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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100161
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】ギフト資産交換申請受付システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/28 20120101AFI20220628BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220628BHJP
【FI】
G06Q20/28
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214361
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】520185650
【氏名又は名称】デジタルバード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小川 博文
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB21
5L055AA54
(57)【要約】
【課題】 カタログ式ギフトのようなギフト資産において、被贈呈者における選択の幅を少しでも広げることができるシステムを提供する。
【解決手段】 発行されたギフト資産としてのギフトカード4が贈呈された被贈呈者が被贈呈者端末52を操作してアクセス情報印刷部41,42によりギフトサーバ1にログインして被交換品紹介ページ表示プログラム14を実行させると、相当額がギフトカード4における可交換額以下である各被交換品の情報が被交換品情報ファイル23から取得されて被交換品紹介ページに表示される。被贈呈者が被交換品を選択して交換申請ボタンを押すことで実行される交換申請処理プログラム15は、選択された被交換品の相当額を可交換額から減算して可交換額を更新し、被交換品紹介ページ表示プログラム14は相当額が更新後の可交換額以下である被交換品の情報を被交換品情報ファイル23から再取得して表示する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の商品又はサービスと交換可能なギフト資産について商品又はサービスとの交換の申請を受け付けるギフト資産交換申請受付システムであって、
ギフト資産が贈呈された被贈呈者が操作する被贈呈者端末とネットワークを介して接続されている受付サーバと、
記憶部と
を備えており、
記憶部には、発行されたギフト資産の情報を記録したギフト発行情報ファイルと、交換できる商品又はサービスの情報を記録した被交換品情報ファイルとが記憶されており、
ギフト発行情報ファイルには、発行された各ギフト資産の特定情報が記録されていて各ギフト資産について交換できる商品又はサービスの全体の金額である可交換額が取得可能となっており、
被交換品情報ファイルには、各被交換品の特定情報と、各被交換品の名称と、交換の際の各被交換品の価格である相当額とが記録されており、
受付サーバには、被交換品紹介ページを被贈呈者端末に送信して表示させる被交換品紹介ページ表示プログラムと、被交換品紹介ページにおいて特定の商品又はサービスが選択された際に選択された商品又はサービスを被贈呈者に提供するための処理を行う交換申請処理プログラムとが実装されており、
被交換品紹介ページ表示プログラムは、
被贈呈者端末からギフト資産の特定情報が送信された際、当該特定情報でギフト発行情報ファイルを検索して可交換額を取得する可交換額取得モジュールと、
相当額が可交換額以下である各被交換品の名称を被交換品情報ファイルから取得して被交換品紹介ページに組み込んで表示することが可能な表示モジュールとを含んでおり、
被交換品紹介ページ表示プログラムは、交換申請処理プログラムが実行された際、選択された商品又はサービスの相当額を可交換額から減額した減額後の可交換額がゼロより大きいか又は所定の可交換下限額以上である場合に当該減額後の額を可交換額として更新して表示モジュールを再実行することが可能なプログラムであることを特徴とするギフト資産交換申請受付システム。
【請求項2】
前記記憶部には、各前記商品又はサービスの紹介用のイメージファイルが記憶されていて、前記被交換品情報ファイルには、各イメージファイルを取得するための情報が記録されており、
前記表示モジュールは、前記被交換品の名称に加え、前記被交換品情報ファイルに記録された情報に従い、前記相当額が前記可交換額以下である各被交換品のイメージを被交換品紹介ページに組み込んで表示するモジュールであることを特徴とする請求項1記載のギフト資産交換申請受付システム。
【請求項3】
前記被交換品紹介ページ表示プログラムは、前記可交換額取得モジュールが取得した可交換額、もしくは前記減額後の可交換額又はそれら双方を表示しないプログラムであることを特徴とする請求項1又は2記載のギフト資産交換申請受付システム。
【請求項4】
前記記憶部には、ユーザー情報ファイルが記録されており、
ユーザー情報ファイルには、ユーザーとしての前記被贈呈者を特定する情報と、当該被贈呈者が将来において享受できる恩恵であるポイントとが記録されており、
前記交換申請処理プログラムは、前記相当額が前記可交換額より低い場合にその差額をポイントとして、ユーザー情報ファイルに記録するプログラムであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のギフト資産交換申請受付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、任意の商品又はサービスと交換可能なギフト資産について交換の申請を受け付けるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冠婚葬祭や各種お祝い等において、また御礼やご挨拶等の目的で、各種の贈答品が贈り主によって購入され、相手先(被贈呈者)に贈呈されている。贈答品は、有形の商品の場合もあるが、何らかのサービス(無形商品)の場合もある。サービスの場合、通常、サービスの利用券が贈呈される。
最近では、これらの贈答品の注文(購入)もウェブサイトで行われることが多くなってきており、贈答品のみを扱った専門のショッピングモール(ギフトモール)も存在している。
【0003】
このような贈答品の贈呈において、贈答品自体を贈呈するのではなく、贈答品と交換できる権利(債権)を贈呈する場合がある。この代表的なものは、いわゆるカタログ式ギフトである。
カタログ式ギフトは、交換できる商品やサービスを紹介した冊子(カタログ)に交換のための申請書が添付されてセットになったものである。以下、この明細書において、任意の商品又はサービスと交換ができる贈答品としての権利を「ギフト資産」と呼ぶ。また、ギフト資産において、交換できる商品又はサービスを総称して「被交換品」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-126825号公報
