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特開2022-107383噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット
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  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図1A
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図1B
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図2
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図3
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図4
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図5
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図6
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図7
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図8
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  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図10
  • 特開-噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022107383
(43)【公開日】2022-07-21
(54)【発明の名称】噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機、ドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法、および、ドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニット
(51)【国際特許分類】
   D06F 17/08 20060101AFI20220713BHJP
   D06F 35/00 20060101ALI20220713BHJP
   D06F 17/10 20060101ALI20220713BHJP
   D06F 37/06 20060101ALI20220713BHJP
   D06F 17/04 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
D06F17/08 B
D06F35/00 Z
D06F17/10 B
D06F17/08 C
D06F37/06
D06F17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002304
(22)【出願日】2021-01-08
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南井 仁
(72)【発明者】
【氏名】金 ミンス
(72)【発明者】
【氏名】中西 健浩
【テーマコード(参考)】
3B165
3B168
【Fターム(参考)】
3B165AA04
3B165AA05
3B165AA15
3B165AA32
3B165AB01
3B165AE02
3B165AE04
3B165AE05
3B165BA52
3B165CA01
3B165CA11
3B165CB02
3B165CB13
3B165CB31
3B165CB52
3B165CB55
3B165CB59
3B165CE01
3B165CE03
3B165CE04
3B165DW01
3B165DW03
3B165DW04
3B165DW05
3B165FA02
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA25
3B165GH02
3B168AA04
3B168AA05
3B168AA15
3B168AA32
3B168AB01
3B168AE02
3B168AE04
3B168AE05
3B168BA52
3B168CE01
3B168CE12
3B168CE13
(57)【要約】
【課題】特定のドラム式洗濯機を利用することによって、噴流式の洗濯を実現する。
【解決手段】ドラム3の底部に、ドラム3から独立して回転可能なパルセータ4と、ドラム3に収容されてパルセータ4と連結される噴流式洗濯ユニット7とを備える。制御装置6が、噴流式洗濯ユニット7を利用して噴流式の洗濯を実行する特殊洗浄処理部6bを有し、その特殊洗浄処理部6bが、噴流式洗濯ユニット7がドラム3の内部下側に配置された状態で、噴流式洗濯ユニット7の貯水槽40に水を貯める貯水処理と、ドラム3の回転を規制した状態で、パルセータ4を回転させることによって貯水槽40の側面に設置されたサブパルセータ42を回転させる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機であって、
投入口を前面に有する筐体と、
前記筐体の内部に設置された貯水可能なタブと、
前記投入口に開口部を向けた状態で、前記タブに回転可能に収容されたドラムと、
前記タブに給水する給水装置と、
前記タブから排水する排水装置と、
前記ドラムの底部に設置されていて、前記ドラムから独立して回転可能なパルセータと、
前記給水装置および前記排水装置の作動を制御するとともに、前記ドラムおよびパルセータの回転を制御する制御装置と、
前記投入口を通じて前記ドラムに収容可能に構成されるとともに、前記パルセータと連結可能に構成された噴流式洗濯ユニットと、
を備え、
前記噴流式洗濯ユニットは、
貯水可能な貯水槽と、
前記貯水槽の側面に回転可能に設置されたサブパルセータと、
前記パルセータの回転力を前記サブパルセータに伝達する回転力伝達機構と、
を有し、
前記制御装置が、前記噴流式洗濯ユニットを利用して噴流式の洗濯を実行する特殊洗浄処理部を有し、
前記噴流式洗濯ユニットが、前記パルセータと連結するように前記ドラムの内部下側に配置された状態で、
前記特殊洗浄処理部が、
前記給水装置を作動して前記貯水槽に水を貯める貯水処理と、
前記ドラムの回転を規制した状態で、前記パルセータを回転させることによって前記サブパルセータを回転させる噴流式洗濯処理と、
を実行する、ドラム式洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記タブと前記ドラムとの間に、これらを機械的に係合可能な回転規制手段が設けられ、
前記回転規制手段によって前記ドラムの回転が規制される、ドラム式洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記ドラムを回転駆動するモータを更に備え、
前記モータを電気的に制御することによって前記ドラムの回転が規制される、ドラム式洗濯機。
【請求項4】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記特殊洗浄処理部が、前記噴流式洗濯処理で、前記サブパルセータを正転方向および逆転方向の双方に回転させる、ドラム式洗濯機。
