(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123572
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】物質活性化装置システム
(51)【国際特許分類】
H02B 1/42 20060101AFI20220817BHJP
G21H 5/00 20060101ALI20220817BHJP
B01J 19/08 20060101ALI20220817BHJP
B01J 19/12 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H02B1/42
G21H5/00 A
B01J19/08 Z
B01J19/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020961
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】598056582
【氏名又は名称】株式会社ダブリュ・エフ・エヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】若林 守男
【テーマコード(参考)】
4G075
5G211
【Fターム(参考)】
4G075AA22
4G075BA08
4G075CA32
4G075CA38
4G075DA02
4G075EB31
4G075EC25
4G075FA12
4G075FB02
4G075FB03
4G075FB12
4G075FC11
5G211DD21
(57)【要約】
【課題】物質活性効果が得られる物質活性化装置システムを提供する。
【解決手段】物質活性化装置システムは、放射エネルギーを発生させる鉱物の粉体と、導電性金属の粉体あるいは繊維と、グラファイトの粉体あるいは繊維と、を含む放射エネルギー発生手段と、放射エネルギー発生手段に隣接して配置された導電性金属の層と、放射エネルギー発生手段及び導電性金属の層を囲むケーシングと、を備えた物質活性化装置を備える。物質活性化装置は、配線ラインが接続された分電盤または配電盤の近傍に配置される。分電盤または配電盤は、室内に配置されている。物質活性化装置システムは、配線ラインに接続され、室内に配置された照明器具をさらに備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射エネルギーを発生させる鉱物の粉体と、導電性金属の粉体あるいは繊維と、グラファイトの粉体あるいは繊維と、を含む放射エネルギー発生手段と、前記放射エネルギー発生手段に隣接して配置された導電性金属の層と、前記放射エネルギー発生手段及び前記導電性金属の層を囲むケーシングと、を備えた物質活性化装置を備え、
前記物質活性化装置は、配線ラインが接続された分電盤または配電盤の近傍に配置され、前記分電盤または前記配電盤は、室内に配置されている、物質活性化装置システム。
【請求項2】
前記物質活性化装置は、前記分電盤または前記配電盤に取り付けられている、請求項1に記載の物質活性化装置システム。
【請求項3】
前記物質活性化装置は、前記分電盤の近傍に配置され、
前記物質活性化装置システムは、前記配線ラインに接続され、前記室内に配置された照明器具をさらに備える、請求項1又は2に記載の物質活性化装置システム。
【請求項4】
前記導電性金属の層は、層状支持体の表面に配設された金属皮膜である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物質活性化装置システム。
【請求項5】
前記層状支持体は、高分子材料製のフィルムである、請求項4に記載の物質活性化装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質活性化装置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本願の出願人は、活性化させるべき物質と、この物質に照射する放射線を発生させる放射線発生手段との間に、導電性の金属層を介装させることにより、物質を活性化させる効率を高めた物質活性化装置を開発し、先に出願して特許を得ている(下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の出願人は、上述した物質活性化装置についてさらに研究開発を進めたところ、上述した物質活性化装置を用いて、物質活性効果が得られる物質活性化装置システムを提供することができることを新たに見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、物質活性効果が得られる物質活性化装置システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による物質活性化装置システムは、
