(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120372
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20220810BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220810BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220810BHJP
F21V 11/14 20060101ALI20220810BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220810BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1335
F21S2/00 481
F21V11/14
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017224
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大田 隆
【テーマコード(参考)】
2H291
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H291FA02Y
2H291FA14Y
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA42Z
2H291FA54Z
2H291FA62Z
2H291FA66Z
2H291FA83Z
2H291FA85Z
2H291GA19
2H291LA21
2H291LA40
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB34
2H391AC13
2H391AC23
2H391AC30
2H391AC42
2H391CB13
3K244AA01
3K244BA18
3K244BA23
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA06
(57)【要約】
【課題】正確なローカルディミングによって、高精細で、コントラストの高い表示装置を実現する。
【解決手段】
表示パネル及びバックライトを有する表示装置であって、前記バックライトは光源と光学シート群を有し、前記光源は、光源基板と前記光源基板に配置したLEDを有し、前記光源は、平面で視てセグメントに分割され、前記セグメントには、少なくとも1個の前記LEDが存在し、前記光源基板及び前記LEDは、透明樹脂によって覆われ、前記透明樹脂の上には、ハニカム仕切り60を有するシートが配置していることを特徴とする表示装置。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネル及びバックライトを有する表示装置であって、
前記バックライトは光源と光学シート群を有し、
前記光源は、光源基板と前記光源基板に配置したLEDを有し、
前記光源は、平面で視てセグメントに分割され、
前記セグメントには、少なくとも1個の前記LEDが存在し、
前記光源基板及び前記LEDは、透明樹脂によって覆われ、
前記透明樹脂の上には、ハニカム仕切りを有するシートが配置していることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ハニカム仕切りを有するシートの上には拡散シートが配置していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ハニカム仕切りを有するシートの上には複数の拡散シートが配置していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記拡散シートの上には、プリズムシートが配置していることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ハニカム仕切りのハニカムの径は、前記表示パネルの画素の径よりも大きく、前記セグメントの径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記LEDは、光を出射する出射窓を有し、前記ハニカム仕切りのハニカムの径は、前記出射窓の径よりも大きく、前記セグメントの径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
表示パネル及びバックライトを有する表示装置であって、
前記バックライトは光源と光学シート群を有し、
前記光源は、光源基板と前記光源基板に配置したLEDを有し、
前記光源は、平面で視てセグメントに分割され、
前記セグメントには、少なくとも1個の前記LEDが存在し、
前記光源基板及び前記LEDは、透明樹脂によって覆われ、