【請求項5】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記噴流式洗濯ユニットが、前記パルセータの表面に着脱可能に嵌合することによって当該パルセータに連結される連結部を有し、
前記連結部を介して、前記パルセータの回転動力が前記噴流式洗濯ユニットに伝達される、ドラム式洗濯機。
【請求項6】
請求項5に記載のドラム式洗濯機において、
前記ドラムの内部下側に配置されている前記噴流式洗濯ユニットが、前記投入口を閉じる扉に押されることにより、前記パルセータの表面に前記連結部が嵌合した状態が、保持される、ドラム式洗濯機。
【請求項7】
請求項6に記載のドラム式洗濯機において、
前記回転力伝達機構が、前記連結部と同軸に設けられた駆動プーリと、前記サブパルセータと同軸に設けられた従動プーリと、前記駆動プーリおよび前記従動プーリに掛け渡されたベルトとを有している、ドラム式洗濯機。
【請求項8】
請求項7に記載のドラム式洗濯機において、
前記駆動プーリおよび前記従動プーリが、前記貯水槽の同じ側壁に設置されていて、前記連結部よりも低い位置に前記サブパルセータが配置されている、ドラム式洗濯機。
【請求項9】
請求項1に記載のドラム式洗濯機において、
前記タブに貯まる水をノズルから前記ドラムの内部に噴射することによって循環させる水循環機構を更に備え、
前記噴流式洗濯ユニットが、前記ノズルに接続可能な通水手段を有し、
前記特殊洗浄処理部が、前記貯水処理の実行時に、前記水循環機構を作動させ、前記ノズルおよび前記通水手段を通じて前記貯水槽に給水する、ドラム式洗濯機。
【請求項10】
請求項9に記載のドラム式洗濯機において、
前記排水装置が、前記タブに貯まる水を排水する排水ポンプと、排水経路における前記排水ポンプの上流側の部位に一端が連なるとともに前記投入口の近傍に他端が配置された排水バイパス経路とを有し、
前記噴流式洗濯ユニットが、前記排水バイパス経路に接続可能な第2通水手段を有し、
前記特殊洗浄処理部が、排水処理の実行時に、前記排水ポンプを作動させ、前記第2通水手段および前記排水バイパス経路を通じて前記貯水槽から排水する、ドラム式洗濯機。
【請求項11】
ドラムから独立して回転可能なパルセータを備えたドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法であって、
前記パルセータの回転に連動して回転可能に構成されたサブパルセータを貯水槽の側面に有する噴流式洗濯ユニットを、投入口を通じて前記ドラムに収容して、前記パルセータと連結されるように前記ドラムの内部下側に固定する第1ステップと、
前記貯水槽に水を貯める第2ステップと、
前記ドラムの回転を規制した状態で、前記パルセータを回転させることによって前記サブパルセータを回転させる第3ステップと、
を含む、噴流式の洗濯方法。
【請求項12】
請求項11に記載の噴流式の洗濯方法において、
前記第1ステップで、前記投入口を閉じる扉によって前記噴流式洗濯ユニットが前記パルセータに押し付けられることにより、前記パルセータと連結するように前記ドラムの内部下側に固定される、噴流式の洗濯方法。
【請求項13】
請求項11に記載の噴流式の洗濯方法において、
前記第3ステップで、前記パルセータを正転方向および逆転方向の双方に回転させる、噴流式の洗濯方法。
【請求項14】
請求項11に記載の噴流式の洗濯方法において、
前記第2ステップで、前記ドラム式洗濯機が備える水循環機構を利用して前記貯水槽への給水を行う、噴流式の洗濯方法。
【請求項15】
ドラムから独立して回転可能なパルセータを当該ドラムの底部に備えるドラム式洗濯機向けの噴流式洗濯ユニットであって、
洗浄時に回転が規制される前記ドラムの内部下側に、前記パルセータと連結された状態で配置される、噴流式洗濯ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する技術は、ドラム式洗濯機を利用して噴流式の洗濯を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ドラム式洗濯機は、洗濯物を収容するドラムが、水平な横軸または傾斜した軸回りに回転する方式の洗濯機である。ドラム式洗濯機では、ドラムの回転によって洗濯物を持ち上げては落下させ、その衝撃を利用して洗濯物を洗う方式で洗濯処理が行われる(いわゆるたたき洗い)。
【0003】
従って、ドラム式洗濯機で必要な水量は、衣類が濡れる程度でよく、節水に優れる。また、水量が少ないので、洗剤等を高濃度で衣類に接触させることができ、その化学的作用を効果的に発揮させることができるメリットもある。
【0004】
開示する技術に関し、ドラム式洗濯機ではないが、特許文献1に、パルセータの上に、小型の貯水槽を取り付け、その貯水槽を利用して、少量の衣類を少量の水で洗浄できるようにした縦型洗濯機が開示されている。
【0005】
また開示する技術に関し、本出願人は、従来のドラム式洗濯機よりも優れた洗浄効果が得られる高機能なドラム式洗濯機を提案している(特許文献2)。そのドラム式洗濯機は、正逆両方向に回転可能なドラムに加え、ドラムから独立して正逆両方向に回転可能なパルセータを備える。そして、洗いや濯ぎの工程では、衣類の流動性が高まるように、ドラムおよびパルセータの双方が、独立して回転駆動される。
【0006】
なお、噴流式は、パルセータが貯水槽の底面に配置されている縦型洗濯機とは異なり、パルセータが貯水槽の側面に配置されている洗濯機を用いた洗濯方法である。噴流式の洗濯機は、縦型洗濯機よりも前から利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-84328号公報
【特許文献2】特開2020-110369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
子供服やスポーツウエアなどでは、泥でひどく汚れる場合がある。また、作業着などでは、油でひどく汚れる場合がある。
【0009】
縦型洗濯機の場合、多量の水の中で衣類を撹拌して洗濯するので、汚れのひどい衣類であっても、多量の水に汚れを拡散できるので、効果的に洗濯できる。また、衣類が動き回ることで布同士の擦れやパルセータ、筐体との摩擦が増えることで洗浄力が上がる。さらに、布の捩れや伸縮変形により汚れが落ちやすくなる。しかし、節水の点で、ドラム式洗濯機に劣るデメリットがある。噴流式の洗濯機の場合も同様である。
【0010】
一方、ドラム式洗濯機は、主に少ない水量で衣類の落下衝撃により洗うので、衣類の摩擦や変形が起きにくく、水が汚れやすい。そのため、衣類から水に汚れが移行し難くなって汚れが落ち難い。従って、ドラム式洗濯機は、汚れのひどい衣類は洗浄し難いという課題がある。
【0011】
また、洗濯機を用いて、犬や猫などのペット用品を洗いたい場合もある。更に、布おむつを洗いたい場合もある。このような洗濯物は、通常の衣類とは別に洗いたいという要望がある。従来は、その要望を満たすため、別途、専用の洗濯機を設置したり、コインランドリーを利用したりすることなどが行われている。
【0012】
それに対し、本出願人は、上述したように、ドラムから独立して回転するパルセータを備えた、高機能なドラム式洗濯機を提案している。本発明者らは、このドラム式洗濯機の機能を活用することで、噴流式の洗濯が可能になり、上述した課題の解消や要望の実現が可能になることを見出した。
【0013】
すなわち、開示する技術の主たる目的は、ドラム式洗濯機で、噴流式の洗濯を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