放射エネルギーを発生させる鉱物の粉体と、導電性金属の粉体あるいは繊維と、グラファイトの粉体あるいは繊維と、を含む放射エネルギー発生手段と、前記放射エネルギー発生手段に隣接して配置された導電性金属の層と、前記放射エネルギー発生手段及び前記導電性金属の層を囲むケーシングと、を備えた物質活性化装置を備え、
前記物質活性化装置は、配線ラインが接続された分電盤または配電盤の近傍に配置され、前記分電盤または前記配電盤は、室内に配置されている。
【0007】
本発明による物質活性化装置システムにおいて、
前記物質活性化装置は、前記分電盤または前記配電盤に取り付けられていてもよい。
【0008】
本発明による物質活性化装置システムは、
前記物質活性化装置は、前記分電盤の近傍に配置され、
前記物質活性化装置システムは、前記配線ラインに接続され、前記室内に配置された照明器具をさらに備えてもよい。
【0009】
本発明による物質活性化装置システムにおいて、
前記導電性金属の層は、層状支持体の表面に配設された金属皮膜であってもよい。
【0010】
本発明による物質活性化装置システムにおいて、
前記層状支持体は、高分子材料製のフィルムであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物質活性効果が得られる物質活性化装置システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態による物質活性化装置の一例を示す断面図。
【
図2】本実施の形態による物質活性化装置および分電盤を示す図。
【
図3】本実施の形態による物質活性化装置システムの一例を示す図。
【
図4】本実施の形態による物質活性化装置システムの一例を示す図。
【
図5】本実施の形態による実施例1及び比較例1の実験結果を示す図。
【
図6】本実施の形態による実施例1及び比較例1の実験結果を示す図。
【
図7】本実施の形態による実施例2、実施例3及び比較例2の実験結果を示す図。
【
図8】本実施の形態による実施例2、実施例3及び比較例2の実験結果を示す図。
【
図9】本実施の形態による実施例4及び比較例3の実験結果を示す図。
【
図10】本実施の形態による実施例5及び比較例4の実験結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1乃至4を参照し、本発明に係る物質活性化装置システムの実施形態の一例について詳細に説明する。本発明に係る物質活性化装置システム1は、後述のように物質活性化装置100を備える。物質活性化装置100は、配線ライン4が接続された分電盤2または配電盤6の近傍に配置される。
【0014】
まず、
図1を参照し、本実施の形態に係る物質活性化装置システムに用いられる物質活性化装置の一例について説明する。
【0015】
物質活性化装置100は、ケーシング34と、ケーシング34内に配置され、後述のように放射エネルギー発生手段の層33を含む積層体35とを備える。
【0016】
具体的には、
図1に示すように、物質活性化装置100はケーシング34内に配置された積層体35を備えている。また積層体35は、上述する放射エネルギー発生手段の層33と、放射エネルギー発生手段の層33の下方に順次積層された層状支持体31および金属皮膜32とを有する。このうち、放射エネルギー発生手段の層33は1層のみ設けられているが、放射エネルギー発生手段の層33の下方に順次積層された層状支持体31および金属皮膜32は、順次繰り返し配置されている。本実施の形態において、1層の放射エネルギー発生手段の層33と、4層の層状支持体31と、4層の金属皮膜32とが設けられている。
【0017】
このことにより、積層体35の最上層は放射エネルギー発生手段の層33となり、最下層は層状支持体31となる。
【0018】
本実施の形態において、層状支持体31は、高分子材料製のフィルムを含む。層状支持体31は、より具体的には、その厚みがおよそ0.1ミリメートル以上1.0ミリメートル以下のポリエチレンフィルムからなる。また、本実施の形態において、金属皮膜32は、例えば厚みがおよそ10マイクロメートル以上100マイクロメートル以下の、アルミニウムの金属皮膜からなり、アルミニウムの金属皮膜は、ポリエチレンフィルムの表面に真空蒸着によって形成される。
【0019】
本実施の形態において、
図1に示すように、ポリエチレンフィルム製の層状支持体31の上面に、アルミニウム製の金属皮膜32が形成される。そして、上面にアルミニウム製の金属皮膜32が形成されたポリエチレンフィルム製の層状支持体31が、複数枚、例えば4枚重ねられる。ここで最上層の層状支持体31上に、放射エネルギー発生手段の層33が更に積層され、このようにして積層体35が得られる。
【0020】
