(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119559
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】調光装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20220809BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G02F1/1339 505
G02F1/13 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016781
(22)【出願日】2021-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊平
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩也
(72)【発明者】
【氏名】長尾 康一
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
【Fターム(参考)】
2H088EA32
2H088FA04
2H088FA05
2H088FA06
2H088FA10
2H088FA27
2H088HA02
2H088JA03
2H088MA20
2H189AA10
2H189CA18
2H189CA21
2H189CA24
2H189DA72
2H189FA30
2H189HA12
2H189JA03
2H189MA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】調光パネルの基板に損傷がより生じにくい調光装置を提供する。
【解決手段】調光装置100は、第1基板2と、第2基板3と、第1基板2と第2基板3との間に設けられるシール材30と、シール材30の内側に設けられる液晶層4と、シール材30の外側に配置される、浸入防止部材の一部5Aと、を備える。浸入防止部材の一部は5A、第2基板3に固着される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられるシール材と、
前記第1基板と前記第2基板との間であって、且つ、前記シール材の内側に設けられる液晶層と、
前記シール材の外側に配置される、浸入防止部材の一部と、を備える、
調光装置。
【請求項2】
前記浸入防止部材の一部は、前記第2基板に固着される、
請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
前記浸入防止部材の一部は、1枚の板材である、
請求項1または2に記載の調光装置。
【請求項4】
前記浸入防止部材の一部は、上側から見た平面視において、L字形状を有する、
請求項1または2に記載の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アレイ基板と、アレイ基板の上側に配置される対向基板と、アレイ基板と対向基板との間に設けられる環状のシール材と、アレイ基板と対向基板との間であって、且つ、シール材の内側に設けられる液晶層と、を備える表示パネルがある(特許文献1参照)。この表示パネルを製造する場合、長方形形状のパネル材を切断するカット工程によって、1つずつの表示パネルに個片化される。具体的には、パネル材は、長方形形状のアレイ基板および対向基板と、両基板の間に設けられるシール材および液晶層と、を有する。そして、パネル材の短手方向に沿って直線状に延び且つ長手方向に等間隔に位置するカットラインを設定し、当該カットラインに沿ってパネル材を切断することにより、1つずつの表示パネルに個片化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、環状のシール材の外側に液晶が浸入すると、シール材の外側の領域において液晶が基板に固着される。この場合、カット工程の後で、切断した基板の破材を除去する際、当該破材の除去によって基板に損傷が生じる可能性がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、調光パネルの基板に損傷がより生じにくい調光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る調光装置は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられるシール材と、前記第1基板と前記第2基板との間であって、前記シール材の内側に設けられる液晶層と、前記シール材の外側に配置される、浸入防止部材の一部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る調光パネルの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るアレイ基板の配線を示す平面図であり、アレイ基板を上側から見た図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る対向基板の配線を示す平面図であり、対向基板を上側から見た図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る調光パネルの配線を示す平面図であり、調光パネルを上側から見た図である。
