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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126594
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】データ伝送装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20220823BHJP
   B60W 50/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
G08C15/00 E
B60W50/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016930
(22)【出願日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】202110186744.7
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 瑜
(72)【発明者】
【氏名】▲かく▼ 佳男
【テーマコード(参考)】
2F073
3D241
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA03
2F073AB01
2F073BB01
2F073BB04
2F073BB07
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073DD07
2F073EE11
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
3D241BA63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】センサとコンピューティングシステムとの間の安定したデータ伝送を確保するために、センサとコンピューティングシステムとの間にデータを伝送するためのデータ伝送装置及びシステムを提供する。
【解決手段】データ伝送装置210は、第1伝送ユニット232と第2伝送ユニット234を含む。第1伝送ユニット232は、複数のセンサインタフェースを含むとともに、複数のセンサインタフェースを介して複数のセンサから前記センサデータを受信するように構成され、第2伝送ユニット234は、コンピューティングシステムインタフェース229を含むとともに、第1伝送ユニット232からセンサデータを受信し、コンピューティングシステムインタフェース229を介してセンサデータをコンピューティングシステム150に送信するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセンサインタフェースを含むとともに、前記複数のセンサインタフェースを介して複数のセンサからセンサデータを受信するように構成される第1伝送ユニットと、
コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第1伝送ユニットから前記センサデータを受信し、前記コンピューティングシステムインタフェースを介して前記センサデータをコンピューティングシステムに送信するように構成される第2伝送ユニットと、を含む、
ことを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】
前記複数のセンサインタフェースは、複数の異なるプロトコルによって前記複数のセンサに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
前記第2伝送ユニットは、チップツーチップインタフェースを介して前記第1伝送ユニットから前記センサデータを受信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ伝送装置。
【請求項4】
前記センサデータは、センサ状態データとセンサ感知データを含み、
前記第1伝送ユニットは、前記センサ感知データに対して第1処理を行うように構成される第1処理モジュールをさらに含み、
前記第2伝送ユニットは、前記センサ感知データに対して前記第1処理と異なる第2処理を行うように構成される第2処理モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のデータ伝送装置。
【請求項5】
前記第1伝送ユニットは、前記センサ状態データを分析するように構成される第1分析モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ伝送装置。
【請求項6】
前記第1伝送ユニットは、前記第1処理モジュールを含むPL部分と、前記第1分析モジュールを含むPS部分とを備えるSOCである、
ことを特徴とする請求項5に記載のデータ伝送装置。
【請求項7】
前記第2伝送ユニットは、前記センサ状態データを分析するように構成される第2分析モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のデータ伝送装置。
【請求項8】
前記第2伝送ユニットは、前記第2処理モジュールを含むPL部分と、第2分析モジュールを含むPS部分とを備えるSOCである、
ことを特徴とする請求項7に記載のデータ伝送装置。
【請求項9】
前記第1伝送ユニットと前記第2伝送ユニットにそれぞれ給電するように構成される第1電源と、
前記第1伝送ユニット、前記第2伝送ユニット及び前記第1電源のうちの少なくとも1つを監視するように構成される監視装置と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載のデータ伝送装置。
【請求項10】
第1セットのセンサインタフェースと第1コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第1セットのセンサインタフェースを介して第1セットのセンサから第1センサデータを受信し、前記第1コンピューティングシステムインタフェースを介して前記第1センサデータを第1コンピューティング装置に送信するように構成される第1データ伝送装置と、
第2セットのセンサインタフェースと第2コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第2セットのセンサインタフェースを介して第2セットのセンサから第2センサデータを受信し、前記第2コンピューティングシステムインタフェースを介して前記第2センサデータを第2コンピューティング装置に送信するように構成される第2データ伝送装置と、を含み、
前記第1データ伝送装置はさらに、前記第2データ伝送装置を介して前記第1センサデータを前記第2コンピューティング装置に送信するように構成され、
前記第2データ伝送装置はさらに、前記第1データ伝送装置を介して前記第2センサデータを前記第1コンピューティング装置に送信するように構成される、
ことを特徴とするデータ伝送システム。
【請求項11】
前記第1データ伝送装置は、
前記第1セットのセンサインタフェースを含むとともに、前記第1セットのセンサインタフェースを介して前記第1セットのセンサから前記第1センサデータを受信するように構成される第1伝送ユニットと、
前記第1コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第1伝送ユニットから前記第1センサデータを受信し、前記第1コンピューティングシステムインタフェースを介して前記第1センサデータを前記第1コンピューティング装置に送信するように構成される第2伝送ユニットと、を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のデータ伝送システム。
【請求項12】
前記第1センサデータは、センサ状態データとセンサ感知データを含み、
