(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022127447
(43)【公開日】2022-08-31
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220824BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025608
(22)【出願日】2021-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】000106324
【氏名又は名称】サンスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100163577
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 正人
(72)【発明者】
【氏名】新見 隼人
(72)【発明者】
【氏名】竹内 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】西村 翔
(72)【発明者】
【氏名】鈎 美智
(72)【発明者】
【氏名】上田 誓子
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザに商品の必要性や効果をデータで明確に示すことができ、ユーザの商品購入意欲をより高めることのできる情報処理システムを提供せんとする。
【解決手段】年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量を記憶する記憶部と、ユーザの髪を分析して測定された亜鉛含有量を取得する測定データ取得部と、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、および前記記憶部の年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、該測定されたユーザの髪の亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する年齢判定部と、判定された前記年齢又は年齢区分の情報を含む、髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する情報出力部とを備え、ユーザの髪の亜鉛含有状態のチェックを支援する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量を記憶する記憶部と、
ユーザの髪を分析して測定された亜鉛含有量を取得する測定データ取得部と、
測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、および前記記憶部の年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、該測定されたユーザの髪の亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する年齢判定部と、
判定された前記年齢又は年齢区分の情報を含む、髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する情報出力部とを備え、
ユーザの髪の亜鉛含有状態のチェックを支援する情報処理システム。
【請求項2】
前記記憶部から所定の若い年齢または年齢区分の平均的な亜鉛含有量を抽出し、該平均的な亜鉛含有量に対する、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の比率を算出する比率算出部を備え、
前記情報出力部は、前記髪の亜鉛年齢に関する情報として、前記算出された比率の情報を出力する、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザの年齢を含むユーザ情報を入力するユーザ情報入力部と、
前記年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、平均的な髪の亜鉛含有量又は該含有量に応じた値の加齢による推移を示すグラフを生成するとともに、該グラフに、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の対応する前記グラフ上の位置の表示を加えるグラフ生成部を備え、
前記情報出力部は、前記髪の亜鉛年齢に関する情報として、前記作成されたグラフを出力する、請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
髪に関するユーザの悩みの情報を入力する悩み情報入力部と、
前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、又は前記判定されたユーザの亜鉛年齢と、前記悩みの情報とに基づき、当該ユーザ向けの髪の亜鉛不足または亜鉛維持に関するケアの助言を生成する助言データ生成部とを備え、
前記情報出力部は、前記髪の亜鉛年齢に関する情報とともに前記生成された助言データを出力する、請求項1~3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
ユーザからの髪の亜鉛含有状態のチェックの依頼を受ける受注処理部と、
ユーザの髪を取得するための返信封筒の送受を管理するサンプル取得管理部と、
