IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本アエロジル株式会社の特許一覧

特開2022-108958気相法アルミナ微粒子、気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物及び気相法アルミナ微粒子の製造方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022108958
(43)【公開日】2022-07-27
(54)【発明の名称】気相法アルミナ微粒子、気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物及び気相法アルミナ微粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01F 7/02 20220101AFI20220720BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20220720BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20220720BHJP
   C09C 3/08 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
C01F7/02 E
C08L101/00
C08K3/22
C09C3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004209
(22)【出願日】2021-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】390018740
【氏名又は名称】日本アエロジル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 哲也
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 正彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 行也
【テーマコード(参考)】
4G076
4J002
4J037
【Fターム(参考)】
4G076AA02
4G076BA14
4G076BA46
4G076BF06
4G076CA02
4G076CA26
4G076CA27
4G076CA28
4G076CA40
4G076DA02
4G076DA20
4J002AA001
4J002CD001
4J002CM041
4J002CP031
4J002DE146
4J002FB096
4J002FD016
4J002GQ00
4J037AA25
4J037CB23
4J037CC23
4J037CC27
4J037CC28
4J037DD05
4J037DD07
4J037EE29
4J037FF13
(57)【要約】
【課題】本発明は、樹脂等の基材に添加しても粘度の上昇を抑制できることで、樹脂等の基材に高充填ができるアルミナ微粒子を提供する。
【解決手段】BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子。
【請求項2】
有機ケイ素化合物で表面処理されている請求項1に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項3】
炭素含有量が、0.1質量%以上5.0質量%以下である請求項2に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項4】
前記気相法アルミナ微粒子が、前記気相法アルミナ微粒子100質量部に対して、1.0質量部以上30質量部以下の前記有機ケイ素化合物にて表面処理されている請求項2または3に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項5】
前記有機ケイ素化合物が、下記一般式(1)
(1)R SiR (4-n)
(式中、Rは、炭素数1以上18以下の炭化水素基を表し、Rは、炭素数1以上18以下の炭化水素基、塩素原子、ヒドロキシ基または炭素数1~3のアルコキシ基、nは1~3の整数を表す。)で示される有機ケイ素化合物、ヘキサメチルジシラザン及び/またはシリコーンオイルである請求項2乃至4のいずれか1項に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項6】
平均一次粒子径が7.0nm以上50nm以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項7】
樹脂材料への充填剤用である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項8】
前記樹脂材料が、放熱用材料である請求項7に記載の気相法アルミナ微粒子。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物。
【請求項10】
