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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022109420
(43)【公開日】2022-07-28
(54)【発明の名称】模型車両の走行制御システム
(51)【国際特許分類】
   A63H 18/16 20060101AFI20220721BHJP
   A63H 19/24 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A63H18/16 A
A63H19/24
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004717
(22)【出願日】2021-01-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.展示日:令和2年10月24日 2.展示会名、開催場所:第41回高棚町文化祭作品展 高棚町農民センター(安城市高棚町郷248番地1) 3.公開者:柴田 一彦 4.出品内容:柴田一彦は、第41回高棚町文化祭作品展にて、柴田一彦が発明した模型車両の走行制御システムについて「電子工作」の名称で出品した。この出品内容は、たかたな町内会ニュース令和2年11月1日号の裏面ページの第41回町内文化祭・作品展の項で、「プラレールが自走」と写真付きで紹介された。
(71)【出願人】
【識別番号】521023182
【氏名又は名称】Labサービス合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150120
【弁理士】
【氏名又は名称】神谷 十三和
(72)【発明者】
【氏名】柴田 一彦
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA08
2C150DA16
2C150DG01
2C150EB01
2C150ED41
2C150EF16
2C150EF33
2C150FA04
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、模型車両の走行、停止、速度制御を可能とする模型車両の走行制御システムを提供することである。
【解決手段】 模型車両の走行制御システム10は、走行路20と、走行路20を走行する模型車両30と、走行路20の側に配置された走行許可装置60を備えている。走行許可装置60は、走行路に配置される発光部64と、遮蔽物検知部66を備えて、発光部64の発光状態と非発光状態を制御する。模型車両30は、電源32と走行停止制御装置40と駆動モータ44を備え、走行停止制御装置40装置の照度測定部42が測定した照度に応じて、駆動モータ44への電源32の供給を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型車両の走行制御システムであって、
走行路と、走行路を走行する模型車両と、走行許可装置を備え、
前記模型車両は、電源と、電源スイッチと、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記走行許可装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行許可装置の発光制御部は、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、前記発光部を発光状態とさせ、該遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は該発光部を非発光状態とさせた後に該発光部を発光状態とさせ、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電源スイッチと前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、該照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電源スイッチと該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記走行路の、前記走行許可装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の模型車両の走行制御システムであって、
前記走行許可装置の遮蔽物検知部が、前記発光部から離れた位置で、前記走行路に配置され、
前記発光部は、該発光部が発光状態を継続する時、前記模型車両が該発光部で停止することができる長さを有し、他の模型車両が前記遮蔽物検知部で遮蔽物として検知された時は、該発光部で停止した該模型車両が該発光部から離脱することを特徴とする、模型車両の走行制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の模型車両の走行制御システムであって、
前記走行許可装置を2つ以上備え、
各走行許可装置の遮蔽物検知部と発光部は、前記模型車両の進行方向の後方に遮蔽物検知部が配置され、進行方向の前方に該発光部が配置され、
前記走行路の、1つの走行許可装置の遮蔽物検知部が配置された位置から前記模型車両の進行方向で見て発光部が配置された位置に至る区間には、他の走行許可装置の遮蔽物検知部及び発光部のいずれも配置されないことを特徴とする、模型車両の走行制御システム。
【請求項4】
模型車両の走行制御システムであって、
走行路と、走行路を走行する模型車両と、速度制御装置を備え、
前記模型車両は、電源と、電源スイッチと、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記速度制御装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、発光制御部を備え、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電源スイッチと前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、前記照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電源スイッチと該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記速度制御装置は、前記発光制御部に制御されて、前記発光部が発光状態と非発光状態を所定の時間間隔で繰り返し、
前記走行路の、前記速度制御装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システム。
【請求項5】
模型車両の走行制御システムであって、
走行路と、走行路を走行する模型車両と、停止指示装置を備え、
前記模型車両は、電源と、電源スイッチと、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記停止指示装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記停止指示装置の発光制御部は、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、前記発光部を非発光状態とさせ、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は該発光部を発光状態とさせた後に該発光部を非発光状態とさせ、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電源スイッチと前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、該照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電源スイッチと該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記走行路の、前記停止指示装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載の模型車両の走行制御システムであって、
前記停止指示装置は、電源と、第1発光部と、第1遮蔽物検知部と、第2発光部と、第2遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行路は第1進入路と第2進入路が交差する交差部を有しており、
前記第1進入路の前記交差部の手前に前記第2発光部が配置され、該第2発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第1遮蔽物検知部が配置され、
前記第2進入路の前記交差部の手前に前記第1発光部が配置され、該第1発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第2遮蔽物検知部が配置され、
前記発光制御部は、前記第1進入路に配置された前記第1遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第1進入路通過期間として前記第1発光部を発光状態とさせ、該第1進入路通過期間の経過後に該第1発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第1進入路通過期間の経過中に前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第1進入路通過期間の経過後に前記第2発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第2進入路通過期間として前記第2発光部を発光状態とさせ、該第2進入路通過期間の経過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路通過期間の経過中に前記第1走行路に配置された前記第1遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第2進入路通過期間の経過後に前記第1発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第1発光部を非発光状態とさせることを特徴とする、模型車両の走行制御システム。
【請求項7】
模型車両の走行制御システムであって、
通電されるレールが敷設された走行路と、走行路を走行する模型車両と、走行許可装置を備え、
