(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022102762
(43)【公開日】2022-07-07
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220630BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20220630BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020217688
(22)【出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】519207882
【氏名又は名称】株式会社DeNA SOMPO Mobility
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松下 三四郎
(72)【発明者】
【氏名】飯島 征士
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 直樹
(72)【発明者】
【氏名】入谷 由紀
(72)【発明者】
【氏名】和波 里翠
(72)【発明者】
【氏名】北村 華苗
(72)【発明者】
【氏名】岡田 渓悟
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カーシェアリングサービスの利用を促進させる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置2は、ユーザによって指定された指定位置を示す情報を含む会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員としてユーザを登録する会員登録部232と、会員として登録されたユーザがカーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、当該ユーザを、会員に提供される車両の利用が許可されない第1会員状態から車両の利用が許可される第2会員状態に変更する状態変更部233と、カーシェアリングサービスにおいて新たな車両である新規登録車が登録された場合に、新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定した第1会員状態のユーザに対して、車両の共同利用契約の締結を促す通知情報を通知する通知部237と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって指定された指定位置を示す情報を含む会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員として前記ユーザを登録する会員登録部と、
前記会員として登録された前記ユーザが前記カーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、当該ユーザを、前記会員に提供される車両の利用が許可されない第1会員状態から前記車両の利用が許可される第2会員状態に変更する状態変更部と、
前記カーシェアリングサービスにおいて新たな前記車両である新規登録車が登録された場合に、前記新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる前記指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに対して、前記車両の共同利用契約の締結を促す通知情報を通知する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記新規登録車が登録された場合に、前記所定の範囲に含まれる前記指定位置を指定した前記ユーザに含まれる前記第1会員状態の前記ユーザ及び前記第2会員状態の前記ユーザの中から、前記第1会員状態の前記ユーザを選択する選択部をさらに有し、
前記通知部は、前記選択部が選択した前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記指定位置を基準とする前記所定の範囲である指定範囲に含まれる前記提供位置の数が所定の閾値を超えた場合に、前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、所定の時間帯に前記新規登録車が登録された場合、前記所定の時間帯とは異なる他の時間帯に前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記会員登録要求は、前記ユーザが利用を希望する希望車両を示す情報をさらに含み、
前記通知部は、前記新規登録車が前記希望車両に該当する場合であって、前記指定位置を基準とする前記所定の範囲である第1指定範囲よりも広い第2指定範囲に前記提供位置が含まれる場合に、当該指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記車両の数が所定の閾値以上になる範囲を、前記指定位置を基準とする前記所定の範囲である指定範囲として設定する範囲設定部をさらに有し、
前記通知部は、前記範囲設定部が設定した前記指定範囲に含まれる前記提供位置で提供される前記新規登録車が登録された場合に、前記指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
ユーザによって指定された指定位置を示す情報を含む会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員として前記ユーザを登録するステップと、