【特許文献2】特許6741320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなカタログ式ギフトは、任意の被交換品との交換ができるといっても、カタログ式ギフトを発行したギフト事業者が提供する商品又はサービスの範囲内である。そして、カタログ式ギフトにおいては、被贈呈者には知らされないが、当該ギフトの購入額が存在している。その購入額に相応する価格(相当額)の商品又はサービスのみがカタログに掲載されている。つまり、被贈呈者は、ギフト事業者が提供可能なものであって且つそのギフトについての相当額のものの中から一つを選ぶ。
尚、カタログ式ギフトの購入額は、被贈呈者には知らされない。これは、贈答品全般に言えることで、贈答品の購入額が被贈呈者に知らされてしまうことは失礼になるからである。つまり、カタログ式ギフトにおいては、被贈呈者は、金額は不明であるがとにかくカタログの中から一つの被交換品を選ぶしかない。このため、カタログ掲載の被交換品の中に特に気に入ったものが無い場合、被贈呈者は、特に気に入ってもいないし必要でもない商品又はサービスを仕方なく選んで交換の申請を行うということになる。
本願の発明は、カタログ式ギフトのようなギフト資産における上記のような硬直性を解決課題としたもので、被贈呈者における選択の幅を少しでも広げることができるシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この明細書において、ギフト資産交換申請受付システムの発明が開示される。開示された発明に係るギフト資産交換申請受付システムは、任意の商品又はサービスと交換可能なギフト資産について商品又はサービスとの交換の申請を受け付けるシステムである。このシステムは、ギフト資産が贈呈された被贈呈者が操作する被贈呈者端末とネットワークを介して接続されている受付サーバと、記憶部とを備えている。
記憶部には、発行されたギフト資産の情報を記録したギフト発行情報ファイルと、交換できる商品又はサービスの情報を記録した被交換品情報ファイルとが記憶されている。
ギフト発行情報ファイルには、発行された各ギフト資産の特定情報が記録されていて各ギフト資産について交換できる商品又はサービスの全体の金額である可交換額が取得可能となっている。
被交換品情報ファイルには、各被交換品の特定情報と、各被交換品の名称と、交換の際の各被交換品の価格である相当額とが記録されている。
受付サーバには、被交換品紹介ページを被贈呈者端末に送信して表示させる被交換品紹介ページ表示プログラムと、被交換品紹介ページにおいて特定の商品又はサービスが選択された際に選択された商品又はサービスを被贈呈者に提供するための処理を行う交換申請処理プログラムとが実装されている。
被交換品紹介ページ表示プログラムは、被贈呈者端末からギフト資産の特定情報が送信された際、当該特定情報でギフト発行情報ファイルを検索して可交換額を取得する可交換額取得モジュールと、相当額が可交換額以下である各被交換品の名称を被交換品情報ファイルから取得して被交換品紹介ページに組み込んで表示することが可能な表示モジュールとを含んでいる。
被交換品紹介ページ表示プログラムは、交換申請処理プログラムが実行された際、選択された商品又はサービスの相当額を可交換額から減額した減額後の可交換額がゼロより大きいか又は所定の可交換下限額以上である場合に当該減額後の額を可交換額として更新して表示モジュールを再実行することが可能なプログラムである。
また、このギフト資産交換申請受付システムは、記憶部には、各商品又はサービスの紹介用のイメージファイルが記憶されていて、被交換品情報ファイルには、各イメージファイルを取得するための情報が記録されており、表示モジュールは、被交換品の名称に加え、被交換品情報ファイルに記録された情報に従い、相当額が可交換額以下である各被交換品のイメージを被交換品紹介ページに組み込んで表示するモジュールであるという構成を持ち得る。
また、このギフト資産交換申請受付システムは、被交換品紹介ページ表示プログラムが、可交換額取得モジュールが取得した可交換額、もしくは減額後の可交換額又はそれら双方を表示しないプログラムであるという構成を持ち得る。
また、このギフト資産交換申請受付システムは、記憶部にはユーザー情報ファイルが記録されており、ユーザー情報ファイルには、ユーザーとしての被贈呈者を特定する情報と、当該被贈呈者が将来において享受できる恩恵であるポイントとが記録されており、交換申請処理プログラムは、相当額が可交換額より低い場合にその差額をポイントとしてユーザー情報ファイルに記録するプログラムであるという構成を持ち得る。
【発明の効果】
【0007】
以下に説明する通り、開示された発明に係るギフト資産交換申請受付システムによれば、 ギフト資産について、相当額が可交換額以下の被交換品を被交換品紹介ページに表示して被贈呈者端末に表示させることが可能なので、被贈呈者は、相当額が可交換額に一致する被交換品のみならずそれより低い額の被交換品からも選択をすることができる。このため、より多くの被交換品から選択ができるようになり、ギフト資産の融通性の面での価値が向上する。
そして、特定の被交換品が選択されて交換申請がされた際、相当額を可交換額から減額した減額後の可交換額が0より大きいか又は可交換下限額以上である場合、減額後の可交換額で交換できる被交換品を被交換品紹介ページに表示して選択可能とするので、最初の選択申請で余った分の額で他の被交換品の交換申請ができる。このため、さらに多くの被交換品から選択ができるようになり、ギフト資産の融通性の面での価値がさらに向上する。
この際、各被交換品のイメージが被交換品紹介ページに組み込まれて表示されると、各被交換品がどのようなものか把握し易くなるため、より好適である。
また、この際、可交換額が表示されないようにしておくと、贈り主が購入したギフト資産の購入額が類推されにくくなるので、この点でより好適である。
また、交換申請した被交換品の相当額が可交換額より低い場合にその差額をポイントとしてユーザー情報ファイルに記録し、当該ユーザー(被贈呈者)が将来的に恩恵を受けられるようにしておくと、ギフト資産を無駄なく消費することができるようにする観点でより好適となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のギフト資産交換申請受付システムの概略図である。
図2】実施形態におけるギフト資産の有形化物であるギフトカードの一例を示した概略図である。
図3図2に示すようなギフトカードを販売するギフトサイト内のウェブページの概略図である。
図4】ギフト資産情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図5】ギフト発行情報ファイルの構造の一例について示した概略図である。
図6】被交換品情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図7】ギフトサイトに含まれる交換用トップページの概略図である。
