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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022116379
(43)【公開日】2022-08-10
(54)【発明の名称】RFIDタグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220803BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20220803BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20220803BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20220803BHJP
   H01Q 1/52 20060101ALN20220803BHJP
【FI】
G06K19/077 248
G06K19/077 280
G06K19/07 040
G06K19/077 112
H01Q9/16
G09F3/00 M
H01Q1/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019116836
(22)【出願日】2019-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】知識 洸
(72)【発明者】
【氏名】杉本 好正
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA03
5J046AB07
5J046UA08
(57)【要約】
【課題】機能モジュールを有するRFIDタグにおいて、通信可能距離の長大化を図る。
【解決手段】RFIDタグ(1)は、アンテナ導体(28)を有する回路基板(20)と、アンテナ導体を介して無線信号を送信するRFID用IC(25)と、回路基板上の基板配線(201a、201b、202a、202b)と接続用配線(31ha、31hb、32ha、32hb)とを介して信号又は電力を入力又は出力する機能モジュール(31、32)と、基板配線及び接続用配線の途中に介在する高周波遮断回路(61~64)とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ導体を有する回路基板と、
前記アンテナ導体を介して無線信号を送信するRFID用ICと、
前記回路基板上の基板配線と前記基板配線に電気的に接続された接続用配線とを介して信号又は電力を入力又は出力する機能モジュールと、
前記基板配線及び前記接続用配線の途中に介在する高周波遮断回路と、
を備えるRFIDタグ。
【請求項2】
前記高周波遮断回路は、電気容量とインダクタンスとを含む並列共振回路である、
請求項1記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記高周波遮断回路は、前記無線信号の周波数と同一の周波数を有する電気信号の通過率が1/2以下の特性を有する、
請求項1又は請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記アンテナ導体と前記機能モジュールとの最短距離が、前記無線信号の1/4波長以下である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記アンテナ導体と前記接続用配線との最短距離が、前記無線信号の1/4波長以下である、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のRFIDタグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機能モジュールを有するRFID(Radio Frequency Identifier)タグに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽電池及び液晶表示装置などの機能モジュールを有するRFIDタグが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-65418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機能モジュールを有するRFIDタグにおいては、機能モジュール及びこれに付随する構成によって電波の伝送が妨害されやすい。電波の伝送が妨害されるとRFIDタグの通信可能距離が短くなる。
【0005】
本開示は、機能モジュールを有するRFIDタグにおいて、通信可能距離の長大化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るRFIDタグは、
アンテナ導体を有する回路基板と、
前記アンテナ導体を介して無線信号を送信するRFID用ICと、
前記回路基板上の基板配線と前記基板配線に電気的に接続された接続用配線とを介して信号又は電力を入力又は出力する機能モジュールと、