前記模型車両は、レールから電力を取得する電力取得部と、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記走行許可装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行許可装置の発光制御部は、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、前記発光部を発光状態とさせ、該遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は該発光部を非発光状態とさせた後に該発光部を発光状態とさせ、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電力取得部と前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、該照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電力取得部と該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記走行路の、前記走行許可装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システム。
【請求項8】
請求項7に記載の模型車両の走行制御システムであって、
前記走行許可装置の遮蔽物検知部が、前記発光部から離れた位置で、前記走行路に配置され、
前記発光部は、該発光部が発光状態を継続する時、前記模型車両が該発光部で停止することができる長さを有し、他の模型車両が前記遮蔽物検知部で遮蔽物として検知された時は、該発光部で停止した該模型車両が該発光部から離脱することを特徴とする、模型車両の走行制御システム。
【請求項9】
模型車両の走行制御システムであって、
通電されるレールが敷設された走行路と、走行路を走行する模型車両と、速度制御装置を備え、
前記模型車両は、レールから電力を取得する電力取得部と、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記速度制御装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、発光制御部を備え、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電力取得部と前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、前記照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電力取得部と該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記速度制御装置は、前記発光制御部に制御されて、前記発光部が発光状態と非発光状態を所定の時間間隔で繰り返し、
前記走行路の、前記速度制御装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は模型車両の走行制御システムに関する。さらに詳しくは、模型車両の走行、停止、及び速度の制御をするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の走行路で鉄道模型車両を走行させる簡易な鉄道模型システムでは、レール部品を接続して周回路を形成した走行路の上を、電源スイッチを入れると車輪が回転する自走式の鉄道模型車両を自動走行させて遊ぶことができる。そして、レール部品には直線レール、曲線レール、ポイントレール等が用意されており、これらの組み合わせにより多様な形態の走行路を形成することができる。
また、プラスチック製の並列された走行路で自動車模型車両を走行させる簡易なサーキット模型システムでは、電源スイッチを入れると車輪が回転する自走式の自動車模型車両を、並列する走行路に投入して競走させて遊ぶことができる。
【0003】
しかし、上記の簡易な鉄道模型システムでは、鉄道模型車両は電源スイッチを入れた後は一定の速度で走行を続けるのみであり、停止させる手段としては電源スイッチを切ることしかないため、走行方法については遊び方のバリエーションが少ない。そして、同一の走行路で複数の鉄道模型車両を走行させると、走行速度の違いにより、衝突してしまうことがある。
【0004】
そこで、鉄道模型車両の停止を可能とするために、特殊なレール部品として、鉄道模型車両の走行と停止を制御できる停止レールが提案されている。停止レールは、直線レールの幅方向の中央部にレバー操作等により昇降する台座部が設けられたレール部品である。そして、台座部が下降している状態では、鉄道模型車両を台座部の上を通過させ、台座部が上昇している状態では、鉄道模型車両の底部を台座部に乗り上げさせ車輪を走行路から浮き上がらせて空転させることで、鉄道模型車両を停止レール上で停止させる。そして、鉄道模型車両が停止レールで停止した状態でレバー操作等により台座部を下降させると、回転している車輪が走行路に下りて、鉄道模型車両は走行を再開する。
【0005】
特開平7-96081号公報(特許文献1)には、自走式車両模型が通過する軌道脇に信号機を敷設し、信号機の手前の軌道にストッパ機構を設けた、自走式車両模型軌道が提案されている。この軌道では、信号機を赤に切り換えると、ストッパ機構のストッパ板が上昇し、信号機を青に切り換えるとストッパ板が下降する構成となっている。そこで、赤信号に差し掛かった自走式車両模型は、シャーシ部分がストッパ板に乗り上げて、駆動輪が非接地状態となり、赤信号の手前で停止する。そして、信号機が青の時は、ストッパ板に乗り上げることなく、青信号を通過する。これは、前述の停止レールの応用であるが、信号機の操作で、自走式車両模型の走行と停止を制御することができる。
【0006】
ところで、鉄道模型システムには、上述のプラスチック製の走行路を自走式の鉄道模型車両を走行させる簡易な方式の他に、2本のレールに電気を流し、レールに接触する車輪から電気の供給を受ける鉄道模型車両が線路上を走行するレール給電方式のシステムがある。レール給電方式の鉄道模型システムでは、レールへの給電を制御することで鉄道模型車両の走行及び停止を制御することができる。
そして、レール給電方式の鉄道模型システムには、周回路を形成する線路を複数のセクションに分割して各セクションへの給電を制御する事により、セクション毎に、鉄道模型車両の走行及び停止を制御できるものがある。
【0007】
特開2003-225472号公報(特許文献2)には、線路を複数のセクションに分割し、セクションの境界部分に鉄道模型車両を検出する車両センサを設置し、各セクションへの給電を制御することにより、セクション毎に鉄道模型車両の走行及び停止を制御する車両運転装置が提案されている。
特許文献2の車両運転装置では、車両センサにより鉄道模型車両の各セクションへの入出を検知して、鉄道模型車両の居るセクションを把握し、次に走行するセクションに他の鉄道模型車両が存在する場合は、次のセクションへの進入不可と判断して現在居るセクションへの給電を停止して鉄道模型車両を停止させ、次のセクションに他の鉄道模型車両が存在しなければ、現在居るセクションに給電して鉄道模型車両が次のセクションに進入する事を可能としている(特許文献2の段落[0004]の(1)、(2)参照)。
このように、特許文献2の車両運転装置では、線路上で鉄道模型車両が接近すると後続の鉄道模型車両へのレールからの給電が停止して後続の鉄道模型車両を停止させるため、衝突を回避して複数の鉄道模型車両を同一の線路上で走行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7-96081号公報
【特許文献2】特開2003-225472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2の車両運転装置では、複雑な制御用のシステムが必要となるため費用が掛かり、鉄道模型を気軽に楽しめないという不都合が生じてしまう。
また、上述の鉄道模型車両も自動車模型車両も一定の速度で走行し、減速させることができないため、走行路にカーブを設けると、カーブの部分で脱線したり、走行路から飛び出してしまうことがある。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、簡易な構成で、模型車両の走行、停止、速度制御を可能とする模型車両の走行制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る模型車両の速度制御システムは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、模型車両の走行制御システムであって、
走行路と、走行路を走行する模型車両と、走行許可装置を備え、
前記模型車両は、電源と、電源スイッチと、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記走行許可装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行許可装置の発光制御部は、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、前記発光部を発光状態とさせ、該遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は該発光部を非発光状態とさせた後に該発光部を発光状態とさせ、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電源スイッチと前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、該照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電源スイッチと該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記走行路の、前記走行許可装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システムである。
【0012】
この第1の発明によれば、模型車両は、照度測定部が測定した照度が基準照度よりも低い時は、電源スイッチと駆動モータの間が電気的な接続状態となり、駆動モータが回転して、走行路を走行する。そして、模型車両は、照度測定部が測定した照度が基準照度よりも高い時は、電源スイッチと駆動モータの間が電気的な切断状態となり、駆動モータが停止して、走行路で停止する。
そして、走行許可装置の遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、走行路に配置された発光部が発光状態となる。そして、走行許可装置の遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、走行路に配置された発光部が所定の期間は非発光状態となった後に発光状態となる。
