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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101710
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】アニメーション制作方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/40 20110101AFI20220629BHJP
【FI】
G06T13/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077262
(22)【出願日】2022-05-09
(62)【分割の表示】P 2020541619の分割
【原出願日】2019-09-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】518027690
【氏名又は名称】株式会社エクシヴィ
(71)【出願人】
【識別番号】519389362
【氏名又は名称】エイベックス・テクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 義仁
(72)【発明者】
【氏名】室橋 雅人
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA13
5B050CA07
5B050CA08
5B050DA05
5B050EA04
5B050EA24
5B050FA02
5B050FA06
5B050FA13
5B050GA08
(57)【要約】
【課題】仮想空間で自由にアニメーション制作ができるようにする。
【解決手段】アニメーション制作方法において、コンピュータが、仮想空間内にキャラクタを撮影する仮想的なカメラを配置するステップと、キャラクタの足下に第1の画像を配置するステップと、第1の画像に角度を付けて第2の画像を配置するステップと、カメラにより撮影される画像を生成するステップと、を実行する。
【選択図】図10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
仮想空間内にキャラクタを撮影する仮想的なカメラを配置するステップと、
前記キャラクタの足下に第1の画像を配置するステップと、
前記第1の画像に角度を付けて第2の画像を配置するステップと、
前記カメラにより撮影される画像を生成するステップと、
を実行することを特徴とするアニメーション制作方法。
【請求項2】
請求項1に記載のアニメーション制作方法であって、前記第2の画像は、地面、道路、床、階段、ベッド、または椅子を少なくとも一部に表す画像であること、を特徴とするアニメーション制作方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアニメーション制作方法であって、
前記コンピュータが、
前記第1の画像に角度を付けて、前記第2の画像から離間する第3の画像を配置するステップをさらに実行すること、
を特徴とするアニメーション制作方法。
【請求項4】
請求項3に記載のアニメーション制作方法であって、前記第3の画像は、空または天井を少なくとも一部に表す画像であることを特徴とするアニメーション制作方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アニメーション制作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内に仮想カメラを配置することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-146651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景画像をキャラクタの背後に配置して撮影を行うことで撮影の舞台を設定することができる。しかしながら、カメラのアングルは背景画像に制限される。