前記基板配線及び前記接続用配線の途中に介在する高周波遮断回路と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、機能モジュールを有するRFIDタグにおいて、通信可能距離の長大化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係るRFIDタグを示す分解斜視図である。
図2】実施形態のRFIDタグの回路構成を示すブロック図である。
図3】回路基板及び機能モジュールを示す裏面図である。
図4】高周波遮断回路の配置例1の構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)、(C)である。
図5】比較例の構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)である。
図6】高周波遮断回路の配置例2の構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)である。
図7】高周波遮断回路の変形例を適用した構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本開示の実施形態に係るRFIDタグを示す分解斜視図である。図2は、実施形態のRFIDタグの回路構成を示すブロック図である。図3は、回路基板及び機能モジュールを示す裏面図である。図3の回路基板20と光発電パネル31、32との配置関係は、これらが筐体10内に収容されたときの配置関係とほぼ一致する。本明細書では、図面に示されたX、Y、Zの三軸方向を用いて各方向を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、互いに直交する三軸である。また、X方向を左右の横方向、Y方向を上下方向、Z方向を前後方向として、各方向を表わすことがある。ただし、明細書で示された各方向は、RFIDタグ1の使用時における各方向と一致する必要はない。
【0011】
実施形態のRFIDタグ1は、図1に示すように、筐体10と、回路基板20と、機能モジュールとしての光発電パネル31、32と、表示パネル33と、蓋体40とを備える。
【0012】
筐体10は、一方が開放された凹状の形態を有し、回路基板20と表示パネル33とを重ねかつ表示パネル33の左右に2つの光発電パネル31、32を並べて収容できる。筐体10は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)、PA(ポリアミド)、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合)、PE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)、EP(エポキシ樹脂)、PF(フェノール樹脂)などのエンジニアリングプラスチックを主材とし、例えば射出成形により形成される。筐体10は、上記の材料のいずれかを主材とし、他の材料を混合した混合材により形成されてもよいし、さらに無機フィラーが含有された材料により形成されてもよい。
【0013】
回路基板20は、図3に示すように、XY方向に拡がる主部20Aと、主部20Aの上辺(縁部)に沿って延在し、かつ、主部20AのX方向の両側に長く延在する延在部20Bとを有する。図3において、主部20Aと延在部20Bとの仮想的な境界線E1を示す。
【0014】
主部20Aは、平面視で矩形状であってもよい。主部20Aは、回路の搭載面と、面状グラウンド20Gとを備える。面状グラウンド20Gは、XY平面に沿った方向において主部20Aの大部分を占め、回路基板20の一面又は中間層に形成されている。主部20Aは、表示パネル33と横幅が略同一であってもよい。
【0015】
延在部20Bは、アンテナ導体28を含み、主部20Aと一体化されている。アンテナ導体28は、回路基板20の一面(例えば図1及び図2では後面)に形成される。アンテナ導体28から放射される電磁界は、アンテナ導体28の長手方向(X方向)に垂直なYZ面において、全方位的に放射される。アンテナ導体28は、回路基板20の中間層に形成されていてもよい。
【0016】
アンテナ導体28は、無線信号の周波数で共振する電波放射用の帯状部28aと、インピーダンス整合用のパターン部28bとを含む。帯状部28aは、X方向において光発電パネル31、32が配置される範囲まで延在されている。帯状部28aは、主部20Aの横幅よりも長く、主部20AよりもX方向の一方と他方とに長く延在している。帯状部28aは、電気長がRFID用IC25の無線信号のほぼ半波長の長さを有するダイポールアンテナを構成していてもよい。パターン部28bは、例えばループ状のパターンを有し、帯状部28aとRFID用IC25の給電点との間に設けられ、両者の間でインピーダンスを整合させる。
【0017】
表示パネル33は、例えば液晶表示パネルであり、回路基板20と配線(フィルム配線等)33hを介して電気的に接続される。表示パネル33は、回路基板20の主部20AとZ方向に重なり、延在部20BとZ方向に重ならない。なお、表示パネル33は、アンテナ導体28の帯状部28aに重ならず、パターン部28b及び延在部20Bの一部と重なってもよい。