よって、遮蔽物検知部に遮蔽物が無ければ、発光部が発光状態となるので、走行路を発光部が配置された位置まで走行してきた模型車両は、照度測定部が測定した照度が基準照度よりも高くなるため、発光部で停止する。そして、模型車両が発光部で停止した状態で遮蔽物検知部を遮蔽物で覆うと、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知して、発光部が非発光状態となる。すると、照度測定部が測定した照度が基準照度よりも低くなるため、模型車両は走行を始める。また、模型車両が発光部の手前に来たときに、遮蔽物検知部を手などで覆って遮蔽物を検知させ、発光部を非発光状態にすれば、模型車両は停止することなく発光部を通過する。
したがって、第1の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができる。
【0013】
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る模型車両の走行制御システムであって、
前記走行許可装置の遮蔽物検知部が、前記発光部から離れた位置で、前記走行路に配置され、
前記発光部は、該発光部が発光状態を継続する時、前記模型車両が該発光部で停止することができる長さを有し、他の模型車両が前記遮蔽物検知部で遮蔽物として検知された時は、該発光部で停止した該模型車両が該発光部から離脱することを特徴とする、模型車両の走行制御システムである。
【0014】
この第2の発明により、遮蔽物検知部に遮蔽物が無く発光部が発光状態で、発光部に到達した模型車両Aの照度測定部が基準照度よりも高い照度を測定して、模型車両Aが発光部で停止しているとき、別の模型車両Bを遮蔽物検知部の手前から走行させる。ここで、模型車両Bが遮蔽物検知部に到達すると、遮蔽物検知部が模型車両Bで覆われ、遮蔽物検知部が模型車両Bを遮蔽物として検知し、発光部が非発光状態となる。すると、模型車両Aの照度測定部が測定する照度が基準照度より低くなるため、模型車両Aが走行を開始する。そこで、模型車両Aが発光部から離脱するまでの期間は発光部を非発光状態とし、その後に発光部を発光状態とする。すると、模型車両Aが離脱した後、発光状態となった発光部に到達した模型車両Bは、発光部で停止する。
そして、模型車両Aが走行路を周回して遮蔽物検知部に到達すると、発光部が非発光状態となり、発光部で停止していた模型車両Bが走行を開始する。よって、模型車両Aと模型車両Bの走行速度が違っても、衝突する事はない。また、衝突を回避するために人が模型車両の走行制御システムを操作する必要もない。
したがって、この第2の発明によれば、簡易な構成で、同一の走行路で複数の模型車両を、衝突を回避して走行させることができる。
【0015】
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る模型車両の走行制御システムであって、
前記走行許可装置を2つ以上備え、
各走行許可装置の遮蔽物検知部と発光部は、前記模型車両の進行方向の後方に遮蔽物検知部が配置され、進行方向の前方に該発光部が配置され、
前記走行路の、1つの走行許可装置の遮蔽物検知部が配置された位置から前記模型車両の進行方向で見て発光部が配置された位置に至る区間には、他の走行許可装置の遮蔽物検知部及び発光部のいずれも配置されないことを特徴とする、模型車両の走行制御システムである。
【0016】
この第3の発明によれば、複数の走行許可御装置の遮蔽物検知部と発光部を組として、走行路の進行方向で、走行許可装置毎に順番に並んでいる。したがって、ある遮蔽物検知部を通過する模型車両は前方の発光部に停止している別の模型車両を走行させ、発光部に到達して停止する。発光部から走行を開始した模型車両は次の遮蔽物検知部を通過するとき前方の発光部に停止している別の模型車両を走行させ、発光部に到達して停止する。これの繰り返しにより、走行許可装置の数よりも1多い台数の模型車両をリレー方式で衝突を回避して、同一の走行路を走行させることができる。
したがって、この第3の発明によれば、走行許可装置を追加して走行路に遮蔽物検知部と発光部を設置することで、衝突を回避して同一の走行路を走行できる模型車両の台数を増やすことができる。
【0017】
次に、本発明の第4の発明は、模型車両の走行制御システムであって、
走行路と、走行路を走行する模型車両と、速度制御装置を備え、
前記模型車両は、電源と、電源スイッチと、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記速度制御装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、発光制御部を備え、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電源スイッチと前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、前記照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電源スイッチと該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記速度制御装置は、前記発光制御部に制御されて、前記発光部が発光状態と非発光状態を所定の時間間隔で繰り返し、
前記走行路の、前記速度制御装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システムである。
【0018】
走行している模型車両は、駆動モータへの電源の供給を止めると、減速しながら一定の時間走行した後に停止する。また、停止している模型車両は、駆動モータに電源を供給すると、一定の時間加速した後に通常速度となる。
この第4の発明によれば、走行路で発光部に到達した模型車両は、発光部が発光状態の時は照度測定部が測定する照度が基準照度よりも高くなるため、駆動モータへの電源の供給が止められて停止に向けて減速する。そして、停止する前に発光部が非発光状態となると、照度測定部が測定する照度が基準照度よりも低くなるため、駆動モータへの電源の供給が再開されて、通常速度に向けて加速する。そして、模型車両が通常速度に達する前に発光部を発光状態にすれば、模型車両は停止に向けて減速する。
したがって、発光部の発光状態と非発光状態を一定の時間間隔で繰り返すと、発光部を走行する模型車両は速度が低下した状態で減速と加速を繰り返す。そこで、発光状態と非発光状態の短時間での繰り返しを行うことにより、模型車両は速度の変化の目立たない速度が低下した状態で、発光部を走行することができる。
したがって、この第4の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行速度を制御することができる。
【0019】
次に、本発明の第5の発明は、模型車両の走行制御システムであって、
走行路と、走行路を走行する模型車両と、停止指示装置を備え、
前記模型車両は、電源と、電源スイッチと、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記停止指示装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記停止指示装置の発光制御部は、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、前記発光部を非発光状態とさせ、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は該発光部を発光状態とさせた後に該発光部を非発光状態とさせ、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電源スイッチと前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、該照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電源スイッチと該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記走行路の、前記停止指示装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が該基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システムである。
【0020】
この第5の発明の模型車両は第1の発明の模型車両と同様に、発光部が発光状態の時は発光部で停止し、発光部が非発光状態の時は発光部を通過する。そして、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は発光部が非発光状態となり、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は発光部を発光状態とした後に発光部が非発光状態となる。
よって、遮蔽物検知部に遮蔽物が無ければ発光部が非発光状態となるので、模型車両は発光部を通過する。そして、模型車両が発光部まで走行してきたときに遮蔽物検知部を手などで覆って遮蔽物として検知させ、発光部を発光状態にすれば、模型車両は発光部で停止する。そして、所定の期間を経過すれば、発光部が非発光状態となり、模型車両は走行を再開する。
したがって、第5の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができる。
【0021】
次に、本発明の第6の発明は、上記第5の発明に係る模型車両の走行制御システムであって、
前記停止指示装置は、電源と、第1発光部と、第1遮蔽物検知部と、第2発光部と、第2遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行路は第1進入路と第2進入路が交差する交差部を有しており、
前記第1進入路の前記交差部の手前に前記第2発光部が配置され、該第2発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第1遮蔽物検知部が配置され、
前記第2進入路の前記交差部の手前に前記第1発光部が配置され、該第1発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第2遮蔽物検知部が配置され、