前記LEDの出射光面の上には、前記透明樹脂内にハニカム仕切りが形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記ハニカム仕切りの上には拡散シートが配置していることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ハニカム仕切りの上には複数の拡散シートが配置していることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記拡散シートの上には、プリズムシートが配置していることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記ハニカム仕切りのハニカムの径は、前記表示パネルの画素の径よりも大きく、前記セグメントの径よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項12】
前記LEDは、光を出射する出射窓を有し、前記ハニカム仕切りのハニカムの径は、前記出射窓の径よりも大きく、前記セグメントの径よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトを有する表示装置に係り、特に、ローカルディミングを用いて高コントラスト画面を可能とする表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、対向基板が配置され、TFT基板と対向基板の間に液晶層が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
一方、有機EL表示装置では、有機EL層による発光素子、駆動TFT、スイッチングTFT等を有する画素がマトリクス状に形成され、画素毎に有機EL層の発光強度を制御して画像を形成している。有機EL表示装置は自発光素子なので、画像のコントラストが優れている。
【0004】
しかし、画素の大きさは液晶表示装置のほうが小さくできるので、精細度は液晶表示装置のほうが優れている。そこで、液晶表示装置のコントラストを向上させる方式としてローカルディミングが開発されている。ローカルディミングに関する先行技術として、例えば特許文献1が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
VR(Virtual Reality)用表示装置、医療用表示装置では、より高精細で、よりコントラストの高い画像が必要とされる。このような表示装置でローカルディミングを用いる場合、ローカルディミングについても、より細かい制御が必要である。
【0007】
このような表示装置で、より効果的にローカルディミングを行い、コントラストを向上させるためには、例えば、ローカルディミングの単位となるセグメントの面積を小さくし、かつ、各セグメントの光が隣接するセグメントに及ばないようにする必要がある。
【0008】
また、セグメントの面積を小さくすると、セグメントに複数のLEDを配置することが難しくなる。一方、各セグメントに1個のみLEDを配置した場合、輝度分布の均一化が問題となり、画面側からLEDが見えてしまうという問題を生ずる。これを対策するために、例えば、拡散シートを配置すると、拡散シートの影響によって、各セグメントの光が隣接するセグメントに漏れるという問題を生ずる。
【0009】
本発明の課題は、このような問題を解決し、ローカルディミングを効果的に行い、バックライトを有する表示装置において、高精細で高コントラストの画面を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するものであり、主な具体的な手段は次のとおりである。
【0011】
(1)表示パネル及びバックライトを有する表示装置であって、前記バックライトは光源と光学シート群を有し、前記光源は、光源基板と前記光源基板に配置したLEDを有し、前記光源は、平面で視てセグメントに分割され、前記セグメントには、少なくとも1個の前記LEDが存在し、前記光源基板及び前記LEDは、透明樹脂によって覆われ、前記透明樹脂の上には、ハニカム仕切りを有するシートが配置していることを特徴とする表示装置。
【0012】
(2)表示パネル及びバックライトを有する表示装置であって、前記バックライトは光源と光学シート群を有し、前記光源は、光源基板と前記光源基板に配置したLEDを有し、前記光源は、平面で視てセグメントに分割され、前記セグメントには、少なくとも1個の前記LEDが存在し、
前記光源基板及び前記LEDは、透明樹脂によって覆われ、前記LEDの出射光面の上には、前記透明樹脂内にハニカム仕切りが形成されていることを特徴とする表示装置。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】液晶表示装置におけるローカルディミング動作の場合のセグメントの例を示す平面図である。
