(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114732
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/22 20060101AFI20220801BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220801BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220801BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20220801BHJP
H05B 33/26 20060101ALI20220801BHJP
H05B 33/28 20060101ALI20220801BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
H05B33/22 Z
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/12 B
H05B33/26 Z
H05B33/28
G09F9/30 365
G09F9/30 337
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011145
(22)【出願日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英幸
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC33
3K107DD23
3K107DD27
3K107DD29
3K107DD37
3K107DD89
3K107DD91
3K107FF15
5C094AA25
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB15
(57)【要約】
【課題】リーク電流の発生を抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る表示装置は、基材と、基材の上に配置された第1絶縁層と、第1絶縁層の上に配置された第1電極と、第1絶縁層の上に配置され、第1電極に重畳する開口部を有する第2絶縁層と、第2絶縁層の上に配置される隔壁と、開口部を通じて第1電極と接するとともに、開口部と隔壁との間において第2絶縁層と接する有機層と、有機層の上に配置された第2電極と、隔壁の側面と有機層及び第2電極の端部とを覆う絶縁物と、第2電極、隔壁及び絶縁物を覆う第3電極とを具備する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の上に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された第1電極と、
前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1電極に重畳する開口部を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置される隔壁と、
前記開口部を通じて前記第1電極と接するとともに、前記開口部と前記隔壁との間において前記第2絶縁層と接する有機層と、
前記有機層の上に配置された第2電極と、
前記隔壁の側面と前記有機層及び前記第2電極の端部とを覆う絶縁物と、
前記第2電極、前記隔壁及び前記絶縁物を覆う第3電極と
を具備する表示装置。
【請求項2】
基材と、
前記基材の上に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された第1電極と、
前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1電極に重畳する開口部を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置される隔壁と、
前記開口部を通じて前記第1電極と接するとともに、前記開口部と前記隔壁との間において前記第2絶縁層と接する有機層と、
前記隔壁の側面と前記有機層の端部とを覆う絶縁物と、
前記隔壁、前記有機層及び前記絶縁物を覆う第2電極と
を具備する表示装置。
【請求項3】
前記隔壁は、上部の幅が下部の幅よりも大きい形状を有する請求項1または2記載の表示装置。
【請求項4】
前記有機層は、発光層及び機能層を有し、
前記機能層は、前記発光層の端部を覆い、
前記絶縁物は、前記機能層の端部を覆う
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記有機層は、発光層及び機能層を有し、
前記発光層は、前記機能層の端部を覆い、
前記絶縁物は、前記発光層の端部を覆う
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記有機層は、発光層及び機能層を有し、
前記機能層は、前記発光層の上に配置され、
前記絶縁物は、前記発光層及び機能層の各々の端部を覆う