図8】被交換品紹介ページ表示プログラムにより表示される被交換品紹介ページの一例を示した概略図である。
図9】被交換品紹介ページ表示プログラムの概略を示したフローチャートである。
図10】交換申請処理プログラムの概略を示したフローチャートである。
図11】問い合わせページの一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態のギフト資産交換申請受付システムの概略図である。ギフト資産交換申請受付システムは、ギフト資産が贈呈された被贈呈者からの交換の申請を受け付けるシステムである。図1に示すように、このシステムは、受付サーバ1と、記憶部2とを備えている。
この実施形態のシステムは、ギフト資産を発行し、発行したギフト資産を管理するシステムであり、その一環として、ギフト資産の交換の申請を受け付けるシステムとなっている。受付サーバ1は、交換申請受付のみならず、ギフト資産の発行や管理も行うようになっている。以下、受付サーバ1をギフトサーバと言い換える。尚、ギフトサーバ1は、ギフト資産を発行したり、交換申請を受け付けたりするギフト事業者によって管理されている。
【0010】
ギフトサーバ1は、贈り主が操作する贈り主端末51及び被贈呈者が操作する被贈呈者端末52とネットワークを介して接続されている。また、ギフト事業者においては、システムを管理するための管理用端末53が設けられている。管理用端末53は、特別のアクセス権限を持ってギフトサーバ1にアクセス可能となっている。ネットワークは、この実施形態ではインターネット3である。したがって、ギフトサーバ1は、ウェブサーバでもあり、IIS(Internet Information Service)やApacheのようなウェブサーバソフトウェアが実装されている。
記憶部2は、この実施形態では、ギフトサーバ1が備えるハードディスク等の記憶装置となっている。但し、記憶部2は、ギフトサーバ1とは別に設けられたコンピュータ上の記憶装置であっても良いし、ストレージサーバのようにギフトサーバ1とは別に設けられたサーバ上の記憶装置であっても良い。
【0011】
まず、ギフト資産の発行について説明する。
この実施形態では、ギフト資産はカタログ式ギフトに類似したギフト資産ではあるが、カタログ(冊子)に相当するものは被贈呈者には提供されず、商品又はサービスとの交換ができることが記載されたカードが被贈呈者に提供されるようになっている。以下、このカードをギフトカードと呼ぶ。ギフトカードは、ギフト資産を有形化した有形化物である。
【0012】
図2は、実施形態におけるギフト資産の有形化物であるギフトカードの一例を示した概略図である。図2に示すように、ギフトカード4は、当該カードの説明等を印刷した共通情報印刷部を有している。共通情報印刷部には、カード型のカタログ式ギフトであり、ウェブサイトにアクセスすることで任意の商品又はサービスと交換できることが印刷されている。そして、ギフトカード4は、ギフトIDを印刷したID印刷部40と、交換用のウェブサイトへのアクセス情報を印刷した箇所(アクセス情報印刷部)41,42と、交換期限を印刷した交換期限印刷部43とを有している。交換用のウェブサイトは、ギフトカード4を販売したウェブサイトと同一のウェブサイトであり、以下、ギフトサイトという。
【0013】
この例では二種類のアクセス情報印刷部41,42が設けられており、一つはQRコードの形でアクセス情報を印刷した第一のアクセス情報印刷部41である。もう一つは、テキストでアクセス情報を印刷した第二のアクセス情報印刷部42である。第二のアクセス情報印刷部42では、ギフトID、ギフトサイトのURLがアクセス情報として印刷されている。第一のアクセス情報印刷部41は、これらをQRコード化してイメージ印刷した箇所である。尚、「QRコード」は登録商標である。
【0014】
このようなギフトカードは、ウェブサーバ1が提供するギフトサイトにおいて販売される。図3は、図2に示すようなギフトカード4を販売するギフトサイト内のウェブページの概略図である。図3に示すように、ギフトカード4を販売するギフトサイト内のウェブページ(以下、カード販売ページ)は、金額が異なる複数種のギフトカード4は販売するページとなっており、各ギフトカード4の写真がイメージとして組み込まれている。各イメージの下には、各ギフトカード4の販売代金が示されている。図3の例は、結婚披露宴の引き出物用のギフトカード4を販売するページとなっている。
【0015】
図3において、各ギフトカードの写真(イメージ)やテキスト(金額や種別を記載した部分)にはハイパーリンク61が埋め込まれており、そのギフトカード4の詳細を表示する詳細ページがリンクしている。詳細ページには、「カタログの中身を見る」と表記されたボタンが設けられており、このボタンをクリックすると、被贈呈者が交換できる被交換品の詳細が閲覧できるようになっている。
そして、詳細ページには、「カートに入れる」と表記されたボタン(カートボタン)がリンクしており、カートボタンには、当該ギフト資産の注文ページがリンクしている。そして、注文ページでは、選択したギフト資産の注文が行えるようになっている。これらの技術構成は、他のショッピングサイトと同様にできるので、詳細な説明は割愛する。尚、同時に複数枚のギフトカード4が購入される場合、購入数の入力が注文ページで行われる。
【0016】
一方、記憶部2には、ギフトサイトで販売されるギフト資産の商品としての情報を記録したギフト資産情報ファイルが記憶されている。図4は、ギフト資産情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図4に示すように、ギフト資産情報ファイル21は、「ギフト商品ID」、「ギフト商品名」、「可交換額」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。
「ギフト商品ID」は、ここでは商品としてのギフト資産を特定するIDが記録されるフィールドである。例えば、可交換額が3000円のギフトカード4についてGC3000S、5000円のギフトカード4についてはGC5000Sといった具合である。
「可交換額」は、そのギフト資産について交換できる被交換品の相当額の合計(最大額)が記録されるフィールドである。ギフト資産情報ファイル21には、各ギフトカードの販売額の情報も記録されているが(不図示)、可交換額は、販売額よりも低い金額であり得る。この差額は、ギフト事業者の手数料分に相当している。
【0017】
また、記憶部2には、ギフト発行情報ファイル22が記憶されている。図5は、ギフト発行情報ファイルの構造の一例について示した概略図である。ギフト発行情報ファイル22は、販売されたギフトカード4について管理用の情報を記録したデータベースファイルである。
図5に示すように、ギフト発行情報ファイル22は、「ギフトID」、「ギフト商品ID」、「発行日」、「交換期限日」、「可交換額」、「交換完了日」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。
