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特開2022-126328情報処理装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126328
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20220823BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024345
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 達夫
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】治田 貴文
(72)【発明者】
【氏名】槇野 洋平
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA08
5E555AA22
5E555AA26
5E555BA27
5E555BB27
5E555BC01
5E555CA12
5E555CB07
5E555CB16
5E555CB45
5E555CC01
5E555DA22
5E555DA24
5E555DB53
5E555DC31
5E555DC33
5E555DC35
5E555DC36
5E555DC84
5E555DD08
5E555EA04
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、移動操作によって実行される機能に関する重要度を把握する。
【解決手段】画像形成装置10は、CPU11を備える。CPU11は、表示部16に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む移動可能領域内で操作部を移動操作に追従するように移動させ、移動操作によって操作部が開始領域から実行領域内に移動してから、移動操作が完了した場合に、予め定められた機能を実行し、ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、操作部の位置に応じて、移動操作に関する報知形態の強調の度合いが大きくなるように、移動操作に関する報知形態を変更する制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、
前記ユーザが前記操作部に対して前記移動操作を行っているときに、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記移動操作に関する報知形態の強調の度合いが大きくなるように、前記移動操作に関する報知形態を変更する制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記移動操作に関する報知形態の変更は、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更することを含み、
前記プロセッサは、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態の強調の度合いが大きくなるように、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態の強調の度合いは、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の色の変化の度合いとして表される
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ユーザが前記操作部に接触した場合に、前記予め定められた機能の種類に応じて、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する制御を行う
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記操作部が前記実行領域内に移動した場合に、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する制御を行う
請求項2~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記移動操作に関する報知形態の変更は、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更することを含み、
前記プロセッサは、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いが大きくなるように、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行う
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いは、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力強度、出力パターン、又は出力時間の変化の度合いとして表される
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記操作部が前記実行領域内に移動した場合に、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行う
請求項6又は請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記操作部を前記開始領域から前記実行領域に向かう方向と逆方向に戻す場合に、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行わない
請求項6~請求項8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、
前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、
前記ユーザが前記操作部に対して前記移動操作を行っているときに、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記移動操作に関する報知形態の強調の度合いが大きくなるように、前記移動操作に関する報知形態を変更する制御を行うことを、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、表示手段に操作画面を表示させてユーザの操作を受け付けるユーザインターフェイス制御装置が記載されている。このユーザインターフェイス制御装置は、ユーザインターフェイスに表示される操作画面の設定に基づいて当該操作画面を制御し、かつ当該操作画面の設定を変更するための入力を受け付けて当該入力に基づく設定変更が行われた場合における当該操作画面の誤操作に関する情報をユーザインターフェイスに表示させる制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-237820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチパネル方式のUI(User Interface)画面では、タッチ式のボタンを用いたスライドスタートが実装される場合がある。このスライドスタートでは、例えば、ユーザが操作部に対してドラッグ又はスライド等の操作を行うことで所定の機能が実行される。
【0005】
ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、移動操作によって実行される機能に関する重要度をユーザが把握できると、誤操作防止の観点から望ましい。しかしながら、上記スライドスタートでは、移動操作中に、移動操作によって実行される機能に関する重要度を把握することはできない。
【0006】
本開示は、ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、移動操作によって実行される機能に関する重要度を把握することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、前記ユーザが前記操作部に対して前記移動操作を行っているときに、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記移動操作に関する報知形態の強調の度合いが大きくなるように、前記移動操作に関する報知形態を変更する制御を行う。
【0008】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記移動操作に関する報知形態の変更が、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更することを含み、前記プロセッサが、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態の強調の度合いが大きくなるように、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する制御を行う。
【0009】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態の強調の度合いが、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の色の変化の度合いとして表される。
【0010】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第2態様又は第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記ユーザが前記操作部に接触した場合に、前記予め定められた機能の種類に応じて、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する制御を行う。
【0011】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第2態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記操作部が前記実行領域内に移動した場合に、前記操作部及び前記移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する制御を行う。
【0012】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様~第5態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記移動操作に関する報知形態の変更が、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更することを含み、前記プロセッサが、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いが大きくなるように、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行う。
【0013】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いが、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力強度、出力パターン、又は出力時間の変化の度合いとして表される。
【0014】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第6態様又は第7態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記操作部が前記実行領域内に移動した場合に、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行う。
【0015】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第6態様~第8態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記操作部を前記開始領域から前記実行領域に向かう方向と逆方向に戻す場合に、前記報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行わない。
【0016】
更に、上記目的を達成するために、第10態様に係る情報処理プログラムは、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部の移動可能な領域である移動可能領域であって、予め定められた機能を実行しない領域である開始領域と、前記予め定められた機能を実行する領域である実行領域とを含む前記移動可能領域内で前記操作部を前記移動操作に追従するように移動させ、前記移動操作によって前記操作部が前記開始領域から前記実行領域内に移動してから、前記移動操作が完了した場合に、前記予め定められた機能を実行し、前記ユーザが前記操作部に対して前記移動操作を行っているときに、前記予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、前記操作部の位置に応じて、前記移動操作に関する報知形態の強調の度合いが大きくなるように、前記移動操作に関する報知形態を変更する制御を行うことを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様及び第10態様によれば、ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、移動操作によって実行される機能に関する重要度を把握することができる、という効果を有する。
【0018】
第2態様によれば、操作部及び移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を固定する場合と比較して、重要度を容易に把握することができる、という効果を有する。
【0019】
第3態様によれば、操作部及び移動可能領域の少なくとも一方の色を固定する場合と比較して、重要度を容易に把握することができる、という効果を有する。
【0020】
第4態様によれば、ユーザが移動操作を行う前に重要度の高い機能を把握することができる、という効果を有する。
【0021】
第5態様によれば、操作部及び移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更することによって、ユーザが移動操作を完了させるべき位置を把握することができる、という効果を有する。
【0022】
第6態様によれば、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を固定する場合と比較して、重要度を容易に把握することができる、という効果を有する。
【0023】