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記有機層は、発光層及び機能層を有し、
前記発光層は、前記機能層の上に配置され、
前記絶縁物は、前記発光層及び機能層の各々の端部を覆う
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2絶縁層は、前記隔壁の下部が配置される第1面と、前記第1面よりも前記隔壁の上部側に位置する第2面とを有する請求項1~7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
基材と、
前記基材の上に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された第1電極と、
前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1電極に重畳する開口部を有する第2絶縁層と、
前記開口部を通じて前記第1電極と接し、画素と重畳する位置に配置された有機層と、
前記有機層の上に配置された第2電極と、
前記有機層及び前記第2電極の端部を覆う絶縁物と、
前記第2電極及び前記絶縁物を覆う第3電極と
を具備する表示装置。
【請求項10】
基材と、
前記基材の上に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された第1電極と、
前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1電極に重畳する開口部を有する第2絶縁層と、
前記開口部を通じて前記第1電極と接し、画素と重畳する位置に配置された有機層と、
前記有機層の端部を覆う絶縁物と、
前記有機層及び前記絶縁物を覆う第2電極と
を具備する表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。表示素子は、画素電極と共通電極との間に有機層を備えている。
【0003】
しかしながら、表示装置の構成によっては、有機層の端部からリーク電流が発生し、当該表示装置の性能劣化の要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-195677号公報
【特許文献2】特開2004-207217号公報
【特許文献3】特開2008-135325号公報
【特許文献4】特開2009-32673号公報
【特許文献5】特開2010-118191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、リーク電流の発生を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る表示装置は、基材と、前記基材の上に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置された第1電極と、前記第1絶縁層の上に配置され、前記第1電極に重畳する開口部を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置される隔壁と、前記開口部を通じて前記第1電極と接するとともに、前記開口部と前記隔壁との間において前記第2絶縁層と接する有機層と、前記有機層の上に配置された第2電極と、前記隔壁の側面と前記有機層及び前記第2電極の端部とを覆う絶縁物と、前記第2電極、前記隔壁及び前記絶縁物を覆う第3電極とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す図。
【
図2】本実施形態の比較例に係る表示装置について説明するための図。
【
図3】有機層及び第2電極の端部の一例を拡大して示す図。
【
図4】有機層及び第2電極の端部の他の例を拡大して示す図。
【
図5】本実施形態に係る表示装置が備える表示領域の断面の一例を示す図。
【
図7】本実施形態に係る表示装置における有機層、第2電極、絶縁物及び第3電極が形成されるプロセスについて説明するための図。
【
図8】有機層及び第2電極の端部の一例を説明するための図。
【
図9】有機層及び第2電極の端部の他の例を説明するための図。
【
図10】有機層及び第2電極の端部の更に別の例を説明するための図。
【
図11】リーク電流が発生する可能性がある有機層及び第2電極の端部の一例を示す図。
【
図13】絶縁物の周辺の構成の更に別の例を示す図。
【
図14】画素に備えられる副画素の配置の一例を示す図。
【
図15】画素に備えられる副画素の配置の他の例を示す図。
【
図16】第2実施形態に係る表示装置が備える表示領域の断面の一例を示す図。
【
図17】本実施形態に係る表示装置における有機層、絶縁物及び第3電極が形成されるプロセスについて説明するための図。
【
図19】有機層の端部の他の例を説明するための図。
【
図21】絶縁物の周辺の構成の更に別の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