【0018】
「ギフトID」のフィールドに記録されるIDは、上述したギフトカード4のID印刷部に印刷されているIDであり、各ギフトカード4(即ち、各債権)を特定するためのIDである。
「ギフト商品ID」は、上記ギフト資産情報ファイル21におけるギフト商品IDが記録されるフィールドである。
「発行日」は、通常、ギフトカード4が販売された日が記録されるフィールドである。
「交換期限日」は、ギフトカード4の被交換品との交換期限の日が記録されるフィールドである。 交換期限は、例えば3ヶ月とか6ヶ月とかの期限であるが、いずれにしても発行日からの期限である。ギフト資産のうち、交換の期限が6ヶ月を超える場合、未使用(未交換)の金額のうちの一定の額を供託することが法律によって義務づけられている。したがって、交換期限は6ヶ月とされる場合が多い。
「可交換額」は、当該ギフトカードのギフト商品IDに対応した値が初期的には記録される。ただし、後述するように、可交換額の一部を使って被交換品との交換申請をした場合、残額で更新される。
【0019】
ギフトサーバ1には、ギフトサイトにおけるギフト商品の注文を処理する注文処理プログラム11と、上記ギフト発行情報ファイル22の各フィールドの値を記録するギフト発行情報登録プログラム12とが実装されている。ギフト発行情報登録プログラム12は、通常、ギフトカード4が販売された際の注文処理プログラム11のサブルーチンとして実行される。即ち、ギフトサイトにおいてギフト商品の注文が確定すると、注文処理プログラム11が実行される。注文処理プログラム11は、注文されたギフト商品を購入者(贈り主)又は被贈呈者に配送するためのコードを含む。それとともに、注文処理プログラム11は、販売されたギフト商品がギフトカード4の場合、サブルーチンとしてギフト発行情報登録プログラム12を実行する。ギフト発行情報登録プログラム12は、ギフトIDを生成し、ギフト発行情報ファイル22に新規レコードを追加して記録する。発行日は、プログラムの実行日が記録される。交換期限日は、発行日を基準にして例えば6ヶ月後を自動計算して記録する。
【0020】
また、ギフトサーバ1には、カード印刷プログラム13が実装されている。注文処理プログラム11は、注文が確定したギフト商品がギフトカード4である場合、カード印刷プログラム13をサブルーチンとして実行する。
カード印刷プログラム13は、カード用紙に情報を印刷して図2に示すようにギフトカード4を制作するプログラムである。カード用紙に、ギフトIDを印刷してID印刷部40とし、第一のアクセス情報(QRコード)を生成、印刷して第一のアクセス情報印刷部41とし、第二のアクセス情報を印刷して第二のアクセス情報印刷部42とする。共通情報印刷部は、カード用紙に予め印刷されている。
【0021】
尚、ギフトカード4が結婚披露宴のような催事の出席者に贈呈されるものである場合、通常は多数のギフトカード4が同時に購入される。この場合、ギフト発行情報登録プログラム12は、販売数の分のレコードをギフト発行情報ファイル22に追加して各情報を記録する。また、カード印刷プログラム13は、販売数の分の印刷を行って販売数のギフトカード4を制作する。
【0022】
次に、このようにして発行されるギフトカード4の交換申請を受け付ける構成について説明する。
まず、記憶部2には、被交換品の情報を記録した被交換品情報ファイル23が記憶されている。図6は、被交換品情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図6に示すように、被交換品情報ファイル23は、「被交換品ID」、「被交換品名」、「相当額」、「ジャンル」、「ランキング」、「イメージファイル」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。「相当額」は、前述した通り、ギフトカード4との交換における相当額が記録されるフィールドである。「イメージファイル」は、その被交換品の紹介用のイメージファイルが記録されている記憶部2上のパスが記録されるフィールドである。
【0023】
図2に示すギフトカード4の第一のアクセス情報印刷部41を被贈呈者端末52で読み取ると、そのギフトカード4に印刷されているギフトIDでギフトサイトにログインがされた状態となる。また、第二のアクセス情報印刷部42のURLを被贈呈者が被贈呈者端末52で入力してアクセスすると、ギフトIDの入力画面となり、ここでギフトIDを入力すると、同様にログインがされた状態となる。いずれの場合も、ギフトIDはセッション変数に格納されて保持される。
【0024】
図7は、ギフトサイトに含まれる交換用トップページの概略図である。ログインにより、図7に示す交換用トップページが被贈呈者端末52に表示される。図7に示すように、交換用トップページでは、ギフトID、ギフト商品名及び交換期限日が確認のため表示されるようになっている。尚、ギフト商品名については、ギフトカードの購入額が類推されないような名称とされ、ギフト資産情報ファイル21に記録されているギフト商品名から変更する場合もある。
図7に示すように、交換用トップページには、「交換可能な商品を見る」と表記された被交換品閲覧ボタン62が設けられている。ギフトサーバ1には、被交換品紹介ページ表示プログラム14が実装されており、被交換品閲覧ボタン62は、被交換品紹介ページ表示プログラム14の実行ボタンとなっている。
【0025】
図7に示すように、交換用トップページには、被交換品の表示について指定する欄が設けられている。この例では、被交換品のジャンルを指定するジャンル選択欄63と、表示順を指定する表示順選択欄64とが設けられている。ジャンル選択欄63のデフォルト選択は、指定なしである。表示順選択欄64は、人気順に表示するか、特に表示順を指定しないかを選択する欄となっている(デフォルトは指定なし)。
【0026】
また、図7に示すように、交換用トップページには、表示モード選択欄69が設けられている。表示モードは、当該ギフトカード4の可交換額に相当額が一致する被交換品のみを表示してそこから一品のみを選択する一致表示モードと、相当額が当該ギフトカード4の可交換額以下である被交換品を表示してそこから複数品選択することが可能である以下表示モードとのいずれかを選択させる欄である。この例では、表示モード選択欄69はラジオボタンとなっており、「ギフトカードの販売額に対応した額の被交換品のみを表示する」と題されたオプションが一致表示モードを選択するオプションであり、「ギフトカードの販売額に対応した額以下の被交換品を全て表示する」と題されたオプションが以下表示モードを選択するオプションとなっている。
【0027】
被交換品閲覧ボタン62は、ギフトIDと、ジャンル選択欄63、表示順選択欄64及び表示モード選択欄69での各選択値とを引数にして被交換品紹介ページ表示プログラム14を実行するボタンである。図8は、被交換品紹介ページ表示プログラム14により表示される被交換品紹介ページの一例を示した概略図である。
【0028】