【
図12】ハニカム仕切りとLEDの関係を示す平面図である。
【
図13】ハニカム仕切りとLEDの関係を示す他の平面図である。
【
図16】実施例1及び実施例2の効果を示すグラフ及び表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【実施例0015】
図1は液晶表示装置の1例を示す平面図である。
図1において、TFT基板100と対向基板200がシール材16によって接着し、内部に液晶が挟持されている。TFT基板100と対向基板200がオーバーラップした部分に表示領域14が形成されている。表示領域14には、走査線11が横方向(x方向)に延在し、縦方向(y方向)に配列している。また、映像信号線12が縦方向に延在して横方向に配列している。走査線11と映像信号線12で囲まれた領域に画素13が形成されている。
【0016】
図1において、TFT基板100が対向基板200とオーバーラップしていない部分は端子領域15となっている。端子領域15には、液晶表示パネルに電源や信号を供給するためにフレキシブル配線基板17が接続している。液晶表示パネルを駆動するドライバICはフレキシブル配線基板17に搭載されている。TFTの背面には、
図2に示すようにバックライトが配置している。
【0017】
図2は液晶表示装置の断面図である。
図2において、液晶表示パネル10の背面にバックライト20が配置している。液晶表示パネル10は次のような構成になっている。すなわち、画素電極、コモン電極、TFT、走査線、映像信号線等が形成されたTFT基板100に対向して、ブラックマトリクスやカラーフィルタが形成された対向基板200が配置している。TFT基板100と対向基板200は周辺において、シール材16によって接着し、内部に液晶300が封入されている。
【0018】
液晶分子は、TFT基板100及び対向基板200に形成された配向膜によって、初期配向している。画素電極とコモン電極の間に電圧が印加されると、液晶分子が回転し、画素毎にバックライト20からの光を制御することによって画像を形成する。液晶300は、偏向光のみ制御することが出来るので、TFT基板100の下に下偏光板101を配置して、偏向光のみを液晶300に入射する。液晶300で変調された光は、上偏光板201において、検光され、画像が視認される。
【0019】
図2において、液晶表示パネルの背面にバックライト20が配置している。バックライト20は光源30の上に複数の拡散シートからなる拡散シート群40が配置し、その上にプリズムシート50が配置している構成である。表示装置のバックライト20には、LED等の光源が導光板の側面に配置するサイドライト方式と、LED等の光源が導光板の下面に配置する直下型とが存在するが、本発明では、直下型方式のバックライトを使用する。
【0020】
図2では、LEDは白色LEDを用いるが、青色LEDを用いる場合は、拡散シートに加え、樹脂シート内に蛍光体を分散した、色変換シートが用いられることもある。また、バックライト20からの光の利用効率を向上させるために、偏向反射シートが用いられることもある。どのような光学シートを用いるか、あるいは、このような光学シートを何枚用いるかは表示装置によって決められる。
【0021】
液晶表示装置に画像を表示する場合、明るい部分はバックライトを透過し、暗い部分は、バックライトを遮蔽する。画像のコントラストは、明るい部分と暗い部分の比によって定義される。液晶表示装置は、暗い部分は、液晶によってバックライトからの光を遮蔽することによって形成する。しかし、液晶によるバックライトの遮蔽は、完全ではなく、若干の光が漏れる。これによってコントラストが低下することになる。
【0022】
ローカルディミングは、暗い部分には、バックライトを照射しないことによって、深い黒表示を可能とする。したがって、高いコントラストを実現することが出来る。
図3はローカルディミングの形態を示す液晶表示装置の例である。
図3は液晶表示装置の平面図であり、構成は
図1で説明したのと同様である。
図3において、表示領域14はセグメント141によって分割されている。
図3における点線は、セグメント141の境界であるが、これは便宜上記載したものであり、液晶表示パネルにこのような境界があるわけではない。バックライトにおける光源が各セグメントに対応する位置に配置されている。
【0023】
図3において、セグメント(4、2)は明るい部分であり、セグメント(5、2)は暗い部分であるとする。ローカルディミングでは、セグメント(4、2)の部分の光源、すなわち、LEDを点灯し、セグメント(5、2)の部分の光源、すなわち、LEDは点灯しない。そうすると、セグメント(5、2)の部分に形成される黒は、深い黒表示となり、高いコントラストが実現される。
【0024】
