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特開2022-100146情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび移動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100146
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび移動装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220628BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220628BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20220628BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
B25J5/00 E
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214332
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】特許業務法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 祐介
【テーマコード(参考)】
2F129
3C707
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129CC16
2F129DD21
2F129DD34
2F129DD40
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE79
2F129EE90
2F129GG17
2F129HH12
2F129HH25
3C707AS34
3C707CS08
3C707JU02
3C707JU03
3C707KS01
3C707KS10
3C707KS36
3C707KS39
3C707KT01
3C707KT15
5H181AA21
5H181CC04
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】誘導対象に対して必要十分な誘導を効率よく行い得るようにする。
【解決手段】誘導対象を目的地へ誘導する移動装置に備えられるものである。設定部により、誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から目的地までの地点のいずれかの所定地点が誘導終了地点として設定される。例えば、判定部により、誘導開始後において、所定の条件に基づいて、設定された誘導終了地点とは異なる地点が誘導終了地点と判定される。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導対象を目的地へ誘導する移動装置に備えられ、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部を備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記誘導対象の目的地は、所定施設、または所定施設内の所定地点を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記誘導経路の環境情報は、前記誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、前記所定施設の種類、または前記所定施設の構造上の特性を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記誘導対象の固有情報は、前記誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、前記所定施設に関する知識レベルを取得するための情報である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定施設に関する知識レベルを取得するための情報は、前記所定施設内の前記所定地点、または前記所定施設を過去に訪れた履歴の情報を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
センサ情報に基づいて、前記誘導対象の属性を推定する属性推定部をさらも備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記移動装置は、案内ロボットを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
誘導開始後において、所定の条件に基づいて、前記設定された誘導終了地点とは異なる地点を誘導終了地点と判定する判定部をさらに備える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の条件は、前記誘導対象が前記誘導対象の目的地を認識できたと推定されること、を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記所定の条件は、前記誘導対象の目的地と同一の目的地に向かう、前記誘導対象とは別の対象の流れが発見されること、を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記別の対象の発見は、前記別の対象の移動方向と前記誘導対象の目的地に関する統計情報に基づいて行われる
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記別の対象の発見は、前記別の対象が持つ端末から取得される目的地情報に基づいて行われる
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記所定の条件は、前記誘導対象の目的地と同一の目的地に別の誘導対象を誘導している別の移動装置が発見されること、を含む
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記設定部は、前記誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、前記誘導対象を誘導するための誘導経路および誘導方法をさらに設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記移動装置は、前記誘導対象を、前記設定された誘導終了地点まで誘導する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記移動装置は、前記誘導対象を、前記誘導対象を前記設定された誘導終了地点まで誘導する別の移動装置に誘導を引き継ぐ、前記誘導開始地点から前記設定された誘導終了地点までの地点のいずれかの所定地点まで誘導する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記誘導対象は、前記目的地を同一にする複数の誘導対象である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する手順を有する
情報処理方法。
【請求項19】
コンピュータを、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部として機能させる
プログラム。
【請求項20】
情報処理装置を備え、誘導対象を目的地へ誘導する移動装置であって、
前記情報処理装置は、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部を備える