図9は、被交換品紹介ページ表示プログラムの概略を示したフローチャートである。
被交換品紹介ページ表示プログラム14は、概念的に表現された用語であり、実際には、被交換品紹介ページをコンテンツとするHTMLファイルに組み込まれたスクリプトであったり、データベースファイルを扱うデータベース管理プログラムであったりする。図8は、これらのスクリプトやプログラムが行う処理を概略的に示したものである。尚、被交換品紹介ページ表示プログラムは、可交換額を取得する可交換額取得モジュールと、被交換品紹介ページを表示する表示モジュールと含んでいる。
【0029】
被交換品紹介ページ表示プログラム14の可交換額取得モジュールは、ギフトIDに従ってギフト発行情報ファイル22を検索し、該当するレコードの「可交換額」の値を取得する。可交換額は、セッション変数に保持される。そして、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、次に、表示モジュールを実行する。即ち、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、一致表示モードが選択されている場合、被交換品情報ファイル23の各レコードについて、「相当額」の値が可交換額に一致するかどうか判断する。一致すれば、表示用の配列変数に被交換品ID、被交換品名、ジャンル、ランキング及びイメージファイルパスを格納する。
【0030】
被交換品情報ファイル23内の全てのレコードについて可交換額に一致するかどうか判断して一致すれば表示用の配列変数に各情報を格納した後、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、配列変数の中からからイメージファイルパスを取得し、各被交換品のイメージを被交換品紹介ページに組み込んで被贈呈者端末52に送信して表示させる。この際、ジャンル選択欄63での選択に従ってジャンルが選択されて抽出されたり、表示順選択欄64での選択値に従ってイメージの組み込み順が決定されたりする。尚、各イメージの下には、各被交換品名が組み込まれて表示される。
【0031】
一方、以下表示モードが選択されている場合、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、被交換品情報ファイル23の各レコードについて、「相当額」の値が可交換額以下であるかどうか判断する。可交換額以下であれば、同様に表示用の配列変数に被交換品ID、被交換品名、ジャンル、ランキング及びイメージファイルパスを格納する。被交換品情報ファイル23内の全てのレコードについてこれを行った後、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、同様に配列変数からイメージファイルパスを取得し、各被交換品のイメージを被交換品紹介ページに組み込んで被贈呈者端末52に送信して表示させる。この際、ジャンル選択欄63での選択に従ってジャンルが選択され、表示順選択欄64での選択値に従ってイメージの組み込み順が決定され、各イメージの下には各被交換品名が組み込まれて表示される。
【0032】
図8において、画面を下方にスクロールすると、被交換品紹介ページの次のページを表示するためのボタン(次ページボタン)が現れるようになっている。このボタンには、次の表示順の各被交換品を表示するプログラムが埋め込まれている。このプログラムは、配列変数から次の表示順の被交換品の被交換品ID、被交換品名、イメージファイルパスを取得し、図7に示すのと同様に組み込んで被交換品紹介ページに組み込んで表示させるようプログラミングされている。
尚、被交換品紹介ページにも、ジャンル選択欄63や表示順選択欄64が設けられている。これらを選択し、表示更新ボタン66を押すと、被交換品紹介ページ表示プログラム14が再度実行され、選択されたジャンルが表示順で再表示がされるようになっている。
【0033】
図8において、各被交換品の名称やイメージを表示した部分はハイパーリンク65となっており、送付先入力ページにリンクしている。送付先入力ページは、被交換品の送付先として氏名や住所を入力する欄となっている。そして、このページには、「交換を申請する」と表記された交換申請ボタンが設けられている。ギフトサーバ1には、交換申請処理プログラム15が実装されている。交換ボタンには確認ページがリンクしており、確認ページに設けられた送信ボタンは、交換申請処理プログラム15の実行ボタンとなっている。送信ボタンは、送付先入力ページで入力された送付先(被贈呈者)の氏名や住所、ギフトID、被交換品ID、及び交換用トップページで選択された表示モードの値を引数にして実行されるプログラムである。
【0034】
図10は、交換申請処理プログラムの概略を示したフローチャートである。
交換申請処理プログラム15は、表示モードの値が一致表示モードの場合、ギフトIDでギフト発行情報ファイル22を検索し、該当レコードの「可交換額」に0を上書き記録する。また、「交換完了日」にプログラムの実行日を記録する。そして、「このカードによる交換は全て完了しました。」というようなメッセージを被贈呈者端末52に表示させて、配送情報ファイル24に配送用の情報(被贈呈者の氏名、住所、被交換品ID等)を記録し、申請(セッション)を終了させる。
【0035】
一方、表示モードの値が以下表示モードの場合、交換申請処理プログラム15は、被交換品IDで被交換品情報ファイル23を検索し、相当額を取得する。可交換額から相当額を差し引き、その残額の値をギフト発行情報ファイル22の当該レコードの「可交換額」に上書きして記録する。そして、残額が0または一定未満の小さい値の場合、当該レコードの「交換完了日」にプログラムの実行日を記録する。この「一定未満」は、残額が少額のためにその額未満では交換できる被交換品が全くないという額であり、予め設定される。この額を、以下、可交換下限額という。可交換下限額は、例えば500円(500円以上は可交換)とされる。
【0036】
次に、交換申請処理プログラム15は、配送用仮ファイルに情報を記録する。記憶部2には、被交換品の配送のための配送情報ファイル24が記録されている。配送用仮ファイルは、配送情報ファイル24に記録する前に仮に記録するためのファイルである。配送用仮ファイルには、配送先(被贈呈者)の氏名、住所、電話番号等とともに、選択された被交換品の被交換品ID等が記録される。
【0037】
次に、交換申請処理プログラム15は、上書き更新した可交換額が可交換下限額以上かどうか判断し、可交換下限額以上であれば、さらに被交換品紹介ページを表示するかどうか問い合わせる問い合わせページを表示するようプログラミングされている。
図11は、問い合わせページの一例を示した概略図である。図11に示すように、問い合わせページでは、ギフトカードにまだ残額があるので、交換可能な商品又はサービスを表示するかどうか尋ねるテキストと、再表示ボタン67と、否再表示ボタン68とが設けられている。
【0038】