第7態様によれば、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力強度、出力パターン、又は出力時間を固定する場合と比較して、重要度を容易に把握することができる、という効果を有する。
【0024】
第8態様によれば、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更することによって、ユーザが移動操作を完了させるべき位置を把握することができる、という効果を有する。
【0025】
第9態様によれば、操作部を開始領域から実行領域に向かう方向と逆方向に戻す場合に、ユーザを混乱させないようにすることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】CPUの処理によって表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図4】指示部に対して予め定められた移動可能領域の一例を示す図である。
図5】表示部に表示される指示部におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマークの位置との関係の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る移動操作の説明に供する図である。
図7】実施形態に係る重要度テーブルの一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】第1の実施形態に係る重要度と表示形態の変更との関係の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態に係る重要度、スライドマークの位置、及び表示形態の変更との関係の一例を示す図である。
図11】第2の実施形態に係る重要度と出力形態の変更との関係の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る重要度、スライドマークの位置、及び出力形態の変更との関係の一例を示す図である。
図13】第2の実施形態に係る重要度、スライドマークの位置、及び出力形態の変更との関係の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0028】
実施形態では、ディスプレイ等の表示部上に表示されたマーク等の操作部に対するユーザの手動操作(以下、ユーザ操作という。)によって、その操作部に対するユーザ操作に応じて、予め定められた機能を実行する情報処理装置の一例を説明する。
【0029】
本開示において「操作部」とは、ディスプレイ等の表示部に表示される画像を含む概念である。「移動操作」とは、ユーザ操作による指示位置が逐次移動されつつ変更されることを含む概念である。移動操作の一例には、ディスプレイ等の表示部に接触されつつ移動するユーザ操作、例えば開始点から終了点までの間でユーザによる接触操作が継続されるドラッグ、及びスライド等のユーザ操作が挙げられる。「移動操作の開始」は、ユーザによる指示の開始として、ディスプレイ等の表示部への接触開始によるユーザ操作が挙げられる。また、「移動操作の完了」は、ユーザによる指示の終了として、接触解除によるユーザ操作が挙げられる。「予め定められた機能」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)及び当該指示を示す情報を含む概念である。予め定められた機能の一例には、自己又は他のプロセッサにより実行される処理(例えば、複写、印刷、スキャン、ファクシミリ等)が挙げられる。「機能の実行」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力及び当該指示を示す情報の出力を含む概念である。
【0030】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、報知部17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を備えている。
【0032】
なお、画像形成装置10は、情報処理装置の一例である。本実施形態に係る情報処理装置は、画像形成装置10以外に、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器等、タッチパネル方式を採用したUI画面を持つ情報処理装置全般が対象とされる。
【0033】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14の各部は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、報知部17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0034】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、画像形成装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、画像形成装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0035】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0036】
情報処理プログラム15Aは、例えば、画像形成装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、画像形成装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0037】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有し、タッチパネルを介してユーザによる各種の入力操作を受け付ける。タッチパネルには、例えば、静電容量方式が採用される。タッチパネルには、静電容量方式以外の方式を採用してもよい。また、報知部17は、各種の入力操作に応じて、予め設定されている効果音、振動等を出力する。
【0038】
原稿読取部18は、画像形成装置10の上部に設けられた自動原稿送り装置(図示省略)の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部18は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0039】
画像形成部19は、原稿読取部18による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークを介して接続された外部のPC(Personal Computer)等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。なお、本実施形態においては、画像を形成する方式として、電子写真方式を例示して説明するが、インクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0040】
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、画像形成部19は、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、及び定着部を含む。帯電部は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光部は、帯電部で帯電された感光体ドラムを画像情報に応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写部は、感光体ドラムに形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着部は、記録媒体に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