放射エネルギー発生手段の層33は、放射エネルギーを発生させる鉱物の粉体に、導電性金属、例えば銅、亜鉛、チタン、タングステン等の粉末あるいは繊維、およびグラファイトの粉体あるいは繊維を混合させ、高分子材料を用いて一体に固めたものである。一例として、放射エネルギー発生手段の層33は、放射線を発生させることで放射エネルギーを発生させる、放射線発生手段の層である。この場合、放射エネルギー発生手段の層33に含まれる鉱物の粉体は、放射線を発生させる鉱物、例えば花崗岩、リン鉱石、チタン鉱石、ノストネサイト、ジルコン、サマリウム等の鉱物である。放射線発生手段の層に含まれる粉体としては、花崗岩あるいはペグマタイトの粉体が用いられてもよい。一例として、放射エネルギー発生手段の層33は、微弱線量の放射線を放射する花崗岩の粉末を高分子材料によって帯板状に形成して成る。
【0021】
積層体35を収容するケーシング34の形状は、積層体35を収容できる形状であれば特に限られない。
図1に示す例において、ケーシング34は、直方体状の形状を有する。特に、ケーシング34は、積層体35の積層方向d1に沿って薄肉となる平板状の形状を有する。これにより、物質活性化装置100の全体の形状も、積層体35の積層方向d1に沿って薄肉となる平板状の形状を有する。ケーシング34の材料は特に限られず、金属であっても樹脂であってもよい。
【0022】
次に、物質活性化装置100の近傍に配置される分電盤2または配電盤6について述べる。
【0023】
ここで、物質活性化装置100の近傍とは、例えば物質活性化装置100からの距離が50cm以下であることを意味する。分電盤2または配電盤6から物質活性化装置100までの距離は、30cm以下であればより好ましく、10cm以下であればさらに好ましい。分電盤2または配電盤6と物質活性化装置100とは、接していてもよい。また、物質活性化装置100は、後述する分電盤2または配電盤6の内部配線と接触していなくてもよく、分電盤2または配電盤6の内部配線と接触していてもよい。
【0024】
また、配電盤6とは、例えば発電所などで発電された高圧の電気を受けて電圧を低下させる機能を果たすものである。また、分電盤2とは、例えば電圧が十分に下げられた電気を、各部屋や各フロアに分ける役割を果たすものであり、電圧を変える機能を有しないものである。
【0025】
図2は、物質活性化装置100と、物質活性化装置100の近傍に配置された分電盤2を、側方から見た様子を示す概略側面図である。また、
図3は、分電盤2の近傍に配置された物質活性化装置100を備える物質活性化装置システム1を示す図である。
図2及び
図3に示すように、分電盤2には配線ライン4が接続され、また分電盤2は室内、例えば自動車の整備室1A内に配置されている。
【0026】
あるいは、
図4に示すように、分電盤2には、配電盤6が電気的に接続されていてもよい。分電盤2に電気的に接続された配電盤6が存在する場合、通常は配電盤6には配線ライン4が接続され、また配電盤6は室内、例えば整備室1A上方の事務室1Bに配置される。
図4に示す例において、上述のように、配電盤6は、分電盤2および後述する照明器具3が配置された整備室1Aとは別室である事務室1B内に配置され、配線ライン4および整備室1A内の分電盤2を介して整備室1A内の照明器具3と接続されている。そして、配電盤6が、物質活性化装置100の近傍に配置されている。
【0027】
次に、物質活性化装置システム1が物質活性化装置100と配線ライン4とを備え、物質活性化装置100が分電盤2の近傍に配置される場合について、
図2及び
図3を参照して説明する。なお、本明細書中において説明する物質活性化装置システム1の物質活性化装置100の近傍に配置される分電盤2に関する説明は、矛盾しない限り、物質活性化装置100の近傍に配電盤6が配置される場合における配電盤6にも適用される。
【0028】
図2に示すように、分電盤2は、カバー21と、カバー21内に設けられた一つの漏電ブレーカ22と、漏電ブレーカ22よりも下流に位置する複数の分岐ブレーカ23と、を有する。
図2に示す例において、分電盤2は、12個の分岐ブレーカ23を有する。漏電ブレーカ22は、電流が定格電流を超えた場合または漏電があった場合に電気を遮断する。分岐ブレーカ23は、それぞれ、電流が定格電流を超えた場合に電気を遮断する。
【0029】
図2に示す例においては、物質活性化装置100は分電盤2のカバー21上に取り付けられている。
図2および
図3において、実際は漏電ブレーカ22と分岐ブレーカ23とはカバー21内に配置され、カバー21により覆われているが、便宜上漏電ブレーカ22と分岐ブレーカ23とはカバー21を透過して示されている。
図2において、物質活性化装置100が分電盤2のカバー21上に取り付けられていることによって、分電盤2のブレーカ22,23が物質活性化装置100の近傍に配置された状態になっている。具体的には、漏電ブレーカ22及び複数の分岐ブレーカ23の各々と、物質活性化装置100との間の距離は、10cm以下となっている。本実施の形態に係る物質活性化装置100は、積層体35の積層方向d1において、積層体35のうち放射エネルギー発生手段の層33が位置する側の第1面100aと、積層方向d1における第1面100aの反対側に位置する第2面100bとを有する。そして、物質活性化装置100は、第2面100b側が分電盤2に向けられた状態で、分電盤2のカバー21上に取り付けられる。