再表示ボタン67は、セッションIDに保持されているギフトIDを引数にして被交換品紹介ページ表示プログラム14を再実行するボタンとなっている。この時点では、ギフト発行情報ファイル22の「可交換額」は上書き更新されているので、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、減額された可交換額で配列変数中を更新する。即ち、いったん配列変数を全て初期化した後、被交換品情報ファイル23の最初のレコードから順に「相当額」の値が可交換額以下であるレコードの被交換品ID、被交換品名、ジャンル、イメージファイルパスをそれぞれ取得し、配列変数に格納する。被交換品情報ファイル23の全てのレコードについてこれを行った後、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、被交換品紹介ページを更新(refresh)する。
更新後の被交換品紹介ページでいずれかのハイパーリンク65が押され、送付先入力ページで交換申請ボタンが押されると、交換申請処理プログラム15が再び実行される。そして、同様に、可交換額の上書き記録、配送用仮ファイルへの情報記録、上書き更新後の可交換額が可交換下限額以上の場合の被交換品紹介ページの更新が行われる。
【0039】
ギフトサーバ1には、申請終了プログラム16が実装されている。問い合わせページで否再表示ボタン68が押された場合又はログアウトボタンが押された場合、申請終了プログラム16は、「ギフトカードの残額については、ギフトサイトに再度アクセスすることで交換申請が可能です。今回の申請分についてのみ発送処理を行います。」というようなメッセージを表示した後、問い合わせページを閉じる。そして、配送用仮ファイルにある情報を配送情報ファイル24に転記し、申請(セッション)を終了させる。
また、上書き更新した可交換額が可交換下限額未満である場合、交換申請処理プログラム15は、「ギフトカードの残額が交換可能な額未満となりましたので、このカードによる交換は全て完了しました。」というようなメッセージを表示する。そして、その時点で配送用仮ファイルにある情報を配送情報ファイル24に転記し、申請(セッション)を終了させる。
【0040】
尚、ギフトサーバ1には、各被交換品のランキングを更新するランキング更新プログラム(不図示)が実装されている。記憶部2には、ランキング用ファイル(不図示)が記憶されており、ランキング用ファイルには、各被交換品のトータルの交換申請数が記録されている。交換申請処理プログラム15は、交換申請がされた被交換品についてランキング用ファイル内の交換申請数を1を加算して更新する。ランキング更新プログラムは、ランキング用ファイルに変更があると自動実行され、各被交換品の交換申請数に従ってランキングを決定し、被交換品情報ファイル23の各レコードの「ランキング」に記録する。
【0041】
次に、このようなギフト資産交換受付システムの動作について以下に説明する。
贈り主は、贈り主端末51を使用してギフトサイトにアクセスし、ギフト商品を閲覧しながら、ギフトカードを贈呈しようと思い、カード販売ページで任意の販売額のギフトカードを選び、購入をする。例えば、ギフトカードが結婚披露宴の引き出物として贈呈される場合、新郎新婦は、カード販売ページで任意の販売額のギフトカードを被贈呈者(結婚披露宴の被招待者)の数だけ購入する。
【0042】
この際、注文処理プログラム11がギフト発行情報登録プログラム12を実行し、ギフト発行情報ファイル22に発行数のレコードが追加され、それぞれギフトID、ギフト商品ID、発行日等が記録される。発行日は、通常、購入した日(ギフト発行情報登録プログラム12の実行日)である。そして、交換期限日が自動計算され、「交換期限日」に記録される。また、カード印刷プログラム13が実行され、発行数のギフトカード4が印刷されて制作される。発行されたギフトカード4は、宅配便等により贈り主に送付される。
【0043】
贈り主は、各被招待者にギフトカード4を贈呈する。上記の例では、結婚披露宴の場で各被招待者に手渡される。各被招待者は、後日、被贈呈者端末52を操作し、第一のアクセス情報印刷部41のQRコードを読み取るか、又は第二のアクセス情報印刷部42の情報を入力し、ギフトサイトにアクセスする。アクセスにより自動的にログインがされた状態となり、図7の交換用トップページが被贈呈者端末52に表示される。
【0044】
被贈呈者は、交換期限日等を確認した後、ジャンル選択欄63でジャンルを選択し、表示順選択欄64で表示順を選択し、表示モード選択欄69でいずれかの表示モードを選択した後、被交換品閲覧ボタン62を押し、被交換品紹介ページを被贈呈者端末52に表示する。この際、一致表示モードが選択された場合、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、配列変数に対し、相当額がこのギフトカード4の可交換額に一致する被交換品の情報を被交換品情報ファイル23から抽出して格納する。そして、ジャンルや表示順の選択に従い、配列変数の情報を被交換品紹介ページに組み込んで表示する。即ち、各イメージファイルパスに従って各イメージファイルが取得され、各被交換品名のテキストとともに組み込まれる。
以下表示モードが選択された場合、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、配列変数に対し、相当額がこのギフトカード4の可交換額以下である被交換品の情報を被交換品情報ファイル23から抽出して格納する。そして、ジャンルや表示順の選択に従い、配列変数の情報を被交換品紹介ページに組み込んで表示する。
【0045】
被贈呈者は、被交換品紹介ページで任意の被交換品を選択し、そのハイパーリンク65を押す。これにより、送付先入力ページが表示されるので、被贈呈者は、氏名や住所等を入力し、交換申請ボタンを押す。これにより、交換申請処理プログラム15が実行される。
交換申請処理プログラム15は、一致表示モードが選択されている場合、ギフト発行情報ファイルにおいて可交換額を0にし、交換完了日を記録する。そして、配送情報ファイルに配送用の情報を転記にしてセッションを終了する。その後、配送情報ファイル24の記録に従い、選択された被交換品が宅配便等により被贈呈者に送付される。
【0046】
以下表示モードが選択されている場合、交換申請処理プログラム15は、選択された被交換品の相当額を当該ギフトカードの可交換額から減算し、減算後の可交換額でギフト発行情報ファイル22の「可交換額」を更新する。それとともに、配送用仮ファイルを生成し、選択された被交換品の被交換品ID及び入力された氏名や住所等を記録する。
その後、交換申請処理プログラム15は、更新後の可交換額が可交換下限額以上であるか判断し、可交換下限額以上であれば、問い合わせページを表示する。問い合わせページで、再表示が選択された場合、交換申請処理プログラム15は、ギフトIDを引数にして被交換品紹介ページ表示プログラム14を再度実行する。被交換品紹介ページ表示プログラム14は、配列変数を全て初期化した後、相当額が更新後の可交換額以下である被交換品の情報を被交換品情報ファイル23から取得して格納する。そして、選択されているジャンルや表示順に従い、配列変数内の被交換品の情報を同様に被交換品紹介ページに組み込んで更新表示する。