しかし、セグメント間には境界があるわけではないので、例えばセグメントの輝度分布等によっては、セグメント(4、2)の光がセグメント(5、2)に及ぶ場合がある。そうすると、黒表示をするはずのセグメント(5、2)にもバックライトが照射されることになり、ローカルディミングの効果を十分に発揮できないことになる。
【0025】
図4及び
図5は、ローカルディミングを可能とするバックライトの構成を示す比較例1である。光源には白色LED31が使用されている。
図4は、バックライトにおいて、各セグメント141における、光源であるLED31の配置を示す平面図である。
図4において、各セグメント141は点線で仕切られている。しかし、この点線は、便宜上のものであり、実際に仕切りがあるわけではない。
【0026】
各セグメントの大きさは4mm□以下であり、
図5の場合は、例えば2mm□である。以下の例におけるセグメント141の大きさも同様である。
図4において、各セグメント141に1個のLED31が配置している。なお、セグメントの大きさは、x方向、y方向ともに、互いに隣り合うLEDの中心間距離であると定義することも出来る。各セグメントに複数のLED31が配置している場合は、LED31の荷重平均の位置をとればよい。
【0027】
図5は、比較例1におけるバックライトの断面図である。
図5において、光源基板32の上にLED31が配置し、LED31を覆って透明樹脂33が形成されている。LED31には白色LEDが使用されている。透明樹脂33には、例えばアクリル樹脂あるいはシリコーン樹脂が使用される。透明樹脂33は、LED31、及び光源基板32に形成された電極及び配線を保護するためのものである。
図5の光源基板32に記載された点線は、便宜上セグメントの境界を示すものである。
【0028】
透明樹脂33の上に3枚の拡散シート41、42、43からなる拡散シート群40が配置している。拡散シートは光源からの光を均一化するものである。したがって、必要に応じて1枚でもよいし、4枚以上でもよい。各拡散シートの厚さは、例えば0.1mmである。
【0029】
拡散シート43の上にプリズムシート50が配置している。
図5のプリズムシート50はy方向に延在する、断面が3角形の線状のプリズムが、x方向に、例えば50ミクロンのピッチで配列したものである。
図5のプリズムシート50は、x方向に広がろうとする光をz軸方向に向ける作用をする。プリズムシート50の厚さは、例えば、プリズムアレイの部分の厚さ(すなわち、プリズムの高さ)が50ミクロン、基材の部分の厚さが70ミクロンであり、合計120ミクロン程度である。y方向に広がろうとする光をz軸方向に向けるためには、x方向に延在する、断面が3角形の線状のプリズムが、y方向に配列したプリズムシートをプリズムシート50に重ねて用いればよい。
【0030】
比較例1の問題点は、LED31からの光が、LED31を覆う透明樹脂33、拡散シート群40から隣接するセグメントに漏れてしまうということである。
図6はこの問題を示す平面図である。セグメント141、LED31の配置等は
図4と同じである。
図6における矢印はLED31から放出される光である。
図6は、LED31から放出される光は、矢印に示すように、該当セグメントにとどまらず、隣接するセグメントにも漏れていることを示している。
【0031】
図7は、この問題を示す断面図である。
図7の構成は
図5で説明したのと同様である。
図7における矢印はLED31から出射する光を示している。斜め方向に向かう光は、隣接セグメントに漏れ出すことを示している。したがって、正確な、あるいは、効果的なローカルディミングを行うことが出来ない。
【0032】
図8はこれを対策する実施例1の断面図である。
図8の基本的な構成は
図5と同じである。
図8が
図5と異なる点は、第1拡散シート内にハニカム状の仕切り60が形成されていることである。以後、ハニカム仕切りが形成された第1拡散シートをハニカム拡散シート45と呼ぶこともある。
図8では、このハニカム仕切り60によってLED31からの光が隣接するセグメントに漏れだすことを防止している。
【0033】
図9は、ハニカム仕切り60の斜視図である。すなわち、平面が6角形である格子がマトリクス状に形成されている。ハニカム仕切り60は例えば、黒色シリコーン樹脂等で形成することが出来る。ハニカム仕切り60の作り方は例えば、厚さ0.1mmの黒色シリコーン樹脂にエッチングによって、小さな6角形の孔をマトリクス状に形成すればよい。ハニカム仕切りの壁の厚さは例えば0.05mmである。
【0034】
その後、マトリクス状に形成されたハニカムの孔内に拡散シートを構成する樹脂を充填する。これによって、ハニカム拡散シート45を形成することが出来る。拡散シートの材料としては、ほとんどの場合、PET(ポリエチレンテレフタレート)が使用されている。ただし、PC(ポリカーボネート)あるいはシリコーン樹脂が使用されることもある。ハニカム拡散シート45は大きなマザーシートを形成し、これを各デスプレイの大きさに裁断して形成することも出来る。