を備える、請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記返信封筒が、亜鉛含有ヘアケア商品とともに提供されるものである、請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量を記憶する記憶部を有したシステムにより実行される情報処理方法であって、
ユーザの髪を分析して測定された亜鉛含有量を取得する測定データ取得手順と、
測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、および前記記憶部の年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、該測定されたユーザの髪の亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する年齢判定手順と、
判定された前記年齢又は年齢区分の情報を含む、髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する情報出力手順とを含む情報処理方法。
【請求項8】
請求項1~6の何れか1項に記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記測定データ取得部、上記年齢判定部、及び上記情報出力部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの髪の亜鉛含有状態のチェックを支援する情報処理システム、情報処理方法、及び前記情報処理システムとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、毛髪にハリやコシ感を付与し、優れた手触り感と柔軟性を付与しうるものとして、亜鉛を含有した毛質改善用組成物や育毛用組成物が提供されている(たとえば特許文献1、2等参照。)。
【0003】
しかし、このような亜鉛含有商品を購入したユーザは、その効果については感覚的に多少実感できたとしても、その効果やそもそもの必要性を確かめる手段が無く、各ユーザの状況によっては、購入意欲がなかなか沸きにくい、或いは購入しても次の購入に続かない、という課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-24988号公報
【特許文献2】特開2018-104319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ユーザに商品の必要性や効果をデータで明確に示すことができ、ユーザの商品購入意欲をより高めることのできるシステムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量を記憶する記憶部と、ユーザの髪を分析して測定された亜鉛含有量を取得する測定データ取得部と、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、および前記記憶部の年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、該測定されたユーザの髪の亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する年齢判定部と、判定された前記年齢又は年齢区分の情報を含む、髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する情報出力部とを備え、ユーザの髪の亜鉛含有状態のチェックを支援する情報処理システム。
【0007】
(2) 前記記憶部から所定の若い年齢または年齢区分の平均的な亜鉛含有量を抽出し、該平均的な亜鉛含有量に対する、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の比率を算出する比率算出部を備え、前記情報出力部は、前記髪の亜鉛年齢に関する情報として、前記算出された比率の情報を出力する、(1)記載の情報処理システム。
【0008】
(3) 前記ユーザの年齢を含むユーザ情報を入力するユーザ情報入力部と、前記年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、平均的な髪の亜鉛含有量又は該含有量に応じた値の加齢による推移を示すグラフを生成するとともに、該グラフに、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の対応する前記グラフ上の位置の表示を加えるグラフ生成部を備え、前記情報出力部は、前記髪の亜鉛年齢に関する情報として、前記作成されたグラフを出力する、(1)又は(2)記載の情報処理システム。
【0009】
(4) 髪に関するユーザの悩みの情報を入力する悩み情報入力部と、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、又は前記判定されたユーザの亜鉛年齢と、前記悩みの情報とに基づき、当該ユーザ向けの髪の亜鉛不足または亜鉛維持に関するケアの助言を生成する助言データ生成部とを備え、前記情報出力部は、前記髪の亜鉛年齢に関する情報とともに前記生成された助言データを出力する、(1)~(3)の何れかに記載の情報処理システム。
【0010】
(5) ユーザからの髪の亜鉛含有状態のチェックの依頼を受ける受注処理部と、ユーザの髪を取得するための返信封筒の送受を管理するサンプル取得管理部と、を備える、(1)~(4)の何れかに記載の情報処理システム。