【0047】
更新後の被交換品紹介ページでさらにいずれかのハイパーリンク65が押されたら、交換申請処理プログラム15が実行され、生成されている配送用仮ファイルに被交換品IDを記録する。そして、当該被交換品の相当額を可交換額からさらに減算して可交換額を更新し、更新後の額が可交換下限額以上であれば、同様の処理を繰り返す。そして、問い合わせページで再表示が選択されないか、又は更新後の可交換額が可交換下限額未満となった場合、申請終了プログラム16は、配送用仮ファイルの情報を配送情報ファイル24に転記してセッションを終了する。
【0048】
上記構成及び動作にかかるギフト資産交換受付申請システムによれば、ギフト資産であるギフトカード4について、相当額が可交換額以下の被交換品を被交換品紹介ページに表示して被贈呈者端末52に表示させることが可能であり、被贈呈者は、相当額が可交換額に一致する被交換品のみならずそれより低い額の被交換品からも選択をすることができる。そして、特定の被交換品が選択されて交換申請がされた際、交換申請処理プログラム15は、相当額を可交換額から減額した減額後の可交換額が可交換下限額以上である場合、減額後の可交換額で交換できる被交換品を被交換品紹介ページに表示して選択可能とするので、最初の選択申請で余った分の額で他の被交換品の交換申請ができる。このため、さらに多くの被交換品から選択ができるようになり、またギフト資産の全体の価値(可交換額)を無駄にすることなく使用することができる。このため、ギフト資産の融通性の面での価値が向上する。この点は、ギフト資産の売り上げ増加に大きく貢献することになる。
【0049】
尚、上記実施形態では、各被交換品のイメージが被交換品紹介ページに組み込まれて表示されるので、各被交換品がどのようなものか把握し易くなり、この点で好適である。
また、図7図8から判るように、この実施形態では、ギフトカード4の被可交換額は被交換品紹介ページ等には表示されないようになっている。この点は、減額後の可交換額についても同様である。これらの構成は、贈り主が購入したギフトカード4の購入額が類推されにくくする意義がある。
【0050】
上記実施形態において、以下表示モードが選択されている場合の被交換品紹介ページ表示プログラム14の構成としては、当該被交換品の配送形態に応じて異なる表示をする構成が採用される場合もある。以下、この点について説明する。
配送情報ファイル24に情報が記録される各被交換品については、ギフト事業者(の倉庫)から配送される被交換品と、直送される被交換品とがある。「直送される」とは、ギフト事業者が被交換品を仕入れている仕入れ先から被贈呈者に直接配送される、という意味である。以下、仕入れ先から直接配送される被交換品を「直送品」と呼び、ギフト事業者の倉庫から配送される被交換品を通常配送品と呼ぶ。
【0051】
これらの被交換品の配送について、配送料がギフト事業者の負担である場合がある。この場合、通常配送品が複数になった場合、それらはまとめて被贈呈者に配送されるので、配送料は特に増えないか増えても少額である。しかしながら、通常配送品と直送品とが混在してしまうと、それらは別々のところから配送されるので、別々に配送料がかかり、全体の配送料として2倍程度になってしまう。ギフト事業者としては、全体の配送料が高額になるのを避けたいので、直送品が選択された場合、同一の仕入れ先(配送元)についてのみ複数の被交換品の選択が可能である構成としたい。
【0052】
同一の仕入れ先のみ複数品可とする構成としては、例えば、被交換品IDについて通常配送品か直送品かを識別できる符号を含ませるようにする。そして、被交換品情報ファイル23に仕入れ業者の特定情報を記録する「業者ID」のフィールドを設け、直送品については、業者IDを記録するようにする。被交換品紹介ページ表示プログラムは、以下表示モードにおいて最初に選択された被交換品が直送品である場合に再表示ボタン67が押された際、被交換品情報ファイル23から当該最初に選択された被交換品の業者IDを取得する。そして、相当額が減額後の可交換額以下であってかつ業者IDが一致する被交換品のみを被交換品情報ファイル23から取得して配列変数に格納し、被交換品紹介ページに表示するよう被交換品紹介ページ表示プログラム14がプログラミングされる。
このようにしておくと、最初に直送品が被交換品として選択された場合、2品目以降の被交換品も同じ仕入れ先(配送元)からの直送となるので、当該配送料をギフト事業者が負担したとしても高額にはならない。
【0053】
また、上記実施形態において、可交換下限額未満の金額については、いわゆるポイントの形で被贈呈者がギフト業者に預ける形を取ることもできる。ポイントは、将来において被贈呈者が商品又はサービスを購入する際に受けることができる恩恵を量的に示したものという意味でのポイントである。
この構成では、ユーザー登録を行って保有ポイントの管理が行われる。記憶部2には、ポイントを保有する各ユーザーの情報を記録したユーザー情報ファイルが記憶され、送付先入力ページで入力した被贈呈者の氏名、住所、電話番号等を記録して管理する。被贈呈者には、登録ユーザーとしてユーザーIDとパスワードが発行され、当該ユーザーIDとパスワードでギフトサイトにログインすると、保有ポイントの利用が可能になる。保有ポイントの残高も、ユーザー情報ファイルに記録される。
尚、残額を保有ポイントとしてユーザー情報ファイルに記録する構成は、可交換限度額以上の場合でも可能とされ得る。残額が可交換限度額以上であっても、特に交換したい被交換品がもうない場合、ポイントの形での保有を可能にすると、被贈呈者において利便性が高まる。
【0054】
これらの場合、保有ポイントは、別の贈り主から贈呈されたギフトカードについて交換申請をする際に合算して利用したり、ギフトサイトで自身が贈り物をする場合に利用したりすることができるものとされる。さらに、異なる複数の事業者が共通したポイントを顧客に付与して販売促進を行うこともあり、上記ポイントはこのようなものに相当する場合もある。いずれしても、ポイントの付与や管理、使用のための技術構成は、ネットショッピングにおいて保有ポイントを利用させる構成と同様にできるので、詳細な説明は割愛する。
【0055】
このようなポイントでの残額の保有を可能にする構成によると、将来の購入の一助にすることができるので、ギフト資産の融通性がさらに高まる。ポイントでの残額の保有の構成は、残額について被交換品を再表示しない構成においても意義を有する。つまり、従来のカタログ式ギフトと異なり、相当額が可交換額未満の被交換品を紹介して交換申請をさせた場合、必然的に残額が発生するが、それが有効利用されるので、相当額が可交換額未満の被交換品を紹介して交換申請をさせる場合も被贈呈者において特に損になることはない。
【0056】
