ができる。即ち、傾斜板部146aの上面を転動して流下する球を右方へ流すことができ
ると共に、閉塞部146bにより、球がファール球受口部146の左側部を通過すること
を防止することができる。
【0669】
これにより、ファール球受口部146を通過した球がS字経路SL2に到達するまでの
期間を長くすることができる。即ち、S字経路SL2に球が到達するまでに、球の上下バ
ウンドを終えさせることができることから(球の上下位置のばらつきを小さくすることが
できることから)、S字経路SL2におけるファール球通路部145の幅を小さく(球の
直径よりも若干大きく)設定しながら、球の流下をスムーズにさせることができる。
【0670】
ファール球通路部145は、S字経路SL2を形成する範囲(例えば、通路部145a
)において、通路幅が小さく(球の直径よりも若干大きく)設定されることから、それよ
りも大きな外形の不正道具がファール球通路部145を通過することを防止することがで
きる。
【0671】
次いで、正面枠14の正面側の構造について説明する。
図100は、正面枠14の正面
分解斜視図であり、
図101は、正面枠14の背面分解斜視図である。なお、
図100及
び
図101では、電飾部8030を構成する上パネルユニット400の構成部材が本体枠
14aから分解された状態が図示される。
【0672】
上パネルユニット400は、左右に長尺に形成されるユニットであって、左右端部が電
飾部8031及び電飾部8032を構成する右パネルユニット500に下支えされる。こ
の下支えの構造において、上パネルユニット400の右側端部の下端部には、被覆カバー
370の支持溝376と同様に、背面側から正面側へ向けて凹設されるテーパ形状の被支
持溝417(
図118参照)が形成され、その被支持溝417を構成する左右の爪部に右
パネルユニット500の上端部に形成される嵌合溝522b,562b(
図108及び図
109参照)が嵌合されることにより、上パネルユニット400と右パネルユニット50
0とが連結される。
【0673】
これにより、上パネルユニット400と右パネルユニット500とを直接締結固定する
ことを不要としながら、それぞれ本体枠14aに締結固定することにより、互いに連結固
定することができる。なお、上パネルユニット400の被支持溝417の形状から、本体
枠14aへの組み付け順序が、右パネルユニット500を締結固定した後で、上パネルユ
ニット400を締結固定する順序に規定される。なお、上パネルユニット400の詳細は
後述する。
【0674】
また、左右に分割される右パネルユニット500の重板ユニット500R,500Lに
それぞれ配設される嵌合溝522b,562b(
図108及び
図109参照)を、被支持
溝417を構成する左右の爪部が挟んで嵌合する構成により、重板ユニット500R,5
00Lが左右に離間することを防止することができる。従って、組立状態(嵌合した状態
、
図86参照)において右パネルユニット500が分解されることを防止することができ
る。
【0675】
図102は、正面枠14の分解正面斜視図であり、
図103は、正面枠14の分解背面
斜視図である。
図102及び
図103では、本体枠14aの正面側において本体枠14a
と上パネルユニット400(
図89参照)とに前後で挟まれる上辺板部材14eと、多機
能カバー部材171,172とが本体枠14aから分解された状態が図示される。
【0676】
上辺板部材14eは、スピーカー組立体450を上側枠部材410との間で挟み込む部
材であって(
図101参照)、スピーカー組立体450の凹設部462,482(
図12
1及び
図122参照)に嵌合される円柱形状の締結部14e1を備える。
【0677】
締結部14e1は、その背面側からネジが挿通される貫通孔を備え、その貫通孔を通っ
たネジを上側枠部材410の第2締結部419b(
図101参照)に締結することで、上
側枠部材410と上辺板部材14eとを締結固定するための部分である。
【0678】
図104は、正面枠14の分解正面斜視図である。なお、
図104では、本体枠14a
に穿設される挿入孔に背面側から挿入されるビスにより本体枠14aに締結固定される右
パネルユニット500が本体枠14aから分解された状態が図示され、上パネルユニット
400、上辺板部材14e及び多機能カバー部材171,172の図示が省略される一方
、被覆カバー370は参考として図示される。
【0679】
なお、被覆カバー370は、実際の組立手順としては、パネルユニット500が本体枠
14aに組み付けられてから、本体枠14aに組み付けられる。また、右パネルユニット
500は、右側壁部がパチンコ機8010の右側縁を形成する(
図86参照)。
【0680】
図105は、右パネルユニット500の分解正面斜視図であり、
図106は、右パネル
ユニット500の分解背面斜視図であり、
図107は、支持板部510の正面図であり、
図108及び
図109は、重板ユニット500L,500Rの分解正面斜視図である。な
お、
図108では、右側を正面側へ向けた斜視図が、
図109では、左側を正面側へ向け
た斜視図が、それぞれ図示される。
【0681】
図105から
図109に示すように、右パネルユニット500は、左右方向で重ね合わ
される左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rと、それら重板ユニット50
0L,500Rが締結固定されると共に本体枠14a(
図104参照)に締結固定される
上下に長尺な板状の支持板部510と、を主に備える。
【0682】
支持板部510に背面側から正面側へ向けて挿通されるビスにより重板ユニット500
L,500Rは支持板部510に締結固定され、その状態で支持板部510は、本体枠1
4aに背面側から正面側へ向けて挿通されるビスにより本体枠14a(
図104参照)に
締結固定される。
【0683】
支持板部510は、本体枠14aと対向する側の外側縁(右側縁)から背面側へ延設部
511aが板状に延設されることで断面L字形状に形成されると共に、組立状態(
図86
参照)において延設部511aの内壁(左側壁)が本体枠14aの外側面に当接する固定
板511と、その固定板511の正面側において固定板511に締結固定される基板部材
512と、その基板部材512の左側において固定板511に穿設される複数のカバー側
通し孔513と、基板部材512の右側において固定板511に穿設される複数のレンズ
側通し孔514と、そのレンズ側通し孔514よりも右側において固定板511に穿設さ
れるピン支持孔515と、を主に備える。
【0684】
固定板511は、基板部材512と正面視で重なる形状で基板部材512側部分が正面
側へ向けて台状にせり出す台部511bを備え、その台部511bの正面に面当たりする
状態で基板部材512が固定板511に締結固定される。
【0685】
台部511bは、組立状態(
図86参照)において、重板ユニット500L,500R
に幅方向で当接可能とされるので(
図115(b)参照)、重板ユニット500L,50
0Rの左右方向への倒れを抑制することができる。即ち、支持板部510に対する重板ユ
ニット500L,500Rの姿勢を維持し易くすることができる。
【0686】
本実施形態では、固定板511の右側側面においては、台部511bよりも延設部51
1aの方が、外カバー部材560の板厚分右側に位置ずれすることにより、延設部511
aの正面側で前後方向で外カバー部材560が支持板部510に当接する一方、固定板5
11の左側側面においては、台部511bの側面とほぼ面位置の面として背面側端部まで
形成されることにより、内カバー部材520の背面側端部が支持板部510の背面側端部
の面位置に配置可能とされ、組立状態(
図86参照)において、内カバー部材520の内
側面521b1が支持板部510の左側面511cと当接する。
【0687】
基板部材512は、正面側に複数のLED512aが配置される電子基板(プリント基
板)である。本実施形態では、複数のLED512aは、隣同士で所定の間隔(本実施形
態では、11[mm]間隔)を空けて、導光部材540の湾曲形状に合わせて湾曲する列
上に配置される。即ち、複数のLED512aは、導光部材540が正面から投影された
形状の内側に配置され、導光部材540の真後ろから導光部材540へ向けて互いの光軸
を平行にする姿勢で光を照射する(
図107参照)。
【0688】
LED512aの幅(発光部分の左右幅)よりも、導光部材540のLED512a側
の端面の幅が長く形成される(
図107想像線参照)ので、LED512aから照射され
る光は漏れなく導光部材540に入射し、導光部材540のいずれかの面から出射するこ
とになるが、光の出入およびその経路に関しては後述する。
【0689】
カバー側通し孔513は、内カバー部材520に配設される背面締結部527を位置決
めすると共に、その背面締結部527に締結されるビスが背面側から挿通される孔である
。背面締結部527にビスが締結されることにより、内カバー部材520が支持板部51
0に固定される。
【0690】
レンズ側通し孔514は、外レンズ部材550に配設される背面締結部556を位置決
めすると共に、その背面締結部556に締結されるビスが背面側から挿通される孔である
。背面締結部556にビスが締結されることにより、外レンズ部材550が支持板部51
0に固定される。
【0691】
ピン支持孔515は、外カバー部材560の突出部566が挿通される貫通孔である。
ピン支持孔515は、左右幅が突出部566の直径よりも若干大きく設定される一方、上
下幅が突出部566の直径の約2倍の長さで設定される。従って、外カバー部材560の
左右位置を厳密に規定しながら、外カバー部材560を支持板部510に当接させ締結固
定する際の作業効率を向上させることができる。
【0692】
即ち、支持板部510に重板ユニット500L,500Rが正面側から当接する締結準
備状態において、支持板部510に対して板ユニット500L,500Rが上下に若干位
置ずれしている場合(突出部566の直径程度上下に位置ずれしている場合)であっても
、突出部566をピン支持孔515に挿通することができる。これにより、突出部566
をピン支持孔515に挿通させてから、支持板部510に対して重板ユニット500L,
500Rを位置ずれ分だけ上下に移動させることで、位置ずれを無くし、容易に締結固定
を行うことができる。
【0693】
図108及び
図109に示すように、左重板ユニット500Lは、窓部14c(
図86
参照)の右縁を構成すると共に光を非透過な樹脂材料から形成される内カバー部材520
と、その内カバー部材520に右側から締結固定されると共に光透過性の無色の樹脂材料
から形成される内レンズ部材530と、を備える。
【0694】
右重板ユニット500Rは、左重板ユニット500Lと対向配置される導光部材540
と、その導光部材540と左右方向で面当たりし、正面側端部が前後方向で対向配置され
ると共に光透過性の白色の樹脂材料から形成される外レンズ部材550と、その外レンズ
部材550の右側に配置され、光を非透過な樹脂材料から形成されると共に導光部材54
0及び外レンズ部材550が締結固定される外カバー部材560と、を主に備える。
【0695】
次いで、各部材の詳細について説明する。
図110及び
図111は、重板ユニット50
0L,500Rの分解正面斜視図である。なお、
図110では、右側を正面側へ向けた斜
視図が、
図111では、左側を正面側へ向けた斜視図が、それぞれ図示され、重板ユニッ
ト500L,500Rを構成する5枚の板部材が分解して図示される。
【0696】
内カバー部材520は、上下に長尺の板状に形成される本体板部521と、その本体板
部521の上端に配設されると共に外カバー部材560に締結固定される上側締結部52
2と、本体板部521の下端に配設されると共に外カバー部材560に締結固定される下
側締結部523と、本体板部521に開口される複数の開口部524と、内レンズ部材5
30に挿通される円筒部であって内レンズ部材530を内カバー部材520に固定するビ
スが螺入される複数の短締結部525と、その短締結部525よりも長尺に形成され、内
レンズ部材530に挿通される円筒部であって外カバー部材560を内カバー部材520
に固定するビスが螺入される複数の長締結部526と、本体板部521の右側に突設され
ると共に背面側から支持板部510を固定するネジが螺入される複数の背面締結部527
と、を主に備える。
【0697】
本体板部521は、正面側端部521aが波形状とされ、その波形状の短幅部分(背面
側に寄る部分)において正面側端部521aと背面側基部521bとを連結する連結板部
521cを備える。
【0698】
背面側基部521bは、組立状態(
図86参照)において支持板部510の台部511
b左側面と面当たりする(形状が合致する)内側面521b1を備える。
【0699】
連結板部521cは、背面側へ向かう程左方へ傾斜する姿勢で配設される板状部であり
、この連結板部521cにより、開口部524が区画される。
【0700】
連結板部521cは、本実施形態では、上下等間隔で配置されるものでは無く、下方側
から上方側へ向かうにつれて順に間隔が広くなるように配置される(
図114参照)。こ
れにより、複数の開口部524の開口広さを異ならせ、光による演出効果を開口部524
毎に異ならせることができる。
【0701】
上側締結部522は、外カバー部材560を締結固定するネジが螺入される円筒部であ
って前後方向に並設される一対の締結部522aと、左外側面において左右方向に凹設さ
れる嵌合溝522bと、を備える。
【0702】
嵌合溝522bは、上パネルユニット400の被支持溝417(
図118参照)を構成
する左右の爪部が嵌合される溝として形成される。
【0703】
下側締結部523は、外カバー部材560を締結固定するネジが螺入される円筒部であ
る締結部523aと、左外側面において左右方向に凹設される嵌合溝523bと、を備え
る。即ち、外カバー部材560は、上端部において2箇所、下端部において1箇所でネジ
が挿通され、内カバー部材520に締結固定される。
【0704】
嵌合溝523bは、被覆カバー370(
図92参照)の支持溝376を構成する左右の
爪部が嵌合される溝として形成される。
【0705】
開口部524は、上下4箇所で並設されると共に組立状態において内レンズ部材530
を視認する窓として機能する。開口部524の各外形部は、連結板部521cを端部(左
端部)として右方に張り出す湾曲形状から形成される。即ち、各開口部524は、連結板
部521cの左端部よりも右方に凹んで配置される(
図114参照)。
【0706】
短締結部525は、背面側基部521bと連結板部521cとの境界部分に配設される
(
図110参照)。この境界部分は、本実施形態におけるデザイン状、内カバー部材52
0の表面(左側面)が左方に張り出す部分に対応する(
図111参照)。背面側基部52
1bの表面は、上述した境界部分の間においては、デザイン状、右方に凹んで湾曲する。
即ち、背面側基部521bの表面は、上下方向に進むにつれ、左右に波打つ波形状から形
成される。
【0707】
この場合、短締結部525を、デザイン状表面側に張り出す部分の裏面側に配置するこ
とになる。内カバー部材520を均一な厚みで形成する場合、デザイン状張り出す部分の
裏面は、逆に、デッドスペースとなりやすい窪みが形成される。これに対し、本実施形態
では、短締結部525を内カバー部材520の窪みに配設することで、デッドスペースを
有効活用でき、内カバー部材520の裏面側(内レンズ部材530側)のスペース効率を
向上させることができる。
【0708】
内レンズ部材530は、前後端部の形状が内カバー部材520の前後端部の形状に倣っ
て形成される。即ち、内レンズ部材530は、上下に長尺の板状に形成される本体板部5
31の正面側端部531aが、内カバー部材520の正面側端部521aの形状とほぼ合
致する波形状とされる。
【0709】
正面側端部531aは、本体板部531の正面側縁から右方に延設される湾曲面を形成
し、波形状を構成する曲線の前後方向への切り替え位置において、前後方向に穿設される
と共に外レンズ部材550の凸設部551b(
図109参照)が挿通される支持孔531
b,531cを備える。
【0710】
支持孔531bは、正面側端部531aの波形状の前寄り部分に形成され、その背面側
には内カバー部材520の短締結部525を締結固定するビスが通る貫通孔531b1が
形成される。即ち、支持孔531bの背後においてビスが締結固定されるので、支持孔5
31b付近に負荷がかけられたとしても、支持孔531bが変形したり、位置ずれしたり
することを防止することができる。
【0711】
支持孔531cは、正面側端部531aの波形状の後寄り部分に形成され、その背面側
には導光部材540と当接可能な位置まで延設される傾斜リブ部532が配設される。即
ち、支持孔531cの背後における剛性が傾斜リブ部532に強化されるので、支持孔5
31c付近に負荷がかけられたとしても、支持孔531cが変形したり、位置ずれしたり
することを防止することができる。
【0712】
なお、本体板部531は、上下方向における支持孔531bと支持孔531cとの間の
位置に、長締結部526を挿通可能な大きさで左右方向に穿設される貫通孔531dを備
える。長締結部526が貫通孔531dに挿通されることにより、内カバー部材520と
内レンズ部材530との位置合わせを行うことができる。
【0713】
傾斜リブ部532は、内カバー部材520の連結板部521cに対応する位置(右側位
置)に配置され、連結板部521cの上下縁部から右方に延設される一対の上下板部53
2aと、それら一対の上下板部532aの間を上下方向に連結する複数の補強板部532
bと、を主に備える。
【0714】
上下板部532aは、導光部材540との間の隙間を埋める態様で延設される。即ち、
内レンズ部材530が内カバー部材520同様、背面側へ向かうにつれて左方に張り出す
形状とされている関係上、背面側へ向かうにつれて左右幅が長くなる形状(上面視で正面
側端部を先端とする三角形状)とされる。
【0715】
内レンズ部材530は、開口部524を通る態様で本体板部531から左方へ張り出し
て形成される張出部533を備える。張出部533は、張り出す側とは反対側に、波状に
凸設されると共に波状の湾曲面に光を散乱させる形状が形成される光散乱部533aを備
える。
【0716】
導光部材540は、熱可塑性樹脂からなり、背面側に配置されるLED512aから照
射される光の進行方向を左右方向へ向け変える凹状部が格子状に配置された網点パターン
として左右両側面に形成される、いわゆる導光板である。即ち、LED512aから導光
部材540の背面側端部に照射された光の少なくとも一部は、導光部材540を介して左
右方向に向け変えられ、内レンズ部材530又は外レンズ部材550に照射される。なお
、導光部材540は、LED512aの配置(
図105及び
図107参照)に対応した湾
曲形状に熱曲げ加工され、厚み方向の幅寸法が、背面側(LED512a側)の端面から
、正面側の端面へ向けて徐々に先細りする形状から形成される。
【0717】
ここで、凹状部は、いわゆるエッジライト型の光源(本実施形態では、LED512a
)からの光を均一な面発光に変えるための加工部である。凹状部は、左右側から窪む切り
欠き状の凹部であり、LED512aからの入射光を反射または屈折させて、導光部材5
40の左右側面の表面から出射させる。
【0718】
本実施形態では、一例として、凹状部は、底面に対する傾斜角度45°且つ底円の直径
約1mmの円錐形状部が、約3mm間隔で格子状に分散配置されるパターンを有する型板
を熱可塑性樹脂に押し当てる(熱プレスする)ことにより形成される。LED512aか
ら照射された光の内、凹状部に到達した光は、凹状部により反射し、導光部材540の左
右側面から概略垂直な方向へ出射される。
【0719】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されないが、透明性を有するものが好まし
く、アクリル系樹脂(メタクリル系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂
、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、AS樹脂(
アクリロニトリル、スチレン共重合化合物)を例示することができる。このうち、特にア
クリル系樹脂を用いることで、平均輝度が高く、輝度分布の低下が少ない導光部材540
を得ることができる。
【0720】
本実施形態では、導光部材540は、LED512a側端部の厚みが5mmに設定され
る。厚みを3mmから8mmまでで設定することで、LED512aからの光を効率的に
誘導できると共に、熱曲げ加工後の形状の保持性が向上し、実用的な強度を得ることがで
きる。
【0721】
導光部材540は、組立状態(
図86参照)において、正面側端部の形状が内レンズ部
材530の正面側端部531aよりも若干背面側へ位置ずれした波形状から形成されると
共に左右にも波打つ波形状から形成される。
【0722】
左右の波形状については、本発明では厳密なものではない。波型の度合いについては、
とくに制限はないが、曲面部分において、曲率半径(R)が200mm以上、700mm
以下であるのが好ましい。このような曲率半径(R)とすることにより、熱曲げ加工後の
歪が少なく、実用的な機械特性を良好に保ちつつ、立体的な自由度の付与の可能なデザイ
ンを提供することができる。
【0723】
なお、左右に波打つ波形状の詳細は後述する(
図114参照)が、内カバー部材520
の連結板部521cに対応する位置で左方へ位置し、隣り合った連結板部521cに対応
する位置の間の位置で右方へ位置する(内カバー部材520から離れて位置する)態様の
波形状とされる。
【0724】
左右方向への波形状は、上述したように、凹状部が形成された基材を熱曲げ加工するこ
とにより形成される。本発明の熱曲げ加工の方法としては、基材となる熱可塑性樹脂の荷
重たわみ温度+10〜40℃の加熱温度に加熱した状態で湾曲した凹面(雌型)と凸面(
雄型)をもつ金型に基材を押圧してなされる。より具体的には、熱可塑性樹脂がアクリル
系樹脂を主成分とする場合には、加熱温度は110℃以上、150℃以下とすることがで
きる。具体的には、130℃以上、150℃以下でなされることが好ましい。
【0725】
このときの基材の加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点以下とする。加熱時の基材の温度を
荷重たわみ温度+40℃以下、かつ融点以下とすることで、基材の表面に設けられた導光
パターンの形状を崩すことがなく、熱曲げ加工の前後において光源光の反射角度が変動す
ることが抑制できる。これにより、導光板における輝度低下や輝度分布のムラを防ぐこと
ができる。また、このような加熱温度条件とすることにより、導光板への歪を抑えること
ができる。
【0726】
導光部材540は、導光板を構成する湾曲板形状の本体板部541と、その本体板部5
41の上下端部から上下方向に延設されると共に外カバー部材560に締結されるネジが
挿通される締結部542と、を主に備える。
【0727】
導光部材540は、締結部542と、長締結部526から退避するための凹部541a
以外の位置では、左右方向に貫通する部分を持たない。即ち、導光部材540は、少なく
とも開口部524を左右方向で投影する投影面の内側において孔の無い一枚板で構成され
るので、開口部524を通した光による演出の演出効果を向上させることができる。導光
部材540の背面側端部は、内レンズ部材530の背面側端部とほぼ面位置とされる。
【0728】
外レンズ部材550は、上下に長尺の板状に形成される本体板部551と、その本体板
部551の上下端部に配設され導光部材540の締結部542が内嵌支持される内嵌部5
52と、外カバー部材560に締結されるビスが挿通される貫通孔として構成されえる複
数の挿通孔553と、それら複数の挿通孔553で囲まれる領域において右方へ張り出し
、外カバー部材越しに視認可能とされる張出部554と、内カバー部材520の長締結部
526が挿通される複数の貫通孔555と、本体板部551の背面側に突設されると共に
背面側から支持板部510を固定するネジが螺入される複数の背面締結部556と、を主
に備える。
【0729】
外レンズ部材550は、前後端部の形状が導光部材540の前後端部の形状に倣って形
成される。即ち、外レンズ部材550は、本体板部551の正面側縁から左方へ延設され
湾曲面を構成する正面側端部551aが、導光部材540の正面側端部の形状とほぼ合致
する波形状とされ、導光部材540の正面側端部に対して正面側に若干位置ずれして配置
される。本実施形態では、導光部材540の正面側端部と、外レンズ部材550の正面側
端部551aとが、上下方向のどの位置においても前後方向に等間隔を空けて配置される
よう形成される。
【0730】
正面側端部551aは、波形状を構成する曲線の前後方向への切り替え位置において、
正面側へ凸設され、組立状態(
図86参照)において支持孔531b,531cに内嵌さ
れる複数の凸設部551bを備える。
【0731】
正面側端部551aの導光部材540と対向配置する側の反対側の面には、正面側へ、
側面視半円状に膨出する膨出部551a1(
図115(a)参照)が上下に無数に形成さ
れる。この膨出部551a1が、導光部材540の正面側端面から出射される光を散乱す
るように機能することで、LED512aが所定の間隔で離間して配置されていても、導
光部材540の正面側端面における発光を、上下に連なる帯状の発光態様とすることがで
きる。
【0732】
挿通孔553は、張出部554の形状として内側(本体板部551の面の内側)に凹む
形状の凹設深部に配設される。これにより、外レンズ部材550の外カバー部材560に
対する締結を強固なものとすることができ、外レンズ部材550が外カバー部材560か
ら剥がされることを防止することができる。
【0733】
右重板ユニット500Rでは、支持板部510と締結固定するビスが螺入する背面締結
部556が外レンズ部材550に配設され、外カバー部材560には配設されない。その
ため、外カバー部材560の配置を、支持板部510の右側縁(パチンコ機8010の外
側縁)に最大限寄せて配置することができる(ビス直径や、ビスの配置によらず配置する
ことができる)。これにより、遊技者と対向配置される領域(右パネルユニット500の
左側の領域)を拡大することができる。
【0734】
本体板部551は、導光部材540と対向配置される側の面が、導光部材540の面形
状(湾曲形状)に合わせて湾曲形成され、組立状態(
図86参照)において、導光部材5
40と本体板部551とが面で当接する(
図114(b)参照)。
【0735】
これにより、導光部材540が本体板部551に対して対向配置される方向に位置ずれ
することを防止することができる。加えて、本体板部551は支持板部510に直接締結
固定されているので、本体板部551を介して支持板部510と導光部材540とが位置
合わせされる。
【0736】
従って、支持板部510に固定される基板部材512に配設されるLED512aと、
導光部材540とが位置ずれすることを防止することができ、LED512aから導光部
材540へ光を精度よく入射させることができる。
【0737】
外カバー部材560は、上下に長尺の板状に形成される本体板部561と、その本体板
部561の上端部において、内カバー部材520の締結部522aを受け入れ可能とされ
る受入れ面であって、締結部522aのビス孔の直径よりも若干大きな縦幅と、その縦幅
よりも長い横幅の長円形状で形成される長孔部を有すると共に反対側からビスが挿通され
る複数のビス受部562aを有する上側被締結部562と、本体板部561の下端部にお
いて、内カバー部材520の締結部523aを受け入れ可能とされる受入れ面であって、
締結部523aのビス孔の直径よりも若干大きな縦幅と、その縦幅よりも長い横幅の長孔
形状で形成されると共に反対側からビスが挿通されるビス受部563aを有する下側被締
結部563と、本体板部561の正面側端部において、内カバー部材520の長締結部5
26を受け入れ可能とされる受入れ面であって、その長締結部526のビス孔の直径より
も若干大きな縦幅と、その縦幅よりも長い横幅の長孔形状で形成されると共に反対側から
ビスが挿通される複数のビス受部564と、外レンズ部材550の張出部554の外形よ
りも若干大きな内形で開口形成される開口部565と、本体板部561から背面側へ凸設
される複数の突出部566と、を主に備える。
【0738】
上側被締結部562は、上側締結部522の嵌合溝522bと対応する上下位置におい
て、左右幅方向に凹設される嵌合溝562bを備える。嵌合溝562bは、上パネルユニ
ット400の被支持溝417(
図118参照)を構成する左右の爪部が嵌合される溝とし
て形成される。
【0739】
下側被締結部563は、下側締結部523の嵌合溝523bと対応する上下位置におい
て、左右幅方向に凹設される嵌合溝563bを備える。嵌合溝563bは、被覆カバー3
70(
図92参照)の支持溝376を構成する左右の爪部が嵌合される溝として形成され
る。
【0740】
即ち、右パネルユニット500は、上下の嵌合溝562b,563bにより上パネルユ
ニット400及び被覆カバー370と嵌合により連結される。ここで、右パネルユニット
500は、上パネルユニット400及び被覆カバー370と上下方向に面で当接するので
(
図86参照)、被覆カバー370により、右パネルユニット500が正面側に張り出し
た形状であっても安定して支持することが可能となり、その安定して支持された右パネル
ユニット500により、上パネルユニット400を支持することができる。従って、上パ
ネルユニット400の許容重量を増加させることができる。
【0741】
開口部565は、外レンズ部材550の張出部554が内嵌される形状で形成される(
張出部554の外形と同等の内側形状から形成される)。そのため、開口部565と張出
部554との左右方向の隙間にアクセスする経路を狭めることができるので、外レンズ部
材550を外カバー部材560から剥がす不正行為を抑制することができる。
【0742】
図112及び
図113を参照して、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500
Rの組立方法について説明する。
図112(a)は、右パネルユニット500の側面図で
あり、
図112(b)は、
図112(a)のCXIIb−CXIIb線における右パネル
ユニット500の部分拡大断面図であり、
図113(a)は、右パネルユニット500の
側面図であり、
図113(b)は、
図113(a)のCXIIIb−CXIIIb線にお
ける右パネルユニット500の部分拡大断面図である。
【0743】
なお、
図112(a)及び
図112(b)では、凸設部551bが支持孔531bの背
面側に配置される状態が図示され、
図113(a)及び
図113(b)では、凸設部55
1bが支持孔531bに挿通された状態が図示される。
【0744】
右パネルユニット500の組立は、左重板ユニット500Lの本体板部531と右重板
ユニット500Rの正面側端部551aの左側端部を左右方向で当接させた状態(
図11
2(b)参照)で、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500Rの正面側から近づ
け、凸設部551b,551cを支持孔531bに挿通することにより行うことができる
。
【0745】
このように、右パネルユニット500の正面側先端において、凸設部551b,551
cを支持孔531bに挿通し嵌め合わすことで左重板ユニット500Lと右重板ユニット
500Rとが固定される構成を採用することにより、右パネルユニット500の正面側先
端の設計自由度を向上させることができる。
【0746】
例えば、本実施形態では、上記構成を採用した結果、右パネルユニットの正面側端部(
導光部材540の正面側面よりも正面側)に配置され左重板ユニット500Lと右重板ユ
ニット500Rとを締結固定するネジの個数を低減することができ、それにより、ネジに
より光が遮られる領域を減らすることができるので、導光部材540の正面側端面から出
射される光を上下方向に亘る帯状に視認させ易くすることができる。
【0747】
また、例えば、本実施形態では、右パネルユニット500の正面側先端において左重板
ユニット500Lと右重板ユニット500Rとを締結固定するネジ(締結箇所)を減らし
たことにより、締結時に誤って導光部材540に負荷が与えられることで導光部材540
が破損する虞がある範囲を減らすことができる。そのため、導光部材540を、右パネル
ユニット500の正面側先端付近(先細り先端付近)まで配置可能な範囲を広げることが
できる。これにより、導光部材540が右パネルユニット500の正面側先端付近におい
て途切れて視認されることを防止することができる。
【0748】
なお、左重板ユニット500Lを右重板ユニット500Rの正面側から近づけ、凸設部
551b,551cを支持孔531bに挿通する時には、左重板ユニット500Lの内レ
ンズ部材530の傾斜リブ部532と、右重板ユニット500Rの導光部材540とが、
前後方向に沿って互いに平行な関係の面を構成し、その面同士で当接可能な位置関係とさ
れる。即ち、傾斜リブ部532と導光部材540との当接面が、左重板ユニット500L
を右重板ユニット500Rに対して前後方向に移動させる際の案内面(ガイド)として機
能するので、右パネルユニット500の組立を容易に行うことができる。
【0749】
ここで、メンテナンス等で、右パネルユニット500を分解する際の方法について説明
する。右パネルユニット500は、上述したように、支持板部510に左重板ユニット5
00L及び右重板ユニット500Rがそれぞれ締結固定により組み付けられるところ、そ
の組み付けの手順は、少なくとも2通りの手順が考えられる。
【0750】
1つ目の手順は、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rを互いに締結固
定した後で、支持板部510に締結固定する方法であり、2つ目の手順は、右重板ユニッ
ト500Rを単独で支持板部510に締結固定し、その後、左重板ユニット500Lを右
重板ユニット500Rに近づけ、凸設部551b,551cを支持孔531bに挿通し、
左重板ユニット500Lを右重板ユニット500R及び支持板部510とそれぞれ締結固
定する方法である。そして、この2通りの手順は、右パネルユニット500の分解時にも
同様に採用することができる。
【0751】
このように、2通りの手順で組み付け、分解を行うことができるので、メンテナンス等
を行う作業者は、交換が必要な部品の箇所により、どちらの手順で右パネルユニット50
0を分解、組み付けを行うかを選択することができ、作業時間の短縮を図ることができる
。
【0752】
なお、どちらの手順で分解する場合であっても、左重板ユニット500L及び右重板ユ
ニット500Rの分解のためには、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500R
を面方向に互いにスライドする必要がある。凸設部551b,551cと支持孔531b
との嵌合を解除する必要があるからである。そして、左重板ユニット500L及び右重板
ユニット500Rを面方向に互いにスライドする際には、少なくともどちらか一方を支持
板部510から分解する必要がある。
【0753】
このように、凸設部551b,551cと支持孔531bとを嵌合する構成は、右パネ
ルユニット500をパチンコ機8010(
図86参照)の外方からこじ開けて(分解して
)、右パネルユニット500の内部を伝ってパチンコ機8010の内部に進入する不正行
為の防止に役立っている。
【0754】
即ち、右パネルユニット500の正面側部分をビスの締結で固定する場合には、そのビ
スを取り外すことで、容易に右パネルユニット500を分解でき、不正行為を容易に行う
ことができる一方で、本実施形態のように、右パネルユニット500の左重板ユニット5
00L及び右重板ユニット500Rが支持板部510の背面側から挿通されるネジで支持
板部510に締結固定され、そのネジを正面枠14(
図104参照)の背面側から取り外
さなければ、左重板ユニット500L及び右重板ユニット500Rを分解することが困難
な構成とすることで、パチンコ機8010の外方から右パネルユニット500を分解する
ことを困難とすることができる。従って、右パネルユニット500の内部を伝ってパチン
コ機8010の内部に進入する不正行為を防止することができる。
【0755】
図114を参照して、右パネルユニット500の導光部材540の形状および、演出に
おける効果について説明する。
図114(a)は、右パネルユニット500の側面図であ
り、
図114(b)は、右パネルユニット500の背面図であり、
図114(c)は、右
パネルユニット500の側面図である。なお、
図114(a)から
図114(c)では、
支持板部510の図示が省略される。
【0756】
導光部材540には、支持板部510のLED512a(
図105参照)から発される
光が背面側から照射され、導光部材540に入射された光は、導光部材540の作用によ
り、左右方向に向け変えられる。この時、光は導光部材540の面と直交する方向に出射
される。
【0757】
導光部材540は左右方向に波打つ湾曲形状とされる(
図114(b)参照)ので、凹
面形状を形成する側は光が集光し、凸面形状を形成する側は光が拡散される。例えば、複
数の開口部524の内、最も上方に配置される開口部524と対応する位置において、導
光部材540は開口部524側(左側)が曲率半径R1の凹面形状とされるので、導光部
材540から開口部524側へ出射される光を集光させて演出することができる。これに
より、開口部524を通して視認される光の強度を向上させることができる。
【0758】
加えて、その反対側(右側)は凸面形状とされるので、複数の開口部524の内、最も
上方に配置される開口部524と対応する位置において、導光部材540から外レンズ部
材550側へ出射される光を拡散させ、演出に用いることができる。
【0759】
このように、本実施形態では、上下位置が同じであっても、導光部材540を境に左右
で実行される光の演出の態様(集光されるか、拡散されるか)に違いを設けることができ
、演出効果を向上させることができる。
【0760】
なお、光の演出の態様の違いは、導光部材540の湾曲形状によってのみ生じるもので
は無く、種々の態様が例示される。例えば、導光部材540に切り欠かれる凹状部の形状
を領域によって分けたり、導光部材540の厚みを領域によって分けたりすることによっ
ても、左右両面における光の演出の態様を異ならせることができる。
【0761】
導光部材540は、開口部524と対向する位置において、常に開口部524側が凹面
形状に形成され、その凹面形状の曲率半径は、開口部524の大きさに対応して変化する
。即ち、上3箇所の開口部524について、開口部524が上側へ向かう程、上下幅が大
きくされることに対応して、導光部材540の凹面の曲率半径も、上から2個目の開口部
524に対応する位置における曲率半径R2の方が、曲率半径R1よりも短くされ(R1
>R2)、同様に、上から3個目の開口部524に対応する位置における曲率半径R3の
方が、曲率半径R2よりも短くされる(R1>R2>R3)。
【0762】
これにより、基板部材512に配置されるLED512aの配設間隔に変化が無い場合
であっても、開口部524毎に集光される光を出射するLED512aの個数が異なるの
で、開口部524を通して視認される光の光量を、開口部524毎に変化させることがで
きる。即ち、本実施形態によれば、上側の開口部524の方が、下側の開口部524に比
較して、視認される光の光量を大きくすることができる。
【0763】
また、一番下の開口部524、即ち、上から4個目の開口部524に対応する位置にお
ける曲率半径R4は、曲率半径R1と同等に形成される(R4≒R1)と共に、凹面の中
心から出る法線が若干斜め上を向く形状とされる。そのため、上下端の開口部524を通
して視認される光の光量を強めにでき、光の演出にメリハリをつけることができると共に
、一番下の開口部524を通して出射される光を遊技者の目線へ向けて上向きに出射する
ことができる。
【0764】
各開口部524の上下幅W1〜W4が、
図114(c)に示すように、開口部524の
上辺の中点と、下辺の中点とを側面視で結ぶ長さとして図示される。曲率半径R1の部分
と対向配置される開口部524の幅が上下幅W1であり、曲率半径R2の部分と対向配置
される開口部524の幅が上下幅W2であり、曲率半径R3の部分と対向配置される開口
部524の幅が上下幅W3であり、曲率半径R4の部分と対向配置される開口部524の
幅が上下幅W4である。
【0765】
本実施形態では、各開口部524の内、下の開口部524程、上下幅W1〜W4が縮小
される態様で形成される(W1>W2>W3>W4)。即ち、曲率半径R1〜R3の部分
において、曲率半径R1〜R3の大小関係と、開口部524の上下幅W1〜W3の大小関
係とを関係づけている。これにより、光の集光の度合いが弱い箇所(例えば、曲率半径R
1の部分)においては開口部524の上下幅W1が大きくし開口部524に光が十分入射
するようにする一方、光の集光の度合いが強い箇所(例えば、曲率半径R3の部分)にお
いては開口部524の上下幅W3を上下幅W1に比較して小さくし、開口部524に光が
入射しすぎることを避けている。従って、本実施形態の構成により、開口部524毎の発