アルミナ原料を火炎中に導入して気相分解法にて、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下である気相法アルミナ微粒子を得る、気相法アルミナ微粒子調製工程と、
前記気相法アルミナ微粒子の表面に有機ケイ素化合物を施与する、有機ケイ素化合物供給工程と、
前記有機ケイ素化合物が施与された前記気相法アルミナ微粒子を、粉砕機で解砕する解砕工程と、
を含む、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子の製造方法。
【請求項11】
前記粉砕機が、ボールミルである請求項10に記載の気相法アルミナ微粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂等の基材に高充填できる気相法アルミナ微粒子、気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物及び気相法アルミナ微粒子の製造方法に関するものであり、特に、放熱用材料として使用される樹脂等の基材の増粘を抑制しつつ、前記樹脂等の基材に高充填できる気相法アルミナ微粒子、気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物及び気相法アルミナ微粒子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気機器や電子機器の高機能化に伴い、電気機器や電子機器に搭載されるモジュール、電子部品等の発熱量が増大している。モジュール、電子部品等の発熱体が発熱により高温となると正常な作動が損なわれるおそれがあることから、モジュール、電子部品等の発熱体を効率的に冷却することが重要となっている。モジュール、電子部品等の発熱体を効果的に冷却するために、モジュール、電子部品等の発熱体から受熱してヒートシンクや金属部材等の熱交換手段へ効率的に熱を伝えることが重要となっている。
【0003】
例えば、樹脂組成物の熱伝導性を向上させるために、熱伝導性に優れた無機フィラーを配合することがある。そこで、(a)ゲル100重量部を供給し、(b)少なくとも10重量%が少なくとも74μmの粒子サイズを有するα-アルミナ150~400重量部にゲルを組み合わせて、ゲルとα-アルミナの配合物を形成し、(c)配合物を混合して熱伝導性適合性組成物を得ることが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、ゲルおよびα-アルミナの組み合わせを、少なくとも10ジュール/gの比エネルギー投入量で混合している。
【0004】
特許文献1では、α-アルミナとゲル物質(または、これら成分の前駆体または前駆体成分)の配合物を、所定の最小機械エネルギーを配合物に投入しながら混合することで、高適合性を保持しながら高熱伝導性を有するα-アルミナの組成物を得ることを提案している。また、特許文献1では、α-アルミナの充填量が多くても、α-アルミナを充填した材料の伸び及び柔軟性の低下を防止しつつ、優れた熱伝導率を達成するのに必要なα-アルミナの充填量を可能にするとしている。
【0005】
しかし、特許文献1では、無機フィラーとして少なくとも10質量%が少なくとも74μmの粒子サイズを有するα-アルミナを用いるので、α-アルミナの粒径が大きい。一方で、無機フィラーの粒子径が大きいと、基材に充填された無機フィラーの粒子間の距離が長くなる。また、無機フィラーの粒子径が大きいほど、樹脂等の基材に無機フィラーを最密充填できなくなる。従って、無機フィラーの粒子間の距離及び無機フィラーの最密充填の点では、無機フィラーを基材へ高充填するには、無機フィラーの粒子径が小さい方が好ましい。上記から、特許文献1では、熱伝導性の向上に改善の余地があった。
【0006】
一方で、無機フィラーの粒子間の距離を短くし、無機フィラーの最密充填を向上させるために、無機フィラーの粒子径を小さくすると、樹脂等の基材に無機フィラーを添加した組成物の粘度が増大してしまい、やはり、無機フィラーの高充填が難しいという問題があった。そこで、アルミナの表面をシランカップリング剤で処理することで、樹脂等の基材にアルミナを高充填することが提案されている(特許文献2)。
【0007】
しかし、シランカップリング剤で表面処理したアルミナを充填剤として使用した特許文献2では、依然として、粘度増大の抑制が十分ではなく、樹脂等の基材にアルミナを高充填することに改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2001-503806号公報
【特許文献2】特開平3-237152公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、樹脂等の基材に添加しても粘度の上昇を抑制できることで、樹脂等の基材に高充填ができるアルミナ微粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の構成の要旨は以下の通りである。
[1]BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子。
[2]有機ケイ素化合物で表面処理されている[1]に記載の気相法アルミナ微粒子。
