IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 鈴木 裕子の特許一覧

<>
  • 特開-洗濯物カバー体 図1
  • 特開-洗濯物カバー体 図2
  • 特開-洗濯物カバー体 図3
  • 特開-洗濯物カバー体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100089
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】洗濯物カバー体
(51)【国際特許分類】
   D06F 57/00 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
D06F57/00 330
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214246
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】320014190
【氏名又は名称】鈴木 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100209668
【弁理士】
【氏名又は名称】樋田 成人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕子
(57)【要約】
【課題】洗濯物の種類や大きさに左右されずに洗濯物の外周を覆い、余分な大きさや長さを簡易に且つその場で調節でき、見栄えにもよい好適な洗濯物カバーを開発し提供すること、そして、製造コストも安価で経済効率も格段に向上させることの可能な洗濯物カバーを提供することを課題とする。
【解決手段】洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能であることに特徴を有する洗濯物カバー体。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、
前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能であること
に特徴を有する洗濯物カバー体。
【請求項2】
前記洗濯物カバー体の底面の中央部及び/若しくは外周部に一端を設置された1以上のワイヤーを有し、
前記ワイヤーは、他の一端が前記洗濯物カバー体の内部を経由し、前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なり、
前記ワイヤーの前記上部開口部上の一端を引くことにより前記洗濯物カバー体の底面が上方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能であること
に特徴を有する請求項1に記載の洗濯物カバー体。
【請求項3】
前記洗濯物カバー体の前記底面の外周部に一端を設置された1以上の前記ワイヤーが、前記洗濯物カバー体の側面に設置された外周ワイヤー止めを経由して前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なっていること
に特徴を有する請求項2に記載の洗濯物カバー体。
【請求項4】
前記洗濯物カバー体の前記底面の外周部に一端を設置された1以上の前記ワイヤーが、前記洗濯物カバー体の側面の繊維に内外交互に編み込まれた態様で前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なっていること
に特徴を有する請求項2に記載の洗濯物カバー体。
【請求項5】
前記洗濯物カバー体の底面の外周部に設置された複数のホック及び/若しくはボタン及び/若しくは掛かり止め構造と、
前記洗濯物カバー体の側面外周部に1以上の円弧状に設置された複数のホック及び/若しくはボタン及び/若しくは掛かり止め構造と
を具備する前記洗濯物カバー体であって、
前記ホック及び/若しくはボタン及び/若しくは掛かり止め構造の各々と上下方向に位置する前記ホック及び/若しくはボタン及び/若しくは掛かり止め構造の各々とが連結嵌合することにより、前記洗濯物カバー体の側面が上下方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能であること
に特徴を有する請求項1に記載の洗濯物カバー体。
【請求項6】
前記洗濯物カバー体の底面の外周部を覆って設置されたオープンファスナーと、
前記洗濯物カバー体の側面外周部に1以上の円環状に設置された複数のオープンファスナーと
を具備する前記洗濯物カバー体であって、
前記オープンファスナーの各々と上下方向に位置する前記オープンファスナーの各々とが連結されることにより、前記洗濯物カバー体の底面が上下方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能であること
に特徴を有する請求項1に記載の洗濯物カバー体。
【請求項7】
前記外周ワイヤー止め又は前記ホック及び/若しくはボタン及び/若しくは掛かり止め構造が、前記洗濯物カバー体の外周に対して平衡を保つ均一な重量を有することによって、前記洗濯物カバー体及び前記洗濯物及び前記洗濯物干し具の揺れ防止機能を有していること