【0041】
通信部20は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、外部のPC等との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0042】
本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている情報処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、図2に示す各部として機能する。
【0043】
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、表示制御部11Aとして機能する。表示制御部11Aは、追従制御部11B及び操作制御部11Cを含む。
【0045】
表示制御部11Aは、表示部16への画像の表示を制御する制御機能及び表示部16上に画像として表示された操作部の表示位置に応じて機能の実行及び機能の未実行を制御する制御機能を有する。
【0046】
追従制御部11Bは、表示部16に画像を表示する制御、及び画像として表示された操作部を、ユーザによる移動操作に追従するように表示する制御を行う。すなわち、追従制御部11Bは、表示部16上に操作部を表示させつつ、ユーザによって操作部に対する移動操作が行われると、移動操作に追従された表示部16上の位置に操作部を表示する。
【0047】
操作制御部11Cは、ユーザによる移動操作に追従するように表示された操作部について、移動操作が完了すると、当該操作部の位置に対応して、機能の実行又は機能の未実行を制御する。機能の未実行とは、機能を実行するまでに至ることがない移動操作により、機能の実行が開始されない状態(例えば初期状態)を維持する制御である。また、機能の実行の制御は、予め定められた機能を実行する制御を含む。
【0048】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11による機能の実行について説明する。以後の説明では、CPU11による機能の実行として、原稿の複写の実行を一例として説明する。機能の実行は、原稿の複写の実行に限定されるものではなく、画像形成装置10において実行される他の処理であってもよい。
【0049】
図3は、CPU11の処理によって表示部16に表示される画面30の一例を示す図である。
【0050】
図3では、CPU11によって実行される原稿関連機能のうちの画像複写機能における複写条件を一例として、原稿の複写時における色に関する設定を行う設定画面の一例が示されている。また、以後の説明では、ユーザが画面を目視した状態における画面の水平方向の右方向をX方向、上下方向の上方向をY方向と称する。
【0051】
画面30の例では、原稿を複写するときの色に関する複写条件の設定を指示するための選択指示ボタン30Aが表示されている。複写条件は、複写対象(例えば原稿)を複写する場合に設定可能な画像形成装置10が有する機能の設定であり、その機能はパラメータとして設定される。図3に示す例では、「自動」、「フル」、「2色」、「単色」、及び「その他」の何れかの色に関する設定を指示するための選択指示ボタンが表示されている。選択指示ボタンの「自動」ボタンは原稿の色を自動的に検出して原稿に沿った色により複写することを選択指示するためのボタンである。「フル」ボタンは、原稿を画像形成装置10が有する多色により複写することを選択指示するためのボタンである。「2色」ボタンは、予め定められた2色により複写することを選択指示するためのボタンである。「単色」ボタンは、予め定めた単色により複写することを選択指示するためのボタンである。「その他」ボタンはその他の色の設定により複写することを選択指示するためのボタンである。複写条件のパラメータは、公知の技術のため、説明を省略する。
【0052】
なお、図3では、複写条件の設定を指示した状態として、ユーザ操作によって「フル」ボタンが押下されたときに、「フル」ボタンが反転表示された画面を示している。
【0053】
また、図3に示す画面30には、複写条件が指示されたときに、複写の実行を指示するための指示部31に画像が表示される。指示部31は、複写の実行を指示するための移動可能な画像を示すスライドマーク32、及び複写条件のうち部数を表示する表示領域33を含む。なお、指示部31は、ここでの図示は省略するが、操作方法の説明を表示するメッセージ領域を含むようにしてもよい。メッセージ領域には、例えば、スライドマーク32を移動(すなわちスライド)させることで複写が実行(すなわち開始)されることを示す「スライドしてスタート」のメッセージが表示される。また、スライドマーク32は、X方向(及び逆方向)に移動された位置にも表示可能になっている。スライドマーク32は、操作部の一例である。
【0054】
図3の例において、スライドマーク32は、ユーザUの指で接触されると色が変化し、ドラッグ又はスライド等の移動操作が可能となる。表示領域33には、例えば、部数、送信件数等のように、画像形成装置10の機能(例えば、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等)に依存した情報が表示される。
【0055】
図4は、指示部31に対して予め定められた移動可能領域34の一例を示す図である。
【0056】
指示部31は、スライドマーク32の移動可能な領域である移動可能領域34を含む。移動可能領域34は、移動可能に表示されたスライドマーク32の位置に応じて複写の未実行及び複写の実行を判定するための領域の一例である。移動可能領域34は、開始領域35及び実行領域36を含む。開始領域35は、予め定められた機能を実行しない領域であり、実行領域36は、予め定められた機能を実行する領域である。ここでいう予め定められた機能とは、例えば、上述の画像複写機能である。
【0057】
具体的に、実行領域36は、移動操作が完了したときのスライドマーク32が当該領域内に存在するときに複写の実行を行うことを特定するための領域である。また、開始領域35は、移動操作が完了したときのスライドマーク32が当該領域内に存在するときに複写の実行を行わないこと(未実行)を特定するための領域である。
【0058】
図5は、表示部16に表示される指示部31におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマーク32の位置との関係の一例を示す模式図である。
【0059】
ユーザUは、表示部16の指示部31に表示されているスライドマーク32にユーザUの指を接触させ、スライドマーク32にユーザUの指を接触させつつ複写の実行を指示する。スライドマーク32は、開始領域35及び実行領域36のY方向の中心位置を結ぶ線CL上を、開始領域35及び実行領域36のX方向の範囲内で移動する。より具体的には、スライドマーク32は、始点である初期位置Psと、終点である実行位置Peとが予め定められており、初期位置Psと実行位置Peとの間に表示可能とされる。
【0060】