【0011】
(6) 前記返信封筒が、亜鉛含有ヘアケア商品とともに提供されるものである、(5)記載の情報処理システム。
【0012】
(7) 年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量を記憶する記憶部を有したシステムにより実行される情報処理方法であって、ユーザの髪を分析して測定された亜鉛含有量を取得する測定データ取得手順と、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、および前記記憶部の年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、該測定されたユーザの髪の亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する年齢判定手順と、判定された前記年齢又は年齢区分の情報を含む、髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する情報出力手順とを含む情報処理方法。
【0013】
(8) (1)~(6)の何れかに記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記測定データ取得部、上記年齢判定部、及び上記情報出力部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0014】
以上にしてなる本願発明によれば、ユーザの髪を分析して測定された亜鉛含有量を取得し、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、および年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づいて、ユーザの髪の亜鉛年齢に関する情報を提供できるので、ユーザに商品の必要性や効果をデータで明確に示すことができ、ユーザの商品購入意欲をより高めることができる。
【0015】
特に、所定の若い年齢または年齢区分の平均的な亜鉛含有量に対する、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の比率を提供することで、ユーザに対し、亜鉛年齢の状態をより明確に把握してもらうことができる。
【0016】
また、平均的な髪の亜鉛含有量又は該含有量に応じた値の加齢による推移を示すグラフを生成するとともに、該グラフに、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の対応する前記グラフ上の位置の表示を加えることで、ユーザに対し、亜鉛年齢の状態をさらに明確に把握してもらうことができる。
【0017】
また、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量、又は前記判定されたユーザの亜鉛年齢と、悩みの情報とに基づき、当該ユーザ向けの髪の亜鉛不足または亜鉛維持に関するケアの助言をする場合、より直接的に、ケアの必要なユーザに対して商品の購入を提案をすることができる。
【0018】
また、亜鉛含有ヘアケア商品とともに提供される返信封筒により、ユーザの髪サンプルを入手して亜鉛含有量を測定するものでは、より意識の高いユーザに対して、亜鉛含有測定サービスを提供することができ、より見込みの高いユーザに対して商品のアピールを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の代表的な実施形態にかかる情報処理システムの概略構成を示すブロック図。
【
図3】ユーザの情報やアンケート回答を記入する記入用紙の一例を示す図。
【
図4】(a)は、過去に測定され、記憶管理されている髪の亜鉛含有量の情報を示し、(b)は年代(年齢区分)ごとの平均値を算出し、記憶された情報を示す。
【
図5】(a)は、年代別の平均亜鉛含有量の推移と、20代の数値に対する各年代の数値の比率(「減少率」)を算出した表を示し、(b)は、ユーザA,B,Cの場合の数値を示す表を示す。
【
図6】
図5(a)のデータに基づき作成される年代別の推移と、特定のユーザの数値を位置付けたグラフ。
【
図7】ユーザの髪の亜鉛含有量、悩みの有無に応じて判定・選択される、助言内容を示す図。
【
図9】ユーザ(「お客様」)A~Cの亜鉛年齢の判定結果、20代平均からの減少率、亜鉛年齢算出グラフを説明する図。
【
図10】情報処理システムによる処理手順を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
本実施形態にかかる情報処理システム1は、
図1に示すように、処理装置10、記憶手段11、通信制御部12を備えた、単または複数の情報処理装置で構成されており、ユーザの髪の亜鉛年齢を判定し、亜鉛含有状態のチェックを支援するものである。具体的には処理装置10を中心に、記憶手段11、ポインティングデバイスやキーボード、タッチパネルなどの入力手段、ディスプレイなどの表示手段などを備えるコンピュータ装置である。このような情報処理装置は、ヘアケア商品を販売している店舗や当該商品を製造/販売する会社や業務委託先の会社、髪の亜鉛含有量を測定する会社などに設置される専用/汎用のコンピュータ、例えばサーバコンピュータなどである。
【0022】
