(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124894
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022799
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】切替 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】逵井 真嘉
(72)【発明者】
【氏名】小川 正悟
(72)【発明者】
【氏名】中島 丈博
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA50
2C333DA05
(57)【要約】
【課題】興趣の低下を抑制すること。
【解決手段】パチンコ遊技機では、主制御用CPUが計数する累計ゲーム回数が特定回数となったことを契機に、規定上限回数の特別ゲームの実行を上限として第2時短状態に制御され、第2時短状態において規定上限回数の特別ゲームが実行されたことを契機として非時短状態に制御される。その後、当該非時短状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特定報知を実行可能であり、特定報知は、1又は複数の終了条件が成立したことを契機として終了する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当り抽選において大当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与される遊技機において、
遊技球が入球可能な特定始動口と、
前記特定始動口に遊技球が入球可能な作動状態と、前記特定始動口に遊技球が入球不能な非作動状態と、をとり得る作動手段と、
前記特定始動口に遊技球が入球したことを契機として前記当り抽選を実行する抽選手段と、
前記当り抽選の結果に基づいて前記特別ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段と、
入球状態を制御する入球状態制御手段と、
特定条件の成立回数を計数する計数手段と、
所定の報知を行う報知手段と、を備え、
前記特定条件は、前記特別ゲームの実行を契機として成立可能であり、
前記入球状態には、通常入球状態と、前記通常入球状態に比して有利な特定入球状態と、があり、
前記特定入球状態は、前記計数手段が特定回数を計数したことを契機に、規定上限回数の前記特別ゲームの実行を上限として制御され、前記特定入球状態において前記規定上限回数の前記特別ゲームが実行されたことを契機として前記通常入球状態に制御され、前記遊技機は、当該通常入球状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特定報知を実行可能であり、
前記特定報知は、1又は複数の終了条件が成立したことを契機として終了する遊技機。
【請求項2】
前記特定報知の終了条件には、前記特定報知が開始してから予め定められた所定時間が経過したとき、前記特定報知が開始してから最初の前記特別ゲームが開始されるとき、及び前記特定報知が開始してから最初の前記大当り遊技が付与されるとき、の何れかを成立契機とする終了条件がある請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定報知は、少なくとも特定期間において実行可能であり、
前記特定期間は、前記特別ゲームが実行されていない期間である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
特定エラーの発生を検知する特定エラー検知手段を備え、
前記特定エラーの発生を契機として、特定エラー報知が実行され、
前記特定報知の実行の条件と、前記特定エラー報知の実行の条件とが同時期に成立した場合、前記特定エラー報知が優先して実行される請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
扉部材を備え、
前記特定エラーは、前記扉部材が開放されることにより発生する請求項4に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、始動口へ遊技球が入球する有利度が向上する時短状態に制御可能に構成されたものがある。このような遊技機の中には、例えば、特許文献1に記載された遊技機のように、特別図柄が変動した回数が特定回数に達したことを契機として時短状態に制御される遊技機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機では、特別図柄が変動した回数が特定回数に達したことを契機として時短状態に制御された後、大当りとなるか、遊技機が初期化されるまでは、再び特別図柄が変動した回数が特定回数に達したとしても時短状態には制御されない。この結果、興趣を低下させる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、当り抽選において大当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与される遊技機において、遊技球が入球可能な特定始動口と、前記特定始動口に遊技球が入球可能な作動状態と、前記特定始動口に遊技球が入球不能な非作動状態と、をとり得る作動手段と、前記特定始動口に遊技球が入球したことを契機として前記当り抽選を実行する抽選手段と、前記当り抽選の結果に基づいて前記特別ゲームを実行するゲーム実行手段と、前記大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段と、入球状態を制御する入球状態制御手段と、特定条件の成立回数を計数する計数手段と、所定の報知を行う報知手段と、を備え、前記特定条件は、前記特別ゲームの実行を契機として成立可能であり、前記入球状態には、通常入球状態と、前記通常入球状態に比して有利な特定入球状態と、があり、前記特定入球状態は、前記計数手段が特定回数を計数したことを契機に、規定上限回数の前記特別ゲームの実行を上限として制御され、前記特定入球状態において前記規定上限回数の前記特別ゲームが実行されたことを契機として前記通常入球状態に制御され、前記遊技機は、当該通常入球状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特定報知を実行可能であり、前記特定報知は、1又は複数の終了条件が成立したことを契機として終了することを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記特定報知の終了条件には、前記特定報知が開始してから予め定められた所定時間が経過したとき、前記特定報知が開始してから最初の前記特別ゲームが開始されるとき、及び前記特定報知が開始してから最初の前記大当り遊技が付与されるとき、の何れかを成立契機とする終了条件があるようにしてもよい。
【0007】
上記遊技機について、前記特定報知は、少なくとも特定期間において実行可能であり、前記特定期間は、前記特別ゲームが実行されていない期間であるようにしてもよい。
上記遊技機について、特定エラーの発生を検知する特定エラー検知手段を備え、前記特定エラーの発生を契機として、特定エラー報知が実行され、前記特定報知の実行の条件と、前記特定エラー報知の実行の条件とが同時期に成立した場合、前記特定エラー報知が優先して実行されるようにしてもよい。
【0008】
上記遊技機について、扉部材を備え、前記特定エラーは、前記扉部材が開放されることにより発生するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、興趣の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図7】第1遊技状態移行処理を示すフローチャート。
【
図8】(a)、及び(b)は、特別報知の報知態様の一例を説明する説明図。
【
図9】特別報知の終了条件の一例を説明する説明図。
【
図10】扉開放エラー報知の報知態様の一例を説明する説明図。
【
図11】特別報知の実行の条件、及び扉開放エラー報知の実行の条件が同時期に成立した際の報知態様の一例を説明する説明図。
【
図12】(a)~(f)は、特別報知の実行態様の具体的な一例を説明する説明図。
【
図13】(a)~(f)は、特別報知の実行態様の具体的な一例を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を
図1~
図13にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体wkを備えている。例えば、枠体wkは、パチンコ遊技機10を遊技場などの島設備に固定するための設置枠と、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠と、を含んで構成されている。搭載枠は、設置枠に開閉可能に支持されている。搭載枠は、扉部材に対応する。遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。遊技盤YBの盤面には、正面視ほぼ円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaには、パチンコ遊技機10の前面に配設された発射ハンドルHDを遊技者が操作することによって打ち出された遊技球が流下案内されるようになっている。また、遊技領域YBaのほぼ中央には、画像を表示する画像表示領域GHを有する画像表示装置11が設けられている。画像表示装置11の画像表示領域GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。画像表示装置11では、左列、中列、右列からなる3列の演出図柄(飾り図柄)を変動させる変動ゲームなど画像を用いた各種の表示演出や、表示報知が実行される。なお、以下の説明では、演出図柄を変動させる変動ゲームを演出ゲームと示す場合がある。
【0012】
また、パチンコ遊技機10には、発光演出や、発光報知を実行する装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の音を出力し、音声演出や、音声報知を実行するスピーカ(音出力部)Spが設けられている。この実施形態において、画像表示装置11、スピーカSp、及び装飾ランプLaは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、それぞれ報知を実行可能な報知装置である。また、これらは演出を実行する演出装置群を構成するとともに、報知を実行する報知装置群を構成する。報知装置群は、所定の報知を実行する報知手段に対応する。
【0013】
図2に示すように、遊技盤YBの遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、を含む。
【0014】
第1始動口12は、遊技球の入球によって特別ゲームの始動条件が成立し得る入球口である。特別ゲームは、変動ゲームのうち特別図柄を変動させる変動ゲームである。また、第1始動口12は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において第1始動口12は、画像表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1始動口12に入球した遊技球を検知する手段(
図3に示す始動センサ(スイッチ)SE1)が配設されている。
【0015】
第2始動口13は、遊技球の入球によって特別ゲームの始動条件が成立し得る入球口である。また、第2始動口13は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において第2始動口13は、画像表示装置11の右下方に位置している。第2始動口13は、所定条件(普通図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、第2始動口13は、所定条件(普通図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。第2始動口13は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において第2始動口13を開放させるアクチュエータは、
図3に示すアクチュエータAC1である。また、第2始動口13には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2始動口13に入球した遊技球を検知する手段(
図3に示す始動センサ(スイッチ)SE2)が配設されている。この実施形態において第2始動口13は、当該第2始動口13の入球口を開閉させるとともにアクチュエータによって動作する開閉部材を有する始動口である。第2始動口13は、遊技球が入球可能な特定始動口に対応する。第2始動口13が開放している状態は、第2始動口13に遊技球が入球可能な作動状態に対応し、第2始動口13が閉鎖している状態は、第2始動口13に遊技球が入球不能な非作動状態に対応する。アクチュエータAC1は、第2始動口13に遊技球が入球可能な作動状態と、第2始動口13に遊技球が入球不能な非作動状態と、をとり得る作動手段に対応する。
【0016】
大入賞口14は、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する入球口である。この実施形態において大入賞口14は、第1始動口12の右方に位置している。大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)が成立していないときには遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。そして、大入賞口14は、所定条件(特別図柄の当選)の成立により、遊技球を入球させることができるように開放される。大入賞口14は、アクチュエータ(ソレノイドやモータなど)から動力を受けて開放する。この実施形態において大入賞口14を開放させるアクチュエータは、
図3に示すアクチュエータAC2である。また、大入賞口14には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には大入賞口14に入球した遊技球を検知する手段(
図3に示すカウントセンサ(スイッチ)CS)が配設されている。
【0017】
また、遊技領域YBaには、作動ゲート18が配設されている。この実施形態において作動ゲート18は、遊技領域YBaの右方の領域であって、第2始動口13や大入賞口14の上方に位置している。作動ゲート18には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口18aが開口されている。ゲート口18aには、入球し、通過する遊技球を検知する手段(
図3に示すゲートセンサ(スイッチ)GS)が配設されている。作動ゲート18のゲート口18aは、遊技球の入球によって普通図柄を用いた普通図柄の変動ゲームの始動条件が成立し得る入球口である。第2始動口13は、作動ゲート18へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選において普通当りに当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄の変動ゲームで導出された後、閉鎖状態から開放状態へ動作する。
【0018】
この実施形態において上記した第1始動口12、第2始動口13、及び大入賞口14は、遊技球の入球によって賞球を払い出す対象となる入球装置であり、遊技球の入球によって賞球の払出条件が成立する。一方、作動ゲート18は、遊技球の入球によって賞球を払い出す対象となる入球装置ではなく、遊技球が入球しても賞球の払出条件は成立しない。
【0019】
この実施形態において、遊技者は、発射ハンドルHDの発射強度の強弱を調整することで、左方の領域及び右方の領域に遊技球を打ち分け、第2始動口13、大入賞口14又は作動ゲート18へ遊技球を入球させることが可能となる。具体的には、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、右打ち)、遊技球は、右方の領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14又は作動ゲート18へ入球する可能性がある。なお、右打ちは、遊技球を右方の領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度若しくは最大強度よりも若干弱い強度で調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(所謂、左打ち)、遊技球は、左方の領域に流下案内され易く、第1始動口12へ入球する可能性がある。また、左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないので、発射させた遊技球が右方の領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。この実施形態では、右打ちのとき、第1始動口12に遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。また、左打ちのとき、第2始動口13、大入賞口14、及び作動ゲート18に遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。
【0020】