[3]炭素含有量が、0.1質量%以上5.0質量%以下である[2]に記載の気相法アルミナ微粒子。
[4]前記気相法アルミナ微粒子が、前記気相法アルミナ微粒子100質量部に対して、1.0質量部以上30質量部以下の前記有機ケイ素化合物にて表面処理されている[2]または[3]に記載の気相法アルミナ微粒子。
[5]前記有機ケイ素化合物が、下記一般式(1)
(1)R SiR (4-n)
(式中、Rは、炭素数1以上18以下の炭化水素基を表し、Rは、炭素数1以上18以下の炭化水素基、塩素原子、ヒドロキシ基または炭素数1~3のアルコキシ基、nは1~3の整数を表す。)で示される有機ケイ素化合物、ヘキサメチルジシラザン及び/またはシリコーンオイルである[2]乃至[4]のいずれか1つに記載の気相法アルミナ微粒子。
[6]平均一次粒子径が7.0nm以上50nm以下である[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の気相法アルミナ微粒子。
[7]樹脂材料への充填剤用である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の気相法アルミナ微粒子。
[8]前記樹脂材料が、放熱用材料である[7]に記載の気相法アルミナ微粒子。
[9][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物。
[10]アルミナ原料を火炎中に導入して気相分解法にて、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下である気相法アルミナ微粒子を得る、気相法アルミナ微粒子調製工程と、
前記気相法アルミナ微粒子の表面に有機ケイ素化合物を施与する、有機ケイ素化合物供給工程と、
前記有機ケイ素化合物が施与された前記気相法アルミナ微粒子を、粉砕機で解砕する解砕工程と、
を含む、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子の製造方法。
[11]前記粉砕機が、ボールミルである[10]に記載の気相法アルミナ微粒子の製造方法。
【0011】
上記態様における「BET比表面積」は、有機ケイ素化合物で表面処理されている気相法アルミナ微粒子の場合には、有機ケイ素化合物で表面処理される前の気相法アルミナ微粒子のBET比表面積を意味する。
【0012】
上記態様における「かさ密度」とは、天秤上で、所定容量の計測用容器にアルミナ微粒子を静かに一定量入れてから2分経過後に測定したアルミナ微粒子の体積(L)と質量(g)から算出した密度(g/L)を意味する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の気相法アルミナ微粒子の態様によれば、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下であることにより、樹脂等の基材に本発明の気相法アルミナ微粒子を添加しても樹脂等の基材の粘度上昇を抑制でき、樹脂等の基材に本発明の気相法アルミナ微粒子を高充填することができる。従って、本発明の気相法アルミナ微粒子の態様によれば、例えば、樹脂等の基材を放熱用材料として使用する場合に、樹脂等の基材に優れた熱伝導性を付与することができる。
【0014】
本発明の気相法アルミナ微粒子の態様によれば、有機ケイ素化合物で表面処理されていることにより、樹脂等の基材の粘度上昇をさらに抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに向上させることができる。
【0015】
本発明の気相法アルミナ微粒子の態様によれば、炭素含有量が、0.1質量%以上5.0質量%以下であることにより、樹脂等の基材の粘度上昇をさらに確実に抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに確実に向上させることができる。
【0016】
本発明の気相法アルミナ微粒子の態様によれば、平均一次粒子径が7.0nm以上50nm以下であることにより、樹脂等の基材の粘度上昇を確実に抑制しつつ、気相法アルミナ微粒子間の距離を短くし、気相法アルミナ微粒子の樹脂等の基材中における最密充填を向上させることができる。従って、例えば、樹脂等の基材を放熱用材料として使用する場合に、樹脂等の基材にさらに優れた熱伝導性を付与することができる。
【0017】
本発明の気相法アルミナ微粒子の製造方法によれば、有機ケイ素化合物が施与された気相法アルミナ微粒子を粉砕機で解砕する解砕工程を含むことにより、樹脂等の基材に気相法アルミナ微粒子を添加しても樹脂等の基材の粘度上昇を抑制でき、樹脂等の基材に気相法アルミナ微粒子を高充填することができる気相法アルミナ微粒子を製造することができる。
【0018】
本発明の気相法アルミナ微粒子の製造方法によれば、粉砕機がボールミルであることにより、樹脂等の基材の粘度上昇をさらに確実に抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに確実に向上させることができる気相法アルミナ微粒子を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