前記発光制御部は、前記第1進入路に配置された前記第1遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第1進入路通過期間として前記第1発光部を発光状態とさせ、該第1進入路通過期間の経過後に該第1発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第1進入路通過期間の経過中に前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第1進入路通過期間の経過後に前記第2発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第2進入路通過期間として前記第2発光部を発光状態とさせ、該第2進入路通過期間の経過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路通過期間の経過中に前記第1走行路に配置された前記第1遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第2進入路通過期間の経過後に前記第1発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第1発光部を非発光状態とさせることを特徴とする、模型車両の走行制御システムである。
【0022】
この第6の発明によれば、第1進入路から模型車両が交差部に進入するとき、第1進入路に配置された第1遮蔽物検知部が模型車両を遮蔽物として検知してから模型車両が交差部を通過するまでの期間(第1進入路通過期間)は、第2進入路の交差部の手前に配置された第1発光部が発光状態となり、第2進入路からの他の模型車両の進入を抑止するので、模型車両は他の模型車両と衝突することなく交差部を通過できる。
そして、第1進入路通過期間の経過中に第2進入路に配置された第2遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、第1進入路通過期間の経過中は第1進入路に配置された第2発光部は非発光状態のままなので、模型車両は第2発光部で停止することなく交差部を通過できる。
そして、第1進入路通過期間が過ぎると、第2進入路に配置された第1発光部が非発光状態となり走行可能となって、第1進入路に配置された第2発光部が発光状態となるので、他の模型車両は衝突を回避して交差部を通過することが出来る。そして、他の模型車両が交差部を通過後は第2発光部が非発光状態となるので、第1進入路から交差部への進入が可能となる。
先に第2進入路から模型車両が進入する場合も同様の制御により、交差部での衝突が回避される。
したがって、第6の発明によれば、簡易な構成で、走行路の交差部で模型車両の走行及び停止を制御し衝突を回避して、交差部を通過させることができる。
【0023】
次に、本発明の第7の発明は、模型車両の走行制御システムであって、
通電されるレールが敷設された走行路と、走行路を走行する模型車両と、走行許可装置を備え、
前記模型車両は、レールから電気を取得する電力取得部と、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記走行許可装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行許可装置の発光制御部は、前記遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は、前記発光部を発光状態とさせ、該遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は該発光部を非発光状態とさせた後に該発光部を発光状態とさせ、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電力取得部と前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、該照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電力取得部と該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記走行路の、前記走行許可装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システムである。
【0024】
この第7の発明は、模型車両を駆動する電力を走行路に敷設され通電されるレールから取得することを除いて、上述の第1の発明と構成が共通するので、第1の発明と同様の効果が得られる。
したがって、この第7の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができる。
【0025】
次に、本発明の第8の発明は、上記第7の発明に係る模型車両の走行制御システムであって、
前記走行許可装置の遮蔽物検知部が、前記発光部から離れた位置で、前記走行路に配置され、
前記発光部は、該発光部が発光状態を継続する時、前記模型車両が該発光部で停止することができる長さを有し、他の模型車両が前記遮蔽物検知部で遮蔽物として検知された時は、該発光部で停止した該模型車両が該発光部から離脱することを特徴とする、模型車両の走行制御システムである。
【0026】
この第8の発明は、模型車両を駆動する電力を走行路に敷設され通電されるレールから取得することを除いて、上述の第2の発明と構成が共通するので、第2の発明と同様の効果が得られる。
したがって、この第8の発明によれば、簡易な構成で、同一の走行路で複数の模型車両を、衝突を回避して走行させることができる。
【0027】
次に、本発明の第9の発明は、模型車両の走行制御システムであって、
通電されるレールが敷設された走行路と、走行路を走行する模型車両と、速度制御装置を備え、
前記模型車両は、レールから電力を取得する電力取得部と、走行停止制御装置と、駆動モータと、駆動モータにより駆動する車輪を備え、
前記模型車両の走行停止制御装置は、照度測定部と、動力源制御部を備え、
前記速度制御装置は、電源と、走行路に配置され可視光又は赤外線を発する発光部と、発光制御部を備え、
前記走行停止制御装置の動力源制御部は、前記照度測定部が測定した照度が所定の基準照度よりも低い時は、前記電力取得部と前記駆動モータの間を電気的な接続状態とし、前記照度測定部が測定した照度が該基準照度よりも高い時は、該電力取得部と該駆動モータの間を電気的な切断状態とし、
前記速度制御装置は、前記発光制御部に制御されて、前記発光部が発光状態と非発光状態を所定の時間間隔で繰り返し、
前記走行路の、前記速度制御装置の発光部が配置された位置に、前記模型車両を置いたとき、該発光部が発光状態の時は、前記走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも高く、該発光部が非発光状態の時は、該走行停止制御装置の照度測定部で測定される照度が前記基準照度よりも低く、
前記発光部は前記走行路を前記模型車両が走行する方向に長さを有する、模型車両の走行制御システムである。
【0028】
この第9の発明は、模型車両を駆動する電力を走行路に敷設され通電されるレールから取得することを除いて、上述の第4の発明と構成が共通するので、第4の発明と同様の効果が得られる。
したがって、この第9の発明によれば、レール給電方式の模型車両の走行制御システムにおいても、簡易な構成で、模型車両の走行速度を制御することができる。
【発明の効果】
【0029】
上述の本発明の各発明によれば、次の効果が得られる。
まず、上述の第1の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができる。
次に上述の第2の発明によれば、簡易な構成で、同一の走行路で複数の模型車両を、衝突を回避して走行させることができる。
次に上述の第3の発明によれば、走行許可装置を追加して走行路に遮蔽物検知部と発光部を設置することで、衝突を回避して同一の走行路を走行できる模型車両の台数を増やすことができる。
次に上述の第4の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行速度を制御することができる。
次に上述の第5の発明によれば、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができる。
次に上述の第6の発明によれば、簡易な構成で、走行路の交差部で模型車両の走行及び停止を制御し衝突を回避して、交差部を通過させることができる。
次に上述の第7の発明によれば、レール給電方式の場合も、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができる。
次に上述の第8の発明によれば、レール給電方式の場合も、簡易な構成で、同一の走行路で複数の模型車両を、衝突を回避して走行させることができる。
次に上述の第9の発明によれば、レール給電方式の場合も、簡易な構成で、模型車両の走行速度を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施例1における模型車両の走行制御システムの全体構成図である。
図2】実施例1の走行許可装置の構成図である。
図3】実施例1の走行停止制御装置の構成図である。
図4】実施例2における模型車両の走行制御システムの全体構成図である。
図5】実施例3における模型車両の走行制御システムの全体構成図である。
図6】実施例3の速度制御装置の構成図である
図7】実施例3の速度制御のタイムチャートである。
図8】実施例4における模型車両の走行制御システムの全体構成図である。
図9】実施例4の停止指示装置の構成図である。
図10】実施例5における模型車両の走行制御システムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。
【実施例0032】
[実施例1の構成]
図1に本発明の実施例1における模型車両の走行制御システム10の全体構成図を示す。模型車両の走行制御システム10は、走行路20と、走行路20を走行する模型車両30と、走行路20の側に配置された走行許可装置60を備えている。
走行路20は、プラスチック製のレール部材を接続して1つの周回路を形成したものであり、模型車両30は鉄道車両の形態をした自走式の玩具である。
模型車両30は、電源32と電源スイッチ34と走行停止制御装置40と駆動モータ44と車輪46を備えており、電源スイッチ34の手動操作により、駆動モータ44の側への電源32の接続及び切断を制御し、駆動モータ44により車輪46を回転させて模型車両30を走行させる構造となっている。そして、走行停止制御装置40は電源スイッチ34と駆動モータ44の間で、電源スイッチ34から駆動モータ44への電力の供給を制御する機能を有する。走行停止制御装置40の動作に必要な電力は電源32から電源スイッチ34を経由して供給される。なお、電源32として単3型乾電池を使用している。