光態様を均一化することができる。
【0766】
なお、
図114(b)に示す各曲率半径R1〜R4の中心点は、導光部材540の左方
に出射される光の焦点に対応する点であり、上下方向において各上下幅W1〜W4の略中
間位置に配置される。
【0767】
導光部材540は、開口部524の境目の領域KEにおいて、左側へ凸面形状とされる
。ここで、領域KEは、前後方向に延びる帯状の領域であって、上下端が隣り合う開口部
524と干渉しない領域として定義される。即ち、
図114(c)に示すように、領域K
Eの上端は、その上方に隣設される開口部524の下端と一致し、領域KEの下端は、そ
の下方に隣設される開口部524の上端と一致する。従って、領域KEに、LED512
aから前後方向に照射された光は、右パネルユニット500の左側面視(
図114(c)
参照)において、連結板部521cに隠された状態で進行する。
【0768】
領域KEにおいては、内レンズ部材530へ向けて出射された光は内カバー部材520
の連結板部521cに遮られることとなるので、集光の作用を低くしたとしても、遊技者
に視認される光の光量の差は少ない。
【0769】
一方で、領域KEにおいて平坦面では無く左側へ凸面形状とすることで、導光部材54
0の形状を角部の無い湾曲形状から形成でき、応力集中を防止することができるので、導
光部材540の耐久性を向上させることができる。
【0770】
また、領域KEにおいて左側へ凸面形状とすることで、右側に凹面形状を形成すること
ができ、外カバー部材560の開口部565の内側で光が拡散される部分と光が集光され
る部分を形成することができる。これにより、開口部565を通して視認される光の演出
の演出効果を向上させることができる。
【0771】
即ち、領域KEにLED512aから光を入射させるか否かによって、開口部524を
通して視認される光に変化が生じることは抑制しながら、開口部565を通して視認され
る光に変化を生じさせることができる。
【0772】
例えば、領域KEに光を入射させるLED512aをOFFにし、それ以外のLED5
12aをONとすることによっても、開口部524及び開口部565の内側に隙間なく光
を照射することは可能である。この時、領域KEの上下において導光部材540の右側の
形状が凹面形状とされることにより、領域KEの上下位置から右方に出射された光は外カ
バー部材560の右方で交わることとなるので、領域KEにおいて外レンズ部材550が
暗く視認されることを防止することができる。
【0773】
加えて、領域KEの内側に対応する位置に配置されるLED512aをONとすること
によって、領域KEから出射された光が集光し、エッジ状に発光させ、そのエッジにおい
て遊技者に視認される光量を大きくすることができる。従って、張出部554(
図106
参照)の発光態様にメリハリをつけることができる。
【0774】
なお、開口部524の境目の部分において導光部材540を平坦面として構成しても良
い。この場合には、領域KEの内側に対応する位置に配置されるLED512aをONと
することによって、張出部554(
図106参照)の対応する箇所(領域KEに相当する
箇所)を帯状に発光させることができる。
【0775】
領域KEは、その上下の部分に比較して、右パネルユニット500の前後幅が短くされ
る(LED512aからの距離が短くされる)。従って、領域KEに入射された光は、光
量が弱くても、前端部に到達し易い。この前端部に到達する光を利用して演出を行っても
良い。
【0776】
即ち、連結板部521c越しには視認できないが、内レンズ部材530の正面側端部5
31a(
図105参照)越しには視認できる(右パネルユニット500の正面側から視認
できる)光の演出を用意し、その演出の大当たり期待度を高く設定することによって、遊
技者の目の位置を、右パネルユニット500の正面側端部よりも遊技盤13から離れる側
へ移動させることができる。これにより、遊技者の目が疲れる度合いを下げることができ
、遊技者は、長時間の遊技をストレスなく行うことができる。
【0777】
ここで、領域KEに入射された光は、左側面から視認する場合には連結板部521cに
遮られる一方、右側面からは外レンズ部材550(
図106参照)を通して遊技者に視認
される。従って、右パネルユニット500の左側で座り、パチンコ機8010を遊技する
遊技者に対しては視認されずに、右パネルユニット500を右側から視認する店員に対し
ては視認可能な光による報知を行うことができる。
【0778】
これにより、不正行為を行っている遊技者に気づかれない一方で、店員は容易に気づく
ことができるエラー報知を実行することができるので、不正行為を行っている遊技者が逃
亡を図ることを防止することができる。
【0779】
なお、右パネルユニット500の左右形状を反転させることによって、領域KEにおけ
る光の演出を、遊技者にのみ視認可能であって、店員からは見えないものとしても良い。
【0780】
図115(a)は、導光部材540の側面模式図であり、
図115(b)は、
図115
(a)のCXVb−CXVb線における導光部材540の断面図である。
【0781】
導光部材540は、LED512a側の端面(厚さ約5mm)から、正面側へ向けて徐
々に先細りする形状とされる。なお、導光部材540の正面側の最大端部(LED512
aから最も離れる部分)は、機械的強度を保つ目的から3mmで設計され、上下方向の全
領域に亘って同様の勾配で左右幅寸法が縮小する。
【0782】
従って、導光部材540の正面側端面は同様の幅寸法(厚さ)には形成されない。即ち
、内レンズ部材530の支持孔531b(
図111参照)と対向配置される部分の端面の
方が、支持孔531c(
図111参照)と対向配置される部分の端面に比較してLED5
12a側の端面からの距離が長くなることから、余計に先細りし、幅寸法(厚さ)が薄く
なる。こうすることで、支持孔531b付近で視認される発光態様と、支持孔531c付
近で視認される発光態様との差を抑えることができる。
【0783】
ここで、本実施形態では、支持孔531c付近が支持孔531b付近の部分に上下で挟
まれて背面側に窪んだ位置に配置されるので、前後方向の距離の違い及び支持孔531b
付近の部分が作る影により、支持孔531c付近の部分の方が支持孔531b付近に比較
して暗く視認され易い。
【0784】
これに対して、本実施形態では、支持孔531bと対向配置される部分の導光部材54
0の端面に比較して、支持孔531cと対向配置される部分の導光部材540の端面の方
が、幅寸法(厚さ)が大きく形成されることから、LED512aから照射される光を受
けて発光する面の面積を大きく確保することができる。
【0785】
従って、複数のLED512aのうち、どのLED512aから照射される光の光量も
同じであるとしても、支持孔531c付近の部分において視認される光量を、支持孔53
1b付近の部分で視認される光量を大きくでき、前後方向の距離の違いや、影により暗く
なる程度を和らげることができる。これにより、内レンズ部材530の正面側端部531
aを最前面として、右パネルユニット500の正面側端部において視認される発光の程度
を、上下に亘って一様にし易く(強弱の差を小さく)することができる。
【0786】
図116は、右パネルユニット500の部分背面図である。なお、
図116では、支持
板部510の図示が省略され、導光部材540が視認可能とされる。また、
図116では
、導光部材540を通して出射される光の経路(進行方向)の一例が想像線の矢印で図示
される。
【0787】
図116に示すように、導光部材540から内レンズ部材530へ向けて出射される光
は、導光部材540が湾曲形成される効果として集光され、内レンズ部材530を通過す
ることで若干拡散され、外部へ進行する。
【0788】
逆に、外レンズ部材550へ向けて出射される光は、導光部材540が湾曲形成される
効果として拡散される。そのため、導光部材540へ入射する光を発生させるLED51
2aの配置は一定としながら、導光部材540の両面で、発光態様(粗密、明暗)を異な
らせることができる。換言すれば、LED521aの配置間隔から予想される発光態様と
は異なる発光態様で、遊技者に光を視認させることができる。
【0789】
また、内レンズ部材530側(遊技者側)へ向けて出射される光は、内レンズ部材53
0が、
図115(b)に示すように湾曲形成されることにより、真横では無く、遊技者側
に屈折される(
図115(b)の想像線の矢印参照。
図115(b)の想像線の矢印は、
導光部材540を通過する光の進行方向の一例を示す)。これにより、遊技者に光を視認
させやすくすることができ、発光演出の演出効果を向上させることができる。
【0790】
図100及び
図101に戻って説明する。上パネルユニット400は、上辺板部材14
eを介して本体枠14aに締結固定されると共に、その右端下部において右パネルユニッ
ト500の上端部に配置される嵌合溝522b,562b(
図108及び
図109参照)
に嵌合され、下側から支持されるユニットであって、正面枠14の上端部に配置される。
【0791】
図117は、上パネルユニット400の分解正面斜視図であり、
図118は、上パネル
ユニット400の分解背面斜視図である。
図117及び
図118に示すように、上パネル
ユニット400は、上辺板部材14eにスピーカー組立体450を挟んで締結固定される
(
図100参照)上側枠部材410と、その上側枠部材410の正面側に配置され、上側
枠部材410に締結固定される電飾ユニット401と、上側枠部材410の背面側に配設
され、上側枠部材410及び上辺板部材14eに挟持されるスピーカー組立体450と、
を主に備える。なお、
図117及び
図118では、スピーカー組立体450の図示が省略
される(
図100及び
図101参照)。
【0792】
電飾ユニット401は、正面側面に機種名等を示す装飾がされるユニットであって、L
EDが複数配置された基板が内包される。内包されるLEDが光を出射することにより、
光による演出を行う。
【0793】
電飾ユニット401は、光透過性の樹脂材料から箱状に形成される本体部402と、そ
の本体部402の背面外壁部において波状に形成される波状壁部403と、その波状壁部
403の下縁から背面側へ横長の板状に延設される板状部404と、その板状部404の
上方において波状壁部403から背面側へ筒状に突出する部分であって筒状の内側形状が
波状壁部403を貫通して形成される筒状部405と、本体部402の背面側に配設され
ると共に上側枠部材410に挿通されたネジが締結される複数の締結部406と、を主に
備える。
【0794】
本体部402は、前後それぞれの皿状部材が開放側を重ね合わせる態様で箱状に形成さ
れ、内部に空間が形成される。なお、内包されるLEDは、電子基板に配設されており、
その電子基板は本体部402に固定されている。
【0795】
波状壁部403は、上側枠部材410の正面側壁に形成される波状壁部412と噛み合
うことで、左右方向の組み付け位置を容易に定め、上側枠部材410への電飾ユニット4
01の組み付けの作業性を向上させる部分である。
【0796】
板状部404は、上側枠部材410の波状壁部412の下面と当接可能に形成され、電
飾ユニット401の上側枠部材410に対する上下の位置ずれを抑制する部分である。な
お、上側枠部材410の正面側壁には、板状部404を上下に挟む横長溝形状が凹設形成
される。
【0797】
筒状部405は、本体部402に内包されるLEDが配設される電子基板の配線を上側
枠部材410側へ通す配線通しの貫通孔としての機能を有する。
【0798】
電飾ユニット401は、上側枠部材410を通って複数の締結部406にネジが締結さ
れることにより、上側枠部材410に締結固定される。ここで、上側枠部材410は上辺
板部材14e(
図100参照)に締結固定されると、上辺板部材14eとの間でスピーカ
ー組立体450を内包する閉空間を形成し、内側へのアクセスが困難となるように形成さ
れる。即ち、上側枠部材410は、電飾ユニット401が締結固定された後で、上辺板部
材14e及び本体枠14aに締結固定される。
【0799】
図119は、上側枠部材410の分解正面斜視図であり、
図120は、上側枠部材41
0の分解背面斜視図である。
図119及び
図120に示すように、上側枠部材410は、
電飾ユニット401が締結固定される本体部材411と、その本体部材411の下縁に沿
った湾曲形状から形成され、本体部材411の下縁に沿って背面側から締結固定される下
縁板部材420と、本体部材411の右隅部において下縁板部材420の背面側から本体
部材411に締結固定される右隅支持部材430Rと、本体部材411の左隅部において
下縁板部材420の正面側から本体部材411に締結固定される左隅支持部材430Lと
、開口部414から正面側に張り出す位置まで本体部材411に背面側から嵌め入れられ
、右隅支持部材430Rに背面側から押さえられることで背面側への脱落を規制されると
共に電飾部8033を構成するレンズ部材440と、を主に備える。
【0800】
本体部材411は、左右両側にスピーカー組立体450から発生する振動波(音声)を
通過させる開口が形成され、その開口を覆うようにスピーカーカバー27が配設される左
右に長尺の部材であって、正面側において、上面視で波状に形成される波状壁部412と
、その波状壁部412の電飾ユニット401の筒状部405と対向配置される部分におい
て筒状部405の外形よりも若干大きな内側形状で貫通形成される支持貫通孔413と、
右隅上部において前後方向に貫通形成される開口部414と、を主に備える。
【0801】
波状壁部412は、電飾ユニット401の波状壁部403と略同一の波形状で形成され
る。これにより、電飾ユニット401を上側枠部材410の正面側から本体部材411に
嵌め入れる際の左右方向の位置合わせを容易に行うことができる。
【0802】
支持貫通孔413は、組立状態(
図86参照)において、筒状部405が挿通される。
これにより、筒状部405を通して張り出される配線を、支持貫通孔413を通して本体
部材411の背面側まで通すことができる。従って、電飾ユニット401に内包される電
子基板に一端が接続される配線の他端を、本体部材411の背面側において端子と接続す
るようにすることができるので、正面枠14を閉鎖した状態で配線の他端を脱着すること
を防止することができる。
【0803】
支持貫通孔413は、筒状部405が挿通される際、筒状部405の位置を規定する。
これにより、支持貫通孔413を、電飾ユニット401の上側枠部材410に対する位置
決めに利用することができる。
【0804】
開口部414は、正面視でレンズ部材440を視認可能とする開口である。上辺板部材
14e(
図100参照)には、レンズ部材440と前後方向で一致する位置にLED14
e2が配設され、このLED14e2の発光を開口部414伝いに遊技者に視認させるこ
とができる。
【0805】
本体部材411は、背面側において、上面視で波状に形成される波状辺部416と、右
隅下端面において背面側から凹設される被支持溝417と、左隅下端面において背面側か
ら凹設される被支持溝418と、上端部付近において左右対称な位置に配置され、ネジが
螺入可能に形成される締結部419と、上下寄りの位置にネジが螺入可能に形成される第
2締結部419bと、を主に備える。
【0806】
波状辺部416は、下縁板部材420の対向する位置の形状(下縁正面側端部に形成さ
れる波状壁部422の形状)と合致する形状とされる。これにより、下縁板部材420を
本体部材411に締結固定する際の左右方向の位置決めを容易に行うことができる。
【0807】
被支持溝417は、左右の爪部が右パネルユニット500の嵌合溝522b及び嵌合溝
562b(
図105及び
図106参照)に嵌合可能な形状とされ、その嵌合状態(
図86
参照)において、被支持溝417が形成される面を介して、上パネルユニット400から
与えられる負荷(重量等)を右パネルユニット500に付与可能に構成される。
【0808】
被支持溝418は、電飾部8031の上端部に嵌合可能な形状とされ、その嵌合状態(
図86参照)において、被支持溝418が形成される面を介して、上パネルユニット40
0から与えられる負荷(重量等)を電飾部8031に付与可能に構成される。
【0809】
締結部419は、スピーカー組立体450の貫通孔463a,483a(
図122参照
)に挿通されたネジが締結可能な位置に配設され、基部から先端部へは到達しない位置ま
でリブ状に突設される拡大リブ419aを備える。
【0810】
拡大リブ419aは、後述するように、貫通孔463a,483aに挿通されたネジが
締結部419に締結固定されることにより、前側組立460、後側組立480及び上辺板
部材14eを、本体枠14aとの間で挟み込む部分である(
図125(a)参照)が、詳
細は後述する。
【0811】
なお、本実施形態では、拡大リブ419aは、締結部419へのビスの締結方向に沿っ
て締結部419の周囲に120°間隔で、3箇所に同一形状のリブが配設される。
【0812】
第2締結部419b(
図118参照)は、本体部材411の下寄り位置において上辺板
部材14eの締結部14e1(
図100参照)及びスピーカー組立体450の凹設部46
2,482(
図122参照)と一致する位置に形成され、本体部材411の上寄り位置に
おいてスピーカー組立体450の凹設部462,482(
図122参照)と一致する位置
に形成されるが、詳細は後述する。
【0813】
下縁板部材420は、長尺の板が湾曲して形成される本体部材421と、その本体部材
421の下縁正面側縁において下面視で波形状に形成される波状壁部422と、その波状
壁部422の上縁から正面側に延設された後、その延設端部から上方へ延設され、断面L
字形状に形成されるL字延設部423と、本体板部421の左右中央位置(湾曲形状の上
端位置)から左右に等距離で離間した位置に配設されると共に上下方向に貫通した複数小
径の貫通孔から構成される開口部424と、を主に備える。
【0814】
波状壁部422と、本体部材411の波状辺部416とが前後で当接した状態において
、L字延設部423の下面が波状辺部416を背面に有する下板416aの上面と当接し
、L字延設部423の一部であって上方へ延設される部分が本体部材411に前後方向で
締結固定される。
【0815】
従って、L字延設部423と下板416aとが上下で当接する箇所における上パネルユ
ニット400の実質的な板厚を増加させることができ、強度の向上を図ることができる。
【0816】
開口部424は、スピーカー組立体450(
図123参照)において、スピーカー45
1の背面側からスピーカー組立体450の内部に出力された振動波(音声)を通過させる
(外部に放出する)開口である。右隅支持部材430R及び左隅支持部材430Lは、ス
ピーカー組立体450において、正面側に向けて生じた振動を通過させる円形の開口であ
る円形開口430R1,430L1を備える。
【0817】
右隅支持部材430Rは、上側枠部材410の開口部414と前後方向で対応する位置
に、前後方向に貫通形成される横長矩形の貫通孔430R2を備える。貫通孔430R2
を通してレンズ部材440に照射される光が、開口部414を通して遊技者に視認可能と
される。
【0818】
図121は、スピーカー組立体450の分解正面斜視図であって、
図122は、スピー
カー組立体450の分解背面斜視図である。なお、
図121及び
図122では、理解を容
易とするために、スピーカー接続線453が想像線で図示される。
【0819】
スピーカー組立体450は、左右一対の組立体450R,450Lから構成され、それ
らが、連結孔469に挿通されるネジで上辺板部材14e(
図100参照)に共締めされ
ると共に、左右端部、下端部において上辺板部材14eに締結固定される。なお、スピー
カー組立体450は、略左右対称の形状からなる一対のスピーカー組立体450R,45
0Lから構成されるので、スピーカー組立体450Rの説明を行い、スピーカー組立体4
50Lの説明を省略する。
【0820】
スピーカー組立体450Rは、電気信号を可聴音声波に変換して聴こえるようにする音
響機器であるスピーカー(コーン型スピーカー)451と、そのスピーカー451が貫通
孔466に挿通されスピーカー451の前面フランジ452が正面側から締結固定される
前側組立460と、その前側組立460の外形と正面視でほぼ合致する外形で形成され、
組立状態(
図100参照)において前側組立460との間に空間を形成する後側組立48
0と、を主に備える。
【0821】
スピーカー451は、前側組立460の貫通孔466を塞ぐようにして前側組立460
に装着されると共に、遊技に関連して演出音を発するものであり、そのスピーカー451
に一端が接続されて延出されたスピーカー接続線453(例えば、銅線と、その銅線を被
覆する被覆部からなる電線)が上辺板部材14e(
図102参照)に穿設される貫通孔を
通り、スピーカー接続線453の端末コネクタが電子基板14iに接続される(
図102
参照)ことで、音声ランプ制御装置113(
図4参照)に接続されるように構成される。
【0822】
スピーカー451の前面部には、スピーカー451から発せられる音声の通過を許容す
る合成繊維素材からなる保護カバー454が被覆されている。そして、この保護カバー4
54が被覆されてなるスピーカー451は、前面部がスピーカーカバー27(
図86参照
)に位置合わせされた状態で前側組立460に装着されている。
【0823】
そのため、スピーカー451の前面部は、スピーカーカバー27(
図86参照)を介し
てパチンコ機8010(
図86参照)外部の大気と直接接触していることになり、スピー
カー451からの再生音を篭もらせることなく、高音質にして再生出力できる。また、保
護カバー454により、スピーカー451の前面部を音質の低下を招くことなく好適に保
護することができる。
【0824】
前側組立460は、左右長尺で背面側が開放されたカップ形状に形成される本体部46
1と、その本体部461の上下側縁から上下幅中央へ向けて先端半円状に凹設される複数
の凹設部462と、その凹設部462と同形状の凹設部463bの背面側縁から上下幅外
側へ向けて本体部461の上下側縁まで板状に延設される延設板463と、本体部461
の背面側端部から正面側へ凹設される配線通過凹部464と、本体部461の右上隅部に
おいて前後方向に貫通形成される光通過貫通孔465と、本体部461の右側部において
スピーカー451を挿通する円形で貫通される貫通孔466と、本体部461のカップ状
の底板(正面側板)から背面側へリブ状に延設される複数の通路形成リブ467と、後側
組立480に挿通されたネジが締結固定される複数の締結部468と、左右のスピーカー
組立体450L,450Rを上辺板部材14e(
図100参照)に共締めするネジが挿通
される連結孔469と、先端側本体部461Tの下端部において背面側から正面側へ向け
て凹設される前側凹設部471と、を主に備える。
【0825】
本体部461は、左右方向に分割される領域として、貫通孔466が形成される側に配
設される基端側本体部461Bと、その基端側本体部461Bの左右方向中央側(
図12
1左側)に連設される中間本体部461Mと、その中間本体部461Mの左右方向中央側
(
図121左側)に連設される先端側本体部461Tと、を主に備える。なお、基端側本
体部461B、中間本体部461M及び先端側本体部461Tは、後側組立480との間
に形成される空間が連続的に形成される。
【0826】
本体部461は、その正面視における外形のほぼ全周を囲う壁部として形成される背面
側壁部461Hを備える。背面側壁部461Hは、内側に返しの無い縁部(内側にフラン
ジなどが形成されない縁部)を備える。
【0827】
凹設部462は、上辺板部材14e(
図100及び
図101参照)の締結部14e1が
円の中心側に配設される凹設部であって、締結部14e1との間での位置決めに利用され
る。
【0828】
延設板463は、背面側からビスが挿通される貫通孔463aを備える。貫通孔463
aに挿通されるビスは、本体枠14aの背面側から、共締め孔14a2及び上辺板部材1
4eの共締め孔14e3(
図102参照)に挿通され、後側組立480の貫通孔483a
及び貫通孔463aを通過し、本体部材411の締結部419(
図120参照)に螺入さ
れる。
【0829】
即ち、スピーカー組立体450Rは、本体枠14aの背面側から、上辺板部材14eを
通して貫通孔463aに挿通されるビスが本体部材411に螺入されることにより、ネジ
が締まるほど延設板463が後側組立480に押し付けられる。従って、スピーカー組立
体450Rが、本体枠14a,上辺板部材14e及び本体部材411と共締めされること
で、互いに強固に固定される。
【0830】
この構成によれば、スピーカー組立体450は、上辺板部材14eを挟んで金属製の本
体枠14aと締結固定される(樹脂材料を挟んで、硬質の材料に締結固定される)。これ
により、スピーカー451の音響効果を向上させることができる。
【0831】
配線通過凹部464は、スピーカー451に接続されるスピーカー接続線453を通す
開口の一部を形成する。配線通過凹部464の凹設幅が、スピーカー接続線453の被覆
部の断面外形よりも小さく形成される。これにより、配線通過凹部464を通過するスピ
ーカー接続線453の被覆部に圧を加えることになり、配線通過凹部464とスピーカー
接続線453との間に隙間が生じることを防止することができる。従って、スピーカー接
続線453を通す開口からの音漏れによって音響効果が低下されるという不具合の発生を
防止することができる。なお、
図121及び
図122では、背面側壁部461Hの図示が
便宜上省略され(破られ)、配線通過凹部464を視認可能に図示される。
【0832】
ここで、本実施形態では、配線通過凹部464が、後側組立480にではなく、スピー
カー451が組み付けられる前側組立460に形成されているので、前側組立460及び
後側組立480を組み付ける際に、予めスピーカー451に接続されるスピーカー接続線
453を配線通過凹部464に通し易くすることができる。これにより、スピーカー組立
体450の組立作業の作業性を向上させることができる。
【0833】
光通過貫通孔465は、上辺板部材14e(
図100参照)に配設されるLED14e
2からレンズ部材440へ向けて照射される光を通過させる貫通孔である。
【0834】
通路形成リブ467は、後側組立480の通路形成リブ487と前後で隙間なく当接し
、前側組立460及び後側組立480の間に形成される空間に複数回屈曲する屈曲通路(
図123参照)を形成するリブである。この屈曲通路は、スピーカー451から背面側に
発せられる振動波(音声)が通過する通路である。通路形成リブ467の正面側端部は本
体部461の正面側板と連結する。これにより、通路形成リブ467の正面側に隙間が生
じることが防止される。
【0835】
前側凹設部471は、下縁板部材420(
図120参照)の開口部424の外形を囲う
(外形から若干外側にはみ出た)大きさで形成される。
【0836】
後側組立480は、左右長尺で正面側が開放されたカップ形状に形成される本体部48
1と、その本体部481の上下側縁から上下幅中央へ向けて先端半円状に凹設される複数
の凹設部482と、その凹設部482と同形状の凹設部483bの背面側縁から上下幅外
側へ向けて本体部481の上下側縁まで板状に延設される延設板483と、本体部481
の正面側へ凸設される配線押圧凸部484と、本体部481の右上隅部において前後方向
に貫通形成される光通過貫通孔485と、本体部481のカップ状の底板(背面側板)か
ら正面側へリブ状に延設される複数の通路形成リブ487と、前側組立460の締結部4
68と前後方向に対応する位置においてビスが挿通される貫通孔として貫通形成される複
数の貫通孔488と、前側組立460の前側凹設部471と前後方向で対応する位置にお
いて正面側から背面側へ向けて凹設される後側凹設部491と、を主に備える。
【0837】
本体部481は、背面側板の外形よりも前側組立460の本体部461の板厚分内側に
移動した位置において本体部481の外周を囲う態様で正面側に板状に延設され、前側組
立460の背面側壁部461Hの内側面に内嵌される形状から形成される正面側壁部48
1Hを備える。
【0838】
スピーカー組立体450Rは、その外周の全周において、背面側壁部461Hと正面側
壁部481Hとで嵌合される2重の壁部を備えるので、外周位置から空気が漏れることを
防止することができる。これにより、外周位置からの音漏れによって音響効果が低下され
るという不具合の発生を抑制することができる。
【0839】
正面側壁部481Hは、スピーカー接続線453を通過可能な間隔を空けて配線押圧凸
部484を左右で挟む位置において、配線押圧凸部484を越えて正面側へ凸設される一
対の補助凸部481Haを備える。
【0840】
補助凸部481Haは、前側組立460に後側組立480を組み付ける際に、配線通過
凹部464に仮止めしたスピーカー接続線453の位置がずれることを防止する一対の凸
部である。即ち、一対の補助凸部481Haの内側側面が、正面側(先端側)へ向かうほ
ど左右に広がるテーパ形状とされる(
図124(c)参照)ので、スピーカー接続線45
3が配線通過凹部464から外れ、左右にずれかけたとしても、そのずれを一対の補助凸
部481Haのテーパで修正することができる。
【0841】
これにより、組み付けの過程で配線通過凹部464にスピーカー接続線453を戻すこ
とができ、組立状態(
図100参照)において、スピーカー接続線453を、配線通過凹
部464及び配線押圧凸部484から形成される開口に容易に収容することができる。
【0842】
凹設部482は、凹設部462の外形と正面視で同形状の外形で構成され、上辺板部材
14e(
図100及び
図101参照)の締結部14e1が円の中心側に配設される凹設部
であって、締結部14e1との間での位置決めに利用される。
【0843】
延設板483は、背面側からビスが挿通される貫通孔483aを備える。貫通孔483
aに挿通されるビスは、本体枠14aの背面側から、共締め孔14a2及び上辺板部材1
4eの共締め孔14e3(
図102参照)に挿通され、貫通孔483a及び前側組立46
0の貫通孔463aを通過し、本体部材411の締結部419に螺入される(
図101参
照)。
【0844】
即ち、スピーカー組立体450Rは、本体枠14aの背面側から、上辺板部材14eを
通して貫通孔483aに挿通されるビスが本体部材411の締結部419に螺入されるこ
とにより、ネジが締まるほど延設板483が前側組立460の延設板463に押し付けら
れる。従って、スピーカー組立体450Rが、本体枠14a,上辺板部材14e及び本体
部材411と共締めされ、互いに強固に固定される。
【0845】
配線押圧凸部484は、本体部481の背面側板の上縁に沿って凸設され、配線通過凹
部464に内嵌される幅で形成されると共に、配線通過凹部464の凹設深さよりも、ス
ピーカー接続線453の被覆部の外周直径よりも若干短い長さだけ短い凸設長さで凸設さ
れる。
【0846】
即ち、配線押圧凸部484と、配線通過凹部464とが囲う開口にスピーカー接続線4
53を通すことで、スピーカー接続線453の被覆部を圧縮することになり、配線押圧凸
部484及び配線通過凹部464に囲われて形成される開口とスピーカー接続線453と
の間に隙間が生じることを防止することができる。これにより、スピーカー接続線453
を通すための開口からの音漏れによって音響効果が低下されるという不具合の発生を抑制
することができる。
【0847】
光通過貫通孔485は、上辺板部材14e(
図100参照)に配設されるLED14e
2からレンズ部材440へ向けて照射される光を通過させる貫通孔である。光通過貫通孔
485は、LEDを調度一個囲う程度の円形の開口から形成される。なお、光通過貫通孔
465は、光通過貫通孔485よりも断面形状が大きな貫通孔であって、正面側へ向かう
程断面形状が大きくなるテーパ形状から形成されると共に、組立状態(
図100参照)に
おいて、光通過貫通孔465,485は前後方向に連通する。
【0848】
通路形成リブ487は、前側組立460の通路形成リブ467と正面視で同一の位置に
形成され、互いに前後で隙間なく当接し、前側組立460及び後側組立480の間に形成
される空間に複数回屈曲する屈曲通路(
図123参照)を形成するリブである。この屈曲
通路は、スピーカー451から背面側に発せられる振動波(音声)が通過する通路である
。
【0849】
通路形成リブ487は、正面側壁部481Hに固着されると共に、正面側壁部481H
の前後端部と面位置で形成される。即ち、通路形成リブ487の背面側端部は本体部48
1の背面側板と連結する。これにより、通路形成リブ487の背面側に隙間が生じること
が防止される。
【0850】
ここで、通路形成リブ487は、正面側端部が通路形成リブ467と当接するが、その
際、前後方向に圧縮力が発生する寸法で設計される。即ち、通路形成リブ487には、通
路形成リブ467から背面側向きの圧縮力が負荷され、その圧縮力により通路形成リブ4
67,487が前後方向に弾性変形しながら間の隙間を塞ぐことになる(
図124(b)
参照)。
【0851】
この時、通路形成リブ487の左右方向の剛性が弱く、左右に撓んでしまうことがある
と、圧縮力がうまく作用せず、隙間を塞ぐことができない虞が生じる。これに対し、本実
施形態では、通路形成リブ487が正面側壁部481Hに固着されるので、左右方向の剛
性を正面側壁部481Hの強度(更に、組立状態(
図100参照)において、重ねられる
背面側壁部461Hに補強される強度)で強化することができる。従って、通路形成リブ
487の左右方向の剛性を強化することができ、通路形成リブ487が左右に撓むことを
抑制することができるので、通路形成リブ467との間の隙間を良好に塞ぐことができる
。
【0852】
後側凹設部491は、前側凹設部471と前後反転した形状から形成され、前側凹設部
471と共同で開口を形成する。その開口は、下縁板部材420(
図120参照)の開口
部424の外形を囲う(外形から若干外側にはみ出た)大きさで形成され、組立状態(図
86参照)において、開口部424の外形を囲う位置に配置される。
【0853】
図123(a)は、前側組立460の背面図であり、
図123(b)は、後側組立48
0の正面図である。
図123(a)及び
図123(b)では、理解を容易とするために、
スピーカー接続線453が想像線で図示され、対向配置される前側組立460及び後側組
立480が、互いに対向する面を紙面手前側に向けて展開された状態が図示される。即ち
、
図123(a)及び
図123(b)を、紙面の左右中心に縦に引いた線(図示せず)を
中心に折りたたむことで、前側組立460及び後側組立480の当接位置を合わせること
ができる。即ち、各リブ部467a,467b,467c,467d,467eと、各リ
ブ部487a,487b,487c,487d,487eとを、それぞれ前後方向で当接
させることができる。
【0854】
前側組立460と後側組立480との組立状態(スピーカー組立体450、
図100参
照)において、スピーカー組立体450の内部には、前側組立460の基端側本体部46
1Bの背面側に音響室が形成されている。そして、その音響室を基端として、スピーカー
451の背面側から出力される振動波Ws(音声)の通過経路としての音響通路が、先端
側本体部461Tへ向けて延設される。この音響通路は、通路形成リブ467,487に
より屈曲通路として構成される。
【0855】
図123(a)及び
図123(b)に示すように、通路形成リブ467は、配線が通る
配線通過凹部464よりも左右方向内側(左側)に形成されると共に、左側へ向けて上下
に互い違いで複数箇所(本実施形態では5箇所)に配置されるリブ部467a,467b
,467c,467d,467eを備える。
【0856】
各リブ部467a,467b,467c,467d,467eを、配線が通る配線通過
凹部464よりも左右方向内側(左側)に形成することにより、組立時に各リブ部467
a,467b,467c,467d,467eと、後側組立480の各リブ部487a,
487b,487c,487d,487eとの間に配線が挟まれることを防止することが
できる。
【0857】
各リブ部467a,467b,467c,467d,467eは、本体部461及び背
面側壁部461Hと連結されるので、各リブ部467a,467b,467c,467d
,467eにより本体部461の剛性を強化することができる。
【0858】
各リブ部467a,467b,467c,467d,467eは、後側組立480の通
路形成リブ487と共同で、スピーカー451の背面側から発生する振動波Wsを通す屈
曲通路を形成する。
【0859】
ここで、通路形成リブ467が無く、横長の空洞が形成される場合、スピーカー451
から発生した振動波は直線的に進行するところ、本実施形態では、通路形成リブ467を
避けて振動波Wsが進行することになる。
【0860】
即ち、
図123(a)に進行経路の例示として図示されるように、振動波Wsは、通路
形成リブ467のリブ部(例えば、リブ部467a)が上側に配置された後に、その左側
(矢印L側)に配置され左右方向で最も近いリブ部(例えば、リブ部467b)が下側に
配置される場合、リブ間での進行方向が左上方向(矢印L,U方向)となる。
【0861】
一方で、振動波Wsは、通路形成リブ467のリブ部(例えば、リブ部467b)が下
側に配置された後に、その左側(矢印L側)に配置され左右方向で最も近いリブ部(例え
ば、リブ部467c)が上側に配置される場合、進行方向が左下方向(矢印L,D方向向
)となる。
【0862】
従って、本実施形態のように、各リブ部467a,467b,467c,467d,4
67eが上下に互い違いに配置される場合、振動波Wsの進行経路を、上下に屈曲した経
路とすることができ、空間の左右幅に比較して、振動波Wsの進行経路長を長めに確保す
ることができる。
【0863】
これにより、振動波Wsが一対の凹設部471,491から形成される開口を通過する
までの進行経路長を調整することを容易とすることができ、振動波Wsによる定常波の発
生を抑制することができる。
【0864】
また、本実施形態では、通路形成リブ467と同様の作用を、凹設部462,463b
によっても生じさせることができる。即ち、前側凹設部471の直近に配設される凹設部
462と、その上方であって右側(矢印R側)に配置される凹設部463bとの間を、振
動波Wsを左上方向(矢印L,U方向)に進行させることができる。
【0865】
従って、凹設部462,463bは、組立時に奏する効果に加えて、振動波Wsの進行
方向を規定する効果をも奏する。
【0866】
図123(b)に示すように、通路形成リブ487は、配線を押さえる配線押圧凸部4
84よりも左右方向内側(左側)に形成されると共に、左側へ向けて上下に互い違いで複
数箇所(本実施形態では5箇所)に配置されるリブ部487a,487b,487c,4
87d,487eを備える。
【0867】
各リブ部487a,487b,487c,487d,487eは、本体部481及び正
面側壁部481Hと連結されるので、各リブ部487a,487b,487c,487d
,487eにより本体部481の剛性を強化することができる。
【0868】
ここで、各リブ部487a,487b,487c,487d,487eは、前側組立4
60の各リブ部467a,467b,467c,467d,467eと、前後方向で一致
する形状から形成され、組立状態(
図100参照)において前後方向に対向配置される。
【0869】
なお、各リブ部487a,487b,487c,487d,487eの作用は、上述し
たリブ部467a,467b,467c,467d,467eの作用と類似なので、説明
を省略する。
【0870】
また、本実施形態では、通路形成リブ487と同様の作用を、凹設部482,483b
によっても生じさせることができる。即ち、後側凹設部491の直近に配設される凹設部
482と、その上方であって右側(矢印R側)に配置される凹設部483bとの間を、振
動波Wsを左上方向(矢印L,U方向)に進行させることができる。従って、凹設部48
2,483bは、組立時に奏する効果に加えて、振動波Wsの進行方向を規定する効果を
も奏する。
【0871】
ここで、スピーカー組立体450Rの内部に形成される空間は、スピーカー451から
離れるほど上下幅が縮小され、凹設部462,482と凹設部463b,483bとが上
下に並ぶ位置で一度絞られ、更にスピーカー451から離れた位置で上下幅が一気に拡大
され、その後、凹設部471,491により形成される開口と連通する。これにより、音
響効果を向上させることができる。
【0872】
本実施形態において、スピーカー組立体450の長手方向において、スピーカー451
が組み付けられる基端側本体部461B側は、前側組立460及び後側組立480により
密閉されているので、スピーカー451の背面側から出力された振動波Ws(音声)は、
出口を求めて長手方向反対側である先端側本体部461T側へ進行する。先端側本体部4
61Tまで到達した振動波Ws(音声)は、前側凹設部471及び後側凹設部491によ
り形成される開口、下縁板部材420の開口部424(
図120参照)を順に通り、スピ
ーカー組立体450Rの外部(パチンコ機8010(
図86参照)の外部)へ放音される
。
【0873】
即ち、スピーカー組立体450は、バスレフ型のスピーカーボックスとして構成される
と共に、スピーカー451の背面部は、スピーカー組立体450の内部経路、凹設部47
