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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022110448
(43)【公開日】2022-07-29
(54)【発明の名称】運転支援システム、車両、撮影装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220722BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20220722BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60R1/00 A
H04N7/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021005862
(22)【出願日】2021-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福家 勇人
【テーマコード(参考)】
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
5C054CF08
5C054DA07
5C054DA09
5C054FC12
5C054FE05
5C054FE06
5C054FE07
5C054FE09
5C054FE12
5C054HA30
5H181AA01
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF22
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】死角が発生する領域を推定し、操縦者に死角が発生する領域の情報を含んだ車両の周囲情報を提供することを目的とする。
【解決手段】運転支援システム10は、車両110、コントローラ120、飛翔体130、表示装置140を備える。車両110は、車両110の周囲の情報を取得する。コントローラ120は、3次元地図データベース123を用いて、車両110の周囲に発生する死角を推定し、飛翔体130が撮影した映像から画像処理を行い、操縦者に提供する映像を作成する。飛翔体130は、コントローラ120で推定した死角が発生する領域を撮影する。表示装置140は、コントローラ120が作成した映像を操縦者に提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲を撮影する第1の撮影部と、
前記車両の位置を示す位置情報に基づき前記車両の周囲の物体によって前記第1の撮影部の撮影領域内において死角となる領域を死角領域として取得する領域取得部を備える車両コントローラと、
前記死角領域に関する情報を取得する情報取得部と、前記車両の周囲を撮影する第2の撮影部と、を備える撮影装置と、
を有し、前記車両コントローラはさらに前記第2の撮影部で撮影した前記死角領域の画像を受信する受信部を備える運転支援システム。
【請求項2】
前記領域取得部は、前記車両の周囲の物体の位置を示す物体情報を含む地図情報と前記位置情報に基づき、前記死角領域を取得する、
請求項1に記載の運転支援システム。
【請求項3】
前記領域取得部は、測距部で測定した前記車両から物体までの距離と前記位置情報に基づき、前記死角領域を取得する、
請求項1又は2に記載の運転支援システム。
【請求項4】
前記第1の撮影部の撮影領域として、前記第1の撮影部から所定の距離範囲が規定されており、
前記撮影装置は、前記死角領域で前記車両から最も近い位置である第1位置と、前記第1位置から最も離れた位置である第2位置とを結ぶ線を直径とする円によって規定される領域を撮影する、
請求項1から3に記載の運転支援システム。
【請求項5】
前記撮影装置は、前記死角領域を撮影できる位置に移動する、
請求項4に記載の運転支援システム。
【請求項6】
前記撮影装置は飛翔体であり、
前記死角領域の大きさと前記第2の撮影部の画角と、に基づいて前記飛翔体は高度を変更する、
請求項5に記載の運転支援システム。
【請求項7】
周囲を撮影する第1の撮影部と、
現在の位置を示す位置情報に基づき、周囲の物体によって前記第1の撮影部の死角となる領域を死角領域として取得する領域取得部と、
前記死角領域に関する情報に基づき撮影した前記死角領域の映像を撮影装置から取得する受信部と、を備える、
車両。
【請求項8】
車両の位置を示す位置情報に基づき、前記車両の周囲の物体によって前記車両の周囲の撮影領域を撮影する第1の撮影部の死角となる領域を死角領域として取得する車両コントローラから、前記死角領域に関する情報を取得する情報取得部と、
前記車両の周囲を撮影する第2の撮影部と、
前記第2の撮影部で撮影した前記死角領域の画像を前記車両又は前記車両コントローラに送信する送信部と、
を備える撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援システム、車両、および撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された撮影装置およびセンサを用いて、車両の周囲の障害物を検知する装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の周辺監視装置には、複数の撮影装置により撮影した映像を合成した車両の周囲を示す俯瞰図に、複数のレーダで検知した障害物の位置を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2012/169361号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来技術では、車両に搭載されたレーダ装置で検知できる障害物がモニタに表示されていた。しかし、建物等の他の物体によって生じた死角に存在する障害物を検知したいという課題がある。