前記第1伝送ユニットは、前記センサ感知データに対して第1処理を行うように構成される第1処理モジュールをさらに含み、
前記第2伝送ユニットは、前記センサ感知データに対して前記第1処理と異なる第2処理を行うように構成される第2処理モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のデータ伝送システム。
【請求項13】
前記第1伝送ユニットは、前記センサ状態データを分析するように構成される第1分析モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項12に記載のデータ伝送システム。
【請求項14】
前記第1伝送ユニットは、前記第1処理モジュールを含むPL部分と、前記第1分析モジュールを含むPS部分とを備えるSOCである、
ことを特徴とする請求項13に記載のデータ伝送システム。
【請求項15】
前記第2伝送ユニットは、前記センサ状態データを分析するように構成される第2分析モジュールをさらに含み、また前記第2伝送ユニットは、前記第2処理モジュールを含むPL部分と、前記第2分析モジュールを含むPS部分とを備えるSOCである、
ことを特徴とする請求項12~14の何れか1項に記載のデータ伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動運転技術に関し、特に、センサとコンピューティングシステムとの間にデータを伝送するデータ伝送装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転技術の発展に伴って、自動運転車両は物流・貨物運送、乗客輸送などの分野で利用されている。自動運転車両は走行する時、一般的に、レーダやカメラなどの内蔵センサによって外部の道路情報を感知する。それから、自動運転サーバなどにより演算を行うことで、自動運転車両の走行の決定と計画を完成し、最後に、対応する決定と計画に従って走行するように自動運転車両が制御される。自動運転車両の安全を保証するために、センサとサーバとの間の安定したデータ伝送を確保する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、センサとコンピューティングシステムとの間の安定したデータ伝送を確保するために、センサとコンピューティングシステムとの間にデータを伝送するためのデータ伝送装置及びデータ伝送システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は一態様において、センサとコンピューティングシステムとの間にデータを伝送するためのデータ伝送装置であって、
複数のセンサインタフェースを含むとともに、前記複数のセンサインタフェースを介して複数のセンサからセンサデータを受信するように構成される第1伝送ユニットと、
コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第1伝送ユニットから前記センサデータを受信し、コンピューティングシステムインタフェースを介して前記センサデータをコンピューティングシステムに送信するように構成される第2伝送ユニットと、を含む、データ伝送装置を提供する。
【0005】
本開示は別の態様において、少なくとも第1セットのセンサと第2セットのセンサを含むセンサと、第1コンピューティング装置と第2コンピューティング装置を含むコンピューティングシステムとの間にデータを伝送するためのデータ伝送システムであって、
第1セットのセンサインタフェースと第1コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第1セットのセンサインタフェースを介して前記第1セットのセンサから第1センサデータを受信し、第1コンピューティングシステムインタフェースを介して前記第1センサデータを前記第1コンピューティング装置に送信するように構成される第1データ伝送装置と、
第2セットのセンサインタフェースと第2コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第2セットのセンサインタフェースを介して前記第2セットのセンサから第2センサデータを受信し、第2コンピューティングシステムインタフェースを介して前記第2センサデータを前記第2コンピューティング装置に送信するように構成される第2データ伝送装置と、を含み、
前記第1データ伝送装置はさらに、前記第2データ伝送装置により前記第1センサデータを前記第2コンピューティング装置に送信するように構成され、前記第2データ伝送装置はさらに、前記第1データ伝送装置により前記第2センサデータを前記第1コンピューティング装置に送信するように構成される、データ伝送システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本願の実施例によれば、センサデータを受信するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、センサインタフェース)及びセンサデータを出力するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、コンピューティングシステムインタフェース)は、異なるユニットにそれぞれ形成されているため、伝送装置の複雑さを低減し、故障を減少させることができ、伝送装置に故障が発生された場合、故障の原因を特定することに役立つ。
【0007】
図面は、例示的に実施例を示して明細書の一部を構成しており、明細書のテキスト記述とともに実施例の例示的な実施形態を説明する。無論、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な工夫せずに、これらの図面を元に他の図面を得ることもできる。全ての図面において、同じ図面符号は類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書により開示された様々な技術を実現可能な車両の模式図である。
図2】本開示の例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。
図3】本開示の別の例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。
図4】本開示の更なる例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。
図5】本開示のまた更なる例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下、図面に合わせて本発明をさらに詳しく説明するが、無論、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な工夫せずに得た他の実施例の全ては、本発明の請求の範囲に属する。
【0010】
本開示において、「複数」という用語は、特に説明がない限り、2以上を指す。本開示において、「及び/又は」という用語は、関連付けたオブジェクトの関連関係を説明し、挙げられたオブジェクトの何れか1つ及び全ての可能な組み合わせをカバーする。「/」という文字は、一般的に、前後の関連付けたオブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0011】
本開示において、特に説明がない限り、「第1」、「第2」などの用語は、その位置関係、タイミング関係又は重要度の関係を制限することを意図せず、類似のオブジェクトを区別するためである。このように使用される用語は、ここで説明される本発明の実施例が、ここで図示又は説明されたもの以外の形態で実施できるように、適当な場合に互いに交換してもよいと理解すべきである。
【0012】