【
図9】
図9は、パネル材に液晶を注入した状態を示す模式的な平面図である。
【
図12】
図12は、パネル材の対向基板を第1カットラインに沿って切断する状態を示す模式的な平面図である。
【
図13】
図13は、パネル材の対向基板を第2カットラインに沿って切断する状態を示す模式的な平面図である。
【
図14】
図14は、パネル材の対向基板およびアレイ基板を第3カットラインに沿って切断する状態を示す模式的な平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る調光パネルの模式的な平面図である。
【
図16】
図16は、変形例に係るパネル材の一部を拡大した模式的な平面図である。
【
図17】
図17は、変形例に係る調光パネルの一部を拡大した模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0009】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る調光パネルの斜視図である。
図2は、
図1の平面図である。
図3は、
図2のIII-III線による断面図である。
図4は、実施形態に係るアレイ基板の配線を示す平面図であり、アレイ基板を上側から見た図である。
図5は、実施形態に係る対向基板の配線を示す平面図であり、対向基板を上側から見た図である。
図6は、実施形態に係る調光パネルの配線を示す平面図であり、調光パネルを上側から見た図である。
図7は、
図6のVII-VII線による断面図である。なお、
図1から
図6に示すxyz座標において、x方向は、左右方向であり、x1方向はx2方向の反対である。x1方向は左方向とも称し、x2方向は右方向とも称する。y方向は、前後方向であり、y1方向はy2方向の反対である。y1方向は前方向とも称し、y2方向は後方向とも称する。z方向は、上下方向であり、z1方向はz2方向の反対である。z1方向は上方向とも称し、z2方向は下方向とも称する。
【0011】
図1に示すように、調光パネル1は、アレイ基板(第1基板)2と、対向基板(第2基板)3と、液晶層4と、シール材30と、を有する。調光装置100は、調光パネル1を含む。
【0012】
図1、
図2および
図6に示すように、アレイ基板2は、対向基板3よりも大きい。アレイ基板2は、透明ガラス23(
図4参照)を有する。対向基板3は、透明ガラス31(
図5参照)を有する。実施形態において、アレイ基板2および対向基板3は、上側から見た平面視で正方形であるが、本発明に係る基板の形状は正方形に限定されない。アレイ基板2の表面2aには、第1端子群エリア21と、第2端子群エリアとが設けられる。第1端子群エリア21は、アレイ基板2の表面2aにおけるx1側の端部に位置する。第2端子群エリア22は、アレイ基板2の表面2aにおけるy2側の端部に位置する。第1端子群エリア21および第2端子群エリア22は、上側から見た場合に、L字形状を有する。第1端子群エリア21には、第1の端子群10が配置され、第2端子群エリア22には、第2の端子群20が配置される。
【0013】
図1、
図2および
図6に示すように、第1の端子群10は、第1端子101と、第2端子102と、第3端子103と、第4端子104とを含む。第1端子101、第2端子102、第3端子103、第4端子104は、y1側からy2側に向けて前後方向に順に並んで配置される。
【0014】
図1、
図2および
図6に示すように、第2の端子群20は、第5端子201と、第6端子202と、第7端子203と、第8端子204とを含む。第5端子201、第6端子202、第7端子203、第8端子204は、x2側からx1側に向けて左右方向に順に並んで配置される。
【0015】
また、
図1に示すように、対向基板3は、アレイ基板2の上側(z1側)に配置される。対向基板3とアレイ基板2との間には、シール材30および液晶層4が設けられる。シール材30は、対向基板3の外周に沿って環状に設けられ、シール材30の内側に液晶層4が充填されている。シール材30は、y1側に注入口35を有する。なお、液晶層4が設けられる領域はアクティブ領域であり、液晶層4の外側は額縁領域であり、第1端子群エリア21および第2端子群エリア22は端子領域である。
【0016】
そして、
図2に示すように、シール材30は、4か所の角部を有する。具体的には、角部は、第1角部361、第2角部362、第3角部363および第4角部364である。また、調光パネル1は、浸入防止部材5の一部5Aを有する。浸入防止部材5の一部5Aは、対向基板3に固着され、シール材30に入り込んでいる。浸入防止部材5の一部5Aは、実施形態では、2つ設けられるが、本発明では、少なくとも1つ設けられればよい。即ち、実施形態では、