先ず、本発明の気相法アルミナ微粒子について、以下、詳細に説明する。本発明の気相法アルミナ微粒子は、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である。気相法アルミナ微粒子は、気相法で製造、すなわち、火炎加水分解法で製造されたアルミナ微粒子である。気相法アルミナ微粒子は、その表面に水酸基または疎水性官能基を有している。
【0020】
上記気相法アルミナ微粒子は、樹脂等の基材に添加しても樹脂等の基材の粘度上昇を抑制でき、樹脂等の基材に高充填することができる。従って、本発明の気相法アルミナ微粒子は、例えば、樹脂等の基材を放熱用材料として使用する場合に、樹脂等の基材に優れた熱伝導性を付与することができる。
【0021】
気相法アルミナ微粒子のBET比表面積は20m/g以上200m/g以下の範囲であれば、特に限定されないが、その下限値は、樹脂等の基材に気相法アルミナ微粒子をより確実に高充填することができる点から、40m/gが好ましく、50m/gがより好ましく、60m/gが特に好ましい。一方で、気相法アルミナ微粒子のBET比表面積の上限値は、樹脂等の基材の粘度上昇をより確実に抑制する点から、180m/gが好ましく、160m/gがより好ましく、140m/gが特に好ましい。
【0022】
気相法アルミナ微粒子のかさ密度は50g/L以上600g/L以下の範囲であれば、特に限定されないが、その下限値は、樹脂等の基材の粘度上昇をより確実に抑制する点から、90g/Lが好ましく、120g/Lがより好ましく、150g/Lが特に好ましい。一方で、気相法アルミナ微粒子のかさ密度の上限値は、気相法アルミナ微粒子の生産効率の点から、570g/Lが好ましく、540g/Lがより好ましく、520g/Lが特に好ましい。
【0023】
気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は、特に限定されないが、その下限値は、樹脂等の基材の粘度上昇を確実に抑制して気相法アルミナ微粒子を高充填する点から、7.0nmが好ましく、8.0nmがより好ましく、9.0nmが特に好ましい。一方で、気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径の上限値は、気相法アルミナ微粒子間の距離を短くし、気相法アルミナ微粒子の樹脂等の基材中における最密充填を向上させることができ、例えば、樹脂等の基材を放熱用材料として使用する場合に、樹脂等の基材にさらに優れた熱伝導性を付与することができる点から、50nmが好ましく、40nmがより好ましく、30nmが特に好ましい。
【0024】
なお、気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は、後述するように、気相法アルミナ微粒子が有機ケイ素化合物で表面処理されている場合には、有機ケイ素化合物で表面処理されている気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径を意味する。
【0025】
本発明の気相法アルミナ微粒子は、有機ケイ素化合物で表面処理されていてもよい。すなわち、気相法アルミナ微粒子は、有機ケイ素化合物で表面改質されている気相法アルミナ微粒子(以下、「有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子」ということがある。)でもよい。この場合、有機ケイ素化合物は、気相法アルミナ微粒子の表面改質剤として機能する。気相法アルミナ微粒子の表面が有機ケイ素化合物で改質されていることで、気相法アルミナ微粒子の添加対象である樹脂等の基材の粘度上昇をさらに抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに向上させることができる。樹脂等の基材に対する気相法アルミナ微粒子の充填量をさらに向上させることで、例えば、樹脂等の基材を放熱用材料として使用する場合に、樹脂等の基材にさらに優れた熱伝導性を付与することができる。
【0026】
気相法アルミナ微粒子の表面改質の態様としては、例えば、気相法アルミナ微粒子の表面の一部領域または全体が、有機ケイ素化合物の層で被覆されていてもよい。この場合、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子のうち、気相法アルミナ微粒子がコア粒子、有機ケイ素化合物がシェルを形成しており、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子は、コアシェル構造となっている。
【0027】
表面改質剤として機能する有機ケイ素化合物としては、例えば、下記一般式(1)
SiR (4-n) (1)
(式中、Rは、炭素数1以上18以下の炭化水素基を表し、Rは炭素数1以上18以下の炭化水素基、塩素原子、ヒドロキシ基または炭素数1~3のアルコキシ基、好ましくは炭素数1~2のアルコキシ基を表し、nは1~3の整数を表す。)で示される有機ケイ素化合物が挙げられる。一般式(1)におけるRは、窒素、酸素、リン等のヘテロ原子は含まず、炭素と水素のみのアルキル基である。Rがアルコキシ基の場合には、アルコキシ基の炭素数は1~3である。アルコキシ基の炭素数が4以上であると、反応性の低下により表面改質に長時間を要する。さらに、アルコキシ基の炭素数が4以上の有機ケイ素化合物は、一般的に工業的な入手が困難である。