この実施形態において「左方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。また、この実施形態において「右方の領域」とは、遊技盤YBを正面視したときに前記中心線Cよりも右側に位置する領域である。パチンコ遊技機10において発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技盤YBを正面視したときの左側に位置する打出通路19で案内され、その打出通路19の最下流に位置する逆戻り防止弁20を通過して遊技領域YBaに到達される。このため、「左方の領域」とは打出通路19寄りの領域でもあり、その逆に「右方の領域」とは打出通路19から離れた領域でもある。そして、左方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する画像表示装置11の左側をとおり、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口21へ向かう。また、右方の領域を流下案内される遊技球は、遊技領域YBaに位置する画像表示装置11の右側をとおり、前記アウト口21へ向かう。
【0021】
また、遊技盤YBには、
図3に示す、特別図柄表示装置23a,23b、保留表示装置24a,24b、及び普通図柄表示装置25が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機10を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。例えば、これらの表示装置は、遊技盤YBの遊技領域YBaに配設されている飾り部材や、遊技盤YBのコーナー飾り部材などに配設されている。
【0022】
特別図柄表示装置23a,23bは、特別ゲームを行い、当該特別ゲームにおいて当り抽選の結果に応じた特別図柄が導出される。すなわち、特別ゲームは、当り抽選の結果に基づいて、特別図柄表示装置23a,23bで実行される。この実施形態において、当り抽選には、第1当り抽選と、第2当り抽選と、がある。第1当り抽選は、第1始動口12に遊技球が入球したことを契機として実行される当り抽選である。第2当り抽選は、第2始動口13に遊技球が入球したことを契機として実行される当り抽選である。以下の説明では、第1当り抽選の結果に基づいて実行される特別ゲームを第1特別ゲームと示し、第2当り抽選の結果に基づいて実行される特別ゲームを第2特別ゲームと示す。
【0023】
特別図柄表示装置23aは第1特別ゲームを行う表示装置であり、特別図柄表示装置23bは第2特別ゲームを行う表示装置である。第1特別ゲームと第2特別ゲームでは、始動条件の成立を契機に当り抽選が行われるが、その当り抽選において大当りに当選する確率は同一確率である。なお、第1特別ゲームと第2特別ゲームでは、当り抽選において大当りに当選した場合に決定される大当りの種類や同一種類の大当りの決定割合を異ならせることにより、当り抽選において大当りに当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、第2始動口13への遊技球の入球率が向上する状態の付与期間など)を異ならせてもよい。始動条件が成立した場合には、当り抽選の結果を導出するために特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bで特別ゲームが行われるとともに、当該特別ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する演出ゲームが画像表示装置11においても演出図柄を用いて行われる。すなわち、演出ゲームは、特別ゲームに対応して実行される。
【0024】
特別図柄表示装置23a,23bは、発光体を備えた表示装置である。特別ゲームでは、前記発光体を任意に組み合わせたものが特別図柄として導出される。特別図柄には、当り抽選において大当りに当選した場合に導出される大当り図柄と、当り抽選において時短当りに当選した場合に導出される時短当り図柄と、当り抽選において大当り及び時短当りの何れにも当選しなかった場合に導出されるはずれ図柄と、がある。この実施形態において、大当り図柄には、通常大当り図柄と、特定大当り図柄と、がある。一方、この実施形態において、時短当り図柄は、1種類である。また、はずれ図柄は、1種類である。
【0025】
この実施形態では、当り抽選において大当りに当選し、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出された後、導出された大当り図柄の種類に応じた大当り遊技が生起される。大当り遊技は、大入賞口14への遊技球の入球を許容するラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。大当り遊技が生起される場合、最初のラウンド遊技が開始する前にオープニング時間が設定され、そのオープニング時間中には大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、大当り遊技が生起される場合、最終のラウンド遊技が終了するとエンディング時間が設定され、そのエンディング時間中には大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。
【0026】
保留表示装置24aは実行が保留されている第1特別ゲームの数(始動保留数)を表示する表示装置であり、保留表示装置24bは実行が保留されている第2特別ゲームの数(始動保留数)を表示する表示装置である。普通図柄表示装置25は普通図柄を用いた普通図柄の変動ゲームを行い、当該普通図柄の変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の結果に応じた普通図柄が導出される。
【0027】
次に、この実施形態のパチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動機能を備えている。この実施形態では、確率変動機能が作動すると、当り抽選において大当りに当選する確率が低確率(通常確率)から高確率へと変動する。すなわち、確率変動機能は、確率状態を、大当りに当選する確率が低確率(通常確率)である状態(以下、低確率状態と示す)から大当りに当選する確率が高確率である状態(以下、高確率状態と示す)へと変動させる機能である。高確率状態は、低確率状態に比して、当り抽選において大当りに当選し易く、遊技者にとって有利な遊技状態である。高確率状態は、次回の大当り遊技が付与されるか、確変上限回数の特別ゲームが実行されるまで付与される。すなわち、高確率状態には、確変上限回数の特別ゲームの実行を上限として制御され、高確率状態において確変上限回数の特別ゲームが実行されたことを契機として低確率状態に制御される。
【0028】
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、所定の入球口としての第2始動口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上される状態(以下、「時短状態」と示す)を付与することができる機能である。時短状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。時短状態では、第2始動口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が向上するため、第2始動口13に遊技球が入球し易いように右打ちで遊技を行うことが推奨される。一方、時短状態が付与されていない状態では、第2始動口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が時短状態に比して低いため、左打ちで遊技を行うことが推奨される。なお、以下の説明では、時短状態が付与されていない状態を「非時短状態」と示す場合がある。非時短状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。このように、入球率向上機能は、入球状態を、所定の入球口としての第2始動口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が低い非時短状態から、所定の入球口としての第2始動口13への単位時間あたりの遊技球の入球率が高い時短状態へと変動させる機能である。
【0029】
時短状態は、例えば次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行すること、又は複数の制御を組み合わせて実行すること、により実現できる。第1の制御は、普通図柄の変動ゲームの変動時間を、非時短状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率(普通当り確率)を、非時短状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の合計開放時間を、非時短状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放回数を、非時短状態のときよりも多くする制御、及び普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の1回の開放時間を非時短状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非時短状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、時短状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
【0030】
時短状態は、例えば、次回の大当り遊技が付与されるか、時短状態が付与されてから規定上限回数の特別ゲームが実行されるまで付与される。すなわち、時短状態には、規定上限回数の特別ゲームの実行を上限として制御され、時短状態において規定上限回数の特別ゲームが実行されたことを契機として非時短状態に制御される。この実施形態において、規定上限回数は、複数種類ある。例えば、規定上限回数には、第1規定上限回数、第2規定上限回数、第3規定上限回数、及び第4規定上限回数がある。この実施形態において、第4規定上限回数は、第3規定上限回数よりも多い。また、第3規定上限回数は、第2規定上限回数よりも多い。また、第2規定上限回数は、第1規定上限回数よりも多い。例えば、第1規定上限回数は、50回である。また、第2規定上限回数は、100回である。また、第3規定上限回数は、900回である。また、第4規定上限回数は、1000回である。なお、第1特別ゲームと第2特別ゲームを実行可能なパチンコ遊技機10の場合、規定上限回数は第1特別ゲームと第2特別ゲームとの合算回数である。
【0031】
この実施形態において、時短状態には、第1時短状態と、第2時短状態と、第3時短状態と、がある。
この実施形態において、第2時短状態、及び第3時短状態は、第1時短状態に比して、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の合計開放時間が長い。この実施形態において、第2時短状態、及び第3時短状態は、第1時短状態に比して第2始動口13への入球率が僅かに高い状態である。例えば、第1時短状態であるときに普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したとき、第2始動口13は、5秒間開放される一方、第2時短状態、又は第3時短状態であるときに普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したとき、第2始動口13は、5.2秒間開放される。なお、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したとき、第2始動口13は、複数回に亘って開放されるようにしてもよい。この場合、第2始動口13の合計開放時間が同じときには、第2始動口13が開放される回数が少ない方が第2始動口13への入球率が高くなる。
【0032】
図4に示すように、この実施形態のパチンコ遊技機10は、制御可能な遊技状態として、低確率状態、且つ、非時短状態である遊技状態(以下、低確非時短状態と示す)を備える。また、パチンコ遊技機10は、制御可能な遊技状態として、低確率状態、且つ、第1時短状態である遊技状態(以下、第1低確時短状態と示す)を備える。また、パチンコ遊技機10は、制御可能な遊技状態として、低確率状態、且つ、第2時短状態である遊技状態(以下、第2低確時短状態と示す)を備える。また、パチンコ遊技機10は、制御可能な遊技状態として、低確率状態、且つ、第3時短状態である遊技状態(以下、第3低確時短状態と示す)を備える。また、パチンコ遊技機10は、制御可能な遊技状態として、高確率状態、且つ、第1時短状態である遊技状態(以下、高確時短状態と示す)を備える。一方、この実施形態のパチンコ遊技機10は、高確率状態、且つ、非時短状態である遊技状態と、高確率状態、且つ、第2時短状態である遊技状態と、を備えない。パチンコ遊技機10では、低確非時短状態<第1低確時短状態<第2低確時短状態、第3低確時短状態<高確時短状態の順に遊技者にとっての有利度が高くなっている。
【0033】
図5に示すように、パチンコ遊技機10では、当り図柄が導出される場合、当り図柄の種類に応じた遊技状態が付与される。上述したように、当り図柄には、通常大当り図柄、特定大当り図柄、及び時短当り図柄がある。この実施形態において、通常大当り図柄、及び特定大当り図柄は、第1当り抽選、及び第2当り抽選の何れであっても当選し得る。一方、時短当り図柄は、第1当り抽選では当選しない、第2当り抽選でのみ当選し得る当り図柄である。なお、時短当り図柄は、第1当り抽選において当選し得るようにしてもよい。この場合、第1当り抽選において時短当り図柄に当選する確率は、任意に設定するとよい。例えば、第1当り抽選において時短当り図柄に当選する確率は、第2当り抽選において時短当り図柄に当選する確率に比して低くしてもよい。すなわち、第1当り抽選において時短当りとなる確率は、第2当り抽選において時短当りとなる確率よりも低い、又は零であるようにしてもよい。
【0034】
この実施形態において、大当り図柄が導出される場合には、大当り遊技の終了後、大当り図柄の種類に応じた確率状態、及び入球状態が付与される。具体的に、通常大当り図柄に基づく大当り遊技(以下、通常大当り遊技と示す)の終了後には、第1規定上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って第1時短状態が付与される。一方、通常大当り遊技の終了後には、高確率状態が付与されない。すなわち、通常大当り遊技の終了後には、第1規定上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って第1低確時短状態に制御される。
【0035】
また、特定大当り図柄に基づく大当り遊技(以下、特定大当り遊技と示す)の終了後には、第2規定上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って第1時短状態が付与される。また、特定大当り遊技の終了後には、予め定められた確変上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って高確率状態が付与される。この実施形態において、確変上限回数は、第2規定上限回数と同じである。すなわち、特定大当り遊技の終了後には、第2規定上限回数(確変上限回数)の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って高確時短状態に制御される。
【0036】
一方、時短当り図柄が導出される場合、現在の遊技状態が低確非時短状態であるときには、当該時短当り図柄が導出される特別ゲームの終了後、第3規定上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って第3時短状態が付与される。時短当り図柄が導出される場合、現在の遊技状態にかかわらず、当該時短当り図柄が導出される特別ゲームの終了に際して確変状態は変化しない。
【0037】
また、この実施形態のパチンコ遊技機10では、特定移行条件が成立したことを契機として、第2時短状態に制御される。特定移行条件は、低確率状態に制御されている状況において、予め定められた特定回数の特別ゲームが実行されることを契機として成立する。例えば、特定回数は、900回である。すなわち、この実施形態において、特定回数は、第1規定上限回数、及び第2規定上限回数よりも多い。特定回数は、第3規定上限回数と同じである。特定回数は、第4規定上限回数よりも少ない。第2時短状態は、特定回数の特別ゲームが実行されることを契機として、第4規定上限回数の特別ゲームが終了するか、次回の大当り遊技が付与されるまでの間に亘って制御される。なお、第1特別ゲームと第2特別ゲームを実行可能なパチンコ遊技機10の場合、特定回数は第1特別ゲームと第2特別ゲームとの合算回数である。
【0038】
このように、大当り遊技の終了後には、第1規定上限回数の特別ゲームの実行を上限として第1時短状態に制御されるときと、第2規定上限回数の特別ゲームの実行を上限として第1時短状態に制御されるときと、がある。上述したように、規定上限回数の特別ゲームの実行を上限として第1時短状態に制御されるとき、第1時短状態において規定上限回数の特別ゲームが実行されたことを契機として非時短状態に制御される。
【0039】