【0030】
物質活性化装置100を分電盤2に取り付ける場合、取り付けの方法は、後述する物質活性化装置100の作用を大きく阻害しない限り、特に限られない。一例として、物質活性化装置100は、粘着性を有する両面テープを介して分電盤2のカバー21に取り付けられる。
【0031】
ところで、分電盤2は、通常整備室1Aの壁1aなどの設置面に設置されている。
図3に示す例において、分電盤2は、水平面に対し垂直な壁1aに設置されている。そして、
図2及び
図3に示す例において、物質活性化装置100は、分電盤2のうち、上端2aよりも下端2bに近い下方部に取り付けられている。
【0032】
なお、物質活性化装置100が分電盤2に取り付けられる位置は、
図2及び
図3に実線で示されている物質活性化装置100の位置に限られない。
図2及び
図3に仮想線100cで示すように、物質活性化装置100は、側方からみて、分電盤2のうち、漏電ブレーカ22が配置されている領域21Aと、複数の分岐ブレーカ23が配置されている領域23Aとの間に配置されていてもよい。この場合、分電盤2内の内部配線のうち、複数の分岐ブレーカ23の上流側に物質活性化装置100が配置されることになる。この複数の分岐ブレーカ23の上流側は内部配線が集中して分布する部分であり、この部分に物質活性化装置100を配置することにより、物質活性化装置100を用いて下流側の分岐ブレーカ23をより効率よく活性化させることができる。
【0033】
本実施の形態に係る物質活性化装置システム1において、上述のように整備室1A内に配置された配線ライン4に、整備室1A内を照らす照明器具3が接続されている。
図3に示す例において、照明器具3は、分電盤2が配置されている整備室1A内に配置されている。
【0034】
照明器具3は、分電盤2から配線ライン4を介して電気が供給されることで、発光して整備室1A内を照らす。一例として、照明器具3は、分電盤2から電気が供給されて発光する、LEDまたは蛍光灯等を有する。
【0035】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0036】
本願の出願人は、本実施の形態に係る物質活性化装置100のような、放射エネルギー発生手段の層と導電性金属の層とを備える物質活性化装置100が、その付近に配置された物質に対して様々な影響を及ぼすことを見出し、この物質活性化装置100について先に特許出願をして特許を得ている(特許第4417379号)。本願の出願人は、実験を重ねた結果、物質活性化装置100の近傍に配置された分電盤2から電気が供給されて発光する照明器具3の光も、物質を上記の特許に係る物質活性化装置100の付近に配置した場合と同様又は類似の影響を、物質に及ぼすことを見出した。以下に、本実施の形態に係る物質活性化装置システム1の照明器具3の光によって得られる効果について説明する。
【0037】
図3に示す例においては、照明器具3は、人5に向かって光を発している。
図3に示すように、照明器具3の光を人に照射することによって、人の疲労度やストレスの低減、及び健康促進に効果があることが判明している。特に、疲労などによる筋硬度の低減や、自律神経バランスをより健康的な状態とすることに効果があることが判明している。また、照明器具3の光を、特に肉体労働に従事する作業者に照射することによって、作業者の作業効率及び生産性が上昇することが判明している。例えば
図3に示すような、自動車の整備作業に従事する作業者である人5の作業効率が上昇することが判明している。
【0038】
また、照明器具3の光を家畜などの動物に照射することによって、動物のストレスの低減及び健康促進に効果があることが判明している。さらに照明器具3の光を、特に家畜に照射することによって、畜産の生産性が上昇することが判明している。照明器具3の光を照射する家畜としては、例えば鶏、豚又は牛が挙げられる。照明器具3の光を、特に鶏に照射することによって、鶏の産卵率が上昇することが判明している。また、照明器具の光を農作物などの植物、例えば稲などに照射することによって、稲などの植物の生育速度を速くしたり、農作物としての品質を高くしたりする効果があると考えられる。
【0039】
照明器具3の光が様々な効果を有する理由としては、以下の理由が考えられる。本願の出願人は、本実施の形態に係る物質活性化装置100のような、放射エネルギー発生手段の層と導電性金属の層とを備える物質活性化装置100が、物質を活性化させる効果を有することを見出し、この物質活性化装置100について先に特許出願をして特許を得ている(特許第4417379号)。物質活性化装置システム1の照明器具3の光も、上記の特許に係る物質活性化装置100と同様に物質を活性化させる効果を有するために、光が照射された物質が活性化されて、上記の様々な効果が生じると考えられる。