【0028】
また、表面改質剤として機能する有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
【0029】
また、表面改質剤として機能する有機ケイ素化合物として、例えば、シリコーンオイルが挙げられる。シリコーンオイルの25℃における動粘度は、例えば、0.65mm/s~10000mm/sが挙げられる。シリコーンオイルに対して均一な表面改質を行う場合、シリコーンオイルを適当な溶媒に溶解させる必要があり、シリコーンオイルの動粘度が10000mm/s超の場合、表面改質を行うにあたり大過剰の溶媒量を必要とする。これは工程の複雑化およびコストアップ、さらには溶媒を揮発させる際には、気相法アルミナ微粒子の凝集を生じさせやすいといった問題がある。
【0030】
本発明の気相法アルミナ微粒子において、気相法アルミナ微粒子と表面改質剤を反応させる方法は、特に限定されず、一般的な例として、通常の表面改質法を用いることができる。具体的な例としては、表面改質剤を蒸発させて気相法アルミナ微粒子と接触させる方法、気相法アルミナ微粒子を流動させながら表面改質剤を気相法アルミナ微粒子の表面にスプレー等で噴霧する方法(乾式接触法)、表面改質剤を所定の溶媒に溶解させ、気相法アルミナ微粒子を、表面改質剤を溶解させた溶媒中に分散させる方法等が挙げられる。このうち、気相法アルミナ微粒子の凝集を防ぎ均一に処理する点で、乾式接触法が好ましい。
【0031】
有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は、特に限定されないが、その下限値は、樹脂等の基材の粘度上昇をさらに抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに向上させることができる点から、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子中に0.1質量%が好ましく、0.3質量%が特に好ましい。一方で、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量の上限値は、過剰な表面改質剤の存在により反応しなかった表面改質剤が気相法アルミナ微粒子表面に多量に存在することで、反応しなかった表面改質剤に水分が吸着する、または反応しなかった表面改質剤がその他の部材を汚染することを防止する点から、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子中に5.0質量%が好ましく、4.5質量%が特に好ましい。
【0032】
気相法アルミナ微粒子の表面処理に用いる表面改質剤である有機ケイ素化合物の使用量は、特に限定されないが、その下限値は、樹脂等の基材の粘度上昇をさらに抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに向上させる点から、有機ケイ素化合物で表面処理されていない気相法アルミナ微粒子100質量部に対して、1.0質量部が好ましく、2.0質量部がより好ましく、3.0質量部が特に好ましい。一方で、有機ケイ素化合物の使用量の上限値は、水分等の吸着を防止する点から、有機ケイ素化合物で表面処理されていない気相法アルミナ微粒子100質量部に対して、30質量部が好ましく、25質量部がより好ましく、20質量部が特に好ましい。
【0033】
次に、本発明の、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下であり、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子の製造方法について説明する。本発明の気相法アルミナ微粒子の製造方法は、アルミナ原料を火炎中に導入して気相分解法にて、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下である気相法アルミナ微粒子を得る、気相法アルミナ微粒子調製工程と、前記気相法アルミナ微粒子の表面に有機ケイ素化合物を施与する、有機ケイ素化合物供給工程と、前記有機ケイ素化合物が施与された前記気相法アルミナ微粒子を、粉砕機で解砕する解砕工程と、を含む。
【0034】
有機ケイ素化合物が施与された気相法アルミナ微粒子を粉砕機で解砕する解砕工程を含むことにより、樹脂等の基材に気相法アルミナ微粒子を添加しても樹脂等の基材の粘度上昇を抑制でき、樹脂等の基材に気相法アルミナ微粒子を高充填することができる気相法アルミナ微粒子、すなわち、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子を製造することができる。
【0035】
気相法アルミナ微粒子調製工程において、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下である気相法アルミナ微粒子は、例えば、火炎温度、水素又は酸素割合、三塩化アルミニウム量、火炎内の残留時間、凝固帯域の長さ等の反応条件を調整することにより得ることができる。