に特徴を有する請求項3又は請求項5に記載の洗濯物カバー体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う洗濯物カバー体に係り、特に、その上下方向の長さを自在に変更することのできる洗濯物カバー体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に家庭においては、洗濯物は、干して乾燥させるためにハンガーに掛け、又は洗濯物干し具の洗濯バサミ等で保持して、洗濯竿等に吊るして一定時間の間放置される。その間、風等が吹いて砂埃や花粉などにさらされ、汚れてしまうことが多い。場合によっては、洗濯物が風に飛ばされて落ちてしまうこともある。また、洗濯物等を外部の目にさらされることを嫌う場合も多い。
【0003】
このような場合、透明又は半透明の薄い繊維状の洗濯物カバーで、洗濯物を洗濯物干し具とともに覆ってしまういわゆる洗濯物カバーが利用されている。
【0004】
しかし、上記の洗濯物カバーは、大きさが一定であるため、ズボンやコート等を洗濯する場合も利用できるようにと大きな袋状の洗濯物カバーを購入して利用するのが一般的である。このような場合、逆に小さな洗濯物ばかりを干す場合は、洗濯物カバーが大き過ぎて洗濯物カバー下部が不要に余り、意に反して風などに揺られて落ちてしまうことさえある。
【0005】
上記のように、洗濯物の種類や大きさに左右されずに洗濯物の外周を覆い、余分な大きさを調節でき、見栄えにもよい好適な洗濯物カバーの開発提供が望まれていた。
【0006】
また、上記の問題は家庭内の洗濯物にのみ関係する問題ではなく、工業的に乾燥を要する物品である被乾物の乾燥工程においても同様である。外部からの塵や埃の付着を嫌い、安定に早く乾燥させることが必要な被乾物は、一定のカバーで外周を覆い、場合によっては早期乾燥を図るため内部に乾燥温風等を供給することさえある。
【0007】
この場合は、大量の被乾物を覆うカバーが必要以上に大きければ、塵や埃を防止できても乾燥温風の供給量が多大となり費用や乾燥効率にも影響が出る。よって、様々な被乾物を適度な大きさで覆うことができる大きさ可変のカバーが必要となり、その開発供給が望まれていた。
【0008】
なお、本発明の本記載においては、家庭の洗濯物干しでの乾燥を一義的な前提として、説明記載等を行うが、本発明の本質は、上記工業用途を含めた被乾物(乾燥を必要とされる物品)の乾燥工程の外周カバーをも本発明思想に包含することをここに明記記載する。
【0009】
上記のような洗濯物のカバーにおいては、下記に挙げるような先行文献によって各種提案がなされてきた。
【0010】
たとえば、特許文献1では、洗濯物干し具の外枠の外周の長方形状の両短辺の端
にオープンファスナーを縫い付け、長編の上部は折り返して紐の通路を形成し紐を通
して、物干し具の外枠の上を覆うために、はずれないようにひもの長さ、巾(L)を
決め両端を縫い付けて、台形状にする。物干し具に女性の下着等を干した後、物干し
具の外枠を台形状のカバーで覆い、被せ、ファスナーを上から下に閉め、縁の両端を
両面テープでとめて下着等が見えにくく、盗難防止に役立つようにした洗濯物干し
具カバーの技術思想が開示されている。
【0011】
しかし、この例では、洗濯物カバーの上下方向の長さを自在に変更することはでき
ない。
【0012】
また特許文献2では、保護カバーは筒状を成して上端開口の周りには紐を設けて開閉可能とし、下端開口にはゴム紐を設けて大きさを調整可能とし、そして保護カバーの上側は雨水を通さないシートが用いられ、下側は通気性に優れたメッシュからなっている洗濯物カバーの技術思想が開示されている。
【0013】
しかし、この例においても、洗濯物カバーの上下方向の長さを簡易に自在に変更することはできない。つまり、根本的な解決策を提示したことにはなっていない。
【0014】
特許文献3では、小さく折り畳みできる骨組部に太陽光を透過すると共に、換気と通風用の窓を設け耐風性を持たせたシートを被せ、その下部に上記の性質を持ったシートを袖状に設けその内側にシートの汚れから洗濯物を守る汚れ防止のネットを設けた状態で本体を形成する、本体は骨組を開いた状態で上部から側面全周にシートのカバーを形成する、そのカバーの内側に洗濯物を干して乾かすものでこれにより雨雪、日没時の露等から洗濯物を守る、この本体は上部に吊り具が設けてあり強風時本体を風になびかせ風の抵抗を少なくし、耐風性を持たせた洗濯物カバーの技術思想が開示されている。
【0015】
しかし、この例においても、洗濯物カバーの上下方向の長さを簡易に自在に変更することはできない。同様に、上記の根本的な問題に対して解決策を提示したことにはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008-229299号公報
【特許文献2】特開2002-995号公報
【特許文献3】特開平11-76690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
これまでの技術による洗濯物カバーは、特に長さが一定であるため、ズボンやコート等を洗濯する場合も利用できる大きな袋状の洗濯物カバーのような場合、逆に小さな洗濯物ばかりを干す際は、洗濯物カバーが大き過ぎて洗濯物カバー下部が不要に余り、意に反して風などに揺られて落ちてしまう。また風などに揺れて外部に触れることにより不衛生であった。