第1時短状態は、大当り遊技の終了を契機として制御される時短状態である。第2時短状態は、低確率状態における特別ゲームの実行回数である累計ゲーム回数が特定回数となったことを契機として制御される時短状態である。累計ゲーム回数は、特定条件の成立回数に対応する。すなわち、特定条件は、特別ゲームの実行を契機として成立可能である。第3時短状態は、当り抽選において時短当りとなったことを契機として制御される時短状態である。例えば、第3時短状態は、時短当り図柄が導出される特別ゲームの終了を契機として制御される。現在の遊技状態が低確非時短状態であるときに時短当り図柄に当選することが特別移行条件の成立に相当する。また、非時短状態は、通常入球状態に対応し、第2時短状態は、非時短状態に比して有利な特定入球状態に対応する。また、第3時短状態は、非時短状態に比して有利な特別入球状態に対応する。
【0040】
また、パチンコ遊技機10には、
図3に示す、主制御基板30、及び副制御基板31を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。主制御用CPU30aは、各種センサSE1,SE2,CS,GSの検知信号を入力するようになっている。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置(特別図柄表示装置23a,23b、保留表示装置24a,24b、普通図柄表示装置25など)の表示内容を制御するとともに、各アクチュエータAC1,AC2の動作を制御する。
【0041】
主制御用ROM30bに格納されている情報には、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別ゲームの変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などがある。メイン変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が導出される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能な情報である。すなわち、メイン変動パターンは、特別ゲームの変動時間を特定可能な情報である。この実施形態において、メイン変動パターンは、大当り変動用のメイン変動パターンと、はずれ変動用のメイン変動パターンとに分類可能である。大当り変動は、当り抽選において大当りに当選した場合に行われる演出であって、特別ゲームにおいては最終的に大当り図柄が導出される。はずれ変動は、当り抽選において大当りに当選しなかった場合に行われる演出であって、特別ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。また、各種の判定値には、当り抽選に用いる当り判定値、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
【0042】
また、パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。この実施形態において主制御基板30は、バックアップ機能を搭載している。バックアップ機能を搭載したパチンコ遊技機10は、電力供給が停止した場合でも、主制御基板30の主制御用RAM30cに記憶される遊技制御に関する情報(以下、バックアップ情報と示す)を所定期間保持し、電力供給が開始されたときにはバックアップ情報に基づいて復帰可能である。
【0043】
バックアップ情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報を含む。特別ゲームに関する情報としては、例えば当り抽選の結果を特定可能な情報、メイン変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報としては、低確率状態、及び高確率状態の何れであるかを特定可能な情報(以下、確率情報と示す)や非時短状態、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態の何れであるかを特定可能な情報(以下、入球率情報と示す)などである。また、この実施形態では、遊技状態に関する情報として、低確率状態における特別ゲームの実行回数を特定可能な累計ゲーム回数や第2時短状態に制御された後であるかを特定可能な第2時短フラグなどがある。また、所定期間は、バックアップ用電源(例えば電気二重層コンデンサ)が放電され、そのバックアップ用電源が電力供給不能になるまでの期間である。なお、主制御用RAM30cに電力供給が行われていない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電力供給が停止した後にもバックアップ情報を保持可能であってもよい。
【0044】
パチンコ遊技機10に電力を供給して起動させると(復電時を含む)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されているバックアップ情報の初期化を実行するか否かを判定する。例えば、主制御用CPU30aは、図示しない初期化スイッチからの操作信号を入力している場合に初期化を実行すると判定する。バックアップ情報の初期化を実行しないと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されているバックアップ情報が正常であるかを判定する。バックアップ情報が正常である場合、主制御用CPU30aは、バックアップ情報に基づいて復帰させる処理を実行する。これにより、パチンコ遊技機10は、主制御用RAM30cのバックアップ情報に基づいて復帰される。バックアップ情報が正常であるか、異常であるかの判定は、例えばバックアップフラグの状態確認とバックアップ情報のチェックサムの一致確認によって行われる。主制御用CPU30aは、バックアップ情報に基づいて復帰させる場合、バックアップ情報に基づいて復帰したことを特定可能な制御情報(以下、復帰コマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。このとき、主制御用CPU30aは、復帰時の遊技状態を特定可能なように復帰コマンドを生成する。また、主制御用CPU30aは、第2時短フラグの内容を特定可能なように復帰コマンドを生成する。すなわち、主制御用CPU30aは、第2時短状態に制御された後であるかを特定可能なように復帰コマンドを生成する。
【0045】
一方、バックアップ情報の初期化を実行すると判定した場合、及び主制御用RAM30cに記憶されているバックアップ情報が異常である場合、主制御用CPU30aは、バックアップ情報の初期化を実行する。その後、主制御用CPU30aは、初期化後のバックアップ情報に基づいて起動させる処理を実行する。主制御用CPU30aは、バックアップ情報の初期化を実行する場合、バックアップ情報を初期化したことを特定可能な制御情報(以下、初期化コマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。
【0046】
副制御基板31は、主制御基板30から一方向で制御コマンドが出力されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
【0047】
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30の主制御用CPU30aから出力される制御コマンドを入力可能であるとともに、入力した制御コマンドに基づいて当該制御コマンドに応じた制御を行う。例えば、副制御用CPU31aは、演出ゲームの開始を指示する制御コマンドを入力する場合、画像表示装置11において演出ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、画像表示装置11の表示内容の制御、装飾ランプLaの点灯/非点灯の制御、及びスピーカSpの音声出力の制御などを行うことによって各種の演出を実行させる。画像表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpによる各種演出は、演出ゲームに合わせて演出モードに応じた演出態様で行われたり、待機状態に制御されているときなどに行われたりする。
【0048】
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、遊技を制御するために行う処理(通常処理)について説明する。
最初にまず、各種センサSE1,SE2,CS,GSからの遊技球の検知信号の入力に関する処理(入力処理(受信処理))について説明する。
【0049】
主制御用CPU30aは、第1始動口12への入球によって始動センサSE1からの検知信号を入力している場合、第1特別ゲームの始動保留数が保留上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数が保留上限数未満である場合、新たに第1特別ゲームの実行を保留する。その後、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームの始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24aを制御する。この実施形態において、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別ゲームの始動保留数が保留上限数未満であるときに遊技球が始動センサSE1によって検知されると成立する。主制御用CPU30aは、特別ゲームの実行を保留する保留手段に対応する。
【0050】
また、主制御用CPU30aは、第2始動口13への入球によって始動センサSE2からの検知信号を入力している場合、第2特別ゲームの始動保留数が保留上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数が保留上限数未満である場合、新たに第2特別ゲームの実行を保留する。その後、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置24bを制御する。この実施形態において、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別図柄の始動保留数が保留上限数未満であるときに遊技球が始動センサSE2によって検知されると成立する。なお、主制御用CPU30aは、始動保留数が保留上限数に達している場合、始動保留数を加算しない。一方、主制御用CPU30aは、始動保留数を加算した場合、加算後の始動保留数を特定可能な制御コマンド(保留指定コマンドなど)を副制御用CPU31aに出力する。始動保留数を特定可能な制御コマンドを入力した副制御用CPU31aは、画像表示装置11に当該情報から特定可能な始動保留数に対応する画像を表示させる。
【0051】
また、主制御用CPU30aは、始動保留数の保留上限数未満で遊技球が入球した場合、その入球を契機に各種乱数の値を取得するとともに、当該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていてもよいし、乱数の値を、当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていてもよい。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、第1特別ゲーム用の乱数情報と、第2特別ゲーム用の乱数情報と、の何れであるか、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように乱数情報を記憶させる。なお、主制御用CPU30aは、乱数の値を取得する場合、当り乱数の値を乱数生成回路30dから取得し、大当り図柄乱数の値やメイン変動パターン振分乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。
【0052】
また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の処理において、作動ゲート18を遊技球が通過したことを特定可能なゲート通過コマンドを副制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、ゲートセンサGSからの検知信号を入力した場合の処理において、普通保留数(普図ゲームの数)を記憶する処理や普通当り抽選などに用いる各種乱数を取得する処理を行う。普通保留数は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの各始動保留数と同様に保留上限数(この実施形態では4)が定められている。このため、主制御用CPU30aは、普通保留数が保留上限数未満である場合、普通保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の普通保留数を表示させるように図示しない普通図柄保留表示装置を制御する。
【0053】
また、主制御用CPU30aは、始動センサSE1,SE2及びカウントセンサCSからの検知信号を入力した場合の処理において、所定個数の賞球を払い出すための賞球処理を行う。賞球処理では、パチンコ遊技機10が備える図示しない払出制御基板に出力する払出指定コマンド(払出信号)を生成して、出力する。払出指定コマンドを入力した払出制御基板は、パチンコ遊技機10が備える図示しない球払出装置を作動させて、所定個数の遊技球を賞球として払い出す。
【0054】
次に、当り抽選の抽選結果を導出させる特別ゲームの実行に関する処理(特図変動処理)について説明する。なお、主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)ごとに特図変動処理を実行する。
【0055】
図6に示すように、特図変動処理において主制御用CPU30aは、特別ゲームの実行条件が成立したかを判定する(ステップS01)。ステップS01の処理において、主制御用CPU30aは、特別ゲームの実行中ではなく、且つ、大当り遊技中ではない場合に特別ゲームの実行条件が成立したと判定する。一方、主制御用CPU30aは、特別ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合に特別ゲームの実行条件が成立していないと判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合(ステップS01:NO)、主制御用CPU30aは、特図変動処理を終了する。
【0056】
特別ゲームの実行条件が成立している場合(ステップS01:YES)、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が零よりも大きいかを判定する(ステップS02)。第2特別ゲームの始動保留数が零である場合(ステップS02:NO)、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームの始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が零よりも大きいかを判定する(ステップS03)。第1特別ゲームの始動保留数が零である場合(ステップS03:NO)、主制御用CPU30aは、特図変動処理を終了する。第1特別ゲームの始動保留数が零よりも大きい場合(ステップS03:YES)、主制御用CPU30aは、第1特別ゲームの始動保留数を1減算する(ステップS04)。また、主制御用CPU30aは、ステップS04の処理において、減算後の第1特別ゲームの始動保留数を特定可能な保留指定コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
【0057】
次に、主制御用CPU30aは、現在の確率状態が低確率状態であるか否かを判定する(ステップS05)。例えば、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている確率情報に基づいて、現在の確率状態が低確率状態であるか、高確率状態であるかを特定する。確率情報は、現在の確率状態が低確率状態であるか、高確率状態であるかを特定可能な情報である。現在の確率状態が低確率状態である場合(ステップS05:YES)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている累計ゲーム回数を1加算する(ステップS06)。このとき、主制御用CPU30aは、加算後の累計ゲーム回数を特定可能な累計ゲーム回数コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
【0058】