また、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。なお、本実施形態においては、X軸及びY軸によって規定されるX-Y平面を見ることを平面視という。また、本実施形態においては、第3方向Zを上と定義し、第3方向Zの反対側の方向を下と定義する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。
【0010】
本実施形態に係る表示装置DSPは、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パソコン、携帯端末及び携帯電話等に搭載される。
【0011】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成の一例を示す図である。表示装置DSPは、絶縁性の基材10の上に、画像を表示する表示領域DAを備えている。基材10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
表示領域DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。
【0013】
ここで、画素PXの一構成例について簡単に説明する。画素PXは、画素回路1と、表示素子20とを備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4とを備えている。画素スイッチ2及び駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)により構成されたスイッチ素子である。
【0014】
画素スイッチ2について、ゲート電極は走査線GLに接続され、ソース電極は信号線SLに接続され、ドレイン電極はキャパシタ4を構成する一方の電極及び駆動トランジスタ3のゲート電極に接続されている。駆動トランジスタ3について、ソース電極はキャパシタ4を構成する他方の電極及び電源線PLに接続され、ドレイン電極は表示素子20のアノード電極に接続されている。表示素子20のカソード電極は、給電線FLに接続されている。なお、画素回路1の構成は、図示した例に限られない。
【0015】
表示素子20は、発光素子である有機発光ダイオード(OLED)である。本実施形態において、複数の画素PXの各々は、例えば同一の波長に対応した光を出射する表示素子20を備えるものとする。この場合、表示素子20は、例えば白色の光を出射するように構成されているものとする。なお、表示素子20の構成については後述する。
【0016】
ここで、
図2を参照して、本実施形態の比較例に係る表示装置DSP´について説明する。なお、表示装置DSP´は
図1に示す表示装置DSPと同様の構成を有しているものとし、当該表示装置DSPと共通する構成については
図1と同一参照符号を付して説明する。
【0017】
図2は表示装置DSP´が備える表示領域DA(画素PX)の断面の一例を示しており、ここでは当該画素PXが備える表示素子20の構成について主に説明する。
【0018】
絶縁層11は、基材10の上に配置されている。なお、
図1に示す画素回路1は、基材10の上に配置され、絶縁層11によって覆われているが、
図2においては省略されている。絶縁層11は、表示素子20の下地層に相当し、例えば有機絶縁層である。
【0019】
絶縁層12は、絶縁層11の上に配置されている。絶縁層12は、例えば有機絶縁層である。絶縁層12は、表示素子20または当該表示素子20を備える画素PXを区画するように形成されており、例えばリブ等と称される場合がある。
【0020】
表示素子20は、第1電極E1、有機層OR及び第2電極E2を備えている。第1電極E1は、表示素子20または画素PX毎に配置された電極であり、画素電極、下部電極またはアノード電極等と称される場合がある。第2電極E2は、複数の表示素子20または複数の画素PXに対して共通に配置された電極であり、共通電極、対向電極、上部電極またはカソード電極等と称される場合がある。
【0021】
第1電極E1は、絶縁層11の上に配置され、その周縁部が絶縁層12によって覆われている。第1電極E1は、
図1に示す駆動トランジスタ3と電気的に接続されている。第1電極E1は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)のような透明導電材料によって形成された透明電極である。なお、第1電極E1は、銀、アルミニウム等の金属材料によって形成された金属電極であってもよい。また、第1電極E1は、透明電極及び金属電極の積層体であってもよい。更に、第1電極E1は、透明電極、金属電極及び透明電極の順に積層された積層体として構成されていてもよいし、3層以上の積層体として構成されていてもよい。
【0022】
ここで、絶縁層12は、各画素PXにおいて第1電極E1に重畳する開口部OPを有している。この場合、有機層ORは、絶縁層12の上に配置され、開口部OPを通じて第1電極E1と接している。
【0023】
第2電極E2は、有機層ORを覆うように当該有機層ORの上に配置されている。第2電極E2は、例えばITOまたはIZO等の透明導電材料によって形成された透明電極である。第2電極E2は、表示領域DAに配置された給電線または表示領域DAの外側に配置された給電線と電気的に接続されている。なお、第2電極E2は、透明な保護膜(無機絶縁膜及び有機絶縁膜の少なくとも1つを含む)によって覆われていてもよい。