移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび移動装置に関し、詳しくは、誘導対象を誘導する移動装置に備えられ、誘導対象の誘導を効率的に行うための情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間を目的地まで誘導するロボットが提案されている。例えば、特許文献1には、目的地までの目印を見通せる経路に沿って人間を誘導し、経路途中で目印が見える地点まで来ると、目的地までの道順を説明し、人間が道順を理解した場合は、その時点で誘導を終了する道案内ロボットに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-260822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される技術においては、目印が見える地点で誘導を終了してしまうので、高齢者やその場所(施設)に不慣れな人は、誘導終了後に迷ってしまうという不都合がある。なお、特許文献1に記載される技術においては、誘導を終了してもよいか、人間とやり取りをすることもできるが、目的地まで確実に案内して欲しい人にとっては煩わしいものとなる。
【0005】
本技術の目的は、誘導対象に対して必要十分な誘導を効率よく行い得るようにすることになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の概念は、
誘導対象を目的地へ誘導する移動装置に備えられ、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部を備える
情報処理装置にある。
【0007】
本技術の情報処理装置は、誘導対象を目的地へ誘導する移動装置に備えられるものである。ここで、誘導対象は、移動装置、例えば案内ロボットによって目的地へ誘導される対象、例えば人間である。本技術において、設定部により、誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から目的地までの地点のいずれかの所定地点が誘導終了地点として設定される。
【0008】
例えば、誘導対象の目的地は、所定施設、または所定施設内の所定地点を含む、ようにされてもよい。これにより、移動装置は、誘導対象に対し、所定施設、または所定施設内の所定地点への誘導を、必要十分に効率よく行い得るようになる。
【0009】
また、例えば、誘導経路の環境情報は、誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、施設の種類、または施設の構造上の特性を含む、ようにされてもよい。これにより、所定施設の種類、または所定施設の構造上の特性に応じた誘導終了地点を設定することが可能となる。
【0010】
また、例えば、誘導対象の固有情報は、誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、所定施設に関する知識レベルを取得するための情報である、ようにされてもよい。この場合、例えば、所定施設に関する知識レベルを取得するための情報は、所定施設内の所定地点、または所定施設を過去に訪れた履歴の情報を含む、ようにされてもよい。これにより、所定施設に関する知識レベルに応じた誘導終了地点を設定することが可能となる。
【0011】
また、例えば、センサ情報に基づいて、誘導対象の属性を推定する属性推定部をさらも備える、ようにされていてもよい。これにより、誘導対象、例えば人間が、自分の属性、例えば高齢者、視覚障害者、外国人、子供、団体(グループ)などを入力する手間を省くことが可能となる。
【0012】
また、例えば、移動装置は、案内ロボットを含む、ようにされてもよい。これにより、案内ロボットは、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に効率よく行い得るようになる。
【0013】
また、例えば、移動装置は、誘導対象を、設定された誘導終了地点まで誘導する、ようにされてもよい。これにより、移動装置により、誘導対象を、設定された誘導終了地点まで誘導することが可能となる。
【0014】
また、例えば、移動装置は、誘導対象を、設定された誘導終了地点まで誘導する別の移動装置に誘導を引き継ぐ、誘導開始地点から設定された誘導終了地点までの地点のいずれかの所定地点まで誘導する、ようにされてもよい。これにより、移動装置および別の移動装置の協働により、誘導対象を、設定された誘導終了地点まで誘導することが可能となる。
【0015】
また、例えば、誘導対象は、目的地を同一にする複数の誘導対象である、ようにされてもよい。これにより、移動装置は、複数の誘導対象、例えば人間の団体(グループ)に対し、目的地への誘導を、必要十分に効率よく行い得るようになる。
【0016】
このように本技術においては、誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定するものである。そのため、移動装置は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に効率よく行い得るようになる。
【0017】
なお、本技術において、例えば、誘導開始後において、所定の条件に基づいて、設定された誘導終了地点とは異なる地点を誘導終了地点と判定する判定部をさらに備える、ようにされてもよい。これにより、移動装置は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に一層効率よく行い得るようになる。
【0018】
この場合、例えば、所定の条件は、誘導対象が誘導対象の目的地を認識できたと推定されること、を含む、ようにされてもよい。これにより、誘導対象が目的地を認識できたと推定された地点を誘導終了地点と判定でき、移動装置の誘導を、必要十分に一層効率よく行い得るようになる。
【0019】
また、この場合、例えば、所定の条件は、誘導対象の目的地と同一の目的地に向かう、誘導対象とは別の対象の流れが発見されること、を含む、ようにされてもよい。これにより、目的地に向かっている、誘導対象とは別の対象が発見された地点を誘導終了地点と判定でき、移動装置の誘導を、必要十分に一層効率よく行い得るようになる。
【0020】
例えば、別の対象の発見は、この別の対象の移動方向と誘導対象の目的地に関する統計情報に基づいて行われる、ようにされてもよい。また、例えば、別の対象の発見は、この別の対象が持つ端末から取得される目的地情報に基づいて行われる、ようにされてもよい。これらにより、目的地に向かっている、誘導対象とは別の対象の発見を、良好に行うことができる。
【0021】
また、この場合、所定の条件は、誘導対象の目的地と同一の目的地に別の誘導対象を誘導している別の移動装置が発見されること、を含む、ようにされてもよい。これにより、誘導対象の目的地と同一の目的地に別の誘導対象を誘導している別の移動装置が発見された地点を誘導終了地点と判定でき、移動装置の誘導を、必要十分に一層効率よく行い得るようになる。
【0022】
また、本技術において、例えば、設定部は、誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導対象を誘導するための誘導経路および誘導方法をさらに設定する、ようにされてもよい。これにより、移動装置は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、良好に行うことが可能となる。
【0023】
また、本技術の他の概念は、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する手順を有する
情報処理方法にある。
【0024】
また、本技術の他の概念は、
コンピュータを、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部として機能させる
プログラムにある。
【0025】
また、本技術の他の概念は、
情報処理装置を備え、誘導対象を目的地へ誘導する移動装置であって、
前記情報処理装置は、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部を備える