【0018】
本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、洗濯物の種類や大きさに左右されずに洗濯物の外周を覆い、余分な大きさや長さを簡易に且つその場で調節でき、見栄えにもよい好適な洗濯物カバーを開発し提供することを目的とする。
【0019】
そして、本発明は、簡易であるがゆえに製造コストも安価で経済効率も格段に向上させることの可能な洗濯物カバーを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
かかる課題を解決するため、本発明に係る洗濯物カバー体は、洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能であることに特徴を有する。
【0021】
具体的には、本発明に係る洗濯物カバー体は、前記洗濯物カバー体の底面の中央部及び若しくは外周部に一端を設置された1以上のワイヤーを有し、前記ワイヤーは、他の一端が前記洗濯物カバー体の内部を経由し、前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なり、前記ワイヤーの前記上部開口部上の一端を引くことにより前記洗濯物カバー体の底面が上方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能である態様をとることもできる。
【0022】
つまり、例えば、本発明に係る洗濯物カバー体の底面の略中央に一端を設置されたワイヤーを上部の開口部の上から引くことによって、洗濯物カバー体の底面は上方に引き上げられ、同時に洗濯物カバー体の側面も上方に引き上げられて縮んで行く。これにより、洗濯物カバー体の上下寸法である縦方向の長さが収縮することになる(図1及び図2参照)。
【0023】
本発明に係る洗濯物カバー体の底面外周部に一端を設置された1以上のワイヤーも、上記中央部ワイヤーと同様に上部の開口部の上から引くことによって、洗濯物カバー体の底面を上方に引き上げられる助けとなり、洗濯物カバー体の側面が均一に上方に引き上げられて縮んで行く。引き上げられたワイヤーは、結んでもよいし、又は従来技術で束ねて固定すればよい。
【0024】
また、本発明に係る洗濯物カバー体の前記底面の外周部に一端を設置された1以上の前記ワイヤーは、前記洗濯物カバー体の側面に設置された外周ワイヤー止めを経由して前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なっている態様をとることもできる。
【0025】
洗濯物カバー体の側面に設置された外周ワイヤー止めは、底面外周から伸びるワイヤーをじゃまにならないように一定位置に柔らかく固定する機能を有する他、洗濯物カバー体の揺れを防止するバランスのとれた安定重しとしても機能する。
【0026】
上記外周ワイヤー止めがない場合も、本発明に係る洗濯物カバー体の前記底面の外周部に一端を設置された1以上の前記ワイヤーは、前記洗濯物カバー体の側面の繊維に内外交互に編み込まれた態様で前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なっている態様をとることもできる。
【0027】
ワイヤーの材質、太さ等に限定はないが、細いワイヤーであれば、洗濯物カバー体の側面に上下移動可能な態様でゆるく柔らかく内外交互に編み込むに近い形態にしてもよい。ワイヤーを上方に引くことで洗濯カバー台の側面は上方に縮んでいく。
【0028】
以上のように、本発明に係る洗濯物カバー体は、洗濯物の縦方向の長さによって、自由に、自在に、且つ簡易に、洗濯物を干しながら縦方向の長さを調節することが可能になる。
【0029】
本発明は、本発明に係る洗濯物カバー体の材質、大きさ、形状、色等を限定するものではない。材質としては、軽くて薄い繊維状材質であれば好ましく、合成繊維であってもよく、合成樹脂シートであってもよい。また紫外線等を遮蔽する特殊機能を有する材質であってもよい。また形状も、円柱形状、四角柱形状、長四角柱形状であってもよいし、大きさも利用するハンガーや洗濯物干し具に適合すればよい。
【0030】
同様に、本発明に係る洗濯物カバー体は、そのワイヤーの材質、太さ、強度等を特に限定するものではない。扱いやすいひも(紐)であってもよい。
【0031】
加えて、本発明に係る洗濯物カバー体は、その底面の外周部に設置された複数のホック及び若しくはボタン及び若しくは掛かり止め構造と、前記洗濯物カバー体の側面外周部に1以上の円弧状に設置された複数のホック及び若しくはボタン及び若しくは掛かり止め構造とを具備する前記洗濯物カバー体であって、前記ホック及び若しくはボタン及び若しくは掛かり止め構造の各々と上下方向に位置する前記ホック及び若しくはボタン及び若しくは掛かり止め構造の各々とが連結嵌合することにより、前記洗濯物カバー体の側面が上下方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能な形態をとることもできる。
【0032】
つまり、本発明に係る洗濯物カバー体の側面外周の数カ所の一定高さ位置に円弧状にいくつかのホック又はボタン又は掛かり止め構造があれば、そのお互いの上下のホック又はボタン又は掛かり止め構造を連結させることにより、洗濯物カバー体の上下方向の長さを縮めることができる(図2参照)。