1,491により形成される開口および開口部424(
図120参照)を介して、パチン
コ機8010の外部の大気と直接接触していることになるので、スピーカー451の背面
側から出力される音声を篭らせることなく、高音質で再生出力することができる。
【0874】
バスレフ型のスピーカー組立体450は、スピーカー451の背面側から出力される音
を共振させて位相を反転させ、スピーカー451の前面から出力される音と同位相にした
音を凹設部471,491により形成される開口から放音させることが可能になる。つま
り、バスレフ型のスピーカー組立体450は、スピーカー450の背面側から出力される
音が前面側から出力される音と逆位相により打ち消しあわず、互いに同位相で重畳され強
調させることができる。すなわち、重低音を増幅させることが可能になる。これにより、
本実施形態に係るパチンコ機8010は、臨場感に溢れる演出を行うことが可能になり、
遊技者の遊技に対する興味や興奮を高揚させることができる。
【0875】
本実施形態では、開口部424が形成される上パネルユニット400は、ガラスユニッ
ト16の正面側に配置されるので(
図91参照)、スピーカー451の背面側から出力さ
れた低音が、スピーカー組立体450の内部空間をエンクロージャとして利用し、正面枠
14(
図100参照)の前側に放出される(ガラスユニット16(
図86参照)の正面側
を下方へ放出される)。これにより、正面枠14から正面側へ放出される低音による遊技
の演出を、正面枠14の正面側で遊技を行う遊技者に適切に提供することができる。
【0876】
振動波Ws(音声)の音のチューニングは、スピーカー組立体450の容積の設定や、
振動波Wsの経路長の設定により行うことができる。例えば、本実施形態では、前側組立
460の各リブ部467a,467b,467c,467d,467e及び後側組立48
0の各リブ部487a,487b,487c,487d,487eを避ける経路として振
動波Wsの経路が規定される。そのため、各リブ部467a,467b,467c,46
7d,467e及び各リブ部487a,487b,487c,487d,487eの配置
や上下方向の延設長さを個別に設定することで、振動波Ws(音声)の音のチューニング
を行うことができる。
【0877】
なお、本実施形態では、前側組立460の各リブ部467a,467b,467c,4
67d,467e及び後側組立480の各リブ部487a,487b,487c,487
d,487eは、上記の目的の他に、スピーカー組立体450の締結固定時に負荷がかけ
られる部分に配設され、スピーカー組立体450を補強している。
【0878】
例えば、各リブ部467c,487c,467d,487dは、締結部468及び貫通
孔488の付近に配置されることで、締結部468及び貫通孔488の付近を補強するこ
とができ、締結部468にネジが螺入される際に前側組立460及び後側組立480にか
けられる負荷により前側組立460及び後側組立480が破損することを防止することが
できる。
【0879】
また、延設板463,483は、組立状態において締結部419の拡大リブ419aと
上辺板部材14eとに挟まれ、押圧される(
図125(a)参照)ところ、各リブ部46
7c,487c,467d,487dは、直近の締結部468及び貫通孔488よりも延
設板463,483側に配置される。そのため、締結部468にネジが螺入されることで
前側組立460及び後側組立480が締結固定された後においても、延設板463,48
3の貫通孔463a,483aに挿通される締結部419にネジが螺入され、上側枠部材
410、上辺板部材14e及び本体枠14aが締結固定される際に各リブ部467c,4
87c,467d,487d同士を当接させることで、前側組立460及び後側組立48
0の変形を防止することができる。即ち、各リブ部467c,487c,467d,48
7dにより、前側組立460及び後側組立480を補強することができる。
【0880】
また、例えば、リブ部467b,487bは、凹設部462,482の上端部に連結さ
れる。ここで、凹設部462,482は、組立状態において、下方に上辺板部材14eの
締結部14e1(
図102及び
図125参照)が位置合わせされる部分であり、スピーカ
ー組立体450を上辺板部材14eと締結固定する前の状態では、スピーカー組立体45
0の凹設部462,482が締結部14e1に乗ることになる。そのため、凹設部462
,482の上端部には、締結部14e1がスピーカー組立体450の重量を支える際に生
じる反作用の力として、締結部14e1から上向きの負荷がかけられる。
【0881】
そのため、凹設部462,482が破損し易くなると考えられるところ、本実施形態で
は、リブ部467b,487bが凹設部462,482の上端部に連結されるので、締結
部14e1から、凹設部462,482に与えられる負荷に対する補強を行うことができ
、凹設部462,482の耐久性を向上させることができる。
【0882】
複数小径の貫通孔から形成される開口部424(
図120参照)は、バスレフポートと
して機能する。ここで、開口部424が、単数の大径の貫通孔から形成される場合に比較
して、開口部424を通して針金やピアノ線等を不正にパチンコ機8010内に侵入させ
ようとする不正行為を抑制し易くすることができる。
【0883】
なお、このような不正行為では、針金やピアノ線等を不正に遊技領域に侵入させ、釘な
どを変形させることが行われるところ、本実施形態では、スピーカー組立体450が、前
側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口と、配線通過凹部464及び
配線押圧凸部484により形成される開口を除いて密閉された箱形状に形成されることに
加え、配線通過凹部464及び配線押圧凸部484により形成される開口の隙間はスピー
カー接続線453により塞がれている。そのため、針金やピアノ線等をスピーカー組立体
450に前側凹設部471及び後側凹設部491により形成される開口を通して進入させ
た場合に、その進入した箇所とは別の開口を通してスピーカー組立体450から先端を出
し、上辺板部材14eにスピーカー接続線453を通すための開口として形成される貫通
孔を通して針金やピアノ線等の先端を遊技領域に到達させることを困難とすることができ
る。
【0884】
加えて、上辺板部材14eにスピーカー接続線453を通すための開口として形成され
る貫通孔は、スピーカー451の配置に合わせて上辺板部材14eの左右端寄りに配置さ
れるので、針金やピアノ線等をスピーカー組立体450に侵入させる箇所である前側凹設
部471及び後側凹設部491により形成される開口との間の距離を長くすることができ
る。
【0885】
従って、このような不正行為が行われた場合にも、その不正行為の成功率を下げること
ができ、不正の利益が生じることを防止し易くすることがdえきる。
【0886】
図124(a)は、スピーカー組立体450Rの背面図であり、
図124(b)は、図
124(a)のCXXIVb−CXXIVb線におけるスピーカー組立体450Rの断面
図であり、
図124(c)は、
図124(a)の矢印CXXIVc方向視におけるスピー
カー組立体450Rの上面図であり、
図124(d)は、
図124(a)の矢印CXXI
Vd方向視におけるスピーカー組立体450Rの部分底面図である。なお、
図124(a
)及び
図124(c)では、理解を容易とするためにスピーカー接続線453が想像線で
図示される一方、
図124(c)の部分拡大図では、スピーカー接続線453の図示が省
略される。
【0887】
図124(b)で拡大して図示されるように、前側組立460の背面側壁部461Hの
内側面461Hi(
図124(b)下面)は、背面側へ向かうほど内側へ傾斜するテーパ
形状とされ、後側組立480の正面側壁部481Hの外側面481Ho(
図124(b)
上面)は、背面側へ向かうほど内側へ傾斜するテーパ形状とされると共に内側面461H
iと組立状態において嵌合する形状とされる。これにより、前側組立460の背面側壁部
461Hに、後側組立480の正面側壁部481Hを挿入する作業の作業効率を向上させ
ることができる。
【0888】
図124(b)では、組立状態におけるリブ部487cの正面側端部の位置が実線で図
示され、組立前におけるリブ部487cの正面側端部の位置が想像線で図示される。即ち
、組立状態では、リブ部487cは、リブ部467cから圧縮負荷を受け、弾性変形して
いる。この弾性変形により生じる復元力によりリブ部487cからリブ部467cへ向け
て圧縮力が作用することになるので、リブ部467c,487c間の隙間を埋めることが
できる。なお、各リブ部467a,467b,467c,467d,467e,487a
,487b,487c,487d,487eは、当接するリブ部同士で圧縮負荷が生じる
寸法関係となるように設計される。
【0889】
図124(c)に示すように、中間本体部461Mは、基端側本体部461B及び先端
側本体部461Tに比較して、前後寸法が短く形成される。そのため、先端側本体部46
1Tに比較して、中間本体部461Mにおいて振動波Wsの通過可能な経路の断面積を小
さくする(絞る)ことができる。これにより、音響効果の向上を図ることができる。
【0890】
図124(d)に示すように、前側凹設部471及び後側凹設部491により形成され
る開口部の上方に配置される先端側本体部461Tの内部空間が、中間本体部461Mの
内部空間に比較して前後方向に膨出する態様で大きく確保される。これにより、先端側本
体部461Tに到達した振動波Wsを先端側本体部461Tで一時的に滞留させ、低速の
まま放出することができる。これにより、振動波Wsにより重低音を聞かせ易くすること
ができるなど、音響効果の向上を図ることができる。
【0891】
図125(a)は、
図124(a)のCXXVa−CXXVa線における前側組立46
0、後側組立480、上側枠部材410、本体枠14a及び上辺板部材14eの部分断面
図であり、
図125(b)は、
図124(a)のCXXVb−CXXVb線における前側
組立460、後側組立480、上側枠部材410、本体枠14a及び上辺板部材14eの
部分断面図である。
【0892】
図125(a)に示すように、締結部419の拡大リブ419aは、貫通孔463a,
483aに挿通されたネジが締結部419に締結固定されることにより、前側組立460
、後側組立480及び上辺板部材14eを、本体枠14aとの間で挟み込む部分である。
即ち、拡大リブ419aが延設板463の正面側の面位置に配置されることにより、前側
組立460、後側組立480及び上辺板部材14eが前後方向に位置ずれすることを防止
することができ、前側組立460、後側組立480、上辺板部材14e及び金属製の本体
枠14aを強固に固定することができる。
【0893】
図125(b)に示すように、第2締結部419bは、上側枠部材410の下寄り位置
において上辺板部材14eの締結部14e1と締結され、上側枠部材410の上寄り位置
においてスピーカー組立体450の凹設部462,482と一致する位置に形成される。
【0894】
第2締結部419b及び締結部14e1は、凹設部462,482の内側に配設される
(凹設部462,482と締結方向で当接せず素通りする)ことにより、前側組立460
及び後側組立480を介することなく、上側枠部材410及び上辺板部材14eを締結固
定する部分として構成される。
【0895】
なお、本体部材411の上寄り位置の第2締結部419bには、本体枠14a及び上辺
板部材14eが共締めされ、本体部材411の下寄り位置の第2締結部419bには、上
辺板部材14eが締結固定され、本体枠14aは締結固定されない。
【0896】
また、本体部材411の上寄り位置では、第2締結部419b(
図118参照)が凹設
部462,482の内側に配設される(背面側へ延びる部分が内側に配設される)一方で
、本体部材411の下寄りの位置では締結部14e1(
図100参照)が凹設部462,
482の内側に配設される(正面側へ延びる部分が内側に配設される)。
【0897】
なお、本実施形態では、左右別々のスピーカー451が、それぞれ独立したスピーカー
組立体450R,450Lに配設されているので、相手側のスピーカー組立体450R,
450Lに配設されたスピーカー451から再生出力される音との抵触が回避されると共
に、再生音を篭らせることなく、透明感のある音として高品質で再生することができる。
【0898】
本実施形態では、スピーカー組立体450の上部では後側組立480の延設板483と
上辺板部材14eとが面で当接される(
図125(a)参照)一方で、スピーカー組立体
450の下部では、後側組立480の背面と上辺板部材14eの正面とは離間し、後側組
立480の下端部と対向配置される部分において上辺板部材14eの正面部が正面側へ突
設され、その突設される部分と後側組立480の下端部とが前後方向で当接する。即ち、
スピーカー組立体450は上辺板部材14eに対して全面で当接(べた付け)される構成
では無く、特に下端部においては、線接触する当接態様とされる。
【0899】
この場合、上辺板部材14eから突設され、スピーカー組立体450の下端部と当接す
る部分をインシュレーターとして機能させることができるので、スピーカー451から出
力される音の音響効果を向上させることができる。
【0900】
なお、本実施形態では、上辺板部材14eから突設され、スピーカー組立体450の下
端部と当接する部分を、上辺板部材14eと一体で形成した(合成樹脂により形成した)
が、これに限定されるものでは無い。
【0901】
例えば、スピーカー組立体450と上辺板部材14eとの間に金属製の部材を配設して
も良いし、黒檀から形成される部材を配設しても良いし、ガラス製の部材を配設しても良
いし、コンクリ製の部材を配設しても良いし、軟質の樹脂材料を配設しても良いし、他の
市販の部材を配設しても良い。
【0902】
特に、金属製の部材を配設する場合には、比重が高いものであることが望ましい。例え
ば、鋳鉄、亜鉛、黄銅、鉛、鋼などを採用することが望ましい。これらの金属を用いるこ
とで、音に厚みを出すことができる。
【0903】
また、硬度が高い部材であることが望ましい。例えば、鋳鉄、鋼、ガラス、セラミック
ス(陶磁器)等が該当する。これらの部材を用いると、音の立ち上がり性能を良くするこ
とができる。
【0904】
また、形状に関しても、長尺板状に突設されても良いし、スパイク状に突設されても良
いし、先丸状に点在する態様で突設されても良い。また、上辺板部材14eとスピーカー
組立体450とが固定される場合に限らず、フローティング状に連結されても良い。
【0905】
なお、上述したインシュレーターとして機能する部分の配置は、スピーカー組立体45
0の下端部の背面に限るものでは無い。例えば、スピーカー組立体450の上端部の背面
でも良いし、スピーカー組立体450の左右端部の背面でも良いし、スピーカー組立体4
50の側面や正面でも良い。
【0906】
例えば、上端部の背面に配置する場合には、インシュレーターとして機能する部材を筒
状とし、後側組立480と上辺板部材14eとの間に配置し、貫通孔483aに挿通され
るネジを挿通させることで位置決めしても良い。この場合には、インシュレーターとして
機能する部材を位置決めする別個の係止部材を不要とできると共に、貫通孔483aに挿
通されるネジの締め具合で、後側組立480、上辺板部材14e及びインシュレーターと
して機能する部材との当たり具合(互いにかけられる負荷)を調整し、音響効果の調整を
図ることができる。
【0907】
この時、貫通孔483aに挿通されるネジを緩めた場合であっても、スピーカー組立体
450は、連結孔469(
図123(a)参照)に挿通されるネジや、その連結孔469
と同一形状で左右方向の連結孔469の反対側に配設される貫通孔や、その貫通孔が配置
される左右位置におけるスピーカー組立体450の下端に配設される貫通孔に挿通される
ネジにより上辺板部材14eに締結固定されるので、スピーカー組立体450が上辺板部
材14eから外れることを防止することができる。
【0908】
また、上側枠部材410の上辺板部材14eに対する固定に関しては、上側枠部材41
0は貫通孔483aに挿通されるネジ以外に、上辺板部材14eの締結部14e1(
図1
00参照)に背面側から挿通されるネジが締結部419(
図125(b)参照)に螺入さ
れることにより締結固定される。上述したように、締結部14e1と締結部419との締
結固定においては、スピーカー組立450に負荷がかからない構成とされるので、締結部
14e1と締結部419との締結固定を強固に行うことで、貫通孔483aに挿通される
ネジを緩めに締結しながら(締結具合を調整しながら)、上側枠部材410が上辺板部材
14eから外れることを防止することができる。
【0909】
また、上述したスピーカー組立体450と上辺板部材14eとの関係と同様のことが、
上辺板部材14eを介してスピーカー組立体450と連結固定される本体枠14aとの関
係にも言える。即ち、金属製の本体枠14aを、インシュレーターとして機能させること
ができ、上述の内容と同様に、材質や、当接の関係について設計することができる。
【0910】
図126は、遊技盤13及び内枠12の分解正面斜視図であり、
図127(a)は、遊
技盤13の背面図であり、
図127(b)は、内枠12の正面図である。なお、
図127
(b)では、遊技盤13が取り外された状態における内枠12が図示される。
【0911】
まず、遊技盤13を内枠12に固定する手順について説明するために、支持部12a,
12bについて説明する。
図126に示すように、内枠12の左側壁の内面の上下隅部に
は、遊技盤13の左端部を支持する目的で前後に離間して左端前支持部12a及び左端後
支持部12bが配設される。
【0912】
左端前支持部12aは、組立状態(
図89参照)において遊技盤13と対向配置される
後端面の右端部から、左方へ向かうほど後方に傾斜する傾斜面12a1が形成され、その
傾斜面の左端から左方へ、左右方向に延設される平坦面12a2が形成される。組立状態
では、その平坦面12a2と遊技盤13の前面とが面で当接する。
【0913】
左端後支持部12bは、外形が正面視矩形状に形成され、前端面が遊技盤13の背面と
面で当接可能に一面上に形成されると共に中央部が開放したカップ状に形成される。左端
後支持部12bは、その内側に一方の端部が配置されると共にカップ状部の前端面から張
り出す部分を有する弾性支持部12b1を備える。
【0914】
弾性支持部12b1は、自然長の状態で左方へ向かうほど正面側へ張り出す姿勢で配置
される。即ち、弾性支持部12b1は、左端前支持部12aの傾斜面12a1と共同で、
左右方向で遊技盤13が配置される側(右方)に拡大するテーパ形状を形成する。これに
より、作業者が遊技盤13を内枠12に組み付ける際の作業性を向上させることができる
。次いで、
図128及び
図129を参照して、遊技盤13を内枠12に固定する手順につ
いて説明する。
【0915】
図128(a)及び
図128(b)は、
図127(b)のCXXVIIIa―CXXV
IIIa線における内枠12の断面図であり、
図129(a)及び
図129(b)は、盤
面支持装置600及び遊技盤13を模式的に示した盤面支持装置600及び遊技盤13の
側面図である。なお、
図128及び
図129では、遊技盤13を内枠12に組み付ける過
程が時系列で図示され、
図128(a)では、内枠12に左端部を押し入れられ始めた遊
技盤13が図示され、
図128(b)及び
図129(a)では、内枠12に組み付け完了
する直前の遊技盤13が図示され、
図129(b)では、内枠12に組み付け完了した後
の遊技盤13が図示される。なお、
図128及びZ39では、理解を容易とするために、
遊技盤13及び内枠12の一部の構成が省略されて図示される。
【0916】
作業者が遊技盤13を内枠12に組み付ける場合、初めに、遊技盤13を皿通路形成部
材160の上面に仮置きし、遊技盤13の上下位置をある程度合わせたのち、遊技盤13
の左端部を左端前支持部12aと左端後支持部12bとの間に滑り込ませる。この時、遊
技盤13を
図128(a)に示すように、内枠12に対して上下方向を向く軸を中心に回
転させた姿勢で滑り込ませることになるので、手前側にある左端前支持部12bと遊技盤
13とが干渉する虞が考えられるが、本実施形態では、左端前支持部12aに傾斜面12
a1が形成されているので、遊技盤13と左端前支持部12bとが干渉する範囲(位置)
を減らすことができる。これにより、作業性の向上を図ることができる。
【0917】
次いで、
図128(b)に示すように、遊技盤13の左端部(詳細には、傾斜面12a
1の背面側縁と遊技盤13の前面との当接位置)を軸にして遊技盤13を内枠12に対し
て近づけるように回転させる。この回転の過程で、遊技盤13の前面が平坦面12a2と
対向配置され、弾性支持部12b1から遊技盤13へ向けて付勢力が与えられる。即ち、
遊技盤13の前面は、弾性支持部12b1から与えられる付勢力により平坦面12a2に
押し付けられる。これにより、遊技盤13を内枠12に仮固定することができる。
【0918】
遊技盤13を回転させる過程においては、遊技盤13の上下位置は、内枠の支持底部1
2cによって規制される。支持底部12cは、遊技盤13の下底面と対応する配置および
長さで左右方向に沿って内枠12に形成される板状部であって、組立状態(
図90参照)
において遊技盤13を下から支持すると共に前上端部が傾斜面として削られる案内リブ1
2c1を左右方向に亘って複数備える。
【0919】
このように構成することで、
図128(a)から
図128(b)へ状態が変化する過程
において、上面視で、遊技盤13の下底面の後縁が案内リブ12c1の前縁を通過する度
に、遊技盤13が案内リブ12c1の傾斜面に乗り上げることになるので、左寄りの箇所
から順に遊技盤13を案内リブ12c1に乗り上げさせることで遊技盤13の回転を滞り
なく進行させることができる。そのため、遊技盤13を内枠12に組み付ける作業の作業
性を向上させることができる。
【0920】
なお、案内リブ12c1の上面に対する傾斜面の傾斜角度は、パチンコ機8010の遊
技店における設置時の後傾斜(約10°)よりも大きな角度として、約15°に設定され
る。これにより、設置時のパチンコ機8013の後傾斜により、案内リブ12c1の傾斜
面の傾斜が前後方向で逆転することを回避することができるので、設置時のパチンコ機8
013の後傾斜に寄らず遊技盤13を内枠12に組み付ける際の作業性を向上させること
ができる。
【0921】
また、これに限らず、案内リブ12c1の傾斜面の傾斜角度を、遊技店の設置時の後傾
斜と同等の傾斜角度で形成しても良い。この場合は、遊技盤13が乗り上げる案内リブ1
2c1の傾斜面を水平とすることができる。
【0922】
図128(b)に示す状態では、
図129(a)に示すように、上下に配置されると共
に後述する解除状態の盤面支持装置600に遊技盤13が挟まれ、遊技盤13の後面が回
転後爪部材640の前面と当接する。
【0923】
ここで、盤面支持装置600は、解除状態において、回転前爪部材620及び規制前爪
部材630(遊技盤13が固定される位置よりも正面側に配設される部分)が遊技盤13
の進入経路から退避するよう構成されているので、遊技盤13の組み付け作業の作業性を
向上させることができる。
【0924】
そして、
図129(b)に示すように、遊技盤13の右端部付近を背面側へ押し込むこ
とにより、遊技盤13を介して回転後爪部材640に負荷が与えられ、盤面支持装置60
0が後述する固定状態に変化し、遊技盤13が内枠12に固定される。即ち、遊技盤13
の固定時には、上下の盤面支持装置600は、ほぼ同時に状態変化する。
【0925】
なお、遊技盤13は支持底部12cに下支えされ上下位置を規制される。
図129(a
)及び
図129(b)に示すように、盤面支持装置600の解除状態と固定状態との間で
、遊技盤13の下端部に盤面支持装置600が当接することは無く(遊技盤13が盤面支
持装置600に押し上げられることは無く)、遊技盤13の上下位置は変化しない。従っ
て、盤面支持装置600を解除状態と固定状態との間で状態変化させることに伴って、フ
ローティングコネクタ13a及び受側コネクタ12dを安定的に脱着させることができる
。
【0926】
ここで、遊技盤13の右端部付近を背面側へ押し込む際、遊技盤13は、左端部付近を
支点として回転しているので、てこの原理により、遊技盤13を介して回転後爪部材64
0に負荷を与える際に必要となる力を遊技盤13の幅寸法が長いことにより弱くすること
ができ、非力な作業者でも問題なく遊技盤13を内枠12に組み付けることができる。
【0927】
内枠12に遊技盤13を組み付ける際、遊技盤13は、左端部を、左端前支持部12a
及び左端後支持部12bにより上下2箇所で支持されるので(
図126参照)、例えば、
遊技盤13の右端の固定が不十分な時(上下の盤面支持装置600の少なくとも一方が固
定状態では無い時)に、正面枠14(
図89参照)を内枠12に対して閉鎖した場合であ
っても、遊技盤13が前倒れする程度を低くすることができる。
【0928】
例えば、上側の盤面支持装置600が解除状態の時(
図134(a)参照)に、正面枠
14(
図89参照)を内枠12に対して閉鎖しようと押し込んだ反動で、遊技盤13が前
後に傾倒する程度を低くすることができる。従って、正面枠14を内枠12に対して閉鎖
しようと押し込んだ反動で盤面支持装置600の状態が変化することを防止することがで
きる(可能性を低くすることができる)。
【0929】
内枠12に遊技盤13が固定された状態において、遊技盤13の左端部は支持部12a
,12bにより固定され、右端部は盤面支持装置600により固定され、下端部は支持底
部12cに上下位置を規制される。
【0930】
内枠12に遊技盤13が固定された状態(
図129(b)参照)において、遊技盤13
の背面側下端部に配置され、遊技盤13に配設される各種部材や各種装置に接続される配
線と連結されると共に遊技盤13の面方向に位置変化可能に遊技盤13に支持されるフロ
ーティングコネクタ13aと、下側の盤面支持装置600付近において内枠12に配設さ
れると共に制御基板ユニット91(
図3参照)等と連結される配線が背面で接続される受
側コネクタ12dとが遊技盤13の回転方向で接続される。
【0931】
フローティングコネクタ13a及び受側コネクタ12dは、遊技盤13の回転方向での
接続の抵抗を低減するために、遊技盤13の回転方向に沿った方向に接続方向を向ける態
様で傾斜する姿勢で配設される(受側コネクタ12dについて
図126参照)。
【0932】
内枠12は、内枠12の右隅付近において上下一対が向かい合わせで配設される盤面支
持装置600を備える。なお、上下一対の盤面支持装置600は、同一の構成のものが向
かい合わせで配設されるので、一方の盤面支持装置600の説明を行い、他方の盤面支持
装置600の説明を省略する。
【0933】
図130(a)は、盤面支持装置600の正面斜視図であり、
図130(b)は、盤面
支持装置600の背面斜視図であり、
図131(a)は、盤面支持装置600の正面斜視
図であり、
図131(b)は、盤面支持装置600の背面斜視図である。なお、
図130
(a)及び
図130(b)では、盤面支持装置600が遊技盤13を固定する固定状態が
図示され、
図131(a)及び
図131(b)では、盤面支持装置600による遊技盤1
3の固定が解除される解除状態が図示される。
図130及び
図131に示すように、盤面
支持装置600は、回転前爪部材620及び回転後爪部材640が形成するコ字形状の開
放側が前後方向に変位する。
【0934】
図132は、盤面支持装置600の分解正面斜視図であり、
図133は、盤面支持装置
600の分解背面斜視図である。
図132及び
図133に示すように、盤面支持装置60
0は、上面視で矩形の枠状に形成される枠部材610と、その枠部材610に挿通固定さ
れる第1軸部材P61に回転可能に軸支される回転前爪部材620と、その回転前爪部材
620の正面側に配置され回転前爪部材620に挿通固定される第2軸部材P62に回転
可能に軸支される規制前爪部材630と、回転前爪部材620の背面側に配置され回転前
爪部材620に挿通固定される第3軸部材P63に回転可能に軸支される回転後爪部材6
40と、を主に備える。
【0935】
枠部材610は、板金部材が角部で直角に折り曲げられることで矩形の枠状に形成され
る本体板部611と、その本体板部611の一部であって左右に対向配置される一対の板
部611aに一直線上に貫通形成される一対の支持孔612と、その支持孔612の正面
側上方において支持孔612を中心とした円弧に沿って板部611aに穿設される円弧孔
613と、支持孔612の背面側において支持孔612を中心とした円弧に沿って板部6
11aに下方から凹設される円弧凹部614と、支持孔612の鉛直上方位置で板部61
1aに挿通固定される棒状の規制棒615と、板部611aから左右にフランジ状に延設
されると共に組立状態(
図127(b)参照)において貫通孔616aに挿通されるビス
により内枠12に締結固定される一対の固定板616と、を主に備える。
【0936】
支持孔612は、第1軸部材P61が挿通固定される貫通孔である。第1軸部材P61
は、差し込み基端側の端部が拡径された円柱形状の金属棒状部材として形成され、支持孔
612に挿通された後、差し込み先端側の端部がプレスされることにより、支持孔612
に固定される。この固定方法および軸部材の形状は、第2軸部材P62及び第3軸部材P
63も同様なので、説明を省略する。なお、第1軸部材P61が支持孔612に挿通され
る際には、同時に回転前爪部材620の被支持孔622にも第1軸部材P61が挿通され
る。
【0937】
回転前爪部材620は、枠部材610と同様に、板金部材が角部で直角に折り曲げられ
側面視T字形状に形成される本体板部621と、その本体板部621の一部であって左右
に対向配置される板部621aに一直線上に貫通形成されると共に第1軸部材P61に軸
支される一対の被支持孔622と、板部621aの正面側上隅部において一直線上に貫通
形成されると共に第2軸部材P62が挿通固定される一対の支持孔623と、板部621
aの背面側部において一直線上に貫通形成されると共に第3軸部材P63が挿通固定され
る一対の支持孔624と、を主に備える。
【0938】
なお、第2軸部材P62が支持孔623に挿通される際には、同時に規制前爪部材63
0の被支持孔632にも第2軸部材P62が挿通され、第3軸部材P63が支持孔624
に挿通される際には、同時に回転後爪部材640の被支持孔642にも第3軸部材P63
が挿通される。
【0939】
本体板部621は、左右に対向配置される部分であって前後に長尺の長尺部621a1
と、その長尺部621a1の正面側先端から上下方向へ延設される延設部621a2とで
側面視T字形状に形成される一対の板部621aと、その板部621aの上縁を連結固定
する連結板部621bと、その連結板部621bの背面側端部から連結板部621bの面
に対して約45度だけ下降傾斜して延設される背面側延設板621cと、延設部621a
2の背面側端部から、逆側の板部621aへ向けて板部621aと垂直に延設される下垂
背面板部621dと、その下垂背面板部621dの下端部から下垂背面板部621dの面
に対して約45度だけ正面側へ傾斜して延設される正面側延設板621eと、を主に備え
る。
【0940】
下垂背面板部621dは、長尺部621a1及び連結板部621bと直交する面に沿っ
た平板状に形成される。長尺部621a1の側面と、連結板部621bとの角度は直角と
され、長尺部621a1の下面と、下垂背面板部621dの背面側面とは、互いに直角と
なるように形成される。
【0941】
背面側延設板621cは、その下面でねじりバネNBbと当接可能に配置される。本実
施形態において、解除状態においてねじりバネNBbと当接し、ねじりバネNBbの腕部
を本体板部611から離間させる(
図134(a)参照)一方、固定状態へ状態変化する
過程で、ねじりバネNBbの上方へ退避することで、ねじりバネNBbは本体板部611
と当接し始める。
【0942】
これにより、作業者が遊技盤13を盤面支持装置600に押し込み始める際には、ねじ
りバネNBbの反発力が作業者側へ生じることを防止する一方で、遊技盤13が盤面支持
装置600に固定され終える直前においては、ねじりバネNBbの反発力を作業者側へ生
じさせることができる。即ち、押し込み開始時に必要な力を低くしながらも、盤面支持装
置600に遊技盤13が固定される直前には、遊技盤13の回転の勢いを反発力により抑
制することができる。
【0943】
下垂背面板部621dは、組立状態(
図89参照)において、遊技盤13と正面側から
当接し、遊技盤13の前後位置を規制する部分である。正面側延設板621eは、遊技盤
13を下垂背面板部621dの背面側に入れ込む際の案内ガイドとして機能する。
【0944】
第2軸部材P62には、ねじりバネNBaが巻き付けられる。ねじりバネNBaは、規
制前爪部材630と下垂背面板部621dとを近接させる方向の付勢力を発生させる。第
3軸部材P63には、ねじりバネNBbが巻き付けられる。ねじりバネNBbは、回転後
爪部材640の下端部を本体板部611の背面側壁から離反させる方向の付勢力を発生さ
せる。
【0945】
規制前爪部材630は、板金部材が角部で直角に折り曲げられることで側面視への字形
状に形成される本体板部631と、その本体板部631の一部であって左右に対向配置さ
れる板部631aに一直線上に貫通形成されると共に第2軸部材P62に軸支される一対
の被支持孔632と、板部631aを連結する正面連結板631bの下端部から正面側へ
傾斜して延設される傾斜延設板633と、板部631aの上端面として湾曲形成される湾
曲面634と、を主に備える。
【0946】
傾斜延設板633は、正面枠14と対向配置される板部であって、盤面支持装置600
が解除状態とされた場合に、正面枠14に前後方向で最接近する部分である。
【0947】
湾曲面634は、組立状態(
図126参照)において、規制棒615と当接する面であ
り、これにより、規制前爪部材630の自由な姿勢変化が規制される。
【0948】
回転後爪部材640は、板金部材が角部で直角に折り曲げられることで側面視縦長矩形
状に形成される本体板部641と、その本体板部641の一部であって左右に対向配置さ
れる板部641aに一直線上に貫通形成されると共に第3軸部材P63に軸支される一対
の被支持孔642と、一対の板部641aを連結する正面連結板641bの下端部から背
面側へ傾斜して延設される傾斜延設板643と、を主に備える。
【0949】
正面連結板641bは、組立状態(
図89参照)において、遊技盤13の背面側に当接
し、遊技盤13の前後位置を規制する部分である。
【0950】
傾斜延設板643は、遊技盤13を押し込む際に遊技盤13から負荷を受ける部分であ
って、解除状態(
図129(a)参照)において、遊技盤13の背面と面当たりする傾斜
角度で形成される。
【0951】
図134(a)、
図134(b)、
図135(a)及び
図135(b)は、盤面支持装
置600の側面図である。なお、
図134(a)、
図134(b)、
図135(a)及び
図135(b)では、盤面支持装置600が解除状態から固定状態に変化する過程が時系
列で図示される。また、
図134(a)、
図134(b)、
図135(a)及び
図135
(b)では、盤面支持装置600と近接配置された多機能カバー部材171及び盤面支持
装置600に固定される遊技盤13の配置が想像線で図示される。
【0952】
即ち、
図134(a)では、盤面支持装置600の解除状態が、
図135(b)では、
盤面支持装置600の固定状態が、それぞれ図示される。なお、
図135(b)に示す固
定状態において、第3軸部材P63は、第1軸部材P61の真後ろ(水平方向背面側)に
配置される。これにより、遊技盤13を介して回転後爪部材640を背面側へ押進すると
いう簡易な作業をするだけで、回転後爪部材640が第1軸部材P61を中心に回転しす
ぎる(第3軸部材P63が第1軸部材P61よりも上方へ移動する)ことを防止すること
ができる。従って、回転後爪部材640を固定状態における位置に的確に移動させること
ができる。
【0953】
ここで、規制前爪部材630は、上述したように、ねじりバネNBaにより下垂背面板
部621dに近接する方向の付勢力を付加されている。そのため、他の外力が作用しない
場合において、規制前爪部材630は下垂背面板部621dに近接配置される。一方で、
規制前爪部材630の湾曲面634と規制棒615とが当接することにより、規制前爪部
材630の姿勢変化が規制される。
【0954】
即ち、
図134(a)、
図134(b)、
図135(a)及び
図135(b)に示すよ
うに、盤面支持装置600が解除状態から固定状態に変化するにつれて、回転前爪部材6
20は延設部621a2が配設される正面側が傾倒する一方、規制前爪部材630は下垂
背面板部621dから離反する態様で正面側が起き上がる。
【0955】
詳述すると、規制棒615が、湾曲面634の内、正面側部分であって、第2軸部材P
62を中心とした円と交差する抵抗部634aと当接する間(
図134(a)から
図13
5(a)までの間)は、規制前爪部材630は回転前爪部材620の傾倒動作に伴い正面
側端部が起き上がる。換言すれば、回転前爪部材620の移動方向とは逆方向へ、規制前
爪部材630が移動する。
【0956】
一方、その抵抗部634aの背面側に連設される部分であって、第2軸部材P62を中
心とした円に沿った円弧形状とされる非抵抗部634bが規制棒615と対向配置され、
規制棒615と湾曲面634とが第2軸部材P62を中心とする円方向で当接しなくなる
と、規制前爪部材630の起き上がり動作は解除され、規制前爪部材630の傾斜延設板
633側先端部が下垂背面板部621dに近接配置される(
図135(a)から
図135
(b)参照)。
【0957】
規制前爪部材630が起き上がり動作する角度範囲(
図134(a)から
図135(a
)の間の範囲)においては、規制前爪部材630に対して、規制前爪部材630の正面側
端部を傾倒させる方向の負荷である下向き負荷を加えたとしても、その下向き負荷により
動作する際の規制前爪部材630の姿勢変化が、その下向き負荷に対向する方向へ向けた
姿勢変化(起き上がり方向の姿勢変化)となるので、下向き負荷に対する反力が過大とな
り下向き負荷に対する規制前爪部材630の姿勢変化が規制される。
【0958】
加えて、遊技盤13が背面側延設板621cの背面と当接することで、遊技盤13が奥
に押し込まれないままでは、回転前爪部材620の回転が遊技盤13により規制される。
【0959】
これにより、規制前爪部材630に下向き負荷がかけられることで回転前爪部材620
が回転することを抑制することができる。そのため、例えば、正面枠14から規制前爪部
材630に負荷がかけられた場合に、回転前爪部材620が傾倒動作することを抑制する
ことができる。なお、本実施形態では、盤面支持装置600の解除状態において、正面枠
14に配設される多機能カバー部材171が規制前爪部材630の傾斜延設板633と当
接する位置関係となるように、正面連結板631bの形状、傾斜延設板633の長さ及び
傾斜角度が設定される。
【0960】
また、
図134(b)に示す状態では、遊技盤13が背面側延設板621cの背面と当
接することにより、遊技盤13が正面側に移動(傾倒)する際には背面側延設板621c
と遊技盤13との間に擦れ摩擦が生じる。これにより、
図134(b)の状態で遊技盤1
3が正面側に移動(傾倒)することを防止することができる。従って、後述する下側の盤
面支持装置600(
図136から
図139参照)が、遊技盤13に負荷を与えた場合に、
その反動で遊技盤13の上端部付近が正面側に移動(傾倒)することを抑制することがで
きる。
【0961】
ここで、盤面支持装置600の解除状態において、正面枠14(
図89参照)を閉鎖し
た場合に、正面枠14からの負荷により回転前爪部材620が回転する構造の場合、正面
枠14に配設される多機能カバー部材171と規制前爪部材630の当接の態様によって
、盤面支持装置600が固定状態まで達する場合と、盤面支持装置600が固定状態まで
達せず、中途半端な角度で安定する場合とが生じる可能性がある。
【0962】
盤面支持装置600が中途半端な角度で安定し、その状態で正面枠14(
図89参照)
を閉じられるものとすると、ガラスユニット16(
図86参照)の背面と遊技盤13の前
面との間の距離が短くなってしまい、遊技に支障をきたす可能性がある。
【0963】
これに対し、本実施形態では、正面枠14(
図89参照)からの負荷により回転前爪部
材620が回転することを抑制する構成を採用することで、正面枠14に配設される多機
能カバー部材171と規制前爪部材630とが当接する場合は、正面枠14が閉鎖するこ
とを防止している。これにより、盤面支持装置600が固定状態となっていないことに正
面枠14を閉鎖させる作業を行っていた店員に気づかせることができる。
【0964】
これに気づけば、店員は、盤面支持装置600が固定状態となるまで遊技盤13を押し
込むことになり、正面枠14(
図89参照)を閉鎖した時のガラスユニット16の背面と
遊技盤13の正面との間隔を安定させることができる。
【0965】
加えて、本実施形態では、
図135(a)に示すように、回転前爪部材620が固定状
態となる直前の状態では、正面枠14に配設される多機能カバー部材171と規制前爪部
材630の当接の態様によって、盤面支持装置600が固定状態まで達する場合と、盤面