図2に示すように、浸入防止部材5の一部5Aは、第1角部361の近傍と第4角部364の近傍とに設けられる。第1角部361の近傍に設けられる浸入防止部材5の一部5Aは、第1角部361よりもy2側であって、且つ、第1端子101よりもy1側に位置する。第4角部364の近傍に設けられる浸入防止部材5の一部5Aは、第4角部364よりもy2側に位置する。
【0017】
さらに、
図3を用いて、調光パネル1の積層構造を簡単に説明する。調光パネル1における最も下側の部位には、アレイ基板2が配置され、アレイ基板2の上側には、反射部42が積層される。反射部42は、例えばメタル電極である。反射部42の上側には、透光部41が積層される。透光部41は、例えばITO(Indium Tin Oxide)である。透光部41の上には、シール材30が設けられる。シール材30の上側には、透光部41が積層され、透光部41の上側には、反射部42が積層される。反射部42の上側には、対向基板3が設けられる。
【0018】
ここで、アレイ基板2の表面2aおよび裏面2bのうち上側の表面2aに配線が設けられ、対向基板3の表面3aおよび裏面3bのうち下側の表面3aに配線が設けられる。このように、アレイ基板2の表面2aと、対向基板3の表面3aとは、透光部41、反射部42およびシール材30を挟んで向かい合うように配置される。
【0019】
次に、アレイ基板2および対向基板3の配線について説明する。
図4に示すように、アレイ基板2の表面2aには、配線24および液晶駆動電極25が設けられる。具体的には、第1端子101と第5端子201とは配線24を介して電気的に接続される。第2端子102と第6端子202とは配線24を介して電気的に接続される。第3端子103と第7端子203とは配線24を介して電気的に接続される。第4端子104と第8端子204とは配線24を介して電気的に接続される。第2端子102と第6端子202とを結ぶ配線24には、4本の液晶駆動電極25が接続される。第3端子103と第7端子203とを結ぶ配線24には、4本の液晶駆動電極25が接続される。なお、配線24には、接続部C1、C2が設けられる。
【0020】
また、
図5に示すように、対向基板3の表面3aには、配線32および液晶駆動電極33が設けられる。具体的には、y1側とy2側とに配線32がそれぞれ設けられる。配線32はx方向に延びる。配線32には、液晶駆動電極33が電気的に接続される。液晶駆動電極33は、y方向に延びる。なお、配線32には、接続部C3、C4が設けられる。
【0021】
そして、
図6および
図7に示すように、アレイ基板2の上側に間隔をおいて対向基板3が配置される。アレイ基板2と対向基板3との間には、液晶層4が設けられる。また、アレイ基板2の接続部C1と、対向基板3の接続部C3とは、導通可能な柱(図示せず)を介して電気的に接続されている。アレイ基板2の接続部C2と、対向基板3の接続部C4とは、導通可能な柱(図示せず)を介して電気的に接続されている。なお、
図6に示す第1端子101、第2端子102、第3端子103、第4端子104は、図外のフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)と電気的に接続可能である。さらに、同様に、第5端子201、第6端子202、第7端子203、第8端子204は、フレキシブルプリント基板と電気的に接続可能である。
【0022】
次いで、調光パネルの製造方法を簡単に説明する。
図8は、パネル材の模式的な平面図である。
図9は、パネル材に液晶を注入した状態を示す模式的な平面図である。
図10は、
図9の一部を拡大した模式的な平面図である。
図11は、
図10のXI-XI線による断面図である。
図12は、パネル材の対向基板を第1カットラインに沿って切断する状態を示す模式的な平面図である。
図13は、パネル材の対向基板を第2カットラインに沿って切断する状態を示す模式的な平面図である。
図14は、パネル材の対向基板およびアレイ基板を第3カットラインに沿って切断する状態を示す模式的な平面図である。
図15は、実施形態に係る調光パネルの模式的な平面図である。なお、
図8から
図14のXY座標において、X方向は、左右方向であり、X1方向はX2方向の反対である。X1方向は左方向とも称し、X2方向は右方向とも称する。Y方向は、前後方向であり、Y1方向はY2方向の反対である。Y1方向は前方向とも称し、Y2方向は後方向とも称する。
【0023】
実施形態に係る調光パネルの製造方法は、準備工程ST1と、液晶注入工程ST2と、第1切断工程ST3と、第2切断工程ST4と、第3切断工程ST5と、を含む。
【0024】
(準備工程)
準備工程ST1は、
図8に示すパネル材300を準備する工程である。パネル材300は、複数(
図8では例えば6つ)の調光パネル1を切り出して製造するための部材であり、左右方向(X方向)に長く延びる長方形の形状を有する。平面視で矩形の環状に形成されたシール材30が左右方向に沿って複数並ぶ。左右方向に隣接するシール材30の間には、浸入防止部材5が設けられる。浸入防止部材5の構造については、詳細を後述する。