【0033】
また、本発明に係る洗濯物カバー体は、前記洗濯物カバー体の底面の外周部を覆って設置されたオープンファスナーと、前記洗濯物カバー体の側面外周部に1以上の円環状に設置された複数のオープンファスナーとを具備する前記洗濯物カバー体であって、前記オープンファスナーの各々と上下方向に位置する前記オープンファスナーの各々とが連結されることにより、前記洗濯物カバー体の底面が上下方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さ(袋状の深さ)を自在に変更することが可能である形態をとることもできる。
【0034】
つまり、本発明に係る洗濯物カバー体の側面外周の数カ所の一定高さ位置に円弧状にいくつかのオープンファスナーホック構造があれば、そのお互いの上下のオープンファスナーを連結させることにより、洗濯物カバー体の上下方向の長さを縮めることができる。
【0035】
そして、本発明に係る洗濯物カバー体の前記外周ワイヤー止め又は前記ホック及び若しくはボタン及び若しくは掛かり止め構造が、前記洗濯物カバー体の外周に対して平衡を保つ均一な重量を有することによって、前記洗濯物カバー体及び前記洗濯物及び前記洗濯物干し具の揺れ防止機能を有している機能を発揮することもできる。
【0036】
上記のように本発明に係る洗濯物カバー体は、様々な形態をとることができる。つまり、本発明は上述した形態に限定されるものだけではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部であることを主張する。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、洗濯物の種類や大きさに左右されずに洗濯物の外周を覆い、余分な大きさや長さを簡易に且つその場で調節でき、見栄えにもよい好適な洗濯物カバーを提供することが可能になる。
【0038】
そして、本発明は、簡易であるがゆえに製造コストも安価で経済効率も格段に向上させることの可能な洗濯物カバーを提供することができる。つまり、既に述べた課題に対して、根本的な解決策が与えられることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の全体イメージを示した斜視概念図である。
図2】本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の収縮したイメージを示した斜視概念図である。
図3】本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の展開イメージを示した概念図である。
図4】本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の収縮用のオープンファスナーのイメージを示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の全体イメージを示した斜視概念図である。同図に示すように、洗濯物干し具10には、洗濯バサミ8によって洗濯物9が保持されている。本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体1は、外周カバー2として、例えば洗濯物9を洗濯物干し具10と共に全体外周を包み込む形態となっている。外周カバー2は、例えば円柱形であっても四角柱形であってもよい。また外周カバー2の材質を限定するものではないが、風通しのよい薄い繊維質であれば好適である。
【0042】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の底面13の略中央部には中央ワイヤー3の一端が連結設置されており、中央ワイヤー3のもう一端は、洗濯物カバー体の略中央を上方に伸びて上部開口部19から外に出ている。また、外周ワイヤー4は、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の底面13の外周部に一端が連結設置されており、もう一端は、洗濯物カバー体の略側面の内側を上方に伸びて上部開口部19から外に出ている。
【0043】
つまり、図1に示すように、中央ワイヤー3又は外周ワイヤー4を洗濯物カバー体の上部開口部19の外から引き上げることにより、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の外周カバー2は、底面13から上に引き上げられて収縮する形態となっている。
【0044】
図1に示すように、洗濯物9の下部が必要以上に余っており、外周カバー2が不要の空間を作っている場合は、上記のように中央ワイヤー3又は外周ワイヤー4を上方向に引き上げて、外周カバー2の上下長さを任意に収縮させることができる。これにより、風等により揺れて洗濯物9及び洗濯物カバー2が落ちたり、外部に触れて汚れることなどを防ぐことができる。
【0045】
図1に示すように、外周カバー2の側面の内側には、円環状に一定間隔で外周ワイヤー止め5があってもよい。外周ワイヤー止め5は、外周ワイヤー4をくぐらせることにより、外周ワイヤー4の不用意な遊びを防止して、外周カバー2の一定位置を保つことができる。
【0046】