走行許可装置60は、電源62と可視光を発する発光部64と遮蔽物検知部66と発光制御部70を備えており、発光部64は走行路20に配置され、遮蔽物検知部66は発光部64から離れた位置で、走行路20に配置されている。そして、電源62から、発光部64、遮蔽物検知部66及び発光制御部70の動作に必要な電力が供給される。電源62として単3型乾電池を4個使用している。
なお、昼間の室内において模型車両の走行制御システム10で遊ぶためには、発光部64を室内にて太陽光でできる影よりも明るく光らせる必要があることから、電源容量を考慮し、電源62として、単1型乾電池、モバイルバッテリー、家庭用AC電源のアダプター等を使用しても良い。
【0033】
図2に走行許可装置60の詳細構成を示す。走行許可装置60の発光制御部70は、光電気変換部72と照度判定部74と制御計算部76と信号出力部78を備えている。そして、遮蔽物検知部66は入射する光の強さを測定する機能を有し、遮蔽物検知部66で測定した光の強さは、光電気変換部72で電圧に変換されて照度判定部74に出力される。そして、照度判定部74では、光電気変換部72から入力された電圧が下限照度に相当する電圧レベルより高い時は、制御計算部76にHi信号を出力し、光電気変換部72から入力された電圧が下限照度に相当する電圧レベルより低い時は、制御計算部76にLo信号を出力する。
ここで、下限照度とは、走行許可装置60の遮蔽物検知部66が遮蔽物で覆われているか、遮蔽物検知部66の近傍に光を遮る遮蔽物が存在しないかを判定するための基準となる照度である。そして、下限照度として、遮蔽物検知部66に模型車両30が存在しない時に遮蔽物検知部66で測定される周囲の環境の照度よりも低い照度であって、遮蔽物検知部66に模型車両30を置いた時に遮蔽物検知部66で測定される照度よりも高い照度が設定されている。
なお、模型車両の走行制御システム10で遊ぶ場合、室内が非常に暗く遮蔽物検知部66に遮蔽物が存在しない時に測定される照度が下限照度よりも低くなると、遮蔽物の有無が区別出来ないので、その場合は、室内をもっと明るくする必要がある。
【0034】
そして、制御計算部76は、照度判定部74からHi信号が入力された時は、信号出力部78からHi信号を発光部64に出力して発光部64を発光状態とさせ、照度判定部74からLo信号が入力された時は、所定の期間は信号出力部78からLo信号を発光部64に出力して発光部64を非発光状態とさせた後に、制御信号出力部78からHi信号を発光部64に出力して発光部64を発光状態とさせる。
したがって、走行許可装置60においては、遮蔽物検知部66に模型車両30が存在しない時は遮蔽物検知部66が測定した照度が下限照度よりも高くなり、発光部64が発光状態となる。そして、模型車両30が遮蔽物検知部66に到達した時は、遮蔽物検知部66が測定した照度が下限照度よりも低くなるので、発光部64は非発光状態となる。
【0035】
図3に模型車両30の走行停止制御装置40の詳細構成を示す。走行停止制御装置40は、照度測定部42と動力源制御部50から構成され、動力源制御部50は、光電気変換部52と照度判定部54と電気制御部56から構成されている。
照度測定部42は、模型車両30の走行路20に面する底面側に取り付けられている。そして、照度測定部42で測定した光の強さは、光電気変換部52で電圧に変換されて照度判定部54に出力される。そして、照度判定部54では、光電気変換部52から入力された電圧レベルが基準照度に相当する電圧レベルより低い時は、電気制御部56にLo信号を出力し、光電気変換部52から入力された電圧レベルが基準照度に相当する電圧レベルより高い時は、電気制御部56にHi信号を出力する。
ここで、基準照度とは、模型車両30を走行させるか停止させるかを判断する為の基準となる照度である。そして、基準照度として、走行許可装置60の発光部64が非発光状態で模型車両30が走行路20を周回するときに照度測定部42で測定される照度よりも高い照度であって、模型車両30を発光状態の発光部64に置いたときに照度測定部42で測定される照度よりも低い照度が設定されている。
【0036】
そして、電気制御部56は、照度判定部54からLo信号が入力された時は、電源スイッチ34と駆動モータ44の間を電気的な接続状態とし、照度判定部54からHi信号が入力された時は、電源スイッチ34と駆動モータ44の間を電気的な切断状態とする。
したがって、走行路20に配置された走行許可装置60の発光部64が非発光状態の時は、模型車両30の照度測定部42が測定する照度は基準照度よりも低いため、駆動モータ44に電力が供給されるので、模型車両30は発光部64を走行する。そして、発光部64が発光状態の時は、模型車両30の照度測定部42が測定する照度は基準照度よりも高くなるので、駆動モータ44に電力の供給が止まるため、模型車両30は発光部64で停止する。
なお、電源スイッチ34と駆動モータ44の間の電気的な接続及び切断の制御は半導体素子(FET、トランジスタ、IC等)を使用して行っている。
【0037】
なお、走行している模型車両30は、駆動モータ44への電力の供給を止めても停止するまでに一定の距離を走行する。本発明ではこの距離を停止距離と呼ぶこととする。したがって、発光部64で模型車両30を完全停止させるためには、発光部64の基準照度より明るい部分の長さを停止距離よりも長くする必要が有る。発光部64の長さが停止距離よりも短い場合は、模型車両30は発光部64を減速しながら走行し、模型車両30の照度測定部42が発光部64を通過した直後に、駆動モータ44への電力の供給が再開されて、加速しながら走行するため、発光部64で停止しないこととなる。
発光部64は、帯状にLEDが並んだLED部品を走行路20の方向に並べて配置しており、LED部品の数を調整することで、停止距離以上の長さを確保している。
【0038】
そして、発光状態の発光部64で停止した模型車両30は、発光部64が非発光状態となると通常速度に向けて加速しながら走行を開始するが、模型車両30の照度測定部42が発光部64を離脱するまでに一定の時間を要する。本発明ではこの時間を離脱時間とよぶこととする。したがって、発光部64で停止した模型車両30の照度測定部42を発光部64から離脱させる為には、発光部64の非発光状態を離脱時間よりも長い時間維持する必要が有る。
発光部64の長さと模型車両30の速さにより離脱時間が決まるので、発光部64の長さを短くすることにより離脱時間を短くすることができる。そして、発光部64の走行路20の進行方向側を不透明な黒色のビニールテープなどで覆うことで、発光部64を短くしたのと同様の効果が得られる。
【0039】
[実施例1の効果]
図1を参照して実施例1の効果を説明する。遮蔽物検知部66に遮蔽物が無く発光部64が発光状態の時、走行路20を走行する模型車両30は、発光部64に到達し、照度測定部42が基準照度より高い照度を測定して停止動作を行い、発光部64の長さが模型車両30の停止距離よりも長ければ、発光部64で停止する。
次に、模型車両30と同様の構成の図示しない模型車両30xを走行路20の遮蔽物検知部66の手前から走行させる。ここで、模型車両30xが遮蔽物検知部66に到達すると、遮蔽物検知部66が模型車両30xで覆われ、遮蔽物検知部66が測定する照度が下限照度よりも低くなり、発光部64が非発光状態となる。すると、模型車両30の照度測定部42が測定する照度が基準照度より低くなるため、模型車両30が走行を開始する。ここで、発光制御部70で、発光部64を非発光状態とする期間を前述の離脱時間よりも長く設定しておけば、模型車両30が発光部64を通過した後で、発光部64は発光状態となる。そして、遮蔽物検知部66を通過して発光部64に到達した他の模型車両30xは、発光部64で停止する。
【0040】
なお、他の模型車両30xが遮蔽物検知部66を通過する時間が前述の離脱時間よりも長い場合は、発光部64を非発光状態とする期間を遮蔽物検知部66が他の模型車両30xで遮蔽されている期間としても良い。この場合は、発光制御部70に発光部64を非発光状態とする期間を設定しておく必要がなく、発光制御部70は、遮蔽物検知部66が遮蔽物を検知している時は発光部64を非発光状態とし、遮蔽物を検知しない時は発光部64を発光状態とすればよい。
そして、模型車両30が走行路20を周回して、遮蔽物検知部66に到達すると、発光部64が非発光状態となり模型車両30xが走行を開始するので、模型車両30と模型車両30xの走行速度が違っても、衝突することはない。また、衝突を回避するために模型車両の走行制御システム10を操作する必要もない。
したがって、実施例1によれば、簡易な構成で、同一の走行路で複数の模型車両を、衝突を回避して走行させることができる。
【0041】
[実施例1の変形例]
実施例1では、走行許可装置の発光部が可視光を発する構成としたが、発光部が赤外線を発する構成としても良い。このときは、模型車両の照度測定部を赤外線を測定する構成とする。
実施例1では、遮蔽物検知部を走行路に配置したが、模型車両の走行及び停止を制御するのであれば、遮蔽物検知部を配置する位置は走行路に限られず、遮蔽物検知部を発光制御部と一体の構成としてもよい。そして、遮蔽物検知部を手で覆ったり避けたりする事により、発光部の非発光状態と発光状態を切り換えることができ、模型車両を発光部を通過させたり、発光部で停止させたりする事ができる。
そして、遮蔽物検知部は、走行路の両側に赤外線発信部と赤外線受信部を設け、赤外線受信部が受信する赤外線の強さによって、遮蔽物検知部を模型車両が通過しているか否かを判断することとしても良い。
実施例1では、走行停止制御装置の動作に必要な電力は模型車両の走行に使用する電源から供給を受けたが、走行停止制御装置に専用の電源を用意しても良い。このときは、走行停止制御装置の起動用のスイッチを設ける事が好ましい。
【0042】
そして、走行許可装置は、遮蔽物検知部に遮蔽物を検知しない時は発光部を発光状態とし、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、所定の期間は発光部を発光状態とした後に発光部を非発光状態にする事ができれば、実施例1に記載した構成に限られない。
例えば、遮蔽物検知部を第1検知部と第2検知部からなる構成とし、走行路の模型車両の進行方向の後方に第1検知部を、前方に第2検知部を配置する。そして、第1検知部が模型車両を検知してから第2検知部が模型車両を検知するまでの間を所定の期間として、第1検知部にて検知が完了して非検知状態となった後も発光部の非発光状態を保持し、第2検知部で模型車両が検知された時に発光部を発光状態とさせる構成が考えられる。
そして、走行停止制御装置は、発光部が発光状態の時は駆動モータへの電力の供給を停止し、発光部が非発光状態の時は駆動モータに電力を供給できる構成であれば、実施例1に記載した構成に限られない。