開示する技術は、噴流式の洗濯が可能なドラム式洗濯機に関する。
【0015】
前記ドラム式洗濯機は、投入口を前面に有する筐体と、前記筐体の内部に設置された貯水可能なタブと、前記投入口に開口部を向けた状態で、前記タブに回転可能に収容されたドラムと、前記タブに給水する給水装置と、前記タブから排水する排水装置と、前記ドラムの底部に設置されていて、前記ドラムから独立して回転可能なパルセータと、前記給水装置および前記排水装置の作動を制御するとともに、前記ドラムおよびパルセータの回転を制御する制御装置と、前記投入口を通じて前記ドラムに収容可能に構成されるとともに、前記パルセータと連結可能に構成された噴流式洗濯ユニットと、を備える。
【0016】
前記噴流式洗濯ユニットは、貯水可能な貯水槽と、前記貯水槽の側面に回転可能に設置されたサブパルセータと、前記パルセータの回転力を前記サブパルセータに伝達する回転力伝達機構と、を有している。
【0017】
前記制御装置が、前記噴流式洗濯ユニットを利用して噴流式の洗濯を実行する特殊洗浄処理部を有し、前記噴流式洗濯ユニットが、前記パルセータと連結するように前記ドラムの内部下側に配置された状態で、前記特殊洗浄処理部が、前記給水装置を作動して前記貯水槽に水を貯める貯水処理と、前記ドラムの回転を規制した状態で、前記パルセータを回転させることによって前記サブパルセータを回転させる噴流式洗濯処理と、を実行するように構成されている。
【0018】
すなわち、このドラム式洗濯機は、一般的なドラム式洗濯機とは異なり、ドラムの底部に、ドラムから独立して回転可能なパルセータが設置されている。そして、そのパルセータの回転を利用して作動する噴流式洗濯ユニットが備えられていて、ドラム式洗濯機が行う、たたき洗いとは異なる、噴流式の洗濯ができるようになっている。
【0019】
具体的には、制御装置の特殊洗浄処理部が、給水装置を作動して、噴流式洗濯ユニットの貯水槽に水を貯め、噴流式洗濯ユニットが動かないように、ドラムの回転を規制した状態で、パルセータを回転させて貯水槽の側面に設置されたサブパルセータを回転させる。
【0020】
それにより、貯水槽に投入した洗濯物は、水とともにサブパルセータによって撹拌される。つまり、縦型洗濯機のように、多量の水の中で洗濯物を撹拌して洗濯するので、汚れのひどい衣類であっても、多量の水に汚れを拡散できる。
【0021】
従って、汚れのひどい洗濯物を効果的に洗濯できる。貯水槽は、ドラムよりも容量は少ないので、その分節水できる利点もある。なお、貯水槽の内部をドラムの内部から隔離すれば、通常の衣類とは別に洗いたい洗濯物にも対応できる。このドラム式洗濯機によれば、利便性が向上する。
【0022】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記タブと前記ドラムとの間に、これらを機械的に係合可能な回転規制手段が設けられ、前記回転規制手段によって前記ドラムの回転が規制される、としてもよい。
【0023】
そうすれば、安定してドラムの回転を規制できる。
【0024】
前記ドラム式洗濯機が前記ドラムを回転駆動するモータを更に備える場合には、前記モータを電気的に制御することによって前記ドラムの回転が規制される、としてもよい。
【0025】
この場合も、ドラムの回転を規制できる。電気的な制御によるものであるため、機械的な機構が不要な利点がある。
【0026】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記特殊洗浄処理部が、前記噴流式洗濯処理で、前記サブパルセータを正転方向および逆転方向の双方に回転させる、としてもよい。
【0027】
パルセータの回転方向が反転することで、撹拌作用が促進されるので、洗濯効果を向上できる。
【0028】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記噴流式洗濯ユニットが、前記パルセータの表面に着脱可能に嵌合することによって当該パルセータに連結される連結部を有し、前記連結部を介して、前記パルセータの回転動力が前記噴流式洗濯ユニットに伝達される、としてもよい。
【0029】
パルセータの表面には、放射状に延びる撹拌用の突起が設けられている。従って、連結部を介してそのパルセータの表面の凹凸に嵌合するようにすれば、別途、パルセータに連結部材や連結部位を設けたりすることなく、パルセータの回転動力を噴流式洗濯ユニットに伝達することができる。
【0030】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記ドラムの内部下側に配置されている前記噴流式洗濯ユニットが、前記投入口を閉じる扉に押されることにより、前記パルセータの表面に前記連結部が嵌合した状態が、保持される、としてもよい。
【0031】
扉で噴流式洗濯ユニットをパルセータに押し付ければ、それだけで、パルセータの表面の凹凸を利用してパルセータと連結できる。別途、パルセータに連結部材や連結部位を設けたりすることなく、パルセータの回転動力を噴流式洗濯ユニットに伝達することができる。
【0032】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記回転力伝達機構が、前記連結部と同軸に設けられた駆動プーリと、前記サブパルセータと同軸に設けられた従動プーリと、前記駆動プーリおよび前記従動プーリに掛け渡されたベルトとを有している、としてもよい。
【0033】
そうすれば、必要最小限かつ簡素な部材で回転力伝達機構を構成でき、噴流式洗濯ユニットの構造を簡素化できる。製造コストも抑制できる。
【0034】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記駆動プーリおよび前記従動プーリが、前記貯水槽の同じ側壁に設置されていて、前記連結部よりも低い位置に前記サブパルセータが配置されている、としてもよい。
【0035】
駆動プーリおよび従動プーリが貯水槽の同じ側壁に設置すれば、よりいっそう構造が簡素化できる。そして、連結部を相対的に高く配置することで、連結部とパルセータとの回転中心を一致させることができ、サブパルセータを相対的に低く配置することで、少ない貯水量でも、また、サブパルセータのサイズを大きくしても、サブパルセータを水面下に配置できる。サブパルセータを水面下に配置すれば、水の撹拌性能が高まるので、洗濯効果が向上する。
【0036】
前記ドラム式洗濯機が、前記タブに貯まる水をノズルから前記ドラムの内部に噴射することによって循環させる水循環機構を更に備える場合には、前記噴流式洗濯ユニットが、前記ノズルに接続可能な通水手段を有し、前記特殊洗浄処理部が、前記貯水処理の実行時に、前記水循環機構を作動させ、前記ノズルおよび前記通水手段を通じて前記貯水槽に給水する、としてもよい。
【0037】
そうすれば、水循環機構を利用して貯水槽に給水できる。すなわち、手動による操作を省略して、制御により、自動的に給水できる。
【0038】
前記ドラム式洗濯機はまた、前記排水装置が、前記タブに貯まる水を排水する排水ポンプを有する場合には、排水経路における前記排水ポンプの上流側の部位に一端が連なるとともに前記投入口の近傍に他端が配置された排水バイパス経路を更に有するとともに、前記噴流式洗濯ユニットが、前記排水バイパス経路に接続可能な第2通水手段を有し、前記特殊洗浄処理部が、排水処理の実行時に、前記排水ポンプを作動させ、前記第2通水手段および前記排水バイパス経路を通じて前記貯水槽から排水する、としてもよい。
