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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010393
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスのための滅菌配置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20220106BHJP
   A61M 5/00 20060101ALI20220106BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A61M5/20
A61M5/00 500
A61M5/142 520
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021187792
(22)【出願日】2021-11-18
(62)【分割の表示】P 2020521552の分割
【原出願日】2018-10-15
(31)【優先権主張番号】62/572,715
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルガリータ ファルコヴィチ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD13
4C066EE06
4C066FF06
4C066GG18
4C066HH13
(57)【要約】
【課題】滅菌装置を含む薬物送達システムの提供。
【解決手段】薬剤を注射するための薬物送達システムであって、空洞を画定するハウジングと、空洞内部に受け入れられ薬剤を受け入れるように構成される容器であって、容器内部で移動するように構成されるストッパを含む、容器と、空洞内部に受け入れられ容器内部でストッパを駆動するように構成される駆動組立品と、空洞内部に受け入れられ容器と流体連通して配置されるように構成される針であって、第1の位置および第1の位置から間隔が空けられた第2の位置から移動可能な針を含む、針アクチュエータ組立品と、薬物送達システムの薬物送達プロセスを開始するように構成されるアクチュエータと、空洞内部に受け入れられ薬物送達プロセスの開始時に容器、駆動組立品、および針アクチュエータ組立品のうちの少なくとも1つを滅菌するように構成される滅菌装置と、を含む薬物送達システム。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を注射するための薬物送達システムであって、前記システムは、
空洞を画定するハウジングと、
前記空洞内部に受け入れられおよび薬剤を受け入れるように構成される容器であって、前記容器内部で移動するように構成されるストッパを含む、容器と、
前記空洞内部に受け入れられおよび前記容器内部で前記ストッパを駆動するように構成される駆動組立品と、
前記空洞内部に受け入れられ、および前記容器と流体連通して配置されるように構成される針であって、第1の位置および前記第1の位置から間隔が空けられた第2の位置から移動可能な針を含む、針アクチュエータ組立品と、
前記薬物送達システムの薬物送達プロセスを開始するように構成されるアクチュエータと、
前記空洞内部に受け入れられ、および前記薬物送達プロセスの開始時に、前記容器、前記駆動組立品、および前記針アクチュエータ組立品のうちの少なくとも1つを滅菌するように構成される滅菌装置と、
を含むことを特徴とする薬物送達システム。
【請求項2】
前記滅菌装置は、前記容器、前記駆動組立品、および前記針アクチュエータ組立品のうちの少なくとも1つを滅菌するための紫外線を放射する少なくとも1つの光源を含むことを特徴とする請求項1に記載の薬物送達システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源は少なくとも1つの発光ダイオード(LED)光を含むことを特徴とする請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項4】
前記滅菌装置は、前記少なくとも1つの光源に操作可能に接続される電源をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項5】
前記電源は、少なくとも1つの電池を含むことを特徴とする請求項4に記載の薬物送達システム。
【請求項6】
前記滅菌装置は、前記電源に操作可能に接続されおよび前記薬物送達システムのための薬物送達プロセスの開始時に前記電源に信号を送信するように構成されるセンサーをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の薬物送達システム。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記ハウジングの中に設けられた作動ボタンを含み、前記作動ボタンは、第1の非活動性位置と第2のそこで前記薬物送達システムの薬物送達プロセスが開始される起動位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項6に記載の薬物送達システム。
【請求項8】
前記作動ボタンは、前記作動ボタンが前記第1の非活動性位置から前記第2の起動位置へ移動させられたときに前記センサーを作動させる磁石を含むことを特徴とする請求項7に記載の薬物送達システム。
【請求項9】
前記センサーは、ホール効果トランジスタセンサーであることを特徴とする請求項6に記載の薬物送達システム。
【請求項10】
前記滅菌装置は、前記少なくとも1つの光源に操作可能に接続されおよび所定時間後に前記少なくとも1つの光源を遮断するように構成されるタイマーをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光源は4つの光源を含み、および