すなわち、ユーザUの指の動きは、X方向及びY方向の2次元的な動きとされる。つまり、ユーザUの指は、斜め方向に動く場合もある。一方、スライドマーク32の動きは、ユーザUによる移動操作に応じて移動可能領域34内のみを移動し、移動方向はX方向(又は逆方向)に限定される。スライドマーク32の動きは、1次元的な動きとされる。ユーザUによる移動操作の軌跡が指示部31の外側に到達した場合、スライドマーク32は移動可能領域34の内側でユーザUによる移動操作に追従して移動する。つまり、ユーザUの指の位置とスライドマーク32の位置とは、射影の関係にある。
【0061】
なお、例えば、スライドマーク32のX方向における中心が開始領域35の側に位置すれば、開始領域35に位置すると判定され、スライドマーク32のX方向における中心が実行領域36の側に位置すれば、実行領域36に位置すると判定される。なお、開始領域35と実行領域36との境界は、ユーザにより適宜設定可能とする。
【0062】
また、図3図5の例では、指示部31を横向きに配置しているが、配置方向はこれに限定されない。指示部31は、例えば、縦向きに配置してもよい。この場合、スライドマーク32の移動方向はY方向(又は逆方向)に限定される。
【0063】
図2に戻り、追従制御部11Bは、一例として、上述の図3に示す画面30において、ユーザUの指で接触された操作位置(例えば、座標)を検出する。なお、ユーザUの指に代えて、スタイラスペン等を用いてもよい。ここでいう移動操作とは、上述したように、例えば、ドラッグ又はスライド等の操作である。この移動操作によって連続的に検出される複数の位置によって移動操作の軌跡が導出される。また、追従制御部11Bは、ユーザUの指によるスライドマーク32の接触を検出した場合に、ユーザUの指による移動操作に追従させるスライドマーク32の位置を導出する。具体的に、追従制御部11Bは、スライドマーク32に対して、ユーザUの指による移動操作が行われると、移動可能領域34内でスライドマーク32を移動操作に追従するように移動させる。
【0064】
操作制御部11Cは、ユーザUの指による操作位置及びスライドマーク32の位置に基づいて、予め定められた機能(以下、一例として「画像複写機能」という。)の制御を行う。具体的に、操作制御部11Cは、ユーザUの指による移動操作によってスライドマーク32が開始領域35から実行領域36に移動してから、移動操作が完了した場合に、画像複写機能を実行する。
【0065】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る移動操作について具体的に説明する。
【0066】
図6は、本実施形態に係る移動操作の説明に供する図である。
【0067】
(S1)では、CPU11が、ユーザUの指によりスライドマーク32が接触されると、その位置を検出し、スライドマーク32の色を機能の実行予約を表す色に変更する。そして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク32を矢印方向(X方向)に移動させる。なお、初期状態において、スライドマーク32は、開始領域35の開始端(ここでは左端)に位置している。また、スライドマーク32が開始端から離れ、かつ、開始領域35に位置する状態で、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定し、スライドマーク32を開始端に戻し、つまり、開始端に吸着させ、画像複写機能は実行しない。
【0068】
(S2)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク32をX方向に移動させると、スライドマーク32が開始領域35を超えて実行領域36内に到達したことを検出する。このとき、スライドマーク32が通過する部分のテキスト(例えば、999部)を非表示にする。
【0069】
(S3)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク32をX方向に移動させると、スライドマーク32が実行領域36の終了端(ここでは右端)に到達したことを検出する。ここで、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定する。なお、スライドマーク32が実行領域36内に位置し、かつ、終了端に到達していない状態で、ユーザUの指が離れると、上記と同様に、移動操作の完了と判定し、スライドマーク32を終了端に移動させる、つまり、終了端に吸着させる。但し、スライドマーク32が終了端に到達した状態で、ユーザUの指が離れた場合にのみ、移動操作の完了と判定してもよい。
【0070】
(S4)では、CPU11が、画像複写機能を実行し、実行領域36の終了端に移動したスライドマーク32の色を当該機能の実行を表す色に変更する。なお、画像複写機能の実行は、実行領域36の終了端にスライドマーク32が移動した時点で開始される。
【0071】
図6に示すように、指示部31では、ユーザUがスライドマーク32に対して移動操作を行い、スライドマーク32が開始領域35を超えて実行領域36内まで移動してから、移動操作が完了した場合に、一例として、画像複写機能が実行される。
【0072】
ところで、ユーザが操作部に対して操作を行う場合に、誤操作防止の観点から、操作によって実行される機能に関する重要度をユーザが把握できることが望ましい。
【0073】
このため、本実施形態に係る画像形成装置10は、上述の図2に示す操作制御部11Cを備えている。
【0074】
操作制御部11Cは、ユーザがスライドマーク32に対して移動操作を行っているときに、予め定められた機能(例えば、画像複写機能)の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、スライドマーク32の位置に応じて、移動操作に関する報知形態の強調の度合いが大きくなるように、移動操作に関する報知形態を変更する制御を行う。本実施形態に係る報知形態の変更は、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の表示形態を変更することを含む。この場合、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の表示形態の強調の度合いは、一例として、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色の変化の度合いとして表される。つまり、本実施形態に係る操作制御部11Cは、重要度が相対的に高いほど、スライドマーク32の位置に応じて、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色の変化の度合いが大きくなるように、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色を変更する制御を行う。
【0075】
図7は、本実施形態に係る重要度テーブル15Bの一例を示す図である。
【0076】
図7に示す重要度テーブル15Bは、例えば、記憶部15に記憶されている。ここでいう「重要度」とは、機能の実行条件によって定まるレベルを表している。実行条件とは、例えば、機能の種類、機能毎の設定項目の設定値等のように、機能を実行する際に指定される各種の条件を表している。実行条件には、一例として、図7に示すように、部数、ページ数、機能の種類、印刷物の印字密度(トナー量)、画質、紙質、宛先のセキュリティ性、及びカラーモード等が含まれる。
【0077】