【0040】
物質活性化装置システム1の照明器具3の光が物質を活性化させる効果を有する理由を完璧に説明するためには、今後の更なる研究を待たねばならないが、例えば以下のようにして、照明器具3の光が物質を活性化させると考えられる。
【0041】
放射エネルギー発生手段の層33から放射される放射エネルギーは、物質活性化装置100の付近に位置する物質に作用してこれをイオン化させる。放射エネルギー発生手段の層33から放射される放射エネルギーは、例えば分電盤2内の内部配線に作用すると考えられる。放射エネルギー発生手段の層33は、例えば微弱線量の放射線を発生させ、この微弱線量の放射線が、物質活性化装置100の付近に位置する物質に作用してこれをイオン化させる。分電盤2が物質活性化装置100の近傍に配置されている場合、放射エネルギー発生手段の層33から発生する放射エネルギーは、分電盤2を構成する物質または分電盤2の付近に位置する物質に作用してこれをイオン化させる。このイオン化の際に生じた電荷が、分電盤2の上流から分電盤2を介して照明器具3へと電気が供給されるのに伴って、照明器具3に供給され、照明器具3の光が照射された物質にも影響を及ぼしてこれを活性化させると考えられる。
【0042】
なお、放射エネルギー発生手段の層33が導電性金属の粉体あるいは繊維を含むこと、および物質活性化装置100が導電性金属の層、特に金属皮膜32の複数の層を含むことによって、以下の効果が得られると考えられる。すなわち、物質活性化装置100の付近に位置する物質のイオン化の際に生じた電荷が、放射エネルギー発生手段の層33に含まれている導電性金属の粉体あるいは繊維、金属皮膜32の複数の層、および物質活性化装置100の付近に位置する物質に帯電して電界および磁界を発生させるとともに、このように生じた電界および磁界がイオン化した物質に作用し、その活性化を大幅に促進させるようになる。これによって、物質活性化装置100の付近に位置する物質のイオン化が、さらに促進される。
【0043】
また、放射エネルギー発生手段の層33がグラファイトの粉体あるいは繊維を含むことによって、以下の効果が得られると考えられる。放射エネルギー発生手段の層33に含まれているグラファイトの粉体あるいは繊維が、放射エネルギー発生手段の層33に含まれている導電性金属の粉体あるいは繊維の表面における仕事関数を低下させる。このため、物質活性化装置100の付近に位置する物質を活性化させる度合いが向上する。これによって、物質活性化装置100の付近に位置する物質のイオン化が、さらに促進される。
【0044】
また、本実施の形態に係る物質活性化装置100がポリエチレンフィルムからなる層状支持体31を含むことによって、以下の効果が得られると考えられる。本実施の形態に係る物質活性化装置100は、電気的に絶縁性の材料であるポリエチレンフィルムによって、複数の金属皮膜32の層が互いに電気的に絶縁され、かつポリエチレンフィルムの厚みに等しい間隔だけ相互に離間している。このため、放射エネルギー発生手段の層33から放射される放射エネルギーが物質を活性化させる効果が、さらに高められる。これによって、物質活性化装置100の付近に位置する物質のイオン化が、さらに促進される。
【0045】
以上の通り、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0046】
以下、本実施の形態の変形例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した具体例と同様に構成され得る部分について、上述の具体例における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
【0047】
(変形例1)
上述の実施の形態においては、配線ライン4を介して分電盤2または配電盤6と接続されている照明器具3を備える物質活性化装置システム1について説明した。しかしながら、物質活性化装置システム1の形態は、これに限られない。
【0048】
分電盤2または配電盤6は、照明器具3に接続される代わりに、配線ライン4を介して図示しない機械に電気的に接続されてもよい。分電盤2または配電盤6に接続された機械は、分電盤2または配電盤6から配線ライン4を介して電気が供給されることで、作動する。
【0049】
一例として、分電盤2または配電盤6は、照明器具3に接続される代わりに、製造機械、特に樹脂製のチューブを製造する製造機械に接続される。より具体的には、分電盤2または配電盤6は、ポリ塩化ビニル製のチューブ(PVCチューブ)を製造する製造機械に接続される。
【0050】
本願の出願人は、実験を重ねた結果、物質活性化装置100の近傍に配置された分電盤2または配電盤6を、配線ライン4を介して機械に接続し、分電盤2または配電盤6から電気を供給して機械を作動させると、機械が様々な効果を発揮することを見出した。