【0018】
光発電パネル31、32は、外部から光を受けて発電する。光発電パネル31、32の各々は、矩形板状であってもよい。光発電パネル31、32は、被覆配線であるリード線(接続用配線に相当)31ha、31hb、32ha、32hbを介して回路基板20と電気的に接続される。図3に示すように、光発電パネル31、32は、回路基板20の主部20Aと延在部20Bとに二方が仕切られた回路基板20の両脇部に配置される。光発電パネル31、32は、XY平面に沿った方向に見たとき、表示パネル33と重なり、かつ、回路基板20と重ならないように配置されてもよい。光発電パネル31、32のリード線31ha、31hb、32ha、32hbは、一部を除いてZ方向に光発電パネル31、32と重なり、XY平面に沿った方向に見たときに、回路基板20と重なる高さに配置されてもよい。
【0019】
蓋体40は、光発電パネル31、32及び表示パネル33に対向する範囲に透明窓41a~41cを有し、筐体10の内枠10aに接合されて筐体10内を封止する。
【0020】
図2に示すように、RFIDタグ1は、光発電パネル31、32から発電電力を入力し電力管理を行うPMIC(Power Management Integrated Circuit)21と、PMIC21から電力を受けて制御系の電源電圧を生成する第1電源IC22と、PMIC21から電力を受けて表示パネル33の駆動電圧を生成する第2電源IC23とを備える。さらに、RFIDタグ1は、電波を介してリーダライタと無線通信を行うRFID用IC25と、RFID用IC25との通信及び表示パネル33の表示制御を行う制御回路24とを備える。制御回路24と、RFID用IC25とは、第1電源IC22から電源電圧を受けて動作する。RFID用IC25は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を用いて無線通信を行う。RFID用IC25は、リーダライタから読み書きが可能な記憶部を有し、記憶部に識別情報又は管理情報等が格納される。制御回路24は、例えばマイクロコンピュータであり、RFID用IC25と通信を行ってRFID用IC25の記憶部の情報を読み出すことができる。制御回路24は、読み出した情報に基づいて、表示パネル33の表示内容を制御する。
【0021】
さらに、RFIDタグ1は、光発電パネル31、32とPMIC21とを結ぶ配線の途中に高周波遮断回路61~64を備える。
【0022】
図3に示すように、制御回路24、PMIC21、第1電源IC22、第2電源IC23、表示パネル接続用のコネクタ29、光発電パネル接続用のコネクタ26a、26b、27a、27b、及び、高周波遮断回路61~64は、回路基板20の主部20Aに搭載されている。RFID用IC25は、主部20Aと延在部20Bとの境界の近傍に搭載され、アンテナ導体28と接続されている。
【0023】
<機能モジュールの配線と高周波遮断回路>
一般に、機能モジュールは、導体を含み、かつ、外部配線などの導体が付随される。例えば、光発電パネル31、32は、発電作用を及ぼす半導体を挟み込む内部電極315a~315h、325a~325hと、発電電力が出力される外部電極311、312、321、322とを有する。さらに、光発電パネル31、32には、発電により生成された電流を流すリード線31ha、31hb、32ha、32hb及び回路基板20上の基板配線201a、201b、202a、202bとが付随する。一方の基板配線201a、202aはPMIC21の入力端子に接続され、他方の基板配線201b、202bは面状グラウンド20Gに接続される。すなわち、他方の基板配線201b、202bは、面状グラウンド20Gを介してPMIC21のグラウンド端子に接続される。
【0024】
光発電パネル31、32とアンテナ導体28との最短距離D1(図3を参照)は、RFIDタグ1の無線信号の1/4波長(例えば周波数が920MHzの場合であれば81mm)以下である。リード線31ha、31hb、32ha、32hbとアンテナ導体28との最短距離D2(図3を参照)は、上記の1/4波長以下である。高い強度の電界が出力されるアンテナ導体28の端部と光発電パネル31、32との最短距離、並びに、アンテナ導体28の端部とリード線31ha、31hb、32ha、32hbとの最短距離についても、上記の1/4波長以下であってもよい。このように、機能モジュール及びそれに付随する導体をアンテナ導体28に近接配置することで、RFIDタグ1のコンパクト化を図ることができる一方、アンテナ導体28から強い電界が出力される範囲に、機能モジュール及びそれに付随する導体が位置する。
【0025】
なお、光発電パネル31、32の外部電極311、312、321、322の位置及びリード線31ha、31hb、32ha、32hbが延在する経路は、図3の例に限られない。例えば、外部電極311、312、321、322は、回路基板20の主部20Aに近い方に配置されてもよい。リード線31ha、31hb、32ha、32hbは、図3に示すように途中で交差又は結束されてもよいし、交差又は結束せずに外部電極311、312、321、322まで延在してもよい。