支持装置600が固定状態まで達せず、中途半端な角度で安定する場合とが生じる可能性
は低い(専ら、盤面支持装置600が固定状態まで達する)。
【0966】
そのため、本実施形態では、正面枠14が閉鎖位置とされた時に規制前爪部材630と
当接可能な位置まで多機能カバー部材171が張り出されると共に、
図135(a)に示
す状態では、規制前爪部材630は規制棒615に姿勢を規制されないように構成される
。
【0967】
加えて、
図135(a)に示す状態では、背面側延設板621cの背面と遊技盤13と
の当接は解除され、遊技盤13により回転前爪部材620の回転が規制されることは無い
。
【0968】
即ち、回転前爪部材620が固定状態となる直前の状態において規制前爪部材630に
下向き負荷がかけられる場合には、回転前爪部材620の正面側端部が傾倒動作すること
を許容している。
【0969】
これにより、遊技盤13が、盤面支持装置600を固定状態とする直前の位置に配置さ
れた場合(例えば、店員が遊技盤13を押し込む力が若干足りなかった場合であって、9
割方安定して設置されている場合)にまで、正面枠14が閉鎖しないという事態を解消し
、この場合に、正面枠14に配設される多機能カバー部材171から盤面支持装置600
に負荷が与えられる場合には、その負荷で盤面支持装置600を固定状態に変化させるこ
とができる。
【0970】
従って、遊技盤13を盤面支持装置600に固定する作業の作業性を向上させることが
できる。なお、本実施形態では、解除状態の盤面支持装置600に、遊技盤13を、遊技
盤13の背面と盤面支持装置600の傾斜延設板643とが当接するように配置し(
図1
34(a)参照)、遊技盤13を背面側に押し込むことで遊技盤13を固定することがで
きる。即ち、遊技盤13によって回転後爪部材640を変位させ、それに伴って回転前爪
部材620を回転させ、盤面支持装置600を固定状態に変化させる。この方法によれば
、規制前爪部材630の正面側端部に下向き負荷が与えられないので、抵抗少なく盤面支
持装置600を解除状態から固定状態に状態変化させることができる。
【0971】
図135(a)に示す状態では、遊技盤13の正面と、盤面支持装置600の下垂背面
板部621dの遊技盤13と対向する面とが前後方向で当接する。この状態で遊技盤13
が正面側へ移動(傾倒)する際には、下垂背面板部621dを押しのけながら移動(傾倒
)することになるので、回転後爪部材640を介して回転前爪部材620に与えられるね
じりバネNBbの付勢力が、遊技盤13の正面側への移動(傾倒)に対する抵抗として付
与される。これにより、
図135(a)に示す状態で、遊技盤13が正面側に移動(傾倒
)する可能性を低くすることができる。従って、後述する下側の盤面支持装置600(図
136から
図139参照)が、遊技盤13に負荷を与えた場合に、その反動で遊技盤13
の上端部付近が正面側に移動(傾倒)することを抑制することができる。
【0972】
また、
図135(a)に示す状態から
図135(b)に示す状態の間では、規制前爪部
材630がねじりバネNBaの付勢力で傾倒し、非抵抗部634bが規制棒615と対向
配置される(
図135(b)参照)。この状態において、遊技盤13が正面側に移動(傾
倒)し、遊技盤13が下垂背面板部621dを押すことで回転前爪部材620が回転する
場合には、第1軸部材P61を中心とする円弧に沿う方向で、非抵抗部634bが規制棒
615と当接し、その分、遊技盤13の正面側への移動(傾倒)に対する抵抗が大きくな
る。
【0973】
これにより、
図135(a)に示す状態から
図135(b)に示す状態の間において、
遊技盤13が正面側に移動(傾倒)する可能性を低くすることができる。従って、後述す
る下側の盤面支持装置600(
図136から
図139参照)が、遊技盤13に負荷を与え
た場合に、その反動で遊技盤13の上端部付近が正面側に移動(傾倒)することを抑制す
ることができる。
【0974】
また、湾曲面634の非抵抗部634bは、
図135(a)に示す状態で規制棒615
と当接する部分から、
図135(b)に示す状態で規制棒615と当接する部分へ向けて
第2軸部材P62を中心とした半径が徐々に大きくなる態様の湾曲面が形成される。
【0975】
これにより、
図135(a)に示す状態から多機能カバー部材171により傾斜延設板
633が背面側へ押進され、回転前爪部材620が回転することにより第2軸部材P62
が変位すると、非抵抗部634bと規制棒615とが一瞬だけ離間する。そのため、規制
前爪部材630に規制棒615から与えられる抵抗が一瞬だけ低減することにより、規制
前爪部材630は、ねじりバネNBaの付勢力により勢いよく下垂背面板部621dに近
接し、
図135(b)に示す状態に状態変化する。
【0976】
従って、本実施形態のように、
図135(b)に示す盤面支持装置600の固定状態に
おいて、多機能カバー部材171が規制前爪部材630や傾斜延設板633と離間する寸
法関係であったとしても、
図135(a)に示す盤面支持装置600の固定状態の直前の
状態において正面枠14を閉鎖位置とすることで、多機能カバー部材171を規制前爪部
材630や傾斜延設板633に当接させ、その後、盤面支持装置600を固定状態とする
ことができる。
【0977】
なお、本実施形態では、遊技盤13が盤面支持装置600に固定されていない場合には
、盤面支持装置600の状態に関わらず正面枠14を閉鎖位置に配置可能に構成される。
即ち、背面側延設板621cの背側面が遊技盤13と当接せず、遊技盤13により回転前
爪部材620の回転が規制されない状態では、盤面支持装置600は、多機能カバー部材
171との干渉を避けて動作可能とされる(例えば、
図134(a)に示す状態から、図
135(a)に示す状態まで状態変化可能とされる)。従って、遊技盤13が配置されて
いない場合(例えば、盤面の交換時に、一時的に正面枠14を閉鎖状態としたい場合)に
まで、正面枠14の閉鎖を規制することを避けることができるので、作業者の作業効率を
向上させることができる。
【0978】
なお、盤面支持装置600を固定状態から解除状態とする場合には、傾斜延設板633
を正面上方側に引き、ねじりバネNBaの付勢力に抗して規制前爪部材630を回転させ
る。この際、規制棒615から受ける負荷は小さい(回転方向で湾曲面634と規制棒6
15とが当接していない)ので、軽い力で規制前爪部材630を回転させることができ、
そのまま回転を継続させることで、盤面支持装置600を解除状態とすることができる。
【0979】
なお、遊技盤13が固定された状態で盤面支持装置600を解除状態とすると、遊技盤
13は、変位する回転後爪部材640により正面側へ押し出される(
図134(a)参照
)。そのため、盤面支持装置600が解除状態となった時に遊技盤13の前後位置が変化
しない場合に比較して、遊技盤13を取り外す作業の作業性を向上させることができる。
【0980】
また、
図129(a)及び
図134(a)に示すように、解除状態において、遊技盤1
3の上端面が盤面支持装置600の背面側延設板621cの下面と当接する。これにより
、上下の盤面支持装置600を両方とも解除状態とした場合において遊技盤13が正面側
に倒れる虞を解消することができる。
【0981】
なお、上下の盤面支持装置600は、片方ずつ解除状態と固定状態とを切り替える操作
を行うことが可能である。ここで、本実施形態のように、盤面支持装置600の状態変化
に伴い遊技盤13が前後に移動する構成において、片方ずつ盤面支持装置600を操作す
ると、遊技盤13の前後位置が上下で食い違い、遊技盤13にかけられる負荷が過大とな
る虞がある。
【0982】
これに対し、本実施形態では、上述したように、盤面支持装置600を解除状態とする
際に操作される規制前爪部材630の動作と、回転前爪部材620及び回転後爪部材64
0の動作とが一致しない。換言すれば、
図135(a)及び
図135(b)に示すように
、規制前爪部材630を変位させる量に比較して、遊技盤13を支持する回転前爪部材6
20及び回転後爪部材640が変位する量の方が小さい。
【0983】
従って、規制前爪部材630が固定状態に戻らない程度(規制棒615に戻りを規制さ
れる程度)に規制前爪部材630を変位させる場合の、回転前爪部材620及び回転後爪
部材640の変位量を抑えることができるので、上下の盤面支持装置600に支持される
箇所における遊技盤13の前後位置のずれを抑えることができる。従って、遊技盤13に
かけられる負荷を抑制できる。
【0984】
また、回転前爪部材620に回転後爪部材640が回転可能に軸支されていることから
も、同様の効果が生じる。即ち、固定状態(
図135(b)参照)から解除状態(
図13
4(a)参照)に移行する間に、回転後爪部材640はねじりバネNBbの付勢力に抗し
て回転前爪部材620と回転後爪部材640との間の角度を広げる方向に変位可能とされ
る。
【0985】
従って、回転前爪部材620の変位量に比較して、遊技盤13が回転後爪部材640に
押し出される変位量を抑えることができるので、上下の盤面支持装置600に支持される
箇所における遊技盤13の前後位置のずれを抑えることができる。これにより、遊技盤1
3にかけられる負荷を抑制できる。
【0986】
次いで、
図136から
図139を参照して、下側に配置される盤面支持装置600と正
面枠14との関係について説明する。
図136から
図139は、
図86のCXXXVI−
CXXXVI線におけるパチンコ機8010の部分断面図である。なお、
図136から図
139では、正面枠14が簡易な形状で図示されると共に正面枠14の閉鎖状態が図示さ
れる。
【0987】
また、
図136では、盤面支持装置600の解除状態が、
図137では、盤面支持装置
600の固定状態が、
図138では、盤面支持装置600が解除状態から固定状態側へ所
定角度(約25°)回転した状態が、
図139では、盤面支持装置600が固定状態とさ
れる直前の状態が、それぞれ図示されると共に、盤面支持装置600に支えられる遊技盤
13の板厚部分が想像線で図示される。
【0988】
図136から
図139では、盤面支持装置600と、正面枠14に固定される開閉規制
部159との関係について説明する。なお、理解を容易とするために、
図136及び
図1
37で断面視された開閉規制部159を、
図138及び
図139では想像線で図示する。
【0989】
図136に示すように、盤面支持装置600が解除状態とされる場合、正面枠14を閉
鎖位置に配置すると(
図136参照)、開閉規制部159と盤面支持装置600との干渉
は回避されているものの、遊技盤13と開閉規制部159の上方における操作部背面部材
155とが干渉する。そのため、盤面支持装置600の解除状態においては、遊技盤13
が外れた状態では正面枠14を閉鎖することが許容されるが、遊技盤13が配置された状
態では、正面枠14を閉鎖することが規制される。
【0990】
図137に示すように、盤面支持装置600が固定状態とされる場合、正面枠14を閉
鎖位置に配置すると(
図137参照)、開閉規制部159と盤面支持装置600との干渉
は回避される。加えて、遊技盤13が盤面支持装置600の解除状態の時の配置に比較し
て背面側に配置されることにより、遊技盤13と開閉規制部159の上方における操作部
背面部材155との干渉が回避される。そのため、盤面支持装置600の固定状態におい
ては、遊技盤13の有無に関わらず、正面枠14を閉鎖することが許容される。
【0991】
図138に示すように、盤面支持装置600の回転前爪部材620が解除状態から固定
状態側へ所定角度回転した状態とされる場合、正面枠14を閉鎖位置に配置すると(
図1
38参照)、開閉規制部159と、盤面支持装置600の傾斜延設板633とが干渉する
。
【0992】
また、この状態において、傾斜延設板633に対して背面側向きの負荷を与えることで
回転前爪部材620を回転させようとしても、規制棒615の作用により、回転前爪部材
620の回転方向(
図138時計回り方向)と規制前爪部材630の回転方向(
図138
反時計回り方向)とが逆方向となることにより反力が過大となるので、通常の負荷では困
難であることについては上述の通りである(
図134(b)参照)。
【0993】
従って、
図138に示す盤面支持装置600の状態においては、遊技盤13の有無に関
わらず、正面枠14を閉鎖することが規制される。特に、遊技盤13が配設された状態に
おいては、遊技盤13の正面側下端部と、背面側延設板621cとが上下方向で当接する
虞があることから(
図138参照)、より正面枠14の閉鎖を規制する作用が強くなる。
【0994】
図139に示すように、盤面支持装置600の回転前爪部材620が固定状態となる直
前の状態とされる場合、正面枠14を閉鎖位置に配置すると(
図139参照)、開閉規制
部159と、盤面支持装置600の傾斜延設板633とが干渉する。
【0995】
また、この状態において、傾斜延設板633に対して背面側向きの負荷を与えることで
回転前爪部材620を回転させようとする場合、規制棒615の作用により、回転前爪部
材620の回転方向(
図138時計回り方向)と規制前爪部材630の回転方向(
図13
8反時計回り方向)とが逆方向となることは無く、通常の負荷で容易に押し込めることに
ついては、上述の通りである(
図135(a)参照)。
【0996】
従って、
図139に示す盤面支持装置600の状態においては、正面枠14を押し込む
ことで、開閉規制部159を介して規制前爪部材630を押し込み、盤面支持装置600
を固定状態とすることができるので、正面枠14を閉鎖することが許容される。
【0997】
図140は、外枠11及び内枠12の分解正面斜視図であり、
図141は、外枠11及
び内枠12の分解背面斜視図である。なお、
図140及び
図141では、球発射ユニット
112a及び裏パック92の背面を閉じるカバー部材が内枠12から分解された状態が図
示される。
【0998】
球発射ユニット112aの詳細な構造について、
図142から
図148を参照して説明
する。
図142(a)は、球発射ユニット112aの正面斜視図であり、
図142(b)
は、球発射ユニット112aの背面斜視図である。
図143(a)及び
図143(b)は
、球発射ユニット112aの分解正面斜視図である。なお、
図143(a)では、カバー
部材721が開放された後に分解された状態が図示され、
図143(b)では、球受部材
731が分解された後に前後反転された状態が図示される。即ち、
図143(b)では、
球受部材731のみは、背面側が図示される。
【0999】
図142及び
図143に示すように、球発射ユニット112aは、金属またはダイカス
トから形成されるベース部材710と、そのベース部材710に組み付けられる樹脂製の
基礎部材711の右側辺を中心として、ベース部材710の正面を部分的に被覆する閉鎖
状態(
図142(a)参照)と、ベース部材710の正面を開放する開放状態(
図23(
a)参照)との間で回動可能に軸支持されるカバー部材721を有する球送り装置720
と、を主に備える。
【1000】
ベース部材710は、カバー部材721を支持する部材であってベース部材710に弾
性変形するフック等で係止されベース部材710の正面側に配設されると共に合成樹脂等
から形成される基礎部材711と、正面側に配設される発射用ソレノイド701と、その
発射用ソレノイド701によって打ち出された球P8を遊技領域へ向けて案内する発射レ
ール730と、球受部材731の姿勢を規制するためにベース部材710から正面側へ一
直線上に膨出される膨出部716aの中間位置において正面側へ円筒状に凸設され球受部
材731を締結固定するネジが螺入される締結部716と、複数の取付孔718と、複数
の位置決め凸部719と、を主に備える。
【1001】
基礎部材711は、右隅部において棒状部722が挿通される一対の受部712と、そ
の受部712の左右方向反対側においてフック部723を係止可能に穿設される係止部7
13と、その係止部713の右側に近接して正面側に凸設される凸設部714と、カバー
部材721の閉鎖状態(
図142(a)参照)において吸着力発生ソレノイド741と対
向配置して凸設される不具合判定凸部715と、を主に備える。
【1002】
凸設部714は、カバー部材721の閉鎖状態(
図142(a)参照)において切断用
金属部材725の上面側を覆う部分であって、カバー部材721の閉鎖状態において球通
過開口724の左内側面724cと対向配置されると共に左内側面724cと平行な平面
として形成される対向平面714aと、その対向平面714aと左右反対側の面であって
、背面側へ向かうほど右方へ傾斜する傾斜面714bと、を主に備える。
【1003】
不具合判定凸部715は、吸着力発生ソレノイド741がカバー部材721に締結固定
される場合には、吸着力発生ソレノイド741とは当接しない一方で、吸着力発生ソレノ
イド741の締結が緩んだ状態(カバー部材721から浮いた状態)では当接し、カバー
部材721の回転を規制する凸設高さで形成される。
【1004】
そのため、吸着力発生ソレノイド741の締結が緩んだ状態でカバー部材721が閉鎖
状態とされることを防止することができ、カバー部材721を閉鎖状態にできない場合を
形成することにより、店員に吸着力発生ソレノイド741の締結が緩んでいることに気づ
かせることができる。従って、球発射ユニット112aの不具合が発生する前に、未然に
修理(吸着力発生ソレノイド741をカバー部材721に緩みなく締結固定すること)を
行うことができる。
【1005】
球送り装置720は、基礎部材711に回転可能に軸支持されるカバー部材721と、
そのカバー部材721の内部へ進入した球P8の流下を規制する規制状態と、球P8(図
144参照)の発射レール730への流下を許容する許容状態とで状態変化するように制
御される切替装置740と、を主に備える。
【1006】
カバー部材721は、光透過性の樹脂材料から背面側(
図143(a)の姿勢において
紙面手前側)が開放されたカップ形状に形成され、基礎部材711の受部712に遊嵌さ
れる一対の棒状部722と、その棒状部722の左右反対側において鉤状に形成されるフ
ック部723と、そのフック部723よりも棒状部722側へ変位した位置において球P
8(
図144参照)が通過可能な大きさで前後方向に穿設される球通過開口724と、そ
の球通過開口724の内側端部における下縁から若干上方へ張り出す位置関係で配設され
る切断用金属部材725と、切替装置740の球案内腕部材742を軸支する軸棒部72
6と、を主に備える。
【1007】
切替装置740は、カバー部材721に締結固定される吸着力発生ソレノイド741と
、一端が軸棒部726に遊嵌される合成樹脂製の部材であって、吸着力発生ソレノイド7
41が磁力を発生するか否かにより回転し姿勢が変化する球案内腕部材742と、その球
案内腕部材742の上面に係止される板金部材であって吸着力発生ソレノイド741に吸
着される金属板743と、球案内腕部材742の一部であって球通過開口724の下方に
配置され球通過開口724から離れるほど下降傾斜する案内傾斜部744と、その案内傾
斜部744の基部から上方へ球P8を収容可能な間隔だけ延設され、延設端が軸棒部72
6と直交する平面に沿って球通過開口724側へ張り出される規制張出部745と、を主
に備える。
【1008】
球通過開口724は、球P8(
図144参照)を案内可能な通路を形成する開口であっ
て、回動径方向に沿ってフック部723から離反する方向に下降傾斜する流下板部724
aと、その流下板部724aの上方に対向配置され球通過開口724の上面から下方にリ
ブ状に延設され、延設先端面が背面側へ向かうにつれて下降傾斜するリブ部724bと、
流下板部724aの左端部と連設され、面が上下方向に沿って形成される左内側面724
cと、を主に備える。これらの構成により、球通過開口724に流入した球P8は、背面
方向かつ右方へ向けて流下する。
【1009】
カバー部材721の閉鎖状態(
図142(a)参照)において、球P8(
図144参照
)が球通過開口724に進入した場合、その球P8は傾斜面714bと当接し、その傾斜
面714bの傾斜に沿って右方へ位置ずれしながら背面側へ流下する。そのため、球P8
は切断用金属部材725から左右方向に離反する態様で流下するので、切断用金属部材7
25を球通過開口724の内側に張り出す態様で配置しながらも、球P8と切断用金属部
材725とが衝突することを防止することができる。
【1010】
発射レール730は、ベース部材710の中間位置から左側に向けて上方に傾斜するよ
うに延設されるレール部材である。そのレール部材の下端付近において、球P8(
図14
4参照)の直径よりも短い間隔を空けて配置される球受部材731が配設される。
【1011】
球受部材731は、発射レール730の延設方向と、長尺とされる方向とを平行とする
姿勢に規制されると共にベース部材710に締結固定される長尺板部材であって、長尺方
向に沿って長い長孔として形成されると共に締結ネジを通過させるための貫通孔731a
と、膨出部716aと同様に一直線(貫通孔731aを通り貫通孔731aの長孔方向を
向く直線)状に形成され、膨出部716aの幅よりも若干大きな幅かつ膨出部716aの
膨出高さよりも若干大きな溝深さで形成される規制溝731bと、を備える。
【1012】
球受部材731をベース部材710に締結固定する際には、貫通孔731aのどの位置
を締結部716と合わせて締結固定するかを選択する際に、球受部材731を膨出部71
6aが膨出される直線に沿ってスライドさせることができ、これにより、球P8(
図14
4参照)の待機位置(プランジャ702との離間距離)を調整することができる。従って
、球受部材731の位置を調整することにより、球P81の発射強度(操作ハンドル51
(
図86参照)を同じだけ回転させたときの発射強度)を容易に調整することができる。
なお、球受部材731の規制溝731bが膨出部716aにガイドされるので、球受部材
731の姿勢を不変とすることができる。
【1013】
発射レール730は、金属板を屈曲することにより略M字形の断面形状に形成され、略
V字形の断面形状に形成され左斜め上方に向けて延設される転動板部730aと、転動板
部730aの前後辺から垂下される取付板部730b,730cとを有し、取付板部73
0b,730cに複数(本実施例では2つ)形成された取付孔732に挿通されるネジで
ベース部材710に取付けられる。
【1014】
また、取付板部730b,730cの間における長手方向にかけて合成樹脂材から形成
されるレールガード733が設けられており、金属製のレールと金属製の遊技球との接触
により生じる音や振動等が抑制されている。
【1015】
転動板部730aは、略V字形の断面形状をなす転動面を有し、球P8(
図146(b
)参照)の周面における前後の2箇所にそれぞれ接触して球P8を上方へ案内するように
構成される。
【1016】
図144(a)から
図144(c)は、球送り装置720による球の送り出し状況を時
系列で示す球発射ユニット112aの正面図である。なお、
図144(a)から
図144
(c)では、理解を容易にするために、カバー部材721の図示が省略される。
【1017】
球送り装置720は、
図144(a)に示すように、切替装置740が規制状態(吸着
力発生ソレノイド741への電力の供給が停止され、球案内腕部材742が重力で降りて
いる状態)であるときは、球通過開口724の背面側開放端に対応する位置に規制張出部
745が配置され、球通過開口724に進入した遊技球P8に当接して、背面側開放端か
らの流下が規制される。
【1018】
次いで、
図144(b)に示すように、切替装置740が許容状態(吸着力発生ソレノ
イド741へ電力が供給され、球案内腕部材742が上昇した状態)に変化されると規制
張出部745が球の上方へ退避し、球P8の流下規制が解除されることにより、球P8が
案内傾斜部744上方に流入する。この状態において、球P8は基礎部材711の正面側
壁と当接することでそれ以上の流下が規制されており、案内傾斜部744の上面で滞留す
る。
【1019】
次いで、
図144(c)に示すように、再び球案内腕部材742が規制状態に復帰する
ことにより、案内傾斜部744に乗った球P8が基礎部材711の正面側壁と当接しない
位置まで下降される。これにより、球P8は、案内傾斜部744の傾斜に従って背面側に
誘導され、発射レール730に誘導される。
【1020】
なお、
図144(c)における球案内腕部材742の状態は、
図144(a)に図示さ
れる状態と同じなので、
図144(c)に示す状態においても、球通過開口724に進入
した球の流下が規制される。従って、球を1球ずつ、発射レール730へ供給することが
できる。なお、球通過開口724に進入する球P8は、上皿17(
図86参照)の下流側
端部に形成される開口から供給される球であって、上皿17に貯留されていた球である。
【1021】
図145は、切断用金属部材725の正面斜視図である。切断用金属部材725は、カ
バー部材721に締結固定される金属製の板部材であって、カバー部材721に螺入され
るネジが挿通可能に穿設される貫通孔725aと、流下板部724aの上面とほぼ沿う上
辺を有する下側刃部725bと、その下側刃部725bとの間に先端が鋭角の切れ込みを
形成すると共に、下側刃部725bの基端側の板と同一の板から延設される上側刃部72
5cと、を主に備える。
【1022】
上側刃部725cは、先端が下側刃部725bよりも背面側へ向けて傾斜し、下辺が流
下板部724aよりも上方へ張り出すように形成される。なお、上側刃部725cの下辺
は基端側(左側)へ向かうほど下降傾斜し、下側刃部725bの上辺は基端側(左側)へ
向かうほど上昇傾斜する。即ち、上側刃部725c及び下側刃部725bは、正面視でテ
ーパ形状を形成する。
【1023】
上側刃部725cと下側刃部725bとの間の切れ込みは、球に固着されたタコ糸など
の糸部材を切断するためのものである。次いで、
図146及び
図147を参照して、球P
8に糸Y8を固着させて進入させた場合に糸Y8がどのような扱いを受けるかについて説
明する。
【1024】
図146(a)は、球発射ユニット112aの正面図であり、
図146(b)は、
図1
46(a)の矢印CXLVIb方向視における球発射ユニット112aの部分上面図であ
り、
図147(a)は、球発射ユニット112aの正面図であり、
図147(b)は、図
147(a)の状態における糸Y8と切断用金属部材725との関係を示す、切断用金属
部材725の正面斜視図であり、
図148は、球P8の発射後における球発射ユニット1
12a、内レール61及び外レール62の部分正面図である。なお、
図146及び
図14
7では、理解を容易とするために、球発射ユニット112aの一部の構成部材の図示が省
略される。
【1025】
図146(a)及び
図146(b)に示すように、発射レール730へ誘導された球P
8は、球受部材731の左側下縁部と当接した状態で留まり(
図146(a)参照)、こ
の状態から発射用ソレノイド701に電流が流され、プランジャ702が勢いよく張り出
すことにより、球P8に発射力が与えられ、球P8が発射レール730に沿って打ち出さ
れる(
図147(a)参照)。
【1026】
ここで、球P8に糸Y8の一端を固着した状態で球P8を打ち出し、球P8を遊技領域
に入れた状態で、手元に残してあった糸Y8の他端を動かし、糸Y8を引っ張ったり、緩
めたりすることで、球P8を入賞口に繰り返し検出させる不正行為が知られている。
【1027】
これに対し、本実施形態では、球P8に固着される糸Y8を、球P8の発射の勢いを利
用して切断可能に構成される。詳述すると、球P8が発射待機位置に配置された場合(図
146(a)参照)、糸Y8は流下板部724aの上面に、背面側に向かう程右側へ寄せ
られる姿勢で乗ることになる(
図146(b)参照)。
【1028】
この状態で球P8が打ち出されると、流下板部724aの下側を通り発射レール730
を転動する球P8に引っ張られて糸Y8が移動するところ、糸Y8の中間部分は流下板部
724aの上面に沿って移動するので、糸Y8が流下板部724aの上方に張り出す上側
刃部725cの下側に入り込むことになり、下側刃部725b及び上側刃部725cで形
成される切込みに入り込む。
【1029】
糸Y8の手前側の端部(他端)は遊技者が把持しているところ、球P8に固着されてい
る糸Y8の一端に球P8の発射に伴う負荷がかけられることで、糸Y8には大きな引張力
がかけられる。これにより、糸Y8が下側刃部725b及び上側刃部725cで形成され
る切込みに押し付けられることになり、ついには切断される(
図148参照)。これによ
り、球P8を入賞口に繰り返し検出させる不正行為を防止することができる。
【1030】
なお、球P8の発射強度が弱い場合、糸Y8に十分な引張力が加わらず、糸Y8が切断
されない虞が考えられるが、その場合には、球P8は遊技領域までは到達せず、内レール
61及び外レール62の間を逆流し、ファール球受口部146を通過し、ファール球通路
部145を流下し(
図98参照)、下皿50へ排出される(
図86参照)。そのため、こ
の状態では、糸Y8にいくら負荷を加えても、球P8が入賞口を通過することは無いので
、球P8を入賞口に繰り返し検出させる不正行為が発生することを無くすことができる。
【1031】
次いで、
図149から
図179を参照して、演出動作ユニット1000について説明す
る。
図149は、遊技盤13の正面図であり、
図150及び
図151は、演出動作ユニッ
ト1000の分解正面斜視図であり、
図152は、演出動作ユニット1000の分解背面
斜視図である。なお、
図149に示す遊技盤13は、
図2に示す遊技盤13との比較にお
いて、センターフレーム86の上枠部から花弁動作装置800が視認可能とされることが
主な違いであり、その他の構成は、略同一とされる。
【1032】
上記センターフレーム86の上枠部には、
図150から
図152に示す演出動作ユニッ
ト1000が配設されている。演出動作ユニット1000は、花弁動作装置800、側方
基材1000S、基板カバー1000C、背面板1100及びその背面板1100に配設
される進退動作ユニット900等を有して構成されている。
【1033】
進退動作ユニット900は、駆動モータ921の駆動力により花弁動作装置800を上
下に昇降動作(進退動作、即ち、第3図柄表示装置81の表示領域の内方へ向けて進出す
る動作と、第3図柄表示装置81の表示領域の外方へ向けて退避する動作との少なくとも
一方を含む動作)させることに関わる複数の可動部材から構成され、一方の端部に花弁動
作装置800が連結され、他方の端部が背面板1100に軸支されると共にアームギア9
24を介して駆動モータ921の駆動力が伝達されることで回動動作する駆動側アーム部
材910と、その駆動側アーム部材910を駆動させる駆動力を発生する駆動モータ92
1と、その駆動モータ921の駆動力を駆動側アーム部材910に伝達する複数のギアか
ら構成される伝達手段920と、駆動側アーム部材910の回動動作と連動して左右方向
にスライド動作する薄板状のスライド板930と、そのスライド板930のスライド動作
と連動して回動する薄板状の第2演出部材940と、駆動側アーム部材910の左右反対
側において、背面板1100及び花弁動作装置800を連結する長尺板状の従動側アーム
部材950と、を主に備える。
【1034】
次いで、花弁動作装置800の構造について説明する。
図153は、花弁動作装置80
0の正面図であり、
図154は、
図153のCLIV−CLIV線における花弁動作装置
800の断面図である。なお、
図154では、支持基材801が想像線で模式的に図示さ
れる。
【1035】
花弁動作装置800は、支持基材801に、花弁802等の部材が支持されて構成され
ている。支持基材801は、
図152にも示すように、花弁802等の背面側に配置され
、全体形状は他の部材に隠れて図に表れていないが、樹脂材料から形成され、略矩形の板
状部と、その板状部の背面に配設される基板とを備える。
【1036】
支持基材801の中央本体部における上端部右寄りの位置には中央モータ804が後側
から固定され、その中央モータ804の駆動軸が、支持基材801に形成される小幅の間
隙部を通して前側に突出し、その先端に後述の第1ギア804G(
図156参照)が固定
されている。
【1037】
支持基材801の中央本体部における中央モータ804のやや左下方の位置には開口8
01Pが穿設され、その開口801Pの右方に配設され、後方へ一対の円筒状に延出し、
内部に挿入穴を有し、先端部に螺子挿通孔を有する螺子挿通部801Sが一体的に形成さ
れている。螺子挿通部801Sの周囲には、後述する遊嵌装置880の検出用円弧板88
0dが通過可能なドーナツ状に正面側から背面側へ凹設されるドーナツ状凹設部801D
(
図152参照)が形成される。
【1038】
中央モータ804が固定される支持基材801(
図152参照)の、中央モータ804
の下方には、オイルダンパ805が前側から固定されている(
図156参照)。
【1039】
支持基材801の前側には、中央部の縦長の概略長円状の領域を開放しつつその周縁領
域を前方から覆うように、装飾部材807が配置固定されている。その装飾部材807は
、上端部領域を構成する横長の上側部と、該上側部以下の領域を構成する概略U字形状の
下側部とから分割構成されている。
【1040】
本実施形態では、支持基材801は全体として上下にやや長く延びる形状となっている
が、花弁動作装置800が後述するように上下に移動可能に配設されるものであるため、
支持基材801が左右に長い形状に成形されるよりも上下に長い形状に成形されるほうが
、動作スペースを少なくできる。
【1041】
このとき、中央モータ804およびオイルダンパ805はそれぞれ、後述するように開
口801Pの位置に重ねるように同心に配置される第2ギア830G及び第3ギア810
Gに連動連結(リンク)されるため、それぞれ第2ギア830G及び第3ギア810Gの
外周であって互いに干渉しない位置であれば任意の位置に配置することができるが、本実
施形態では、第2ギア830G及び第3ギア810Gを介してそれぞれ右方に配置される
(
図156参照)。
【1042】
これにより、
図154に示すように、正面側に若干傾倒する姿勢で支持される花弁動作
装置800の右半分に重量を集めることで、逆側の左半分が下方に垂れることを防止する
ことができる。そのため、支持基材801と、その支持基材801の左半分に連結される
駆動側アーム部材910(
図152参照)との間隔が開くことを防止することができ、駆
動側アーム部材910を介して支持基材801に適切に駆動力を伝達することができる。
【1043】
図155は、花弁動作装置800の分解正面斜視図であり、
図156は、花弁動作装置
800の分解背面斜視図である。なお、
図155及び
図156では、理解を容易とするた
めに、支持基材801の図示が省略される。
【1044】
花弁802は、
図155及び
図156に示すように、全体として開花状態のハイビスカ
スの花を構成する、互いに分離した5枚の花弁のうちの1枚の形状をそれぞれ模して成形
された樹脂製の部材として形成され、背面側に板状の平板部材803を備える。
【1045】
図157(a)は、花弁802、平板部材803及びスライド部材820の分解正面斜
視図であり、
図157(b)は、花弁802、平板部材803及びスライド部材820の
分解背面斜視図である。
【1046】
花弁802のそれぞれは、配置状態で径方向に延びる略円弧形状の正面形状を有し、中
心から外周へかけて、前方へ緩やかに膨出するように湾曲する形状となっている(
図15
4参照)。
【1047】
花弁802の表面には多数の皺を含む不規則な凹凸が形成され、周縁も正面視不定形に
凹凸する形状となっている。5枚の花弁802は互いに厳密には同一形状とはなっておら
ず、凹凸等に僅かな相違があるが、おおよそ同様の形状に成形されている。花弁802の
大部分は、特定色(赤色)を有するがほぼ透明に近く、外周縁部は、内側領域との間に特
に境界を形成することなく、上記特定色(赤色)が濃くなるように着色がなされている。
【1048】
各花弁802は、各花弁802の後側面における外周近傍と、径方向中央部との2箇所
にそれぞれ、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する螺入部802Sが一体的に形成
されている。
【1049】
花弁802は、平板部材803に締結固定される位置から先端丸形状側(正面視反時計
回り側、
図157(a)紙面右側)に配置される後側部802aよりも、その後側部80
2aから先端鋭利形状側(正面視時計回り側、
図157(a)紙面左側)に配置される前
側部802bの方が、正面側に配置される。換言すれば、前側部802bの方が、後側部
802aよりも、遊嵌装置880の背面カバー886に近接配置される。
【1050】
各花弁802の前側部802bは一方に隣接する花弁802の後側部802aの前側に
重ねられ、後側部802aは他方に隣接する花弁802の前側部802bの後側に重ねら
れ、こうして5枚の花弁802が内周側の先端を同一中心にむけて集結するように配置さ
れている。
【1051】
花弁802は、後側部802aと前側部802bとが前後で位置ずれする形状とされる
ことで、集結位置(
図174及び
図175参照)において後側部802aと前側部802
bとを前後で重ね合わせる位置関係とすることができるので、集結位置と、全開位置(図
178及び
図179参照)とにおける花弁802全体での形状の差(大きさの差)を顕著
にすることができる。
【1052】
5個の花弁802は、配置状態で全体として、中心部に円状の開口部S1を有する円板
形状(ドーナツ形状)の後側面を有する(
図155参照)。
【1053】
平板部材803は、
図155、
図156及び
図157に示すように、上記5枚の花弁8
02にそれぞれ固定される、互いに分離した長尺板状の樹脂製の部材となっている。
【1054】
平板部材803のそれぞれは、配置状態で中心から外周側へ概略長方形状に延設される
正面形状を有し、さらにその外周縁部が前方へ延出する形状となっている。
【1055】
また、配置状態にある平板部材803の後側面における開口部S1の近傍(内周近傍)
には、後方へ円筒状に延出し内部に螺子穴を有する一対の螺入部803Sが、周方向(平
板部材803の短手方向)に離れた位置に一体的に形成されている。
【1056】
螺入部803Sは、各平板部材803の周方向(短手方向)の両側壁にほぼ面位置とさ
れる配置で形成され、さらに、この平板部材803の両側壁に沿う部分に、一対の螺入部
803Sを結ぶ直線に対し垂直であって平板部材803の後側面よりも後方へ矩形状に延
出するスライドリブ803aが、螺入部803Sの周面に外接する面方向に沿って両側へ
延出するように、螺入部803Sの周壁と一体的に形成されている。
【1057】
図157(b)に示すように、各平板部材803の後側面には、上記花弁802の螺入
部802Sに対応する2箇所にそれぞれ、内部に螺子挿通孔を有し、正面側で花弁802
の螺入部802Sが位置決めされる挿入穴を有する螺子挿通部803Hが一体的に形成さ
れている。
【1058】
各平板部材803の螺子挿通部803Hにはそれぞれ、対応する花弁802の螺入部8
02Sが前方から当接されて、後側からネジが螺入され、これにより各平板部材803が
対応する花弁802にそれぞれ固定される。
【1060】
スリット部材810は、
図158に示すように、同様の5つの形状部分が円環状に連続
する正面形状を有する樹脂製の板状部材となっており、中央部には円状開口811が穿設
され、
図159に示すように、その円状開口811の周縁から前後両方向に概略円筒状の
前側周壁部812及び後側周壁部813(
図156参照)が延出している。
【1061】
図156に戻って説明する。後側周壁部813には、周方向に等間隔をおいた5箇所の
内、隣り合う2箇所と、その2箇所を除く3箇所の内の真ん中の1箇所とにそれぞれ、前
後に円筒状に延び内部に螺子穴を有する螺入部813Sが一体的に形成され、且つ、上述
の5箇所の内、螺入部813Sが形成されなかった箇所の先端縁から、位置決めボス81
3aが延出される。それら螺入部813S及び位置決めボス813aに対応する5箇所で
、後側周壁部813が外径方向に膨出するように構成される。この膨出部分の目的の一つ
として、摺動摩擦を抑えることがあるが、詳細については後述する。
【1062】
スリット部材810は、
図158に示すように、中央スリット814及び両側スリット
815を備える。中央スリット814はそれぞれ、円状開口811よりやや外側の位置か
らさらに外側へ直線状に延びるように形成されている。ただし、円状開口811の中心か
ら外側へ向かう方向、すなわち円状開口811の径方向D11に対し、中央スリット81
4は正面視反時計回り方向に角度θ11(本パチンコ機8010では約15°)だけ傾斜
した方向D12に沿って延びている。
【1063】
両側スリット815は、中央スリット814の両側に若干の間隔をおいて平行に延びる
ように形成されている。
【1064】
このように中央スリット814及びその両側の両側スリット815の3本のスリットよ
りなる組が、周方向に5箇所、互いに等間隔(72°間隔)で形成されている。なお、中
央スリット814及び両側スリット815の各端部は正面視丸状(半円状)に形成されて
も良いし、矩形状に形成されても良い。
【1065】
本実施形態では、これら3本のスリットよりなる組において最外側に位置する両側スリ
ット815の外側縁の一端、即ち3本のスリットにおける4隅部の内、小径側の2隅部は