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、仮想空間で自由にアニメーション制作ができるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、アニメーション制作方法であって、コンピュータが、仮想空間内にキャラクタを撮影する仮想的なカメラを配置するステップと、前記キャラクタの足下に第1の画像を配置するステップと、前記第1の画像に角度を付けて第2の画像を配置するステップと、前記カメラにより撮影される画像を生成するステップと、を実行することとする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仮想空間で自由にアニメーション制作ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態のアニメーション制作システム300においてユーザが装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示される仮想空間の一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアニメーション制作システム300の全体構成例を示す図である。
図3】本実施形態に係るHMD110の外観の模式図を示す。
図4】本実施形態に係るHMD110の機能構成例を示す図である。
図5】本実施形態に係るコントローラ210の外観の模式図を示す。
図6】本実施形態に係るコントローラ210の機能構成例を示す図である。
図7】本実施形態にかかる画像生成装置310の機能構成図を示す図である。
図8】本実施形態のアニメーション制作システム300におけるアニメーション制作の流れを示す図である。
図9】本実施形態のアニメーション制作システム300において、アセットリスト6から選択した画像を仮想空間1に配置する様子を示す図である。
図10】本実施形態のアニメーション制作システム300において、アセットリスト6から選択した画像を仮想空間1に配置する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
コンピュータが、
仮想空間内にキャラクタを撮影する仮想的なカメラを配置するステップと、
前記キャラクタの足下に第1の画像を配置するステップと、
前記第1の画像に角度を付けて第2の画像を配置するステップと、
前記カメラにより撮影される画像を生成するステップと、
を実行することを特徴とするアニメーション制作方法。
[項目2]
項目1に記載のアニメーション制作方法であって、前記第2の画像は、地面、道路、床、階段、ベッド、または椅子を少なくとも一部に表す画像であること、を特徴とするアニメーション制作方法。
[項目3]
項目1または2に記載のアニメーション制作方法であって、
前記コンピュータが、
前記第1の画像に角度を付けて、前記第2の画像から離間する第3の画像を配置するステップをさらに実行すること、
を特徴とするアニメーション制作方法。
[項目4]
項目3に記載のアニメーション制作方法であって、前記第3の画像は、空または天井を少なくとも一部に表す画像であることを特徴とするアニメーション制作方法。
【0012】
本発明の一実施形態に係るアニメーション制作システム300の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
<概要>
図1は、本実施形態のアニメーション制作システム300においてユーザが装着するヘッドマウントディスプレイ(HMD)に表示される仮想空間の一例を示す図である。本実施形態のアニメーション制作システム300では、仮想空間1に仮想的なキャラクタ4と仮想的なカメラ3とを配置し、カメラ3を用いてキャラクタ4を撮影する。また、仮想空間1にはカメラマン2(撮影者キャラクタ)が配置され、カメラマン2によりカメラ3が仮想的に操作される。本実施形態のアニメーション制作システム300では、ユーザは、図1に示すように仮想空間1をTPV(Third Person View;三人称視点)で俯瞰しながらキャラクタ4やカメラ3を配置したり、カメラマン2としてFPV(First Person View;一人称視点)でキャラクタ4を撮影したり、FPVでキャラクタ4の演技を行ったりしながら、アニメーションを制作していく。また、仮想空間1内には複数のキャラクタ4(図1の例では、キャラクタ4-1およびキャラクタ4-2)を配置することができ、ユーザは、キャラクタ4に憑依しながら演技を行うことができる。複数のキャラクタ4が配置されている場合には、ユーザは、各キャラクタ4(たとえば、キャラクタ4-1および4-2)に憑依する対象を切り替えることもできる。すなわち、本実施形態のアニメーション制作システム300では、一人が何役もの役割(ロール)を果たすことができる。また、カメラマン2としてカメラ3を仮想的に操作しながら撮影を行うことができるので、自然なカメラワークを実現することが可能となり、撮影される動画の表現を豊かにすることができる。
【0014】
<全体構成>