また、「含む」と「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、例えば、一連のステップやユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、必ずしも明らかに挙げられたステップやユニットに限定されず、明らかに挙げられていない、又は、これらのプロセス、方法、システム、製品やデバイスに固有の他のステップやユニットを含むことができる。
【0013】
図1は、本明細書により開示された様々な技術を実現可能な車両100の模式図である。車両100は、自動車、トラック、オートバイ、バス、ボート、飛行機、ヘリコプター、芝刈り機、掘削機、スノーモービル、航空機、RV車、遊園地用車両、農場用装置、建築用装置、トラム、ゴルフカート、列車、トロリーバス、又はその他の車両であってもよい。車両100は、完全に又は部分的に自動運転モードで運転することができる。車両100は、自動運転モードでそれ自体を制御することができ、例えば、車両100は、車両の現在の状態及び車両の位置する環境の現在の状態を確定し、当該環境における少なくとも1つの他の車両の予測される挙動を確定し、当該少なくとも1つの他の車両が予測される挙動を実行する可能性に対応する信頼レベルを確定し、確定された情報に基づいて車両100自体を制御することができる。自動運転モードにおいて、車両100は、人間とインタラクションすることなく運転することができる。
【0014】
車両100は、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、コンピューティングシステム150及び通信システム152など、種々の車両システムを含んでもよい。車両100は、より多い又はより少ないシステムを含んでもよく、それぞれのシステムは複数のユニットを含んでもよい。さらに、車両100のそれぞれのシステムとユニットとの間は、相互接続されてもよい。例えば、コンピューティングシステム150は、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148及び通信システム152のうちの1つ又は複数とデータ通信を行うことができる。これにより、車両100の1つ又は複数の説明された機能は、付加的な機能的部材又は実体的部材に分けられ、又は、数がより少ない機能的部材又は実体的部材として組み合わせることができる。更なる例において、付加的な機能的部材又は実体的部材は、図1に示される例に追加されてもよい。
【0015】
駆動システム142は、車両100に運動エネルギーを与える複数の操作可能な部材(又はユニット)を含んでもよい。一実施例において、駆動システム142は、エンジン又はモータ、車輪、変速機、電子システム、及び動力(又は動力源)を含んでもよい。エンジン又はモータは、内燃機関、電気モータ、蒸気機関、燃料電池エンジン、プロパンエンジン、又は他の形式のエンジンやモータの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、エンジンは、1つの動力源を機械的エネルギーに変換することができる。いくつかの実施例において、駆動システム142は、複数のエンジン又はモータを含んでもよい。例えば、ハイブリッド車は、ガソリンエンジンとモータを含んでもよく、他のものを含んでもよい。
【0016】
車両100の車輪は、標準車輪であってもよい。車両100の車輪は、1輪、2輪、3輪、又は自動車やトラックでの4輪のような4輪の形式を含む様々な形式の車輪であってもよい。6輪以上の車輪など、他の数の車輪であってもよい。車両100の1つ又は複数の車輪は、他の車輪とは回転方向が異なるように操作されてもよい。少なくとも1つの車輪は、変速機に固定して接続されてもよい。車輪は、金属とゴムとの組み合わせ、又は、他の物質の組み合わせを含んでもよい。変速機は、エンジンの機械的動力を車輪に伝達するように操作可能なユニットを含んでもよい。この目的のために、変速機は、歯車箱、クラッチ、差動歯車及び伝動軸を含んでもよい。変速機は、他のユニットを含んでもよい。伝動軸は、車輪にマッチングする1つ又は複数の輪軸を含んでもよい。電子システムは、車両100の電子信号を伝送又は制御するためのユニットを含んでもよい。これらの電子信号は、車両100の複数のランプ、複数のサーボ機構、複数のモータ、及び他の電子駆動又は制御装置を起動することに用いることができる。動力源は、完全に又は部分的にエンジン又はモータに動力を提供するエネルギーであってもよい。即ち、エンジン又はモータは、動力源を機械的エネルギーに変換することができる。例示的に、動力源は、ガソリン、石油、石油系燃料、プロパン、他の圧縮ガス燃料、エタノール、燃料電池、ソーラーパネル、電池及び他の電気エネルギーを含んでもよい。動力源は、付加的又は選択的に、燃料タンク、電池、コンデンサ、又はフライホイールの任意の組み合わせを含んでもよい。動力源は、車両100の他のシステムにエネルギーを提供することもできる。
【0017】
センサシステム144は、車両100の環境と条件の情報を感知するための複数のセンサを含んでもよい。例えば、センサシステム144は、慣性測定ユニット(IMU)、GNSS(全地球航法衛星システム)トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、レーダ(RADAR)、レーザレンジファインダ/LIDAR(又は他の距離測定装置)、音響センサ、超音波センサ及びカメラ(又は他の画像取込装置)を含んでもよい。センサシステム144は、車両100を監視するための複数のセンサ(例えば、酸素(O)モニタ、油量計センサ、エンジン油圧センサ、及び温度・湿度・圧力センサなど)を含んでもよい。他のセンサが設置されてもよい。1つ又は複数のセンサの位置、方向又はこの両方を更新するために、センサシステム144に含まれた1つ又は複数のセンサは、個別に駆動され、又は一括に駆動されることができる。
【0018】
IMUは、慣性加速度に基づいて車両100の位置の変化と方向の変化を感知するためのセンサの組み合わせ(例えば、加速器とジャイロスコープ)を含んでもよい。GPSトランシーバは、車両100の地理的位置を推定するための任意のセンサであってもよい。この目的のために、GPSトランシーバは、地球に対する車両100の位置情報を提供するための受信機/送信機を含んでもよい。なお、GPSは、全地球航法衛星システムの一例であるので、いくつかの実施例において、GPSトランシーバは、北斗衛星航法システムトランシーバ又はガリレオ衛星航法システムトランシーバに置き換えてもよい。レーダユニットは、無線信号により、車両100の位置する環境におけるオブジェクトを感知することができる。いくつかの実施例において、オブジェクトを感知することに加えて、レーダユニットは、車両100に近接する物体の速度と前進方向を感知することもできる。レーザレンジファインダ又はLIDARユニット(又は他の距離測定装置)は、レーザにより車両100の位置する環境における物体を感知するための任意のセンサであってもよい。一実施例において、レーザレンジファインダ/LIDARユニットは、レーザ源、レーザスキャナー及び検知器を含んでもよい。レーザレンジファインダ/LIDARユニットは、連続的(例えば、ヘテロダイン検出を使用する)又は非連続的な検出モードで動作することに用いられる。カメラは、車両100の位置する環境の複数の画像を取り込むための装置を含んでもよい。カメラは、静止画像カメラ又は動的ビデオカメラであってもよい。
【0019】
制御システム146は、車両100及びその部材(又はユニット)に対する操作を制御することに用いられる。それに応じて、制御システム146は、ステアリングユニット、動力制御ユニット、ブレーキユニット及びナビゲーションユニットなど、様々なユニットを含んでもよい。
【0020】