、両側スリット815の延長方向に概ね矩形状をなしてやや延出する(矩形状の切れ目が
入る)形状となっている。この矩形状の延出部(切れ目)は、平板部材803におけるス
ライドリブ803aを嵌入させるためのものである。
【1066】
スリット部材810は、中央スリット814及び両側スリット815が形成される平板
の側端部に連結され、中央スリット814及び両側スリット815の外周側端部よりも小
さな外径で形成されると共に、外径が円状開口811の中心と中心が一致する円弧形状で
形成される円弧板816を備える。
【1067】
これにより、円弧板816により、中央スリット814及び両側スリット815が形成
される平板の剛性が増強されている。従って、中央スリット814及び両側スリット81
5が形成される平板が周方向や軸方向に変形することを抑制することができる。
【1068】
また、上述の通り、
図158に示すように中央スリット814及び両側スリット815
よりなる組が、それぞれ円状開口811の径方向D11に対して傾斜した方向D12に沿
って延びているので、その分、5組の中央スリット814及び両側スリット815が内側
へ寄り合うようにして、より密に配置形成されており、これによってもスリット部材81
0の外形がコンパクト化されている。
【1069】
換言すれば、仮に5組の中央スリット814及び両側スリット815が円状開口811
の径方向D11に対して傾斜せずにこの径方向D11に沿って放射状に延びるように配置
形成されたとした場合よりも、上述の通り傾斜した方向D12に沿って延びるように配置
形成された場合のほうが、5組の中央スリット814及び両側スリット815をより密に
レイアウトすることができ、その分、スリット部材810の外周形状をより小さくするこ
とができる。
【1070】
中央スリット814及び両側スリット815には、
図155および
図156に示すよう
に、スリット部材810の後側から、スライド部材820が配置される。スライド部材8
20は、
図157に示すように、長尺板状の正面形状を有する樹脂製の部材であって、ス
ライド部材820の両端部において厚みが小とされ先端部が正面視半円形状に成形される
延出部と、その延出部の間の位置において演出部よりも厚みが大きく膨出される中央部と
、延出部に穿設される螺子挿通孔821と、スライド部材820の中央から正面側に凸設
され組立状態において中央スリット814に挿通される案内ピン822と、スライド部材
820の中央から背面側へ突出する態様で前後に貫通させるようにして固定されるスライ
ドピン823と、を備える。
【1071】
スライド部材820は、
図155及び
図156に示すように、スリット部材820にお
ける中央スリット814及び両側スリット815の3本のスリットの延設方向と長尺方向
を直角に交差させる姿勢で、中央スリット814及び両側スリット815に渡るように配
置される。
【1072】
一方、スリット部材810における中央スリット814及び両側スリット815には、
平板部材803の螺入部803Sが前側から嵌入される。十分に嵌入した状態では、平板
部材803の螺入部803Sはスリット部材810の後側面よりもごく僅かに後方へ突出
する。この状態で、スライド部材820の両側の螺子挿通孔821にそれぞれ後側から座
金付ネジ(ワッシャヘッドネジ)824が挿通され、平板部材803の螺入部803Sに
螺入されて固定される。
【1073】
これにより、スライド部材820が、間にスリット部材810を介在させて平板部材8
03の後側に固定される。このとき、スライド部材820の案内ピン822がスリット部
材810における中央スリット814に殆ど隙間なく挿入され、平板部材803のスライ
ドリブ803aが、スリット部材810における両側スリット815の対応する外側縁に
沿って殆ど隙間なく挿入される。
【1074】
これにより、平板部材803がスリット部材810における中央スリット814及び両
側スリット815にスライド自在に保持され、このとき、平板部材803が、案内ピン8
22を中心に回ることなく一定の外側方向を向いた体勢でスライド移動するように、スラ
イドリブ803aにより規制される。
【1075】
図160は、スライド部材820及び中央モータ804の正面斜視図であり、
図161
(a)及び
図161(b)は、スライド部材820及び中央モータ804の背面斜視図で
ある。なお、
図161(a)では、第4ギア880Gの図示が省略される。なお、
図16
0及び
図161の説明では、
図155及び
図156を適宜参照する。
【1076】
上述のように平板部材803がスライド自在に取り付けられたスリット部材810には
、さらに後側から回転板830が配置される。回転板830は、
図160及び
図161に
示すように、中央に円状の枢支開口831を有する樹脂製の円板となっている。
【1077】
回転板830は、
図160に示すように、前面側において、枢支開口831の周縁から
周壁が前方へ延出し、その周壁の周りに形成されるガイドレール832を備える。
【1078】
ガイドレール832は、回転板830の前側面から周壁が前方へ延出し、この周壁が、
回転板830の面方向に沿って、正面視細長のループ状に閉じるように延びる形状となる
ように、回転板830に一体的に形成されている。
【1079】
ガイドレール832の周壁の延出高さは枢支開口831の周縁における周壁の延出高さ
と同一となっている。ガイドレール832の内側の幅は、遊び程度の僅かな隙間をもって
スライドピン823を挿入し得る程度となっている。ガイドレール832の周壁の延出端
における稜角部は角落ちするように形成されている。
【1080】
ガイドレール832は、枢支開口831の周縁における周壁の外側に接する位置から、
枢支開口831の接線と法線との略中間の方向に沿って正面視時計回り方向側へ延び出し
、この後、この中間の方向よりも、さらに正面視時計回り方向側へ向けて弧状に湾曲しな
がら、回転板830の外周近傍の位置まで延びている(
図175(a)参照)。
【1081】
ガイドレール832における枢支開口831側端部、すなわち中心側端部において枢支
開口831の周縁部に外接する部分の周壁は、枢支開口831の周縁における周壁と一体
的に連続するように形成され、その前端部は枢支開口831の周縁における周壁の前端部
よりの正面側に張り出している。
【1082】
枢支開口831の周縁における周壁の周りには、上述と同様にしてあと4本のガイドレ
ール832が形成され、全体として5本のガイドレール832が、等間隔をおいて、枢支
開口831の周りから外側へ渦巻き状に拡がるように延びている。
【1083】
回転板830の後側面においては、
図161に示すように、枢支開口831の周縁から
周壁状に後方へ延出し、その外周に歯を有する第2ギア830Gが一体的に形成されてい
る。第2ギア830Gは、前記第1ギア804Gに噛み合うように配置され、中央モータ
804により回転駆動される。
【1084】
回転板830は、
図154に示すように枢支開口831をスリット部材810の後側周
壁部813に外嵌するようにして取り付けられる。このとき、前記スライド部材820か
ら後方へ突出している5本のスライドピン823の後端部を、それぞれ5本のガイドレー
ル832に挿入する(
図174(c)参照)。
【1085】
スリット部材810における後側周壁部813の外周面は前述の通り5箇所で局部的に
膨出しているので、回転板830の枢支開口831の内周面に対して面的にではなく線的
に接触し、これにより回転板830の枢支開口831がスリット部材810の後側周壁部
813に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌されて回転板830がスムーズに回転自在に枢支さ
れる。
【1086】
第2ギア830Gの後側にはさらに、
図161(a)に示すように、第2ギア830G
よりやや小径で枢支開口831より大径の第3ギア810Gが同心となるように配置固定
され、オイルダンパ805のダンパギア805Gに噛み合うように配置される。
【1087】
第3ギア810Gの中央には、円状の枢支開口810aが穿設され、その枢支開口81
0aの周囲には、前記スリット部材810(
図156参照)の後側周壁部813における
3箇所の螺入部813Sに対応する位置に螺子挿通孔810bが、2箇所の位置決めボス
813aに対応する位置に位置決め孔810cが、それぞれが穿設されている。
【1088】
第3ギア810Gは、前記スリット部材810の後側周壁部813に外嵌された第2ギ
ア830Gの後側に重ねるようにして配置され、スリット部材810の後側周壁部813
に対し、位置決めボス813a(
図156参照)を位置決め孔810cに挿入することに
より位置決めし、螺子挿通孔810bを通してネジ(図示せず)を螺入部813S(
図1
56参照)に螺入することにより固定される。
【1089】
これにより、スリット部材810が第3ギア810Gを介してオイルダンパ805のダ
ンパギア805Gに連動連結(リンク)されてオイルダンパ805により制動されるとと
もに、第3ギア810Gが抜け止めとなって回転板830がスリット部材810の後側周
壁部813に離脱しないように保持される。
【1090】
図155及び
図156に示すように、スリット部材810の前側からは、中央軸回転装
置850が配置される。中央軸回転装置850は、支持基材801に締結固定される(図
154参照)中央軸部材851と、その中央軸部材851を中心に回転可能に遊嵌される
遊嵌装置880と、を主に備える。
【1091】
図162は、中央軸回転装置850及び遊嵌装置880の分解正面斜視図であり、
図1
63は、中央軸回転装置850及び遊嵌装置880の分解背面斜視図である。
【1092】
図162及び
図163に示すように、中央軸部材851は、円筒の周壁の一部が軸方向
に沿って切り取られた不完全な円筒状に形成される軸部852と、その軸部852の前側
端に拡径するように円板状に形成されるフランジ855と、を備え、軸部852及びフラ
ンジ855が一体的に形成される。
【1093】
フランジ855の中央部は軸部852の内部と連通して円状に開口し、これにより軸部
852の内部を前後に貫通する内腔部856が形成されている。フランジ855の前側面
における内腔部856の周囲には、内腔部856を挟んだ左右2箇所に、内部に螺子穴を
有する前側螺入部857と、その前側螺入部857から内腔部856側へずれた位置にお
いて座グリを有する形状で背面側へ向けて穿設される保持部858と、円柱状に前方へや
や短く延出する2つの支持突起859とがそれぞれ一体的に形成されている。前側螺入部
857の正面側先端と、支持突起859の基部とは、同一の延出高さを有している。
【1094】
内腔部856の内周面には、対向する2箇所に並行するように軸部852の軸方向に沿
って円柱状に延び、軸部852の後側端よりさらに後方まで延出し、内部に螺子穴を有す
る後側螺入部853が一体的に形成されている。また、軸部852の周壁の後側端におい
て両後側螺入部853から等距離にある位置には、後側位置決めボス854が後方へ突出
するように一体的に形成されている。
【1095】
図162及び
図163に示すように、中央軸部材851の前側には、LED基板861
が配置される。LED基板861は、中央軸部材851のフランジ855より若干小径の
略円板状の基板となっている。
【1096】
LED基板861には、中央軸部材851の前側螺入部857および前側位置決めボス
854に対応する位置に、螺子挿通孔862及び位置決め孔863がそれぞれ形成されて
いる。
【1097】
中央軸部材851の前側位置決めボス854をLED基板861の位置決め孔863に
挿入して位置決めし、LED基板861の螺子挿通孔862を通してネジを中央軸部材8
51の前側螺入部857に螺入することにより、中央軸部材851のフランジ855の前
側を覆うようにLED基板861が固定される。
【1098】
また、LED基板861には、中央軸部材851の保持部858と対応する位置に、中
心装飾部材868の螺入部869を内嵌可能な大きさで挿通孔864が穿設される。
【1099】
LED基板861の前側面には、
図162に示すように、中央の1箇所と、この1箇所
の周囲に多重(2重)に拡がる同心円上に等間隔をおいて並ぶ多数箇所とに、前向きLE
D865がそれぞれ配置固定され、前方へ向けて発光するようになっている。
【1100】
LED基板861の前側面および後側面における外周縁近傍には、周方向に等間隔をお
いて並ぶ多数箇所に、横向きLED866が配置固定され、LED基板861の径方向に
沿って外側へ向けて発光するようになっている。なお、LED基板861の前側面におけ
る横向きLED866は、前向きLED865と同心円状に交互に配設される。LED基
板861の後側面には、コネクタ接続部867が後方へ向けて配置固定されている。
【1101】
LED基板861の前側には、中心装飾部材868が配置される。中心装飾部材868
は、特定色(黄色)を有するがほぼ透明に近い樹脂材料から形成され、長尺板状の土台か
ら背面側に円柱状に延設され、中央部にネジを螺入可能な螺子穴が形成される一対の螺入
部869を備える。
【1102】
螺入部869は、LED基板861の挿通孔864と対応する位置に配置される。LE
D基板861を挟んでフランジ855の保持部858にLED基板861の挿通孔864
を通過した螺入部869が正面側から当接され、螺入部869にフランジ855の背面側
からネジが螺入されることにより、中心装飾部材868がフランジ855に締結固定され
る。これにより、中心装飾部材868はLED基板861の抜け止めとして機能する。
【1103】
遊嵌装置880は、中央軸部材851の軸部852の外周直径よりも若干大きな内径の
内周面を有するフランジ付きの円筒形状から形成される小径円筒部材881と、その小径
円筒部材881と同軸で配置されると共にスリット部材810の前側周壁部812の内径
よりも若干小さな外径の外周面を有するフランジ付きの円筒形状から形成される大径円筒
部材882と、それら小径円筒部材881及び大径円筒部材882に挟まれるフランジ付
きの円筒形状の部材であって小径円筒部材881及び大径円筒部材882と互いに回転可
能に遊嵌される本体円筒部材883と、を主に備える。
【1104】
本体円筒部材883は、円筒部分の周方向に等間隔をおいた4箇所の内、一つ飛ばしの
2箇所にそれぞれ、前後に円筒状に延び内部に螺子穴を有する螺入部883Sが一体的に
形成され、且つ、上述の4箇所の内、螺入部883Sが形成されなかった箇所の先端縁か
ら、位置決めボス883aが延出される。
【1105】
それら螺入部883S及び位置決めボス883aに対応する4箇所で、本体円筒部材8
83が外径方向に膨出するように構成される。加えて、本体円筒部材883には、対応す
る4箇所の周方向の中間の位置で、螺入部883S及び位置決めボス883aと同様の突
出長さで外径方向にリブ状に突出されると共に軸方向にわたって延設される摺動リブ88
3bが形成される。
【1106】
本体円筒部材883のフランジ部分には、LED基板861の外形よりも大きな外形か
ら形成され、組立状態(
図149参照)においてLED基板861を正面側から覆う装飾
部材884と、その装飾部材884が外径付近で締結固定され、その締結部分よりも外周
側が正面側へ立ち上がる底の抜けたカップ形状を構成すると共に本体円筒部材883のフ
ランジ部分に背面側から当接し、締結固定される背面カバー886と、が配設される。
【1107】
背面カバー886は、表裏の面に全体的にメッキ(本パチンコ機8010では黄色)が
施され、これにより側面が鏡面状となっている。そのため、例えば、LED基板861の
背側面に配設される横向きLED866の光を外周付近で反射することで、発光演出を行
うことができる。
【1108】
装飾部材884は、LED基板861に配設されるLED865,866から光が照射
されることにより発光演出を行う部材であって、ハイビスカスの花の形状を構成し、特定
色(赤色)で光透過性を有する樹脂材料から形成される正面側板部と、その背面側におい
て周壁が背面側に立ち上がる円板形状を構成し、無色で光透過性を有する樹脂材料から形
成される背面側板部と、を備え、中央部分に中心装飾部材868を挿通可能な大きさで開
口部885が穿設される。
【1109】
このように構成される本体円筒部材883は、中央軸部材851に対して相対回転可能
とされる。遊嵌装置880は、第3ギア810Gの後側に配置される第4ギア880Gに
締結固定される(
図156参照)。
【1110】
第3ギア810Gの後側には、
図161(a)に示すように、第3ギア810Gよりや
や小径で枢支開口831より大径の第4ギア880Gが同心となるように配置固定され、
支持基材801に回転可能に軸支され互いに噛み合う一対の中間ギア808と歯合される
。
【1111】
中間ギア808は、一方のギアが第3ギア810Gと歯合し、その一方のギアと噛み合
う他方のギアが、第4ギア880Gと歯合する。即ち、第4ギア880Gは、中間ギア8
08を介して第3ギア810Gと逆方向に回転する。
【1112】
第4ギア880Gの中央には、円状の枢支開口880aが穿設され、その枢支開口88
0aの周囲には、本体円筒部材883の2箇所の螺入部883Sに対応する位置に螺子挿
通孔880bが、2箇所の位置決めボス883aに対応する位置に位置決め孔880cが
、それぞれが穿設されている。
【1113】
第4ギア880Gは、中央軸回転装置850の本体円筒部材883に外嵌された第3ギ
ア810Gの後側に重ねるようにして配置され、遊嵌装置880の本体円筒部材883に
対し、位置決めボス883a(
図163参照)を位置決め孔880cに挿入することによ
り位置決めし、螺子挿通孔880bを通してネジ(図示せず)を螺入部883S(
図16
3参照)に螺入することにより固定される。
【1114】
これにより、遊嵌装置880が第3ギア810Gを介してオイルダンパ805のダンパ
ギア805Gに連動連結(リンク)されてオイルダンパ805により制動されるとともに
、第4ギア880Gが抜け止めとなって、スリット部材810が遊嵌装置880の本体円
筒部材883に離脱しないように保持される。
【1115】
第4ギア880Gは、ネジ挿通孔880b及び位置決め孔880cよりも外周側におい
て回転軸を中心とした円弧状に背面側へ延設される検出用円弧板880dを備える。検出
用円弧板880dは、同一形状の板が、周方向に等間隔で5箇所に配置される。
【1116】
検出用円弧板880dは、組立状態(
図154参照)において、ドーナツ状凹設部80
1D(
図152参照)に収容され、ドーナツ状凹設部801Dを通過する部材を検出可能
に配設されるフォトカプラ方式の検出センサ801Cにより、検出される。即ち、本実施
形態では、第4ギア880Gがどの姿勢から回転を開始したとしても、検出用円弧板88
0dの配置間隔(中心角度72°)に対応した回転角度を検出可能とされる(最小角度7
2°の検出を行うことができ、72°以上の回転を検出により確保することができる)。
【1117】
中央軸回転装置850の組み付けについて説明する。LED基板861が配置固定され
た中央軸部材851の軸部852及び遊嵌装置880の本体円筒部材883は、スリット
部材810の円状開口811に前側から挿入される。中央軸部材851の軸部852及び
遊嵌装置880の本体円筒部材883が十分に挿入されると、それぞれの後端が第3ギア
810Gの枢支開口810aから僅かに後方へ突出する。
【1118】
軸部852の後端からさらに後方へ突出する後側位置決めボス854を支持基材801
(
図152参照)における位置決め切欠(図示せず)に挿入して位置決めし、同じく軸部
852の後端からさらに後方へ突出する後側螺入部853を前記支持基材801における
螺子挿通部801Sの挿入穴に挿入してネジ固定することにより、中央軸部材851が支
持基材801に固定される。
【1119】
このとき、LED基板861のコネクタ接続部867には配線が接続され、その配線は
中央軸部材851の内腔部856および支持基材801の開口801Pを通して後方へ導
出される(図示せず)。
【1120】
以上の取付構造により、中央軸部材851の軸部852が支持基材801に対し前方へ
突出するように固定され、
図154にも示すように遊嵌装置880の本体円筒部材883
にスリット部材810の後側周壁部813が外嵌し、大径円筒部材882に前側周壁部8
12が外嵌するようにして取り付けられる。
【1121】
このとき、本体円筒部材883の外周面は周方向に沿って8箇所で、螺入部883S、
位置決めボス883a及び摺動リブ883bにより局部的に膨出しているので、スリット
部材810の後側周壁部813の内周面に対して面的にではなく線的に接触し、これによ
りスリット部材810の後側周壁部813が本体円筒部材883に摩擦抵抗の少ない状態
で外嵌されてスリット部材810がスムーズに回転自在に枢支される。
【1122】
図164は、花弁動作装置800、駆動側アーム部材910及び従動側アーム部材95
0の背面斜視図であり、
図165は、背面板1100の正面斜視図である。花弁動作装置
800は、駆動側アーム部材910から上下方向の負荷を与えられることにより、上下に
昇降動作(進退動作)する。なお、
図164以降の説明においては、
図150から
図15
2を適宜参照する。
【1123】
背面板1100は、遊技盤13の背面に締結固定される背面ケース200(
図88参照
)の内側の最深部に締結固定される横に長尺矩形の部材であって、正面視左下隅部におい
て正面側に円柱状に突出される支持柱1110と、その支持柱1110の上方において複
数のギアが正面側から収容可能に凹設されるギア収容部1120と、左右中央位置におい
て上下方向に一直線上に配置されるレール固定部1130と、そのレール固定部1130
を挟んで支持柱1110の左右反対側においてレール固定部1130に近接するほど下降
傾斜する長孔として穿設される支持長孔1140と、を主に備える。
【1124】
支持柱1110は、駆動側アーム部材910を回動可能に軸支する円柱部分であって、
その正面側端部における外周付近において、左右一対に配置される穴であってネジを螺入
可能に形成される螺入部1111と、その螺入部1111の先端縁と同一面において上下
一対で正面側に延出される位置決めボス1112と、を備える。
【1125】
駆動側アーム部材910は、
図164に示すように、背面視くの字に屈曲した長尺棒状
の本体部材から構成され、一方の端部において前後方向に円状に穿設されると共に支持柱
1110に回転可能に軸支される回動軸孔911と、長尺の本体部材において一方の端部
寄りの位置において正面側に段付きの円柱状に凸設される連結凸部912と、長尺の本体
部材の屈曲点から回動軸孔911側へ直線的な長孔状に穿設される伝達長孔913と、長
尺の本体部材の他方の端部において花弁動作装置800を支持する支持部914と、を主
に備える。
【1126】
駆動側アーム部材910は、伝達長孔913に内嵌される内嵌凸部925と、検出セン
サ1162に検出される位置まで径外方向に張り出すフランジ部926と、を備えるアー
ムギア924の回転と連動して支持柱1110を軸に回動する。
【1127】
ギア収容部1120は、伝達手段920のギアが収容される凹設部であって、若干交差
しながら連設される3つの円状凹部から構成され、左端側に配置されモータギア922が
収容される第1収容部1121と、その第1収容部1121と連設される第2収容部11
22と、その第2収容部1122を挟んで第1収容部1121の正反対に配置されると共
に駆動側アーム部材910と嵌合されるアームギア924が収容される第3収容部112
3と、を主に備える。
【1128】
レール固定部1130は、複数枚の金属板が前後に重ねられ、上下にスライド動作可能
に支持される動作レール1000R(
図150参照、
図165では図示を省略)を支持す
る部分であって、動作レール1000Rを背面板1100に締結固定するネジが挿通可能
に穿設される挿通孔1131と、動作レール1000Rと嵌合し動作レール1000Rの
位置決めを行う位置決めボス1132と、を備え、それらが上下一直線上に配置される。
動作レール1000Rの剛性により、花弁動作装置800の姿勢が一定に維持される。
【1129】
支持長孔1140は、従動側アーム部材950をスライド可能に支持する長孔であって
、正面視で約50°の傾斜角度で左方へ向かう程に下降するように傾斜配置され、外周付
近から正面側に延設される延設壁1141を備える。
【1130】
従動側アーム部材950は、
図164に示すように、背面視で略一直線状に形成される
長尺棒状の本体部材から構成され、一方の端部において背面側へ円柱状に凸設され、背面
板1100の支持長孔1140にスライド可能に支持される被支持凸部951と、他方の
端部において花弁動作装置800を支持する支持部952と、を主に備える。
【1131】
被支持凸部951は、円筒形状のカラーが遊嵌され、そのカラーが支持長孔1140に
内嵌された状態で被支持凸部951の先端に形成される螺入部951aにネジが締結され
ることで、従動側アーム部材950が背面板1100にスライド可能に支持される。即ち
、カラーの内径は被支持凸部951の外径よりも若干大きくされ、外径は支持長孔114
0の幅よりも若干小さく形成される。
【1132】
図166は、背面板1100、側方基材1000S及び第2演出部材940の分解正面
斜視図であり、
図167は、駆動側アーム部材910、スライド板930及び第2演出部
材940の分解正面斜視図である。
【1133】
スライド板930は、左右に延びる長孔状に前後方向に穿設される複数(本実施形態で
は3箇所の)被支持長孔931で側方基材1000Sに左右にスライド移動可能に支持さ
れると共に、左端部側に配設される上下方向に延びる長孔状に前後方向に穿設される基端
側長孔932で駆動側アーム部材910の連結凸部912と連結され、右端部側に配設さ
れ前後方向に穿設される先端側挿通孔933で第2演出部材940と連結される。
【1134】
基端側長孔932は、上端部において連結凸部912が支持柱1110を中心に回転す
る軌跡に沿って形成される停留部932aと、その停留部932aの下端から鉛直下方に
延設される変位部932bと、を主に備える。
【1135】
側方基材1000Sは、
図166に示すように、背面板1100の正面視左方側で正面
視略三角形状に配設される円柱状部であって先端にネジを螺入可能な螺入部1151を有
する支持柱部1150に締結固定される板状部材であって、その支持柱部1150と対応
した位置に配設されると共にネジを挿通可能な挿通孔を有する締結板部1001Sと、ス
ライド板930の被支持長孔931の配置関係と対応した位置関係(3箇所)で背面側へ
円柱状に凸設される支持凸部1002Sと、正面視右隅部において前後方向に円形に穿設
されると共に第2演出部材940を回転可能に軸支する軸支孔1003Sと、その軸支孔
1003Sの中心と同一中心の円弧形状に凹設される円弧凹部1004Sと、同様に軸支
孔1003Sの中心と同一中心の円弧形状に沿って正面側に凸設される凸条部1005S
と、を主に備える。
【1136】
支持凸部1002Sは、スライド板930の被支持長孔931の幅よりも小さな直径の
円柱状に形成され、その先端からフランジ付き円筒形状のカラーが、支持凸部1002S
と被支持長孔931の間の隙間に配置され、その状態で支持凸部1002Sの先端から抜
け止め用のネジが螺入されることでスライド板930をスライド移動可能に支持する部分
として構成される。
【1137】
軸支孔1003Sは、第2演出部材940を回転可能に軸支する円形孔であって、円弧
凹部1004S及び凸条部1005Sは、第2演出部材940の回転動作を滑らかにする
目的で配置される部分である。なお、凸条部1005Sは、第2演出部材940が正規の
位置にある場合には当接しないが、正規の位置から変位したり、撓んだりしたら当接可能
となる凸設高さで形成される。
【1138】
第2演出部材940は、下端部が二股に分かれて形成されると共に上端部が被軸支柱部
941を中心とする円形に形成される本体部を有し、正面視右隅部において背面側に円柱
状に凸設されると共に軸支孔1003Sにカラーを挟んで軸支される被軸支柱部941と
、その被軸支柱部941に近接配置され背面側へ円柱状に凸設される補助凸部942と、
を主に備える。
【1139】
被軸支柱部941は、軸支孔1003Sの内径よりも若干外径の小さなカラーの内径よ
りも若干小さな外径で形成される円柱状の部分であって、先端にネジが螺入される螺入部
941aを備える(
図152参照)。被軸支柱部941がカラーを挟んで軸支孔1003
Sに挿入された状態で先端に軸支孔1003Sの内径よりも外径の大きな円板形状の蓋部
材945が配置された状態で螺入部941aにネジが螺入されることにより、蓋部材94
5が抜け止めの役割を果たす。これにより、第2演出部材940が側方基材1000Sに
軸支される。
【1140】
補助凸部942は、スライド板930の先端側挿通孔933に挿通され(
図169参照
)、先端に円形で樹脂製のカラーが締結固定されることにより、スライド板930から抜
けることが防止される。即ち、補助凸部942及び先端側挿通孔933の連結により、ス
ライド板930と第2演出部材940とは連動する。
【1141】
補助凸部942は、円弧凹部1004Sの幅の中央付近を変位する凸部であって、円弧
凹部1004Sの幅よりも若干小さな直径の円柱形状で形成される。これにより、第2演
出部材940が撓みそうになっても、補助凸部942が円弧凹部1004Sと当接し、抵
抗を生じることにより、撓み変形を抑制することができる。
【1142】
図165を参照しながら説明する。背面板1100は、駆動モータ921を支持する板
状の支持板921aの締結の際にネジを螺入可能に構成される3個の螺入部1161と、
アームギア924から所定角度の範囲で径外方向に張り出されるフランジ部926を検出
する検出センサ1162と、花弁動作装置800を持ち上げる方向の付勢力を生じるコイ
ルスプリングSP8を案内するカラーが回転可能に軸支される軸支柱1163と、支持長
孔1140の右下方において基板カバー1000Cを支持可能に正面視三角形状に配置さ
れるカバー支持部1164と、そのカバー支持部1164に近接配置され基板カバー10
00Cに正面視で隠される配線止め部1165と、基板カバー1000Cを締結するネジ
が螺入される螺入部1166と、を主に備える。
【1143】
同様に、側方基材1000Sは、基板カバー1000Cを締結するネジが螺入される螺
入部1006S,1007Sを備える。螺入部1006Sは、第2演出部材940の移動
方向に、移動終端に配置された第2演出部材940と若干の間隔を空けて配置される(図
168参照)。そのため、例えば、長期間の使用により補助凸部942が折れてしまい、
第2演出部材940の正面視反時計回りの回転を規制する部分が欠けた場合であっても、
螺入部1006Sにより、第2演出部材940の変位を規制することができる。
【1144】
このように、基板カバー1000Cは、単一の部材に固定されるのでは無く、前後に積
層配置され互いに締結固定される側方基材1000S及び背面板1100のそれぞれに締
結固定されることにより、基板カバー1000Cと、側方基材1000S及び背面板11
00とを、互いに強固に固定することができる。これにより、駆動側アーム部材910を
回動させることにより花弁動作装置800という重量の重い装置を昇降動作させる場合で
あっても、基板カバー1000Cや側方基材1000Sの振動や変位を抑制し易くするこ
とができる。
【1145】
次いで、
図168から
図173を参照して、進退動作ユニット900による花弁動作装
置800の昇降動作について説明する、
図168、
図170及び
図172は、花弁動作装
置800、進退動作ユニット900及び背面板1100の正面図であり、
図169、
図1
71及び
図173は、花弁動作装置800及び進退動作ユニット900の背面図である。
【1146】
なお、
図168及び
図169では、駆動側アーム部材910が移動範囲の上端側に配置
された状態が図示され、
図170及び
図171では、駆動側アーム部材910の連結凸部
912(
図164参照)が基端側長孔932の停留部932aと変位部932bとの連結
位置に配置された状態が図示され、
図172及び
図173では、駆動側アーム部材910
が移動範囲の下端側に配置された状態が図示される。
【1147】
図169及び
図173に示すように、駆動側アーム部材910が移動範囲の端部に配置
された状態において、駆動側アーム部材910の伝達長孔913は、アームギア924の
内嵌凸部925(
図151参照)を基点としてアームギア924の回転軸を中心とした円
の接線方向に延びている。そのため、駆動モータ921の始動時においては、内嵌凸部9
25のみが変位し駆動側アーム部材910は姿勢を維持する範囲(空回りする範囲)が生
じるので、駆動モータ921の始動時の抵抗を低減することができる。
【1148】
図170及び
図171では、
図168及び
図169に示す状態に比較して、花弁動作装
置800は若干下降している一方、スライド板930及び第2演出部材940の配置は維
持されている。即ち、駆動側アーム部材910が下降する方向に回動する際には、花弁動
作装置800がスライド板930や第2演出部材940に先行して動作する。
【1149】
図170及び
図171から、
図172及び
図173の範囲においては、駆動側アーム部
材910及びスライド板930が連動することにより、花弁動作装置800及び第2演出
部材940が連動しているように視認させることができる。
【1150】
ここで、第2演出部材940が花弁動作装置800の元々配置されていた位置へめがけ
て張り出す態様で移動することにより、あたかも、第2演出部材940が花弁動作装置8
00に追従して動作しているように視認させることができる。
【1151】
次いで、花弁動作装置800の集散回転動作について説明する。
図174(a)は、花
弁動作装置800の正面斜視図であり、
図174(b)は、花弁動作装置800の正面図
であり、
図174(c)は、中央軸回転装置850を省略し花弁動作装置800を透過し
て示す正面図であり、
図174(d)は、スリット部材810及び回転板830の正面図
である。
【1152】
図175(a)は、回転板830の正面図であり、
図175(b)は、花弁動作装置8
00の背面図であり、
図175(c)は、花弁802及び平板部材803の背面図であり
、
図175(d)は、花弁動作装置800の背面斜視図である。
【1153】
同様に、
図176(a)は、花弁動作装置800の正面斜視図であり、
図176(b)
は、花弁動作装置800の正面図であり、
図176(c)は、中央軸回転装置850を省
略し花弁動作装置800を透過して示す正面図であり、
図176(d)は、スリット部材
810及び回転板830の正面図である。
【1154】
図177(a)は、回転板830の正面図であり、
図177(b)は、花弁動作装置8
00の背面図であり、
図177(c)は、花弁802及び平板部材803の背面図であり
、
図177(d)は、花弁動作装置800の背面斜視図である。
【1155】
同様に、
図178(a)は、花弁動作装置800の正面斜視図であり、
図178(b)
は、花弁動作装置800の正面図であり、
図178(c)は、中央軸回転装置850を省
略し花弁動作装置800を透過して示す正面図であり、
図178(d)は、スリット部材
810及び回転板830の正面図である。
【1156】
図179(a)は、回転板830の正面図であり、
図179(b)は、花弁動作装置8
00の背面図であり、
図179(c)は、花弁802及び平板部材803の背面図であり
、
図179(d)は、花弁動作装置800の背面斜視図である。
【1157】
花弁動作装置800は、
図172に示すように、昇降動作により降下して最下位置にあ
るとき、
図174及び
図175に示す初期位置(集結位置)から、
図176及び
図177
に示す拡開中位置を経て、
図178及び
図179に示す全開位置へと拡開動作(第1動作
)を行い、さらに全開位置で回転動作(第2動作)を行って、この後、集結動作(第3動
作)を行い初期位置(集結位置)に復帰し得る構成となっている。
【1158】
初期位置(集結位置)においては、
図174(d)に示すように、スライド部材820
(
図157参照)のスライドピン823がスリット部材810における中央スリット81
4の内側端(円状開口811側端)に位置し、これにともない
図174及び
図175に示
すように、5枚の花弁802が、中心部の中心装飾部材868にむけて最も集結した集結
位置にあって、全体として開花状態のハイビスカスの花を構成する集結状態にある。
【1159】
花弁802が上述のように初期位置(集結位置)にあるとき、中央モータ804で第1
ギア804Gを
図175(c)に矢印A9で示すように背面視反時計回り方向に回転させ
ると、これに第2ギア830G(
図175(d)参照)が連動することにより回転板83
0が矢印A10で示すように背面視時計回り方向に回転駆動される。
【1160】
このとき、回転板830は前述の通り、枢支開口831でスリット部材810の前側周
壁部812に摩擦抵抗の少ない状態で外嵌しているので、小さいトルクで容易に前側周壁
部812の周りを回転することができる。他方、スリット部材810は、前述の通り円状
開口811で遊嵌装置880の大径円筒部材882に回転可能に外嵌されているが、その
一方で、前述の通り第3ギア810Gを介してオイルダンパ805のギア805Gに連動
して制動されているので、上述の回転板830を初動させ得る程度の小さいトルクでは回
転し得ないように保持されている。
【1161】
従って、中央モータ804で第1ギア804Gを回転させると、当初は、まず回転板8
30のみが上述のように回転駆動され、スリット部材810は停止した状態に保持される
(
図176及び
図177参照)。
【1162】
回転板830が上述のように回転駆動されると、
図175(a)に示すように、その前
側面ではガイドレール832が矢印A11で示すように正面視反時計回り方向に回転し、
これにともない、スライド部材820(
図157参照)のスライドピン823に対し、ガ
イドレール832に案内されるようにして、径方向に沿って外側へ押し出される方向に力
が付加される。
【1163】
このとき、スライドピン823の移動は
図174(d)に示すようにスリット部材81
0の中央スリット814により規制されているので、そのスライドピン823が中央スリ
ット814に沿って内側端から外側へ直線的に案内されて移動する。
【1164】
またこのとき、回転するガイドレール832によってスライドピン823が案内される
ことにより、スリット部材810に対しても多少ともトルクがかかるが、このトルクより
もオイルダンパ805の制動力が上回っており、従ってスリット部材810は停止した状
態に保持されたまま、回転板830の回転とともにスライドピン823が中央スリット8
14に沿って外側へ直線的に移動することとなる。
【1165】
これにより、
図176及び
図177に示すように、5組の花弁802が、集結位置から
外側へ放射状に拡開する拡開動作を開始する。この拡開動作においては、スリット部材8
10の中央スリット814が、上述したように、
図177に示すように円状開口811の
径方向D11に対し正面視反時計回り方向に角度θ11だけ傾斜した方向D12に沿って
延びているので、外側へ移動するスライドピン823に対して比較的に大きな負荷がかか
ることとなるが、その一方で、この傾斜がある分、スライドピン823の移動速度は比較
的に速くなる。
【1166】
即ち、このように中央スリット814を正面視反時計回り方向に傾斜させることにより
、スライドピン823に対する負荷は比較的に大きくなる反面、回転板830の比較的に
少ない回転量(角度)によってスライドピン823を所定距離だけ移動させることができ
、これにより花弁802の拡開動作をより効率よく行うことができるようになっている。
【1167】
ここで、例えば、この傾斜がなく中央スリット814が径方向D11に沿って放射状に
延びていたと仮定すると、上述の場合に比して、スライドピン823に対する負荷は比較
的に小となる一方、スライドピン823の移動速度は比較的に遅くなり、更には、例えば
、中央スリット814が径方向D11に対し正面視時計回り方向に傾斜していたと仮定す
ると、スライドピン823に対する負荷の減少ならびに移動速度の低下はいずれもいっそ
う顕著となる。
【1168】
また、このとき、ガイドレール832が前述の通り、
図177に示すように中心側端部
から枢支開口831の接線と法線との中間の方向D15に沿って正面視時計回り側へ延び
出し、この後、方向D15よりも、さらに正面視時計回り側へ向けて弧状に湾曲しながら
外側へ延び、5本のガイドレール832で全体として外側へ渦巻き状に拡がるように延び
る形状となっている。
【1169】
ガイドレール832がこのように正面視時計回り側へ傾斜するほど、スライドピン82
3に対する負荷が小さくなるとともに移動速度が遅くなる。さらに、ガイドレール832
が方向D15よりも正面視時計回り側へ向けて弧状に湾曲するほど、スライドピン823
に対する負荷の減少ならびに移動速度の低下がいずれもより顕著となる。
【1170】
即ち、上述の中央スリット814の場合には、正面視反時計回り方向に傾斜させること
により、スライドピン823に対する負荷が比較的に大きくかつ移動速度が比較的に速く
なっていたのに対し、ガイドレール832の場合には、正面視時計回り側へ傾斜させさら