【実施例0043】
[実施例2の構成]
図4に本発明の実施例2における模型車両の走行制御システム10aの全体構成図を示す。模型車両の走行制御システム10aは走行路20aを走行する模型車両30aと、走行路20aの側に配置された走行許可装置60a及び走行許可装置60bを備えている。図4の矢印Fは、模型車両の進行方向を示している。
走行路20aは実施例1の走行路20と同じ構成であり、模型車両30aは実施例1の模型車両30と同じ構成であり、走行許可装置60a及び走行許可装置60bは実施例1の走行許可装置60と同じ構成なので、構成要素には対応する符号を付し、構成要素の説明は省略する。
【0044】
走行許可装置60aの遮蔽物検知部66aと発光部64aは、模型車両30aの進行方向の後方に遮蔽物検知部66aを配置し、進行方向の前方に発光部64aを配置する。そして、模型車両30aの進行方向で見た遮蔽物検知部66aが配置された位置から発光部64aが配置された位置までの区間は制御区間68aとし、他の走行許可装置の遮蔽物検知部及び発光部の配置を禁止する。そして、走行許可装置60bの遮蔽物検知部66bと発光部64bは、制御区間68a以外の区間で、模型車両30aの進行方向の後方に遮蔽物検知部66bを配置し、進行方向の前方に発光部64bを配置する。そして、模型車両30aの進行方向で見た遮蔽物検知部66bが配置された位置から発光部64bが配置された位置までの区間を走行許可装置60bの制御区間68bとする。
なお、実施例2では、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知している間、発光部を非発光状態とする構成としている。
【0045】
[実施例2の効果]
実施例2によれば、2つの走行許可装置60a及び走行許可装置60bの遮蔽物検知部及び発光部が、走行路の進行方向で、走行許可装置毎に、遮蔽物検知部66a、発光部64a、遮蔽物検知部66b、発光部64bの順番に並んでいる。そこで、発光部64aに模型車両30aと同じ構成の模型車両30yが停止し、発光部64bに模型車両30aと同じ構成の模型車両30zが停止した状態で、遮蔽物検知部66aの手前から模型車両30aを走行させる。図4はこの状態を示したものである。
すると、模型車両30aが遮蔽物検知部66aを通過している間に、発光部64aで停止していた模型車両30yが発光部64aを離脱して走行を開始し、模型車両30aは発光部64aに到達して停止する。
そして、模型車両30yが遮蔽物検知部66bを通過している間に、発光部64bで停止していた模型車両30zが発光部64bを離脱して走行を開始し、模型車両30yは発光部64bに到達して停止する。
すると、発光部64aには模型車両30aが停止し、発光部64bには模型車両30yが停止した状態で、模型車両30zが遮蔽物検知部66aの手前に接近してくる。
これの繰り返しにより、実施例3では、3台の模型車両をリレー方式で衝突を回避して、同一の走行路を走行させることができる。
そして、制御区間を避けて走行許可装置を追加することにより、同一の走行路を走行できる模型車両の台数を増やすことができる。
【実施例0046】
[実施例3の構成]
図5に本発明の実施例3における模型車両の走行制御システム10bの全体構成図を示す。実施例3では実施例1と同じ構造の模型車両を使用することができる。そして、模型車両の走行制御システム10bは、走行路20bと走行路20bを走行する模型車両30bと走行路20bの側に配置された速度制御装置80を備えている。
走行路20bは、実施例1の走行路20と同じ構成である。
速度制御装置80は、電源82と可視光を発する発光部84と発光制御部86を備えており、発光部84は走行路20bに配置されている。そして、電源82から、発光部84及び発光制御部86の動作に必要な電力が供給される。
【0047】
図6に実施例3の速度制御装置80の詳細構成を示す。速度制御装置80の発光制御部86は、信号出力部90と速度計算部92と周期設定部94と通電割合設定部96を備えている。周期設定部94には発光部84の点滅する周期を設定することができ、通電割合設定部96には発光部84が点滅する周期での通電時間の割合を設定することができる。例えば、周期設定部94に100ミリ秒と設定し通電割合設定部96に70%と設定すると、発光部84を、70ミリ秒は通電して発光状態し、次に30ミリ秒は遮断して非発光状態として、100ミリ秒周期で点滅を繰り返すように指定したことになる。
【0048】
発光制御部86の速度計算部92は、周期設定部94に設定された周期と通電割合設定部96に設定された通電割合を読み取って、通電時間と遮断時間を算出し、通電時間の間は信号出力部90から発光部84にHi信号を出させ、遮断時間の間は信号出力部90から発光部84にLo信号を出力させることを繰り返す。
そして、発光部84は信号出力部90からHi信号が入力されている間は発光状態となり、信号出力部90からLo信号が入力されている間は非発光状態となって、点滅を繰り返す。
【0049】
実施例3の模型車両30bは、実施例1の模型車両30と同じ構造なので、図3を参照して、発光部84での速度制御について説明する。
模型車両30bは走行路20bに面する底面側に取り付けられた照度測定部42で走行路20bの照度を測定し、測定した照度が基準照度よりも低い時は電気制御部56が電源スイッチ34と駆動モータ44の間を電気的な接続状態として模型車両30bを走行させ、測定した照度が基準照度よりも高い時は電気制御部56が電源スイッチ34と駆動モータ44の間を電気的な切断状態として模型車両30bを停止させる。
そして、基準照度を、発光部84が発光状態の時に照度測定部42で測定される照度よりも低く、発光部84が非発光状態の時に照度測定部42で測定される照度よりも高い照度に設定することで、発光部84が発光状態を維持していれば模型車両30bは発光部84で停止し、発光部84が非発光状態を維持していれば模型車両30bは発光部84を通過する。
そこで、発光部84が発光状態と非発光状態を周期的に繰り返し、模型車両30bが発光状態を検知して停止に向けて減速し、停止する前に非発光状態を検知して通常走行に向けて加速することを繰り返すことで、発光部84で模型車両30bを減速走行させることができる。
【0050】
[実施例3の効果]
図7を用いて、発光部84での速度制御について説明する。図7は速度制御のタイムチャートである。横軸は経過時間を示している。制御信号100は信号出力部90から発光部84に出力される信号であり、周期設定部94と通電割合設定部96の設定値が使用され速度計算部92により制御される。そして、Lo信号が出力されている時は発光部84が非発光状態となり、Hi信号が出力されている時は発光部84が発光状態となる。駆動モータ電源102は駆動モータ44と電源との接続状態を示す。駆動モータ駆動力104は、駆動モータ44の駆動力の有無を示す。そして、走行速度106は模型車両30bの走行速度を示す。なお、走行速度106は速度変化を模式的に表したものである。
【0051】
図7に示すように、制御信号100がHi信号に変わると発光部84が発光状態となり、模型車両30bの照度測定部42が基準照度より高い照度を測定し、動力源制御部50が電源を駆動モータ44から切断するため駆動モータ電源102が接続から切断に変わり、駆動モータ駆動力104が無しに変わる。すると、駆動力の無い駆動モータ44が負荷となって模型車両30bが停止に向けて減速する。
そして、模型車両30bが完全停止する前に制御信号100がLo信号に変わると発光部84が非発光状態となり、模型車両30bの照度測定部42が基準照度より低い照度を測定し、動力源制御部50が電源を駆動モータ44に接続するため駆動モータ電源102が切断から接続に変わり、駆動モータ駆動力104が有りに変わる。すると、駆動モータ44に駆動されて模型車両30bが通常速度に向けて加速する。このように、制御信号100のHi信号とLo信号の変化に応じて、模型車両30bは減速と加速を繰り返しながら発光部84を走行し、発光部84を通過すると通常速度での走行となる。
【0052】
このように、制御信号100のHi信号とLo信号を繰り返すことにより、速度制御装置80の発光部84の手前までは連続通電されていた模型車両30bは、発光部84に到達すると、通常速度より速度が低下したレベルで減速と加速を繰り返す。この繰り返しを単位時間当たり速い繰り返しを行うことにより速度の変化を少なくし、あたかも安定した状態で速度が低下できるようにするために、周期設定部94及び通電割合設定部96で、周期及び通電割合を設定できるようにしている。
そして、周期を100ミリ秒、通電割合を50%に設定して走行させたところ、通常走行の50%程度の減速した速度で走行する事を確認した。
この速度制御装置80の発光部84を走行路20bのカーブ部分に配置すれば、模型車両30bをカーブ部分では通常速度より減速した速度で走行させ、直線部分ではカーブ部分の走行速度よりも速い通常速度で走行させることができる。
鉄道模型システムやサーキット模型システムでは、鉄道模型車両や自動車模型車の減速制御ができず、カーブで脱線したりコースアウトしてしまうことがあるが、実施例3の模型車両と速度制御装置を使用すれば、カーブで減速させて、脱線やコースアウトを回避することができる。
【0053】
[実施例3の変形例]
実施例3では、速度制御装置の発光部が可視光を発する構成としたが、発光部が赤外線を発する構成としても良い。このときは、模型車両の照度測定部を赤外線を測定する構成とする。
実施例3では、発光制御部はマイクロプログラムで制御しており、周期設定部と通電割合設定部はマイクロプログラムのパラメータで設定及び調整をしているが、速度制御装置に周期及び通電割合を設定するダイヤルを設け、ダイヤルで値を調整してダイヤルの値を読み取る方式としても良い。
そして、速度制御装置は、発光部を点滅させることができる構成あれば、実施例3に記載した構成に限られない。
【実施例0054】
[実施例4の構成]
図8に本発明の実施例4における模型車両の走行制御システム10cの全体構成図を示す。模型車両の走行制御システム10cは、走行路20cと、走行路を走行する模型車両30cと、走行路20cの側に配置された停止指示装置110を備えている。
走行路20cは、プラスチック製のレール部材を接続して一つの周回路を形成したものであり、交差部22を有している。そこで、矢印Fで示した模型車両の進行方向で見て、走行路20cの交差部22に進入する部分の一方を第1進入路24、他方を第2進入路26と呼ぶこととする。