重要度は、一例として、図7に示すように、部数が多い場合に相対的に高く、部数が少ない場合に相対的に低くなる。なお、部数の多い/少ないは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。また、重要度は、ページ数が多い場合に相対的に高く、ページ数が少ない場合に相対的に低くなる。なお、ページ数の多い/少ないは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。
【0078】
また、重要度は、機能の種類がFAX(ファクシミリ)又はScan To Email(スキャンして電子メールで送信)である場合に相対的に高く、コピー/プリント又はScan(スキャン)である場合に相対的に低くなる。また、重要度は、印刷物の印字密度が高い(トナー量が多い)場合に相対的に高く、印刷物の印字密度が低い場合に相対的に低くなる。なお、印刷物の印字密度の高い/低いは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。また、重要度は、画質が高い場合に相対的に高く、画質がトナー節約モード等のように低い場合に相対的に低くなる。画質の指標には、例えば、dpi(dot per inch)で表される解像度が用いられる。なお、画質の高い/低いは、例えば、予め設定された閾値を用いて判定される。
【0079】
また、重要度は、紙質がOHPシート、ラベル用紙、又はコート紙である場合に相対的に高く、紙質が普通紙又は再生紙である場合に相対的に低くなる。また、重要度は、宛先に高いセキュリティ性が要求される場合に相対的に高く、宛先に高いセキュリティ性が要求されない場合に相対的に低くなる。例えば、宛先が高い秘匿性が要求される取引先(つまり、秘匿性の高い案件を扱う取引先)である場合に重要度は高くなり、宛先が社内である場合に重要度は低くなる。また、重要度は、カラーモードがカラーである場合に相対的に高く、カラーモードがモノクロである場合に相対的に低くなる。
【0080】
重要度は、「高」又は「低」の2つの段階(2値)で表してもよいし、3つ以上の段階で表してもよい。例えば、部数の上限を999部とした場合、部数が1以上500未満の場合に重要度を「低」とし、部数が500以上999以下の場合に重要度を「高」とする。あるいは、部数が1以上99未満の場合に重要度を「低」とし、部数が99以上500未満の場合に重要度を「中」とし、部数が500以上999以下の場合に重要度を「高」としてもよい。なお、重要度の設定基準、閾値、組み合わせ等はユーザによって適宜設定することが可能とされる。
【0081】
次に、図8を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。
【0082】
図8は、第1の実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、画像形成装置10に対して、一例として、上述の図3に示す画面30の表示の実行が指示されると、情報処理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0084】
図8のステップS101では、CPU11が、一例として、上述の図3に示す画面30を介して、ユーザUによって指定される実行条件(例えば、カラーモード)を取得する。なお、取得される実行条件は、カラーモードに限定されるものではなく、上述したように、例えば、部数、ページ数、又は画質等でもよい。
【0085】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で取得した実行条件に基づいて、一例として、上述の図7に示す重要度テーブル15Bを参照し、当該実行条件によって定まる重要度を取得する。
【0086】
ステップS103では、CPU11が、ステップS102で取得した重要度が「高」、「中」、又は「低」のいずれであるかを判定する。重要度が「高」であると判定した場合(「高」の場合)、ステップS104に移行し、重要度が「中」であると判定した場合(「中」の場合)、ステップS105に移行し、重要度が「低」である場合(「低」の場合)、ステップS106に移行する。なお、この例では、重要度を「高」、「中」、「低」の3段階としているが、「高」、「低」の2段階でもよいし、4段階以上にしてもよい。
【0087】
ステップS104では、CPU11が、重要度「高」に対応する、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の表示形態(例えば、色)を変更する制御を行う。
【0088】
ステップS105では、CPU11が、重要度「中」に対応する、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の表示形態(例えば、色)を変更する制御を行う。
【0089】
ステップS106では、CPU11が、重要度「低」に対応する、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の表示形態(例えば、色)を変更する制御を行う。
【0090】
ステップS107では、CPU11が、一例として、上述の図3に示す画面30において、ユーザUの指によって接触された操作位置を検出する。
【0091】
ステップS108では、CPU11が、ステップS107で検出した操作位置が開始領域35内にあるか否かを判定する。操作位置が開始領域35内にあると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS109に移行し、操作位置が開始領域35内にないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS107に戻り待機となる。
【0092】
ステップS109では、CPU11が、ユーザUの指による操作位置を検出しながら、操作位置に追従させるスライドマーク32の位置を導出し、導出結果を表示、記憶する。
【0093】
ステップS110では、CPU11が、重要度が相対的に高いほど、スライドマーク32の位置に応じて、表示形態の強調の度合い(例えば、色の変化の度合い)が大きくなるように、表示形態を変更する制御を行う。具体的には、重要度「高」の場合に、スライドマーク32を少し移動させただけで、色調(例えば、濃淡、明暗、強弱等)を大きく変化させるようにする。例えば、ピンクから真赤に変化させる。一方、重要度「低」の場合に、スライドマーク32を大きく移動させても、ほとんど色調を変化させない、あるいは、全く色調を変化させないようにする。なお、ステップS110における、重要度、スライドマーク32の位置、及び表示形態(例えば、色)の変更との関係の具体例については後述する。
【0094】
ステップS111では、CPU11が、ユーザUによる移動操作が完了したか否かを判定する。移動操作の完了の判定は、ユーザUの指がスライドマーク32から離れたこと(ユーザUの指とスライドマーク32との追従関係が解除されることを含む。)をもって完了と判定する。移動操作が完了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS112に移行し、移動操作が完了しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS111で待機となる。
【0095】
ステップS112では、CPU11が、ステップS111でユーザUによる移動操作が完了したときのスライドマーク32の位置が実行領域36内に到達したか否かを判定する。スライドマーク32の位置が実行領域36内に到達したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS113に移行し、スライドマーク32の位置が実行領域36内に到達していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS114に移行する。