【0024】
ここで、表示装置DSP´においては、画素PX間の境界に相当する位置に隔壁13が配置されている。隔壁13は、逆テーパ形状を有している。なお、逆テーパ形状とは、
図2に示す隔壁13のように上部の幅が下部(底部)の幅よりも大きい形状を意味する。隔壁13の側面は、第3方向Zに対して傾斜した平面であってもよいし、曲面であってもよい。また、隔壁13は、上部から下部に向けて段階的に幅が小さくなる複数の部分によって構成されていてもよい。
【0025】
更に、隔壁13は、平面視において絶縁層12と重畳し、画素PXを区画するように形成されている。上記した有機層ORは例えば異方性あるいは指向性のある真空蒸着法によって形成され、隔壁13が配置された状態で有機層ORを形成するための有機材料を例えば表示領域DA全体に蒸着した場合、隔壁13は逆テーパ形状を有しているため、当該隔壁13の側面には有機層ORは殆ど形成されない。これによれば、上記した開口部OPを通じて第1電極E1と接するとともに、当該開口部OPと隔壁13との間において絶縁層12と接する有機層ORが形成される。換言すれば、隔壁13によって画素PX毎に分断されるような有機層ORを形成することができる。
【0026】
また、第2電極E2については、有機層ORの真空蒸着時よりも指向性が小さく、あるいは等方性のある真空蒸着法によって形成される。この場合には、第2電極E2は、有機層ORを覆うように形成され得る。
【0027】
すなわち、画素PXを区画するように形成された隔壁13を備える構成によれば、有機層OR及び第2電極E2は、平面視において隔壁13によって囲まれる領域(つまり、画素PXと重畳する領域)に区画されて形成される。
【0028】
なお、上記したように有機層OR及び第2電極E2が形成された場合、当該有機層OR及び第2電極E2と分離された有機層OR´及び第2電極E2´が隔壁13の上面に形成される。
【0029】
ところで、第2電極E2は上記した複数の表示素子20または複数の画素PXに対して共通に配置された電極であり、当該第2電極E2には共通の電圧が印加されるが、当該第2電極E2は画素毎に区画されて形成されている。このため、表示装置DSP´において、例えば画素PXと重畳する領域に形成されている第2電極E2と、当該画素PXと隣接する画素PXと重畳する領域に形成されている第2電極E2とは、補助配線(カソード配線)CWを介して接続されるものとする。この補助配線CWは、金属材料で形成され、絶縁層12の上に配置される。また、上記した隔壁13は、補助配線CWの上に配置される。
【0030】
ここで、
図3は、
図2に示す有機層OR及び第2電極E2の端部を拡大して示す図である。
【0031】
図3に示すように、有機層ORは、第1電極E1から第2電極E2に向けて順に積層された機能層F1、発光層EL及び機能層F2を備える。なお、第1電極E1の電位が第2電極E2の電位よりも相対的に高い場合には、第1電極E1がアノードに相当し、第2電極E2がカソードに相当する。この場合、発光層ELと第1電極E1との間の機能層F1は、ホール注入層及びホール輸送層の少なくとも1つを含み、発光層ELと第2電極E2との間の機能層F2は、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも1つを含む。なお、機能層F1及びF2の各々は、単層体に限らず、複数の機能層が積層された積層体であってもよい。
【0032】
ここでは、第1電極E1がアノードに相当し、第2電極E2がカソードに相当する場合について説明したが、第1電極E1がカソードに相当し、第2電極E2がアノードに相当する構成とすることも可能である。
【0033】
また、ここでは有機層ORが機能層F1及びF2を備えるものとして説明するが、当該機能層F1及びF2の少なくとも一方が省略される構成であってもよい。
【0034】
上記したように有機層ORが機能層F1、発光層EL及び機能層F2を備える場合において、当該機能層F1、発光層EL及び機能層F2の各々の端部が補助配線CWと接している場合を想定する。
【0035】
この場合、第1電極E1と第2電極E2との間に備えられる有機層ORに対して駆動電流を供給することによって当該有機層ORに含まれる発光層を発光させるところ、
図3に示すように有機層OR、第2電極E2及び補助配線CWが形成されている場合、当該有機層OR(機能層F1、発光層EL及び機能層F2)の端部から補助配線CWに対して発光層ELの発光に寄与しない電流(リーク電流)が発生する。このリーク電流は、表示装置DSP´の性能劣化の要因となる。
【0036】
なお、
図3に示す例では、機能層F1が発光層ELによって覆われ、発光層ELが機能層F2によって覆われ、機能層F2が第2電極E2によって覆われているが、上記した真空蒸着法における指向性によっては、
図4に示すように、機能層F1、発光層EL及び機能層F2の各々の端部が第2電極E2によって覆われるように有機層ORが形成される場合がある。
【0037】
この
図4に示す例であっても、有機層OR(機能層F1、発光層EL及び機能層F2)の端部から第2電極E2または補助配線CWに対してリーク電流が発生する。