処理装置10は、マイクロプロセッサなどのCPUを主体に構成され、図示しないRAM、ROMからなる記憶部を有して各種処理動作の手順を規定するプログラムや処理データが記憶される。記憶手段11は、情報処理システム1内外のメモリやハードディスクなどからなる。情報処理システム1に通信接続された他のコンピュータのメモリやハードディスクなどで一部又は全部の記憶部の内容を記憶してもよい。
【0023】
処理装置10は、機能的には、ユーザからの髪の亜鉛含有状態チェックの依頼を受け付け処理する受注処理部10aと、ユーザの髪サンプルの返信封筒の送受の情報を管理するサンプル取得管理部10bと、ユーザ情報を入力処理するユーザ情報入力部10cと、ユーザの亜鉛含有量を取得する測定データ取得部10dと、ユーザの亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する年齢判定部10eと、ユーザの亜鉛含有量の所定年齢又は年齢区分の平均値に対する比率を算出する比率算出部10fと、ユーザの亜鉛含有量をグラフ表示するグラフ生成部10gと、ユーザの亜鉛含有量に関する情報に基づき当該ユーザへの助言を生成する助言データ生成部10hと、ユーザの髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する情報出力部10iとを備えており、これらの処理機能は上記プログラムにより実現される。
【0024】
記憶手段11は、年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量を記憶する平均亜鉛含有量記憶部11aと、受注処理部10aが処理する受注情報を記憶する受注情報記憶部11bと、ユーザ情報入力部10cで入力されるユーザの各種情報を記憶するユーザ情報記憶部11cとを備え、受注情報記憶部11bはサンプル管理情報記憶部111を備え、ユーザ情報記憶部11cは、測定データ取得部10dで取得処理される測定データを記憶する測定データ記憶部112、年齢判定部10eで判定された結果や比率算出部10fの算出結果などを記憶する判定・算出結果記憶部113、グラフ生成部10gで生成されたグラフデータや助言データ生成部10iが生成した助言データなどを記憶するグラフ・助長生成データ記憶部114を備える。
【0025】
受注処理部10aは、ユーザのスマートフォンやパーソナルコンピュータから入力される、髪の亜鉛含有状態のチェックの依頼を受けつけ、受注情報として受注情報記憶部11bに記憶管理する。ユーザからの入力は、具体的にはWebサイトなどを通じて、亜鉛を髪に供給するシャンプーなど亜鉛導入ヘアケア商品のサンプル(たとえば1週間分の試供品)の使用申し込みの入力欄などを通じて入力される。ここでは商品サンプルとしているが、サンプルではなく販売商品そのものでもよい。
【0026】
申し込みに応じてユーザに発送される商品サンプルには、ユーザの髪サンプルを入れて所定の住所に送ってもらうための返信封筒と、
図2に例示するように髪サンプルを採取する方法や送付手順などを記載した説明用紙(案内書)2、
図3に例示するように、ユーザの氏名、性別、生年月日、年齢、連絡先等のユーザ基本情報や、ユーザの髪サンプル採取時の毛髪の状態(カラーリングの時期、パーマの時期、脱色の時期、カラーリンス等の使用時期、サプリメントの摂取時期など)、その他生活習慣や髪や頭皮についての悩みについてのアンケートなどの情報の記入用紙3が同梱される。これら説明用紙2や記入用紙3を同梱する代わりに、Web上でユーザが直接入力できるようにしてもよい。
【0027】
サンプル取得管理部10bは、受注に応じてユーザに商品サンプルを発送したり、ユーザからの髪サンプルを入れた返信封筒の受領した旨の情報などを受注情報記憶部11bのサンプル管理情報記憶部に記憶処理する。情報の入力は、ユーザの商品サンプルを受け取った機関の担当者が入力すればよい。
【0028】
ユーザ情報入力部10cは、上記髪サンプルの返信封筒とともにユーザから送られてきた、
図3に例示した記入用紙3の記入内容に基づき、担当者が上記ユーザの氏名、性別、生年月日、年齢、連絡先等のユーザ基本情報、ユーザの髪サンプル採取時の毛髪の状態(カラーリングの時期、パーマの時期、脱色の時期、カラーリンス等の使用時期、サプリメントの摂取時期など)、その他生活習慣や髪や頭皮についての悩みについてのアンケートなどの情報を入力し、その入力に基づき、ユーザ情報記憶部11cに記憶処理する。
【0029】
これら入力をユーザがWeb上で直接入力する場合は、該入力に基づいて直接ユーザ情報記憶部11cに記憶処理すればよい。特に、悩みについてのアンケート結果情報の処理(悩み情報入力部101)については、上記記入用紙3の悩みの記入欄30の記入内容に基づいて担当者が入力したものを処理することに加え、いつでもWeb上でユーザが入力し、これを直接記憶処理することが好ましい。
【0030】
測定データ取得部10dは、ユーザの髪サンプルが入った返信封筒を受け取って中身の髪サンプルを分析し、亜鉛含有量を測定する測定機関や、その他の会社の担当者が、その分析結果である測定された亜鉛含有量に関するデータを入力し、該入力に基づい該データをユーザ情報記憶部11cの測定データ記憶部112に記憶処理する。なお、亜鉛含有量の分析方法は、たとえば蛍光X線分析法や誘導結合プラズマ質量分析法など、公知の種々の方法が採用できる。
【0031】