【0006】
上記のような従来技術の課題に鑑みてなされた本開示の目的は、死角が発生する領域を推定し、死角に存在する障害物の情報を含んだ車両の周囲情報を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態にかかる運転支援システムは、車両の周囲を撮影する第1の撮影部と、前記車両の位置を示す位置情報に基づき車両の周囲の物体によって第1の撮影部の撮影領域内において死角となる領域を死角領域として取得する領域取得部を備える車両コントローラと、死角領域に関する情報を取得する情報取得部と、車両の周囲を撮影する第2の撮影部と、を備える撮影装置と、を有し、車両コントローラはさらに第2の撮影部で撮影した死角領域の画像を受信する受信部を備える。
【0008】
また、本開示の一実施形態にかかる車両は、周囲を撮影する第1の撮影部と、現在の位置を示す位置情報に基づき、周囲の物体によって第1の撮影部の死角となる領域を死角領域として取得する領域取得部と、死角領域に関する情報に基づき撮影した死角領域の映像を撮影装置から取得する受信部と、を備える。
【0009】
また、本開示の一実施形態にかかる撮影装置は、車両の位置を示す位置情報に基づき、車両の周囲の物体によって車両の周囲の撮影領域を撮影する第1の撮影部の死角となる領域を死角領域として取得する車両コントローラから、死角領域に関する情報を取得する情報取得部と、車両の周囲を撮影する第2の撮影部と、第2の撮影部で撮影した死角領域の画像を車両又は車両コントローラに送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、死角に存在する障害物の情報を含んだ車両の周辺画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態における、運転支援システムの概略構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態における、運転支援システムの運転支援の処理手順の例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態における、死角領域の推定方法の例、および飛翔体の飛行位置算出方法の例を説明するフローチャートである。
図4】地図情報に登録されている物体により発生する死角領域の推定方法の例を説明する図である。
図5】地図情報に登録されていない物体により発生する死角領域の推定方法の例を説明する図である。
図6】死角領域に基づき飛行位置の算出方法の例を説明する図である。
図7】第1の実施形態における、表示装置で表示する映像の作成方法の例を説明するフローチャートである。
図8】車両カメラ112で撮影した映像にアイコンを重畳させた映像の例を説明する図である。
図9】第2の実施形態における、運転支援システムの概略構成例を示す図である。
図10】第2の実施形態における、死角領域の推定方法の例および路側機の選択方法の例のフローチャートである。
図11】第3の実施形態における、運転支援システムの概略構成例を示す図である。
図12】第3の実施形態における、死角領域の推定方法の例および路側機の選択方法の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を適用した運転支援システムの実施形態について説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0013】
本発明を備えた運転支援システムの第1の実施形態について、図1を参照して説明する。本実施形態の運転支援システム10は、車両110、車両コントローラであるコントローラ120、飛翔体130、表示装置140等を含んで構成される。運転支援システム10は、遠隔地にある運転支援センターのオペレータによる車両110の遠隔操作を支援するものである。コントローラ120は車両110に搭載されてよい。飛翔体130は車両110に搭載され、コントローラ120からの指示に応じて離発着可能に構成されてよい。表示装置140は運転支援センターに設置され、車両110を遠隔操作するオペレータに車両110の周辺の映像を提供する。飛翔体130、表示装置140は、それぞれ通信ケーブル、無線ネットワーク等を介してコントローラ120と接続されて情報を送受信する。本実施形態では、車両110と飛翔体130、表示装置140とは、無線で通信されるものとする。
【0014】
図1において、各機能ブロックを結ぶ線は、制御信号又は通信される情報の流れを示す。機能ブロック間の通信は有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。
【0015】
車両110は、車両通信部111、第1の撮影部である車両カメラ112、測距部である測距センサ113、位置センサ114等を含んで構成される。
【0016】
車両110は例えば、自動車、産業車両、鉄道車両、生活車両、および滑走路を走行する固定翼機等を含んでよい。自動車は、例えば乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含んでよい。産業車両は、例えば農業および建設向けの産業車両等を含んでよい。産業車両は、例えばフォークリフトおよびゴルフカート等を含んでよい。農業
向けの産業車両は、例えばトラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機等を含んでよい。建設向けの産業車両は、例えばブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラ等を含んでよい。車両は、人力で走行するものを含んでよい。
【0017】
車両通信部111は、車両カメラ112で撮影した映像をコントローラ通信部121へ送信する。車両通信部111は、測距センサ113により測定された測距情報と位置センサ114により測定された位置情報、および車両110の進行方向をコントローラ通信部121へ送信する。