【0038】
そこで、本実施形態においては、上記したリーク電流の発生を抑制するための構成を有する。
【0039】
以下、
図5を参照して、本実施形態に係る表示装置DSPのリーク電流の発生を抑制するための構成の一例について説明する。
図5は、表示装置DSPが備える表示領域DA(画素PX)の断面の一例を示している。なお、
図5においては、上記した
図2と同様の部分には同一参照符号を付してその詳しい説明を省略し、当該
図2と異なる部分について主に述べる。
【0040】
本実施形態においては、有機層ORの上に第2電極E2が配置されているが、
図5に示すように、隔壁13の側面と有機層OR及び第2電極E2の端部とを覆う絶縁物(絶縁体)Iが形成されている。換言すれば、本実施形態においては、隔壁13の側面と、有機層OR及び第2電極E2の端部と、絶縁層12によって形成される空間に絶縁物Iが充填されたような構成を有する。
【0041】
なお、上記した本実施形態の比較例に係る表示装置DSP´においては、隣接する画素PXの各々と重畳する領域に形成された第2電極E2が補助配線CWを介して接続されるものとして説明したが、本実施形態に係る表示装置DSPにおいてはこのような補助配線は形成されない。
【0042】
このため、本実施形態においては、画素PX毎に区画された第2電極E2の各々に共通の電圧を印加するための第3電極E3が、当該第2電極E2、隔壁13(の上面に形成された有機層OR´及び第2電極E2´)及び絶縁物Iを覆うように形成されている。
【0043】
なお、
図5においては示されていないが、第3電極E3は、例えば表示領域DAの外側の領域に配置された給電線(補助配線)等と接続される。
【0044】
次に、
図6は、画素PXの概略的な平面図である。ここでは、上記した開口部OP、隔壁13及び絶縁物Iの平面視における位置関係について主に説明する。
【0045】
図6に示すように、隔壁13は画素PXを区画するように形成されており、当該隔壁13によって区画された領域(つまり、画素PXと重畳する領域)には、当該画素PXの発光部に相当する開口部OPが配置されている。
【0046】
更に、画素PXにおいて隔壁13の内側(開口部OP側の側面)には、当該側面を覆う絶縁物Iが形成されている。
【0047】
すなわち、本実施形態においては、隔壁13を用いて画素PX毎に分離された有機層OR及び第2電極E2が絶縁物Iで囲われる構成を有する。
【0048】
なお、
図6においては示されていないが、
図5に示す第3電極E3は、画素PX全体に亘って形成されている。
【0049】
ここで、
図7を参照して、本実施形態に係る表示装置DSPにおける有機層OR、第2電極E2、絶縁物I及び第3電極E3が形成されるプロセスについて簡単に説明する。ここでは、絶縁層11の上に第1電極E1及び開口部OPを有する絶縁層12及び隔壁13が既に形成されているものとする。
【0050】
まず、上記した真空蒸着法によって有機層ORが形成(成膜)される。この場合、絶縁層12の開口部OPを通じて第1電極E1に接するとともに、当該開口部OP及び隔壁13との間において絶縁層12と接する有機層ORが形成される。また、隔壁13の上面には、有機層OR´が形成される。
【0051】
上記したように有機層ORが形成された場合、真空蒸着法によって第2電極E2が形成(成膜)される。この場合、有機層ORの上に第2電極E2が形成される。また、隔壁13の上面の有機層OR´の上には、第2電極E2´が形成される。
【0052】
なお、詳しい説明については省略するが、上記したように絶縁層12の上に隔壁13が配置された状態で真空蒸着法によって有機層OR及び第2電極E2が形成された場合、例えば隔壁13の上面の有機層OR´に第2電極E2´が付着することによって、当該第2電極E2は、当該第2電極E2の端部が有機層ORの端部よりも隔壁13から離れた位置となるように形成される。
【0053】
上記したように有機層OR及び第2電極E2が形成された場合、隔壁13の側面と有機層OR及び第2電極E2の端部を覆う絶縁物Iが形成される。なお、この絶縁物Iは、例えば樹脂等の絶縁材料を例えば表示領域DA(に備えられる複数の画素PX)に亘って塗布し、隔壁13の側面(つまり、逆テーパ部)と、有機層OR及び第2電極E2の端部と、絶縁層12とで形成される空間に当該絶縁材料が残るように他の絶縁材料を除去することによって形成される。なお、絶縁物Iは、例えばフォトマスク等を用いたパターニングにより形成されても構わない。
【0054】
なお、絶縁物I内に気泡が入ることがないように、当該絶縁物Iは、上記した有機層OR及び第2電極E2が真空蒸着法により形成された後、真空の状態を維持したままで形成されるようにしてもよい。
【0055】
上記したように絶縁物Iが形成された場合、例えば表示領域DAに配置されている複数の画素PXに亘って第3電極E3が形成(成膜)される。このような第3電極E3によれば、複数の画素PXの各々に重畳する位置に形成されている第2電極E2を介して当該画素PXの各々に共通の電圧を印加することができる。
【0056】