現在の確率状態が高確率状態である場合(ステップS05:NO)、及びステップS06の処理を終了した場合、主制御用CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を取得する(ステップS07)。なお、主制御用CPU30aは、ステップS07の処理において、最先の乱数情報を取得すると、最先に記憶された乱数情報を主制御用RAM30cから消去する。次に、主制御用CPU30aは、当り抽選を行う(ステップS08)。当り抽選において、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数の値と、大当り判定値と、を比較し、当り抽選において大当りに当選したか否かを判定する。このとき、主制御用CPU30aは、現在の確率状態に応じた当選確率で大当りに当選したか否かを判定する。例えば、大当りの当選確率は、低確率状態では218/65536(約1/300)である。また例えば、大当りの当選確率は、高確率状態では1010/65536(約1/65)である。また、主制御用CPU30aは、ステップS08の処理において、大当りに当選したと判定した場合、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき特別図柄の大当り図柄を決定する。一方、主制御用CPU30aは、ステップS08の処理において、大当りに当選していないと判定した場合、時短当りに当選したか否かを判定する。上述したように、この実施形態において、第1特別ゲームの当り抽選における時短当りの当選率は、零である。すなわち、第1特別ゲームの当り抽選では時短当りに当選しない。主制御用CPU30aは、時短当りに当選していないと判定した場合、特別図柄のはずれ図柄を決定する。なお、第1特別ゲームの当り抽選では、時短当りに当選したか否かを判定しなくてもよい。この場合、主制御用CPU30aは、大当りに当選していないと判定したとき、特別図柄のはずれ図柄を決定するとよい。ステップS08の処理において決定した大当り図柄、又ははずれ図柄が、特別ゲームで導出される確定停止図柄となる。なお、特別図柄の大当り図柄は、大当りの種類に対応付けられている。このため、大当り図柄を決定することは大当りの種類を決定することになる。また、主制御用CPU30aは、ステップS08の処理において決定した特別図柄を特定可能な制御情報(以下、図柄コマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS07の処理において取得した乱数情報から特定された変動パターン決定乱数と、ステップS08の処理において行った当り抽選の結果と、に基づいてメイン変動パターンを決定する(ステップS09)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS09の処理において決定したメイン変動パターンを特定可能な制御情報(以下、変動パターンコマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。図柄コマンド及び変動パターンコマンドは、演出ゲームの開始を指示するコマンドである。その後、主制御用CPU30aは、特図変動処理を終了する。
【0059】
第2特別ゲームの始動保留数が零よりも大きい場合(ステップS02:YES)、主制御用CPU30aは、第2特別ゲームの始動保留数を1減算する(ステップS10)。また、主制御用CPU30aは、ステップS10の処理において、減算後の第2特別ゲームの始動保留数を特定可能な保留指定コマンドを副制御用CPU31aに出力する。次に、主制御用CPU30aは、現在の確率状態が低確率状態であるか否かを判定する(ステップS11)。現在の確率状態が低確率状態である場合(ステップS11:YES)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている累計ゲーム回数を1加算する(ステップS12)。このとき、主制御用CPU30aは、加算後の累計ゲーム回数を特定可能な累計ゲーム回数コマンドを副制御用CPU31aに出力する。
【0060】
現在の確率状態が高確率状態である場合(ステップS11:NO)、及びステップS12の処理を終了した場合、主制御用CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を取得する(ステップS13)。なお、主制御用CPU30aは、ステップS13の処理において、最先の乱数情報を取得すると、最先に記憶された乱数情報を主制御用RAM30cから消去する。次に、主制御用CPU30aは、当り抽選を行う(ステップS14)。ステップS14の処理において、主制御用CPU30aは、大当りに当選したか否かを判定する。大当りに当選したと判定した場合、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき特別図柄の大当り図柄を決定する。大当りに当選していないと判定した場合、主制御用CPU30aは、時短当りに当選したか否かを判定する。例えば、時短当りの当選確率は、低確率状態では874/65536(約1/75)である。この実施形態では、非時短状態において、当り抽選の結果が大当りとなる確率に比して当り抽選の結果が時短当りとなる確率の方が高い。時短当りに当選したと判定した場合、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される時短当り図柄乱数の値に基づき特別図柄の時短当り図柄を決定する。なお、時短当り図柄が1種類である場合、主制御用CPU30aは、時短当りに当選したと判定したことに基づいて、予め定められた時短図柄を決定するようにしてもよい。時短当りに当選していないと判定した場合、主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。ステップS14の処理において決定した大当り図柄、時短当り図柄、又ははずれ図柄が、特別ゲームで導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、ステップS14の処理において決定した特別図柄を特定可能な図柄コマンドを副制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS13の処理において取得した乱数情報から特定された変動パターン決定乱数と、ステップS14の処理において行った当り抽選の結果と、に基づいてメイン変動パターンを決定する(ステップS15)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS15の処理において決定したメイン変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドを副制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、特図変動処理を終了する。主制御用CPU30aは、第2始動口13に遊技球が入球したことを契機として当り抽選を実行する抽選手段に対応する。
【0061】
特図変動処理を終了すると、主制御用CPU30aは、特別ゲームを実行させるための処理を実行する。具体的に、主制御用CPU30aは、特図変動処理において第1特別ゲームの開始条件が成立している場合、第1特別ゲームを開始させるように特別図柄表示装置23aを制御する。また、主制御用CPU30aは、特図変動処理において第2特別ゲームの開始条件が成立している場合、第2特別ゲームを開始させるように特別図柄表示装置23bを制御する。また、主制御用CPU30aは、開始させる特別ゲームのメイン変動パターンに定められている変動時間を計測する。その後、主制御用CPU30aは、特別ゲームを開始させてからの経過時間が所定の変動時間(メイン変動パターンに定められている時間)に達した場合、対応する特別ゲームを終了させるように特別図柄表示装置23a又は特別図柄表示装置23bを制御する。主制御用CPU30aは、当り抽選の結果に基づいて特別ゲームを実行するゲーム実行手段に対応する。また、主制御用CPU30aは、累計ゲーム回数を計数する計数手段に対応する。その後、主制御用CPU30aは、特別ゲームを終了させるとき、インターバル時間の計測を開始する。例えば、インターバル時間には、0.1秒が定められている。インターバル時間は、1の特別ゲームが終了してから次の特別ゲームの実行が許容されるまでの時間である。
【0062】
主制御用CPU30aは、インターバル時間を計測したことを契機として、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。なお、この実施形態において、遊技状態移行処理は、大当り遊技の終了を契機としても実行される。以下の説明では、インターバル時間を計測したことを契機として実行される遊技状態移行処理を第1遊技状態移行処理と示し、大当り遊技の終了を契機として実行される遊技状態移行処理を第2遊技状態移行処理と示す。
【0063】
図7に示すように、第1遊技状態移行処理において、主制御用CPU30aは、直前に終了した特別ゲームが大当りの特別ゲームであるか否かを判定する(ステップS21)。直前に終了した特別ゲームが大当りの特別ゲームである場合(ステップS21:YES)、主制御用CPU30aは、低確非時短状態に制御する(ステップS22)。ステップS22の処理において、主制御用CPU30aは、低確率状態に制御されていることを特定可能なように確率情報を更新する。また、主制御用CPU30aは、非時短状態に制御されていることを特定可能なように入球率情報を更新する。ステップS22の処理が終了すると、主制御用CPU30aは、第1遊技状態移行処理を終了する。
【0064】
直前に終了した特別ゲームが大当りの特別ゲームではない場合(ステップS21:NO)、主制御用CPU30aは、通常移行条件が成立したか否かを判定する(ステップS23)。具体的に、主制御用CPU30aは、時短状態に制御しているときに規定上限回数目の特別ゲームが終了した場合に通常移行条件が成立したと判定する。例えば、主制御用CPU30aは、時短状態であるとき、特別ゲームの開始を契機として、当該時短状態に定められた規定上限回数に基づく時短回数から1減算するとよい。この場合、時短状態において、特別ゲームが終了したとき、時短回数が零であれば、当該特別ゲームが規定上限回数目の特別ゲームであると判定できる。時短回数は、時短状態から非時短状態に制御されるまでに実行される特別ゲームの残り回数であるといえる。この実施形態において、主制御用CPU30aは、特別ゲームの開始、又は特別ゲームの終了を契機として、時短回数を特定可能な情報(以下、時短回数コマンドと示す)を副制御用CPU31aに出力する。
【0065】
通常移行条件が成立している場合(ステップS23:YES)、主制御用CPU30aは、低確非時短状態に制御する(ステップS24)。上述したように、この実施形態において、高確率状態には、特定大当り遊技の終了後、確変上限回数の特別ゲームを上限として制御される。また、特定大当り遊技の終了後には、確変上限回数と同じ第2規定上限回数の特別ゲームを上限として時短状態に制御される。このため、この実施形態において、時短状態に制御しているときに規定上限回数目の特別ゲームが終了した場合、主制御用CPU30aは、低確非時短状態に制御する。ステップS24の処理において、主制御用CPU30aは、低確率状態に制御されていることを特定可能なように確率情報を更新する。また、主制御用CPU30aは、非時短状態に制御されていることを特定可能なように入球率情報を更新する。
【0066】
通常移行条件が成立していない場合(ステップS23:NO)、ステップS24の処理が終了した場合、主制御用CPU30aは、特定移行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS25)。すなわち、主制御用CPU30aは、累計ゲーム回数が特定回数となったか否かを判定する。特定移行条件が成立している場合(ステップS25:YES)、主制御用CPU30aは、第2低確時短状態に制御する(ステップS26)。このとき、主制御用CPU30aは、第2時短状態に制御されていることを特定可能なように入球率情報を更新する。また、主制御用CPU30aは、第2時短に制御された後であることを特定可能なように第2時短フラグをセットする。上述したように、累計ゲーム回数は、現在の確率状態が低確率状態であるときに加算される。このため、この実施形態において、特定移行条件が成立している場合、主制御用CPU30aは、第2低確時短状態に制御する。ステップS26の処理が終了すると、主制御用CPU30aは、第1遊技状態移行処理を終了する。
【0067】
特定移行条件が成立していない場合(ステップS25:NO)、主制御用CPU30aは、特別移行条件が成立したか否かを判定する(ステップS27)。すなわち、遊技状態が低確率非時短状態であって、且つ、直前の特別ゲームが時短当りの特別ゲームであるか否かを判定する。特別移行条件が成立していない場合(ステップS27:NO)、主制御用CPU30aは、第1遊技状態移行処理を終了する。特別移行条件が成立している場合(ステップS27:YES)、主制御用CPU30aは、第3低確時短状態に制御する(ステップS28)。このとき、主制御用CPU30aは、第3時短状態に制御されていることを特定可能なように入球率情報を更新する。上述したように、特別移行条件は、現在の確率状態が低確率状態であるときに成立し得る。このため、この実施形態において、特別移行条件が成立している場合、主制御用CPU30aは、第3低確時短状態に制御する。ステップS28の処理が終了すると、主制御用CPU30aは、第1遊技状態移行処理を終了する。
【0068】
このように、この実施形態では、大当り遊技が開始される場合に低確非時短状態に移行する。また、通常移行条件が成立している場合に低確非時短状態に移行する。また、特定移行条件が成立している場合、第2低確時短状態に移行する。また、特別移行条件が成立している場合、第3低確時短状態に移行する。また、この実施形態では、通常移行条件が成立したか否かが判定された後、特定移行条件が成立したか否かが判定される。また、特定移行条件が成立したか否かが判定された後、特別移行条件が成立したか否かが判定される。このため、主制御用CPU30aは、時短状態において、規定上限回数目の特別ゲームが実行されたことを契機として非特定入球状態に制御し、その後、当該規定上限回数目の特別ゲーム時短当りの第2特別ゲームであるときには第3時短状態に制御する。主制御用CPU30aは、時短状態と、非時短状態と、に制御可能な入球状態制御手段に対応する。
【0069】
次に、第2遊技状態移行処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了を契機として、当該大当り遊技の種類に応じた遊技状態に制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、通常大当り遊技の終了を契機として、第1低確時短状態に制御する。一方、主制御用CPU30aは、特定大当り遊技の終了を契機として、高確時短状態に制御する。
【0070】
この実施形態において、大当り遊技は、当り抽選に当選したことによって付与される。ここで、当り抽選において大当りに当選したことによって行われる大当り遊技の進行に関する処理について説明する。主制御用CPU30aは、当り抽選において大当りに当選したとき、当該当り抽選の結果を導出した特別ゲームの終了後、インターバル時間が計測されたことを契機として、大当り遊技の進行に関する処理を実行し、大当り遊技を付与する。
【0071】
この実施形態の大当り遊技は、大当り遊技の開始に伴うオープニングと、大入賞口14を開放させるラウンド遊技と、大当り遊技の終了に伴うエンディングと、から構成されている。つまり、大当り遊技は、オープニング→ラウンド遊技→エンディングというように段階的に進行する。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の進行に関する処理として、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御コマンドを生成する大当り情報生成処理と、大入賞口14を開放及び閉鎖させる大当り遊技制御処理を行う。大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、オープニングの開始に伴って、オープニングの開始を特定可能なオープニングコマンドを生成し、副制御用CPU31aに出力する。このとき、主制御用CPU30aは、通常大当り遊技のオープニングを開始したか、及び特定大当り遊技のオープニングを開始したかを特定可能なようにオープニングコマンドを生成する。
【0072】
また、大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始に伴って、各ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンドを生成し、副制御用CPU31aに出力する。このとき、主制御用CPU30aは、新たに開始されるラウンド遊技が大当り遊技を開始してから何回目のラウンド遊技であるかを特定可能なようにラウンドコマンドを生成する。また、大当り情報生成処理において、主制御用CPU30aは、エンディングの開始に伴って、エンディングの開始を特定可能なエンディングコマンドを生成し、副制御用CPU31aに出力する。このとき、主制御用CPU30aは、通常大当り遊技のエンディングを開始したか、及び特定大当り遊技のエンディングを開始したかを特定可能なようにエンディングコマンドを生成する。また、大当り遊技が終了するとき、主制御用CPU30aは、累計ゲーム回数を初期化する。また、大当り遊技が終了するとき、主制御用CPU30aは、第2時短フラグを初期化する。主制御用CPU30aは、大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段に対応する。
【0073】
次に、遊技状態を特定可能な制御コマンド(以下、状態指定コマンドと示す)を生成する状態指定コマンド生成処理について説明する。
この実施形態において、状態指定コマンドは、電力供給が開始されたとき(初期化時、及び復電時)、及び遊技状態の変遷時に生成される。
【0074】