に弧状に湾曲させることにより、スライドピン823に対する負荷が比較的に小さくかつ
移動速度が比較的に遅くなっている。
【1171】
ガイドレール832の場合には、前述の通り回転板830の前側面から前方へ延出する
周壁により溝状に形成されており、スライドピン823の先端が前側から嵌装されるよう
になっているので、ガイドレール832とスライドピン823との間に大きな負荷がかか
ると、スライドピン823が移動の際にガイドレール832から逸脱する虞がある。この
ため、スライドピン823の移動速度を犠牲にして低くしつつ、スライドピン823に対
する負荷を小さくするように構成されている。
【1172】
一方、中央スリット814の場合には、スライドピン823が貫通するようになってい
るので、逸脱の虞も少なく、このため、スライドピン823に対する負荷を大きくしなが
らスライドピン823の移動速度を上げるように構成されている。
【1173】
このように、ガイドレール832でスライドピン823に対する負荷を小さくすること
により逸脱のような不具合を防止して動力伝達の確実性を確保する一方、中央スリット8
14でスライドピン823の移動速度を上げるという、役割分担がなされた構成になって
いる。
【1174】
この後、
図178及び
図179に示すように、スライドピン823が中央スリット81
4における外側の移動限界である外側端まで到達すると(
図178(d)参照)、5組の
花弁802が全開位置まで放射状に拡開して全開状態となり、拡開動作が終了する。
【1175】
この全開状態においては、
図178及び
図179に示すように、5枚の花弁802が放
射状に離散するように移動することにより、正面視で装飾部材884の外方に連続的に視
認される位置に花弁802が配置される。これにより、装飾部材884及び花弁802に
より装飾部材884のみが視認されていた場合(
図174(b)参照)に比較して、一回
り大きなハイビスカスの花のように一体的に視認される(
図178(b)参照)。
【1176】
このようにスライドピン823が中央スリット814における外側の移動限界である外
側端まで到達してこれ以上は外側へ移動できなくなると、この後は、スライドピン823
が中央スリット814の外側端に係止されるため、オイルダンパ805の制動力を下回る
程度の小トルクによっては、回転板830がこれまでと同方向へこれ以上回転できない。
そこで、中央モータ804の稼動を停止すると、拡開動作を終了した後の全開状態を維持
することができる。
【1177】
上記拡開動作の終了後に、中央モータ804からそれまでと同方向の回転動力を回転板
830に伝達するようにし、回転板830にかかるトルクがオイルダンパ805の制動力
よりも上回ると、スリット部材810が、オイルダンパ805による制動を振り切って回
転板830と共に
図178(d)に矢印A12で示す正面視反時計回り方向の回転を開始
する。こうして、拡開動作の後に、花弁802が、
図178(b)に矢印A13で示すよ
うに全開状態で正面視反時計回り方向に回転する。
【1178】
このとき、拡開動作の後に中央モータ804を停止させずに引き続き回転板830に回
転動力をかけ続けるようにするようにすれば、拡開動作から回転動作へと間をおかず連続
するように直ちに移行させることができる。
【1179】
花弁802が矢印A13で示すように全開状態で正面視反時計回り方向に回転する際、
装飾部材884は、
図178(b)に矢印A14で示すように、その逆方向(正面視時計
回り)に回転する。従って、装飾部材884が停止している場合に比較して、装飾部材8
84の所定の位置を基準とした一枚の花弁802の移動量(相対的な移動量)が大きくな
るので、花弁802の回転速度を実際の回転速度よりも高速に見せることができる。
【1180】
上記回転動作を終了し、中央モータ804で第1ギア804Gを、これまでとは逆に、
図179(b)に矢印A15で示すように背面視時計回り方向に回転させると、スリット
部材810がオイルダンパ805により制動されて停止した状態に保持されながら、まず
回転板830のみが
図179(b)に矢印A15で示すように背面視時計回り方向に回転
駆動され、これにより上記拡開動作とは逆方向の集結動作がなされる。
【1181】
即ち、スライドピン823が中央スリット814における外側の移動限界である外側端
から内側の移動限界である内側端まで復帰し、これとともに5組の花弁802が全開位置
から中心部の中心装飾部材868にむけて集結して、
図174及び
図175に示す集結位
置(初期位置)に復帰して集結状態に戻り、集結動作が終了する。
【1182】
この後は、中央モータ804を停止して花弁動作装置800の動作を終了するようにし
てもよいが、中央モータ804を停止させることなく連続して稼動させるか、あるいは中
央モータ804を停止した後に再度稼動して、さらに中央モータ804で第1ギア804
Gを
図179(b)に矢印A15で示す背面視時計回り方向に回転させると、花弁802
が、
図174(b)に矢印A16で示すように集結状態で正面視時計回り方向に回転する
。
【1183】
花弁802が矢印A16で示すように集結状態で正面視時計回り方向に回転する際、装
飾部材884は、
図174(b)に矢印A17で示すように、その逆方向(正面視反時計
回り)に回転する。従って、装飾部材884が停止している場合に比較して、装飾部材8
84の所定の位置を基準とした一枚の花弁802の移動量(相対的な移動量)が大きくな
るので、花弁802の回転速度を実際の回転速度よりも高速に見せることができる。
【1184】
この集結動作から回転動作へも、上述の通り中央モータ804を制御することにより、
一旦停止して間をおいてから移行するようにすることも、あるいは間をおかず連続するよ
うに直ちに移行するようにすることもできる。
【1185】
ここで、本実施形態では、検出用円弧板880dが検出センサ801c(
図153参照
)を通過することにより第4ギア880Gの回転が検出されるので、中央モータ804の
回転角度を制御せずとも、検出センサ801cの出力を判定することにより、花弁動作装
置800が回転動作を行っているか否かをMPU221(
図4参照)が判断することがで
きる。
【1186】
次いで、
図180から
図183を参照して第9実施形態について説明する。第8実施形
態では、通路形成ユニット140と板部材14dとの間に四方を壁で閉鎖されたトンネル
状のファール球通路部145が形成される場合を説明したが、第9実施形態における通路
形成ユニット9140は、ファール球通路部9145を形成する壁部に切り欠き9145
bが形成され、その切り欠き9145bに沿って板金部材9150が張り出す態様で構成
される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省
略する。
図180から
図183を参照して、第8実施形態との差異について説明する。
【1187】
図180は、第9実施形態における通路形成ユニット9140の正面斜視図であり、図
181は、通路形成ユニット9140の背面斜視図であり、
図182及び
図183は、球
発射ユニット112aの正面図である。
図180及び
図181に示すように、通路形成ユ
ニット9140は、第8実施形態における通路形成ユニット140との比較において、フ
ァール球通路部9145の内部構成と、ファール球通路部9145の下端部および前扉側
下皿通路部9142の下端部の上下位置関係と、前扉側下皿通路部9142の下端部の形
状と、仕切板部53aの構成とが異なる。
【1188】
即ち、第1に、ファール球通路部9145は、S字経路SL2の下側の湾曲内側部分に
おいて、通路形成ユニット9140の正面側端部から背面側へ向けて凹設される切り欠き
9145bを備える。そして、板金部材9150が、切り欠き9145bを上から覆う態
様で、板状部152の上部から上部へ延びる部分が正面側へ屈曲形成される薄板状の薄板
刃部9153を備える。
【1189】
切り欠き9145bは、S字経路SL2の凹設方向端部を含む一連の範囲に形成され、
その凹設深さは球の半径Raと同程度とされる。
【1190】
薄板刃部9153の上面は、板部材14d(
図91参照)から背面側へ凸設される上止
め凸部(図示せず)の下面と当接し、ファール球通路部9145の内部から生じる上向き
の負荷に耐えるように構成される。
【1191】
この薄板刃部9153は、ファール球通路部9145に糸Y8を通し、その糸Y8を引
っ張ったり緩めたりすることで、遊技領域の内部の球を不正に操作し、不正な利益を得る
不正に対策するためのものであり、ファール球通路部9145に通された糸Y8を切断す
る目的で配置される。ここで、考えられる不正行為について説明する。
【1192】
図148に戻って説明する。上述したように、第8実施形態の球発射ユニット112a
には、球に固着された糸Y8を切断するために、切断用金属部材725が配設されている
。この切断用金属部材725は、球の発射の勢いを利用して、球に固着された糸Y8を切
断しようとする部材であるところ、発射の勢いが弱い場合には、糸Y8が切断されること
なく、球が発射されることがあった。
【1193】
一方で、この球は、遊技領域には到達せず、ファール球受口部146へ流下し、ファー
ル球通路部145を経て、下皿50へ排出される。そのため、この球が直接的に遊技領域
に進入する虞は無い。
【1194】
これに対し、例えば、糸Y8の両端に球P8,P9が固着される場合を考えると、新た
な問題点が生じる。即ち、
図182に示すように、糸Y8の一方の端部に固着された球P
8を弱く打ち出し、球P8がファール球受口部146へ案内された状態において、糸Y9
の他方の端部に固着された球P9が発射レール730まで案内されると、糸Y8は切断用
金属部材725の背面側(発射用ソレノイド701側)に配置されるので、球P9を勢い
よく打ち出したとしても、糸Y8は切断用金属部材725に切断されることは無い。
【1195】
従って、
図183に示すように、球P9を勢いよく打ち出せば、球P9は糸Y8を切断
されることなく、遊技領域へ到達する。事前に発射された球P8は、ファール球通路部1
45を通過し、遊技者の正面側に排出され、下皿50(
図86参照)に貯留される。
【1196】
そのため、不正行為を行う者は、下皿50に貯留された球P8を掴んで、球P8を動か
すことで、糸Y8を引っ張ったり、緩めたりすることができ、これにより、球P9を入賞
口63(
図2参照)等に繰り返し通すことができ、不正の利益を得ることができてしまう
。
【1197】
これに対し、本実施形態では、上述したように両端に球P8,P9を固着した糸Y8を
利用して不正行為を行う場合に、糸Y8が必然的に通るファール球通路部145に薄板刃
部9153を配設することにより、糸Y8を早期に切断することができるように構成され
る。
【1198】
即ち、不正行為を行う者が糸Y8を引っ張る際に、糸Y8が薄板刃部9153に擦れる
ことで、糸Y8に損傷が与えられ、早期に糸Y8の切断を図ることができる(
図180参
照)。このとき、本実施形態のように、薄板刃部9153を露出させる切り欠き9145
bは、正面側寄り、即ち、糸Y8を正面側から引っ張る際に糸Y8が寄せられる側に形成
されることで、糸Y8が引っ張られる際に糸Y8を切り欠き9145bの内部に配置させ
ることができ、糸Y8を薄板刃部9153に擦らせることができる。
【1199】
また、上述したように、薄板刃部9153は、ファール球通路部9145の反対側にお
いて板部材14d(
図91参照)と当接することで、上向きの負荷に対する抵抗力を大き
くすることができる。これにより、糸Y8が引っ張られた際に、薄板刃部9153にファ
ール球通路部9145の外方へ向いた負荷が与えられた場合に薄板刃部9153が反った
り、曲がったりすることを防止することができる。そのため、糸Y8から薄板刃部915
3へ向けて与えられる負荷の大半を、糸Y8に損傷を与えるために用いることができる。
【1200】
また、本実施形態では、上述したように、切り欠き9145bの凹設深さは、球P8の
半径Ra程度とされるので、球P8が切り欠き9145bの正面側を通過することが防止
され、同時に、球P8が薄板刃部9153に衝突することが防止される。これにより、薄
板刃部9153が球P8と衝突することにより割れたり、欠けたりすることを防止するこ
とができるので、薄板刃部9153の耐久性を向上させることができる。
【1201】
第2に、通路形成ユニット9140では、ファール球通路部9145の下端部が、前扉
側下皿通路部9142の下端部に比較して下側に配置される。詳細には、球の半径Ra程
度の上下差を有して配置される。これにより、払出球により、糸Y8に損傷を与えやすく
することができる。即ち、不正行為を行う者は、不正行為の発覚を恐れているため、球P
8を把持して以降は、店員に怪しまれることを防ぐために、球P8を体の近く(例えば、
ズボンのポケットなど)に維持して、糸8を引っ張ったり、緩めたりという不正行為を行
い易い。その場合には、糸Y8が下皿50の側壁の上面を伝って(上面に当接して)遊技
者側に延びる状態が維持される。この時、糸Y8は、球案内開口53の底面よりも球の直
径程度上方の位置を通り張られている(
図86参照)。
【1202】
この状態で、賞球の払出が行われると、前扉側下皿通路部9142の下端部から下皿5
0に排出される球は、下皿50に衝突して跳ね回る際に、球案内開口53の正面側に配置
される糸Y8を踏んだり、糸Y8と当たったりしながら下皿50(
図1参照)を右方へ向
けて流下し、球抜きレバー52の後方に配置される底面口を通して流下する。即ち、前扉
側下皿通路部9142の下端部をファール球通路部9145の下端部よりも上方に配置す
ることにより(跳ね回る際の上昇限界位置を高くすることにより)、前扉側下皿通路部9
142から下皿50へ排出される球が糸Y8と当接して、糸Y8に損傷を与える可能性を
増加させることができ、糸Y8を早期に切断することができる。
【1203】
そして、第3に、前扉側下皿通路部9142の下端部の底面には、右方へ向かう程下降
傾斜する右傾斜面9142aが形成される。右傾斜面9142aにより、前扉側下皿通路
部9142を経て球案内開口53から下皿50へ排出される球に右向きの速度を与えやす
くすることができる。
【1204】
これにより、下皿50へ払い出された球の勢い(運動エネルギー)が衰える前に糸Y8
の方へ球を向けることができる。即ち、右傾斜面9142aにより、下皿50へ前後方向
に沿って排出される球に強制的に右向き(ファール球通路部9145側向き)の速度成分
を与えることができるので、払い出される球の内、糸Y8を踏んだり、糸Y8に当たった
りする球の割合を増やすことができる。
【1205】
加えて、第4に、本実施形態では、前扉側下皿通路部9142の下端部は球案内開口5
3の左部において球案内開口53の左右幅寸法の2/3程度の領域を占め、ファール球通
路部9145の下端部は球案内開口53の右部において残りの領域(球案内開口53の左
右幅寸法の1/3程度の領域)を占め、その境界には、乗上規制段部9053aが形成さ
れる。
【1206】
図180に示すように、乗上規制段部9053aは、前扉側下皿通路部9142の下底
部として形成される右傾斜面9142aの右端部(右端辺)と、その右側に配設されるフ
ァール球通路部9145の出口付近の下底部の左端部(左端辺)とを連結すると共に鉛直
方向に延びる平面部として構成される。
【1207】
球案内開口53の背面側における乗上規制段部9053aの上側において球の直径より
も大きな上下幅を有する空間V9が形成され、その空間V9により前扉側下皿通路部91
42とファール球通路部9145とが連通される。従って、球案内開口53を通過する前
から、前扉側下皿通路部9142を通過してきた球を、空間V9伝いに右方へ流下させる
ことができる。そのため、球を糸Y8に近づけ易くすることができる。
【1208】
なお、乗上規制段部9053aの鉛直方向の幅は、球の半径Raと同等に設定される。
これにより、ファール球通路部9145を転動し、乗上規制段部9053aに当接した球
が、右傾斜面9142a側まで乗り上がることを規制することができる。即ち、乗上規制
段部9053aは、空間V9における球の左右方向への通過を、一方向(左から右へ向く
方向)で許容し、他方向(右から左へ向く方向)で規制する一方向弁として機能する。
【1209】
次いで、
図184から
図186を参照して、第10実施形態について説明する。第8実
施形態では、通路形成ユニット140と板部材14dとの間に四方を壁で閉鎖されたトン
ネル状のファール球通路部145が形成される場合を説明したが、第10実施形態におけ
る通路形成ユニット10140は、ファール球通路部10145を形成する壁部に切り欠
き10145cが形成され、その切り欠き10145cに沿って板金部材10150が張
り出す態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付し
て、その説明は省略する。
図184から
図186を参照して、第8実施形態との差異につ
いて説明する。
【1210】
図184から
図186は、第10実施形態における通路形成ユニット10140の正面
斜視図である。
図184では、通路形成ユニット10140を右斜め上から見た状態が図
示され、
図185では、通路形成ユニット10140を左斜め上から見た状態が図示され
、
図186では、通路形成ユニット10140を左斜め下から見た状態が図示される。
【1211】
図184から
図186に示すように、通路形成ユニット10140は、第8実施形態に
おける通路形成ユニット140との比較において、ファール球通路部10145の内部構
成のみが異なる。
【1212】
即ち、ファール球通路部10145は、S字経路SL2の上側の湾曲内側部分において
、通路形成ユニット10140の正面側端部から背面側へ向けて凹設される切り欠き10
145cを備える。そして、板金部材10150が、切り欠き10145cの下方を覆う
態様で正面側へ延設される薄板状の薄板刃部10153,10154を備える。
【1213】
切り欠き10145cは、S字経路SL2の凹設方向端部を含む一連の範囲に形成され
、その凹設深さは球の半径Ra(
図180参照)の2倍(直径)と同程度とされる。加え
て、切り欠き10145cは、通路部145aへ球が案内される転動板部10145dの
下方においてその転動板部10145dに沿って前後方向に穿設される貫通孔を備え、そ
の貫通孔に板金部材10150の薄板刃部10153,10154が背面側から挿通され
る。
【1214】
板部材14d(
図91参照)は、本実施形態において、切り欠き10145cの内側に
配設されると共に切り欠き10145が形成される前のファール球通路部10145の正
面視形状の外形で板部材14dの背面側の側面から背面側へ向けて凸設される補助凸部1
4d2を備える。なお、補助凸部14d2は、
図184及び
図185において、想像線で
図示され、
図186では図示が省略される。
【1215】
補助凸部14d2は、切り欠き10145cを途中まで(球の半径Ra(
図180参照
)程度)埋める態様で凸設され、これにより薄板刃部10153,10154が露出する
前後方向の長さは、球P8の半径Ra程度とされる。そのため、ファール球通路部101
45を流下する球が薄板刃部10153,10154に衝突することを防止することがで
きるので、薄板刃部10153,10154が球P8と衝突することにより割れたり、欠
けたりすることを防止することができ、薄板刃部10153,10154の耐久性を向上
させることができる。
【1216】
補助凸部14d2の凸設先端14d3は、ファール球受口部146側へ向かうほど(右
側ほど)背面側へ延びる傾斜形状から形成される。従って、切り欠き10145cにおい
て補助凸部14d2の凸設先端14d3の背面側の隙間の広さ(前後幅)は、通路部14
5aに近いほど広くなる。これにより、通路部145aに配置された糸Y8を薄板刃部1
0153,10154が配置される隙間である補助凸部14d2の凸設先端14d3の背
面側の隙間に入れ込みやすくなる。
【1217】
第1薄板刃部10153は、切り欠き10145cの背面側縁から正面側に張り出す薄
板部分であって、第2薄板刃部10154は、第1薄板刃部10153の正面側において
第1薄板刃部10153と二股の刃部を構成する部分であって、第1薄板刃部10153
の正面側縁の右端から若干上昇傾斜する態様で左方へ延設される。これにより、第1薄板
刃部10153と第2薄板刃部10154との間には凹設深部が鋭角の鋭角凹部1015
5が形成される。
【1218】
なお、薄板刃部10153,10154は、第9実施形態における薄板刃部9153と
同様に、糸Y8を切断することを目的に配設される金属部材である。
【1219】
鋭角凹部10155は、凸設先端14d3の背面側かつ切り欠き10145cの背面側
縁よりも正面側に配置される。これにより、補助凸部14d2の凸設先端14d3の背面
側に糸Y8が入り込んだ場合に、その糸Y8を鋭角凹部10155に入り込ませ、糸Y8
に損傷を与えやすくすることができる。
【1220】
なお、正面側に配置される第2薄板刃部10154の方が第1薄板刃部10153に比
較して上側に配置されることにより、不正行為を行う者により正面側斜め下方に引っ張ら
れる糸Y8が鋭角凹部10155の深部に入り込みやすくすることができる。
【1221】
薄板刃部10153,10154の右方に連設される板状部は、転動板部10145d
の下面と当接し、ファール球通路部10145の内部から生じる上向きの負荷に耐えるよ
うに構成される。
【1222】
傾斜板部146aの下端側の延設端と、補助凸部14d2の下端面とが、ファール球通
路部10145の内部通路が左右逆方向に屈曲する屈曲点において左右逆側を向いて配設
される。即ち、この2点において、糸Y8は左右逆方向に引っ張られる。
【1223】
例えば、不正行為を行う者が、手元に出てきていた球P8を手放して、球P8がファー
ル球通路部10145を逆流して遊技領域を経て排出されることで不正行為の発覚を回避
しようとする場合が考えられるが、本実施形態によれば、傾斜板部146aの下端側の延
設端と、補助凸部14d2の下端面とにおいて糸Y8又は球P8に左右逆方向の負荷が与
えられるので、逆流する球P8が補助凸部14d2の下端面に引っかかって停留する事態
を生じやすくすることができる。
【1224】
これにより、球P8及び糸Y8をファール球通路部10145の内部に留まらせ、糸Y
8が遊技領域に露出する時間を長くすることにより、不正行為の発覚を早めることができ
る。
【1225】
なお、鋭角凹部10155の深部に粘着性の部材(糊やトリモチ等)を配設して、鋭角
凹部10155に入り込んだ糸Y8と接着するようにしても良い。この場合、不正行為を
する者の手元に来た球P8に固着された糸Y8を切断しても、糸が鋭角凹部10155に
配設される粘着性の部材に接着され、球P9が遊技領域から排出されずその場に維持され
るので、糸Y8を用いた不正の発覚を早めることができる。
【1226】
次いで、
図187から
図190を参照して、第11実施形態について説明する。第8実
施形態では、発射強度が弱く遊技領域へ至らなかった球(ファール球)が下皿50に排出
される場合を説明したが、第11実施形態における皿通路形成部材2160は、ファール
球を受け入れるファール球受入口2164を備える。なお、上述した各実施形態と同一の
部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【1227】
図187は、第11実施形態における内枠12及び皿通路形成部材2160の正面図で
あり、
図188は、外レール2062の部分拡大正面斜視図である。
【1228】
図187及び
図188に示すように、外レール2062は、遊技盤13の左下隅に配置
されると共に第8実施形態における外レール62と同様の円弧形状を遊技領域側に有する
ように樹脂材料から形成され、球発射ユニット112aに近接配置される先端部材206
2aと、その先端部材2062aとの間に球が流下可能幅の隙間V11を有する位置関係
で内枠12の左端付近まで形成される案内部材2062bと、を備える。
【1229】
隙間V11の下流には、本体側上皿通路部161の内部の右隅に形成されるファール球
受入口2164に連通されるファール球通路2062cが形成される。ファール球通路2
062cは、球1個が調度通過可能な幅よりも若干大きめの幅で形成され、その上方に戻
り球防止部材68のスペアが配置される。
【1230】
なお、本実施形態では、上述の実施形態において本体側下皿通路部162が配設された
位置まで本体側上皿通路部161が左方へ移動されており、本体側下皿通路部162の形
成が省略されている。即ち、遊技盤13の背面側に配設される払出装置133(
図87参
照)から払い出される球は専ら本体側上皿通路部161を経由して上皿17に供給される
。そして、上皿17の球が許容量を超えると払出装置133の下流側において球の流路内
側に張り出して配設される満タンスイッチ(図示せず)が球の負荷でONとなり、払出装
置133からの球の払い出しが停止するように構成される。
【1231】
即ち、本実施形態では、ファール球通路2062cを通過した球も、払出装置133(
図87参照)から払い出される球も、上皿17に供給される。そのため、上述したような
、糸Y8の両端に球を接着し、ファール球通路2062cに一方の球を通すことで糸Y8
をファール球通路2062c伝いに遊技領域内部に入れ込ませる不正行為を考える際に、
糸Y8に対して払出球を当てることで糸Y8を損傷させる作用を、上皿17の球のたまり
具合に寄らず生じさせることができる。これにより、糸Y8を早期に切断し易くすること
ができる。
【1232】
図189は、外レール2062の部分拡大正面斜視図である。なお、
図189では、フ
ァール球通路2062cの上部に配設される戻り球防止部材68のスペアが分解され、背
面斜視図として並べて図示される。また、
図189の説明においては、
図188を適宜参
照する。
【1233】
戻り球防止部材68は、傾倒するゲート部材68aを支持する支持部材68bのベース
部材68b1が、手前側に配置される姿勢で遊技盤13に金属製の長尺ビスB11により
仮留めされる。
【1234】
詳細には、戻り球防止部材68の背面側において、案内部材2062bは空洞とされる
。その空洞には、案内部材2062bの背側面から正面側へ円筒状に突設されると共に内
壁に長尺ビスB11を螺入する螺入溝が形成される支持円筒部2062b2が形成される
。その支持円筒部2062b2の先端には案内部材2062bの空洞を正面側から閉塞す
る閉塞板2062b4が面当たりされ、その閉塞板2062b4の正面にベース部材68
b1が当接した状態で、ベース部材68b1に予め取付孔として穿設される貫通孔と、そ
の貫通孔に位置を合致させて閉塞板2062b4に穿設される貫通孔2062b5とに長
尺ビスB11が挿通され、その状態で支持円筒部2062b2に螺入されることで、戻り
球防止部材68が案内部材2062bに締結固定される。
【1235】
なお、閉塞板2062b4は、案内部材2062bと当接する側である上面と左面とは
、案内部材2062bの端面と形状が合致するように形成される一方で、下面は支持部材
68bとの干渉を避ける程度に凹設され、右面(
図189正面側の面)は、案内部材20
62bの勾配増加部2062dと同様の勾配の傾斜面として形成される。
【1236】
勾配増加部2062dは、案内部材2062bの遊技領域の外枠を構成する面に対して
、先端部材2062aに近づくほど下降傾斜する勾配とされる。即ち、勾配増加部206
2dの面に沿って先端部材2062a側へ延ばした直線L11は、先端部材2062aの
遊技領域の外枠を構成する面(上面)の上端部よりも下側(本実施形態では、球の直径の
1/3程度下側)で先端部材2062aと交差する。
【1237】
このように構成することで、遊技領域へ向けて球を発射する場合には、勾配増加部20
62dが球の経路から退避しており、勾配増加部2062dの下側先端部と球とが衝突す
ることを回避することができる。一方で、遊技領域に至らなかった球が逆流する場合には
、勾配増加部2062dを転動する球の経路の内側に先端部材2062aの上端部が張り
出しているので、その球が隙間V11を左右に通過し先端部材2062aを越えて球発射
ユニット112a側まで戻る可能性を低くすることができる。
【1238】
勾配増加部2062dの正面側の側面2062d1は、閉塞板2062b4との間で、
球の直径未満であって糸は進入可能な幅(本実施形態では約2[mm])の切込み206
2b1を形成可能な位置まで背面側へ凹設される。なお、切込み2062b1が形成され
る箇所は、遊技領域へ打ち込まれる球の経路と、ファール球通路2062cとが鋭角に交
差する箇所である。
【1239】
正面視右側の支持円筒部2062b2には、側面2062d1よりも正面側において、
勾配増加部2062dと対向配置される側に半円分の切り欠き2062b3が設けられる
。この切り欠き2062bは、長尺ビスB11を露出させる目的で設けられる。
【1240】
このように、切込み2062b1が形成される前後位置において正面視右側の支持円筒
部2062b2に螺入される長尺ビスB11が露出するので、第9又は第10実施形態で
上述した方法と同様に、ファール球通路2062cに、両端に球P8,P9が固着された
糸Y8を通して行われる不正行為の際に、糸Y8が長尺ビスB11と擦れるようにするこ
とができる。
【1241】
即ち、切込み2062b1の配置から、糸Y8は両端を引っ張られる負荷をうける際に
、切込み2062b1の深部に配置される長尺ビスB11に押し付けられる(
図190(
a)参照)。その状態で、糸Y8は長手方向にスライド動作することになるので、長尺ビ
スB11との間で擦れが生じ、糸Y8を早期に切断することができる。
【1242】
なお、本実施形態では、切込み2062b1は、球の中心が通る位置よりも正面側に配
置される。これにより、発射される球が外レール2062と当接する位置(球の中心の鉛
直下部)に切込み2062b1が配置されることを防止することができるので、発射され
る球に切込み2062b1が衝突して球の向き等に影響を与えることを防止することがで
きる。
【1243】
また、ファール球通路2062cに、両端に球P8,P9が固着された糸Y8を通して
行われる不正行為を行う者は、糸Y8の遊技者側に張り出している側の端(球P8が固着
されている側の端、
図182参照)を手前側に引き、遊技領域内の球P9の位置を調整す
るので、遊技者側に近い隙間V11付近では、糸Y8は正面側に寄ることになる。従って
、切込み2062cを正面寄りに配置することにより、切込み2062cが背面側寄りに
配置されている場合に比較して、糸Y8を切込み2062cに入り込み易くすることがで
きる。
【1244】
案内部材2062bに形成される空洞部には、下方に張り出す検出部を備えるボタン式
スイッチSW11が配設される。ボタン式スイッチSW11は、ゲート部材68aが錘部
68a2の重さで回転する際に発生する負荷よりも極端に弱い負荷で押し込み操作可能な
スイッチとして構成される。そのため、ボタン式スイッチSW11がゲート部材68aの
動作を妨害する可能性を低減することができる。ボタン式スイッチSW11は、ゲート部
材68aの姿勢を検出するためのものであり、ゲート部材68aの姿勢が変わる際に、O
N−OFFを切替可能に配設される。
【1245】
図190(a)及び
図190(b)は、ファール球通路2062cの部分正面拡大図で
ある。なお、
図190(a)では、戻り球防止部材68のゲート部材68aの錘部68a
2の重さで錘部68a2側がファール球通路2062c側に傾倒した状態が図示され、図
190(b)では、錘部68a2が、通過する球により押し上げられ、ゲート部材68a
の開閉部68a1側がファール球通路2062c側に傾倒した状態が図示される。また、
図190(a)では、不正行為で用いられる糸Y8の経路が参考として図示されると共に
ボタン式スイッチSW11がONとされていることが図示され、
図190(b)では、ボ
タン式スイッチSW11がOFFとされていることが図示される。
【1246】
図190(b)に示すように、戻り球防止部材68は、通過する球に対しては、若干の
抵抗を与えるのみであり、ファール球通路2062cを通過する球を留めるほどの抵抗を
与えるものでは無い。これは、球が自重で流れ去るものであり、
図190(b)に示すよ
うに開閉部68a1が傾倒することでファール球通路2062cの幅が狭められても、球
が流れ去れば即座に
図190(a)に示す状態に復帰するので、次にファール球通路20
62cに球が案内されるタイミング(最短で、0.6秒後)までには、
図190(a)に
示す状態に復帰させることができるためである。
【1247】
一方で、球のように流れ去らない物体、例えば、内視鏡のように通路を埋めながら進行
する物体に対しては、戻り球防止部材68が大きな抵抗となる。これは、不正行為対策と
しての構造である。
【1248】
例えば、内視鏡のような装置の先端を、ファール球通路2062cを球の流下方向とは
逆方向に進行させ、遊技領域の内部へ到達させ、遊技領域の内部に干渉しようとする(例
えば、遊技盤13に植設される釘(図示せず)を曲げたり、球を把持して入賞口に入れた
り、装置の先端を入賞口への案内板として利用したり、先端からレーザーを出して釘を切
断したりする)不正行為が考えられる。
【1249】
図191は、ファール球通路2062cの部分正面拡大図である。なお、
図191では
、不正に侵入する内視鏡などの装置の外形が想像線で図示される。
【1250】
内視鏡などの装置の先端を、ファール球通路2062cを球の流下方向とは逆方向に進
行させる際、本実施形態では、戻り球防止部材68のゲート部材68aを排斥しながら進
行させることになる。ここで、
図191に示す状態(錘部68a2が内視鏡の先端部によ
り排斥された状態)から
図190(a)に示す状態へ移行する際に、内視鏡の先端部に連
結される挿入部(長尺な軟性部分)が、なお錘部68a2の下方に配置され、錘部68a
2を押し上げた状態で維持することになる。そのため、開閉部68a1を排斥することを
困難とでき、内視鏡の先端部がそれ以上奥に進行することを防止することができる。
【1251】
ここで、内視鏡を強引に進行させ、ゲート部材68aを破壊して内部に進入される場合
には、このままでは不正の防止を図ることができない。一方で、この場合には、ボタン式
スイッチSW11がOFFの状態で維持されることになるので、ボタン式スイッチSW1
1がOFFの状態で所定時間維持された場合に警報を鳴らすように制御することで、不正
行為を早期に発見することができる。
【1252】
また、ボタン式スイッチSW11がOFFの状態の時には、払出装置133(
図87参
照)からの球の払い出しが停止するように制御しても良い。この場合であっても、通常使
用においては、ボタン式スイッチSW11がOFFとされる状態は、ファール球が通過す
るタイミング(
図190(b)参照)でのみ生じ、すぐにボタン式スイッチSW11はO
Nとされるので(
図190(a)参照)、払出装置133からの球の払い出しが停止する
期間を極力短くすることができ、遊技者が違和感を覚えることを防止することができる。
その一方で、不正にゲート部材68aを破壊した場合には、払出装置133からの球の払
い出しが停止される状態を維持することができる。
【1253】
なお、ファール球通路2062cの上方に配置される部材は、戻り球防止部材68であ
る必要は無く、他の可動部材でも良い。ただし、本実施形態のように戻り球防止部材68
を配置することにより、長期使用により、遊技盤13に配設されている側の戻り球防止部
材68が割れたり、曲がったりした場合に、早期に交換を行うことができる。これにより
、戻り球防止部材68の交換部材を単にオプションで購入する場合に比較して、交換前か
ら不正行為の防止の役割を果たすことができるという効果と、保管場所を忘れて探す手間
が省けるという効果とを奏することができる。また、戻り球防止部材68の全構成を備え
る必要は無く、例えば、固定の軸棒に、ゲート部材68aが軸支される構成でも良い(支
持部材68bが配設されなくとも良い)。
【1254】
また、戻り球防止部材68が割れたり、曲がったりして、交換した場合に、上述した不
正行為の防止の効果を奏するか否かは、戻り球防止部材68の破損の程度によるものであ
るが、不正行為を行う者からすれば、交換が行われたか否かが分からないこと、および、
交換されていたとしても破損の程度が分からないことにより、不正行為の抑止力をなお維
持することができる。
【1255】
次いで、
図192から
図197を参照して、第12実施形態について説明する。第8実
施形態では、花弁動作装置800が集結位置または全開位置でのみ回転動作する場合を説
明したが、第12実施形態における花弁動作装置2800は、拡開中位置においても回転
動作が可能となる態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の
符号を付して、その説明は省略する。
【1256】
図192は、第12実施形態における遊嵌装置2880の背面斜視図である。
図192
に示すように、遊嵌装置2880の背面カバー2886は、第8実施形態における背面カ
バー886の構成との比較において、後端外縁から径方向外側へ延設されるフランジ部2
887と、そのフランジ部2887の延設先端から背面側へ突設される規制部2888と
、を備える。本実施形態における遊嵌装置2880は、第8実施形態における遊嵌装置8
80との比較において背面カバー2886に差があるのみであり、他の部分においては遊
嵌装置880と同じものを備えている。
【1257】
規制部2888は、花弁802の後側部802aと前側部802bとの間の位置(中間
位置)まで突設される。即ち、規制部2888は、前側部802bとは当接可能であるが
、後側部802aとは当接不能な位置まで突設される。
【1258】
なお、本実施形態では、フランジ部2887及び規制部2888が単数配置される場合
を説明するが、これらを背面カバー2886の複数個所に点在させるようにしても良い。
次いで、フランジ部2887及び規制部2888の作用について
図193及び
図194を
参照して説明する。
【1260】
また、
図194(a)及び
図194(b)では、便宜的に案内ピン822及びスライド
ピン823が断面視され、同じ断面において、平板部材2803の一対の螺入部2803
Sが断面視される。また、
図193では、規制部2888の作用で姿勢を変化させる花弁
802を白抜きして示す(
図195、
図196においても同様である)。
【1261】
本実施形態では、
図194(a)に示すように、両側スリット815の内側に配置され
る一対の螺入部2803Sは、互いに向かい合う側の面に、螺子挿通部803Hを中心と
して相手側の螺入部2803Sから遠ざかる態様で傾斜する傾斜面2803Tを備える。
【1262】
傾斜面2803Tは、スライド部材2820がスライド移動する方向に対して約30°
傾斜して形成される。規制部2888が花弁802に与える作用について説明する。
【1263】
図193(a)及び
図193(b)に示すように、花弁802の前側部802bの移動
する方向に沿った径外方に規制部2888が配置される姿勢で、花弁802をスライド動
作させる(回転板830(
図155参照)を正面視反時計回りに回転させる)と、規制部
2888と花弁802の前側部802bとが当接し、花弁802は規制部2888から負
荷を受ける。
【1264】
花弁802が規制部2888から負荷を受けている状態で、更に、花弁802をスライ
ド動作させる(回転板830(
図155参照)を正面視反時計回りに回転させる)と、花
弁802は負荷を受け流すために、姿勢を変化させる。
【1265】
この時、花弁802に締結固定されるスライド部材2820は、
図194(a)に図示
される平常時の姿勢(中央スリット814及び両側スリット815の長手方向と直交する
方向に長手方向を向ける姿勢)から、
図194(b)に示すように、中央スリット814
及び両側スリット815に対して傾斜する傾斜姿勢への姿勢変化が可能とされる。花弁8
02には、可能な限りにおいて、姿勢変化が生じる。
【1266】
このようにスライド部材2820及び花弁802が姿勢変化することにより規制部28
88からの負荷が受け流される一方で、スライド部材2820とスリット部材810との
間の抵抗が変化する。
【1267】
即ち、
図194(a)に示す平常時の姿勢では、スライド部材2820は小幅のスライ
ドリブ803aが両側スリット815と当接するのみであるので、摩擦抵抗が抑制され、
スライド部材2820はスリット814,815の長手方向に滑らかに移動可能とされる
。
【1268】
これに対し、
図194(b)に示す傾斜姿勢では、スライド部材2820は、両側スリ
ット815に対して、外側内壁とはスライドリブ803aが、内側内壁とは傾斜面280
3Tが、それぞれ当接される(押し付けられる)ので、摩擦抵抗が増大する。加えて、傾
斜面2803Tの幅がスライドリブ803aよりも大きく形成されていることからも、摩
擦抵抗の増大が顕著となる。なお、傾斜面2803Tは、両側スリット815の内側内壁
に対して、両側スリット815の短手方向における両方向から当接されているので、回転
板830の回転方向に関わらず、摩擦抵抗の増大は生じる。
【1269】
従って、
図194(b)に示す傾斜姿勢では、スライド部材2820のスリット814
,815の長手方向への移動に対する移動抵抗が増大することにより、スライド部材28
20がスリット814,815の終端に到達することを待たずして、スライドピン823