前記4つの光源の各々は、前記ハウジングの異なった内側表面に位置付けられることを特徴とする請求項2に記載の薬物送達システム。
【請求項12】
薬物送達システムを滅菌するための方法であって、前記方法は、
前記薬物送達システムを提供する工程であって、前記薬物送達システムは、
空洞を画定するハウジングと、
前記空洞内部に受け入れられおよび薬剤を受け入れるように構成される容器であって、前記容器内部で移動するように構成されるストッパを含む、容器と、
前記空洞内部に受け入れられおよび前記容器内部で前記ストッパを駆動するように構成される駆動組立品と、
前記空洞内部に受け入れられ、および前記容器と流体連通して配置されるように構成される針を含む、針アクチュエータ組立品と、
前記薬物送達システムの薬物送達プロセスを開始するように構成される作動ボタンと、
前記空洞内部に受け入れられる滅菌装置と、
を含む、工程と、
前記作動ボタンを第1の位置から第2の位置に作動させる工程と、
前記作動ボタンの前
記第1の位置から前記第2の位置への移動に応答して前記滅菌装置を起動させる工程と、
を含むことを特徴とする薬物送達システムを滅菌するための方法。
【請求項13】
前記滅菌装置は、前記容器、前記駆動組立品、および前記針アクチュエータ組立品のうちの少なくとも1つを滅菌するための紫外線を放射するように構成される少なくとも1つの光源を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記滅菌装置は、前記少なくとも1つの光源に操作可能に接続される電源をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
外部コネクタまたは誘導配置のうちの少なくとも1つによって前記電源を再充填する工程をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記滅菌装置は、前記電源に操作可能に接続されるセンサーをさらに含み、およびさらに、前記作動ボタンは、磁石を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記作動ボタンが前記第1の位置から前記第2の位置に移動したことを前記センサーが感知したときに、前記電源に信号を送信する構成をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記センサーは、ホール効果トランジスタセンサーであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記滅菌装置は、前記少なくとも1つの光源に操作可能に接続されるタイマーをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
所定時間後に前記少なくとも1つの光源を遮断する工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月16日に出願された「薬物送達デバイスのための滅菌配置(Sterilization Arrangement for Drug Delivery Device)」という発明の名称の米国仮出願第62/572,715号に対する優先権を主張し、その開示の全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、および特に、薬物送達デバイスのための滅菌配置に関する。
【0003】
様々な種類の自動注射または薬物送達デバイスは、薬液および他の液体治療製剤が訓練されていない人員によって投与されまたは自己注射されることを可能にするために、開発されてきた。概して、これらのデバイスは、液体治療製剤で事前充填されたリザーバ、および使用者によってトリガされ得るある種の自動針注射機構を含む。投与されるべき流体または薬物の容積が概して1mLのような特定の容積未満であるとき、自動注射装置が典型的には使用され、これは典型的には約10秒から15秒の注射時間を有する。投与されるべき流体または薬物の容積が1mLを超えるとき、注射時間は、概して、より長くなり、結果的に、患者にとってデバイスと患者の皮膚の対象領域との間の接触を維持することが困難になる。さらに、投与されるべき薬物の容積が大きくなるにつれて、注射のための時間の増大が望ましくなる。患者にゆっくりと注射されるべき薬品のための従来の方法は、IVを開始しおよび薬物を患者の体内にゆっくりと注射することである。そのような手順は、典型的には、病院または外来診療の場で行われる。
【0004】
特定のデバイスは、家庭の場における自己注射を可能にし、および患者の皮膚内に液体治療製剤を徐々に注射することができる。いくつかの場合において、これらのデバイスは、液体治療製剤が患者に注入されている間に、それらが患者によって「着用(worn)」されるのを可能にするのに十分に小さい(高さおよび全体的サイズの両方において)。これらのデバイスは、典型的には、液体治療製剤をリザーバの中から注射針内に流れさせるためのポンプまたは他の種類の排出機構を含む。そのようなデバイスは、また、典型的には、液体治療製剤を適時に流れ始めさせるための弁または流量制御機構(flow control mechanism)、および注射を開始するためのトリガ機構を含む。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様において、薬剤を注射するための薬物送達システムは、空洞を画定するハウジングと、空洞内部に受け入れられおよび薬剤を受け入れるように構成される容器であって、容器内部で移動するように構成されるストッパ、およびクロージャ、を含む容器と、空洞内部に受け入れられおよび容器内部でストッパを駆動するように構成される駆動組立品(drive assembly)と、空洞内部に受け入れられ、および容器と流体連通して配置されるように構成される針であって第1の位置および第1の位置から間隔が空けられた第2の位置から移動可能な針を含む、針アクチュエータ組立品(needle actuator assembly)と、空洞内部に受け入れられおよび薬物送達システムの起動時に容器、駆動組立品、および針アクチュエータ組立品のうちの少なくとも1つを滅菌するように構成される滅菌配置と、を含む。