状態指定コマンド生成処理において、主制御用CPU30aは、遊技状態が低確非時短状態である場合、遊技状態が低確非時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態1指定コマンドと示す)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態が第1低確時短状態である場合、遊技状態が第1低確時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態2指定コマンドと示す)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態が第2低確時短状態である場合、遊技状態が第2低確時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態3指定コマンドと示す)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態が第3低確時短状態である場合、遊技状態が第3低確時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態4指定コマンドと示す)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態が高確時短状態である場合、遊技状態が高確時短状態であることを特定可能な状態指定コマンド(以下、状態5指定コマンドと示す)を生成する。
【0075】
また、生成された状態指定コマンドは、副制御用CPU31aに出力される。例えば、大当り遊技終了後の遊技状態を高確時短状態とする場合、大当り遊技の終了に伴って高確時短状態に制御されるとともに、状態5指定コマンドが副制御用CPU31aに出力される。また、例えば、第1遊技状態移行処理において第2低確時短状態に制御される場合、第2低確時短状態に制御されるとともに状態3指定コマンドが副制御用CPU31aに出力される。また、例えば、第1遊技状態移行処理において第3低確時短状態に制御される場合、第3低確時短状態に制御されるとともに状態4指定コマンドが副制御用CPU31aに出力される。状態指定コマンドは、例示した制御コマンドに限らず、副制御用CPU31aに認識させる必要のある遊技状態ごとに設定されていてもよい。なお、副制御用CPU31aは、状態指定コマンドを入力する場合、入力した状態指定コマンドから特定可能な遊技状態に応じた演出モードに制御する。
【0076】
次に、普通当り抽選の抽選結果を導出させる普通図柄の変動ゲームの実行に関する処理(普図変動処理)について説明する。
普図変動処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームの実行中ではなく、且つ普通図柄の当り遊技中ではない場合に普通図柄の変動ゲームの開始条件が成立したと判定する一方、普通図柄の変動ゲームの実行中、又は普通図柄の当り遊技中である場合に普通図柄の変動ゲームの開始条件が成立していないと判定する。主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームの開始条件が成立していない場合、普図変動処理を終了する。
【0077】
主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームの開始条件が成立している場合、普通保留数を読み出し、その読み出した普通保留数が零よりも大きいかを判定する。そして、普通保留数が零よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、普通図柄の変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、普通保留数が零の場合、普図変動処理を終了する。
【0078】
普通図柄の変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、普通保留数を1減算して書き換える。そして、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報(普通当り乱数)のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される普通当り乱数の値と普通当り判定値とを比較し、普通当り抽選を行う。この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。このため、入球率向上機能が作動している状態(時短状態)において普通図柄の確率変動制御を実行するように構成する場合、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、普通当り抽選時に時短状態であるか、非時短状態であるかによって異なる当選確率で普通当り抽選を行う。この実施形態では、非時短状態時の当選確率を零(普通当りなし)としており、時短状態時の当選確率を100%(はずれなし)としている。普通当り抽選における普通当りの当選確率は、普通当り乱数の取り得る数値に対して普通当りに当選する値(普通当り判定値)の個数の割合によって規定できる。なお、この実施形態では、第1時短状態において普通当りに当選する確率と、第2時短状態において普通当りに当選する確率と、が同じである。また、第1時短状態において普通当りに当選する確率と、第3時短状態において普通当りに当選する確率と、が同じである。すなわち、第2時短状態において普通当りに当選する確率と、第3時短状態において普通当りに当選する確率と、が同じである。
【0079】
普図変動処理の説明に戻り、普通当り抽選において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから取得した普通当り乱数の値が普通当り判定値と一致するかを判定する。主制御用CPU30aは、普通当り乱数の値と普通当り判定値とが一致した場合には、普通当り抽選において普通当りに当選したと判定する。普通当り抽選において普通当りに当選した場合、主制御用CPU30aは、普通当り処理を行う。普通当り処理において主制御用CPU30aは、普通図柄の当り図柄を決定するとともに、普通図柄の変動ゲームの変動時間を特定可能な普通図柄の変動パターンを決定する。この決定した普通図柄の当り図柄が、普通図柄の変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。一方、主制御用CPU30aは、普通当り抽選において普通当りに当選しなかった場合(はずれの場合)、普通はずれ処理を行う。普通はずれ処理において主制御用CPU30aは、普通図柄のはずれ図柄を決定するとともに、普通図柄の変動パターンを決定する。この決定した普通図柄のはずれ図柄が、普通図柄の変動ゲームで導出される確定停止図柄となる。
【0080】
そして、主制御用CPU30aは、普通当り抽選の結果に基づいて行う普通当り処理又は普通はずれ処理での決定結果にしたがい、普通図柄表示装置25で普通図柄の変動ゲームを実行させるとともに、変動時間の経過後に普通図柄の当り図柄又は普通図柄のはずれ図柄を導出させる。また、主制御用CPU30aは、普通当り抽選に当選している場合、普通図柄の変動ゲームの終了後、普通当り遊技を生起させる。普通当り遊技では、第2始動口13を所定の開放態様で開放させることにより、遊技球の入球を許容する許容状態をとり得るように制御する。なお、主制御用CPU30aは、普通当り遊技の生起中に時短状態から非時短状態に制御される場合、普通当り遊技を生起させるための制御を継続して実行する。すなわち、非時短状態に制御された場合であっても、普通当り遊技が生起中であれば、当該普通当り遊技が終了するまでの期間では、第2始動口13への遊技球の入球が許容される。このため、この実施形態では、非時短状態に制御された後に第2特別ゲームの保留条件が成立することがある。
【0081】
このように、主制御用CPU30aは、時短状態においてアクチュエータAC1の動力により第2始動口13が開放状態をとり得るように制御する。一方、主制御用CPU30aは、非時短状態において第2始動口13が開放状態をとらないように制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、非時短状態において第2始動口13が継続して閉鎖状態(非開放状態)をとるように制御する。この実施形態において、時短状態であるとき、遊技者が右打ちをする場合には、第2特別ゲームの保留条件が容易に成立する。なお、主制御用CPU30aは、非時短状態において、時短状態に比して低い確率で第2始動口13が開放状態をとり得るように制御してもよい。すなわち、主制御用CPU30aは、非時短状態時、時短状態時の当選確率よりも低い確率で普通当り抽選において普通当りに当選するようにしてもよい。
【0082】
次に、演出制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御コマンドを入力すると、その制御コマンドに応じて各種処理を実行する。
【0083】
まず、パチンコ遊技機10に電力供給が開始されたときに副制御用CPU31aが実行する電源投入処理について説明する。電源投入処理は、副制御用CPU31aが初期化コマンド、及び復帰コマンドの何れかを入力することによって実行される。
【0084】
電源投入処理において、副制御用CPU31aは、電力供給が開始された際にバックアップ情報が初期化されたか否かを判定する。例えば、副制御用CPU31aは、初期化コマンドを入力した場合に、電力供給が開始された際にバックアップ情報が初期化されたと判定する。一方、副制御用CPU31aは、復帰コマンドを入力した場合に、電力供給が開始された際にバックアップ情報が初期化されなかったと判定する。
【0085】
電力供給が開始された際にバックアップ情報が初期化されている場合、副制御用CPU31aは、初期化報知を実行させるように報知装置群を制御する。例えば、副制御用CPU31aは、「初期化しました」などの文字列を模した画像を表示させるように画像表示装置11を制御する。
【0086】
電力供給が開始された際にバックアップ情報が初期化されていない場合、すなわち、電力供給の開始に伴って復帰する場合、特別条件が成立しているかに応じて、第1態様による特別報知、又は第2態様による特別報知を実行させる。まず、副制御用CPU31aは、特別条件が成立しているか否かを判定する。この実施形態において、副制御用CPU31aは、復帰コマンドから、復帰時の遊技状態として低確非時短状態であって、且つ、第2時短状態に制御された後であることを特定した場合、特別条件が成立していると判定する。すなわち、副制御用CPU31aは、第2時短状態に制御された後であっても、復帰時の遊技状態が低確非時短状態ではないときには、特別条件が成立していないと判定する。このため、例えば、第2時短状態における規定上限回数目の特別ゲームの終了後、第3時短状態に制御されるとき、当該第3時短状態において電力供給が遮断され、その後、電力供給の開始に伴って状態を復帰する際には特定報知が実行されない。
【0087】
特別条件が成立していない場合、副制御用CPU31aは、第1態様による特別報知を実行させるように報知装置群を制御する。特別条件が成立している場合、副制御用CPU31aは、第2態様による特別報知を実行させるように報知装置群を制御する。
【0088】
ここで、特別報知について説明する。
図8(a)に示すように、第1態様による特別報知は、電力供給の開始に伴って復帰したことを特定可能な特殊報知によって構成される。例えば、特殊報知は、画像表示装置11において、特殊画像Ga1を表示させることによって実行される報知である。特殊画像Ga1は、例えば、「復帰中」の文字列を模した画像である。また例えば、特殊報知は、スピーカSpから特殊音声を出力させることによって実行される報知である。特殊音声は、例えば、「電源が投入されました」の音声である。また例えば、特殊報知は、装飾ランプLaを特殊発光させることによって実行させる報知である。特殊発光は、白色の点灯を行う発光である。
【0089】
図8(b)に示すように、第2態様による特別報知は、特殊報知に加えて、特定報知を含んで構成される。例えば、特定報知は、画像表示装置11において、特定画像Ga2を表示させることによって実行される報知である。特定画像Ga2は、例えば、「特定移行条件の成立後です」の文字列を模した画像である。また例えば、特定報知は、スピーカSpから特定音声を出力させることによって実行される報知である。特定音声は、例えば、「特定移行条件の成立後です」の音声である。第2態様による特別報知では、スピーカSpにおいて、特殊音声と、特定音声と、が交互に出力される。すなわち、第2態様による特別報知では、スピーカSpにおいて、「電源が投入されました」→「特定移行条件の成立後です」→「電源が投入されました」…のように、特殊音声の出力と、特定音声の出力と、がループするように切り替わる。また例えば、特定報知は、装飾ランプLaを特定発光させることによって実行させる報知である。特定発光は、白色の点滅を行う発光である。第2態様による特別報知では、装飾ランプLaのうち第1部分において特殊発光を行い、装飾ランプLaのうち第2部分において特定発光を行う。例えば、第1部分は、枠に設けられた装飾ランプLaであり、第2部分は、遊技盤YBに設けられた装飾ランプLaである。
【0090】
電源投入処理の説明に戻り、特別報知を実行させるとき、副制御用CPU31aは、予め定められた終了条件が成立したことを契機として特別報知を終了させる。
図9に示すように、この実施形態において、特別報知を構成する特殊報知、及び特定報知には、それぞれ終了条件が定められている。この実施形態において、特殊報知には、1の終了条件が定められている。例えば、復帰報知の終了条件は、復帰報知を開始してから第1所定時間が経過したことを契機として終了する。
【0091】
一方、特定報知には、複数の終了条件が定められている。特定報知は、複数の終了条件の何れかが成立したことを契機として終了する。例えば、特定報知の第1終了条件は、特定報知を開始してから第2所定時間が経過したことを契機として終了する。この実施形態において、第2所定時間は、第1所定時間よりも長い時間である。なお、第2所定時間は、第1所定時間よりも短い時間であってもよく、第1所定時間と同じ時間であってもよい。
【0092】
例えば、特定報知の第2終了条件は、変動ゲームの実行を契機として成立する。具体的に、この実施形態において、特定報知の第2終了条件は、新たな変動ゲームの開始を契機として成立する。なお、特定報知の第2終了条件は、変動ゲームの終了を契機として成立してもよい。この場合、変動ゲームの実行中に復帰するとき、当該変動ゲームの終了を契機として特定報知の第2終了条件が成立してもよく、次の変動ゲームの終了を契機として特定報知の第2終了条件が成立してもよい。
【0093】
また例えば、特定報知の第3終了条件は、大当り遊技が実行されることを契機として終了する。具体的に、特定報知が実行されているとき、大当り遊技(オープニング)が開始されると、特定報知の終了条件が成立する。また、特定報知が実行されているとき、ラウンド遊技が開始されると、特定報知の終了条件が成立する。また、特定報知が実行されているとき、エンディングが開始されると、特定報知の終了条件が成立する。
【0094】
このように、特定報知の終了条件には、特定報知が開始してから予め定められた所定時間(第2所定時間)が経過したとき、特定報知が開始してから最初の特別ゲームが開始されるとき、及び特定報知が開始してから最初の大当り遊技が付与されるとき、の何れかを成立契機とする終了条件がある。より具体的にいえば、特定報知の終了条件には、特定報知が開始してから予め定められた所定時間(第2所定時間)が経過したとき、特定報知が開始してから最初の特別ゲームが開始されるとき、及び特定報知が開始してから最初の大当り遊技が付与されるとき、のそれぞれを成立契機とする終了条件がある。このため、特定報知は、特別ゲームが実行されておらず、且つ、大当り遊技が付与されていないときに実行可能である。特別ゲームが実行されていない期間が特定期間に対応する。すなわち、特定報知は、少なくとも特定期間で実行される。
【0095】
電源投入処理の説明に戻り、副制御用CPU31aは、特殊報知の終了条件が成立したことを契機として特殊報知を終了させるように報知装置群を制御する。また、副制御用CPU31aは、複数ある特定報知の終了条件のうち、少なくとも一つの終了条件が成立したことを契機として特定報知を終了させるように報知装置群を制御する。
【0096】
次に、エラー報知を実行するためのエラー報知処理について説明する。
この実施形態において、副制御用CPU31aは、エラーの発生を検知、又は特定すると、発生したエラーの種類に対応したエラー報知を実行させるように、報知装置群を制御する。エラー報知は、画像表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpのうち少なくとも一つによって実行されるとよい。例えば、エラーには、扉開放エラーがある。扉開放エラーは、搭載枠が開放されたことに関するエラーである。副制御用CPU31aは、扉開放エラーが発生したことを特定すると、扉開放エラー報知を実行させるように報知装置群を制御する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが出力する扉開放コマンドを入力した場合に扉開放エラーの発生を特定する。例えば、扉開放コマンドは、図示しない扉開放センサの検知信号の入力に基づいて搭載枠が開放されたと主制御用CPU30aが判定した際に出力されるとよい。また、副制御用CPU31aは、扉開放エラーが解消したことを特定すると、扉閉鎖報知を実行させるように報知装置群を制御する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが出力する扉閉鎖コマンドを入力した場合に扉開放エラーの解消を特定する。例えば、扉閉鎖コマンドは、図示しない扉開放センサの検知信号の入力に基づいて搭載枠が閉鎖されたと主制御用CPU30aが判定した際に出力されるとよい。主制御用CPU30aは、特定エラーとしての扉開放エラーの発生を検知する特定エラー検知手段に対応する。この実施形態において、扉開放エラー報知、及び扉閉鎖報知は、特定エラー報知に対応する。