から回転板830(
図156参照)にかかるトルクをオイルダンパ805(
図156参照
)の制動力よりも上回らせることができる(平常時の姿勢でのスライド部材2820の移
動抵抗と、傾斜姿勢でのスライド部材2820の移動抵抗との間の大きさにオイルダンパ
805の制動力を設定することができる)。
【1270】
この場合、スリット部材810が、オイルダンパ805による制動を振り切って回転板
830(
図155参照)と共に回転を開始する。即ち、
図193(b)に示す状態から、
正面視反時計回り方向への回転を開始する。この方向は、花弁802が規制部2888か
ら離反する方向に対応するので、規制部2888から花弁802へ与えられていた負荷を
解除することができる。
【1271】
図195は、花弁動作装置2800の正面図である。なお、
図195では、
図193(
b)の状態から回転板830(
図156参照)が同方向に回転を継続した後の状態が図示
される。
【1272】
図195に示すように、拡開中の位置において花弁動作装置2800を回転動作させる
ことができる。このとき、回転板830(
図155参照)の回転方向と逆方向(正面視時
計回り方向)に背面カバー2886が回転する。なお、
図195に示す状態では、スライ
ドピン823から回転板830(
図156参照)にかかるトルクがオイルダンパ805(
図156参照)の制動力よりも上回っているので、拡開中の位置を維持した状態で、正逆
両方向に花弁802を回転させることができる。
【1274】
図196(a)では、
図195に示す状態から、回転板830(
図156参照)が正面
視時計回りに回転され、花弁802の前側部802bが規制部2888に押し当てられる
。この状態から更に同方向に回転板830が回転すると、
図196(b)に示すように、
規制部2888が前側部802bを押進し、花弁802及びスライド部材2820の姿勢
が平常時の姿勢に戻される。
【1275】
更に、回転板830(
図156参照)が同方向に回転すると、スライドピン823から
回転板830にかかるトルクよりもオイルダンパ805(
図156参照)の制動力の方が
上回っていることから、花弁802の回転動作は収まり、花弁802は集結位置へ向けて
スライド移動する。
【1276】
このように、本実施形態によれば、花弁802を拡開中の位置で回転動作させ、その後
、集結位置へ向けて戻す動作を自動で行うことができる。
【1277】
なお、花弁802の前側部802bが規制部2888と当接する位置で拡開動作する場
合について説明したが、若干の角度だけ花弁802を回転させれば(回転板830を正面
視時計回りに回転させれば)、前側部802bと規制部2888との当接を避けられるの
で、全開位置まで花弁802を移動させ、全開位置で回転動作をさせることは本実施形態
でも可能である。
【1278】
また、規制部2888の配置としては、集結位置または全開位置における花弁802と
当接しない位置か、又は、全開位置で回転動作する花弁802と当接しても、花弁802
が若干姿勢変化することにより規制部2888をすり抜けることができ、負荷を受け流せ
ることができる位置とすることで、規制部2888が全開位置の花弁802の回転の障害
となることを防止することができる。
【1279】
また、本実施形態に示すように、規制部2888を正面視で背面カバー886からはみ
出た位置に配置することにより、規制部2888を演出装置の一部として用いることがで
きる。例えば、規制部2888の正面側に星型の模様を配設することにより、花弁802
が拡開する際に、星型の模様に近い位置を通るか、遠い位置を通るかについての目印とす
ることができ、その遠近の違いで、花弁802が最大まで拡開して回転動作を行うか、途
中までの拡開で回転動作を行うかの違いを生じさせることができる。
【1280】
そして、例えば、回転時の拡開の程度により大当たり期待度が異なる演出を行うことに
より、星型の模様と花弁802との遠近の程度に対する遊技者の注目力を向上させること
ができるので、星型の模様を演出部分として機能させることができる。これにより、規制
部2888を演出装置の一部として用いることができる。
【1281】
なお、規制部2888を、正面視で背面カバー886に隠される位置に配設しても良い
。この場合には、規制部2888の形状をデザインの面から設計する必要が無いので、規
制部2888の設計自由度を向上させることができる。
【1282】
全開位置において、花弁802が規制部2888と当接して若干姿勢変化することを演
出効果(例えば、大当たり期待度の大小を示唆する演出)として利用しても良い。この場
合、花弁802が単に回転しているのか、規制部2888と当接して若干の姿勢変化を生
じながら(ヒラヒラと)回転しているのかで、遊技者に伝える意味内容を変化させること
ができる。
【1283】
本実施形態では、花弁802が規制部2888と当接する位置が先端位置であったが、
当接する位置が中央寄りになれば(花弁802の配置が異なれば)、花弁802が姿勢変
化する際の拡開の程度は変化する。そのため、規制部2888が背面カバー2886に固
定される構成であっても、花弁802が姿勢変化する際の拡開の程度を複数種類で変化さ
せることができる。
【1284】
次いで、
図198及び
図199を参照して、第12実施形態の別例について説明する。
第12実施形態では、拡開中位置において、回転板830の回転方向に関わらずスリット
部材810が回転板830に連れ回り回転する場合を説明したが、第12実施形態の別例
における花弁動作装置3800のスリット部材3810は、回転板830の回転方向によ
って、スリット部材3810が回転板830に連れ回り回転する場合と、回転板830が
独立で回転する場合とを切替可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分
には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【1285】
図198(a)、
図198(b)、
図199(a)及び
図199(b)は、第12実施
形態の別例におけるスリット部材3810及びスライド部材2820の部分拡大正面図で
ある。
図198及び
図199では、
図198(a)に示す状態から回転板830が正面視
時計回りに回転した場合の花弁動作装置3800の動作例が時系列で図示される。また、
図198(a)、
図198(b)、
図199(a)及び
図199(b)では、回転板83
0のガイドレール832の配置および形状が想像線で図示される。
【1286】
なお、
図198(a)に示す状態から回転板830を正面視反時計回りに回転させた場
合に、スライド部材2820とスリット部材3810との間で生じる負荷がオイルダンパ
805からスリット部材3810に与えられる抵抗を上回り、スリット部材3810と回
転板830とが連れ回り回転することは第12実施形態と同様であるので、ここでは説明
を省略する。
【1287】
また、
図198及び
図199では、便宜的に案内ピン822及びスライドピン823が
断面視され、同じ断面において、平板部材2803の一対の螺入部2803Sが断面視さ
れる。
【1288】
ここで、回転板830を正面視時計回りに回転させる場合、回転板830のガイドレー
ル832にスライドピン823が挿通されているためにガイドレール832から負荷を受
けるスライド部材2820は、ガイドレール832の変位に伴い、
図198(a)の右下
方向に変位する(
図198(b)参照)。そして、本実施形態では、このように変位する
スライド部材2820を受け入れる側に追加の凹設部3814a,3815a,3815
bが形成される。
【1289】
即ち、スリット部材3810は、スリット部材810との差異点として、中央スリット
814の径方向に沿って延びる壁部の内、正面視時計回り側の壁部に中央スリット814
の幅を広げる態様で凹設される中央凹設部3814aと、中央スリット814の正面視時
計回り側に配置される両側スリット815の径方向に沿って延びる壁部の内、正面視時計
回り側の壁部に両側スリット815の短手方向の幅を広げる態様で凹設される時計回り側
凹設部3815aと、中央スリット814の正面視反時計回り側に配置される両側スリッ
ト815の径方向に沿って延びる壁部の内、正面視時計回り側の壁部に両側スリット81
5の短手方向の幅を広げる態様で凹設される反時計回り側凹設部3815bと、を主に備
える。
【1290】
時計回り側凹設部3815aは、
図198(a)に示す状態において、平板部材280
3のスライドリブ803aと対向配置される。
【1291】
中央凹設部3814aは、
図198(a)に示す状態において、スライド部材2820
の案内ピン822と対向配置される位置からスリット部材3810の回転中心側(
図19
8(a)下側)へ連続的に形成される。
【1292】
中央凹設部3814aは、凹設深さが時計回り側凹設部3815aよりも深くされ、径
方向の長さが時計回り側凹設部3815aよりも長くされる。
【1293】
反時計回り側凹設部3815bは、
図198(a)に示す状態において、平板部材28
03の傾斜面2803Tと対向配置される位置からスリット部材3810の回転中心側(
図198(a)下側)へ連続的に形成される。
【1294】
反時計回り側凹設部3815bは、凹設深さが時計回り側凹設部3815aよりも深く
され、径方向の長さが中央凹設部3814aよりも長くされる。
【1295】
上述のように構成される花弁動作装置3800の回転板830が正面視時計回りに回転
した場合の作用について説明する。まず、
図198(a)に示す状態から、回転板830
が正面視時計回りに回転開始すると、スライド部材2820及び平板部材2803が、図
198(a)右下方向(右端のスライドリブ803aが時計回り側凹設部3815aに入
り込む方向)に移動する(
図198(b)参照)。
【1296】
これにより、両側スリット815の正面視反時計回り側の壁部と平板部材2803との
当接は解除されるので、平板部材2803とスリット部材3810との間の摩擦抵抗が低
減される。
【1297】
更に回転板830を正面視時計回りに回転させると、スライド部材2820及び平板部
材2803は、時計回り側凹設部3815aとスライドリブ803aとの当接部分(スラ
イド部材2820及び平板部材2803とスリット部材3810との間で、初めに当接す
る部分)を支点として、正面視反時計回りに回転する(
図199(a)及び
図199(b
)参照)。
【1298】
なお、中央スリット3814a及び反時計回り側凹設部3815bは、時計回り側凹設
部3815aよりも凹設深さが深いので、上述のスライド部材2820及び平板部材28
03の回転中の、案内ピン822と中央凹設部3814aとの当接、及び、螺入部280
3Sと反時計回り側凹設部3815bとの当接は、回避される。
【1299】
更に、スライド部材2820及び平板部材2803は、上述した回転中に、回転先端部
分(
図198及び
図199の左側部分)が中央スリット814及び両側スリット815と
当接しない程度の凹設深さで時計回り側凹設部3815aが凹設される。
【1300】
従って、スリット部材3810にスライド部材2820及び平板部材2803を介して
与えられる負荷は低減され、スライド部材2820とスリット部材3810との間で生じ
る負荷がオイルダンパ805からスリット部材3810に与えられる抵抗を下回る。これ
により、スリット部材3810と回転板830とが連れ回り回転しなくなる。
【1301】
図199(b)に示すように、スリット部材3810の中央スリット814の長手方向
と、一対の螺入部2803Sを結ぶ方向(平板部材2803の長手方向)とが直交する姿
勢に至る過程において、正面視時計回り側の両側スリット815に収容されている径方向
中央側のスライドリブ803aが両側スリット815の壁部と当接することで、その当接
部分を支点としてスライド部材2820及び平板部材2803が正面視反時計回りに回転
する。これにより、時計回り側凹設部3815aに入り込んでいたスライドリブ803a
が、時計回り側凹設部3815aの凹設基端よりも正面視反時計回り側に移動する。
【1302】
即ち、スライド部材2820及び平板部材2803が径方向に移動する状態(
図194
(a)参照)となるので、回転板830を継続して正面視時計回り方向に回転させること
で、スライド部材2820及び平板部材2803を径方向中心側へ移動させることができ
る。
【1303】
従って、第12実施形態の別例によれば、
図198(a)に示す状態となってから、回
転板830の回転方向の違いにより、回転板830にスリット部材3810が連れ回り回
転する場合と、回転板830が独立して回転しスリット部材3810の姿勢は維持される
場合とを切り替えることができる。
【1304】
これにより、スライド部材2820、平板部材2803及び平板部材2803に締結固
定される花弁802(
図193(a)参照)に、第12実施形態では実現不可能であった
動作をさせることができる。
【1305】
換言すれば、第12実施形態では、回転板830を正面視反時計回りに回転させること
に伴う拡開動作の途中でスライド部材2820及び平板部材2803の姿勢が変化した後
で(
図194(b)参照)、その変化した姿勢を復帰させるまでの間に、平板部材280
3及び平板部材2803に締結固定される花弁802(
図193(a)参照)の回転動作
(スリット部材3810に連れ回り回転する回転動作)が介在する(
図195、
図196
(a)及び
図196(b)参照)。
【1306】
一方、第12実施形態の別例では、回転板830を正面視反時計回りに回転させること
に伴う拡開動作の途中でスライド部材2820及び平板部材2803の姿勢が変化した後
で(
図198(a)参照)、回転板830を正面視時計回りに回転させることで、スライ
ド部材2820及び平板部材2803の姿勢を戻すことができる(
図199(b)参照)
。即ち、変化した姿勢を復帰させるまでの間の平板部材2803及び平板部材2803に
締結固定される花弁802(
図193(a)参照)の回転動作(スリット部材3810に
連れ回り回転する回転動作)を省略することができる。
【1307】
従って、第12実施形態の別例によれば、回転板830を正面視反時計回りに回転させ
ることに伴う拡開動作の途中でスライド部材2820及び平板部材2803の姿勢が変化
した後において(
図198(a)参照)、回転板830を任意の状態(位相または姿勢)
から正面視時計回りに回転させることで、その任意の状態(位相または姿勢)に合致する
平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802の位置から、スライ
ド部材2820及び平板部材2803を集結位置へ向けて移動開始させることができる。
これにより、平板部材2803及び平板部材2803に締結固定される花弁802(
図1
93(a)参照)が拡開途中(
図198(a)参照)で回転動作(
図195参照)した後
、集結位置(
図197参照)へ向けて集結動作する際の花弁802の配置を多様化するこ
とができるので、花弁動作装置3800の動作を多様化することができる。
【1308】
次いで、
図200から
図203を参照して、第13実施形態について説明する。第1実
施形態では、下枠部材320の正面側部を構成する湾曲面が開口の無い板から形成される
場合を説明したが、第13実施形態における操作デバイス8300は、下枠部材8320
の湾曲壁部8326に複数の貫通孔8326a〜8326cが貫通形成される態様で構成
される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省
略する。
【1309】
図200、
図201、
図202(a)及び
図202(b)は、第13実施形態における
操作デバイス8300の正面斜視図である。なお、
図200及び
図202(a)では、傾
倒装置310の第2状態が図示され、
図201では、傾倒装置310の第1状態が図示さ
れ、
図202(b)では、傾倒装置310が第1状態から第2状態へ変化する途中の状態
が図示される。
【1310】
図200及び
図201に示すように、本実施形態における操作デバイス8300は、上
述した各実施形態における操作デバイス300〜7300との比較において、下枠部材8
320の湾曲壁部8326における違いが未説明であり、その他の構成については、上述
した各実施形態における操作デバイス300〜7300において、ほぼ説明済みである。
従って、以下においては下枠部材8320の詳細について説明し、その他の構成について
は、若干の補足説明に留める。
【1311】
下枠部材8320の湾曲壁部8326は、第1状態の傾倒装置310の保護レンズ部材
311iと前後方向で対向配置される湾曲した板状部であって、左右中央位置において略
卵形状に穿設される第1貫通孔8326aと、振動装置5400の左右において、傾倒装
置310の回転軸に直交し底板部321の面に沿った方向視で横長矩形の断面形状で底板
部321の上面の傾斜に沿って穿設され、底板部321の上面と下側面とが面位置でつな
がる一対の第2貫通孔8326bと、左右隅部において正面視で縦長矩形の断面形状で穿
設される一対の第3貫通孔8326cと、を主に備える。
【1312】
各貫通孔8326a〜8326cは、上述した飲料水などの液体を下方へ通過し易くす
る目的と、以下で説明する操作デバイス8300の隙間V13,V14に挿入されたコイ
ン状の異物を取り出しやすくする目的とを有する貫通孔である。コイン状の異物は、例え
ば、傾倒装置300の動作を邪魔と感じた遊技者が傾倒装置300の動作を無理やり停止
させるため、又は、興味本位の遊技者により意味もなく、傾倒装置310と上枠部材33
0との間の隙間V13,V14に嵌め入れられることがある。
【1313】
ここで、操作デバイス8300は、動作可能に構成される傾倒装置310を備えるので
、上枠部材330と傾倒装置310との間には若干の隙間V13,V14が形成される。
こうすることで、傾倒装置310の動作をスムーズにすることができる反面、隙間V13
,V14に異物が挿入される可能性が高くなる。
【1314】
特に、本実施形態では、傾倒装置310が背面側端部に配置されるリング部材BR1(
図14(b)参照)を軸に回転動作する構成とされる、即ち、上枠部材330に支持され
る位置が後端に寄っているので、傾倒装置310の前後方向長さが長いほど、正面側端部
付近で左右に位置ずれ(変形)し易い構成となっている。なお、この位置ずれ(変形)に
は、例えば、部材間に設計段階から組み込まれる設計誤差が合算されることで生じるガタ
つきを利用した位置ずれや、各部材を若干変形させることで生じる位置ずれ(変形)が含
まれる。
【1315】
そのため、平常使用時には傾倒装置310の左右両側の上枠部材330との隙間V13
が、コイン状の異物(例えば、1円玉)を挿入するほどの隙間V13にならないように設
計した場合であっても、傾倒装置310を左右どちらか一方(例えば、左方)に位置ずれ
された場合、他方(例えば、右方)にできる隙間V13は、平常使用時に傾倒装置310
の左右両側に上枠部材330との間で形成された隙間V13を合算した大きさの隙間V1
3となり、コイン状の異物を挿入することが可能な大きさになり得る。
【1316】
即ち、平常使用時の傾倒装置310の左右両側の上枠部材330との隙間V13をコイ
ン状の異物の厚みの半分以下(例えば、1円玉であれば、0.5mm以下)に設定してい
なかった場合、傾倒装置310を左右どちらか一方に位置ずれされた場合、コイン状の異
物が挿入され得る。
【1317】
また、傾倒装置310の正面端部と上枠部材330との前後方向の隙間V14も、傾倒
装置310のリング部材BR1(
図14(b)参照)付近のガタを利用して、傾倒装置3
10に背面側向きの負荷を与えること位置ずれ(変形)させれば、容易に隙間V14を拡
大可能とされるので、この隙間V14にもコイン状の異物が挿入され得る。
【1318】
本実施形態では、傾倒装置310と上枠部材330との間の左右どちらかの隙間V13
又は前後方向の隙間V14にコイン状の異物が挿入された状態で、傾倒装置310が傾倒
動作すると、コイン状の異物が下枠部材8320に入り込む可能性がある。
【1319】
特に、
図202(a)及び
図202(b)に示すように、傾倒装置310の左右壁部が
上下中央ほど左右内側にくびれる形状で構成される場合には、遊技者の手指にフィットし
易くなり良好な操作感を創出することができる一方、第2状態(
図202(a)参照)で
隙間V13に嵌め込まれたコイン状の異物がケース本体311のくびれの上から外方へ張
り出す部分から下向きの負荷を与えられ、より下枠部材8320に入り込み易くなる。
【1320】
コイン状の異物が隙間V13,V14に挿入された状態で傾倒装置310を動作させる
と、動作抵抗が過大となり、傾倒装置310の駆動に問題が生じる虞がある。また、コイ
ン状の異物と保護レンズ部材311iが擦れることで、保護レンズ部材311iの透光性
が悪くなり、発光演出に支障をきたす虞もある。
【1321】
そもそも、コイン状の異物が内部で引っかかり、傾倒装置310の動作を規制する事態
に陥ると、操作デバイス8300で意図する演出を実行不可能となるので、隙間V13,
V14にコイン状の異物が挿入されたことが発覚したら、早急に取り除くことが望ましい
が、下枠部材320に貫通孔が形成されていない状態では、コイン状の異物を取り除くた
めに操作デバイス300を分解する必要があった。
【1322】
これに対し、本実施形態では、湾曲壁部8326に貫通孔8326a〜8326cが形
成されるので、貫通孔8326a〜8326cを通してコイン状の異物を取り除くことが
可能となる。以下、貫通孔8326a〜8326cの形状や配置について説明する。
【1323】
図203(a)は、操作デバイス8300の正面図であり、
図203(b)は、
図20
3(a)の矢印CCIIIb方向視における操作デバイス8300の側面図であり、
図2
03(c)は、操作デバイス8300の底面図であり、
図203(d)は、
図203(a
)のCCIIId−CCIIId線における操作デバイス8300の部分断面図であり、
図203(e)は、
図203(a)のCCIIIe−CCIIIe線における操作デバイ
ス8300の断面図である。
【1324】
第1貫通孔8326aは、振動装置5400の左右方向中心と同一の左右方向中心を有
し、振動装置5400(の第1収容部5431、
図58参照)の左右幅より大きな左右幅
で穿設される。従って、隙間V14の左右中央位置付近に飲料水等の液体が注がれた場合
であっても、その液体は振動装置5400に到達する前に第1貫通孔8326aを通って
排出されるので、振動装置5400に液体が到達することを防止することができる。
【1325】
第1貫通孔8326aの下縁は、第1状態の傾倒装置310の延設部311h(
図12
参照)の上面よりも下方に配置される。そのため、隙間V14に嵌め入れられたコイン状
の異物が延設部311hの上面に乗っていた場合にあっては、その延設部311hの上面
の傾斜(第2状態の上下方向視で左右に向けて湾曲形成されていることにより傾倒装置3
10の第1状態において左右中央へ向けて下降傾斜する傾斜D81、及び傾倒装置310
が傾倒していることにより正面側へ向けて下降傾斜する傾斜D82、
図201参照)に沿
って、コイン状の異物が第1貫通孔8326aを通して取り除き易くすることができる。
【1326】
これにより、コイン状の異物を取り除き易くしながら、第1貫通孔8326aの大きさ
として要する大きさを必要最小限に抑えることができるので、下枠部材8320の設計自
由度を維持することができる。例えば、第1貫通孔8326aを左右に大きく広げる必要
がある場合に比較して、下枠部材8320の強度を確保し易くすることができる。
【1327】
なお、本実施形態では、第1貫通孔8326aの大きさは、第1状態の傾倒装置310
の延設部311h(
図12参照)の上面よりも上側の部分が、コイン状の異物として想定
される対象物の大きさ以上の大きさとされる。即ち、本実施形態では、第1状態の傾倒装
置310の延設部311hの上面よりも上側の部分が、左右幅および上下幅が約30[m
m]で形成される。
【1328】
なお、第1貫通孔8326aは、傾倒装置310が第1状態とされる場合において、球
殻部313a(
図15参照)の正面側に位置する。球殻部313aはLED装置341f
(
図25参照)から照射される光を透光させる部分である。本実施形態では、球殻部31
3aを除き、球殻部313の左右上下に連設されるレンズ部材313の板部分は、本実施
形態では鏡面加工が施される(鏡面加工の施された部材が固定される)ことにより、球殻
部313を通過した光を反射させる。
【1329】
この配置により、第1貫通孔8326aを用いて、傾倒装置310が第1状態とされた
場合に球殻部313a(
図15参照)を透過し遊技者に視認される光の光量に差を持たせ
ることができ、特に、第1貫通孔8326aにより、光の光量を弱める樹脂部材を取り払
ったことで、左右方向中央部を明るく視認させることができる。
【1330】
なお、コイン状の異物が第1貫通孔8326aを部分的に閉塞する位置に配置される場
合、球殻部313a(
図15参照)を透過し遊技者に視認される光の光量は、コイン状の
異物が無い場合に比較して弱くなる(コイン状の異物が影になる)。即ち、光量や、コイ
ン状の異物の影を手掛かりとして、コイン状の異物が下枠部材8320に残留しているこ
とに気づき易くすることができるので、コイン状の異物が気づかれずに、下枠部材832
0に残留し続ける可能性を低くすることができる。なお、この効果は、第1貫通孔832
6aを通して視認した場合に限らず、第2貫通孔8326bや第3貫通孔8326cを通
して視認した場合も同様である。
【1331】
第2貫通孔8326bは、底板部321に乗って倒れたコイン状の異物を、底板部32
1の面に沿った方向で排出可能な貫通孔として構成される。そのため、コイン状の異物と
して考えられる最大のもの(例えば、500円玉)を排出可能な大きさとして、本実施形
態では、第2貫通孔8326の左右幅が約30[mm]、底板部321の法線方向の幅が
約2[mm]で形成される。
【1332】
第2貫通孔8326bは、底板部321の左右中央付近に配置されることから、底板部
321の前縁の湾曲形状に沿って下方にコイン状の異物がずり落ちた後であっても、容易
にコイン状の異物を取り除くことができる。
【1333】
第2貫通孔8326bは、振動装置5400の左右両側に配置されるので、例えば、湾
曲壁部8326を伝い流れたり、底板部321を伝い流れたりする飲料水等の液体を振動
装置5400に到達する前に外方へ排出することに第2貫通孔8326bを利用すること
ができる。
【1334】
第3貫通孔8326cは、傾倒装置310の左右縁に沿って中心軸が配置され(
図20
3(a)参照)、傾倒装置310の左右側壁に沿って隙間V13に入り込んだコイン状の
異物を、そのままの起立した状態(姿勢)で取り除くことができる貫通孔として形成され
る。
【1335】
即ち、第3貫通孔8326cの長尺方向の長さは、底板部321の面に沿った方向視で
コイン状の異物を排出可能な大きさで形成される必要があるところ、本実施形態では、第
3貫通孔8326cの長尺方向の長さは、底板部321の面に沿った方向視において、約
30[mm]とされ、左右方向幅は約2[mm]で形成される。
【1336】
コイン状の異物を取り除く際には、被覆カバー370を取り外して操作デバイス830
0を正面視で露出させるだけで(
図92参照)、作業者は貫通孔8326a〜8326c
にアクセスすることができる。なお、被覆カバー370は、本体湾曲部371の締結部3
70a(
図91参照)が前後方向に挿通されるネジで正面枠14に締結固定され、垂下部
372が上下方向に挿通されるネジで凹設部15aが形成される底板に締結固定されてい
るだけなので、正面枠14を開放した状態(
図89参照)でネジを取り外せば、容易に被
覆カバー370を取り外すことができる。従って、作業時間を短く抑えることができる。
【1337】
本実施形態の構成によれば、操作デバイス8300を分解することなく、操作デバイス
8300の隙間V13,V14に入り込んだコイン状の異物を容易に取り除くことができ
る。
【1338】
なお、操作デバイス8300に接続されるハーネスHN3は、本体カバー351の右下
隅に右外方へ向けて開放されるコネクタ部8353に接続される(
図203(b)参照)
。上述した各実施形態も含め、MPU221(
図4参照)と信号を送受信するために操作
デバイス8300に接続されるのはハーネスHN3のみである。
【1339】
従って、万が一、コイン状の異物が取り出せない事態が生じたとしても、正面枠14と
操作デバイス8300とを締結するネジを取り外したうえで、ハーネスHN3をコネクタ
部8353から取り外すことで、容易に操作デバイス8300を正面枠14から取り外す
ことができる。従って、正常な操作デバイス8300の替えを用意しておけば、コイン状
の異物が挟まった操作デバイス8300を正常な操作デバイス8300と取り換えること
を早急に行うことができる。
【1340】
これにより、操作デバイス8300にコイン状の異物が入り込むことで正常な動作が行
われずパチンコ機10の稼働を停止した事態が生じても、パチンコ機10の稼働を早急に
再開させることができる。
【1341】
次いで、
図204を参照して、第14実施形態について説明する。第8実施形態では、
盤面支持装置600が固定状態とされると正面枠14からの負荷を受けない場合を説明し
たが、第14実施形態における盤面支持装置600は、固定状態において、正面枠14と
当接可能に配置される前後変位部材2652を介して、正面枠14からの負荷を受ける態
様で配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その
説明は省略する。
【1342】
図204(a)及び
図204(b)は、
図86のCXXXVI−CXXXVI線に対応
する線における第14実施形態における内枠12の部分断面図である。なお、
図204(
a)では、正面枠14が内枠12に対して開放した状態が図示され(正面枠14の図示が
省略され)、
図204(b)では、正面枠14が内枠12に対して閉鎖した状態が図示さ
れる。また、
図204(a)では内枠12の形状が、
図204(b)では正面枠14及び
内枠12の形状が、それぞれ簡略化され想像線で図示される。
【1343】
図204(a)及び
図204(b)に示すように、本実施形態における内枠12は、第
8実施形態との差異点として、負荷伝達装置2650を備える。負荷伝達装置2650は
、本体板部611のうちで内枠12に締結固定される板部(背面側に配置される板部)の
正面側を上下変位可能に配置される上下変位部材2651と、その上下変位部材2651
の下端に当接可能に配置され、前後方向に変位可能に支持される前後変位部材2652と
、その前後変位部材2652から下方に突設される係止部2653と、前後変位部材26
52を前後2箇所において変位可能に上下から挟持する部分であって板部611aに固定
される支持部2654と、その支持部2654と係止部2653とに当接し前後変位部材
2652に正面側へ向けた付勢力を付加するコイルスプリング等の付勢部材2655と、
を備える。
【1344】
上下変位部材2651は、盤面支持装置600の固定状態におけるねじりバネNBbと
当接する状態と、離間する状態とで切り替えられる。即ち、
図204(a)に示す下方位
置では、ねじりバネNBbからは退避し、
図204(b)に示す上方位置(下方位置より
も上方へ変位した位置)では、ねじりバネNBbに当接し、ねじりバネNBbを変形させ
る。なお、本実施形態では、
図204(a)に示すように、下方位置において上下変位部
材2651の上端が、ねじりバネNBbとの間に若干の隙間を空けた位置に、上下変位部
材2651の位置が設定される。
【1345】
前後変位部材2652は、付勢部材2655の付勢力により前方に押されることで配置
される前方位置(
図204(a)参照)と、正面枠14に押されて後方に押し込まれるこ
とで配置される後方位置(
図204(b)参照)とで、変位可能に構成される。
【1346】
ここで、前後変位部材2652の後方先端部には、先端側へ向かう程下降傾斜する傾斜
面2652aが形成されている。傾斜面2652aは、前後変位部材2652が前方位置
に配置された状態における上下変位部材2651の鉛直下方位置から、前後変位部材26
52が後方位置に配置された状態における上下変位部材2651の鉛直下方位置まで、連
続的につながる傾斜面である。
【1347】
傾斜面2652aは、前後変位部材2652の前方位置において上下変位部材2651
が下方位置とされ、前後変位部材2652の後方位置において上下変位部材2651が上
方位置とされるように、傾斜角度や形成範囲が設定される。
【1348】
上述した構成により、本実施形態では、正面枠14を閉鎖することにより、上下変位部
材2651が上方位置に配置され、その前後方向の厚み分、ねじりバネNBbを負荷が大
となる側に変形させることができる。
【1349】
これにより、回転後爪部材640が遊技盤13に背面側から与える負荷を大きくするこ
とができ、遊技盤13を回転前爪部材620の下垂背面板部621dに当接した状態を維
持し易くすることができ、遊技盤13の正面と正面枠14の背面(正面枠14に固定され
るガラスユニット16の背面)との間隔D14を規定し易くすることができる。従って、
遊技領域の厚みを規定し易くすることができ、球の流下を安定させることができる。
【1350】
ここで、第8実施形態における盤面支持装置600と、本実施形態における盤面支持装
置600とに要求される仕様は同様であり、遊技盤13を固定することである。その固定
の際に、盤面支持装置600は、遊技盤13をねじりバネNBbの付勢力で正面側へ押し
込み、下垂背面板部621dに押し付けて固定する。
【1351】
本実施形態の構成によれば、正面枠14を閉鎖することでねじりバネNBbを更に縮め
るので、ねじりバネNBbに、第8実施形態で採用したバネに比較して、弾性係数の低い
スプリングを採用することができる。
【1352】
そのため、遊技盤13を盤面支持装置600に固定する際にねじりバネNBbから作業
者に与えられる負荷(反力)を低減することができ、遊技盤13を盤面支持装置600に
固定する際に必要となる力を小さくすることができるので、作業者の選択自由度、及び、
作業性の向上を図ることができる。
【1353】
次いで、
図205を参照して、第15実施形態について説明する。第8実施形態では、
逆カップ部178を熱したピアノ線で溶かし、そのまま内部へ浸入する不正に対して、逆
カップ部178の上方にハーネスHN1〜HN3を這わし、そのハーネスHN1〜HN3
が熱したピアノ線により焼損することを検出し、不正の早期発見を図る場合を説明したが
、第15実施形態における不正検出装置2280は、逆カップ部178が熱したピアノ線
で溶かされた場合に、その熱を検出すると共に、ハーネスHN1〜HN3の焼損を防止す
るように構成される。
【1354】
図205(a)は、第15実施形態における正面枠14の部分背面図であり、
図205
(b)及び
図205(c)は、不正検出装置2280の背面図である。なお、
図205(
b)では、形状記憶スプリング2288が縮小形状で維持された状態が図示され、
図20
5(c)では、熱の付与により引張形状(記憶された形状)に復帰した状態が図示される
。また、
図205(b)及び
図205(c)では、不正検出装置2280が、本体箱部2
281の前後中間位置で断面視される。
【1355】
不正検出装置2280は、背面側および下面側が開口する箱状に構成され逆カップ部2
178の上方に重ねられる本体箱部2281と、その本体箱部2281の背面側開口に蓋
をするように背面側から取り付けられる背面蓋部材2282と、を備え、本体箱部228
1と背面蓋部材2282との間に空間が形成される。
【1356】
本体箱部2281は、金属材料から構成され、右下隅部から延設され逆カップ部217
8の壁部2178aの左面に当接する延設部2283と、下隅部から上方へ向けて開口を
狭めるように内壁から延設される狭窄部2284と、その狭窄部2284の上端部開口の
縁付近から上方に凸設される突設部2285と、本体箱部2281の左側壁部に背面側か
ら凹設される凹部に収容され、一端が本体箱部2281の外部に張り出し、他端が本体箱
部2281の内部において左右方向に延設される第1導通部2286と、本体箱部228
1の右側壁部に背面側から凹設される凹部に収容され、一端が本体箱部2281の外部に
張り出し、他端が本体箱部2281の内部において左右方向に延設されると共に第1導通
部2286の上面に当接可能な長さで形成される第2導通部2287と、その第2導通部
2287を第1導通部2286に押し付ける付勢力を発生させるねじりバネSP15と、
狭窄部2284の上面に乗り、突設部2285に支持されると共に第2導通部2287の
下方に配置される形状記憶スプリング2288と、を備える。
【1357】
不正検出装置2280は、熱を検出した場合にエラー信号を出力するための装置である
。第1導通部2286及び第2導通部2287は、本体箱部2281の外側に張り出す部
分に別々の配線の一端が、それぞれ、はんだ付けなどの手法により連結され、配線の他端
は主制御装置110(
図4参照)に連結される。そして、第1導通部2286及び第2導
通部2287が接触し導通する状態(
図205(b)参照)から、第1導通部2286及
び第2導通部2287の接触が解除される(
図205(c)参照)ことで導通が断たれ、
導通が断たれたことを入力としてエラー信号を出力するように制御される。
【1358】
エラー信号が主制御装置から出力されると、スピーカー451(
図120参照)から大
音量で警報を出力したり、払出装置133(
図87参照)からの球の払出を停止したりす
る等、継続して遊技を行うことが不可能となるように制御される。
【1359】
不正検出装置2280の詳細について説明する。
図205(a)から
図205(c)に
示すように、不正検出装置2280の本体箱部2281は、逆カップ部2178の左方お
よび上方を覆う。ここで、本実施形態における逆カップ部2178は、第8実施形態に比
較して、壁部2178aの形成箇所が左方にずれており、長尺カバー部材173との間に
延設部2283を収容可能な隙間が生じている。
【1360】
延設部2283が壁部2178aと長尺カバー部材173との間の隙間を埋めることで
、熱したピアノ線の先端により壁部2178aを溶かされても、そのピアノ線がそのまま
長尺カバー173を貫通することを防止することができる。
【1361】
本構成によれば、逆カップ部2178に下方から進入し、上壁部を溶かして更に進行す
るピアノ線は、狭窄部2284に案内され狭窄部2284の上部開口に配置される形状記
憶スプリング2288まで案内される。
【1362】
形状記憶スプリング2288は、ニッケルチタン合金などの形状記憶合金から形成され
、低温状態では変形後の形状を維持し、所定の変態温度以上に加熱されることで予め記憶
した形状に復帰する特性を備える。なお、本実施形態では、形状記憶スプリング2288
は、逆カップ部2178の融点程度の温度(約80°)に変態温度が設定され、予め引張
形状(
図205(c)参照)が記憶されている。
【1363】
そのため、熱したピアノ線により形状記憶スプリング2288が変態温度以上に熱され
ると、形状記憶スプリング2288が引張形状に戻るので、第2導通部2287が押し上
げられ、第1導通部2286と第2導通部2287との導通が解除され、エラー信号が出
力される。従って、不正行為の早期発見を図ることができる。
【1364】
形状記憶スプリング2288の上端部から正面側に延設される延設部2288aは、背
面蓋部材2282に上下方向長尺形状で前後方向に穿設される案内長孔2282aに挿通
され、正面側に張り出す。形状記憶スプリング2288が引張状態となった後、低温状態
に戻ったら、作業者は、延設部2288aを下方に押し下げることで、形状記憶スプリン
グ2288を変形させ、縮小状態(
図205(b)参照)に再度戻すことができる。即ち
、不正行為が発覚した後も、不正行為の早期発見を図るために繰り返し使用することがで
きる。
【1365】
次いで、
図206を参照して、第16実施形態について説明する。第8実施形態では、
導光部材540に凹設される凹状部の形状が一様でも、導光部材540を湾曲形成するこ
とで、両面に出射される光の進行方向に違いを生じさせる場合を説明したが、第16実施
形態における右パネルユニット2500は、領域ごとに形状の異なる凹状部を備える。な
お、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【1366】
図206(a)は、第16実施形態における右パネルユニット2500の部分背面図で
あり、
図206(b)は、
図206(a)の領域CCVIbにおいて導光部材2540に
凹設される上向き凹状部2543bを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図で
あり、
図206(c)は、
図206(a)の領域CCVIcにおいて導光部材2540に
凹設される下向き凹状部2543cを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図で
あり、
図206(d)は、
図206(a)の領域CCVIdにおいて導光部材2540に
凹設される下向き凹状部2543dを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図で