【0026】
高周波遮断回路61は、リード線31ha及び基板配線201aの途中に介在し、無線信号と同一の高周波信号の通過を抑制する。高周波遮断回路61があることで、無線信号の電界を受けてリード線31ha及び基板配線201aに無線信号と同一周波数の高周波信号が生じることが抑制され、この高周波信号がPMIC21の入力端子に吸収されることが抑制される。他の3つの高周波遮断回路62~64と、リード線31hb、32ha、32hb及び基板配線201b、202a、202bについても同様である。高周波遮断回路62~64が介在することで、無線信号の電界によりリード線31hb、32ha、32hbと基板配線201b、202a、202bとに高周波信号が発生すること、並びに、高周波信号がPMIC21又は面状グラウンド20Gに吸収されることが抑制される。
【0027】
高周波遮断回路61は、電気容量C1と、インダクタンスL1とが並列接続された並列共振回路であり(図4(A)を参照)、RFID用IC25の無線信号と同一周波数の高周波信号の通過を抑制する。電気容量C1及びインダクタンスL1は、実装部品であってもよいし、回路基板上の電極パターン及び多層配線により構成されてもよい。高周波遮断回路61は、RFID用IC25の無線信号の周波数(例えば920MHz)と一致する共振周波数を有するが、一致しない共振周波数で、無線信号と同一周波数の電気信号の通過率が1/2以下となる共振周波数を持っていてもよい。他の3つの高周波遮断回路62~64についても同様である。
【0028】
高周波遮断回路61は、電気容量C1が省略されてインダクタンスL1のみの構成としてもよいし、抵抗が含まれる構成としてもよい。本実施形態では、高周波遮断回路61は、光発電パネル31からの直流電流を流す構成であるため、電気容量C1が直列に接続される構成は採用されない。しかし、高周波遮断回路61が、機能モジュールの所定周波数の信号が伝送される配線上にあれば、所定周波数の電気信号の通過率が低くならない範囲で、直列に電気容量が含まれる回路であってもよい。高周波遮断回路62~64についても同様である。
【0029】
<通信特性>
図4は、高周波遮断回路の配置例1の構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)、(C)である。図5は、比較例の構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)である。図6は、高周波遮断回路の配置例2の構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)である。図7は、高周波遮断回路の変形例を適用した構成図(A)及び周波数特性グラフ(B)である。図4図7の周波数特性グラフは、実施形態のRFIDタグ1又は比較例のRFIDタグ100に対してZ方向から無線通信を行った場合に、無線周波数と通信可能距離との関係を示す。920MHzにおける通信可能距離は実測値である。
【0030】
図4図7では、高周波遮断回路の違いによる比較を示すが、試験では光発電パネル31、32とアンテナ導体28との配置関係がわずかに異なる2種類のサンプルが用いられている。2種類のサンプルとも、前述した光発電パネル31、32とアンテナ導体28との配置関係及び距離の要件を満たしている。図4(B)と図5(B)は、第1サンプルを用いた試験結果であり、図4(C)、図6(B)、図7(B)は、第2サンプルを用いた試験結果である。
【0031】
図4(B)と図5(B)との比較から分かるように、4つの高周波遮断回路61~64を有する本実施形態のRFIDタグ1では、高周波遮断回路61~64を持たない比較例のRFIDタグ100と比較して、通信可能距離が6.8mから8m以上に延びている。図4(B)は、高周波遮断回路61~64のインダクタンスL1と電気容量C1とが、それぞれ23[nH]と1[pH]の場合、並びに、それぞれ13[nH」と2[pF]の場合を示している。電気容量C1が搭載される回路基板20の電極間に生じる寄生容量0.3[pF]と合わせると、両方の場合とも、高周波遮断回路61~64の共振周波数は920MHzとなり、同一周波数の高周波信号をほぼ遮断する。
【0032】
図4(C)と図6(B)との比較から分かるように、PMIC21の入力端子側(以下陽極側と呼ぶ)の高周波遮断回路61、63を有し、面状グラウンド20G側(以下陰極側と呼ぶ)の高周波遮断回路62、64を有さないRFIDタグ1Aと比較すると、4つの高周波遮断回路61~64を有するRFIDタグ1の方が、通信可能距離が長い。図4(C)及び図6(B)は、インダクタンスL1と電気容量C1とがそれぞれ23[nH]と1[pH]の場合の試験結果を示している。陰極側の高周波遮断回路62、64のみを有する構成と、4つの高周波遮断回路61~64を有する構成との比較においても、同様の結果が得られる。高周波遮断回路61~64のうち、いずれか1つ以上を有する構成のほうが、全く持たない構成よりも通信可能距離を長くすることができる。