【0097】
図10に示すように、扉開放エラー報知は、画像表示装置11において、扉開放エラー画像Gb1を表示させることによって実行される報知である。扉開放エラー画像Gb1は、例えば、「扉が開いています」の文字列を模した画像である。また、扉開放エラー報知は、スピーカSpから扉開放エラー音声を出力させることによって実行される報知である。扉開放エラー音声は、例えば、「扉が開いています」の音声である。また、扉開放エラー報知は、装飾ランプLaをエラー発光させることによって実行させる報知である。エラー発光は、赤色の点灯を行う発光である。扉閉鎖報知は、装飾ランプLaをエラー発光させることによって実行させる報知である。すなわち、この実施形態において、扉開放エラーが解消された際には、扉開放エラー報知の一部を終了する一方で、扉開放エラー報知の一部を継続して実行する。扉閉鎖報知は、予め定められた報知時間が経過したことを契機として終了する。また、扉開放エラー報知を開始してから、規定時間未満で扉開放エラーが解消した場合、扉閉鎖報知は、スピーカSpによる扉開放エラー音声の出力を予め定められた保障時間が経過するまで継続する。すなわち、扉開放エラーが発生してから解消するまでの時間に応じて、扉閉鎖報知の報知態様は異なる。例えば、副制御用CPU31aは、扉開放エラーが発生したことを特定したとき、規定時間を計測するとともに、扉開放エラーが解消したことを特定したとき、規定時間が経過したか否かに応じて異なる態様で扉閉鎖報知を実行させるように報知装置群を制御するとよい。この実施形態において、前記規定時間と前記保障時間との和は、扉閉鎖報知の報知時間よりも短い。
【0098】
次に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御用CPU31aは、図柄コマンドを受信すると、図柄コマンドにより指定された特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。この実施形態において、演出図柄の組み合わせを導出するとは、演出図柄の組み合わせを停止表示させることである。
【0099】
演出図柄の組み合わせについて説明する。
上述したように、この実施形態において演出ゲームでは、左列、中列、右列からなる3列の演出図柄の組み合わせを演出ゲームの結果として導出させる。この実施形態において演出図柄の組み合わせを構成する各列の識別情報は、アラビア数字を模した意匠で構成されている。具体的に例示すれば、各列の識別情報はそれぞれ[1]~[9]までのアラビア数字である。これにより、演出図柄の組み合わせは、例えば全列の識別情報を同一とした[111]などの組み合わせや、全列の識別情報が同一ではない[479],[337],[121]などの組み合わせになる。
【0100】
演出図柄変動処理の説明に戻り、副制御用CPU31aは、図柄コマンドにより特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、当該特別図柄の大当り図柄の種類に応じた大当りの図柄組み合わせを決定する。具体的にいえば、副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄として、通常大当り図柄が指定された場合には、通常大当りの図柄組み合わせを決定する。一方、副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄として、特定大当り図柄が指定された場合には、特定大当りの図柄組み合わせを決定する。例えば、通常大当りの図柄組み合わせは、全列の識別情報が同一の偶数である[2],[2],[2]などの組み合わせである。また例えば、特定大当りの図柄組み合わせは、全列の識別情報が同一の奇数である[3],[3],[3]などの組み合わせである。すなわち、副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、全列の識別情報が同一の図柄組み合わせを決定する。
【0101】
また、副制御用CPU31aは、図柄コマンドにより特別図柄のはずれ図柄が指定された場合には、変動開始コマンドから特定されるメイン変動パターンに基づき、演出図柄の変動ゲームで導出させる図柄組み合わせを決定する。具体的にいえば、副制御用CPU31aは、演出内容として「ノーマルリーチ演出」、又は「スーパーリーチ演出」が定められたメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、演出内容として「リーチなし」が定められたメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。例えば、この実施形態において、はずれの図柄組み合わせは、各列の識別情報のうち少なくとも一列が同一ではない図柄組み合わせである。このため、リーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせは、例えば、[6],[7],[6]などの組み合わせである。また、リーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせは、[8],[3],[6]などの組み合わせである。
【0102】
また、副制御用CPU31aは、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能なメイン変動パターンの種類に基づいて、画像表示装置11の表示内容などを制御するためのサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンは、演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能である。
【0103】
サブ変動パターンを決定した副制御用CPU31aは、そのサブ変動パターンで特定される変動内容で演出ゲームが実行されるように画像表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、メイン変動パターンから特定される変動時間の経過により、演出ゲームを終了させ、図柄組み合わせを導出(停止表示)させるように画像表示装置11の表示内容を制御する。なお、この実施形態では、変動停止コマンドの受信を契機として、演出ゲームを終了させているが、副制御用CPU31aの制御によりメイン変動パターンから特定される変動時間を計時し、演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、主制御基板30から変動停止コマンドを送信せずに、演出ゲームの終了を制御するように構成してもよい。
【0104】
また、画像表示装置11の制御において副制御基板31の副制御用CPU31aは、実行させる画像を選択し、その選択した画像に必要なデータをROMから読み出す。なお、副制御基板31には、画像表示装置11に表示させるキャラクタ画像データ、具体的には人物、文字、図形又は記号(飾り図柄を含む)を予め格納したキャラクタROMを備え、キャラクタROMから必要なデータを読み出してもよい。そして、副制御基板31の副制御用CPU31aは、読み出したデータをVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力する。VDPは、入力されたデータに基づいて表示制御を実行し、画像表示装置11の画像表示領域GHに画像を表示させる。
【0105】
その他、副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから送信される制御コマンドを受信すると、その制御コマンドに応じた制御を実行する。
例えば、大当り遊技中、副制御用CPU31aには、大当り遊技であることを特定可能な制御コマンドが送信されている。例えば、このような制御コマンドには、オープニングの開始を特定可能なオープニングコマンド、各ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンド、エンディングの開始を特定可能なエンディングコマンドを含む。そして、これらのコマンドを受信した副制御用CPU31aは、オープニング演出、各ラウンド演出、エンディング演出を画像表示装置11の画像表示領域GHなどで実行させる。
【0106】
次に、上述した複数の報知の実行の条件が同時期に成立する際の報知態様について説明する。
図11に示すように、この実施形態では、複数の報知の実行の条件が同時期に成立したときには、何れの報知を優先して実行させるかが予め定められている。より具体的にいえば、この実施形態では、画像表示装置11、スピーカSp、及び装飾ランプLaのそれぞれで、複数の報知のうち何れの報知を優先して実行させるかが定められている。上述したように、特殊報知の実行の条件と、特定報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、スピーカSpでは、両報知を同時に実行する。また、特殊報知の実行の条件と、特定報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、画像表示装置11では、両報知を同時に実行する。また、特殊報知の実行の条件と、特定報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、装飾ランプLaでは、両報知を同時に実行する。
【0107】
特殊報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、スピーカSpでは、特殊報知を実行しない一方で、扉開放エラー報知を実行することで扉開放エラー報知を優先して実行する。特殊報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、装飾ランプLaでは、特殊報知を実行しない一方で、扉開放エラー報知を実行することで扉開放エラー報知を優先して実行する。特殊報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、画像表示装置11では、両報知を同時に実行する。特定報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、スピーカSpでは、特定報知を実行しない一方で、扉開放エラー報知を実行することで扉開放エラー報知を優先して実行する。特定報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、装飾ランプLaでは、特定報知を実行しない一方で、扉開放エラー報知を実行することで扉開放エラー報知を優先して実行する。特定報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立するとき、画像表示装置11では、両報知を同時に実行する。
【0108】
このように、この実施形態では、スピーカSpでは、特殊報知、特定報知<扉開放エラー報知の順に報知の優先度が高くなっている。また、スピーカSpでは、優先度の異なる複数の報知の実行の条件が同時期に成立する場合、優先度が高い報知が実行される一方で、別の報知は実行されないように規定されている。また、画像表示装置11では、特殊報知と、特定報知と、扉開放エラー報知と、は同時に実行可能である。なお、特殊報知の実行の条件と、特定報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件とが同時期に成立するとき、画像表示装置11では、扉開放エラー画像Gb1をより画像表示領域GHの中央に近い位置に表示する。これにより、特殊報知、特定報知<扉開放エラー報知の順に優先して表示する。なお、上述したように、扉閉鎖報知は、扉開放エラーの一部を継続して実行する報知である。このため、特殊報知の実行の条件、又は特定報知の実行の条件と、扉閉鎖報知の実行の条件とが同時期に成立する場合、スピーカSp及び装飾ランプLaにおける報知態様は、特殊報知の実行の条件、又は特定報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件とが同時期に成立する場合と同じである。
【0109】
以下、
図12、及び
図13を参照して、上記のように構成されたパチンコ遊技機10の作用を説明する。
図12(a)には、第2低確時短状態に制御されてから特殊回数の特別ゲームが終了したときの状況を示している。特殊回数は、第2時短状態の規定上限回数よりも少ない回数である。ここで、パチンコ遊技機10では、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたとする。このとき、パチンコ遊技機10は、電力供給の開始に伴って復帰したとする。
【0110】
図12(b)に示すように、電力供給の開始に伴って復帰する場合、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、特別報知が実行される。このとき、既に第2低確時短状態に制御されている一方で、当該第2低確時短状態に制御されてから特殊回数の特別ゲームが終了した後であるため、特別条件が成立しない。このため、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、第1態様による特別報知が実行される。その後、
図12(c)に示すように、第2所定時間が経過したことを契機として、特定報知の終了条件が成立すると、特定報知が終了する。上述したように、第1所定時間は、第2所定時間よりも短い時間である。このため、第2所定時間が経過した時点において、特殊報知は既に終了している。したがって、第2態様による特別報知が実行されるとき、第2所定時間が経過したことを契機として特別報知が終了する。
【0111】
図12(d)には、第2低確時短状態に制御されてから第1特別回数の特別ゲームが終了したときの状況を示している。第1特別回数は、第2時短状態の規定上限回数よりも多い回数である。ここで、パチンコ遊技機10では、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたとする。このとき、パチンコ遊技機10は、電力供給の開始に伴って復帰したとする。
【0112】
図12(e)に示すように、電力供給の開始に伴って復帰する場合、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、特別報知が実行される。このとき、既に第2低確時短状態に制御されており、且つ、当該第2低確時短状態に制御されてから第1特別回数の特別ゲームが終了した後であるため、特別条件が成立する。このため、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、第2態様による特別報知が実行される。
【0113】
図12(f)には、特別報知の実行中に、扉開放エラーが発生した状況を示している。すなわち、特別報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件と、が同時期に成立したときの状況を示している。このとき、スピーカSpでは、特別報知が実行されない。すなわち、スピーカSpでは、特殊報知が実行されない。また、スピーカSpでは、特定報知が実行されない。一方、画像表示装置11では、特別報知、及び扉開放エラー報知の両報知が実行される。すなわち、画像表示装置11では、特殊報知、特定報知、及び扉開放エラー報知の全報知が実行される。
【0114】
このように、第2時短状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特殊報知が実行される。その後、第2時短状態において規定上限回数の特別ゲームが実行されたことを契機として非時短状態に制御されるとき、当該非時短状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特定報知を実行可能である。より具体的にいえば、第2時短状態において規定上限回数の特別ゲームが実行されたことを契機として非時短状態に制御されるとき、当該非時短状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特殊報知と、特定報知とが実行される。そして、特定報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件とが同時期に成立した場合、扉開放エラー報知が優先して実行される。同様に、特殊報知の実行の条件と、扉開放エラー報知の実行の条件とが同時期に成立した場合、扉開放エラー報知が優先して実行される。
【0115】
図13(a)には、第2低確時短状態に制御されてから特殊回数目の特別ゲームが実行中であるときの状況を示している。ここで、パチンコ遊技機10では、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたとする。このとき、パチンコ遊技機10は、電力供給の開始に伴って復帰したとする。
【0116】
図13(b)に示すように、電力供給の開始に伴って復帰する場合、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、特別報知が実行される。このとき、既に第2低確時短状態に制御されている一方で、当該第2低確時短状態に制御されてから特殊回数目の特別ゲームが実行中であるため、特別条件が成立しない。このため、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、第1態様による特別報知が実行される。その後、