本発明は、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の中央ワイヤー3及び外周ワイヤー4の材質や太さ等を限定するものではない。繊維製や合成樹脂製のひも(紐)であってよい。中央ワイヤー3と外周ワイヤー4が色によって選別できれば好適である。また、底面13が平面を維持する強度を有する場合は、外周ワイヤー4を除き中央ワイヤー3のみで目的を達することも可能である。また同様に外周ワイヤー4のみで目的を達することも可能である。つまり本発明は、ワイヤーの数を限定するものではない。
【0047】
また、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の外周ワイヤー4は、外面が円滑な材質であって細い糸状のワイヤーであれば、外周カバー2の繊維材質に表裏の繰り返しで荒く編み込んであってもよい。外周ワイヤー4を上方に引き上げた際、外周カバー2を上下方向にカーテンのように蛇腹状に収縮させて本発明に係る洗濯物カバー体を収縮させることができる。上記については全て収縮させる事例を説明したが、もちろん伸ばして基のサイズの本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体に戻す場合も全く逆の論理であり明白である。
【0048】
図1においては、中央ワイヤー3及び又は外周ワイヤー4を引き上げて本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体を収縮させる形態を主に示しているが、例えば、中央ワイヤー3及び外周ワイヤー4がない場合は、ホック等の掛かり止め部16を用いてもよい。(ホック等の掛かり止め部16は、複数のホック及び若しくはボタン及び若しくは掛かり止め構造と特許請求の範囲においては定義している。)底面13の外周外側に設けられたホック等の掛かり止め部16が、中央線15に設けられたホック等の掛かり止め部16と嵌合結合(掛かり止め)することにより、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体は、上下長さを略半分に収縮させることができる。ホック等の掛かり止め部16は、バランスのとれた重しとなって洗濯物カバー体の揺れ防止にも貢献する。
【0049】
図2は、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の収縮したイメージを示した斜視概念図である。同図に示すように、収縮された本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の下部は蛇腹状に収縮されて、洗濯物9の大きさに適合する形態となっている。中央ワイヤー3及び外周ワイヤー4は、ひもストッパー7の付いた口絞りひも6で絞り固定することができる。同時に外周カバー2の上部開口部19も絞り固定することができる。図2においては若干不明確に図示されているが、外周ワイヤー4及び中央ワイヤー3は底面13に連結されている。
【0050】
図2においては図示を割愛しているが、既に述べたようにホック等掛かり止め部によって本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の下部を蛇腹状に収縮させてもよい。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の展開イメージを示した概念図である。同図に示すように、例えば本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体が円柱状の袋体であれば、展開させると、外周カバー2が略長方形のシート状であり、底面13は略円形状のシート状となる。中央ワイヤー3及び外周ワイヤー4は、底面13に一端を固定され、外周カバー2に設けられた外周ワイヤー止め5をくぐって上部へと伸びている状態となる。
【0052】
図3に示すように、外周カバー2の両サイドはオープンファスナー12を用いて連結させる形態であれば、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の取り扱いは簡易となり、洗濯等にも対応しやすくなる。また、外周カバー2と底面13の連結方式においても同様である。もちろん縫込み連結であってもよいことは言うまでもない。加えて、外周カバー2の上部にもオープンファスナー12があれば、他の本発明に係る洗濯物カバー体と連結させることもできる。つまり縦長の大きな袋状の洗濯物カバー体を形成することによって、毛布やシーツ等、縦長の洗濯物に対応することができる。
【0053】
図4は、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の収縮用のオープンファスナーのイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の外周カバー2の一定の高さ部分には、円環状のオープンファスナー17及びそれとセットのオープンファスナー18が設置されている。このオープンファスナー17及びそれとセットのオープンファスナー18をクローズ連結させることによって、本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体は上下方向に収縮させることができる。収縮後は図2と全く同様である。また、本発明は、このオープンファスナーの位置や数、大きさ、材質を限定するものではない。自在の高さ部分にオープンファスナーを設置することで、自在の大きさに本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体を収縮させることができる。