前記会員として登録された前記ユーザが前記カーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、当該ユーザを、前記会員に提供される車両の利用が許可されない第1会員状態から前記車両の利用が許可される第2会員状態に変更するステップと、
前記カーシェアリングサービスにおいて新たな前記車両である新規登録車が登録された場合に、前記新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる前記指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに対して、前記車両の共同利用契約の締結を促す通知情報を通知するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングサービスの会員に情報を通知する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザが車両を共用するカーシェアリングサービスが普及しつつある。特許文献1には、ユーザの位置と車両が利用可能な場所との距離が所定範囲以内である場合に、ユーザに当該車両が利用可能であることを通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、ユーザがカーシェアリングサービスで提供される車両を利用するためには、事前に、本人確認及び免許証の有効性の確認等のように車両を利用するための手続きを行う必要がある。しかしながら、ユーザは、上記手続きを行っても、カーシェアリングサービスで提供される車両が、当該ユーザが車両の利用を希望する場所(例えば、自宅及び職場等)の近辺に存在しなければ利用し得ないので、カーシェアリングサービスを利用するか否かを見極めるために上記手続きを保留する場合がある。そのため、このようなユーザにカーシェアリングサービスで提供される車両を利用させるための施策を講じることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、カーシェアリングサービスの利用を促進させることができる情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、ユーザによって指定された指定位置を示す情報を含む会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員として前記ユーザを登録する会員登録部と、前記会員として登録された前記ユーザが前記カーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、当該ユーザを、前記会員に提供される車両の利用が許可されない第1会員状態から前記車両の利用が許可される第2会員状態に変更する状態変更部と、前記カーシェアリングサービスにおいて新たな前記車両である新規登録車が登録された場合に、前記新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる前記指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに対して、前記車両の共同利用契約の締結を促す通知情報を通知する通知部と、を有する。
【0007】
前記新規登録車が登録された場合に、前記所定の範囲に含まれる前記指定位置を指定した前記ユーザに含まれる前記第1会員状態の前記ユーザ及び前記第2会員状態の前記ユーザの中から、前記第1会員状態の前記ユーザを選択する選択部をさらに有してもよいし、前記通知部は、前記選択部が選択した前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知してもよい。
【0008】
前記通知部は、前記指定位置を基準とする前記所定の範囲である指定範囲に含まれる前記提供位置の数が所定の閾値を超えた場合に、前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知してもよい。
前記通知部は、所定の時間帯に前記新規登録車が登録された場合、前記所定の時間帯とは異なる他の時間帯に前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知してもよい。
【0009】
前記会員登録要求は、前記ユーザが利用を希望する希望車両を示す情報をさらに含み、前記通知部は、前記新規登録車が前記希望車両に該当する場合であって、前記指定位置を基準とする前記所定の範囲である第1指定範囲よりも広い第2指定範囲に前記提供位置が含まれる場合に、当該指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知してもよい。
【0010】
前記車両の数が所定の閾値以上になる範囲を、前記指定位置を基準とする前記所定の範囲である指定範囲として設定する範囲設定部をさらに有してもよいし、前記通知部は、前記範囲設定部が設定した前記指定範囲に含まれる前記提供位置で提供される前記新規登録車が登録された場合に、前記指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに前記通知情報を通知してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザによって指定された指定位置を示す情報を含む会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員として前記ユーザを登録するステップと、前記会員として登録された前記ユーザが前記カーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、当該ユーザを、前記会員に提供される車両の利用が許可されない第1会員状態から前記車両の利用が許可される第2会員状態に変更するステップと、前記カーシェアリングサービスにおいて新たな前記車両である新規登録車が登録された場合に、前記新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる前記指定位置を指定した前記第1会員状態の前記ユーザに対して、前記車両の共同利用契約の締結を促す通知情報を通知するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えばカーシェアリングサービスの利用を促進させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図3】記憶部に記憶されているデータベースの構成の一例を示す図である。