【0025】
(液晶注入工程)
液晶注入工程ST2は、
図9に示すように、パネル材300に液晶4Aを注入する工程である。シール材30には、前側(Y1側)に注入口35が設けられ、注入口35からシール材30の内周側に液晶4Aが注入される。具体的には、図外の容器に液晶4Aを入れたのち、パネル材300を液晶4A中に浸す。これにより、液晶4Aが毛細管現象によって、注入口35からシール材30の内周側に液晶4Aが注入される。なお、例えば
図9および
図10に示すように、左右に隣接するシール材30同士の間に液晶4Aが浸入する場合がある。しかし、この浸入した液晶4Aは、浸入防止部材5によって端子領域への浸入が防止される。
【0026】
ここで、浸入防止部材5について説明する。実施形態での浸入防止部材5の材質は、例えば樹脂であるが、本発明では特に限定されない。
図10および
図11に示すように、浸入防止部材5は、一枚の板材である。即ち、浸入防止部材5は、
図11に示すように、上面51と、下面52と、側面53と、側面54と、を備え、正面視において略長方形である。
図11では、上面51における端部51aが透光部41および反射部42の厚さ分だけ高さが低くなっている。また、下面52における端部52aが透光部41および反射部42の厚さ分だけ高さが低くなっている。しかし、本発明は、この形状に限定されず、例えば前側から見た正面視の形状は、例えば長方形であってもよい。浸入防止部材5の材質として、例えば樹脂等の変形可能な材質を適用することにより、浸入防止部材5の形状が長方形であっても、上下方向から圧縮された場合に、透光部41および反射部42の厚さ分だけ上面51および下面52が変形するからである。また、側面53、54は、シール材30の側部に食い込むように入り込んでいる。従って、側面53、54は、シール材30に接した状態になっており、側面53、54とシール材30との間から液晶4Aが浸入することが抑制される。なお、浸入防止部材5の上面51は、対向基板3に固着されているが、下面52はアレイ基板2に固着されていない。
【0027】
(第1切断工程)
第1切断工程ST3は、
図12に示すように、第1カットラインCL1に沿って対向基板3を切断する工程である。切断する装置として、例えばダイシング装置などが適用可能である。第1カットラインCL1は、長手方向(X方向)に沿って直線状に延びる。例えば、パネル材300の長手方向(X方向)の全域に亘って切断する。
【0028】
(第2切断工程)
第2切断工程ST4は、
図13に示すように、第2カットラインCL2に沿って対向基板3を切断する工程である。切断する装置として、例えばダイシング装置などが適用可能である。第2カットラインCL2は、Y方向に沿って直線状に延びる。例えば、パネル材300の短手方向(Y方向)の全域に亘って切断する。なお、第2カットラインCL2は、X方向に等間隔で複数配置される。X方向に隣接する第2カットラインCL2の間隔は、調光パネル1の幅と同一である。ここで、前述のように、浸入防止部材5の上面51が対向基板3に固着されているため、対向基板3を切断する際に浸入防止部材5の上部も切断される。
【0029】
(第3切断工程)
第3切断工程ST5は、
図14に示すように、第3カットラインCL3に沿ってアレイ基板2および対向基板3を切断する工程である。切断する装置として、例えばダイシング装置などが適用可能である。第3カットラインCL3は、Y方向に沿って直線状に延びる。例えば、パネル材300の短手方向(Y方向)の全域に亘って切断する。なお、第3カットラインCL3は、X方向に等間隔で複数配置される。X方向に隣接する第3カットラインCL3の間隔は、調光パネル1の幅と同一である。第3カットラインCL3に沿ってアレイ基板2および対向基板3を切断するため、パネル材300から調光パネル1が1枚ずつ切り離される。ここで、前述のように、浸入防止部材5の上面51が対向基板3に固着され且つ下面52はアレイ基板2に固着されていないため、第2カットラインCL2と第3カットラインCL3との間に位置する浸入防止部材5の破材は、対向基板3と共に除去される。従って、
図15に示すように、調光パネル1には、浸入防止部材5の部位のうち、対向基板3の下側に固着した一部5Aが残存している。
【0030】
以上説明したように、実施形態に係る調光パネル1は、アレイ基板(第1基板)2と、対向基板(第2基板)3と、アレイ基板2と対向基板3との間に設けられるシール材30と、アレイ基板2と対向基板3との間であって、且つ、シール材30の内側に設けられる液晶層4と、シール材30の外側に配置される、浸入防止部材5の一部5Aと、を備える。
【0031】
前述したように、シール材30の外側に液晶4Aが浸入すると、アレイ基板2および対向基板3が液晶4Aによって固着する。この場合、カット工程で個片化する際に、切断したアレイ基板2または対向基板3の破材を除去すると、調光パネル1の基板に損傷が生じる可能性がある。
【0032】