【0039】
そうすれば、排水ポンプを利用して貯水槽から排水できる。すなわち、手動による操作を省略して、制御により、自動的に排水できる。
【0040】
開示する技術はまた、ドラムから独立して回転可能なパルセータを備えたドラム式洗濯機を用いた噴流式の洗濯方法に関する。
【0041】
前記洗濯方法は、前記パルセータの回転に連動して回転可能に構成されたサブパルセータを貯水槽の側面に有する噴流式洗濯ユニットを、投入口を通じて前記ドラムに収容して、前記パルセータと連結されるように前記ドラムの内部下側に固定する第1ステップと、前記貯水槽に水を貯める第2ステップと、前記ドラムの回転を規制した状態で、前記パルセータを回転させることによって前記サブパルセータを回転させる第3ステップと、を含む。
【0042】
上述したドラム式洗濯機で説明したように、この洗浄方法によれば、特定のドラム式洗濯機を使用して、本来の洗浄形式とは異なる噴流式の洗濯が行える。従って、汚れのひどい洗濯物でも効果的に洗濯できる。
【0043】
前記第1ステップで、前記投入口を閉じる扉によって前記噴流式洗濯ユニットが前記パルセータに押し付けられることにより、前記パルセータと連結するように前記ドラムの内部下側に固定される、としてもよい。
【0044】
扉で噴流式洗濯ユニットをパルセータに押し付ければ、それだけで、パルセータの表面の凹凸を利用してパルセータと連結できる。別途、パルセータに連結部材や連結部位を設けたりすることなく、パルセータの回転動力を噴流式洗濯ユニットに伝達することができる。
【0045】
前記第3ステップで、前記パルセータを正転方向および逆転方向の双方に回転させる、としてもよい。また、前記第2ステップで、前記ドラム式洗濯機が備える水循環機構を利用して前記貯水槽への給水を行う、としてもよい。
【0046】
いずれの場合も、上述したドラム式洗濯機での説明と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0047】
開示する技術によれば、ドラム式洗濯機で噴流式の洗濯が行える。従って、汚れのひどい衣類等も効果的に洗濯できるので、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1A】縦型洗濯機による衣類の洗濯を説明するための図である。
図1B】ドラム式洗濯機による衣類の洗濯を説明するための図である。
図2】実施形態のドラム式洗濯機の構造を示す概略断面図である。
図3】水循環機構および排水装置の構造を示す概略図である。
図4】コントローラとその主な関連装置の関係を示すブロック図である。
図5】噴流式洗濯ユニットを示す概略斜視図である。
図6】噴流式洗濯ユニットを側方から見た概略図(左図)および後方から見た概略図(右図)である。
図7図6における矢印X-X線での概略断面図である。
図8】ドラム式洗濯機に噴流式洗濯ユニットを設置した状態を示す概略断面図である。
図9】ドラムの回転を規制する機械的な規制手段の一例を示す概略図である。
図10】噴流式洗濯処理の一連の流れを例示するフローチャートである。
図11】噴流式洗濯処理での主立った状態を示す概略図である。
【0049】
<洗濯機のタイプ>
家庭向けの洗濯機は、大別すると、縦型洗濯機とドラム式洗濯機とがある。図1Aおよび図1Bに、これら洗濯機を例示する。
【0050】
図1Aに示すように、一般に、縦型洗濯機では、縦置きされた水槽内のドラムに、衣類と十分量の洗浄水とを収容し、貯留された洗浄水をパルセータ(撹拌羽根)で撹拌することによって生じる水流で衣類を洗う(所謂「もみ洗い」)。
【0051】
一方、ドラム式洗濯機では、図1Bに示すように、ドラムが水槽内に横置きされている。そのドラムに衣類と小量の洗浄水とを収容し、ドラムが回転することによって衣類が持ち上げられて落ちる機械的作用で衣類を洗う(所謂「たたき洗い」)。特に、欧米では、日本のドラム式洗濯機よりも少ない水量(見た目には、衣類が濡れている程度)で行われるのが一般的である。従って、ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機に比べて、節水できる利点がある。
【0052】
しかし、ドラム式洗濯機の場合、洗浄水の量が少ないので、直ぐに洗浄水が汚れてしまう。そのため、汚れのひどい洗濯物は洗濯し難いという課題がある。給排水を繰り返すことも考えられるが、その場合は、洗濯処理が複雑化するし処理時間が長くなってしまう。
【0053】
更にドラム式洗濯機の場合、たたき洗いの機械的作用の大きさは、ドラムの大きさに起因する衣類の落差によってほぼ決まってしまうため、洗浄力の強化は難しい。ドラムの回転数を増やして落下の頻度を高めることも考えられるが、その場合も、回転数が上がると衣類がドラムに張り付いて落下しなくなるため、限界がある。
【0054】
そこで、本出願人が提案したのが、ドラムから独立して回転するパルセータを備えたドラム式洗濯機である(以下「高機能洗濯機」ともいう。特許文献2参照)。この高機能洗濯機によれば、従来のドラム式洗濯機で得られる「たたき洗い」による機械的作用に加え、衣類の流動に起因して衣類どうしやパルセータ、筐体と擦れる作用と衣類が捩れ・変形する作用が擦り合う作用も得ることができる。従って、この高機能洗濯機は、従来のドラム式洗濯機に比べて洗浄力に優れる。
【0055】
開示する技術は、この高機能洗濯機を応用したものである。従って、本実施形態で開示するドラム式洗濯機は、この高機能洗濯機がベースになっている。
【0056】
<ドラム式洗濯機>
図2に、本実施形態のドラム式洗濯機の構造を示す(以下、洗濯機1ともいう)。洗濯機1は、筐体10、タブ2、ドラム3、パルセータ4、モータ5、コントローラ6(制御装置)などで構成されている。更に、この洗濯機1には、汚れのひどい衣類や、通常の衣類とは別に洗濯したい洗濯物を効果的に洗濯するために、噴流式の洗濯を可能にするユニット(噴流式洗濯ユニット7)も装備されている(噴流式洗濯ユニット7については後述)。
【0057】
そして、この洗濯機1では、洗い工程、濯ぎ工程、および脱水工程の各行程が、設定されたプログラムに従って自動的に行えるように構成されている(全自動式)。なお、本実施形態の洗濯機1には乾燥機能はない。従って、乾燥工程は行われないが、洗濯機1に乾燥装置を設けて、更に乾燥工程も自動的に行えるようにしてもよい。
【0058】
筐体10は、フレームやパネルで構成されていて、箱形状に形成されている。筐体10の前面の略中央には、扉11で開閉される円形の投入口12が形成されている。衣類は、この投入口12を通じて出し入れされる。噴流式洗濯ユニット7もまた、この投入口12を通じて出し入れされる。筐体10の前面上部には、モニター、スイッチ等が配置された操作部13が設置されている。操作部13の後方に、コントローラ6が内蔵されている。
【0059】
タブ2は、貯水可能な有底円筒状の容器からなる。タブ2は、その開口を投入口12に向けて横置きにした状態で、筐体10の内部に設置されている。洗い工程や濯ぎ工程では、タブ2の下部に洗浄水や濯ぎ水が貯留される。
【0060】
タブ2の上方には、外部の給水源から配管を介してタブ2に水を供給する給水装置21が設置されている。図示は省略するが、給水装置21には、洗剤等を収容して、給水時に水と共に洗剤等をタブ2に送り込む薬剤トレイが設けられている。また、タブ2の下方には、不要になった水をタブ2から排水する排水装置22が設置されている。
【0061】