【
図4】新規登録車の提供位置と会員の指定位置との関係を模式的に表した図である。
【
図5】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、カーシェアリングサービスをユーザUに提供するために用いるシステムである。カーシェアリングサービスは、サービスの利用者間において車両の共同使用を提供するサービスである。情報処理システムSは、ユーザ端末1と、情報処理装置2とを有する。
【0015】
ユーザ端末1は、ユーザUが使用する端末であり、例えば、スマートフォン及びタブレット等である。ユーザ端末1には、例えば、ユーザUにカーシェアリングサービスを提供するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という)がインストールされている。ユーザUは、専用アプリを介して、カーシェアリングサービスに関する種々の情報を閲覧したり、カーシェアリングサービスの会員に提供される車両(以下、単に「車両」という)を利用するための手続きをしたりすることができる。
【0016】
情報処理装置2は、カーシェアリングサービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。情報処理装置2は、会員に関する情報を記憶している。会員に関する情報には、少なくとも指定位置が含まれる。指定位置は、ユーザUによって指定された位置であり、例えば、自宅、職場等である。また、情報処理装置2は、車両に関する情報を記憶している。車両に関する情報には、少なくとも提供位置が含まれる。提供位置は、車両が提供される位置であり、例えば、車両を提供するユーザUの自宅、又は自宅とは異なる場所にある駐車場等である。
【0017】
情報処理装置2は、例えば、車両に関する情報をインターネット等に公開しているが、会員か否かに応じて異なる情報を公開する。個人が所有する車両を提供するカーシェアリングサービスにおいては、車両の提供位置等が個人情報にあたり得るため、会員か否かを問わずに公開する情報には、一定の制限を設ける必要がある。そのため、情報処理装置2は、会員に対しては車両の提供位置等を公開し、未会員に対しては車両の提供位置とは異なる情報(例えば、車両の提供位置を含むエリア等)を公開する。
【0018】
情報処理システムSの処理の概要を以下に説明する。ユーザUが車両を利用するためには、カーシェアリングサービスに会員登録した後において、さらにユーザUがカーシェアリングサービスを運営する運営者との間において車両を共同で利用する共同利用契約を締結する必要がある。共同利用契約の締結には、本人確認、及び免許証の有効性の確認等のような各種の手続きが含まれる。
【0019】
カーシェアリングサービスの会員には、共同利用契約を締結していない会員、すなわち車両の利用が許可されない状態(以下、「第1会員状態」という)である会員と、共同利用契約を締結した会員、すなわち車両の利用が許可される状態(以下、「第2会員状態」という)である会員とが含まれる。第2会員状態の会員は、カーシェアリングサービスで提供される車両を利用することができるが、第1会員状態の会員は、当該車両を利用することができない。そのため、第1会員状態の会員が車両を利用するためには、上記共同利用契約を締結する必要がある。そこで、情報処理システムSは、第1会員状態のユーザUに対して、共同利用契約の締結を促す情報を通知する。
【0020】
図1に示す例においては、ユーザU1が第1会員状態の会員であり、ユーザU2が第2会員状態の会員であり、ユーザU3がカーシェアリングサービスの会員であり、かつ他の会員に提供する車両の所有者であるとして説明する。なお、ユーザU3においては、第1会員状態の会員であってもよいし、第2会員状態の会員であってもよい。
【0021】
まず、各ユーザU(ユーザU1、ユーザU2、ユーザU3)が、専用アプリにおいてカーシェアリングサービスの会員登録をするための情報を入力すると、各ユーザ端末1(ユーザ端末1a、ユーザ端末1b、ユーザ端末1c)は、ユーザUが入力した情報を含む会員登録要求を情報処理装置2に送信する(
図1の(1))。ユーザUが入力した情報には、少なくともユーザUの指定位置が含まれる。情報処理装置2は、各ユーザ端末1から会員登録要求を受け付けると、当該会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員として各ユーザUを登録する(
図1の(2))。このときのユーザUは、第1会員状態の会員として登録される。
【0022】
情報処理装置2は、ユーザU2が会員として登録された後において、専用アプリにおいて車両を共同で利用する共同利用契約を締結するための情報を入力すると、ユーザ端末1bは、ユーザU2が入力した情報を含む契約締結要求を情報処理装置2に送信する(
図1の(3))。ユーザU2が入力した情報には、例えば、免許証が表示された画像が含まれる。情報処理装置2は、ユーザ端末1bから契約締結要求を受け付けた後においてユーザU2がカーシェアリングサービスでの共同利用契約の締結をしたことを契機として、ユーザU2を、第1会員状態から第2会員状態に変更する(