【0006】
別の態様において、滅菌配置は、容器、駆動組立品、および針アクチュエータ組立品のうちの少なくとも1つを滅菌するための紫外線を放射する少なくとも1つの光源を含んでいてもよい。少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)光を含んでいてもよい。滅菌配置は、少なくとも1つの光源に操作可能に(operatively)接続される電源(power source)を含んでいてもよい。電源は、少なくとも1つの電池を含んでいてもよい。滅菌配置は、電源に操作可能に接続されおよび薬物送達システムのための薬物送達プロセスの開始時に電源に信号を送信するように構成されるセンサーを含んでいてもよい。作動ボタンは、ハウジングの中に設けられ、および第1の非活動性位置(inactive position)と第2のそこで薬物送達システムの薬物送達プロセスが開始される起動位置(activation position)との間を移動可能であってもよい。作動ボタンは、作動ボタンが第1の非活動性位置から第2の起動位置に移動させられたときにセンサーを起動する磁石を含んでいてもよい。センサーは、ホール効果トランジスタセンサーであってもよい。滅菌配置は、光源に操作可能に接続されおよび所定時間後に光源を遮断(shut off)するように構成されるタイマーを含んでいてもよい。少なくとも1つの光源は、4つの光源を含んでいてもよい。光源は、ハウジングの異なった内側表面(inner side surfaces)に位置付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面と併せて開示の実施形態の以下の説明を参照することによって、本開示の上述のおよび他の特徴および利点ならびにそれらを達成する方法はより明らかになり、および開示それ自体はよりよく理解されるであろう。
図1】本発明の1つの態様による薬物送達システムの斜視図である。
図2】本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの斜視断面図である。
図3】本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの正面断面図である。
図4】取り外されたハウジングの上部および使用前位置(pre-use position)にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上面図である。
図5】使用前位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上部断面図である。
図6】使用前位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの正面断面図である。
図7】取り外されたハウジングの上部および初期作動位置(initial actuation position)にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上面図である。
図8】初期作動位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上部断面図である。
図9】初期作動位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの正面断面図である。
図10】取り外されたハウジングの上部および使用位置(use position)にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上面図である。
図11】使用位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上部断面図である。
図12】使用位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの正面断面図である。
図13】取り外されたハウジングの上部および使用後位置(post-use position)にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上面図である。
図14】使用後位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの上部断面図である。
図15】使用後位置にある薬物送達システムを示す、本発明の1つの態様による図1の薬物送達システムの正面断面図である。
図16】取り外されたハウジングの上部を示す、本発明の別の態様による滅菌配置を含む薬物送達システムの上面図である。
図17図16の薬物送達システムの滅菌配置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の記載は、本発明を実施するために考えられる説明された実施形態を当業者が製造しおよび使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、および代替物は、依然として、当業者に容易に明らかになるであろう。任意のおよび全てのそのような修正、変形、等価物、および代替物は、本発明の精神および範囲の中に入ることが意図される。
【0009】