ステアリングユニットは、車両100の前進方向を調整する機械的な組み合わせであってもよい。動力制御ユニット(例えば、アクセルであってもよい)は、例えば、エンジンの作動速度を制御し、さらに車両100の速度を制御することに用いられてもよい。ブレーキユニットは、車両100を減速するための機械的な組み合わせを含んでもよい。ブレーキユニットは、標準的な方法で摩擦力を利用して車両を減速させることができる。他の実施例において、ブレーキユニットは、車輪の運動エネルギーを電流に変換することができる。ブレーキユニットは、他の形式を用いてもよい。ナビゲーションユニットは、車両100のために運転経路又はコースを決定するための任意のシステムであってもよい。ナビゲーションユニットは、車両100の進行中に運転経路を動的に更新することもできる。制御システム146は、付加的に又は選択的に、示されていない又は説明されていない他の部材(又はユニット)を含んでもよい。
【0021】
ユーザインタフェースシステム148は、車両100と、外部センサ、他の車両、他のコンピュータシステム及び/又は車両100のユーザとの間のインタラクションを可能にすることに用いることができる。例えば、ユーザインタフェースシステム148は、標準視覚的表示装置(例えば、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、又は他の類似のディスプレイ)、スピーカ又は他の音声出力装置、マイクロフォン又は他の音声入力装置を含んでもよい。例えば、ユーザインタフェースシステム148は、ナビゲーションインタフェース及び車両100の内部環境(例えば、温度、ファンなど)を制御するインタフェースをさらに含んでもよい。
【0022】
通信システム152は、車両100に1つ又は複数のデバイス又は周辺の他の車両と通信する方法を提供することができる。一例示的な実施例において、通信システム152は、直接又は通信ネットワークを介して、1つ又は複数のデバイスと通信することができる。通信システム152は、例えば、無線通信システムであってもよい。例えば、通信システムは、3Gセルラー通信(例えば、CDMA、EVDO、GSM/GPRS)又は4Gセルラー通信(例えば、WiMAX又はLTE)を使用してもよく、5Gセルラー通信を使用してもよい。選択的に、通信システムは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と通信することができる(例えば、WIFI(登録商標)を使用する)。いくつかの実施例において、通信システム152は、赤外線、ブルートゥース(登録商標)、又はZIGBEEを使用し、1つ又は複数のデバイス又は周辺の他の車両と直接通信することができる。様々な車載通信システムなど、他の無線プロトコルも、本願により開示される範囲内に含まれる。例えば、通信システムは、車両及び/又は道路沿いの駅とパブリック又はプライベートなデータ通信が行われる1つ又は複数の専用狭域通信(DSRC)装置、V2V装置又はV2X装置を含んでもよい。
【0023】
コンピューティングシステム150は、車両100の一部又は全ての機能を制御することができる。コンピューティングシステム150の自動運転制御ユニットは、車両100の位置する環境における潜在的な障害を認識、評価、及び回避又は乗り越えることに用いることができる。通常、自動運転制御ユニットは、運転者なしで車両100を制御し、又は運転者による車両の制御を支援することに用いることができる。いくつかの実施例において、自動運転制御ユニットは、GPSトランシーバからのデータ、レーダデータ、LIDARデータ、カメラデータ、及び他の車両システムからのデータを組み合わせることによって、車両100の走行経路又は軌跡を決定することに用いられる。自動運転制御ユニットは、車両100が自動運転モードで運転できるように作動されてもよい。
【0024】
コンピューティングシステム150は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な媒体(例えば、データ記憶装置又はメモリ)に記憶された処理命令(即ち、マシンの実行可能な命令)を実行する、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい(少なくとも1つのマイクロプロセッサを含んでもよい)。コンピューティングシステム150は、車両100の部材又はシステムを分散制御する複数のコンピューティング装置であってもよい。いくつかの実施例において、メモリには、車両100の様々な機能が実現されるようにプロセッサにより実行される処理命令(例えば、プログラムロジック)を含んでもよい。一実施例において、コンピューティングシステム150は、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、及び/又は通信システム152とデータ通信を行うことができる。コンピューティングシステムのインタフェースは、コンピューティングシステム150と、駆動システム142、センサシステム144、制御システム146、ユーザインタフェースシステム148、及び通信システム152との間のデータ通信を促進することに用いられる。
【0025】
メモリは、データを送信するための命令、データを受信するための命令、インタラクションのための命令、又は駆動システム142、センサシステム144、制御システム146又はユーザインタフェースシステム148を制御するための命令を含む、他の命令をさらに含んでもよい。
【0026】
処理命令を記憶することに加えて、メモリは、画像処理パラメータ、道路地図及び経路情報など、種々の情報やデータを記憶することができる。車両100が自動、半自動及び/又は手動モードで運転する間に、これらの情報は、車両100とコンピューティングシステム150によって使用可能である。
【0027】
自動運転制御ユニットは、プロセッサ及びメモリと別に示されているが、いくつかの実施形態において、自動運転制御ユニットのいくつか又は全ての機能は、1つ又は複数のメモリ(又はデータ記憶装置)にあるプログラムコード命令によって実現されるとともに、1つ又は複数のプロセッサによって実行されることができ、自動運転制御ユニットは、同じプロセッサ及び/又はメモリ(又はデータ記憶装置)によって実現可能な場合があると理解すべきである。いくつかの実施形態において、自動運転制御ユニットは、少なくとも部分的に、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、様々な特定用途向け集積回路(「ASIC」)、様々なリアルタイムコントローラ及びハードウェアにより実現することができる。
【0028】
コンピューティングシステム150は、様々な車両システム(例えば、駆動システム142、センサシステム144及び制御システム146)から受信した入力、又は、ユーザインタフェースシステム148から受信した入力に基づき、車両100の機能を制御することができる。例えば、コンピューティングシステム150は、制御システム146からの入力を使用してステアリングユニットを制御することで、センサシステム144により検出された障碍物を回避することができる。一実施例において、コンピューティングシステム150は、車両100及びそのシステムの複数の面を制御することに用いることができる。
【0029】
図1には車両100に積層された種々の部材(又はユニット)が示されているが、これらの部材(又はユニット)のうちの1つ又は複数は、車両100に搭載され、又は車両100に個別に関連付けられることができる。例えば、コンピューティングシステムは、一部又は全てが車両100から独立して存在することができる。これにより、車両100は、分離又は積層したデバイスユニットの形式で存在することができる。車両100を構成するデバイスユニットの間は、有線通信又は無線通信で相互通信を実現することができる。いくつかの実施例において、付加的な部材又はユニットを各システムに追加したり、システムから1つ又は複数の部材又はユニット(例えば、図1に示されるLiDAR又はレーダ)を取り外すことができる。
【0030】