図13(c)に示すように、第2所定時間が経過したことを契機として、特定報知の終了条件が成立すると、特定報知が終了し、特定報知の終了に伴って特別報知が終了する。
【0117】
図13(d)には、第2低確時短状態に制御されてから第2特別回数目の特別ゲームが実行中であるときの状況を示している。第2特別回数は、第1特別回数よりも多い回数である。ここで、パチンコ遊技機10では、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたとする。このとき、パチンコ遊技機10は、電力供給の開始に伴って復帰したとする。
【0118】
図13(e)に示すように、電力供給の開始に伴って復帰する場合、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、特別報知が実行される。このとき、既に第2低確時短状態に制御されており、且つ、当該第2低確時短状態に制御されてから第2特別回数目の特別ゲームが実行中であるため、特別条件が成立する。このため、画像表示装置11、及びスピーカSpでは、第2態様による特別報知が実行される。その後、
図13(f)に示すように、新たな変動ゲームが開始したことを契機として、特定報知の終了条件が成立すると、特定報知が終了する。一方、特別報知が開始してから第1所定時間が経過していないため、特殊報知の終了条件は成立しない。このため、特殊報知は、継続して実行される。
【0119】
このように、特定報知は、第2低確時短状態に制御されてから第1特別回数目の特別ゲームが実行中であるときと、第2低確時短状態に制御されてから第2特別回数目の特別ゲームが実行中であるときとの何れでも同じ報知態様で実行される。すなわち、特定報知は、低確非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数にかかわらず同じ報知態様で実行される。また、特定報知の終了条件は、低確非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数にかかわらず同じである。
【0120】
また、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが実行されているときに電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときと、特別ゲームが実行されていないときに電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときと、の何れであっても特定報知を実行可能である。このとき、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず同じ報知態様で実行される。また、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず同じ報知態様で実行される。
【0121】
以上詳述したように、この実施形態は、以下の効果を有する。
(1)この実施形態において、第2時短状態に制御された後には、大当り遊技が付与されるか、遊技機が初期化されることを契機として累計ゲーム回数が初期化されるまで、新たな第2時短状態に制御されない。このため、遊技場の営業が開始された際、前回の営業において、第2時短状態に制御された後、累計ゲーム回数が初期化されていない場合には、遊技者が計数するゲーム回数が特定回数となっても第2時短状態に制御されない。一般的に、前回の営業において、第2時短状態に制御された後、累計ゲーム回数が初期化されたか否かを遊技者が特定することは困難である。このため、このような状況では、遊技者が計数するゲーム回数が特定回数となっても第2時短状態に制御されない結果、興趣を低下させる虞がある。この実施形態では、第2時短状態における規定上限回数目の特別ゲームの終了後、電力供給が遮断され、その後、電力供給の開始に伴って状態を復帰するときには、特定報知が実行される。これにより、第2時短状態に制御された後であることを遊技場の管理者が認識し易い。この結果、遊技場の管理者に、遊技機を初期化させることを促すことができる。そして、特定報知は、1又は複数の終了条件が成立するまで好適に実行される。
【0122】
(2)電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始される状況には、遊技場の管理者などが遊技場の営業を開始するための状況に加えて、遊技場の営業中に発生した遊技機の異常を解消するための状況が考えられる。ここで、遊技場の管理者などが遊技場の営業を開始するための状況では、遊技が行われていないことが想定される。このため、特別ゲームが実行されていない特定期間において特定報知を実行することで、特定報知を好適に実行することができる。
【0123】
(3)扉開放エラーが発生している状況とは、遊技機に何らかの異常が発生している場合や、遊技機に対してゴト行為が行われていることが想定される。すなわち、遊技が行われている状況であって、遊技機が正常ではない状態であることが想定される。このような状況では、扉開放エラー報知を優先して実行することで、各報知を好適に実行することができる。
【0124】
(4)また、特定報知は、非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数にかかわらず同じ報知態様で実行される。このため、非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数にかかわらず、第2時短状態に制御された後であることを遊技場の管理者が認識し易い。
【0125】
(5)また、特定報知は、非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数にかかわらず、1又は複数の終了条件が成立するまで好適に実行される。
(6)また、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず実行可能である。このため、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず、第2時短状態に制御された後であることを遊技場の管理者が認識し易い。
【0126】
(7)また、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず、1又は複数の終了条件が成立するまで好適に実行される。
(8)また、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず、特定入球状態に制御された後であることを遊技場の管理者がより認識し易い。
【0127】
(9)特定条件の成立回数が特定回数となっても第2時短状態に制御されない状況であっても、遊技者にとって有利な第3時短状態に制御されている際には、遊技者が遊技中であることが想定される。このため、このような状況に復帰する際には、特定報知を実行しないことで、遊技者が煩わしく感じることを抑制することができる。
【0128】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態、及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0129】
・上記実施形態において、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かに応じて実行されるか否かが異なるようにしてもよい。
・上記実施形態において、特定報知は、非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数に応じて実行されるか否かが異なるようにしてもよい。
【0130】
・上記実施形態において、特定報知は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かに応じて異なる報知態様で実行されるようにしてもよい。
・上記実施形態において、特定報知は、非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数に応じて異なる報知態様で実行されるようにしてもよい。
【0131】
・上記実施形態において、特定報知の終了条件は、電力供給が遮断されるときに特別ゲームが実行中であったか否かに応じて異なるようにしてもよい。
・上記実施形態において、特定報知の終了条件は、非時短状態に制御されてから実行された特別ゲームの回数に応じて異なるようにしてもよい。
【0132】
・上記実施形態において、エラー報知には、特定報知の実行の条件と同時期に実行の条件が成立した場合に、特定報知よりも優先して実行される特別エラー報知があってもよい。また特別エラー報知は、特殊報知の実行の条件と同時期に実行の条件が成立した場合に、特殊報知よりも優先して実行されるエラーであってもよい。例えば、特別エラー報知は、所謂「満タンエラー」の発生に基づく満タンエラー報知である。
【0133】
・上記実施形態において、エラー報知には、電力供給が遮断されるまで、終了条件が成立しないエラー報知があってもよい。また、エラー報知には、第2所定時間よりも長いエラー報知時間が経過したことを契機として終了条件が成立するエラー報知があってもよい。これらのように構成される場合、特定報知のうち、特定音声による音声報知は、上記のようなエラー報知が実行されることを契機として終了するといえる。すなわち、特定報知の終了条件には、エラー報知の実行(開始)があってもよい。
【0134】
・上記実施形態において、大当り遊技の開始時に累計ゲーム回数を初期化するようにしてもよい。この場合、大当り遊技中に電力供給が遮断され、その後、電力供給の開始に伴って復帰する際、特別条件は成立しない。すなわち、大当り遊技中に電力供給が遮断され、その後、電力供給の開始に伴って復帰する際、特定報知は実行されない。
【0135】
・上記実施形態において、特定報知の終了条件は、任意に設定してもよい。例えば、特定報知の終了条件には、上述した第1終了条件、第2終了条件、及び第3終了条件に加えて、又は代えて別の終了条件を設定してもよい。例えば、別の終了条件は、特定報知が開始してから第2所定時間が経過後における特別ゲームの実行を契機として成立してもよい。また例えば、別の終了条件は、特定報知が開始してから第2所定時間が経過した後における大当り遊技の実行を契機として成立してもよい。なお、別の終了条件は、複数あってもよい。
【0136】
・上記実施形態において、第1当り抽選において時短当りとなる確率、及び第2当り抽選において時短当りとなる確率のそれぞれは、任意に設定してもよい。例えば、第2当り抽選において時短当りとなる確率は、第1当り抽選において時短当りとなる確率よりも低い、又は零であるようにしてもよい。
【0137】
・上記実施形態において、時短状態(第2時短状態)が終了してから所定期間は、特定報知の実行が制限されるようにしてもよい。例えば、時短状態が終了してから第2特別ゲームの始動保留数の保留上限数の特別ゲームが実行されるまでの期間では、特定報知の実行が制限されるようにしてもよい。このような、第3時短状態に制御され得る期間や、第3時短状態に制御される期待度が高い期間では、特定報知の実行を制限することで、好適に特定報知を実行できる。
【0138】
・また、上記所定期間は、時短状態(第2時短状態)が終了したときに保留されていた第2特別ゲームの全てが終了するまでの期間であってもよい。
・また、上記所定期間は、時短状態(第2時短状態)が終了してから予め定められた時間が経過するまでの期間であってもよい。
【0139】
・上記実施形態において、電力供給の開始に伴って復帰する際、第2特別ゲームが保留中である場合には、特定報知の実行が制限されるようにしてもよい。例えば、電力供給の開始に伴って復帰する際、第2特別ゲームが保留中である場合には、特定報知を実行しないようにしてもよい。また例えば、電力供給の開始に伴って復帰する際、第2特別ゲームが保留中である場合には、保留されていた第2特別ゲームの全てが終了するまで特定報知を実行しないようにしてもよい。
【0140】
・上記実施形態において、非時短状態(低確非時短状態)において電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されたときと、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されなかったときとで異なる演出モードに滞在可能であってもよく、同じ演出モードに滞在可能であってもよい。
【0141】
・上記実施形態において、非時短状態(低確非時短状態)において電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されたときと、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されなかったときとで異なる背景画像を表示可能であってもよく、同じ背景画像を表示可能であってもよい。
【0142】
・上記実施形態において、非時短状態(低確非時短状態)において電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されたときと、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されなかったときとで、異なる初期図柄を表示可能であってもよく、同じ初期図柄を表示可能であってもよい。ここで、初期図柄とは、電力供給が開始された際に表示される図柄組み合わせである。
【0143】
・上記実施形態において、第1時短状態と、第2時短状態とは、普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放態様が同じであってもよい。また、第1時短状態と、第3時短状態とは、普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放態様が同じであってもよい。また、第2時短状態と、第3時短状態とは、普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放態様が異なっていてもよい。
【0144】
・上記実施形態において、第1時短状態と、第2時短状態とは、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が異なっていてもよい。例えば、第1時短状態は、第2時短状態に比して普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が高くてもよい。また例えば、第2時短状態は、第1時短状態に比して普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が高くてもよい。
【0145】
・上記実施形態において、第1時短状態と、第3時短状態とは、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が異なっていてもよい。例えば、第1時短状態は、第3時短状態に比して普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が高くてもよい。また例えば、第3時短状態は、第1時短状態に比して普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が高くてもよい。
【0146】
・上記実施形態において、第2時短状態と、第3時短状態とは、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が異なっていてもよい。例えば、第2時短状態は、第3時短状態に比して普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が高くてもよい。また例えば、第3時短状態は、第2時短状態に比して普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が高くてもよい。
【0147】
・上記実施形態において、非時短状態と、第1時短状態とは、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が同じであってもよい。この場合、第1時短状態では、非時短状態に比して、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放態様として、第2始動口13に遊技球が入球し易い開放態様が選択される、又は選択され易いとよい。また例えば、非時短状態と、第2時短状態とは、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が同じであってもよい。この場合、第2時短状態では、非時短状態に比して、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放態様として、第2始動口13に遊技球が入球し易い開放態様が選択される、又は選択され易いとよい。また例えば、非時短状態と、第3時短状態とは、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率が同じであってもよい。この場合、第3時短状態では、非時短状態に比して、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選したことに基づく第2始動口13の開放態様として、第2始動口13に遊技球が入球し易い開放態様が選択される、又は選択され易いとよい。