【0018】
車両カメラ112は、車両110の内部又は外部に設置され、車両110の周囲を撮像して映像を取得する。本実施形態において、車両カメラ112は、車両110の前方を撮影するように設置される。車両カメラ112が取得する映像は、車両110の運転席から視認できる風景と近似してよい。車両カメラ112は、車両110の後方又は側方を撮影するように設置されてもよい。
【0019】
測距センサ113は、車両110から周囲の物体までの距離を測定し、測距情報として出力する。測距センサ113は、例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダおよび超音波センサ等を含んでよい。測定された測距情報は、車両通信部111によってコントローラ通信部121へ送信される。
【0020】
位置センサ114は、車両110の現在位置を測定する。位置センサ114は、GPS(Global Positioning System)、磁気方位計等を含んでよい。GPSは、車両110の地上座標系における絶対位置を緯度および経度により取得する。磁気方位計は、車両110の絶対方位角を測定し、車両110の進行方向を取得する。測定された車両110の現在位置と進行方向は、位置情報として車両通信部111によってコントローラ通信部121へ送信される。
【0021】
コントローラ120は、受信部であるコントローラ通信部121、演算部122、3次元地図データベース123等を含んで構成される。
【0022】
演算部122は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC(Integrated Circuit)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
【0023】
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計
算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC(Application Specific Integrated Circuit))、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイスおよび構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
【0024】
演算部122は、コントローラ通信部121、演算部122、および3次元地図データベース123等を制御する。コントローラ120は車両110に配置されてもよいし、車両110以外の場所に配置されてもよい。第1の実施形態において、コントローラ120は車両に搭載される。
【0025】
コントローラ通信部121は、車両カメラ112が撮影した映像、測距センサ113で測定した測距情報および位置センサ114で測定した位置情報を、車両通信部111から受信する。コントローラ通信部121は、演算部122が推定した死角領域をもとに算出した飛行位置情報を飛翔体通信部131へ送信する。死角領域は、車両カメラ112が観察できる領域の中で、物体によって視界が遮られることで観察できない領域である。コントローラ通信部121は、飛翔体カメラ132が撮影した映像を、飛翔体通信部131から受信する。コントローラ通信部121は、映像情報を表示装置通信部141に送信する。
【0026】
演算部122は、ソフトウェアである死角推定部122a、飛行演算部122b、画像処理部122cを含んで構成される。演算部122は死角推定部122aとともに領域取得部として機能する。演算部122は、これらのソフトウェアによって死角領域の推定、飛翔体130の飛行位置の演算、および死角領域を撮影した映像に対する画像処理を行う。死角推定部122a、飛行演算部122b、画像処理部122cは図示しない記憶装置に記憶されていてよい。
【0027】
死角推定部122aは、位置センサ114で測定した車両110の位置情報と、3次元地図データベース123から取得した地図情報から、車両110からの視野の範囲内において死角が発生する領域を推定する。死角推定部122aは、測距センサ113で測定した車両110の周囲の物体までの距離情報、車両110の位置情報、および3次元地図データベース123から取得した地図情報から、車両110にとっての死角が発生する領域を推定する。地図情報は、車両110の周囲の3次元地図情報であり、車両110の位置情報に基づいて3次元地図データベース123から取得される。死角領域の推定方法は後述する。
【0028】
飛行演算部122bは、飛翔体130の飛行位置を算出する。飛行位置は、死角推定部122aで推定した死角領域を飛翔体カメラ132で撮影できる位置とする。飛翔体130の飛行位置は、飛行位置情報として出力する。飛行位置情報は、座標情報等を含んでよい。飛行位置の算出方法は後述する。
【0029】
画像処理部122cは、飛翔体カメラ132が撮影した映像に対する画像処理を行う。具体的には、例えば、画像処理部122cは、映像内の所定の物体を認識して物体の種類を分類する。所定の物体の種類には、例えば建物、車両、自転車、人を含んでよい。画像処理部122cは、物体の種類から車両110にとって危険な物体であるかを判断してよい。画像処理部122cは、物体の移動速度、方向と車両110の進行方向により、物体の危険度を判断してよい。画像処理部122cは、車両110に配置されている車両カメラ112で撮影した映像を、コントローラ通信部121から取得する。画像処理部122cは、分類した物体の種類、およびその物体の危険度に応じたアイコンを、車両カメラ112で撮影した映像に重畳する。アイコンを重畳する位置の求め方は後述する。アイコンが重畳された映像は、コントローラ通信部121によって、表示装置通信部141に送信される。