本開示は、センサとコンピューティングシステムとの間にデータを伝送するためのデータ伝送装置及び当該装置を含むシステムを構想している。データ伝送装置は、第1伝送ユニットと第2伝送ユニットを含む。第1伝送ユニットは、複数のセンサインタフェースを含むとともに、前記複数のセンサインタフェースを介して複数のセンサからセンサデータを受信するように構成され、第2伝送ユニットは、コンピューティングシステムインタフェースを含むとともに、前記第1伝送ユニットから前記センサデータを受信し、前記コンピューティングシステムインタフェースを介して前記センサデータをコンピューティングシステムに送信するように構成される。センサデータを受信するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、センサインタフェース)及びセンサデータを出力するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、コンピューティングシステムインタフェース)は、異なるユニットにそれぞれ形成されているため、伝送装置の複雑さを低減し、故障を減少させることができ、伝送装置に故障が発生した場合、故障の原因を特定することに役立つ。
【0031】
図2は、本開示の例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。図2に示すように、センサシステム144は、複数のセンサ(例えば、センサ214、216、218)及びデータ伝送装置210(センサユニットとも呼ばれる)を含む。データ伝送装置210は、センサ214、216、218とコンピューティングシステム150との間に接続されている。図2には3つのセンサが示されているが、当業者であれば、センサシステム144はより多い又はより少ないセンサを含んでもよいことが理解できる。
【0032】
センサ214、216、218は、慣性測定ユニット(IMU)、全地球航法衛星システム(GNSS)トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、レーダ(RADAR)、レーザレンジファインダ/LIDAR(又は他の距離測定装置)、ソリッドステートレーザレーダ、音響センサ、超音波センサ及びカメラ又は他の画像取込装置など、自動運転車両に使用される様々なセンサを含んでもよい。センサ214、216、218は、車両を監視するための複数のセンサ(例えば、酸素(O)モニタ、油量計センサ、エンジン油圧センサ及び温度・湿度・圧力センサなど)をさらに含んでもよい。
【0033】
データ伝送装置210は、第1伝送ユニット232と第2伝送ユニット234を含んでもよい。第1伝送ユニット232及び/又は第2伝送ユニット234は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)又はシステムオンチップ(SOC)の形式で実現することができる。一実施形態において、第1伝送ユニット232及び/又は第2伝送ユニット234は、システムオンチップ(SOC)のプログラマブルロジック(PL)部分(即ち、SOC PL)で実現される。
【0034】
第1伝送ユニット232はチップ間インタフェース225を含んでもよく、第2伝送ユニット234はチップ間インタフェース227を含んでもよく、第1伝送ユニット232と第2伝送ユニット234は、チップ間インタフェース225、227によって接続されてもよい。チップ間インタフェースは、例えば、チップツーチップ(chip2chip)インタフェースであってもよく、又は、チップ間接続を実現可能な任意の高速又は高帯域幅のインタフェースであってもよい。
【0035】
第1伝送ユニット232は、センサインタフェース224、226、228など、複数のセンサインタフェースをさらに含んでもよく、それぞれのセンサインタフェースは、1つ又は複数のセンサに接続されてもよい。例えば、センサインタフェース224は、センサ214からセンサデータを受信するために、センサ214に接続されてもよく、センサインタフェース226は、センサ216からセンサデータを受信するために、センサ216に接続されてもよく、センサインタフェース228は、センサ218からセンサデータを受信するために、センサ218に接続されてもよい。第2伝送ユニット234は、コンピューティングシステム150に接続されるように、コンピューティングシステムインタフェース229を含んでもよい。コンピューティングシステム150は、自動運転制御ユニットを含んでもよい。
【0036】
センサインタフェース224、226、228とコンピューティングシステムインタフェース229のそれぞれは、コントローラローカルエリアネットワーク(CAN)インタフェース、汎用非同期送受信機(UART)インタフェース、イーサネットインタフェース(例えば、シリアルギガビットメディア非依存インタフェース(SGMII)、低減ギガビットメディア非依存インタフェース(RGMII))、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)、Base-TXインタフェース(例えば、Base-T1インタフェース)、カメラインタフェース、モバイルインダストリープロセッサインタフェース(MIPI)、集積回路バス(IIC)インタフェース、MIPIカメラシリアルインタフェース(CSI)、高速デジタルビデオインタフェース(例えば、FPD-LINK III)、高速周辺機器相互接続標準(PCIe)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、及び様々な汎用の入力/出力(GPIO)インタフェースであってもよい。
【0037】
一実施形態において、第1伝送ユニット232の各センサインタフェースは、互いに異なる(即ち、異なる伝送プロトコルが使用される)。
【0038】
一実施形態において、第1伝送ユニット232の少なくとも2つのセンサインタフェースは、互いに異なる(即ち、異なる伝送プロトコルが使用される)。
【0039】
一実施形態において、第1伝送ユニット232は、CANインタフェース、UARTインタフェース、カメラインタフェース、SPIインタフェース及びイーサネットインタフェース(例えば、SGMIIインタフェースとRGMIIインタフェース)のうちの1つ又は複数を含む。CANインタフェースは超音波センサ及び/又はIMUに接続され、UARTインタフェースはIMU及び/又はGNSSトランシーバ(例えば、GPSトランシーバ)に接続され、カメラインタフェース(例えば、MIPIインタフェース又はFPD-LINK IIIインタフェース)はカメラに接続され(又はシリアライザとデシリアライザを介してカメラに接続される)、1つのイーサネットインタフェースはソリッドステートレーザレーダに接続され、もう1つのイーサネットインタフェースはLIDAR、レーダ及び/又は超音波センサに接続され、SPIインタフェースは監視装置に接続される(監視装置は詳しく後述する)。コンピューティングシステムインタフェース229は、イーサネットインタフェース(又は、任意の他の高速又は高帯域幅インタフェース)である。
【0040】
一実施形態において、データ伝送装置210は、電源236、238及び監視装置235をさらに含む。電源236は、第1伝送ユニット232、第2伝送ユニット234及びデシリアライザ(存在する場合)に給電することに用いられる。例えば、第1伝送ユニット232と第2伝送ユニット234のそれぞれに対する電源236の給電電圧は5ボルトであってもよく、電流は25アンペアであってもよく、デシリアライザに対する電源236の給電電圧は12ボルトであってもよく、電流は7アンペアであってもよい。電源238は、例えば、監視装置235に給電するためのASIL-Dレベル標準を満たす電源であってもよい。監視装置235は、第1伝送ユニット232、第2伝送ユニット234及び電源236を監視することに用いられる。
【0041】