【0054】
以上のように、図を用いて本発明の一実施形態に係る洗濯物カバー体の実施例の一部を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上述したように、本願に係る発明によれば、洗濯物の種類や大きさに左右されずに洗濯物の外周を覆い、余分な大きさや長さを簡易に且つその場で調節でき、見栄えにもよい好適な洗濯物カバーが実現化される。そして、本願に係る発明によれば、簡易であるがゆえに製造コストも安価で経済効率も格段に向上させることの可能な洗濯物カバーが実現化される。
【0056】
また、本願に係る発明によれば、工業的に乾燥を要する物品である被乾燥物の乾燥工程においても、外部からの塵や埃の付着を嫌い、虫などの侵入を防止し、安定に早く乾燥させることが必要な被乾物を、本願に係る発明のカバー体で外周を覆うことにより、大きさを適宜調整し、早期乾燥を図ることが可能となる。
【0057】
工業的にも、乾燥温風の供給量や費用を削減でき、乾燥効率のよい大きさ可変の本願に係る被乾燥物カバー体が可能となる。
【0058】
したがって、本発明は、家庭での洗濯物乾燥に限定されることなく、あらゆる用途に対しても利用・適用可能である。よって本願は、各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0059】
1 洗濯物カバー体
2 外周カバー
3 中央ワイヤー
4 外周ワイヤー
5 外周ワイヤー止め(揺れ防止ループ)
6 口絞りひも
7 ひも(紐)ストッパー
8 洗濯バサミ
9 洗濯物
10 洗濯物干し具
11 縮めた状態(収縮した状態)
12 ファスナー
13 (外周カバーの)底面
14 (外周カバーの)側面
15 中央線
16 ホック等掛かり止め部(掛かり止め構造)
17 オープンファスナー(片側)
18 17とセットのオープンファスナー(片側)

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、
前記洗濯物カバー体の底面の中央部及び/若しくは外周部に一端を設置された1以上のワイヤーを有し、
前記ワイヤーは、前記洗濯物カバー体の側面の繊維に上下移動可能な態様でゆるく且つ内外交互に編み込まれた態様で前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なっていることにより、
前記ワイヤーの前記上部開口部上の一端を引くことにより前記洗濯物カバー体の底面が上方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さである袋状の深さを自在に変更することが可能であること
に特徴を有する洗濯物カバー体。
【請求項2】
洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、
前記洗濯物カバー体の底面の外周部を覆って設置されたオープンファスナーと、
前記洗濯物カバー体の側面外周部に1以上の円環状に設置された複数のオープンファスナーと
を具備し、
前記オープンファスナーの各々と上下方向に位置する前記オープンファスナーの各々とが連結されることにより、前記洗濯物カバー体の底面が上下方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さである袋状の深さを自在に変更することが可能であること
に特徴を有する洗濯物カバー体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
かかる課題を解決するため、本発明に係る洗濯物カバー体は、洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、前記洗濯物カバー体の底面の中央部及び/若しくは外周部に一端を設置された1以上のワイヤーを有し、前記ワイヤーは、前記洗濯物カバー体の側面の繊維に上下移動可能な態様でゆるく且つ内外交互に編み込まれた態様で前記洗濯物カバー体の上部開口部上まで連なっていることにより、前記ワイヤーの前記上部開口部上の一端を引くことにより前記洗濯物カバー体の底面が上方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さである袋状の深さを自在に変更することが可能であることに特徴を有する。
また、本発明に係る洗濯物カバー体は、洗濯物及び洗濯物干し具の外周を袋状に覆う円柱状若しくは多角形柱状の洗濯物カバー体であって、前記洗濯物カバー体の底面の外周部を覆って設置されたオープンファスナーと、前記洗濯物カバー体の側面外周部に1以上の円環状に設置された複数のオープンファスナーとを具備し、前記オープンファスナーの各々と上下方向に位置する前記オープンファスナーの各々とが連結されることにより、前記洗濯物カバー体の底面が上下方向に収縮して前記洗濯物カバー体の上下方向の長さである袋状の深さを自在に変更することが可能であることに特徴を有する。