【0030】
3次元地図データベース123は、車両110の走行地域の3次元地図情報を記憶管理する記憶媒体で構成される。3次元地図情報は、道路の情報、および道路以外の物体の情
報である物体情報を含む。道路の情報とは、例えば道路、車線、白線、標識等の3次元座標、形状、大きさ、色、種別などを含んでよい。物体情報とは、建物、施設、トンネル等の3次元座標、形状、大きさ、色、種別などを含んでよい。形状や大きさは、例えば、物体の輪郭を形成する複数の端点の3次元座標で表される。3次元地図データベースとしてGIS(Geographic Information System)のデータベースを用いてよい。
【0031】
撮影装置である飛翔体130は、情報取得部である飛翔体通信部131、第2の撮影部である飛翔体カメラ132、飛翔体制御部133等を含んで構成される。飛翔体130は、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)やドローンと呼ばれる無人飛行機を含んでよい。飛翔体130は、車両110に搭載され、例えば、運転支援センターから車両110の遠隔操作を行う場合に、車両110から離陸して飛行してよい。飛翔体130は、飛行中には、所定の位置においてホバリングが可能であってよく、高速での巡航が可能であってよい。
【0032】
飛翔体通信部131は、コントローラ通信部121から飛翔体130の飛行位置情報を受信する。飛翔体通信部131は、飛翔体カメラ132が撮影した映像をコントローラ通信部121へ送信する。
【0033】
飛翔体カメラ132は、飛翔体130に設置され、飛翔体130の周囲を撮像して映像を取得する。飛翔体カメラ132は、駆動装置によって撮影方向を変更可能に構成されてよい。飛翔体カメラ132は、飛翔体130の前方、下方、後方、側方を撮影するように設置されてもよい。第1の実施形態において、飛翔体カメラ132が死角領域を撮影する場合には、飛翔体130の下方を撮影するものとする。
【0034】
飛翔体制御部133は、図示しない飛行機構を制御して、飛翔体130を飛行位置情報が示す位置に移動させる。
【0035】
表示装置140は、表示装置通信部141、表示部142等を含んで構成される。表示装置140は、画像処理部122cで作成した映像を表示する装置である。表示装置140は運転支援センターに配置されてもよいし、それ以外の場所に配置されてもよい。
【0036】
表示装置通信部141は、コントローラ通信部121から画像処理部122cで作成した映像を受信する。
【0037】
表示部142は、表示装置通信部141が受信した映像を表示装置140に表示する。表示した映像は、運転支援センターのオペレータが車両110を遠隔操作する際に用いられる。
【0038】
第1の実施形態の運転支援システム10における運転支援の処理手順について、図2を参照して説明する。
【0039】
まず、車両通信部111は、測距センサ113により測定された測距情報と、位置センサ114により測定された位置情報を、コントローラ通信部121へ送信する(ステップS100)。
【0040】
コントローラ120は、測距情報と位置情報を取得すると、死角推定部122aによって死角が発生する領域を推定する。飛行演算部122bは、飛翔体カメラ132が死角推定部122aで推定した死角領域を撮影できる位置を飛行位置として算出する。死角領域とは、車両カメラ112が観察できる領域において、物体によって視界が遮られることで
観察できない道路上の領域である。コントローラ通信部121は、飛行演算部122bで算出した飛行位置の情報を飛翔体通信部131へ送信する(ステップS200)。
【0041】
飛翔体130が飛行位置情報を取得すると、飛翔体制御部133は、図示しない飛行機構を制御し、飛翔体130を移動させる。飛翔体カメラ132は、飛行位置情報で示される上空の位置まで移動すると、死角推定部122aで推定した死角領域を撮影する。撮影された映像は、コントローラ通信部121へ送信される(ステップS300)。
【0042】
コントローラ120が飛翔体カメラ132で撮影した映像を取得すると、画像処理部122cは車両カメラ112で撮影した映像に対して画像処理を行う。具体的には、画像処理部122cは、車両通信部111から取得した、車両カメラ112で撮影した映像に、アイコンを重畳させる。アイコンは飛翔体カメラ132が撮影した映像に映る、画像処理部122cが分類した物体の種類に応じてよい。コントローラ通信部121は、アイコンが重畳された映像を、表示装置通信部141へ送信する(ステップS400)。
【0043】
表示装置140は、取得した映像を表示部142に表示させる(ステップS500)。映像は運転支援センターのオペレータが車両110を遠隔操作するために用いられる。映像にアイコンを重畳されていることで、遠隔地にある運転支援センターのオペレータは、死角領域に存在する物体を把握できる。アイコンの種類や表示形態は、画像処理部122cが認識した物体の危険度に応じてよい。オペレータは、アイコンの種類や表示形態から、物体が危険か否かを判断できる。
【0044】
本実施形態における、死角領域の推定方法、および飛翔体の飛行位置算出方法について、図3を参照して説明する。
【0045】
まず、コントローラ通信部121は、測距センサ113により測定された測距情報と位置センサ114により測定された位置情報を取得する(ステップS211)。測距情報は、車両110から周囲の物体までの距離の情報等を含んでよい。位置情報は、車両110の現在位置の情報等を含んでよい。
【0046】
演算部122は、ステップS211で取得した位置情報に基づいて、車両110の周囲の3次元地図情報である地図情報を、3次元地図データベース123から取得する(ステップS212)。
【0047】