年齢判定部10eは、測定データ記憶部112に記憶されているユーザの髪の亜鉛含有量、および平均亜鉛含有量記憶部11aに記憶されている、年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づいて、ユーザの亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する。
【0032】
ここで、平均亜鉛含有量記憶部11aの平均的な髪の亜鉛含有量の情報は、例えば
図4(a)に示すような過去に測定され、記憶管理されている数の人の髪の亜鉛含有量(ここでは「Zn強度」としているが、測定装置などによってその指標が異なってもよく、亜鉛含有量を示す同じ指標の比較可能なデータであればよい。)の情報と、該蓄積データから
図4(b)に示すように年代(年齢区分)ごとの平均値を算出し、記憶された情報である。
【0033】
そして、年齢判定部10eによる判定の手法は、例えば、ユーザの亜鉛含有量が30代の平均値より高い数値であれば「20代」、30代の平均値以下で40代の平均値より高い数値であれば「30代」、40代の平均値以下で50代の平均値より高い数値であれば「40代」、50代の平均値以下の場合は「50代以上」として、その年齢区分を判定し、これを「亜鉛年齢」と称する。判定手法は、このような例に何ら限定されない。本例では、20歳代、30歳代・・で区分して判定しているが、20歳以下、21歳~25歳、26歳~30歳、31歳~・・・のような区分や、2000年代、2010年代・・の区分、その他の区分でも勿論よい。
【0034】
たとえば、
図9に示すように、22歳、亜鉛測定量(Zn強度)が32.7のユーザAの場合、
図4(b)で例示した50代の平均値(35.1)以下であるので、亜鉛年齢を「50代以上」と判定する。また、47歳、亜鉛測定量(Zn強度)が37.1のユーザBの場合、
図4(b)で例示した30代の平均値(37.3)以下で40代の平均値「36.5」より高い数値であるので、亜鉛年齢を「30代」と判定する。また、34歳、亜鉛測定量(Zn強度)が40.2のユーザCの場合、
図4(b)で例示した30代の平均値「37.3」より高い数値であるので、亜鉛年齢を「20代」と判定する。
【0035】
比率算出部10fは、平均亜鉛含有量記憶部11aから所定の若い年齢または年齢区分の平均的な亜鉛含有量、たとえば亜鉛量のピークである20代の平均亜鉛含有量「37.6」(
図4(b)の例の場合)を抽出し、該平均的な亜鉛含有量に対する、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の比率を算出する。具体的には、たとえば上記ユーザAは亜鉛含有量が32.7であり、20代の平均亜鉛含有量の数値を100%とした上記比率は87.0%となる。同様にユーザBは亜鉛含有量が37.1であり、上記比率は98.7%となる。ユーザCは亜鉛含有量が40.2であり、上記比率は107%となる。
【0036】
グラフ生成部10gは、平均亜鉛含有量記憶部11aの平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、髪の亜鉛含有量の加齢による推移を直接または間接的に示すグラフを生成するとともに、該グラフ上に、ユーザの亜鉛含有量のデータを位置づけて表示したものを生成する。
【0037】
たとえば、
図5(a)は、年代別の平均亜鉛含有量の推移と、20代の平均的な数値に対する各年代の数値の比率(「減少率」)を算出した表であり、
図5(b)は、上記したユーザA,B,Cの場合の数値を示す表である。
図6は、
図5(a)のデータに基づき作成される年代別の推移と、特定のユーザの数値を位置付けたグラフである。なお、グラフでは、亜鉛含有量のデータを直接示すのではなく、「髪の亜鉛年齢」として間接的に(亜鉛含有量そのものを示すのではなくこれに応じた(比例する)指標を使用して)示した例である。
【0038】
助言データ生成部10hは、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量又は亜鉛年齢と、ユーザから取得した悩みの情報とに基づき、当該ユーザ向けの髪の亜鉛不足または亜鉛維持に関するケアの助言を生成する。たとえば
図7に示すように、亜鉛含有量の多少と悩みの有無に応じて選択される助言内容41~44を、あらかじめ用意した例であり、助言データ生成部10hがユーザの髪の亜鉛含有量、悩みの有無に応じて、
図7の4つの助言内容41~44の中からユーザに適した助言内容を判定・選択する。
【0039】
本例では、測定結果と悩みの内容に応じて助言内容を提供するが、一方の情報に基づいて提供することも勿論可能である。また、助言データ生成部10hは、機械学習機構を有し、該機械学習機構による学習結果を参照して判定することも好ましい例である。機械学習機構の学習方法は、ニューラルネットワークによるディープラーニングなどの任意の手法を用いることができる。
【0040】
情報出力部10iは、判定された年齢又は年齢区分の情報を含む、髪の亜鉛年齢に関する情報を出力する。たとえば、
図8に示すような、測定結果レポート5として出力し、ユーザに提示する(ユーザの端末に送信する。電子メール等でもよい。)。レポート5には、年齢判定部10eにより判定された年齢又は年齢区分の情報(本例では亜鉛年齢)の表示部51や、比率算出部10fで算出された比率の表示部52、グラフ生成部10gで生成されたグラフの表示部53、助言データ生成部10hで生成された助言内容の表示部54が含まれ、その他、亜鉛の必要性(加齢により髪の亜鉛量が減少し、ハリやコシの低下の原因になる等)や、口から摂取した亜鉛が大半は排出されてしまい、髪に届きにくい事実などについての学術的な説明の表示部55や、亜鉛を補充できるヘアケア商品の紹介・提案についての表示部56、入手方法の説明などの表示部57が適宜含まれる。レポート5を提供して終わりではなく、ユーザに適した商品を提案する電子メール等を、所定の時間をあけてユーザに配信することも好ましい。