一実施形態において、データ伝送装置210は、イーサネットサブシステムをさらに含み、その中に、1つ又は複数のセンサ(例えば、ソリッドステートレーザレーダ、LIDAR、レーダ及び/又は超音波センサ)は、イーサネットサブシステムを介して第1伝送ユニット232に接続され、第2伝送ユニット234は、イーサネットサブシステムを介してコンピューティングシステム150に接続される。監視装置235は、第1伝送ユニット232、第2伝送ユニット234及び電源236を監視することに加えて、イーサネットサブシステムを監視することができる。
【0042】
一実施形態において、データ伝送装置210のセンサインタフェースの数は、コンピューティングシステムインタフェースの数よりも大きく、これは、特に、コンピューティングシステムのインタフェースの数が制限されている場合に有益である。コンピューティングシステムのインタフェースの数が制限されている場合、センサをコンピューティングシステムに直接接続すると、非常に限られた数のセンサしか使用できない。本願によれば、複数のセンサがデータ伝送装置210に接続され、これらのセンサは、採集されたデータをデータ伝送装置に送信し、データ伝送装置によってこれらのセンサデータをコンピューティングシステムに転送する。データ伝送装置は、センサデータを伝送するために、僅かなインタフェース(例えば、1つのインタフェースのみ)のみを使用してコンピューティングシステムに接続される。このように、車両(例えば、自動運転車両)に取付可能なセンサの数を大幅に増やすと同時に、コンピューティングシステムの限られたインタフェースを節約することができる。
【0043】
一実施形態において、少なくとも1つのセンサ(例えば、センサ214)はカメラである。カメラには、画像センサとシリアライザが含まれる。データ伝送装置210は、デシリアライザを含む。シリアライザは、同軸ケーブル又はツイストペアを介して前記デシリアライザに接続される。画像センサは、画像データを採集し、採集された画像データをシリアライザに伝送することに用いられる。シリアライザは、画像センサから受信した画像データをシリアル差分信号に変換し、シリアル差分信号をデシリアライザに送信することに用いられる。デシリアライザは、シリアライザから受信したシリアル差分信号を画像データに解析し、センサインタフェース224を介して解析された画像データを第1伝送ユニット232に送信することに用いられる。
【0044】
本願によれば、センサデータを受信するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、センサインタフェース)及びセンサデータを出力するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、コンピューティングシステムインタフェース)は、異なるユニットにそれぞれ形成される(例えば、異なるFPGA又は異なるSOC PLなどの異なるチップに形成される)ことで、データ伝送装置の複雑さを低減し、データ伝送装置に故障が発生される可能性を減少させることができ、これは自動運転車両に特に有益である。自動運転車両の走行中において、自動運転制御ユニットがセンサデータを即時取得することができない場合、壊滅的な結果を招く可能性が非常に高い。また、センサデータを受信するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、センサインタフェース)及びセンサデータを出力するためのデータ伝送装置のインタフェース(即ち、コンピューティングシステムインタフェース)は、異なるユニットにそれぞれ形成されることで、データ伝送装置の複雑さを低減することができ、データ伝送装置に故障が発生された場合、故障の原因を特定することに役立つ。
【0045】
本願によれば、監視装置235は、第1伝送ユニット232、第2伝送ユニット234、電源236及び他の部材(例えば、デシリアライザ及び/又はイーサネットサブシステム)を監視する(例えば、監視装置はこれらの部材又はユニットの電圧又は電流などを監視し、それを予め設定された閾値と比較することができる)ことで、これらの部材の故障を即時検出することができ、監視装置は、故障の性質に応じて実行すべき動作、例えば、緊急停車を判定することができる。監視装置は、故障をコンピューティングシステム又は様々な車両コントローラ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、電子制御ユニット(ECU)又は車両コントローラ(VCU))に報告し、コンピューティングシステム又はこれらの車両コントローラにより、実行すべき動作を判定してもよい。監視装置235は、セキュリティレベルが電源236よりも高い電源238により給電されるため、監視装置235の安定した動作を保証することができる。
【0046】
図3は、本開示の別の例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。図2のセンサシステムと比べ、図3のセンサシステムは、処理モジュール321と323をさらに含むことにおいて異なっている。便宜上、以下、図3のセンサシステムの図2のセンサシステムとの相違点に着目して説明する。図3に示すように、データ伝送装置310は、第1伝送ユニット332と第2伝送ユニット334を含む。第1伝送ユニット332は、センサデータを処理するための処理モジュール321を含み、第2伝送ユニット334は、センサデータを処理するための処理モジュール323を含む。処理モジュール321は、センサインタフェース224、226、228を介してセンサからセンサデータを受信して当該センサデータを処理し、チップ間インタフェース225、227を介して処理されたセンサデータを処理モジュール323に伝送し、処理モジュール323により当該センサデータをさらに処理した後、コンピューティングシステムインタフェース229を介して処理されたセンサデータをコンピューティングシステム150に伝送するように構成される。
【0047】
処理モジュール321及び/又は処理モジュール323は、全てのセンサデータを処理してもよく、又は、一部のセンサインタフェース(又は一部のセンサ)からのセンサデータのみを処理してもよい。
【0048】
一実施形態において、センサデータに対する処理モジュール321の処理は、フォーマット変換、エラーチェックなどを含む。センサデータに対する処理モジュール323の処理は、データフュージョンなどを含む。
【0049】
一実施形態において、処理モジュール321及び/又は処理モジュール323は、複数の処理サブモジュールを含み、それぞれの処理サブモジュールは、1つのセンサインタフェース又は1つのセンサタイプに対応することで、対応するセンサインタフェース(又は、対応するタイプのセンサ)から取得されたセンサデータを処理する。例えば、センサ214がカメラである場合、対応する処理サブモジュールは、カメラにより取り込まれた画像データを処理するために、様々な画像処理操作を実行することができる。類似に、センサ216がLIDARである場合、対応する処理サブモジュールは、LIDARデータ(例えば、ポイントクラウドデータ)を処理するように構成されてもよい。即ち、特定のセンサのタイプに応じて、対応する処理サブモジュールは、センサのタイプに対応する特定のプロセス又は方法で対応するセンサデータを処理するように構成されてもよい。処理モジュール321と処理モジュール323のカメラデータ(即ち、カメラにより取り込まれた画像データ)に対して実行可能な処理は、画像信号処理(ISP)、圧縮、サイズの調整、回転などを含み、LiDARにより取得されたポイントクラウドデータに対する処理は、ポイントクラウドのノイズ除去、ポイントクラウドの登録、ポイントクラウドのセグメンテーション、ポイントクラウドのマージ、ポイントクラウドの簡略化、ポイントクラウドのソート及びポイントクラウドの派生などを含む。処理モジュール321及び/又は処理モジュール323は、GPSにより取り込まれた位置データに対してノイズ除去処理を行い、又は、GPSの協定世界時(UTC)を解析することで、センサ又はコンピューティングシステムに正確なタイムスタンプを提供することもできる。
【0050】