演算部122は、測距情報と位置情報と地図情報から、車両110からの観察できる領域の中で、物体によって視界が遮られた死角が存在するか否かを判定する(ステップS213)。物体には、地図情報に登録されている物体と地図情報に登録されていない物体を含んでよい。地図情報に登録されている物体としては、例えば建物、標識、施設、トンネル、山等を含んでよい。地図情報に登録されていない物体は、例えば停止している大型車両、歩行者、地図情報に登録されていない新しく建造された建物、その他道路上に存在する障害物等を含んでよい。
【0048】
ステップS213で死角は存在しないと判断された場合、処理を終了する。ステップS213で死角が存在すると判断された場合、死角推定部122aは、飛翔体130が撮影すべき死角領域を推定する(ステップS214)。死角領域を推定する方法は後述する。
【0049】
飛行演算部122bは、飛翔体130の飛行位置を算出する(ステップS215)。飛行位置は、ステップS214で推定した死角領域を飛翔体カメラ132で撮影できる位置とする。飛行位置を算出する方法は後述する。
【0050】
コントローラ通信部121は、ステップS215で算出した飛行位置を飛翔体通信部131へ送信し(ステップS216)処理を終了する。
【0051】
ステップS214で実行される、地図情報に登録されている物体により発生する死角領域の推定方法を、図4を参照して説明する。
【0052】
図4に示す例では、道路上に地図情報に登録されている物体60a、60b、60c、60dが存在する。物体60a、60b、60c、60dは、例えば、道路に面して建造されている建物であってよい。車両110は物体60bと60dが面している道路から、物体60a、60b、60c、60dによって形成されている交差点を観察している。
【0053】
死角推定部122aは、位置情報と地図情報から、死角となる死角領域が存在するか判断する。具体的には、車両110からの視野の範囲(一例として、車両カメラ112からの視野の範囲であって、以下、撮影領域と称する)と、地図情報に登録されている物体の位置を重ね合わせたときに、物体が存在することによって車両110から先が見通せない領域(すなわち視野が遮られる領域)を死角領域と判断する。
【0054】
撮影領域は、半径R(車両カメラ112の視程距離)、中心角θ(車両カメラ112の画角)の扇形で定義される。
【0055】
撮影領域に物体が存在する場合、車両カメラの視野が物体で遮られることによって、死角領域が形成される。
【0056】
所定の距離範囲に死角を形成する物体が存在しない場合、撮影領域は所定の距離範囲と一致する。図4において、死角領域は破線と物体の輪郭の一部、および車載カメラ112からの視線方向で示されている。
【0057】
図4に示す例では、物体60bと物体60dによって、撮影領域内で死角領域が2つ存在すると判断する。
【0058】
死角推定部122aは、撮影領域と地図情報から死角が発生する道路上の領域のうち、最も車両110に近い地点である地点A(第1位置)を求める。地点Aは死角領域と隣接する物体の輪郭のうち、最も車両110と近い地点である。
【0059】
死角推定部122aは、地点Aが属する死角領域内の、最も地点Aから離れた地点である地点B(第2位置)を求める。
【0060】
同一の死角領域内の地点Aと地点Bを直径とする円の範囲に死角領域が含まれる。
【0061】
ステップS214で実行される、地図情報に登録されていない物体により発生する死角領域の推定方法を、図5を用いて説明する。
【0062】
図5に示す例では、地図情報に登録されていない物体60eが道路上に存在する。死角推定部122aは、測距情報と位置情報と地図情報から、死角となる死角領域が存在するか判断する。
【0063】
例えば、車両110から地図情報に登録されている物体の距離と、測距センサが測定した物体との距離を比較したときに、距離が一致しない物体が存在する場合、地図情報に登録されていない物体が存在すると判断する。
【0064】
死角推定部122aは、地図情報に登録されていない物体によって車両110からの視野が遮られる領域を死角領域と判断する。
【0065】
図5に示す例では、物体60eによって、撮影領域内に死角領域が存在する。撮影領域である所定の距離範囲は、前述した通り半径R(車両カメラ112の視程距離)、中心角θ(車両カメラ112の画角)の扇形で定義される。図5において、死角領域は破線と物
体の輪郭の一部、および車載カメラ112からの視線方向で示されている。
【0066】
死角推定部122aは、撮影領域と測距情報から死角が発生する領域のうち、最も車両110に近い地点である地点Aを求める。地図情報に登録されていない物体は、その大き
さ、形状が不明なので、物体が存在する領域のうち最も車両110に近い地点が地点Aと
なる。
【0067】
車両110から物体60eまでの距離rは、測距センサ113によって測定される。
【0068】
死角推定部122aは、地点Aが属する死角領域内で、最も地点Aから離れた地点である地点Bを求める。同一の死角となる領域内の地点Aと地点Bとを結ぶ直線を直径とする円の
範囲に、死角領域が含まれる。
【0069】
ステップS215で死角推定部122aが推定した死角領域に基づき、飛行位置の算出方法を、図6を用いて説明する。
【0070】
図6に示す例では、図4および図5で説明したように、地点Aと地点Bとを結ぶ直線を直径とする円の中に死角領域が存在する。したがって、飛行位置は、飛翔体130は搭載する飛翔体カメラ130からこの円を撮影できる位置となる。
【0071】
本実施例においては、死角領域を撮影する際に、飛翔体カメラ132は飛翔体130の真下を向くものとする。したがって、飛行位置は、飛翔体130に搭載する飛翔体カメラ132の画角φと地点Aから地点Bの距離に基づき、算出することができる。
【0072】