移動装置にある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】案内ロボットが、誘導対象である高齢者を、目的地へ誘導(案内)する例を示す図である。
図2】案内ロボットが、誘導対象である対象者1と対象者2を、それぞれの目的地へ誘導する例を示す図である。
図3】案内ロボットが、誘導対象である対象者1と対象者2を、それぞれの目的地へ誘導する例を示す図である。
図4】移動装置としての案内ロボットのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】対象者の施設に関する知識レベルに基づく目的地の補正の一例を示す図である。
図6】対象者の属性による誘導経路および誘導方法の設定の一例を示す図である。
図7】対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する一例を示す図である。
図8】対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する他の一例を示す図である。
図9】対象者の属性および対象者の施設に関する知識レベルに基づく目的地、誘導終了判定の変更例を示す図である。
図10】プロセッサで構成される情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図11】プロセッサ(情報処理装置)における誘導処理フローの一例を示す図である。
図12】プロセッサ(情報処理装置)における、対象者の属性が視覚障害者である場合の誘導処理フローの一例を示す図である。
図13】プロセッサ(情報処理装置)における、対象者の属性が外国人である場合の誘導処理フローの一例を示す図である。
図14】プロセッサ(情報処理装置)における、対象者の属性が団体である場合の誘導処理フローの一例を示す図である。
図15】誘導場所による目的地補正の一例を示す図である。
図16】複数の誘導場所に対応した案内ロボットのプロセッサ(情報処理装置)における誘導処理フローの一例を示す図である。
図17】本技術のカーナビゲーションシステムへの応用の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0028】
<1.実施の形態>
[本技術の概要]
図1は、案内ロボット500が、誘導対象である高齢者を、目的地へ誘導(案内)する例を示している。この例では、案内ロボット500が、目的地への目印が見えた地点P0で、誘導を終了することで、誘導の効率化が図られている。この場合、地点P0で誘導が終了された高齢者は、認知能力が低いことから、案内ロボット500による誘導終了後に迷ってしまうことが考えられる。なお、この場合、案内ロボット500は、地点P0で、誘導を終了してもよいか高齢者とやり取りすることもできるが、目的地まで確実に誘導して欲しい高齢者にとっては煩わしいものとなる。
【0029】
そこで、本技術では、誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定するように構成され、移動装置が、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に効率よく行い得るようにされる。
【0030】
例えば、誘導対象の目的地は、所定施設、または所定施設内の所定地点を含むものとされる。例えば、誘導経路の環境情報は、誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、所定施設の種類、または所定施設の構造上の特性を含むものとされる。また、例えば、誘導対象の固有情報は、誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、所定施設に関する知識レベルを取得するための情報である。また、例えば、所定施設に関する知識レベルを取得するための情報は、所定施設内の所定地点、または所定施設を過去に訪れた履歴の情報を含むものとされる。
【0031】
図2は、案内ロボット500が、誘導対象である対象者1と対象者2を、それぞれの目的地へ誘導する例を示している。ここで、対象者1は、高齢者であって施設内の目的地(店舗)への来店履歴が不明であり、対象者2は、若年者であって施設内の目的地(店舗)への来店履歴が15回である、と想定している。
【0032】
この場合、対象者1に関しては、施設に関する知識レベルが低く、かつ認知能力が低いことが推定されることから、案内ロボット500は、対象者1の目的地を誘導終了地点として設定し、そこまで誘導する。このとき、案内ロボット500は、対象者1に、例えば、「目的地に到着しました。案内を終了します。」と指示する。
【0033】
対象者2に関しては、施設に関する知識レベルが高く、かつ認知能力が高いことが推定されることから、案内ロボット500は、対象者2の目的地に係る看板を誘導終了地点として設定し、そこまで誘導する。このとき、案内ロボット500は、対象者2に、例えば、「ここから先は、看板に従って進んでください。」と指示する。
【0034】
また、本技術では、誘導開始後において、所定の条件に基づいて、設定された誘導終了地点とは異なる地点を誘導終了地点と判定するように構成され、移動装置が、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に一層効率よく行い得るようにされる。
【0035】
ここで、所定の条件は、誘導対象が目的地を認識できたと推定されること、誘導対象の目的地と同一の目的地に向かっている、誘導対象とは別の対象が発見されること、誘導対象の目的地と同一の目的地に別の誘導対象を誘導している別の移動装置が発見されること、などである。
【0036】
図3は、案内ロボット500が、誘導対象である対象者1と対象者2を、それぞれ目的地へ誘導する例を示している。ここで、対象者1の誘導終了地点としてこの対象者1の目的地が設定され、対象者2の誘導終了地点としてこの対象者2の目的地が設定されるものとする。
【0037】
この場合、対象者1に関しては、案内ロボット500は、対象者1が、この対象者1の目的地を認識できたと推定された地点P2まで誘導する。このとき、案内ロボット500は、対象者1に、例えば、「ここから先、道なりに進んでください。」と指示する。
【0038】
対象者2に関しては、対象者2の目的地と同一の目的地に向かう人の流れを発見した地点P3まで案内する。このとき、案内ロボット500は、対象者2に、例えば、「あの人たちに付いて行ってください。」と指示する。
【0039】
また、本技術では、誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導対象を誘導するための誘導経路および誘導方法を設定するように構成され、移動装置は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、良好に行い得るようにされる。
【0040】
「案内ロボットのハードウェア構成」
図4は、移動装置としての案内ロボット10のハードウェア構成の一例を示している。この実施の形態において、案内ロボット10は、施設としてのショッピングモールの内部において、誘導対象である対象者(誘導してもらう人)を、その対象者の目的地である店舗まで誘導する。
【0041】
案内ロボット10は、処理部110と、入力部120と、出力部130と、出力部140と、通信部150を有している。処理部110は、プロセッサ111、メモリ112、ストレージ113等を含んでいる。プロセッサ111は、メモリ112またはストレージ113に格納された制御プログラムに基づいて動作し、案内ロボット10の各部を制御する。
【0042】
メモリ112は、プロセッサ111に読み込まれる制御プログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等を、一時的または永続的に格納する。ストレージ113は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス等で構成され。各種のデータを格納する。