図1の(4))。
【0023】
ユーザU3が、専用アプリにおいて車両を提供するための情報を入力すると、ユーザ端末1cは、ユーザU3が入力した情報を含む車両登録要求を情報処理装置2に送信する(
図1の(5))。ユーザU3が入力した情報には、少なくとも車両の提供位置が含まれる。情報処理装置2は、ユーザ端末1cから車両登録要求を受け付けると、当該車両登録要求に基づいて、新たな車両である新規登録車を登録する(
図1の(6))。
【0024】
情報処理装置2は、新規登録車を登録すると、新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定したユーザU(ユーザU1、ユーザU2)のうち、第1会員状態のユーザU1に通知情報を通知する(
図1の(7))。所定の範囲は、提供位置を基準とする範囲であり、例えば、提供位置から所定の閾値(例えば、500メートル、徒歩10分等)までの範囲である。所定の範囲は、指定位置を基準とする範囲(例えば、指定位置から所定の閾値までの範囲)であってもよい。通知情報は、車両の共同利用契約の締結を促す情報である。
【0025】
このようにすることで、情報処理システムSは、共同利用契約を締結する動機づけを第1会員状態の会員に提供することができる。また、通知情報が通知された会員は、指定位置の周囲に新規登録車が登録されたことを把握することができる。これにより、情報処理システムSは、車両の利用が許可される第2会員状態の会員の数を増やすことができる。その結果、情報処理システムSは、カーシェアリングサービスの利用を促進することができる。
以下、情報処理装置2の構成について説明する。
【0026】
[情報処理装置2の構成]
図2は、情報処理装置2の構成を示す図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。通信部21は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば無線通信コントローラを含んで構成されている。
【0027】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。記憶部22は、会員に関する情報を管理する会員管理データベースと、車両に関する情報を管理する車両管理データベースとを記憶している。
【0028】
図3は、記憶部22に記憶されているデータベースの構成の一例を示す図である。
図3(a)に示す会員管理データベースは、会員識別情報と、締結状態と、名前と、住所と、電話番号と、指定位置と、希望車両とを関連付けて記憶している。会員識別情報は、会員を識別するための情報である。締結状態は、会員が共同利用契約を締結したか否かを示す情報であり、例えば、「未締結」は、第1会員状態の会員であることを示し、「締結済み」は、第2会員状態の会員であることを示す。希望車両は、会員が利用を希望する車両を示す情報であり、例えば、メーカ及び車種等を含む。
【0029】
図3(b)に示す車両管理データベースは、車両識別情報と、メーカと、車種と、提供価格と、提供位置とを関連付けて記憶している。車両識別情報は、車両を識別するための情報である。提供価格は、車両の利用にかかる費用であり、例えば単位時間(例えば、10分、30分、1時間等)あたりの価格を示す。
【0030】
図2に戻り、制御部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部231、会員登録部232、状態変更部233、車両登録部234、選択部235、範囲設定部236及び通知部237として機能する。
【0031】
受付部231は、通信部21を介して、ユーザ端末1から種々の要求を受け付ける。例えば、ユーザ端末1の専用アプリにおいて、ユーザUが、会員登録及び車両の利用等のように種々の操作を行うと、ユーザ端末1は、当該操作に応じた要求を情報処理装置2に送信する。
【0032】
会員登録部232は、会員情報を含む会員登録要求に基づいて、カーシェアリングサービスの会員としてユーザUを登録する。会員情報には、少なくともユーザUによって指定された指定位置を示す情報が含まれるが、これに限らず、ユーザUの名前、住所、電話番号及びユーザUが利用を希望する希望車両を示す情報等が含まれてもよい。
【0033】
具体的には、まず、受付部231は、会員情報を含む会員登録要求をユーザ端末1から受け付ける。そして、会員登録部232は、受付部231が受け付けた会員登録要求に含まれる会員情報に基づいて、カーシェアリングサービスの会員としてユーザUを登録する。会員登録部232は、例えば、受付部231が会員登録要求を受け付けると、ユーザUに対応する会員識別情報を生成し、生成した会員識別情報と会員情報とを関連付けて会員管理データベースに記憶させる。
【0034】
状態変更部233は、会員として登録されたユーザUがカーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、当該ユーザUを、第1会員状態から第2会員状態に変更する。具体的には、まず、受付部231は、契約締結要求をユーザ端末1から受け付ける。状態変更部233は、受付部231が契約締結要求を受け付けた後において、ユーザUがカーシェアリングサービスにおける共同利用契約を締結した場合に、当該ユーザUの会員識別情報に関連付けて会員管理データベースに記憶されている締結状態を、第1会員状態を示す情報(例えば「未締結」)から第2会員状態を示す情報(例えば「締結済み」)に変更する。
【0035】
例えば、カーシェアリングサービスの管理者が、会員識別情報と、当該会員識別情報によって示されるユーザUとカーシェアリングサービスにおける共同利用契約を締結したことを示す情報とを入力すると、状態変更部233は、当該ユーザUを、第1会員状態から第2会員状態に変更する。例えば、契約締結要求には、締結情報(例えば免許証の画像等)が含まれており、上記管理者は、ユーザUの電話番号に基づく本人確認と、免許証の画像に基づく免許証の有効性の確認とを行った後に、情報処理装置2において上記情報を入力する。