以下、説明の目的のために、用語「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右の(right)」、「左の(left)」、「垂直の(vertical)」、(水平の(horizontal)」、「上の(top)」、「下の(bottom)」、「横の(lateral)」、「縦の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付図面に示されおよび以下の明細書に記載される具体的なデバイスは、単に、本発明の例示的な実施形態であることも理解されよう。それ故、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的な寸法および他の物理的な特徴は、制限的であるとしてみなされるべきではない。
【0010】
図1から図15を参照して、本開示の1つの態様による薬物送達システム10は、駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18を含む。駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18は、ハウジング20によって画定される空洞内部に少なくとも部分的に位置付けられる。ハウジング20は上部(top portion)22および下部(bottom portion)24を含むが、ハウジング20のための他の適当な配置が利用されてもよい。1つの態様において、薬物送達システム10は、 使用者に着用されまたは固定されおよび使用者に注射を介して容器14内部に供給される薬剤の所定の投与量を送達するように構成される注射器デバイスである。システム10は、薬剤が設定時間内に送達される「ボーラス注入(bolus injection)」を行うために利用されてもよい。薬剤は、45分に至るまでの時間にわたって送達されてもよいが、他の適当な注射の量および持続時間が利用されてもよい。ボーラス投与または送達は、律速(rate controlling)を用いて実行され得、または具体的な律速を有さなくてもよい。システム10は、速度を可変として固定圧力(fixed pressure)で使用者に薬剤を送達してもよい。システム10の概括的な操作(general operation)は、図1から図15に関連して下述される。
【0011】
図1から図15を再度参照して、システム10は、使用者による作動ボタン26の係合を通して機能(operate)するように構成され、これは、使用者の皮膚を貫通する針アクチュエータ組立品18の針28、針28を容器14との流体連通状態に置きおよび容器14から流体または薬剤を放出するための駆動組立品12の作動をもたらし、および薬剤の注射後の針28の引き抜きは完了される。薬物送達システムの概括的な操作は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2013/155153号および国際公開第2014/179774号に示されおよび記載されている。システム10のハウジング20は、システム10の状態に関して使用者に表示を提供するように構成される表示器配置(indicator arrangement)32を見るための表示器窓(indicator window)30と、容器14を見るための容器窓31と、を含む。表示器窓30は、表示器配置32の鮮明なビューを提供するための拡大レンズであってもよい。表示器配置32は、システム10の使用前状態、使用状態、および使用後状態を示すように、システム10の使用の間、針アクチュエータ組立品18に沿って移動する。表示器配置32は、状態に関する視覚的なしるし(visual indicia)を提供するが、聴覚的または触覚的のような他の適当なしるしが、代替的または付加的なしるしとして設けられていてもよい。
【0012】
図4から図6を参照して、システム10の使用前位置の間、容器14は、駆動組立品12および弁組立品16から間隔が空けられており、および針28は、格納位置(retracted position)にある。システム10の初期作動の間、図7から図9に示されるように、駆動組立品12は、弁組立品16に向かって容器14を移動させるように容器14と係合し、弁組立品16は、容器14のクロージャ36を貫通し、および管(tube)(不図示)または他の適当な配置を介して針28と流体連通する容器14の内部に薬剤を配置するように、構成される。駆動組立品12は、容器14のストッパ34と係合するように構成され、ストッパ34は、当初、容器14内部の流体または薬剤の非圧縮性によって、容器14全体を弁組立品16と係合するように移動させることとなる。システム10の初期作動は、使用者による作動ボタン26の係合によって引き起こされ、使用者による作動ボタン26の係合は、以下により詳細に記載されるように針アクチュエータ組立品18および駆動組立品12を解放する。初期作動の間、針28は、依然として格納位置にあり、およびシステム10の使用者に注射するための伸展位置(extended position)に今にも移動しようとしている。
【0013】
システム10の使用位置の間、図10から図12に示されるように、容器14から針28を通しておよび使用者に薬剤を送達するように駆動組立品12が容器14内部でストッパ34を移動させる状態で、針28は、ハウジング20の少なくとも部分的に外側の伸展位置にある。使用位置において、弁組立品16は、針28を容器14との流体連通状態に置くように、容器14のクロージャ36を既に貫通しており、これはまた、流体は容器14から分注され得るので、駆動組立品12が容器14に対してストッパ34を移動させることを可能にする。図13から図15に示されるシステム10の使用後位置において、針28は、格納位置にあり、ならびに針28を密封しおよび容器14からの流体または薬剤の何らかの残留流を防止するようにパッドと係合している。容器14および弁組立品16は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2015/081337号に示されおよび記載される容器14および弁組立品16であってもよい。
【0014】