図3に簡略化して示すように、排水装置22は、排水ポンプ22a、排水経路22bなどで構成されている。この洗濯機1の場合、排水装置22は更に、排水バイパス経路22cを含む。排水経路22bの一端は、タブ2の下端部に接続されている。排水経路22bの他端は、洗濯機1の外部に導出されている。排水ポンプ22aは、その排水経路22bの途中に設置されている。排水ポンプ22aは、コントローラ6の制御に従って、タブ2に貯まる水を、排水経路22bを通じて洗濯機1から強制的に排水する。
【0062】
排水バイパス経路22cの一端は、排水経路22bにおける排水ポンプ22aの上流側の部位に接続されている。排水バイパス経路22cの他端は、投入口12の近傍に配置された接続口9に接続されている。接続口9は、投入口12を通じてアクセス可能な箇所に配置されている。
【0063】
更に、この洗濯機1には、タブ2に貯まる水をドラム3の内部に噴射することによって循環させる水循環機構も備えられている。水循環機構は、循環ポンプ23、配管やホースで構成された循環経路23a、散水ノズル8などで構成されている。散水ノズル8は、その噴出口をドラム3の内部に向けた状態で、タブ2の開口の上部に設置されている。
【0064】
循環経路23aの下端がタブ2の底部に接続され、循環経路23aの上端が散水ノズル8に接続されている。循環ポンプ23は、循環経路23aの下端側に設置されている。循環ポンプ23は、コントローラ6の制御に従って、タブ2に貯まる水を、循環経路23aを通じて散水ノズル8に向けて送水する。
【0065】
ドラム3は、一端に開口部31を有し、他端に底部32を有する有底円筒状の容器からなる。ドラム3の大部分は、ステンレス製の鋼板で形成されている。ドラム3は、その開口部31を投入口12に向け、底部32を後方に向けた状態でタブ2に収容されている。ドラム3は、前後方向に延びる回転軸Jを中心に回転可能となっている(回転軸Jは、略水平、または前方に向かって上り傾斜している)。
【0066】
ドラム3の周面には、内外に貫通する多数の脱水孔33が形成されている。ドラム3の内部には、複数のリフター35が設置されている。各リフター35は、横断面が略三角形状をした略柱状の部材からなる。リフター35は、ドラム3の内周面から内方に突出し、回転軸Jと平行な方向(回転軸方向)に延びるように設置されている。各リフター35は、周方向に略等間隔で配置されている。
【0067】
ドラム3の底部32には、1つのパルセータ4が設置されている。パルセータ4は、頭頂の低い略円錐形をした円板状の部材からなる。パルセータ4の直径は、ドラム3の底部32の直径よりも僅かに小さく形成されている。パルセータ4の表面には、半径方向に突出して延びる突出部4aが複数(本実施形態では3つ)設けられている。
【0068】
タブ2の底部32には、互いに独立して回転するインナーシャフト2aおよびアウターシャフト2bが設置されている(二重シャフト構造)。ドラム3は、アウターシャフト2bの上端部に連結されている。パルセータ4は、ドラム3の底部32を貫通したインナーシャフト2aの上端部に連結されている。
【0069】
それにより、パルセータ4およびドラム3は、互いに独立して回転軸Jを中心に回転する。そして、アウターシャフト2bおよびインナーシャフト2aは、タブ2の後側に配置されたモータ5に連結されている。
【0070】
(モータ5)
モータ5は、1つのステータと、その内外に配置されたインナーロータおよびアウターロータなどで構成されている。インナーロータおよびアウターロータの各々には、それぞれ異なる個数の磁極を構成する永久磁石が設けられている。アウターシャフト2bは、インナーロータに連結されている。インナーシャフト2aは、アウターロータに連結されている。
【0071】
ステータは、アウターロータおよびインナーロータの双方で共用されている。すなわち、インバータ制御により、ステータには、各ロータの磁極数に対応した電流が重畳された複合電流が供給される。それにより、2つのロータは、互いに独立して回転するように構成されている。モータ5は、アウターシャフト2bおよびインナーシャフト2aの各々を介して、ドラム3およびパルセータ4の各々を、正転又は逆転の所定の方向に、所定の速度で回転させる(デュアルロータモータ)。
【0072】
尚、このモータは一例である。ドラム3およびパルセータ4の各々を、独立して駆動できるのであれば、その駆動機構は仕様に応じて選択できる。例えば、ドラム3およびパラメータの各々を2つのモータで個別に駆動してもよいし、ドラム3およびパルセータ4の各々に対応した2つのロータと2つのステータとが一体に構成された1つのモータで駆動してもよい。
【0073】
(コントローラ6)
図4に、コントローラ6とその主な関連装置の関係を示す。コントローラ6は、CPU、メモリ、インターフェース等のハードウエアと、ハードウエアに実装されている制御プログラム、データ等のソフトウエアとで構成されている。コントローラ6は、操作部13、モータ5、給水装置21、排水装置22、循環ポンプ23などと電気的に接続されている。
【0074】
コントローラ6は、操作部13から入力される信号に基づいて、モータ5等に制御信号を出力し、洗濯機1を総合的に制御する。コントローラ6には、機能的な構成として、洗濯機1を制御する通常洗浄処理部6aおよび特殊洗浄処理部6bが設けられている。
【0075】
通常洗浄処理部6aは、衣類を対象とした、洗濯機本来の洗濯処理を実行する。すなわち、洗い工程、濯ぎ工程、脱水工程などからなる一連の行程を自動的に運転する。
【0076】
例えば、通常洗浄処理部6aは、洗い工程および濯ぎ工程では、給水装置21を作動させ、タブ2に所定量の洗浄水または濯ぎ水を給水する。そして、通常洗浄処理部6aは、モータ5を制御して、所定のタイミングで切り替えながら、パルセータ4およびドラム3を同期回転または相反回転させる。
【0077】
その後、排水装置22(排水ポンプ22a)を作動させ、タブ2に貯まる水をタブ2から排出する。脱水工程では、通常洗浄処理部6aは、排水装置22を作動させ、水をタブ2から排出しながら、モータ5を制御して、パルセータ4およびドラム3を同期して同方向に高速で回転させる。そうすることにより、遠心力を利用して衣類を脱水する。
【0078】
一方、特殊洗浄処理部6bは、噴流式洗濯ユニット7の利用により、汚れのひどい衣類などに適した噴流式の洗濯処理(噴流式洗濯処理)を実行する。
【0079】
<噴流式洗濯ユニット7>
図5図6図7に、噴流式洗濯ユニット7の一例を示す。噴流式洗濯ユニット7は、投入口12を通じてドラム3に収容される。そのため、噴流式洗濯ユニット7の前後、上下、および左右の各方向の長さは、ドラム3の内部の前後、上下、および左右の各方向の長さよりも短いサイズに構成されている。なお、説明の便宜上、洗濯機1への装着時の状態を基準にして、噴流式洗濯ユニット7の方向、すなわち、前後、左右、および上下の方向を用いる。
【0080】
噴流式洗濯ユニット7は、貯水槽40、上蓋41、サブパルセータ42、給水アダプタ50(通水手段)、排水アダプタ60(第2通水手段)、連結部70などを有している。噴流式洗濯ユニット7は、連結部70を介してパルセータ4と連結される。そうすることにより、サブパルセータ42がパルセータ4の回転に連動して回転するように構成されている。
【0081】
貯水槽40は、上面が開口した直方体形状の外観を有し、前側壁40a、後側壁40b、一対の横側壁、底部40cなどで貯水可能に構成されている。底部40cは、図7に示すように、前後方向の断面が略円弧状に形成された底面を有している。底部40cの四隅には支持脚40dが設けられている。
