(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120178
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】目印体及び建設機械
(51)【国際特許分類】
E01F 13/02 20060101AFI20220809BHJP
E02F 9/24 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
E01F13/02 A
E02F9/24 A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098092
(22)【出願日】2022-06-17
(62)【分割の表示】P 2018174377の分割
【原出願日】2018-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】507096984
【氏名又は名称】合名会社菊川商店
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊 川 裕 史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明の目的は、直線のみならず、曲面を有した載置部位でも立設することができる目印体及び該目印体を備えた建設機械を提供するものである。
【解決手段】目印体2は、略四角形の水平底部21と、この水平底部21より上方に延びる中空体22と、水平底部21の四隅に設けた磁石4とを備えた目印体2であって、磁石4は、水平底部21を底面から見て、右前磁石41、左前磁石42、右後磁石43、左後磁石44であり、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置された時、磁石4により水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持され、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、磁石4により水平底部21は第2の磁性体Yの前記曲面に沿って保持されるため、水平な第1の磁性体Xのみならず、曲面を有する第2の磁性体Yにも、風に飛ばされず磁石4を介して、立設状態を保持することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角形の水平底部と、
この水平底部より上方に延びる中空体と、
前記水平底部の四隅に設けた磁石とを備えた目印体であって、
前記磁石は、前記水平底部を底面から見て、右前磁石、左前磁石、右後磁石、左後磁
石であり、
前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記磁石により前
記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、
前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記磁石に
より前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持される
ことを特徴とする目印体。
【請求項2】
外表面に磁性体を有する建設機械であって、
前記磁性体の前記外表面に目印体の水平底部に設けた磁石を介して前記目印体を付着させる
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
水平底部と、
この水平底部に設けた複数の磁石とを備えた目印体であって、
前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記複数の磁石に
より前記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、
前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記複数の
磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持される
ことを特徴とする目印体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目印体及び建設機械に係り、特に、直線のみならず、曲面を有した載置部
位でも立設することができる目印体及び該目印体を備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
安全面の観点から、工事現場において、キャタピラを備えた建設機械の前記キャタピ
ラの四隅近傍の地面にそれぞれ目印体を立設することが考えられる。
目印体は、例えば、道路や工事現場などの規制や区分けを目的として置かれる高さ約
70cm前後の円錐形の保安器具で、三角コーン、ロードコーンと称されるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、風等により目印体が倒れてしまう場合があり、この場合、視認性によ
る安全確認がしづらいという問題点が生じた。
【0004】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮してなされた目印体及び建設機械を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の目印体は、略四角形の水平底部と、この水平底部より上方に延びる中空体と、前記水平底部の四隅に設けた磁石とを備えた目印体であって、前記磁石は、前記水平底部を底面から見て、右前磁石、左前磁石、右後磁石、左後磁石であり、前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記磁石により前記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持されるものである。
【0006】
また、請求項2記載の建設機械は、外表面に磁性体を有する建設機械であって、
前記磁性体の前記外表面に目印体の水平底部に設けた磁石を介して前記目印体を付着させるものである。
【0007】