【0043】
この実施の形態において、この各種のデータには、施設内地図や、施設内の店舗(映画館)における上映時刻情報、施設内でセールを行う店舗のセール開始情報、施設内の各店舗の集客能力の統計情報、施設内の各店舗の時間毎の集客数の統計情報、などが含まれる。ここで、施設内地図は、施設の構造上の特性情報を含んでいる。
【0044】
入力部120は、LiDAR(Light Detection and Ranging)121、カメラ122、マイクロホン123、タッチパネル124、キーボード125等を含んでいる。LiDAR121は、レーザー光で周囲を走査して、周囲の物体までの距離を検出する。カメラ122は、対象者を撮像し、また周囲を撮像する。
【0045】
マイクロホン123は、対象者の発話を集音する。タッチパネル124は、フラットタイプのディスプレイの表面にタッチスイッチを配置して構成され、対象者によるタッチ位置を検出する。キーボード125は、タッチパネル124と共に、対象者の操作子を構成している。
【0046】
出力部130は、対象者とコミュニケーションをとるために使用される。この出力部130は、ディスプレイ131、スピーカ132等を含んでいる。ディスプレイ131は、液晶表示器や有機EL等のフラットタイプのディスプレイであり、種々の画面を表示する。上述のタッチパネル124は、このディスプレイの表面に配置される。スピーカ132は、対象者に音声指示等を出力する。出力部140は、アクチュエータを構成している。この出力部140は、車輪141、アーム142等を含んでいる。通信部150は、外部機器との間で通信をする。
【0047】
プロセッサ111は、対象者(人)の目的地を取得し、その対象者を目的地へ誘導する。例えば、プロセッサ111は、対象者の発話情報に音声認識処理を施して得られた対象者の目的地情報、あるいはタッチパネル124やキーボード125の操作による目的地情報に基づいて、目的地を取得する。
【0048】
また、プロセッサ111は、対象者の施設に関する知識レベルを取得する。例えば、プロセッサ111は、通信部150が対象者の所持端末にアクセスすることで得られた目的地(店舗)への来店履歴情報や、対象者のタッチパネル124やキーボード125の操作により入力された目的地(店舗)への来店履歴情報、あるいは対象者の発話情報に音声認識処理を施して得られた目的地(店舗)への来店履歴情報に基づいて、対象者の施設に関する知識レベルを推定取得する。なお、目的地(店舗)への来店履歴情報の代わりに、施設(ショッピングモール)自体への来店履歴情報であってもよい。
【0049】
また、例えば、プロセッサ111は、対象者のタッチパネル124やキーボード125の操作により入力された施設に関する知識レベル情報や、対象者の発話情報に音声認識処理を施して得られた対象者の施設の関する知識レベル情報に基づいて、対象者の施設に関する知識レベルを取得する。
【0050】
また、プロセッサ11は、対象者の属性を取得する。ここで、対象者の属性は、若年者、高齢者、視覚障害者、外国人、子供、親密な団体客、親密でない団体客などである。ここで、団体客は、目的地を同一とする複数の対象者(人)から構成されている。例えば、プロセッサ111は、対象者の画像情報に画像認識処理を施して、あるいは対象者の発話情報に音声認識処理を施して、対象者の属性を推定取得する。また、例えば、プロセッサ111は、対象者のタッチパネル124やキーボード125の操作により入力された属性情報に基づいて、対象者の属性を取得する。対象者の属性は、対象者の認知能力は運動能力を判断する材料ともなる。
【0051】
次に、プロセッサ111は、上述したように対象者の目的地、対象者の施設に関する知識レベルおよび対象者の属性を取得した後、施設の構造上の特性、対象者の施設に関する知識レベルおよび対象者の属性に応じて、目的地の補正を行うと共に、対象者を誘導するための誘導経路および誘導方法の設定を行って、対象者の誘導を開始する。
【0052】
ここで、目的地は、必ず補正されるものではなく、補正されないこともある。また、誘導経路としては、最短距離、段差を回避、点字ブロック沿い、人通りが多い、大通り優先等の経路が選択的に設定される。また、誘導方法としては、高速、中速、低速、低速かつ曲がり角で音声案内(一時停止・旋回)等が選択的に設定される。
【0053】
図5は、対象者の施設に関する知識レベルに基づく目的地の補正の一例を示している。案内ロボット10は、誘導開始地点Q1において、対象者の目的地を取得する。そして、案内ロボット10は、対象者の施設に関する知識レベルが高い場合には、対象者の目的地から比較的離れた地点、例えばメイン通りに出た地点Q2を目的地とする補正をする。一方、案内ロボット10は、対象者の施設に関する知識レベルが低い場合には、対象者の目的地から近い地点、例えば最後の角の地点Q3を目的地とする補正をする。
【0054】
図6は、対象者の属性による誘導経路および誘導方法の設定の一例を示している。対象者の属性が「若年者」である場合、その認識は例えば画像認識や所持端末からの情報取得により行われ、誘導経路は最短距離をとる経路に設定され、誘導方法は高速に設定される。また、対象者の属性が「高齢者」である場合、その認識は例えば画像認識や所持端末からの情報取得により行われ、誘導経路は段差を回避する経路に設定され、誘導方法は低速に設定される。
【0055】
また、対象者の属性が「視覚障害者」である場合、その認識は例えば画像認識(白杖、盲導犬)により行われ、誘導経路は点字ブロック沿いの経路に設定され、誘導方法は低速かつ曲がり角で音声案内(一時停止・旋回)に設定される。また、対象者の属性が「外国人」である場合、その認識は例えば目的地入力時の言語や音声認識により行われ、誘導経路は最短距離をとる経路(母語の案内看板のある経路優先)に設定され、誘導方法は高速に設定される。
【0056】
また、対象者の属性が「子供」である場合、その認識は例えば画像認識により行われ、誘導経路は人通りが多い経路に設定され、誘導方法は低速に設定される。また、対象者の属性が親密な団体客である場合、その認識は例えば音声認識(団体内の会話量)により行われ、誘導経路は大通り優先の経路に設定され、誘導方法は中速に設定される。また、対象者の属性が親密でない団体客である場合、その認識は例えば音声認識(団体内の会話量)により行われ、誘導経路は大通り優先の経路に設定され、誘導方法は中速に設定される。
【0057】
プロセッサ111は、対象者を誘導して誘導終了地点(補正されていない場合には対象者の目的地、補正されている場合には補正後の目的地)に到着した場合、対象者の目的地までの行動を対象者に指示して、対象者の誘導を終了する。
【0058】
ここで、プロセッサ111は、対象者を誘導して誘導終了地点に到着する前に、対象者が、その対象者の目的地(本来の目的地)を認識できると判断した場合、その判断地点を誘導終了地点とし、対象者の目的地までの行動を対象者に指示して、対象者の誘導を終了する。
【0059】
この場合、プロセッサ111は、対象者の画像情報に画像認識処理を施して、あるいは対象者の発話情報に音声認識処理を施して、対象者の目的地認識状態を推定し、その認識状態が閾値以上であるとき、対象者が、その対象者の目的地(本来の目的地)を認識できると判断する。
【0060】
また、この場合、プロセッサ111は、対象者の目的地と同一の目的地に向かう、対象者とは別の人の流れが発見されるとき、対象者が、その対象者の目的地(本来の目的地)を認識できると判断する。例えば、プロセッサ111は、当該別の人の流れの発見を、その別の人の流れの方向と対象者の目的地に関する統計情報に基づいて行う。
【0061】
図7は、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する一例を示している。この場合、プロセッサ111は、案内ロボット10の周囲の画像情報に基づいて、人の流れを観測し、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する。この場合、映画の上映時刻、セール開始情報、各店舗の集客能力の統計情報等のコンテキスト情報をもとに、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する。