【0036】
有機ケイ素化合物供給工程において、気相法アルミナ微粒子の表面に有機ケイ素化合物を施与する方法としては、有機ケイ素化合物を蒸発させて気相法アルミナ微粒子と接触させる方法、不活性ガス雰囲気下、気相法アルミナ微粒子を流動させながら有機ケイ素化合物を気相法アルミナ微粒子の表面にスプレー等で噴霧して加熱処理する方法(乾式接触法)、有機ケイ素化合物を所定の溶媒に溶解させ、気相法アルミナ微粒子を、有機ケイ素化合物を溶解させた溶媒中に分散させる方法等が挙げられる。このうち、気相法アルミナ微粒子の凝集を防ぎ均一に処理する点で、乾式接触法が好ましい。
【0037】
乾式接触法で使用する不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の酸素を含まないガスが挙げられる。また、乾式接触法における加熱条件としては、例えば、熱処理温度80℃以上370℃以下、加熱時間15分以上350分以下が挙げられる。
【0038】
解砕工程において、使用する粉砕機としては、例えば、ボールミル(例えば、転動ボールミル)、ローラーミル、遊星ミル、撹拌ミル等が挙げられる。このうち、樹脂等の基材の粘度上昇をさらに確実に抑制でき、樹脂等の基材に対する充填量をさらに確実に向上させることができる気相法アルミナ微粒子を製造することができる、すなわち、かさ密度が50g/L以上600g/L以下である気相法アルミナ微粒子を容易に得ることができる点から、ボールミルが好ましい。従って、本発明の気相法アルミナ微粒子としては、ボールミル解砕してなる気相法アルミナ微粒子が好ましい。
【0039】
ボールミルでの解砕条件としては、例えば、解砕対象である気相法アルミナ微粒子を収容する容器の回転速度は、気相法アルミナ微粒子のかさ密度を50g/L以上600g/L以下の範囲に確実に調整する点から、30rpm以上200rpm以下が好ましく、50rpm以上100rpm以下がより好ましく、60rpm以上80rpm以下が特に好ましい。また、ボールミルで使用するボールの直径は、気相法アルミナ微粒子のかさ密度を50g/L以上600g/L以下の範囲に確実に調整する点から、5mm以上30mm以下が好ましく、7mm以上20mm以下がより好ましく、10mm以上15mm以下が特に好ましい。
【0040】
本発明の気相法アルミナ微粒子は、例えば、樹脂材料等の基材への充填剤(フィラー)用として使用することができる。
【0041】
また、樹脂材料等の基材の用途としては、例えば、放熱用材料、建築用材料、電子部品用材料等が挙げられる。例えば、放熱用材料の充填剤として本発明の気相法アルミナ微粒子を放熱用材料に添加することにより、放熱用材料に優れた熱伝導性が付与される。従って、本発明の気相法アルミナ微粒子を添加した放熱用材料を、モジュール、電子部品等の発熱体に熱的に接続することにより、モジュール、電子部品等の発熱体から放熱用材料が受熱してヒートシンクや金属部材等の熱交換手段へ効率的に熱を伝えることができるので、モジュール、電子部品等の発熱体を効果的に冷却することができる。
【0042】
気相法アルミナ微粒子の添加対象である樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0043】
気相法アルミナ微粒子の樹脂材料への添加量は、樹脂材料の使用条件等によって、適宜、選択可能であり、例えば、樹脂材料100質量部に対して、1.0質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下が特に好ましい。
【0044】
気相法アルミナ微粒子を含有する樹脂組成物の調製方法としては、例えば、本発明の気相法アルミナ微粒子を所定割合で樹脂に添加後、室温(例えば、10℃~30℃)にて、三本ロール、ニーダー等の混合、混練手段、または自転公転ミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー、トリミックス等の攪拌、混合手段により、混練または混合して製造することができる。
【実施例0045】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、実施例の態様に限定されるものではない。
【0046】
<実施例1>
気相法によって製造されたBET比表面積100m/gの気相法アルミナ微粉末 (Evonik Industries社製 商品名:「AEROXIDE (商標登録)Alu C」)100質量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、シランカップリング剤(Evonik Industries製 商品名:「Dynasylan(商標登録)IBTMO」、化合物名「イソブチルトリメトキシシラン」) を15質量部噴霧し、200℃で120分間、加熱撹拌した後に冷却して、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得た。得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は3.1質量%と、0.1質量%以上であった。また、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は13nmであった。