【0082】
これら支持脚40dの各々は、曲面で形成された下端面を有している。これら下端面は、貯水槽40をドラムの内部下側に載置したときに、ドラム3の内周面に面で接するように構成されている。従って、貯水槽40をドラム3の内部下側に配置したときには、貯水槽40は、安定してドラム3の内部に載せ置くことができる。
【0083】
上蓋41は、矩形の天板41aと、天板41aの周縁から下方に張り出す張出枠41bとを有している。上蓋41を貯水槽40に被せることにより、貯水槽40の上端の四辺に張出枠41bが外側から嵌合し、貯水槽40の開口が天板41aで覆われるように構成されている。上蓋41と貯水槽40との間には、図示しないがシール材が設けられていて、貯水槽40に上蓋41を装着することにより、貯水槽40に貯めた水が外部に漏れ出ないように構成されている。上蓋41と貯水槽40との間にはまた、図示しないがワンタッチで上蓋41を貯水槽40にロックできる止め具(例えばパチン錠)が設けられている。
【0084】
従って、噴流式洗濯ユニット7をドラム3の内部に収容しても、貯水槽40に上蓋41を装着することで、貯水槽40の内部をドラム3の内部から隔離することができる。貯水槽40に貯めた水は、ドラム3の内部に出ない。そのため、噴流式洗濯処理によって水が汚れても、その水でドラム3が汚れるのを防止できる。
【0085】
天板41aには、給水口41cが設けられている。その給水口41cに、給水アダプタ50が着脱可能に取り付けられている。給水アダプタ50は、差込口51、給水ホース52、給水コネクタ53などで構成されている。差込口51は、給水口41cに差し込むことで給水口41cに装着できるように構成されている。差込口51は、給水ホース52の一端に設けられている。給水コネクタ53は、給水ホース52の他端に設けられていて、ワンタッチで散水ノズル8に着脱できるように構成されている。
【0086】
図7に示すように、貯水槽40の底面の下端部には、排水口40eが設けられている。その排水口40eに、排水アダプタ60が取り付けられている。排水アダプタ60は、排水配管61、排水ホース62、排水コネクタ63などで構成されている。排水配管61の一端は、排水口40eに接続されている。排水配管61は、貯水槽40の側面に沿って上方に延びるように設けられている。排水配管61の他端は、貯水槽40の上端部に配置されていて、排水ホース62と接続されている。
【0087】
排水コネクタ63は、排水ホース62の突端に設けられていて、ワンタッチで接続口9に着脱できるように構成されている。排水コネクタ63を接続口9に接続することで、排水アダプタ60は、排水バイパス経路22cと接続される。それにより、貯水槽40の内部と、排水経路22bにおける排水ポンプ22aの上流側の部位とが連通する。
【0088】
前側壁40aの前面には、ゴムなどの弾性素材からなるストッパー43が設けられている。ストッパー43は、投入口12を閉じた扉11と接する位置に設置されている。
【0089】
図7に示すように、後側壁40bの下部前側には、サブパルセータ42が設置されている。サブパルセータ42は、パルセータ4よりも小径のパルセータからなる。すなわち、サブパルセータ42は、頭頂の低い略円錐形をした円板状の部材からなり、その表面には、半径方向に突出して延びる突出部が複数(本実施形態では3つ)設けられている。サブパルセータ42は、後側壁40bに回転自在に軸支されている。サブパルセータ42の表面は、貯水槽40の内部に面している。
【0090】
図5図6に示すように、連結部70は、後側壁40bの上部後側に配置されている。連結部70は、略円板状のボス嵌合部71と、ボス嵌合部71の前側にボス嵌合部71と同軸に設けられたプーリ(駆動プーリ72)とを有している。連結部70は、回転自在な状態で、後側壁40bに軸支されている。
【0091】
ボス嵌合部71の後側には、パルセータ4の頭頂部、つまりパルセータ4の表面の中心部分の凹凸形状に対応した凹み71aが形成されている。従って、ボス嵌合部71の後側を、パルセータ4の頭頂部に嵌合すれば、連結部70は、パルセータ4と同軸に連結され、パルセータ4と一体に回転するようになる。すなわち、連結部70を介して、パルセータ4の回転動力を噴流式洗濯ユニット7に伝達させることができる。
【0092】
後側壁40bの下部後側には、駆動プーリ72と上下方向に回転中心が直線状に並ぶように、従動プーリ73が配置されている。従動プーリ73は、後側壁40bから後方に突出したサブパルセータ42の軸の端部に取り付けられている。そして、これらプーリ72,73には環状のベルト74が掛け渡されている。
【0093】
それにより、これらプーリ72,73は、ベルト74を介して、連動して回転する。すなわち、パルセータ4の回転力は、これら駆動プーリ72、従動プーリ73、およびベルト74を介してサブパルセータ42に伝達される(回転力伝達機構)。それにより、サブパルセータ42は、パルセータ4に連動して回転する。
【0094】
このように必要最小限かつ簡素な部材で回転力伝達機構が構成されているので、噴流式洗濯ユニット7の構造を簡素化できる。製造コストも抑制できる。しかも、駆動プーリ72および従動プーリ73が貯水槽40の同じ後側壁40bに設置されているので、よりいっそう構造が簡素化されている。
【0095】
そして、駆動プーリ72と従動プーリ73とを、上下方向に回転中心が直線状に並ぶように配置して、サブパルセータ42が貯水槽40の下方に位置するように、連結部70よりも低い位置にサブパルセータ42が配置されている。連結部70を貯水槽40の上側に配置することで、連結部70とパルセータ4との回転中心を一致させることができる。
【0096】
サブパルセータ42を貯水槽40の下方に配置することで、少ない貯水量でもサブパルセータ42を水面下に配置できる。サブパルセータ42のサイズを大きくしても、サブパルセータ42を水面下に配置できる。サブパルセータ42を水面下に配置すれば、水の撹拌性能が高まるので、洗濯効果が向上する。
【0097】
駆動プーリ72および従動プーリ73のプーリ比は、異なる。例えば、この洗濯機1の場合、駆動プーリ72よりも従動プーリ73の方が小径とされている。それにより、パルセータ4よりもサブパルセータ42の方が高い回転数で回転する。その結果、モータ5を効率的に駆動できる。
【0098】
相対的に大径の駆動プーリ72は、合成樹脂素材で形成されている。相対的に小径の従動プーリ73は、金属素材で形成されている。合成樹脂素材であれば、大きくても軽量化できる。金属素材であれば、小さくても撓みを抑制できる。
【0099】
図8に示すように、このように構成された噴流式洗濯ユニット7は、特殊洗浄処理の実行時には、投入口12を通じてドラム3の内部に収容され、パルセータ4と連結するように、ドラム3の内部下側に配置される。このとき、貯水槽40の支持脚40dの下端面がドラム3の内周面に密着するので、安定してドラム3の内部に載せ置くことができる。
【0100】
貯水槽40の上面には、上蓋41が被せられる。給水アダプタ50の差込口51は給水口41cに装着され、給水コネクタ53は、散水ノズル8に接続される。排水アダプタ60の排水コネクタ63は、接続口9に接続される。それにより、貯水槽40の内部は、ドラム3の内部から完全に隔離される。
【0101】
そして、噴流式洗濯ユニット7をドラム3の奥方へと押し込む。その際、ボス嵌合部71の凹み71aとパルセータ4の表面の頭頂部との向き(詳細には各突出部4aの位置)を合わせてこれらを嵌合させる。そうすることにより、連結部70をパルセータ4に連結させる。そうして扉11を閉じると、扉11がストッパー43に接触し、噴流式洗濯ユニット7が押し込まれて、連結部70がパルセータ4に押し付けられるように構成されている。