【0062】
図示の例においては、案内ロボット10が対象者を誘導開始地点Q1から地点Q4まで誘導してきた時点で、対象者の目的地と同一方向に向かう人の流れを発見するが、例えば「映画上映15分前」、「この地点以降、最も集客力の高い店舗は対象者の目的地のみ」という情報に基づき、その人の流れを、その対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れと推定する。そして、案内ロボット10は、この地点Q4で、対象者に、例えば「あの人たちに付いて行ってください」との指示を行い、対象者の誘導を終了する。
【0063】
図8も、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する一例を示している。この場合、プロセッサ111は、案内ロボット10の周囲の画像情報に基づいて、人の流れを観測し、各店舗の時間ごとの集客数の統計情報をもとに、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れを推定する。この場合、対象者の目的地の集客数を人の進行方向の先の全ての店舗の集客数の合計で割って、対象者の目的地と同一方向に向かう人の流れの行き先の確率を推定し、その確率が閾値以上、例えば80%以上ならば、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れと推定する。
【0064】
図示の例においては、案内ロボット10が対象者を誘導開始地点Q1から地点Q5まで誘導してきた時点で、対象者の目的地と同一方向に向かう人の流れを発見するが、確率は、約35%(=200/(200+100+200+50+10)×100%)であって、閾値(80%)以上でないので、その人の流れは、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れではないと推定する。
【0065】
次に、案内ロボット10が対象者を地点Q5から地点Q6まで誘導してきた地点Q6で、対象者の目的地と同一方向に向かう人の流れを発見するが、確率は、約95%(=200/(200+10)×100%)であって、閾値(80%)以上となるので、その人の流れは、対象者の目的地と同一の目的地へ向かう人の流れと推定する。そして、案内ロボット10は、この地点Q6で、対象者に、例えば「あの人たちに付いて行ってください」との指示を行い、対象者の誘導を終了する。
【0066】
また、例えば、プロセッサ111は、対象者の目的地と同一の目的地に向かう、対象者とは別の人の流れの発見を、当該別の人が持つ端末から目的地情報を取得可能であれば、その目的地情報に基づいて行うことも考えられる。
【0067】
また、この場合、プロセッサ111は、対象者の目的地と同一の目的地に別の対象者を誘導している別の案内ロボットが発見されるとき、対象者が、その対象者の目的地(本来の目的地)を認識できると判断する。この場合、プロセッサ111は、例えば、その別の案内ロボットとの間の通信により、その別の案内ロボットが、対象者の目的地と同一の目的地に別の対象者を誘導していることを認識できる。この場合、案内ロボット10は、その別の案内ロボットを発見した地点で、対象者に、例えば「この後は、あの案内ロボット10に目的地へ誘導してもらってください」との指示を行い、対象者の誘導を終了する。
【0068】
図9は、対象者の属性および対象者の施設に関する知識レベルに基づく目的地、誘導終了判定の変更例を示している。
【0069】
対象者の属性が「若年者」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「曲がり角を対象者が認識するまで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「案内看板」で、誘導終了は「案内看板を対象者が認識するまで」とされる。
【0070】
次に、対象者の属性が「子供」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地を対象者が認識するまで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「直前の曲がり角」で、誘導終了は「曲がり角の先を対象者が見通せるまで」とされる。
【0071】
次に、対象者の属性が「視覚障害者」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。
【0072】
次に、対象者の属性が「高齢者」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「直前の曲がり角」で、誘導終了は「曲がり角到着まで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「案内看板」で、誘導終了は「案内看板到着まで」とされる。
【0073】
次に、対象者の属性が「外国人」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地到着まで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地を対象者が認識するまで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「補正なし」あるいは「母語の案内看板」で、誘導終了は「目的地あるいは案内看板を対象者が認識するまで」とされる。
【0074】
次に、対象者の属性が「親密な団体客」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地を最低一人の対象者が確認するまで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「直前の曲がり角」で、誘導終了は「曲がり角を最低一人の対象者が確認するまで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「案内看板」で、誘導終了は「案内看板を最低一人の対象者が確認するまで」とされる。
【0075】
次に、対象者の属性が「親密でない団体客」である場合について説明する。知識レベルが低レベルであるとき、目的地は「補正なし」で、誘導終了は「目的地を半数の対象者が確認するまで」とされる。また、知識レベルが中レベルであるとき、目的地は「直前の曲がり角」で、誘導終了は「曲がり角を半数の対象者が確認するまで」とされる。また、知識レベルが高レベルであるとき、目的地は「案内看板」で、誘導終了は「案内看板を半数の対象者が確認するまで」とされる。
【0076】
なお、図9に示す例では、対象者の施設に関する知識レベルを3段階に分けたものであるが、知識レベルの段階数はこれに限定されるものではなく、例えばさらに細かく段階を分けることも考えられる。また、対象者の属性に応じて段階数が異なっていてもよい。
【0077】
「プロセッサで構成される情報処理装置の機能構成」
図10は、プロセッサ111(図4参照)で構成される情報処理装置200の機能構成の一例を示している。情報処理装置200は、目的地取得部201と、対象者属性取得部202と、対象者知識レベル取得部203と、目的地補正部204と、経路探索部205と、誘導生成部206と、人流推定部207と、誘導終了判定部208を有している。
【0078】
目的地取得部201は、対象者発話情報に音声認識処理を施して得られた目的地情報、あるいはタッチパネル124やキーボード125の操作による対象者操作情報(目的地情報)に基づいて、対象者の目的地を取得する。
【0079】