あり、
図206(e)は、
図206(a)の領域CCVIeにおいて導光部材2540に
凹設される上向き凹状部2543eを模式的に表す導光部材2540の部分拡大斜視図で
ある。なお、
図206(a)では、支持板部510の図示が省略される。
【1367】
図206(a)に示すように、導光部材2540は、鉛直方向に真直に延びる板形状か
ら形成される。なお、本実施形態では、基板部材512に配設されるLED512a(図
107参照)は、導光部材2540の形状に合わせて、上下真直に並んで配置される。
【1368】
導光部材2540の両面には、第8実施形態で上述した配置で凹状部が形成されるとこ
ろ、本実施形態では、内レンズ部材530の湾曲を基準とした領域ごとに、凹状部254
3の形状が変えられる。
【1369】
即ち、内レンズ部材530の湾曲の底を基準として、上方かつ内レンズ部材530側に
配置される領域CCVIbと、上方かつ外レンズ部材550側に配置される領域CCVI
cと、下方かつ内レンズ部材530側に配置される領域CCVIdと、下方かつ外レンズ
部材550側に配置される領域CCVIeとで、凹状部2543の形状が変えられる。
【1370】
図206(b)に示すように、領域CCVIbには、球を1/8等分に分割した形状の
凸部を熱プレスすることにより凹設される上向き凹状部2543bが形成される。上向き
凹状部2543bは、下側と正面側(LED512a(
図107参照)が配置される側の
反対側)とに平面が配置され、上側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレス
に用いられる凸部が形成される。
【1371】
ここで、下側の平面はLED512a(
図107参照)の光軸方向と平行であり、正面
側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540
に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、上向き凹状部2
543bは専ら湾曲部分で光を屈折させ、外レンズ部材550側へ光を出射させるところ
、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、上向きに屈折されやすい。そのため
、領域CCVIbで屈折して外レンズ部材550へ出射される光は、
図206(a)に示
すように、上方傾斜する方向へ出射される。
【1372】
図206(c)に示すように、領域CCVIcには、球を1/8等分に分割した形状の
凸部を熱プレスすることにより凹設される下向き凹状部2543cが形成される。下向き
凹状部2543cは、上側と正面側(LED512a(
図107参照)が配置される側の
反対側)とに平面が配置され、下側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレス
に用いられる凸部が形成される。
【1373】
ここで、上側の平面はLED512a(
図107参照)の光軸方向と平行であり、正面
側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540
に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、下向き凹状部2
543cは専ら湾曲部分で光を屈折させ、内レンズ部材530側へ光を出射させるところ
、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、下向きに屈折されやすい。そのため
、領域CCVIcで屈折して内レンズ部材530へ出射される光は、
図206(a)に示
すように、下方傾斜する方向へ出射される。
【1374】
図206(d)に示すように、領域CCVIdには、球を1/8等分に分割した形状の
凸部を熱プレスすることにより凹設される下向き凹状部2543dが形成される。下向き
凹状部2543dは、上側と正面側(LED512a(
図107参照)が配置される側の
反対側)とに平面が配置され、下側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレス
に用いられる凸部が形成される。
【1375】
ここで、上側の平面はLED512a(
図107参照)の光軸方向と平行であり、正面
側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540
に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、下向き凹状部2
543dは専ら湾曲部分で光を屈折させ、外レンズ部材550側へ光を出射させるところ
、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、下向きに屈折されやすい。そのため
、領域CCVIdで屈折して外レンズ部材550へ出射される光は、
図206(a)に示
すように、下方傾斜する方向へ出射される。
【1376】
図206(e)に示すように、領域CCVIeには、球を1/8等分に分割した形状の
凸部を熱プレスすることにより凹設される上向き凹状部2543eが形成される。上向き
凹状部2543eは、上側と正面側(LED512a(
図107参照)が配置される側の
反対側)とに平面が配置され、下側および背面側に湾曲面が配置される姿勢で、熱プレス
に用いられる凸部が形成される。
【1377】
ここで、上側の平面はLED512a(
図107参照)の光軸方向と平行であり、正面
側の平面は、LED512aの光軸と垂直なので、LED512aから導光部材2540
に入射する光は、この位置において左右方向には反射し難い。そのため、上向き凹状部2
543eは専ら湾曲部分で光を屈折させ、内レンズ部材530側へ光を出射させるところ
、その出射された光は、その湾曲形状の影響により、上向きに屈折されやすい。そのため
、領域CCVIeで屈折して内レンズ部材530へ出射される光は、
図206(a)に示
すように、上方傾斜する方向へ出射される。
【1378】
なお、内レンズ部材530の湾曲の底と対向する領域において導光部材2540の両面
に形成される凹状部は、第8実施形態と同様の形状(底面に対する傾斜角度45°且つ底
円の直径約1mmの円錐形状)から形成される。そのため、この部分から内レンズ部材5
30又は外レンズ部材550へ出射される光は上下に屈折される程度は弱く、ほぼ水平方
向に進行する。
【1379】
本実施形態によれば、上述した構成により、
図206(a)に示すように、内レンズ部
材530側へは光を集める方向に進行させ、外レンズ部材550側へは光を拡げる方向に
進行させることができる。即ち、導光部材2540を平面板状に形成しながら、その両面
から出射される光の進行方向に差を持たせることができるので、右パネルユニット250
0の左右幅を抑えながら、発光演出の演出効果を向上させることができる。
【1380】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容
易に推察できるものである。
【1381】
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形
態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態
としても良い。
【1382】
上記第1実施形態では、傾倒装置310が下方に押し下げ操作される場合を説明したが
、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310が下方へ垂れ下がった
状態が初期位置とされ、傾倒装置310を押し上げ操作する態様でも良い。この場合、傾
倒装置310を初期位置へ戻す力を重力によりまかなうことができるので、ねじりバネ3
15を不要とすることができる。
【1383】
上記第1実施形態では、傾倒装置310が押し込み終端まで移動した後でボイスコイル
モータ352を駆動させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例
えば、傾倒装置310が第1状態とされる場合に予めボイスコイルモータ352を駆動さ
せておいても良い。この場合、第1状態から傾倒装置310を押し込むのに必要な負荷を
大きくすることができ、その負荷の変化を演出に利用することができる(例えば、「押し
込めないボタン」の演出を行うことができる)。
【1384】
なお、この場合、ボイスコイルモータ352が動作終端(張り出し動作の終端)まで移
動したとしても、ボイスコイルモータ352と下枠部材320との間に若干の隙間が生じ
る寸法関係で、ボイスコイルモータ352と下枠部材320とを配置することが好ましい
。これにより、ボイスコイルモータ352の動作時に下枠部材320との衝突の衝撃音が
生じることを抑制することができる。従って、ボイスコイルモータ352が予め張り出し
ていることに遊技者が気付いてしまうことを防止でき、傾倒装置310を押し込み操作し
て初めて「押し込めないボタン」の状態になっていることに気付かせることができる。
【1385】
上記第1実施形態では、円板カム344の係合リブ344cと連結ピン344dとが相
対的に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、係
合リブ344cが別部材から構成され、円板カム344に対して相対回転する態様で構成
しても良い。この場合、例えば、第1張出部344c1と係合部346dとが当接する状
態における連結ピン344dの位置を変化させることができるので、その状態から係合リ
ブ344cを前転方向に回転させて回転爪部材347の姿勢を変化させた直後に傾倒装置
310が上昇する度合いを変化させることができる。従って、傾倒装置310の煽り動作
の動作状態を、第1実施形態よりも多く形成することができる。
【1386】
また、円板カム344を前転方向に回転させ続ける駆動態様により、傾倒装置310の
動作状態を順次切り替えることができる(上昇終端を順次切り替えることができる)。こ
れにより、駆動モータ342を一方向動作させることで駆動モータ342の劣化を抑えな
がら、傾倒装置310の上昇位置が順次切り替わる複雑な動作態様で演出を行うことがで
きる。
【1387】
上記第3実施形態では、傾倒装置310に駆動力を付与するボイスコイルモータ352
の動作タイミングを、傾倒装置310の動作速度や、動作の向きによって制御する場合を
説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、錘部材5412を回転駆動
する駆動モータ5411の駆動態様を、傾倒装置310の動作速度や、動作の向きによっ
て制御するようにしても良い。例えば、傾倒装置310が押し込み終端に到達するまで(
下降動作している間)は錘部材5412の重心位置が回転軸の上方に配置される姿勢で駆
動モータ5411を固定し、傾倒装置310が押し込み終端に到達してから上向きに移動
し始める直前に、駆動モータ5411の回転動作を開始するようにしても良い。この場合
、傾倒装置310を連打する際の押し込み中は、傾倒装置310を押し返す反発力を小さ
くする一方で、傾倒装置310の上向き動作開始時において傾倒装置310を押し返す反
発力を大きくすることができる。
【1388】
上記第5実施形態では、底板部5321に収容部材5430が固定される場合を説明し
たが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒装置310に収容部材543
0を固定し、その内部で振動装置5400を動作させるようにしても良い。傾倒装置31
0に収容部材5430を固定する場合には、例えば、凸設脚部5424を底板部5321
に対向する側に配置し、傾倒装置310を下方の押し込み終端に移動させた場合に凸設脚
部5424が底板部5321に押し付けられる態様とすることで、振動装置5400内に
おける柔軟部材5420の形状を変化させ、錘部材5412が収容部材5430に当接可
能か否かを切り替えるように構成すれば良い。
【1389】
この場合、収容部材5430の内部に配置される柔軟部材5420が傾倒装置310の
傾倒動作と連動して移動し、この際に、柔軟部材5420の形状の変化が生じる。柔軟部
材5420の形状の変化の度合いは、傾倒装置310を操作する際の傾倒速度の大小と連
動して変化することになるので、傾倒装置310を所定速度以上で動作させることにより
、柔軟部材5420の変形量を大きくして、錘部材5412が収容部材5430に当接す
る状態を形成することができる。即ち、傾倒装置310を押し込み終端まで押し込む場合
だけでなく、傾倒装置310を高速で動作させる場合にも遊技者に振動を感じさせること
ができるので、遊技者に傾倒装置310の操作を行わせるための演出のバリエーションを
増加させることができる。
【1390】
例えば、傾倒装置310の操作を遊技者に行わせる場合、第3図柄表示装置81に「ボ
タンを押せ。」などの表示を行うが、そこに「ボタンを押せ。高速で押し込め、振動を感
じたら大チャンス。」のように表示を行うことで、遊技者にボタン(傾倒装置310)の
押し方を指定する演出を行うことができる。この場合に、指定の押し方で遊技者がボタン
(傾倒装置310)を押したかどうかを、遊技者に振動が伝達される条件とすることで、
指定の押し方でボタン(傾倒装置310)を操作することに対する遊技者の意欲を高める
ことができると共に、ボタン(傾倒装置310)の操作が単調となることを防止すること
ができる。
【1391】
なお、柔軟部材5420の形状の変化の度合いについては、傾倒装置310の押し込み
速度の度合いと、大小関係が反転しても良い。即ち、傾倒装置310の傾倒速度が遅い場
合に、柔軟部材5420の変形量が大きくなり、錘部材5412と収容部材5430とが
当接可能となる態様で形成されても良い。この場合、傾倒装置310の押し込み速度が小
さいことを、振動装置5400から生じる振動が遊技者に伝達される条件とすることがで
き、遊技者に、傾倒装置310の押し込み速度を遅くするように推奨することができる。
これにより、遊技者が傾倒装置310を力任せに押し込み操作することを抑制することが
でき、傾倒装置310を力任せに押し込むことにより発生する故障を防止することができ
る。
【1392】
上記第5実施形態では、傾倒装置310を押し込むことにより、振動装置5400から
発生する振動を遊技者が感じることができるようになる場合を説明したが、必ずしもこれ
に限られるものではない。例えば、傾倒装置310が押し込まれていない状態において振
動装置5400の錘部材5412が収容部材5430に当接可能な配置とされる一方で、
傾倒装置310が移動終端まで押し込まれることを条件として錘部材5412が収容部材
5430に当接不能な配置となり得る態様で形成されても良い。この場合、傾倒装置31
0が操作されていない状態において振動を遊技者に伝達し演出を賑やかにできる一方で、
押し込み時に振動を止めるという周囲に気づかれにくい方法で遊技者に演出態様の変化(
期待度の違い)を認識させることができるので、周囲の遊技者を除いて、本機を遊技して
いるその遊技者だけが演出態様の変化を感じ取ることができるという、プレミア感を演出
することができる。
【1393】
なお、演出のバリエーションとして、傾倒装置310を遊技者が押し込み操作すること
により、錘部材5412と収容部材5430とが当接不能な配置となる場合と、錘部材5
412と収容部材5430とが継続して当接可能な配置となる場合との両方を生じさせる
ことが望まれるが、これは、錘部材5412の動作態様を変化させることで実現すること
ができる。例えば、錘部材5412の回転方向の違いにより、異なる2つの場合を生じさ
せることができる。
【1394】
上記第5実施形態では、円板カム5344が軸倒れ変形することにより、円板カム53
44と解除部材346とが当接することで摩擦力が生じる場合を説明したが、必ずしもこ
れに限られるものではない。例えば、本体部材341の軸支孔341bが穿設される板部
分が、部分的に円板カム5344に近接する方向に張り出し、円板カム5344が軸倒れ
変形した場合に当接する態様で構成されても良い。この場合、本体部材341は動作する
部分では無いので、円板カム5344と動作可能な解除部材346とが当接する場合と比
較して、円板カム5344との間で生じる摩擦力を大きく確保することができる。従って
、円板カム5344と傾倒装置310とを連結するアーム部材345に加えられる負荷を
十分に低減することができる。
【1395】
上記第8実施形態では、内枠12の上下に配置される盤面支持装置600の双方が正面
枠14と当接可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない
。例えば、上下どちらかの盤面支持装置600のみが正面枠14と当接可能に構成されて
いても良い。例えば、上位置において、多機能カバー部材171の盤面支持装置600と
干渉する部分に面取りを行い、上位置に配置される盤面支持装置600とは当接しないよ
うに構成しても良い。
【1396】
上記第8実施形態では、盤面支持装置600に遊技盤13を取り付ける際、遊技盤13
の上下位置が変化しない場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない
。例えば、遊技盤13の下端面を下支えする支持底部12cが、正面側へ向かうほど下降
傾斜する傾斜面として構成され、その正面側端部が、解除状態における盤面支持装置60
0の背面側延設板621cの上面よりも下方に配置されるように構成しても良い。この場
合、解除状態の盤面支持装置600に遊技盤13を乗せる際には、遊技盤13は背面側延
設板621cに下支えされ、そこから盤面支持装置600を固定状態とする過程において
、遊技盤13を支持底部12cに乗り上げさせることができる。従って、遊技盤13を解
除状態の盤面支持装置600に乗せる高さを、遊技盤13が固定される際の高さに比較し
て低くすることができるので、遊技盤13を固定する作業の作業効率を向上することがで
きる。
【1397】
上記第8実施形態では、ファール球通路部145が左右に屈曲する通路として構成され
る場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後への屈
曲でも良いし、前後左右の屈曲の組み合わせでも良い。この場合において、球案内開口5
3の真後ろにおいては、前後に長い経路が形成される方が、球の排出がスムーズとなるこ
とから、好ましい。また、前後へ屈曲する経路とすることで、遊技盤13の面に沿ったフ
ァール球通路部145の範囲を狭めることができるので、発射経路と、ファール球通路部
145とが干渉することを防止し易くすることができる。
【1398】
上記第8実施形態では、導光部材540が開口部524に対向する位置が凹面となるよ
うに湾曲する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、
開口部524に対向する位置が凸面とされても良い。この場合、開口部524を通して遊
技者に到達する光が、淡く視認される。また、導光部材540は上下に亘って湾曲する必
要は無く、例えば、湾曲する部分と、真直ぐ延びる部分とが上下位置で混在しても良い。
【1399】
上記第8実施形態では、通路形成リブ467,487により上下に屈曲する経路を形成
する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、経路の屈曲の方
向は左右でも良いし、上下左右の組み合わせでも良い。
【1400】
上記第8実施形態では、後側組立480の補助凸部481Haが、前側組立460の内
側面461Hiと厚み方向で当接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られる
ものではない。例えば、補助凸部481Haと内側面461Hiとが背面側壁部461H
の厚み方向でスピーカー接続線453の直径程度離間する構成としても良い。この場合、
補助凸部481Haと内側面461Hiとの間にスピーカー接続線453を挟み挟持する
ことができるので、その挟持の抵抗により、スピーカー接続線453に、スピーカー組立
体450の外方に引き抜く方向の負荷がかけられた場合であっても、スピーカー接続線4
53がスピーカー451から外れることを防止することができる。
【1401】
また、補助凸部481Haは、配線通過凹部464の凹設深さに対応した突設長さの範
囲では内側面461Hiと背面側壁部461Hの厚さ方向で当接する一方で、それ以上の
突設長さの範囲では内側面461Hiと背面側壁部461Hの厚さ方向でスピーカー接続
線453の直径程度離間するように途中で段が付く構成としても良い。この場合、背面側
壁部461Hと正面側壁部481Hとで2重壁を形成する範囲は十分確保し、音漏れを抑
制しながら、スピーカー接続線453を挟持することができる。
【1402】
上記第8実施形態では、スピーカー組立体450が、基端側本体部461B及び先端側
本体部461Tがスピーカー室に対応し、中間本体部461Mがダクトに対応するダブル
バスレフ型のスピーカーを構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるも
のではない。例えば、中間本体部461Mの前後方向の幅を基端側本体部461B及び先
端側本体部461Tと同等に拡張することで、基端側本体部461B、中間本体部461
M及び先端側本体部461T共同で大きなスピーカー室を構成するようにしても良い。
【1403】
また、基端側本体部461Bの方が先端側本体部461Tよりも容積が大きいものとし
て説明したが、大小関係は逆でも良いし、同様の容積で構成しても良い。スピーカー45
1の配置は左右端部に限らず、左右方向中央でも良いし、左右端部と左右方向中央との間
の位置でも良い。
【1404】
上記第8実施形態では、通路形成リブ467,487を構成する各リブ部467a〜4
67e,487a〜487eの内、隣り合うリブ部が左右方向(基端側本体部461B及
び先端側本体部461Tを結ぶ方向、前側凹設部471及び後側凹設部491が形成する
開口の開口方向と交差する方向)視で重ならない場合について説明したが、必ずしもこれ
に限られるものではない。例えば、隣り合うリブ部(例えば、リブ部467d及びリブ部
467c)同士を左右方向視で重なるように構成しても良い。この場合、スピーカー組立
体450の内部の経路を迷路状に屈曲させることができるので、例えば、前側凹設部47
1及び後側凹設部491が形成する開口からピアノ線等の金属細線を入れ、その先端を遊
技領域へ侵入させる不正行為をやり難くさせ、その不正行為に要する時間を長期化させる
ことで、不正行為の抑制を図ることができる。なお、ここで不正行為の抑制としては、不
正行為自体の抑制や、不正行為により不正の利益を得ること(不正行為に成功すること)
の抑制などが例示される。
【1405】
上記第8実施形態では、遊嵌装置880の第4ギア880Gが中間ギア808を介して
スリット部材810の第3ギア810Gと連動する場合について説明したが、必ずしもこ
れに限られるものではない。例えば、中間ギア808が、回転板830の第2ギア830
G及び遊嵌装置880の第4ギア880Gと歯合するように構成しても良い。この場合、
回転板830と遊嵌装置880とを連動させることができるので、花弁動作装置800の
回転動作中のみでなく、拡開動作中や、集結動作中にも、遊嵌装置880を回転させるこ
とができる。これにより、花弁802の径方向へのスライド動作と、装飾部材884の回
転動作とを同時に行わせることができ、演出効果の向上を図ることができる。
【1406】
なお、遊嵌装置880を回転板830と同軸で回転する装置として構成したが、必ずし
もこれに限られるものではない。例えば、回転板830の回転に伴い伸縮動作する構成と
しても良いし、回転板830の回転軸とは異なった軸で回転する構成としても良い。
【1407】
上記第8実施形態では、第2演出部材940が駆動側アーム部材910の動作によりス
ライド移動するスライド板930を介して駆動力が伝達されることにより動作する場合を
説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、花弁動作装置800の支持
基材801の上部と第2演出部材940の先端部とが連結されることにより、花弁動作装
置800の変位に基づいて、第2演出部材940が動作するようにしても良い。この場合
、スライド板930を省略することができる。
【1408】
上記第8実施形態では、内枠12の下側に配置される盤面支持装置600が固定状態の
時には、開閉規制部159の上方において操作部背面部材155と遊技盤13とが離間す
る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内枠12の下側に
配置される盤面支持装置600が固定状態の時に、開閉規制部159の上方において操作
部背面部材155と遊技盤13とが前後方向で当接するように構成しても良い。この場合
、下側の盤面支持装置600が固定状態となっていても、上側の盤面支持装置600が固
定状態となっていない場合には、遊技盤13の上端部が正面側に変位する(遊技盤13の
右側辺が正面側に傾倒する)ことに伴い操作部背面部材155と対向配置する遊技盤13
の部分も正面側に変位するので、操作部背面部材155と遊技盤13とを干渉させること
ができる。これにより、正面枠14が内枠12に対して閉鎖されることを防止することが
できる。
【1409】
この場合、内枠12に遊技盤13が設置されると共に、内枠12の下側に配置される盤
面支持装置600が固定状態とされる時に、内枠12の上側に配置される盤面支持装置6
00が固定状態となっているか否かを、下側の盤面支持装置600と対向配置される操作
部背面部材155と遊技盤13との関係により判定し、内枠12の上側に配置される盤面
支持装置600が固定状態では無い場合には、正面枠14が内枠12に対して閉鎖するこ
とを規制できる。これにより、多機能カバー部材171から、内枠12の上側に設置され
る盤面支持装置600の状態を判定する機能を外すことができるので、多機能カバー部材
171の設計自由度を向上させることができる。例えば、多機能カバー部材171を、盤
面支持装置600の状態に関わらず盤面支持装置600と当接しない位置まで凹ませる(
面取りする)ように構成しても良い。この場合、合成樹脂から形成される多機能カバー部
材171が金属製の盤面支持装置600と衝突することにより、多機能カバー部材171
が破損する虞を低くすることができることから、多機能カバー部材171を他の用途(例
えば、配線カバーとしての用途)で長期間使用することができる。
【1410】
上記第8実施形態では、導光部材540の端面に照射された光が導光部材540の両面
から出射される右パネルユニット500が、正面枠14の右端かつ正面側に配置される場
合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレー
ム86の内方に配置されても良い。この場合、例えば、右パネルユニット500の一面が
正面側に配置される状態と、他面が正面側に配置される場合とで切替可能に構成する(例
えば、支持板部510の長手方向と平行な軸を中心に右パネルユニット500が回転する
ように構成する)ことで、センターフレーム86に照射される光の態様を切り替えること
ができる。また、センターフレーム86に照射される光の態様と、センターフレーム86
の内方に張り出し動作する移動役物と対応を切り替えることにより、演出の多様化を図る
ことができる。
【1411】
即ち、例えば、複数の開口部524の内、最上部の開口部524に対応する上下位置の
LED512aのみを発光させ、右パネルユニット500を、一面が正面側に配置される
状態と、他面が正面側に配置される場合とで切り替えることを考える。内カバー部材52
0側の面が移動役物側を向いた時には、最上部の開口部524に対応する箇所(端寄りの
箇所)と対向配置される移動役物が発光する一方で、外カバー部材560側の面が移動役
物側を向いた時には、開口部565の広域にわたって(最上部の開口部524に比較して
広い範囲で)対向配置される移動役物が発光する。従って、発光させるLED512aを
切り替えることなく、右パネルユニット500の姿勢を切り替えることで、移動役物の発
光箇所を切り替えることができる。
【1412】
この場合、例えば、移動役物を、発光箇所の変化のタイミングと合わせて動作させるこ
とで、演出効果を向上させることができる。例えば、内カバー部材520側の面が移動役
物を向くタイミングでは、最上部の開口部524に対応する箇所に収まるように縮小変化
する一方で、外カバー部材560側の面が移動役物側を向くタイミングでは、右パネルユ
ニット500の長手方向に沿った方向に拡大(伸張)変化するように、移動役物を伸縮動
作するように構成しても良い。これにより、移動役物の動作に合わせて発光させる箇所を
変化させる切替を、発光制御するLED512aの切り替えを不要としながら、右パネル
ユニット500の姿勢を切り替えることにより実現することができる。
【1413】
また、右パネルユニット500は、内カバー部材520側から出射される光は集光され
(輝度が高くなり、光量が大となり、明瞭な発光となり)、外カバー部材560側から出
射される光は拡散される(輝度が低くなる、光量が小となる、淡い発光となる)。そのた
め、右パネルユニット500の姿勢を切り替えることで、発光対象(液晶や、移動役物)
の発光態様を変化させることができる。
【1414】
更に、外レンズ部材550の正面側端部551aを移動役物や液晶に向ける姿勢に右パ
ネルユニット500を変化させる(例えば、右パネルユニット500が移動役物や液晶の
正面側に配置される場合において、外レンズ部材550の正面側端部551aが支持板部
510の背面側に配置される姿勢に変化させる)ことで、移動役物や液晶にはビーム状(
幅の細い状態)の光を照射しながら、移動役物や液晶へ向かう方向と垂直な方向に向かっ
て広範囲に光を出射することができる。これにより、移動役物や液晶の細部のみを発光さ
せつつ、移動役物や液晶とは離れた位置を広範に発光させることができる。
【1415】
上記第9実施形態および第10実施形態では、ファール球通路部9145,10145
に配置される板金部材9150,10150により、糸Y8を切断する場合を説明したが
、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板金部材が糸Y8からの負荷により部
分的に折れ、折れた部分が落下する程に脆弱な構成とされ、その折れた部分が落下する際
に通る位置に検出センサが配置される構成としても良い。この場合、板金部材が検出セン
サにより検出されることに起因して、警報を出すと共に球の打ち出しを強制的に停止する
ように制御することで、不正行為の早期発見を図ると共に、不正行為により不正行為を行
う者が得られる利益(遊技機ホールが受ける損失)を最小限に抑えることができる。
【1416】
上記第12実施形態では、傾斜面2803Tを傾斜する面として形成する場合について
説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、摩擦力を向上する各種構成
を加えても良い。例えば、傾斜面2803Tに、ラバーシートを張り付けることで摩擦力
の向上を図っても良いし、スパイク状の硬質部材(スリット部材810の材質よりも固い
部材)を配置することで、樹脂製のスリット部材810に食い込むことによる動作抵抗の
向上を図っても良い。
【1417】
また、例えば、スライド部材2820が中央スリット814の長手方向に対して傾斜す
る姿勢となった場合に傾斜面2803Tと対向配置される両側スリット815の壁部に、
傾斜面2803Tが入り込むことができる程度の凹設部を形成しても良い。この場合、傾
斜面2803Tが凹設部ぶ入り込むことによる動作抵抗の向上を図ることができる。
【1418】
上記第16実施形態では、導光部材2540の各領域に形成される凹状部2543の形
状を変えることにより、光の進行方向を、光を集める方向としたり、光を拡げる方向とし
たりする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各領
域CCVIb〜CCVIe全てに上向き凹状部2543b,2543eを形成しても良い
。この場合、導光部材2540の両面から出射される光の進行方向は、各領域CCVIb
〜CCVIe全てにおいて上方傾斜する方向となるので、遊技する機体を選ぶために歩い
ている人の目線の高さへ向けて、光を進行させやすくすることができる。これにより、パ
チンコ機8010の集客効果の向上を図ることができる。
【1419】
また、例えば、内レンズ部材530へ光を出射する領域である領域CCVIc,CCV
Ieに下向き凹状部2543cを形成し、外レンズ部材550へ光を出射する領域である
領域CCVIb,CCVIdに上向き凹状部2543bを形成しても良い。この場合、パ
チンコ8010を遊技している遊技者とは反対側の方向に進行する光であって、外レンズ
部材550へ出射される光は上方傾斜する方向となるので、遊技する機体を選ぶために歩
いている人の目線の高さへ向けて、光を進行させやすくすることができる一方、遊技者側
に進行する光であって、内レンズ部材530へ出射される光は下方傾斜する方向となるの
で、例えば、上皿17に貯留される球を光で照らし、球を煌びやかに見せる演出を行うこ
とができる。従って、パチンコ機8010の集客効果の向上を図りながら、遊技している
遊技者の興趣の向上を図ることができる。
【1420】
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、
一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生する
まで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と
称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に
球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生
させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置
を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチン
コ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、
いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施す
るようにしても良い。
【1421】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で
操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより
図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念とし
ては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する
表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動
表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、
所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時
の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値
を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン
、メダル等が代表例として挙げられる。
【1422】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄
からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用
のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基
づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、
例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の
変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件と
して遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受
皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用す
れば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機と
スロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダ
ルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し
得る。
【1423】
<第1制御例>
次に、
図207〜
図287を参照して、本発明の第1制御例について説明する。なお、第1制御例は、上述した各実施形態に対して、一部構成を変更して、その制御例について説明するものであり、上記各実施形態と同様の構成については、その詳細な説明は省略する。
【1424】
図207は第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
図207に示すように、第1制御例における遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80、振分装置700等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(
図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入球口63、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80、振分装置700の開口部710aは、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。また、詳細については後述するが、振分装置700の内部には、球が入球し得る第1入球口64、および右第2入球口640rが設けられている。開口部710aへと入球した球は、振分装置700によって第1入球口64、および右第2入球口640rのいずれかに振り分けられる(
図208参照)。
【1425】
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(
図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に
図207を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
【1426】
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【1427】
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(
図218参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(
図207の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(
図207の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
【1428】
遊技領域の正面視左側下部(
図207の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(
図218参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第1制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640または右第2入球口640rへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640または右第2入球口640rへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
【1429】
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たり(大当たりA,C)に対応した図柄か通常大当たり(大当たりB)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【1430】
なお、本パチンコ機10では、第1入球口64,第2入球口640,右第2入球口640rのいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、16R時短100回大当たり(大当たりA)、16R確変奇数図柄大当たり(大当たりB1)、16R確変偶数図柄大当たり(大当たりB2)、2R確変大当たり(大当たりC)が用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。