【0051】
例えば、分電盤2または配電盤6を、配線ライン4を介して、PVCチューブを製造する製造機械に電気的に接続した場合には、以下の効果が生じることが判明している。製造機械を用いて製造したPVCチューブに、黄ばみが生じにくくなる。また、製造機械を用いて製造したPVCチューブの引張強さが大きくなる。また、製造機械を用いて製造したPVCチューブが伸びやすくなり、引き伸ばされる場合などにおいても破断しにくくなる。
【0052】
物質活性化装置100の近傍に配置された分電盤2または配電盤6から機械に電気を供給することによって、機械が上記の効果を発揮する理由としては、以下の理由が考えられる。本願の出願人は、上記の実施の形態及び変形例に係る物質活性化装置100のような、放射エネルギー発生手段の層と導電性金属の層とを備える物質活性化装置100を機械の付近に配置し、機械を少なくとも部分的に活性化させることによって、機械が様々な効果を発揮することを見出し、この物質活性化装置100について先に特許出願をして特許を得ている(特許第4417379号)。機械に、物質活性化装置100の近傍に配置された分電盤2または配電盤6から電気を供給することによっても、付近に上記の特許に係る物質活性化装置100を配置した場合と同様に、機械が少なくとも部分的に活性化されて様々な効果を発揮するのだと考えられる。
【0053】
物質活性化装置100の近傍に配置された分電盤2または配電盤6から機械に電気を供給することによって、上記例示した機械を少なくとも部分的に活性化される理由を完璧に説明するためには、今後の更なる研究を待たねばならないが、以下の理由が考えられる。
【0054】
放射エネルギー発生手段の層33から放射される放射エネルギーは、物質活性化装置100の付近に位置する物質に作用してこれをイオン化させる。分電盤2または配電盤6が物質活性化装置100の近傍に配置されている場合、放射エネルギー発生手段の層33から発生する放射エネルギーは、分電盤2または配電盤6を構成する物質、もしくは分電盤2または配電盤6の付近に位置する物質に作用して、これをイオン化させる。このイオン化の際に生じた電荷が、分電盤2または配電盤6の上流から分電盤2または配電盤6を介して機械へと電気が供給されるのに伴って機械に供給されることで、機械が少なくとも部分的に活性化させると考えられる。
【0055】
(変形例2)
上述の実施の形態及び変形例においては、物質活性化装置システム1が
図1に示す構成をもつ物質活性化装置100を備える例について説明した。しかしながら、物質活性化装置100の形態は、物質活性化装置100の付近に位置する物質を活性化することができる限り
図1に示す形態のものに限られず、多様な形態の物質活性化装置100を用いることができる。
【実施例0056】
次に、本発明を実施例により比較例との対比でさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0057】
(自動車のタイヤの交換作業)
以下の実施例1のような物質活性化装置システム1を備える環境を準備した。そして、自動車のタイヤの交換作業に熟練した被験者2名に、実施例1の環境の下で、自動車のタイヤの交換作業を行わせて、交換作業の所要時間を計測した。
【0058】
(実施例1)
具体的には、実施例1として、
図3に示すような、物質活性化装置100と、物質活性化装置100の近傍に配置される分電盤2と、分電盤2から配線ライン4を介して電気が供給される照明器具3と、を準備した。
【0059】
物質活性化装置100としては、
図1に示す構造を有するものを用いた。物質活性化装置100が有する積層体35は、ポリエチレンフィルムの一方の表面に、アルミニウムの金属皮膜32を真空蒸着によって形成したものを複数枚積層するとともに、放射エネルギーを放射する粉末を帯板状に形成して成る放射エネルギー発生手段の層33をさらに積層したものとした。
【0060】
放射エネルギー発生手段の層33に含まれる、放射エネルギーを発生させる鉱物の粉体としては、微弱線量の放射線を放射する花崗岩の粉末を用いた。花崗岩の粉末を高分子材料によって帯板状に形成したものを、放射エネルギー発生手段の層33として用いた。
【0061】
実施例1で使用した物質活性化装置システム1において、分電盤2及び照明器具3を、室内、特に車両の整備に用いられる整備室1A内に配置した。分電盤2及び照明器具3は、車両の整備に用いられる整備室1Aに設置される一般的なものとした。実施例1において使用した物質活性化装置システム1において、物質活性化装置100を、分電盤2のカバー21に取り付けた。このため、分電盤2と物質活性化装置100とは、互いに接触していた。
【0062】
(比較例1)
比較例1として、物質活性化装置100を使用していない以外は、実施例1と同様の環境を準備した。すなわち、実施例1と同様に、分電盤2及び照明器具3を整備室1A内に配置した。
【0063】