上記したように本実施形態に係る表示装置DSPは、基材10と、当該基材10の上に配置された絶縁層11(第1絶縁層)と、当該絶縁層11の上に配置された第1電極E1と、当該絶縁層11の上に配置され、当該第1電極E1に重畳する開口部OPを有する絶縁層12(第2絶縁層)と、当該絶縁層12の上に配置される隔壁13を有する。また、本実施形態に係る表示装置DSPは、開口部OPを通じて第1電極と接するとともに、当該開口部OPと隔壁13との間において絶縁層12と接する有機層ORと、当該有機層ORの上に配置された第2電極E2と、隔壁13の側面と有機層OR及び第2電極E2の端部とを覆う絶縁物Iと、第2電極E2、隔壁13及び絶縁物Iを覆う第3電極E3とを有する。
【0057】
ここで、上記した本実施形態の比較例においては、補助配線CWを介して隣接する画素PXと重畳する領域に形成された第2電極E2同士が接続される構成であるが、このような構成においては有機層ORの端部からリーク電流が発生する可能性がある。
【0058】
一方、本実施形態においては、補助配線CWを設けることなく、有機層ORの端部が絶縁物Iにより被覆される構成であるため、当該有機層ORの端部からリーク電流が発生することを抑制することができる。
【0059】
なお、本実施形態において、複数の画素PXの各々と重畳する領域に形成された複数の第2電極E2に亘って第3電極E3が形成される。すなわち、本実施形態においては、上記した比較例における補助配線CWを設けない構成としたとしても、第3電極E3により表示装置DSP(に備えられている第2電極E2)を正常に駆動することが可能である。
【0060】
ここで、
図8及び
図9は、本実施形態に係る表示装置DSPにおける有機層OR及び第2電極E2の端部(周縁部)を拡大して示す図である。
【0061】
図8においては機能層F1(の端部)が発光層ELによって覆われ、かつ、発光層EL(の端部)が機能層F2によって覆われた有機層ORが示されているが、
図8に示すように有機層ORの端部が絶縁物Iによって覆われた場合には、当該有機層ORからリーク電流が発生することはない。
【0062】
更に、
図9においては機能層F1の上に発光層ELが配置され、発光層ELの上に機能層F2が配置された有機層OR(つまり、機能層F1の端部が発光層ELによって覆われておらず、発光層ELの端部が機能層F2によって覆われていない有機層OR)が示されているが、
図9に示すように有機層OR(機能層F1、発光層EL及び機能層F2)の端部が絶縁物Iによって覆われた場合であっても、同様に当該有機層ORからリーク電流が発生することはない。
【0063】
なお、上記した
図8においては機能層F1、発光層EL及び機能層F2の各々の端面は絶縁層12と接しているが、本実施形態における「有機層ORの端部が絶縁物Iによって覆われている」とは、
図8及び
図9に示すように機能層F1、発光層EL及び機能層F2の各々の端面が絶縁層12または絶縁物Iに接しており、第2電極E2と接していない状態を含むものとする。
【0064】
すなわち、本実施形態における有機層ORの端部とは、当該有機層ORを全体としてみたときに端部として認識可能な部分であればよい。
【0065】
また、真空蒸着法における指向性によっては、本実施形態における有機層ORが第2電極E2に覆われる場合があり得る。
【0066】
この場合、例えば
図10に示すように、有機層ORを構成する機能層F1、発光層EL及び機能層F2の端部の各々が第2電極E2と接しない(つまり、絶縁層12と接する)構成であればリーク電流の発生を抑制することができる。しかしながら、
図11に示すように有機層ORを構成する機能層F1、発光層EL及び機能層F2の端部(端面)の各々が第2電極E2と接する構成の場合には、リーク電流が発生する可能性がある。
【0067】
すなわち、本実施形態においては、有機層ORが第2電極E2によって覆われる構成の場合には有機層ORの構造によってリーク電流の発生を抑制することができない可能性があるため、上記した
図8及び
図9のように有機層OR及び第2電極E2を形成することが好ましい。換言すれば、本実施形態における有機層OR及び第2電極E2は、当該有機層ORの端部が当該第2電極E2の端部よりも隔壁13の近傍となるように形成されることが好ましい。
【0068】
また、本実施形態においては画素PXの各々を区画するように隔壁13が配置されることにより、有機層ORを画素PX毎に分離することができるため、例えば隣接する画素PXの各々に備えられる有機層OR間でリーク電流(横リーク)が発生することを抑制することも可能である。更に、本実施形態においては、隔壁13により有機層ORを分離する構成であるため、当該有機層ORを分離するために例えばファインマスク等を用いる必要がない。
【0069】
また、本実施形態においては表示装置DSPの構成の一例を
図5を用いて説明したが、表示装置DSPにおける絶縁物Iの周辺は、例えば
図12に示すように構成されていてもよい。なお、
図12に示す表示装置DSPにおいて、絶縁層12は、例えば隔壁13の下部が配置される第1面12aと、当該第1面12aよりも隔壁13の上部側に位置する第2面12bとを有している。このような構成であれば、上記した