具体的には、飛翔体カメラ130の視野範囲は、飛翔体カメラ132の画角φを頂角とする円錐で定義できる。したがって飛行位置は、直径を地点Aから地点Bとする円を底面とし、画角φを頂角とする円錐の頂点の位置とすることができる。すなわち、飛行位置の高度は円錐の高さに対応する。なお、飛翔体130の飛行位置は、飛翔体カメラ132が地点Aと地点Bとを結ぶ直線を直径とする円の領域を撮影できる位置であればよく、本実施形態の例に限定されるものではない。
【0073】
第1の実施形態の運転支援システム10の表示装置で表示する映像の作成方法について、図7を用いて説明する。
【0074】
まず、コントローラ通信部121は、飛翔体カメラ132で撮影された映像を取得する(ステップS401)。
【0075】
画像処理部122cは、ステップS401で取得した映像内の物体を認識して物体の種類を分類する(ステップS402)。物体の種類には、例えば建物、車両、自転車、人等を含んでよい。
【0076】
画像処理部122cは、ステップS402で分類した物体の位置から、車両110にとって危険な物体か否かを判定する(ステップS403)。危険な物体とは、例えば、車両110と衝突の可能性がある物体であり、例えば車両、自転車、人等としてよい。
【0077】
認識された物体が、ステップS403で車両110にとって危険な物体ではないと判定された場合、処理を終了する。ステップS403で車両110にとって危険な物体であると判定された場合、画像処理部122cは、物体の移動速度・方向と車両110の進行方向により物体の危険度を推定する(ステップS404)。危険度は複数段階にレベル分けされてもよい。
【0078】
コントローラ通信部121は、車両カメラ112で撮影された映像を取得する(ステップS405)。
【0079】
画像処理部122cは、ステップS404で危険度を求めた物体の位置が、車両カメラ112で撮影された映像上のどの位置に対応するか算出する。画像処理部122cは、ステップS405で取得した映像上の、車両110にとって危険な物体が存在する位置に、ステップS402で分類した種類に応じたアイコンを重畳させる(ステップS406)。アイコンは、物体の危険度に応じて表示形態を変化させてよい。表示形態の変化は、例えば、色、透過率、彩度、明度、大きさ等の変化、および、点滅、移動などの動的な表示方法の変化としてよい。
【0080】
コントローラ通信部121は、ステップS406で作成したアイコンを重畳させた映像を表示装置通信部141へ送信する(ステップS407)。
【0081】
図8は、車両カメラ112で撮影した映像にアイコンを重畳させた映像を示す図である。
【0082】
画像処理部122cは、例えば、図8に示すように、車両カメラ112で撮影した映像に画像処理部122cが認識した物体の種類に対応したアイコン70a、70b、70cを重畳させて映像を生成する。
【0083】
図8において、物体60a、60b、60c、60dは、3次元地図データベース123から取得した地図情報に登録されている建物である。アイコン70a、70bは、建物である物体60b、60dによって視界が遮られた道路上の位置に存在している物体のうち、危険であると判断された物体に対応する。アイコン70a、70bの表示位置は、飛翔体カメラ132によって撮影された映像中における物体の位置に対応する。
【0084】
画像処理部122cは、アイコン70a、70b、70cの表示形態を、危険度に応じて変化させてよい。表示形態の変化は、例えば、色、透過率、彩度、明度、大きさ等の変化、および、点滅、移動などの動的な表示方法の変化としてよい。画像処理部122cは、アイコン70a、70b、70cを、危険度に応じて異なる色で表示させてよい。
【0085】
図8において、例えば、車両110との距離が近く、車両110に近づく危険度の高いアイコン70aは赤色で表示してよい。アイコン70aより車両110から離れているが、車両110に近づく危険度の高いアイコン70cは黄色で表示してよい。車両110との距離は近いが、車両110に近づく危険度の低いアイコン70bは青色で表示してよい。
【0086】
本発明の第2の実施形態について、図9を参照して説明する。
【0087】
本実施形態の運転支援システム20は、車両210、コントローラ220、路側機230、表示装置240等を含んで構成される。運転支援システム20は、路側機データベース224と撮影装置である路側機230を備える点で第1の実施形態に係る運転支援シス
テム10と異なる。
【0088】
第2の実施形態においては、車両210および表示装置240の構成、作用は第1の実
施形態に係る車両110および表示装置140と同様なので説明を省略する。
【0089】
以下、特別に明記したものを除き、第1の実施形態にかかる構成と同一名称を付した構成は、同一の構成、機能を有するものとして説明を省略する。
【0090】
路側機230は、通信ケーブル、無線ネットワーク等を介してコントローラ220と接続されて情報を送受信する。コントローラ220は、コントローラ通信部221、演算部222、3次元地図データベース223、路側機データベース224等を含んで構成される。
【0091】
コントローラ220はコントローラ通信部221、演算部222、3次元地図データベース223、路側機データベース224等を制御する。
【0092】
コントローラ通信部221は、死角領域を撮影可能な路側機230に撮影指示を送信する。コントローラ通信部221は、路側機通信部231から路側機カメラ232が撮影した映像を受信する。
【0093】
演算部222は、ソフトウェアである死角推定部222a、路側機選択部222d、画像処理部222c等を含んで構成される。
【0094】
路側機選択部222dは、死角領域を撮影する路側機230の選択を行う。路側機選択部222dは図示しない記憶装置に記憶されていてよい。
【0095】
路側機選択部222dは、死角領域を撮影することができる路側機230の情報を路側機データベース224から取得する。
【0096】