また、請求項3記載の目印体は、水平底部と、この水平底部に設けた複数の磁石とを備えた目印体であって、前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記複数の磁石により前記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記複数の磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持されるものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の目印体によれば、略四角形の水平底部と、この水平底部より上方に延
びる中空体と、前記水平底部の四隅に設けた磁石とを備えた目印体であって、前記磁石は
、前記水平底部を底面から見て、右前磁石、左前磁石、右後磁石、左後磁石であり、前記
目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記磁石により前記水平底
部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、前記目印体の前記水平底部が曲面を有す
る第2の磁性体に載置された時、前記磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性
体の前記曲面に保持されるため、水平な第1の磁性体のみならず、曲面を有する第2の磁
性体にも、風に飛ばされず磁石を介して、立設状態を保持することができる。
【0009】
また、請求項2記載の建設機械によれば、キャタピラの四隅に右前目印体、左前目印
体、右後目印体、左後目印体が磁石を介して立設するため、場所も取らないで設置できる
と共に、風に飛ばされず立設状態を保持でき、しかも、建設機械を運転する際は、キャタ
ピラの四隅に取り付けた四個の目印体を回収しながら、建設機械のキャタピラの四隅付近
の安全確認をも図ることができる。
【0010】
また、請求項3記載の建設機械によれば、磁性体の前記外表面に目印体の水平底部に
設けた磁石を介して前記目印体を付着させるものであるため、場所も取らないで設置でき
ると共に、風に飛ばされず付着状態を保持でき、しかも、建設機械を運転する際は、外表
面に取り付けた目印体を回収しながら、建設機械の安全確認をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の目印体をやや斜め方向から撮影した写真である 。
【
図2】
図2は、
図1の目印体を底面斜め方向から撮影した写真である。
【
図3】
図3は、
図1の目印体を底面側から撮影した写真である。
【
図4】
図4は、
図1の目印体を水平な第1の磁性体に載置した状態を正面から撮影 した写真である。
【
図5】
図5は、
図1の目印体を曲面を有する第2の磁性体に載置した状態を正面か ら撮影した写真である。
【
図6】
図6は、
図1の目印体が保持された建設機械を背面側から撮影した写真であ る。
【
図7】
図7は、
図6の建設機械と異なる建設機械に
図1の目印体が保持された状態 を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施例の目印体を
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1に示す2は目印体で、目印体2は、例えば、道路や工事現場などの規制や区分け
を目的として置かれる円錐形の保安器具で、三角コーン、ロードコーンと称されるもので
ある。
目印体2は、外形が略四角形の水平底部21と、この水平底部21より上方に延びる
中空体22と、水平底部21の四隅に設けた磁石4を備えている。3は、目印体2に取り
付けられている反射テープである。
【0013】
磁石4は、水平底部21を底面から見て、
図3に示すように、右前磁石41、左前磁
石42、右後磁石43、左後磁石44である。
そして、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置された時、磁石4に
より水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持される(
図4参照)。
また、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、磁石
4により水平底部21は水平底部21は変形して第2の磁性体Yの前記曲面に保持される
(
図5参照)。
【0014】
従って、上述した目印体2によれば、略四角形の水平底部21と、この水平底部21
より上方に延びる中空体22と、水平底部21の四隅に設けた磁石4とを備えた目印体2
であって、磁石4は、水平底部21を底面から見て、右前磁石41、左前磁石42、右後
磁石43、左後磁石44であり、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置
された時、磁石4により水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持され、目印体
2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、磁石4により水平底部
21は第2の磁性体Yの前記曲面に沿って保持されるため、水平な第1の磁性体Xのみな
らず、曲面を有する第2の磁性体Yにも、風に飛ばされず磁石4を介して、立設状態を保
持することができる。
【0015】
次の実施例は、上記した目印体を備えた建設機械について、
図6及び
図7を参照して
説明する。
図6に示す1はキャタピラ11を有する建設機械で、建設機械1は、例えば、バック
ホーである。
【0016】
本発明は、
図6に示すように、キャタピラ11を備えた建設機械1のキャタピラ1
1の四隅にそれぞれ目印体2の水平底部21に設けた磁石4を介して目印体2を複数立設
するものである。
水平底部21の四隅部、即ち、右前目印体2A、左前隅部11Bに吸着する左前目印
体2B、右後隅部(図示せず)に吸着する右後目印体(図示せず)、左後隅部11Dに吸
着する左後目印体2Dである。
【0017】
キャタピラ11の四隅は、建設機械1を背面から見て、右前隅部11A、左前隅部
11B、右後隅部(図示せず)、左後隅部11Dである。
そして、複数立設する目印体2は、右前隅部11Aに吸着する右前目印体2A、左前
隅部11Bに吸着する左前目印体2B、右後隅部(図示せず)に吸着する右後目印体(図
示せず)、左後隅部11Dに吸着する左後目印体2Dである。
【0018】
従って、上述した建設機械1によれば、キャタピラ11の四隅に右前目印体2A、左
前目印体2B、右後目印体(図示せず)、左後目印体2Dが磁石4を介して立設するため