停止指示装置110は、電源111と、可視光を発する第1発光部112と、第1遮蔽物検知部114と、可視光を発する第2発光部116と、第2遮蔽物検知部118と、発光制御部120を備えている。そして、第1進入路24の交差部22の手前に第2発光部116が配置され、第2発光部116の模型車両の進行方向後方に第1遮蔽物検知部114が配置されており、第2進入路26の交差部22の手前に第1発光部112が配置され、第1発光部112の模型車両の進行方向後方に第2遮蔽物検知部118が配置されている。
【0055】
模型車両30cは、実施例1の模型車両30と同様の構成なので、実施例1の記載及び図3を参照することとして詳細な説明は省略する。そして、図3を参照して、停止指示装置110との関係について説明する。模型車両30cでは、照度測定部が測定した照度が基準照度より低い時は駆動モータに電力が供給され、照度測定部が測定した照度が基準照度より高い時は駆動モータへの電力の供給が遮断される。
ここで、基準照度は、模型車両30cを走行させるか停止させるかを判断する為の基準となる照度である。そして、基準照度として、停止指示装置110の第1発光部112及び第2発光部116が非発光状態で模型車両30cが走行路20cを周回するときに照度測定部で測定される照度よりも高い照度であって、模型車両30cを発光状態の第1発光部112に置いたときに照度測定部で測定される照度及び模型車両30cを発光状態の第2発光部116に置いたときに照度測定部で測定される照度の、いずれよりも低い照度が設定されている。
したがって、模型車両30cは、第1発光部112及び第2発光部116が非発光状態の時は、照度測定部で測定される照度が基準照度より低いので、駆動モータに電力が供給され第1発光部112及び第2発光部116を通過する。そして、第1発光部112及び第2発光部116が発光状態の時は照度測定部で測定される照度が基準照度より高いので、駆動モータへの電力の供給が遮断され、模型車両30cは第1発光部112及び第2発光部116で停止する。
【0056】
次に、停止指示装置110の発光制御部120の機能について説明する。図9に停止指示装置110の詳細構成を示す。停止指示装置110の各構成要素の動作に必要な電力は電源111から供給される。
第1遮蔽物検知部114は入射する光の強さを測定する機能を有し、第1遮蔽物検知部114で測定した光の強さは、第1光電気変換部121で電圧に変換されて第1照度判定部122に出力される。そして、第1照度判定部122では、第1光電気変換部121から入力された電圧が下限照度に相当する電圧レベルより高い時は制御計算部128にHi信号を出力、第1光電気変換部121から入力された電圧が下限照度に相当する電圧レベルより低い時は制御計算部128にLo信号を出力する。
第2遮蔽物検知部118は入射する光の強さを測定する機能を有し、第2遮蔽物検知部118で測定した光の強さは、第2光電気変換部124で電圧に変換されて第2照度判定部125に出力される。そして、第2照度判定部125では、第2光電気変換部124から入力された電圧が下限照度に相当する電圧レベルより高い時は制御計算部128にHi信号を出力し、第2光電気変換部124から入力された電圧が下限照度に相当する電圧レベルより低い時は制御計算部128にLo信号を出力する。
【0057】
ここで、下限照度は実施例1で説明した下限照度と同じ意味内容のものであり、停止指示装置110の各遮蔽物検知部が遮蔽物で覆われているか、各遮蔽物検知部の近傍に遮蔽物が存在しないかを判断するための基準となる照度である。そして、下限照度として、各遮蔽物検知部に模型車両30cが存在しない時に各遮蔽物検知部で測定される周囲の環境の照度よりも低い照度であって、各遮蔽物検知部に模型車両30cを置いたときに各遮蔽物検知部で測定される照度よりも高い照度が設定されている。
したがって、第1遮蔽物検知部114に模型車両30cが居ない時は第1照度判定部122から制御計算部128にHi信号が出力され、模型車両30cが居る時は第1照度判定部122から制御計算部128にLo信号が出力される。
そして、第2遮蔽物検知部118に模型車両30cが居ない時は第2照度判定部125から制御計算部128にHi信号が出力され、模型車両30cが居る時は第2照度判定部125から制御計算部128にLo信号が出力される。
【0058】
制御計算部128は、マイクロプログラムで制御されており、所定の時間間隔で、例えば5ミリ秒の間隔で、第1照度判定部122及び第2照度判定部125から入力される信号を監視する。
そして、第1照度判定部122からHi信号が入力されている時は、第1信号出力部123から第1発光部112にLo信号を出力して第1発光部112を非発光状態とさせる。そして、第1照度判定部122からLo信号が入力された時は、所定の期間が経過するまでの間は、第1信号出力部123から第1発光部112にHi信号を出力して第1発光部112を発光状態とし、所定の期間の経過後に、第1発光部112にLo信号を出力して第1発光部112を非発光状態とする。
そして、第2照度判定部125からHi信号が入力されている時は、第2信号出力部126から第2発光部116にLo信号を出力して第2発光部116を非発光状態とさせる。そして、第2照度判定部125からLo信号が入力された時は、所定の期間が経過するまでの間は、第2信号出力部126から第2発光部116にHi信号を出力して第2発光部116を発光状態とし、所定の期間の経過後に、第2発光部116にLo信号を出力して第2発光部116を非発光状態とする。
【0059】
したがって、発光制御部120による制御は、第1遮蔽物検知部114で遮蔽物を検知しない時は、第1発光部112を非発光状態として第1発光部112での模型車両30cの通行を可能とし、第1遮蔽物検知部114が遮蔽物を検知した時は、所定の期間が経過するまでは第1発光部112を発光状態として第1発光部112で模型車両30cの通行を禁止し、所定の期間の経過後は第1発光部112を非発光状態として模型車両30cの通行を可能とするものである。そして、第2遮蔽物検知部118が遮蔽物を検知しない時及び遮蔽物を検知した時の第2発光部116の制御も同様である。
なお、第1遮蔽物検知部114が遮蔽物を検知後、所定の期間の経過する前に第2遮蔽物検知部118が遮蔽物を検知する場合があり、その逆の場合もあるので、その場合は特別な処理として、後から遮蔽物を検知した遮蔽物検知部に対応する発光部を発光状態にする制御を保留するような処理をしている。
【0060】
[実施例4の効果]
図8で、実施例4における衝突回避の制御について説明する。図8は模型車両30cが走行路20cを走行して第1進入路24に配置された第1遮蔽物検知部114の直前まで到達し、模型車両30cと同様の構成の他の模型車両30xが走行路20cを走行して第2進入路26に配置された第2遮蔽物検知部118に近づいている状態を示している。
ここで、模型車両30cが第1遮蔽物検知部114の位置まで進んで第1遮蔽物検知部114が模型車両30cを遮蔽物として検知すると、制御計算部128は、模型車両30cの検知から模型車両30cが交差部22を通過するまでの期間を第1進入路通過期間として第2進入路26に配置された第1発光部112を発光状態とさせ、第1進入路通過期間の経過後に第1発光部112を非発光状態とさせる。これにより、模型車両30cが交差部22を通過するまでは第1発光部112が発光状態となり、第2進入路から交差部22に入ってくる模型車両30xは交差部22の手前に設置された第1発光部112で停止するので衝突を回避できる。
【0061】
しかし、図8に示した位置関係になった場合は、模型車両30cが第1進入路24の第2発光部116を通過する前に模型車両30xが第2進入路26に配置された第2遮蔽物検知部118に到達する。ここで、第2遮蔽物検知部118が模型車両30xを遮蔽物として検知し第2発光部116を発光状態にしてしまうと、模型車両30cは、第2発光部116で停止し、交差部22を通過できないこととなる。
そこで、第1進入路通過期間の経過中に第2進入路26に配置された第2遮蔽物検知部118が模型車両30xを遮蔽物として検知した時は、第1進入路通過期間の経過中は第2発光部116を非発光状態とする。そして、第1進入路通過期間が経過後に第2発光部116を発光状態とさせる。そして、第1進入路通過期間を経過すると第1発光部112が非発光状態となり模型車両30xが走行を再開する。そこで、模型車両30xが交差部22を通過した後に、第2発光部116を非発光状態とさせる。
【0062】
そして、模型車両30xが第2進入路26に配置された第2遮蔽物検知部118によって先に検知され、第2遮蔽物検知部118で模型車両30xが検知されてから模型車両30xが交差部22を通過するまでの第2進入路通過期間の経過中に第1遮蔽物検知部114が模型車両30cを遮蔽物として検知した時は、第2進入路通過期間の経過中は第1発光部112を非発光状態とする。そして、第2進入路通過期間が経過後に第1発光部112を発光状態とさせる。そして、第2進入路通過期間を経過すると第2発光部116が非発光状態となり模型車両30cが第1進入路24の走行を再開する。そこで、模型車両30cが交差部22を通過した後に、第1発光部112を非発光状態とさせる。
このように、先に交差部22に差し掛かった模型車両が交差部22を通過した後に、後から交差部22に差し掛かった他の模型車両が交差部22を通過する制御を行うことで、交差部22を有する走行路20cで、衝突を回避して、2台の模型車両を走行させることができる。
【0063】
[実施例4の変形例]
実施例4では、模型車両が遮蔽物検知部に検知されてから交差部を通過するまでの所要時間、及び、発光状態の発光部で停止している模型車両が、発光部が非発光状態となってから交差部を通過するまでの所要時間、に相当するパラメータを停止指示装置110の発光制御部120を制御するマイクロプログラムで設定して調整している。そこで、停止指示装置110にダイヤルを設けて、これらのパラメータを調整しても良い。
実施例4では停止指示装置の第1発光部及び第2発光部は可視光を発する構成としたが、赤外線を発する構成としても良い。このときは、模型車両の照度測定部を赤外線を測定する構成とする。
【0064】
実施例4では、模型車両の衝突を自動で回避させるため停止指示装置の2つの遮蔽物検知部を走行路に配置して模型車両の交差部への接近を検知しているが、遮蔽物検知部を走行路から外して模型車両の走行制御システムの利用者の手元に置き、利用者が遮蔽物検知部を手で覆うことで、対応する発光部を発光状態にさせて交差部での模型車両の衝突を防ぐこともできる。