一実施形態において、処理モジュール321と処理モジュール323は、センサデータに対して異なる処理を行う。例えば、処理モジュール321は、カメラデータに対して、自動露光制御(AEC)、自動ゲイン制御(AGC)、自動ホワイトバランス(AWB)、黒レベル補正、色補正、ノイズ除去、色補間、ガンマ補正及び/又はカラーとコントラストの強化などを含む画像信号処理(ISP)を行う。処理モジュール323は、カメラデータに対して圧縮、サイズの調整、回転などの処理を行う。本願は、処理モジュール321と処理モジュール323との間での様々なセンサデータ処理の具体的な区分を制限せず、また、センサデータに対する処理モジュール321と処理モジュール323の具体的な処理方法を制限しない。
【0051】
図4は、本開示の別の例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。図4の実施例のセンサシステムは、図3の実施例のセンサシステムと類似であるが、図4のデータ伝送装置410の第1伝送ユニット432と第2伝送ユニット434が、分析モジュール421と423、及びコンピューティングシステムインタフェース436と438をさらに含むことにおいて異なっている。便宜上、以下、図4のセンサシステムの図3のセンサシステムとの相違点に着目して説明する。
【0052】
一実施形態において、センサインタフェース224、226、228を介してセンサから受信したセンサデータは、センサ状態データとセンサ感知データ(即ち、センサにより感知又は採集された周辺環境データ、例えば、カメラにより取り込まれた画像データ、LiDARにより取り込まれたポイントクラウドデータ、又は、GPSにより取り込まれた位置データ)を含む。処理モジュール321、323は、センサ感知データ(例えば、センサにより採集された位置、画像、ポイントクラウドなどのデータ)を処理することを担当し、分析モジュール421と423は、センサ状態データを分析することを担当する。分析モジュール421は、センサインタフェース224、226、228からセンサ状態データ(例えば、センサの動作状態、センサの接続状態、センサの1秒あたりの出力フレーム数、センサの電圧又は温度などのデータ)を受信し、分析モジュール423は、チップ間インタフェース227からセンサ状態データを受信する。センサの動作状態は、例えば、センサの稼働、アイドル又は異常などを含んでもよい。分析モジュール421と423は、センサ状態データを分析することができ、例えば、センサが故障状態にあるか否かを判定するために、センサ状態データ(例えば、センサの1秒あたりの出力フレーム数、センサの電圧又は温度などのデータ)を閾値と比較する。それから、分析モジュール421と423は、それぞれコンピューティングシステムインタフェース436と438を介してコンピューティングシステム150に分析結果を報告し、又は、監視装置235に分析結果を報告することができ、監視装置235は分析モジュールの分析結果に基づいて実行すべき動作を判定することができる。
【0053】
コンピューティングシステムインタフェース436と438のそれぞれは、コントローラローカルエリアネットワーク(CAN)インタフェース、汎用非同期送受信機(UART)インタフェース、イーサネットインタフェース(例えば、シリアルギガビットメディア非依存インタフェース(SGMII)、低減ギガビットメディア非依存インタフェース(RGMII))、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)、Base-TXインタフェース(例えば、Base-T1インタフェース)、カメラインタフェース、モバイルインダストリープロセッサインタフェース(MIPI)、集積回路バス(IIC)インタフェース、MIPIカメラシリアルインタフェース(CSI)、高速デジタルビデオインタフェース(例えば、FPD-LINK III)、高速周辺機器相互接続標準(PCIe)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、及び様々な汎用の入力/出力(GPIO)インタフェースであってもよい。一実施形態において、コンピューティングシステムインタフェース229は、イーサネットインタフェース(又は、任意の他の高速又は高帯域幅インタフェース)である。
【0054】
一実施形態において、センサインタフェース224、226、228からセンサ状態データを受信する代わりに、分析モジュール421は、処理モジュール321からセンサ状態データを受信してもよい。類似に、チップ間インタフェース227からセンサ状態データを受信する代わりに、分析モジュール423は、処理モジュール323からセンサ状態データを受信してもよい。
【0055】
一実施形態において、分析モジュール421と423のそれぞれは、異なるタイプのセンサの状態データをそれぞれ分析する複数のアプリケーションプログラム(APP)を含んでもよい。例えば、1つのAPPは慣性測定ユニット(IMU)の状態データを分析することを担当し、1つのAPPは全地球航法衛星システム(GNSS)トランシーバの状態データを分析することを担当し、1つのAPPはレーダ(RADAR)の状態データを分析することを担当し、1つのAPPはLIDARの状態データを分析することを担当し、1つのAPPはソリッドステートレーザレーダの状態データを分析することを担当し、1つのAPPは音響センサの状態データを分析することを担当し、1つのAPPは超音波センサの状態データを分析することを担当し、1つのAPPはカメラの状態データを分析することを担当する。
【0056】
一実施形態において、分析モジュール421と423は、データ伝送中にデータロスなどの現象が発生したか否かを判定するために、センサインタフェース224、226、228、処理モジュール321、チップ間インタフェース225、チップ間インタフェース227、処理モジュール323、及びコンピューティングシステムインタフェース229の間のデータ伝送をさらに分析する。
【0057】
一実施形態において、センサインタフェース224、226、228とセンサ214、216、218との間には、シリアライザ又はデシリアライザなどの他の部材も存在する。この場合、分析モジュール421と423はさらに、これらの部材の状態データ(例えば、動作状態、接続状態、1秒あたりの出力フレーム数、電圧又は温度などのデータ)を分析する。
【0058】
一実施形態において、第1伝送ユニット432と第2伝送ユニット434のそれぞれは、システムオンチップ(SOC)の形式で実現することができ、システムオンチップ(SOC)は、処理システム(PS)部分(SOC PS)とプログラマブルロジック(PL)部分(SOC PL)を含んでもよい。分析モジュール421と423及びコンピューティングシステムインタフェース436と438は、システムオンチップ(SOC)の処理システム(PS)部分に位置してもよく、処理モジュール321、323、チップ間インタフェース225、227及びコンピューティングシステムインタフェース229は、システムオンチップ(SOC)のプログラマブルロジック(PL)部分に位置してもよい。センサインタフェース224、226、228は、システムオンチップ(SOC)のプログラマブルロジック(PL)部分又はシステムオンチップ(SOC)の処理システム(PS)部分に位置してもよい。
【0059】
本願の実施例によれば、センサに異常が発生された時に即時知って処理できるように、各センサの動作状態を即時把握するために、分析モジュール421と423の各APPは、対応するセンサの状態データの受信中に、リアルタイム/周期的にセンサの動作状態を分析し、当該分析結果に基づいて異常センサを確定し、アラームを発するか又は警告メッセージを生成する。さらに、分析モジュール421と423はまた、リアルタイム又は周期的に各センサの動作状態の分析結果をコンピューティングシステム150に同期する。
【0060】