図16および図17を参照して、1つの態様において、滅菌装置(sterilizer)もまた、システム10内に設けられる。滅菌装置は、システム10の内部構成部品(inner component)を滅菌するための光源50を含む。1つの態様において、光源50は、ハウジング20の内部空洞に紫外(UV)光を供給する。光源50によって供給されるUV光は、駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18のような内部構成部品を滅菌するように、システム10の内部構成部品に向けられる。1つの態様において、光源50は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)光を含む。1つの態様において、単一の光源50がハウジング20内に設けられる。また、複数の光源50がハウジング20内に設けられることも考えられる。1つの態様において、4つの光源50がハウジング20内に設けられる。1つの態様において、光源50は、システム10内の各構成部品にUV光を照らす。別の態様において、光源50は、システム10内の構成部品の一部にUV光を照らす。システム10の内側で成育または発育する全ての細菌または汚染菌(contaminants)は、ハウジング20の内側に無菌環境(sterile environment)を提供するように、UV光によって滅菌される。1つの態様において、光源50は、各々、ハウジング20の異なった内側表面に位置付けられる。
【0015】
図16および図17を再度参照して、1つの態様において、光源50は、電源52に接続される。電源52は、光源50を照らすための電力を供給することができる任意の配置であることができる。電源52は、ハウジング20内部に設けられてもよい。特に、電源52は、上部22および/または下部24に設けられてもよい。1つの態様において、電源52は、少なくとも1つの電池を含む。また、電源52は、ハウジング20の外部の電源として設けられてもよいことが考えられる。例えば、電源52は、ハウジング20に配線接続される電池パックであってもよいが、ハウジング20の外部に設けられてもよい。電源52は、交換可能および/または再充電可能であってもよい。1つの態様において、複数の電池は、光源50に電力を供給する電源52として設けられる。電池は、電気取出口(electrical outlet)に延びるコードのような外部コネクタによって、または誘導配置(induction arrangement)(不図示)によって、充填されてもよい。
【0016】
図16および図17を再度参照して、センサー54もまた、薬物送達作動プロセスの開始時に光源50作動させるために、ハウジング20内に設けられる。センサー54は、薬物送達作動プロセスが開始されたときを感知するように構成され、およびシステム10内の1つまたは複数の構成部品を滅菌するための光源50によってUV光が放出されるように電源52から光源50に電力を供給するように、電源52に信号を送信する。1つの態様において、センサー54は、システム10のスイッチまたはボタンの上または中に設けられる磁石56と協働するホール効果トランジスタセンサーである。1つの態様において、センサー54は、システム10の作動ボタン26上に設けられる。また、センサー54は、光源50が薬物送達作動プロセスとは無関係に作動させられ得るように、作動ボタン26から離れたスイッチまたはボタン(不図示)上に設けられ得ることも考えられる。システム10の作動ボタン26が作動させられたとき、センサー54は、光源50に電力を供給するための電源52を起動するための信号を送信する。したがって、システム10が薬物送達プロセスを始めから終わりまで進める際に、光源50はシステム10の内部構成部品を滅菌する。別の態様において、タイマー58は、起動の所定時間後に光源50が消される(turned off)こととなるように、電源52に接続される。光源50が起動されている時間の長さは、タイマー58によって調整可能である。
【0017】
図16のデバイスおよび図17の論理図を参照して、薬物送達システム10を滅菌する方法が記載される。上記されるように、薬物送達プロセスを作動させるために、作動ボタン26は押し下げられる。作動ボタン26が押し下げられるとき、作動ボタン26内に設けられた磁石56は、センサー54を作動させる。センサー54は、電源52を起動するために電源52に信号を送信する。電源52は、次いで、光源50内部でLED光を起動するために光源50に電力を供給する。光源50のLED光は、内部構成部品を滅菌するためにシステム10の内部構成部品にUV光を投げかける。1つの態様において、UV光は、駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18のうちの少なくとも1つに投げかけられる。また、UV光は駆動組立品12、容器14、弁組立品16、および針アクチュエータ組立品18の各々に投げかけられてもよいことが考えられる。作動ボタン26が押し下げられおよび光源50が起動された状態で、所定時間後に、タイマー58は、UV光の放射(emittance)を停止するように光源50を遮断する。システム10の使用後に、使用者は、ハウジング20の内部または外部のいずれかで電源52を再充電することができる。
【0018】
1つの開示された態様の要素は、異なる組み合わせを形成するために1つまたは複数の他の開示された態様の要素と組み合わせられ得、その全ては本発明の範囲内であるとみなされる。
【0019】
本開示は例示的な設計を有するように記載されてきたが、本開示は、本開示の精神および範囲の中でさらに修正され得る。本出願は、したがって、その一般原則を用いる開示の任意の変形、使用、または翻案(adaptation)を包含するように意図される。さらに、本出願は、本開示の属するおよび添付される特許請求の範囲内に入る技術分野における慣行または慣例の中に入るような本開示からの逸脱を包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17