図5に示す構成に比べて、絶縁物Iをより容易に形成することができる(つまり、隔壁13の側面、有機層OR及び第2電極E2の端部及び絶縁層12によって形成される空間に樹脂等の絶縁材料をより残しやすい)。
【0070】
また、
図5においては逆テーパ形状を有する隔壁13が示されていたが、
図12に示す例においては、上部から下部に向けて段階的に幅が小さくなる複数の部分によって構成される隔壁13が示されている。
【0071】
更に、詳細な説明については省略するが、
図13は、隔壁13を設けない表示装置DSPの絶縁物Iの周辺の構成の一例を示している。すなわち、本実施形態においては、リーク電流の発生を抑制するために画素PX毎に区画されている有機層OR及び第2電極E2の端部が絶縁物Iで覆われる構成であれば、隔壁13が設けられていてもよいし、当該隔壁13が設けられていない構成としてもよい。
【0072】
なお、本実施形態においては複数の画素PXの各々が例えば白色の光を出射する表示素子20を備えるものとして説明したが、このような構成の場合には、例えば表示装置DSPが表示素子20と対向する位置(対向基板方向の位置)に赤色、緑色及び青色に着色されたカラーフィルタを備えることにより、各画素PXから赤色、緑色及び青色の光を出射することができるため、多色表示が可能となる。
【0073】
また、表示素子20が紫外光を出射する(つまり、発光色が紫外光である)場合には、表示素子20に対向する位置に光変換層が配置されることで、多色表示を実現できる。
【0074】
更に、本実施形態は、複数の画素PXの各々が異なる色を表示する複数の副画素を備えるような構成であってもよい。なお、一例では、画素PXは、赤色を表示する副画素SP1、緑色を表示する副画素SP2及び青色を表示する副画素SP3を備えている。この副画素SP1、SP2及びSP3は、上記したカラーフィルタまたは光変換層を用いて赤色、緑色及び青色を表示する(つまり、赤色、緑色及び青色の光を射出する)ように構成されていてもよいし、当該副画素SP1、SP2及びSP3の各々の有機層が赤色、緑色及び青色の光を発光する発光層を含むように構成された表示素子を備えていてもよい。
【0075】
この場合、副画素SP1、SP2及びSP3(を備える画素PX)は、例えば
図14及び
図15のように配置することができる。
図14及び
図15においては省略されているが、
図14及び
図15に示すように配置された副画素SP1、SP2及びSP3は、上記した
図6において説明した場合と同様に、隔壁13と、当該隔壁13の側面と有機層OR及び第2電極E2の端部とを覆う絶縁物Iとによって区画されるように構成されていればよい。
【0076】
なお、
図14及び
図15に示した副画素SP1、SP2及びSP3の外形は例えば表示素子20の発光領域(第1電極E1、有機層OR及び第2電極E2が重なる開口部OPの領域)の外形に相当するが、当該
図14及び
図15は単に副画素SP1、SP2及びSP3の配置(レイアウト)を説明するために簡略化した示したものであり、必ずしも実際の形状を反映したものとは限らない。
【0077】
ここでは、画素PXが副画素SP1、SP2及びSP3を備えるものとして説明したが、当該画素PXは、4個以上の副画素を備えていてもよい。
【0078】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、前述した第1実施形態と同一の部分についての詳しい説明を省略する。ここでは、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
【0079】
図16は、本実施形態に係る表示装置が備える表示領域(画素)の断面の一例を示している。なお、
図16においては、前述した
図5と同様の部分には同一参照符号を付してその詳しい説明を省略し、当該
図5と異なる部分について主に述べる。
【0080】
前述した第1実施形態においては、
図5に示すように有機層ORの上に第2電極E2が配置され、当該第2電極E2、隔壁13及び絶縁物Iを覆うように第3電極E3が形成されているが、本実施形態は、第2電極E2が省略され、有機層OR、隔壁13(の上面に形成された有機層OR´)及び絶縁物Iを覆うように第3電極E3が形成される点で、前述した第1実施形態とは異なる。
【0081】
なお、
図16に示す表示装置DSPは上記したように第2電極E2が省略されている点以外については前述した
図5に示す表示装置DSPと同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0082】
ここで、
図17を参照して、本実施形態に係る表示装置DSPにおける有機層OR、絶縁物I及び第3電極E3が形成されるプロセスについて簡単に説明する。ここでは、絶縁層11の上に第1電極E1及び開口部OPを有する絶縁層12及び隔壁13が既に形成されているものとする。
【0083】
まず、上記した真空蒸着法によって有機層ORが形成(成膜)される。この場合、絶縁層12の開口部OPを通じて第1電極E1に接するとともに、当該開口部OP及び隔壁13との間において絶縁層12と接する有機層ORが形成される。また、隔壁13の上面には、有機層OR´が形成される。