【0036】
状態変更部233が、ユーザUとカーシェアリングサービスにおける共同利用契約を締結するための処理を実行してもよい。状態変更部233は、例えば、ユーザUの会員識別情報に関連付けて会員管理データベースに記憶されている電話番号を用いてSMS(Short Message Service)認証を実行することにより、本人確認を行う。また、状態変更部233は、例えば、免許証の画像を用いて免許証を発行する官公庁が管理する不図示のサーバに免許証が有効であるか否かを問い合わせることにより、免許証の有効性の確認を行う。状態変更部233は、上記確認の結果が良好である場合に、ユーザUを、第1会員状態から第2会員状態に変更する。
【0037】
車両登録部234は、新たな車両である新規登録車を登録する。具体的には、まず、受付部231は、ユーザ端末1から車両情報を含む車両登録要求を受け付ける。車両情報には、メーカ、車種及び提供位置等の情報が含まれる。そして、車両登録部234は、受付部231が車両登録要求を受け付けると、車両識別情報を生成し、生成した車両識別情報と、車両登録要求に含まれる車両情報とを関連付けて車両管理データベースに記憶させることにより、新規登録車を登録する。
【0038】
通知部237は、カーシェアリングサービスにおいて新規登録車が登録された場合に、当該新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定した第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。具体的には、通知部237は、車両登録部234が新規登録車を登録すると、当該新規登録車の提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定したユーザU(第1会員状態のユーザU及び第2会員状態のユーザU)のうち、第1会員状態のユーザUのユーザ端末1に通知情報を通知する。
【0039】
より具体的には、まず、選択部235は、新規登録車が登録された場合に、当該新規登録車の提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定したユーザUを特定する。選択部235は、特定したユーザUに含まれる第1会員状態のユーザU及び第2会員状態のユーザUの中から、第1会員状態のユーザUを選択する。そして、通知部237は、選択部235が選択した第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。
【0040】
図4は、新規登録車の提供位置とユーザUの指定位置との関係を模式的に表した図である。
図4において、位置Vは、新規登録車の提供位置を示し、位置L1は、第1会員状態のユーザUの指定位置を示し、位置L2は、第2会員状態のユーザUの指定位置を示し、範囲Rは、所定の範囲として位置Vを基準とする範囲を示す。
【0041】
この場合において、まず、選択部235は、位置Vで提供される新規登録車が登録されると、範囲Rに含まれるユーザUとして、位置L1を指定したユーザUと、位置L2を指定したユーザUとを特定する。選択部235は、2人のユーザUの中から、第1会員状態のユーザUである位置L1を指定したユーザUを選択する。そして、通知部237は、選択部235が選択した位置L1を指定したユーザUのユーザ端末1に通知情報を通知する。
【0042】
通知部237は、所定の範囲に含まれる指定位置を指定したユーザUの会員状態に応じた情報を通知してもよい。例えば、通知部237は、範囲Rに含まれる位置L1を指定したユーザU(第1会員状態のユーザU)に対して通知情報を通知し、範囲R含まれる位置L2を指定したユーザU(第2会員状態のユーザU)に登録車情報を通知する。登録車情報は、指定位置の周辺に新規登録車が登録されたことを示す情報である。
【0043】
より具体的には、まず、選択部235は、特定したユーザの中から、通知情報を通知する第1対象のユーザUを選択し、登録車情報を通知する第2対象のユーザUを選択する。そして、通知部237は、選択部235が選択した第1対象のユーザUに通知情報を通知し、選択部235が選択した第2対象のユーザUに登録車情報を通知する。
【0044】
通知部237は、第1会員状態のユーザUに対応する指定範囲において提供される新規登録車の数に応じて、当該ユーザUに通知情報を通知してもよい。指定範囲は、会員が指定した指定位置を基準とする所定の範囲である。具体的には、通知部237は、指定位置に対応する指定範囲に含まれる新規登録車の提供位置の数が所定の閾値を超えた場合に、第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。所定の閾値は、例えば、予め設定された数値(例えば10台等)であってもよし、ユーザUが設定した数値であってもよい。通知部237は、このような処理をユーザUごとに実行する。このようにすることで、情報処理装置2は、通知情報を通知する頻度を少なくすることができる。
【0045】
ユーザUが通知情報を確認する蓋然性が低い時間帯(例えば深夜等)に情報処理装置2が通常情報を通知してしまうと、ユーザUが通知情報の確認を逃してしまう蓋然性が高くなる。そこで、通知部237は、所定の時間帯に新規登録車が登録された場合、他の時間帯に第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。所定の時間帯は、ユーザUが通知情報を確認する蓋然性が低い時間帯であり、例えば深夜の時間帯(例えば、23時から翌日4時までの間等)である。他の時間帯は、ユーザUが通知情報を確認する蓋然性が高い時間帯であり、例えば日中の時間帯(例えば、9時から18時までの間等)である。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザUが通知情報の確認を逃してしまう蓋然性を低減させることができる。