、場所も取らないで設置できると共に、風に飛ばされず立設状態を保持でき、しかも、建
設機械1を運転する際は、キャタピラ11の四隅に取り付けた四個の目印体2、2、2、
2を回収しながら、重機1のキャタピラ11の四隅付近の安全確認をも図ることができる
。
また、目印体2に反射テープ3が取り付けられているため、視認性を高めて安全性を
確保することができる。
【0019】
本実施例においては、建設機械1をバックホーとして説明したが、本願発明にあって
は、これに限らず、例えば、図示しないドリルジャンボでも良い。
また、上述した実施例においては、キャタピラ11を有する建設機械1について説明
したが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図7に示すように、外表面3’、
4’に磁性体を有する建設機械1であって、磁性体の外表面3’、4’に目印体2の水平
底部21に設けた磁石4を介して目印体2を付着させるようにしても良い。
【0020】
この
図7記載の外表面3、4に磁性体を有する建設機械1にあっても、磁性体の外表
面3’、4’に三角コーン2、2の水平底部21に設けた磁石4を介して目印体2を付着
させるものであるため、場所も取らないで設置できると共に、風に飛ばされず付着状態を
保持でき、しかも、建設機械1を運転する際は、外表面3’、4’に取り付けた目印体2
、2を回収しながら、建設機械1の安全確認をも図ることができる。
【符号の説明】
【0021】
2 目印体
21 水平底部
22 中空体
2A 右前目印体
2B 左前目印体
2D 左後目印体
4 磁石
11 キャタピラ
11A 右前隅部
11B 左前隅部
11D 左後隅部
41 右前磁石
42 左前磁石
43 右後磁石
44 左後磁石
X 第1の磁性体
Y 第2の磁性体
【手続補正書】
【提出日】2022-06-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角形の水平底部と、
この水平底部より上方に延びる中空体と、
前記水平底部の四隅に露出して設けた磁石とを備えた目印体であって、
前記磁石は、前記水平底部を底面から見て、右前磁石、左前磁石、右後磁石、左後磁
石であり、
前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記磁石により前
記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、
前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記磁石に
より前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持される
ことを特徴とする目印体。
【請求項2】
外表面に磁性体を有する建設機械であって、
前記磁性体の前記外表面に目印体の水平底部に露出して設けた磁石を介して前記目印体を付着させる
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
水平底部と、
この水平底部に露出して設けた複数の磁石とを備えた目印体であって、
前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記複数の磁石に
より前記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、
前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記複数の
磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持される
ことを特徴とする目印体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1記載の建設機械は、略四角形の水平底部と、この水平底部より上方に延びる中空体と、前記水平底部の四隅に露出して設けた磁石とを備えた目印体であって、前記磁石は、前記水平底部を底面から見て、右前磁石、左前磁石、右後磁石、左後磁石であり、前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記磁石により前記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持されるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
また、請求項2記載の建設機械は、外表面に磁性体を有する建設機械であって、前記磁性体の前記外表面に目印体の水平底部に露出して設けた磁石を介して前記目印体を付着させるものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、請求項3記載の目印体は、水平底部と、この水平底部に露出して設けた複数の磁石とを備えた目印体であって、前記目印体の前記水平底部が水平な第1の磁性体に載置された時、前記複数の磁石により前記水平底部は前記第1の磁性体に沿って平行に保持され、前記目印体の前記水平底部が曲面を有する第2の磁性体に載置された時、前記複数の磁石により前記水平底部は変形して前記第2の磁性体の前記曲面に保持されるものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
磁石4は、水平底部21を底面から見て、
図3に示すように、右前磁石41、左前磁
石42、右後磁石43、左後磁石44である。
そして、目印体2の水平底部21が水平な第1の磁性体Xに載置された時、磁石4に
より水平底部21は第1の磁性体Xに沿って平行に保持される(
図4参照)。
また、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性体Yに載置された時、磁石
4により水平底部21は水平底部21は変形して第2の磁性体Yの前記曲面に保持される
(
図5参照)。
つまり、目印体2は、水平底部21と、この水平底部21に設けた複数の磁石41、
42、43、44とを備えた目印体2であって、目印体2の水平底部21が水平な第1の
磁性体Xに載置された時、複数の磁石41、42、43、44により水平底部21は第1
の磁性体Xに沿って平行に保持され、目印体2の水平底部21が曲面を有する第2の磁性
体Yに載置された時、複数の磁石41、42、43、44により水平底部21は変形して
第2の磁性体Yの前記曲面に保持されるものである。