図2は、本発明の一実施形態に係るアニメーション制作システム300の全体構成例を示す図である。アニメーション制作システム300は、例えば、HMD110、コントローラ210及びホストコンピュータとして機能する画像生成装置310を含んで構成することができる。アニメーション制作システム300には、HMD110やコントローラ210の位置、向き及び傾き等を検出するための赤外線カメラ(図示せず)等を追加することもできる。これらの装置は、相互に、有線又は無線手段により接続することができる。例えば、各々の装置にUSBポートを備え、ケーブルで接続することで通信を確立することもできるし、他に、HDMI、有線LAN、赤外線、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等の有線又は無線により通信を確立することもできる。画像生成装置310は、PC、ゲーム機、携帯通信端末等、計算処理機能を有する装置であればよい。
【0015】
<HMD110>
図3は、本実施形態に係るHMD110の外観の模式図を示す。図4は、本実施形態に係るHMD110の機能構成例を示す図である。
【0016】
HMD110はユーザの頭部に装着され、ユーザの左右の眼前に配置されるよう表示パネル120を備える。表示パネルとしては、光学透過型と非透過型のディスプレイが考えられるが、本実施形態では、より没入感を提供可能な非透過型の表示パネルを例示する。表示パネル120には、左目用画像と右目用画像とが表示され、両目の視差を利用することにより立体感のある画像をユーザに提供することができる。左目用画像と右目用画像とを表示することができれば、左目用ディスプレイと右目用ディスプレイとを個別に備えることも可能であるし、左目用及び右目用の一体型のディスプレイを備えることも可能である。
【0017】
HMD110の筐体部130は、センサ140を備える。センサ140は、ユーザの頭部の向きや傾きといった動きを検出するために、図示しないが、例えば、磁気センサ、加速度センサ、もしくはジャイロセンサのいずれか、またはこれらの組み合わせを備えることができる。ユーザの頭部の垂直方向をY軸とし、Y軸と直交する軸のうち、表示パネル120の中心とユーザとを結ぶ、ユーザの前後方向に相当する軸をZ軸とし、Y軸及びZ軸と直交し、ユーザの左右方向に相当する軸をX軸とするとき、センサ140は、X軸まわりの回転角(いわゆる、ピッチ角)、Y軸まわりの回転角(いわゆる、ヨー角)、Z軸まわりの回転角(いわゆる、ロール角)を検出することができる。
【0018】
センサ140に代えて、またはセンサ140に加えて、HMD110の筐体部130は、複数の光源150(例えば、赤外光LED、可視光LED)を備えることもできる。HMD110の外部(例えば、室内等)に設置されたカメラ(例えば、赤外光カメラ、可視光カメラ)がこれらの光源を検出することで、特定の空間におけるHMD110の位置、向き、傾きを検出することができる。または、同じ目的で、HMD110に、HMD110の筐体部130に設置された光源を検出するためのカメラを備えることもできる。
【0019】
HMD110の筐体部130は、アイトラッキング・センサを備えることもできる。アイトラッキング・センサは、ユーザの左目及び右目の視線方向及び注視点を検出するために用いられる。アイトラッキング・センサとしては様々な方式が考えられるが、例えば、左目および右目に弱い赤外光を照射してできる角膜上の反射光の位置を基準点とし、反射光の位置に対する瞳孔の位置により視線方向を検出し、左目及び右目の視線方向の交点を注視点として検出する方法などが考えられる。
【0020】
<コントローラ210>
図5は、本実施形態に係るコントローラ210の外観の模式図を示す。図6は、本実施形態に係るコントローラ210の機能構成例を示す図である。
【0021】
コントローラ210により、仮想空間内において、ユーザが所定の入力を行うことをサポートすることができる。コントローラ210は、左手用220及び右手用230のコントローラのセットとして構成することができる。左手用コントローラ220及び右手用コントローラ230は、各々操作用トリガーボタン240、赤外線LED250、センサ260、ジョイスティック270、メニューボタン280を有することができる。
【0022】
操作用トリガーボタン240は、コントローラ210のグリップ235を把持したときに、中指及び人差し指でトリガーを引くような操作を行うことを想定した位置に240a、240bとして配置される。コントローラ210の両側面から下方にリング状に形成されるフレーム245には、複数の赤外線LED250が備えられ、コントローラ外部に備えられるカメラ(図示せず)により、これらの赤外線LEDの位置を検出することで、特定の空間におけるコントローラ210の位置、向き及び傾きを検出することができる。
【0023】