【0033】
図6(B)と図7(B)との比較から分かるように、高周波遮断回路61、63が無線信号の周波数と同調しているRFIDタグ1Aでは、8.7mの通信可能距離が得られる。一方、高周波遮断回路61、63がインダクタンスL1のみの構成など無線信号の周波数との同調を有さないRFIDタグ1Bでは、7.9mの通信可能距離が得られるなど、同調している構成のほうが通信可能距離が長い。ただし、同調していない高周波遮断回路61、63を有する構成と、高周波遮断回路を有さない構成とを比較すると、高周波遮断回路61、63を有する方が通信可能距離は長くなる。図7(B)は、インダクタンスL1が23[nH]の場合の試験結果を示している。このような比較結果は、陰極側の2つの高周波遮断回路62、64を有する構成においても、陽極側と陰極側とに4つの高周波遮断回路61~64を有する構成においても成立する。
【0034】
以上のように、本実施形態のRFIDタグ1によれば、光発電パネル31、32のリード線31ha、31hb、32ha、32hbと基板配線201a、201b、202a、202bとの途中に介在する高周波遮断回路61~64を備える。高周波遮断回路61~64により、アンテナ導体28からの電界を受けてリード線31ha、31hb、32ha、32hbと基板配線201a、201b、202a、202bとに高周波信号が伝わり、高周波信号がPMIC21又は面状グラウンド20Gで吸収されてしまうことを抑制できる。よって、アンテナ導体28から送信される無線信号の損失が低減される。同様に、アンテナ導体28が受信する無線信号の損失が低減される。したがって、RFIDタグ1の通信可能距離を延ばすことができる。本実施形態のRFIDタグ1A、1Bについても、高周波遮断回路61、62を有する分、同様の作用により、通信可能距離を延ばすことができる。
【0035】
さらに、本実施形態のRFIDタグ1、1Aによれば、高周波遮断回路61~64は電気容量C1とインダクタンスL1とを含む並列共振回路である。よって、無線信号の周波数と高周波遮断回路61~64の特性との同調を図ることができ、他の周波数の信号の影響を低減しつつ、無線信号の周波数と同一の周波数の電気信号の通過率を低減することができる。よって、無線信号の損失が低減され、RFIDタグ1、1Aの通信可能距離を延ばすことができる。
【0036】
さらに、本実施形態のRFIDタグ1、1A、1Bによれば、高周波遮断回路61~64は、無線信号の周波数と同一の周波数を有する電気信号の通過率が、1/2以下の特性を有する。したがって、無線信号がリード線31ha、31hb、32ha、32hbと基板配線201a、201b、202a、202bとを介して電気信号として伝わり、PMIC21又は面状グラウンド20Gに吸収されて損失となることをより抑制できる。
【0037】
さらに、本実施形態のRFIDタグ1、1A、1Bによれば、光発電パネル31、32とアンテナ導体28との最短距離が、無線信号の1/4波長以下である。さらに、リード線31ha、31hb、32ha、32hbとアンテナ導体28との最短距離が、無線信号の1/4波長以下である。このような構成により、RFIDタグ1、1A、1Bのコンパクト化を図りつつ、高周波遮断回路61~64によりコンパクト化の弊害を抑制し、通信可能距離の長大化を図ることができる。
【0038】
以上、本開示の実施形態について説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限られるものでない。例えば、上記実施形態では、機能モジュールとして、2つの光発電パネル31、32を適用した例を示した。しかし、機能モジュールとしては、例えば、温度、湿度、照度、振動、加速度などを検出するセンサモジュール、集音器、拡声器など、様々なモジュールが適用されてもよい。実施形態の表示パネルを機能モジュールとして、その配線の途中に配置された高周波遮断回路を有してもよい。高周波遮断回路が介在される基板配線及び接続用配線は、機能モジュールから送受信される信号又は電力が伝送される構成であってもよい。また、上記実施形態では、高周波遮断回路が基板配線の途中に介在する構成を示したが、高周波遮断回路はリード線又はフィルム配線などの接続用配線の途中に介在する構成としてもよい。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1、1A、1B RFIDタグ
10 筐体
20 回路基板
21 PMIC
25 RFID用IC
28 アンテナ導体
28a 帯状部
28b パターン部
31、32 光発電パネル
31ha、31hb、32ha、32hb リード線
33 表示パネル
40 蓋体
61~64 高周波遮断回路
L1 インダクタンス
C1 電気容量
201a、201b、202a、202b 基板配線
311、312、321、322 外部電極
D1、D2 最短距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7