対象者属性取得部202は、対象者画像情報に画像認識処理を施して、あるいは対象者発話情報に音声認識処理を施して、対象者の属性を推定取得する。または、対象者属性取得部201は、対象者のタッチパネル124やキーボード125の操作による対象者操作情報(属性入力情報)に基づいて、対象者の属性を取得する。
【0080】
施設知識レベル取得部203は、対象者の所持端末に通信部150でアクセスすることで得られた目的地(店舗)への来店履歴情報や、対象者のタッチパネル124やキーボード125の操作により入力された目的地(店舗)への来店履歴情報、あるいは対象者発話情報に音声認識処理を施して得られた目的地(店舗)への来店履歴情報に基づいて、対象者の施設に関する知識レベルを推定取得する。または、施設知識レベル取得部202は、対象者のタッチパネル124やキーボード125の操作により入力された施設に関する知識レベル情報や、対象者発話情報に音声認識処理を施して得られた対象者の施設の関する知識レベル情報に基づいて、対象者の施設に関する知識レベルを取得する。
【0081】
目的地補正部204は、施設の構造上の特性、対象者属性取得部202で取得された対象者属性、施設知識レベル取得部203で取得された対象者の施設に関する知識レベルに応じて、目的地の補正をする(図9参照)。この場合、対象者の施設に関する知識レベルと対象者属性を基に、早期に誘導を終了できるように、目的地が補正される。この場合、目的地は、補正されないこともある。
【0082】
経路探索部205は、目的地補正部204で補正された目的地、対象者属性取得部202で取得された対象者属性、施設知識レベル取得部203で取得された対象者の施設に関する知識レベルに応じて、施設内地図を参照して、誘導経路を設定する(図6参照)。この場合、目的地までの適切な経路が設定される。
【0083】
誘導生成部206は、対象者属性取得部202で取得された対象者属性、施設知識レベル取得部203で取得された対象者の施設に関する知識レベル、経路探索部205で生成された誘導経路に応じて、施設内地図を参照して、誘導経路上の誘導方法、つまり移動速度や対象者への発話内容、画像表示内容等を設定し、案内ロボット10の出力装置(出力部130,140)に対する移動、発話、表示のコマンドを発生する。
【0084】
人流推定部207は、周囲画像情報(連続する複数フレーム分の画像情報)に基づいて人の移動を推定し、周辺の移動している人数と移動方向を取得する。
【0085】
誘導終了判定部208は、対象者画像情報、対象者発話情報、対象者操作情報と、さらに経路探索部205で設定された誘導経路、人流推定部207で推定された周辺の移動している人数と移動方向、施設統計情報等に応じて、対象者の反応、誘導経路上の人の流れ、施設内の人の分布情報等により、対象者が目的地に到達できる可能性を推定し、誘導終了のための発話、画面表示、停止等のコマンドを発生する。
【0086】
「プロセッサにおける誘導処理フロー」
図11は、プロセッサ111(情報処理装置200)における誘導処理フローの一例を示している。まず、プロセッサ111は、ステップST1において、対象者の目的地を取得する。
【0087】
次に、プロセッサ111は、ステップST2において、対象者の施設に関する知識レベルと、対象者の属性を取得する。
【0088】
次に、プロセッサ111は、ステップST3において、施設の構造上の特性、対象者の施設に関する知識レベル、対象者の属性に応じて、目的地を補正し、誘導経路・誘導方法を設定する(図6図9参照)。
【0089】
次に、プロセッサ111は、ステップST4において、対象者の誘導を開始する。この開始により、ステップST3で設定された誘導経路・誘導方法に基づいて、案内ロボット10は、対象者を誘導していく。
【0090】
次に、プロセッサ111は、ステップST5において、誘導終了地点に到着したか否かを判断する。ここで、誘導終了地点は、ステップST3で補正されていない場合には、ステップST1で取得された対象者の目的地そのものであり、一方ステップST3で補正されている場合には、補正後の目的地である。
【0091】
誘導終了地点に到着したと判断する場合、プロセッサ111は、ステップST6において、対象者の目的地(ステップST1で取得された対象者の目的地)までの行動を対象者に指示する。その後、プロセッサ111は、ステップST7において、対象者の誘導を終了する。
【0092】
また、ステップST5において、誘導終了地点に到着していないと判断した場合、プロセッサ111は、ステップST8において、対象者の目的地認識状態を推定する。そして、プロセッサ111は、ステップST9において、対象者が目的地を認識できるか否かを判断する。
【0093】
この場合、プロセッサ111は、対象者の目的地認識状態が閾値以上であるとき、対象者が、その対象者の目的地を認識できると判断する。また、この場合、プロセッサ111は、対象者の目的地と同一の目的地に向かう、対象者とは別の人の流れが発見されるとき、対象者が、その対象者の目的地を認識できると判断する。また、この場合、プロセッサ111は、対象者の目的地と同一の目的地に別の対象者を誘導している別の案内ロボットが発見されるとき、対象者が、その対象者の目的地を認識できると判断する。
【0094】
ステップST9で対象者が目的地を認識できないと判断する場合、プロセッサ111は、ステップST5の処理に戻る。一方、ステップST9で対象者が目的地を認識できると判断する場合、プロセッサ111は、ステップST6において、対象者の目的地までの行動を対象者に指示し、その後、ステップST7において、対象者の誘導を終了する。
【0095】
図12は、プロセッサ111(情報処理装置200)における、対象者の属性が視覚障害者である場合の誘導処理フローの一例を示している。
【0096】
まず、プロセッサ111は、ステップST11において、対象者の目的地を取得する。次に、プロセッサ111は、ステップST12において、対象者の属性として視覚障害者を取得する。次に、プロセッサ111は、ステップST13において、誘導経路として、点字ブロック沿いの経路を設定する。
【0097】
次に、プロセッサ111は、ステップST14において、誘導方法として、低速で、曲がり角で音声案内(一時停止、旋回)を設定する。そして、プロセッサ111は、ステップST15において、対象者の誘導を開始する。
【0098】
次に、プロセッサ111は、ステップST16において、対象者を目的地まで誘導する。この場合、誘導終了は、目的地に到着したか、目的地に到着して従業員に引き継ぎをしたか、あるいは目的地に到着して担当ロボットに引き継ぎをしたか、などの条件で判定される。誘導終了の条件を満たす場合、プロセッサ111は、ステップST17において、対象者の誘導を終了する。
【0099】
図13は、プロセッサ111(情報処理装置200)における、対象者の属性が外国人である場合の誘導処理フローの一例を示している。
【0100】
まず、プロセッサ111は、ステップST21において、対象者の目的地を取得する。次に、プロセッサ111は、ステップST22において、対象者の属性として外国人を取得する。次に、プロセッサ111は、ステップST23において、目的地周辺に対象者の母語の案内看板があるか否かを判断する。
【0101】
目的地周辺に対象者の母語の案内看板があると判断する場合、プロセッサ111は、ステップST24において、目的地を、その案内看板に補正し、その後に、ステップST25の処理に進む。一方、目的地周辺に対象者の母語の案内看板がないと判断する場合、プロセッサ111は、直ちに、ステップST25の処理に進む。
【0102】
ステップST25において、プロセッサ111は、誘導経路として、最短距離の経路を選択する。次に、プロセッサ111は、ステップST26において、誘導方法として、高速を設定する。そして、プロセッサ111は、ステップST27において、対象者の誘導を開始する。
【0103】
次に、プロセッサ111は、ステップST28において、対象者を目的地まで案内する。この場合、誘導終了は、目的地の補正がされていない場合は、目的地に到着したか、などの条件で判定される。また、この場合、誘導終了は、目的地が案内看板に補正されている場合には、対象者が案内看板を認識したか、などの条件で判断される。誘導終了の条件を満たす場合、プロセッサ111は、ステップST29において、対象者の誘導を終了する。