画像処理部222cは、路側機カメラ232が撮影した映像の画像処理を行う。画像処理部222cの構成、作用は第1の実施形態に係る画像処理部122cと同様なので説明を省略する。
【0097】
路側機データベース224は、車両210の走行地域に設置されている路側機に関する情報である路側機情報を記憶管理する記憶媒体で構成される。路側機情報は、路側機が設置されている位置の座標情報および路側機が撮影可能な領域の情報等を含んでよい。
【0098】
路側機230は、情報取得部である路側機通信部231、第2の撮影部である路側機カメラ232等を含んで構成される。
【0099】
路側機230は、V2I(Vehicle to Infrastructure)に
位置づけられ、交差点の信号情報や周囲情報の収集および配信等を通じて人と車両の協調制御を行う装置である。
【0100】
路側機230は、路側機230と通信可能なシステムが搭載された車両と通信ネットワーク等を介して情報の送受信を行ってよい。信号情報は、交差点に設置されている信号機の位置の座標情報および信号機で表示されている色の情報等を含んでよい。周囲情報は、路側機の周囲に関する情報を含んでよい。
【0101】
路側機通信部231は、コントローラ通信部221から撮影指示を受信する。路側機通
信部231は、路側機カメラ232で撮影した映像をコントローラ通信部221へ送信する。
【0102】
路側機カメラ232は、路側機230に設置され、路側機230の周囲を撮像して映像を取得する。第2の実施形態において、路側機カメラ232は、道路上の所定の領域を撮
影するように設置される。
【0103】
第2の実施形態においては、路側機カメラ232が死角領域を撮影するという点で第1の実施形態に係る運転支援システム10と異なる。運転支援システム20の運転支援の処理手順のうち、第1の実施形態に係る運転支援システム10の運転支援の処理手順と異なる部分のみ説明する。
【0104】
第2の実施形態の運転支援システム20の死角領域の算出方法および路側機の選択方法について、図10を参照して説明する。
【0105】
第2の実施形態においては、ステップS221~S223の処理は、ステップS211~S213の処理と同じであるため説明を省略する。
【0106】
ステップS223で死角が存在すると判断された場合、死角推定部222aは、路側機230が撮影すべき死角領域を推定する(ステップS224)。
【0107】
路側機選択部222dは、ステップS224で推定した死角領域を撮影可能な路側機230を路側機データベース224から選択する(ステップS225)。路側機データベース224は、路側機が設置されている位置の座標情報および路側機が撮影可能な領域の情報等を含む路側機情報を記憶している。路側機選択部222dは、ステップS224で推定した死角領域と路側機情報とから、死角領域を撮影可能な路側機230を選択し、処理を終了する。
【0108】
第2の実施形態においては、路側機カメラ232で映像を取得するという点で第1の実施形態に係る運転支援システム10と異なるが、路側機カメラ232が撮影した映像への画像処理部222cによる画像処理、および表示装置240で表示する映像の作成方法は、第1の実施形態に係る運転支援システム10と同様なので説明を省略する。
【0109】
本発明の第3の実施形態について、図11を参照して説明する。本実施形態の運転支援システム30は、車両310、コントローラ320、路側機330、表示装置340、撮影装置である選択車両350等を含んで構成される。路側機330、選択車両350は、通信ケーブル、無線ネットワーク等を介してコントローラ320と接続され、情報を送受信する。運転支援システム30は、路側機データベース324と路側機330、選択車両350を備える点で第1の実施形態に係る運転支援システム10と異なる。
【0110】
第3の実施形態においては、車両310の構成、作用は第1の実施形態に係る車両110と同様なので説明を省略する。表示装置340および表示装置340の構成、作用は第1の実施形態に係る表示装置140および表示装置140と同様なので説明を省略する。
【0111】
以下、特別に明記したものを除き、第1の実施形態にかかる構成と同一名称を付した構成は、同一の構成、機能を有するものとして説明を省略する。
【0112】
コントローラ320は、コントローラ通信部321、演算部322、3次元地図データベース323、路側機データベース324等を含んで構成される。
【0113】
コントローラ320は、コントローラ通信部321、演算部322、3次元地図データベース323、路側機データベース324等を制御する。
【0114】
コントローラ通信部321は、死角領域周囲に位置する路側機330を選択する。コントローラ通信部321は、選択した路側機330に、死角領域を撮影することが可能な選択車両350を選択させる指示を送信する。コントローラ通信部321は、選択車両カメラ352で車両周囲を撮影させる指示を、路側機330に送信する。コントローラ通信部321は、選択車両カメラ352が撮影した映像を、路側機通信部331を介して選択車両通信部351から受信する。
【0115】
演算部322は、ソフトウェアである死角推定部322a、路側機選択部322d、画像処理部322c等を含んで構成される。路側機選択部322dは、死角領域周囲の路側機330の選択を行う。
【0116】
路側機選択部322dは、死角領域周囲の路側機330を路側機データベース324から取得する。
【0117】
画像処理部322cは、選択車両カメラ352が撮影した映像に対する画像処理を行う。画像処理部322cの構成、作用は第1の実施形態に係る画像処理部122cと同様なので説明を省略する。
【0118】
路側機データベース324は、車両310の走行地域に設置されている路側機に関する情報である路側機情報を記憶管理する記憶媒体で構成される。路側機情報は、路側機が設置されている位置の座標情報等を含んでよい。
【0119】