【0035】
図10はハニカム仕切り60の平面図である。ハニカム仕切り60の壁の厚さは、例えば、0.05mmである。各ハニカムの最大径dは液晶表示パネルに形成された画素の径よりも大きく、セグメントの径よりも小さい。以後、特にことわらない限り、ハニカムの径という場合は最大径dをいうものとする。各ハニカムの大きさは、後で説明するように、用途に合わせて任意の大きさにすることが出来る。
図10において、ハニカムの中心にあるドット70は、例えば点光源70である。点光源70からは、四方に光が放射されるが、ハニカム仕切り60によって、他のハニカムには光が入射しない。したがって、当然、点光源からの光は、隣接するセグメントに対して影響を与えない。
【0036】
図11はこの様子を示す断面図である。
図11において、LED31を覆う透明樹脂33の上にハニカム拡散シート45が配置している。LED31からの光は、各ハニカムにおいて点光源を構成する。点光源から4方に広がる光はハニカム仕切り60によって遮蔽され、上方に向かう光のみがハニカム拡散シート45から出射することになる。当然、隣接するセグメントへの光漏れは防止される。
【0037】
図12は、
図11を上方から視た場合に対応する平面図である。
図12において、点線はセグメント141の境界を示す仮想線である。各セグメント141の中心にはLED31が配置している。
図12において、各セグメント141を覆うように、ハニカム仕切り60が形成されている。ハニカム仕切り60は、LED31を含む光源30と液晶表示パネル10の間に配置される。一般の光学構成では、LED31や液晶表示パネル10との組み立て精度が問題となるが、ハニカム仕切り60は細密充填構造であり、どの方向にも均一にハニカムが分布している。しがって、ハニカム仕切り60を用いることによって、組み立て精度の影響を受けない、常に均一な特性を有する液晶表示装置を実現することが出来る。
【0038】
このように、ハニカム仕切り60は優れた特徴を有しているが、微視的にみた場合は、若干の問題が生ずる場合がある。例えば、
図12において、1個のLEDに対応するハニカムの壁の影響が上から第1行目、第2行目、第3行目で異なっている。ハニカムの壁は黒色であり、光を通さないので、各行ごとに、LEDから出射する光の量が異なる場合が生ずる。
【0039】
このような問題は、ハニカムのピッチを小さくすることによって軽減することが出来る。
図13は、
図12に比べてハニカムのピッチを小さくした場合の平面図である。
図13において、上から第1行目、第2行目、第3行目において、各LED31に対応するハニカムの配置は異なっているが、この不均一は、
図12の場合に比べて軽減されている。つまり、ハニカムの壁の影響が
図13においては、
図12の場合よりもより均一になっている。
【0040】
図13に示すように、ハニカムのピッチを小さくすることによって、各セグメント毎の輝度の不均一は軽減することが出来る。しかし、ハニカムのピッチを小さくすれば、全体としての光透過率が低下する。したがって、ハニカムのピッチをどの程度とするかは、セグメント間の光の均一性と、バックライト全体としての光の透過率の兼ね合いから決めることになる。
【0041】
図12及び
図13のLED31は、LEDからの光の出光窓と定義することも出来る。ハニカムの径は、LEDの出光窓の径との関係で定義することも出来る。つまり、ハニカムの径が大きい場合とは、LEDの出光窓よりもハニカムの径が大きい場合であり、ハニカムの径が小さい場合とは、LEDの出向窓よりもハニカムの径が小さい場合と定義することが可能である。LEDの出光窓が短径と長径を有する場合、出光窓の長径を出光窓の径と定義すればよい。
【0042】
なお、ハニカム仕切りは、黒色なので、光の透過率とともに、モアレの問題が生ずる場合がある。しかし、このモアレの問題は、例えば、仕切りが矩形等、他の仕切りの場合に比べて軽微である。また、モアレ対策としてハニカム仕切り60を液晶表示パネルに対して回転して使用する場合も、この回転による影響は、他の仕切りの場合に比べて非常に軽微である。
ところで、ハニカム仕切り60は黒色なので、光の均一性に影響する危険がある。実施例2では、3枚の拡散シート41、42、43によって、光を拡散させるので、実施例1の場合よりもハニカム仕切り60自体による光の均一性への影響を軽減することが出来る。
以上の説明では、導光板を用いていないが、必要に応じて導光板を用いても得られる効果は同じである。また、LEDは白色であるとしたが、青色LEDと色変換シートの組み合わせを用いてもよい。
以上説明したように、本発明を用いることによって、正確で効果的なローカルディミングを行うことが出来、高いコントラストを有する画像を形成することが出来る。また、ローカルディミングを用いることによって、省電力を実現することが出来る。