しかしながら、本実施形態に係る調光パネル1は、浸入防止部材5の一部5Aを有する。即ち、調光パネル1の製造時において、浸入防止部材5によって、シール材30の外側に液晶4Aが浸入することが抑制される。ここで、切断した対向基板3の破材は、液晶4Aを介してアレイ基板2に接合されている。従って、液晶4Aが浸入することが抑制されることにより、液晶4Aの残存量が少なくなる。よって、対向基板3の破材を取り外す際に、調光パネル1の基板に過度な荷重がかかることが抑制され、当該基板の損傷が抑制される。
【0033】
浸入防止部材5の一部5Aは、対向基板(第2基板)3に固着される。従って、浸入防止部材5の一部5Aが、アレイ基板(第1基板)2と対向基板(第2基板)3との双方に固着される場合よりも、浸入防止部材5の一部5Aの残存量が少なくなる。
【0034】
浸入防止部材5の一部5Aは、1枚の板材である。従って、浸入防止部材5の構造がより簡素になり、また、浸入防止部材5の一部5Aの残存量がより少なくなる。
【0035】
[変形例]
次いで、変形例について説明する。
図16は、変形例に係るパネル材の一部を拡大した模式的な平面図である。
図17は、変形例に係る調光パネルの一部を拡大した模式的な平面図である。実施形態では、浸入防止部材5を適用したが、変形例では、浸入防止部材5Bを適用する。
【0036】
変形例に係る浸入防止部材5Bの材質は、例えば樹脂であるが、本発明では特に限定されない。
図16に示すように、浸入防止部材5Bは、第1板55と、第2板56と、第3板57と、を備える。第1板55は、実施形態の浸入防止部材5と同一である。即ち、第1板55は、図示しないが、正面視において略長方形である。第1板55は、X方向に沿って直線状に延びる。第2板56は、Y方向に沿って直線状に延びる。第2板56の形状は、X方向から見た場合に、Y方向に延びる長方形である。第2板56は、第1板55よりもY1側に突出した突出部56aを有する。上側から見た場合に、第2板56と第1板55とは、直交する。第3板57は、Y方向に沿って直線状に延びる。第3板57の形状は、X方向から見た場合に、Y方向に延びる長方形である。第3板57のY1側の端部57aは、第1板55に固定される。
【0037】
なお、第4カットラインCL4は、第2板56に沿って直線状に延びる。第4カットラインCL4に沿って、アレイ基板2および対向基板3を切断する。第5カットラインCL5は、第3板57に沿って直線状に延びる。第5カットラインCL5に沿って、対向基板3を切断する。
【0038】
ここで、第4カットラインCL4に沿ってアレイ基板2および対向基板3を切断すると、パネル材300から調光パネル1が1枚ずつ切り離される。ここで、前述のように、浸入防止部材5の上面51が対向基板3に固着され且つ下面52はアレイ基板2に固着されていないため、第4カットラインCL4と第5カットラインCL5との間に位置する浸入防止部材5の破材は、対向基板3と共に除去される。従って、
図17に示すように、調光パネル1には、浸入防止部材5Bの部位のうち、対向基板3の下側に固着した一部5Cが残存している。浸入防止部材5Bの一部5Cは、平面視でL字形状を有し、例えば、第3板57の一部57Aと、第1板55の一部55Aと、を有する。第3板57の一部57Aは、第3板57を第5カットラインCL5に沿って切断するときに残る部分である。第3板57の一部57Aは、第3板57よりも左右方向(X方向)の距離(幅)が小さい。第1板55の一部55Aは、第1板55を第5カットラインCL5に沿って切断するときに残る部分である。
【0039】
以上説明したように、変形例に係る調光パネル1において、浸入防止部材5Bの一部5Cは、上側から見た平面視において、L字形状を有する。浸入防止部材5Bの一部5Cは、第3板57の一部57Aと、第1板55の一部55Aと、を有する。従って、浸入防止部材の一部が、実施形態のように一枚の板材の場合よりも、浸入防止部材5Bが倒れにくい。以上より、変形例においては、浸入した液晶4Aが、浸入防止部材5Bによって浸入が更に防止される。
【符号の説明】
【0040】
1 調光パネル
2 アレイ基板(第1基板)
2a 表面
2b 裏面
3 対向基板(第2基板)
3a 表面
3b 裏面
4 液晶層
4A 液晶
5、5B 浸入防止部材
5A、5C 浸入防止部材の一部
10 第1の端子群
20 第2の端子群
21 第1端子群エリア
22 第2端子群エリア
23 透明ガラス
24 配線
25 液晶駆動電極
30 シール材
31 透明ガラス
32 配線
33 液晶駆動電極
35 注入口
41 透光部
42 反射部
51 上面
51a 端部
52 下面
52a 端部
53、54 側面
55 第1板
56 第2板
56a 突出部
57 第3板
57a 端部
100 調光装置
101 第1端子
102 第2端子
103 第3端子
104 第4端子
201 第5端子
202 第6端子
203 第7端子
204 第8端子
300 パネル材
361 第1角部
362 第2角部
363 第3角部
364 第4角部
CL1 第1カットライン
CL2 第2カットライン
CL3 第3カットライン
CL4 第4カットライン
CL5 第5カットライン