【0096】
ステップS113では、CPU11が、予め定められた機能の一例として、画像複写機能を実行し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0097】
ステップS114では、CPU11が、予め定められた機能の一例として、画像複写機能を実行することなく、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0098】
次に、図9及び図10を参照して、重要度、スライドマーク32の位置、及び表示形態の変更との関係について具体的に説明する。
【0099】
図9は、第1の実施形態に係る重要度と表示形態の変更との関係の一例を示す図である。なお、図9の例では、スライドマーク32は開始端に位置している。
【0100】
図9に示すように、CPU11は、重要度が相対的に高いほど、移動可能領域34の色を、より目立つ色に変更する制御を行う。例えば、重要度「高」の場合に、移動可能領域34の色を「赤色」に変更し、重要度「中」の場合に、移動可能領域34の色を「茶色」に変更し、重要度「低」の場合に、移動可能領域34の色を「肌色」に変更する。図9の例では、色の違いをハッチングの違いで表している。なお、移動可能領域34の色だけを変更することに限定されるものではない。スライドマーク32の色だけを変更してもよいし、移動可能領域34の色及びスライドマーク32の色の両方を変更してもよい。また、表示形態の変更は、色の変更に限定されるものではない。例えば、重要度が高いほど、文字(例えば、1部、99部、999部)の太さを太くしてもよいし、文字(例えば、1部、99部、999部)のサイズを大きくしてもよい。
【0101】
図10は、第1の実施形態に係る重要度、スライドマーク32の位置、及び表示形態の変更との関係の一例を示す図である。
【0102】
図10に示すように、CPU11は、重要度が相対的に高いほど、スライドマーク32の位置に応じて、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色の変化の度合いが大きくなるように、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色を変更する制御を行う。具体的には、重要度「高」の場合に、スライドマーク32を少し移動させただけで、色調(例えば、濃淡、明暗、強弱等)を大きく変化させるようにする。例えば、ピンクから真赤に変化させる。また、重要度「中」の場合に、スライドマーク32を中央付近まで移動させたときに、ある程度色調を変化させ、更に、スライドマーク32を終了端付近まで移動させたときに、更に色調を変化させるようにする。例えば、薄い茶色、茶色、濃い茶色の順に変化させる。また、重要度「低」の場合に、スライドマーク32を大きく移動させても、ほとんど色調を変化させない、あるいは、全く色調を変化させないようにする。なお、重要度「高」、重要度「中」、及び重要度「低」の各々についての移動可能領域34の初期状態(スライドマーク32が左端にある状態)の色は、上述の図9に示すように異なっていてもよいし、同じ色であってもよい。
【0103】
ここで、CPU11は、ユーザUの指がスライドマーク32に接触した場合に、予め定められた機能の種類に応じて、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色を変更する制御を行うようにしてもよい。具体的には、実行する機能の種類が、一例として、上述の図7に示すように、「FAX」、「Scan To Email」等の重要度が相対的に高い機能である場合に、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色を変更することが望ましい。これにより、スライドマーク32を移動させなくても当該機能が重要であることをユーザに知らせることが可能とされる。
【0104】
また、CPU11は、スライドマーク32が実行領域36内に移動した場合に、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色を変更する制御を行うようにしてもよい。つまり、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色が変更された時点で、ユーザがスライドマーク32に対する移動操作を完了させる(ユーザが指を離す)と、対応する機能が実行される。スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の色の変更によって、スライドマーク32に対する移動操作を完了させる(指を離す)位置が把握される。
【0105】
このように本実施形態によれば、ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、移動操作によって実行される機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、操作部の位置に応じて、操作部及び移動可能領域の少なくとも一方の表示形態の強調の度合いが大きくなるように、表示形態が変更される。このため、ユーザは移動操作中に実行する機能が重要であることを把握することが可能とされる。
【0106】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、移動操作に関する報知形態の変更の一例として、操作部及び移動可能領域の少なくとも一方の表示形態を変更する形態について説明した。第2の実施形態では、移動操作に関する報知形態の変更の他の例として、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する形態について説明する。
【0107】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の図1及び図2に示した画像形成装置10が有する構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0108】
本実施形態に係る報知形態の変更は、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更することを含む。この場合、CPU11は、操作制御部11Cとして、予め定められた機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、スライドマーク32の位置に応じて、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いが大きくなるように、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力形態を変更する制御を行う。
【0109】
報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いは、例えば、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力強度、出力パターン、又は出力時間の変化の度合いとして表される。なお、出力強度は、大きさを含む概念である。
【0110】
次に、図11図13を参照して、重要度、スライドマーク32の位置、及び出力形態の変更との関係について具体的に説明する。