【0046】
ユーザUは、自己の希望車両に該当する新規登録車が登録された場合、当該新規登録車の提供位置が指定位置から多少離れていても当該新規登録車の利用を希望する場合がある。そこで、通知部237は、新規登録車が希望車両に該当する場合であって、指定範囲である第1範囲よりも広い第2範囲に新規登録車の提供位置が含まれる場合に、当該指定位置を指定した第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。
【0047】
具体的には、まず、範囲設定部236は、ユーザUの希望車両に該当する新規登録車が登録された場合、第1範囲よりも広い第2範囲を所定の範囲として設定する。そして、通知部237は、範囲設定部236が設定した第2範囲に新規登録車の提供位置が含まれる場合に、第2範囲に基づく指定範囲を指定した第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。このようにすることで、情報処理装置2は、希望車両に該当する新規登録車が登録されたことに応じてユーザUに通知情報を通知する機会を増やすことができる。
【0048】
ところで、車両の数は、地域に応じて差が生じ得る。例えば、住宅街では車両の数が多くなり得、オフィス街では車両の数が少なくなり得る。そのため、ユーザUに通知情報を通知するための条件に用いる所定の範囲を一律に設定してしまうと、車両の数が少ない地域では通知情報を通知する頻度が低くなり、カーシェアリングサービスの利用を促進することができなくなり得る。そこで、情報処理装置2は、指定位置の周囲に存在する車両の数に応じて所定の範囲を設定する。
【0049】
具体的には、範囲設定部236は、車両の数が所定の閾値以上になる範囲を、指定範囲として設定する。所定の閾値は、予め設定された数値(例えば10台等)であってもよいし、ユーザUが設定した数値であってもよい。その後、通知部237は、範囲設定部236が設定した指定範囲に含まれる提供位置で提供される新規登録車が登録された場合に、当該指定範囲に基づく指定位置を指定した第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。このようにすることで、情報処理装置2は、地域によって生じる通知情報を通知する頻度の差を減らすことができる。
【0050】
[情報処理システムSの処理]
続いて、情報処理システムSの処理の流れについて説明する。
図5は、情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。
図5においては、ユーザ端末1aを使用するユーザU1と、ユーザ端末1bを使用するユーザU2とが車両を利用する会員であり、ユーザ端末1cを使用するユーザU3が車両を提供する会員であるとして説明する。また、
図5においては、各ユーザが会員として登録された後の処理について説明する。
【0051】
本処理は、ユーザ端末1bが、契約締結要求を情報処理装置2に送信したことを契機として開始する(S1)。状態変更部233は、受付部231が契約締結要求を受け付けた後において、ユーザU2がカーシェアリングサービスでの共同利用契約を締結したことを契機として、ユーザU2を、第1会員状態から第2会員状態に変更する(S2)。
【0052】
ユーザ端末1cは、車両情報を含む車両登録要求を情報処理装置2に送信する(S3)。受付部231が車両登録要求を受け付けると、車両登録部234は、当該車両登録要求に基づいて、新規登録車を登録する(S4)。
【0053】
選択部235は、新規登録車が登録されると、当該新規登録車の提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定したユーザUとして、ユーザU1及びユーザU2を特定する(S5)。選択部235は、特定したユーザU1及びユーザU2の中から、第1対象の会員としてユーザU1を選択し、第2対象の会員としてユーザU2を選択する(S6)。
【0054】
そして、通知部237は、選択部235が選択した第1対象のユーザU1のユーザ端末1aに通知情報を通知し、選択部235が選択した第2対象のユーザU2のユーザ端末1bに登録車情報を通知する(S7、S8)。
【0055】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置2は、カーシェアリングサービスにおいて新規登録車が登録された場合に、当該新規登録車が提供される提供位置を含む所定の範囲に含まれる指定位置を指定した第1会員状態のユーザUに通知情報を通知する。このようにすることで、情報処理装置2は、共同利用契約を締結する動機づけを第1会員状態の会員に提供することができる。また、通知情報が通知された会員は、指定位置の周囲に新規登録車が登録されたことを把握することができる。これにより、情報処理装置2は、車両の利用が許可される第2会員状態の会員の数を増やすことができる。その結果、情報処理装置2は、カーシェアリングサービスの利用を促進することができる。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0057】
1 ユーザ端末
2 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 受付部
232 会員登録部
233 状態変更部
234 車両登録部
235 選択部
236 範囲設定部
237 通知部
S 情報処理システム
U ユーザ