この場合は、発光制御部は、第1遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は第1発光部を非発光状態とし、第1遮蔽物検知部が遮蔽物を検知している時は第1発光部を非発光状態とし、第2遮蔽物検知部と第2発光部についても同様の制御をする単純なものでよい。2つの模型車両が衝突しそうな状態で交差部に向かって走行してきた時は、使用者は停止させたい側の進入路に配置された発光部に対応する遮蔽物検知部を手などで覆って遮蔽物として検知させ、発光部を発光状態として一方の模型車両を停止させ、他方の模型車両が交差部を通過した後、遮蔽物検知部の覆いを外せば、同一の走行路で交差部での衝突を回避させて、2台の模型車両を走行させることができる。
【0065】
また、停止制御装置は1つの遮蔽物検知部と発光部を備える構成とし、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知しない時は発光部を非発光状態とし、遮蔽物検知部が遮蔽物を検知した時は、一定期間は発光部を発光状態とし、一定期間の経過後は発光部を非発光状態としても良い。発光部の手前に模型車両が接近したとき、手などで短時間遮蔽物検知部を覆った後すぐに覆いを外すと、模型車両は発光部で停止した後に、一定期間の経過後に発光部が非発光状態となると、自動で走行を開始するので、走行路の発光部の脇に模型の駅を配置すれば、駅で停止させるような遊び方が出来る。
【実施例0066】
[実施例5の構成]
上述の各実施例では、電源を搭載する自走式の模型車両がプラスチック製の走行路を走行するシステムについて説明したが、本発明は、レールが敷設された走行路をレールから給電を受ける鉄道模型車両が走行するレール給電式鉄道模型車両システムに適用することができる。その時は、模型車両は走行停止制御装置の動作に必要な専用電源を搭載しても良く、専用電源と走行停止制御装置の間に電源スイッチを設けても良い。
図10に実施例5における模型車両の走行制御システム10dの全体構成図を示す。模型車両の走行制御システム10dは、2本のレール28が敷設されレール28に通電される走行路20dと、レール28に接触する車輪から電力の供給を受けてレール28上で走行路20dを走行する模型車両30dと、走行路20dの側に配置された走行許可装置60dを備えている。
走行路20dは、金属製のレール28が2本敷かれたレール部材を接続して1つの周回路を形成したもので、家庭用のコンセントから取った電気が、図示しないパワーユニットを経由して、プラスとマイナスの電気が2本のレール28に流される。なお、レール28に流される電気は低電圧なのでレールに触っても感電することはない。
【0067】
模型車両30dは、レール28から電力を取得する電力取得部36と走行停止制御装置40dと駆動モータ44と車輪46を備えており、電力取得部36でレール28に接触する車輪46を経由しレール28から電力を取得して走行する。
走行停止制御装置40dは、駆動モータ44に供給する電力を電力取得部36から取得する点と、走行停止制御装置40dの動作に必要な電力を専用の内蔵電池でまかなう点を除いて、実施例1で使用した走行停止制御装置40と同じなので、図3及び実施例1の走行停止制御装置40に関する記載を参照し、詳細な説明は省略する。なお、走行停止制御装置40dの動作に必要な電力は、電力取得部36から取得しても良い。
【0068】
走行許可装置60dは、電源62dと可視光を発する発光部64dと遮蔽物検知部66dと発光制御部70dを備えており、発光部64dは走行路20dの2本のレール28の間に配置され、遮蔽物検知部66dは発光部64dから離れた位置で、走行路20dの2本のレール28の間に配置されている。そして、電源62dから、発光部64d、遮蔽物検知部66d及び発光制御部70dの動作に必要な電力が供給される。
走行許可装置60dの発光部64d、遮蔽物検知部66d及び発光制御部70dの構成は、実施例1の走行許可装置60の発光部64、遮蔽物検知部66及び発光制御部70の構成と同じなので、図2及び実施例1の走行許可装置60の説明を参照し、詳細な説明は省略する。
【0069】
模型車両の走行制御システム10dは、模型車両30dへの電力の供給方式を除いて、実施例1の模型車両の走行制御システム10と構成が同じなので、実施例1と同様の効果が得られる。そして、実施例5には、実施例1の変形例の適用が可能である。
よって、実施例5によれば、簡易な構成で、模型車両の走行及び停止を制御することができ、同一の走行路で複数の模型車両を、衝突を回避して走行させることができる。
また、実施例2の形態をレール給電式鉄道模型車両システムに適用すれば、走行路を複数の区間を分割して区間毎にレールへの通電の制御をしなくても、複数の模型車両を衝突を回避して走行路上を走行させることができる。
また、実施例3の形態をレール給電式鉄道模型車両システムに適用すれば、走行路に速度制御装置を配置した区間で、鉄道模型車両を減速走行させることができる。
【0070】
その他、本発明に係る模型車両の走行制御システムはその発明の思想の範囲で、各種の形態で実施できるものである。
【符号の説明】
【0071】
10、10a、10b、10c、10d 模型車両の走行制御システム
20、20a、20b、20c、20d 走行路
22 交差部
24 第1進入路
26 第2進入路
28 レール
30、30a、30b、30c、30d、30x、30y、30z 模型車両
32 電源
34 電源スイッチ
36 電力取得部
40、40d 走行停止制御装置
42 照度測定部
44 駆動モータ
46 車輪
50 動力源制御部
52 光電気変換部
54 照度判定部
56 電気制御部
60、60a、60b、60d 走行許可装置
62、62a、62b、62d 電源
64、64a、64b、64d 発光部
66、66a、66b、66d 遮蔽物検知部
68a、68b 制御区間
70、70a、70b、70d 発光制御部
72 光電気変換部
74 照度判定部
76 制御計算部
78 信号出力部
80 速度制御装置
82 電源
84 発光部
86 発光制御部
90 信号出力部
92 速度計算部
94 周期設定部
96 通電割合設定部
100 制御信号
102 駆動モータ電源
104 駆動モータ駆動力
106 走行速度
110 停止指示装置
111 電源
112 第1発光部
114 第1遮蔽物検知部
116 第2発光部
118 第2遮蔽物検知部
120 発光制御部
121 第1光電気変換部
122 第1照度判定部
123 第1信号出力部
124 第2光電気変換部
125 第2照度判定部
126 第2信号出力部
128 制御計算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
次に、本発明の第6の発明は、上記第5の発明に係る模型車両の走行制御システムであって、
前記停止指示装置は、電源と、第1発光部と、第1遮蔽物検知部と、第2発光部と、第2遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行路は第1進入路と第2進入路が交差する交差部を有しており、
前記第1進入路の前記交差部の手前に前記第2発光部が配置され、該第2発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第1遮蔽物検知部が配置され、
前記第2進入路の前記交差部の手前に前記第1発光部が配置され、該第1発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第2遮蔽物検知部が配置され、
前記発光制御部は、前記第1進入路に配置された前記第1遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第1進入路通過期間として前記第1発光部を発光状態とさせ、該第1進入路通過期間の経過後に該第1発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第1進入路通過期間の経過中に前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第1進入路通過期間の経過後に前記第2発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第2進入路通過期間として前記第2発光部を発光状態とさせ、該第2進入路通過期間の経過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路通過期間の経過中に前記第1進入路に配置された前記第1遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第2進入路通過期間の経過後に前記第1発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第1発光部を非発光状態とさせることを特徴とする、模型車両の走行制御システムである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
請求項5に記載の模型車両の走行制御システムであって、
前記停止指示装置は、電源と、第1発光部と、第1遮蔽物検知部と、第2発光部と、第2遮蔽物検知部と、発光制御部を備え、
前記走行路は第1進入路と第2進入路が交差する交差部を有しており、
前記第1進入路の前記交差部の手前に前記第2発光部が配置され、該第2発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第1遮蔽物検知部が配置され、
前記第2進入路の前記交差部の手前に前記第1発光部が配置され、該第1発光部の模型車両の進行方向の後方に前記第2遮蔽物検知部が配置され、
前記発光制御部は、前記第1進入路に配置された前記第1遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第1進入路通過期間として前記第1発光部を発光状態とさせ、該第1進入路通過期間の経過後に該第1発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第1進入路通過期間の経過中に前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第1進入路通過期間の経過後に前記第2発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路に配置された前記第2遮蔽物検知部が前記模型車両を遮蔽物として検知した時は、該模型車両の検知から該模型車両が前記交差部を通過するまでの期間を第2進入路通過期間として前記第2発光部を発光状態とさせ、該第2進入路通過期間の経過後に該第2発光部を非発光状態とさせ、
前記発光制御部は、前記第2進入路通過期間の経過中に前記第1進入路に配置された前記第1遮蔽物検知部が他の模型車両を遮蔽物として検知した時は、前記第2進入路通過期間の経過後に前記第1発光部を発光状態とさせ、他の模型車両が前記交差部を通過後に該第1発光部を非発光状態とさせることを特徴とする、模型車両の走行制御システム。