また、コントローラ210は、コントローラ210の向きや傾きといった動きを検出するために、センサ260を内蔵することができる。センサ260として、図示しないが、例えば、磁気センサ、加速度センサ、もしくはジャイロセンサのいずれか、またはこれらの組み合わせを備えることができる。さらに、コントローラ210の上面には、ジョイスティック270及びメニューボタン280を備えることができる。ジョイスティック270は、基準点を中心に360度方向に動かすことができ、コントローラ210のグリップ235を把持したときに、親指で操作されることが想定される。メニューボタン280もまた同様に、親指で操作されることが想定される。さらに、コントローラ210は、コントローラ210を操作するユーザの手に振動を与えるためのバイブレータ(図示せず)を内蔵することもできる。ボタンやジョイスティックを介したユーザの入力内容やセンサ等を介したコントローラ210の位置、向き及び傾きといった情報を出力するため、また、ホストコンピュータからの情報を受信するために、コントローラ210は、入出力部及び通信部を有する。
【0024】
ユーザがコントローラ210を把持し、各種ボタンやジョイスティックを操作することの有無、及び赤外線LEDやセンサにより検出される情報によって、システムはユーザの手の動きや姿勢を決定し、仮想空間内において擬似的にユーザの手を表示させ、動作させることができる。
【0025】
<画像生成装置310>
図7は、本実施形態にかかる画像生成装置310の機能構成図を示す図である。画像生成装置310としては、HMD110やコントローラ210から送信された、ユーザ入力情報やセンサ等により取得されたユーザの頭部動きやコントローラの動きや操作に関する情報を記憶し、所定の計算処理を行い、画像を生成するための機能を有する、PC、ゲーム機及び携帯通信端末等といった装置を使用することができる。画像生成装置310は、例えば、HMD110やコントローラ210等の周辺装置との有線による接続を確立するための入出力部320を備えることができ、赤外線、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等無線による接続を確立するための通信部330を備えることができる。入出力部320及び/又は通信部330を介して、HMD110及び/又はコントローラ210から受信された、ユーザの頭部の動きやコントローラの動きや操作に関する情報は、制御部340において、ユーザの位置、視線、姿勢等の動作、発話、操作等を含めた入力内容として検出され、ユーザの入力内容に応じて、記憶部350に格納された制御プログラムを実行することで、キャラクタ4の制御を行い、画像を生成するといった処理がなされる。制御部340は、CPUで構成することもできるが、画像処理に特化したGPUをさらに設けることで、情報処理と画像処理を分散化し、全体の処理の効率化を図ることもできる。画像生成装置310はまた、他の計算処理装置と通信を行い、他の計算処理装置に情報処理や画像処理を分担させることもできる。
【0026】
制御部340は、HMD110及び/又はコントローラ210から受信された、ユーザの頭部の動きやユーザの発話、また、コントローラの動きや操作に関する情報を検出するユーザ入力検出部410と、記憶部350のキャラクタデータ格納部450に格納されたキャラクタ4に対して、制御プログラム格納部460に格納された制御プログラムを実行するキャラクタ制御部420と、キャラクタ制御に応じて、仮想空間1に配置された仮想的なカメラ3の制御を行うカメラ制御部440と、キャラクタ制御に基づいてカメラ3が仮想空間1を撮影した画像を生成する画像生成部430と、を有する。ここでキャラクタ4の動きの制御については、HMD110やコントローラ210を介して検出されたユーザ頭部の向きや傾き、手の動きといった情報を、人間の身体の関節の動きや制約に則って作成されたボーン構造の各部の動きに変換し、予め格納されたキャラクタデータに対して、ボーン構造を関連付けることで、ボーン構造の動きを適用させることで実現される。カメラ3の制御は、たとえば、キャラクタ4の手の動きに応じて、カメラ3についての各種設定(たとえば、カメラ3の仮想空間1内での位置、カメラ3の視線方向、焦点位置、ズームなど)を変更することにより行われる。
【0027】