(実施例1および比較例1の結果)
被験者2名が、実施例1の環境、及び比較例1の環境のそれぞれの下で、すなわち分電盤2及び照明器具3が配置された室内で、自動車のタイヤの交換作業を行って、そのときの交換作業の所要時間を計測した。被験者2名は、照明器具3からの光の照射を受けた状態で、自動車のタイヤの交換作業を行った。この場合、自動車のタイヤの交換作業を行う際、まず比較例1の環境下で被験者2名が交換作業を行い、交換作業にかかる所要時間を計測し、その後に実施例1の環境下で被験者2名が交換作業を行い、交換作業にかかる所要時間を計測した。
【0064】
被験者2名のうち1名(被験者Aとも称する。)の交換作業の所要時間を、
図5に示す。被験者2名のうち被験者Aとは異なる1名(被験者Bとも称する。)の交換作業の所要時間を、
図6に示す。
【0065】
図5及び
図6に示すように、被験者A、被験者Bの両名とも、比較例1の環境下よりも実施例1の環境下で、交換作業の所要時間が短くなった。特に、被験者2名とも、比較例1の環境下での作業の後に実施例1の環境下での作業を行っていることから、実施例1の作業を行っているときには比較例1の環境下での作業による疲労が蓄積した状態にあると考えられるにも関わらず、上記の結果が得られた。このことから、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、人の疲労度を低減する効果があることが明らかである。また、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、自動車のタイヤの交換作業などの肉体労働に関して、作業効率及び生産性を上昇させる効果があることが明らかである。
【0066】
(筋硬度及び自律神経バランス)
また、以下の実施例2のような物質活性化装置システム1を備える環境を準備した。そして、実施例2の環境の下に置かれた被験者2名の、筋硬度の測定及び自律神経分析を行った。
【0067】
(実施例2)
具体的には、実施例2として、以下に記載する点以外は、実施例1と同様の物質活性化装置システム1を準備した。
【0068】
実施例2で使用した物質活性化装置システム1において、分電盤2及び照明器具3を、室内に配置した。分電盤2及び照明器具3は、人が居住する室内に設置される一般的なものとした。
【0069】
(実施例3)
実施例3として、実施例2のものよりも大きな寸法を有する放射エネルギー発生手段の層33を有する物質活性化装置100を備える以外は、実施例2と同様の物質活性化装置システム1を準備した。
【0070】
(比較例2)
比較例2として、物質活性化装置100を使用していない以外は、実施例2と同様の環境を準備した。すなわち、実施例2と同様に、分電盤2及び照明器具3を室内に配置した。
【0071】
(実施例2、3および比較例2の結果)
実施例2、3の環境、及び比較例2の環境のそれぞれの下に置かれた被験者2名の、体の同じ部位における筋硬度を測定し、且つ自律神経分析を行った。筋硬度の測定及び自律神経分析の際には、被験者2名を、照明器具3からの光の照射を受けた状態に置いた。筋硬度の測定は、筋硬度計を用いて、室内灯の下で行った。自律神経分析においては、加速度脈波測定器を用いてHRV(Heart Rate Variability、心拍変動)を算出した。なお、算出したHRVの値の単位はミリ秒とした。
【0072】
被験者2名(それぞれ被験者C、被験者Dとも称する。)の筋硬度の測定結果を
図7に示す。また、被験者2名のHRVの算出結果を
図8に示す。
【0073】
図7に示すように、被験者C,被験者Dの両名とも、比較例2の環境下よりも実施例2、3の環境下で、筋硬度の値が小さくなった。また、実施例2の環境下よりも実施例3の環境下で、筋硬度の値が、より小さくなった。このことから、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、人の筋硬度を低減する効果があることが明らかである。
【0074】
図8に示すように、被験者C,被験者Dの両名とも、比較例2の環境下よりも実施例2、3の環境下で、HRVが小さくなった。また、実施例2の環境下よりも実施例3の環境下で、HRVが、より小さくなった。一般に、HRVの値が小さいほど、心拍のリズムが一定であり、自律神経バランスがより健康的な状態にあり、被験者がストレスを受けていないと解される。以上より、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、人の自律神経バランスを、より健康的な状態にする効果があることが明らかである。また、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、人のストレスを低減する効果があることが明らかである。
【0075】
(鶏の産卵率)
また、以下の実施例4のような物質活性化装置システム1を備える環境を準備した。そして、実施例4の環境の下で複数羽の鶏(雌鶏)を飼育し、鶏の産卵率を取得した。