【0041】
なお、亜鉛を補充するヘアケア商品等の商品を複数種用意し、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量又は亜鉛年齢、およびユーザから取得した悩みの情報の一方又は双方に基づき、当該ユーザ向けの商品を例示することも好ましい例である。たとえば、髪の亜鉛量が少なく、ボリュームに悩みがあるユーザには、ボリュームアップ剤を推奨したり、亜鉛量にかかわらず、抜け毛や薄毛に対する悩みがある場合は育毛剤を推奨したり、髪の亜鉛量が少なく、頭皮のフケや乾燥に悩みがある場合は、シャンプーと育毛剤のセットを推奨したりすることが好ましい。
【0042】
以上の説明は、ユーザが商品サンプルを申し込み、その際に亜鉛年齢チェックのサービスを申し込む場合について説明したが、本発明はこのような場合に何ら限定されるものではなく、たとえばユーザが定期購入者である場合(すでにユーザの基本情報が入手されている場合)に対する「髪の亜鉛年齢」チェックの実施を行うことも勿論できる。
【0043】
すなわち、亜鉛補充用のヘアケア商品をすでに購入しているユーザに対して、定期的な亜鉛年齢チェックの特典を付与するのである。これにより当該ユーザの髪の亜鉛年齢の変化を経時的に把握でき、過去の亜鉛濃度に関する情報との比較が可能で、ユーザに対し当該ヘアケア商品の使用による効果をデータで示すことができ、商品の継続購入の機会が得られるとともに、データの蓄積が増え、商品開発にもフィードバックできる。
【0044】
図10は、本実施形態の情報処理システム1による処理手順を示すフロー図である。
【0045】
まず、ユーザのスマートフォンやパーソナルコンピュータから入力される、髪の亜鉛含有状態のチェックの依頼があると、受注処理部10aは、これを受けつけ、受注情報として受注情報記憶部11bに記憶管理する(S101)。申し込みに応じて、信用封筒と説明用紙(案内書)2と記入用紙3が同梱された商品サンプルがユーザに発送されるが、サンプル取得管理部10bは、商品サンプルの発送をサンプル管理情報記憶部で管理する(S102)。
【0046】
ユーザから返信封筒で髪サンプルを受け取ると、サンプル取得管理部10bは、髪サンプルの受領をサンプル管理情報記憶部で管理する。髪サンプルは、亜鉛測定装置で亜鉛含有量が測定される(S103)。
【0047】
ユーザ情報入力部10cは、返信封筒とともにユーザから送られてきた記入用紙3の情報を担当者が入力することで、その入力に基づきユーザ情報記憶部11cに記憶処理する(S104)。また、測定データ取得部10dは、測定された亜鉛含有量に関するデータを担当者が入力することで、その入力に基づきデータをユーザ情報記憶部11cの測定データ記憶部112に記憶処理する(S105)。
【0048】
次に、年齢判定部10eは、ユーザの髪の亜鉛含有量、および年齢に応じた平均的な髪の亜鉛含有量の情報に基づき、ユーザの亜鉛含有量に対応する年齢又は年齢区分を判定する(S106)。また、比率算出部10fが、平均的な亜鉛含有量に対する、前記測定されたユーザの髪の亜鉛含有量の比率を算出する(S107)。
【0049】
また、グラフ生成部10gは、髪の亜鉛含有量の加齢による推移を示すグラフを生成し、該グラフ上にユーザの亜鉛含有量のデータを位置づける(S108)。また、助言データ生成部10hは、測定されたユーザの髪の亜鉛含有量又は亜鉛年齢と、ユーザから取得した悩みの情報とに基づき、当該ユーザ向けの髪の亜鉛不足または亜鉛維持に関するケアの助言を生成する(S109)。
【0050】
情報出力部10iは、年齢判定部10eにより判定された年齢又は年齢区分の情報(本例では亜鉛年齢)、比率算出部10fで算出された比率、グラフ生成部10gで生成されたグラフ、助言データ生成部10hで生成された助言内容を含むレポートを作成し、表示する(S110)。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、例えば、処理装置をコンピュータによるソフトウエア処理で構成する代わりに、一部又は全部をハードウエア処理回路で構成することも好ましく、この場合、機械学習機構として人工知能用処理回路を用いることもでき、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
1 情報処理システム
2 説明用紙
3 記入用紙
5 測定結果レポート
10 処理装置
10a 受注処理部
10b サンプル取得管理部
10c ユーザ情報入力部
10d 測定データ取得部
10e 年齢判定部
10f 比率算出部
10g グラフ生成部
10h 助言データ生成部
10i 情報出力部
10i 助言データ生成部
11 記憶手段
11a 平均亜鉛含有量記憶部
11b 受注情報記憶部
11c ユーザ情報記憶部
12 通信制御部
30 記入欄
41~44 助言内容
51~57 表示部
101 悩み情報入力部
111 サンプル管理情報記憶部
112 測定データ記憶部
113 判定・算出結果記憶部
114 グラフ・助長生成データ記憶部