本願の実施例によれば、分析モジュール421と423がセンサの動作状態を即時取得して分析することにより、センサに故障が発生された時にできるだけ早く発見することができ、それで、車両、特に自動運転車両の安全が確保される。それに対し、センサの動作状態は、分析モジュール421と423の代わりに、コンピューティングシステム150によって分析すると仮定する。そうすると、コンピューティングシステムの負荷(自動運転車両のコンピューティングシステムは、車両の走行経路又は軌跡を決定するために、大量のセンサデータを処理する必要があるため、負荷が非常に大きい)が極めて大きく増加される一方、センサの故障を分析する結果を得る時間も遅れてしまう。
【0061】
図5は、本開示の別の例示的な実施例によるセンサシステムの模式図である。図2のセンサシステムと比べ、図5のセンサシステムは、複数のデータ伝送装置を含み、それぞれのデータ伝送装置に、対応する伝送装置インタフェースが含まれることにおいて異なっている。特に、図5のデータ伝送装置510は図2のデータ伝送装置210とほぼ同じであるが、図5のデータ伝送装置510は伝送装置インタフェース526をさらに含むことにおいて異なっている。便宜上、以下、図5のセンサシステムの図2のセンサシステムとの相違点に着目して説明する。なお、図5を簡素化するために、監視装置と電源が示されていないが、当業者であれば、図5のセンサシステムのそれぞれのデータ伝送装置は、いずれも図2のセンサシステムと類似の監視装置と電源を含んでもよいことが理解できる。
【0062】
図5に示すように、センサシステム144は、複数のセンサ(例えば、センサ214、215、216、217、218)及びデータ伝送装置510と511を含む。これらのセンサは、慣性測定ユニット(IMU)、全地球航法衛星システム(GNSS)トランシーバ(例えば、全地球測位システム(GPS)トランシーバ)、レーダ(RADAR)、レーザレンジファインダ/LIDAR(又は、他の距離測定装置)、ソリッドステートレーザレーダ、音響センサ、超音波センサ及びカメラ又は他の画像取込装置など、自動運転車両に使用される様々なセンサを含んでもよい。これらのセンサは、車両100を監視するための複数のセンサ(例えば、酸素(O)モニタ、油量計センサ、エンジン油圧センサ及び温度・湿度・圧力センサなど)をさらに含んでもよい。コンピューティングシステム150は、コンピューティング装置151と152を含む。コンピューティング装置151と152は、いずれもメモリ、プロセッサ及び自動運転制御ユニットを含んでもよい。データ伝送装置510は、センサ214、216、218とコンピューティング装置151との間に接続されている。データ伝送装置511は、センサ215、217とコンピューティング装置152との間に接続されている。図2には5つのセンサが示されているが、当業者であれば、センサシステム144はより多い又はより少ないセンサを含んでもよいことが理解できる。
【0063】
一実施形態において、チップ間インタフェース227を介してチップ間インタフェース225から受信したデータは、コンピューティングシステムインタフェース229を介してコンピューティング装置151に送信されることに加えて、伝送装置インタフェース526、528及びコンピューティングシステムインタフェース289を介してコンピューティング装置152に送信される。同様に、チップ間インタフェース287を介してチップ間インタフェース285から受信したデータは、コンピューティングシステムインタフェース289を介してコンピューティング装置152に送信されることに加えて、伝送装置インタフェース528、526及びコンピューティングシステムインタフェース229を介してコンピューティング装置151に送信される。
【0064】
一実施形態において、データ伝送装置511は、データ伝送装置510と同様の構造を有する。
【0065】
一実施形態において、データ伝送装置511とデータ伝送装置510は、異なる構造を有する。例えば、データ伝送装置511のチップ間インタフェース285、287、コンピューティングシステムインタフェース289及び伝送装置インタフェース528はそれぞれ、データ伝送装置510のチップ間インタフェース225、227、コンピューティングシステムインタフェース229及び伝送装置インタフェース526と同じであるが、データ伝送装置511は、データ伝送装置510よりも少ないセンサインタフェースを有する。即ち、伝送ユニット274と伝送ユニット234は同じであるが、伝送ユニット272と伝送ユニット232に含まれるセンサインタフェースの数が異なる。
【0066】
一実施形態において、伝送装置インタフェース526、528のそれぞれは、コントローラローカルエリアネットワーク(CAN)インタフェース、汎用非同期送受信機(UART)インタフェース、イーサネットインタフェース(例えば、シリアルギガビットメディア非依存インタフェース(SGMII)、低減ギガビットメディア非依存インタフェース(RGMII))、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)、Base-TXインタフェース(例えば、Base-T1インタフェース)、カメラインタフェース、モバイルインダストリープロセッサインタフェース(MIPI)、集積回路バス(IIC)インタフェース、MIPIカメラシリアルインタフェース(CSI)、高速デジタルビデオインタフェース(例えば、FPD-LINK III)、高速周辺機器相互接続標準(PCIe)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、及び様々な汎用の入力/出力(GPIO)インタフェースであってもよい。
【0067】
図5には、データ伝送装置511とデータ伝送装置510が異なるセンサに接続されていることが示されているが、当業者であれば、データ伝送装置511とデータ伝送装置510は、同じセンサに接続され(例えば、データ伝送装置511とデータ伝送装置510は、いずれもセンサ214、215、216、217及び218に接続される)、又は、データ伝送装置511とデータ伝送装置510は、センサの同じ部分に接続されてもよいことが理解できる。
【0068】
一実施形態において、伝送ユニット232と272は、センサインタフェースとチップ間インタフェースとの間に、いずれも図3の処理モジュール321と類似の処理モジュールを有し、伝送ユニット234と274は、チップ間インタフェースとコンピューティングシステムインタフェースとの間に、いずれも図3の処理モジュール323と類似の処理モジュールを有する。
【0069】
一実施形態において、伝送ユニット232と272は、いずれも図4の分析モジュール421及びコンピューティングシステムインタフェース436と類似の分析モジュール及びコンピューティングシステムインタフェースを有し、伝送ユニット234と274は、いずれも図4の分析モジュール423及びコンピューティングシステムインタフェース438と類似の分析モジュール及びコンピューティングシステムインタフェースを有する。
【0070】
本願によれば、複数のデータ伝送装置がそれぞれコンピューティング装置に接続され、これらのデータ伝送装置とコンピューティング装置がデータを共有することで、1つのデータ伝送装置又は1つのコンピューティング装置に故障が発生された場合に、自動運転車両が安全に走行し続けることを保証することができる。
【0071】
図面を参照して本開示の例示的な実施例又は例を説明したが、上記の例示的な説明は、網羅的であること、又は、本発明を開示された具体的な形態に制限することを意図しないと理解すべきである。上記の教示された内容に基づいて、多くの修正や変形が可能である。従って、開示された主旨は、本明細書に記載の任意の単一の実施例又は例に限定されるべきではなく、添付される特許請求の範囲の幅と範囲に基づいて解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5