【0076】
(実施例4)
具体的には、実施例4として、以下に記載する点以外は、実施例1と同様の物質活性化装置システム1を準備した。
【0077】
実施例4で使用した物質活性化装置システム1において、分電盤2及び照明器具3を、養鶏場内の部屋に配置した。分電盤2及び照明器具3は、養鶏場内の部屋に設置される一般的なものとした。
【0078】
(比較例3)
比較例3として、物質活性化装置100を使用していない以外は、実施例4と同様の環境を準備した。すなわち、実施例4と同様に、分電盤2及び照明器具3を養鶏場の部屋内に配置した。
【0079】
(実施例4および比較例3の結果)
同時期に誕生した複数羽の鶏を、実施例4の環境、及び比較例3の環境のそれぞれの下に置き、鶏の加齢に伴う産卵率の変化を取得した。ここで、産卵率は、実施例4の環境又は比較例3の環境に置かれた鶏の全体のうち、1日で産卵した鶏の割合を示す数値である。実施例4の環境、及び比較例3の環境で飼育した鶏の個体数は、それぞれ15,000羽程度とした。
【0080】
実施例4の環境、及び比較例3の環境のそれぞれの下に置かれた鶏の、加齢に伴う産卵率の変化を、
図9に示す。
図9の横軸は、鶏の週齢を示す。
図9の縦軸は、鶏の産卵率を百分率(%)で示す。
図9の実線は、実施例4の環境下に置かれた鶏の産卵率の、鶏の加齢に伴う変化を示す。
図9の破線は、比較例3の環境下に置かれた鶏の産卵率の、鶏の加齢に伴う変化を示す。
【0081】
図9に示すように、比較例3の環境下よりも実施例4の環境下で、鶏の産卵率が全体的に高くなる傾向が見出された。また、実施例4の環境下に置かれた鶏は、比較例3の環境下に置かれた鶏よりも、加齢を重ねても比較的高い産卵率を維持する傾向が見出された。これらの傾向が見出されたのは、物質活性化装置システム1の照明器具3の光によって、実施例4の環境下に置かれた鶏のストレスが低減され、鶏の健康状態が良くなっていたためと考えられる。以上より、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、家畜などの動物のストレスの低減及び健康促進の効果があることが明らかである。特に、物質活性化装置システム1の照明器具3の光には、鶏の産卵率を上昇させる効果があることが明らかである。
【0082】
(PVCチューブの製造)
また、以下の実施例5のような物質活性化装置システム1を備える環境を準備した。そして、実施例5の環境の下で、製造機械を用いてPVCチューブを製造し、製造されたPVCチューブの物性試験を行った。
【0083】
(実施例5)
具体的には、実施例5として、以下に記載する点以外は、実施例1と同様の物質活性化装置システム1を準備した。
【0084】
実施例5で使用した物質活性化装置システム1において、分電盤2を、PVCチューブを製造する製造場に配置した。分電盤2は、PVCチューブなどを製造する製造場に設置される一般的なものとした。
【0085】
(比較例4)
比較例4として、物質活性化装置100を使用していない以外は、実施例5と同様の環境を準備した。すなわち、実施例5と同様に、分電盤2を、PVCチューブを製造する製造場に配置した。
【0086】
(実施例5および比較例4の結果)
実施例5の環境、及び比較例4の環境のそれぞれの下で、分電盤2に、PVCチューブを製造する製造機械を電気的に接続し、この製造機械を用いてPVCチューブを製造した。そして、製造されたPVCチューブの引張強さ(MPa)及び伸び(%)を、JIS K 6723:2006「軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド」に従って測定した。引張強さ(MPa)及び伸び(%)の測定においては、実施例5の環境、及び比較例4の環境のそれぞれの下で5つのPVCチューブの試験片を製造し、これらの引張強さ(MPa)及び伸び(%)の平均値を算出した。
【0087】
図10に、実施例5の環境、及び比較例4の環境のそれぞれの下で製造されたPVCチューブの引張強さ(MPa)及び伸び(%)を示す。また、
図10の「変化量」の欄に、実施例5におけるPVCチューブの引張強さ(MPa)及び伸び(%)が、比較例4におけるPVCチューブと比較してどれだけ大きくなったかを示す。
【0088】
図10に示すように、比較例4の環境下よりも実施例5の環境下で、製造されるPVCチューブの引張強さ(MPa)及び伸び(%)が大きくなった。このため、分電盤2を、PVCチューブを製造する製造機械に電気的に接続した場合には、製造機械を用いて製造されるPVCチューブの引張強さを大きくできることが明らかである。また、製造機械を用いて製造されるPVCチューブが伸びやすくなり、引き伸ばされる場合などにおいて破断しにくくなることが明らかである。
【0089】
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。