【0148】
・上記実施形態において、特定回数は任意に変更してもよい。例えば、特定回数は、直前に付与された大当り遊技の種類に応じて異なっていてもよい。この場合、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されたときには、複数種類の特定回数のうち最大の特定回数の特別ゲームが実行されたことを契機として第2時短状態に制御されてもよい。また、電力供給が開始されたときに累計ゲーム回数が初期化されたときには、複数種類の特定回数のうち最小の特定回数の特別ゲームが実行されたことを契機として第2時短状態に制御されてもよい。
【0149】
・上記実施形態において、第1規定上限回数、第2規定上限回数、第3規定上限回数、及び第4規定上限回数は、任意に変更してもよい。例えば、第1規定上限回数は、特定回数と同じであってもよく、特定回数よりも多くてもよい。また、第2規定上限回数は、特定回数と同じであってもよく、特定回数よりも多くてもよい。また、第3規定上限回数は、特定回数よりも少なくてもよく、特定回数よりも多くてもよい。また、第4規定上限回数は、特定回数よりも少なくてもよく、特定回数と同じであってもよい。また、第4規定上限回数は、第1規定上限回数よりも少なくてもよく、第2規定上限回数よりも少なくてもよく、第3規定上限回数よりも少なくてもよい。
【0150】
・上記実施形態において、確変上限回数は、任意に変更してもよい。例えば、確変上限回数は、第1規定上限回数よりも少なくてもよく、第1規定上限回数よりも多くてもよい。また例えば、確変上限回数は、第2規定上限回数と同じであってもよく、第2規定上限回数よりも多くてもよい。また例えば、確変上限回数は、第3規定上限回数と同じであってもよく、第3規定上限回数よりも多くてもよい。また例えば、確変上限回数は、第4規定上限回数と同じであってもよく、第4規定上限回数よりも多くてもよい。また例えば、確変上限回数は、特定回数と同じであってもよく、特定回数よりも多くてもよい。
【0151】
・上記実施形態において各図柄組み合わせは任意に変更してもよい。例えば、特定大当りの図柄組み合わせと、通常大当りの図柄組み合わせの一部又は全部は同じであってもよい。
【0152】
・上記実施形態において特定条件の成立条件は任意に変更してもよい。例えば、特定条件は、単に特別ゲームが実行されたことを契機として成立してもよく、高確率状態において特別ゲームが実行されたことを契機として成立してもよい。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームのうち一方の特別ゲームが実行されたことを契機として成立する一方、他方の特別ゲームが実行された場合には成立しないようにしてもよい。また、当り抽選などの所定の抽選において所定の結果となったことを契機として成立するようにしてもよい。
【0153】
・上記実施形態において、大当り遊技の種類は任意に変更してもよい。例えば、通常大当り遊技の終了後には、時短状態に制御されないようにしてもよい。
・上記実施形態において、第2時短状態から別の入球状態に制御されるとき、累計ゲーム回数を初期化するようにしてもよい。この場合、第2時短状態に制御された後、大当り遊技が付与されなかった場合でも、再び第2時短状態に制御される状況が生じ得る。
【0154】
・上記実施形態において、特定移行条件が成立した以降は、累計ゲーム回数(特定条件の成立回数)が初期化されるまで、累計ゲーム回数(特定条件の成立回数)を計数しないようにしてもよい。
【0155】
・上記実施形態において、特定移行条件が成立した以降は、累計ゲーム回数(特定条件の成立回数)が初期化されるまでの期間において、特定移行条件が成立したことを報知してもよい。例えば、特定移行条件が成立した以降は、累計ゲーム回数(特定条件の成立回数)が初期化されるまで外部信号を出力するようにしてもよい。
【0156】
・上記実施形態において、副制御用CPU31aは、第2時短状態に制御された後であることを特定した場合、復帰する際の遊技状態にかかわらず特別条件が成立したと判定するようにしてもよい。また、副制御用CPU31aは、第2時短状態に制御された後であることを特定した場合、復帰する際の遊技状態が特定状態であるときに特別条件が成立したと判定するようにしてもよい。この場合、特定状態は、任意に選択された1又は複数の遊技状態であるとよい。
【0157】
・上記実施形態において、時短当り図柄は、複数種類あってもよい。例えば、時短当り図柄の種類に応じて異なる規定上限回数の特別ゲームの実行を上限として第3時短状態に制御されるようにしてもよい。この場合、第1時短当り図柄に基づく第3時短状態に制御されるときと、第2時短当り図柄に基づく第3時短状態に制御されるときとで、第3時短状態において電力供給が遮断され、その後、電力供給の開始に伴って状態を復帰する際に特定報知が実行されるか否かが異なっていてもよい。例えば、規定上限回数の少ない第3時短状態に復帰する場合には、特定報知の実行が許容され、規定上限回数の多い第3時短状態に復帰する場合には、特定報知の実行が制限されるようにしてもよい。また例えば、規定上限回数の少ない第3時短状態に復帰する場合には、特定報知の実行が制限され、規定上限回数の多い第3時短状態に復帰する場合には、特定報知の実行が許容されるようにしてもよい。
【0158】
・上記実施形態において、各種報知は、任意の報知装置で実行されるようにしてもよい。例えば、特定報知は、画像表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpを含む複数の報知装置のうち任意に選択された1又は複数の報知装置によって報知されるようにしてもよい。また例えば、特殊報知は、画像表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpを含む複数の報知装置のうち任意に選択された1又は複数の報知装置によって報知されるようにしてもよい。また例えば、特定エラー報知(扉開放エラー報知)は、画像表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpを含む複数の報知装置のうち任意に選択された1又は複数の報知装置によって報知されるようにしてもよい。また例えば、特別エラー報知は、画像表示装置11、装飾ランプLa、及びスピーカSpを含む複数の報知装置のうち任意に選択された1又は複数の報知装置によって報知されるようにしてもよい。
【0159】
・遊技部品は、右打ちを行ったときには第1始動口12への入球を規制するように配置されていてもよく、右打ちを行ったときには左打ちを行ったときに比べて第1始動口12へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。また、遊技部品は、左打ちを行ったときには第2始動口13、大入賞口14、及び作動ゲート18への入球を規制するように配置されていてもよく、左打ちを行ったときには右打ちを行ったときに比べて第2始動口13、大入賞口14、及び作動ゲート18へ入球し難い(入球する確率を極めて低くする)ように配置されていてもよい。
【0160】
・副制御基板31に加えて、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板、及び画像表示装置11を専門に制御する表示制御基板を設けてもよい。また、このようなサブ副制御基板とその他の演出、及び報知を制御する基板を含めて副制御基板31としてもよい。
【0161】
・また、主制御基板30の主制御用CPU30aと、副制御基板31の副制御用CPU31aとを単一の基板に搭載してもよい。また、上記の別例において、発光制御基板、音声制御基板、及び表示制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
【0162】
・パチンコ遊技機10を、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様(転落機)、あるいは予め定めた回数分の変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様(V確変機)がある。実施形態のパチンコ遊技機10は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
【0163】
・小当り遊技を付与可能に構成してもよい。すなわち、当り抽選において小当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与されるようにしてもよい。この場合、特定報知の実行中、小当り遊技が付与されるとき、当該小当り遊技の付与中にも特定報知が継続して実行されるようにしてもよい。また、小当り遊技を付与可能に構成する場合、特定報知の実行中、小当り遊技が付与される際には、特定報知が終了してもよい。なお、特定報知は、小当り遊技(オープニング)が開始されることを契機として終了してもよく、小当り遊技のラウンド遊技が開始されることを契機として終了してもよく、小当り遊技のエンディングが開始されることを契機として終了してもよい。
【0164】
・また、小当り抽選や小当り遊技を利用した状態(例えば、小当りRUSH)を生起可能に構成してもよい。例えば、小当り抽選や小当り遊技を利用した状態は、高ベース状態に比して、有利な状態であってもよい。この場合、大当りの特別ゲームが終了したとき、所定の入球口(例えば、ゲート口18a)に遊技球が入球することによって大当り遊技が開始されるようにしてもよい。
【0165】
・上記実施形態において、パチンコ遊技機10を、遊技に用いた遊技媒体を再び遊技に用いることが可能なように循環させる遊技機に具体化してもよい。この場合、パチンコ遊技機10は、遊技媒体のメンテナンス装置を備えるとともに、当該メンテナンス装置によって遊技媒体のメンテナンスを行うようにしてもよい。例えば、遊技媒体のメンテナンスには、遊技媒体の研磨などがある。メンテナンス装置を備える場合、パチンコ遊技機10は、メンテナンス装置の交換時期や、メンテナンス装置の未装着時をエラーとしてエラー報知を実行可能にしてもよい。この場合、当該エラー報知の実行の条件と、特定報知の実行の条件とが同時期に成立する場合、当該エラー報知を優先して実行するようにしてもよく、特定報知を優先して実行するようにしてもよい。また、当該エラー報知の実行の条件と、特殊報知の実行の条件とが同時期に成立する場合、当該エラー報知を優先して実行するようにしてもよく、特定報知を優先して実行するようにしてもよい。すなわち、メンテナンス装置の交換時期や、メンテナンス装置の未装着時に基づくエラー報知は、それぞれ、特定エラー報知としてもよく、特別エラー報知としてもよい。
【0166】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記特定入球状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特殊報知が実行され、前記特定入球状態において前記規定上限回数の前記特別ゲームが実行されたことを契機として前記通常入球状態に制御され、当該通常入球状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、前記特殊報知と、前記特定報知とが実行されるとよい。
【0167】
(ロ)特別エラーの発生を検知する特別エラー検知手段を備え、前記特別エラーの発生を契機として、特別エラー報知が実行され、前記特定報知の実行の条件と、前記特別エラー報知の実行の条件とが同時期に成立した場合、前記特定報知が優先して実行されるとよい。
【0168】
(ハ)前記入球状態には、前記通常入球状態に比して有利な特別入球状態があり、前記特定入球状態における前記規定上限回数目の前記特別ゲームの終了後、前記特別入球状態に制御されることがあり、前記特別入球状態において電力供給が遮断され、その後、電力供給の開始に伴って状態を復帰するときには、特定報知が実行されないとよい。
【0169】
(ニ)当り抽選において小当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される前記特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与され、前記特定報知の実行中、前記小当り遊技が付与されるとき、当該小当り遊技の付与中にも前記特定報知が継続して実行されるとよい。
【0170】
(ホ)当り抽選において小当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される前記特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与され、前記特定報知の実行中、前記小当り遊技が付与される際には、前記特定報知が終了するとよい。
【0171】
(ヘ)当り抽選において大当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与される遊技機において、遊技球が入球可能な特定始動口と、前記特定始動口に遊技球が入球可能な作動状態と、前記特定始動口に遊技球が入球不能な非作動状態と、をとり得る作動手段と、前記特定始動口に遊技球が入球したことを契機として前記当り抽選を実行する抽選手段と、前記当り抽選の結果に基づいて前記特別ゲームを実行するゲーム実行手段と、前記大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段と、入球状態を制御する入球状態制御手段と、特定条件の成立回数を計数する計数手段と、所定の報知を行う報知手段と、を備え、前記特定条件は、前記特別ゲームの実行を契機として成立可能であり、前記入球状態には、通常入球状態と、前記通常入球状態に比して有利な特定入球状態と、があり、前記特定入球状態は、前記計数手段が特定回数を計数したことを契機に、規定上限回数の前記特別ゲームの実行を上限として制御され、前記特定入球状態において前記規定上限回数の前記特別ゲームが実行されたことを契機として前記通常入球状態に制御され、前記遊技機は、当該通常入球状態において、電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときには、特定報知を実行可能であり、前記特定報知は、1又は複数の終了条件が成立したことを契機として終了し、前記特定報知は、前記通常入球状態に制御されてから実行された前記特別ゲームの回数にかかわらず同じ報知態様で実行される遊技機。
【0172】
(ト)前記特定報知の終了条件は、前記通常入球状態に制御されてから実行された前記特別ゲームの回数にかかわらず同じであるとよい。
(チ)当り抽選において大当りに当選した場合、当該当り抽選の結果が導出される特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与される遊技機において、遊技球が入球可能な特定始動口と、前記特定始動口に遊技球が入球可能な作動状態と、前記特定始動口に遊技球が入球不能な非作動状態と、をとり得る作動手段と、前記特定始動口に遊技球が入球したことを契機として前記当り抽選を実行する抽選手段と、前記当り抽選の結果に基づいて前記特別ゲームを実行するゲーム実行手段と、前記大当り遊技を付与する大当り遊技付与手段と、入球状態を制御する入球状態制御手段と、特定条件の成立回数を計数する計数手段と、所定の報知を行う報知手段と、を備え、前記特定条件は、前記特別ゲームの実行を契機として成立可能であり、前記入球状態には、通常入球状態と、前記通常入球状態に比して有利な特定入球状態と、があり、前記特定入球状態は、前記計数手段が特定回数を計数したことを契機に、規定上限回数の前記特別ゲームの実行を上限として制御され、前記特定入球状態において前記規定上限回数の前記特別ゲームが実行されたことを契機として前記通常入球状態に制御され、前記遊技機は、当該通常入球状態において、前記特別ゲームが実行されているときに電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときと、前記特別ゲームが実行されていないときに電力供給が遮断され、その後、電力供給が開始されるときと、の何れであっても特定報知を実行可能であり、前記特定報知は、1又は複数の終了条件が成立したことを契機として終了する遊技機。
【0173】
(リ)前記特定報知の終了条件は、電力供給が遮断されるときに前記特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず同じであるとよい。
(ヌ)前記特定報知は、電力供給が遮断されるときに前記特別ゲームが実行中であったか否かにかかわらず同じ報知態様で実行されるとよい。
【符号の説明】
【0174】
10…パチンコ遊技機 11…画像表示装置 12…第1始動口 13…第2始動口 14…大入賞口 18…作動ゲート 18a…ゲート口 19…打出通路 20…防止弁 21…アウト口 23a…特別図柄表示装置 23b…特別図柄表示装置 24a…保留表示装置 24b…保留表示装置 25…普通図柄表示装置 30…主制御基板 30a…主制御用CPU 30b…主制御用ROM 30c…主制御用RAM 30d…乱数生成回路 31…副制御基板 31a…副制御用CPU 31b…副制御用ROM 31c…副制御用RAM AC1,AC2…アクチュエータ C…中心線 CS…カウントセンサ Ga1…特殊画像 Ga2…特定画像 Gb1…扉開放エラー画像 GH…画像表示領域 GS…ゲートセンサ HD…発射ハンドル La…装飾ランプ SE1,SE2…始動センサ Sp…スピーカ wk…枠体 YB…遊技盤 YBa…遊技領域