【0111】
図11は、第2の実施形態に係る重要度と出力形態の変更との関係の一例を示す図である。なお、図11の例では、スライドマーク32は開始端に位置している。
【0112】
図11に示すように、CPU11は、重要度が相対的に高いほど、報知部17から出力される音を、より大きな音(出力強度の大きい音)に変更する制御を行う。例えば、重要度「高」の場合に、報知部17から出力される音を「ビー!」に変更し、重要度「中」の場合に、報知部17から出力される音を「ピコン!」に変更し、重要度「低」の場合に、報知部17から出力される音を「ピッ!」に変更する。なお、出力強度の変更に限定されるものではなく、重要度が相対的に高いほど、報知部17から出力される音の出力パターン、出力時間を、より強調の度合いが大きくなるように変更するようにしてもよい。出力パターンの場合、例えば、より複雑なパターンとしてもよく、出力時間の場合、例えば、より長い時間としてもよい。
【0113】
また、図11に示すように、CPU11は、重要度が相対的に高いほど、報知部17から出力される振動を、より大きな振動(出力強度の大きい振動)に変更する制御を行う。例えば、重要度「高」の場合に、報知部17から出力される振動を「ブルルルッ!」に変更し、重要度「中」の場合に、報知部17から出力される振動を「ブルルッ!」に変更し、重要度「低」の場合に、報知部17から出力される振動を「ブルッ!」に変更する。なお、上記の音の場合と同様に、出力強度の変更に限定されるものではなく、重要度が相対的に高いほど、報知部17から出力される振動の出力パターン、出力時間を、より強調の度合いが大きくなるように変更するようにしてもよい。出力パターンの場合、例えば、より複雑なパターンとしてもよく、出力時間の場合、例えば、より長い時間としてもよい。なお、音及び振動の両方を変更するようにしてもよい。
【0114】
図12は、第2の実施形態に係る重要度、スライドマーク32の位置、及び出力形態の変更との関係の一例を示す図である。
【0115】
図12に示すように、CPU11は、重要度が相対的に高いほど、一例として、グラフ40に示すように、スライドマーク32の位置に応じて、報知部17による音の出力強度の変化の度合いが大きくなるように、報知部17による音の出力形態を変更する制御を行う。具体的には、重要度「高」の場合に、スライドマーク32を少し移動させただけで、音を大きく変化させるようにする。例えば、「ピコン!」から「ビー!」に変化させる。また、重要度「中」の場合に、スライドマーク32を中央付近まで移動させたときに、ある程度音の出力強度を変化させ、更に、スライドマーク32を終了端付近まで移動させたときに、更に音の出力強度を変化させるようにする。例えば、「ピコン!」、「ピコン、ピコン!」、「ビー!」の順に変化させる。また、重要度「低」の場合に、スライドマーク32を大きく移動させても、ほとんど音の大きさを変化させない、あるいは、全く音の大きさを変化させないようにする。
【0116】
図13は、第2の実施形態に係る重要度、スライドマーク32の位置、及び出力形態の変更との関係の別の例を示す図である。
【0117】
図13に示すように、CPU11は、重要度が相対的に高いほど、一例として、グラフ41に示すように、スライドマーク32の位置に応じて、報知部17による振動の出力強度の変化の度合いが大きくなるように、報知部17による振動の出力形態を変更する制御を行う。具体的には、重要度「高」の場合に、スライドマーク32を少し移動させただけで、振動を大きく変化させるようにする。例えば、「ブルルッ!」から「ブルルルルッ!」に変化させる。また、重要度「中」の場合に、スライドマーク32を中央付近まで移動させたときに、ある程度振動の出力強度を変化させ、更に、スライドマーク32を終了端付近まで移動させたときに、更に振動の出力強度を変化させるようにする。例えば、「ピブルルッ!」、「ブルルルッ!」、「ブルルルルッ!」の順に変化させる。また、重要度「低」の場合に、スライドマーク32を大きく移動させても、ほとんど振動の大きさを変化させない、あるいは、全く振動の大きさを変化させないようにする。
【0118】
ここで、CPU11は、スライドマーク32が実行領域36内に移動した場合に、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力強度を変更する制御を行うようにしてもよい。つまり、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力強度が変更された時点で、ユーザがスライドマーク32に対する移動操作を完了させる(ユーザが指を離す)と、対応する機能が実行される。報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力強度の変更によって、スライドマーク32に対する移動操作を完了させる(指を離す)位置が把握される。
【0119】
また、CPU11は、スライドマーク32を開始領域35から実行領域36に向かう方向と逆方向に戻す場合に、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力強度を変更する制御を行わないようにしてもよい。これにより、音及び振動の少なくとも一方の出力強度の変更によってユーザが混乱することがなくなる。
【0120】
なお、上述の第1の実施形態における、スライドマーク32及び移動可能領域34の少なくとも一方の表示形態の変更と、第2の実施形態における、報知部17による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の変更とを組み合わせて実行してもよい。
【0121】
このように本実施形態によれば、ユーザが操作部に対して移動操作を行っているときに、移動操作によって実行される機能の実行条件によって定まる重要度が相対的に高いほど、操作部の位置に応じて、報知部による音及び振動の少なくとも一方の出力形態の強調の度合いが大きくなるように、出力形態が変更される。このため、ユーザは移動操作中に実行する機能が重要であることを把握することが可能とされる。
【0122】
なお、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0123】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0124】
以上、実施形態に係る情報処理装置の一例として画像形成装置を例示して説明した。実施形態は、画像形成装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0125】
その他、上記実施形態で説明した画像形成装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0126】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置
11 CPU
11A 表示制御部
11B 追従制御部
11C 操作制御部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 情報処理プログラム
15B 重要度テーブル
16 表示部
17 報知部
18 原稿読取部
19 画像形成部
20 通信部
30 画面
30A 選択指示ボタン
31 指示部
32 スライドマーク
33 表示領域
34 移動可能領域
35 開始領域
36 実行領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13