【0102】
従って、単にドラム3に収容して扉11を閉じるだけで、パルセータ4に着脱可能な状態で連結部70を連結することができ、これらの嵌合を保持した状態で、前後方向への噴流式洗濯ユニット7の動きを規制することができる。既存の洗濯機1の構造をそのまま利用しているので、別途、パルセータ4やドラム3に、噴流式洗濯ユニット7を連結したり固定したりする機構を設ける必要がない。
【0103】
<噴流式洗濯処理>
この洗濯機1では、このような噴流式洗濯ユニット7を利用して、コントローラ6に設けられた特殊洗浄処理部6bが、噴流式洗濯処理を実行するように構成されている。
【0104】
(ドラム3の回転規制)
噴流式洗濯処理では、洗い工程および/または濯ぎ工程が行われ、脱水工程は行わない。そして、その洗い工程等では、噴流式洗濯ユニット7のサブパルセータ42を回転させるために、パルセータ4のみが回転駆動され、ドラム3は回転駆動されない。ドラム3は、所定の位置でその回転が規制される。
【0105】
(機械的な規制手段)
洗濯機1の場合、ドラム3の回転規制は、機械的な手段によって実行されるように構成されている。具体的には、タブ2とドラム3との間に、これらを機械的に係合可能な回転規制手段が設けられている。そして、その回転規制手段を作動させることにより、ドラム3の回転が規制される。
【0106】
図9に、その回転規制手段の一例として、係合ピン80を示す。係合ピン80は、ドラム3の開口部31の周縁に沿って延びるフランジ部31aと、そのフランジ部31aと対向する、タブ2の対向フランジ部2aとの間に設けられる。係合ピン80は、フランジ部31aに取り付けられた支持部材81により、対応フランジ部31aに向かって突出可能に支持される。
【0107】
対向フランジ部2aの所定位置には、凹部82が形成されている。係合ピン80と凹部82とを位置合わせした状態で、係合ピン80を押し込み操作することにより、係合ピン80は、支持部材81から突出し、その先端が凹部82に入り込む。それにより、ドラム3は、所定の位置で回転が規制される。
【0108】
凹部82は必須でない。係合ピン80を押し込み操作することにより、係合ピン80の先端が対向フランジ部2aに圧接するようにしてもよい。係合ピン80が挿入可能な係合孔をフランジ部31aに形成し、係合孔と凹部82とを位置合わせした状態で、係合孔に挿通した係合ピン80の先端を凹部82に差し込むようにしてもよい。要するに、回転規制手段は、噴流式洗濯処理時にドラム3を所定位置に保持できればよい。
【0109】
尚、係合ピン80の押し込み操作および抜き出し操作は、手動で行ってもよいし、コントローラ6による電気制御により、自動的に行ってもよい。この洗濯機1では、係合ピン80の押し込み操作および抜き出し操作は、手動で行われる場合を例示する。
【0110】
(電気的な規制手段)
モータ5の各ロータが、個別のインバータで制御される場合や、ドラム3が、パルセータ4の駆動とは別に、専用のモータ(ドラムモータ)によって駆動される場合であれば、ドラム3の回転規制は、電気的な手段によって実行するように構成してもよい。
【0111】
例えば、前者であれば、ドラム3を回転させるインナーロータに電流を供給するインバータを制御し、回転力が発生しないように3相の電流を供給する。そうすれば、インナーロータは回転しない。従って、ドラム3の回転を規制できる。
【0112】
また、短絡ブレーキ制御を利用してもよい。すなわち、インバータのスイッチング回路を制御してモータへの通電を遮断することにより、モータの回転にブレーキをかける、いわゆる短絡ブレーキ制御は、脱水時間の短縮などで一般に行われている(短絡ブレーキ制御は公知の技術であるため、その説明は省略)。
【0113】
具体的には、特殊洗浄処理の実行時に、インナーロータに電流を供給するインバータに対して、短絡ブレーキ制御を実行する。そうすることにより、インナーロータへの通電が遮断され、インナーロータは、電気的に切り離された状態になる。従って、インナーロータは、回転しないし、インナーロータに設置されている永久磁石の作用で回転が抑制された状態になる。従って、ドラム3の回転を規制できる。
【0114】
後者であれば、ドラムモータの運転を停止すれば、ドラム3の回転を停止できる。ドラムモータのインバータを短絡ブレーキ制御して、ドラム3の回転を規制してもよい。
【0115】
(噴流式洗濯ユニット7を利用した噴流式の洗濯方法)
以下、噴流式洗濯ユニット7を利用した噴流式の洗濯について説明する。その洗濯方法は、主に、3つのステップからなり、噴流式洗濯処理における洗い工程または濯ぎ工程では、これら3つのステップが実行される。
【0116】
すなわち、その洗濯方法は、噴流式洗濯ユニット7を、投入口12を通じてドラム3に収容し、パルセータ4と連結するようにドラム3の内部下側に固定する第1ステップと、貯水槽40に水を貯める第2ステップと、ドラム3の回転を規制した状態で、パルセータ4を回転させることによってサブパルセータ42を回転させる第3ステップと、を含んで構成されている。
【0117】
第1ステップは、主に、ユーザによって実行される。第2ステップおよび第3ステップは、洗濯機1(コントローラ6)によって実行される。図10に、これらステップを含む一連の処理の流れを示す。図11に、これら処理の過程における洗濯機1の主立った状態を示す。
【0118】
汚れのひどい衣類、または、ペット用品や布おむつなど、通常の衣類とは別に洗濯したい洗濯物(以下、単にこれらを特殊洗濯物100という)を洗浄したいユーザは、操作部13を操作して、噴流式洗濯処理を実行する運転モード(特殊洗浄モード)を選択し、洗濯機1の運転を開始する。それにより、洗濯機1では、コントローラ6に、操作部13から特殊洗浄モードの運転を指示する信号が入力される。なお、水洗いをする場合は、そのままでよいが、洗剤等を用いる場合には、事前に薬剤トレイに洗剤等を投入する。
【0119】
コントローラ6は、操作部13から入力される信号に基づいて、特殊洗浄モードの運転が開始されたか否かを判定する(ステップS1)。そして、特殊洗浄モードの運転が開始されたと判断すると、コントローラ6の特殊洗浄処理部6bによって噴流式洗濯処理が開始される。
【0120】
噴流式洗濯処理が開始されると、まず、コントローラ6は、操作部13のモニターを通じて、ドラム3の回転規制、つまり係合ピン80の押し込み操作を行うよう、ユーザに促す。同時に、コントローラ6は、操作部13のモニターを通じて、第1ステップの実行、つまり、噴流式洗濯ユニット7をドラム3の内部下側へ取り付けるよう、ユーザに促す(ステップS2)。
【0121】
それに応じて、ユーザは、ドラム3を回転させ、係合ピン80と凹部82とを位置合わせした後、係合ピン80を凹部82に押し込む。それにより、ドラム3は所定位置に固定される。
【0122】
ユーザはまた、洗濯機1の外部において、特殊洗濯物100を貯水槽40の内部に投入し、上蓋41を被せ、ロックする。そうした状態で、噴流式洗濯ユニット7を、上述したように、ドラム3の内部下側へ設置する。従って、ドラム3の内部が、特殊洗濯物100で汚れるおそれはない。
【0123】
そうして、ユーザは、扉11を閉じる。それにより、上述したように、噴流式洗濯ユニット7は、パルセータ4と強固に連結されて、前後方向への動きが規制された状態になる。そして、ユーザは、操作部13のモニターに表示されているボタン等を操作して、コントローラ6に処理完了の指令を入力する。