【0084】
上記したように有機層ORが形成された場合、隔壁13の側面と有機層ORの端部を覆う絶縁物Iが形成される。なお、この絶縁物Iは、例えば樹脂等の絶縁材料を例えば表示領域DA(に備えられる複数の画素PX)に亘って塗布し、隔壁13の側面と、有機層ORの端部と、絶縁層12とで形成される空間に当該絶縁材料が残るように他の絶縁材料を除去することによって形成される。なお、絶縁物Iは、例えばフォトマスク等を用いたパターニングにより形成されても構わない。
【0085】
なお、絶縁物I内に気泡が入ることがないように、当該絶縁物Iは、上記した有機層ORが真空蒸着法により形成された後、真空の状態を維持したままで形成されるようにしてもよい。
【0086】
上記したように絶縁物Iが形成された場合、例えば表示領域DAに配置されている複数の画素PXに亘って第3電極E3が形成(成膜)される。このような第3電極E3によれば、複数の画素PXの各々に共通の電圧を印加することができる。
【0087】
上記したように本実施形態に係る表示装置DSPは、基材10と、当該基材10の上に配置された絶縁層11(第1絶縁層)と、当該絶縁層11の上に配置された第1電極E1と、当該絶縁層11の上に配置され、当該第1電極E1に重畳する開口部OPを有する絶縁層12(第2絶縁層)と、当該絶縁層12の上に配置される隔壁13を有する。また、本実施形態に係る表示装置DSPは、開口部OPを通じて第1電極と接するとともに、当該開口部OPと隔壁との間において絶縁層12と接する有機層ORと、隔壁13の側面と有機層ORの端部とを覆う絶縁物Iと、有機層OR、隔壁13及び絶縁物Iを覆う第3電極E3(第2電極)とを有する。
【0088】
本実施形態においては、上記した構成により、第1実施形態と同様に有機層ORの端部からリーク電流が発生することを抑制することができる。
【0089】
ここで、
図18及び
図19は、本実施形態に係る表示装置DSPにおける有機層ORの端部を拡大して示す図である。
【0090】
図18においては機能層F1が発光層ELによって覆われ、かつ、発光層ELが機能層F2によって覆われた有機層ORが示されているが、
図18に示すような有機層ORの端部が絶縁物Iによって覆われた場合には、当該有機層ORからリーク電流が発生することはない。
【0091】
更に、
図19においては機能層F1の上に発光層ELが配置され、発光層ELの上に機能層F2が配置された有機層OR(つまり、機能層F1が発光層ELによって覆われておらず、発光層ELが機能層F2によって覆われていない有機層OR)が示されているが、
図19に示すような有機層ORの端部が絶縁物Iによって覆われた場合であっても、当該有機層ORからリーク電流が発生することはない。
【0092】
すなわち、前述した第1実施形態においては例えば
図11に示すように有機層OR及び第2電極E2が形成されることによってリーク電流が発生する可能性があるが、本実施形態においては、有機層ORが
図18に示すように形成されている場合であってもリーク電流の発生を抑制することが可能であるし、有機層ORが
図19に示すように形成されている場合であってもリーク電流の発生を抑制することが可能である。
【0093】
なお、前述した第1実施形態においては例えば絶縁物Iを形成する過程において表示素子20(例えば、有機層OR)を保護するために第2電極E2を設ける構成を採用しているが、当該絶縁物Iを形成する過程において表示素子20を保護する必要がない(つまり、素子へのダメージがない)場合には、本実施形態の構成を採用することができ、前述した第1実施形態と比較して表示装置DSPの製造プロセスを簡素化することが可能となる。
【0094】
また、本実施形態においては表示装置DSPの構成の一例を
図16を用いて説明したが、表示装置DSPにおける絶縁物Iの周辺は、例えば
図20または
図21に示すように構成することも可能である。なお、
図20及び
図21に示す構成は第2電極E2が省略されている以外は前述した
図12及び
図13と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0095】
更に、詳しい説明を省略するが、本実施形態に係る表示装置DSPは、前述した第1実施形態と同様に、カラーフィルタまたは光変換層を備えるように構成されていてもよいし、画素PXが複数の副画素を備えるように構成されていてもよい。
【0096】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0097】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0098】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0099】
DSP…表示装置、DA…表示領域、PX…画素、E1…第1電極、OP…開口部、E2…第2電極、OR…有機層、EL…発光層、F1…機能層、F2…機能層、I…絶縁物、E3…第3電極、10…基材、11…絶縁層(第1絶縁層)、12…絶縁層(第2絶縁層)、13…隔壁、20…表示素子。