記憶部350は、上述のキャラクタデータ格納部450に、キャラクタ4のイメージデータのほか、キャラクタ4の属性等キャラクタ4に関連する情報を格納する。また、制御プログラム格納部460は、仮想空間におけるキャラクタ4の動作や表情を制御し、カメラ3などのオブジェクトを制御するためのプログラムを格納する。画像データ格納部470は、画像生成部430で生成された画像を格納する。アセットデータ格納部480は、仮想空間1内に配置可能なアセットのデータを記憶する。アセットのデータには画像データが含まれる。画像データには、地面を表す画像(以下、地面画像という。)の画像データ、背景画像の画像データ、空を表す画像(以下、空画像という。)の画像データが含まれる。背景画像は、カメラ3を水平にキャラクタ4に向けた場合にキャラクタ4の背後に配される画像である。地面画像は、たとえば道路や地面、床、階段、絨毯、ベッド、椅子などキャラクタ4の下部に配されるものが表示された画像である。カメラ3の撮影方向を鉛直方向下方に振った場合にキャラクタ4の足下で撮影される。空画像は、たとえば空や天井など、キャラクタ4の上部に配されるものが表示された画像であり、カメラ3の撮影方向を鉛直方向上方に振った場合にキャラクタ4の頭上で撮影される。ユーザは、キャラクタ4の背後に背景画像を配置するとともに、キャラクタ4の足下に地面画像を配置し(すなわち、背景画像の平面と地面画像の平面との間に角度(好適には略垂直)が設けられる。)、キャラクタ4の頭上に空画像を配置する(すなわち、背景画像の平面と空画像の平面との間に角度(好適には略垂直)が設けられる。)ことにより、カメラ4を垂直方向に動かしたとしても、キャラクタ4の背後に画像が表示されるので、没入感を損なうことなくカメラ3を自由に動かして撮影することが可能となる。なお、画像の配置は、画像データをテクスチャとして貼り付けた板ポリゴンを仮想空間1に配置することにより行うことができる
【0028】
図8は、本実施形態のアニメーション制作システム300におけるアニメーション制作の流れを示す図である。また、図9および図10は、本実施形態のアニメーション制作システム300において、アセットリスト6から選択した画像を仮想空間1に配置する様子を示す図である。
【0029】
仮想空間1にはアセットリスト6が配される。アセットリスト6は、アセット種別タブ61、アセット項目62、スクロールバー63、ボタン64を含むものである。アセット種別タブ61は、例えば、キャラクタ4の3DCGモデル(ACTOR)、キャラクタ4の動作モデル(MOVE)(例えば、手を振る、指さし、ダブルピースなど)、キャラクタ4に憑依した際の声質または特定のセリフ(VOICE)、仮想空間1内に配置可能なオブジェクト(OBJECT)、仮想空間1内に配置可能な背景、空、地面の画像データ(BACK GROUND)などがあり得る。
【0030】
アセット項目62は、アセット種別タブ61の選択に応じて変更され、各種別に対応したリストが表示される。本リスト内に表示される項目は、例えばクラウドサーバ等のネットワークを介して接続されるサーバから取得したデータであってもよい。図9の例では、使用可能な画像データのリストが例示されており、一例として各項目に画像のサムネールと画像の内容の説明とが表示されている構成であるが、これに限らず、例えば、色味や場所のカテゴリなどが表示されていてもよい。また、表示項目が多い場合には、例えばスクロールバー63をスライドさせたりして、全ての項目を確認可能にしてもよいし、五十音順などのソートが可能であってもよいし、画像の使用履歴に基づいて、ユーザの嗜好を学習し、ユーザの嗜好に沿ったアセットを優先的に表示するようにしてもよい。
【0031】
ボタン64は、様々な用途のボタンを配置することが可能であり、図8では、アセット購入ボタン(SHOP)、アセットレンタルボタン(RENTAL)、保有アセットリスト(MY LIST)、アセット購入および/またはレンタル履歴(MY HISTORY)、前のウインドウ表示に戻るボタン(BACK)が例示されている。
【0032】
ユーザは、図9に示すようにして、仮想空間1内の仮想右手21Rにより選択したアセット項目62上を掴むと、そこから各種のオブジェクトを引き出して仮想空間1に配置することができる。
【0033】
ユーザは、キャラクタ4の3DCGモデルを引き出して仮想空間1に配置し(S701)、その他のオブジェクトを引き出して仮想空間1に配置することができる(S702)。また、ユーザは、カメラ3を必要な数だけ仮想空間1に配置する(S703)。
【0034】