【0047】
上記のようにして得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子をボールミル (回転速度:65rpm、ボールサイズ:14mmφ) で、30分間、解砕処理をし、かさ密度が96g/Lの有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得た。
【0048】
シリコーン樹脂(モメンティブ社製:TSE3062) 100質量部に上記のように調製した有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を20質量部充填し、自転公転ミキサー (THINKY社製:あわとり練太郎ARE-310) にて撹拌・分散(2000rpm、2分間)と脱泡処理(2200rpm、1分間) を行って、シリコーン樹脂に有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子が充填された樹脂組成物サンプルを作製した。
【0049】
<実施例2>
ボールミルでの解砕処理時間を180分間に変更した以外は実施例1と同様にして、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得、樹脂組成物サンプルを作製した。得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は3.1質量%、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は13nmであった。有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子のかさ密度は199g/Lであった。
【0050】
<実施例3>
ボールミルでの解砕処理時間を300分間に変更した以外は実施例1と同様にして、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得、樹脂組成物サンプルを作製した。得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は3.1質量%、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は13nmであった。有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子のかさ密度が509g/Lであった。
【0051】
<実施例4>
気相法アルミナ微粉末を、BET比表面積130m/gのアルミナ微粉末 (Evonik Industries社製 商品名:「AEROXIDE (商標登録)Alu 130」)に変更し、ボールミルでの解砕処理時間を300分間に変更した以外は実施例1と同様にして、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得、樹脂組成物サンプルを作製した。得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は4.0質量%、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は17nmであった。有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子のかさ密度が405g/Lであった。
【0052】
<実施例5>
シランカップリング剤であるイソブチルトリメトキシシランに代えて、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を15質量部噴霧し、ボールミルでの解砕処理時間を300分間に変更した以外は実施例1と同様にして、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得、樹脂組成物サンプルを作製した。得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は1.5質量%、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は13nmであった。有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子のかさ密度が495g/Lであった。
【0053】
<比較例1>
有機ケイ素化合物で改質せず、また、解砕処理もしていない、気相法によって製造されたBET比表面積100m/gの気相法アルミナ微粉末 (Evonik Industries社製 商品名:「AEROXIDE (商標登録)Alu C」、以下「未処理の気相法アルミナ微粉末」という。)20質量部を、シリコーン樹脂(モメンティブ社製:TSE3062) 100質量部に充填し、自転公転ミキサー (THINKY社製: あわとり練太郎ARE-310) にて撹拌・分散(2000rpm、2分間)と脱泡処理(2200rpm、1分間) を行って、シリコーン樹脂に上記未処理の気相法アルミナ微粒子が充填された樹脂組成物サンプルを作製した。なお、未処理の気相法アルミナ微粉末の平均一次粒子径は13nm、かさ密度が40g/Lであった。