【0104】
なお、図13の誘導処理フローでは、目的地周辺に対象者の母語の案内看板がある場合に、目的地をその案内看板に補正する例を示しているが、さらにその外国人の施設に関する知識レベル等に応じて目的地の補正を行ってもよい。
【0105】
図14は、プロセッサ111(情報処理装置200)における、対象者の属性が団体である場合の誘導処理フローの一例を示している。
【0106】
まず、プロセッサ111は、ステップST31において、対象者の目的地を取得する。次に、プロセッサ111は、ステップST32において、対象者の属性として団体を取得する。次に、プロセッサ111は、ステップST33において、誘導経路として、大通り優先の経路を設定する。次に、プロセッサ111は、ステップST34において、誘導方法として、中速を設定する。なお、団体の人数が多ければ、誘導方法として、低速を設定することもある。
【0107】
次に、プロセッサ111は、会話量に応じて人数の閾値を設定する。例えば、団体内での会話量が多い場合には、人数の閾値は1とされ、一方団体内での会話量が少ない場合には、人数の閾値は半数とされる。そして、プロセッサ111は、ステップST36において、対象者の誘導を開始する。
【0108】
次に、プロセッサ111は、ステップST37において、目的地を認識した人数を計測する。次に、プロセッサ111は、ステップST38において、閾値以上の人が目的地を認識したか否かを判断する。閾値以上の人が目的地を認識していないと判断する場合、プロセッサ111は、ステップST39において、目的地に到着したか否かを判断する。目的地に到着していないと判断した場合、プロセッサ111は、ステップST37の処理に戻る。
【0109】
ステップST38で閾値以上の人が目的地を認識したと判断する場合、プロセッサ111は、ステップST40において、目的地までの行動を対象者に指示し、その後、ステップST41において、対象者の誘導を終了する。この場合、例えば、「ここで誘導を終了します。目的地を認識した人についていってください。」などと、発話指示する。
【0110】
また、ステップST39で目的地に到着したと判断した場合、プロセッサ111は、ステップST40において、目的地までの行動を対象者に指示し、その後、ステップST41において、対象者の誘導を終了する。この場合、例えば、「目的地に到着しました。誘導を終了します。」などと、発話指示する。
【0111】
以上説明したように、図4に示す案内ロボット10においては、施設の構造上の特性、対象者の施設に関する知識レベル、対象者の属性に応じて、目的地を補正するものであって、誘導開始地点から対象者の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定するものである。そのため、案内ロボット10は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に効率よく行い得るようになる。
【0112】
また、図4に示す案内ロボット10においては、誘導開始後において、所定の条件に基づいて、設定された誘導終了地点とは異なる地点を誘導終了地点と判定して誘導を終了するものである。そのため、案内ロボット10は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、必要十分に一層効率よく行い得るようになる。
【0113】
また、図4に示す案内ロボット10においては、施設の構造上の特性、対象者の施設に関する知識レベル、対象者の属性に基づいて、誘導対象を誘導するための誘導経路および誘導方法を設定するものである。そのため、案内ロボット10は、誘導対象に対し、目的地への誘導を、良好に行うことが可能となる。
【0114】
<2.変形例>
なお、上述実施の形態においては、本技術を、誘導場所としての施設(ショッピングモール)において、対象者を目的地(店舗)へ誘導する案内ロボット10に適用したものである。ここで、誘導(案内)場所としては、ショッピングモールの他に、駅、公道、空港、観光地、オフィス、ホテルなども考えられる。この場合、誘導場所の種類に応じて、対象者の目的地を、補正することも考えられる。
【0115】
図15は、誘導場所による目的地補正の一例を示している。例えば、誘導場所が駅である場合、対象者の目的地が電車(自由席)であるとき、目的地は、ホームへの階段に補正される。この場合、当該階段が見えた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。
【0116】
また、例えば、誘導場所が駅である場合、対象者の目的地が電車(指定席)であるとき、目的地は、ホームへの乗車車両最寄りの階段に補正される。この場合、当該階段が見えた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。あるいは、同じ電車に乗る人を見付けた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。
【0117】
また、例えば、誘導場所が公道である場合、目的地が施設であるとき、目的地は、目的地への案内看板に補正される。この場合、案内看板が見えた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。あるいは、施設の入口が見えた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。
【0118】
また、例えば、誘導場所が空港である場合、目的地が搭乗口であるとき、目的地は、チェックインカウンタ、あるいはチェックインカウンタを経由した保安検査場入口に補正される。この場合、チェックインカウンタが見えた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。あるいは、同じ便に乗る人を見付けた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。
【0119】
また、例えば、誘導場所が観光地である場合、目的地が名所であるとき、目的地は、名所への案内看板に補正される。この場合、案内看板が見えた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。あるいは、同じ目的地の人の流れを見つけた地点で対象者の誘導を終了するようにされてもよい。
【0120】
また、例えば、誘導場所がオフィスである場合、目的地が会議室であるとき、目的地は、目的地までの連番で並んでいる最も近い会議室に補正される。また、例えば、誘導場所がホテルである場合、目的地が客室であるとき、目的地は、エレベータ、あるいは目的地まで連番で並んでいる最も近い客室に補正される。
【0121】
図16は、複数の誘導場所に対応した案内ロボット10(図4参照)のプロセッサ111(情報処理装置200)における誘導処理フローの一例を示している。この図16において、図11と対応するステップには同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
【0122】
まず、プロセッサ111は、ステップST1において、対象者の目的地を取得する。
【0123】
次に、プロセッサ111は、ステップST2Aにおいて、対象者の誘導場所に関する知識レベルと、対象者の属性を取得する。
【0124】
次に、プロセッサ111は、ステップST3Aにおいて、誘導場所の種類、誘導場所の構造上の特性、対象者の誘導場所に関する知識レベル、対象者の属性に応じて、目的地を補正し、誘導経路・誘導方法を設定する(図6図9図15参照)。
【0125】
以降のステップは、図11の誘導処理フローと同様であるので、その説明は省略する。
【0126】
また、上述実施の形態においては、一つの案内ロボット10が対象者を誘導終了地点まで誘導する例について説明した。しかし、複数の案内ロボット10が引き継いで対象者を誘導終了地点まで誘導することも考えられる。