次に、ユーザは、地面の画像データのアセット(地面画像をテクスチャとして貼り付けた板ポリゴン。以下同じ。)をアセットリスト6から引き出して仮想空間1に配置する(S704)。この際にユーザは、地面の画像データを拡大または縮小することもできる。同様に、ユーザは、背景の画像データのアセットをアセットリスト6から引き出して仮想空間1に配置し(S705)、空の画像データのアセットをアセットリスト6から引き出して仮想空間1に配置する(S706)。図10には、地面の画像データ64、背景の画像データ65、空の画像データ66が仮想空間1に引き出された状態を示す図である。ユーザは、仮想右手21Rを用いてこれらの画像をキャラクタ4の位置に応じて配置することができる。なお、図示しないが、例えば、ユーザが背景画像モデルを仮想空間1内に配置する場合には、ユーザは、仮想空間1内の仮想右手および左手により、引き出した背景画像モデルの両端を掴み、背景画像モデルを引き延ばしたり、縮小したりすることもできる。
【0035】
ユーザは、風の発生源を仮想空間1に配置することもできる(S707)。風の発生源は、アセットリスト6から選択するようにしてもよいし、予め仮想空間1に配置した風の発生源を移動させるようにしてもよい。
【0036】
以上のようにしてキャラクタ4、カメラ3、地面の画像データ64、背景の画像データ65、空の画像データ66、風の発生源を仮想空間1内に配置したうえで、カメラマン2またはキャラクタ4に憑依して操作を行い(S708)、アニメーションを制作することができる。
【0037】
なお、図8のステップS701ないしS707は、図8の順でなくてよい。また、キャラクタ4以外に配置するアセットがなければステップS702は省略することができ、風を当てる必要がなければ、ステップS707を省略することができる。また、カメラ3の撮影方向を下方に下げない場合には、ステップS704を省略することができ、撮影方向を上方に挙げない場合には、ステップS706を省略することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のアニメーション制作システム300によれば、ユーザは背景画像のみでなく、地面画像および/または空画像を配したうえでキャラクタ4をカメラ3で撮影することができる。したがって、没入感を損なうことなく上下方向にカメラ3の視線を動かしながら撮影することができるので、カメラワークの自由度を上げることが可能となり、アニメーションの表現を豊かにすることができる。
【0039】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0040】
たとえば、本実施形態では、画像生成装置310は1台のコンピュータであるものとしたが、これに限らず、HMD110またはコントローラ210に画像生成装置310の全部または一部の機能を備えるようにしてもよい。また、画像生成装置310と通信可能に接続する他のコンピュータに画像生成装置310の一部の機能を備えるようにすることができる。
【0041】
また、本実施形態では、仮想現実(VR;Virtual Reality)による仮想空間を想定していたが、これに限らず、拡張現実(AR;Augumented Reality)空間あるいは複合現実(MR;Mixed Reality)空間であっても本実施形態のアニメーション制作システム300はそのまま適用可能である。
【0042】
また、本実施形態では、各種のボタン64を配置して、アセットの購入やレンタル、保有しているアセットの取り出しなどを指示するものとしたが、ボタン64を用いずに、アセットリスト6からオブジェクトを引き出し、引き出したオブジェクトがユーザの保有したものでない場合に、そのオブジェクトを購入またはレンタルする手続を行わせるようにしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、地面画像をキャラクタ4の足下に配置することを前提としたが、たとえば、キャラクタ4の下方から上方に向けたアングルで撮影するような場合には、地面画像を配置せず、背景画像と空画像のみを配置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 仮想空間
2 カメラマン
3 カメラ
4 キャラクタ
110 HMD
120 表示パネル
130 筐体部
140 センサ
150 光源
210 コントローラ
220 左手用コントローラ
230 右手用コントローラ
235 グリップ
240 トリガーボタン
250 赤外線LED
260 センサ
270 ジョイスティック
280 メニューボタン
300 アニメーション制作システム
310 画像生成装置
320 入出力部
330 通信部
340 制御部
350 記憶部
410 ユーザ入力検出部
420 キャラクタ制御部
430 画像生成部
440 カメラ制御部
450 キャラクタデータ格納部
460 プログラム格納部
470 画像データ格納部
480 アセットデータ格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10