【0054】
<比較例2>
有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を解砕処理しない以外は実施例1と同様にして、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を得、樹脂組成物サンプルを作製した。得られた有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の炭素含有量は3.1質量%、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は13nmであった。有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子のかさ密度が41g/Lであった。
【0055】
<比較例3>
BET比表面積4.6m/gのアルミナ微粒子(住友化学株式会社製 商品名:[AA-04])20質量部を、シリコーン樹脂(モメンティブ社製:TSE3062) 100質量部に充填し、自転公転ミキサー (THINKY社製: あわとり練太郎ARE-310) にて撹拌・分散(2000rpm、2分間)と脱泡処理(2200rpm、1分間) を行って、シリコーン樹脂に上記アルミナ微粒子が充填された樹脂組成物サンプルを作製した。なお、上記アルミナ微粉末の平均一次粒子径は470nm、かさ密度が673g/Lであった。
【0056】
各項目の測定方法は、以下の通りである。
【0057】
[アルミナ微粒子のかさ密度測定方法]
電子天秤上で、メスシリンダーにアルミナ微粒子を静かに一定量入れてから2分経過後に測定したアルミナ微粒子の体積(L)と質量(g)から、かさ密度(g/L)を算出した。
【0058】
[アルミナ微粒子の炭素含有量測定方法]
炭素分析装置(株式会社住化分析センター製、商品名:SUMIGRAPH NC-22)を用いて、次の条件により測定した。
検出器の条件:「INJ/DET」=100℃、「COL」=70℃
ガス流速:O=350ml/min、He=80ml/min
【0059】
[アルミナ微粒子の平均一次粒子径測定方法]
透過型電子顕微鏡にて撮影した画像を解析して求めた。具体的には視野を変えて50の画像を撮影し、2500個のアルミナ微粒子について、その平均一次粒子径を画像解析し、個数平均にて算出した。
【0060】
[樹脂組成物サンプルの粘度測定方法]
作製直後の樹脂組成物サンプルと作製から1週間後の樹脂組成物サンプルについて、それぞれ、レオメータ(Anton Paar社製:MCR-300)を用いて、温度23℃の条件下、0.1s-1~100s-1のずり速度で定常流粘性率測定を行った際の0.1s-1時の粘度として測定した。また、作製直後の樹脂組成物サンプルについて、比較例1との相対粘度を評価した。
【0061】
上記実施例1~5及び比較例1~3の、アルミナ微粒子のBET比表面積、かさ密度、正面処理剤の種類、及び樹脂組成物サンプルの粘度(作製直後の粘度)、相対粘度、1週間後の粘度を下記表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
上記表1から、BET比表面積が20m/g以上200m/g以下の範囲、かさ密度が50g/L以上600g/L以下の範囲であり、有機ケイ素化合物で表面処理されている実施例1~5の気相法アルミナ微粒子を充填した樹脂組成物サンプルでは、樹脂組成物サンプルの作製直後及び樹脂組成物サンプルの作製から1週間後のいずれも、粘度上昇を抑制することができた。従って、実施例1~5の気相法アルミナ微粒子では、樹脂等の基材に高充填ができることが判明した。特に、かさ密度が199g/L以上である実施例2~5では、粘度上昇をより抑制することができ、かさ密度が405g/L以上である実施例3~5では、さらに優れた粘度上昇抑制効果を得ることができた。
【0064】
一方で、未処理の気相法アルミナ微粉末を樹脂に充填した比較例1では、気相法アルミナ微粒子のかさ密度が40g/Lであり、樹脂組成物サンプルの作製直後において顕著に粘度が上昇してしまった。また、比較例1では、樹脂組成物サンプルの作製から1週間後では、さらに粘度が上昇してしまったことで粘度の計測ができなかった。また、有機ケイ素化合物改質気相法アルミナ微粒子を解砕処理しなかった比較例2では、かさ密度が41g/Lであり、樹脂組成物サンプルの作製直後及び樹脂組成物サンプルの作製から1週間後のいずれも、比較例1ほどではないものの、粘度が上昇してしまった。また、かさ密度が673g/Lである比較例3でも、樹脂組成物サンプルの作製直後及び樹脂組成物サンプルの作製から1週間後のいずれも、比較例1ほどではないものの、粘度が上昇してしまった。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の気相法アルミナ微粒子は、樹脂等の基材に添加しても粘度の上昇を抑制できることで、樹脂等の基材に高充填ができるので、広汎な分野で適用可能であり、例えば、放熱用材料の充填剤等の分野で利用価値が高い。