【0127】
例えば、対象者が駅にいて、その目的地が、ショッピングモールの所定の店舗である場合、第1の案内ロボット10は対象者を駅からショッピングモールの入口まで誘導し、第2の案内ロボット10が対象者をショッピングモールの入口から所定の店舗まで誘導する、ということが想定される。この場合、第1の案内ロボット10は、第2の案内ロボット10に誘導を引き継ぐ際に、目的地、誘導経路・誘導方法などの情報も引き継ぐことになる。
【0128】
このように複数の案内ロボット10が引き継いで対象者を誘導終了地点まで誘導する場合、引き継ぎを行う案内ロボット10は、例えば、対象者の誘導場所に関する知識レベルが低い場合には相手のロボットに出会うまで誘導し、一方、対象者の誘導場所に関する知識レベルが高い場合には相手のロボットが見えた地点で誘導を終了して稼働率を向上させることも考えらえる。
【0129】
また、上述実施の形態においては、本技術を、移動装置としての案内ロボット10に適用した例を示した。しかし、本技術は、カーナビゲーションシステムにも応用することが可能である。つまり、走行場所の構造上の特性、ドライバーの属性、ドライバーの走行場所に関する知識レベルに応じて、目的地の補正、誘導(案内)経路・誘導(案内)方法の設定を行うことで、車およびドライバーの目的地への誘導(案内)を、必要十分に効率よく行い得るようになる。
【0130】
例えば、図17に示すように、エリア毎の走行頻度からドライバーの知識を数値化して記録しておき、現在地から目的地までの走行経路上のエリアの知識が閾値以上になったら、誘導(案内)を終了するように構成される。この場合、ドライバーがよく知っているエリアに入る地点が補正された目的地となり、この地点で誘導(案内)が終了される。この場合、ドライバーは目的地まで確実に辿り着くことができ、またカーナビゲーションシステムにおいても効率的に誘導(案内)を行うことができる。
【0131】
また、例えば、ドライバーの知識だけでなく、走行経路の構造に基づいて、誘導(案内)を終了することも考えられる。例えば、ドライバーの知識が低い場合であっても、目的地まで一本道で道なりに走行すれば到着する場合には、目的地から多少離れた地点が補正された目的地となり、この地点で誘導(案内)が終了される。この場合、ドライバーは目的地まで確実に辿り着くことができ、またカーナビゲーションシステムにおいても効率的に誘導(案内)を行うことができる。
【0132】
また、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0134】
また、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)誘導対象を目的地へ誘導する移動装置に備えられ、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部を備える
情報処理装置。
(2)前記誘導対象の目的地は、所定施設、または所定施設内の所定地点を含む
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)前記誘導経路の環境情報は、前記誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、前記所定施設の種類、または前記所定施設の構造上の特性を含む
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)前記誘導対象の固有情報は、前記誘導対象の目的地が所定施設内の所定地点である場合、前記所定施設に関する知識レベルを取得するための情報である
前記(1)から(3)のいずれかに記載の情報処理装置。
(5)前記所定施設に関する知識レベルを取得するための情報は、前記所定施設内の前記所定地点、または前記所定施設を過去に訪れた履歴の情報を含む
前記(4)に記載の情報処理装置。
(6)センサ情報に基づいて、前記誘導対象の属性を推定する属性推定部をさらも備える
前記(1)から(5)のいずれかに記載の情報処理装置。
(7)前記移動装置は、案内ロボットを含む
前記(1)から(6)のいずれかに記載の情報処理装置。
(8)誘導開始後において、所定の条件に基づいて、前記設定された誘導終了地点とは異なる地点を誘導終了地点と判定する判定部をさらに備える
前記(1)から(7)のいずれかに記載の情報処理装置。
(9)前記所定の条件は、前記誘導対象が前記誘導対象の目的地を認識できたと推定されること、を含む
前記(8)に記載の情報処理装置。
(10)前記所定の条件は、前記誘導対象の目的地と同一の目的地に向かう、前記誘導対象とは別の対象の流れが発見されること、を含む
前記(8)または(9)に記載の情報処理装置。
(11)前記別の対象の発見は、前記別の対象の移動方向と前記誘導対象の目的地に関する統計情報に基づいて行われる
前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)前記別の対象の発見は、前記別の対象が持つ端末から取得される目的地情報に基づいて行われる
前記(10)に記載の情報処理装置。
(13)前記所定の条件は、前記誘導対象の目的地と同一の目的地に別の誘導対象を誘導している別の移動装置が発見されること、を含む
前記(8)から(12)のいずれかに記載の情報処理装置。
(14)前記設定部は、前記誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、前記誘導対象を誘導するための誘導経路および誘導方法をさらに設定する
前記(1)から(13)のいずれかに記載の情報処理装置。
(15)前記移動装置は、前記誘導対象を、前記設定された誘導終了地点まで誘導する
前記(1)から(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(16)前記移動装置は、前記誘導対象を、前記誘導対象を前記設定された誘導終了地点まで誘導する別の移動装置に誘導を引き継ぐ、前記誘導開始地点から前記設定された誘導終了地点までの地点のいずれかの所定地点まで誘導する
前記(1)から(14)のいずれかに記載の情報処理装置。
(17)前記誘導対象は、前記目的地を同一にする複数の誘導対象である
前記(1)から(16)のいずれかに記載の情報処理装置。
(18)誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する手順を有する
情報処理方法。
(19)コンピュータを、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部として機能させる
プログラム。
(20)情報処理装置を備え、誘導対象を目的地へ誘導する移動装置であって、
前記情報処理装置は、
誘導対象の目的地と、誘導経路の環境情報、前記誘導対象の属性、および前記誘導対象の固有情報の少なくともいずれか1以上と、に基づいて、誘導開始地点から前記誘導対象の目的地までの地点のいずれかの所定地点を誘導終了地点として設定する設定部を備える
移動装置。
【符号の説明】
【0135】
10・・・案内ロボット
110・・・処理部
111・・・プロセッサ
112・・・メモリ
113・・・ストレージ
120・・・入力部
121・・・LiDAR
122・・・カメラ
123・・・マイクロホン
124・・・タッチパネル
125・・・キーボード
130・・・出力部
131・・・ディスプレイ
132・・・スピーカ
140・・・出力部
141・・・車輪
142・・・アーム
150・・・通信部
200・・・情報処理装置
201・・・目的地取得部
202・・・対象者属性取得部
203・・・施設知識レベル取得部
204・・・目的地補正部
205・・・経路探索部
206・・・誘導生成部
207・・・人流推定部
208・・・誘導終了判定部
図1
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図17