尚、可交換下限額未満の残額や可交換下限額以上の残額をポイントの方でギフト業者に預けた場合、そのポイントの使用期限については根拠となったギフトカードの交換期限としても良いし、別途の使用期限を新たに設定しても良い。後者の場合、ギフト資産としての権利はポイントにする段階で放棄したとして扱い、ポイント分が新たな販売促進用としてギフト業者から被贈呈者に付与されたとして扱う。この場合、ポイントについては、使用期限がない場合もあり得るが、付与日を基準にして使用期限を適宜設定しても良い。
【0057】
また、上記説明では、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、被交換品のジャンル別に被交換品の情報を表示したり、人気順(ランキング順)に表示したりすることが可能であったが、これに加え(又はこれとは別に)、被贈呈者の年齢や性別に従ってお勧め品を表示するよう構成される場合もあり得る。具体的には、図7に示す交換用トップページ又は図8に示す被交換品紹介ページに、性別や年齢などを入力する欄を設け、そこで入力してもらった情報に従ってプログラムが被交換品情報ファイル23を検索し、絞り込みをする。そして、絞り込まれた各被交換品の情報を抽出して配列変数に格納し、被交換品紹介ページに表示する。
【0058】
尚、上記実施形態において、ギフトカード4は、最初から複数の被交換品と組み合わせることを前提に発行される場合もあり得る。例えば、ギフトカードが結婚披露宴の引出物として贈呈される場合、周知のように、引出物は引き菓子や縁起物と一緒に贈呈される場合がある。この場合、ギフトカードも、引出物+引き菓子の組み合わせで交換できるカードであったり、引出物+引き菓子+縁起物の組み合わせで交換できるカードであったりし得る。このような場合には、被交換品情報ファイル23は、そのような組み合わせに係る品物セットを被交換品として記録しているファイルであったり、組み合わせの一部となる被交換品であることを示すIDが記録されたファイルであったりし得る。後者の場合、被交換品紹介ページ表示プログラム14は、引出物に組み合わせる引き菓子を選択させるページや、縁起物を選択させるページを表示するようプログラミングされる。
【0059】
上述した実施形態では、ギフト資産の例として専らギフトカードを採り上げたが、本願発明の実施に際しては、ギフト資産はギフトカードである必要はなく、他の形態もあり得る。例えば、カタログギフトのように被交換品を紹介する冊子とともに提供されるシートにギフトサイトのアクセス情報が印刷されており、そのシートがギフト資産の有形化物となっている場合もある。この場合も、アクセス情報に従ってギフトサイトにログインすると、被交換品紹介ページが表示され、交換申請が可能とされる。この場合は、冊子には一部の被交換品が掲載されており、ギフトサイトはさらに多くの被交換品を紹介するサイトとされると好ましい。
【0060】
但し、ギフト資産をギフトカード4として冊子を配布しない構成では、冊子の制作や配布の手間やコストが無くなるので、その分でコスト削減が図られ、省資源の点でも好ましい構成となる。
尚、上記の場合も含め、本願発明のシステムは、ギフト資産の発行を行う構成を備えることは必須ではない。ギフト資産の発行は別のシステムで行われたり又は別のギフト事業者において行われたりしても良く、ギフト資産の交換の申請を受け付ける構成において、上記のような特徴点を備えていれば良い。
【符号の説明】
【0061】
1 ギフトサーバ
11 注文処理プログラム
12 ギフト発行情報登録プログラム
13 カード印刷プログラム
14 被交換品紹介ページ表示プログラム
15 交換申請処理プログラム
2 記憶部
21 ギフト資産情報ファイル
22 ギフト発行情報ファイル
23 被交換品情報ファイル
51 贈り主端末
52 被贈呈者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の商品又はサービスと交換可能なギフト資産について商品又はサービスとの交換の申請を受け付けるギフト資産交換申請受付システムであって、
ギフト資産が贈呈された被贈呈者が操作する被贈呈者端末とネットワークを介して接続されている受付サーバと、
記憶部と
を備えており、
記憶部には、発行されたギフト資産の情報を記録したギフト発行情報ファイルと、交換できる商品又はサービスの情報を記録した被交換品情報ファイルとが記憶されており、
ギフト発行情報ファイルには、発行された各ギフト資産の特定情報が記録されていて各ギフト資産について交換できる商品又はサービスの全体の金額である可交換額が取得可能となっており、
被交換品情報ファイルには、各被交換品の特定情報と、各被交換品の名称と、交換の際の各被交換品の価格である相当額とが記録されており、
受付サーバには、被交換品紹介ページを被贈呈者端末に送信して表示させる被交換品紹介ページ表示プログラムと、被交換品紹介ページにおいて特定の商品又はサービスが選択された際に選択された商品又はサービスを被贈呈者に提供するための処理を行う交換申請処理プログラムとが実装されており、
被交換品紹介ページ表示プログラムは、
被贈呈者端末からギフト資産の特定情報が送信された際、当該特定情報でギフト発行情報ファイルを検索して可交換額を取得する可交換額取得モジュールと、
相当額が可交換額以下である各被交換品の名称を被交換品情報ファイルから取得して被交換品紹介ページに組み込んで表示することが可能な表示モジュールとを含んでおり、
前記記憶部には、ユーザー情報ファイルが記憶されており、
ユーザー情報ファイルには、ユーザーとしての前記被贈呈者を特定する情報と、当該被贈呈者が将来において商品又はサービスを購入する際に享受できる恩恵であるポイントとが記録されており、
前記交換申請処理プログラムは、前記相当額が前記可交換額より低い場合にその差額をポイントとして、ユーザー情報ファイルに記録するプログラムであることを特徴とするギフト資産交換申請受付システム。
【請求項2】
前記被交換品紹介ページ表示プログラムは、交換申請処理プログラムが実行された際、選択された商品又はサービスの相当額を可交換額から減額した減額後の可交換額がゼロより大きいか又は所定の可交換下限額以上である場合に当該減額後の額を可交換額として更新して表示モジュールを再実行することが可能なプログラムであることを特徴とする請求項1記載のギフト資産交換申請受付システム。
【請求項3】
前記記憶部には、各前記商品又はサービスの紹介用のイメージファイルが記憶されていて、前記被交換品情報ファイルには、各イメージファイルを取得するための情報が記録されており、
前記表示モジュールは、前記被交換品の名称に加え、前記被交換品情報ファイルに記録された情報に従い、前記相当額が前記可交換額以下である各被交換品のイメージを被交換品紹介ページに組み込んで表示するモジュールであることを特徴とする請求項記載のギフト資産交換申請受付システム。
【請求項4】
前記被交換品紹介ページ表示プログラムは、前記可交換額取得モジュールが取得した可交換額、もしくは前記減額後の可交換額又はそれら双方を表示しないプログラムであることを特徴とする請求項2又は3記載のギフト資産交換申請受付システム。