路側機330は、路側機通信部331、車両選択部334等を含んで構成される。
【0120】
路側機通信部331は、コントローラ通信部321から選択車両350を選択する指示を受信する。路側機通信部331は、選択車両通信部351に撮影指示を送信する。路側機通信部331は、選択車両通信部351から選択車両カメラ352が撮影した映像を受信する。路側機通信部331は、選択車両カメラ352が撮影した映像をコントローラ通信部321へ送信する。
【0121】
車両選択部334は、死角領域を撮影することが可能な選択車両350を選択する。路側機330は、路側機330と通信可能な地点に位置する車両と通信を行い、死角領域を撮影することが可能なカメラが搭載された選択車両350を選択する。
【0122】
選択車両350は、情報取得部である選択車両通信部351、第2の撮影部である選択車両カメラ352等を含んで構成される。選択車両350には、本実施形態における車両310と同じ構成の車両を含んでよい。
【0123】
選択車両通信部351は、路側機通信部331から撮影指示を受信する。選択車両通信部351は、選択車両カメラ352で撮影した映像を路側機通信部331へ送信する。
【0124】
選択車両カメラ352は、選択車両350の内部又は外部に設置され、選択車両350の周囲を撮像して映像を取得する。本実施形態において、選択車両カメラ352は、選択車両350の前方を撮影するように設置される。選択車両カメラ352は、選択車両350の後方又は側方を撮影するように設置されてもよい。
【0125】
第3の実施形態においては、選択車両カメラ352が死角領域を撮影するという点で第
1の実施形態に係る運転支援システム10と異なる。運転支援システム30の運転支援の処理手順のうち、第1の実施形態に係る運転支援システム10の運転支援の処理手順と異なる部分のみ説明する。
【0126】
第3の実施形態の運転支援システム30の死角領域の算出方法および選択車両の選択方法について、図12を参照して説明する。
【0127】
第3の実施形態においては、ステップS231~S233の処理は、ステップS211~S213の処理と同じであるため説明を省略する。
【0128】
ステップS233で死角は存在しないと判断された場合、処理を終了する。ステップS233で死角が存在すると判断された場合、死角推定部322aは、撮影すべき死角領域を推定する(ステップS234)。
【0129】
路側機選択部322dは、ステップS234で推定した死角領域周囲の路側機330を路側機データベース324から選択して処理を終了する(ステップS235)。路側機選択部322dは、ステップS234で推定した死角領域に基づき、路側機データベース324から死角領域周囲に設置されている路側機330を選択する。
【0130】
選択された路側機330の動作について説明する。路側機通信部331は、路側機330と通信可能な車両と通信を行う。車両選択部334は、路側機330と通信可能な車両へ、死角領域に関する情報を送信する。
【0131】
死角領域に関する情報を受信した車両は、登載されたカメラによる死角領域の撮影の可否に関する情報を、路側機330に送信する。
【0132】
路側機330は、搭載されるカメラで死角領域を撮影することが可能な車両を選択車両350として選択する。
【0133】
路側機通信部331は、選択車両通信部351に撮影指示を送信する。
【0134】
選択車両350の動作について説明する。選択車両通信部351は、路側機330からの撮影指示を受け、選択車両カメラ352で死角領域を撮影する。撮影された映像は、路側機330を経由して、コントローラ通信部321へ送信される。
【0135】
第3の実施形態においては、選択車両カメラ352で映像を取得するという点で第1の実施形態に係る運転支援システム10と異なる。
【0136】
選択車両カメラ352が撮影した映像の画像処理部322cの画像処理方法、および表示装置340で表示する映像の作成方法は、第1の実施形態に係る運転支援システム10と同様なので説明を省略する。
【0137】
以上のように、本開示にかかる運転支援システムは、上記の構成によって、死角が発生する領域を推定し、死角が発生する領域の情報を含んだ車両の周囲情報を車両の操縦者に提供することができる。
【0138】
本開示を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
【0139】
表示装置140は、例えば、遠隔地にある運転支援センターに設置されるに限られない。車両110は遠隔操作されるものではなくてよく、表示装置140は車両110に搭載され、ドライバーの運転を支援するものであってもよい。
【符号の説明】
【0140】
10,20,30 運転支援システム
60a,60b,60c,60d,60e 物体
70a,70b,70c アイコン
110,210,310 車両
111,211,311 車両通信部
112,212,312 車両カメラ
113,213,313 測距センサ
114,214,314 位置センサ
120,220,320 コントローラ
121,221,321 コントローラ通信部
122,222,322 演算部
122a,222a,322a 死角推定部
122b 飛行演算部
122c,222c,322c 画像処理部
123,223,323 3次元地図データベース
130 飛翔体
131 飛翔体通信部
132 飛翔体カメラ
133 飛翔体制御部
140,240,340 表示装置
141,241,341 表示装置通信部
142,242,342 表示部
222d,322d 路側機選択部
224,324 路側機データベース
230,330 路側機
231,331 路側機通信部
232 路側機カメラ
334 車両選択部
350 選択車両
351 選択車両通信部
352 選択車両カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12