【0124】
処理完了の指令が所定期間入力されない場合(ステップS3でNo)や、扉11が所定期間閉じられない場合(ステップS4でNo)には、コントローラ6は、アラーム等により、ユーザに異常を報知する(ステップS15)。そして、噴流式洗濯処理を行うことなく、特殊洗浄モードを終了する。
【0125】
一方、処理完了の指令が入力され、かつ、扉11が閉じられたと判定すると、コントローラ6は、噴流式洗濯処理を開始する。すなわち、特殊洗浄処理部6bが、給水装置21を作動させるとともに、循環ポンプ23を作動させることによって、貯水処理を開始する(ステップS5)。
【0126】
それにより、まず、給水装置21によってタブ2の内部に給水が行われる。そして、タブ2の下部に貯まる水が、循環ポンプ23によって送水され、図11の(a)に示すように、散水ノズル8から給水アダプタ50を通じて、貯水槽40の内部に投入される。
【0127】
給水量は、予めコントローラ6に設定されている。噴流式洗濯処理では、貯水槽40に貯めた水を利用した噴流式の洗濯を行う。そのため、噴流式洗濯処理での給水量は、通常、ドラム3を利用した通常の洗浄処理よりも多い。
【0128】
特殊洗濯物100の量にもよるが、水を効果的に撹拌するためには、少なくともサブパルセータ42のほとんどが浸水する量の水を給水する必要がある。特殊洗濯物100に対する洗浄効果を考慮すると、図11の(b)に示すように、貯水槽40に貯水可能な最大量を給水するのが好ましい。そうすれば、特殊洗濯物100の汚れがひどくても、汚れが水に移行し易くなるので、汚れを落ち易くできる。
【0129】
コントローラ6は、給水量が設定された水量W0に達したか否かを判定し(ステップS6)、達したと判定した場合(ステップS6でYes)、給水を停止するとともに、モータ5を駆動して、パルセータ4の回転を開始する(ステップS7)。
【0130】
ドラム3は、係合ピン80と凹部82との連結により、その回転が規制されている。その結果、噴流式洗濯ユニット7は、ドラム3の内部下側に固定されている。そうした状態で、サブパルセータ42がパルセータ4とともに回転し、噴流式洗濯処理が開始される。
【0131】
サブパルセータ42が回転することで、貯水槽40に貯められた水および特殊洗濯物100は、撹拌される。少量の水で行うたたき洗いとは異なり、縦型洗濯機と同様の、もみ洗いが行われる。従って、特殊洗濯物100の汚れがひどくても、水量が多いので、一回の処理で、効果的に汚れを落とすことができる。貯水槽40の内部は、ドラム3の内部から隔離されているので、ドラム3の内部が汚れるおそれもない。
【0132】
このとき、パルセータ4およびサブパルセータ42の回転は、一定方向でもよいが、図11の(c)に示すように、交互に反転させるのが好ましい。特に、正転方向および逆転方向の双方ともに同じ時間で交互に回転するのが、より好ましい。具体的には、コントローラ6が、正転方向および逆転方向の双方に、パルセータ4およびサブパルセータ42が短時間で交互に回転するように、モータ5の駆動を制御する。
【0133】
サブパルセータ42の回転方向が反転することで、撹拌作用が促進され、洗浄効果を向上できる。
【0134】
コントローラ6は、予め設定されている処理時間T0に達したと判定した場合(ステップS8でYes)、パルセータ4の回転を停止して噴流式洗濯処理を停止する(ステップS9)。
【0135】
そうして、コントローラ6は、排水処理を実行する。すなわち、排水装置22、具体的には、排水ポンプ22aを作動させ、貯水槽40から排水する処理を開始する(ステップS10)。排水ポンプ22aの作動により、排水経路22bにおける排水ポンプ22aの上流側は陰圧になり、タブ2の下部に貯まる水が排水されていく。それと共に、貯水槽40の内部の水も引き込まれて排水アダプタ60および排水バイパス経路22cを通じて排水される。
【0136】
そして、コントローラ6は、排水が完了する所定時間T1が経過したと判定すると(ステップS11でYes)、排水を停止し、ユーザにアラーム等で運転が終了したことを報知する(ステップS12)。
【0137】
それと併せて、コントローラ6は、操作部13のモニターを通じて、ドラム3の回転規制の解除、つまり係合ピン80の抜き出し操作を行うよう、ユーザに促す。同時に、コントローラ6は、操作部13のモニターを通じて、噴流式洗濯ユニット7を、ドラム3の内部から取り出すよう、ユーザに促す(ステップS13)。
【0138】
それに応じて、ユーザは、係合ピン80を凹部82から抜き出す。それにより、回転規制が解除され、ドラム3は回転可能になる。ユーザはまた、噴流式洗濯ユニット7をドラム3から取り出す。このとき、ドラム3の内部で、処理した特殊洗濯物100を取り出してもよいが、ドラム3から取り出した後に上蓋41を開けて、特殊洗濯物100を取り出してもよい。そうすれば、より確実にドラム3の内部を汚さないようにできる。
【0139】
最後に、ユーザは、操作部13のモニターに表示されているボタン等を操作して、コントローラ6に処理完了の指令を入力すれば、一連の噴流式洗濯処理は終了である(ステップS14でYes)。
【0140】
一方、処理完了の指令が所定期間入力されない場合(ステップS14でNo)には、コントローラ6は、アラーム等により、ユーザに異常を報知する(ステップS15)。
【0141】
なお、ユーザは、噴流式洗濯処理を複数回行ってもよい。また、洗剤を投入して洗浄した場合であれば、更に、水洗いによる濯ぎ処理を行うために、その後、続けて、水のみで噴流式洗濯処理を行うのが好ましい。洗濯機1に、薬剤洗浄モードを設け、特殊洗浄処理部6bが、洗い工程と濯ぎ工程とを連続して実行するようにしてもよい。
【0142】
噴流式洗濯ユニット7の形態は、仕様に応じて適宜変更できる。例えば、上蓋41は必須でない。上蓋41が無いとドラム3の内部が汚れるおそれはあるが、噴流式洗濯処理は行える。
【0143】
給水アダプタ50(通水手段)や排水アダプタ60(第2通水手段)も必須ではない。例えば、上述した噴流式洗濯ユニット7のうち、貯水槽40やサブパルセータ42など、基本的な部分だけであってもよい。この場合、貯水槽40への給水や排水はユーザが行う必要があるが、水循環機構が無くても噴流式洗濯処理が行える。
【0144】
排水アダプタ60(第2通水手段)の代わりに、貯水槽40の排水口40eに、単にホースを取り付けておくようにしてもよい。この場合、噴流式洗濯処理の開始前に、ユーザが、そのホースの先端側を貯水槽40の上部に保持しておくことで、貯水できる。そして、噴流式洗濯処理の終了後に、ユーザが、そのホースの先端をタブ2の下部に差し込むことで、排水できる。
【符号の説明】
【0145】
1 洗濯機
2 タブ
3 ドラム
4 パルセータ
4a 突出部
5 モータ
6 コントローラ
6a 通常洗浄処理部
6b 特殊洗浄処理部
7 噴流式洗濯ユニット
8 散水ノズル
9 接続口
10 筐体
11 扉
12 投入口
13 操作部
21 給水装置
22 排水装置
23 循環ポンプ
33 脱水孔
35 リフター
40 貯水槽
42 サブパルセータ
50 給水アダプタ(通水手段)
60 排水アダプタ(第2通水手段)
70 連結部
72 駆動プーリ(回転力伝達機構)
73 従動プーリ(回転力伝達機構)
74 ベルト(回転力伝達機構)
80 係合ピン
100 衣類(特殊洗濯物)
J 回転軸
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11